大辞典

  メニュー

 TOPページ 

 日本情報 

 海外事情 

 辞典 

 粉体用語辞典 

 医学の話 

 科学の話 

 食品の話 

 知識の宝箱 

 メモ帳 



更新日:
 2013年2月24日







◎1分間当りの最大吸収エネルギー(maximum heat dissipation capacity)
 (機械)連続(繰り返し)使用時の1分間当りの最大吸収エネルギー。

◎90%死滅時間(D値:decimal reduction time)
 ある処置によって対象微生物の90%を死滅させるために必要な時間(一般に分で表す)である。上で述べたように微生物を常用対数で表すと、ひとつの処理によって生き残る微生物は、最初の数の大小にかかわらず同じ勾配をもって直線的に減少する。
 90%死滅とは、10%が生き残ること、あるいは生きた微生物の数が1/10に減ることでもある。つまりある処理によって、たとえば100,000個の微生物が10,000個、100個が10個に減じることである。したがって、グラフをつくれば、D値は図より簡単に求めることができる。

◎α-オレフィンスルホン酸ナトリウム(AOS)
 α-オレフィンのスルホン化によって得られ、アルケニルスルホン酸ナトリウムとヒドロキシアルカンスルホン酸ナトリウムの混合物。洗浄力、起泡力、乳化力にすぐれ、かつ生分解性が良好なため、家庭用各種界面活性剤用に使用されている。主な用途は家庭用界面活性剤、化粧品、香粧品基材、原毛洗浄剤、故紙脱墨剤、各種油剤原料など。
 メーカー:一方社油脂、ライオン、花王、三洋化成、第一工業製薬、日本油脂など。

◎ABS樹脂(acrylonitrile - butadiene - styrene copolymer:ABS resin)
 アクリロニトリル・ブタジェン・スチレン樹脂。スチレン(約45%)、アクリロニトリル(約25%)、ブタジエン(約30%)の共重合樹脂。特にブタジエンの比率をかえることにより、性質は大幅に変化し、高衝撃品種から高剛性品種までできる。特殊グレードとして耐熱、透明、メッキ用のグレードがある。金属に代わる耐衝撃性樹脂として開発された。パソコンの外枠や自動車の内装に使われる。塩化ビニル樹脂の衝撃性改善にも用いられる。
 ABS樹脂は、ポリアクリロニトリルが持つ剛性、耐薬品性、耐熱性、ポリスチレンが持つ成形性、表面外観、ポリブタジエンが持つ耐衝撃性,耐寒性がバランスよくミックスした樹脂特性をもっています。ABS樹脂は、組成、構造などポリマーを設計する上で、きわめて広範囲に変性させることが可能であり、自動車部品、各種電気製品、日用品、雑貨などに広範囲に使用されています。
 食品関連用途としては、ジューサーミキサー、コーヒーミル、コーヒーメーカー等の部品、電気冷蔵庫、電子レンジの部品などの他、ポット、ジャー、浄水器、米びつ計量機、漆器などがあります。

◎anonymous ftp サイト(アノニマス・エフティーピー)(1998年8月28日)
 FTPを使って誰でも匿名(anonymous)でフリーソフトウエア、またはシェアウエアをとってくることができるインターネット上のコンピュータのこと。なるべく距離的に近いanonymousftpサイトから取って来るのが望ましい。anonymousftpサーバーともいう。

◎approach temperature
 アプローチ温度。平衡温度からのズレを示す。触媒の初期活性ではアプローチ温度は0℃であるが、活性が低下していくと平衡状態からのズレが増大するので、設計では適切なアプローチ温度を設定する必要がある。

◎Archie(アーキー)(1998年8月28日)
 インターネット上のソフトウエアの検索システム。あるソフトウエア・データがどのanonymousftpサイトに置かれているか、そしてそのサイトのハードディスクのどの場所にあるかを検索できる。

◎ARコート(Anti-Reflection coat)
 低反射帯電防止コート。OA機器のディスプレイ表面(ガラス、アクリル、ポリカーボネートなど)に施される表面処理のこと。ノングレア処理とも呼ばれる。

◎AS樹脂(アクリロニトリル・スチレン樹脂:AS resin)
 スチレンモノマーとアクリロニトリルの共重体であり、GPPS(ポリスチレン)にほぼ近い透明性をもつ。GPPSと比較して、強度、耐候性、耐薬品性、耐熱性などに優れている。
 AS樹脂は、スチレンとアクリロニトリルとの共重合体でスチレン系の熱可塑性樹脂です。すなわち、AS樹脂は、スチレンとアクリロニトリルという2種類のモノマーが一定の比率で混ぜ合わされて結合し、高分子になったもので、ポリスチレンに似て硬く、やや黄味を帯びた透明な樹脂です。ポリスチレンより優れた耐化学薬品性、耐熱性を有し表面が傷付きにくいという特徴があり、各種の形状に射出成形することができますので、食品関連分野にも幅広く使用されています。
 冷蔵庫低温ケース、肉皿、ウォータークーラー部品、ジューサー、コーヒーメーカー部品等の家庭電器製品や日用雑貨類に使用されています。

◎BB留分(butane-butene fraction)
 ナフサ分解及びFCCで副生するガス中に含まれるブタン・ブチレン留分。主としてブタジエンの抽出原料として使用され、ブタジエン抽出後のスペントBBはイソブチレン、ブテン-1 の抽出用及びポリブテンの原料等に用いられている。C4留分ともいう。気体。

◎biological response modifier(BRM)
 生体応答調節物質(生体反応調節物質ともいう)。直接がん細胞や微生物に作用しないで、生体細胞や活性成分の機能を調節して抗がん作用などを現す薬物。OK-432、クレスチン、インタ-フェロンなど。

◎boiler
 一般には水を加熱蒸発させてスチームを作る機械、あるいは設備。燃料は、重油、天然ガスなどが主流。作られたスチームは工場用ユーティリティーやスチームタービンの駆動用として利用される。

◎BOD(Biochemical Oxygen Demand)(1996年1月19日)
 生物化学的酸素要求量。最も一般的な水質指標の一つ。水中の有機物などの量を、好気性バクテリアが、その有機物を酸化して分解する時に必要とする酸素の量で表したもので、特定の物質を示すものではない。単位はO mg/L、またはmg-O2/Lだが、通常は、mg/Lと略される。一般に、BODの値が大きいほど、その水質は悪いと言える。
 河川の水をしばらく放置し、水中の微生物をそのまま繁殖させ、その時に消費される溶存酸素量を測定する。水中の有機物が微生物によって分解されるが、この時、酸素が消費されるため、消費酸素量をもとに水中の有機物量が分かる。
 きれいな河川では、BOD、CODともに2ppm以下でなくてはならない。5ppmを越えると、肉眼で濁っていることが分かる。また、5ppm以上ではバクテリアによる分解はできなくなるため、水は浄化されない。

◎BPA(Bisphenol-A)
 ビスフェノールA。

◎C5留分
 ナフサ分解によって副生する。合成ゴム原料に使用されるイソプレンを15~20% 程度含有している。イソプレン抽出後のC5留分にはジシクロペンタジエン、ピペリレン等の有効留分が含まれており、石油樹脂、香料等の原料に使用されている。

◎CALS
 1985年に米国防総省が武器の開発や調達にあたって導入し、産業界に広がった。同省は「Computer Aided Logistics Support」としていたが、最近は「Commerce At Light Speed」(電子スピードでの取引)とするのが通例。EC(Electronic Commerce)と呼ばれることも多い。

◎case study
 プロセス条件の一部を変えて、対象であるプロセス性能の増減を求め、プロセスを最適化する試み。例えば、水蒸気改質温度を変えながら水素生産量の増減を求め水素原単位の最適化を図る試み。

◎CI(Corporate Identity)
 Corporate Identity(コーポレート・アイデンティティ)の略で、広辞苑によると「会社の個性・目標の明確化と統一をはかり、社内外にこれを印象づけるための組織的活動」のこと。つまり企業理念や企業行動など、企業の独自性や個性を表現すること。

◎COD(Chemical Oxygen Demand)(1996年1月19日)
 水中の有機物を酸化剤(過マンガン酸カリウム、または二クロム酸カリウム)で酸化し、その必要量を相当酸素量に換算したもの。単位はppmまたは、mg/Lを使用する。この酸素量は、水中の有機物量に比例するため、水質汚濁の目安として利用される。
 被酸化物質には、各種の有機物と亜硝酸塩、硫化物などの無機物があるが、主な被酸化物は有機物である。そのため、CODが高いほど有機物量が多いといえる。しかし、還元性の無機物によってもCODは高くなるため、CODが高いからと言って、水質が悪いとは言い切れない。また、酸化剤の種類と濃度、酸化時の温度や時間、有機物の種類や濃度によっても測定値が異なることがある。
 類似した指標にBODがあるが、BODとの違いは、CODが有機物と無機物、両方の要求酸素量であるのに対し、BODは生物分解性有機物のみの酸素要求量であるという点である。また、CODは30分~2時間程度の短期間で求められるのに対し、BODは長い時間を要するため、CODがBODの代替指標として用いられることもある。
 きれいな河川では、BOD、CODともに2ppm以下でなくてはならない。5ppmを越えると、肉眼で濁っていることが分かる。

◎cooler
 冷却器。冷却を目的とする熱交換器。同じ冷却でもガス中の凝縮ガスを冷却凝縮する熱交換器は condenserと言われ、低温用途の場合にはchiller と言われる。

◎coronary artery bypass graft(CABG)
 冠状動脈バイパスグラフト、冠状動脈バイパス術A-Cバイパス(aortocoronary bypass)ともいう。自己の大伏在静脈などをとって上行大動脈から冠動脈にバイパスを作る。graftは移植、移植片の意味。

◎Cv値(Cv value)
 (機械)Cv値は流量特性を示す値で、無名数で表す。元々はインチ系の水圧の分野で使用されていたが、現在は空気圧で実測した値から計算して求める。主に北米を中心としたインチ系の地域で使用されている。

◎DBP吸収量、よう素吸着量
 カーボンブラック、その他のゴム、プラスチックへの添加剤としての機能に関係する物性値。DBP吸収量は、堆積するカーボンブラックの空隙を満たすに要する DBP(Dibutylphtalate)の量から、粒子間のつながり、または凝集による構造の程度を示すもので、単位は ml/100gで表される。よう素吸着量は、カーボンブラック1g当たりに 吸着されるよう素の量をいい、カーボンブラックの比表面積に対応した値である。単位は、mg/gで表される。

◎Deference Scanning Calorimeter(DSC)
 示差走査熱量計。温度制御された試料室内での試料の相転移や、物性変化、化学反応に起因する熱の流出入量を測定する装置。-140℃~600℃までの幅広い温度範囲で使用可能。

◎digital subtraction angiography(DSA)
 デジタルサブトラクションアンギオグラフイー(デジタルサブトラクシヨン血管造影(法):X線TVを用いた頭部の映像から頭蓋骨の映像を差し引き、血管のみの映像を得る方法、差し引きにアナログ・ディジタル変換器(ADC)を使う。

◎DNS(Domain Name System)(ドメイン・ネーム・システム)(1998年8月28日)
 ドメイン/ホスト名からIPアドレスを探すためのデータベース・システム。または、そのシステムのためのソフトウエアをインストールしてあるマシンのこと。

◎EL(Electro Luminescence)
 エレクトロルミネセンス。電気照明技術のひとつにエレクトロルミネセンス(EL)があり、パネル照明として利用されている。この照明装置は、プラスチックなどの薄い層に蛍光物質の粒子をまぜあわせ、2枚の電極ではさみこんだ構造である。電極の1枚は透明で、ガラス板などにスズの酸化物を薄く塗布したものである。この2枚の電極に交流電圧をくわえると、電流が蛍光物質をとおってながれるときに発光する。ELは面全体が発光するため、時計の文字盤や階段の踏み板を明るくしたり、壁全体を光らせるなどさまざまな応用が可能である。ELインキとしてスクリーン印刷でも応用されている。

◎Equipment for Thermogravimetric Measurement at High Pressure
 高圧ガス吸着量測定装置。磁気浮遊天秤による重量法を用いて、ガスの吸着等温線を測定する装置。重量測定部がサンプルセルと切り離され測定雰囲気にさらされないため、高温・高圧及び腐食性のガス雰囲気下で熱重量測定を行うことができる。

◎EVA樹脂(エチレン酢酸ビニル共重合体、ethylene vinyl acetate copolymer)
 エチレンと酢酸ビニルを共重合した熱可塑性樹脂。通常酢酸ビニル含量40%程度までのものが用いられる。酢酸ビニル含量の少ないものは低密度ポリエチレンに近い性質を示すが、より強靭性を示す。酢酸ビニル含量が多くなるに従って柔軟性を増し、ゴムに近い性質を示すようになり、履物やレザーなどの雑貨やホットメルト接着剤などの用途に使用される。インキ受理性には難がある。
 弾力性に富んだ樹脂。用途は酢酸ビニルの含有率によって異なり、包装資材、農業用フィルム、接着剤、一般成形品に使用される。固体。
 主に多層フィルムとして食品包装材に使用される。またブロー成形ボトル用としても使用される。商品名「エバール」(クラレ)。EVAをけん化(加水分解)したもの。高バリヤー性樹脂。組成比により水に可溶なものもある。

◎EVOH樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体(Ethylene-Vinylalcohol-Copolymer)
 主に多層フィルムとして食品包装材に使用される。またブロー成形ボトル用としても使用される。商品名「エバール」(クラレ)。EVAをけん化(加水分解)したもの。高バリヤー性樹脂。組成比により水に可溶なものもある。

◎Eガラス(E-glass)
 無アルカリガラスと呼ばれ、電気的に安定で、機械的な特性に優れる。繊維化が容易なため、単に「ガラス繊維」と言う場合は、ほとんどEガラス繊維を指している。

◎FCC(fluid catalytic cracking)
 反応炉と触媒再生炉の間で触媒を流動させ、分解を連続的に行う方式のことで、流動接触分解と呼ぶ。一般に、高オクタン価ガソリンを製造する際に用いる。この際に副生するFCCガス中には、LPGの他、プロピレンをはじめとする有用な石油化学基礎製品が含まれており、利用されている。

◎FDA(Food and Drug Administration)
 米食品医薬品局。

◎flow
 流量の意で使用されている。正式にはflow rateが正しい。単位は、気相であればkmol/hやNm3/h、液相であればm3/hなどが使用される。kg/hは気液共通に使用される。

◎Fourier Transform Infrared Rays Spectro Photometer(FT-IR)
 フーリエ変換赤外分光光度計。赤外線の吸収スペクトルから試料の官能基や分子結合に関する定性的・定量的なデータを得る装置。複合材料の表面や内部に存在する分散質の同定にも有効な手段であるが、水は赤外線を吸収しやすいため、水を含む試料の測定はできない。

◎FRP(繊維補強樹脂、ガラス繊維強化プラスチック:Fiber Reinforced Plastics)
 繊維補強樹脂。樹脂を種々の繊維類で補強した強化プラスチックスの意味。添加する繊維の長さ、配合比率、成形品の分散、配向などにより物性強度が変化する。炭素繊維:CFRP、ガラス繊維:GFRP、アラミド繊維、ボロン繊維などがある。
 最も一般的なものとして不飽和ポリエステル樹脂にガラス繊維を配合したものがある。樹脂にガラス繊維を添加することにより、材料の脆さ、強さおよび熱変形温度の向上を目的として強化されたプラスチック材。これは、強度に優れ軽量であることから浄化槽浴槽等の住宅機材船艇自動車タンク類に使用されている。

◎FTP(エフティーピー)(1998年8月28日)
 File Transfer Protocolの略。TCP/IPを介してマシン間でファイルを転送するためのプロトコルであり、現在ではFTPによるファイル転送そのものを指すようになっている。

◎Gas Chromatograph(GC)
 ガスクロマトグラフ。気体もしくは液体の試料を気相状態でカラムに通すと、カラム充填物との相互作用が弱い物質は速く、強い物質は遅くカラムから流出する。この通過速度は物質によって一義的に決まっているので物質の同定が可能である。組成の不明な低分子量の気体、液体の同定に用いる。

◎Gas Chromatograph-Mass Spectrometer(GC/MS)
 ガスクロマトグラフ質量分析計。ガスクロマトグラフィーにより分離された物質を高真空の中でイオン化し,電場をかけることによって質量の差に応じてイオンをふるい分け、マススペクトルを測定する装置。未知試料の分子量や構造情報を得ることができる。

◎GDP(Gross Domestic Product)
 国内総生産。国内総生産とは、国内で使われたお金の合計(国内総支出)。外国にいる日本人が使ったお金は含まれないが、日本にいる外国人が使ったお金は含まれる。

◎GMT(glass-mat reinforced thermoplastics)
 熱可塑性樹脂(主にPP)をガラス長繊維マットで強化したプラスチック材料であり、スタンパブルシートとも呼ばれる。通常のガラス短繊維入り熱可塑性樹脂と比べて、長繊維が50%も占めているので強度的に優れ、自動車部品などに多数使われている。

◎GNP(Gross National Product)
 国民総生産。国民総生産とは、国民が使ったお金の合計(国民総支出)。外国にいる日本人が使ったお金は含まれるが、日本にいる外国人が使ったお金は含まれない。

◎GRP(grass fiber reinforced plastics)
 FRPの中で補強材としてガラス繊維を使用したもの。

◎heater
 加熱器。加熱を目的とする熱交換器。同じ加熱でも水を加熱蒸発させてスチームを作る熱交換器は boiler と言われ、低温用途の場合には chiller と言われる。

◎high calorific value(HCV)
 高発熱量。high heat value(HHV)とも書かれる。highをgrossに置き換えることもある。この逆はlow calorific valueまたはlow heat value。LHVのほうが通りやすい。

◎High-Performance Liquid Chromatograph(HPLC)
 高速液クロマトグラフ。極めて微細な均一の球形粒子を固定相に用いた液体クロマトグラフィー。理論段数が高く、大きい流速のもとで優れた分解能が得られる。広範囲の無機イオン、有機化合物の同定が可能である。

◎IC(Integrated Circuit)
 集積回路。トランジスタ、抵抗、コンデンサ、ダイオードなどの素子を集めて基盤の上に装着し、各種の機能を持たせた電子回路。1959年に考案され、現在では様々な機器に組み込まれている。1チップに収められた素子数が数千~数万程度のものをLSI、10万を超えるものをVLSI、100万を超えるものをULSIと呼ぶことがある。

◎Ig. loss(ignition loss)
 灼熱減量、強熱減量。試料を強熱した際に生じる質量の減少をいう。分析化学において、土壌や鉱物中に含まれる揮発性物質(主に有機物)の質量を指す。
 強熱減量は、強熱減量試験(Ignition Loss Test)による質量の減少率から算出される。強熱減量試験は、マッフル炉などによって試料を高温で加熱することによって行われる。JISに規定された温度(600℃~1050℃)に対応する電気炉において試料を燃焼し、その前後においてどれくらい試料が減少したかを測定する。
 鉱物や無機化合物の場合、試料を1000~1200℃で恒量になるまで加熱したときの減量を、原試料に対する百分率で示す。加熱の際に失われる成分は、水、二酸化炭素、二酸化硫黄、アンモニウム化合物、ハロゲン化アルカリなどの揮発成分である。一方、鉄やマンガンは酸化されて高次の酸化物になり、また硫化物のあるものが硫酸塩に酸化されて増量する。これらの増減が相殺された結果が強熱減量として現われるので、事情は複雑である。
 また、あらかじめ110℃で炉乾燥し、重量を計った試料をるつぼに入れて赤熱し再び重量を計り、赤熱した間に減少した量を求める。重量減少は、主として有機物の燃焼、炭酸塩などの分解、結晶水の脱出などによるので、これらの成分の含有量を知る目的で行う。土の場合には有機物の含有量の指数として用いる。

◎IMD (Injection Moulding Decoration)
 最近急速に普及しつつある樹脂成形法。広義では、インサート成形全般を指す。狭義では、予備成形に超高圧成形(圧空成形の一種)を用いる方法を言う。
 工程は、印刷→予備成形→トリミング→射出成形→製品となる。予備成形(プレフォーミング)の方法として、真空成形による場合、金型を用いてプレスにより成形する場合、超高圧成形を用いる場合がある。予備成形したフィルムにトリミングを施し、射出成形機内で樹脂と融着させて完成する。
 一般的には、印刷されていないフィルム面が製品の表側になるので、加飾面がサンドイッチされ、耐摩耗性等の面で有利である。使用するインキには、深絞りに追随する伸縮性と、成形時の高熱、圧力への耐性という、相反する性能が要求される。

◎intravenous hyperalimentation
 中心静脈栄養法。高力ロリ-、高栄養液を静脈内に注入すると血栓性静脈炎を起こす危険があるので、血流量の多い中心静脈内に点適する。一般的には鎖骨下静脈から上大静脈内に力テーテルを留置する。

◎IPアドレス(アイピー)(1998年8月28日)
 コンピュータ同士がTCP/IPプロトコルで通信するときに必要になる番号。これによってインターネット上のホストやネットワークなどを特定することができる。ドメイン名やホスト名は実際はこのIPアドレスに変換される。形式は32ビットの番号を8ビットずつ4つに区切って10進数にして“.”でつなげて表す。

ISO(International Standard Organization)
 国際標準化機構の略。または、ここで制定された規格のことを指す。

◎ITO(Indium Tin Oxide)
 インジウム・スズ酸化物。透明電極材料や赤外線反射膜として広範囲の需要を持つ酸化インジウム系透明導電膜のうち、ITO透明導電膜は導電率向上のため少量のスズをドープしたものである。
 ITO膜はSnO2膜と比較しても可視域中央部で最も透明な材料。導電性、透明性、加工性に優れた材料。液晶カラーディスプレイの半導体透明電極に用いられている。
 ITO材は、一般に、金属のインジウムから電解法で酸化インジウムを作り、さらに酸化インジウムに10%程度の酸化スズを混合、焼結することによって製造する。

◎ITOフィルム(ITO film)
 ITO(酸化インジウム・酸化スズ)を蒸着したフィルムのこと。透明導電フィルムとして、液晶ディスプレイ、カラーフィルター、タッチパネル、太陽電池、調光材料、電磁波遮蔽、赤外線遮断などに幅広く利用されている。

◎I.U.(1996年1月19日)
 酵素単位。酵素活性を表す単位。酵素反応の最適条件下で30℃、1分あたり1μmolの基質を交換させる量。

◎JIS(Japan Industrial Standard)
 日本工業規格のこと。工業標準化法に基づき、工業製品についての規格、測定法などを定めた日本の国家規格。最近改訂されたJISでは、国際規格ISOとの整合性を考慮されている。なお、現在は直接スクリーンインキに関する規定はないため、塗料規格JIS Kを参考に使う場合が多い。

◎Laser Microscope(LM)
 走査型レーザー顕微鏡。走査型レーザー顕微鏡はレーザー光を走査して画像を描き出す顕微鏡であり、光学顕微鏡より高倍率の像が得られる。試料の前処理を必要とせず、サブミクロンまでの観察が可能であり、試料表面の高低データ、光量データも得られる。また、平面画像を重ね合わせることで三次元的な試料表面の写真を撮ることも可能である。

◎Laser Raman Spectro Photometer
 レーザーラマン分光光度計。可視光領域のレーザーによるラマン散乱光から試料の官能基や分子結合に関する定性的・定量的なデータを得る装置。前処理を必要とせず、固体、液体、気体、水溶液など様々な試料に対して非破壊試験が可能である。FTIRとの併用によって測定の信頼度はさらに増す。

◎LCD(Liquid Crystal Display)
 液晶ディスプレイ。

◎LNG(Liquefied Natural Gas)
 液化天然ガス。主成分はメタンであり、天然ガスを精製後、加圧冷却して液化したもの。硫黄分が全く含まれていないため、クリーンエネルギーとしての利用価値が高い。各種燃料及び化学原料として使用されている。液体。

◎LPG(Liquefied Petroleum Gas)
 液化石油ガス。蜷ャ分はプロパンまたはブタンであり、天然ガスや石油精製から得られるガスを加圧冷却して液化したもの。各嵓R料及び化学原料として使用されている。液体。

◎LSI(Large Scale Integration)
 ICのうち、素子の集積度が1,000個~10,000個のもの。

◎Macintosh(マッキントッシュ)(1998年8月28日)
 1984年、アップル社によって開発されたパーソナルコンピュータ。誰でも簡単にコンピュータを扱えることを目的にしたグラフィカルなインターフェースが特徴。初期にはパソコンのフェラーリなどと呼ばれ、値段も非常に高かった。

◎MAPキナーゼ(1996年2月21日、朝日新聞)
 ガンを引き起こす酵素が、カエルの体の「形作り」でも大切な役割を果たしていることを京都大学ウイルス研究所の西田栄介教授らが1995年に突き止めた。この酵素は、タンパク質にリン酸をくっつけるリン酸化酵素の1つで、MAP(マップ)キナーゼと呼ばれる。増殖の命令を細胞の核に伝える働きがあり、命令が乱発されると細胞をガン化させることが知られている。ところが、この酵素の働きを抑えたカエルの受精卵を観察したところ、体の後ろ半分がないオタマジャクシが育った。これは、細胞の運命を決める主役の1つだったのである。
 細胞が増えるのは、自分の意志ではない。「細胞増殖因子」というタンパク質の命令に従う。この時、「次に分裂するときは別の形になれ」という「分化」の命令を受けることもある。これまでに約50種類の増殖因子の構造が分かっている。だが、これらの因子は細胞膜表面にくっつくだけで、中に入ることはできない。そこで、細胞内にあるタンパク質リン酸化酵素という一群の物質が次々に働いて、命令を手渡ししていく。
 細胞分裂のためには、DNAをはじめとするあらゆる細胞の部品を、同時進行で倍増させなければならない。だから、「細胞増殖因子の命令は、細胞の中で同時多発的に伝わる。一房のブドウの実がいっぺんに飛び散るようなものだ」と東大医科学研究所癌生物部の竹縄忠臣教授は言う。
 このうち、DNAの複製を命令するコースをとるのがMAPキナーゼだ。この酵素は、命令を受け取ってから働きはじめ、核の中に潜り込む。だが、次にバトンを受け取る最終ランナーの正体は、まだ分からない。
 細胞をガン化させる遺伝子のほとんどは、伝令役であるタンパク質リン酸化酵素をつくる。この遺伝子がおかしくなると、外からの命令がないのに、増殖に向かう命令を伝えようと、リレーを勝手に始めてしまう。
 抗ガン剤のいくつかは、このリレーを断ち切る効果を狙っている。ところが、こうした薬は、新しい細胞が古くなった細胞と入れ替わるためのルール通りの細胞増殖も邪魔し、副作用を引き起こす。増殖命令の伝達を解明することは、副作用のない抗ガン剤の開発にもつながる。
 西田教授らは、もう1つ不思議な現象を見つけている。MAPキナーゼが、カエルの受精卵の全ての細胞で働き出すと、発生や分化が止まってしまうのだ。「フル回転はだめ。ほどよく活性化しないといけない。知れば知るほど、生命の奥深さが見えてくる。」

◎MDI(diphenyl methane diisocyanate)
 硬質ウレタンフォーム、ウレタンエラストマー、ポリウレタン塗料などの原料。アニリン、ホルマリン、ホスゲンを原料として製造される。固体。

◎medical representative(MR)
 医薬情報担当者(会社を代表して医薬品担当者と面接し、医薬品の有効性・安全性、使用上の注意など学術情報の伝達、収集、フィードバックなどを日常業務とする者。同義の英語としてPMR、PSRがある。

◎MEK(methyl ethyl ketone)
 メチルエチルケトン。ケトン系有機溶剤。スクリーン印刷用の希釈溶剤としては乾燥が速すぎて使用されない。耐溶剤性試験用試薬として少量使用される。

◎MDI(diphenyl methane diisocyanate)
 硬質ウレタンフォーム、ウレタンエラストマー、ポリウレタン塗料などの原料。アニリン、ホルマリン、ホスゲンを原料として製造される。固体。

◎MLCC(Multilayer Ceramic Capacitors)
 積層セラミックコンデンサ。

◎MSDS(Material Safety Data Sheet)
 → 製品安全データシート。

◎net positive suction head(NPSH)
 有効正味吸込揚程。ポンプ吸込側にてキャビテーションを起こさせないために必要な揚程(圧力)のことで。ポンプ側から要求される最低限 の吸込揚程を「net positive suction head required(NPSH required)」、実際にその要求に答えられる吸込揚程を「net positive suction head available(NPSH available)」という。

◎NGL(Natural Gas Liquefied)
 天然ガス液と訳されるが、通常はコンデンセートあるいは天然ガソリンと呼ぶ。天然ガスには、常温・常圧下では液体であるような炭化水素を含んでいるものがある。これをセパレータと呼ばれる分離装置でガスと液体炭化水素に分離する。この液体がNGLであり、ペンタン以上の重ソ炭化水素の混合物である。なお、ガスはさらに分離精製することによってエタン、LNG、LPGとなる。NGLには油田系とガス田系があり、油田系NGLは性状が軽ソナフサとほぼ同等であることから軽質NGL、ガス田系NGLは灯軽油留分を多く含むため質NGLと呼ばれている。欧米等ではエチレン用を主体とする化学原料及び製油・燃料用として使用されており、わが国でも一部使用している。なお外国ではLPGを含めプロパン以上の重ソ炭化水素をNGLとすることが多い。液体。

◎NL(Negative List)規制
 ネガティブリストとは、使用してはならない原材料のリストのこと。

◎OEM(original equipment manufacturing (manufacturer))
 OEMとは、「相手先企業の商標(ブランド)をつけて販売される完成品や半成品の受注生産」という意味。すなわち、メーカーが依頼を受けて、相手先のブランドで完成品を供給するシステムを指す。一般的には、「相手先商標製造」「相手先ブランド販売」と訳されている。
 OEMを行うメリットは、双方の企業の強みを生かし、優れた完成品を作り上げる機会に恵まれることなどがある。デメリットは、利益を分配しなければならないので、一社あたりの売上が下がることなどが挙げられる。

◎off gas
 PSAにて製品ガスを回収した後の残りのガスでwaste gasとも呼ばれる。残ガス中には回収しきれなかった水素などが含まれているために、燃料として再利用される。

◎operation
 プラントの運転。通常運転はnormal operationで、その逆はabnormal operation。また、原料を変えたり、製品の品質を変えた運転はalternative operationと呼ばれる。

◎Operational Qualification
 稼動性能適格性確認。

◎operator
 運転員。上級運転員をchief operator、交代勤務での運転員をshift operator、その監督をshift supervisor。全体をまとめる監督をsuperintendentと呼ぶ。

◎OTC drugs
 店頭販売の薬。「OTC」は「医師の処方せんが必要でない店頭販売の」、という意味。OTC薬とも言われるが、単にOTCと呼ぶことが多い。いわゆる大衆薬(薬局で処方せんなしで買える薬)のこと。

◎PA(Polyamide)
 → ポリアミド

◎PC(Polycarbonate)
 → ポリカーボネート

◎PC/AT互換機(ピーシーエーティーゴカンキ)(1998年8月28日)
 1984年、IBM社によってつくられたパーソナルコンピュータ「PC/AT」。このPC/ATの基本回路や基本ソフトウエアをIBM社が公開したことで、さまざまな会社もまたこのPC/ATとほぼ仕様を同じにしたパーソナルコンピュータをつくり始めた。これが「PC/AT互換機」。この互換機がまたたく間に市場に広がり、現在でもパソコンの世界標準的存在となっている。ちなみに、「DOS/V」(ドスブイ)は、このPC/AT互換機で日本語を使えるようにしたシステム。

◎PDA(Personal Digital Assistants)
 アメリカのアップルコンピュータ社が提唱した携帯用情報機器の総称で、文字情報にくわえて音声や画像もすべてデジタル技術で統合する。PDAの製品例としてシャープの「ザウルス」などの高機能電子手帳がある。高級なものでは、カラー液晶表示素子(TFT液晶)を装着して、PCカードのスロットやモデム、携帯電話の機能を内蔵し、データ通信ができるものもある。液晶バックライト、キートップ、メンブレンスイッチ、フレキシブルプリント回路などの印刷にスクリーン印刷が使用される。

◎PE(Polyethylene)
 → ポリエチレン

◎PEDOT(Polyethylene dioxythiophene)
 ポリエチレンジオキシチオフェン。

◎percutaneous transluminal coronary angiograplasty
 経皮的冠状動脈形成術(経皮的冠動脈内腔拡張術)。冠動脈にバルーン付きの力テーテルを入れ、バルーンを膨ませて狭窄冠動脈を拡張させる。

◎PES(Polyether Sulfone)
 ポリエーテルサルフォン。ポリエーテルスルホンとも言う。

◎PET(Polyethylene Terephthalate)
 → ポリエチレンテレフタレート

◎PETボトル
 PETボトルは、透明性と適度のガスバリヤー性をもっており、またガラスびんに比べて耐衝撃性、軽量性に優れているため、炭酸飲料、果汁飲料、生ビール用の大型ボトルやソース、ドレッシング、食用油、日本酒、化粧品、シャンプー、洗剤、医薬品などの容器として多用される。化粧品や酒類のボトルの印刷にスクリーン印刷が用いられている。

◎PI(Polyimide)
 → ポリイミド

◎PM2.5(微小粒子状物質)
 浮遊粒子状物質(SPM)に含まれる粒子状物質のうち、粒径が2.5μm以下のものをPM2.5(微小粒子状物質)といいます。粒径が小さいため、SPMよりも長期間滞留すること、また、肺の奥深くまで入りやすいという特徴があります。
 SO2、NO2、CO等のガス状物質とは異なり、単独の化学物質ではなく、混合物として存在します。発生源としては、自動車や工場等の化石燃料の燃焼によるもの、土壌や火山等の自然起源によるもの、ガス状の大気汚染物質が粒子に転換して二次粒子を生成するもの等があります。

◎PMMA(Polymethyl Methacrylate)
 → ポリメタクリル酸メチル

◎POM(Polyacetal)
 → ポリアセタール

◎POP(ピー・オー・ピー/ポップ)(1998年8月28日)
 ポストオフィスプロトコル(Post Office Protocol)。送信された電子メールがメールサーバーに届き、そのメールサーバーから個人のマシンのメールソフトなどに届くまでの間に使われるプロトコル。

◎PP(Polypropylene)
 → ポリプロピレン

◎PPE/PAポリマーアロイ
 GE社のGTX。耐熱性、耐衝撃性、成形性。140度から160度の焼き付け温度に耐えるオンライン塗装可能な強化エンプラ。

◎process design
 プラントのプロセス設計あるいはシステム設計とも呼ばれる。基本設計および詳細設計の出発点となる設計業務。この業務を行うエンジニアをピロセスエンジニア(process engineer)と呼ぶ。

◎process plant
 プロセスプラント。原料から製品を作る主要設備で、水処理設備などのユーティリティー設備(Utility facility)やタンクヤード(Tank yard)に対比して用いられている用語。

◎project
 プロジェクト。ある目標を達成するために必要な期間内に作られた組織であり、目標が達成されればそのプロジェクト は解散する。その構成人員は規模(資金や期間、内容)に従って決められ、プロジェクトマネージャー(Project Manager PM)をリーダーとし、その下に複数のプロジェクトエンジニア(Project Engineer PE)がいる。プロジェクトの規模が大きく、エンジニアリング遂行上リスクがある場合には、プロジェクトマネージャー以外にプロジェクトエンジニアリング マネージャー(Project Engineering Manager PEM)をもうけることもある。

◎PS(Polystyrene)
 → ポリスチレン

◎PSA(pressure swing adsorption)
 吸着剤を充填した複数の容器内で、加圧減圧を繰り返すことによりガスの吸着脱着を行うことで高純度のガスを得る技術。「H2 PSA」は水素を製品としたPSAで、これ以外に「CO PSA」や「O2 PSA」などがある。

◎PSU(Polysulfone)
 → ポリサルフォン

◎PTC(Positive Temperature Coefficient)
 正温度係数。温度が高くなるにつれて、電気抵抗が大きくなる性質のこと。

◎PTFE
 ポリテトラフロロエチレン。テフロンTFE分岐のない結晶性プラスチック。物質中最も低い摩擦係数(0.04)きわめて厳しい腐食性環境下での使用可能。

◎PUR(Polyurethane)
 → ポリウレタン

◎PVA、PVAL(Polyvinyl Alcohol)
 → ポリビニルアルコール

◎PVD(Physical Vapor Deposition)(2000年1月19日)
 PVDとは500℃以下の温度で強固な膜を形成させる表面処理技術です。物理的な方法でコーティング物質を蒸発させ、窒素ガスなどと反応させて成膜するためPhysical Vapor Deposition(物理的蒸着)と呼ばれています。
 PVD処理後の膜厚はわずか1~4μmになるので、部品の寸法精度やシャープエッジ性は十分に維持することができます。また、硬度は超硬合金にも勝る2,300~3,000Hvの硬度を示し、耐摩耗性とともに密着性や弾力性にも優れます。

◎Q熱(1996年1月19日)
 ダニなどに潜む微生物の一種、Q熱リケッチアが病原体。犬や猫、小鳥などのペットや家畜のふん、ほこりなどを通じて人間に感染する「人畜共通伝染病」。発熱や関節痛、気管支炎、肺炎など、さまざまな症状を起こす。多くは二週間ほどで自然に治るが、治療が遅れたり、慢性化したりすると、心内膜炎などを合併し、死亡率が高くなる。外国では殺菌していない牛乳、チーズからの感染や、死亡も報告されている。

◎raw water
 原水。何らの処理をしていない水。河川や井戸から取水される。多くの不純物を含むので、そのままでは工業的には使用できない。そのために水処理設備が用意される。

◎REACH
 Registration, Evaluation, Authorization and Restriction of Chemicalsの略。新化学物質規制とも呼ばれています。それぞれ、Registration(登録)、Evaluation(評価)、Authorization(認可)、Restriction of Chemicals(化学物質の制限)の意味です。新化学物質規制とも呼ばれています。
 2007年6月に欧州委員会が施行した新化学物質規制です。2008年6月1日から同年12月1日までが予備登録で、その後本登録へと続きます。
 安全性の評価を企業に委ねているのが一つの特徴で、個々の企業に重い負担がかかる可能性があります。このため日本国内では、各業界団体では、タスクフォースを設置するなど、REACHへの取り組みを積極的に支援しているほか、大手メーカーを中心に情報共有の動きも活発化しているようです。
 この制度の主旨は、化学物質を使用、生産する際に、人の健康と環境にもたらす悪影響の最小化です。「生産者責任」と「予防原則」の徹底を目的としています。
 既存化学物質及び新規化学物質の区分を廃止し、EU域内で販売されるほぼ全ての化学物質について、企業に対して安全性評価を義務付け、そのリスク評価の結果を欧州化学庁(ECHA/フィンランド)に登録しなければなりません。すでに予備登録が始まっていますが、この登録を怠ると、既存物質であっても出荷停止などの処分を受ける可能性があります。予備登録によりREACHの段階暫時的な移行が可能となるので、予備登録期間を逃さないよう注意が必要です。

◎RGB
 色光の3原色、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)を略してRGBという。

◎Scanning Electron Microscope(SEM)
 走査型電子顕微鏡。集束電子線を試料表面上に走査して、各走査点から放出される電子を検出器に受けて増幅し、走査と同期させてブラウン管上に像として映し出す顕微鏡。像の焦点深度が大きいので固体試料の表面観察に多く用いている。また、エネルギー分散形X線分析装置(EDS)による微小領域の元素分析をすることもできる。

◎Sengstaken-Blakemore tube
 セングステークン・ブレークモアー管。経口または経鼻的に食道にチューブを入れ、バルーンを膨らませて食道からの出血(静脈瘤破裂など)を圧迫止血するのに使う。

◎SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)(シンプル・メール・トランスファー・プロトコル)(1998年8月28日)
 インターネット上のホスト(マシン)の間で電子メール転送をするために決められたプロトコル。SMTPサーバーソフトがインストールされているマシンをSMTPサーバーと呼ぶ。普通はPOPサーバーソフトと共にインストールされ、メールサーバーとなっていることが多い。

◎stonewall
 遠心圧縮機に発生する特異現象の一つ。ヘッド-流量特性曲線上で大流量の低ヘッド領域で起こる現象。流量を増加させると、性能曲線上、吐出圧力が低くなる。それが行きすぎると吐出側配管などの抵抗に負けて、ガスが吐出側に流れることが出来なくなり、ガスが圧縮機を逆流する現象。

◎syndrome malin
 「サンドロームマラン」と読む。悪性症候群。激しい錐体外路症状と自律神経症状を示し、無動、強剛、頻脈、高熱、CPK上昇、ダントロレン、ブロモクリプチンなどで、治療しないと死ぬこともある。

◎surging
 遠心圧縮機において機器本体と配管系で発生する自励振動により、圧力および流量が変動する現象。圧縮機のヘッド-流量特性曲線で見れば、小流量の高ヘッド領域でこの現象が見られます。

◎TCP/IP(ティーシーピー/アイピー)(1998年8月28日)
 Transmission Control Protocol/Internet Protocol。アメリカの政府機関ARPA(米高等研究計画局/Advanced Research Project Agency)が開発した、インターネット上で使われているプロトコル。プロトコルというのは、コンピュータ間でメッセージやデータを交換するために使われる約束事。

◎TDI(tolylene diisocyanate)
 ポリウレタンの原料である。トルエンとホスゲンを原料として製造される。液体。

◎TIG溶接(tungsten inert gas welding)
 MIG溶接と同様に不活性ガス雰囲気中でW(合金)等の消耗し難い電極でアークを発生させるガスシールドアーク溶接の一種。溶け込みが浅く、MIG溶接に比べて溶接能率は落ちるが、小電力時(5A)もアークの安定性が良く、薄板に対応可能。入熱と溶加量を独立に制御可能。SUS、耐熱合金、銅合金、高張力鋼の溶接に利用(高価なガスを使用する為)される。直流電源が一般的だが、アルミを対象とする場合は交流も採用される。通電開始時が非接触の為、高周波発生装置が必要。装置は可搬性に富む。風に弱い。

◎torsades de pointes
 「トルサード・ド・ポアント」と読む。多形性心室頻拍。元はフランス語。発作前に心電図上でQT延長が見られる。キニジン失神やテルフェナジン⇔イトラコナゾール、エリスロマイシン併用などでは、これが起こる。極めて危険で、発作時は心電図形がネジの先のような形になることから、この名がつけられた。

◎TPA(Terephthalic Acid)
 → テレフタル酸

◎Transmission Electron Microscope(TEM)
 透過型電子顕微鏡。試料に電子線を照射し、透過電子をレンズにより拡大結像する顕微鏡。薄膜状、繊維状などの試料の直接観察に適する。カーボンナノチューブの観察は主にTEMで行なっている。

◎Tダイ法
 押出機を用いて合成樹脂フィルムを製造する方法のひとつ。押出機の先端に取り付けたスリット状のダイから樹脂を押し出してフィルムを製造する方法。

◎Union Postale Universelle(万国郵便連合)
 仏。英語では、Universal Postal Union。郵便に関する国際機関であり、略称はUPU。

◎UNIX(ユニックス)(1998年8月28日)
 1969年、アメリカのベル研究所のKen Thompsonなどによって開発されたコンピュータのOS。さまざまなネットワーク機能が標準で付加されており、インターネットの技術開発のベースとなった。

◎UV(Ultra Violet Rays)
 紫外線。

◎UVランプ(UV lamp)
 UVランプとして主に使用されているのは、高圧水銀灯とメタルハライドランプである。ランプの発光スペクトルは、インキの硬化性に大きな影響を及ぼす。UVランプは紫外線のみならず可視光や赤外線も発光しており、紫外線の発生効率は20~30%である。この紫外線の中でUVインキの硬化性に有効な波長域は、320~400nmの長波長域と考えられている。これは長波長の方が透過性に有利であることと、UVインキに使用される顔料が365nm近くに最大透過率を示すものが多いことによる。従って膜厚の厚くなるスクリーン印刷では、長波長の発光量が多いメタルハライドランプが内部硬化性の点で有利である。

◎UVランプ管理:UV lamp check-up
 UVランプの寿命は、紫外線強度(UV照度)が初期の70%になった時と考えられており、およそ1000~1500時間位である。インキの硬化性を管理するには、ランプ管理も合わせて行わなくてはならない。そのために紫外線強度計か紫外線光量計(UV積算光量計)で定期的に測定を行う必要がある。

◎VLSI(Very Large Scale Integration)
 ICのうち、素子の集積度が10,000個を超えるもの。

◎VOC(Volatile Organic Compounds)
 揮発性有機化合物。

◎World Wide Web(ワールド・ワイド・ウエブ)(1998年8月28日)
 インターネット上に存在する情報を、網の目のようにつなげた情報検索ツール。情報の取得を楽にしようという発想から生まれたもので、CERN(欧州合同原子核研究機関)によって開発された。「WWW」(ダブリュー・ダブリュー・ダブリュー)、「3W」(スリー・ダブリュー)と省略することもある。文字だけでなく、画像や音声などが他のインターネットサービスに比べて簡単に扱える点が大きな特徴。また、WWWで情報を発信しているホストコンピュータを「WWWサーバー」「ウエブサイト」などと呼ぶ。ここ数年のインターネット利用者の爆発的な増加の一因は、このWWWサーバーにアクセスするソフト(ブラウザーと呼ぶ)のひとつで、グラフィックスも手軽に扱えるようになったMosaic(モザイク)の登場と、そのMosaicの開発チームによりつくられたNetscape(ネットスケープ)によるところが大きいといわれている。WWWは本来は学術目的であったが、今や政府機関を始め各企業の商用利用、また個人利用も進んでいる。

◎X-Ray Diffractometer(XRD)
 X線回析装置。X線の回折現象を利用し、物質中の原子・分子配置の周期性に関する情報を得る装置。固体試料の結晶性を調べる非破壊試験法として一般的。アモルファスカーボンの結晶化度、グラフェンの広がり、面間隔に関する情報も得ることができる。

◎アイオノマー樹脂(ionomer resin)
 エチレンを主成分とするコポリマー連鎖間に、金属イオン結合を有する特殊な共重合樹脂ヒートシール性、深絞り性、透明性、耐油性、強靭性、耐低温性等に優れている。食品等の包装材料や各種成形品等、広範な用途に使用される。固体。

◎アイスティー(iced tea)(2000年3月8日)
 普通にアイスティーを作ると、濁ってしまいます。この現象は「クリーム(ミルク)ダウン」、または「クリーミング現象」と呼ばれ、紅茶の中のタンニンが温度変化によってカフェインなどと結び付き結晶化する現象です。
 これを防ぐためには、以下のような方法があります。
①紅茶に氷を入れるのではなく、氷の上に紅茶を高い位置から一滴ずつ垂らすように入れる。氷をケチらずたっぷり使えば、8割方クレームダウンは起こりません。
②タンニンの少ない茶葉(「アールグレイ」や「ダージリン」など)を選ぶ。
③砂糖を入れる。(ストレートが好きな方には勧められませんね)

◎亜鉛(1997年10月10日)
 亜鉛が不足すると味を感じる力が落ちる。

◎青潮(2002年8月21日)
 青潮は、陸から海に強い風が吹くことによって酸素の少ない底層の海水が上昇し、硫黄分が酸化して青く見える現象。

◎赤潮(2002年8月21日)
 水中に生存している微細な生物(特に植物プランクトン)が異常に増殖し、このため水の色が著しく変わる現象。水の色は原因となる生物によって異なり、赤褐色、茶褐色等の色を呈するが、その色の種類にかかわらず、赤潮と呼ぶ。なお、赤潮という名称の他に、苦潮、腐潮、厄水などとも呼ばれている。
 赤潮の原因としては窒素、リンの増加に伴う水域の富栄養化、陸水や降雨による塩分低下等の物理的刺激などの説がある。赤潮が起きると環境水塊が急変するため、その水域の生物に被害を与えることがある。特に養殖を行っている瀬戸内海などでは大きな被害をもたらす。東京都内湾では、赤潮の年間発生日数は、ここ数年は夏季を中心に100日程度。
 赤潮発生の仕組みは、以下のように考えられている。例えば、東京湾には植物の栄養となる窒素やリンがたくさん溶け込んでいる。春から夏にかけて、気温が上がり、日照時間が長くなると、海水中の植物プランクトンが増殖する。そして、海水の色が変わるほどまで、プランクトンが増殖し、「赤潮」が発生する。

◎銅鍋(1995年12月1日)
 あかなべ。銅製の鍋。

◎上がりかまち(2009年7月5日)
 日本家屋にある玄関の段差の事。靴を脱いで家に上がる日本文化ならではのモノで、欧米化した日本文化の中で「上がりかまち」は、今でも日本に根強く残っている日本文化の象徴のようなものです。「上がりかまち」は、外と内、不浄と清浄とを分ける結界のようなものと言われています。
 最近は、バリアフリーの普及によって「上がりかまち」の段差は小さくなっています。比較的新しい住宅では、「上がりかまち」の段差は180mm以下の住宅が多い傾向にあります。180mmの段差は、屋内階段1段分よりもやや低めの寸法であり、健常な高齢者なら「上がりかまち」際の壁面に縦手すりが1本設けてれば昇降は容易です。
 しかし、古い戸建住宅では「上がりかまち」に300mm程度の段差があることが多く、高齢者がこれを昇降するのは困難です。

◎アクチニウム(Actinium:Ac)
 原子番号89、質量数227。銀白色の金属、融点1050℃。

◎アクリルアマイド(acrylamide)
 紙力増強剤、土壌硬化剤、沈降促進剤等に使用される。アクリロニトリルを原料として製造される。固体。

◎アクリル酸エステル(acrylic acid ester)
 アクリル酸と各種アルコールとによるエステル化物の総称。一般的にはアクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシルなどがある。アクリル繊維原料、塗料、繊維・紙工剤等に使用される。液体。

◎アクリル樹脂(Acrylic Resin)
 プラスチックの一種。アクリル酸やメタクリル酸などの不飽和カルボン酸と、それらのエステル、アミドなどの共重合から合成されるものの総称。加熱によって軟化し、冷却するとふたたび硬化する熱可塑性樹脂で、成形加工が容易である。

◎アクリル繊維(polyacrylic fiber, acrylic fiber)
 アクリロニトリルを主成分とする重合物を紡糸した合成繊維。アクリル繊維は、ナイロン、ポリエステルとならんで、代表的な合成繊維である。アクリロニトリルを重合して溶媒に溶かし、小さな穴からおしだして糸にする。染色は難しいが、耐候性が強く皮膚になじみがよいので、上着にも下着にも使われる。軟らかく毛に代わる繊維としてセーター、毛布、カーペット等に使用されている。

◎アクリロニトリル(acrylonitrile:AN)
 アクリル繊維、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、スチレン系共重合樹脂等の主要原料であるプロピレンとアンモニアを原料として製造される液体。

◎アクリロニトリル・スチレン樹脂(acrylonitrile styrene resin:AS、SAN)
 → AS樹脂

◎アクリロニトリル・ブタジエンゴム(acrylonitrile butadiene rubber:NBR)
 アクリロニトリルとブタジエンを共重合して得られる合成ゴム。耐油性、耐熱性が優れた特殊ゴムで、耐油ホース、パッキング、印刷ロール等に使用される。固体。
 NBRとは、アクリロニトリルと、ブタジェンの共重合物で、耐油性を特徴とするゴムです。従来、ラテックスといえば、天然ゴム=NRが使われてきましたが、アレルギーの原因となる蛋白質が含まれることや、耐油性、耐光性、変色性に劣ることから、NBR=合成ゴムに、ほとんど置き換わっています。

◎アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(acrylonitrile butadiene styrene resin:ABS)
 スチレン系共重合樹脂。

◎アジ(1997年7月13日)
 アジは腹の両側の測線にそって硬いうろこがある。日本近海ではマアジ、シマアジ、メアジなど約20種で、マアジの旬は初夏。丸々と太って、つやがあり、目が黒く澄んでいるものを選ぶ。目玉が乾燥し、引っ込んだものは鮮度が悪い。

◎あしげ(1995年12月1日)
 馬の毛色で、白い毛に黒色、濃褐色などの差し毛のあるもの。

◎アスパラガス(Asparagus)(1996年7月9日)
 ヨーロッパ原産のユリ科の植物。地下の株から毎年、芽を出す。食用になるのは茎の部分で、穂先が詰まっているものが良いとされる。2、3年は、根を育てるため収穫をしない。1度植えると10年以上、収穫できる。畑に土を盛って、太陽の光を当てずに収穫したものがホワイトアスパラガス。

◎アスベスト(asbestos)(1996年1月19日)
 石綿とも言う。自然界に存在する繊維状物質の総称。以下の特徴を持つ。
(1)繊維状で紡織性を有する。
(2)耐熱性に優れている。
(3)曲げや引っ張りに強い。
(4)耐薬品性に優れている。
(5)熱絶縁性を有している。

◎アスファルト
 天然または石油精製から得られる瀝青を主成分とする、半固体あるいは固体の暗褐色ないしは黒色の粘着性物質。通常舗装用アスファルトといわれるものは、石油精製から得られるストレートアスファルトである。

◎アセチレン(acetylene)
 クロロプレン、酢酸ビニル等の主要原料。カーバイドに水を反応させて製造されるが、天然ガス等を原料とする製法もある。気体。

◎アセチレン系炭化水素(acetylenic hydrocarbon)
 CNH2n-2分子内に三重結合をもった鎖状炭化水素で、きわめて反応性に富んでいる。アセチレンが代表的な例。

◎アセテート(acetate)
 セルローズ(天然繊維)と無水酢酸を原料として製造される化学繊維。

◎アセトアルデヒド(acetaldehyde)
 酢酸、酢酸エチル等の主要原料であり、エチレンを原料として製造される。液体。

◎アセトン(acetone)
 メタクリル樹脂メチルイソブチルケトン、ビスフェノールA等の原料やアセテート等の溶剤に使用される。プロピレンを原料として製造される。液体。

◎アセテート(acetate)
 酢酸セルロース(セルロースアセテート)によってつくられる半合成繊維やフィルムの略称。アセテートの用途には、衣料用繊維のほかに、写真用フィルムのベース、ビデオテープ、磁気テープ、フロッピーディスク、塗料、プラスチック、煙草のフィルターなどがある。

◎アゾ化合物(azo compound)
 分子内にアゾ基をもつ有機化合物の総称。アゾ化合物のうち芳香族アゾ化合物は染料、顔料として重要である。天然には存在しない化合物だが、合成は比較的に容易。合成染料の約半数はアゾ染料によって占められている。

◎アゾ系顔料(azo pigment)
 アゾ基(-N=N-)をもつ有機顔料の総称。その構造中にスルホン酸基、カルボン酸基などの可溶性基をもつものと、持たないものとの違いで、溶性アゾ顔料(アゾレーキ)と不溶性アゾ系に大別される。一般にアゾ系顔料に共通する性質として、次のようなことがいえる。
①耐光性はあまり強くなく、淡色ではさらに低下する。
②着色力は無機顔料より高い。
③水には一般に不溶だが、有機溶剤、可塑剤などには可溶なものもある。
④耐熱性は一般に200℃以下で、250℃以上のものは少ない。

◎圧空成形(圧縮空気圧成形)
 真空成形とならんで広く利用されている熱成形の一成形法で、加熱して軟化させたプラスチックシートを固定し、圧縮空気の力でシートを引き延ばして型に沿わせ、成形品を得る方法をいう。真空の力でシートを引き延ばして成形する場合は真空成形という。

◎圧縮成形法(compression molding method)
 熱硬化性樹脂の成形に用いられる加工法のひとつ。加熱した金型に原料樹脂を入れた後、圧縮成形機を用いて金型を締め付け、化学反応を起こさせて硬化させ、成形品を取り出す。特に強度を必要とする場合や少量生産の時に用いられる。

◎アットマーク(at mark)(2000年3月10日)
 「@」の印は、もともとビジネス文書などで単価を表すのに用いられていました。たとえば、「1個当たり10ドルのりんごを4個」(ちょっと高すぎるか)というような場合、4 apples @ $10 と書いて、 four apples at ten dollars eachと読みました。このatの頭文字のaを丸で囲んでできた記号が@です。アットマークという呼び名はそこから来ています。英語ではat signとも言います。
 メールアドレスでは、単価の意味は失われ、単にatという前置詞の代わりとして用いられています。意味は、「~という場所にいる」です。He is at home.とか、She is a student at the ABC University. といった場合のatと同じです。
 たとえば、uniuni@nantoka.ne.jpというアドレスなら、「nantoka.ne.jpというコンピュータにいる、uniuniさん」という意味になります。したがって、@の前が同じでも、後(つまりコンピュータの名前)が違えば当然別人のアドレスになります。

◎圧力損失(Pressure loss)
 粘性流体がある境界面の内部、例えば装置内を通過するとき、エネルギーの一部は粒体の粘性に基づく摩擦によって熱となって失われ、入口、出口における運動エネルギーおよび、ポテンシャルエネルギーが同一でも、出口の圧力が入口の圧力よりも低下する。この熱として失われたエネルギーの分だけ低下した圧力を「圧力損失」と言う。
 一般に装置の入口と出口の圧力差は、そのまま圧力損失を示すとは限らない。出口の形状や、断面積が入口と異なるか、形状断面積が同一でも出口で縮流が起こる場合などでは、入口の運動エネルギーの一部が圧力のエネルギーに変化する場合があり、あるいは、この逆の場合もある。
 また、入口と出口の基準面からの高さが異なる場合はポテンシャルヘッドが圧力に変換されるか、この逆の場合がある。したがって、圧力損失は全エネルギー損失が圧力差として現れる場合にのみ用いる場合が多い。

◎圧力の脈動(pressure pulsation)
 (機械)定常な作動条件で発生するほぼ周期的な圧力の変動。過渡的な変動は除く。

◎圧力容器(pressure vessel)(1998年8月16日)
 労働省、「圧力容器構造規格」によれば、第一種および第二種圧力容器に分けられ、次のように定義されている。

(1)第一種圧力容器
1. 蒸気、その他の熱媒を受け入れ、または蒸気を発生させて固体または、液体を加熱する容器で、容器内の圧力が大気圧を超えるもの。(蒸煮・、消毒器など)
2. 容器内における化学反応、原子核反応によって蒸気が発生する容器で、容器内の圧力が大気圧を超えるもの。(オートクレーブ、反応器など)
3. 容器内の液体の成分を分離するため、当該液体を加熱し、その蒸気を発生させる容器で、容器内の圧力が大気圧を超えるもの。(蒸留器、蒸発器)
4. 大気圧を超える圧力の飽和水を蓄積する容器。(スチームアキュムレーター)

(2)第二種圧力容器
 大気圧を超える圧力の気体を内部に保有する容器(第一種圧力容器を除く)で、次に挙げるもの。
1. 気体のゲージ圧力が2Kg/cm2以上で、かつ内容積が0.04m3以上のもの。
2. 気体の圧力が2Kg/cm2以上で、胴の内径が200mm以上で、かつその長さ1000mm以上のもの。(エアタンク、高圧ガスタンクなど)

◎アニリン(aniline)
 ニトロベンゼンあるいはフェノールを原料として製造される。ウレタン原料である MDI向けを主体に、染料、ゴム薬品、医薬品等に使用される。液体。

◎アニーリング(アニール)(annealing、anneal)
 プラスチック成形品の残留応力を取り除くために、成形品を軟化点近くまで加熱した後に徐々に冷却する処理方法。残留応力が残っていると、印刷の際にクラック発生などのトラブルが発生することがあるため、その対策として実施される。

◎アノード、カソード(1997年1月2日)
 anode :アノード、陽極(+)
 cathode :キャソード、陰極(-)

◎あひる、かも、かり、ガン(1996年1月19日)
・あひる:まがもを飼い慣らしたもの。
・かも:ガンオウ科の渡り鳥。日本では冬に北方から渡ってきて、春、北方に帰る。
・かり:ガンオウ科の大形の水鳥。渡り鳥。ガン。
・ガン:マガン、ヒシクイ、サクツラガンなどの総称。

◎アフィニティ・リガンド(1996年1月19日)
 特定の蛋白質分子を選択的かつ強く結合する分子。

◎アフタキュア
 熱硬化性樹脂が成形後に放置または加熱によって、さらに硬化が進行すること。

◎油揚げ(1996年7月9日)
 豆腐を切り、軽く重石をして水分を少なくし、大豆油で揚げたもの。タンパク質、脂質、カルシウムを多く含む。

◎アボカド(avocado)(1996年9月14日)
 「アボガド」と呼ばれることがあるが、正しくは、アボカド。クスノキ科の常緑樹。小さな黄緑色の花が咲く。表皮の凸凹から、ワニナシとも呼ばれる。メキシコでは13~15世紀ころから栽培され、ペルーに伝わったとされている。ヨーロッパに伝わったのは17世紀ごろ。ハス、フェルテ、ズタノなどの品種があり、実の形、味、収穫時期が異なる。日本に輸入されているのはアメリカとメキシコ産のハス種。ハス種は皮が厚いため、輸送に適している。皮の色が緑から黒に変わり、触れると少し弾力を感じるようになったら食べ頃。脂肪分が多く、森のバターと呼ばれるが、その80%は不飽和脂肪酸。14種類のビタミンと17種類のミネラルを含んでいて栄養価が高い。可食部100g当たりビタミンEは3.3g、繊維質2.1gを含む。

◎甘エビ(1997年3月24日)
 体長10~12cmに達する赤紅色のエビ。ホッコクアカエビが正式名で、北陸ではナンバンエビとも呼ばれる。水深150~600mの冷たい海に生息する。秋から冬が旬。北海道ではかご漁、北陸地方では底引き漁が中心。エビ類でも単価は高い。ねっとりした甘みがあり、刺身や寿司種として生食される。
 赤さが鮮やかで、頭がしっかり付いていれば新鮮。
 
◎アミノ酸
 蛋白質の構成要素。生物を構成するアミノ酸は、全て-COOH基の隣の炭素上に-NH2を持つα-アミノ酸。酸と塩基の両方の性質を示す。分子量100~200程度。
 アミノ酸や糖は水に溶解するが、エタノールなどの有機溶媒にはほとんど溶解しない。これは、アミノ酸や糖は水分子とイオン結合や水素結合して水和するが、有機溶媒の分子とは結合しないためである。すなわち、物質の溶解性は溶媒との親和性によって決まる。

◎雨(1996年11月20日)
 1時間に5~10mmが普通のちょっとした雨。あちこちに水たまりができ、雨音がする。
 10~20mmでは、あたり一面が水たまり。
 20mmを越えると、小さな川の氾濫が始まる。土砂降りで、側水溝があふれる。
 30mmを越えると、山崩れ、崖崩れが起きる。
 大雨による崖崩れが起きる危険があるのは、傾斜30度以上で高さ5m以上の崖。前兆としては、水がわいてくる、亀裂がはしる、小石が落ちてくるなどがある。
 1日単位で考えると、50mmを越えると、被害が増加する。
 80mmでは畑や道路が冠水する。
 120mm以上では、堤防や橋にも被害がでる。

◎アルキド樹脂(alkyd resin)
 プラスチックの一種。2個以上の水酸基-OHをもつ多価アルコールと、2個以上のカルボキシル基-COOHをもつ多塩基酸とが重合した構造をとる。一般には、多価アルコール(alcohol)と多塩基酸(acid)とのエステル結合によって生成される樹脂。液体または固体。
 アルキドという言葉はアルコール(alcohol)と酸(acid)を合成したalcidが語源である。アルキド樹脂に脂肪酸、乾性油、フェノール樹脂などをくわえ、耐水性などを改良したものが、実際の用途に用いられる。アルキド樹脂は成形材料に適さず、大部分が塗料として用いられる。接着剤などにも利用される。

◎アルキルフェノール(alkyl phenol)
 プロピレン、ブチレンまたはその多量体とフェノールを原料として製造される。代表的なものに、パラオクチルフェノールやノニルフェノール等があり、界面活性剤等の原料として使用される。液体または固体。

◎アルキルベンゼン(alkyl benzene)
 ノルマルパラフィンとベンゼンを原料とする直鎖アルキルベンゼン、プロピレンl量体とベンゼンを原料とするドデシルベンゼンの2嵭゙がある。合成洗剤の原料に使用される。液体。

◎アルコール(alcohol)
 一般には、飲料用、薬用に使われるエタノールを指すが、正確にはメタノール、ブタノール、オクタノール、イソプロパノール、高級アルコール等の総称である。液体。

◎アルコールとフェノール(1997年1月2日)
 官能基OHがアルキル基に結合したものがアルコール。アルール基(芳香環)に結合したものがフェノール。OH基があるため、水にも溶ける。アルコールは酸、フェノールは弱酸。

◎アルファオレフィン(α-olefine)
 オレフィン系炭化水素のうち二重結合がαの位置(一番端の炭素と次の炭素の間)にあるものの総称。炭素数に応じて合成洗剤、界面活性剤等に使用される。また可塑剤や洗剤に使用される高級アルコールの原料となる。エチレンを重合して製造する。炭素数によって気体、液体、固体となる。

◎アルファベット(1999年12月20日)
 アルファベットという名称は、ギリシア文字の最初の2文字アルファとベータを結合したものだけれど、文字体系はギリシア人の発明ではなく、さらに歴史は古い。ギリシア人はセム語族のフェニキア人から文字を借用したという。
 エジプト・ナイル川西岸の王家の谷近くの砂漠で、アルファベットの原型と見られる文字が発見された(朝日新聞、1999年11月16日)。紀元前1900年から1800年頃のものと思われ、世界最古のアルファベットとみられている。
 アルファベットは、古代エジプトの雇い兵だったセム語族の書記が、エジプトの象形文字の草書体を簡略化して作り出したと推測されている。現在のMは水をあらわす波形の文字から、Hはつえを突いた人の形から作られたとか。

◎アルマイト加工(1996年4月1日)
 アルミニウムは酸化しやすい(さびやすい)。しかし表面にできた酸化アルミニウムには内部を保護する作用があるため酸化するのは表面だけで、内部まで酸化が進むことはない。鍋ややかんは、その表面に人工的にこのような酸化皮膜を施し、内部のアルミニウムを保護している。この加工を「アルマイト加工」と呼ぶ。

◎アルミナ(alumina)
 酸化アルミニウム(aluminum oxide)。Al2O3で、工業的にアルミナと呼ばれる。天然にはコランダム(鋼玉)、ルビー、サファイアなどとして産出する。
 工業的にはボーキサイトなどから製造する。水酸化アルミニウムを強熱して得られる。無色の結晶。融点2050℃(コランダム)、沸点2980±69℃、比重3.99。白い粉末で、アルミニウムの精錬原料。
 アルミナはアルミニウムの酸化物であるが、純粋な組成または、少量の他成分を含んだα-アルミナ、β-アルミナ、γ-アルミナなど、多くの種類がある。
 アルミナは硬く、耐摩耗性が大きく、熱伝導性に優れている。電気的には高絶縁性であり、高周波誘導電気損失が少ないなど、熱的、機械的、物理化学的特性が優れている。このため金属アルミニウムの原料としてだけでなく、耐火レンガ、研磨材、アルミナ磁器、吸着剤などに幅広く利用されている。

◎アルミニウム(Aluminum:Al)
 原子番号13、融点660.1℃、沸点2467℃、密度2.699、モース硬度2~2.9。地球表層部での存在量は、金属元素として第一位である。物理的性質は、銀白色の柔らかい金属で展延性に富む。熱処理効果はない。
 化学的性質は、空気中では酸化物の薄い膜を生じ、光沢を失うが、内部は侵されない(アルマイト)。粉末は400℃で急激に酸化され、燃焼する。微細粉末は高温において硫黄、セレン、燐、砒素、窒素、炭素、ケイ素、硼素とも直接化合物を作る。またハロゲン元素と作用し易く、ハロゲン化物を作る。酸には可溶であり、アルカリには水素を放って溶け、アルミン酸塩となる。
 用途としては板、箔、棒、管等に、また合金としての用途も多い。

◎アロマティック(aromatic)
 芳香族系炭化水素。

◎アワビ(1996年2月20日)
 ミミガイ科の巻き貝の内、大形の種類の総称。アワビの内臓にはクロロフィル(葉緑素)の分解物であるフェオフォーバイドという成分がある。これは、アワビが食べた海草などの未消化物にあたる。フェオフォーバイドに光を当てると光化学反応によって毒物ができるため、皮膚炎などが起きる。

◎安息香酸(1999年11月28日)
 けいれん、てんかんなど、強い急性毒性、染色体異常などの毒性がある。防腐剤として、練り歯磨きに入っている。

◎アンチョビー(anchovy)(1996年7月9日)
 アンチョビーとは、ニシン目カタクチイワシ科の小魚の総称です。地中海や、ヨーロッパ近海で獲れます。アンチョビーは肥料や飼料としても使用され、粉状に加工したものは魚粉やフィッシュミールと呼ばれています。煮干しや魚醤も、生のアンチョビーを使って作られることがあります。
 このアンチョビーを塩漬けにして熟成させ、発酵させ、オリーブオイルに漬けたものもアンチョビーと言います。こちらのアンチョビーは、塩辛くて濃厚な味で、三枚におろしたフィレ状や渦巻き状のものはオードブルやサラダ、ピザなどに使われます。また刻んで調味料として使ったりします。チューブ入りのペースト状で使いやすい製品もあります。

◎アンド(1996年1月19日)
 &という記号は、ampersandと呼ばれている。&は、英語のandに相当する。ラテン語の単語etのeとtの文字を合わせて記号化したもの。

◎アンモニア(ammonia)
 硫安等の窒素肥料、アクリロニトリル等の原料である。原油、ナフサ、天然ガス等から得られる水素に窒素を反応させて製造される。気体。

◎イオン化傾向(ionization tendency)
 金属が液体(とくに水)と接する時、電子を放出して陽イオンになる傾向のこと。金属元素の電子(自由電子)の居心地の良さの目安になる。水に対するイオン化傾向を大きさの順に並べた金属元素の序列を電気化学列あるいはイオン化列といい、Li、K、Ca、Na、Mg、Al、Mn、Zn、Cr、Fe、Co、Ni、Sn、Pb、(H)、Cu、Hg、Ag、Pt、Au の順である(りかかな、まあまあ、くろてこにすな、ひどすぎん、はっきんきん、と覚えると良い?)。イオン化傾向の実験事実は、金のイオン化が金属の中で最もおこりにくいことを示している。金原子の集団(金の塊)の自由電子は自由に動き回ることはできますが、他の場所に移動するには大きなエネルギーが必要である。

◎異性化(isomerization)
 触媒等の化学的、物理的作用により化合物中の原子または基の結合の仕方を変え、分子式は同じであるが、構造式等が異なる化合物(異性体)にすること。キシレンの異性化(オルソキシレン、メタキシレンをパラキシレンにする)はその代表例。

◎伊勢エビ(2000年1月1日)
 体長20cm以上のものがほとんどで、40cmに達するものもある。殻は非常に硬く、ヒゲ(第二触角)が非常に長い。

◎イソブタノール(isobutanol)
 ブタノール。

◎イソブチレン(isobutylene)
 ブチルゴム、ポリブテン、MMAモノマー等の原料。ナフサ分解で副生するスペントBB及びFCCで副生するBB留分から得られる。気体。

◎イソプレン(isoprene)
 イソプレンゴムの主要原料。製法には、ナフサ分解で副生するC5留分中から得る方法やイソブチレンとホルムアルデヒドを原料とする方法等が有る。液体。

◎イソプレンゴム(isoprene rubber:IR)
 イソプレンを重合して得られる汎用合成ゴム。その分子構造が天然ゴムと同じであるため性質もほとんど同じだが、天然ゴムに比べ加工性に優れ、品質も安定している自動車タイヤ等に使用される。固体。

◎イソプロパノール(isopropanol:IPA)
 溶剤、消毒用アルコールに使用される。プロピレンを原料として製造される。液体。

◎イソホロン(isophorone)
 C9H14O、沸点215.2℃の無色又は微黄色のケトン系有機溶剤。溶解力に優れるが、比較的臭気が強い。遅乾性溶剤、リターダーとして使用する。

◎一次側圧力(primary pressure)
 (機械)機器の入口側圧力。

◎イットリア(yttria)(2000年2月28日)
 酸化イットリウム。Y2O3

◎一般用ポリスチレン(general purpose polystyrene:GPPS)
 ポリスチレン。

◎遺伝子(1996年7月9日)
 遺伝子の本体は、遺伝情報が刻まれたデオキシリボ核酸(DNA)である。すべての細胞では、DNAに収められた遺伝情報が、いったんリボ核酸(RNA)に転写され、解読されたうえ、タンパク質を合成する。
 DNAに収められた遺伝情報は4つの記号で書かれている。それはA(アデニン)、C(シトシン)、G(グアニン)、T(チミン)と呼ばれる塩基性の化学物質である。この4つの記号はDNAテープの上に並んでいる。DNAテープは5つの炭素で作られた糖とリン酸が重合したものである。
 RNAは構成成分の糖にリボース(R)を持ち、DNAはRから酸素を1つ除いたデオキシリボース(D)を持っている。生化学の研究から、DNAを作るには必ずRNAの素材を使わなければならないことが分かっている。つまり、現存する全てのDNA生物はRNA材料からDNAを作っていることになる。このような状況証拠から、生命の起源はRNAにあったとみられている。DNA生物の見つかった38億年前よりさらに以前には、RNA生物が存在したRNAワールドがあったと考えられている。
 また、RNAはDNAにない特殊な能力がある。これまでタンパク質にしかないと考えられていた酵素活性がRNAにも備わっていることが最近になって明らかになった。これを「RNA酵素」とか「リボザイム」とか呼んでいる。こうなるとRNAは自分の情報を書き換えたり、編集したりできることになり、RNAだけで新しい情報ができあがることになる。さらに、RNAとタンパク質は直接、互いにクロストーク(交信)ができる。またRNAとタンパク質は「共有結合」をすることができるがDNAにはできない。しかし、DNAは丈夫で長持ちである。RNAは脆くてちぎれやすい。両者の違いは酸素が1つあるか、ないかだけである。情報を保管するテープとしてDNAが勝るため、RNAワールドからDNAワールドへと移行したと考えられている。現在では、ウイルスを除く全ての生物ではDNAが主体となっている。

◎イモリ、井守(1996年1月19日)
 両生類、有尾目に属する日本固有の動物。体は黒褐色。腹は全体赤色で黒い斑点がある。アカハラ、イモラとも。

◎引火点(flash point)
 炎がふれたとき燃焼が起こる最低の温度。

◎インキジェット(ink jet)
 帯電した特殊インキを微細なノズルから噴射し、電場によって偏向させ、記録紙上に文字や図柄を高速度で作る印刷技術。ジェットインキには、水性型、溶剤型、UV型があり、また染料タイプと顔料タイプがある。近年大型版を使用する少部数のスクリーン印刷の代替印刷方式として伸長が著しい。

◎印刷方式(printing method)
 印刷には各種の方式があり、各々に適応する印刷インキが用意されている。色々な分け方があるが、一般的に印刷方式を中心に分類すると、下表の様になる。
版 式 印 刷 方 式 印刷インキ
凸 版 凸版 油性凸版インキ
フレキソ フレキソインキ
ドライオフセット ドライオフセットインキ
凹 版 グラビア グラビアインキ
グラビアオフセット グラビアオフセットインキ
パッド パッドインキ
平 版 オ フ セ ッ ト オフセットインキ
孔 版 ス ク リ ー ン スクリーンインキ

◎インジェクション・ブロ-成形
 熱可塑性樹脂の成形法射出成形により底のあるパリソンを成形し、ただちにこれを吹き込み用金型に移し、その中に空気を吹き込み中空の成形品を得る方法。

◎インデン(indene)
 分子式がC9H8で表される二環性の炭化水素。無色油状の液体。可燃性。融点1.64℃、沸点182.6℃。ベンゼンがシクロペンタジエン環と縮合した構造を持つ。
 インデンは天然に存在し、コールタール中にある。不安定で常温、暗所でも速やかに重合し、また空気中の酸素を吸収する。純粋なインデンは無色だが、保管中に起こる重合や酸化により淡黄色を呈する。
 工業的用途として、熱可塑性を持つクマロン-インデン樹脂の原料となる。デジタルカメラの光学レンズやパソコンの光学フィルムの原料として利用されている。

◎インフルエンザ(1996年7月9日)
 人間の他にも豚や鴨、アヒルなどの鳥もインフルエンザにかかる。インフルエンザにかかると豚は鼻水をたらすが、鳥は平気である。これは人間や豚の場合にはインフルエンザウイルスが空気の通る鼻、喉、気管支、肺胞などの呼吸器系で増殖するため、鼻水、咳やたんなどがでる。さらに血液の中に入り込むと体中がだるくなり、高熱を出して筋肉が痛むことがある。一方、鴨のような水鳥(水禽)では、腸でインフルエンザウイルスが増える。この場合、水禽はウイルスにかかっても体調を崩さない。さらに糞と一緒にウイルスを垂れ流す。
 中国南部には水禽や豚を同じ場所で飼育している地域があり、ここでは水禽の糞が乾燥し、インフルエンザウイルスが混じった空気を同居している豚が吸い込む。この時、体内に侵入したウイルスが前年のものと異なれば、豚は風邪をひく。豚の間でインフルエンザウイルスが流行すると、飼い主である人間に同じ種類のインフルエンザウイルスがうつる。

◎インフレーション法(inflation method)
 押出機を用いて合成樹脂フィルムを製造する方法のひとつ。押出機の先端に取り付けた環状のダイからチューブ状に樹脂を押し出し、まだ軟化している内に中に空気を吹き込み、薄いフィルム状になったところで冷却した後に捲き取る。ポリエチレンやポリプロピレンの薄いフィルムを製造するのに適している。

◎ウイルス(virus:ラテン語)(1996年7月9日)
 これまでに分かっている地球上で最も微小な「生物」。生物に寄生し、生きた細胞の内部でだけ増殖する微粒子。大きさは20~400nm程度。生体組織の最小単位である細胞を持たない。遺伝子をタンパク質の殻で覆った構造をしている。リボソームを持たないため、単独では増殖できない。感染先である宿主(ホスト)の細胞に侵入し、自分の遺伝子を組み込み、宿主細胞の複製工場を乗っ取る。つまり、ウイルスは生きた細胞がなければ増殖できない。
 ウイルスには、遺伝情報としてDNAをもつものとRNAをもつものがある。皮膚、神経、脳を冒すヘルペスウイルスや天然痘ウイルス、B型肝炎ウイルスがDNAウイルスの代表であるが、ウイルスの世界では少数である。特に、植物に寄生するウイルスはたった一つの例外(カリフラワーモザイクウイルス)を除いて、すべてがRNAウイルスである。
 ウイルスを大きく分類すると、動物性ウイルス、植物性ウイルス、細菌性ウイルスの3つに分けられる。つまり、ウイルスはウイルス以外の全ての生物に感染することができる。
 細菌性ウイルスは、バクテリオファージとも呼ばれる。これは、バクテリアを食べるという意味。

◎ウイルス進化論(1992年5月1日、読売新聞)
 ダーウィン進化論は、社会進化論や科学的進化論として疑わしいものとして考えられはじめている。ウイルス進化説を簡単に言うと「進化は、ウイルスによる伝染病」ということになる。進化は生物の遺伝子が変化しなくてはならない。これまでの進化論は、遺伝子は親から子へという垂直方向にしか移動しないと考えられてきたために、複雑な推論を必要としてきた。しかし進化を引き起こす原因として、ウイルスが種をこえて運ぶ遺伝子が生物の遺伝子に影響を与えるという事実を認めれば、単純に理解ができる。
 ダーウィン進化論で説明できないことのひとつに、キリンの首がある。キリンの化石は、首の長いものと、首の短いものしかなく、中間的な化石は発見されていない。ダーウィンの説では、中間的な化石が存在しなくてはならない。しかし、現在まで発見されていない。ウイルス進化説では、キリンはある時に首が長くなるウイルス性の伝染病になったと考えるため、中間的な化石は存在しなくてもよい。
 人間の遺伝子の中に潜んでいるウイルスを発見すれば、ウイルス進化説の正しさが証明されるし、見つからなければ否定される。このことは、ウイルス進化説が検証可能な仮説であり、検証不能の自然淘汰に頼るダーウィンの説よりはるかに科学的仮説としての価値が高い。

◎ウェザーメーター(Weather-O-Meter)
 耐候性の促進試験機。正式には、サンシャインウェザー・オ・メーター(Sunshine Weather-O-Meter)という。印刷物にカーボンアーク灯、またはハロゲンランプにより強烈な光を当て、更に定期的にシャワーで水を吹き付けて雨の代わりとし、経過時間ごとの外観の変化を調べる。また、シャワーを使用しないで光の影響だけを調べる試験機には、フェードメーターやQUVがある。

◎ウェス(waste)
 印刷用の版や機材の洗浄用に使う端切れ、ぼろきれ。ニット、タオル、不織布などが使われる。

◎ウェルドマーク
 成形時において、樹脂の二つ以上の流れが完全に融合しない時に生じる、結合部にできる線状のむらをいう。ウェルドライン、ニットラインともいう。

◎ウニ(1998年8月21日)
 ムラサキウニの身は白っぽい黄色だが、バフンウニは赤身がかった黄色で甘く、最高級品とされる。
 オスとメスがあり、精巣と卵巣がむき身として食用される。繁殖期に近づくほど身も厚くなる。鮮度を見るには、①表面の粒がはっきりしている、②色にくすみがない、③全体に身がとけていない、などがポイントになる。

◎馬(1999年12月21日)
 難波宮で648年のものとされる絵馬の破片が見つかったことで、これまで奈良時代前半のものが最古とされていた絵馬の歴史が、1世紀近くさかのぼることになった(朝日新聞、1999年11月23日)。
 かつて馬は神聖視され、神事などの折、生馬を献上する風習があった。それが土馬などに代替され、やがて板立馬になる。これがさらに簡略化されたのが絵馬の起源だとされている。
 馬が家畜化されたのは紀元前7000年前から4500年前頃といわれ、食用が目的だった。使役に用いられるようになるのは、紀元前2000年紀。古代オリエント世界で、戦車を引くために利用されている。その後、騎馬戦が登場し、戦争のあり方を変えてしまう。敵陣をスピーディかつ自由に駆け回る騎馬兵は驚異を与えたことだろう。こうしたイメージが馬を神の乗り物として神聖視することにもつながったということか。
 日本でも、第二次大戦くらいまでは軍馬や農耕馬として馬は多く利用されており、昭和20年当時でも100万頭はいたとされている。現在、その数は、競走馬を含めても10万等前後。日本の在来馬といわれる種に至っては、絶滅が危ぶまれるものさえある。

◎うまみ成分(1996年7月21日)
 コンブはグルタミン酸、かつお節はイノシン酸、シイタケはグアニル酸がうまみ成分。

◎ウミガメ、太平洋を往復か(1996年2月26日、朝日新聞)
 メキシコで放流されたアカウミガメが1年3カ月余りかけて太平洋を横断、徳島県の蒲生田岬付近までたどり着いていたことが25日、明らかになった。日本生まれのカメが戻ってきた可能性もあり、未知だったカメの生態を明らかにするカギとなりそうだ。
 日本ウミガメ協議会会長で京大大学院生の亀崎直樹さん(39)によると、このカメは、1995年11月9日、ウミガメ産卵地の徳島県阿南市の蒲生田岬近くで、死んだ状態で定置網にかかっているところを見つかった。約90cmの甲羅に標識が付いていたため、連絡を受けた亀崎さんがインターネットで世界のウミガメ研究者に問い合わせたところ、アリゾナ大の研究者らが1994年7月に標識をつけてカリフォルニア半島から放った4匹のうちの1匹とわかった。
 亀崎さんと米フロリダ大の研究者B. ボーエンさんが昨年、カリフォルニア半島沖で捕まえた体長30~40cmのアカウミガメの遺伝子を調べたところ、90%のカメが日本で見つかるアカウミガメと酷似していた。このため、カメが太平洋を往復している可能性が注目されていた。
 亀崎さんは「日本で生まれたカメが海流に乗って、米大陸西海岸に到着して育ち、繁殖を前に別の海流に乗って日本に泳いできたという生態が考えられる」と話している。

◎羽毛(2001年2月21日)
 羽毛布団に使われているのは水鳥の「羽根」と「羽毛」です。羽毛製品には、一般的に食用に飼育されたダック(アヒル)か、グース(鵞鳥)の羽毛を使用し、尻尾や翼の羽根を除いてダウン・スモールフェザー・フェザーなどに分けます。

・ダウン(綿羽“わたばね”と読みます)
 水鳥の体を覆っている羽根の内側にあり、外からはほとんど見えません。鶏などの陸鳥にはありません。中心から細い繊維(羽枝)が四方八方に伸びていて、さらにその左右にもっと細かい繊維(小羽枝)がついています。水鳥が体を守るために保温性、発散性、柔軟性が優れています。1羽から取れる量は、10~20gとごくわずかです。
 「ダウンは水鳥の胸毛です。」と説明されている事が多いですが、それは間違いで本当は全身に生えています。水鳥が泳ぐときに水面に接するあたりのダウンは良く発達してダウンボールが大きく成長しています。それは、密生したダウンの繊維に空気をためて浮き袋の役目をするためです。

・スモールフェザー、フェザー(羽根)
 鳥の体を覆っていて外側から見えます。中心部に立体的に少しカーブをした羽軸をもち、その両側に柔らかい繊維(羽枝)があり、さらにその左右に細かい繊維(小羽枝)がついています。水鳥のスモールフェザーやフェザーはカーブがありますが、陸鳥のフェザーにはカーブがありません。このカーブがあるために、弾力性に優れています。発散性にも優れているため、枕の素材に使われます。
 長さが6.5cm未満のものをスモールフェザーといい、それ以上のものをフェザーといいます。

◎粳(うるち)(1996年7月9日)
 炊いたとき、糯米(もちごめ)のような粘り気を持たない普通の米。うるごめ。うるしね。

◎ウレアーゼ(1996年1月19日)
 ドイツ語。尿素を加水分解して炭酸とアンモニアにする酵素。多くの生体、特にマメ科植物に多量に含まれる。1926年、ナタマメから酵素として最初に結晶化された。

◎雲母(mica)(1999年11月5日)
 KAl2(AlSi3O10)(OH, F)2)系。造岩ケイ酸塩鉱物の最も普通な一群で、火成岩、変成岩などに産する。粘土鉱物の一種でカリウム、リチウム、鉄などを含む。硬さはふつう2.5~3、比重2.7~3.1、誘電率4.5~7.5。白雲母、金雲母は電気絶縁体、耐熱透明器具などに使用される。

・白雲母
 透明か白い色をしている。日本では、主にインドからの輸入に頼っている。電気の絶縁体として使用されている。電気を伝えないだけでなく、熱も伝えない。また、薄くはがれる点が便利であり、真空管の中、昔のアイロンやトースターに使用されていた。電気を熱に変えるニクロム線を白雲母で挟み込み、鉄の中に設置したのがアイロンである。また、マイカコンデンサーにも利用されている。最近では、合成雲母も製造されている。

・絹雲母
 白雲母の細かくなったもので、土のようになめらかになったものを絹雲母という。これは、塗料や、化粧品として利用されている。ファンデーションやクリームの中に入っており、きめ細かくて、滑石よりもさらに皮膜性があるため、肌になめらかな壁を作るのに最適。

◎液晶(liquid crystalline)(1996年1月19日)
 液晶とは、固体と液体の両方の性質を合わせ持つもの。物質の三態に当てはまらず、第四の状態と呼ばれる。正式には“液体結晶”と呼ばれる。非常に高価で、1g当たりの値段は金よりも高い。液晶の種類は約1万種あり、コレステロールやレシチンなどもこの1つ。種類によって構成する物質、分子の配列が異なる。

◎液晶カプセルインキ(liquid crystal capsule ink)
 液晶の微少なカプセルを使ったスクリーンインキ。液晶は特殊な化学物質で、熱を加えると結晶構造が変化して色が変わる性質を持っている。液晶カプセルはカプセル化されない液晶に比べ、発色の繰り返し特性が優れ取り扱いも簡単である。このインキによる印刷物は、温度表示や工業用検査医学上の体温、その他の測定検査に利用される。

◎液晶性ポリマー(liquid crystalline polymer:LCP)
 一般に溶融状態で液晶性(分子が規則正しく並んだ結晶と、無秩序に並んだ液体の中間に当たる状態)を示す高分子。成形桙フ流動性が良く、固まるにつれて分子が剛直につながるため、強度に優れた精密成形品の素材に適しており、またプラスチックとしては耐熱性がかなり高い。なお、デジタル時計や電卓の表示板に使用されているのは低分子の液晶。
 結晶性スーパーエンプラ。溶液型と溶触型がある。溶触型は3タイプある。異方性。寸法安定性。流動性。

◎液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)
 液晶は電圧の変化によって光を通過させるか遮断するかを制御できるので、これを2枚のガラス板の間にはさんでディスプレイとして使用する。ただし、液晶自体は発光しないので、液晶パネルの裏にバックライトという蛍光灯と反射板をおいて照明する。このバックライトの調光板の印刷にスクリーン印刷が使用されている。液晶ディスプレイの利点としては、CRTのディスプレイとくらべて薄型であることや消費電力が小さいことがあげられ、ノート型パソコンや携帯電話などに多く利用されている。

◎液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer)
 液晶構造を発現する高分子の総称。液晶ポリマーの特徴はその剛直鎖の配向に起因し、一般に耐熱性、すぐれた強度特性、低熱膨張性および配向状態を得やすいことであり、これらの性質を利用して、高強度、高弾性率の繊維としての応用や、成形品として前述の特性を利用し電気、電子部品などに使用されている。

◎エキゾーストセンタ(exhaust center)
 (機械)3位置切換弁の入力ポート(1ポート)は閉じて、出力ポート(2、4ポート)が排気ポート(3、5ポート)に通じている流れの形。旧JISではABR接続と呼んでいた。

◎エジェクタ(vacuum generator)
 (機械)圧縮空気をノズルから高速で噴射することにより、ノズル周辺の空気が吸引されて圧力が低下する現象を利用して真空を発生する装置。

◎エスカレーター(1999年12月19日)
 「エスカレーター」という名称は、今日のエスカレーターの原形を確立したアメリカのシーバーガーが、1900年にラテン語の「Scala(階段)」とエレベーターとを組み合わせて名付けた造語。アメリカで一般に普及するようになったのは1920年代に入ってからで、日本では1928年、東京大正博覧会の会場に設置されたのが最初。

◎エタノール(ethanol)
 化粧品、液体洗剤、医薬品、塗料関係等の化学工業用、食酢、食品防腐剤等の食品工業用、その他試薬、消毒用などに使用されるエチレンを原料とする石油化学法と糖蜜を原料とする発酵法がある。

◎エタノールアミン(ethanolamine)
 界面活性剤、ガス吸収剤等の原料として使用されるエチレンオキサイドとアンモニアを原料として製造される。

◎エタン(ethane)
 C2H6 パラフィン系炭化水素のひとつ。天然ガス、石油分解ガス等に含まれている。米国ではエチレンの主原料として用いられている。化学原料のほか、冷媒や燃料にも使用されている。気体。

◎エチレン(ethylene)
 CH2=CH2オレフィン系炭化水素のひとつで、代表的な石油化学基礎製品。ポリエチレン、エチレンオキサイド等エチレン系製品の基礎原料。製法には、ナフサの熱分解、エタンの脱水素等がある。
 かすかに甘い臭いのある無色の気体。融点-169℃、沸点-104℃、比重0.985。合成樹脂や合成繊維の原料となる。

◎エチルアミン(ethyl amine)
 モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンと三種類があり、塗料、医薬、農薬等に使用される。エタノールとアンモニアによる製法、アセトアルデヒド、アンモニア及び水素による製法がある。液体。

◎エチルベンゼン(ethyl benzene:EB)
 スチレンモノマーの中間原料で、一般にエチレンとベンゼンを原料として製造されるが、キシレン留分からの分留によって得る方法もある。液体。

◎エチレン(ethylene)
 CH2=CH2オレフィン系炭化水素のひとつで、代表的な石油化学基礎製品。ポリエチレン、エチレンオキサイド等エチレン系製品の基礎原料。製法には、ナフサの熱分解、エタンの脱水素等がある。気体。

◎エチレンオキサイド(ethylene oxide:EO)
 エチレングリコール、界面活性剤等の原料であり、エチレンを酸化して製造される酸化エチレンともいう。気体。

◎エチレングリコール(ethylene glycol:EG
 ポリエステル繊維、PET樹脂、不凍液、不飽和ポリエステル樹脂等の原料エチレンオキサイドを水和して製造される。

◎エチレン酢ビコポリマー(ethylene vinyl acetate copolymer:EVA)
 → EVA樹脂

◎エチレン・テトラシクロドデセン・コポリマー(E/TD)
 エチレン・テトラシクロドデセン・コポリマーはエチレンと環状オレフィンの一種であるTD(テトラシクロドデセン)を共重合したポリマーです。
 一般的には環状オレフィンコポリマー、略してCOCと言います。国内では三井化学株式会社がチーグラー触媒技術を用いて1992年に工業化し、「アペル」の商品名で製造販売しております。
 アペルは、非結晶樹脂としての性質を併せ持っています。透明性、防湿性、衛生性に優れているため、食品包装用フィルムやボトルなどの容器への利用が検討されています。

◎エチレン・プロピレンゴム(ethylene propylene rubber:EPT、EPDM)
 エチレン、プロピレンと第三成分(エチリデンノルボーネン、ジシクロペンタジエン等)を共重合して得られる合成ゴムで、耐オゾン性、耐候性、耐熱性に優れている自動車部品、電線被覆、建材等に使用される。固体。

◎エッチング(etching)
 金属を酸で腐食させて削り取る加工方法。腐食させたくない部分にエッチングレジストインキを印刷しておくことにより、任意のパターンを形成できる。プリント回路板等の製造で使用される。

◎エバミルク(1996年7月9日)
 無糖練乳。evaporeated milkの略。牛乳を約2.5分の1に濃縮したもので、缶詰になっている。開缶後の保存性は低く、1~3日。冷蔵庫内で1週間程度。→コンデンスミルク

◎海老、蝦、エビ(2000年1月1日)
 甲殻類十脚目長尾亜目に属するものの総称。ヒゲが長く、腰を曲げて進むところが老人に似ているということで「海老」と書く。英名はlobster(歩行類の大型のもの)、prawn(遊泳類)、shrimp(小型のもの)がある。

◎エピクロルヒドリン(epichlorohydrin)
 エポキシ樹脂合成グリセリンの原料。プロピレンを原料として製造される。液体。

◎エポキシインキ(epoxy ink)
 ビヒクルにエポキシ樹脂を使用したインキ。主に二液反応型として使用するが、一液型もある。金属やガラスなどの材質に対する接着力が強い。屋外で使用するとチョーキング現象が発生する。

◎エポキシ樹脂(epoxy resin:EP)
 熱硬化性樹脂。黄色~褐色の粘稠な液体または、固体で、分子量は300~8000、比重1.15~1.20。低分子・のものは接着剤などに利用される。高分子量のものはフェノール樹脂など、他の樹脂と併用して塗料に用いられる。
 成形品、接着剤、塗料等に使用される熱硬化性樹脂。最も代表的なものはエピクロルヒドリン及びビスフェノールを原料として製造される。固体または液体。
 エポキシ基2個と多くの水酸基からなり、強力な接着力をもつ。陶磁器やガラスの接着、あるいは軽金属板の接着と、ほとんどすべての接着ができる。熱硬化性樹脂だが、固まらせるには硬化剤か触媒を使う。接着剤以外の用途としては塗料、成形品、可塑剤などがあり、成形品は高温、高圧に耐え、耐食性もよいのでパイプなどに用いられ、また、硬化に対する収縮の少ないことを利用する成形物、金属に接着する成形物などに使われる。高品質のエポキシ樹脂は、半導体の封止材(ICチップや配線を一体にして固める材料)として用いられる。
 接着性、寸法安定性、耐アーク性、耐薬品性がある。

◎エマルジョン(emulsion)
 乳濁液、乳剤。互いに混ざり合わない2種の液体のうち、一方が微粒子となって他方の液体中に分散した乳濁液のこと。酢酸ビニル系、アクリル系、塩化ビニリデン系、SBR系などのエマルジョンが代表的なものであり、塗料、接着剤、繊維、紙工剤などに用いられる。

◎エラストマー(elastomer)
 合成高分子材料で、とくに常温付近で、ゴムのような弾性や屈曲性をもつものをエラストマーとよぶ。エラストマーは小さい力で発熱せずに大きな変形をするが、力を加えるのをやめると、すぐにほぼもとどおりの形・大きさにもどる弾性材料。いわゆる高弾性、あるいはゴム状弾性を有する材料の総称。架橋タイプ(天然ゴム及び合成ゴム加硫物)と熱可塑性タイプ(熱可塑性エラストマー)がある。
 エラストマーに対して、常温付近で弾性変形しにくい材料はプラストマーという。ふつうのプラスチックはほとんどプラストマーである。

◎エルビウム(Erubium:Er)
 原子番号68、融点1497℃、沸点2900℃、密度9.05。ガドリン石、ゼノタイム等の鉱石中に存在し、製法は酸化物を塩化アンモンと混合加熱して粗塩化物をつくり、塩化物をリチウムで還元する方法で得られる。エルビウムは銀色の金属で、空気中では安定であり、格子構造は六方最密充填。エルビウム化合物の種類および化学的性質は、一般の希土類元素化合物とほとんど同じである。
 用途として、電気関係では磁性合金、半導体物質、フェライトガーネットに用いられ、ガラス工業では赤外線吸収ガラスの製造に使われる。

◎塩化アンモニウム(ammonium chloride)(1998年8月28日)
 NH4Cl。結晶は無色。比重1.53。電池製造、化学分析試薬、医薬、はんだ付け、染色用のほか、窒素肥料としても用いられる。

◎塩化カリウム(potassium chloride)(1998年8月28日)
 KCl。結晶は無色。融点776℃、沸点1500℃、比重1.989。水に可溶、アルコールに難溶、アセトンに不溶。化学的性質は塩化ナトリウムに似ている。
 カリ肥料、カリ塩の原料、赤外用プリズム、医薬品として利用される。

◎塩化カルシウム(calcium chloride)(1998年8月28日)
 CaCl2。海水中に約0.15%存在する。結晶は無色で吸湿性がある。融点774℃、沸点1600℃以上、比重d15=2.152。水に易溶。吸湿性が強いため、乾燥剤として用いられる。

◎塩化銀(silver chloride)(1998年8月28日)
 AgCl。天然に角銀鉱として産する。結晶は無色。融点449℃、沸点1554℃、比重5.56。光伝導性を持ち、有機化合物または水の存在下で光を当てると、しだいに分解して黒化する。・真に利用される。

◎塩化ビニリデン樹脂(vinylidene chloride resin:PVDC)
 塩化ビニリデンと塩化ビニルの両モノマーを共重合して得られる。この樹脂のフィルムは無色透明で気体遮断性が優れていることからハム・ソーセージ等の食品包装や家庭の冷蔵庫用ラップフィルムに使用される。固体。

◎塩化ビニル(Vinyl Chloride)
 無色の気体。沸点-13.9℃、融点-159.7℃。ポリ塩化ビニル、塩化ビニリデン-塩化ビニル共重合体、アクリルニトリル-塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル-塩化ビニル共重合体などの製造に用いるほか、ポリ塩化ビニル、塩化ビニリデンの原料となる塩化ビニル樹脂(vinyl chloride resin)という場合は、ポリ塩化ビニルのことをいう。

◎塩化ビニル樹脂(vinyl chloride resin:PVC)
 ポリ塩化ビニル。塩化ビニルの重合体。略称PVC。単独重合体(PVC-S)と共重合体(PVC-M)とがある。
 単独重合体の加工温度は150~170℃、ガラス転移温度79℃、比重1.406。可塑剤の混入度によって軟質、硬質の差を生じ、それぞれの用途を持つ。建築用の資材、土木用の資材、水道管やガス管、タンクなどの素材となる。
 エチレンと塩素を原料として製造される塩化ビニルモノマーを重合して得られる代表的な熱可塑性樹脂。水道用等の各種パイプ、農業用フィルム、レザー、電線被覆、雨樋、その他各種成形品として広範な用途をもつ。固体。
 PVCは、広範な用途に用いられる代表的な熱可塑性樹脂であり、懸濁重合法で工業的に製造されている。通常の懸濁重合では、まず高分子分散剤の存在下で強力な攪拌を行うことにより、水相中の塩化ビニルモノマー(VCM)を30~50μmの液滴として分散させ、親油性の開始剤で重合を開始し、一定の温度(通常50~70℃)で数時間の反応を行った後、未反応のVCMを回収して最終製品を得る。したがって、この重合系においては重合器内の水相部分に分散した30~50μmのモノマー液滴の内部で重合反応が起こり、モノマーがポリマーに変化しながら液滴の粒子構造が形成されていく。重合の進行にともない、液滴内部のポリマー濃度が高くなるため、モノマー中のポリマーはある時点で析出すると考えられ、この系は重合反応をともなって液相(モノマー)が固相(ポリマー)へ変化する反応晶析系としてとらえることができる。
 インキ用としては、塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合樹脂が一般的である。両樹脂のモル比及び重合度によって、得られる樹脂の性質が異なる。塩化ビニルが多いと皮膜は強靭で耐薬品性が向上し、酢酸ビニルが増すと溶解性、可撓性、接着性などが向上する。重合度が高くなると皮膜強度が向上する半面、溶液粘度が高くなり印刷皮膜は薄くなる。これら樹脂は単独で又は他の樹脂を併用して、軟質塩ビ、塩ビステッカー、硬質塩ビ、易接着PETフィルムなどへのインキに用いられる。

◎塩化ビニルモノマー(vinyl chloride monomer:VCM)
 塩化ビニル樹脂及び塩化ビニル系共重合樹脂の主原料。エチレンと塩素の反応によって得られる二塩化エチレンの熱分解で製造される。液体。

◎エンジニアリング・プラスチック(engineering plastics)
 エンジニアリングプラスチック(略称エンプラ)は、構造材や耐熱、耐じん性の高い材料、部品等に使用できるプラスチックで、引張強さがあり伸びもある程度大きく衝撃強さがあり荷重たわみ温度が100℃以上で、耐薬品、耐難燃、耐候性もすぐれているプラスチックをいう。
 一般の合成樹脂に比べて寸法安定性、耐摩耗性、耐熱性、機械的強度、電気的特性等に優れている合成樹脂の総称。電気電子自動車、事務機器等の工業製品用部品材料として使用されている。
 またエンプラの中でも、汎用エンプラとスーパーエンプラ(特殊エンプラ)に分類されている。代表的な樹脂に、汎用エンプラでは、PA、POM、PC、PBT(PET)、変性PPEがあり、スクリーン印刷の対象素材としてよく使われる。スーパーエンプラには、PPS、PAR、PEI、PSF、PES、PEK、PEEK、PI、PAIなどがあるが、一般には印刷対象として使用されない。

◎炎色反応(flame reaction)
 アルカリ金属や、アルカリ土類金属など、様々な金属の塩類(金属陽イオンと陰イオンからなる中性電荷の化合物)を炎の中に入れて高温に熱すると、炎が各元素固有の色を示す反応のこと。
 炎の色は、各金属に特有なので、金属陽イオンの定性分析法として利用できる。「定性分析」とは、物質の種類を調べる方法である。一方、物質の量を調べる方法を「定量分析」という。バリウム(緑)、ストロンチウム(赤)、カリウム(淡紫)、ナトリウム(黄)、銅(青緑)、カルシウム(レンガ赤)、ホウ素(黄緑)など。

◎遠赤外線(遠赤)(far-infrared ray)
 赤外線波長帯(760mm~0.1cm)の中の約4μm~0.1cmまでの電磁波。インキの加熱乾燥などに使用する。

◎塩素(Chlorine:Cl)
 原子番号17、融点-100.98℃、沸点-34.07℃。塩素はハロゲン元素の1つ。食塩、アルカリ金属または、アルカリ土類金属の塩化物として海水中、岩塩鉱床中に産し、遊離のままでは存在しない。
 黄緑色、刺激臭のある有毒な気体。塩素はフッ素に次いで電気的に陰性な元素で、希ガス、炭素、酸素以外の元素と直接化合して塩化物をつくり、その際、しばしば光と熱を発する。
 酸化剤、漂白剤、消毒剤、染料、医薬、爆発物、さらし粉、その他多数の有用塩化物の製造に用いられる。きわめて有毒、粘膜を侵し、空気中0.003~0.006%で傷害を起こす。

◎塩素化ポリエチレン(chlorinated polyethylene)
 ポリエチレンに塩素を反応させて得られる非結晶性のゴム状物質。塩化ビニル等の樹脂に配合して、難燃性、耐候性を高める。固体。

◎塩素酸カリウム(potasium cholorate)(1998年8月28日)
 KClO3。無色単斜晶系板状晶。融点370℃、比重2.344。強い酸化剤。有機物、木炭、リン、硫黄などと混ぜたものは加熱、または衝撃によって爆発する。マッチ、花火、爆薬の原料となる。

◎塩素酸ナトリウム(sodium chlorate)(1998年8月28日)
 NaClO3。無色立方晶系結晶。融点248℃、比重d15=2.490。アルコールに可溶、酸性溶液で強い酸化剤。過塩素酸塩の製造、マッチ、爆薬、染色、漂白などに用いられる。

◎鉛筆硬度、鉛筆引っ掻き値(hardness)
 インキ膜の硬さを、鉛筆の芯で引っ掻いて調べた数値。9Hが最も硬く、6Bは最も柔らかく、硬いほうを上位とする。
 9H、8H、7H、6H、5H、4H、3H、2H、H、F、HB、B、2B、3B、4B、5B、6B(JIS K 5400 8.4 鉛筆引っかき値)

◎エンボスインキ(emboss ink)
 印刷した画線を隆起状態とするためのインキ。インキ皮膜が加熱により発泡するものや、UVインキの厚盛り印刷によるもの等がある。

◎エンボス加工
 紙Box製品の表面を凸凹にした加工。

◎オイルミスト(oil mist)
 作動空気中に含まれる細かい油の粒子。

◎応差(hysteresis)
 (機械)シリンダのピストンを一方向に移動させてスイッチが動作した後、元の方向に戻してスイッチを復帰させる。このときの動作した位置と復帰した位置との距離。

◎応答時間(response time)
 (機械)ピストンがスイッチの動作範囲を入出した瞬間から、スイッチの出力が変化を完了するまでの時間。

◎応答時間(response time)
 (機械)バルブや回路などに、入力信号が加わったときから出力がある規定の値に達するまでの時間。

◎オウム病(1996年1月19日)
 オウム、カナリア、ハトなど、鳥類の病気であるが、人にも感染し、高熱、頭痛、筋肉痛を伴う気管支肺炎を起こす。病原体はオウム病クラミジア。
 インコはオウム病に感染していることがある。オウム病の病原体が人間に伝染した場合、1ヶ月後に病性肺炎で死亡する。軽い場合でも発熱などの症状が出る。

◎応力
 外力に応じて物質内には、変形に抵抗する内力が発生する。

◎おから(1996年7月9日)
 豆腐を作る時の豆乳のしぼりかす。「おから」は「絞りかす」の意味で、「茶殻」の「がら」などと同じ語源の「から」に丁寧語の「御」をつけたもので、女房言葉のひとつです。
 豆腐を作った後の残渣物だが、栄養的には優れている。一般分析値を見れば、乾物中1kgあたりの粗蛋白質は約26%、粗脂肪は約13%、可溶無窒素物が約33%、粗繊維が約15%と、非常に栄養価が高い。通常は水分を約75%~80%含む状態で流通している。ただし、消化はよくない。

◎オキシクロリネーション法(oxychlorination process)
 水素または空気とともに塩化水素を用いて炭化水素の塩素化反応を行い、塩化物を得る反応の総称である。塩化ビニルモノマーの製法として採用されている。

◎オキソ法(oxo process)
 オレフィンに一酸化炭素と水素を反応させて、飽和アルデヒドを合成する方法。通常、得られたアルデヒドは水素添加または二量化後、水素添加してアルコールに変えられるので、この工程を含めてオキソ法と称する場合が多い。例えばプロピレンを原料として、オクタノール、ブタノールを得る方法等。

◎オクタノール(octanol)
 ノルマルオクタノール、イソオクタノール及び2-エチルヘキサノールを総称する。特に2-エチルヘキサノールは、塩化ビニル樹脂の可塑剤原料として重要でありプロピレンのオキソ反応に寄って製造される

◎押出成型法(extrusion molding method)
 射出成形法と並ぶ熱可塑性樹脂の代表的な加工法。溶融状態の樹脂を連続的に押し出して成形する方法。連続した断面形状をもつフィルム、シート、パイプ、ホース、電線被覆、モノフィラメント等の製造に適している。

◎オーバーコートクリアー(overcoat clear:O.C.C)
 図柄が印刷された後、その上に印刷する透明なインキ。オフセット印刷などにおいては、OPニス(Overprint Varnish)と称される。一般には光沢型のインキであるが、艶消型インキが使われることもある。

◎オフガス(off gas)
 原油蒸留、ナフサ分解等によって副生するメタン、エタン、水素等またはこれらの混合ガスをいう。各種原料料及び化学原料として使用されている。トップガスともいう。気体。

◎オフセット印刷(offset printing)
 平版から直接に刷らないで、一度ゴムブランケットに転写してから紙に印刷する方法。平版印刷が現在この方法を用いているため、平版印刷と同義に用いる場合が多い。

◎オリゴマー(oligomer)
 オリゴマーは、モノマー(基本構造分子)の繰り返し数が 2~20程度の重合体であり、プレポリマーとも呼ばれる。オリゴマーは二重結合と呼ばれる反応基を末端に 2~6個持っており、UVインキの原料として使用する光硬化性樹脂の粘度としては、低粘度液状から半固体状まで幅広く存在する。UVインキの基本物性を支配する樹脂で、代表的な種類としてポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレートなどがある。

◎オリーブ(olive)(1996年7月9日)
 モクセイ科の常緑小高木。1000種近く品種がある。地中海地方の原産で、暖地に生育。初夏に白い花が咲き、緑色の果実をつける。実は熟すと黒くなる。果実は楕円形の核果で、青いうちに採取し、塩漬けにして食用とする。熟した果実からはオリーブ油を採る。枝は、ヨーロッパでは平和と充実の象徴。
 スペイン、イタリア、ギリシャがオリーブオイルの三大生産国。オリーブオイルには、人間の体に必要とされるオレイン酸を大量に含む。果実をしぼったまま精製しない「バージン・オイル」には、産地や品種、栽培方法によって独特の色や香りがある。
 日本でも明治に各地で栽培が試みられたが、現在は香川県の小豆島や岡山県などにわずかに残る。

◎オルソキシレン(ortho-xylene)
 混合キシレンに10~20%含まれており、蒸留によって回収される。通常、混合キシレンからp-キシレンを製造する前段の工程で製造される。無水フタル酸、キシリジン等の原料となる。液体。

◎オールポートブロック(all ports block)
 (機械)3位置切換弁のすべてのポートが閉じている流れの形。

◎オレガノ(Oregano)(1996年7月9日)
 シソ科のハーブ。スパイシーな苦味と樟脳に似た香りが特徴。特にトマトとの相性が良い。イタリア料理には欠かせない。冷凍ピザや缶詰のミートソースを使うとき、少し加えると、味が引き立つ。臭み消しに利用される。

◎オレフィン系樹脂(olefine resins)
 二重結合を1箇もった鎖状炭化水素の総称で、結晶高分子からなるため結晶化度により物性が変化する。この系統の樹脂として、ポリエチレン、ポリプロピレンなどがある。オレフィン系樹脂は、一般的に比重が小さく、耐薬品性が良く、射出流動性も優れているが、成形収縮率が大きく塗装、印刷、接着、ホットスタンプなどの二次加工適性が劣るので、加工前に表面処理を行う必要がある。

◎オレフィン系炭化水素(olefinic hydrocarbon)
 CNH2n子内にひとつの二重結合を持つ鎖状炭化水素の総称。石油化学基礎製品であるエチレン、プロピレン等がこれに含まれる。

◎オレフィン系ポリマー
 ポリエチレン、ポリプロピレンなど。ローソクのようにすべすべした感触。

◎温湿布(1997年10月10日)
 熱い湯に浸した布で局所を被い、その上を油紙、綿などの熱を通さないもので被う。温湿布により病巣に充血が起こり、炎症産物の吸収促進、沈痛などの効果がある。

◎音速(おんそく、speed of sound)
 音速とは、物質(媒質)中を伝わる音の速さのこと。物質自体が振動することで伝わるため、物質の種類によって決まる物性値の一種(弾性波伝播速度)である。
 気温15℃、1気圧(1,013 hPa)の空気中(国際標準大気(ISA)海面上気温)での音速は、約340 m/s (= 1,225 km/h)となる。
 ちなみに1気圧中の空気中の場合、気温と音速の関係は、近似的に次の式で求められる。
 C = 331.5+0.61t
  C:音速(m/秒)、t:温度(℃)
 物体の速度を、音速の何倍であるかで表した「マッハ(Mach)」という表現が用いられることがある。しかしながら音速は、気温や気圧によって異なるため、便宜上、標準大気中の音速1,225 km/hが使用されている。ちなみに、成層圏では、音速は1,060 km/hくらいらしい。

◎音速コンダクタンス(C Sonic conductance)
 (機械)チョーク流れ状態の機器の通過質量流量を上流絶対圧力と標準状態の密度の積で割った値。チョーク状態での流量特性を表す値で、ISO及びJIS規格で規定されている。

◎温度(temperature)
 物体の温かさ、冷たさの度合を示す数値。温度は、熱平衡(ねつへいこう)を特徴づける尺度として使用される。熱平衡とは2つの物質間での熱のやり取り量が等しい状態のことである。熱平衡にある2つの物体は温度が等しいという。温度計で温度を計る場合、一定の温度を示すまで待たなければならない。この待っている時間に、暖かいもの(例:お湯)から冷たいもの(温度計)へ熱(熱エネルギー)が移動し、熱平行の状態(温度計とお湯の温度が同じ状態)になる。
 1013 hPa(1気圧)で水が凍る温度を0℃、沸騰する温度を100℃としたものがセルシウス温度である。最も低い温度は-273℃である。-273℃は絶対0度と呼ばれ、0K(ケルビン温度=絶対温度)と表す。逆に0℃は273K、100℃は373Kである。
 熱力学温度の単位「ケルビン」は、水の三重点の熱力学温度の1/273.16とするものである。ところが、熱力学温度は測定が難しいため、この熱力学温度を十分な正確さで、かつ、1~2桁高い再現性をもって実現できる温度目盛が国際的に設定され使われている。この温度目盛の使用は1927年から始められたが、幾つかの温度の定義定点、定点間の補間温度計、補間法の組合せで構成される。その後、温度目盛に何回かの改訂が行われ、現在は、1990年国際温度目盛(ITS-90)が使用されている。
◎貝合わせ(2002年7月9日)
 平安時代には蛤の殻を使って「貝合わせ」といった遊びがありました。蛤の貝殻は同じ貝でしか、ピッタリ合わないという特徴を生かした遊びです。
 貝殻の内側には左右、同趣向の絵を描いたり、和歌の上の句と下の句を分けて書いたりしたようです。室町時代になると、嫁入り道具のひとつとして、「貝合わせ」の蛤の殻を入れた「貝桶」を持参する風習が出来ました。 お婿さんの方に、先に届けた「貝桶」と、お嫁さんがお輿入れの時に持参した「貝桶」の中には、それぞれ360個の殻が入っていて、一年を通じての夫婦和合の願いがこめられていたといいます。
 また、ぴったり合うと言う特性を活かして、京都の舞妓の紅入れや、膏薬(こう
やく)や丸薬をいれる容器として利用されました。

◎改質(reforming)
 通常は、触媒を用いて重ソナフサを高オクタン価ガソリンにすることである。この装置を通称リフォーマーと呼び、得られた改質ナフサ(改質生成油ともいう)をリフォーメートという。改質することにより多量の環状炭化水素ができるため芳香族原料にも用いられる。代表的な装置にプラットフォーマー(白金を触媒とする接触改質装置)がある。

◎改質アスファルト
 通常のストレートアスファルトに改質材を添加したもの、あるいはブローイングなどの改質操作を加えたものをいう。主なものに、ゴム入りアスファルト、熱可塑性エラストマー入りアスファルト、樹脂入りアスファルト、セミブローンアスファルトなどがある。

◎懐石料理(1996年7月9日)
 「懐石」という言葉は、禅僧が懐に温石(おんじゃく)を入れ、空腹と寒さを紛らわせたという故事に由来しています。
 茶の魅力を充分に堪能できるよう、茶を喫する前に空腹を癒すために適度の料理を食する、これが懐石料理の起源とされています。つまり、一時しのぎ、茶の前に出す軽い食事というわけです。
 一般的には、一汁三菜のコース。最初に少量のご飯と汁、向こう付けが出た後、料理が運ばれる。折敷(おしき)という脚のない膳の上に料理が出る。正式には、箸袋や箸置きを用いない。
 現代風の、お酒を飲みながら、和食を食べるのは本来の意味の「懐石料理」ではありませんので、現代風の懐石料理ということになります。そこで、本来のお茶を楽しむ前の簡単な料理は「茶懐石」として区別することが多いようです。

◎会席料理(1996年7月9日)
 本膳料理を簡略化したもの。①先付け(お通し)、②前菜、③汁(吸い物)、④向付け(刺身)、⑤煮物、⑥焼き物、⑦揚げ物、⑧中吸い(吸い物)、⑨酢の物、⑩ご飯・香の物、⑪止め椀(味噌汁)、⑫水菓子、⑬抹茶・菓子、から構成されます。

◎界面活性剤(surface active agent)
 表面活性剤ともいい、合成洗剤の活性分や、少量で水の表面張力を下げ、潤滑剤的役割(活潤性、浸透性、乳化性、分散性、洗浄性等)を果す化合物等の総称。界面活性剤の原料にはアルキルベンゼン、高級アルコール、エチレンオキサイド等がある。

◎海洋深層水(2001年7月1日)
 海洋深層水は光の届かない深度200m以深の海水(海洋学では深度1000m以深の海水)と定義されている。従って、光がないので、植物プランクトンによる光合成は行われず、分解力が優勢になり、無機栄養塩が次第に蓄積され、富栄養性の海水になり、冷やされた海水は比重が重くなり下に潜り込む。これらが海洋深層水の特色になっている。
 海洋深層水には四大特性がある。まず、「低水温」。四季を通じて水温が低く、しかも変化しない、低温安定性がある。これを利用すれば、海洋温度差発電や海水淡水化、地域冷房などに使える。
 次が「清浄性」。深層にあるので。陸水、大気からの汚染を受けにくく、細菌数が少ない。生物的にも化学的にも汚染から守られているきれいな水ということになる。クセもなく、飲料水としてもおいしい。
 三番目は「富栄養性」。生物の生長に不可欠な窒素、リン、ケイ酸などの無機栄養塩は、表層ではほとんどゼロであるが、深層水中には、かなりの濃度で溶け込んでおり、種苗栽培や養殖、土壌改良などに利用され始めている。
 四つ目は「ミネラル特性」。必須微量元素や各種ミネラル(60種類のミネラル成分)がバランスよく含まれているため、健康によい水と言われる。そのミネラルバランスは人体のそれと極めてよく似ているため飲料用としては最適。やはり人間は海からきているんですね。こんなにいい深層水はどのくらいあるのか。なんと海水の95%は深層水なのね。汲めども汲めども尽きない、いわば無尽蔵の貴重な資源というわけ。
 これだけ素晴らしい海洋深層水は、どのように利用できるだろうか。まずは、ミネラル水、スポーツ飲料、麦茶、コーヒー飲料、醤油、豆腐、かまぼこ、などいままで水を使っていたあらゆる場面に深層水を使って付加価値を高めている。更には、ミネラルがバランスよく含まれるため、高血圧症やコレステロールを下げる効果、便秘体質の緩和効果、ダイエット効果もあるという。最近ではアトピーに効果があるという報告もある。こういった食品、化粧品、医薬品など身近な分野でまず利用が進んでいるが、今後はエネルギーシステムや生物分野(無病性魚の飼育や植物プランクトンや藻類を深層水で活性化して、炭酸ガス固定化能を高めるなど)にもどんどん使われていくでしょう。

◎カオリナイト(kaolinite)(1998年8月28日)
 高陵石ともいう。化学組成はAl2Si2O5(OH)4。普通は粘土、とくにカオリン(高陵土)と言われるものの主成分を成し、土状の塊となってしばしば広大な地域に産出する。岩石が熱による変成作用や風化作用を受けて精製した鉱物であるため長石類などのアルミノケイ酸塩鉱物の分解生成物で、脂肪のような感触があり、水によって粘性を帯びる。330℃以上で脱水する。結晶片は透明から半透明。硬さ2~2.5、比重2.6~2.63。陶磁器やセメント工業の原料となる。

◎カオリン(kaolin)(1998年8月28日)
 耐火粘土。ファンデーションクリームの主成分はタルク。タルクは伸展性は良いが、肌に付着する力が弱いため、これを補うために粘りけの強いカオリンが加えられている。

◎カカオ(1998年8月10日)
 カカオの学名は「テオブロマ・カカオ」で、神々の食べ物という意味。食物繊維やカリウム、マグネシウムが豊富。カカオのポリフェノールはガンや動脈硬化など、成人病の原因となる活性酸素を抑える抗酸化作用を持つ。胃潰瘍を防ぎ、免疫力を調節し、虫歯にも効果があると言われる。(ココアを参照)

◎化学工学(1996年1月19日)
・反応操作(化学工学的な工程):化学反応、反応装置の研究
・単位操作(物理的な工程):物質、エネルギーの移動、固、液、気体の処理、分離操作の研究
・化学工場のシステム構成の研究

◎化学工学と工業化学(1996年1月19日)
・工業化学:化学工業に応用される化学反応の研究。
・化学工学:化学工業に必要な物理的操作の研究。

◎化学工業(1996年1月19日)
 化学工業とは、「化学反応を利用して材料を希望する物質に変化させ、製品として販売する産業」と定義できる。これに石油精製業などのような化学反応をあまり利用しない工業も含むためには、上記の定義を拡張する必要がある。つまり、「化学工業とは、化学的および物理的なプロセスを利用して原料を希望する材料物質に変化させ、製品として販売する産業」である。
 簡単に言えば、「化学変化を利用して、物質の付加価値を高める(利用しやすい形態に変える)工業」である。
 化学工業で生産するのは物質であり、物体ではない。このため、購入時には銘柄には無関心であり、どの会社の製品であっても一定の品質水準を維持していれば、その品質は同じであると認識する。そのため値段を少しでも安くする必要があり、有利に採算のとれる方法の開発が行われる。
 車などの物体を作る場合、センスやデザインなどのセールスポイントによって売ることができる。
 この「化学工業」という産業を支えている学問が「工業化学(industrial chemistry)」と「化学工学(chemical engineering)」である。

◎化学産業と日本(分離技術、vol.25(5)、p.373(1995)、青木一三(千代田化工建設(株)))
 人件費の高い先進国に適した産業は化学産業である。人件費の高い先進国に適した産業は化学産業である。自動車や電子産業は、基本的に組み立て作業であり、人件費の高い先進国には適さない。より人件費の安い国に移転していく運命にある。化学産業は基本的に技術が重要な産業であり、新たな資源とエネルギー転換技術の開発能力と資本さえあれば、競争力には人件費はさほど重要なファクターとならない。化学産業の半分は化学反応、半分は分離技術から成り立っている。

◎化学成分、強熱減量
 無機鉱産物等の化学成分の分析は、先ず試料を高温(800~1100℃)で恒量になるまで加熱する。この時、高温で分解気化する成分(例えば、結晶水、炭酸塩 類等)は、気体として放出されるので加熱の前後で試料の質量が減少する。加熱前の試料の質量に対する加熱による減量の割合を百分率で表し、これを強熱減量という。高温で加熱することにより試料中の複雑な構造の化合物も、SiO2、Al2O3 、Fe2O3、TiO2、CaO、MgO、Na2O、K2O、等のような簡単な構造の酸化物に変わるので、分析はこれらの酸化物をひとつづつ定量して行う。
 化学成分の表示は、これらそれぞれの酸化物と強熱減量の試料の質量に対する百分率で表す。この化学成分の表示は、一種の元素分析に類するものであって、実際に試料中に存在する物質の化学構造とは異なることに注意を要する。

◎化学反応(chemical reaction)
 1種またはそれ以上の物質が、それ自身あるいは相互に原子の組換えを行ない、もとと異なる物質を生成する変化。化学変化と同義であるが、とくに反応過程に重点をおくとき、化学反応ということが多い。
 反応しあう物質を反応物、反応によって生ずるものを生成物という。
 化学反応の内容は化学反応式で表わされる。反応物の化学式を左辺に、生成物の化学式を右辺に書き、右向きの矢印または等号で結ぶ。
 例)2H2 + O2 → 2H2O または 2H2 + O2 = 2H2O
 反応物の質量の和と生成物の質量の和とが等しいことを示すために、各項に係数をつけて、同種の原子の数が両辺で等しくなるようにする場合が多い。この量的関係をも示したものは化学方程式ともよび、両辺を等号で結ぶ。左辺と右辺を入れかえたり、⇄で可逆反応であることを表わしたりする場合もある。また、反応熱(エネルギー)の出入を数字で書き加えた形式のものもある。
 例)H2O ⇄ H+ + OH- (水の電離平衡反応)
 化学反応により原子の組換えが起こると、反応物の各原子に所属していた電子(特に原子間の結合電子)は、異なる居場所(生成物の結合電子軌道)に移動する。この電子の移動は、化学反応の前後の物質の安定性を決定する。
 例)高温の銅(Cu)が酸素分子(O2)と出会い、酸化銅(II)を形成する反応の場合、銅の最外核にある2個の電子は、酸素原子の近くに移動する。その2個の電子は酸素原子の近くに保持されるので、銅は2+、酸素は2-のイオンの状態になり、互いに電気力で結合(イオン結合)している。

◎化学変化(chemical change)(≒ 化学反応:chemical reaction)
 物質に何か変化が起こって異なる物質ができる場合に、物質を構成する原子の結合の組み替えを伴う構造変化のこと。マグネシウム(Mg)と酸素(O2、O=O)が反応して酸化マグネシウム(MgO)ができる変化は、原子の結合様式が変わるので化学変化である。分子間の弱い結合の変化(水和など)は、化学変化と物理変化のいずれと考えてもよい。

◎過換気症候群(1998年10月5日)
 急に息が荒く、呼吸が激しくなり、指の先がしびれて動かないような症状。何らかの原因で呼吸中枢が刺激され、呼吸が急に激しくなって、肺で交換される二酸化炭素が増え、逆に血液中の二酸化炭素の量が減る。このため血液が酸性からアルカリ性に変わり、ハーハーと息が荒くなったり、手足や口の周りがしびれたりする。
 基本的な対処療法は比較的簡単。自分が吐いた息をもう一度吸い込むことで、血中の二酸化炭素濃度を高めてやる方法だ。
 「強いストレスを受けた後、上手に発散できないと過呼吸になることがある。精神的に過敏な若い人がなりやすい」と、東邦大学心療内科の筒井末春教授は話す。一度、発作を起こしても、再発しなければ気にする必要はない。ただ、感受性の強い人は、繰り返し発作を起こす場合があるという。患者の割合は女性が男性の3~4倍ほど多い。また10代~30代の若い人が多い。
 てんかんは、短時間で発作がおさまるが、過換気症候群はおおむね意識がありながら発作が長く続くという特徴があり、見分けやすい。

◎カキ、牡蠣(1997年2月1日)
 世界のカキは約80種。日本でカキといえばマガキのこと。カキの王様といわれるブロンは平ガキで、イタボガキの一種。
 真ガキは冬に食べられるが、夏には岩ガキが生で食べられる。真ガキは夏に産卵するため、夏場は味が落ちる上、水中の有害微生物が体内に蓄積されることから夏には食べられない。
 イワガキは夏に旬を迎えるため、「ナツガキ」とも呼ばれる。イワガキは秋が産卵期であるため、夏場が最もおいしい。海岸の岩礁で取れることから「岩ガキ」と名付けられた。イワガキは基本的に素潜り漁によって採られる。青森県の陸奥湾以南から九州まで分布し、千葉県の銚子では「磯ガキ」とも呼ばれる。カキの中では大きく、殻の長さが20cmほどになる。

◎カキ、柿(1996年12月14日)
 世界には約190種のカキ属がある。カキ属のうち栽培種は柿、マメガキ、アメリカガキ、アブラガキ。柿は日本、中国、朝鮮半島に分布し、日本の1000前後を含め、1200近い品種があるとみられる。イタリア、ブラジルでも栽培されている。日本の柿は完全甘柿(富有、次郎)、不完全甘柿(西村早生、禅寺丸)、完全渋柿(四ツ溝、西条)、不完全渋柿(平核無、会津身不知)に分けられる。

◎架橋ポリマー(cross linked polymer)
 多くの高分子は線状構造をもっているが、硬度等物性向上のため、この線状ポリマーの分子をお互いに化学結合させ網目構造にさせることを架橋といい、これによって得られるポリマーを架橋ポリマーという。架橋には高分子間反応によって行われるものと、架橋剤によって行われるものがある。

◎学位(1997年2月1日)
 学位(博士号)を取得するためには、業績が必要。実績を得るためには、審査員のいる学会誌(学術雑誌)に論文を掲載しないといけない。学会誌に論文が載るためには、レフリーが2~3人いて、投稿論文をチェックし、認められたものだけが掲載される。このため、学会誌に掲載されるということは、かなり権威(authorize)づけられる。これが、業績になる。
 学会での講演発表は、「自分はこういう研究を行っている」と世間に発表することが目的であり、「自分の研究の成果を世に問う」という意味がある。ただし、学会でのスピーチは業績にはならない。

◎拡散ポンプ(diffusion pump)(1998年8月16日)
 分子量が大きく、蒸気圧の低い物質の蒸気をノズルから低圧気体中に噴射させると、その中に存在する気体分子に運動量を与えて、蒸気と同じ方向への移動を起こさせる。これが拡散ポンプの原理で、10~2Torr以上の高真空作業にはかかせない。しかし、使用する作動流体の蒸気圧、その他の物性のために10~8Torr以上は、実用上、期待できない。また同様な理由で、1Torr以下の低真空でも作動できない。

◎隔膜ポンプ(diaphragm pump)(1998年8月16日)
 ピストンと隔膜を併用した往復ポンプの一種。ダイヤフラムポンプともいう。ピストンまたは、プランジャーの往復運動をダイヤフラムの往復運動に変えて、ポンプ作用を行わせるもの。

・ダイヤフラム(diaphragm)
 プラスチックス、エラストマー、または金属の薄い円板で作られた膜をいう。主として圧力をかけて膜をわん曲させ、その変位を利用する場合か、逆にわん曲部分によって周囲の流体に圧力をかける場合が多い。

◎加工顔料(surface treated pigment)
 加工顔料とは超微粒子の顔料をあらかじめ樹脂に分散させたもので、これを溶剤で溶解し、更に添加剤を加えてインキ化する。このタイプのインキは、粉末顔料をビヒクルに練り込んだインキよりも透明性に優れる。

◎過酸化水素(hydrogen peroxide)
 室温で無色油状の液体(融点-0.89℃、沸点151.4℃)である。水、エタノール、エーテルによく溶ける。アルカリ金属、重金属、粗雑な固体表面などいろいろなものが触媒となって爆発的に酸素を放出し、分解する。25~35%水溶液が市販されている。濃溶液は猛毒で、強い刺激性がある。
 過酸化水素は酸化剤で、とくにアルカリ性でその働きが著しい。一方、K MnO4のようなさらに強い酸化剤と混合した場合には、過酸化水素は還元剤としても働く。繊維、食品などの漂白剤(色素を酸化して無色の物質にする)、ビニル重合開始剤、ロケット燃料などに用いられる。約3%(w/v)濃度の水溶液をオキシドールとよび、消毒殺菌剤として使用される。

◎可視光(visible ray)
 電磁波のうち400nmから700nmの波長域のものを色光、あるいは可視光といって、人間の眼に色を感じさせるものである。赤外線は、可視光の赤の端770nm~0.4mmまで、可視光と隣合った長波長域のもの、紫外線は、可視光の紫の端380nm~10nmまで、可視光と隣合った短波長域のものである。
 可視光の最も一般的なものは太陽光に含まれるものであり、虹の現象、あるいはプリズムでの太陽光の分解などから太陽光には赤色から紫色にかけての色光が含まれている事が分かる。この事は400nm~700nmにかけての色々の波長の色光が混じると白色光になることを示している。
 400nmから700nmの可視光の波長による色の差は、下表の通りである。

波長(nm) 色  光 光の3原色
400~450 紫 色 光 青紫色光 (B)
450~500 青 色 光
500~570 緑 色 光 緑色光 (G)
570~590 黄 色 光
590~610 橙 色 光 赤色光 (R)
610~700 赤 色 光

◎か焼、仮焼、かしょう(calcination)(2008年9月4日)
 個体の熱分解や固相反応のための加熱操作であり、原料あるいは原料混合物を加熱して、結晶水の離脱、炭酸塩の分解、有機物の燃焼などを行う幅広い加熱操作を言う。目的物質を空気中で強熱し、揮発性成分を除くため、その目的物質の融点よりも低い温度で行われる。
 具体的には、石灰石の加熱分解による生石灰の生成、マグネサイトの加熱分解によるマグネシアの生成、二水石膏の加熱による焼石膏の生成、水酸化アルミニウムの加熱によるアルミナの生成などの操作が挙げられる。
 仮焼工程においては、焼結や粒成長によって生成粉体の特性が変化するため、仮焼は、その後の粉体の成型性や焼結性にも大きな影響を与える。

・か焼の例
 タルク → 焼タルク
 3MgO・4SiO2・H2O → 3MgO・4SiO2+H2O↑

 カオリン → 焼カオリン
 Al2O3・2SiO2・2H2O → Al2O3・2SiO2+2H2O↑

 結晶セッコウ → 焼セッコウ
 CaSO4・2H2O → CaSO4・0.5H2O+1.5H2O↑

 石灰石 → 生石灰
 CaCO3 → CaO+CO2↑

◎ガスオイル(gas oil)
 軽油留分のこと。原油を常圧蒸留して得られるものと、常圧蒸留残渣油を減圧蒸留して得られるもの(VGO:ヴァキュームガスオイル)とがある。各種燃料及び化学原料として使用される。液体。

◎ガスケット(gasket)(1998年8月16日)
 固定用密封装置(シールという)の総称。

◎ガスパッチョ(gazpacho)(1996年7月9日)
 スペインのアンダルシア地方特有のスープ。水、ワインビネガー、オリーブ油、タバスコスープを合わせて、細かく刻んだトマト、キュウリ、玉ねぎなどを入れた、香りの良い、冷たいスープ。
 「ガスパチョ」という名詞がスペインで使われるようになったのは17世紀で、語源はラテン語の「カスパ(caspa:かけら、断片)」とも、ヘブライ語の「ガザズ(gazaz:ばらばらにちぎる)」とも言われている。
 初期のガスパチョはパン、ニンニク、塩、オリーブオイル、酢、水だけから作られていたが、19世紀頃にはトマト、キュウリ、ピーマンなどが入るようになった。トマトを主成分とした「赤い」ガスパチョが最も有名であるが、トマトが入らない「白い」ガスパチョもある。
 ポルトガルのガスパチョはスペインのものよりもパンの割合が多い。ポルトガル語では、「gaspacho」となる。

◎火成岩
 地下深所で溶融状態にある岩漿(マグマ)が上昇して地殻中に貫入したり、火山活動により地表に噴出して固結したものをいう。深成岩、半深成岩、火山岩の3つに分けられる。

◎加速電圧(accelerating voltage, acceleration energy, high tension)
 電子銃の陰極と陽極の間に掛けられた電圧。現在使われているSEMでは、この電圧は数百V~30kVであり、陰極から放出された電子は、この電圧で加速されて電子銃から放出される。したがって、試料に入射する電子が持つエネルギーの意味でも使用される。ただし、減速法の場合は加速電圧と試料に入射する電子のエネルギー(入射電圧)とは異なる値となる。

◎可塑剤(かそざい)(plasticizer)
 合成樹脂に配合して、その加工性を容易にし、または柔軟性を付与するために使用する。代表的なものとしては塩化ビニル樹脂可塑剤のDOP(ジオクチルフタレート)等がある。
 可塑剤は、塩化ビニール樹脂(塩ビ)を柔らかくする添加剤で、塩ビ成形品メーカーに出荷されており、可塑剤を用いた軟質塩ビは、建材、電線被覆、ビニールハウス等幅広い用途に使われています。
 可塑剤には、フタル酸系、アジピン酸系、トリメリット酸系、ポリエステル系等の種類があり、国内で年間約44万トン(平成10年度)需要がありますが、このうちフタル酸系が全可塑剤の約80%を占め、中でも「DOP(ジオクチルフタレート)」の国内需要は年間約22万トンとなっております。
 なお、この事業分野のおける平成10年度マーケット・シェアーは、三菱化学約10%、協和発酵約14%、合計約24%と推定しております。(2001年11月14日)

◎カツ
 英語の「cutlet(カツレツ)」が略されたことば。

◎脚気(かっけ)(2002年1月11日)
 日本では歴史的にビタミンB1不足の「脚気」が国民病として問題でした。古くは日本武尊(やまとたけるのみこと)から、藤原定家(1162-1241)、足利義政(1436-1490)、徳川家光(1604-1951)なども脚気に悩まされたといいます。江戸時代には「江戸患い」と言われました。江戸っ子は好んで白米を食べたのが原因でした。
 明治16年には,太平洋横断の練習航海に出た軍艦「竜驤(りゅうじょう)」の水兵が脚気にかかって次々に倒れ、乗組員371人中の約半数が脚気にかかり、25人の死者がでました。
 海軍軍医だった高木兼寛は、留学でイギリス流医学を学び、帰国後、脚気対策に取り組み、食事を改善(麦飯)することでその防止に成功しました。彼は後に男爵の地位を与えられ「麦飯男爵」と呼ばれたといいます。
 一方、陸軍は、森鴎外(森林太郎:1862-1922、作家)が当時、陸軍軍医で高木の方法を一貫して批判します。明治27年(1894)におきた日清戦争で、陸軍の脚気患者は4万人を越え(脚気死亡者4000人)たのに対して、海軍の死亡者は3人でした。
 日露戦争でも陸軍の患者約20万人(内、死者27000人)に対し、海軍はほとんど被害はありませんでした。鴎外は生涯、この間違いに気づきませんでした。

◎活性(1996年1月19日)
 触媒が化学反応を促進し、その反応速度を増大させる能力のこと。触媒作用の強弱を表す。

◎活性汚泥
 活性汚泥(かっせいおでい)とは、人為的に培養、育成された好気性微生物群を主成分とする「生きた」浮遊性有機汚泥の総称。
 活性汚泥は、下水中に存在していた微生物が、有機物の分解、酸素の供給(曝気(ばっき))によって、爆発的に繁殖、増殖を行うことによって生じる。この微生物の繁殖、増殖によって、下水中の有機性汚濁が減少する(処理される)。
 活性汚泥中には細菌、酵母、カビ、原生動物など、様々な微生物が混在しており、泥土状を示している。主なものはBacillus(バチルス)、Pseudmonas(シュードモナス)、Nitromonas(ニトロモナス)、Nitrobacter(ニトロバクター)、Nocardia(ノカルジア)などの細菌や、ツリガネムシ、ゾウリムシ、ミドリムシなどの原生動物である。

◎活性汚泥法
 活性汚泥を用いて水中の有機物を分解し、浄化する廃水処理法。排水、汚水の浄化手段として下水処理場、し尿処理場、浄化槽などで幅広く利用されている。好気的廃水処理法の一つ。廃水に活性汚泥を加えて、空気を送りながら発酵させ、有機物を好気性微生物に酸化分解させて、最終的に水と二酸化炭素に変える。
 活性汚泥中では、細菌、原生動物、後生動物などの多様な生物種が互いに共生、捕食関係にあると考えられている。これら微生物の代謝に有機物や一部の無機塩類が必要となることを利用し、水中汚濁物質としてのそれらを酸化分解または吸収分離することで汚水を浄化する。
 廃水中の有機物はこれらの微生物によって分解、消費され、汚泥は沈殿するから、その上澄み液を河川に放流する。沈殿した汚泥は回収して、その一部は再び活性汚泥として発酵に使われ、他は有機肥料として田畑に還元される。土壌微生物はそれを発酵、消費して、理想的な肥沃土をつくる。
 正常な活性汚泥では微生物の集合体が数mm程度の綿くず状となり、水中を漂う現象が観察される。これをフロックと称し、その性状は下水処理場など工学的な汚水浄化を行う施設では管理上重要なポイントとなる。有機物を主体とする汚濁物質はまずフロックに物理的な作用で吸着されたのち、微生物群により加水分解され、代謝系へ取り込まれると考えられている。
 活性汚泥の性状は多様で、色調ひとつをとっても黄土色から黒褐色あるいはレンガ色など様々であり、その他の指標も含め、処理させている汚水の成分、季節、あるいは装置の運転条件によって変化する。時には工学的な運転条件を維持できなくなるほどの変化を生じる場合もあり、活性汚泥法における重要な留意点となっている。

◎活性炭(active carbon)(1996年1月19日)
 吸着性の強い、大部分が炭素質の炭をいう。木材、褐炭、泥炭などを活性化剤としての薬品(塩化亜鉛、リン酸など)で処理して乾留するか、あるいは木炭などを水蒸気で活性化する。通常は粉状または、粒状。吸着剤として防毒マスク、ガスまたは液体の精製、溶液の脱色、触媒などに利用される。

◎滑石(talc)(1996年1月19日)
 タルクともいう。化学組成はMg3Si4O10(OH)2。単斜晶系で、ふつう葉片状、鱗状で軟らかく、滑らかな触感を持つ。硬さ1~1.5、比重2.7~2.8。最も軟らかい鉱物。電気絶縁性を持つ。細粉として減摩剤、薬用、化粧品、紡績などに用いられる。また印材(印鑑やハンコを作るための材料)としても利用されているほか、上質紙にも含まれている。
 粉白粉(おしろい)には70%近く含まれており、皮膚に塗布したときに薄い膜を形成して滑らかに伸びて丸い感触を与える。粉白粉に油脂を加えて乳化したものがファンデーションクリームであり、主成分はタルク。タルクは伸展性は良いが、肌に付着する力が弱いため、これを補うために粘りけの強いカオリンが加えられている。

◎可撓性(かとうせい)(Flexibility)
 たわめることが可能である性質。インキ膜が柔軟性と強靭性を兼ね備えていること。固体に力をくわえると変形するが、力を取り除いてももとの形にもどらなくなる性質。熱によって変形することを熱可塑性という。

◎稼働率
 機械または設備の稼動状況を把握されるために使用されるもので、次の算式により求められる。
 稼働率 = 運転時間 ÷(運転時間 + 休止時間 + 整備時間)
建設機械の稼働率を見る場合には、分母から休止時間を除くこともある。

◎カドミウム(Cadmium:Cd)
 原子番号48、融点320.9℃、沸点765℃、密度8.65、モース硬度2.0(20℃)。常に亜鉛鉱物にともなって少量産し(1%以下)、亜鉛冶金の副産物として得られる。亜鉛より低沸点であることを利用して亜鉛と分離するか、亜鉛電解によって生ずる含カドミウム沈殿物を原料として再び電解によりカドミウムを取り出す。
 青み帯びた銀白色の柔らかい金属。展性、延性に富む。空気中では表面だけが酸化され被膜を生じ、内部は侵され難い。
 燃焼により褐色の酸化物をつくる。熱すればハロゲンと作用するが、水素、窒素とは化合しない。希硝酸には容易に、熱塩酸には徐々に溶け、冷硫酸には難溶、熱硫酸には溶ける。アルカリ溶液には不溶。
 用途としてはメッキ材料、軸受合金、易融合金の成分としても用いられる。化合物は2価が一般的で多くは無色であるが、硫化物は黄色、酸化物は褐色。一般にカドミウム塩は有毒である。
 用途は以下の通り。
①メッキ用
 鋼材の防食用に用いられるが、亜鉛に比し、海水への耐食性が強く、また弾力性に富み、水素脆化が起きないため、機械的負担の大きい部品や、屋外で使用される部分のメッキに優れた性能を発揮する。(航空機の脚、通信用屋外アンテナのメッキ)
②原子力用
 中性子の吸収断面積が大きいため、原子炉の制御棒や炉体の遮へい材として用いる。
③電池用
 ニッケル・カドミウム蓄電池に用いられる。カドミウムの重要な需要分野である。
④顔料
 硫化カドミウム、硫セレン化カドミウムとして黄、橙、赤色系の顔料となる。耐熱性に優れており、プラスチック、ガラス窯業などの着色に用いられる。伝統的なカドミウムの最重要需要分野である。
⑤安定剤
 ステアリン酸カドミウムは、塩化ビニルの安定剤として優れた性能を有する。
⑥合金用
 低融点合金、高級ハンダ、減摩合金、接点合金等。
⑦光電素子
 CdSの有する光を電気に変える特性を利用して、露出計、自動点滅器、乾式複写機、太陽電池等に用いられている。
⑧触媒
 アクリロニトリル用触媒。
⑨その他
 写真、ブラウン管、ガス検知器など、幅広い用途を有する。

◎カナッペ(canape)(1996年7月9日)
 一口大に切った食パン、薄く切ったフランスパン、揚げたり、焼いた小型のパイやクラッカーなどの上に、チーズや野菜などをのせた料理。軽食のひとつ。コース料理の前菜として食前酒と一緒にサービスされたり、酒の肴として供されることが多い。
 語源は、フランス語で「背もたれのある長いす、ソファー」の意味。フランスでは、豪華な宴会の食卓につく前に、別室に置かれている長椅子に腰を下ろし片手にグラスを持って、会話しながら食べる習慣があったことから、カナッペと呼ばれるようになった。
 カナッペの土台となるパンは、一口で食べられる大きさに切り、オーブンで軽く焼くか、油で揚げてバターを上に塗ったものが使われる。
 上にのせる材料は、あまり水分が多いものでなければ何でもかまわないが、代表的なものとして、フォアグラ、ローストビーフ、蒸し鶏、ハム、パテなどの肉類、キャビア、茹でたエビ、スモークサーモン、オイルサーディン、イクラなどの魚介類、カマンベールチーズ、ブルーチーズなどの乳製品、トマトやキュウリのような野菜類、鶏やウズラの茹で卵などがある。

◎カニ(1996年1月19日)
 カニの肉質、内臓にはタンパク質を分解する酵素が含まれており、30~55℃で活性が高まるため、カニを水からゆでると、カニの肉を消化して肉やせが多くおき、エキスが流出し、味が抜ける。2~3%の沸騰した塩水にカニを入れ、手早くゆでると、味が抜けず、身がしまって美味しい。

◎加熱減少時間(TRTn:thermal reduction time)
 D値を一般化した概念で、生残微生物を10-nまで減少させるに必要な時間を意味する。たとえば、TRT3とは生菌数を1/1,000に減らすのに要する時間で、TRT1とはD値のことである。

◎加熱致死温度(TDP:thermal death point)
 10分間の加熱処理で微生物を死滅させるに必要な最低温度である。この場合、対数死滅則から当然わかるように処理を加えたときの微生物の多少によってこの値は左右される。しかし、現実に消毒、滅菌を考えるときには、D値やTRTnに比べて理解しやすい概念である。

◎加熱致死時間(TDT:thermal death time)
 任意の華氏温度(°F)において微生物を死滅させるのに要する時間で、TDPと同様、処理を加えたときの微生物数によって値は一定しないが、現実的な概念のひとつである。とくに、250°F(=121℃)におけるTDTをF値とよび、オートクレーブ処理条件を検討するうえでよく利用される。また、Z値という概念があるが、これは、TDTを10倍あるいは1/10にするのに要する温度差を華氏で表わしたものである。なお、華氏温度(F)と摂氏温度(C)の間には、C=5/9(F-32)の関係がある。

◎カビは-30℃でも繁殖(1995年7月17日、朝日新聞)
 零下30~50℃の冷凍倉庫内でカビが繁殖しているのが見つかった。これまでは低温で水分がほとんどない超乾燥状態の冷凍倉庫では、湿り気を必要とするカビは生存できても、繁殖できないと言われていた。見つかったのはトリコデルマ菌(ツチアオカビ)など4種類のカビであり、いずれも土壌中に生息し、農作物などを腐らせる種類であった。トリコデルマ菌は、胞子を吸うと、喘息の原因になるとも言われる。

◎カプロラクタム(caprolactam)
 ナイロン繊維、樹脂の原料。シクロヘキサンを原料として製造される。

◎壁掛けテレビ(flat-display TV)
 フラットTVともいわれる。これは現在のブラウン管のかわりに、薄型のディスプレイ素子(液晶、プラズマ・ディスプレイなど)を画素表示に用いて、パネルのように壁に掛けられるテレビ受像機。プラズマ・ディスプレイ(PDP)は大画面化と薄型化という従来のディスプレイでは実現できなかった夢の壁掛けテレビの最有力候補であり、近い将来ブラウン管に置き換わるものとして大きな期待がよせられている。今後価格も急落しそうであり、量産体制ができれば、家庭向け大画面壁掛けテレビが実現する可能性は高い。

◎カボチャ、南瓜(1999年12月4日)
 ニホンカボチャは天文年間(1532~1555年)にポルトガル船が豊後(大分県)に、カンボジアから持ち込んだ。粘質で煮物に向く。
 一方、幕末に伝わった西洋カボチャは粉質で甘味が強く、全国に普及した。原産地は中南米。収穫後の高温乾燥処理で甘味が増す。100g当たり73kcalとエネルギーが低いが、食物繊維やカロチンが多く、ビタミンAやCも豊富。
 カボチャの種は高蛋白、高脂肪で亜鉛を含んでいる。亜鉛が不足すると味を感じる力が落ちる。
 カボチャの旬は夏。原産地はアメリカ大陸。成分は、西洋カボチャの法が優れ、ビタミンCは、約2倍も含まれている。

◎カーボン繊維(carbon fiber)
 アクリル樹脂や石油、石炭からとれるピッチ等の有機物を繊維化し、その後特殊な熱処理工程を経て作られる、微細な黒鉛結晶構造をもつ繊維状の炭素物質。原料別の分類としてPAN系、ピッチ系およびレーヨン系がある。現在、日本のカーボン繊維生産は品質、生産量共に世界一の実績を誇っている。

◎カーボンナノチューブ(carbon nano tube)
 炭素によって作られるグラフェンシートが単層あるいは多層の筒状になった物質。単層カーボンナノチューブの導電性は直径と螺旋度によって異なり、金属的もしくは半導体と金属の中間的な性質を示す。高い引っ張り強度、水素吸蔵、高い熱伝導性と耐熱性、電界放出、超伝導性等の特性が知られており、電子素子・ディスプレイ・燃料電池などへの応用が期待されている。

◎カーボンブラック(carbon black)(1999年1月19日)
 カーボンブラックは、天然ガス、石油等炭化水素類を不完全燃焼するか、または熱分解することによって得られる微粉炭素のこと。カーボンブラックは、製法および材料としての需要等により5~500μm程度の大きさの炭素の粒であるが、単一の結晶ではない。通常、カーボンブラックの粒子と称されているものは、炭素の編み目構造数個が集まった微結晶が数千個規則的に集合したものである。
 カーボンブラックは、1915年までは印刷術の発達に付随して、インキ用として進歩してきた。近年では、ゴムの補強充填剤として利用され、需要が伸びている。
 カーボンブラックを大きく分けると、①天然ガスを原料とするもの(狭い意味のカーボンブラック)、②アセチレンを原料とするもの(アセチレンブラック)、③液体の有機物(油脂、樹脂、タール重油など)を原料とするもの(ランプブラック、油煙、松煙等)、④コークス炉ガス(石炭ガス)を原料とするもの、などです。
 インキに使用される黒色顔料の場合、一般のカーボンブラックの粒子は非常に細かく、多孔性で表面積が大きい。透明性が良好でプロセスインキにも使用される。一部では粒子径が大きく、隠蔽性に優れたカーボンブラックもオペークインキ用に使用されている。

◎過マンガン酸カリウム(potassium permanganate)
 濃赤紫色の柱状斜方晶系結晶であり、水、メタノール、アセトンによく溶ける。過マンガン酸イオンは、4つの酸素が等価な位置に配置した正四面体構造(防波堤などにあるコンクリートでできたテトラポットの様な形)である。約200℃で酸素を放ち、K2MnO4とMnO2に分解する。日光の作用でも同様の分解が起こる。

◎紙(1998年12月1日)
 洋紙には、インキのにじみ止めやツルツル感を出すために、サイズ剤や填料が加えられている。この中に硫酸アルミニウム、タルク、クレーが酸性のため、紙の繊維であるセルロースを分解する。そこで、サイズ剤を変え、填料を中性の炭酸カルシウムに変えたものが中性紙。この炭酸カルシウムは、純度の高い石灰石を微粉砕して作られている。
 製紙用の充填剤としては、粘土鉱物が、主に、カオリナイト(Al2O3・2SiO2・2H2O)が用いられている。高級紙は、表面を滑らかにするため、表面に炭酸カルシウムや酸化チタンなどでコーティングする。

◎辛子(2000年3月10日)
 粉辛子を水で溶いた後、容器ごとテーブルに伏せておくと辛さが増すといいますが、何故でしょうか。ヱスビー食品の説明は、以下の通りです。
 和辛子やわさびの辛み成分はアリルイソチオシアネートという揮発性の物質です。溶いてからこれが十分生成されるには、約5分かかります。放っておくとどんどん空気中に揮発します。容器を伏せるのは、揮発を防ぐためです。
 この辛み成分は、辛子などに元から含まれる酵素の働きで生成されるのですが、この酵素は約40度で最も活性化します。ですから、辛みをより引き出すには、水よりも、ぬるめのお湯で溶いた方がいいようです。
 溶いたものが、たくさん余った時は少量の油やはちみつ、水あめなどを加え、密封容器で冷蔵保存すると長持ちします。

◎ガラス(1998年8月16日)
 ガラスは石英(SiO2)、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸カリウム(K2CO3)、石灰石(CaCO3)などを原料として作られる。ガラスは固体であるが結晶物質ではなく、非晶質である。成分から分類すると以下の6つに分けることができる。
・ソーダ石灰ガラス
 主成分はSiO2、CaO、Na2Oで、屈折率は1.52、軟化点は630℃である。熱膨張率が大きく、アルカリに弱い。主に窓ガラス(板ガラス)、ビン類など、一・器具などに広く利用されている。
・カリガラス(硬質ガラス)
 主成分はSiO2、CaO、K2Oで、屈折率は1.49、軟化点は780℃である。耐薬品性に優れ、理化学用器具、工芸品、食器などに広く利用されている。
・ホウケイ酸アルミナガラス(硬質ガラス)
 主成分はSiO2、B2O3、Al2O3、Na2Oで、屈折率は1.49、軟化点は800℃である。耐熱性が大きく、耐薬品性に優れている。主に理化学用器具、医療器具用に広く利用されている。
・ホウケイ酸ガラス(パイレックス)
 主成分はSiO2、B2O3、CaO、Na2Oで、屈折率は1.47、軟化点は820℃である。熱膨張率は小さく、耐熱性に優れている。主に耐熱ガラス器具(食器、理化学用)、電気絶縁材料に広く利用されている。
・石英ガラス(クォーツ)
 主成分はSiO2で、屈折率は1.46、軟化点は1500℃である。耐熱性、耐食性に優れている。紫外線透過性が大きい。主に水銀灯(殺菌灯)、理化学用器具、化学工業用材料などに広く利用されている。
・鉛ガラス、フリントガラス
 主成分はSiO2、PbO、K2Oまたは、RaOで、屈折率は1.64、軟化点は600℃である。溶融しやすく、屈折率が高い。また、加工しやすい。ステンドグラス、クリスタルガラス、シャンデリア、プリズム、光学レンズなどに広く利用されている。

◎ガラス繊維(glass fiber)
 白金製の紡糸用ノズルから溶融したガラスを数百ないし数千本同時に、非常に速い速度で引き出し、引き揃えながら急速に冷却固化させ巻き取った連続した繊維状材料。各種の繊維の中で、価格と性能双方を組み合わせた評価においては他の繊維の追随を許さない。

◎ガラス転移転点:Tg
 Tg以下では分子運動が凍結されており、物質の変化は小さい。Tgを超えると活発な分子運動がおこる。①体積膨張が急増し、熱膨張係数の変化が大きい。②異常比熱が見られる。③力学的性質が低下する。
 非結晶性プラスチックでは、Tgに達すると軟化を起こし、弾性率が低下し、耐荷重性を失う。したがって非結晶性プラスチックはTg以下の温度で使用される。

◎ガランガル(Galangal)(1996年7月9日)
 ショウガ科。トムヤムに欠かせない風味付けの主要スパイス。魚の臭み消しにも使われる。

◎ガランティーヌ(galantine)(1996年7月9日)
 フランス語。西洋料理の一つ。皮付きのニワトリ、カモなどを開いて骨や臓物を抜き、その中に様々な詰め物をして円筒型に包み、蒸し焼きにするか、またはブイヨンで煮た後、冷やした肉料理。輪切りにして食べるが、切り口がモザイク状で美しい。

◎カリウム(Kalium)(1997年10月10日)
 ドイツ語。体内に余分にたまった塩分を体外に出し、神経をしずめる。

◎カーリット(Carlit)
 過塩素酸アンモニウムを酸化剤とし、ケイ素鉄と木粉を燃焼剤とする爆薬。重油は結合剤として添加されている。化学的に安定で自然分解しないという特徴がある。日本では成分の違いにより黒、紫、樺、藍、青に分けられている。黒、紫カーリットは導火線だけで起爆する事ができる。火気、衝撃に対して敏感であるので注意を要する。スウェーデン人のO. B. Carlsonが発明した。

◎カリフラワー(cauliflower)(1996年7月9日)
 英語。地中海沿岸原産のアブラナ科のキャベツの一変種。ブロッコリーから分化した変種とされている。和名はハナヤサイ(花椰菜)。

◎カルキ(2000年7月9日)
 まず、カルキとは何かですが、これは塩素と思われがちなのですが、消毒の際に混入した塩素と化学変化を起こしてできたトリハロメタン類がこのにおいの原因だといわれています。
 トリハロメタンとは、炭素原子1つにハロゲン(塩素、臭素など)の原子が3つくっついたもので、クロロホルムなどがあります。これらは麻酔性があり、慢性的な内蔵障害をもたらしたり、発ガン性もあります。
 そして、クロロホルムは揮発性(空気中に飛んでいく)ため、よく、「日光にさらしておく」や「熱を加える」といったことをします。日光にさらせば、クロロホルムは揮発もするし、光分解を起こして、塩化水素、二酸化炭素、塩素、ホスゲンなどに分解されます。(これは実は、暗所でも空気があれば起こる反応ですが。)
 熱を加えると、日光にさらすときとさほど変わりないように思いますが、分解して得られた塩素が、四塩化炭素(炭素に塩素原子が4つ)を与えます。四塩化炭素は、クロロホルムよりさらに有毒です。ただ、加熱しつづけると最終的に日光に当てた場合と同じところまで分解されます。
 さて、「日光に当てたあと」「加熱したあと」の分解してできた成分のうち、ホスゲンは毒ガスにも使うほどの猛毒です。しかし、水に難溶で揮発性もきわめて高いため、また、水道にふくまれる量から考察しても気にならない量かと思います。
 問題は、日光にさらすときは外など、どちらかといえばオープンスペースで行われるのに対して、加熱は人がそばにいて、蒸気をもろに吸い込むことでしょうか。
 結論として、カビやほこりの少ないところで、フタを開けた容器に水を入れ(フタを閉めたら揮発しませんから)、日光あるいは紫外線を当てるのがお金のかからない方法かと思います。他に活性炭でろ過したり、オゾン消毒を行うのも極めて有効です。
 あと、夏場は臭いが強い気がするとのことですが、これは温度が高いとよく揮発するということでしょうね。トリハロメタンがふくまれている量は「夏・冬」関係なく一定基準以下に保たなくてはいけませんから、どの季節が多いとかはなさそうです(ここは推測です)。

◎カルシウム(Calcium:Ca)
 原子番号20、融点845℃、沸点1420℃、密度1.55。カルシウムは天然に遊離の状態で産出しないが、炭酸塩(方解石、氷晶石、大理石、石灰岩等)、硫酸鉛(石膏)として地球上に広く多量に存在し、フッ化物(蛍石)、リン酸塩としても産する。金属カルシウムは塩化カルシウムを主成分とする融解塩電解法によって得られる。これをさらに真空蒸留によって精製し、高純度品を得る。
 カルシウムは銀白色の柔らかい金属で、常温で酸素、ハロゲンと直接化合し、熱すれば激しく作用する。硫黄、燐、水素、窒素、ケイ素とも化合する。水と作用させると、常温では水酸化カルシウムの保護膜をつくり、ゆるやかに、熱すると激しく水を分解し、水素を発生する。用途としては、各種金属の脱酸剤、還元剤、合金等に使われる。
 金属カルシウムの用途としてヘ、カルシウムの活性が強いことにより、各種金属化合物の還元剤として使用される。すなわち難還元性酸化物、ハロゲン化物の還元剤としてウラン、トリウム、クロム、チタン、ジルコニウム等の精錬に利用される。
 またカルシウムは酸素、水素、窒素と安定な化合物をつくるので、希ガスの精製、真空管のゲッター材として用いられる。
 石油工業、有機合成工業において脱硫・脱水剤として応用される。銅、特殊鋼などの精錬における脱酸剤としても用いられる。
 骨、歯などの組織を作る。血液をアルカリ性にする。一日に最低600mg必要。通常、1000mg程度。多量に摂取しても、悪影響はない。

◎カルダモン(Cardamom)(1996年7月9日)
 インド料理に幅広く使われる高価なスパイス。ミルクティー「チャイ」の風味付けにも使われる。

◎ガルニチュール(garnitures)(1996年7月9日)
 フランス語。料理の付け合わせ野菜のこと。

◎カルボキシメチルセルロース(carboxymethyl cellulose)(1996年1月19日)
 CMCとも呼ばれる。汚れを分散させる力が強いので(乳化作用)、洗剤に添加されている。この場合、繊維から離れた汚れが再び繊維に付着する(再吸着)のを防ぐため、汚れの微粒子を安定化させる働き(再汚染防止作用)がある。
 練り歯磨きには、結合剤としてナトリウム塩が添加されている。結合剤は、配合されている各成分がチューブの中や、歯を磨いているときに分離することなく、バランスよく混ざるような働きをする成分で、CMC(カルボキシルメチルセルロースナトリウム)の他にも海草粘液質、コロイド性ケイ酸アルミニウムなどが利用される。

◎カレー(Curry)(1996年7月9日)
 カレーは、複数の香辛料を使って、野菜や肉などの様々な食材を味付けした料理のことで、辛くて複雑な味わいを持った料理です。もともとはインドや、その周辺国で作られていた料理がベースだが、現在では、国際的に人気のある料理の1つとなっている。
 カレーの起源は、タミール語のソースを意味する単語である「カリ(kari)」だと言われている。これがポルトガル人に伝わったとき、その種の料理を代表する名前であるかのように伝わり、「カリル(karil, caril)」になったとする説が多い。
 カリール(carriel)という単語は、オランダのヤン・ホイフェン・ヴァン・リンスホーテン(Jan Huygen van Linschoten:1563~1611)が1595年に執筆した「東方案内記」という書物に登場するのが最初だそうです。
 世界中に「カレー」が広がったのは、18世紀の英国に植民地であるインドの「カレー」料理が紹介されたことが要因のようです。インドでは、各家庭でスパイスを調合し、料理を作りますが、イギリス人には多種多様な香辛料を使いこなすことは難しいため、C&B社があらかじめ調合したスパイスミックスを「カレー粉」として商品化し、「C&Bカレーパウダー」という名称で売り出した。
 これによってカレーが英国の家庭料理として普及し、1810年にはオックスフォード英語辞典に「カレーパウダー」という単語が登場したそうです。
 日本には、明治時代にイギリス経由で伝わり、現在までに独自の進化をとげている。

◎カレンダー成形(calendering)
 主として塩化ビニル樹脂の加工に用いられる成型法である。基本的にはロールに寄って原料樹脂を圧延し成型するもので、目的に応じてロールの本数組み合わせが工夫されている。フィルム、シート、レザー、タイル等の製造に適している。

◎管(pipe, tube)(1999年4月16日)
 パイプは、管の内部のみを使うもので、液体や気体等を搬送する役目を持つ管を指す。一方、チューブは、管の内外面を使うもので、熱交換機内の伝熱管のような役目を持つ管を指す。

◎感光性樹脂(photosensitive resin)
 光化学反応を高分子に組み込むことによって、光エネルギーで物理的、化学的性質の変化を示す高分子材料を一般に感光性樹脂と呼ぶ。光の照射によって、橋かけ、着色、分解などの変化を生じたり、単量体からの重合などを生じさせるような高分子化合物。重合体単独で光に感ずる場合以外に、増感剤、重合開始剤、モノマー等を加えた形の場合が多い。
 光の作用で、
・橋かけ反応等が起こり、重合体の溶解度の変化するもの
・ガスを発生し、感光剤を白濁させるもの
・着色するもの
・電導性が増大するもの(光電導性樹脂)
等に分けられる。
 印刷材料、塗料、インキ、記録材料、超LSI等の微細加工さらには電子部品の加工等、極めて広範に用いられている。新聞等の印刷に用いられる感光性樹脂製版等は代表的な実用例である。
 光によって短時間に化学反応を起こして、硬化し、溶剤に対する不溶化などの物性変化を生ずる樹脂の性質を利用して、製版材料や紫外線硬化型インキのビヒクルに使用される。

◎感光乳剤(sensitized emulsion)
 スクリーン印刷の製版に使用する。一般の感光乳剤は、ジアゾニウム塩又は重クロム酸塩を、PVA・酢ビエマルジョンに溶解混合したもの。その他に感光性樹脂を併用したタイプもある。

◎缶コーヒー(1995年12月1日)
 コーヒー:100gのコーヒーを抽出するのにコーヒー豆を5g以上使用したもの。
 コーヒー飲料:100gのコーヒーを抽出するのにコーヒー豆を2.5g以上5g未満使用したもの。
 コーヒー入り清涼飲料:100gのコーヒーを抽出するのにコーヒー豆を2.5g未満使用したもの。

◎環状炭化水素(cyclic hydrocarbon)
 炭素原子が環状をなして結合しているもので、芳香族系炭化水素、ナフテン系炭化水素がその代表的なものである。

◎含水率(water content)
 含水率は、湿潤状態の重量(A)と絶対乾燥状態の重量(B)を測定し、次の算式により求める。
 含水率 =(A-B)÷ B×100(%)
湿潤状態とは、試料の表面にまで水が付着している状態をいう(湿潤状態の表面水を完全に拭い去った状態を表面乾燥飽水状態という)。
 絶対乾燥状態とは、表面乾燥飽水状態の試料を100~110℃の温度で定重量となるまで乾燥させた状態をいう。

◎関節炎(かんせつえん:arthritis:アースライティス)(1997年10月10日)
 関節の炎症。感染や外傷に由来することが多い。風邪の時や、疲れている時など体調が良くないとなりやすい。

◎甘草(カンゾウ)(1997年10月10日)
 せきをしずめ、たんを切れやすくする。

◎乾燥剤(1997年7月1日)
 乾燥剤には、一見して見分けられる二種類がある。半透明の粒状のものがシリカゲル、白い粉末状(時に、小ブロック状)のものが生石灰(酸化カルシウム)。
 シリカゲルは、二酸化ケイ素からできた無機高分子化合物で、無味無臭、衛生上も無害であるので、食品の乾燥剤として利用されている。普通は、直径数mmのビーズ状に成形してあり、透明であるが、青色のシリカゲルが混ぜられている。これは、シリカゲルを塩化コバルトで染色したもので、乾燥状態では青色、吸湿するとピンク色になるので、乾燥状態を知る目安として使われている。100gのシリカゲルで20~30gの水分を吸収することができる。
 生石灰は水と反応すると消石灰になるが、この時、熱が発生する。消石灰はアルカリ性であり、土壌の酸性を中和するのに利用されている。菓子などの乾燥剤として入っている消石灰は、花壇や植木鉢の土に入れると良い。生石灰はシリカゲルよりも安価であるのが利点である。
 このほか、衣類ダンスなどの乾燥剤として使用されている、はじめは固体であるが、吸湿するにつれて液体になっていくタイプの乾燥剤は、塩化カルシウムである。塩化カルシウムは、冬季、道路の凍結防止剤として利用されている。100gの塩化カルシウムは100gの水分を吸収することができる。

◎乾杯(1999年11月11日、朝日新聞)
 乾杯のことを英語で「toast」という。ブドウ酒の香りをよくするため、トーストしたパンをグラスに入れたことに由来する。
 乾杯が始まったのはギリシア・ローマ時代だとか。食事中に神酒を神にささげ、公的な宴会では列席者や死者のために乾杯した。
 日本でも古来より行なわれてきており、乾杯という言葉も古くから利用されている。中国語では「干杯(かんぺい)」と言うそうだから、これが伝わったものか。もっとも「乾杯」というかけ声が普及したのは明治時代の終わりごろ。乃木大将が小倉の師団長だったときは部下を呼んで「ビールを注げ!飲め!」とやっていたそうだから、明治30年前後にはまだ広まっていなかったのだろう。
 乾杯の習慣は洋の東西を問わない。ただ、ハンガリーのようにビールでの乾杯が好まれないところもある。これはハンガリー革命軍の将軍を処刑したオーストリア軍将校がビールで祝杯をあげたことに反発しての伝統だとか。
 ハンガリーの将軍たちがオーストリア・ハプスブルク王制からの独立を宣言して蜂起したのは1849年のこと。長い歴史の間には、喜びの乾杯もあれば悲しい乾杯もある。

◎かんらん岩
 一般に岩石の分類は、その成因により、火成岩、堆積岩、変成岩に大別される。火成岩は、高温マグマが冷却してできる岩石であり、冷却する場所、期間に応じて深成岩、半深成岩、噴出岩または火山岩に分類される。
 かんらん岩は、火成岩-深成岩に分類される岩石であり、かんらん石と斜長石とからなり、はんれい岩類に伴って産することが多い。かんらん石のほかに、輝石、黒雲母、磁鉄鉱、クローム鉄鉱を含むことがある。砕石として好適なものも多いが比重の高いのが欠点である。

◎顔料(pigment)(1999年2月20日)
 着色剤は、一般に顔料と染料とに大別される。この内、顔料の定義は、鉱物質または有機質の白色または有色の固体粉末であり油、水等に溶解しない着色剤である。有機顔料と無機顔料に大別される。一般には印刷インキ、塗料、およびプラスチック、ゴムなどの着色剤として用いられるが、単なる増量剤、展色料または、体質(着色力、色相、電気絶縁性などを調整するための配合剤)の目的に用いられるものも含まれる。
 黒の原料はカーボンで、藍はフタロシアニンブルー。これらは光により分解されない化学構造を持っており、極めて安定な結晶構造をしているため、退色しにくい。黄と赤はアゾ顔料からできている。アゾ顔料は、非常に弱い電気的引力が原子間に働くファンデルワールス力で結合しているため、結晶構造が不安定で光によって分解されやすい。
 スクリーンインキの主要成分。水や有機溶剤に対して不溶性の微粒子粉末状の着色剤。溶性のものは染料である。
 顔料の用途:塗料用、印刷インキ用、プラスチック用、ゴム用、繊維用、紙用、文房具用、陶磁器用、化粧品用、皮革・漆用など。

・白
 鉛白:塩基炭酸鉛:塗料、絵の具、パテ
 亜鉛華:酸化亜鉛:絵の具、印刷用インク、外用薬
 リトポン:硫酸バリウム、硫化亜鉛:着色剤、ゴム配合剤
 チタン白:二酸化チタン:塗料、絵の具、ゴム・プラスチック用

・黄
 黄鉛:酸化鉛:塗料、インク、絵の具
 カドミウムイエロー:硫化カドミウム:絵の具、ゴム・ガラス・陶器の着色

・赤
 鉛丹:酸化鉛:錆止め
 辰砂:硫化水銀:絵の具、朱
 ベンガラ:酸化鉄:ペイント、絵の具、ゴム・窯業用着色

・緑
 クロムグリーン:酸化クロム:ガラス・陶器の着色
 エメラレルド・グリーン:酢酸銅+亜ヒ酸銅:油絵の具、船底塗料(有毒)

・青
 ウルトラマリン(群青):白陶土・芒硝・木炭・硫黄:水性塗料、印刷用インク
 コバルトブルー:硝酸コバルト+酸化アルミニウム:絵の具、陶磁器、合成樹脂着色

・黒
 カーボンブラック:油煙(炭化水素の不完全燃焼):ゴムの着色、印刷用インク

◎還暦に赤い着物(2000年10月9日)
 「還暦」というのは生まれた年の干支が再びめぐってくるということ。干支というのは「甲・乙・丙・丁~~~」の十干と、ご存知「子・丑・寅~~~」の十二支を合わせて60の組み合わせにして用いたものです。我々が通常「生まれはナニドシ?」と聞かれたら十二支のほうを答えて「巳年」といいますが、細かく言うと、甲子(きのえね)などの答えになります。
 そこで暦が再び還える61歳のお祝いを「還暦のお祝い」と言います。また別の呼び名で「華甲の祝い」ともいいます。これは「華」の字をバラバラにすると十の字が6つと一の字に分けられることから言われたもので、「甲」は十干の最初の時で、十干を代表する言葉として用いられたもの。
 いずれも生まれた年にもどるということで、これは第二の人生の始まりという意味にも取れるわけで、ここから赤ちゃんのように赤い頭巾をかぶって赤い着物を着て盛大に祝うようになったのです。そう、還暦を迎えるということは、二回目に赤ちゃんになるということ?だったのです。

※還暦は満年齢で60歳、数え年で61歳です。
 また、「暦」が「還る」という意味では満120歳も、満180歳も還暦ということになります。

◎気圧(atmospheric pressure)
 圧力の単位(記号はatm)である。正式な圧力の単位はパスカル(P)である。1atm = 1013hPa(ヘクトパスカル)= 1.013×105 Pa(パスカル)= 760 mmHg(高さ760 ㎜の水銀柱と1気圧はつり合う)。
 一般的に使われる「気圧」という科学用語は、大気の圧力を示している(天気予報で使われる低気圧や高気圧など)。海面上の気圧は約1atmで、上空にいくにつれて低くなる(5km 上昇するごとに約1/2 になる)。
 海抜3776mの富士山頂での気圧は約0.6 気圧であり、87℃の水の蒸気圧に等しい(このときの水の沸点は87℃)。1気圧の乾燥空気の窒素の分圧は0.8 気圧、酸素の分圧は0.2 気圧である。

◎機械式冷凍機(1999年8月16日)
 冷凍機は大きく、機械式と吸収式の2つのタイプに分けられる。どちらも冷媒となる液体を蒸発させ、その蒸発の潜熱で周囲から熱を奪って冷却する(気化熱の原理)方法で同じである。
 機械式では、フロンを冷媒に用いて、電気を動力源にコンプレッサーを回し、その力でフロンガスを圧縮して液化したうえで、再び蒸発させるというサイクルを繰り返して、冷却作用を持続させる。機械式の冷凍機は効率が良く、装置をコンパクトにできるほか、0℃以下の温度を得るにはフロンが適しているため、家庭用の電気冷蔵庫やエアコンをはじめ、冷凍・冷蔵倉庫からスケートリンクまで、幅広い用途で利用されている。しかし、フロンによるオゾン層破壊の問題に対応して、代替フロンの開発が急ピッチで進んでいる。
 吸収式冷凍機では、冷媒として水が使われている。気圧が下がると、水の沸点も下がるという原理を利用して、ほぼ真空の容器中で5℃以下で水を蒸発させて、気化熱による冷却を行う。このとき、冷却作用を保持するためには、水蒸気を回収して水に戻し、再び蒸発させるサイクルを繰り返さなければならない。水蒸気の吸収には臭化リチウムの溶液が使われるが、そこから水分を回収するときに、ガスなどの熱源による加熱が必要となる。東京ドームや関西新空港など、大規模施設の空調や地域冷暖房では、近年、この「ガスを燃やして冷房する技術」が主流になりつつある。

◎基準状態(normal condition)
 温度0℃、絶対圧101.3kPa(760mmHg)での乾燥気体の状態。主に技術上の理論計算に用いられる。

◎キシレン(xylene)
 キシロール(xylol)ともいい、無色の液体で、芳香族炭化水素に特有のにおいがある。o-キシレン、m-キシレン、p-キシレンの3種類の異性体がある。キシレンという名称で市販されている製品には、3種類の異性体と少量のエチルベンゼンをふくむのが一般的である。キシレン混合物としては、工業用溶剤に用いられる。取り扱いは、蒸気を吸入しないように換気のよい場所で行い、火気は厳禁である。
 ナフサの改質油あるいはナフサ分解によってエチレンと併産される分解油から抽出または分留される。通常、混合キシレンと呼ばれ、三種の異性体(o-、m-、p-)及びエチルベンゼンの混合物であり、異性体分離によってo-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、エチルベンゼンが、また脱アルキル化によってベンゼンが得られる。キシレン自体は塗料、印刷インキ、農薬等の溶剤に使用される。

◎キセル(2000年3月10日、日本経済新聞)
 刻みタバコをつめて火を点け、吸い口から煙を吸う喫煙具。これまでキセルの語源はカンボジア語で「管」を意味する「キシェー」というのが定説。
 ところが、調べてみると喫煙が伝えられたのは日本が先で、カンボジアの日本人町向けに日本からタバコやキセルが供給されていたという。どうやらカンボジア語の方が日本からの外来語らしい。
 ではキセルはどこから来たか。オランダ人が長崎に持ち込んだクレイ・パイプではないかとも推測される。ポルトガル語では「吸うもの」を「キ・ソルベル」という。これが転化したのがキセルではないかというわけ。
 ちなみに、キセル乗車はもちろんこのキセルからきた言葉。キセルは筒の部分は竹などでできており、火皿のついた雁首と吸い口にだけ金(金属)がついている。これから乗車区間の両端でだけ金(料金)を払うやり方をしゃれて言ったものだ。

◎きぢ醤油(1997年2月20日)
 広島県呉市のきぢ醤油合資会社による醤油。原材料は小麦、大豆、米、食塩。500mlで900円程度。合成保存料、人工甘味料、着色料を含まない。

◎キチン(chitin)(1998年8月16日)
 カニ殻からタンパク質、炭酸カルシウムを除いて得られている天然物質。皮膚を再生する、生分解性があるなどの効果がある。
 キチンは、ギリシャ語で「封筒」を意味する。キチンは、カニやエビなどの甲殻類、かぶと虫やコオロギなど節足動物の皮膚、軟体動物殻、菌類の細胞膜などの重要な成分をなす含窒素多糖で、ムコ多糖の一種。キチンを少し変化させたもの(アセチル基を取り除いたもの)がキトサンで、セルロースの親戚(化学的にいえば、セルロースの水酸基の一つがアミノ基に替ったもの)。
 生体内では糖蛋白質として存在する。アルカリでタンパク質を除いて得られる。水、有機溶媒、アルカリに不溶。酸で完全に分解すると、D-グルコサミンと酢酸を得る。アルカリでキトーサンと酢酸とに分解する。

◎キトサン(chitosan)(1998年8月16日)
 キチンをアルカリ処理した物質。非天然物質。無色非結晶質の粉末。水に不溶。弱酸に溶ける。免疫機能を高める、細菌の増殖を抑える、凝集剤(下水処理用)、重金属の吸着作用(体外への排出)、油の吸収を防ぎコレステロールを低下させる、などの効果がある。
キトサンは、年間10億から1000億トン生産され、これはセルロースの生産量に匹敵する。応用例は下記。
・機能性食物繊維:キトサンは体内では消化されないので、食物繊維の一種。コレステロール降下、脂肪吸収阻害、腸内代謝改善など。食品添加剤としてビスケットや麺類に用いられている。
・医用材料:傷の治癒促進効果。現在年間10万頭以上の動物治療に用いられている。人工皮膚のような創傷被覆材としての機能だけではなく、驚異的な創傷治癒促進効果がある。
・化粧品材料:皮膚、毛髪との適合性がよく、無害なので、保湿剤とかいろんな化粧品のなかに使われている。
・抗菌、防臭繊維:キトサンは細菌や黴に対し、抗菌、抗黴性があるので、レーヨンやアクリル繊維に練り込み繊維にして、抗菌、防臭効果のある肌着、タオル、寝具、カーペットなどに用いられている。
・その他:農業分野(土壌改良剤)、凝集剤(排水処理)、グリコサミン(健康食品)、さらに抗ガン作用も確認された。

◎機能性インキ(functional ink)
 光学的機能や電気的機能などの物理的機能、耐薬品性や生化学的機能などの化学的機能、特殊な印刷仕上りを持つ表面加飾機能などを特別に付与されたインキ。

分 類 作 用 機能性インキの例
物理性 光学的  紫外線発色、蓄光、紫外線カット
 液晶バックライト、ブラックランプ発色等
電気的  絶縁、導電、EL、磁気等
熱・温度的  発泡、示温、赤外線輻射、インサート成形等
応力的  サンドブラスト、マスキング、ネイルスクラッチ、
 滑り止め、粘着剤、転写用等
化学的 薬品的  エッチング、アルカリ剥離等
生化学的  抗菌、防曇等
吸収・吸着・反応  吸水性、筆記適性、ジェットプリンター受容、
 酸化腐食等
表面可飾 顔料・フィラーによる可飾  擬似エッチング、シボマットクリアー、
 ノングレア、ソフト感触、鏡面メタリック等
立体感・光沢感  厚盛印刷用、浮き出し、点字用、スポットクリアー等
自発的な微細模様形成  結晶模様、縮み模様、クラック模様、サンゴ状模様等

◎キハダマグロ(1997年4月9日)
 別名:キワダ、キンヒレ、キメジ(若魚)。成魚の大きなもので100kg位、1.8mくらいいになる。第一背びれを除いたひれや体色が名前のとおり黄色。キハダの名称はひれを古語で「はた」と言ったことに由来する。身は淡いピンク色でまぐろの中では一番赤身が弱い。脂はほとんど無く、あっさりとした味。メバチマグロ同様にスーパーマーケットでよく販売される。

◎キビャック(kiviak, giviak)(1996年7月9日)
 カナディアン・イヌイット(エスキモー)の保存食。海燕の一種であるアパリアスを、あざらしの皮と厚い皮下脂肪で包んで海岸に穴を掘って置いておく。一年ほど経つと半ば腐り、食べ頃になる。乳酸菌、酪酸菌、酵母などによる発酵を受け、日本のくさやの匂いをさらにきつくしたような強烈な特異臭を発する。ドロドロに溶けた状態のアパリアスは、そのまま食べたり、カリブーやアザラシの肉の味付けとして、肉に少量つけて食べる。

◎逆止弁(noreturn valve, check valve)(1998年8月16日)
 ぎゃくどめべん。流体を一定方向へのみ流し、反対側から圧力がかかった場合は自動的に流路をふさぎ、逆流を防止する作用を持ったバルブ。チャッキバルブともいう。

◎キャッツクロウ(2000年7月9日)
 キャッツクロウは学名ウンカリア・トメンサーと言い、アカネ科カギカズラ属に分類される植物。この植物は長さ25mから30mにまで育つ、つる状の双子葉植物です。幹の太さは直径20cm位になります。幹から生えてくる枝は四角形をしており、葉の付け根に爪の様なトゲが二つ生えている事からスペイン語でウニャデ・ガド、英語でキャッツクロウ つまり猫の爪と呼ばれております。
 キャッツクロウは一本生えると周囲の栄養分を吸収するので群生する事はなく、1ヘクタール当り数本のみ自生します。数千年前から原住民たちは、この根と樹脂を煎じて、重病患者に用いていました。その病気というのは、腫瘍、潰瘍、胃炎、リウマチ、喘息、前立腺異常、降血圧作用、発ガン抑制作用、糖尿病など、現代でも難病といわれる病気です。現在世界で知られている「免疫力増強食品」の中でも最も高い効果が確認されており、WHO(世界保健機構)認定薬用植物として認められております。

◎キャビア(caviar(e))(2000年10月9日)
 オードブルなどで出されるキャビアは、チョウザメの卵を塩漬けにした半貯蔵食品。チョウザメは淡水魚で、姿は鮫に似ているが、サメ科の魚ではない。チョウザメの仲間は世界で25種ほど確認されているが、キャビアがとれるのは、その内、ベルーガ、オセトラ、セブルーガの3種だけ。
 主産地はカスピ海で、漁獲期は春秋の年2回。その頃は、体重のほぼ15%が卵で埋まる。卵の色は、大粒で光沢のある灰色か黒褐色を帯びたベルーガが最高品とされる。日本人が好むオセトラは中粒で明るい茶色か暗い茶色、もしくは、やや緑色や黄金色のもの。セブルーガは小粒で黒灰色や黒色に近い。ただし色そのものは品質と無関係で、産卵期に近いほど薄灰色で、遠いほど黒色。
 缶詰、瓶詰の製品はキャップの色で区別されており、青がベルーガ、黄がオセトラ、赤がセブルーガ。ちなみに日本はアメリカに次いで2位の輸入量を誇っている。

◎キャビティー
 金型の型1つ1つの事。

◎キャベツ(cabbage)(1996年7月9日)
 英語。アブラナ科の1、2年葉菜。ヨーロッパ原産。古来、世界で広く栽培される重要な野菜。日本で葉菜として栽培されたのは明治初年以降。品種が多い。

◎キャラウェイ(1996年7月9日)
 爽快な香りと刺激が特色(香り付け)。チーズ料理や、ドレッシングやサラダなど酸味のある料理に合う。ザワークラウトには必ず入っている。

◎吸水性、吸湿性(absorbency, hygroscopicity)
 ポリマーやフィラーの中には水分を吸って成形性や製品の性質に著しく影響するものがある。ナイロンは特に吸水性が高いことで知られ、吸水率が1.5%にも及ぶ。ナイロンでは絶乾時と吸湿時では力学的性質が異なる。

◎吸収エネルギー(energy absorbing capacity)
 (機械)ショックアブソーバが吸収したエネルギー。

◎旧帝大(1997年4月9日)
 7つ。北海道、東北、東京、名古屋、大阪、京都、九州。

◎牛乳(1996年7月9日)
 牛乳の脂肪分は、直径3~6μmほどの脂肪球として含まれている。

◎キュウリ、胡瓜(1996年7月9日)
 可食部100gあたりエネルギー11kcal、タンパク質1.0mg、カリウム210mg、ビタミンB1を0.04mg、ビタミンCを13mgを含む。

◎キュービクル(Cubicle)
 キュービクルとは、変圧器などを金属箱に収めて施設する受電設備の方式です。キュービクルとは、「キュービクル式高圧受電設備」の略称で、電気事業者から高圧で受電するための機器および変圧器、コンデンサ、その他の保安装置などの機器一式を一つの金属製の外箱に収めた受電設備をいいます。

◎キュメン(cumene)
 フェノールの中間製品であり、プロピレンとベンゼンを反応させて製造する。液体。

◎凝灰岩(tuff)
 凝灰岩は、広義には火山灰を膠結物とする火成砂屑岩全部をいい、狭義には火山砂、火山灰の固結したものをいう。砕石に不適とされがちであるが、固結度の高いものは砕石として広く使用される。

◎強化プラスチック
 強化剤を加えたプラスチックで、代表的な複合材料の一種である強化剤の種類および量によって、各種の力学的強さの優れたものがえられる。FRP(fiber reinforced plastic)と略称する。強化剤としてガラス繊維が広く使われている。

◎共重合(copolymerization)
 ポリエチレンのように同一の単量体を重合する製法に対して、二種類以上の単量体を重合することを一般に共重合といい、これによって得られたものを共重合体(コポリマー)と呼ぶ。共重合体には、エチレンとブテン-1の共重合によって得られる直鎖状低密度ポリエチレンのように二種類の単量体を用いる二元共重合体(copolymer)と、アクリロトリル、ブタジエン、スチレンの共重合によって得られるABS樹脂のように三種類の単量体を用いる三元共重合体(terpolymer)がある。

◎共重合体、コポリマー(copolymer)
 2種以上の単量体(モノマー)から重合体(ポリマー)が構成されるような反応を共重合といい、生成したものを共重合体(コポリマー)という。
 スクリーンインキに使用されているものには、塩化ビニルと酢酸ビニル、エチレンと酢酸ビニルなどの共重合体がある。

◎共重合ナイロン
 カプロラクタムとAH塩との共重合体。カプロラクタムとAH塩の組成の割合によって性質が異なり、用途に応じて使い分けられている。

◎凝集剤
 汚水中に懸濁する固形物の大きさが1μm程度以下になると通常の沈殿、濾過などの物理的方法だけでは分離が困難となるため、凝集沈殿法を採用する。この時、懸濁している微粒子をまとめて大きな固まりにして沈降させるために用いる薬剤を凝集剤という。
 自然沈降の場合、1時間に1~2mmの沈降速度のものが、凝集剤の使用によって10~20mm/hになる。有機系と無機系とがある。無機系には硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、塩化第二鉄、ポリ塩化アルミニウム(PAC)等があるが、最近は有機合成高分子凝集剤が広く用いられている。

◎凝集沈殿法
 汚水中に懸濁する固形物の大きさが1μm程度以下になると、通常の沈降・濾過などの物理的方法だけでは分離が困難となる。このため微粒子をまとめて大きな固まりにして沈降させる凝集剤を用いて分離、沈殿させる方法が用いられるが、この沈殿法のことを言う。

◎魚醤(ぎょしょう)(1996年7月9日)
 魚に塩を加え、発酵させて作る調味料。魚のタンパク質が分解されてできるアミノ酸などによる旨味と酷が特徴。タイの「ナムプラー」、ベトナムの「ニョクマム」やフィリピンの「パティ」など、東南アジアでは調味料の中心になっている。
 日本では、江戸時代から戦後まもなくまで、かなりの量が作られていたが、大豆を原料とした醤油が主力となってからは、秋田の「しょっつる(塩魚汁)」、能登の「いしる(魚汁)」、瀬戸内海(香川県など)の「いかなごしょうゆ(玉筋魚醤油)」などの限られたものが残っているだけになっている。

◎極性基
 分子の末端基で、極性を示すもの。水酸基(-OH), カルボキシル基(-COOH)等

◎局方(きょくほう)
 「日本薬局方」の略。

◎輝緑岩(diabase)
 塩基性の長石と輝石よりなる粗粒の半深成岩で、岩床(堆積岩の地層面に沿って薄い板状に貫入している状態)として分布している。変質の少ないものは砕石として広く使用されている。

◎輝緑凝灰岩(schalstein)
 古生層の凝灰岩ともいうべき輝緑凝灰岩は緻密で堅硬、砕石として好適なものが多い反面、変質をうけ幾分片状構造を示し、砕石として好ましくないものも見受ける。名称の緑に係わりなく紫色、赤色のものもある。

◎キール(kheer)(1996年7月9日)
 インドの乳がゆ。若牛の乳を搾り、煮詰めたものと、米で作ったお粥。味は甘い。その昔、お釈迦様が断食の苦行をされている時、スジャータという娘が、お釈迦様にこのキールを捧げ、お釈迦様は悟りを開かれたと言う話がある。インドでは、ちょっとしたお祝いの時など、食事を振舞う時などのデザートのような感じで出される。

◎金(Gold:Au)
 原子番号79、融点1063℃、沸点2970℃、密度19.3。美しい光沢のある金属。純金は、その状態により色調を様々に変化する。塊状では黄金色であるが、コロイドや粉末状では赤、茶あるいは紫色、蒸着膜では赤紫色、薄い箔では透過光線で緑から青色に見える。金属柱で最も延展性に富み、導電率は銀の約67%。
 用途は金貨、貴金属としての利用以外には、銅、銀、白金属元素等との合金として装飾、歯科用に使用される。そのほか陶器の着色剤、メッキ、金箔、電解用極板に用いられる。

◎銀(Silver:Ag)
 原子番号47、融点960.8℃、沸点2210℃、密度10.491。一般的には硫化物として産出し、輝銀鉱(Ag2S)、濃紅銀鉱(3Ag2S・Ag2S3)、脆銀鉱(5Ag2S・Sb2S3)などが知られている。また、相当量の銀が銅、鉛および亜鉛の金属生成に際し、副産物として得られている。
 銀白色の光沢のある金属で、その溶融状態で多量の酸素そ吸蔵し、凝固時に吸蔵酸素を放出し、spitting現象を引き起こす。電気および熱伝導性は金属中で最大、展延性は金に次いで大きい。
 化学的には水および酸素に対しては安定であるが、オゾンにより黒色の過酸化銀を生成する。H2、N2、Cとは高温でも反応しないが、ハロゲンおよびイオウとは容易に反応する。塩酸のような非酸化性酸には侵されないが、硝酸には溶け、熱濃硫酸にもよく溶ける。
 用途としては、電気・熱の最良導体、加工性、機械的性質が良好なので金属材料として用途は広い。合金元素としては、貨幣、食器、装飾品の他、銀ロウとして電気接点、工具のロウ付け、またPb-Sn合金に少量添加して耐食性向上、18-8ステンレス綱に少量の添加は耐食性、被切削性、熱伝導性、表面仕上げ性を向上する。このように少量ではあるが、金属としての用途は非常に広い。
 ハロゲン化銀は写真の感光材料として、硝酸銀、シアノ銀錯塩は銀メッキに使用される。なお、有機銀化合物は一般に不安定なので、取り扱いは要注意である。

◎緊急時の生活術、サバイバル(1996年1月19日)
 絶対に必要な道具は以下のようなもの。①デイパック、②水(2ℓ入り3本)、③身分証明書、④銀行の通帳、印鑑など、⑤現金、⑥懐中電灯(予備電池)、⑦ラジオ、⑧100円ライター、ZIPPO、⑨手袋(ゴム手袋、ケブラー、軍手)、⑩ビニール袋、⑪セッケン、⑫ウェットティッシュ、⑬スエットシャツ、⑭タオル、⑮ポテトチップ、チョコレートなど。
 人間は1日に2ℓの水が必要である。平均的には、食料なしでも3週間程度生きられるが、水なしでは3~5日程度しか生きられない。人体の75%は水分であるが、全体重の7%の水分を失うと脱水症状に陥り、10%近くになると死に至ると言われる。

◎近赤外線(near-infrared ray)
 赤外線波長帯(760mm~0.1cm)の中の760mm~約2μmまでの電磁波。インキの加熱乾燥などに使用する。

◎空気量(air capacity)
 (機械)単位時間当りに流れる空気の体積を標準状態に換算したもの。

◎空隙率
 一般に実積率とは、ある容器の中に入った岩石(鉱石)の粒子が占めるその物体の実際の容積の割合をいい、これに反し、その物体で占められていない部分、即ち空気の部分の割合を空隙率という。

◎寓話(fable)(1996年11月12日)
 教訓、風刺を含めたたとえ話。

◎クォーク(quark)(1996年1月19日)
 陽子や中性子などハドロンと呼ばれている粒子を構成している、最も基本的な素粒子。電荷は電子や陽子の1/3、2/3という特徴がある。しかし、単独で観測されることはなく、ハドロンの中に含まれている。

◎くず粉(1996年7月9日)
 葛の根をたたきつぶして臼でひき、布袋に入れて水にもみだして沈殿させた後、漂白、乾燥させたもの。デンプンを83%含む。奈良県吉野産の吉野葛は有名。

◎口取(1996年7月9日)
 くちとり。口取肴(くちとりざかな)の略。

◎口取肴(1996年7月9日)
 くちとりざかな。勧盃(けんぱい)の時に先ず出す、取り肴。のしあわび、昆布、勝ち栗など。

◎クミン(1996年7月9日)
 独特の芳香は、カレーパウダーやチリパウダーの重要な成分となっている。カレーパウダーなどを使用する料理に加えると風味が増し、味わいが増す。消化不良の薬にもなる。

◎蜘蛛(1996年7月9日)
 節足動物真正クモ目の動物の総称。クモ類は世界で約35000種が知られている。国内にいるのは約35000種。クモは巣にかかった獲物にかみつき、体を麻痺させてしとめるため、ほとんどのクモが獲物を殺す毒腺を持っていて、口の上顎の牙の先から毒を出す。しかし、人体に危害を加えるような毒を持っているのは世界で20種ほどと言われている。
 クモが出す毒は普通、神経の情報伝達のメカニズムを狂わせる働きを持つ神経毒。

◎クラゲ(1996年7月9日)
 中華料理の前菜として出されるクラゲは、「備前クラゲ」という種類で、傘の直径が1mになる。中国や日本の九州近海に生息している。
 備前クラゲを干し、塩抜きし、刻み、70℃くらいの湯に入れる。これをもう一度水につけて、タレになじませて出来上がり。

◎グラタン(guratin)(1996年7月9日)
 調理した材料を耐熱性の浅い皿に入れ、粉チーズ、パン粉などを振り掛け、天火で蒸し焼きにした料理。

◎クラッキング圧力(cracking pressure)
 (機械)逆止弁、リリーフ弁などで圧力が上昇し、バルブが開き始めてある一定の流れの量が認められる圧力。

◎グリコールエーテル(glycol ether)
 塗料等各種溶剤に使用される。エチレンオキサイドとアルコールを原料とする。液体。

◎グリセリン(glycerine)
 アルキド樹脂、医薬、ダイナマイト原料として使用される。従来は石ケン製造の際に副Y物として得られたが、現在はプロピレンから誘導される合成グリセリンが主流を占めている。液体。

◎クリープ現象
 重い荷重を長時間支えていると、変形が増加する。

◎クリプトスポリジウム(1996年11月10日)
 直径5μmで人や子牛に感染すると腸内で激しく増殖して下痢を引き起こす。潜伏期間は4、5日程度。10数時間で約8倍に増え、人の便から1日に10億個も排泄されることがある。便とともに外に出るときは、オーシストと呼ばれる硬い殻に覆われている。健康な人なら1~2週間で自然に治るが、病気で免疫力の低下した人では長期の下痢で消耗して致命的になることもある。
 硬い殻で覆われており、消毒では殺せない。しかし、細菌と同じで熱に弱いため、煮沸すれば大丈夫。また1μm以上の異物を除去する膜を用いれば、安全。
 1996年6月に埼玉県越生町の水道に混入し、9000人近くが被害にあった。1993年にはアメリカでも40万人が感染し、400人を超す死者が出た。

◎車エビ(2000年1月1日)
 体長15~20cm程度。体色は淡い青色や淡褐色で、帯状の縞模様がある。養殖が中心だが、この大きさのエビの中では最も美味しいと言われ、生きたものを生で食べることもある。加熱すると殻が赤くなるため、殻付きのまま調理することも多い。

◎クレゾール(cresol)
 フェノール樹脂原料、農薬、可塑剤、消毒用等に使用される。従来はコールタールから得られていたが現在はトルエンとプロピレンを原料とする製法が主流と成っている。

◎グレード(grade)
 本来、階級、等級などを意味する英語。同一品種の合成樹脂及びゴムにおいて密度や溶融点の差などにより区別する際に使われている。日本は用途別にきめ細かな品揃えがなされており、諸外国に比べこれらのグレード数は非常に多い。

◎クレンザー(1998年12月1日)
 クレンザーの成分は、研磨剤90%、直鎖アルキルベンゼン系界・活性剤5%である。研磨剤としては、アルミナ(Al2O3)を92%以上含む、アルミナ質研削剤と、炭化ケイ素(SiC)を95%以上含む炭化ケイ素質研削剤が1対2の割合で添加されている。

◎クローブ、丁字、丁子(Clove)(1997年2月9日)
 クローブのつぼみ部分を摘み取ったもの。さわやかで、バニラによく似た甘い香りのあるスパイス。ウスターソースの主要香味成分で仁丹の香りに近い。刺激のある強い香りは羊肉などの臭みを消すのに効果的。
 クローブはフトモモ科の熱帯常緑高木。原産はモルッカ諸島。18世紀以降、アフリカ、西インドなどに移植。高さ数メートルに達し、枝は三叉状、葉は対生で革質。花は白、淡紅色で筒状、集散花序をなし、香が高い。花後、長楕円状の液果を結ぶ。つぼみを乾燥したものを丁香(クローブ)と呼び、古来有名な生薬、香辛料。果実からも油を取る。黄色の染料としても使われた。

◎クロマグロ(1996年1月19日)
 クロマグロは何でも食べる。水産庁遠洋水産研究所によると、イワシ、サバ、イカ、エビ、オキアミ類まで手当たり次第に食べる。

◎クロム(Chromium:Cr)
 原子番号24、融点1875℃、沸点2482℃、密度7.19、モース硬度9.0(20℃)。クロムは地球上に広く分布しているが、その量はあまり多くなく、天然に遊離の状態で産出することはない。実際に利用できるクロムソースは、クロム鉄鉱で、高品位鉱は比較的少数の国にしか産しない偏在資源の1つである。
 金属クロムは光沢のある銀白色の金属で、その生産方式は乾式法(アルミニウム還元法、ケイ素還元法、カーボン還元法)と湿式法(電解法)がある。還元法によるものはα型、電解によるものはβ型である。
 用途は以下の通り。
①特殊綱用、超耐熱合金用
 ステンレス綱の基本成分であり、実用綱種では12~30%含有する。クロムの増加により耐食性、耐孔食性、高温酸化に対する抵抗性が増大する。クロムは一般に焼込性、耐熱性、耐食性、耐摩耗性(炭化物形成)に効果がある。また、クロムは超耐熱合金(超合金)成分として使用されている。
②電気抵抗発熱体や熱電対線材、また高力高電導合金として溶接用電極に用いる
③アルミニウムベースの合金に添加し、展延性を害することなく引張り強さを高め、耐食性を改善する。
④特殊溶接棒の被覆材
⑤粉末冶金の原料

◎クロワッサン(croissant)(1999年12月28日)
 クロワッサンとはフランス語で「三日月」を意味し、三日月の形をしたパンです。クロワッサンはサクサクした食感が特徴のパンですが、それは生地にバターを挟みこみ、何度も折りたたむことで生み出されます。
 クロワッサンの発祥については、1683年にオーストリアのウィーンでポーランド軍がトルコ軍の包囲を打ち破った時、あるいは1686年にブタペストをトルコ軍から奪還した時に、トルコ国旗の三日月になぞらえたパンを焼いて食べたこと、という逸話が有名ですが、これは嘘のようです。実際には、それ以前から月形のパンは存在しており、現在のクロワッサンとは似つかぬものだったようです。
 現在のクロワッサンのレシピが登場したのは20世紀初頭のフランスです。フランスでは、菱形と三日月形の2種類のクロワッサンが存在し、バター使用のものは菱形、マーガリン使用のものは三日月形と分けられて、販売されています。

◎クロロプレンゴム(chloroprene rubber:CR)
 アセチレンまたはブタジエンを原料とするクロロプレンモノマーを重合して得られる特殊合成ゴム。耐候性、耐熱性、耐油性等に優れ電線被覆、ゴムベルト、自動車部品、接着剤等に使用される。固体。

◎クーロンの法則(Coulomb's low)
 1785年、クーロンが発見した電気力および磁力に関する法則である。距離r を隔てておかれた2個の点電荷Q1とQ2、あるいは点磁荷M1とM2の間に作用する力の大きさ(F)は、F∝Q1×Q2÷r2とF∝M1×M2÷r2で与えられる(∝は「比例する」という数学記号)。
 2個の電荷あるいは磁荷が同符号のときは斥力、異符号のときは引力が両者に作用する。これらの力Fは、「クーロン力」と呼ばれる。

◎燻蒸(くんじょう)(2001年2月9日)
 (1)いぶすこと。いぶって煙が立ちのぼること。
 (2)有毒ガスを発生させて、殺虫・殺菌を行うこと。

◎蛍光インキ(fluorescent ink)
 蛍光顔料を使用したインキ。美麗な蛍光色を有しているが着色力、耐光性、耐溶剤性などが劣っている。

◎蛍光顔料(fluorescent pigment)
 蛍光顔料(有機蛍光顔料)は樹脂に蛍光性染料を結合させて作ったもので、美麗な蛍光色を有しているが着色力、耐光性、耐溶剤性などが劣っている。

◎経済四団体(1996年1月19日)
 経済団体連合会(経団連)、日本経営者連盟(日経連)、経済同友会(同友会)および日本商工会議所(日商)を合わせて経済四団体と呼ぶ。経団連は鉄鋼、金融、貿易などの部門別、業種別の経済団体の全国的な総合団体。経団連会長は財界総理と呼ばれる。日経連は広く労働問題に対処し、経営権を守るという目的で1948年に設立された。同友会は経営者が個人の資格で加入している。
 財界とは主に大企業を中心とする経営者の集まりで、企業の経済活動全体に大きな影響を持っている。

◎ケイ酸アルミニウム(aluminium silicate)(1999年1月19日)
 天然ケイ酸アルミニウムは、モンモリロナイトを主体とする酸性白土。一般に粘土鉱物と言われているもので、Al2Si4O10(OH2)・nH2Oで示される。天然ケイ酸アルミニウムは内用薬によく使われている。その作用の特徴は、
・胃腸内有害バクテリア、あるいは異常物質を吸収し、胃腸壁に対する刺激を除き、下痢を止める
・アルカロイド類など有機塩基性毒物を吸着する(解毒)
・胃腸内の過剰水分を吸収し、下痢を止める
・腸管から逆に水分を吸収し、糞塊を軟化する(慢性便秘の治療)
・粘膜の保護皮膜を作る
などである。

◎ケイ酸ナトリウム(sodium silicate)(1999年1月19日)
 普通には、メタケイ酸ナトリウム、Na2SiO3を指す。融点1018℃で、水に溶ける。一般にケイ酸ナトリウムの農水溶液をを水ガラスという。
 洗剤の洗浄効果は、ふつうpHの高いほど大きくなる傾向があるので、洗剤には、ケイ酸ナトリウム(水ガラス)が添加されている。これは、金属部の腐食を防いだり、コロイド状ケイ酸による汚れの吸着作用を利用しての再汚染の防止にも役立っている。

◎ケイ酸マグネシウム(Magnesium Trisilicate)(2000年1月19日)
 適度な吸着性を有する制酸剤として、潰瘍治療剤と胃腸薬に広く使用されている。海外では、水酸化アルミニウムゲルとの併用により、制酸剤として広く使用されている。

◎ケイ石(2001年2月9日)
 珪石(silica stone)は鉱物名でなく、主に石英(quartz)から成る鉱物や岩石類の総称。主成分は二酸化珪素(シリカ:SiO2)で98~99%程度。最も純粋な結晶は石英と呼ばれ、透明で大きい鉱物は水晶と呼ばれる。
 粒度の大きいケイ石は自動車のエンジン製造工場に送られ、鋳造工程で用いるエンジンブロックの型枠として用いられる。粒度の小さなものは、建材用として、軽量コンクリートの材料として使われる。
 ケイ石はシリカの純度によって合金鉄(フェロアロイ)や研削材のほか、耐火材、陶磁器、ガラス製品、セメント、建材など、幅広い用途がある。フェロアロイとは、銑鉄やスクラップから鋼を造るときに、鋼に悪い影響を与える酸化鉄や硫黄分を取り除く清浄剤(脱酸、脱硫など)である。また、特殊な鋼や鋳鉄を造る場合の成分添加剤でもある。フェロアロイは、鉄鋼の生産に不可欠な原料である。

◎けい藻土(diatomaceous earth)(1996年1月19日)
 白色または、灰白色のあらい含水コロイドケイ酸で、蛋白石の一種。けい藻という単細胞の藻類が海底や湖底に沈積し、体内の原形質が分解し、ケイ酸(SiO2)を主体とした遺骸が集積して地層を形成したけい質の堆積岩。比重はおよそ2。粘土に似て触感があらく、硬度は高くてガラスなどを傷つける。
 純粋なけい藻殻はSiO2:94%、H2O:6%、空隙率:60~90%(多孔質)である。密度が小さく、熱絶縁性に富む。耐火性があり、化学的に強いため、断熱用充填剤、保温材、窯業原料として利用されている。

◎桂皮(ケイヒ)(1997年10月10日)
 おだやかに熱を下げる。

◎ケーキ(cake)
 沈降分離法によって生じた汚泥は大量の水分を含むので、まず沈殿濃縮することによってできるだけ汚泥中の水分を除き、続いて機械的な脱水(濾過、遠心分離など)で水分を除き、水分25~30%の、取扱性のよい廃泥にする。これを一般的にはケーキと呼ぶ。

◎ゲージ圧(1996年1月19日)
 大気圧を0として測定した圧力。
 (絶対圧)=(ゲージ圧)+(大気圧)
 大気圧は約100kPa。

◎血液型(2001年3月31日)
 ヒトの血液型は、一体何が違うのでしょうか?我々の体内を流れる血液は、主に赤血球、白血球、血小板という3つの成分によって構成され、全身に酸素を運ぶ働きのある赤血球がその大部分を占めています。
 じつは、赤血球の表面には、数種類の糖が“鎖”のようにつながった『糖鎖』と呼ばれる物質が毛のようにびっしりと生えていて、その鎖のつながり方の違いを表したものが、いわゆる『ABO式血液型』の正体です。つまり、鎖の先端に『N-アセチルガラクトサミン』という糖がついていればA型であり、『ガラクトース』という糖がついていればB型、さらに、両方の糖がついていればAB型で、どちらもなければ“ゼロ”という意味のO型というわけです。
 ちなみに、ABO式血液型の歴史は意外と新しく、1900年にオーストラリアのカール・ランドスタイナー博士によって発見されましたが、当時はO型のことを“C型”と呼び、AB型は彼の弟子によって後から発見されたものなのです。
 ところで、赤血球には、なぜ4つの型があるのでしょうか?そもそも17世紀頃までは、あらゆる動物の血液はすべて同じものであると考えられ、ヒツジの血液がヒトに輸血されたこともあるということですが、確かに、そこまで極端ではないにせよ、ヒトの血液がすべて同じものであれば、輸血などの際には何かと都合がいいような気もします。
 そうした中、最近注目されているのが「血液型の違いによる免疫力の差」、つまり、特定の病気に対して、ある血液型ではかかりやすいが、別のある血液型ではかかりにくいという説です。例えば、O型は、梅毒や結核、天然痘などにはかかりにくいが、胃潰瘍にはかかりやすく、逆にA型は、梅毒などの病気にかかりやすいといいます。要するに、たった一つの病気が原因となって、人類が絶滅することのないように、様々な病気との闘いの中で生まれた結果というわけですが。
 いずれにせよ、一口に血液型といっても、『アカゲザル(Rhesus)』と共通の抗原が赤血球の表面にあるか、ないかによって分類するお馴染みの『Rh式』をはじめ、白血球の血液型として知られる『LHA式』など、分類方法だけでも数百種類、さらには、各分類方法ごとの“型”まで含めると数十万単位の血液型が存在するといいます。

◎結婚式(1996年7月9日)
 結婚式・披露宴の平均費用は278万円(1996年度分)200~300万円が34%を占めている。また披露宴の参加人数は50~100人が56%、100~150人が22%と多い。

◎結合力(1997年1月2日)
 結合の強さは、
 共有結合>イオン結合>金属結合≫水素結合>双曲子-双曲子相互作用>van der Waals 力
 共有結合の強さは30~100kcal/mol
 水素結合の強さは約5kcal/mol

◎結晶核(Crystal nuclei)
 溶液の過飽和度に対応して熱力学的に決定される臨界粒径の微小結晶のことを一般的に「結晶核(Crystal nuclei)」と定義している。過飽和溶液内に存在する微小結晶で結晶核以上の大きさのものは、熱力学的には成長して粗大結晶になると考えられている。しかし工業装置内では、臨界粒径以上の微小結晶が会合し、結晶数を減少させつつ成長することがしばしばある。また臨界粒径を越えると思われる1μm程度の結晶においても同一過飽和溶液内において成長するものとしないものとが存在することが認められており、定常操作においても工業装置内で発生する結晶核数はそれより得られる製品結晶数とは一致しない。その意味で製品結晶となる結晶核のことはしばしば「有効核」とよばれ、臨界粒径より定義される結晶核と区別される。結晶核の生成機構には一次核化現象と二次核化現象とがあり、そこで発生する結晶核の挙動は大幅に異なることがある。

◎結晶性樹脂、結晶性ポリマー、結晶性プラスチック
 線状高分子には、その化学構造によって分子の一部が規則的に集まることができるものがあり、これを結晶性樹脂という。
 結晶化した部分の密度が高く、なおかつ硬いため、不透明で、耐薬品性に優れた剛直なイメージの樹脂。耐溶剤性に優れる、流れ良好、薄肉成形に適する、耐摩擦摩耗性・摺動性良好、高剛性、高硬度、もろい、割れやすい、そりやすい、収縮率大きい、などの特徴を持つ。
 結晶性樹脂の例として、
 エンプラ:ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シンジオタクチック・ポリスチレン(SPS)
 スーパーエンプラ:ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)、フッ素樹脂、ポリエーテルニトリル(PEN)
 などがある。

◎結晶成長(Crystal growth)
 過飽和溶液中に結晶種が存在すると結晶は成長する。その機構は結晶種より十分離れた溶液中より結晶表面への拡散現象と、結晶表面に拡散した溶質の結晶格子への配列よりなる直列機構が考えられている。前者については通常フィックの法則の適用が可能であるが、後者については晶折特有の理論が用いられる。すなわち表面晶折現象においては結晶表面上のステップ、キンクへの原子の付着による成長と、このステッブ、キンクのない場合に表面で起こる二次元結晶核生成とがある。二次元結晶核生成が起こると、その核が二次元的な成長のもととなり、原子層は結晶表面に沿って成長する。また、らせん転移があるとそれも成長のもとになる。これらの機構は成長速度に対する過飽和度の関係式に影蟹し、結晶成長特有な晶析現象となる。

◎ケトン(Ketone)
 カルボニル基(CO)をもつ有機化合物の総称。一般構造式はR-CO-R'としてあらわす(R、R'は有機基)。もっとも単純なケトンはアセトン(CH3COCH3)である。その他のケトンには、ショウノウ、ステロイドなどがある。
 スクリーン印刷には、シクロヘキサノンやイソホロン等のケトン系溶剤が使用されている。ケトン系溶剤はビニール樹脂やウレタン樹脂などに対する溶解力に優れるが、臭気が強いのが欠点である。

◎ゲル、ゲル化(gel、gelatinization)
 ゼリー状のものをゲルという。また、反応によってゼリー状に変化することをゲル化という。

◎ケレン
 汚れや附着物をこそぎ落す(剥ぎ落とす)こと。

◎原子番号、陽子、電子、質量、中性子、同位体(1996年1月19日)
 原子番号 = 陽子数 (=電子数)
 質量数  = 陽子数 + 中性子数
 同位体:中性子数が異なるもの(質量数が異なる)

◎原子炉(1996年1月19日)
 普通の原子炉(軽水炉)は、天然ウランに0.7%含まれるウラン235を燃やす。高速増殖炉(FBR)では、プルトニウムの核分裂で生まれる中性子を燃えないウラン238にぶつけ、燃料となるプルトニウム239に変える。発電しながら燃料を増殖する「理想の」原子炉。

◎原体(2008年9月18日)
 医薬原体(active pharmaceutical ingredients)、農薬原体(active agricultural ingredients)などと言う。“原体”とは、“有効成分”とほぼ同じ意味で、“医薬原体”とは、医薬品の原料となる工業的に合成された製品(有効成分となる化学物質)を指す。

◎原虫(1996年7月9日)
 原虫とは、他の動物に寄生しないと増殖できない単細胞の動物。

◎ケント紙(Kent paper)
 イギリス・ケント州で作られた洋紙。表面は石膏質で白色度が高く強靱。版下原稿作成時、ハーフトーンに良好。

◎玄武岩(basalt)
 はんれい岩に対応する塩基性の噴出岩で、斜長石と輝石からなり、かんらん石も含まれることがある。一般に溶岩流として現われるもの細粒緻密であるが、岩脈、岩床となって産出するものは粗粒である。強硬でじん性に富み砕石として好適であるが、比重の高い欠点がある。

◎研磨材(abrasives)(1998年8月16日)
 高硬度鉱物の粒子または、粉末で、研磨に使用される材料。硬さ、じん性(材料のねばり強さ:外力に抗して破壊しにくい性質)、粒度、形状、比重などが重要。天然品ではダイヤモンド、コランダム、エメリー、ザクロ石、フリント、粘土などがあり、人造品には人造ダイヤモンド、人造コランダム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、酸化クロム、酸化鉄、酸化アルミニウムなどが利用されている。人造コランダム、炭化ケイ素は大・に生産され、研削作業に利用されるため、とくに研削材と称されている。酸化クロム、酸化鉄は精密な琢磨材として用途が多い。

◎原油を精留して得られる石油製品(1996年8月19日)
 沸点の低い順にガソリン、ナフサ、灯油、軽油、重油。ナフサを1000℃近い高温で熱分解することをナフサ分解という。ナフサ分解によって、利用度の高いエチレン、プロピレンが多量に得られる。

◎コアレッシングフィルタ(coalescing filter)
 (機械)空気中の油霧粒子を分離する機器(オイルミストセパレータ)の中で、油霧を凝集させ分離除去する機器。従来、スラッジフィルタ、ミストクリーナと呼んでいた機器。

◎コイル(coil)(1996年1月19日)
 導線を巻いたもので、インダクタ(inductor)、リアクタ(reactor)とも言う。コイルは、高周波回路の電流の制御や、ノイズフィルタ回路に用いられる。
 コイルには、直流は流し続けるが、交流はできるだけ流さないようにする性質がある。その効果の大きさをインダクタンス(inductance)といい、単位としてH(ヘンリー)を用いる。

◎鋼(こう)(steel)(1998年8月16日)
 鉄-炭素系合金において、γ鉄に対する炭素の最大固溶量(約2%)より炭素量の少ないものをいう。これに対し、炭素の多いものは鋳鉄という。主として、炭素だけを合金元素として含むものを炭素鋼、これに他の合金元素を添加したものを特殊鋼、あるいは合金鋼という。一般に、炭素量の増加とともに硬さを増す。

◎硬化
 熱硬化性樹脂を熱・触媒・光・放射線などの作用によって架橋させ安定した状態に変える操作をして、物理的性質が変化すること。

◎叩解(こうかい)
 製紙の工程の一つ。パルプの繊維をたたいてほぐすこと。

◎公害(1996年1月19日)
 public nuisance。私、公企業の活動によって地域住民の被る人為的災害。公害対策基本法(1967年制定)によると、公害とは大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、悪臭、地盤沈下の7種類。

◎硬化剤(hardener)
 熱硬化性樹脂と反応して、樹脂を硬化(分子を三次元化)させる薬品、または熱硬化性樹脂の硬化反応を促進させる媒体をいう。

◎硬化促進剤(accelerator)
 主剤と硬化剤の反応を促進し、硬化時間を短縮する添加剤。硬化触媒ともいう。

◎高級アルコール(higher alcohol)
 炭素数が6ヶ以上のアルコールをいい、合成洗剤、可塑剤等の原料に使用される。従来は抹香鯨油あるいはヤシ油等を原料にしていたが、現在はエチレン、プロピレン等各種オレフィンを原料として製造されるものが主流となっている。液体。

◎高吸水性樹脂
 SAP(Super-Absorbent Polymers)と省略される。水と接触すると瞬時に吸水、膨潤し、水全体をゲル化させる性質をもつ高分子。吸水力は数百倍、高いものになると千倍に達する。デンプン系、カルボキシメチルセルロース系、ポリアクリル_系、ポバール系等に分類される。生理用品、紙オムツ等使い捨ての衛生用品に応用されているほか、土壌保水剤等の農業用途の開拓が進められている。固体。

◎合成樹脂(synthetic resin, plastic)
 天然樹脂に対して、人為的に合成された樹脂状のものを当初、合成樹脂といったが、現在では、プラスチックと同じ意味に使われている。プラスチック・塗料・接着剤などの主原料。大別して熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂に分けられる。

◎酵素(1996年1月19日)
 enzyme。生体内の化学反応を触媒する生体高分子。ポリペプチドが球状に折り畳まれた球状タンパク質。あるいは、それを一つのサブユニットとしていくつかのサブユニットが共有結合により会合したオリゴマー蛋白質。基質特異性、反応特異性が著しく高い。反応の種類により6つに大別される。
 ①酸化還元酵素(oxid-reductase)
 ②転移酵素(transferase)
 ③加水分解酵素(hydrolase)
 ④リアーゼ(lyase)
 ⑤イソメラーゼ(isomerase)
 ⑥リガーゼ(ligase)

◎「高速道路」と「自動車道」との区別は(2000年3月10日)
 日本道路公団(JH)に聞きました。JHが建設・管理する道路は31路線6452kmに及びますが、高速道路とつくのは「名神」(愛知県小牧市—兵庫県西宮市)と「東名」(東京都世田谷区—愛知県小牧市)の2路線だけです。「高速道路」というのは通称で、法律上の正式な名前は東名は「第1東海自動車道」、名神は「中央自動車道西宮線」です。実は名神は中央自動車道の一部なのです。
 名神は1963年に滋賀県栗東町—兵庫県尼崎市が部分開通、1965年に全線開通しました。東名はその4年後に全線開通しています。このころは、通常の道路とは違うことをはっきりさせるため「高速道路」という愛称をつけ、それが定着し、今もこう呼んでいます。

◎高分子(high polymer)
 分子量がきわめて大きい化合物(1万を超えるようなもの)の総称で、このような分子を高分子または巨大分子という。

◎高濃度インキ(オペークインキ:opaque ink)
 高濃度、高隠蔽性タイプのインキ。以前は、黄、赤系に黄鉛やクロムバーミリオンなどの鉛性顔料が使用されていたが、現在は高隠蔽性の有機顔料が使用されている。

◎降伏値(yield value)
 物体に流動を起こさせるのに必要な最低の力。降伏値が小さいほど流れやすい。流体に外力を加えたとき、弾性変形から流動変形に移るための限界応力。

◎鉱物(1996年1月19日)
 地殻を形成する天然の均質な無機物。多くは固体で、一定の形態を有し、一定の化学的組成を持つ。鉱物は4つに分けられる。
①金属:鉄、アルミニウム、銅など。
②非金属工業材料:石炭、リン鉱石、ソーダ灰など。
③建設・土木材料:砂、砂利、石など。
④エネルギー材料:石炭、ウランなど。

◎高密度ポリエチレン(high density polyethylene:HDPE)
 ポリエチレン。

◎コカ(coca)(1996年1月19日)
 コカノキ科に属する高さ1~3mの常緑樹。南アメリカのペルー原産。葉から抽出されるコカインは局所麻酔などに用いられる。アンデス地方の先住民族は、葉をかむと飢えを忘れ活力が出るとして、畑仕事などの重労働に利用していると言う。葉はそのまま、茶としても日常的に使われている。南米のアンデス諸国で主に生産されている。
 ボリビアにあるコカ畑の総面積は1994年末現在で約48000ヘクタールで、横浜市より広い。

◎コキール(coquille)(1996年7月9日)
 貝殻の意。調理した材料を帆立貝の貝殻又は、耐熱性の浅い皿につめて、天火で蒸し焼きにした料理。コキーユともいう。

◎黒鉛(1998年8月28日)
 炭素を主成分とし、天然には水分、揮発分、灰分を含み、硬度は1~2で軟らかく、黒色または鉛黒色で特有の金属光沢と潤滑性とがある。黒鉛は化学的に酸に侵されず、電気伝導性に優れているため、炭素工業の主原料として電極、炭素電極、炭素棒、るつぼ、鉛筆の芯のほか、鋳造材料や研磨剤として広く利用されている。
 黒鉛は天然黒鉛と人造黒鉛に大別され、さらに天然黒鉛は外観と性状とによって鱗状黒鉛と土状黒鉛とに分けられる。また、鱗状黒鉛は外観が鱗状、葉状、針状を呈するものを大部分含む黒鉛で、銀黒色の強い金属光沢を持っている。鱗状黒鉛は、鋳物の塗型材として用いられる。黒鉛塗型材は鋳物の表面に塗布して鋳肌を滑らかにし、焼き付けを防止する目的で使われる。

◎コークス(Koks)
 「コークス」はドイツ語「Koks」で、英語では「コーク(coke)」、漢字では「骸炭」と書く。石炭を高温乾留(約1,000~1,100℃)して得られる金属性光沢のある灰黒色の多孔質固体。乾留炉のことをコークス炉と言う。「乾留」とは、「蒸し焼き」のこと。乾留の工程でコールタールが副産品として生じる。
 乾留(蒸し焼き)によって石炭中から硫黄、コールタール、ピッチなどの成分が抜ける。この乾留工程を経る事で燃焼時の発熱量が元の原料の石炭より高くなり、高温を得ることができることから、蒸気機関車や鉄鋼業などの燃料として利用されてきた。
 外見は石炭に似ているが、多孔質であるため金属光沢は石炭に比して弱い。多孔質は、乾留(1,300℃以上)の際に石炭中の揮発分が抜けてできるものであり、結果的に炭素の純度が高まり、高温度の燃焼を可能とする。
 コークスには石油精製によって作られるものもあり、これは「石油コークス」と呼ばれる。常圧蒸留残油や減圧蒸留残油などの重質油に対し、コーキングという熱分解処理を行った残渣である。石油コークスには、通常、「石油コークス」と呼ばれている「ディレード・コークス(delayed coke)」、コーキング装置から採取された時のままの「生コークス(raw coke)」と、この生コークスをもう一度焼いて揮発分を除去した「煆焼(かしょう)コークス(calcined coke)」がある。また、コーキングの方法によっては「フルード・コークス(fluid coke)」と呼ばれる粉状の燃料として使用されるコークスも製造されている。
 製鉄においては、石炭が持っている硫黄分は、鉄の品質低下を招く。また、コールタールやピッチは高炉の高温燃焼を妨げるため、製鉄用の高炉の燃料には、コークスが用いられている。このため、製鉄所では、製鉄用高炉の他に、石炭からコークスを乾留生成するコークス炉を併設していることが多い。
 現在では冶金材料、鋳物や合金鉄用燃料、カーバイド工業の炭素材、アルミニウム精錬用等の電極、研削材原料などに使用されている。
 寒地では暖房にも使われ、中華料理の世界では、その火力が活用されている。屋内の厨房はガスが一般的だが、屋台などでは今でもコークス燃料のコンロが使用されている。日本においても、まる鍋の専門店では、スッポンを強力な火力で一気に炊きあげるために利用されている。ただし、家庭で使用する場合には、大量の一酸化炭素が発生するため、換気に注意が必要である。

◎ココア(1998年8月10日)
 カカオ豆は、加工されない限り「カカオ」であるが、発酵や乾燥処理されると「ココア豆」になる。そのココア豆をローストし、すりつぶしたものが「ココアマス(カカオマスともいう)」であり、チョコレートの原料となる。ココアマスを圧搾して分離した油脂はココアバター、残ったココアパウダーをお湯で溶いて飲むのがココアである。
 ココアもお茶と同様に、カテキンなどポリフェノール類と呼ばれる化合物が多い飲み物であり、ガンを抑制する効果があると考えられる。共立女子大栄養食品研究室の泉谷希光(まれみつ)教授によると、ココアは食物繊維の一種であるリグニンを豊富に含む。野菜などに含まれる食物繊維よりも、腸の粘膜にこびりついた老廃物を取り除く力が強く、便秘の解消に役立つことが動物実験で分かった。

◎五香粉(U Shan Fan)(1996年7月9日)
 中国版のカレー粉。一般に丁子、肉桂、八角、山椒、陳皮の5つの香辛料を合わせたミックス・スパイス。

◎国連公用語(1996年1月19日)
 国連で用いられる言語。英語、フランス語、スペイン語、中国語、ロシア語、アラビア語の六カ国語。
 この他に公式の書類に用いられる「公用作業語」がある。公用作業語は英語、フランス語、スペイン語、ロシア語の4種類。

◎五爵(1995年12月1日)
 公、侯、伯、子、男の五等の爵位。

◎胡椒(1996年1月19日)
 胡椒科の多年生作物。胡椒の木はインド南部マラバル沿岸が原産地。常緑のつる性植物。普通は雌雄同株。背丈は大きいもので10mに達する。直径5mmほどの赤い実が50~60個程度、ブドウの房のようになる。乾くと黒くなる。熱帯の植物のため、1年に何度も収穫することができる。人間が最も古くから知っているスパイスと言われ、紀元前4世紀のギリシアの書物「植物誌」に既に登場している。
 実が緑色の内に収穫し、皮ごと乾燥させたものが黒コショウ。赤く熟した実を収穫し、皮を剥いて乾燥させたものが白コショウ。

・コショウ、ペッパー、唐辛子(pepper)(1996年7月9日)
 黒、白、緑、赤の4種類がある。
 黒:香りが強く、肉料理に向いている。
 白:上品な香りと味で、魚料理に向いている。
 緑、赤:色と香りを楽しむために使う。

・黒コショウ、白コショウ(ペッパー)
 黒コショウの方が辛味、香味が強く、肉料理に適している(辛味付け)。白コショウはマイルドで上品な香り。魚料理に適する。

・レッドペッパー(唐辛子)
 辛味が最も強いスパイス。南米産のナス科の植物でコロンブスの新大陸発見によって世界中に広まった。産地によって種類と辛さが異なる。激辛はカイエンペッパー(Cayenne Pepper)とチリペッパー。朝鮮の糸唐辛子は辛くなく、料理の香り付けに用いられる。カレーなどの辛味に使われる。(辛味付け)

◎語族(1995年12月1日)
・ロマンス語族
 ラテン語から派生した語族。フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、ルーマニア語。
・ラテン語
 ローマ人が使っていた言語。

◎骨材
 土木、建設産業の基礎資材。かつては大部分が河川砂利で占められていたが、昭和56年以降、砕石が主流となった。用途としては、コンクリート用、道路用、アスファルトコンクリート用、鉄道用などであり、日本国内では、年間8~9億トンの需要がある。

◎コーティング(coating)
 一般的には塗装のことであるが、印刷においては「紙やプラスチックなどの印刷の前後に印刷適性、印刷効果の向上、用途適性の向上を目的として塗装を行うこと」を指す。印刷前の塗装をアンカーコート(アンダーコート)、印刷後の塗装をオーバーコートという。

◎コバルト(Cobalt:Co)
 原子番号27、融点1495℃、沸点2900℃、密度8.92、ビッカース硬度253(20℃)。天然には主としては砒素または、硫黄と化合して産出し、鉱石を焙焼して酸化物とし、塩酸で溶かして不純物を除き、適当な還元剤で還元して金属を得る。精製には電解などの方法が採られる。α、βの同素体がある。
 鉄に似た灰白色光沢があり、展性、延性もあるが、炭素、マンガンなどを微量含むと脆い。強磁性でFe、Ni、希土類等の合金として、特別な磁気的性質を示す。大気中に長く放置しても表面がさびるだけで、大きい変化はない。
 用途として永久磁石、高速度綱、超硬工具、耐熱耐摩、歯科およびスプリング用合金、コバールその他の合金、触媒等である。非金属化合物は塗料、インキ、エナメル、絵具、電気メッキ等にも用いられる。

◎コーヒー豆(1997年4月9日)
 現在、世界で扱われているコーヒー豆の品種はエチオピア原産の「アラビカ種」、アフリカ西海岸からザイールにかけての一帯を原産にした「ロブスター種」、リベリアを原産にした「リベリカ種」の3種類。ロブスター種は、ほとんどインスタントコーヒー専用に栽培されており、リベリカ種は質が落ちるため、ほとんど生産されていない。つまり、飲料用に取引されているコーヒー豆はすべて「アラビカ種」である。産地の気候、地形や土壌によって味に違いがでる。コーヒー豆の名称には産地名、積出港名、商標名などが用いられており、「モカ」や「ブラジル・サントス」は積出港名、「ブルーマウンテン」は商標名。
 コーヒーの産地は、赤道を中心に北緯25度、南緯25度の間で、コーヒー・ベルトと呼ばれる。日本は1996年、生豆327000トンをコロンビア、ブラジル、インドネシアなど40ヶ国から輸入した。
 コーヒー豆は焙煎すると炭酸ガスなどが発生する。このため、挽きたての新鮮な粉に熱湯を注ぐと、その熱で自然にガスが膨張し、ふんわりと盛り上がる。この結果、細かい泡と粉でできたドームの中で粉は蒸され、コーヒーの旨みの成分を十分に引き出すことが出来る。

◎ゴボウ、牛蒡(1996年11月9日)
 ユーラシア大陸北部に自生する。日本にはなかったが、平安時代には栽培が始まっていたとされている。中国では古くから薬用にしていた。
 東京都北区付近で始まった長さ1m以上の「瀧野川ゴボウ」、直径10cm以上になる千葉県八日市場市の「大浦ゴボウ」などが有名。主産地は茨城、千葉、北海道。
 食物繊維を多く含むため、コレステロール値低下に役立つ健康食品として注目されている。
 ゴボウは食物繊維が多いことで近年その価値が見直されているが、それにはそれだけの根拠がある。つまり食物繊維であるゴボウのリグニンが、発ガン物質を吸収して対外に排出してくれるからだ。それだけではない。もう一つの化学物質であるモッコラクトンは、体内の前ガン物質をガンになることを防ぐ役目を果たしているということがわかってきたのだ。こうした働きを有効に使うには、ゴボウを食べるとき皮を剥きすぎないことと、切るときささがきに切る、つまりささくれだったように切るとよい。こうすることで、食物繊維の量が増え、リグニンが増える。

◎コポリマー(copolymer)
 共重合体。

◎ゴマ、胡麻(1997年8月16日)
 ゴマは油分を約50%も含む。カルシウムや鉄分、亜鉛を多く含んでいる。黒ゴマと白ゴマを比べると、油分では白ゴマ、ミネラル類は黒ゴマの方が多い。ゴマの皮は消化しにくいため、皮を取り除くか、つぶす方がよい。

◎小町針、待ち針(1996年1月19日)
 こまちばり、まちばり。小野小町の性器が欠損していたという説話によって穴がない針という意味の名付け。

◎ゴム、ゴム弾性
 室温において小さい力を加えると伸びるが、力を除くと速やかに元に戻る性質、すなわちゴム弾性を示す高分子物質をいう。天然ゴムと合成ゴムとがある。

◎コラーゲン(collagen)
 膠原(こうげん)質ともいう。おもな線維状タンパク質として、コラーゲン、ケラチン、フィブリノーゲン、筋肉タンパク質がある。コラーゲンは、骨、表皮、腱、軟骨をつくっている。脊椎動物ではもっとも豊富なタンパク質である。機能性インキの原料として、コラーゲンパウダーが使われることがある。

◎コランダム(corundum)(1998年8月28日)
 綱玉ともいう。化学組成はAl2O3(アルミナ)。硬度9、比重3.95~4.10。赤色はルビー、青色はサファイアと呼ばれる。

◎コリアンダー(Coriander)(1996年7月9日)
 独特の青臭さがある、香菜の種を乾燥させたもの。柑橘系の香り。カレーには粉末にして加える。地中海風の魚介のマリネやピクルスなどの料理には欠かせない。ソフトな香りは、冷たい料理でも味を殺さない。南フランス、ギリシャ、エジプトやインドが産地。

◎コールタールピッチ(Coal Tar Pitch)
 コールタールピッチは、コールタールを蒸留したときに得られる。練炭や電極などの粘結剤として、また鉄材、木材などの防水、防錆、防腐などのために塗料として用いられる。人造黒鉛電極を始め、アルミ精錬用電極(アノード・カソードブロック原料)、コークス配合用として利用されている。
 JFEケミカルは、世界的に有名なコールタールピッチのメーカー。国内シェアは約80%。国内では主に製鋼電極、海外ではアルミ精錬電極用として利用されている。
 双日ジェクトは、中国山東省に「済寧辰光ジェクト煤化有限公司」という合弁会社を保有し、その製品を販売している。

◎コールドフィルター/コールドミラー(Cold Filter/Cold Mirror)
 コールドフィルターは効率良く可視光・紫外線を透過して、熱線を反射する。可視光域における透過はほぼニュートラルに設定されており、ほとんど無色。コールドミラーは可視光・紫外線を反射し、熱線を効率良く透過する。

◎コレステロール(1996年8月10日)
 一口にコレステロールと言っても、悪玉とされる低比重リポタンパク(LDL)と善玉とされる高比重リポタンパク(HDL)がある。HDLは動脈硬化を抑制する働きがある。
 HDLの検査法は統一されており、血清中の濃度を測定する。横浜市にある済生会神奈川県病院では血清100ml中に30~80mgを正常値としている。HDL値が低いと問題である。この時、総コレステロールが高ければ、糖尿病や肥満が疑われる。遺伝的な高脂血症ということも考えられる。総コレステロールも低い場合には肝臓の病気の可能性がある。
 HDLが1下がると、心筋梗塞など虚血性心疾患の発生率が2~3%上がると言われる。HDLを直接上げる薬はないので、一日1万歩歩くなどの運動や、カロリー制限で対応する。効果が出るまで最低でも1ヶ月かかる。

◎コンクリート
 骨材、水及び結合剤(通常はポルトランドセメント)の混合物。乾燥すると石のように硬化する。

◎紺青(prussian [deep] blue, ultra marine)
 古くから使われてきた代表的な青色顔料で、ミロリブルー、プルシアンブルー、アイアンブルーなどとも呼ばれる。粒子が非常に細かく、鮮明で、着色力が大きい。耐光性、耐酸性はよいが、耐アルカリ性が弱い。フタロシアニンブルーに比べると色相がくすんでおり物性も劣るため、用途は限られる。

◎コンソメ(consommé)(1996年7月9日)
 フランス語。肉を良く煮だしたスープ。転じて、澄んだスープ。もともと、フランス語の「コンソメ」とは、「完成された」という意味。
 コンソメの材料には、牛スネ肉や鶏の手羽先などのゼラチン質の多く含まれている部分を使う。コンソメのすっきりとした深い味わいは、このゼラチン質による。このゼラチン質は、冷えると固まってゼリー状になる性質を持っているので、コンソメスープを冷やすだけでコンソメのジュレになる。

◎コンタミネーションコントロール(汚染管理)(contamination control)
 空気中に含まれる有害物質の管理。

◎コンデンスミルク(condensed milk)(1996年7月9日)
 加糖練乳。牛乳に砂糖を加え、煮詰めて濃縮したもの。糖によって細菌の繁殖が抑えられるため、エバミルクよりも保存性がよい。→エバミルク

◎コントラビジョン(contra-vision)
 ガラス、PVC、アクリル、ポリエステルなどの透明素材に印刷し、表と裏に異なったデザインを表現する技法。特徴は、ドットまたはストライブの上に複数の色を重ねて印刷する片面印刷であり、これが表裏で異なったデザインや配色表現を可能にし、同時に遮へい・透過の視覚効果も発揮する。用途は、オフィスのドア、窓、車両のウィンドウ、サンルーフ、パーテーション、ショップディスプレイ、照明ディスプレイ、他。(コントラビジョンは、凸版印刷(株)の登録商標)

◎コンパウンド(compound)
 1)印刷用語では、印刷インキに混和して印刷適性を調整、改善するための補助剤のこと。インキの粘着性を低下させ腰切の役をする。
 2)プラスチック用語では、合成樹脂に必要に応じて可塑剤、充填材、着色剤、強化材、その他各種配合剤を加えて混合し、そのままの状態で成形に提供することが出来るようにした材料をいう。
 目的に応じたグレードにするため、製造プラントから直接得られる合成樹脂(ストレートポリマー、ニードポリマー、ベースポリマー等と呼ばれ、粉末状である場合が多い)に可塑剤、充填剤、着色剤、安定剤等を加えて混練することを一般にコンパウンディングといい、このような配合処理によってできたものを単にコンパウンドと呼ぶ。
 合成樹脂は通常、そのまま加工に使用できる完成コンパウンドの状態(ペレット)で販売されている。ポリエチレン、ポリプロピレンはその代表例で、合成樹脂メーカーが配合処理を行って加工メーカー等に供給している。ほとんどの場合、エンジニアリングプラスチックも同様にして供給されているが、合成樹脂メーカーから配合処理前のポリマーがコンパウンダーに供給され、そこで完成コンパウンドにされて市場に流れているケースもあり、PPS等で多くみられる。また、塩化ビニル樹脂のように加工産業で独自配合されるのが通常となっているものもある。

◎コンブ、ワカメ、ダシ(1996年1月19日)
 ワカメと昆布は、褐藻植物コンブ科の海藻。コンブからはダシがとれるが、ワカメからはダシがとれない。コンブにはグルタミン酸、貝類にはコハク酸、カツオにはイノシン酸が含まれており、これがうまみの素。ワカメに限らず、コンブ以外のほとんどの海藻にはうまみの素が含まれていないため、ダシがとれない。

◎細菌(bacillus, bacterium)(1996年7月9日)
 単細胞の微生物。大きさは1~5μm程度。分裂菌類ともいい、二分裂および、内生胞子形成だけで増える。他物に寄生し、発酵、腐敗を営み、病原体としても重要。
 細菌は細胞を持つ微生物であるため、住む環境と栄養が整えば単独で増殖する。肺に巣くう結核菌、腸につく赤痢菌、傷口から血液に入り込む破傷風菌などは体内に入り込んで増殖するが、体を構成してる細胞の中には決して侵入しない。例外もあるが、それぞれの臓器の細胞の周囲や血液中で増殖するだけである。
 また、細菌は特有の細胞壁を築いている。主に糖とタンパク質で作られた固い壁で、この壁がないと細菌は生きていけない。細菌を攻撃する抗生物質の大部分は、この壁が作られないように働く。人間の体は、このような壁を作らないため、抗生物質を服用しても細菌だけが殺されて体への副作用がない。

◎細君(1996年1月19日)
 他人に対して自分の妻をへりくだっていう言葉。他人に対して言うことは非常に失礼。

◎最高使用圧力(maximum working pressure)
 (機械)機器またはシステムの使用可能な最高圧力。

◎最小殺菌濃度(MBC:minimum bactericidal concentration)
 被検薬剤の適当希釈列に一定量の供試菌を混ぜ、一定時間後に被検薬剤を遠沈洗浄、希釈、中和等の手段によって不活化し、しかる後に培養によって細菌の生死を判定する。細菌が発育しない最小限度をMBCという。上記のTDPやTDTと同様、被検薬剤との混合時の供試菌によってこの値は変わるが、現実的に殺菌条件を考える場合有用である。

◎最小滴下流量(minimum flow rate for charge)
 ルブリケータで指定された条件下において油が滴下されるのに必要な最小の空気量。

◎最小発育阻止濃度(MIC:minimum inhibitory concentration)
 抗生物質の抗菌力を表すときによく用いられる単位であるが、消毒剤の微生物発育抑制力の比較にも利用される。被検薬剤の適当倍数希釈を含む最小濃度(mcg/ml)をMICとよぶ。この濃度以上では供試菌は発育しないが。この場合細菌が死んでいるとは限らない。多くの場合、希釈そのほかの方法で被検薬剤を除くと供試菌は再び増殖を開始するので、MICの近くでは静菌状態にあるとみられる。

◎最大吸収エネルギー(maximum energy absorbing capacity)
 (機械)ショックアブソーバの機械的強度が保たれる範囲で吸収できる最大エネルギー。

◎最大衝突速度(maximum impact velocity)
 (機械)使用可能な最大(許容)衝突速度。

◎最低作動圧力(minimum operating pressure)
 (機械)機器の作動を保証できる最低の圧力。

◎最低使用圧力(minimum working pressure)
 (機械)機器またはシステムの使用可能な最低圧力。

◎彩度(chroma)
 色相、明度とともに色の3属性の一つ。色の鮮やかさの差を区別する尺度。マンセル色表系ではクロマがこれにあたる。

◎サイレージ(silage)(2013年2月21日)
 牧草や、結実する前に刈り取った青刈り作物をサイロ内で乳酸発酵させた飼料。水分含量は乾草と生草の中間であり、栄養価も高く、馬の嗜好性もよい。しかし発酵過程で空気に触れると異常発酵となりとカビも発生するため注意が 必要である。
 乳牛用には、牧草やトウモロコシを利用する。牧草サイレージの場合、イネ科やマメ科(アルファルファ)の牧草などが主流になっている。
 以前は、大きな塔(サイロ)に入れて作ることが多かったが、最近では、「ロールベールサイレージ」と呼ぶ、巻物のようなロール状態で置かれているサイレージが主流。キッチンでラップを使うのと同じように、特殊なビニールで牧草などを密封する方法で、比較的、手軽につくれることが特徴。
 刈り取った牧草を積み上げて、ビニールを覆うだけでサイレージが完成するわけではなく、良い品質のサイレージをつくるには水分や密封の状態など、様々な要因が関係している。また、長期間安全に貯蔵するために、乳酸菌が重要。乳酸菌を加えることによって牧草が発酵し、炭酸ガスや窒素ガスが発生し、安全に保存されるようになる。しかも、栄養分のロスも最少限に抑えられるという利点もある。

◎ザウエルクラウト(Sauerkraut)(1996年7月9日)
 ドイツ語で「酸っぱいキャベツ」の意味。イギリス名では「サワークラウト」。西欧風のキャベツの漬物。細く切ったキャベツを塩漬けにしたもの。キャベツの細切りを2〜3日陰干しした後、塩と混合しながら発酵タンクに漬け込む。これに重石をして一ヶ月間ほど発酵させると、このあいだに乳酸菌が発酵を起こして、酸味の強い漬け物ができる。

◎肴(1996年7月9日)
 酒菜の意味。酒を飲むときに添えて食うもの。

◎「魚の痛点」について(2000年3月10日)
 魚にはやはり痛点はなく、痛みは感じないそうです。それで、引っ張られる逆方向に逃げても痛くないため、釣り針にかかっても最後まで逃げようとするのだそうです。さばく時などに暴れるのは人間の手の熱さ(体温12度の魚が人間の36.5度の手でつかまれると温度は約3倍、人間に例えれば100度を超える)に対する防御反応だそうです。

◎魚を「さく」で買う(2000年3月10日)
 魚を刺し身にできるように下ごしらえした段階の、魚の身のかたまりを「さく」と言う。ただし、どうして「さく」と言うのかはよくわからない。
 田畑を掘り返して作った溝やうねを「さく」と言い、溝やうねを作ることを「さくを切る」と言う。魚のさくは、この田畑のさくと形が似ているし、「切る」というのも縁がある。
 また、昔のかきつけは、木簡や竹簡と呼ばれる板状のものに書かれ、それを糸で編んだものは「さく」と呼ばれた。これを漢字では「冊」と書き、今でも和歌や俳句などを書く細長い紙は「短冊」である。そして、一般に細長い形を短冊形と言う。魚のさくも細長い短冊形と言える。
 というようなことが関係しているのか、魚のさくを漢字で書くときには、つくる意味の「作」、あるいは細長い形を意味する「冊」とあてる。ちなみに、「冊」には「サク」「サツ」という音(おん)がある。(武庫川女子大教授・佐竹秀雄)

◎酢酸(acetic acid)
 酢酸ビニル、アセテート等に使用される。アセトアルデヒドを原料とする製法とメタノールを原料とする製法等がある。液体。

◎酢酸エチル(ethyl acetate)
 溶剤、香料等に使用される。アセトアルデヒドを原料として製造される。液体。

◎酢酸ビニル(vinyl acetate:VAM)
 あまいエステルの臭気がある無色の液体で、酢酸ビニル樹脂の合成原料として知られている有機化合物。ポリ酢酸ビニルは無色透明の熱可塑性樹脂で、チューインガムのベースのほか、ポリ酢酸ビニルをエマルションとして水性ペイントなどの塗料や接着剤、繊維加工などに用いられている。ポリ酢酸ビニルのもっとも大きい用途は、加水分解して得られるポリビニルアルコールの原料としてであり、これは、ビニロンの製造原料として用いられる他、ビニルホルマール、ビニルブチラールなどのプラスチックになる。
 主用途はビニロンの原料であるポバール用だが、酢酸ビニルの重合物は塗料、接着剤等に使用される。またエチレンや塩ビモノマーとの共重合樹脂の原料となる。エチレンまたはアセチレンと酢酸により製造される。液体。

◎酢酸ブチル(butyl acetate)
 溶剤、抽出剤等に使用される。酢酸とブタノールから製造される。液体。

◎鎖状炭化水素(chain hydrocarbon)
 炭素が鎖状に結合しているもので、脂肪族炭化水素ともいう。鎖状炭化水素は次のように分けられる。(イ)飽和炭化水素(パラフィン系炭化水素)CNH2n+2の分子式をもつ。メタン、エタン、プロパン等。(ロ)不飽和炭化水素有機合成原料として最も重要なものである。(a)オレフィン系炭化水素CNH2nの分子式をもつ。エチレン、プロピレン等。(b)ジオレフィン系炭化水素CNH2n-2の分子式をもつ。ブタジエン等。(c)アセチレン系炭化水素CNH2n-2の分子式で三重結合をもつ。アセチレン等。

◎サクランボ(1996年7月14日)
 原産地はイラン北部から黒海沿岸。アメリカには17世紀、ヨーロッパから移民とともに伝えられた。日本へは明治時代に欧米から導入された。当時の山形県知事が積極的に苗木を入れたため、現在では山形県が日本の最大生産地となっている。ほかには青森、北海道、山梨、福島など。日本の代表的な品種は、「佐藤錦」。これは1910年頃、山形県の佐藤栄助氏が「ナポレオン」に「黄玉」をかけ合わせて作った。

◎鮭とば(さけとば)
 秋鮭を半身におろして皮付きのまま縦に細く切り、海水で洗って潮風に当てて干したもの。「とば」は漢字で「冬葉」と書き、冬の北海道・東北地方の風物詩となっている。
 大変に硬く、歯の弱い人、差し歯の人は気を付けなければならない。最近では薄くスライスした柔らかい鮭とばも存在する。細かく切ってそのまま食べたり、炙って食べたりする。

◎差し毛(1995年12月1日)
 動物の毛並みで、異なる色が混じること。また、その毛。

◎殺菌と静菌
 細菌、真菌だけでなくウイルス、原虫を殺すことも殺菌として扱うとすでに述べたが、いずれにしても微生物の代謝が停止して回復しない状態を指す。むろんこの場合の死とは、培養によって増殖がみられなかったことである。静菌とは、微生物は生きているが増殖できない状態をいう。いくつかの薬剤は微生物に静菌的に働き、このような場合、薬剤が取り除かれたり希釈されると微生物は増殖性を回復し、一見生きかえったかの感じを与える。中途半端な熱処理も微生物を一時的な静菌状態におくことがある。これらの現象は、滅菌、消毒の実際にあたり十分に注意しなければならない。また、無菌germfreeという言葉がある。(実質的には殺菌と同じ意味をもつ)。

◎殺菌濃度指数(n)
 薬剤濃度C、死滅速度定数KのあいだにはK=ACnの関係がある。Aも定数である。nは殺菌濃度指数とよばれ、薬剤によって一定の値をもっている。大ざっぱに説明すれば、n=1の薬剤(例:昇汞)の場合、濃度を2倍に希釈すると死滅速度は1/2になるが、n=6の薬剤(例:フェノール)では1/26=1/64に減少することになる。

◎サトイモ、里芋(1997年7月9日)
 サトイモは人類最古の栽培植物の一つ。野生種の多くは毒イモで、人間はその毒抜きに知恵を絞り、品種改良を繰り返してきた。
 サトイモで手がかゆくなるのは、アクに含まれるシュウ酸石灰のせいだが、手に塩や油をつけておけば大丈夫。ぬめりを取るには、塩少量を入れて下ゆでする。
 濡れた新聞紙に包んで湿り気を保つと、美味しさが長持ちする。「上庄さといも」で有名な福井県大野市の農家は横2m、深さ1mの「イモ穴」で、秋に収穫したイモを春まで保存している。

◎作動頻度(frequency of operation)
 (機械)機器を連続作動させた時に、誤作動を起こさせない作動回数。

◎サフラン(saffraan)(1996年7月9日)
 オランダ語。サフランはサフランクロッカス(アヤメ科の多年草、水仙に似た植物)の雌しべの長い3本に分岐した柱頭を集めたもの。先が3本に分岐した分かれている雌しべは、1つの花から1本しか採れない。乾燥させると100本以上の花から採っても1グラムにもならない。
 サフランにはクロシンという黄色の色素が豊富。この植物の染色体の数は先祖の野生種の1.5倍で、実を結びにくい。雌しべについた花粉が管を出しても、長い柱頭の途中でだめになるため、根分けで増やすしかないため、高価。1g当たり1000円程度。南ヨーロッパの原産。鮮やかな黄金色の着色性と独特の芳香を持っている。スペインのパエリヤやフランスのブイヤベースなどには欠かせない(色付け、香り付け)
 歴史は古く、3000年以上昔のクレタ島の壁画に、サフランの花を採取する人物が描かれている。エジプトでも古代から栽培され、鎮痛や婦人病の薬として利用された。
 乾燥したサフランは江戸時代に日本に持ち込まれた。明治にかけて薬用植物として栽培された。大分県竹田市などでは農家の室内で栽培が行われ、良質のサフランが生産されている。スペイン、中国、インドなどから年間3トン前後を輸入している。昔は月経困難、人工流産、胃腸病、鎮けい、鎮静、利尿などの薬とされた。

◎サーミスタ(Thermistor)
 サーミスタは、「Thermally Sensitive Resistor(熱に敏感な抵抗体)」の総称で、温度が上がると抵抗値の下がる、負の温度係数を有するNTCサーミスタ(Negative Temperature Coefficient Thermistor)を一般にサーミスタと呼んでいます。
 サーミスタは、マンガン、コバルトなどの金属酸化物をいくつか組み合わせて、1500℃程の高温で焼き固めてつくったセラミック半導体。サーミスタは半導体の抵抗が温度によって大きく変化する性質があるため、温度測定回路などによく使われる。
 サーミスタを区別するとしたら、3つに分ける事が出来る。NTCとCTRとPTC。NTCは計測用サーミスタの代表的なもので、よく使われるが、生成される金属や、焼結したときの具合によって、特性にばらつきが生じてしまう。しかし、NTC温度センサは形状が小さく、応答速度(感度)が速いという利点があり、よく使われる。例えば、水槽の水を一定温度にしたりするのに使われるサーモスタットなど。
 CTRは家庭用暖房気によく使われる。定温検出用のセンサとしてよく用いられる。PTCは、家庭用保温装置としてよく用いられる。PTCはセンサとしては比較的扱いやすい。NTCは、温度が上昇すると抵抗値が減少するという特性をもつ素子で、温度検知用・温度補償用などに使用される。

◎さらし粉(bleaching powder)(1998年8月16日)
 消石灰粉末に塩素を吸収させ、2Ca(OH)2 + 2Cl2 → Ca(ClO)2 + Ca Cl2 + 2H2 O の反応で作られた白色粉末。強い酸化力を持ち、殺菌、消毒、綿布やパルプなどの漂白に利用されている。

◎サラダ(salad)(2000年4月13日、朝日新聞)
 サラダの語源はラテン語のsal(塩)。生野菜に塩をかけて食べていたのが原型と考えられている。
 古代ローマでもサラダ用にレタスを栽培していたが、当時、野菜はむしろ薬として用いられていたらしい。当時は肉食が中心であり、栄養バランスを整える薬としての役割だったと考えられている。生野菜を食事として摂取するようになるのは、中世以降。
 日本では、魏志倭人伝に卑弥呼が生野菜を食べているという記述があり、古くから食べられてと考えられている。もっとも、現在のサラダという言葉から思い浮かべるような、西洋野菜を盛りつけた食事スタイルは、つい最近のこと。西洋野菜は、そのほとんどが幕末に渡来したのです。
 西洋風サラダの普及には、連合国軍総司令部(GHQ)も一役かっている。「清浄野菜」をデビューさせているのだ。「清浄野菜」とは化学肥料だけで育てた野菜のこと。現在、化学肥料だけで育った野菜を「清浄」と感じるかどうかは微妙なところで、時代を感じさせる。

◎サラダ煎餅(1996年7月9日)
 サラダせんべいという商品があるが、サラダの味はしない。実は、サラダオイルを使って煎餅を焼いているからサラダ煎餅と名付けられたもの。サラダオイルを使って煎餅を焼くと、油の風味が出て美味しくなり、さっぱりとした感じやソフト感がでる。昭和30年代後半あたりから作られたようだが、最初に作ったメーカーは不明。

◎残圧(residual pressure)
 (機械)圧力供給を断った後に、回路系または機器内に残る望ましくない圧力。

◎酸化亜鉛(Zinc Oxide:ZnO)
 亜鉛華、亜鉛白ともよばれる。天然に紅亜鉛鉱として産出する。白色か黄色味がかった白色の無臭の粉末と、六方晶系結晶がある。融点1800℃、比重5.47(無定形)、5.78(結晶)約300℃に熱すると黄色になるが、冷やすと白色に戻る。白色顔料として重要で、化粧品、医薬、触媒などとしても用いられる。水にはほとんど溶けない。
 用途としては、白ペイントの顔料、化粧品、乾燥剤、速乾性セメントへの配合、ゴム添加剤(加硫促進助剤)、塗料・インキ原料、ガラス・陶磁器原料、電池・蛍光体原料、光電極などに使用されている。ほかに、不透明ガラスや各種透明ガラス、エナメル、車のタイヤ、マッチ、磁器の製造に使われる。特殊なスクリーンインキ用の顔料として一部で使用されている。
 住友大阪セメント社製ZnO#100は、平均粒径10~20nm、表面積43cm2/g。住友大阪セメントは、紫外線遮蔽性能を持つ酸化亜鉛事業を展開してきた。同社の製品は、平均粒径が1μm以下と、可視光線の1/10で、可視光を吸収せず透過する。分散性に優れるとともに化粧品に配合した時の高い透明性が特徴。現在、船橋事業所に生産工場を持ち、国内化粧品業界に供給しており、サンスクリーン剤として多くの化粧品に採用されている。
 バリスタの主原料としても利用されている。酸化亜鉛にごく微量の添加物を加えてバリスタとするが、この添加物がないと酸化亜鉛はバリスタ特性を示さない。酸化亜鉛を主原料とするバリスタの他に、チタン酸ストロンチウムを主原料とするものがある。

◎酸化カルシウム(calcium oxide)(1998年8月28日)
 CaO。石灰、生石灰ともいう。無色の粉末。融点2572℃、沸点2850℃、比重3.2~3.4。空気中に放置すると水と二酸化炭素を吸収し、水酸化カルシウムと炭酸カルシウムになる。アルコールに不溶。
 高融点のため、炉、るつぼなどの内張りに用いられ、しっくい、モルタルなど建築材料、土壌改良剤、カーバイドの製造などに用いられる。
 菓子などの乾燥剤として入っている白い粉末状(時に、小ブロック状)のものは生石灰。生石灰は水と反応すると消石灰になるが、この時、熱が発生する。消石灰はアルカリ性であり、土壌の酸性を中和するのに利用されている。菓子などの乾燥剤として入っている消石灰は、花壇や植木鉢の土に入れると良い。

◎酸化エチレン(ethylene oxide:EO)
 エチレンオキサイド。

◎酸化還元反応(化学反応の一種、oxidation-reduction reaction)
 酸化と還元は通常同時におこり、反応系の1成分が電子を奪われて酸化されれば、他方に電子を得て還元される成分が存在する。この場合、化学系全体の化学反応を酸化還元反応、その化学系を酸化還元系という。たとえばイオン化傾向の大きい金属M1(M1+ + e-)とイオン化傾向の小さい金属のイオンM2+との溶液中での反応 M1 + M2+ → M1+ + M2においては、M1金属が酸化され、M2+イオンが還元されたことになる。
 反応する相手を酸化する物質を酸化剤(電子を奪い取る物質、電子受容体)、相手を還元する物質を還元剤(電子を提供する物質、電子供与体)という。

◎酸化セリウム(1999年8月28日)
 酸化セリウムはガラスの研磨剤として利用されている。純度が低いものは、赤っぽい色をしており、平均粒径は10μm程度。けずりかすや、壊れた酸化セリウムを分級する目的で、微粉(5~6μm以下)除去用に湿式サイクロンが使われている。純度が高い酸化セリウムは黄色っぽい色をしている。
 半導体のウエハー表面の研磨剤として酸化セリウムのスラリー液が利用されている。先行しているのはキャボット社。1999年5月に日立化成工業が市場に参入、さらにJSRなども名乗りを上げている。

◎酸化チタン(Titanium Oxide:TiO2)
 二酸化チタン、チタニアともいう。無色の粉末。融点1,855℃、3,000℃以上で分解して着色する。冷、温水に不溶。酸にもアルカリにも安定で、変色しない高級の顔料。身近なところでは白いペンキ、おしろいなどに用いられてきた。
 酸化チタンは、チタンを空気中で熱すると白色粉末として得られる。着色力、隠蔽力が大きい代表的な白色顔料。結晶形の違いにより、アナターゼ型とルチル型がある。白さの点ではアナターゼ型が優れているが、ルチル型は着色力、隠蔽性が優秀で、チョーキング現象を起こしにくい利点を持っている。いずれも耐光、耐熱、耐溶剤、耐薬品など、各種の耐性が極めて優れている。
 屈折率が高く、可視光を吸収しない。化学的に安定で、毒性がないことから、白色顔料として広く使われている他に、透明度を下げるために他の顔料に混ぜて使われている。その他、磁器、金属チタンの製造原料、金属製品の研磨剤として、また医薬品関係では保護剤や紫外線防止剤(UVブロック)として用いられている。また、光触媒として利用できるため、壁紙に混入したり、ガラス容器にコーティングして有機物の分解に利用する。UVインキではアナターゼ型を用いることがあるが、その他のタイプのインキでは主にルチル型が使用される。チタン白、チタンホワイトとも呼ばれる。
 白色顔料(チタンホワイト)として広く用いられている。この他、製紙用充填剤、コーティング材、ゴム・合成樹脂の着色材、印刷インキ、化学繊維のつや消し、磁器原料、研磨剤、医薬品、化粧品などに幅広く利用されている。
 二酸化チタンは光触媒としても利用されている。結晶形としてアナターゼ型、ブルッカイト型、ルチル型があるが、触媒として性能がよいのはアナターゼ型である。触媒に必要なことは、サブミクロンの粒子径を有し、比表・積が大きいことである。また、触媒として用いる場合、二酸化チタン単独で使用されるだけでなく、白金、パラジウムなどの貴金属を表面に担持すると分解効率が向上する。

◎酸化鉄(Iron Oxide)
 酸化鉄は鉄の酸化物の総称。FeO、Fe3O4およびFe2O3など、組成が異なるものがある。いずれも鉄の酸化物であり、水酸化鉄と並んで錆を構成する成分である。酸化鉄は自然界では鉱物として見いだされ、代表的なものは赤鉄鉱(ヘマタイト)、褐鉄鉱(リモナイト)、磁鉄鉱(マグネタイト)、 ウスタイト、磁赤鉄鉱(マグヘマイト)である。
 αFe2O3は赤茶色の三方晶系結晶。鋼玉型構造。密度5.24g/cm³、融点は1,570℃とされるが、高温で酸素を失ってFe3O4になるために正確には測定できない。JFEケミカルでは、スチールの鋼材酸洗工程から副産する酸化鉄を精製し、ソフトフェライト原料として生産しています。
 酸化鉄は顔料としても利用されており、日本では「弁柄」という呼び名で知られている。天然の酸化鉄の顔料は「黄土(オーカー、Ochre)」と呼ばれることがあり、他にも、生や焼いたシェンナやアンバーのような多くの古典的な顔料が存在する。このような顔料はラスコー洞窟の壁画など早期先史時代の芸術に使われて以来、利用され続けており、酸化鉄(III)が主成分である。
 酸化第二鉄は、天然には赤鉄鉱として産出し、製鉄の鉄鉱石ではもっとも重要なものである。鉄鉱石の一種で、微細な粉末状のものは、べんがら(弁柄または紅殻とも書かれる)、代赭(たいしゃ)、インディアンレッド、血朱、鉄朱、鉄丹などとよばれ、石器時代から顔料としてつかわれてきた。ちなみにべんがらという言葉はインドのベンガル地方からきている。顔料のほかにはガラス、特に望遠鏡のレンズや反射鏡、ブロックゲージ、弁などの仕上げの精密な研磨に使われる。また、ゴム、ペンキ、紙、セラミック、ガラスに混入する顔料、貴金属、ダイヤモンドの研磨剤、半導体、磁気テープ、フェライト磁心や永久磁石の原料に使われる。

◎酸化プロピレン(propylene oxide:PO)
 プロピレンオキサイド。

◎酸化マグネシウム(Magnesium Oxide:MgO)
 古くから制酸剤として用いられてきた。プラズマディスプレイの保護層材料としてMgO膜が利用されている。

◎産業(1996年1月19日)
 第一次産業:自然界に存在する資源を取り出す産業。農業、漁業など。
 第二次産業:第一次産業製品を加工する産業。工業など。

◎三原色(the three primary colors)
 色光の三原色は、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)で、これらの組み合わせで全ての色を表現する。RGBを最高の明度で組み合わせると白になる(加法混色)。これに対して印刷では、インキなどの色材の三原色、藍(Cyan)、黄(Yellow)、紅(Magenta)の組み合わせで色を表現する。CYMを全て加えると黒になる(減法混色)が、色材の反射率の関係で純粋な黒を表現できないので、更に黒(Black)を加える。従って、反射光の場合はCYMKの4色で全ての色を表現する。

◎酸素(1998年12月1日)
 常磁性体であるため、液体、気体を問わず、磁石に引き寄せられる。

◎三大栄養素(1997年10月10日)
 炭水化物、蛋白質、脂肪。

◎サンデー(Sundae)(1996年7月9日)
 19世紀末、アメリカのイリノイ州で生まれた。日曜日のお菓子としてアイスクリームにチョコレートをかけて「サンデー・スペシャル」という名で売り出された。その後、キリスト教の安息日であるSundayと同じつづりではよくないとして、「Sundae」と変えられた。

◎サンドブラスト(sand-blast)
 ガラスやステンレスなどに砂を吹き付けることにより表面を加工する方法。

◎三本ロール、ロールミル(roll mill
 印刷インキの製造装置。長さと太さが同じ3本の鉄製ロールが接触回転する練肉機で、後、中、前と順に回転速度が速くなっている。後ロールと中ロールの間に原料を投入し、ロール間の剪断力で顔料粒子をビヒクルに分散する。

◎残留磁気(residual magnetism)
 磁性材料に磁界を与えて磁化した後に、磁界を取り除いた時、材料に残った磁気力。

◎ジアリルフタレート樹脂(diallyl phthalate resin:DAP、PDAP)
 プロピレンに塩素を反応させて得られるアリルクロライドとフタル酸ソーダを反応させてモノマーを製造し、これを重合して高重合度のポリマーとする。電気的特性、耐薬品性、寸法安定性に優れ、主として電気・電子及び通信機器のコネクター等の工業部品に使用されているほか、化粧合板用シートに使われている。高級熱硬化性樹脂。固体。

◎シアン(cyan)
 色材の3原色の一つ、藍色(青色)のこと。

◎シイタケ(1996年12月21日)
 シイタケの旨み成分はグアニル酸だが、生シイタケには含まれていない。シイタケを乾燥するときに温度が上昇することによって酵素が活性化し、シイタケ中の核酸からグアニル酸ができる。シイタケ中のエルゴステロールに太陽光線を当てると、ビタミンD2に変化する。またシイタケ中のエリタデニンにはコレステロール低下作用がある。

◎ジエチレングリコール(diethylene glycol)
 合成樹脂や有機合成品の原料となるほかセメントの粉砕助剤等に使用される。エチレングリコールの製造の際に副生する。液体。

◎四塩化炭素(carbon tertrachloride
 フレオン製造用、消火剤、不燃性溶剤等に使用される。プロピレンを塩素化してパークロルエチレンを製造する際に併産される。液体。

◎示温インキ(thermochromic ink)
 コレステロールの高級脂肪酸エステルなどの結晶配列により変色するサーモクロミック物質をマイクロカプセル化しインキにしたもの。

◎示温顔料 (thermochromic pigment)
 ある温度以上に加熱されると色が変化する顔料。温度が降下したとき色が元に戻るものを可逆性示温顔料といい、戻らないものを不可逆性示温顔料という。後者には色の変化が1段階のものと2段階以上にわたるものがある。

◎紫外線(ultraviolet rays)
 光のスペクトルで可視光の紫よりも外側の電磁波。波長は400nmから、X線の波長である15nmまでの間とされる。紫外線は、人工的には電気アーク灯によってつくることができ、自然にはおもに太陽によってつくられている。紫外線の波長の短いものは生体にとって危険である。300nm以下の波長の紫外線は細菌やウイルスを殺すので、殺菌にもちいられる。人間の場合、310nm以下の波長の紫外線によって日焼けが起こる。幸い、大気のオゾン層が、ほとんどすべての短波長の紫外線と、長波長の紫外線の多くを吸収している。しかし紫外線のすべてが有害なわけではない。人間や動物の健康に必要なビタミンDは、皮膚が紫外線に照射されることによって体内でつくられる。
 紫外線は、生命に大切な役割を果たしているが、一方では、特にDNAに障害を与える可能性があるので、生命に有害でもあると現在は認識されている。
 紫外線をエネルギー的な側面から判断すると、紫外線の照射によってDNAのチミンの2量化やタンパク質のS-S結合を切断する可能性があり、実際にそれらが確認されている。ラープは量子説が提案された1990年、殺菌能力を示さない色素でも、原生動物を入れた容器に色素を加えて太陽光の当たる場所におくと、原生動物が死滅することがあることを初めて実証した。特に色素の酸化物は強い酸化剤であることが多いので、酸素の存在下で紫外線が照射されると、生命に有害であることが多い。色素の構造と機能の相関については、コンピューター支援の量子化学の更なる進歩により、定量的な把握が可能になりつつある。詳細は今後の研究にゆだねられるが、色素の促進作用による原生動物の死滅と紫外線照射による死滅とでは、そのメカニズムが異なると理解されている。

◎紫外線硬化(UVキュアリング:UV curing)
 印刷インキ膜に紫外線を照射し、反応硬化させて固形皮膜に変えること。UVインキの成分は、感光性ポリマー、モノマー、光重合開始剤、顔料、補助剤などであり、光重合開始剤が、特定波長の紫外線を吸収して連鎖反応を起こしインキを硬化させる。

◎紫外線硬化型インキ(UVインキ:UV ink
 紫外線硬化型インキは一般にUVインキとも呼ばれ、紫外線のエネルギーで光化学反応を起こし、液状から個体へ秒単位で硬化し皮膜形成を行う。インキの主成分は、光重合性樹脂、光重合開始剤、着色料および助剤で、原則として有機溶剤は含まない。従って100%固形分となる無溶剤型インキである。UVインキのメリットは単に速硬化性、高度の皮膜物性、脱溶剤等のみならず、従来からスクリーン印刷の理想といわれてきた「版上では乾かずに印刷後の乾燥が速い」という溶剤型インキでは成し得なかった機能性を実現出来たことである。

◎時間
 時間の単位である秒は、初め地球の自転による定義が用いられたが、地球の自転には季節変動や経度変動などがあるので、1956年には地球の公転に基づく定義に変更された。その後、さらに高い精度を出せる原子周波数標準の研究が進み、1967年にはセシウム原子に基づく秒の定義が国際度量衡総会において採択された。

・時刻の国際比較と保持
 時刻を国際的に比較して、各国の時刻を正確に保持するために、各国では、電波を使った色々な方法で時刻比較を行っている。これらのデータは各国から国際度量衡局に送られ、それを基に国際原子時が作られる。当所ではGPS衛星より1億分の1秒(~10ns)の時刻比較測定を行っており、国際原子時の作成に貢献している。

◎色環(color wheel)
 色相の変化を系統的に表すために、色表を次の順に環状に配列したもの。赤-黄赤(橙)-黄-黄緑-緑-青緑(浅葱)-青-青紫(群青)-紫-赤紫

◎色差(color difference)
 色の差を数値化したもの。一般的な色差⊿Eのレベル分けは、下表のとおり。
色差(⊿Ε) 色  差  の  程  度
~0.8 目視判定の再現性から見て厳格な色差規格を設定できる限界
0.8~1.6 隣接比較色差が感じられるレベル
1.6~3.2 離間比較では殆ど気づかない
3.2~6.5 印象レベルでは同じ色として扱える範囲
6.5~13 マンセル色票間の色差に相当
13~ 系統色で区別がつく程度の色の差

◎色相(hue)
 明度、彩度とともに色の3属性の一つ。赤、黄、緑、青、紫など。マンセル色表系ではヒューがこれにあたる。

◎シクロヘキサン(cyclohexane)
 カプロラクタム、アジピン酸等の原料であり、溶剤としても使用される。ベンゼンを水素添加して製造される。液体。

◎自己消火性(self-extinguishablity)
 プラスチックは炎に接すると燃えるが、炎を取り除いたとき自然に消火する性質をいう。塩ビ樹脂は自己消火性である。

◎シシトウ(2000年3月10日)
 和歌山県農業試験場(貴志川町)に聞きました。シシトウは、名前の通りトウガラシの一種で、形が獅子舞の獅子に似ていることから、この名前があります。辛みの成分はカプサイシンと呼ばれる物質で、トウガラシに共通のものです。
 この成分は乾燥し、温度が上がるとできやすくなることから、一般に夏場ほど辛いものが出やすくなります。また春に植えた木が老化して弱ると、辛いものができやすくなります。同じ木になっていても辛いものとそうでないものがあり、専門家でも見分けることは難しいものです。種が詰まっている元の方が最も辛くなります。甘みのある種と掛け合わせ、辛くない品種を作ろうとしていますが、うまくいっていません。

◎シジミ、蜆(2000年3月18日)
 シジミは、琵琶湖のようなきれいな淡水湖や河口の浅瀬にいる貝。蜆が「虫」偏であるのは変に思うかもしれない。「虫」を辞書で調べると「小さな生き物」の意味がある。また「見」には、「現れる」の意味がある。つまり浅瀬に姿を現す小さな貝が「蜆」と呼ばれているのです。
 シジミという読み方の語源には諸説ある。その1つに貝殻の表面にある多数のシワに起因するという説がある。シワをよく見ると縮んでいるように見える。この「チヂム」が訛って「シジム」になり「シジミ」になったというものです。
 シジミにはタウリンが多く含まれており、肝臓の働きを強めるのに効き目がある。また、カルシウム、鉄分、ビタミン類も多く含まれている。

◎磁石
 『永久磁石』というものは、たくさんの「微小磁石」を磁化装置で整列させたものなのですが、電子の振動が、この整列を乱してしまうのです。さらに、磁石の「材質」や「形状」も関係します。「ネオジム−鉄−ホウ素磁石」のように、「鉄」を含む磁石だと酸化しやすいので、整列が乱れて、磁力が弱くなりやすいのです。
 そして、磁力は磁石の端部から弱くなっていくので磁石端部の面積が大きく、それに比べて「磁極間距離」が短い、つまり細長い磁石よりも太くて短いものの方が、磁石としての性質を保ちにくいのです。
 磁石の劣化に関しては、こうした内部の状態だけではなく、外部からの影響にも左右されます。例えば、高温にさらされると、「微小磁石」の向きが乱れて磁力が弱くなります。そのため、『永久磁石』を出荷するときには、一度熱にさらしたり、「減磁処理」という安定化処理を行ないます。一度熱処理をしておけば、その後のダメージが少ないし、さらに酸化しやすい磁石も、最近ではニッケルをコーティングすることで、酸化しないような工夫がされています。しかし、こうした処理をしても、逆向きの磁界(反磁界)が働くような状態にあると磁力は弱まります。
 馬蹄(U字)形磁石なら、鉄片などをくっつけて反磁界が働かないように、つまり「閉回路」にして保管しておくとよいのです。とはいえ、実際には、磁力が減少していく値は微々たるもの。
 一般には、フェライト系(酸化物)の「バリウム−フェライト磁石」、そして、酸化しやすい希土類金属系の「ネオジム−鉄−ホウ素磁石」でも、せいぜい1年で0.1~0.2%程度の減磁です。『永久磁石』は、実際に使用する環境状況を考えて設計されているので、半永久的に磁石の性質を持ち続け、ほとんど変わらないといえます。

◎四神(しじん)
 耳慣れない人も多いかもしれませんが、各々の名前は結構聞いているはずです。中国で、方角を司る神様です。漢の時代に出来上がったようです。東が青竜、南が朱雀、西が白虎、北が玄武、です。五行説(注)では、青が東方、朱が南方、白が西方、玄が北方を指します。
 ★青竜(せいりょう):東方の守護神で、竜の形をしています。
 ★朱雀(しゅじゃく):南方の守護神で、鳥の形をしています。
 ★白虎:西方の守護神で、虎の形をしています。
 ★玄武:北方の守護神で、亀と蛇を一つにした形ともいわれます。

◎磁性インキ(magnetic ink)
 磁気特性を持つ酸化鉄の粉末をビヒクルと練り合わせたインキ。磁性粉(Fe3O4等)をビヒクルに分散させたインキで、キャッシュカード等に使用される。

◎シソ、紫蘇(1996年11月18日)
 赤ジソにはシソニンという赤い色素とオレアノール酸があり、体内の活性酸素をとる作用をしてくれる。この活性酸素の抑制効果は、赤ジソを生で食べるより熱をかけて煮た方が35倍も高いということがわかった。

◎質量(mass)
 場所、温度、圧力などによって変わらない物体に含まれる物質の量を表す数値である。その単位はkgまたはgである。類似する言葉である「重さ」は、物体に働く地球の重力の大きさである。同じ質量の物体の重さを月で計ると地球の6分の1の重さになる(質量は変わらない)。
 質量の単位「キログラム」は、初め「一辺が10cmの立方体の体積の最大密度における蒸留水の質量」と定義されたが、1889年に直径、高さとも39mmの円柱形で、白金90%、イリジウム10%の合金でできている「国際キログラム原器の質量」に置き換えられた。
 わが国の質量標準は、国際キログラム原器と同時に、同形状・材質で作られた「日本国キログラム原器」であり、当所に保管されている。

・キログラム原器
 日本国キログラム原器の質量は、約30年ごとに国際度量衡局(パリ近郊)が保管する国際キログラム原器と比較され、その質量値が確保されている。

・高精度化への足どり
 体積や表面積が異なる等質量の分銅(シンカー)を内蔵した天びんを開発し、シンカー間の質量差から空気の浮力および分銅表面への気体分子吸着の精密補正を、世界で初めて実現した。これらの計測技術を駆使し、現在10-9の精度で質量標準を確立している。

・原器用天びん
 計量研究所で開発した1kgに対して0.1μgの分解能を有する天びんで次の特徴をもつ。
①刃と刃受けの接触状態を保ったまま分銅の交換ができる。
②操作者からの熱放射の影響を受けない遠隔操作型である。
③真空容器に格納され、空気密度や分子吸着量が測定できる。

◎始動圧力(breakaway pressure)
 (機械)個々の機器が作動を始める最低の圧力。

◎自動制御(1996年1月19日)
 自動制御の機構は2種類。
①シーケンス制御(開回路制御:sequence control)
 自動洗濯機など。一度、動作が始まると、命令通りに動き、途中で動作の内容を変更しない方式。
②フィードバック制御(閉回路制御:feed back control)
 エアコンなど。希望温度を設定した後、機械が運転や停止を判断しながら動作する。sensorで得られた情報をフィードバック回路でコントローラーに戻し、目標値と出力値から操作量を加減するシステム。回路全体が1つのループ(輪)になっており、閉じている。

◎始動電流(inrush current)
 (ソレノイド)交流ソレノイドが定格周波数、定格電圧の電源で静止状態から動き出すまでに流れる瞬間的な電流。

◎芝エビ(2000年1月1日)
 体長10cm前後と小さく、薄い灰色の殻に多数の青黒い斑点がある。昔、東京の芝浦沖で多くとれたので、この名がついた。東京湾以南の内湾の砂底に生息する。

◎ジベレリン:じべれりん(1996年10月30日、朝日新聞)
 ジベレリンは、植物が芽吹いたり、伸びたりするのに欠かせない植物ホルモンである。現在までに108種類が見つかっている。ブドウなどでは種子の形成を抑える働きもあり、「種なしブドウ」はジベレリンを与えて、種をなくしている。植物の組織1グラム中には通常、0.1ピコグラム程度しか含まれない。タケノコ44トン分の茹で汁から得られたジベレリンは10mg程度であったという報告がある。

◎ジャガイモ、馬鈴薯(1996年11月18日)
 ナス科の植物で原産地は南米のアンデス。地下の根茎を食用にする。ヨーロッパでは、最初は花を観賞用にしていた。日本には17世紀初め頃、ジャガタラ(現在のジャカルタ)からオランダ人の手で伝えられた。「ジャガタライモ」がジャガイモになった。形から「馬鈴薯」とも呼ばれる。寒さに強いため、明治の北海道開拓とともに栽培が広がった。世界で最も多く栽培されている野菜で、年間の生産量は2億6000万トン以上。国内の生産は350万トン前後で、70%以上を北海道産が占める。
 可食部100gあたりエネルギー77kcal、タンパク質2.0mg、カリウム450mg、ビタミンB1を0.11mg、ビタミンCを23mgを含む。
 ジャガイモの原産はアンデス中南部の高地とされる。栽培化されたのもこの地方で、西暦500年頃。ペルーやチリの遺跡からはジャガイモをかたどった土器も発見されている。
 ヨーロッパへの伝播は、1526年、征服者ピサロによるスペイン本国への報告が端緒。初めのうちは枝葉や花を観賞するものとして、フランスの宮殿で飾られたりしていた。
食用として本格的に栽培されるのは17世紀のアイルランドから。面積あたりコムギの5倍量がとれることから、英国の地主による収奪にあえぐアイルランド農民に歓迎された
(朝日新聞、1999年11月7日)。
 1845年から翌年にかけて、カビによる疫病がアイルランドのジャガイモに大打撃を与える。その後の凶作もあって、100万人を超える人びとが餓死、1851年から1905年にかけて、およそ400万人が新天地を求めて移住していった。ジャガイモ飢饉として知られる出来事。
 ちなみに、クリントン大統領やケネディ大統領、あるいはレーガン大統領など、アメリカ歴代大統領のうち20人はアイルランド系。小さなカビがアメリカの、世界の歴史を変えたことになる。

◎射出成形法(injection molding method)
 熱可塑性樹脂の代表的な加工法。成形機のシリンダー内で溶融された原料樹脂を固く閉じた金型の中に注入し、射出シリンダーの中で加熱溶解され、流動化した成形材料は射出プランジャまたはスクリュによって固く閉じた金型の中に圧力で注入されて成形され、冷却後に取り出す。
 コップ、バケツ等の日用雑貨品、コネクター、ギヤ等の工業部品、家電製品等のハウジングのほか、医療用品等きわめて広範に適用されている。単純形状の成形品に留まらず、形状や構造が複雑な成形品の製造を行う精密射出成形法のほか、OA機器のキートップのように文字部分と台の部分を異なる色あるいは樹脂で成形する方法に代表される二色成形法などがある。

◎若干、弱冠、元服(1996年1月19日)
 「若干」が、「少し」という意味を持つ。この言葉を普段はつかう。
 「弱冠」とは、①二十歳。(中国周代の制度で、男子は二十歳に元服した)、②年の若いこと。
 「元服」とは、「昔、男子が成人したことを表すために服を改め、初めて冠をつけた儀式。

◎シャーベット(sherbet)(1996年7月9日)
 果物の汁に甘味を加えて、凍らせた氷がし。

◎遮蔽:cover(1996年7月9日)
 覆ってさえぎること。

◎ジャム(jam)(1996年7月9日)
 英語。果実を煮つぶし、または裏ごしにかけ、砂糖を加えて弱火で煮詰めた食品。苺、桑、桃、杏、林檎、梨、無花果などを用いる。

◎シャンピニョン(champignon)(1996年7月9日)
 フランス語。マッシュルームのこと。

◎周囲温度(ambient temperature)
 (機械)機器が正常に作動する周囲環境の温度。

◎臭化水素酸デキストロメトルファン(1997年10月10日)
 せきをしずめる。

◎重合(polymerization)
 分子量の比較的小さい化合物が結合して大きな分子量の化合物になることを重合という。例えば、ポリエチレンはエチレンという単量体が数千から数万結合してできた重合体である。このように同一の単量体を重合したものをホモポリマー(homopolymer)という。

◎シュウ酸(oxalic acid)
 二水和物の融点は100℃であり、100℃で無水物となる。水およびアルコールに可溶である。強熱すると二酸化炭素とギ酸に、濃硫酸を加えて熱すると二酸化炭素、一酸化炭素、水に分解する。硫酸酸性の過マンガン酸カリウム溶液を還元的に脱色する。

◎臭素(Bromine:Br)
 原子番号35、融点-7.3℃、沸点58.8℃、密度3.12。ハロゲン元素の1つ。上演で液体である唯一の非金属。海水、塩水等に含まれる臭素を酸化してから分離するか、あるいは岩塩から食塩などを分離した母液に塩素を反応して得ている。赤褐色、不快な刺激臭のある重い液体。
 化学作用は激しく、塩素に似ているが、それよりは弱く、冷温で金に作用するが、白金には作用しない。アルコール、エーテル、クロロホルム、二硫化炭素によく溶けて、赤色溶液をつくる。酸化剤、臭素化剤、有機臭素化合物の製造に用いる。臭素化合物には医薬、写真材料として用いられるものが多い。

◎重曹
 炭酸水素ナトリウム。

◎充てん剤
 プラスチックの強度、耐久性などの性質を改善するため、または安くする為に加える不活性物質をいう。

◎周波数
 電波、音などの1秒間の振動回数。音の圧力変化を音圧といい、音の高さは音圧が正と負の圧力変化を繰り返す1秒当りの回数で決まる。この回数を周波数または振動数といい、ヘルツ(Hz)の単位で表す。
 人間の耳に聞こえる音の周波数の範囲は20~20,000Hz。 20 Hz以下の音波を超低周波音という。

◎住民税(2002年7月9日)
 給与明細を見てみると、所得税のほかに住民税なるものが引かれています。これは地方公共団体の住民であることに課税される身近な税金です。正確には都道府県民税と市町村民税(特別区民税を含む)をさしていいます。
 住民税は、前年の所得に対して課税され、翌年の1月1日現在の住所地に課税されます。したがって、前年所得がない新入サラリーマンには最初の一年は住民税がありません。
 逆に、退職後も、翌年1月1日に課税されることになります。そう大きな金額ではないですが、退職金を全部使ってしまうと、翌年住民税を払う段になってに慌てることになります。
 住民税は、所得の部分にかかってくる「所得割り」と、所得金額に関係なく個人が等しく負担する「均等割り」があります。
 また、所得割は基本的には所得税と同じようにかかってきますが、所得の区分が違うものもありますので、注意が必要です。例えば、配当所得で分離課税のものも、住民税では総合課税となるため、住民税の計算ではそう所得に加える必要がある等。
 サラリーマンの場合は毎月の給与から天引きされますが、この額によっては会社に他の所得があるのがばれてしまうことがあります。その場合は普通徴収を選び、自分で払いに行くことができます。副業を禁じている会社は、この方法を取ったほうがいいでしょう。
 普通徴収は、市町村から納税通知書が送られてきますので、それを年4回に分けて分納しますが、余裕のある人は前納すると割引が受けられます。
 尚、住民税は市町村税なので、自治体によって税率が違います。例えば、均等割りの場合、人口50万人以上の市は制限税率(最高額)が3800円ですが人口5万人未満の場合は2600円が上限となります。最近の市町村の合併劇はこのようなことの含みもあるようです。

◎重力(gravity)
 地球上に静止している物体が地球から受ける力。地球の万有引力が主であるが、地球の自転による遠心力も加わる。赤道上の遠心力は、万有引力の1/290である(赤道で計った体重は、北極で計った体重より少し軽い)。
 重力という言葉は、地球に限らず一般の万有引力の意味で用いることがある。重力が働いている空間を重力場という。

◎樹脂(流動体:resin、固形:rosin)
 (1)アカマツやカラマツなどの樹木から分泌する粘度の高い液体。また、それが空気に触れ酸化して固まったもの。やに。松脂(まつやに)、琥珀(こはく)など。合成樹脂に対して天然樹脂ともいう。
 (2)天然樹脂と合成樹脂との総称。

◎しゅす(繻子)(satin)
 サテン。縦糸か横糸を浮かした絹織物。なめらかで艶があり、帯や婦人服の服地用に使われる。

◎ジュニパーベリー(Juniper Berriy)(1996年7月9日)
 ジンの香り付けで有名なスパイス。臭みの強い肉類に適する。酢とも相性が良い。

◎寿命(life time)
 (機械)推奨する条件で使用して、一定の性能を保持し使用に耐える回数、時間など。

◎純水(1996年1月19日)
 純水のpHは7。しかしpH7の純水は、大気中の二酸化炭素を吸収して約10分間でpH5.8位まで下がると言われている。(化学の領域、35、p.675)
 逆浸透法:水道水に浸透圧以上の圧力(5~10 atm)をかけて、水分子だけを逆浸透膜(孔径2~5nm)を透過させる。溶存有機物や溶存無機物の90%以上、微粒子や微生物などの99%以上を除くことができる。(化学の領域、35、p.597)

◎ショア硬度(shore hardness)
 岩石の破壊強さなどを表現する方法で、スキージのゴムの硬さを表現するのに用いられる。

◎将(孫子より)(1996年7月9日)
 将とは、智、信、仁、勇、厳なり。
 智とは、状況を判断する能力。先見力。
 信とは、ウソをつかない、約束を守ること。
 仁とは、思いやり。
 勇とは、勇気。
 厳とは、厳しい態度。人に厳しく接するには、それ以上に自分に厳しくする必要がある。

◎使用圧力範囲(working pressure range)
 (機械)機器またはシステムの実際に使用する場合の圧力。

◎使用温度範囲(temperature range)
 (機械)機器が正常に作動する周囲環境の温度および使用される流体の温度。

◎昇華性インキ(sublimation ink)
 特定の温度で昇華(固体から直接気体になること)する性質を持った染料を使用したインキ。多くは布の印刷に用いるが、プラスチックへの応用例もある。

◎硝化綿:ニトロセルローズ(nitrocellulose)
 繊維素を硫酸と硝酸の混液で硝化したもの。硝化度により溶解性が異なる。硝化度の高いものはエステル系溶剤に可溶で、炭化水素系溶剤で希釈できる。中程度のものはアルコールとエステルの混合溶剤に可溶である。また硝化度の低いものは変性アルコールに可溶である。多くの樹脂類と相溶性がある。

◎蒸気圧(vapor pressure)
 一定の温度において、液体(または固体)の物質と平衡にある同一物質の蒸気の圧力である。例えば、液体の水分子は、温度が高くなるとより激しく動くようになり、より多くの分子が水蒸気として飛び出すようになる。その結果、他の気体分子(空気など)を押しのけて水蒸気として存在できるようになる。1気圧の条件下では、この水蒸気と空気(窒素や酸素の混合気体)との存在比(体積比)から水蒸気の分圧(=水の飽和蒸気圧)を測定することができる。沸騰という科学現象は、この分圧が1気圧になり、液体状態の分子から発生する気体状態の分子が、周りの空気すべてを押しのけてしまう状態である。

◎蒸気圧曲線(vapor pressure curve)
 温度と飽和蒸気圧の関係を示す曲線である。この曲線上の1点のデータは、その圧力における液体の沸点を示している。また、蒸気圧が1気圧になる時の液体の温度は、その液体の一般的な沸点である。異なる二つの液体の蒸気圧曲線を比較することにより、ある温度でどちらがより蒸発しやすいかが分かる。

◎条こん(じょうこん、streak)
 透明プラスチックの表面または内部にある糸状の不均質部をいう。

◎常識(common sense)(1997年4月9日)
 普通一般人が持ち、また持っているべき標準知力。専門的知識でない一般的知識とともに、理解力、判断力、思慮分別を含む。

◎生姜、ジンジャー、ショウガ(ginger)(1999年7月9日)
 ショウガの原産地は熱帯アジアで、日本には3世紀ごろに入った。魏志倭人伝にショウガの記述がみられ、その香りと殺菌力などが次第に認識されていったと考えられる。
 生姜にはショウガオールとジンゲロンという成分があり健胃、発汗、殺菌効果がある。さわやかな辛味と香りがあるジンジャーは、甘辛どちらの料理にも使用できる。魚や肉の臭みを消す働きもある(辛味付け、臭み消し)。ガリとは、ショウガの甘酢漬けのこと。
 種ショウガは鹿児島県徳之島産が有名。収穫後の親ショウガは漬け物などに使う。紅生姜になる塩蔵品は大半がタイ、中国、インドネシア産。
 ショウガの生産量世界一は中国。ショウガの利用は夏がピークだが、収穫されるのは冬。高知県では、このショウガを1年を通じて14~16℃を保つ穴蔵に入れて、約半年寝かせ、需要の高まる夏に出荷する。寝かせることで辛みが増し、味わい深い食材となる。これが根ショウガ。根ショウガは、皮に傷やしわがなく、みずみずしいものを選ぶ。

◎消石灰(1997年7月1日)
 運動会などのライン引きに利用されている白い粉が消石灰(水酸化カルシウム)。アルカリ性であり、土壌の酸性を中和するのに利用されている。
 菓子などの乾燥剤として入っている白い粉末状(時に、小ブロック状)のものは生石灰。生石灰は水と反応すると消石灰になるが、この時、熱が発生する。消石灰はアルカリ性であり、土壌の酸性を中和するのに利用されている。菓子などの乾燥剤として入っている消石灰は、花壇や植木鉢の土に入れると良い。

◎消費空気量(air consumption)
 (機械)空気圧機器またはシステムが、ある条件下で消費する空気量。単位時間当りの空気消費量を標準状態に換算して表す。

◎消費電流(consumption current)
 (機械)3線式のスイッチで、動作時に電源線に供給される電流値。

◎消費電力(watt)
 直流の場合、「消費電力(W)=電圧(V)×電流(A)」で表す。交流の場合は、「皮相電力×力率」となる。

◎使用ピストン速度(working piston speed range)
 (機械)シリンダが滑らかに作動し、耐久性を確保できるピストン速度の範囲。

◎醤油(1997年2月22日)
 醤油の起源は古く、中国や東南アジアで作られたといわれているが定説はない。しかし、その原型である「比之保(ひしお)」は約2000年前の弥生時代~大和時代にかけて日本に伝来したといわれている。欽明天皇の時代(552年)に仏教が伝来し、肉食を忌む風潮が生まれ、菜食に絶好の味付けとして醤油が発展し、平安時代には広く一般にまで普及した。当時、穀物を原料としたものは穀比之保(こくびしお)、肉を原料としたものは「肉比之保(ししびしお)」、魚を使ったものを「魚比之保(うおびしお)」と区別していたが、中でも魚比之保が最も普及していた。

◎蒸留(distillation)
 溶液を蒸発させ蒸気を回収して残留物と分ける操作をいう。溶液中のより蒸発しやすい成分が蒸気中に、蒸発しにくい成分が残留物として残る。工業的に重要な蒸留には、原油から様々な沸点の石油成分を分ける方法(精留あるいは分留という)がある。

◎食酢(vinegar)
 酢は、塩に次ぐ古い調味料で紀元前5000年のバビロニアの古文書にも見られるそうです。 お酒をそのまま置いておくと酢になりますが、美味しい酢にするには、温度などの条件を管理しなければなりません。したがって、もともとは自然に生まれたかもしれませんが、人類は、酢を上手に作るために工夫をしてきたのだと考えらえます。
 日本には400年頃、中国から「いずみ(大阪)」地方に伝えられたと言われています。古名は苦酒(からざけ)と言ったそうです。
 現在、日本で「食酢」として定義されているのは、酢酸が主成分の酢で、梅酢やレモンの絞り汁などは入りません。食酢はアルコールを酢酸発酵させて作った醸造酢と、酢酸の原液を薄めて調味料を加えた合成酢に分けられます。現在では、風味の劣る合成酢はほとんど作られておらず、流通している酢の99%が醸造酢です。
 食酢のことを英語で「ビネガー(Vinegar)」と言いますが、これはフランス語の「ビネグル(Vinaigre)」が語源になっているそうです。フランス語で「バン(Vin)」は「ワイン(Wine)」を、「ネグル(naigre)」は「サワー(Sour)」で「酸っぱい」という意味です。つまり「ビネグル」とは、「酸っぱいワイン」という意味です。
 ドイツ語では「エスイヒ(Essig)」、イタリア語では「アセト(Aceto)」、ロシア語では「ウークスス(Uksus)」と言います。
 食酢は、原材料によって、様々な種類があります。

・穀物酢
 最もポピュラーな食酢。小麦、酒粕、米、コーンなどを原料とする。さっぱりしたさわやかな風味。何にでも合う。

・米酢
 日本で一番歴史の古い食酢。コクのある食酢で、和風料理、寿司に向く。

・麦芽酢
 大麦の麦芽中に含まれる糖化酵素を利用して大麦、ライ麦、小麦などの穀物を原料に作る。ドイツではよく使われる。

・りんご酢
 リンゴ果汁を原料にする。マヨネーズ、ドレッシングに使われることが多い。

・ブドウ酢
 フランスでよく利用される食酢で、肉料理の調味料や各種ソースの風味付け、ドレッシングなどに利用される。

・レモン酢
 レモン果汁を原料に醸造した酢。

・寿し酢
 すしの合わせ酢用に調味してある味付け酢。

◎触媒(catalyst)
 それ自体は変化しないで、他の物質の化学変化の速さに影響を及ぼす物質。

◎食物繊維(1998年8月15日)
 人の消化酵素で消化することができない炭水化物などの総称。野菜のスジのように感じるセルロースやリグニンなど、水に溶けない不溶性繊維のほか、果物に多いペクチン、コンニャクのグルコマンナン、海草のアルギン酸など、水に溶けて食品に含まれる水溶性の繊維もある。
 水溶性、不溶性に大別される食物繊維は人の体内で消化できないため、栄養にもエネルギーにもならない。しかし不溶性食物繊維はたくさんの水分を吸収して膨らみ、腸の内容物(便)の量を増やす。これが腸壁を刺激するため、腸の動きが活発になり、便通が促される。便通がよく、老廃物の腸内通過時間が短ければ、有害物質の体内吸収量も減少し、大腸ガンなどの予防にもなる。
 一方、水溶性食物繊維は水に溶けるとゼリー状の粘りを持ち、これが生活習慣病の予防に役立つと言われている。一般に1日に20~25グラムが必要摂取量と言われている。

◎初乳の殺菌効果を解明(1993年7月9日)
 出産後、初めて出てくる母乳(初乳)には、免疫抗体以外にも新生児の免疫力を高め、病気の感染を防ぐ特殊な成分が含まれているが、森永乳業栄養科学研究所が、その活性物質の正体を世界で初めて突き止めた。病原体に対して、抗生物質なみの殺菌作用をもつ反面、人体に有用な細菌には作用しないという物質で、天然の医薬品としての実用化も期待される。ラクトフェリシンと名付けられたこの物質は、25個のアミノ酸で作られ、分子量は約3200。

◎処理空気量(recommended flow)
 (機械)空気圧機器が正常な性能を確保して処理できる空気量。

◎白子(1996年7月9日)
 雄の魚の生殖線である精嚢(せいのう)のこと。

◎シリカ(silicon dioxide、silica)(1998年8月28日)
 SiO2。二酸化ケイ素、シリカ、無水ケイ酸、ケイ酸などともいう。ゴムの補強充填剤としても利用されている。シリカ微粒子を補強充填剤としてゴムに配合した場合、カーボンブラックと違って、任意に着色したゴム製品ができるので、別名「ホワイトカーボン」とも呼ばれている。

◎シリカゲル(silica gel)(1997年7月1日)
 ケイ酸を部分脱水した、ガラス状の透明な固体。乾燥剤として広く利用されている。100gのシリカゲルで20g程度の水は吸着できる。乾燥剤のうち、半透明の粒状のものはシリカゲルである。色付きのシリカゲルは塩化コバルトで染色してある。
 直径数10Åの二酸化珪素(SiO2)の粒子が立体的に三次元の網目状に結合しており、その間の空間に水が吸着する。

◎シリコーン(silicone)
 有機ケイ素重合体の総称。ケイ素樹脂ともいう。多くの岩石の主成分であるケイ素を含む有機化合物。油状、樹脂状、またはゴム状の物理的性質をもち、熱や酸素に触れた時に普通の有機物質より安定であるため、用途が広い。
 ケイ素樹脂の分子は、ケイ素と酸素が交互に結合して鎖状につながり、その中のケイ素原子に、メチル基などの有機基がついた構造をもつ。分子量の少ないものがシリコーンオイルであり、重合して大きな分子となったものが、シリコーン樹脂やシリコーンゴムである。個々の分子の大きさと有機基の重合の度合いを変えることにより、油状、樹脂状、グリース状、ゴム状のケイ素樹脂がつくられる。
 シリコーンオイルは分解しない状態でかなりの高温に耐えるので、航空機の油圧系に使用される。シリコーン樹脂は耐熱絶縁材として、またシリコーンゴムは、絶縁材や、高温でゴムが必要な場合に使用される。ケイ素樹脂は、セラミック、衣類、紙などの防水加工にも使用される。ほかに医療用器具にも用いられる。
 耐熱性が他の樹脂に比べて優れているので、発熱に耐える電気絶縁体として使われる。また、水をはじく性質を利用して防水剤として使用。油状、ゴム状の各種がある。シリコン(silicon)とは、ケイ素をベースにしているが異なるものである。
 用途としては、潤滑油、クリーム、消泡剤、変圧機油、パッキングナド多方面にわたる。人口心肺の膜、人工腎臓、人工弁、人工軟組織など酸素透過性が大きいことを利用した分野にも利用されている。化粧品原料としてこの10年来の量的伸びは著しい。通常のシリコーン樹脂は、ケイ素と酸素の結合(シラン結合)が規則的に配列した高分子であるが、ケイ素によって主鎖が構成されているポリシランが電子写真材料、フォトレジストなどで注目されている。
 メーカー:信越化学、東レ・ダウ・コーニング・シリコーン、東芝シリコーン、日本ユニカーなど。

◎シリコーンゴム
 特殊耐熱合成ゴム。抜群の耐熱性と耐寒性があり使用温度範囲が広い。

◎磁力(=磁気力)(magnetic force)
 2つの磁石(N極とS極)の間に働く力。同じ極なら斥力(せきりょく=反発力)、異なる極なら引力である。力の大きさ(F)は磁極間の距離の二乗に反比例し、それぞれの磁極の強さに比例する。電気を帯びたもの(荷電物質)が動くと磁場を作る(=電磁石)ので、動く荷電物質と磁石との間にも磁力を観察することができる。

◎シリンダ出力(cylinder output force)
 (機械)ピストンロッドによって伝えられる機械的な力。一般的には実効出力という。

◎シリンダ力(theoretical cylinder output force)
 (機械)シリンダのピストン面に作用する理論流体力。一般的には理論出力という。

◎シール(seal)(1998年8月16日)
・オイルシール:oil seal(1998年8月16日)
 油を密封部に利用して気体をシールする方式を言う。ゴム質のエラストマーを主材料として作られたリップを用いて半径方向に締め付け、回転、揺動、または往復運動部分の密封を行うリング状シールもオイルシールという。

・メカニカルシール(mechanical seal)(1998年8月16日)
 回転軸と共に回転する回転環とケース側に装着する固定環をスプリングにより圧着しながら、しゅう動させてシールする軸封法。
 環の材質はステンレスと黒鉛というように異種の材料が用いられ、しゅう動部には潤滑油を循環させる。回転するしゅう動部によってシールする最も優れた軸封法で、10~6Torrの高真空から1000kg/cm2の高圧まで、温度も低温から1000℃まで用いることができる。
 用途によりいろいろな型式が使い分けられており、シングル式は低圧用ポンプなどに、ダブル式は高圧、高真空、スラリー液などに用いられる。また、圧着用スプリングが軸封箱の内にあるものと外にあるものとがあり、外にあるものは装着が簡単であるが、過酷な条件には不適当である。

◎ジルコニア(zirconia)(1999年8月5日)
 ジルコニア粉末は、電子材料用、構造材料用に幅広く使用されている。構造材料としての高強度・高靱性ジルコニア粉末、中でもY2O3部分安定化ジルコニア(Y-PSZ)粉末は、粉砕ビーズ、刃物、センサーなどに利用されている。

◎城(1996年1月19日)
 日本には戦国時代に築かれた城塞は5000以上あったと言われているが、近世大名の居城の中で旧天守が現存しているのは弘前、松本、丸岡、犬山、彦根、姫路、備中松山、松江、丸亀、伊予松山、宇和島、高知の12の城だけ。

◎新幹線の欠点(2000年3月10日)
 今や日本の主要な交通手段となっている「新幹線」。どんどんと新しい形式が登場している現代。新幹線が、日本全国を走れたらな、なんて思うのですが、現実は厳しい。新幹線は、その欠点のために、それが実現できないのです。つまり、東海道新幹線と山陽新幹線の「ひかり」や「こだま」は、東北新幹線や上越新幹線を走ることができないのです。
 いや、確か各新幹線は、その車両のレール幅がどれも1.435mと同じですし、車体のサイズも全く同じですから、お互いに交換しても走れるように思えます。問題は、電流なのです。
 どれも交流電圧2万5千ボルトで同じなのですが、周波数が東海道・山陽新幹線が60ヘルツ、東北・上越新幹線が50ヘルツと違っているのでモーターが回らないのです。もちろん、交流モーターなら周波数が違っても回りますが、新幹線が使っているのは交流電流を変電して使う直流モーター。モーター1つのせいで、今のところ夢は夢のままなのです。

◎真空成形法(vacuum molding method)
 熱可塑性樹脂の成形法の一種。メス型またはオス型のいずれか一方だけを用いて、硬質塩ビ、ポリスチレン等のシートを金型に合わせた形状に成形する方法で、熱可塑樹脂のシートを加熱軟化させた後、型の上にのせ、型とシートとの隙間を真空(減圧)にし、シートを型に密着ながら冷却する成形法。
 用途:アクリルバス、冷蔵庫の内張り、看板などの大型品から、卵ケースなどの容器のような小物成形品までつくられる。

◎真空破壊弁(vacuum blow off valve)
 (機械)吸着パッド等の真空状態を解除するための正圧または大気を送給する弁。

◎深成岩(plutonic rocks)
 地下の比較的深部で固結した火成岩で、比較的長時間で固結したため、岩石の組織が完全に結晶した鉱物より成っており、かつ結晶は大粒のものでそろっている。

◎靭帯(じんたい)(1997年10月10日)
 骨片を相互に連結する結合組織繊維。関節を強固にし、かつその運動を抑制する作用を持つ。

◎針入度(しんにゅうど:penetration)(2010年8月3日)
 石油アスファルトや石油ワックスの硬さを示すもので、一定温度に保った試料に規定の針が垂直に進入した長さ(mm)の10倍で表す。針入度が大きい試料ほど軟質ということになる。針入度の試験方法は、日本工業規格(JIS)K2207(石油アスファルト)およびK2235(石油ワックス)に規定されている。針入度では温度、荷重、時間の三つが重要であるが、この規定では温度は石油アスファルトが25℃、石油ワックスでは25℃または35℃、荷重はいずれも100g、時間は5秒に決められている。針入度は用途決定に重要な役割を果たしており、例えばストレート・アスファルト(針入度0~300)のうち、40以下の硬質のものは工業用に用いられ、舗装用の主力は60~80のものである。

◎神父と牧師(1999年12月28日)
 神父と牧師。言われてみて、違いは何なんだろうと思わないでしょうか。最近結婚式を協会でする夫婦も増えたこともあって、神父さんあるいは牧師さんに会うことは結構あるのではないでしょうか。
 実は、神父はカトリック、牧師はプロテスタントなのです。カトリック教会では、司祭は父の如く信者の霊魂の世話をするとされています。そこから神父と名づけられました。実際、スペインやイタリアでは父を意味するパドレ(padre)、英語圏ではファーザー(father)と呼ばれます。一方のプロテスタント協会では、「我が羊(信徒)を牧(か)え」というイエスの言葉から、牧師という名称がつきました。
 この違いが分からない人のために、ちょっと講座。通常カトリック教というと正統教義を奉じるキリスト教を指しますが、ローマ・カトリックとギリシア・カトリックに大別されます。プロテスタントとは16世紀の清教徒革命によって生まれた、キリスト教を源とする新教の総称で、それら新教の教徒がプロテスタント教徒です。

◎深冷分離(low temperature separation)
 沸点の差により低温で分離すること。例えばナフサを分解し、そのガス中からエチレンを分離する際は-100度c以下で深冷分離する。

◎スイカ(watermelon)(1999年8月19日)
 ウリ科スイカ属の果物。アフリカの西南部に野生種があり、北部では栽培されている。アジアでは飲料用として古くから発達し、飼料にも用いられていた。このため、原産地には熱帯アフリカ説とアジア説がある。
 日本に入ってきたのは寛永年間(16世紀)で、隠元禅師が中国から種子を持ち帰り、長崎や鹿児島に広めたのが始まりといわれている。当時、中国では西南暖地で広く栽培されていたことから、西域から伝播された瓜ということで西瓜(スイカ)と呼ばれるようになった。
 品種は200種類以上に及ぶが、日本では奈良県で水田地帯向けに古くから栽培されてきた大和系のものと、奈良県より少し遅れて千葉県で畑作地帯向けに栽培されてきた都系のものとに大きく分けられる。
 皮の色艶がよく、縞模様がはっきりでているものが良質。また、叩いたときにカンカンという音がするものは未熟、ポコンポコンという音がするものは空洞がある証拠で、ポンポンという濁音がするものが食べ頃のおいしいもの。
 果肉の90%以上が水分で、尿をつくる成分の特殊アミノ酸を含むため、利尿作用がある。このため、膀胱炎や腎臓尿に良いといわれている。また、カリウムも含むため、尿を排泄する際、体内の余分な塩分も一緒に尿中に出されるため、高血圧の予防にもなる。
 果肉が美しい赤色なのは、カロチンやリコピンなどの色素を含むため。カロチンは、体内に入ってビタミンAに変換され、粘膜を強くし、風を予防したり、夜盲症やドライアイなどを予防する働き、活性酸素除去作用などがある。リコピンは、カロチンの2倍の活性酸素除去作用があるといわれており、老化や動脈硬化、ガンなどを予防する働きがある。

◎水酸化アルミニウム(alminum hydroxide)(1991年11月5日)
 Al(OH)3。分子・77.99。白色。有機溶媒に不溶。灼熱すると水を失い、酸化アルミニウム(アルミナ)になる。両性化合物で酸、アルカリに溶ける。研磨材として、歯磨き粉に入っている。

◎水酸化カリウム(potassium hydroxide)(1991年11月5日)
 KOH。苛性カリともいう。炭酸カリウムの苛性化、塩化カリウム水溶液の電解によって作られる。無色で潮解性の強い固体。融点360.4℃、沸点1324℃、比重d25=2.12。水に良く溶け、多・の熱を発生する。カリガラス、軟石鹸の製造などに用いられる。

◎水酸化カルシウム(calcium hydroxide)(1991年11月5日)
 Ca(OH)2。消石灰ともいう。酸化カルシウムに水を作用させるか、カルシウム塩水溶液に水酸化アルカリを加えると得られる。ふつうは水を含んだ無色粉末。比重2.24。炭酸ナトリウムの苛性化、腐食剤などに広く用いられている。またモルタルなどの建築材料、酸性土壌の中和剤としても利用されている。さらに、塩素を吸収させるとさらし粉ができる。
 運動会などのライン引きに利用されている白い粉が消石灰(水酸化カルシウム)。アルカリ性であり、土壌の酸性を中和するのに利用されている。

◎スイス銀行とは(20000年10月19日)
 スイス銀行というのは、固有名詞ではありません。スイスには、我が国の日本銀行に相当するスイス国立銀行があり、他にスイス・バンクコーポレーション、クレディ・スイス、スイス・ユニオンバンクなどの大銀行、その他に州立銀行、地方銀行など合計563の銀行があり、これらの総称をスイス銀行と呼びます。
 このスイス銀行の特徴は、徹底した秘密保持と自由な業務運営にあります。スイス政府は銀行員の秘密保持に関する銀行法を制定し、顧客の秘密を漏洩したものに厳しい罰則を定めています。また、自由な業務運営は預金、貸出し、為替だけでなく、証券、信託、金の取引など多岐にわたるため、預金者は自由自在な金融活動ができます。
 このようにスイス銀行には、秘密保持に信頼があるため、世界各国からの表に出せない資金も流れ込んでいるのです。
 それでもあまりに犯罪がらみの問題が起こるので、この制度を見直そうという動きが出た事もある。だが、世界中からお金が集まるこの制度、スイス国民にとっては歓迎で、結局国民投票でも約三倍の差で現状維持になっている。

◎水素化(hydrogenation)
 ある化合物に水素を添加すること。例えば、ナフサ分解によってエチレン等を製造する際に副生するアセチレンあるいは不純物として含まれている硫黄等に水素を添加して、これを除去ることをいう。水素添加を略して水添ともいう。

◎水族館(1996年1月19日)
 近年、水族館の水槽が巨大化しているが、これを支えるのは大型のアクリルパネルの製造技術が飛躍的に進歩したこと。アクリル樹脂はプラスティックの中で最も透明度が高く、光沢があり、光や熱にも強い材料である。同じ透明材のガラスに比べて軽く、ねばり強く、割れにくく、大型極厚のパネルの製造が可能など、数々の優れた特徴がある。Acryl(アクリル)はドイツ語。

◎水和(hydration)
 溶質(分子やイオン)が溶媒である水に溶けると、溶質の周りを複数の水分子が取り囲む。この現象を水和と呼ぶ。水分子には部分的な電荷の偏り(極性)がある。そのため、陽イオンには水の酸素(少し負電荷を帯びている)が、陰イオンには水の水素(少し正電荷を帯びている)が電気的に近づく。水溶液中のカルシウムイオン(+2)には6~7個の水分子が結合している(配位結合)。炭酸水素イオン(-1)の酸素原子にも水分子の水素の部分が近づいている。水分子と溶質の間に働く電気的な引力が水和の原因である。

◎スエード(suéde)(仏)(1996年1月19日)
 裏を毛羽立てて柔らかくした皮。

◎寿司
 (1)酢で味付けをした飯に刺身や卵焼き・海苔などをあしらった食べ物。握り鮨、巻き鮨、押し鮨、散らし鮨など。
 (2)古くは、魚介類に塩を加えて漬け込み自然発酵させた食品。のちには発酵を早めるため、飯とともに漬けるようになった。なれずし。
 すしの語源は、「すっぱい」を意味する形容詞「酸し(すし)」の終止形で、古くは、魚介類を塩に漬け込み自然発酵させた食品を言い、その発祥は東南アジアの山間部といわれる。
 「酢飯(すめし)」の「め」が抜け落ちて「すし」になったとする説もあるが、飯と一緒に食べる「生成(なまなれ)」や、押し鮨の一種である「飯鮨(いいずし)」は、上記の食品が変化し生まれたもので、時代的にもかなり後になるため、明らかな間違いである。
 すしの漢字には「鮓」「鮨」「寿司(寿し)」があり、「鮓」は塩や糟などに漬けた魚や、発酵させた飯に魚を漬け込んだ保存食を意味したことから、すしの漢字として最も適切な字である。
 「鮨」の字は、中国で「魚の塩辛」を意味する文字であったが、「鮓」の持つ意味と混同され用いられるようになったもので、「鮓」と同じく古くから用いられている。
 現代で多く使われる「寿司」は、江戸末期に作られた当て字で、「寿を司る(つかさどる)」という縁起担ぎの意味のほか、賀寿の祝いの言葉を意味する「寿詞(じゅし・よごと)」に由来するとの見方もある。

◎スズメバチ(1997年6月9日)
 スズメバチ類は世界に約60種、国内に16種。毒の主な成分は、①痛みを起こすキニン、②タンパク質を分解して皮膚などに穴をあける酵素プロテアーゼ、③毒の効果を高める生理活性物質、など。
 毒によるダメージの程度は個人差が大きく、体調によっても異なる。アレルギー反応によるアナフィラキシーショックに陥ると、手足を1ヶ所刺されただけでも数分から数十分で意識がもうろうとなり、呼吸困難で死亡する場合もある。過去にスズメバチや共通の毒成分を持つアシナガバチに刺された経験のある人は、ショックを起こしやすい。

◎スチレン系共重合樹脂
 ポリスチレンの性質を改良するため、スチレンモノマーとアクリロニトリル、ブタジエン等の他の単量体と共重合した合成樹脂をいう。代表的なものとしてはスチレンモノマーとアクリロニトリルの共重合樹脂(as樹脂)、スチレンモノマーとブタジエンおよびアクリロニトリルの共重合樹脂(abs樹脂)等がある。固体。

◎スチレン系樹脂
 ポリスチレン、AS樹脂(SAN)、ABSなど。

◎スチレン・ブタジエンゴム(styrene butadiene rubber:SBR)
 スチレンモノマーとブタジエンを共重合させて製造する最も代表的な汎用合成ゴム。天然ゴムに比べ耐老化性、耐熱性、耐摩耗性などが優れている自動車タイヤはじめ、履物、工業用品、ゴム引布等に使用される。固体。なお、このゴムのラテックス(乳液状)は紙のコーティング剤や繊維処理剤等として重要な役割を果たしている。

◎スチレンモノマー(styrene monomer:SM)
 ポリスチレン、合成ゴム(SBR)等の原料である。エチレンとベンゼンを原料とするが、キシレンより分離されたエチルベンゼンからも製造される。液体。

◎ズッキーニ(2000年3月10日)
 JA全農によりますと、アメリカ南部、メキシコ原産でキュウリと同じくウリ科の植物です。ただペポカボチャ属でつるなしカボチャの一種です。ザクッとした独特の歯ごたえと、淡泊な味が特徴です。ビタミンAとC、カロチンが豊富で、糖質、デンプンが少なく、低カロリーです。大阪市中央卸売市場によりますと、以前はアメリカやオランダから輸入していましたが、いまでは宮崎、愛媛、鳥取、長野、北海道などで生産されています。

◎ステレオタイプ(英語:Stereotype、フランス語:Stéréotype)(2009年7月1日)
 ステロタイプとも言う。行動様式が型にはまって固定的であること。紋切り型。元々社会学の用語で、紋切型態度とも言う。印刷のステロ版(鉛版)印刷術が語源で、判で押したように同じ考えや態度や見方が、多くの人に浸透している状態を言う。

◎ストレス(1996年2月5日)
 ストレス解消の行動療法には、①生活のリズムの確立(早寝早起き)、②適宜な運動、③健康的な食生活(食事は1日3回、規則正しく摂る)、④自己啓発。

◎スパイス(spice)(1996年7月9日)
 香味料、香辛料、薬味。スパイスには辛味付け、臭み消し、香り付け、色付けの4つの働きがある。

◎墨(black, an ink stick)
 ①黒色のこと。
 ②油煙または松煙を膠液で練り、香料等を加えて固めたもの。硯ですって版下原稿作成時に用いる。

◎スリッパ(1999年12月19日、朝日新聞)
 すべるという意味のスリップから来た名前で、足をすべらせるように履くことができる履物。欧米起源の履物かと思いがちだけれど、左右のない上履きとしてのスリッパは、意外にも日本で生まれ育ったもの。江戸末期から明治初めに横浜で誕生したという。
 ちょうど外国人が多く渡来し始めた頃で、彼らは主に各地の寺社に宿泊した。ところが、履物を脱いで座敷に上がる生活様式になじめない。土足のまま上がられるのも困るということで考案されたのが上沓などと呼ばれる新式の草履だった。これを当の外国人らがスリッパと呼んだのが広まったらしい。

◎ズワイガニ(1996年12月1日)
 ズワイガニは和名。語源は楚(すわえ)。木の枝や幹から細長く伸びた若い小枝のことで、カニの細長い足から。北陸では越前ガニ、山陰では松葉ガニと呼ばれる。
 ゆでたものを買うときは、甲を手に持って重いものを選ぶ。腹を上にして持ち、足がだらりと下がるのは、鮮度が落ちている。

◎製剤(2008年9月18日)
 毒物、または劇物の効果的利用を図るため、希釈、混合等、一定の加工が施されているもの。

◎製品安全データシート(material safety data sheet:MSDS)
 製品安全データシート。MSDSは、物質名の特定、危険有害性の分類、応急措置、製品の取扱い上の注意、ばく露防止措置、物理・化学的性質、有害性情報、廃棄上の注意、適用法令、等が書かれた書類。

◎生物(1996年1月19日)
 生き物。一般に栄養代謝、運動、生長、増殖など、いわゆる生活現象を表すものとされるが、増殖を最も基本的、普遍的属性と見なすことも可能。分類学上は生物界のこと。
 生物は必ず遺伝情報を持っている。通常、DNAやRNAなどの核酸上に並ぶ4種の塩基の組み合わせ。

◎生物とは何か(1996年7月9日)
 生物は、体の内と外との間で必ず資源の交換が行われている。ウイルスは呼吸をしないし、物質の代謝もしないなど他の生物と大きく異なる。このため、「ウイルスは生物と無生物の中間にある」と言われることがある。しかし自分の遺伝子を次の世代に伝えようと増殖を行うことから生物であると言うことができる。「生命とは、自己の遺伝情報を次の時空に伝える営み」と定義すると、ウイルスを生物と見なすことができる。

・細菌は適当な栄養分と温度などの条件が整えば、自分自身で増殖する。
・ウイルスは、生きた細胞の中でしか増殖できない。
・生物の細胞の大きさは20~30μm。
 単細胞の微生物であるバクテリアは1~5μm。
 ウイルスの大きさは20~450nm。
・土1gの中には場所にもよるが、1億個の細菌、1000万個の放線菌、100万個のカビがいる。(化学と工業、30、71(1977))

◎生物界(1996年1月19日)
(1)生物の世界。また生物の社会。
(2)生物分類上、生物全体を指す名称。最近は動物界、植物界、菌界、原生生物界、モネラ(細菌)界の五界に分類される。

◎生物学の基本(1996年7月9日)
 遺伝子:自己を複製する設計図。
 リボソーム:自己を複製する複製工場。

◎生分解性プラスチック(biodegradable plastics)
 プラスチックは一般的に金属などと比べて安く、丈夫で長持ち、軽量で加工が容易などその優れた特性ゆえに世界のあらゆる地域と分野で広く利用されているが、短所である半永久的に分解しない点を改良したプラスチックを生分解性プラスチックと呼んでいる。使用中は従来のプラスチックと同程度の機能を保ちながら、使用後は自然界の微生物によって低分子化合物に分解され、最終的に無害な水や二酸化炭素などの無機物に分解される素材をいう。

◎生理(1997年10月10日)
 生理が始まると同時に、基礎体温がしだいに下降し、低温期と呼ばれる36~36.2℃の低い基礎体温が約2週間続き、人によってはその最終日に「陥落日」というさらに基礎体温の低い日がある。一般的に、この低温期の最終日(陥落日のある人は陥落日)を含めて前後2日ずつ、計5日間のいずれかが排卵日とされている。その後、基礎体温は徐々に上昇し、36.4~36.6℃前後の高温期が約2週間続き、再び基礎体温が下がったときに生理が始まる。
 妊娠後は高温期が2週間以上継続する。
 生理前の数日間は、甘いものや脂肪分の含まれた食品が欲しくなることが多い。また、生理の直後は食欲がなくなる。ダイエットをするなら、生理の直後から排卵前期までの間にすると長続きする。

◎西暦のはじまりは?(2000年5月20日)
 西暦の始まりはキリストの誕生をもって決められたと教えてもらった事がありますが、キリストは西暦30年に34歳の時に処刑されたとありました。この誤差はどうしてでしょうか?
 西暦531年頃、現在のグレゴリオ暦のもとになったユリウス暦の時代に、ディオニュシウスという数学者・天文学者がキリストの生年を計算し(ユリウス暦46年)これを<紀元(ユリウス暦)1年>に変えたといわれています。(当時の年の数え方は、日本の元号のように“○○王の統治何年目”といったものが一般的でユリウス暦はあまり使われておらず、変えても特に不自由はなかったそうです)この後は昔世界史の先生にお聞きしたことなのですが、後世の学者(名前はわかりません)がキリストが誕生したと考えられる年を改めて計算したところ、どう考えても4年ほどずれているようだが、「世界的に定着した西暦を今さら変えるわけにはいかないのでそのままにした」とのことです。
 しかし、以前「世界・ふしぎ発見!」という番組では「キリストの誕生は紀元前8年頃」と言っていましたので、キリストの正確な生年、さらに実在の人物だったのかどうかはいまだによくわかっていないようです。

◎ゼオライト(zeolite)(1998年8月16日)(4)
 組成は、シリカ(SiO2)約70%、アルミナ(Al2O3)約10%が主成分で、アルカリ金属酸化物(K2O、Na2O)、アルカリ土類金属酸化物(MgO、CaO)、鉄酸化物などを含んだ含水ケイ酸塩鉱物に属する。熱すると膨張するので沸石と呼ばれている。
 結晶中に大きさ一定のミクロポア(1nm以下)を含み、特定の分子を吸着する分子フルイ効・があり、炭化水素混合物からノルマルパラフィンのみ吸着する吸着剤として、またその吸水性を利用して除湿剤として利用されている。また、ガソリン製造用の高活性触媒として利用されている。
 合成ゼオライトはケイ酸アルミニウムでできており、製造条件によっていろいろな結晶構造のものが得られる。これらは、いずれも無数の小さい孔があり、3、4、5、9、10オングストロームと自由に調整でき、ごくわずかの大きさの違いで分子をふるい分けることができるので、「分子フルイ(モレキュラー・シーブ)」とも言われている。
 また洗剤中には、カルシウムやマグネシウムなどの多い硬水中の金属イオンをナトリウムイオンと交換・固定させるために(硬水軟化作用)、約30~35%含まれている。

◎世界の七不思議(1999年10月20日)
 七不思議という言葉は、ギリシア語のHepta Theamataから来ており、もともとは「7つの眺めるべきもの」という意味。紀元前3世紀頃から、世界の美しく巨大な建造物を指して使われはじめた。いわば観光情報だったわけだ。
 一般には、ギザのピラミッド、バビロンの空中庭園、ロードス島の巨像、オリンピアのゼウス像、エフェソスのアルテミス神殿、ハリカルナッソスの霊廟、バビロンの城壁が挙げられる。ただ、ときにはアレクサンドリアの大灯台が入ったり、後世にはローマのコロセウムが加えられたりした。

◎赤外線(1996年1月19日)
 赤外線とは0.8μm~1mmの波長の電磁波、可視光に近い順に近赤外線、中赤外線、遠赤外線(約5~1000μm)と呼ばれる。物体を熱すると、その温度に応じた電磁波を放出することが知られている。体温36.5℃の人間の体からは約9μmの波長の遠赤外線が放出されている。人間の体温に近い波長は約6~14μm。

◎積層成形法(lamination)
 合成樹脂を紙、布、ガラス布に含浸させたものを圧縮成形して製品にする成形法であり、主として熱硬化性樹脂による化粧板の製造に用いられる。

◎脊椎動物(1996年1月19日)
 脊椎動物は、魚類、両生類、は虫類、鳥類、ほ乳類。

◎石油樹脂(petroleum resin)
 ナフサを分解した際の炭素数の多い不飽和化合物を重合したもので、C5留分を原料とする脂肪族系とC9留分を原料とする芳香族系とがある。松やにの代替品として塗料用をはじめ紙サイズ剤、ゴムや印刷インキの粘着増進剤等に使用される。固体。

◎セージ(sage)(1996年7月9日)
 サルビアの英語名。肉の脂肪臭を消すのに効果的。特に豚肉料理との相性が良い。(臭み消し)

◎セシウム(Cesium:Cs)
 原子番号55、融点28.64℃、沸点690℃、密度1.892。セシウムはアルカリ金属1つで、他のアルカリ金属にともなって、きわめて少量であるが、広く産出する。主要鉱石はポルサイト(Pollucite)であるが、紅雲母、カーナル石等にも少量、含まれている。
 クロム酸セシウムをジルコニウムまたはケイ素、アルミニウム等で還元して得られる。精製法には熱分解法、イオン交換法、中和法等がある。
 セシウムは銀白色の柔らかい金属で、結晶は体心立方格子。化学的性質として空気中で直ちに酸化されるので、通常の保存は真空ガラスアンプル中である。過剰の酸素と反応して超酸化物をつくる。ハロゲン、水素と直接反応する。水とはげしく反応して水酸化物となる。
 用途としては光電管、理化学機器、光学ガラス材料等に、また沈殿剤としても用いられる。
 化合物の用途は以下の通り。
①金属(クロム酸塩、塩化物、炭酸塩も含む)
 光電管、高電子増倍管、像変換管(赤外線、紫外線像変換用イメージ管、X線蛍光像倍管、高速シャッター用イメージ管)、直接発電(シード剤)、MHD発電、熱電子発電、イオンロケットエンジン、電子時計。
②ヨウ化物
 光学結晶、分光光度計(遠赤外用プリズム、ウインドウ、レンズ)、シンチレーター、結晶蛍光体(イメージ管)
③その他
 光学ガラス材料、釉薬、エナメル、溶接棒、冶金脱ガス触媒、有機合成用フッ素化剤、医薬・生物学的利用。

◎絶縁クラス(thermal evaluation and classification of electrical insulation)
 絶縁の耐熱クラスおよび耐熱性の評価。JIS C 4003に規定されている。

◎絶縁抵抗(insulation resistance)
 絶縁物の抵抗の大きさ。絶縁抵抗は導体抵抗に比べて非常に大きいため、通常メガオーム(MΩ)という単位を用いる。

◎石灰岩(lime stone)
 炭酸石灰質の泥土や生物の遺骸が堆積固結した岩石で、しばしば、さんご類、有孔虫、貝殻などの化石を含む。一般に緻密で白色ないし灰色であり、化学成分の純粋に近いものは、鉄鋼用、セメント用、化学用として大量に使用されるほか、骨材用としても適当である。採石法の規制を受ける岩石ではなく、鉱業法の規制を受けるため、鉱業権を持たないと採掘できない。

◎石膏(gypsum)(2000年1月19日)
 硫酸カルシウム(CaSO4)の化学組成を持つ鉱物の総称であるが、結晶水により、二水石膏、結晶石膏、半水石膏、無水石膏に分けられる。一般に石膏という場合は、二水石膏を指す。

◎設定圧力(set pressure)
 (機械)圧力制御弁などにおいて調節される圧力。

◎セメント(cement)(1996年1月19日)
 無機質の膠着物で、土木建築材料として使用する接合剤。石灰(CaO:60~66%)、ケイ酸(SiO2:20~26%)、アルミナ(Al2O3:4~9%)、酸化鉄(Fe2O3:2~5%)の四成分から成る。セメントはふつう水を混和して硬化させるが、水中で硬化がすすむ水硬性のもの、乾燥してから硬化する気硬性のものなどがある。コンクリートの1成分として用いる。

◎ゼラチン(gelatin, gelatine)(1998年8月16日)
 コラーゲンを水と煮沸して不可逆的に水溶性に変えた一種の誘導蛋白質。動物の骨、軟骨、皮膚、腱、筋膜などを水と長く煮て抽出し、白粉または透明な薄片として得られる。製菓など食品に使われている。抗原性がなくアナフィラキシーを起こさないた、止血剤としても利用されているほか、薬用カプセル、保護コロイドとしても使われている。不純なものは膠(にかわ)として、接着剤に用いられる。

◎セラミックス
 人工的に造られた非金属無機質固体材料の総称。陶磁器、セメント、耐火物など古くからあるセラミックスの対し、アルミナ、ジルコニア、チタン酸バリウムなど原料粉末を成形・焼結して造られるセラミックスをニューセラミックスと呼ぶ事がある。特に高純度の微粒子を原料として制御されたプロセスで造られるセラミックスはファインセラミックスと呼ばれ、従来のセラミックスに比べ優れた性質を持つ。

◎セリウム(Cerium:Ce)
 原子番号58、原子量140.12、融点795℃、沸点3468℃、密度6.67、ビッカース硬度24。セリウムは希土類元素の1つ。希土類の中で最も多量に存在する元素で、主要鉱石はセル石、ガドリン石など、塩化物無水塩と塩化アルカリとの融解電解または、アルカリ金属による還元によって金属を得る。綱状の金属で展性延性があり、錫より硬く、亜鉛より柔らかい。ミッシュメタルの主成分。
 用途として、昔は発火合金としての使用が大部分であったが、最近は合金としての用途が、これに匹敵している。すなわち、セリウム入りのマグネシウム合金は航空機およびロケットに用いられ、高純度セリウムおよびセリウム合金は宇宙ロケットの構造材としても使われている。またセリウムは太陽光に近い色のアークを発するので、サーチライトの電極や、映写機のアークカーボン発光材料にも用いられている。
 銅および、銅合金の脱酸剤、脱硫剤、脱ガス剤としても使用される。セリウム化合物は花火、ライターの発火石、触媒等に使われる。また、ガスマントル用に硝酸トリウムの添加剤としてセリウムが用いられる。

◎セルロース(Cellulose)
 繊維素ともいう。綿(わた)の繊維は、天然の中でもっとも純粋なセルロースである。溶剤には溶けない。セルロースをアルカリにつけてから二硫化炭素の蒸気に通すと、溶液に膜と繊維ができる。レーヨンとセロハンはそのような溶液から再生されたセルロースである。セルロースエーテルは、紙のにじみ止め、粘着剤、石鹸、合成樹脂などにつかわれる。
 セルロースを硝酸と硫酸との混合液にひたすとニトロ化されて硝酸繊維素またはニトロセルロースといわれる可燃性爆発物ができる。ピロキシリン、またはコロジオン綿とよばれるニトロセルロースは、さまざまな塗料、プラスチックにつかわれる。コロジオンは医薬、写真、人造皮革とラッカーの製造につかわれる。なかでも硝化度の高い綿火薬は爆発しやすい。

◎千切り(1997年1月2日)
 料理台からこぶし一つほどあけた所に立つ。足は肩幅に開き、右足を半歩後ろに引く。あまり前かがみにならないようにする。親指と人差し指で刃元をはさみ、残りの指で柄を軽く握る。包丁はいつもまな板に直角にする。手首を使って包丁を前に押し出すようにして切る。刃は、必ずどこかの部分がまな板についたまま。滑らすようにして動かす。
 左手はまな板に平行に置き、親指を内側に曲げ、卵をつかむように軽く握る。猫の手にして、中指の第一関節が常に包丁の腹にふれているようにする。左手の動きによって切る薄さを調整する。ムカデのようにもぞもぞと後ろにはわす要領。
 包丁を大きく使って、上から押すのではなく、肩の力を抜いて、手首を使って包丁を押し出すようにする。目は包丁と左中指がふれる所の少し上を見る。
 切れる包丁はスライドできる。切れない包丁は押しつぶして切るため、音がする。

◎洗浄剤(1996年1月19日)
 衣服、器物などを洗うために、湯や水に溶かして用いるもの。その構成成分から溶剤系洗浄剤と水系洗浄剤に大別される。さらに水系洗浄剤は、その性状から、①エマルション洗浄剤、②酸性洗浄剤、③アルカリ性洗浄剤に分類される。
①エマルション洗浄剤:一般に強アルカリや酸などに侵されやすい非鉄金属などの洗浄や、粘度の高い油汚れの除去に使用されることが多い。
②酸性洗浄剤:酸と界面活性剤で構成される。
③アルカリ性洗浄剤:主に硬質表面の脱脂に使用される。
・カウリブタノール値(KB値):石油溶剤の溶解力を表す値。一般に、この値が大きいほど溶解力の強い溶剤(洗浄剤)である。
・非水系洗浄剤:水が配合されていない洗浄剤。炭化水素系、グリコールエーテル系、フッ素系、塩素系などの溶剤系洗浄剤がこれにあたり、引火点があるものが多い。
・準水系洗浄剤:グリコールエーテルや炭化水素などの溶剤に水を加えて引火点をなくし、非危険物としたもの。

◎染料(dye, dyestuff)
 有機色素のうちで、適当な染色法によって繊維に染着するものをいう。インジゴ(藍)によって代表される天然染料は極めて特殊な用途に限られ、現在ではほとんど全てが合成染料(synthetic dye)である。
 染料は、ふつう顔料よりもはるかに小さな粒子で、染料が布の繊維に直接(化学的に)くっつくことによって布を染色することになります。
 その性質上、染料を使うときは「どの染料で何を染めるか」考える必要があり、また着色範囲の制御が一般に難しいので、絵画表現にはやや不向きです。
 染料は粒子が細かいため、比較的広い範囲を均一にムラなく着色するのに向いていますが、一方で「にじみ」やすく、逆に比較的大きな粒である顔料ではにじみが少なくなり、その点が、より絵画には向いているわけです。
 顔料の場合は、接着剤として働くビヒクル(展色剤)しだいで利用範囲が広がります。顔料は染料よりも粒子が大きいので単独での着色は難しく、接着剤になるもの(展色剤)を用いてキャンバス等の上にくっつけてやる必要があります。水彩絵の具のようにアラビアガムと混ぜたり、油絵の具のように乾性油を混ぜて用いることになります。

◎閃緑岩(diolite)
 花崗岩と同時代の深成岩で底盤や岩株を形成することが多い。主に斜長石と角閃岩からなり、輝石や黒雲母を含むこともある。

◎雑節(1996年7月9日)
 土用:1月7日
 節分:2月3日
 彼岸:3月18日頃
 土用:4月17日
 八十八夜:5月2日
 入梅:6月11日
 半夏生:7月2日
 土用:7月20日
 二百十日:9月1日
 彼岸:9月20日頃
 土用:10月20日

◎相溶性
 二種または、それ以上の物質が相互に親和性を有し、溶液または混和物を形成する性質をいう。従って、相溶性を有する物質は、互いに他方を高濃度で含有することができると共に、含有した他方を急速に放出することなく、徐々に揮散させる特性を有する。

◎ソース(sauce)(1996年7月9日)
 ソースとは、一言で述べることができないほど幅が広く、深く、料理と同じくらいに変化に富んでいる。強いてソースを定義づけるとすれば、「料理の液体部分のみ」を差すと言える。(現代食品産業事典、日本食料新聞社(1987))

◎そばめし(1999年12月9日)
 焼き飯に細かく切った焼きそばが混じっているといえばわかりやすい。焼きそばを焼きながら刻んでいき、そこにご飯を混ぜ、ソースで炒める。焼きそば定食を食べるとき、ご飯と焼きそばを別々に食べるのはめんどうだ、という客のリクエストに答えてできたのがはじまりだとか。
 発祥は神戸市長田区のお好み焼き屋。昭和30年代のはじめ頃からあるらしいが、ひろがったのはここ10年あまりのこと。冷凍食品にもなったし、ファミリーレストランのメニューになったりもしている。

◎ゾル(sol)
 液体を分散媒とするコロイド分散系のこと。

◎ソルビット(1999年11月28日)
 潤滑剤として、練り歯磨きに入っている。

◎ソルベ(sorbet)(1996年7月9日)
 フランス語。シャーベットに同じ。

◎タイ、鯛(1997年1月8日)
 タイ(マダイ)のメスは、春には産卵のため、ピンク色に染まる。その美しさは、桜鯛(サクラダイ)と呼ばれる。明石のサクラダイは谷崎潤一郎が小説「細雪」で紹介したり、魯山人が好んで料理したりしたため、有名。タイを春の魚としている文献もあるが、味覚は秋が一番とされる。
 タイは水深30~100mに住む。養殖のタイはせいぜい深さが5~10mの生け簀で過ごし、餌を食べる度に水面に浮かんでくるため日焼けして体全体が黒ずむ。今では、ほとんどの養殖生け簀を遮光シートがおおい、日焼けを防止している。また、出荷前は餌を抜いて余分な脂肪をとったり、エビ類んどを与えて、体を少しでも赤くするようにしているため、天然と見分けがつきにくくなっている。潮流やプランクトンの関係で、タイの味は瀬戸内海、日本海、太平洋の順といわれている。

◎ダイ(Die)
①金型
②押出しにおいて材料を必要とする形状に押出すための口金。マニホールド、ブロー成形用、リングなど種々のものがある。

◎ダイオード(diode)(1996年1月19日)
 代表的な半導体電子部品。整流や、検波、スイッチング、定電圧化などの機能がある。

◎醍醐(1996年7月9日)
 乳を精製して得られる、最も美味なる食品。奈良時代には、貴族などに食されていた。牛乳を煮詰めて一晩寝かせ、さらにこれを煮詰める。さらに一晩寝かせて完成する。

◎耐候性(耐光性)(weathering resistance )(lightfastness)
 自然の光・雨・熱などによる変色・退色に耐える性質。光、熱、風、雨などの屋外条件下で暴露したときの耐久性をいう。長期間を要する屋外暴露試験と人工促進試験によって評価される。

◎耐候性試験(weathering resistance test)
 印刷物の耐候性を調べる試験。屋外曝露による方法と耐候性試験機(サンシャイン・ウェザー・メーター)を用いる促進耐候性試験がある。

◎醍醐味(2001年2月9日)
 奈良時代や平安時代には、ほんの一部の人たちですが、牛乳を飲んだり乳製品を食べたりしていました。その頃作られていたのが、「酪(らく)」「酥(そ)」「醍醐」といったもの。
 「酪」とは牛乳を煮詰めた練乳。「酥」はこれをさらに固めて固形にしたもの、つまりバター。そして、醍醐はバターとヨーグルトの中間のようなもの。そもそも仏教で醍醐といえば、仏の最高の教えをたとえる言葉ですが、昔は乳製品には乳味、酪味、生酥味、熟酥味、醍醐味の五味があるといわれ、醍醐味はその五味の中でも最高の味という意味でした。
 最近は味だけでなく、「何事にも変えられない楽しさ、本当の面白さ」というのも表すこの言葉ですが、昔はバターやヨーグルトのような味をさしていたのです。その後貴族社会の崩壊等で乳製品を手にすることはほとんど無くなりました。そうしたことが、醍醐味という言葉の使い方を変えさせたのかも。

◎ダイコン、大根(1997年3月10日)
 肌が白く、身は固くしまり、つやがあるものを選ぶ。大きさの割に軽かったり、首の部分が黒ずんでひび割れたり、たたいて濁音がするものはス入りのものが多い。スは水分、養分の不足で、葉の切り口にもスが入る。
 大根の白さは内部の微小な孔に含まれている空気が原因。表面の無数の凸凹に光が当たって乱反射し、白く見える。煮ると水が孔や凸凹の中に入り、大根は半透明になる。

◎体質顔料(フィラー:filler)
 屈折率が小さい透明性白色顔料。他の顔料の増量剤、艶消剤、インキの性質を調節するための混和剤などとして使用される。炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、タルクなどがある。

◎大正エビ(2000年1月1日)
 標準日本名は高麗エビ。体長20cm前後で、体色は淡灰色。市場に流通しているものの大部分はインドネシア、メキシコ方面からの冷凍輸入品。

◎耐衝撃性ポリスチレン(high impact polystyrene:HIPS)
 ポリスチレン。

◎退色(discoloration)
 光などの作用でインキの色がさめること。染料系の有機顔料(レーキレッドC、カーミン6Bなど)は日光に弱く、短時間で退色する。蛍光顔料は更に弱い。逆にフタロシアニン系顔料等は耐光性が強くはほとんど退色しない。屋外で使用される印刷物には、充分な耐光性を持ったインキを使用する必要がある。

◎ダイズ、大豆(1997年1月10日)
 良質なたんぱく源として、食卓にのぼる大豆。最近は米国政府も大豆を食べるよう奨励するなど、栄養価や、体調を調節する機能が見直されている。その理由の一つは、大豆には、オリゴ糖という炭水化物が多く含まれる点だ。日本女子大の平春枝教授(食物学科)によると、オリゴ糖は、腸内にいるビフィズス菌の生育を助ける働きをする。ビフィズス菌が活発になると、腸内で腐敗物質などを出す有害細菌の増殖が抑えられる。
 ビフィズス菌を含む飲料もあるが、菌は一般に胃酸に弱く、腸まで届きにくい。これに対し、大豆に含まれるオリゴ糖の多くは消化されずに腸まで達し、ビフィズス菌を増やす効果が高いという。
 大豆は、ビタミンEの供給源としても優れている。ビタミンEには、脂質の酸化を抑え、動脈硬化を防ぐ効果のあることが知られている。ビタミンEの錠剤タイプの栄養補助食品も人気を呼んでいるが、大量に取ることが効果的かどうかは分かっていない。大量に摂取しても害はないと言われる反面、血圧上昇、糖尿病悪化などの報告もあり、やはり食物から取るのが良さそうだ。ビタミンEが豊富な食品としては、このほかにウナギなど魚類、卵黄、ホウレンソウがある。
 大豆の中のサポニンという物質は、食物繊維が腸内で消化液中の胆汁酸を吸着し、体外に運び出すのを助ける。肝臓で胆汁酸が作られる際、コレステロールが使われるので、平教授は「サポニンは間接的にコレステロール値を下げる働きをする」と説明する。

◎耐スチーム性、耐温水製
 ポリエステル系のポリマー、PET、PBT、U-ポリマー、LCPなどはスチームによって加水分解を起こす。
 概して非結晶性ポリマーはスチームによく耐えるが、ポリカーボネート、U-ポリマーはエステル結合を有しているので耐えられない。

◎堆積岩
 一般には岩石の分類は、その成因により、火成岩、堆積岩、変成岩に大別される。堆積岩は、水成岩とも呼ばれ、既存の岩石などが、破砕、摩砕され、機械的に運ばれて、地上または水中で堆積、生成したもの。その成因によって、砂屑性堆積岩、有機性堆積岩、化学的堆積岩に分類される。

◎帯電除去ブラシ(anti-static brush)
 導電性の繊維を利用したブラシで、帯電した表面に接触させて静電気を除去する。

◎帯電防止剤(anti-static agent)
 表面の固有抵抗を小さくして静電気の発生を防止するための添加剤。プラスチック、ゴム、繊維などの表面の電気抵抗を小さくして、静電気の発生による帯電を防止するために材料に添加したり、表面に塗布する副資材をいう。界面活性剤、無機塩、多価アルコール、金属化合物、カーボンなどがある。

◎耐摩擦性(rub resistance)
 摩擦に耐える物性。

◎耐摩耗性(abrasion resistance)
 摩耗に耐える物性。

◎耐薬品性(chemical resistance)
 薬品により反応・膨潤・溶出等を生じない性質。プラスチックでは、金属のように水分などにより錆びる現象は少ないが、有機溶剤や強酸、強アルカリに侵されるものがある。しかしフッ素樹脂、PE、PP、POMなどのように薬品に侵されにくいものも多く、特に塩類にはほとんど侵されない。プラスチックの構造によって縮合などで製造されたポリアミド、ポリエステルでは、強酸、アルカリによって加水分解され、高温では水の存在下で分子量が小さくなり強度が低下する。ビニル重合したプラスチックは一般に極性基をもつため、溶剤に弱く( 例:酢酸ビニル、PMMA、PVCなど)、これに対し、炭素と水素からなるPE、PPなどは耐薬品性が良く、逆にこれを溶かす溶媒がないため、印刷適性も悪くなる。この水素をフッ素に変えたのがフッ素樹脂であるが、これはさらに耐薬品性がすぐれる。

◎耐用性(durability)
 スクリーンインキの耐用性には、一般に下表のようなものがある。
耐用性  色相・光沢・濃度・隠蔽性・透明性
 耐候性(耐光性)
化学的耐性  耐 水 性:耐水性、耐沸騰水性、耐塩水性、他
 耐薬品性:耐酸・耐アルカリ性、耐マイグレーション性、他
 耐溶剤性 :耐アルコール性、耐ラッカーシンナー性、耐油性、他
物理的耐性  耐摩擦(摩耗)性
 耐スクラッチ性・耐打鍵性
 耐折曲げ性・耐衝撃性
 耐熱性・耐寒性・耐熱サイクル性・耐湿性
二次加工性  ラミネート適性・オーバーコート適性
 成形加工性・打ち抜き加工性
 ウェルダー適性
その他  臭気・毒性・価格

◎太陽電池(2000年3月10日)
 太陽電池のPN接合面は、放射線の照射による損傷が起きない限り、あるいは、過剰に電流が流れるようなことがない限り、ほとんど劣化することはありません。
 地上で使っている限り、結晶系の場合は100年経っても劣化は数%程度でしょう。(アモルファス系の場合は、もうちょっと劣化が大きいのですが⋯。)
 宇宙用の太陽電池が地上での使用よりも寿命が短いのは、宇宙は放射線が地上に比べて軽く100倍以上多いからで、5~10年で接合面の劣化が起きてしまうようです。
 地上での太陽電池の寿命は、PNやPIN接合よりも先に、取り出し電極の金属部分の腐食や、表面の保護層の透明度劣化などで決まっているようです。
 電極に関しては、主流のアルミ電極をやめてチタンに変えてもらえれば、寿命は格段にのびると思います。(コストはちょっと上がるかも知れませんが⋯。)
 「なぜ、PとNなのか?」という御質問ですが、温度と材料で決まる『フェルミ準位』という基本的なエネルギー位置に対して、ポジティブ(プラス)または、ネガティブ(マイナス)な位置にあるという意味です。

◎宝くじ(1996年7月9日)
 宝くじの発行者は地方自治体。第一勧業銀行は、その宝くじの発売と、当選金の支払いなどを受託して行っている。法的には銀行であれば、どこでも宝くじの発売を受託できる。初めて宝くじが発行された昭和20年当時は、他の銀行も受託していたが、しだいにやめていき現在では第一勧業銀行だけが受託しているという状況になってしまった。
 昭和41年頃まで宝くじを発売していた北海道拓殖銀行では、北海道庁が宝くじの発行をやめたため、必然的に受託をやめた。他の銀行も新しく受託することもできるが、お金の運用に特別なノウハウが必要になることもあり、受託を検討していないところがほとんどである。

◎タクシーとハイヤーはどこが違うのですか。(2000年3月10日)
 近畿運輸局に聞きました。1970年に施行されたタクシー業務適正化臨時措置法でハイヤーについて「運送の引き受けが営業所のみにおいて行われるもの」と定義しています。流しや駅などに並んで客待ちすることはできません。
 運賃体系もタクシーが距離が基本であるのに対し、ハイヤーは時間か距離かを選べます。大半は企業などが時間単位で借り上げるケースです。大阪府内では1日貸し(8時間)で中型3万9700円、時間貸しは初乗り(30分)3010円、以後30分ごとに2600円です。距離制は、中型ハイヤーの初乗り(3km)が1480円でタクシーの2倍以上です。
 タクシー台数は東京都内が大阪府内の約2.5倍なのに対し、ハイヤーは大阪約270台、東京約4700台と大きな開きがあります。社用市場の違いのようです。

◎濁度(turbidity)(1998年8月16日)
 濁度はカオリンあるいは、ホルマジンを標準液として規定されている。濁度計の測定方式としては、透過光式、表面散乱式、散乱光式、散乱光・透過光式や、積分球式などがある。透過光や散乱光の強度は、光源の光量変化の影響を受けるため、受光器を2つ用意し、両方の透過光あるいは、散乱光の差を測定する場合も多い。

・濁度計(turbidimeter)(1998年8月16日)

◎タコス(tacos)(1996年7月9日)
 トウモロコシ粉の薄焼きに、炒めた挽肉とレタス、チーズなどを挟んだ料理。メキシコの代表的な料理。焼いた皮をタコシェル、トマトと唐辛子を使った辛いソースをタコソースと言う。

◎橘(1996年1月19日)
 古代の日本では、「橘」は柑橘類の総称として用いられていた。もともとの橘は、“立花”を意味し、花梗(かこう)が短く、花が立っていることから名付けられた。柑橘類の総称と区別するため、ハナタチバナとも呼ばれた。ダイダイは京都の阿部地方に多かったためアベタチバナ、柚子は表面にでこぼこがあるのでオニタチバナ、キンカンは小さいのでヒメタチバナと呼ばれる。カラタチは食べることができないが、唐から来たためカラタチバナと呼ばれ、後にカラタチに変じた。

◎脱アルキル(dealkylation)
 有機化合物中のアルキル基が元の分子から脱離する反応の総称。トルエンやキシレンのアルキル基を水素で置換してベンゼンを得る製法、改質油や分解油をそのまま脱アルキル化してベンゼンを得る製法等がある。

◎脱脂粉乳(1996年7月9日)
 牛乳からクリームを分離した残りの部分(脱脂乳)を乾燥して粉末としたもの。主にヨーグルト、製パン、製菓、アイスクリームの原料として使われている。牛乳に比べ、脂質とビタミンAが少ない。

◎脱水素(dehydrogenation)
 目的とする製品を得るために原料である有機化合物から水素を取り除くことをいう。例えばエチルベンゼンを脱水素すればスチレンモノマーが製造される。

◎タッチスクリーン(Touchscreen)
 コンピューターの表示装置の上に装着された透明なスイッチのこと。メッセージが表示されている位置に、ペンや指を接触することによって、接触した位置をセンサーで感知して、表示されているメニューを選択できる。
 代表的なのは銀行のATM(現金預金支払機)。最近は電車の切符の自動販売機や複写機の操作盤などにも使われている。また液晶モニター上に透明タッチパネルをのせたPDA(情報携帯端末)が登場している。透明タッチパネルの製造に、エッチングレジストやスペーサーインキ等のスクリーンインキが使用されている。

◎多年草
 多年生植物。三年以上、地下の部分の枯れない植物。

◎タバスコ(Tabasco)(1996年7月9日)
 スペイン語。発酵した塩漬け唐辛子に西洋酢を加えて作った赤くて、辛くて、酸っぱいソース。商標名。

◎タピオカ(tapioca)(1996年7月9日)
 英語。キャッサバ(cassava)という芋の澱粉で作った丸い粒で、マニオカ澱粉、ユカ澱粉、キャッサバ澱粉あるいはタピオカ、マニオカと呼ばれる。キャッサバはトウダイグサ科の熱帯低木。原産は中南米。熱帯地方では最も重要な主食の一つ。

◎ターボブロワー(trubo-blower)(1998年8月16日)
 遠心式送風機の一種。側板に回転方向と逆方向に曲がった12~24枚の羽根がついた羽根車と鋳鉄製の渦室を持つケーシングにより構成されている。羽根車の中心部から気体を吸引し、遠心力により周辺方向に加圧、ケーシングを回して送風する。通常、冷却は行わない。圧力上昇、所要動力は気体の比重にほぼ比例する。吐出圧力は15~1500mmHg程度のもの。同様の構造で、それ以上の吐出圧力を持つターボコンプレッサー、それ以下のターボファンと区別される。

◎卵、玉子、たまご(2000年3月9日)
 「タマゴ」は、学校では「卵」と習うし、新聞にも「卵」と書いてあることが多いが、スーパーなどの売り場には「玉子」と書いてある。また、「玉子焼き」、「玉子料理」の時にも「卵」ではなく、「玉子」を使う。
 実は「玉子」と書くのは、料理に関する言葉だけ。「タマゴ」は、本来、「卵」なのだが、この字にはなんとなく生々しいイメージがある。そこで料理関係では、食べ物としての「タマゴ」を、子供が生まれ出る「卵」と区別して「玉子」と書くようになった。
 つまり、ニワトリの卵でも生の時は「卵」だが、料理に使う場合には「玉子」となるのです。

◎タマネギ、玉葱(onion)(1996年7月9日)
 ユリ科の多年生葉菜。栽培上は1年生。原産地はおそらく西アジア周辺。日本には明治以降、入ってきた。世界各地に広く栽培される重要な野菜。改良品種が多い。
 タマネギを剥くときに涙を誘う主成分の硫化アルカリはビタミンB1と結合して、体内で新陳代謝を活発にする。また、グルタチオンが含まれ、肝疾患などに効く。
 エジプトでは、ピラミッド建設に従事した労働者に、ニンニクや大根とともにタマネギを与えたことがヘロドトスの「歴史」に記述されている。
 可食部100gあたりエネルギー35kcal、タンパク質1.0mg、カリウム160mg、ビタミンB1を0.04mg、ビタミンCを7mgを含む。

◎ターメリック、うこん(Turmeric)(1996年7月9日)
 カレー粉の色づけに使われる。カレー料理に加えると色に深みが増し、一層美味しく見える。加える時よく焙煎するのがコツ。

◎タラバガニ(1999年7月9日)
 「鱈の捕れる漁場」で捕れるから、「タラバ」。鱈漁で、網を誤って海底まで降ろしたとき、偶然、網にかかったのがタラバガニだったらしい。これが名前の由来となり、タラバガニ漁の始まり。
 日本海や北太平洋など、水温10℃以下の深海深海に棲息しているが、正確にはカニではなく、ヤドカリの仲間。カニはハサミも入れて10本の足があるが、タラバガニは全部で8本。

◎たら腹食う(2000年3月10日)
 はじめから言ってしまいましょう。たら腹食う、の「たら」は、魚の「鱈」。鱈という魚は、魚の中でも特に大食漢として知られています。しかも単なる大食漢ではなくて、エサの種類も選ばずに、何でもその胃袋に詰め込んでしまうほどなのです。
 まず、エサの代名詞のようなイワシはもちろんのこと、カニ、エビなどの甲殻類やヤドカリ、貝類といった堅いものまで、どんどん食べてしまいます。ちなみに魚ならば、自分の体長の三分の二くらいの大きさのものは折りたたむようにして胃袋に入れてしまいますし、百種類もの魚介類が胃から出てきた例もあります。
 こんなタラの大食ぶりから「たら腹食う」という言葉が生まれたのですが、その大食にも理由があります。タラは冬以外は水深150メートルもの深海に生息しているのでエサには恵まれず、食べられるときに腹一杯食いだめしておくのです。食いだめできるのは、うらやましいのかどうか...。

◎タール(コールタール)(coal tar)
 コールタール(coal tar)とは、コークスを製造する時にコークス炉で石炭を乾留して得られる副生成物の一つ。収率は石炭の重量に対し3~6%。黒色の液体で比重1.1~1.2。
 芳香族化合物を多量に含み、ナフタレン(5%~15%)、ベンゼン(0.3%~1%)、フェノール(0.5%~1.5%)、クレゾール、ペンゾピレン(1%~3%)、フェナントレン(3%~8%)などが含まれている。このほか、少量のピリジンなどの塩基性油、ごく微量の二硫化炭素、チオフェンなどの硫黄化合物を含む。芳香族化合物に独特の臭気(タール臭)を持つ。
 コールタールの2008年度日本国内生産量は 1,578,612 t 、工業消費量は 1,643,788 t です。JFEケミカルでは、コールタールを蒸留、精製し、様々な化学製品を製造しています。コールタール蒸留能力では、JFEグループは、世界第3位にランクされています(2006年末現在)。

◎タルク
 滑石。

◎タルタルステーキ(tartar steak)(2000年2月9日)
 生の牛ひき肉に、オリーブ油と調味料を練り合わせて丸め、卵黄を乗せた料理。ドイツで良く食べられる。タルタルとは、かつてヨーロッパを席巻し、隷属状態においたタタールのことである。

◎タルタルソース(tartar sauce)(1996年7月9日)
 マヨネーズにマスタードと刻みパセリ、ピクルス、さらし玉ねぎなどを入れ、アンチョビーソースを加えたもの。

◎ダレ
 インキが垂れること。腰切剤の添加により改良される。

◎炭化ケイ素(silicon carbide)(1991年11月5日)
 SiC。商品名はカーボンランダム。コークスとケイ砂とを電気炉中で1800~1900℃に熱して作る。ふつう緑色、もしくは黒紫色。純粋ならば無色透明の六角板状晶。融点2700℃以上、比重3.12。硬さが極めて大きく、ほとんどダイヤモンドに近いので、細粉として研磨剤に用いられる。また耐火物、抵抗体などにも用いられる。

◎炭化水素(Hydrocarbon)
 炭素と水素の化合物である。炭化水素は鎖状炭化水素と環状炭化水素とに分けられる。

◎炭化ホウ素(boron carbide)(1991年11月5日)
 BCからB6Cまでの組成のものが存在すると言われているが、最も確実なのはB4Cで、ふつうはこれを炭化ホウ素と呼んでいる。融点2350℃、比重d17=2.5。ダイヤモンドに次いで硬く、炭化ケイ素よりも硬い。研磨剤、高温耐熱材料、金属加工具などに用いられる。

◎タングステン(tungsten:W)
 原子番号74、原子量183.85。スウェーデン語で「重い石」を意味する金属。ウォルフラムともいう。製法によって異なるが、光沢のある灰色の白金に似た金属。融点3382℃、比重d20=19.24、硬さ5~8。高速度鋼、永久磁石鋼、耐熱耐食合金などに添加される。
 タングステンは、金属の中でも最も高い3,380℃の融点を持っており、耐熱性では、並ぶものがない(鉄は約1,500℃)。また、熱電子放射特性にも優れるので、各種フィラメントを始めとして、“光”の世界で大きな貢献をしている。
 炭素と結合すると、金属では最も硬い物質となり、ダイヤモンドに次ぐ硬さになる。金と同じ重さ、鉄の2.5倍、鉛と比べても、1.7倍も重い金属です。
 純金属としては電球のフィラメント、電子管の電極、ガラスの封入線として用いられる。また、焼結炭化合金として工具にも用いられる。

◎炭酸(carbonic acid:H2CO3)
 二酸化炭素の水溶液の中に存在する弱酸性化合物(血液の中には炭酸がある)。水中の一部の二酸化炭素は水分子と反応して炭酸になる。残りの二酸化炭素は気体の状態で溶けている。炭酸は、きわめて弱い2価の酸(2つの水素イオンを放出することができる物質)である。

◎炭酸カリウム(potasium carbonate)(1991年11月5日)
 K2CO3。俗にカリともいう。無色塩は無色粉末で、潮解性がある。融点891℃、比重2.29。水溶液はアルカリ性。アルコールに不溶。
 軟石鹸、硬質ガラス、医薬品などの原料、染料、漂白、羊毛の洗濯、有機合成の脱水などに使われる。

◎炭酸カルシウム(Calcium Carbonate:CaCO3)
 天然には、方解石、霰石、石灰岩、大理石などとして産出されるほか、生物ではサンゴや貝殻などにも含まれている。工業的には石灰岩などを粉砕して作ったものを重質炭カル、石灰乳に二酸化炭素を焼きこんで作った沈降炭酸カルシウムを軟質炭カル、貝殻などを粉砕してつくったものを胡粉と呼んでいる。白色の固体で、水に溶けにくく、加熱すると、酸化カルシウム(石灰)と二酸化炭素に分解する。
 工業分野ではセメントや酸化カルシウム、水酸化カルシウムの原料、製鉄、防火建材、酸の中和剤、肥料、紙のサイズ剤などに使用されている。日常生活では、ゴミ収集用のポリエチレンの袋に30%程度混入して焼却処理の際に高温になるのをさけるという利用法もある。このほか、反応性が乏しく化学的に安定しているので、体質顔料として利用したり、化粧品、歯磨き剤、医薬品(制酸薬など)に混入させて、増量剤や研磨剤として使われる。
 重質炭酸カルシウムと軽質炭酸カルシウムがある。
①重質炭酸カルシウム
 白色結晶質石灰石を乾式または湿式粉砕して造った微粉炭酸カルシウムで、白色度が高いことから白色タンカルともいう。粒度は概ね5μm以下で、特に微粒のものは超微粉タンカルと呼ばれている。用途としては軽質タンカルと同様、工業用フィラー、食品添加物等に利用される。
②軽質炭酸カルシウム
 沈降炭酸カルシウムと同意語で、石灰石を焼成し、化学的に製造される炭酸カルシウム。軽微性炭酸カルシウムと呼ぶ場合もある。粒径が数μm前後と、比較的粗いものを軽質タンカルまたは、普通品と呼ぶ。粒径が0.1~0.02μm程度の微細なものを膠質品または、コロイド性炭酸カルシウムと呼ぶ。

◎炭酸水素ナトリウム(sodium hydrogen carbonate)(1991年11月5日)
 NaHCO3。酸性炭酸ナトリウムともいう。また、俗に重炭酸ナトリウム、重曹(重炭酸ソーダの略)とも言われる。天然にナーコ石として産出する。比重2.21、アルコールに不溶。医薬品の制酸剤の1成分として胃薬などに添加されている。また、洗浄剤、ベーキングパウダーとしても利用される。

◎炭酸ナトリウム(sodium carbonate)(1998年8月16日)
 Na2CO3。俗に炭酸ソーダ、またはソーダと呼ばれ、化学工業上最も重要な製品の1つである。無水塩は、俗にソーダ灰と呼ばれ、無色の粉末で、融点852℃、比重2.533、屈折率1.535。
 石鹸、ガラス、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウムの製造原料。製紙、染料工業、アミノ酸工業、洗濯用、試薬、医薬品に用いられる。pHの調整用として洗剤に添加されているが、単独でも油性の汚れの洗浄効・がある。

◎炭酸マグネシウム(Magnesium carbonate)(2000年1月16日)
 制酸剤、緩下剤、賦形剤として医薬に用いられている。また、化粧品原料、食品添加物としても利用されている。

◎弾性(elasticity)
 一定の限度以下の外力を加え変形させ、その後、外力を取り除くと原形にもどる性質をいう。反対語は、塑性(plasticity)。

◎炭素(Carbon:C)
 原子番号6、融点3727℃、沸点4830℃、密度2.26。炭素は天然に炭酸塩として炭石中に、二酸化炭素として気圏、水圏に広く存在する。同素体として天然にダイヤモンド、グラファイト、無定形炭素がある。いずれも融解しにくく、高温では昇華する。

・グラファイト:黒鉛とも言う。金属光沢、黒ないし綱灰色不透明。曲げやすい。製法は無煙炭、ピッチ等をアーク炉で高温加熱して製造する。電解用陽極、鉛筆、黒鉛るつぼ、減摩剤等に用いられる。

・無定形炭素:炭素の同位体のうち、はっきりした結晶状態を示さないものの総称。石炭類、コークス、木炭、ガスカーボン等がある。充填剤、印刷用インキ、顔料等に用いられる。

◎単相交流(1996年1月19日)
 家庭に送電されている100Vの交流。

◎炭素繊維(Carbon Fiber)
 グラファイト状の炭素からできた高強度、高剛性等の特性に優れた繊維。アクリル繊維等を炭化させ製造するポリアクリロニトリル(PAN)系の炭素繊維が市場開拓において先行している。釣り竿、ゴルフシャフト、ラケット等、高級スポーツ用品への利用が一般化しているほか、航空・宇宙分野で高強度・高耐熱・軽量構造材料として実用化されている。また、石油や石炭のピッチを原料とする炭素繊維もあり、都市ガスの導管、ロボット部品、ビル用建築資材への利用が進展している。

◎断熱膨張(adiabatic expansion(1998年8月16日)
 冷蔵庫、クーラーの原理。断熱の条件下で、系の容積が増大する状態変化。膨張によって系がなした仕事量だけ内部エネルギーが減少する。

◎単量体(monomer)
 モノマー。

◎チェロウケバブ(1996年7月9日)
 イラン料理。白いご飯の上に、炭焼きにした串刺しのマトンや挽肉を乗せ、薬味をきかせた料理。イラン料理のなかでも、もっともポピュラー。

◎チオ硫酸ナトリウム(sodium thiosulfate:Na2S2O3)
 市販されているものは五水和物で、一般的には「ハイポ」と呼ばれる。無色の単斜晶系柱状結晶であり、融点は48℃。空気中では安定だが、湿気により風解または、潮解性を示す。ハロゲン化銀を溶かすので写真の定着に用いられる。ヨウ素と定量的に反応するのでヨウ素の定量分析(酸化還元滴定)に用いられる。

◎チキソトロピー、チキソ性、揺変性 (thixotropy)
 撹拌すると流動性を増し、静置すると元の状態に戻る性質。印刷再現性の優れたインキは、適度なチキソ性を持っている。

◎蓄光インキ(phosphorescent ink)
 蓄光顔料を使用したインキ。光をあててこの光エネルギーを化学的に蓄積し、光がなくなっても長時間にわたって発光しつづけているインキをいう。

◎蓄光顔料(phosphorescent pigment)
 光をあてられた蓄光顔料は、この光エネルギーを化学的に蓄積し、光がなくなっても長時間にわたって発光し続けていることができる。最近、従来の製品よりも残光時間が非常に長いタイプの製品が開発されている。また一般的なグリーン色に加え、赤色の蓄光顔料も開発されている。

◎蓄光塗料(phosphorescent paint)
 夜光塗料。

◎チーズ(cheese)(1997年6月1日)
 乳を酵素や乳酸菌で凝固させた食品で、世界には数千種類ある。古代ギリシャには現在と同じ製法のチーズがあったとされ、ローマ時代にヨーロッパ各地に広まった。
 明治時代に北海道で試験製造したが、普及したのは戦後。発酵させて固めたナチュラルチーズが一般的だが、日本では加熱して作るプロセスチーズが先に普及した。
 タンパク質、カルシウム、ビタミンAなどを多量に含む。

◎チタニア
 10~20nmで均一なTiO2で、かつ安定なアナタースコロイドを作成するには、加水分解後の80℃でのゾル溶液の解膠と、チタン製オートクレーブを用いた200~250℃での熟成が必要である。
 また、チタニア粒子の凝集を防ぐためには、必要に応じて超音波分散処理等が必要である。超音波処理をしないチタニアペーストを用いて調製した薄膜では、表面にクラックが生じる。チタニア薄膜を、より多孔質で高表面積にするため、チタニアペーストにポリエチレングリコール(PEG:分子量20,000程度)を添加することが望ましい。PEGはチタニア薄膜の焼成時に燃焼し、チタニア薄膜光電極を、よりカサ高で多孔質にする。

◎チタン酸バリウム(2000年1月16日)
 Ba2TiO3。比誘電率が高いため、誘電体セラミック材料として利用されている。

◎知能指数(1996年1月19日)
 IQとも言われる。フランスのビネーが知的障害児を見出すために用いたテストが起源。そのため、児童の精神年齢を測る尺度として利用された。これにアメリカの心理学者などが改良を加えたものが現在の知能指数と呼ばれるもの。
 IQ=(精神年齢)/(生活年齢(実際の年齢))×100
上式で計算される。ただし知能テストを何度も測定し、一定の値をとるかどうかを調べ、信頼性について検討する必要がある。

◎着陸料(2000年5月20日)
 飛行機は、空港から離陸し、空港に着陸します。こんなことは、当たり前の話なのですが、この空港を使用するために、飛行機会社は空港側に対して着陸料を支払っています。
 この着陸料、日本はべらぼうに高いと言われています。世界一着陸料が高いといわれる成田空港の場合は、ジャンボ機の場合は94万8000円です。次に高いといわれている関西国際空港の場合は、90万8000円だといいいます。ちなみに、その次に高い(第3位)空港はオランダのスキポール空港で約50万円です。成田・関西の両空港の約1/2の着陸料ですむということになります。さらに、ロンドンのヒースロー空港(第10位)にいたっては、成田・関西の両空港の1/10以下の8万7000円となっています。
 なぜ日本国内の国際空港はこんなにも高いのでしょうか。着陸料の中には、滑走路や誘導路など飛行機が直接利用する施設の建設費、それらの維持費、また空港周辺住民への騒音対策費の一部もここに含まれています。つまり、空港を作るのに大金を費やした空港ほど、着陸料は高くなります。既にみなさんご存知の通り、日本は土地の値段が非常に高いのです。成田空港の場合は滑走路用地の買収に膨大な金額をようにたことが原因の1つとして考えられます。関西国際空港の場合は海の上に作ったため土地の値段は関係ありませんでしたが、海の上に土地を作ったのだからこその膨大な建設費がかかってしまいました。日本の空港の着陸料が高いのはこんな理由があったからなのです。

◎チャート(chert)
 堆積岩の1種。石英の微粒子からなる緻密な硬い岩石で、深海に化学的に沈殿、堆積したものが多い。少量含まれる塵状鉱物によって、赤褐色、淡緑色、灰色などの色を呈している。一般には砕石として使用されるが、破砕しても鋭角的なものが残り、あまり好まれない。

◎茶碗・湯呑みの足(2000年5月20日)
 茶碗の底には、たいていちょっとした足、糸底がついています。足がついている方がスマートで見た目がよいのは確かですが、デザイン上の理由からだけではありません。かといって、熱いものを入れても持ちやすくする、というものでもありません。
 これは茶碗を焼く時に生じる変形を防ぐためのもの。磁器は主に粘土、長石、石英を混ぜて、1200度ぐらいの高温で焼きます。この時に原形の二割ほども収縮します。この時、底がベッタリついていると、底面の抵抗がもとでひずみが生じ、やがて底面に陥没が起こります。
 ところが、足をつけると、底の接触面積が小さくなるので抵抗が減り、ひずみを生じないで縮むのです。磁器とは違い陶器には足のついていないものもありますが、これは焼く時に磁器ほど縮まないからです。

◎注型(casting)
 型あるいは他の製品中に液状の原料樹脂を入れ、硬化させて製品とする成形法。使用される原料樹脂は限られており、熱可塑性樹脂ではメタクリル樹脂、ナイロン6樹脂等容易に塊重合が行われるもの、また熱硬化性樹脂では常温で硬化する不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂に限られている。

◎中間体(intermediate)(2008年9月18日)
 医薬品をはじめ、染料、顔料等の中間原料として必要とされる有機化学品のこと。医薬中間体(Pharmaceutical Intermediates)は薬そのものではない。薬は、何段階もの工程を経て製造されるが、最初の原料と薬(最終製品)の間にある製品のことを医薬中間体と呼ぶ。

◎中空成形法(blow molding method)
 プラスチックボトルや容器類のように中が空洞の成形品を製造する際に用いられる最も代表的な成形法。まずパリソンと呼ばれるパイプ状の成形品を加工し、これに空気を吹き込んで最終成形品とするのが基本で、押出機で底のないパイプ状のパリソンを成形し、2つ割りの金型で挟み込んでパリソンに底を付け空気で膨らませる押出ブロー成形と、ヒ出成形によって底のあるパリソンを成形し、金型の中で空気を吹き込んで成形する射出ブロー成形とがある。洗剤、シャンプー、清涼飲料等のボトルから灯油缶のような比較的大きな容器の製造まで幅広く用いられている。

◎鋳鋼(cast steel)(1998年8月16日)
 鋼の鋳物をいう。形が複雑で、鍛造では作ることができず、強さの点で鋳鉄は使えないようなものは鋳鋼として作る。この目的には、炭素鋼のほか各種強靱鋼、ステンレス鋼、耐熱鋼などが使用される。熔接による補修が容易で、大型品の熔接による組み合わせが可能。

◎鋳鉄(cast iron)(1998年8月16日)
 鋳物用銑を原料として熔融精製されたケイ素を含む高炭素鉄。鉄-炭素系の状態図の上では、γ鉄に対する炭素の最大固溶量(約2%)より炭素の多いものを指す。これに対し、炭素の少ないものは鋼という。
 標準組成はC:3.0~3.5%、Si:1.5~2%、Mn:0.3~0.8%、P:0.2~0.8%、S:0.05~0.15%で、このほかにNi、Cr、Mo、Si、Mnなどを特に多く含んだ合金鋳鉄がある。

◎中和(neutralization)
 正の電荷を持つイオンと負の電荷を持つイオンが結合することにより、電荷が消失する反応のことを広い意味での「(電荷の)中和」とよぶ。例えば、カルシウムイオン(2+)と炭酸イオン(2-)が結合して、電荷を持たない炭酸カルシウムの沈殿を生じる反応である。
 蛇や病原菌の毒素を抗毒素(毒に結合し無毒化する作用のあるタンパク質)と反応させて無毒化することを「毒素の中和」とよぶ。
 酸と塩基が反応することを「中和」とよぶ。例えば、塩酸と水酸化ナトリウム水溶液との反応である。水素イオンと水酸化物イオンが反応した場合、安定な分子である水ができる。中和反応により発生する反応熱を中和熱という。強酸と強塩基との中和反応(H++OH- → H2O の中和熱は、室温で約57 kJ/molである(発熱反応)。

◎長期耐熱性
 結晶性ポリマーの場合は、ガラス繊維によって強化することにより、荷重たわみ温度は大幅に上昇しているが、長期連続使用で見ると、その使用可能温度は、未充填(非強化)グレードの耐熱性しかない。

◎超伝導
 1911年オランダのライデン大学のカメルリン・オンネス(H. Kamenlingh Onnes)が発見。温度を下げていきながら水銀の電気抵抗の変化を測定していたとき、4K(-269℃)付近で抵抗が急にゼロになる現象を発見。完全導体(電気抵抗がゼロ)と、マイスナー効果が特徴。

◎腸年齢(日経新聞、2000年5月27日)
 大腸内には、100種類、100兆個もの細菌がいるという。このバランスに表れてくるのが、腸の年齢。
 生後5日目くらいまでの赤ちゃんの腸内はビフィズス菌など腸内をきれいに保つ善玉菌にあふれている。離乳期になって大人と同じ食事を食べるようになると中立的な嫌気性菌が9割を占めるまでに増殖、善玉は1割に。以降、このバランスで成人期を過ごす。変化が現れるのは55歳から60歳の頃。大腸菌などの悪玉菌が増え始めるのだ。
 こうした細菌のバランスを「腸内フローラ」と呼ぶ。手入れされた花畑のように、それぞれの細菌が秩序正しく縄張りを確保しているわけだ。とはいえ最近では10代や20代なのに腸年齢が60代という人もめずらしくない。脂肪分の多い肉料理が増え、野菜をあまりとらないのが原因のひとつ。実年齢マイナス35歳という腸年齢の若さで世界的に有名な山梨県の棡原(ゆずりはら)地域は、肉が控えめの食事になっているともいう。
 イモ類や豆類など食物繊維の豊富な食生活を営み、ヨーグルトなどでビフィズス菌を補う。ガーデニングはあいかわらず人気だけれど、あなたの腸内フローラの手入れはいかが。

◎チョーキング(chalking)
① 印刷物が乾燥した後、軽い摩擦で図柄がとれる現象。原因は、インキ中の顔料成分過多、インキの乾燥不良などである。
② 印刷物を屋外曝露したときに、インキ皮膜の光沢が低下し、ついには粉を噴いたような状態になる現象。高濃度白インキやエポキシ樹脂系インキで発生しやすい。

◎直鎖アルコール(linear alcohol)
 C10以下は可塑剤、C12以上は洗剤として使用される。直鎖オレフィンのオキソ反応により製造される。液体または固体。

◎直鎖状低密度ポリエチレン(linear low density polyethylene:L-LDPE)
 → ポリエチレン

◎チョーク流れ(choked flow)
 (機械)上流圧力が下流圧力に対して高く、気体の速度が音速に達している流れ。このとき、気体の質量流量は上流絶対圧力に比例し、下流圧力に依存しない。

◎チルト角(tilt angle)
 DVDを製造する際の物理的規格の一つ。ディスクの記録面に垂直に立てた軸と光学系の軸がなす角度を指す。

◎チンピ、陳皮(1996年7月9日)
 みかんの皮を乾かした物。薬用、薬味料とする。香辛料としては、柚子皮も使用する。

◎ツバメ、燕(1996年1月19日)
 ①スズメ目ツバメ科の鳥の総称。全長20cm前後。世界に約80種。日本にはコシアカツバメ、イワツバメなど5種が分布。
 ②スズメ目ツバメ科の鳥の一種。日本には春に飛来し、人家に営巣して、秋に南方に去る。

◎ディストーション(distortion)
 変形すること、ゆがむこと。

◎定性分析(qualitative analysis)
 試料中の未知成分物質の種類を知るための化学分析。分子、原子(原子団、同位体を含む)に特有な物理的性質や化学反応を利用して検出確認を行なう。溶液中のイオンの種類を調べる炎色反応、ヨウ素分子の周りの環境変化に依存した光吸収帯の変化(色の変化)を利用するヨウ素-デンプン反応、化学反応の結果生じる沈殿の色を調べる方法などがある。溶液や固体状態の試料の光吸収や磁気的性質を調べることのできる様々な機器定性分析法がある。

◎ディベート(1995年12月1日)
 一つの論題(proposition)をめぐり、ディベーター(debaters)が肯定側と否定側に分かれ、それぞれの立場の議論の優位性について聴衆を論理的に説得するプロセス。

◎低密度ポリエチレン(low density polyethylene:LDPE)
 ポリエチレン。

◎低誘電率材料(2000年1月16日)
 高周波での損失が小さく、LC回路におけるコイル成分の温度特性補償用として広く利用されている。材料組成は、MgTiO3、CaTiO3、BaO・4TiO2などが代表的。

◎ティラミス(tiramisu)(1996年7月9日)
 イタリア語。イタリア・ベネト地方の素朴な郷土料理。マスカルポーネというイタリア特産のチーズのムースと、リキュールをしみ込ませたスポンジを交互にかさね、表面にココアパウダーをかけたケーキ。

◎定量分析(quantitative analysis)
 試料中の成分物質の量を求めるための化学分析。一般には成分物質の種類を知るための定性分析が先立って行なわれる(中和滴定法では塩酸や酢酸が入っていることが分かっている試料を使っている)。定量法としては重量分析(成分物質や成分物質の誘導体の重さを測定する分析方法)、容量分析(中和滴定法では濃度の分かった水酸化ナトリウム水溶液の使用量から酸の濃度を測定している)、比色分析(濃度に比例した光吸収量などから成分の濃度を知る分析方法)などが古くから行なわれている。

◎テキスタイル(textile)
 織物、布地のこと。布に模様をプリントして染色することを捺染(textile printing)という。

◎滴定(titration)
 成分濃度の分かった標準液の用いた容量分析法、あるいは溶液を試料に少しずつ加えていく実験操作のこと。試料物質Aを含む溶液に、Aと一定の割合で反応する物質Bの溶液を少量ずつ加えていき、当量点(= 終点)に達するまでに加えられたBの量を測定してAを定量する。Bには濃度が既知の溶液(= 標準液)を用い、通常、ビュレットを使ってA溶液中に滴下するので滴定とよばれる。
 操作が簡単で比較的精度も高いので一般に広く用いられている。終点の判定には、溶液の呈色(→ 色の変化)、電気的な量(→ 電気伝導率の変化など)、温度(反応熱などによる温度変化)などの変化が利用される。化学反応の種類により中和滴定(中和反応)、沈殿滴定(沈殿反応)、酸化還元滴定(酸化還元反応による光吸収帯の変化)などがある。

◎滴定曲線(titration curve)
 滴定溶液の1つの特性が滴定の進行に伴って変化するありさまを表わす曲線(各滴定点を結んだ滑らかな曲線)。通常は物質の特性(pH、色、電気伝導率の変化)を縦軸にとり、横軸に滴定試薬の量(例えば、滴定液の体積)をとる。滴定曲線は終点を決定するのに使われるが、曲線を解析して平衡定数などを求めるのにも利用される。

◎鉄(iron)(1997年10月10日)
 血液を作る。タンパク質と結合して赤血球中のヘモグロビンになって、体中に酸素を運ぶ働きをする。鉄分が不足すると、赤血球が少なくなったり、小さくなったりして、全身が酸欠状態になる。
 体の中の鉄は約3gあり、その内の1mgは汗などとともに毎日、失われる。鉄は非常に吸収率が悪く、平均10%程度。

◎テトロン繊維(Tetron fiber)
 テレフタル酸とエチレングリコールから合成されたポリエステル樹脂。合成繊維の一種で、ポリエステル系のポリエチレンテレフタレート(PET)の日本での商品名。皺(しわ)ができにくく、洗濯がしやすいなどの特徴があって、機械的強度、弾性率が大きく、風合いにすぐれているところからフィラメント糸、スフとして衣料用にもちいられるほか、タイヤコード、ロープ、スクリーン印刷用の紗などの工業用や釣りの道糸などにももちいられている。テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールを縮合させてつくる。耐熱170~180℃。折り曲げ強度に優れている。
 日本では、東レと帝人が1957年(昭和32)にイギリスのICI社から技術導入して、翌年から量産体制にはいった。近年は、繊維としてだけでなく、磁気テープやフロッピーディスクのベース材料としての需要も多い。
 テトロンフィルム(帝人)、テナック(旭化成)。

◎テニスボール(1995年12月1日)
 缶からボールを出すと、ボール中のガスがボールの表面から抜けていく。このため、3週間くらいたつとバウンドの具合がおかしくなってくる。

◎出歯亀(2000年3月10日)
 出歯亀というのは、女湯を覗くなど、変態的なことをする男性の蔑称。この言葉、明治の末に実在した変態男・池田亀太郎にちなんで人が国に出した蔑称で、亀太郎が出っ歯だったことから「出っ歯の亀」、すなわち出歯亀というようになりました。
 男を狂わし破滅へと追いやる女を、実在した妖婦・阿倍定にちなんだり、英語でも覗き専門の変態をピーピング・トムと呼ぶように、この種の変態は名前に由来するようです。
 実在の人物が由来になっている言葉は数多くあります。たとえば、東京の八重洲は、イギリス人、W・アダムス(後の三浦按針)と共に、日本に初めてやってきたオランダ人、ヤン・ヨーステンが住み着いたから。ヤン・ヨーステンが訛ってヤエスになりました。

◎テフロン(Teflon)(1996年1月19日)
 ポリテトラフルオロエチレンの商品名。フッ素樹脂。炭素とフッ素からなり、表面張力が非常に低い物質。耐熱性、耐薬品性、耐衝撃性にすぐれた合成樹脂。水に対する接触角は108度であり、濡れにくい。

◎テレフタル酸(terephthalic acid:TPA、PTA)
 C8H6O4。フタル酸および、イソフタル酸の異性体。パラキシレンを原料とする。固体。融点425℃(封管中)、300℃で昇華する。比重1.510、かさ密度0.85。
 ポリエステル繊維、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)の原料。

◎テレフタル酸ジメチル(dimethyl terephthalate:DMT)
 ポリエステル繊維の原料であり、テレフタル酸とメタノールを反応させて得る製法と、パラキシレンから直接メタノールを使用して生産する製法がある。固体。

◎転移温度(transfer temperature)
 物質の物性がある状態から他の状態へ変化する温度をいう。物質の融点を第一転移温度、分子運動の凍結と考えられる温度を第二転移温度、またはガラス転移温度という。

◎電荷(electric charge)(≒ 電気:electricity)
 すべての電気的な現象の根元となる実体。電気の性質は電気量によって規定される。1729 年、イギリスのグレイは、摩擦によって発生した電気が金属線を通して移動することを発見し、電気という実体の存在を示した。さらに、1733 年、フランスのデュフェイは、電気には正と負(+と-)の2 種があることを実験で示した。

◎添加剤(additives)
 一般に製品の物性改良のために加えられる物質。特にプラスチックでは成形加工が行い易いようにしたり、製品の性質を向上させるために安定剤、可塑剤、帯電防~剤等が目的に応じて使用されている。

◎電気陰性度(electronegativity)
 結合している異種の2原子が電子を引きつける能力の目安になる数値である(単位はない)。電気陰性度の大きな元素の近くの方が、電子の居心地はよい。結合を作る2原子の電気陰性度の差が大きいほど、電子は一方の原子に引きつけられ、その結合のイオン性は大きい。また、電気陰性度の値の小さい元素ほど電子供与性が大きく、逆に大きいものほど電子受容性が強い。その中間の値をもつ元素(Al やZn)は、両性としての性質をもつ。

◎電気抵抗(レジスタンス、resistance)
 電気抵抗は、電流の流れにくさのこと。電気抵抗の大きさの単位はオーム(Ω:オメガ)が用いられる。その逆数はコンダクタンス(conductance)と呼ばれ、電流の流れやすさを表す。その単位はジーメンス(S)。

◎電気抵抗値
 材料の体積固有抵抗値から、大きく次のように分けられる。
①絶縁材料:約108 Ωcm以上、宜しくお願いいたします。
②半導体材料:約108 ~10-3 Ωcm
③導電材料:約10-3 Ωcm以下

◎電気分解( lectrolysis)(=電解)
 電解質溶液や融解電解質などのイオン伝導体に電流を通じて化学変化をおこさせることをいう。電気的エネルギーを加えることにより、自然に進むことのない化学反応を起こすことができる。
 イオン伝導体中に1対の電極を挿入し、両端を適当な電源に接続する。イオン伝導体の内部では、電流はイオンの移動によって運ばれる。電極と溶液との界面では、電極反応の進行によって電子が移動する(電流が流れる)。
 陽極では金属の溶解、酸素の発生などの酸化反応(陽極酸化)がおこり、陰極では金属の析出、水素の発生などの還元反応(陰極還元)が進む。
 電解の際の電気量と反応する物質の量との間には、ファラデーの電気分解の法則が成立する。
 電気分解は電解精錬や、塩素、水酸化ナトリウムの製造のほか、電解分析、電気めっきなどで利用される。

◎電気力(electric force)(≒ 静電気力:electrostatic force)
 電気(+と-)を帯びた物質(電荷)間に働く力(同符号なら斥力、異符号なら引力)。力の大きさFは電荷間の距離の二乗に反比例し、それぞれの電荷の大きさに比例する。

◎電源周波数(1996年1月19日)
 関東は50Hz、関西は60Hzである。明治24年、東京電力の前身である東京電灯がドイツからアルゲマイネ電機製の発電器を2台輸入した。これは50Hzであった。一方、関西の大阪電灯はアメリカのジェネラル・エレクトリック社から60Hzの発電器を購入した。このため、関東と関西で周波数が異なることになってしまった。

◎電子顕微鏡(1996年7月9日)
 電子線は生物の体を素通りするため、電子顕微鏡で直接、細胞を観察することはできない。細胞を酢酸ウラニルで染色し、アクリル樹脂で固める。酢酸ウラニルは電子線を通さないため、ウイルスや細胞の輪郭が黒々と浮き上がる。

◎電磁波(Electromagnetic wave)
 真空または、物質中を電磁場の振動が伝播する現象をいう。1nmから1mmの波長域の電磁波は、光と呼ばれ、そのうち380nm~770nmの波長域の光が可視光である。

◎電磁場(Eloctromagnetic Field)
 電場と磁場の総称。静電気現象、静磁気など特殊な場合を除けば、両者は必ず相伴って同時に存在し、互いに関連している。

◎糖
 タンパク質は動物の体を構成しているが、糖は植物の体を構成している。糖は動物のエネルギー源となる。

◎銅(Copper:Cu)
 原子番号29、融点1083℃、沸点2595℃、密度8.94、モース硬度3.0(20℃)。銅は天然に自然銅として産することもあるが鉱石を精錬、電解し、さらに反射炉で不純物を除去して得る。可鍛性、伸展性に富み、熱の良導体で、電気伝導率は銀に次ぐ。
 化学的性質は乾燥した空気中では、常温で安定で変化しないが、微量のH2Sを含むと、硫化銅の暗色の被膜を生じ、表面がくもる。
 用途としては電線、電機機械中の導線、建築用材、理化学用器材、青銅、黄銅、その他の銅合金、鉄鋼材料、鋳造用および、加工熱処理用アルミニウム合金、亜鉛合金等などがある。

◎等価質量(equivalent mass)
 (機械)一定抗力のショックアブソーバにおいて、推力が働く状態の衝突物質量を、総エネルギーが等しく推力が働かない状態の衝突物質量に換算した値。

◎唐辛子(red pepper)(1996年7月9日)
 唐辛子は、鷹の爪などの辛味型、ピーマンやパプリカの甘味型、シシトウなどの中間型がある。唐辛子の辛味の主成分はカプサイシン。一つの唐辛子には10種類以上のカプサイシンが含まれ、唐辛子の種類によってそれぞれの含有割合が異なるため、辛味がそれぞれ違う。
 カプサイシンを摂取すると新陳代謝が活発になり、胃酸の分泌が多くなり、腸の動きが活発になってコレステロール値を低下させる。

◎唐辛子の辛味の効果(1992年7月9日)
 唐辛子の辛味は、カプサイシンという成分が原因。カプサイシンには、体内の脂質を溶かして体のエネルギーとして消費する、エネルギー代謝の作用がある。摂取したカプサイシンの80%が体に吸収される。また、抗ストレス作用もある。一度にたくさん摂取すると胃などを痛める。冷蔵庫や、冷凍庫に保存するのがよい。

◎動作範囲(operating range)
 (機械)シリンダのスピードを一方向に移動し、スイッチが動作してから復帰するまでの距離。

◎動的安定度(DS:Dynamic Stability)
 アスファルト混合物の塑性流動に対する抵抗値を示す指標値。通常ホイールトラッキング試験による供試体のわだち掘れ変形量1mmあたりの試験輪の通過回数で表す(回/mm)。

◎導電性プラスチック(electric conductive plastics)
 導電性を示すプラスチック。導電率10-5v/cm以上の半導体領域以上の導電性を示すものをいう。大別するとカーボンブラック、銀、銅などの導電性微粒子との複合化により、電子ホッピングサイトの生成と、導電路の形成により導電性にするものと、ポリマー自身に導電性をもたせるものがある。現在実用化されているのは、複合化による導電性プラスチックであり、ポリマー自体を導電化する技術は、研究が進められているが、まだ実用化の段階にはなっていない。

◎豆腐(1996年7月9日)
 ①大豆を洗って、1晩水につける。
 ②摩砕機にかけて、どろどろになるまで大豆をつぶす。
  できたものを「呉(ご)」という。
 ③呉を沸騰水に入れて加熱する。
 ④熱いうちに布でこして豆乳をとる。こした残りがおから。
 ⑤豆乳に硫酸カルシウム(澄まし粉)、またはグルコノデルタラクトンを加えて静置し、タンパク質を凝固させる。
 ⑥上澄み液を捨て、固まったのもをくみ取り、周囲に穴のあいた長方形の箱に流し入れる。
 ⑦ふたと重石をして、しばらく置く。
 ⑧水に箱ごとつけ、豆腐を取り出す。

◎トウモロコシ、玉蜀黍(1998年2月28日)
 原産地は中米で、コロンブスがヨーロッパに伝えた。日本には16世紀末、ポルトガル人が持ち込んだが、あまり広まらなかった。スイートコーンは明治に入ってからで、戦後になって本格的に普及した。
 世界のトウモロコシは大部分が飼料用で、主食としているのは中米など限られた地域だけである。山梨県の郷土料理として知られる「おやき」はトウモロコシ粉で作る。

◎登録商標(2000年10月28日)
 商品名などにつ○で囲んだRは「登録商標」を意味するものだと思います。これを意味するa registered trademark(登録商標)の頭文字のRからきているのではないでしょうか。

◎童話(1996年11月12日)
 子供のために作った物語。おとぎ話の他、伝説、寓話などを含む。 → 寓話

◎特異日(1996年1月19日)
 例年、特定の天気が高い確率で現れる特定の暦日。
晴れの特異日は5月13日、7月31日、8月12日、10月27日、11月3日。
雨の特異日は10月29日、11月5日。
気温が高くなる特異日は2月23日、3月31日、4月1日、5月18日。
気温が低くなる特異日は1月15日、4月6日、4月23日。

◎トタン(1996年1月19日)
 表面を亜鉛でメッキした薄い鉄板。一部で亜鉛がはげて、鉄の部分が露出しても、亜鉛の方が鉄よりもイオン化傾向が大きいため、亜鉛が存在する間は鉄の溶解(腐食)を防ぐことができる。

◎褞袍:どてら(2001年12月2日)
 どてら → たんぜん → 着物の上に着る広袖の綿入れ。防寒着。

◎トナー(toner)(1998年8月16日)
 カーボンブラック、フタロシアニン青、他の染料、顔料で着色した軟化点または融点が100~150℃、粒径10~50μmの樹脂微粉末。これをキャリアと呼ばれる鉄粉あるいは、ガラス球(粒径300~500μm)と混ぜ、正または負に摩擦帯電を起こさせて、潜像面に与えて、選択的に静電吸着現象を行う。
 トナーとキャリアの組み合わせの場合を複粒子系現象といい、キャリアを用いずトナーだけを潜像面に吹き付ける場合を単粒子系現象という。
 近年のコピー機用では、5~20μmのものだけを使用しており、粉砕と分級が必要。

◎トランス(transformer)(1996年1月19日)
 トランスは「transformer」を略したもので、変圧器とも呼ばれる。電磁誘導によって交流電圧の昇圧、降圧ができるので、トランスの多くは電源トランスとして用いられる。
 変圧器は、共通の鉄心に2個以上のコイルを巻いたもので、それぞれのコイルの電圧が、その巻き回数に比例することを利用して、電圧を変える部品である。

◎トランスファ成形
 熱硬化性樹脂の成形法の一種加熱室中で可塑化させた材料を加熱した金型キャビティ内に圧入して成形するポット式・補助ラムを備えたプランジャ式がある。

◎トランプ(1996年1月19日)
 4つの絵柄が各13枚なのは、春夏秋冬の四季がそれぞれ13週あることを意味している。つまり、すべて合わせた52枚は、1年が52週あることを表している。変幻自在のジョーカーは、4年に1度のうるう年を意味している。また、1~13までの数字を合計すると91で、4組合わせると364になる。ジョーカーを1として加えると、1年の日数365になる。もともと占いの道具であったから、暦を表している。

◎トリクロルエチレン(trichloroethylene)
 金属の脱グリース等に使用される。エチレンと塩素を原料とする。液体。

◎取り越し苦労(2001年3月28日)
 ずっと先の事なのにあれこれと考えて、どうでもいい心配をする事を「取り越し苦労」という。古くさそうな言葉のわりには今でもよく使う。しかし「取り越し」っていう言葉の本来の意味は意外に知られていない。
 取り越しっていうのは一体何を取り越していたのか、すなわち一定の期日よりも早めになにか事を行っていたのである。実はこれは忌日を繰り上げて法事を行う事をいうのである。浄土真宗の宗祖、親鸞の忌日は11月28日だが、それを取り越して、その前に法要を行う事を「御取り越し」という。
 親鸞の忌日の11月28日には本山で法要が行われ、全国から門徒や真宗末寺の人たちが本山に集まる。法要は全国の真宗末寺でも行われるが11月28日に法要を行うと本山に行けないので、末寺では取り越して(日を繰り上げて)法要を行う。そこで「御取り越し」という言葉が生まれた。それが転じて先の事を考えるのを「取り越し」といい、それを無駄な苦労として「取り越し苦労」というようになったのである。

◎トリュフ(truffle)(2000年10月19日)
 黒いダイヤモンドとも言われる。西洋松露(せいようしょうろ)とも呼ばれ、樫や楢などの木の側の地下に自生する食用キノコ。真っ黒でゴツゴツした見た目と、独特の香りが最大の特徴。
 イタリアやフランスの限定された地域でしか採取できず味よりも香りを楽しむ高級食材で、フランスのペリゴール地方のものが最高級品と言われている。トリュフには主にフランスで採れる黒トリュフとイタリアの白トリュフがあり、大きさはドングリ程度からジャガイモ程度まで様々。
 黒トリュフは色が黒ければ黒いほど、そして固く締まった香気の高いものほど上等で、切ってもその断面は黒く白い脈が大理石の紋の様に通っている。トリュフが高価なのは、年間生産量約50~80トンに対して、世界中からの注文が500トンと売り手市場だから。

◎$マーク(2000年2月28日)
 パソコンでは、どうしても「$」としか出ませんが、本当は、Sに2本の棒です。これが何を意味するか、皆さんよく知っている事と思います。「ドル」という通貨単位ですね。でもじっくり考えると何か変。頭文字はDのはずなのに、なんでよりにもよってSなんでしょうか。しかも2本の棒までついています。
 まず、この「S」というのはスペインの事です。アメリカ大陸がスペイン領だったころ、スペインから入ってきた貨幣は「ドレラ」と呼ばれていましたが、それがアメリカで流通している間に、やがて「ドル」という呼び方になっていったようです。また「S」に引かれている2本の棒は、地中海と太平洋を結んでいるジブラルタル海峡の南北にある石岩「ヘラクレスの柱」をあらわすのだそうです。
 ところで、日本の通貨単位「円」は「¥」と表記されます。2本の棒がついているのは、アメリカの「ドル」にならったのですが、なんで「Y」何でしょうか。天ぷらは「TEMPURA」、寿司は「SUSHI」と忠実に表現されるのに、なんで円は「YEN」なのでしょうか。中学校の英語の時間に不思議に思った事があるかもしれません。これは、「EN」と表記するとほとんどの外国人は、「イン」と発音する恐れがあるから。そうなるよりは、「イェン」と発音される方が、より本物に忠実だから、だとか。

◎トルエン(Toluene)
 芳香族炭化水素のひとつで、トルオールともいう。常温では無色の液体で引火性がある。ナフサの改質油あるいはナフサからエチレンを製造する際に併産する分解油から抽出される。
 石油精製の過程でベンゼン、キシレンなどの混合物としてとりだされ、蒸留によって分離される。合成繊維や合成樹脂の原料、ラッカーやシンナーその他の溶剤、ガソリン配合剤などに使われる。TDI、合成クレゾール等の原料。またトルエンを原料とするベンゼンの生産も行われている。液体。
 高濃度のトルエン蒸気の長時間にわたる吸入は有害。

◎ドレン(drain)
 (機械)空気圧機器および管路内で、流動もしくは沈殿状態にある水、または油水混合の白濁液。

◎ナイロン(nylon)(ポリアミド:PA)
 一般に、酸とアミンが反応してできるアミド結合をもつ高分子化合物の総称をポリアミド(またはナイロン)と呼んでいます。ナイロンは、ポリアセタール、ポリカーボネートなどとともにエンジニアリングプラスチック(高性能)に分類されます。
 1931年に米国デュポン社のW.H.Carothersらによって発見されたのが始まりで、日本では1951年、東洋レーヨン(株)(現東レ(株))によって初めて工業化されました。
 現在市販されているナイロンは、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン6/66、ナイロン46(数字はモノマー中の炭素数を表わします)などに大別されますが、最近は耐熱性の高い芳香族ナイロンや非晶質ナイロンも実用化されています。それらがさらに変性されたり、ガラス繊維やミネラル粒子、他のポリマーとの複合化で強化されたものが数多くあります。
 前述のとおり、ナイロンは主鎖中にアミド結合という強い極性基を有し、このアミド結合間の水素結合による分子間力が大きいこと、末端にアミノおよびカルボキシル基という反応性の高い官能基を有することから、種々の環境下でも機械的強度の安定性が高く、また各種添加剤、補強材、異種ポリマーの配合がしやすいという利点を有しています。また、ナイロンは吸水により、引張り強さや曲げ強さは低下しますが、柔軟性が増し、衝撃強さが向上するという特性を持っています。
 押出成形、射出成形、ブロー成形されたナイロン成形品は、機能部材として各種工業用途に使用されていますが、食品に直接接触する「器具」として使用されることはあまりありません。容器包装用には、ポリオレフィンとラミネートしたナイロン、共重合ナイロン(複数の種類のナイロンを化学的に結合したもの)が多用されています。酸素を通しにくいこと、袋に穴があきにくいこと、落袋強さが高いことから、最も信頼性の高い包装用フィルムとされており、重量物、水物、真空包装品、インスタントラーメンの液体スープ用等広い範囲に使用されています。
 更に比較的耐熱性が良いことから、ハンバーグ等のボイル殺菌食品やレトルト食品の包装材料として、また、低温における機械的強度が高いことから、冷凍・冷蔵食品の包装材料としても用いられています。
 食品用途以外では、自動車用のガソリンタンク・ラジエータタンク、吸気部品等に使用されているほか、電気・電子部品であるコネクタ、電気開閉器、ブレーカ、電線被膜や、その他、建設資材や椅子の脚、歯ブラシ、スポーツ用品などあらゆる分野で用いられています。
 芳香族ナイロン(主鎖中にベンゼン環が含まれるもの)は、通常のナイロンに比較してさらに優れた耐熱性や耐薬品性を有し、また低吸湿性であることから、自動車用冷却水系部品、表面実装用部品等、新しい用途が広がりつつあります。
 結晶性エンプラとしての特徴(耐熱、耐薬品性、耐溶剤、耐油性)とともに、ナイロンの独自性は、吸湿性があり、柔軟で強度がある。強靭性と、耐磨耗性がある。吸湿性がある。よって、寸法精度はやや劣る。

◎ナイロン6(PA6)
 ε-カプロラクタムの開環重合体。電気、電子機器、自動車、建材等の部品及び家庭用品等、広範に使用される。工業部品に代表される射出成形用途に加えて、フィルム、モノフィラメントに代表される押出成形用途があり、主として包装資材、雑貨市場に供給されている。

◎ナイロン11(PA11)
 11-アミノウンデカン酸の重縮合体。ナイロン12に比べて吸シ性がやや大きく融点が若干高い点を除けば性質は類似している。用途もほぼ同じ。

◎ナイロン12(PA12)
 ポリアミドの中では最も低密度であり、ナイロン6及び66に比べて融点、吸水性が低く、耐寒衝撃性に優れている。可塑剤による柔軟化も可能。用途は押出成形品と射出成形品及びコーティング用途に大別され、押出成形ではホース・チューブ、射出成型ではスキーブーツや各夋Xポーツシューズの靴底やサイレントギヤ等の精密成形品が代表的な用途。

◎ナイロン66(PA66)
 ヘキサメチレンジアミン水溶液に等量のアジピン_を加えて得られるナイロン塩水溶液(AH塩)の重縮合体。ナイロン6に比べて融点が高いため耐熱性に優れているほか、弾性率、寸法安定性が良好。用途はナイロン6とほぼ同じであるが、相対的に自動車部品のウェートが高く、特にワイヤーハーネス・コネクターに実績がある。

◎ナイロン610
 ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸との重縮合体。高シ度下での強度低下が小さく、モノフィラメントに成形されて歯ブラシのブラシ等に使用されている。

◎ナイロン612
 カプロラクタムとラウリルラクタムとの重縮合体。主にして接着剤に使用される。

◎長さ
 長さの単位メートルは、初め地球の子午線の長さに基づいたメートル原器として実現した。このメートル原器は1889年の第1回度量衡総会において国際的に採用された。その後、1960年にクリプトン86原子のスペクトル線の波長を用いて定義することになったが、レーザ技術の発展により、1983年に真空中の光の速さを用いた定義に変更され、より高精度の標準となった。

・波長・光周波数の国際比較
 実用性の高い長さ標準として国際的に勧告されている、よう素安定化ヘリウムネオンレーザおよびメタン安定化ヘリウムネオンレーザの国際比較が、当所と国際度量衡局(BIPM)などの機関との間で行われ、長さ標準の国際的な整合性が10-10より良い精度で確認されている。

◎ナシ(pear)(1998年2月28日)
 ナシはバラ科ナシ属の落葉高木。日本ナシ、中国ナシと西洋ナシがある。原産地はアジアからヨーロッパまで広範囲で、各地に特有種がある。

◎ナス(米:eggplant、英:aubergine)(1999年12月4日)
 原産地のインド東部から中国を経て日本に渡ってきたのは、8世紀頃。現在、日本で栽培されているのは、約20種類。海外には緑色や白色のナスもあるらしい。ナスのアクの成分は100℃以上で数分間加熱すると甘みに変化する。
 ナスにはナスニンという紫色の色素があり、これが抗酸化作用をもっている。壊れた遺伝子を修復する役割も持つことが知られており、このガン予防物質は熱につよく、しかも油で炒めることによってナスニンの吸収がよくなる。
 新鮮なナスは、へたのトゲがチクチクする。首が太く、へたに何本もすじがあるものがおいしい。首が細いのは早採りで味が落ちる。水分が蒸発しやすいのでラップに包んで8~12℃で保存する。1週間以上も冷蔵庫に置くと低温障害を起こす。良いナスは、持つとしなやかで弾力がある。悪いナスは、つやが悪く、大きさの割に軽い。
 ナスの熱量は100グラム当たり18キロカロリーと低く、脂肪分を吸収しやすい。最近では、発ガン性物質を抑える効果も注目されている。
 方言で「なすび」と呼ぶのは中部地方(北陸、岐阜、愛知)より西で、「大鏡」にも「なすび」が登場している。

◎捺染(なっせん)(textile printing)
 模様をプリントして染色することを捺染(なっせん)という。捺染には直接法、防染法、漂白法の3つの方法がある。直接法は、まず模様のデザインを銅製のローラーにエッチングし、のりやゼラチン、あるいは合成ポリマーをつかってペースト状にした染料を、エッチングした面にぬり、圧力をかけて織物にうつす。直接法には、ペースト状の染料をスクリーンにかけて捺染する方法もある。これは、スクリーン印刷の技術を応用したものである。

◎ナツメグ(Nutmeg)(1996年7月9日)
 甘くて刺激的な香りと渋みをもっている。肉や魚の臭みを消し、うまさを引き立てる(香り付け)。挽き肉料理に相性が良く、ハンバーグには欠かせない。バーベキューなどにも用いる。(臭み消し)かなり強い香りなので、少量で良い。

◎ナフサ(naphtha)
 石油化学の出発原料。原油を常圧蒸留した際、沸点範囲が30度cから170度c位の温度範囲で得られる軽質留分がこれに該当する。蒸留範囲の違いによって軽質ナフサ、重質ナフサ、この両者を含むフルレンジナフサに大別される。これらの留分は揮発油でもあり、粗製ガソリンとも呼ばれる。比重は0.7前後。液体。

◎ナフサ分解(naphtha cracking)
 エチレン等の石油化学基礎製品を生産する方法で800℃程度に加熱されている管状炉中に原料ナフサを水蒸気と共に通して熱分解する。

◎ナフテン系炭化水素(naphthenic hydrocarbon)
 cnh2n分子が環状に配列した飽和炭加水素の総称である。例えばシクロヘキサン、シクロベンタン等をいう。

◎二塩化エチレン(ethylene dichloride:EDC)
 塩化ビニルモノマーの原料をはじめ、溶剤、抽出剤等に使用される。エチレンと塩素を原料として製造される。液体。

◎二酸化ケイ素(Silicon Dioxide)
 ケイ素の酸化物で工業などでは通称シリカといい、無水ケイ酸のことである。さまざまな鉱物や砂として地球の地殻では約12%を占める。無色又は白色の固体。シリカゲルの形では乾燥剤として、家庭用食品などにもつかわれている。微粉末状シリカは、スクリーンインキ原料として、艶消剤や腰切剤(チキソ剤)として使用される。

◎二軸延伸(biaxial orientation)
 フィルムやシートを融点以下の温度で、縦方向と横方向に引き伸し、分子を二軸配向させる操作をいう。この操作を行うと縦横の引張り強さが著しく増大し、強靭な製品ができる。代表的な例として、二軸延伸ポリスチレンシートや二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)があげられる。

◎ニッケル(nickel)(2000年12月18日、化工日報)
 Ni。原子番号28、原子量58.69。鉄属に属する金属元素。天然には硫黄、ヒ素、アンチモンと結合して産する。銀白色金属。融点1455℃、沸点3075℃、比重d25=8.845、硬さ3.8。鉄と同じく展性、延性に富む。強磁性であるが、鉄より弱い。空気、および湿気に対して鉄より安定で酸化されにくいが、酸には溶ける。微粉は発火性がある。
 メッキ、貨幣、器具の製造、ニッケル鋼、ニッケルクロム鋼、ステンレス鋼、耐熱鋼、磁石鋼、洋銀、白銅など各種の合金成分として用途が広い。水素添加の触媒、真空管材料としても重要。
 住友金属鉱山は、積層セラミックコンデンサ(MLSS)の内部電極用ニッケル超微粉の生産能力を20ton/月から40ton/月にアップする。別子事業所磯浦工場(愛媛県)で2001年5月稼動を予定。
 従来、内部電極材料にはパラジウム系が多く使われていたが、レアメタル相場の高騰により、安価で多層化にも対応しやすいニッケル超微粉へのシフトがすすんでいる。
 同社は、80年代中盤に同市場に参入、原料からペーストまで一貫生産する強みを生かし、実績を積んできた。湿式法をベースに乾式法を組み合わせた独自プロセスで製造する。

・超微粉ニッケル(日刊工業新聞、2000年3月23日)
 ペーストが積層セラミックスコンデンサ(MLCC)の電極材料に使われる。ペースト原料の超微粉ニッケルは、川鉄鉱業と東邦チタニウムも製造しているが、ペーストまで一貫生産しているのは住友金属鉱山のみ。

◎ニトロセルロース(Nitrocellulose)
 硝酸繊維素、綿薬、硝化綿などともよばれる有機化合物。きわめて燃焼しやすい物質。化合物としては不安定で、綿火薬などにもちいられる。外観は原料のセルロースに似ていて無味、無臭。ニトロ化合物ではなく硝酸エステルである。そのままで爆薬にしたり、ショウノウと混合してセルロイドの原料となる。かつてのシャルドンネ人絹はニトロセルロースを原料としたレーヨンであった。窒素量が13%前後のものを強綿薬といい炸薬として使い、10~12.75%のものを弱綿薬といいダイナマイトや無煙火薬、ラッカー、塗料などに、10%以下のものを脆綿薬といい、かつてはセルロイドに利用した。

◎日本薬局方(にほんやっきょくほう)
 日本国内の医療に供する重要な医薬品の品質・強度・純度などについて定めた基準。薬事法に基づき厚生大臣が制定する。局方。薬局方。

◎乳酸(1997年1月8日、朝日新聞)
 筋肉がエネルギーを出す方法には、持久力に有効で酸素を必要とする有酸素的反応と、一気に力を発揮するときに有効で酸素が不要な無酸素的反応がある。乳酸は無酸素的反応で、グリコーゲンを分解したときに副産物として生成される。濃度が血液1ml中に4ミリモル(360mg)を超えると、それ以上、激しい運動を続けられなくなるという。乳酸の濃度がこの上限値の半分(2ミリモル)程度になるトレーニングを続けると持久力が増すことが広く知られている。
 乳酸は、筋肉や血液の中に蓄積される。その後、肝臓などに運ばれてピルビン酸やグリコーゲンに再び変換される。ピルビン酸は酸素があればエネルギー源として使われ、二酸化炭素と水になる。
 無酸素的運動では乳酸が増えるが、呼吸で酸素が十分に供給されると乳酸は徐々に分解される。持久力と筋力の両方が必要となれる狭義では、このバランスが重要とされる。

◎乳酸脱水素酵素(1996年8月10日)
 ヒトは肝臓や筋肉に蓄えたグリコーゲンを分解して、エネルギー源にしている。この過程で出てくるピルビン酸を乳酸に変えたりする際、触媒として働くのが乳酸脱水素酵素(LDH)だ。
 体中の細胞に含まれているため、心臓、肝臓など臓器に関係なく体の中の組織が壊れると、普段より多く血液中に漏れ出てくる。このため、血液中のLDHの量を調べれば、体に異常があるかどうかを知ることができる。しかもLDHには構造が少しづつ異なった5つの型があり、臓器ごとに含まれる割合が異なるため、どのタイプが多いかを調べれば、異常を起こしている臓器を特定することもできる。
 ただし、測定法が2種類あるため注意が必要である。ピルビン酸を乳酸に変える能力は200~400IU、乳酸をピルビン酸に変える能力は100~200IUが通常の値。最近では後者を測定することが多い。

◎ニュートリノ(neutrino)(1996年1月19日)
 中性微粒子。主に、他の素粒子が崩壊するときに作られる素粒子。重さはゼロか極めて小さく、電気的には中性。電気量を持たないため、弱い相互作用しかなく、物質の中でも妨げられにくく、長い距離を進むことができる。

◎尿素(urea)
 肥料または尿素樹脂原料であるアンモニアと炭酸ガスを原料とする。

◎尿素樹脂(urea resin:UF)
 ユリア樹脂。

◎ニンジン、人参(carrot)(1997年5月29日)
 ニンジンは、パセリと並んでカロチンを多く含む。カロチンは脂肪に溶けやすく、体内に入るとビタミンAに変わり、目やのど、肺などの粘膜を守るのに役立つ。

◎二次側圧力(secondary pressure)
 (機械)機器の出口側圧力。

◎ニンニク、大蒜(garlic)(1996年9月29日)
 ニンニクは中央アジアが原産地とされるユリ科の多年草。日本には中国、朝鮮を経て入った。大蒜(おおひる)と呼ばれたが、仏教用語の「忍辱(にんにく)」になった。
 ニンニクは種子ができない不稔性植物のため、種球から栽培しているが、鹿児島大学の農学部で種子採取に成功し、実用化に向けて研究が進められている。
 青森県天間林村などで栽培される主な品種は「福地ホワイト六片種」といい、突然変異により青森県福地村誕生した。中国産などの一球に九片前後ある品種に比べ、一片が大きく、ふくっらしているうえ、糖度が高い。
 このニンニクは使う前に紫外線にあてるといったストレスを外部から与えることにより、発ガン物質の抑制効果のあるアリルイオウ化合物やアリキシンが増加する。

◎ヌケが悪い(Ink doesn't go through the mesh easily. )
 ①感光製版工程で、水洗現像の際に絵柄がきれいに現像されないこと。
 ②スクリーン印刷の際に、インキのスクリーン通過性が悪く、一部目詰まりする状態。

◎濡れ(wettability)
 材料の表面がほかのものとなじむかどうかという尺度を表すのが接触角である。完全に濡れる時の接触角は0度であり、全く濡れない時の接触角は180度。

◎熱(heat)
 温度が異なる2つの物体が接触するとき、高い温度の物体から低い温度の物体に移動するエネ
ルギーのことである(単位はジュール:J 、またはカロリー:cal)。
 食品のエネルギー量の単位は、Calである(これもカロリーと呼ぶ)が、1Cal = 1kcal = 1000calであり、異なることに注意が必要である。

◎熱可塑性エラストマー(thermoplastic elastmer:TPE)
 常温では、ゴムの特色を持っていますが、高温では、その名のとおり、熱可塑性プラスチックと同様、軟化して圧縮、押し出し、射出などプラスチック加工機で容易に成形することが可能です。架橋が不必要で、成形サイクルが短く、他のエラストマー(ゴム)では、ほとんど出来ないリサイクルが可能なため、近年よりの風潮である資源の再利用化と一致し、需要が伸びている材料です。第3の高分子材料とも言われている。
 種類は多岐にわたり、主成分によってオレフィン系(TPO)、スチレン系(TPS)、エステル系(TPEE)、ウレタン系(TPU)、アミド系(TPEA)、塩化ビニル系(TPVC)等がある。ただし構造上、熱可塑性プラスチックの要素をもっているため一般の架橋ゴムと比較して、ゴムらしさが不足気味で、永久ひずみが大きく、温度上昇による物性の低下が急激に進み、高温化では塑性変形を起こす。
 TPEの歴史は古いが開発・改良の余地は多く、他ポリマーとのブレンドによりプラスチックへ弾性を付与する方向、加硫ゴム分野への適用、耐熱性等の物理的性質を改良した新規グレードの開発といった3つの方向で市場開拓が進められている。すでに市場で一定の評価を得ているものとしては、PP-EPDMブレンドのTPOがあり、自動車バンパー用に大量消費されている。

◎熱可塑性樹脂(thermoplastic resin)
 高分子量の有機化合物で、加熱によって軟化し可塑性を持つようになる高分子物質で、通称プラスチックスの大部分を占める。代表的なものに、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、ポリエチレン、ポリプロプレン、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂などがある。

◎熱可塑性ポリエステル
 ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの結晶性樹脂。

◎熱硬化性樹脂(thermosetting resin)
 熱または触媒などで化学反応が起こり、硬い三次元網状構造を持った高分子となるもの。硬化物は熱を加えても軟化することはなく、より高温に加熱すれば分解する。フェノール樹脂、メラミン樹脂等がこれに属する。

◎根付(1996年1月19日)
 江戸時代の男性の装身具であった印篭、たばこ入れなどを帯に挟む時、落ちないように紐の先に付けた留め具のこと。手のひらに収まるほどの大きさであるが、素材、形状などは多種多様。
 根付が一般に広がったのは江戸時代中期の17世紀後半から18世紀前半。たばこ栽培の規制緩和によって喫煙者が増加し、たばこ入れが普及したことが大きな要因と考えられる。明治になって洋風化が急速に進むにつれて根付は実用性が失われ、大量に海外に流出した。明治以降は主に、輸出用に制作され、コレクターや研究書は国内よりも欧米の方が多い。

◎燃焼(combustion)
 光と熱の発生を伴う化学反応(発熱反応)をいう。ほぼ一定の圧力下で反応が進行する。一般的には可燃物質と酸素(O2)との反応で起こる。燃焼は一般に気相中でおこり、高温部を炎という。炭(炭素)のように炎を伴わない燃焼もある。生体内の酸化反応も燃焼ということがある。

◎粘弾性(viscoelasticity)
 流動体の粘性と弾性をあわせて粘弾性という。

◎粘着剤(pressure‐sensitive adhesive)
 物を「つける」材料には、粘着剤と接着剤がある。粘着剤は液体と固体の両方の性質を持ち、常に濡れた状態を安定して保っているが、接着剤は使う前は液体で、貼り付けた後に固体になる。英語では、ともにadhesiveで、特に粘着剤を強調する時にpressure‐sensitive adhesive (感圧接着剤)と呼ぶ。貼った後に剥がれない永久粘着剤と、貼った後に剥がせる再剥離粘着剤がある。

◎粘度(viscosity)
 流動体の粘性の度合い。粘度の単位は、以前はg/cm・sでポイズ(P)で表したが、現在使われているSI単位系ではPa・sまたはg/cm・s
 1g/cm・s =1P
 1/100 P =1cP
 常温(20℃)の水の粘度は、ほぼ1cP
 空気の粘度は0.018cP

◎粘度計(viscometer)
 流体の粘度の測定に使用する計器。回転板粘度計、B型粘度計、ブルックフィールズ粘度計、スパイラル粘度計、平行板粘度計などがある。

◎粘板岩(slate)
 頁岩(けつ岩)が強い圧力を受けてできたもので、一定の面に沿って板状に剥離するような性質を持ち、一般的には砕石に不適当といわれているが、古い時代の粘板岩で固結度も高く、また剥離する板状の厚みも厚いものは砕石として十分使用される。

◎濃度計、デンシトメーター(densitometer)
 写真フィルムや印刷物などの濃度を測定する計器。照射光と反射光(又は透過光)との比率から計算される濃度値を、目盛りで直読できるようになっている。透過光測定専用のものは透過濃度計という。濃度計の種類が異なると、測定値には若干の差が生ずる。

◎のし(1996年1月19日)
 熨斗は熨斗鮑の略。鮑を伸ばして用いたことから熨斗鮑と称されました。四方を海に囲まれた日本では、昔から海の幸に恵まれ、特に鮑は重要な食物で神事のお供え物として用いられてきました。鮑を平たく伸ばした後かつらむきに長く切りのばしむしろの上で天日干しにした熨斗鮑は、栄養価が高く長持ちすることから中世には武家の出陣や帰陣の祝儀に用いられ、戦場の貴重な保存食ともなりました。江戸時代には長生き長持ちの印と重宝がられ、祝事や慶事の儀式に高価な贈答品として用いられるようになり、時代の移り変わりと共に熨斗鮑を和紙に包んだ形を「のし」と称して贈答品に添える風習が根付きました。
 尚、贈答品が生物(鮮魚・精肉・鰹節など)の場合と、弔事全般、病気見舞い、災害見舞いなどには、のしは付けないことになっています。

◎ノニルアルコール(nonyl alcohol)
 可塑剤、香料、界面活性剤等の原料。ノナノールともいう。イソノニルアルコールも同種の製品。これらは、イソブチレンあるいはノルマルブテンの二量化で得られるジイソブチレンあるいは混合オクテンのオキソ化によって得ることができる。液体。

◎ノニルフェノール(nonyl phenol)
 界面活性剤の原料として使用される。プロピレンの重合体であるノネンとフェノールを原料にして製造される。液体。

◎ノネナール(1999年10月15日)
 体臭対策に配慮した商品が増えている(日経10月14日)。ワイシャツやスポーツウェア、ショーツやパンティーストッキング。
 きっかけとなったのは化粧品メーカーによる加齢臭の原因解明。中高年特有の体臭の原因はノネナールという成分にあることを発見、その生成を抑えるボディシャンプーや汗ふきシートなどを開発したところ、予想以上の売れ行きとなった。
 中高年の皮膚中には若い人にほとんど存在しない脂肪酸9-ヘキサデセン酸がある。これが酸化分解されたり、皮膚常在菌によって分解されることで発生するのがノネナール。オジサン臭の正体だ、なんて話題になったことは記憶に新しい。
 香水をふりかけて積極的ににおわせることをマナーとする欧米に比べ、日本では昔からにおわないことをよしとする文化があった。「くさい」「鼻につく」などにおうことに関係する言葉には否定的なニュアンスがある。
 現在の体臭防止商品もその延長線上にあるといえないこともない。もっとも、なにもかもにおいを消していこうという社会は、それはそれでうさんくさい気もするけれどね。

◎ノーベル賞(1996年1月19日)
 ノーベル(Alfred Bernhard Nobel:1833~1896)の遺言により、1896年に設けられた国際的な賞。基金168万ポンドで、毎年、その利息をもって物理学、化学、医学および生理学、文学、平和事業の5分野に貢献した人に贈る。1901年に第一回の授賞が行われた。1969年に経済学賞を追加した。12月10日にストックホルムで授与される。受賞者には賞状、金メダル、賞金が贈られる。受賞者はノーベル講演を行う義務がある。

◎ノーマルオープン(normally open)
 (機械)2・3ポート切換弁のノーマル位置が開位置(ポート1と2が通じている)の状態。

◎ノーマルクローズ(normally closed)
 (機械)2・3ポート切換弁のノーマル位置が閉位置(ポート1が閉)の状態。

◎ノルマルパラフィン(normal paraffin)
 アルキルベンゼン、高級アルコール、可塑剤等の原料。灯軽油から分離抽出される炭素数10~15程度のパラフィン系炭化水素。液体。

◎『ノンカロリー』のカラクリ(2000年8月15日、毎日新聞)
 厚生省の栄養表示基準によると、『ノンカロリー』を表示できる飲料は、100ミリリットル当たり5キロカロリー以下、『低カロリー』や『カロリーオフ』などを表示できるのは、同じく20キロカロリー以下と定められています。
 つまり、まったくゼロでなくても『カロリーゼロ』を表示できるうえ、100ミリリットルを基準にしていることから、例えば500ミリリットル入りのペットボトル1本では、カロリーの総量が5倍になることを忘れてはいけません。

◎背圧(back pressure)
 (機械)回路の戻り側もしくは排気側、または圧力作動面の背後に作用する圧力。

◎バイオリズム(biorhythm)(1997年10月10日)
 バイオリズムは人間が生まれた日から始まる3つの周期によって人の活動のリズムを表す。身体(23日周期)、感情(28日周期)、知性(33日周期)の異なる周期を持ち、高周期と低周期をそれぞれの周期で繰り返し、その周期の変わり目に当たる日を要注意日と呼び、いちばん不安定なコンディションの日であると言われている。
 高周期、低周期というのは高周期が良時期で低周期が悪い時期ということではない。例えば高周期は活動的、能動的なことに向いている時期。低周期は消極的、受動的になる時期といった意味あいになる。

◎配管接続口(port)
 (機械)管を接続するために機器に設けられた接続口で、日本では通常管用テーパねじが用いられる。

◎排気特性(exhaust characteristic)
 (機械)エジェクタの供給圧力を変化させたときの、真空圧力と吸入流量の関係。

◎排水性舗装
 高空隙率(20%程度)の加熱アスファルト混合物を表層あるいは表層・基層に設け、雨水を路側、路肩に排水する舗装。雨天時の車両の走行安全性の向上、交通騒音の低減を目的とした機能性舗装である。バインダー(結合材)として高粘度改質アスファルトが使われる。

◎ハイスチレンゴム(high styrene rubber)
 ブタジエン系合成ゴム(SBR)のうちハイスチレンゴムはスチレンモノマーの含有量の高い(通常は50%以上)合成ゴムをいう。性質は耐摩耗性に富む。固体。

◎ハイドロキシアパタイト(hydroxy apatite)(1999年1月16日)
 ハイドロキシアパタイト(HAp)は、Ca10(PO4)6(OH)2の組成を持つバイオセラミックス。バイオセラミックスとは、生体適合セラミックスのことで、体内に埋め込んでも細胞と馴染み(適合性)が良い無機材料である。HApは、リン酸カルシウムから成り、歯のエナメル質とよく似ている。

◎ハイドロキノン(hydroquinone)
 ベンゼン及びプロピレンを用いてキュメン(イソプロピルベンゼン)を得、これからフェノールを合成する際に副生する2、4-ジイソプロピルベンゼンを酸化して得られる写真現像薬が主な用途で、このほかゴム薬品、染料中間原料等に用いられる。固体。

◎パイロット圧力(pilot pressure)
 (機械)パイロット管路に作用させる圧力。

◎破壊圧力(burst pressure)
 (機械)機器の外壁などが実際に破壊する圧力。

◎破壊圧力(vacuum blow off pressure)
 (機械)真空破壊を行った際の圧力。

◎博士(はくし)(1996年1月19日)
 学術上の優れた研究業績をあげた者に授与される学位。19種類ある。学術、文学、教育学、神学、社会学、法学、政治学、経済学、商学、経営学、理学、医学、歯学、薬学、保険学、工学、農学、獣医学、水産学。

◎爆発(explosion)
 圧力の急激な発生または解放による容器の破裂や、気体の急激な膨張による大きな音と破壊をともなう現象。真空びんの爆発、ボイラーの爆発、火山の爆発などは「物理的爆発」であり、またガス爆発、粉塵爆発、火薬類の爆発などは「化学的爆発」である。化学的爆発は、燃焼や分解などの発熱反応がはげしく行なわれた結果おこるものである。

◎爆発物探知技術(2000年2月10日、朝日新聞)
 日立製作所は、これまで難しかったプラスチック爆弾の検知を可能にする新しい爆発物探知技術を開発した。爆発物からわずかに漏れ出す成分の蒸気をとらえる構造もの。プラスチック爆弾では主成分のヘキソーゲンとペンスリットをキャッチする。プラスチック爆弾の主成分を常温で瞬時に検出できるのは世界でも初めて。空港などの手荷物検査を想定して試作した装置で実験したところ、わずか1~2秒で探知が可能であった。

◎パークロルエチレン(perchloroethylene)
 溶剤、ドライクリーニング用に使用される。エチレンまたはプロピレンを塩素化して得られる。液体。

◎バジリコ(1996年7月9日)
 シソ科のハーブ。トマトと相性が良く、イタリア料理に欠かせない。
 バジルはインドやアフリカなど熱帯原産のシソ科の一年草。和名はメボウキ(目箒)。黒く丸い種を水に浸すと表面がゼリー状にふくらみ、これで目に入ったゴミを取ったからこの名が付いたと言われる。仲間にはブッシュバジルや紫葉のダークオパールなどもあるが、一般にはスイートバジルを指し、卵形のつやのある葉を収穫する。発芽適温が高いので、戸外では5月から8月上旬頃までが種蒔き期。

◎発火点(ignition point, combustion point)
 可燃性物質またはその混合物が発火するのに必要な最低の温度。発火点の値は加熱時間、空気の混ざり方、容器の材質と形状などの条件によって変動し、物質定数ではない。印刷インキでは発火点が問題にされることはあまりなく、引火点の方が重要である。

◎白金(1999年8月10日)
 白金=プラチナではない。プラチナ(Pt)は、金属元素の1つである。プラチナの仲間にはイリジウム、オスミニウム、パラジウム、ロジウムといった金属元素がある。これらの白い金属元素をまとめて、白金と呼んでいる。すなわち、プラチナは、白金族の中の1つの元素である。
 現在では、触媒として様々な分野で利用されており、特に、自動車の排気ガスの汚染物質を分解する触媒としての利用が多い。

◎バックライト(backlight)
 液晶ディスプレイの視認性を良くするために、液晶の背後から照らす照明のこと。ELバックライトやFLサイドライトなどの種類がある。ディスプレイの各場所が均一の明るさになるように使用する調光板の印刷にスクリーンインキが使用される。

◎発酵(1996年7月9日)
 細菌類、酵母類、糸状菌類(カビ類)、藻菌類そのものか、あるいはその酵素類が、有機化合物を生じたり、炭酸ガスや水素、アンモニア、硫化水素のような無機化合物を生じ、なおかつその現象が人間にとって有益となること。
 上記のように定義すると、アルコール発酵や乳酸発酵といった一般的な発酵のみならず、自然界の動植物遺体の微生物による消化も「環境浄化発酵」であるし、汚泥や川のよどみでメタン菌が行う「メタン発酵」なども含まれる。

◎発酵と腐敗(1996年1月19日)
 発酵とは一般に、酵母類、細菌類などの微生物が有機化合物を分解してアルコール類、有機酸類、炭酸ガスなどを生ずる過程。本態は、酵素反応。
 腐敗とは、有機物、特にタンパク質が細菌によって分解され、有害な物質と悪臭のある気体を生ずる変化。くさること。
 つまり、ものが腐った結果が有用である場合を発酵(fermentation)と呼び、有害である場合を腐敗(putrefaction)と呼ぶ。この区別は人間の主観により、科学的な根拠はない。この2つを合わせて、広い意味で腐敗(spoilage)と呼ぶ。

◎撥水性(防水性)(water repellency)
 水をはじく性質。

◎発泡成形法(structual foaming)
 原料樹脂にガスを発生する発泡剤を混入あるいは金型内にガスを直接注入する等の方法により発泡体の成形品を得る成形法。射出発泡成形、押出発泡成形等がある。発泡ポリスチレン、発泡ポリウレタン等を用いたものが代表的であるが、ポリエチレン、フェノール樹脂、エンジニアリングプラスチック等を用いる例もある。

◎発泡ポリエチレン(foamed polyethylene)
 ポリエチレンを発泡させたもので、包装緩衝材、建材、断熱材、自動車部品、浮揚材等に使用される。固体。

◎発泡ポリスチレン(foamed polystyrene:FS、EPS)
 ポリスチレンの発泡体。スチレンモノマーと発泡剤(ペンタン等)を原料として重合し製造する方法と、ポリスチレンに発泡剤を含浸させて製造する方法がある。断熱保冷材、包装材料(トレイ、緩衝材等)、魚箱等に使用する。固体。

◎は虫類(1996年1月19日)
 一般に陸上生活に適した体制を持ち、体はうろこで覆われている。変温性。空気を呼吸し、卵生または胎生。

◎バチルス(Bazillus)(1998年8月8日)
 ドイツ語。桿菌(かんきん)。

◎八角(Star Anise)(1998年8月8日)
 別名、スターアニス。中国料理の代表的な香りと言われる甘い香りを持つ。

◎初雪と初冠雪
 いつ降った雪を初雪というかは、東京のような平地では別に問題になるようなことではありません。その年の冬、最初に降った雪に決まっています。しかし、富士山のような高い山では話が違います。下界でいう夏のさなかに雪が降ることだってあります。
 たとえば、8月10日に雪が降ったら、これは初雪というのでしょうか。確かに、初雪という可能性はあります。しかし、前の冬から続いている雪の最終降雪ということもあり得るのです。
 そこで、判断基準があります。その年の最高気温が記録された後にはじめて降った雪を初雪とするのです。だから、たとえ9月に降った雪でも、その後にその年の最高気温が記録されれば、それは初雪、という称号を剥奪されるのです。
 ちなみに、初雪と初冠雪の違いは知っているでしょうか。簡単に言えば、山頂で観測したか、下界で観測したかの違いです。山頂に測候所があって、観測員が初雪を観測すれば、それは初雪として記録されます。しかし、測候所の無い山では、山頂での観測ができないため、下界から見て、山頂が雪に覆われた時を初冠雪いうのです。したがって、そういう山では、初冠雪の前に、もう既に初雪が降っているという可能性もあるのです。

◎ハドロン(hadron)(1996年1月19日)
 強い相互作用をする素粒子の総称。重粒子と中間子に大別される。自然に崩壊し、最終的には光子、レプトン、陽子とその反粒子に転化する。

◎花火(fireworks)(1996年1月19日)
 打ち上げ花火は、「割物」と「ポカ物」の2種類に分けられる。割物は、爆発時に中心からまんべんなく割れ、大空高く球形に広がり、腹に響く「ドン」という音をさせるもの。日本花火の代表格「菊」など、パッと開いたとき星が引きながら広がっていくのが特徴。
 ポカ物は、爆発した時、張り合わせたところからポカっと割れ、小さく開くもの。開いた時に球形にならない「柳」や「椰子」、文字や蝶などの絵柄や、一度に何本もの筒を並べて一斉に打ち上げる連発式花火、いわゆる「スターマイン」などがある。割物やポカ物は、日本独自の技術で作られた。
 花火を見るとき、「たまや」、「かぎや」などのかけ声をかけることがあるがこれは、花火師の屋号。今の日本橋横山町に鍵屋が開業し、後に鍵屋から玉屋が分家し、開業した。それ以来、鍵屋と玉屋は両国橋を挟んで技を競い合った。

◎バニラ(1996年1月19日)
 英語ではvanilla、スペイン語ではvainilla。バニラはラン科のつる性の植物。多年生。熱帯アメリカ原産。春に花が咲き、夏に太さが小指大、長さ15~25cmの果実をつける。果実の形が豆のさやの様な形であるため、バニラビーンズと呼ばれる。インド洋に浮かぶマダガスカル島で世界のバニラの70%を生産している。1本のバニラから採れるさやは、約100本。青いさやは、バニラの甘い香りはしない。さやを湯に浸して、箱の中で1昼夜ねかせて発酵させる。この後1週間程度、日光に当てる作業を繰り返し、さらに半年間、風通しの良い場所で熟成、乾燥させることによって、ようやくバニラ特有の香りが生まれる。

◎ババロア(bavarois)(1996年7月9日)
 フランス語。牛乳、卵黄、砂糖、ゼラチン、香料を混ぜ合わせ、型に流し込んで冷やし固めた菓子。

◎ハーブ(herb)(1996年7月9日)
 薬草、香味料とする草の総称。

◎パフェ(parfait)(1996年7月9日)
 フランスの菓子。フランス語ではParfait(パルフェ)。パルフェは、もともとはモカの香りをつけたアイスクリームを指していた。現在ではアイスクリームに生クリーム、シャーベットなどを重ね、シロップ、果実、木の実を添えた菓子。

◎ハーフトーン(halftone)
 1)絵や写真で調子が暗部と明部との中間の部分、2)網点再現物のこと、3)印刷物における色の階調表現。網点の大きさで色の濃淡を表現する網点法(写真、印刷など)と一定の大きさの網点の位置や並び方を変えて表現するディザ法(ディスプレイなど)がある。

◎ハーフトーンインキ(halftone ink)
 プロセス印刷(カラー分解印刷)用のインキ。イエロー、マゼンタ、シアンの3原色とブラック、メジウムがあり、網点印刷にて使用する。

◎パプリカ、唐辛子(paprika)(1996年7月9日)
 ハンガリー語。辛くないタイプの唐辛子の赤い粉。サラダやオムレツ、煮込み料理などの彩りとして用いる。(色付け)

◎ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Spase Telescope)(1999年3月3日)
 ハッブル宇宙望遠鏡は口径2.4メートルの反射鏡を備えた望遠鏡衛星で全長13.4メートル、重さは11.6トンある。望遠鏡の両側には幅2.4メートル、長さ12.1メートルの太陽電池パネルが装備されている。1990年4月24日にスペースシャトル・ディスカバリーによって、近地点高度614キロ、遠地点高度623キロの軌道に乗せられたが、主鏡の焦点が合わないことが分かった。1993年12月1日にスペースシャトル・エンデバーを打ち上げ、この望遠鏡衛星の大修理作戦が行われ、修理は大成功。その後は素晴らしい写真を送ってきている。地上の観測と違って、大気の影響を受けないので、より詳しい観測ができる。
 この望遠鏡衛星は地上から見るとときどき明るく輝く事がある。これは太陽電池板もしくは衛星船体が太陽の光線を反射して見えることがあるからだ。この写真は偶然に増光したところを捕らえたものだ。この明るくなった時は金星ぐらいの明るさになることがあるので気をつけて。

◎バーベキュー(Barbecue)(2002年3月3日)
 そもそもバーベキューはネイティブアメリカンの言葉。野外で肉などを調理すると言う意味のスペイン語の「バルバコア(Barbacoa)」がスペイン人によって広まり、世界的な言葉になったと言う。

◎ハム(ham)(2000年7月9日)
 日本でハムが本格的に作られるようになったのは明治以降のことで、1872年、長崎で作られたのが最初とされる。もっとも一般に日本のハム作りの元祖といえば鎌倉ハム。神奈川県でイギリス人カーティスが始めたものを斉藤満平が受け継ぎ、製造をはじめたもの。
 現在の日本のハムはドイツタイプのものが主流だ。第一次世界大戦中、中国の青島にあったドイツの軍事拠点を日本が攻略したのち、日本に強制連行されてきたドイツ人捕虜たちが広めたという。ローマイヤやケテル、ボルシュケたち。
 このとき日本に残留した人たちによって広められたドイツの味は他にもある。フロインドリーブが伝えたドイツパン、ユーハイムが伝えたバウムクーヘン。
 これから夏に向けて、生ビールがおいしい季節。ジョッキ一杯のビールとともに楽しむソーセージがあるのも、元捕虜たちのおかげだ。彼らが伝えた味に、今度はぼくたちがとりこになっている。なんだか奇妙なめぐりあわせではある。

◎ハムとソーセージ(1999年12月28日)
 豚肉を塩漬けして、薫製、湯煮などして加工したものをハムと言い、そのうち加工していないものを生ハムと言う。ボンレスハムはもも肉、ロースハムは背中の肉、ショルダーハムは言葉そのまま肩肉から作る。
 ソーセージは、肉を袋状に包み込んでいるのが特徴。製造方法はハムと同じなのだが、豚肉のほかに牛肉、羊肉、レバー、血液も原料としている点がハムと異なっている。
 ちなみにソーセージは太さによって種類が分かれ、20mm未満がウインナー、20mm以上36mm未満がフランクフルト、ボロニアは36mm以上と決まっている。これはソーセージ?それともウインナー?なんて、悩んだことはあるのではないだろうか。それが、実は同じ物だったとは...。

◎パラキシレン(para-xylene)
 混合キシレンに10~20%含まれており、これを抽出して得る方法と、同じく混合キシレンに含まれるo-キシレン、m-キシレンの異性化によって得る方法がある。テレフタル酸、DMTの原料に使用される。液体。

◎パラジウム(palladium)(1999年1月16日)(7)
 Pd。原子番号46、原子量106.42。白金属元素の一つ。白金鋼、金、銀鋼中に含まれる。融点1555℃、沸点2200℃、比重d20=12.03。延性は白金よりやや劣るが、展性は白金よりやや大。白金より安価で軽いので、各種の合金として用いられ、自動車の排ガス浄化のための触媒(パラジウム黒、パラジウム海綿)、陶器の黒色顔料などの用途がある。また、歯科用の器具や、歯の詰め物として使用されている。
 主産国は、ロシア。日本では、ほとんどがロシアからの輸入。

◎パラフィン系炭化水素(Paraffinic Hydrocarbon)
 CNH2n+2炭素が鎖状に並んでいる飽和炭化水素でメタン、エタン、プロパン等がその代表例

◎バラン(1999年12月28日)
 お寿司の詰め合わせなどに入っているギザギザの緑の仕切り。ガリの横に添えてあったり、幕の内弁当、その他各種弁当の中で仕切りに使われているあの緑の仕切り、いったいなんていう名前なのでしょうか。
 これは、もともとは蘭の葉で作っていたので、バラン(葉欄)と言います。食品衛生上の問題や手間などから、現在はほとんどフィルム製品になってしまい、よほどのことがない限り、蘭の葉を実際に使ったバランにはお目にかかれません。ちまきの笹の葉なども同様です。
 こういうコピー商品は仕切り、菊の花、などの装飾品にとどまらず、食品そのものにも及んでいます。古くは雁の肉に味を似せた「がんもどき」。最近の代表的なのは、カニの味をくわえたカマボコの「カニカマ」。これはイギリスの大臣が「詐欺だ」と怒り狂い、国際問題に発展しかけたほどのヒット商品ですね。それから意外に気づいていないのが、イクラもどき。サラダ油とナントカを使って、本物と見分けのつかないぐらいに精巧に出来ています。味も、よほど舌の肥えた人にしか、違いが分からないようで、安いお寿司屋さんで使われているイクラは、ほとんどがこれ。ショック?

◎バリ
 成形材料が金型の間隙に流れ出して固化した部分をいう。

◎バリウム(Barium:Ba)
 原子番号56、融点714℃、沸点1640℃、密度3.51。天然に遊離の状態では産しない。主要鉱石は重晶石(BaSO4)および毒重石(BaCO3)である。金属バリウムの製法は、一般に酸化バリウムとアルミニウムの混合物を真空中1200℃に熱してつくるが、酸化バリウム水溶液を水銀を陰極として電解し、生じたアマルガムから水銀を蒸発させても良い。銀白色の柔らかい金属。化学的性質はアルカリ土類金属の1つでCaおよびSrと似た性質を示すが、それよりも激しい。
 空気中で熱すれば燃えてBaOとBaO2を生ずる。その他、条件により窒化物、ハロゲン化物、炭化物等をつくる。水銀とはアマルガムをつくる。酸には易溶である。
 用途は以下の通り。
①金属バリウム
 ゲッター材料(金属あるいは、BaAl4)。
②炭酸バリウム
 特殊光学ガラス、ブラウン管、陶器、ガラス繊維、フェライト、コンデンサー。
③沈降性硫酸バリウム
 ゴム、塗料、印刷インク、ガラス脱泡剤、製紙、レントゲン造影剤、放射線防壁。
④塩化バリウム
 焼入剤、製紙、試薬、医薬、皮なめし、レーキ顔料。

◎バリデーション(validation(1999年4月16日)
 バリデーションとは、製品の検査を行う上でそのシステムが有効であるかを示す証を得ること。初めに設計された品質と同じ品質の製品を製造するための保証を得るために導入されたシステム。「ある工程が、あらかじめ設定した規格や品質特性に適合した製品を、恒常的に生産できるということを高度に保証する証拠を文書で示すこと」と定義されている。
 品質保証の基本原則は、使用目的に適した製品を製造することである。このためには、
(1)品質、安全性および有効性は製品の中に設計され、作り込まなければならない。
(2)品質は最終製品(END PRODUCT)の試験検査だけで保証することはできない。
(3)それぞれの製造工程は、最終製品が全ての品質規格および設計規格に適合する確立を最大にするよう管理されなければならない。
 の3つの考え方が必要である。
 プロセスバリデーションは、このような品質保証という目標が達成されたことを保証するための重要な要素となっている。

◎バルク(bulk)(2008年9月18日)
 製造業で「バルク」と言えば、「リテール(retail:小売)」の対語として用いる。一般の市場でお客様が購入する包装まで終了しているものをリテール、それ以前の状態をバルクと言う。

◎パレートの法則(1995年8月28日)
 世の中の現象は一様に分布しているのではなく、偏った分布をしている。」所得分布に関して、イタリアの経済学者パレートが発見した法則。つまり、2割の人々の所得で、社会全体の所得の8割程度を占めるということを意味している。
 その後、類似のことが多くの対象に成り立つことが分かり、パレートの法則は広く応用されることになった。これは、2-8の法則とも呼ばれる。
 例えば、車の部品の内、故障しやすいのは部品全体の2割程度であり、この故障が故障全体の8割を占める。
 使う書類の8割は、保存している書類の2割に集中する。

◎パン(1996年7月9日)
 日本語の「パン」という言葉は、ポルトガル語の「パン(pão)」に由来する。パンを大別すると、発酵したドウ(dough:穀物の粉に水を加えてこねあげたもの)を焼いたものと、無発酵のまま焼きあげたものの二種類に分けられる。
 発酵パンの発生は、小麦の食べ方の歴史を段階的にたどるとよく分かる。約1万年前に、まず小麦が栽培され、それを粉にして食べていた(粉食期)。次に、これに水を加えて粥状にして食べるようになった(粥食期)。さらにその粥状のものが、熱い灰や焼石にこぼれて焼け焦げたものが美味で、食後感の良いものであることが分かり、平焼きにして食べ始めた(平焼きパン期)。そのうちに平焼きパンの粥を放置しておいたものに酵母が侵入し、発酵を起こした。これを焼いて食べたところ、それまでにない風味を持ち、その上消化がさらに良いパンができた(発酵焼きパン期)。これが、今日のパンの発生過程であろう。メソポタミアにおいて、今から6000年前に平焼きパンがあったと言われ、古代エジプトではそのメソポタミアの影響を受け、中王国時代(前22~前18世紀)には発酵パンが作られていた。
 中国の麦作地帯には、発酵蒸しパン「饅頭(まんとう)」と、無発酵・発酵の両方が混在する「餅(ぴん)」がある。インドやパキスタンの麦作地帯(パンジャーブ地方)には無発酵の焼きパン「チャパーティ」や、発酵させた「ナーン」がある。このナーンは発酵した薄パンで、一晩寝かせたドウの薄板を高熱のカマドの内側壁に貼って焼く。これに調理した野菜や羊肉などを包み、二つ折りや四つ折りにして食べる。ドウを発酵させ、焼いて食べるという点でヨーロッパのパンに似ている。中東ではナーンをさらに薄くして鉄板で焼いた「タンナワー」、カマドの底で焼いた「バラディー」があり、エチオピアには発酵パンの一種「インジェラ」がある。

◎斑(はん)岩(porphry)
 花崗岩と同時代の深成岩で底盤や岩株を形成することが多い。主に斜長石と角閃岩からなり、輝石や黒雲母を含むこともある。

◎半深成岩(hypabyssal rocks)
 マグマが地殻の比較的浅いところ、すなわち冷却条件が噴出岩と深成岩の中間位置で岩盤の比較的狭いところで固結したものをいう。

◎半導体(1996年1月19日)
 鉄や銅などのように電気が流れやすいもの(導体)と、硫黄やゴムのようにほとんど電気を流さないもの(絶縁体)の中間の電気電導率を持つ物質。低温ではほとんど電気を流さないが、高温になるに従い電気電導率が増す。珪素、ゲルマニウム、セレンや重金属の酸化物の類。整流器、トランジスター、光電池などに利用されている。

◎万有引力(universal gravitation)
 質量を持つすべての物体の間に働く引力。2つの物体(質点)の間の力は、それらを結ぶ直線に沿い、相手への向きに働く。その力の大きさF は、2つの物体の距離の二乗に反比例し、それぞれの質量に比例する。1665 年、ニュートンは、地上の重力と天体運行を決める天体間にはたらく力を統一するためにこの法則(=万有引力の法則)を発表した。現在は「重力」という言葉を用いることも多い。

◎汎用樹脂(general-purpose resin)
 一般的には、価格が安く、加工容易な熱可塑性プラスチックで、広く工業用から日用品雑貨に至るまで使われているプラスチックをいう。一般の包装材料・雑貨・家庭用品など幅広い用途に使われる合成樹脂の総称。低密度・高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、熱可塑性塩化ビニル樹脂の五つをさす場合が多い。汎用プラスチック。
 代表的な汎用樹脂に、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル(メタクリル酸)樹脂などがある。

◎はんれい岩(gabro)
 火成岩の一種。斜長石および輝石からなり、ほとんどが磁鉄鉱またはチタン鉄鉱を含んでいる。一般にひび割れが多く風化しやすいものが多いので、砕石としては不適当なものが多く、むしろ墓石などの石材として使われる場合が多い。いわゆる黒ミカゲと称するものはこれに属す。

◎火、炎(1998年8月16日)
 赤く見える炎の温度は600℃以上。オレンジ色なら800℃くらい。

◎光ファイバー(optical fiber)(2006年6月16日)
 ガラスやプラスチックの細い繊維でできている、光を通す通信ケーブル。非常に高い純度のガラスやプラスチックが使われており、光をスムーズに通せる構造になっている。
 光ファイバーを使って通信を行なうには、コンピュータの電気信号をレーザーを使って光信号に変換し、できあがったレーザー光を光ファイバーに通してデータを送信する。
 光ファイバーケーブルは、電気信号を流して通信するメタルケーブルと比べて信号の減衰が少なく、超長距離でのデータ通信が可能である。また、電気信号と比べて光信号の漏れは遮断しやすいため、光ファイバーを大量に束ねても相互に干渉しないという特長もある。
 光ファイバーで実現できる通信速度は従来のメタルケーブルと比べて段違いに速く、既に研究室レベルでは1Tbps(1000Gbps)以上の転送速度を実現した例が報告されているほか、さらに高速化を目指した研究が盛んになっている。
 光ファイバーケーブルは用途に応じて大きく2つに分けられ、ガラス製で高速転送に対応するが取り回しが難しいシングルモード光ファイバー、プラスチック製で転送速度は落ちるものの扱いが簡単なマルチモード光ファイバーがある。
 シングルモード光ファイバーは主に都市間の長距離通信やインターネットの基幹ネットワークなど、シビアな性能が要求される分野で使用されている。
 一方、マルチモード光ファイバーはLANケーブルやAV機器のデジタル入出力ケーブルなど、家庭や一般のオフィスでよく使用されている。
 ちなみに、漏れる光をシールドしない光ファイバーというものもあり、このタイプはデータ転送には使えないが、「見た目がきれい」なことを生かしてイルミネーションやおもちゃに使われている。

◎ピクルス(pickles)(1996年7月9日)
 未熟の小さなキュウリ、青トマト、小粒のタマネギなどの野菜類を塩漬けし、これを乳酸発酵して作る。

◎非結晶性ポリマー
 透明の樹脂で、分岐が多くポリマーの構造が非常にかさばっており、このため結晶化することができず融点を持っていない。ガラス転移転までの物性の変化が少なく、精密機械部品用の樹脂に適している。耐溶剤性劣る、調色容易、流れ悪い、摩耗比較的大きい、摺動性やや劣る、柔軟・強靭、割れにくい、そり少ない、収縮率小さい、などの特徴を持つ。

・非結晶性樹脂の例:透明
 エンプラ:ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(mPPE)
 スーパーエンプラ:ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリアリレート(PAR)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、熱可塑性ポリイミド(PI)

◎飛行機(1995年10月14日)
 飛行機の座席にはファーストクラス、ビジネスクラス、エコノミークラスの3種類がある。ビジネスクラスの座席は広いし、コート掛け、カバンを入れる箱がある。食事もエコノミーとは異なる。
 ビジネスクラスは、航空会社によって呼び名が異なる。日本航空はエグゼクティブ、英国航空はクラブ、キャセイパシフィック航空はマルコポーロと呼ばれる。

◎比重
 試料の質量と圧力1気圧、4℃において試料と同体積を占める純粋の水の質量との比をいう。

◎ビスケット(biscuit)(2000年3月10日、日本経済新聞)
 ビスケットの語源は「2度焼く」という意味のラテン語、ビスクトゥム・パネム。フランス語のビスキュイやポルトガル語のビスコウトなども同意で、名前のとおり、パンをもう一度焼いて作ったのがビスケットの始まりだったらしい。
 パンそのものははるか1万年以上前から知られている。古代バビロニア時代、長旅に出るときに日持ちをよくするためパンをいったん乾かしてから焼いたといい、そもそもは保存食だったわけだ。
 携帯にもいいことから大航海時代にも活躍。マゼランは世界周航を目指しての旅立ちにあたって、乗組員全員が2年間食べられるだけのビスケットを準備したという。コロンブスも例外ではない。
 日本には鉄砲などと同じく、ポルトガル人によって紹介された。ちなみに、クッキーはビスケットを米国で呼ぶときの言葉だけれど、日本ではどちらの言葉も親しまれている。もともとの伝来に加え、米国からの影響も強かったことを示しているのかもしれない。

◎ビスフェノールA(Bisphenol-A:BPA)
 エポキシ樹脂、ポリカーボネートの原料。アセトンとフェノールを原料とする。固体。
 需要が世界的に急速的に伸びているコンパクトディスク(CD)やOA機器部材などに使用するPC(ポリカーボネート)樹脂とエポキシ樹脂(接着剤など)の原料である。
 三菱化学は、2002年初頭の完成を目標に、年産10万トン規模のBPAの生産設備を建設する。黒崎事業所のPC設備の製造能力を2倍にしたこと、及びPC樹脂で提携している三菱ガス化学鹿島工場で年産7万トンのPC設備が完成すること等を受け、原料のBPA不足が懸念されるため黒崎事業所での新設を決めた。
 千代田化工は、1988年に米国からBPAの製造技術を導入、独自に開発し、CT‐BISA®プロセスとして売り込んでいる。今回の三菱化学黒崎事業所向けのプラントで、国内外合わせ4基目となるCT-BISA®プロセスは汎用グレードPCから高品位の光学グレードPCまで幅広く対応できることが特長である。

◎ビスマス(Bismuth:Bi)
 原子番号83、融点271.3℃、沸点1447℃、密度9.8、モース硬度2.5(20℃)。やや赤みを帯びた銀白色の金属。主に銅や鉛の精錬の副産物として取り出される。
 酸化されやすい金属で、例えば粉末は青みがかった低級酸化物が表面に生じやすい。酸化力のない酸には侵されにくいが、熱濃硫酸または硝酸には溶けて、その塩をつくる。
 生化学的作用を有する化合物が多く、医薬品として用いられる。金属はBeに次ぎ、熱中性子吸収断面積が小さいので原子炉冷却剤として用いられる。
 用途は以下の通り。
①金属工業
 a)低融点合金:Cd、Pb、Sn、In等との合金は低温で溶けるため、自動消火装置の口金、機会加工時のホルダー、ヒューズ、ハンダなどに用いられる。
 b)アルミ添加剤:Pb、Cuとともに快削アルミ棒の添加剤として使用。
 c)可鍛鋳鉄添加剤:可鍛鋳鉄の加工特性向上のために添加される。
②化学工業
 a)医薬品:次硝酸ビスマス、次炭酸ビスマス、次没食子酸ビスマス、三塩化ビスマスなどの形で消化促進剤、収れん剤、抗毒剤などに用いられる。
 b)化粧品:オキシ塩化ビスマスの形で艶出し、汗止め効果がある。
 c)触媒:モリブデン酸ビスマスの形で、アクリロニトリル製造用触媒として使われる。
③電子工業
 a)フェライト添加剤:バリウム・フェライトの電気特性を安定させるため酸化ビスマスとして添加される。
 b)コンデンサー添加剤:チタン酸バリウム磁器コンデンサーの特性向上のため、酸化ビスマスとして添加される。
 c)半導体:ビスマス・テルル熱電素子として計測器へ応用される。

◎砒素(Arsenic:As)
 原子番号33、融点817℃、沸点613℃、密度5.72、モース硬度3.5(20℃)。灰色、黄色、黒色の三種の同位体があり、灰色のものは金属砒素または、α-砒素とも呼ばれ、砒素蒸気を360℃以上で蒸着させると生ずる。空気中では徐々に表面が酸化し、黒変する。加熱すると多くの金属と反応し、砒化物を作る。
 化学的性質は水に不溶、塩酸にも侵されないが、硝酸、王水、熱濃硫酸には酸化され、亜砒酸から砒酸となって溶解する。
 砒素化合物は強い毒性を持っているので、砒素を用いる場合、その酸化や溶解に対して十分な注意が必要である。
 用途は以下の通り。
①金属間化合物半導体
 InAs、GaAsなど金属間化合物半導体合成に使用される。
②赤外線透過ガラス
 砒素の硫化物・セレン化合物は赤外線透過ガラスとして赤外線分光器、赤外線ガス分析装置などの窓材に使用される。
③カルコゲナイドガラス
 As、S、Se、Te、Ge、Sbなどの化合物はガラス化し易く、カルコゲナイドガラスと総称される。このガラスは光導電性、光ドーピングなど特異な性質があり、光メモリー、スイッチング素子、フォトエッチング材料などへの用途がある。
④その他
 普通純度の金属砒素はPbやCuの添加剤として用いられ、加工硬化や耐熱性の向上に効果がある。また鉛-砒素合金は蓄電池用にも使用される。
 工業用の亜砒酸は農薬関係、ガラスの脱泡、消色剤、触媒などに用いられる。

◎皮相電力(volt ampere)
 交流の場合で見かけ上の消費電力をいう。皮相電力(VA)=電圧(V)×電流(A)で表す。

◎ピッチコークス(Pitch Coke)
 ピッチコークスは、コークスを製造する過程で発生するコールタールを原料として製造される。ピッチコークスは、特殊炭素材の原料として使用され、半導体や太陽電池パネルの製造設備を造るのに欠かせない材料。アルミを精錬する際の、陽極の原料としても使用されている。

◎ビート(1997年5月9日)
 色や形が赤カブに非常に似ており西洋赤カブなどと呼ばれることもあるが、植物学的に言えば赤カブとは科も属も異なる。地中海沿岸のヨーロッパや、北アフリカ原産で、ホウレンソウと同じアカザ科。ボルシチなどに料理に使うのはテーブルビートで、砂糖の原料になるシュガービート(テンサイ)や飼料用のビートがある。
 外観が似ている赤カブは表面だけが赤く、中身は淡い赤か白であるが、テーブルビートは芯まで真っ赤。火を思わせるから火焔菜(かえんさい)の呼び名もある。赤い色が手に染み付いたときは、レモン汁でふけば取れる。
 ロシア料理のボルシチに使われ、独特の赤い色を出す。

◎ビードロ(vidro)(1996年1月19日)
 ポルトガル語。ガラスの異称。室町末期、長崎に渡来したオランダ人が製法を伝えた。

◎ヒドロキシ安息香酸ポリエステル(HBP)
 ヒドロキシ安息香酸ポリエステルはパラヒドロキシ安息香酸を主成分とした熱可塑性の液晶性芳香族ポリエステル樹脂です。
 一般に液晶性ポリマーは(1)260℃以上、(2)220℃以上、(3)210℃以下3つの利用温度域に大別されますが、ヒドロキシ安息香酸ポリエステルは最も高い260℃以上の部類に属するポリマーです。
 特徴としては、分子鎖が剛直で耐熱性が高く、分子のからみ合いがなく、成形性にバリ(成形のときのくず)が発生しにくく、この特徴を生かして、リレー、ボビン、コネクタなどの小型電子部品などに、また、食品用途として、電子レンジ、オーブンレンジ容器として使用されています。

◎泌尿器(ひにょうき:urinary organ:ユリナリィ・オーガン)(1997年10月10日)
 尿の分泌と排泄をつかさどる器官。腎臓、尿管、膀胱、尿道から成る。

◎ビニール
 ビニール樹脂の略。アセチレンから作った合成樹脂。耐水性が強く、染色しやすい。

◎ビニロン(vinylon)
 酢酸ビニルから誘導されたポリビニルアルコールを原料とする合成繊維。やや硬い綿の感じをもつ繊維で学生服、作業服、魚網、ロープ等に使用されている。

◎ビヒクル(vehicle)
 印刷インキを構成している色料以外の液状成分。ビヒクルには2つの機能があり、1つはインキに適当な流動性を与え、インキを刷版から印刷素材面へと円滑に転移させる作用(印刷適性)、他の1つは印刷された後、乾燥して固体膜に変化し、顔料を印刷面に固着させる作用(乾燥性)である。インキの特長や適性は、ビヒクルの性質に依存するところが大きい。

◎皮膚刺激性(skin irritation)
 UVインキは、皮膚刺激性が若干あるので取り扱いに注意を要する。皮膚刺激性の目安として皮膚刺激指数(P.I.I)が設定されている(下表参照)。最近のUVインキはP.I.I値が1.9以下の成分で構成されていて低皮膚刺激性であるが、UVインキの取り扱いの際は、保護手袋を着用し極力皮膚に接触しないように注意し、もし付着したときは石鹸水で直ちに洗い落とす必要がある。
P.I.I. 評 価
0.00~0.03 皮膚刺激なし
0.04~0.99 極く僅かである
1.00~1.99 僅かである
2.00~2.99 穏やかな刺激
3.00~5.99 中程度の刺激
6.00~8.00 かなり強い刺激

◎ピーマン(piment)(1996年7月9日)
 フランス語。ナス科唐辛子属で、辛味のない甘味種を差す(唐辛子の甘味種)。熱帯の中南米原産。明治初年、アメリカから日本に渡来した。戦前は「甘唐辛子」とも呼ばれた。ピーマンという呼び方は1950年頃から。在来種に「獅子唐辛子」があり、これの小型のものがシシトウ。
 保存するとき、冷やしすぎは良くない。5℃程度で低温障害が起きる。適温は10℃前後。買うときは、肉に厚みがあり、色ムラがなく、皮につやと張りがあるものが良い。

◎ピメント、オールスパイス:ぴめんと、おーるすぱいす(1996年7月9日)
 シナモン、ナツメグ、クローブをミックスした香りを持つ、単一のスパイス。肉料理に合う。(臭み消し)

◎標準光源(standard light source)
 色合わせや画像の視感評価のために規定された光を照射する光源。標準光源には色々のものが、一般的にはA光源・B光源・C光源があり、その色光の内容は表の通りである。白色光蛍光灯はほぼB光源に、昼光色蛍光灯はほぼC光源に相当する。なお印刷物の「色評価用蛍光灯」は、色温度が5000゚Kとなっている。
標準光源 性   質 色温度
A 光 源 白熱(タングステン)電灯の光 2854゚K
B 光 源 太陽の直射光を代表するランプ 4870゚K
C 光 源 青空の光を代表するランプ 6740゚K
D65光 源 分光測色計の標準光源 6500゚K

◎標準色表(standard color chip)
 表色体系に基づき色票を系統的に配列したもの。マンセル色票などがある。

◎標準状態(standard condition)
 温度20℃、絶対圧101.3kPa(760mmHg)、相対湿度65%の空気の状態。ISO 8778では、この状態の空気を「standard reference atmosphere」と呼び、略号ANRで表す。ただし、ISO 8778では圧力を0.1MPaとしている。空気流量はこの状態に換算して表す。

◎標準理論(1996年1月19日)
 物質は6種類のクォークと電子など軽い粒子(レプトン)6種類でできている。これら「分割できない究極の粒子」の組み合わせや相互作用で、様々な物質ができているという理論。アメリカフェルミ国立加速器研究所のように、巨大な設備を使った実験と理論の発展の積み重ねで次第に出来上がった。現在の物理学は、この標準理論を基礎に成り立っており、これが崩れるとなると衝撃は大きい。

◎ひょうたん(2000年3月8日)
 ひょうたんの原産地は西アフリカ。人類とのつきあいは長く、もう1万年以上になる。最古の栽培植物のひとつ。
 日本でも9000年ほど昔の縄文遺跡から発掘されている。縦に切れば水汲みに使える、横に切れば椀になる、土器の時代に重宝されたことだろう。水神を鎮める呪具とされたりお祭りで重要な役割を持っていたりするのはこうした伝統から来るのかもしれない。
 ひょうたんという言葉は漢語で、和語ではヒサゴという。ヒサという植物名にコをつけて親愛の情を表したヒサコからきているというから、この植物がいかに愛着を持って扱われていたのかが想像される。水を汲むひしゃくは、ヒサコがなまったものとも。
 源氏物語の「夕顔」もひょうたんのこと。日本ではくびれがあるものをひょうたん、くびれがなくかんぴょうなどにして食べるものをユウガオと呼び習わしているけれど、ウリ科の同一種。
 水を入れる容器としてはもちろん、世界を見れば仮面に利用されたり帽子になったり茶器になったり。楽器やペニスケースに利用する地域もある。ひょうたんなまずじゃないけれど、とらえどころがないほどに広く愛用されているわけだ。

◎ヒラメ(1996年6月16日)
 日本や朝鮮半島の沿岸、東シナ海などに広く分布する白身の高級魚。

◎ビロード(velvet)(1997年2月19日)
 ポルトガル語のveludoまたは、スペイン語のvelludoの訛ったもの。もと西洋から舶来した特殊の織り方による織物。ベルベットとも呼ばれる。毛の立った柔らかくて滑らかな織物。

◎ひん岩(porphrite)
 火成岩の一種。斜長石および鉄苦土鉱物などのはん晶と中粒完晶質の石基からなり、一般には岩脈、時には溶岩流となって現われる。縁辺部は閃緑岩や輝緑岩に移行していることもある。砕石としては好適である。

◎備長炭(1999年2月19日)
 熊野産の良質の木炭。元禄年間に備後屋長右衛門が創製した。

◎ファインケミカルズ(fine chemicals)(1996年9月19日)
 技術集約型、高付加価値型の精密化学製品。染料、医薬品、農薬、化粧品、香料などは多くの反応工程を経て生産されるため、大規模に大量生産ができない。これらの物質を製造する化学工業をファインケミカルズと呼ぶ。
 今まで日本が行ってきた化学肥料や鉄鋼などの少品種大量生産型の化学製品は、原料の生産地に近く、プラント建設費や人件費の安い外国での生産量が増加するであろう。日本は、技術を生かしたファインケミカルズ生産を行うべきである。

◎ブイヤベース(bouillabaisse)(1996年7月9日)
 フランス語。数種の魚介類にサフランを加えた鍋料理風のスープ。古くから南フランス、プロバンス地方の郷土料理として有名。
 魚は、厳密にはカサゴ、カナガシラ、アナゴの三種の魚が必要とされる。日本ではヒラメ、カレイ、タイ、アンコウなどの白身の魚やムール貝、カニ、伊勢エビなどが入れられることが多い。
 まずオリーブ油でタマネギ、ニンニクなどを炒め、塩、コショウ、タイム、月桂樹、セージ、ウイキョウ、パセリ、トマトなどの香辛料や野菜でスープを作る。白ワインなどを加え、魚類を並べる。煮立って(ブイーユ)から、煮崩れしないよう弱火にする(アペイス)のがコツ。サフランは小さく刻み、コップに入れた後、熱湯を少々振りかけて、色と香りが出てからスープに入れる。
 ブイヤベースにはパンが付き、スープに浸して食べる。

◎ブイヨン(bouillon)(1996年7月9日)
 フランス語。鳥、獣、魚の肉や骨の煮出し汁。主にスープの素汁や細菌培養基として用いる。

◎フィラー(filler)(2000年1月19日)
 充填剤のこと。狭義の充填剤は、増量剤、賦形剤、加工助剤を指し、補強剤(reinforcer)と区分している。広義の充填剤は、「充填剤とは、強度や耐久性などの諸性質を改善するために基材として加えられる物質、あるいは増量、増容、製品のコスト低減などを目的として添加する炭カルなどの不活性物質をいう。(大成社編、ポリマー辞典)」、「充填剤とは、ゴムの補強、その他の目的に用いられる配合剤(日本ゴム協会編、ゴム用語辞典)」のように定められている。
 一般に、充填剤は増量目的のほか、補強剤として可塑性、粘着性、耐摩耗性、収縮性、剛性等や、絶縁抵抗、耐油性等の強化のためにも使われている。

◎フェノール(phenol)
 炭酸ともいう。フェノール樹脂、農薬等の原料に使用される。ベンゼンとプロピレンから得られキュメンを原料として製造される。固体。

◎フェノール樹脂(フェノール・ホルムアルデヒド樹脂)(phenolic resin:PF)
 フェノール類とアルデヒド類の反応により得られる樹脂の総称。熱硬化性と熱可塑性の二種類がある。絶縁プリント配線基板、印刷回路基板等の積層板、工業部品及び食卓用品用成形材料、合板用接着剤、絶縁ワニス等に使用される。フェノールとホルマリンを反応させて得られる。別名ベークライトともいう。固体。耐熱性、耐電圧、価格が安い、充填剤となじみがよい、などの性質を持つ。
 1909年、米国のべ-クランド博士により発明されたものです。黄褐色で松やにに似ていたので「合成樹脂」という名称を生み出しました。
 「ベークライト」という商品名で呼ばれる方が多いのですが、フェノール(石炭酸)とホルムアルデヒド(ホルマリン)を原料として作られます。ソケットや配線基板、電話器など電気器具に多く使われています。

◎フェライト(ferrite)(1999年1月16日)
 鉄、コバルト、ニッケル、マンガンなどの酸化物。強磁性材料。
 アルファ鉄にごく微量の炭素が溶け込んだもの。地鉄。

◎フェンネル(Fennnel)(1997年2月9日)
 古くから日本に伝わる薬用植物で、ウイキョウの名で知られる。薬効は健胃や利尿など。甘い味と強い芳香が魚の生臭さを消すため、西洋では魚料理に適したハーブとして有名。花、葉、茎、種子の全てが利用でき、ハーブティー、クッキー、サラダなどにも合う。大株に育つセリ科の多年草。黄色い花。

◎フォアグラ(foie gras)(2000年10月9日)
 フランス語。「フォア」は「肝臓」、「グラ」は「肥えた」という意味。つまり、フォアグラは、ガチョウの肥大した肝臓のことで、南フランスのトゥールーズ産が良品とされている。
 フォアグラ用に飼育する方法は「ガヴァージュ」と呼ばれる次の方法である。卵からふ化して3ヶ月くらいは普通の飼育法だが、それ以降1羽ずつケージに入れられ、強制的に餌を与える。細いチューブを胃袋まで通し、1日3回、トウモロコシを無理矢理詰め込み、食べさせる。これは、人手で行っている。こうして飼育したガチョウの肝臓は異常に肥大する。ガチョウの体重が12~15kgになる頃には、肝臓だけで500~600gと、正常な肝臓の10倍にもなる。
 フォアグラは、その約6割が脂肪。とろけるような舌触りと、凝縮されたまろやかな深い味わいが特徴。

◎フォーク(2000年2月9日)
 テーブルマナーの代名詞、ナイフとフォーク。ナイフが旧石器時代以来人類最古の利器といっていい歴史をもつのに対して、フォークの利用は比較的近くになってからだ。
 調理用の大型のものは古代ローマでも使われていたようだが、食卓用のものは11世紀頃のイタリアの文書に見られるのが初め。一説には12世紀初めにビザンツから伝わったともいう。
 ただ、実際に使われるようになったのは、1492年にイタリアの法王領内で二つ股のフォークが作られた頃から。フランスへは1533年、フィレンツェのメディチ家からカトリーヌがフランス王アンリー2世の王妃として迎えられたとき、持参品として持ち込んだのが始めという。またイギリスには、小説家コリアトがお土産に持ち帰ったとか。
 それ以前の食卓風景といえば、みな手づかみで食べていたわけだ。イタリアでいち早く定着したのは、パスタを食べるのに手づかみというのは何より汚れるから、とも言われる。
 切り身は2センチ角以内に、米国略式はフォークを右手に持ち替えるがヨーロッパでは替えない、中置きは4時と8時の方向で、納めるときは並行に、などテーブルマナーはなかなか細かい。1000年以上昔から箸を使っていた国の人間としては、つい最近まで手で食べていたのにうるさいことと思わないでもないんだけどね。

◎フォトクロミック(photochromic)
 太陽光で発色するインキ。太陽光で発色し、光を遮断すると無色へ戻る。

◎フォトレジスト(Photoresist)
 せまい意味としてはエッチングなどにつかわれる感光性マスク材料のこと。これを材料である基板の上に塗布し、可視光や紫外線に露光させると、有機溶剤や水などの現像液に対する溶解性が変化し、露光された部分に耐食性のマスクパターンをつくる。
 フォトレジストには、光があたると溶解しやすくなるもの(ポジ型)と溶解しにくくなるもの(ネガ型)の2種類がある。広義にはX線や電子線をふくめ、光をあてることで耐食性がかわる物質をさし、超微細な加工を必要とされるICやLSIの製造には不可欠の素材である。ICの製造では円形のウェハーに均一にフォトレジストを塗布し、露光をくりかえす。一度に多数のICをつくり、完成してからダイシングソーで切断する。

◎フォルステライト(2000年3月16日)(10)
 2MgO・SiO2。古くは、耐火物レンガの主成分として興行的に使用されてきたが、最近では高周波絶縁性や高熱膨張特性に注目され、その用途が拡大し、ガラスや金属との接着部品、金属皮膜抵抗基体、気密端子などの電子部品用セラミックスとしても広く利用されている。
 製造法は、タルク等の天然鉱物を主原料に用いる方法や、シリカ、マグネシア等の酸化物系原料から合成する方法がある。一方、最近ではゾル・ゲル法などの液相法から高純度フォルステライトを合成する研究も行われている。

◎フォンデュ(fondue)(1996年7月9日)
 スイスの鍋料理。白ワインにチーズを溶かし、串に刺した角切りのパンをつけて食べるチーズフォンデュと、フォークに刺した角切りの牛肉を鍋に入った油で揚げて食べるオイルフォンデュがある。

◎ブーケガルニ(1996年7月9日)
 ハーブスパイスと香味野菜の束のこと。ローリエ、タイム、パセリの茎、セロリなどを糸で縛り、スープや煮込みの材料として使用する。

◎負荷電流範囲(load current range)
 (機械)スイッチに接続された負荷(抵抗負荷)で出力線に流せる電流値の範囲。

◎服(1995年9月24日)
・綿100%のシャツは襟や袖口を美しく見せるためには糊付け、アイロンかけが欠かせない。例え安くても、格好良く着こなしていくためには、それなりに手間がかかる。これにポリエステルなどが入っているとこの手間がかからずに済む。(稲葉恒正氏談)
・ズボンなども安いものを買うと、履いたときの履き心地が悪かったり、洗濯に耐えないなどの欠点が露呈する。やはり、それなりのお金を出して、なるべく良いものを買わなくてはいけない。
・安いものは絶対に買わない。長期的に見て、良いものは長い間使用することができる上、着こなしたときの使用感が全く違うし、気分的にも幸福感がはるかに大きい。これらのことを考えると、安いものを買うことは、大きな間違いである。ただし、収入、社会的立場などによって買うもののレベルを考慮しなくてはならない。高いものだけを選ぶのではなく、安くても品質の良いものを選ぶ能力を磨くべきである。

◎複合材料(composite material)
 マトリックス(母材)を強化材料によって強化し、性能の向上を図った材料の総称。合成樹脂に限らず、マトリックスに金属を用い炭素繊維等で強化した材料(略称:FRM)等も含まれる。
 合成樹脂系複合材料としては、早くからマトリックスに熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂を用い、ガラス繊維をはじめマイカ等の無機物、金属粉末等の強化材によって複合化したもの(一般にマトリックスに熱硬化性樹脂を用いたものをFRP、熱可塑性樹脂を用いたものをFRTPという)が市場に供給されてきた。これらの材料において、例えばガラス繊維は単に補強材として混入するという比較的単純な発想から用いられており、剛性があまり出ない。
 これに対して、炭素繊維の開発、実用化を契機に登場してきた炭素繊維強化材料(マトリックスが熱硬化性樹脂のものを一般にCFRP、熱可塑性樹脂のものをCFRTPという)、さらにはボロン繊維、アラミド繊維等との複合強化材料等が開発され、これらを先進(先端)複合材料と呼ぶようになってきた。
 マトリックス樹脂には、主として不飽和ポリエステルのほか、エポキシ樹脂、ビニルエステル、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルフォン等が用いられる。なお、ポリマーアロイ、ポリマーブレンドなども複合材料の範ちゅうに入る。

◎フスマ、ふすま、麩、麬(wheat bran)(2010年11月24日)
 小麦を製粉する際にできる副産物(皮のくず)。果皮、種皮を中心に外胚乳、糊粉層の粉砕物からなる。粗タンパク質、粗脂肪、ミネラルや繊維質が豊富。牛、馬の飼料として重要。
 イネ科植物の果実は穎果と呼ばれる形態で、表面を一体化した果皮と種皮で硬く覆われている。これを除去する過程が精白で、この際、得られる穎果の表層部分が糠である。日本では、一般に米から出る「米糠」のことを単に「糠」と呼ぶ場合が多い。大麦の糠は「麦糠」、小麦の糠は「ふすま(麬)」と呼ぶ。
 多くの穀物では穎果の外層が胚乳よりももろいため、精白に際して表面に衝撃を与える(搗精)ことで糠が微細片となってはがれるのでこれをフルイ分けて分離する。小麦の場合は胚乳が穎果の外層よりも脆いため、穎果全体を粉砕して製粉する時に細かく砕けず、粗大片として残るふすまをフルイ分けて分離する。

◎ブタジエン(butadiene)
 ナフサ分解で副生するBB留分から得られる。沸点-4.41℃、比重d-6=0.650。無色無臭の可燃性気体。スチレン-ブタジエンゴムなど、種々の合成ゴムの主原料。

◎ブタジエンゴム(butadiene rubber:BR)
 ブタジエンを重合して製造される汎用合成ゴム。SBRや天然ゴムに比べ耐摩耗性、弾力性、低発熱性が優れている。自動車タイヤ、ベルト、履物、プラスチックブレンド用等に使用される。固体。

◎ブタジエン樹脂(syndiotactic 1.2-polybutadiene:BDR)
 ブタジエンを重合して製造されるもので、ゴムと樹脂の物性を兼備している熱可塑性エラストマー。フィルム、各墲ヘきもの、工業用品等に使用されている。固体。
 ブタジエン樹脂は、分子量と結晶性を適度に調節することにより一般のプラスチック加工機械で容易に成形でき、種々の用途に使用されている樹脂です。生産量は年間約15,000トンで、そのうち食品関連需要は約500トンとなっています(1992年)。
 ブタジエン樹脂は、反応性に富むビニル基が含まれており、熱可塑性プラスチック、熱可塑性ゴム(弾性体)としての機能の他に、架橋可能なゴム材料としての性質も持つ特徽ある樹脂として知られています。
 ブタジエン樹脂の主要用途は、自動車、弱電部品、履物、スポーツ用品、玩具、食品用チューブ、ラップフィルム、青果物包装フィルム、スポンジ、まな板、印刷版、高硬度ゴム材料などです。
 身近な例としては、ブタジエン樹脂フィルムは、酸素、炭酸ガス、水蒸気などのガスを適度によく通し、鮮度保存に適した雰囲気を保ちやすいという性質を持っていることから、蕗、しいたけの包装用に、またフィルム袋では、ブロッコリー、きゅうり、たけのこなどの包装の分野に使用されています。
 ブタジエン樹脂は、熱でとけやすいので使用温度に注意が必要で、長時間屋外にさらすと変質することがあります。

◎ブタジエン・スチレン・メチルメタクリレート樹脂(methyl methacrylate-butadiene-styrene resin:MBS)
 ブタジエン、スチレン、メチルメタクリレートを主原料とする共重合体主に塩化ビニル樹脂の対衝撃性を改良する改質剤として使用されている。

◎ブタノール(butanol)
 ブタノールにはプロピレンを主原料とするノルマルブタノール及びイソブタノール、ブチレンを主原料とする第2級ブタノール及び第3級ブタノールがある。それぞれの主用途は、ノルマルはアクリル_ブチル、塗料、可塑剤等、イソは塗料溶剤、第2級はメチルエチルケトン、第3級はメチルメタアクリレート等。液体。

・第2級ブタノール(secondary butanol)
・第3級ブタノール(tertiary butanol)

◎フタロシアニン(phthalocyanine)(1999年2月10日)
 青色または、緑色の有機顔料、および染料として大量に用いられる。

◎フタロシアニンブルー(phthalocyanine blue )(銅フタロシアニンブルー)
 代表的な青色系有機顔料。青色から緑色にわたる鮮明な色相を有し、着色力が強く、耐光、耐熱、耐酸、耐アルカリ性の面で特に優れた性質を持っているので、各種インキに広く用いられている。

◎ブチルゴム(butyl rubber:IIR)
 イソブチレンと少量のイソプレンを共重合して得られる特殊合成ゴム。ガス不透過性がきわめて高いため自動車、自転車等のチューブ類に使用されている。固体。

◎ブチレン(butylene)
 ブチルゴム等の原料。ナフサ分解及びFCCで副生するBB留分から得られる。気体。

◎物質
 物質量は組成が明示された物質に含まれる粒子の数に比例する量であり、その比例係数はアボガドロ定数NAの逆数である。物質量の単位(モル)の定義は第14回国際度量衡総会(1971年)で与えられた。すなわち、モルは「0.012キログラム(kg)の炭素12の中に存在する原子の数に等しい要素粒子を含む系の物質量」であり、従来のグラム原子、グラム分子などに相当する。物質量標準の研究はアボガドロ定数の決定などの形で進められている。

◎フッ素樹脂(fluoroplastic, fluoric resin:FR)
 分子中にフッ素原子を含有する樹脂の総称。ポリオレフィン等衛生協議会自主基準の対象となるふっ素樹脂には7種類があります。それは、PTFE、PFA、FEP、ETFE、PCTFE、ECTFE、PVDFです。
 それぞれ、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン-六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)、四フッ化エチレン-パーフロロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(PFA)、四フッ化エチレン-エチレン共重合樹脂(ETFE)、Oフッ化塩化エチレン樹脂(PCTFE)、フッ化ビニリデン樹脂(PVDF)です。
 これらの中ではPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)が最も良く知られており、日常よく目にするところでは、フライパンや炊飯器等で食品が接触する表面に焦げ付き防止、汚れ防止として使われています。
 上記7種類のふっ素樹脂の中でPTFE、PFA、FEPに共通する特徴は耐熱性、耐寒性、耐薬品性、難燃性、耐候性、非粘着性、撥水、撥油性、潤滑性、電気特性などに優れ、半導体製造装置、自動車用途(シール部品、索導管、電線等)、情報機器(携帯電話、プレナムケーブル等)、化学プラント(パッキン・ガスケット、ライニング等)、機械用途(ピストンリング、軸受け等)、家庭機器(厨房器等)などに幅広く使われています。
 一方、ETFE、PCTFE、ECTFE、PVDFに共通する特徴は耐熱性、耐薬品性、耐候性、難燃性、電気特性(絶縁性含む)に優れ、自動車用途(燃料ホース)、化学プラント(ライニング、LNGバルブシール等)、電線用途(耐熱電線、通信電線、ロボット電線等)、フイルム用途(農ビ用、医薬防湿用等)などに使われています。
 ふっ素樹脂を一定温度以上で使用しますと、有毒な熱分解生成物が発生します。使用にあたってはメーカーの推奨温度を超えないよう十分注意して使用して下さい。

◎沸点(boiling point)
 沸騰点ともいう。液体の飽和蒸気圧が周りの圧力と等しくなる温度で、沸騰がおこる温度をいう。純粋液体では一定の圧力における沸点は、その液体に固有の温度である。周りの圧力を大きくすると沸点は上昇する。
 通常、圧力が1013hPa(1気圧)のもとでの沸点をその物質の標準沸点あるいは単に沸点という。溶液の沸点は外圧が一定であっても組成の変化に応じて変化する。

◎物理学(1996年1月19日)
 「自然」を「観察」して見つけられた個々の現象の間に「統一された法則」があるに違いないと考え、その法則を発見する学問。

◎物理変化(physical change)
 化学変化に対して、物質を構成する原子の組み替えを伴わない変化のこと。水(液体)が水蒸気(気体)になる変化は、水素原子と酸素原子の結合に変化がないので物理変化である。物質の移動、回転、振動、凝固、融解、昇華なども、物理変化である。

◎ブテン-1(butene-1)
 スペントBB留分から抽出される。直鎖状低密度ポリエチレンのコモノマー等に使用される。液体。

◎不飽和ポリエステル樹脂(unsaturated polyester resin:UP)
 微黄色、透明粘体で、促進剤によって着色する。液化樹脂に触媒、促進剤を加えて各用途に応じて成形する。ガラス繊維で補強された強化プラスチック(FRP)は引っ張り強さ、衝撃強さを同一重量で比べると、金属材料のそれに優るとも劣らないほど強く、かつ比重が小さいので軽量構造材として重要視されている。さらに、促進剤の使用により常温で成形出来るので比較的大型のものが容易に作れるという特徴をもっている。
 熱硬化。FRPで高強度。価格が安く着色性がよい。プロピレングリコールあるいはその他のグリコール類と有機及びスチレンモノマーを原料として製造される。化粧板、建材、浴槽等に使用される。固体。最近では、航空機材、船舶などのFRPとしての本来の用途が急激に増大している。
 メーカー:成形材料:旭ファイバーグラス、旭有機材、昭和高分子、住友ベークライト、フドーなど。樹脂:大日本インキ化学、日本触媒、日立化成、三井化学など。
 熱硬化性型のポリエステルの代表が、不飽和ポリエステルと呼ばれるプラスチックです。単にポリエステルと呼ばれることも多いようです。そのままで、塗料や化粧板として用いられていますが、もっと普及しているのは、ガラス繊維と混ぜた不飽和ポリエステルでしょう。これを特にFRP(繊維強化プラスチックの英語名の略号)と呼んでいます。金槌でたたいても割れないほどの強度があり、ヘルメット モーターボートや漁船などの船体、レーシングカーのボディなどに用いられています。家庭では、浴槽や浄化槽でお馴染みです。
 塗料に用いられているアルキド樹脂も不飽和ポリエステルの親類です。

◎浮遊粒子状物質(Suspended Particulate Matter, SPM)(1998年8月8日)
 SPM。大気中に浮遊する粒子状物質のうち、粒子の直径が10μm以下のものを指す。大気中に長時間滞留して肺や気管に付着し、呼吸器に悪影響を与える。発生源から出る一次生成粒子と、大気中でガス状物質から変化する二次生成粒子とがある。

◎フライパン(1995年12月1日)
 フッ素樹脂加工のフライパンは、アルミでできているため熱伝導がよく、中火でも十分な火力が得られる。強火で使うと、フッ素樹脂が痛み、こびりつきが始まってくる。「中火以下で使用のこと」という但し書きがある。

◎プライマー(primer)
 インキ受理性の劣る印刷素材へインキを接着させる目的で行う表面処理用コーティング剤のこと。

◎プラスチック(plastics)
 可塑性があり、加熱により軟化し、任意の形に成型できる有機高分子物質の総称。天然のものと合成品があるが、普通は後者(合成樹脂)をさす。フェノール樹脂・メラミン樹脂・ポリエチレン・ポリ塩化ビニルなど数多くの種類があり、日用品・機械部品・建築材料などに広く用いられる。
 大きな分子量を有する有機化合物から成り、通常最終状態は固体であるが、それに至る途中に熱や圧力などの作用で流動化し、自由に成形できる一群の材料を総称していう。JIS K 6900-1977によれば「高分子物質(合成樹脂が大部分である)を主原料として人工的に有用な形状に形づくられた固体である。ただし、繊維、ゴム、塗料、接着剤などは除外される。」と定義づけられている。
 高分子材料の一種。高分子を主成分とし、可塑剤、強化剤、着色剤、安定剤などの充填剤を必要に応じて配合させて成形して得られる固形材料のことをいう。
 繊維強化プラスチック(FRP)には、熱硬化性のFRTSと、熱可塑性FRTPの二種類が存在する。但し、実際には熱硬化性樹脂をマトリックスとする複合材料をFRPと呼ぶ場合がほとんど。熱硬化性樹脂とはエポキシ樹脂か耐熱樹脂のことを指すが、耐熱要求温度が非常に高い超音速機等への適用に関しては、エポキシ樹脂では限界がある。

◎プラズマ・ディスプレイ(plasma display)
 PDPと略記される。蛍光灯と同じく、減圧した気体中で放電することで起きるプラズマの発光現象を利用してつくられたディスプレイ。微小なプラズマ放電管を縦横に配列して、パネルを構成し、画像を表示する。CRT(ブラウン管)にくらべてかなり薄型につくれるため、37インチをこえる大型ディスプレイ装置で、活躍の場があるといわれている。製造設備の整備や、価格などの問題がクリアされれば、次世代のテレビやノートパソコンで使われることになると考えられている。PDPの製造にもスクリーン印刷の技術が使われている。

◎フラックス
 ハンダ付けの効果を高める表面処理剤。

◎ブラックタイガー(2000年1月1日)
 標準日本名は牛エビ。暗灰色で、黒い縞模様がある。瀬戸内海や九州沿岸をはじめ、東南アジア全域まで広く分布している。日本での漁獲は少なく、台湾やフィリピンからの養殖物の輸入品が多い。

◎ブラックライト(black light)
 BLと略記される。電磁波のスペクトルにおいて、長波長の紫外線をさす。照明器具としてブラックライトという場合は、波長が360nm付近で発光量が最大になるようにした蛍光灯で、ガラス管の部分に黒色の塗料をぬって、可視光線をさえぎったもの。長波長の紫外線は、染色の品質検査や蛍光塗料などをつかった装飾を照明するのに使うほか、殺菌に使ったりもする。

◎フラフープ(1999年10月14日)
 フラフープは英語でHula Hoop、直径90センチほどの輪を、腰を振るなどして落ちないように回して遊ぶ。その姿がフラダンスに似ていたことから、輪を意味するHoopにHulaが付けられた。
 売り出したのはアメリカの会社。オーストラリアの子どもたちが竹の輪で遊んでいることを聞き及んだ創設者ふたりがプラスチックに改良、1958年に世に出した。
 輪を使ったおもちゃそのものは古代ギリシャからあって、日本でも桶や樽を締め固めるのに使うたがを利用した「たが回し」が元禄時代に大流行したという。
 もっともフラフープの場合、売り出した米企業だけでも4カ月で2500万個を販売したというから桁が違う。日本でも同じ年にブームになったけれど、世界中で1億個が売れたとも。玩具市場空前のヒット作だ。
 もっとも、流行の潮が引くのも早かった。日本でのブームは実質1カ月半。日本のメーカーの倉庫には材料用に苦労して集めたポリエチレンの山。
 この在庫を何とかできないかと考えてメーカーが作ったのが子どもが遠足などに持っていく水筒だった(朝日10月13日)。アルミ製しかない時代、画期的な新商品となり、そ
の後の湯タンポやほ乳瓶などのヒットにつながっていく。
 まわりめぐるのはフープだけではなく、人生やビジネスもだよね。そんなことを実感させるエピソードではある。

◎フラン樹脂(furan resin)(1998年8月28日)
 フラン環を持つ熱硬化性樹脂。耐薬品性、耐溶剤性に優れているので、耐食レンガ用樹脂セメント、含浸材料、ライニングなどに用いられる。

◎プリオン(1996年4月1日)
 1982年、アメリカのプルシナーはスクレイピーという病気に感染したヒツジの脳に奇妙なタンパク質がたくさんあるのを見つけ、プリオンと名付けた。プリオンをネズミの脳に注射したり食べさせたりすると同じ病気が起こることが分かった。
 スクレイピーはヒツジの脳がスポンジ状に侵されて死ぬ病気で、ウシでは狂牛病、人間ではクロイツフェルトヤコブ病、ニューギニアの一部で流行していたクールー、ミンクの伝達性脳症などが同じ症状。全てプリオンが原因とみられており、プリオン病と総称されている。
 プリオンを作る遺伝子はもともと動物や人間にあり、プリオンの構造には正常型とアミノ酸配列が全く同じだが脳にたまって神経細胞を殺す異常型がある。正常な脳には正常型がたくさんあり、神経の伝達にかかわっているらしい。異常型のプリオンが外部から脳に入って正常型に接触すると、正常型を異常型に変えてしまうと考えられている。
 1993年にスイスのワイスマンらが、プリオン遺伝子を壊したネズミに異常型のプリオンを食べさせても発病しないことを明らかにした。正常型の「変身」が病気の原因であることを裏付けたものだが、「変身」のメカニズム、なぜ異常型ができるのか、なぜ脳が壊されるのかなどは未解明だ。
 異常型のプリオンは、分解しにくいベータシートという構造が正常型の10倍以上に増えていて、腸内で消化もされない。このため、食べるだけで脳へ到達するとみられ、これがプリオン病の大きな感染経路になっていると考えられている。
 プリオンの構造は、動物の種によって少しずつ違う。このため、種類の違う動物間では病気はうつりにくいというのが定説になっている。しかし、すでにヒツジやウシだけでなく、ネコ、ネズミ、イギリスのロンドン動物園のカモシカやピューマにも食物から感染したことが分かっている。

◎ブリキ(1996年4月1日)
 鉄板の表面にスズをメッキしたもの。イオン化傾向は、スズよりも鉄の方が大きいため、一部がはげて鉄の部分が露出すると、鉄の腐食が促進される。ブリキ板の場合、表面に傷を付けてはいけない。

◎フリッター(fritter)(1996年7月9日)
 小麦粉、卵黄を牛乳で溶き、泡立てた卵白を加えて作った衣に、野菜や魚をつけて、油で揚げた料理。

◎ブリード(bleed)
 インキ中の顔料が、溶剤や可塑剤などに溶けて色がにじみ出す現象。濃い有彩色の上に白インキを重ね刷りした時などに発生する。

◎ブリリアントカーミン6B(brilliant carmine 6B)
 紅インキに使用される最も代表的なアゾ系顔料で、色は底色の青い深紅色を有する。着色力が大きく価格の割には耐光、耐溶剤性に優れているので、各種インキに広く用いられている。(プロセスインキのマゼンタ色、他)

◎プリント基板(printed-circuit board:PCB)(1996年1月19日)
 電子回路が働くのは、プリント基板の上ということが、ごく当たり前になっている。プリント基板は、PCBとか、印刷配線板とも呼ばれ、基材(base material)という板の表面に銅箔の回路パターンを形成し、電子部品をハンダ付けするための板である。
 固い基材はリジッド(rigid)と呼ばれ、①有機材料、②金属材料、③無機材料、の3種類があり、その材料には次のようなものが使用されている。
①有機材料:紙フェノール、ガラス布エポキシ、ポリイミドフィルムなど。
②金属材料:アルミニウム、鉄、銅など。
③無機材料:アルミナ、ガラスセラミックなど。
 リジッドに対して、基板を簡単に曲げられるものをフレキシブルプリント基板(flexible printed circuit board)と呼び、FPCと略する。これは、ポリイミドフィルムなどの軟らかくて伸び縮みしない基材の上に銅箔を貼ったものである。

◎プレコートメタル(PCM, precoat metal)
 プレコートメタルとは、成形や組立などの加工を行う前に、連続塗装ラインであらかじめ塗装した金属材料である。カラートタンや塩ビ鋼板などがこれである。これらの印刷には、塗装されている塗料のタイプに応じてインキの選定を行えばよい。一般には二液反応型インキや酸化重合型インキが使われる。

◎プレッシャセンタ(presser center)
 (機械)3位置切換弁の入力ポート(1ポート)が出力ポート(2、4ポート)に通じ、排気ポート(3、5ポート)が閉じている流れの形。旧JISではPAB接続と呼んでいた。

◎ブレンディング(blending)
 一般に二種類以上のポリマーを混合する作業あるいは安定剤等と混合する作業のことをブレンディングという。コンパウンディングと同一のことを意味している場合も多い。

◎ブロー成形
 合わせ金型内において、バリソンまたはシートを空気圧などを用いて膨らませ、金型に密着させると同時に冷却して中空体を得る方法で中空成形ともいう。

◎プロセス印刷(process printing)
 多色印刷の技法の一つ。カラー原稿を写真的技法により、黄・マゼンタ・シアン・墨の四色に分解し、各色を製版し印刷するもの。

◎ブロッコリー(1996年8月20日)
 地中海沿岸が原産地。食べる部分は花のつぼみで、刈り取らないと花が咲く。アメリカでの栽培は1920年代に入ってから。イタリアからの移民が栽培を始めた。日本でよく食べるようになったのは1960年頃から。
 ブロッコリーに含まれるスルフォラフィインがガン抑制効果をもっている。これを有効に摂取するには、電子レンジで加熱するのがよい。理由は、電子レンジの加熱ではブロッコリーが100度以上に熱せられないからである。方法としては1~2株をラップで包んで3~4分加熱してから摂取する。

◎プロピレン(propylene)
 CH3CH=CH2 ポリプロピレン、アクリロニトリル、フェノール等プロピレン系製品の基礎原料。ナフサ分解によってエチレンと併産される。また、FCCの副生ガスからも得られる。気体。

◎プロピレンオキサイド(propylene oxide)略称:PO
 プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等の原料。プロピレンと塩素を原料とする製法、プロピレンを過酢_あるいはエチルベンゼンの過酸化物で直接酸化する製法等がある。酸化プロピレンともいう。液体。

◎プロピレングリコール(propylene glycol)略称:PG
 不飽和ポリエステル樹脂、化粧品等に使用される。プロピレンオキサイドの水和によって得られる。液体。潤滑剤として、練り歯磨きに入っている。

◎風呂屋の職(1999年10月12日)
 風呂屋に関係する職種は番頭さんに限らない。たとえば「流し」。江戸時代に始まった関東独特の風習で、客の背中を流し、肩や背中をマッサージする(朝日10月11日)。腕四分、口六分。軽妙な会話でも客をリラックスさせる。ただし、東京オリンピック前後から減少、今ではほとんど見られない。
 風呂の語源は室(ムロ)とも茶の湯の風炉(フロ)ともいわれる。古くは今でいう蒸し風呂のような形式で、お湯につかる「湯屋」とは区別されていた。
 その蒸し風呂の頃に活躍したのが「風呂吹き」。熱くなった身体に息を吹きかけながら垢をこすりとる役目の人。この言葉、いまでも風呂吹き大根に残っている。熱い大根に
息を吹きかけて冷ましながら食べる様子が似ていたからだろう。
 江戸時代には湯女(ゆな)が活躍した。湯屋ではなく風呂屋で男客の背中を流すなどした遊女。
 韓国式垢すりブームは記憶に新しい。風呂吹きが復活したようなものだろうか。ひとが気持ちいいと感じることって、今も昔も変わらないということか。

◎ブロンズ光沢(bronzing)
 金赤インキ、紺インキ、藍インキ等の濃い原色の印刷面を、ある角度からみたとき感じられる玉虫色の金属様光沢のこと。

◎分解重油(cracked heavy oil)
 ナフサ分解によってエチレンと併産される。ナフサ分解留分の中では最も沸点温度が高い重ソ留分である。カーボンブラック等の原料及び燃料に使用される。エチレンボトムともいう。液体。

◎分解油(cracked oil)
 ナフサ分解によってエチレンと併産される。芳香族系炭化水素の含有量が高く、ベンゼン、トルエン、キシレンの抽出原料である。分解ガソリン(pyrolysis gasolin)ともいう。液体。

◎分子間力(intermolecular force)
 分子と分子の間に働く力(主に電気力)である。すべての分子は、負電荷を持つ電子で覆われている。そのため、分子同士が近づくと斥力が働く。しかし、分子は、様々な元素で構成されているので、+と-を帯びた電荷の偏りを持っている。そのような分子の異なる電荷の間では引力が働く。後者の引力の方が前者の斥力より大きい場合、分子は、固体や、液体になる。

◎噴出岩(effusive rocks)
 火山岩(volcanic rocks)のこと。地表または地表地殻の場所で急激に冷却固結した岩石で、構成鉱物は大粒の結晶になるひまがなく一般に細粒である。また、結晶度が低く、ガラス質の部分が多いこともある。

◎ヘアーライン(hairline)
 金属表面に付けられた、束ねた髪の毛のような細かい縞状の模様。

◎平均吸入圧力(average suction pressure)
 (機械)応答速度を求める時に使用するエジェクタまたはポンプの吸い込み流量で、通常最大吸い込み流量の1/2~1/3である。

◎ヘイズ値(haze value)
 透明なプラスチックシート、フィルムなどのくもりの度合を示す値(曇価)。代表的な樹脂類のヘイズ値は、アクリル:0.5、ポリカーボネート:2、塩ビ:4。

◎ベイリーフ(1996年7月9日)
 月桂樹の葉。

◎へちま(1996年1月19日)
 ウリ科の一年草。熱帯アジアの原産。元来「とうり(糸瓜)」というが、へちまと呼ぶのは、いろはにほへとで「と」が「へ」と「ち」の間にあるから。

◎ヘビのいない国(1999年10月6日、朝日新聞)
 ニュージーランドにヘビはいない。ヘビがトカゲ類を祖先として分化したのはジュラ紀のこと。ニュージーランドは早い時期に他の陸塊と切り離されたため、動物界で比較的新しいこの種が上陸することがなかったのだ。
 天敵がいないので、ニュージーランドの鳥は飛ぶ必要がない。そこで、飛べない鳥が生まれた。有名なところではキーウィ。あるいは飛べないオウムという、世界でも類を見ない存在のカカポ。
 これらの鳥が、まるで哺乳類のように地上を徘徊する。そもそも、ニュージーランドには哺乳類もほとんどいなかった。わずかにコウモリが2種類のみ。
 もちろん、いまでは2本足の哺乳類がわがもの顔で歩き回っている。この隔絶された島に人間がやってきたのは、8世紀頃のこと。今でいう先住民、マオリ族だ。東ポリネシアから船を漕いできたらしい。その後、17世紀にヨーロッパからの人がやってきて、この島は一気ににぎやかになった。
 いま、生きているカカポは60羽前後。単独行動をとる習性もあってもともと数が少なかったところに、人とともに猫やイタチが入ってきて、あっというまに絶滅の危機においやられた。カカポにとっては、人間の上陸は恐怖の時代の始まりだったのだな。

◎ヘプタノール(heptanol)
 塩化ビニル樹脂の可塑剤原料として使用されるプロピレン二量体のオキソ化により製造される

◎ベリリウム(Beryllium:Be)
 原子番号4、融点1284℃、沸点2970℃、密度1.85。天然に緑柱石(3BeO・Al2O3・6SiO2)として産出する。製法は緑柱石の酸処理法または、アルカリ処理法によって酸化物をつくり、次にこれを塩化物またはフッ化物にした後、還元する方法、または融解電解法によって金属ベリリウムを製造している。
 物理的性質は、銀白色の金属。空気中では薄い酸化被膜に覆われて表面は灰白色。常温ではもろいが、高温で展性延性がある。構造的にはマグネシウム、亜鉛、カドミウムと対応し、他のアルカリ土類金属と異なる。
 化学的性質は希塩酸、希硫酸に水素を発生して溶ける。アルカリには反応して水素を放ち、生成した水酸化物は両性である。
 ベリリウムの可溶性塩はすべて有害、皮膚の炎症を起こし、また吸入すれば肺を侵す。ハロゲン化物が最も有害。酸化物は害性が比較的少ない。
 用途は以下の通り。
①金属ベリリウム
 原子炉の減速材、反射材、航空機・ミサイルの構造材、X線用窓、合金用元素としての用途。
②酸化ベリリウム
 高純度金属融解用ルツボ、ボート、保護管、ロケット・エンジン、ミサイル、超音速飛行体パワーチューブ、クライストロンチューブ、カソードヒーターシールド、パワートランジスター絶縁板、マイクロモジュールウェハー、抵抗器用磁器、原子炉用減速材、反射体、燃料マトリックス。
③ベリリウム銅
・高力合金(Beを2%前後含むもの)
 スプリング、圧力検出用ベロー、ダイアフラム、ブルドン管、スイッチ、航空機エンジン部品、カム、軸受、抵抗溶接用電極、フラッシュバット溶接用ダイ、船舶用プロペラ、ポンプ部品。
・高伝導合金(Beを0.25~0.7%前後含むもの)
 抵抗溶接用電極、プロジェクション溶接用ダイおよび電極、電極ホルダー、船舶用ディーゼルのブレーキおよびクラッチドラム、摺動接触子、通電ターミナル。

◎ベルベット(velvet)(1997年2月19日)
 ビロード。

◎ペレット(pellet)
 直径または、一辺が2~5mmぐらいの球形、円柱形または、角柱形に造粒したプラスチックの形状をいう。

◎ベンガラ(弁柄)(jeweller’s rouge)
 成分は酸化鉄(Ⅲ)(Fe2O3)で、古くから化粧品原料として使われる赤色の顔料。製造条件で黒色や黄褐色の鉄の酸化物ができ、ベースアップ化粧品の微妙な肌色を出す顔料に用いられる。通常、Fe2O3を90%以上含む。
 ペンキ、着色剤、硝子や金属板の研磨剤として利用される。

◎変性PPE
 PPEはTgが210℃と高いが、単独では流れが非常に悪く、内部ひずみも残る。よってPPEとPSのブレンドをおこなった。非結晶性樹脂、広い温度範囲で機械的性質が安定している。耐熱性。耐水性、耐熱水性、耐蒸気性。寸法精度、成形性がよい。難燃性である。

◎ベンゼン(benzene)
 C6H6 芳香族系炭化水素の代表的な製品でスチレンモノマー、シクロヘキサン、フェノール、アルキルベンゼン等の主原料である。ナフサの分解油もしくは改質油からの抽出、石炭ガスから回収される粗軽油の蒸留、トルエンの脱アルキル等の製法がある。液体。

◎ペンタエリスリトール(pentaerythritol)
 アルキド樹脂の原料として用いられるホルムアルデヒドとアセトアルデヒドから製造される。

◎ベントナイト(bentonite)(1998年8月28日)
 モンモリロナイトを主成分とし、一・に石英、クリストバライト、沸石、長石などを含む粘土状物質の総称。新鮮なものは淡い黄緑色であるが、一・には白味がかったクリーム色を呈し、極めて吸収しやすく、軟らかく糊状になることが多く、脂肪感のある緻密な塊状をなして算出する。ベントナイトは水中に入れると吸水して卵の白味のようになって、もとの体積の数倍にも膨張する特徴があるため、膨張土と呼ばれることもある。陶磁器などに用いる。

◎保育園(1995年12月1日)
 国の認可を受けているところと無認可のところがある。厚生省の管轄下にあり、正式には「保育所」と呼ばれ、児童福祉法に基づく児童福祉施設。「保護者が労働または疾病などの理由で乳、幼児の保育に欠ける場合、これを入所して保育する」場と定められている。0歳児からあずかれる。

◎ボイジャー(1996年1月19日)
 日本時間1977年8月20日午後11:30にボイジャー2号がフロリダ州、ケープカナベラルのケネディ宇宙センターから、1977年9月5日にはボイジャー1号も打ち上げられた。
 1979年3月5日(1号)、7月9日(2号)に木星の衛星イオに最接近し8つの活火山があることが発見された。地球以外の天体で活火山の存在を初めて確認した。木星の衛星を新たに3個発見し、全部で16個になった。
 1980年11月12日(1号)、1981年8月25日(2号)に土星に最接近し、土星の輪が無数の縞模様から成ることを発見した。
 1986年1月24日(2号)に天王星に最接近し、自転軸と磁気軸のずれが他の星より大きく55度も開いていることを明らかにした。
 1989年8月25日(2号)に海王星に最接近し、弧状の2本のリングがあること、衛星が6つあることを発見した。

◎ボイル-シャルルの法則(Boyle-Charles law)
 一定量の気体の体積V、圧力P、絶対温度Tの間に成り立つ関係式(P × V ÷ T = 定数)をいう。定数は気体の物質量n(モル)に気体定数(R=0.082)を掛けた値である。気体の体積と圧力の関係について、ボイル(1662年)は、一定温度で一定量の気体の体積は圧力に反比例することを見出した(圧力2倍で体積が半分になる法則)。
 また、気体の体積と温度の関係について、シャルル(1787年)は、一定圧力で一定量の気体の体積は温度が1℃上がるごとに、0℃のときの体積の1/273.15ずつ増大する、あるいは一定圧力で一定量の気体の体積は絶対温度に比例することを見出した(絶対温度2倍で体積が2倍になる法則)。
 この2つの法則をまとめて、ボイル-シャルルの法則と呼ぶ。この法則は、理想気体の場合に厳密に成り立ち、理想気体の状態方程式PV=nRTを与える。

◎ホウキ(2009年7月5日)
 箒(ほうき)は、古く「ハハキ」とも読みますが、文献での初見は古事記の「帚持」(ハハキモチ)の語にあると言われています。奈良時代、天平宝宇2年(758年)の献上品が正倉院に現存するそうです。箒には色々な呪的な習俗があり、これを踏んだり、跨いだりすると罰があたるとか、逆さに立てて長居の客を帰らせる呪いにもする、などがあります。
 箒の種類は様々で、用途別では座敷箒と庭箒に分けられます。型式別では手箒と長箒となります。材料別では草箒、竹箒、棕呂(しゅろ)箒、万年箒(パーム箒)、自在箒(ブラシ箒)などがあります。
 座敷箒の原料は、いね科のほうきもろこし(一年生草木)で、全体の形はモロコシに似ています。茎は長く、2m以上にもなり、夏になると茎の頂に大きな花穂をつけ、実の入る前に刈り取って箒を作ります。箒もろこしの他にホウキギという草があり、よく混同されるのですが、これはあかざ科ホウキギ属の一年草で、庭箒の原料であり、座敷箒の原料とは別のものです。ホウキギは「とんぶり」がとれる方で、秋田県あたりでは防風のため、庭に植えたりします。
 上記における庭箒と竹箒に関しては、平安期からあったのは確認できるのですが、江戸末期の守貞漫稿等を調べても、座敷箒といえば棕呂箒だったようで、もろこし系の箒は当時としては新製品として認知されていたようです。
 第二次大戦頃迄、京都以西では座敷箒といえば棕呂箒のことで、もろこし箒は関東箒、江戸箒、東京箒と呼ばれていました。
 主産地は関東と信州で、春四月に種をまき、約三ヶ月で収穫できる為、お盆前の現金収入になることや、穂先のみの使用で大部分は畠の肥料になるため、「裏作」としての意味があり栽培されていたようです。ただし、穂が少し茎色がかって粉が出るようになった最良の状態での収穫期間は三日間ほどしかないため、草の栽培は専業農家しか出来ません。
 また、まきつけの後、二回ほど、間引きをしなければならないため、平均1千平方メートルでの収穫量は80kg程度しかなく、戦後は国内では殆ど採算がとれなくなりました。近年、国内で消費される箒草は、ほぼ100パーセント輸入に頼っています。

◎芳香族炭化水素(aromatic hydrocarbon)
 構造中にベンゼン核をもつ炭化水素をいい、ベンゼン、トルエン、キシレン等がその代表例である。

◎ホウ酸(boric acid)(1991年11月5日)
 酸化ホウ素B2O3が水化して生ずるオキソ酸をいい、オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸などが知られている。

・オルトホウ酸
 H3BO3。通常、単にホウ酸というときにはこれを指す。火山ガス、噴気、ある種の鉱泉水に含まれる。無色透明な鱗片状六辺形の光沢ある結晶。水溶液は消毒剤として用いられる。ガラスや、その他の窯業材料、顔料などの原料、医薬品として用いられる。

◎放散虫(1996年1月19日)
 海水にすむ原生動物。直径数100μm~1mm。5億7000万年前のカンブリア紀から現代まで生息している。進化が速く、年代や緯度によって形が違うので二畳紀以降は、地質年代を決定する示準化石に使われている。

◎放射線
 生物が放射線を受けたときの影響の程度を示す量の単位にシーベルトまたはレムがある。1シーベルトは100レム。自然界には至る所に微量の放射性元素があるので、生活しているだけで放射線を受けている。人間が自然から受ける放射線は平均して年間100~200ミリレムである。レントゲン検査を受けるときの放射線の量は50~100ミリレムである。1000レム以上の被曝では急性死、500レム以上では約半数の人間が短期間に死ぬ。200レムでは全身症状が現れ、25レム以下では以上は見られないが晩発性障害が生じる可能性がある。
 放射能の強さを示す単位にベクレルまたはキュリーがある。1ベクレルは1秒間に1個の原子核が崩壊するときの放射能の強さをいい、1キュリーは370億ベクレル。

◎硼素(Boron:B)
 原子番号5、融点2100℃、沸点2600℃、密度2.34。硼素は、地殻に0.001%、海水中にも4~5ppm含まれているが、単体として存在せず、硼酸、硼酸ナトリウム、硼酸カルシウムの形で産出する。
 単体の硼素は酸化物、ハロゲン化物、水素化物を原料として、活性金属、あるいは水素による還元法、熱分解法、融解塩電解法などにより製造することができる。
 化学的には炭素に似ていて、それより反応性は劣る。常温では結晶性の硼素は安定であるが、非晶質の微粉は、空気中で徐々に酸化される。高温では酸素、窒素とよく反応し、酸化硼素および窒化硼素を生ずるので、金属精錬の脱酸剤、脱ガス剤に利用される。
 また炭素綱に添加すると、その焼入性を改良できる。純硼素は、ケイ素半導体のP型ドープ剤として用い轤黷スり、原子炉の調整棒、遮へいに利用される。
 炭化硼素は、原子力工業の発展に伴い、硼素含有量が高い安定な化合物として中性子吸収材料として用途が広い。

◎防虫剤(1996年1月19日)
 害虫を防ぐ薬剤。4種類ある。パラジクロロベンゼン、ショウノウ、ナフタリンは虫を寄せつけない忌避効果によって、エムペントリン(ピレスロイド系)は殺虫効果によって防虫の役割をする。
①パラジクロロベンゼン:昇華(気化)が早いため風通しの良いところで干しておけば半日から1日で臭いが消える。防虫効果が高いため、毛や絹など食害にあいやすい衣類に適している。しかし合成繊維を溶かすことがあるため、合成樹脂のボタンや衣装ケース、ポリ塩化ビニールなどの人工皮革は避けるべき。ベンゼンに鉄触媒で塩素を作用させて生産している。
②ショウノウ:最も古くから使われている防虫剤で、パラジクロロベンゼンに比べると忌避効果がやや弱いが、自然で芳しい香りが着物の保管などに好まれる。楠木の細片を水蒸気蒸留して得られる。
③ナフタリン:昇華が遅く、効き目が長持ちするため長期間保存するものに適する。合成樹脂への影響がないため人形、剥製、書画、骨董品などの保存に適している。コールタール中から結晶化させて生産している。
④エムペントリン(ピレスロイド系):低濃度で殺虫効果がある。無臭で、他の防虫剤と一緒に使うことができる。他の製品に比べ、価格がやや高い。
 エムペントリン以外は2種類以上を一緒に使用しない。(化学変化で液化し、シミの原因になる。)

◎牧師(pater, clegy man)(1995年12月1日)
 プロテスタント。 → 神父

◎保護構造(ingress resistance)
 スイッチを含む電気機械機具の防水および固形物の侵入に対する保護の程度を表す。IEC 529“エンクロージャによる保護の程度分類(IP code)”第2版(1989)に定められ、同内容はJIS C 0920に規定されている。

◎保持電流(hold current)
 (ソレノイド)ソレノイドが作動を完了し、吸着保持している時の電流で、始動電流後の電流。

◎保証耐圧力(proof pressure)
 (機械)最高使用圧力に復帰したとき、性能の低下をもたらさずに耐えなければならない圧力。この圧力は規定の条件下における値とする。

◎ホスト名(1998年8月28日)
 ネットワークにつながるコンピュータ1台1台のことをインターネット上ではホストと呼ぶ。そのコンピュータに付けられた名称をホスト名と呼ぶ。

◎蛍(1998年8月8日)
・ほたるの種類
 ホタルは、世界で約2000種余りいるとされています。そのうち日本では42種、3亜種のホタルがいます。日本で代表的なホタルは川に多いゲンジボタル、水田に多いヘイケボタル、そして山に多いヒメボタルてす。普通、ホタルは陸上で生活しますが、ゲンジボタルとへイケボタルは例外で幼虫の時代を水中ですごす世界的にも珍しいホタルなのてす。守山にも大然のへイケボタルが季節には多く見られます。
・ほたるの発光
 ホタルは、その全ての種が発光するのではありません。大部分は発光器があっても発光しません。幼虫時代によく発光し、成虫となってからは全然光らないものや小さい光しか出さないものもあります。ホタルのオスは、日が暮れると飛び回り、一斉に光の点滅を繰り返し、メスは飛ばずに草むら等にいて、不規則に光を出し、オスに居場所を知らせます。つまり、ホタルの発光はオスとメスとがお互いに合図しあう信号なのです。
・ほたるの一生
 ホタルの成虫は、6月頃水辺の突き出た石の苔等に卵を産みつけます。卵は約1ケ月後ぶ化し、幼虫となって、すぐ水の中に入ります。幼虫は、カワニナ等のエサを食べながら約9ケ月かかって6回の脱皮を繰り返し翌年4月上旬の雨の夜の午後7時頃に、岸にはいあがり、土にもぐり分池液を出して土まゆを作ります。そして、やがてさなぎになり、上陸してから約40日で成虫となり、水辺を飛び回ります。

◎ポピュレーション・バランス(population balance method)(1995年12月1日)
 多数の固体からなる集合系の全体としての挙動を解析するための数学的手法。個々の固体の挙動に着目し、これらの状態がいかなる分布を示しているかを表す状態分布関数の時間的変化を記述する方程式をたてる。
 ある1つの状態に属している固体の個数は、
 (蓄積速度)=(流入速度)+(発生速度)-(消滅速度)
で表される。この式をポピュレーション・バランスという。
 極めて多数の固体の集合系の巨視的性質の時間的、空間的変化を取り扱うには、2つの方法がある。・巨視的方法:必要とする巨視的性質を直接、変数として数式化する。・微視的方法:状態分布関数をもとに巨視的性質の変化を解析する方法。ポピュレーション・バランスは、この方法の1つ。

◎ホームページ(Home Page)(1998年8月28日)
 ウエブサイト上につくられた情報ファイルを「ウエブページ」と呼び、そのウエブページの中でいちばん中心になるページのことを「ホームページ」と呼ぶ。しかし現状では、「ウエブページ」と同じ意味で「ホームページ」という言葉を使う人が増えてきている。

◎ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile:PAN)
 ポリアクリロニトリルはアクリロニトリルを50%以上含む基ポリマーを主成分とするプラスチックです。
 アクリロニトリルは繊維や合成ゴム等の原料に用いられていますが、ポリアクリロニトリルは、その耐薬品性やガスバリヤー性を活かし、さらに共重合体により成形加工性を備えたハイアクリロニトリルの熱可塑性樹脂として開発されました。
 前述のようにポリアクリロニトリルは、耐薬品性、ガスバリヤー性といった特長がありますが、その他にも保香性、薬品性分の低吸着性、剛性等の特長を備えています。
 ポリアクリロニトリルの主な用途は、食品包装、医薬品、化粧品包装、化学薬品包装、電子部品搬送容器です。
 食品関連用途としては,味噌カップ、魚卵容器、菓子容器、精米容器、茶、コーヒー容器等に、ガスバリヤー性、保香性、透明性、剛性を活かして使用されています。
 医薬、化粧関連用途は、ハップ材や風邪薬等のパウチ包装、化粧品容器等に、薬品成分の低吸着性、ヒートシール性、保香性、耐薬品性を活かして使用されています。
 電子部品関連用途は、大型部品のキャリアボックス、部材保管ケース、電子チップのキャリアテープ等に透明性、耐薬品性、剛性、耐磨耗性、深絞り成形性を生かして使用されています。

◎ポリアクリル酸メチル(polymethyl acrylate)
 ポリアクリル酸メチルは、アクリル酸メチルCH2 = CHCOOCH3を重合させたアクリル樹脂である。透明で、プラスチックフィルムの製造につかわれる。紙、皮革、繊維の加工や、接着剤、塗料としても利用される。

◎ポリアセタール(polyacetal:POM)
 別名、ポリオキシメチレン(POM)とも言う。ホルムアルデヒドの重合体。固体。オキシメチレン(-OCH2-)が連なってポリマーとなった結晶性の高い熱可塑性樹脂で、エンジニアリングプラスチックの一つです。ポリアセタールには、ホモポリマーとコポリマーがあります。
 一般にホモポリマーはホルムアルデヒド(HCHO)のアニオン重合により製造され、コポリマーはトリオキサン (OCH2 OCH2 OCH2)とコモノマーのカチオン重合によって製造されます。
 ポリアセタールホモポリマーは1960年、コポリマーは1962年に工業化されました。
 当初より、「金属に挑戦する樹脂」をキャッチフレーズに用途展開が進められ、優れた物性と良好な成形性、更には潤滑性、耐磨耗性、耐疲労性、耐クリープ性、耐薬品性等にかぐれる点を生かし、自動車分野、OA分野、機械部品分野などに幅広く使用されています。
 食品分野の使用例としては、アイスクリーム・フリーザーの羽根、食器洗い機の部品、洗びん器フレーム、飲料水のコック、ジャー、魔法瓶の部品、自動販売機部品などがあります。
 バランスのとれた機械的性質をもち、特に耐疲労性に優れた結晶性の熱可塑性樹脂。電気・電子、事務機器具、自動車等の部品に多用される。
 結晶性エンプラ。機械的強度と剛性に優れる。耐疲労強度がプラスチックの中で最も優れる。寸法安定性に優れる。自己潤滑性。電気絶縁性がよい。使用温度範囲が広い。ただし蒸気、熱湯、強酸、アルカリ中での使用には、耐用寿命が短くなる。
 ジュラコン®はポリプラスチックス(株)製です。

◎ポリアミド(polyamide:PA)
 酸アミド結合の繰り返しによって主鎖を構成する結晶性高分子の総称で、一般的にナイロンと呼ばれている。ナイロンは強靭で耐摩耗性や耐薬品性等に優れ、溶融紡糸した合成繊維は絹の感じをもち、婦人服や靴下等に使用されるほか産業資材にも利用されている。また、エンジニアリングプラスチックとして成形品にも用いられている。固体。
 ポリアミドは、一般的に摩擦係数が小さく自己潤滑性があり、耐摩耗性に優れ、耐衝撃性大、耐薬品性、耐溶剤性が良く、反面、吸水性大で寸法安定性が悪い。ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12 等がある。

◎ポリアミド(6及び66)
 ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、変性ポリフェニレンエーテル(同ポリフェニレンオキサイド)を五大汎用エンプラと呼んでいる。また、物理的性質として耐熱性、機械的強度等が汎用エンプラに比べて高いものをスーパーエンプラあるいはハイテンパラチャープラスチック等という。

◎ポリアリルサルホン(PASF)
 分子内に-SO2-結合を持つ高分子化合物が一般にポリアリルサルホンと称されています。
 ポリアリルサルホンは、琥珀色の透明な非結晶性樹脂で、耐熱性、耐熱水性、耐スチーム性、耐酸性、耐アルカリ性、寸法安定性などに優れたプラスチックです。 食品用途としては、アルコール類、酢類、油類などに対しては、充分な耐性を持っており、使用条件次第では、ほとんどの漂白剤や殺菌剤の影響を受けず、また沸騰水や加熱スチームによる滅菌が可能であるという大きな特徽があります。
 その優れた衛生性、耐久性から真ちゅう、ステンレススチール、耐熱ガラス、セラミックスなどに代わって使用されて行くものと考えられています。

◎ポリアリレート(polyalylate:PAR)
 二価フェノールと二塩基酸との重縮合物であるが、一般には二価フェノールと芳香族ジカルボン酸とのポリエステルとして全芳香族ポリエステル系樹脂に分類されている耐熱耐候耐衝撃性に優れた透明性の非晶性樹脂。電気・電子、自動車等の工業部品、医療製品等に使用されている。固体。
 ポリアリレートは、二価フェノールと芳香族ジカルボン酸を原料とするポリエステル樹脂で、通常、淡黄色の弾性に富む透明プラスチックです。
 主鎖中に芳香族環を高密度に含むことにより、耐熱性、耐衝撃性、曲げ回復特性、透明性、紫外線バリヤー性等に特徴をもち、電気、機械、自動車分野を中心に、幅広い用途で使われ、最近では、食品医療、雑貨分野への用途も広がりつつあります。 
 また、ポリアリレート単層、あるいはPET/PAR/PETの単層の耐熱シートから成形された深絞り容器が耐熱容器として用いられています。 ただ、熱水やスチーム下での長時間使用では、加水分解のおそれがあり、注意が必要です。

◎ポリイソブチレン(polyisobutylene:PIB)
 電気絶縁材、コーキング材、紙、プラスチックの改質材等に使用される。イソブチレンを重合して製造される。液体または固体。

◎ポリイミド(polyimide:PI)
 イミド基をもつ合成樹脂の総称をイミド系樹脂と言うポリイミドはその代表的な樹脂で通常全芳香族ポリイミドと呼ばれており、オキシジアニリンとピロメリット(PMDA)から成るものが最も有名。耐熱性が特に優れており、電気機器、精密機械等の部品に使用されている。固体。

◎ポリウレタン(polyurethane:PUR)
 ウレタン結合、-NH・CO・O-を持つ高分子化合物。ポリエーテルまたはポリエステルとイソシアネート(TDIまたはMDI)を原料として製造される。主に硬・軟質のウレタンフォームとして使用されているほか、塗料用樹脂としての実績も高い硬質ウレタンフォームは断熱、保冷材料として車両、船舶、冷凍機器、電気冷蔵庫、自販機等に軟質ウレタンフォームは輸送車両シート及び家庭用ソファー、ベット、マットレス等のクッション材料として使用されている。
 現在では、ポリウレタン系合成繊維としてスパンデックスがある。そのほか、ポリウレタンホーム、ウレタンゴム、ウレタン塗料などが実用化されている。

◎ポリウレタンホーム(polyurethane foam)(1999年2月4日)
 ポリウレタンと二酸化炭素とから成る多泡性物質をいい、熱硬化性樹脂に属する。クッション材として広く用いられているほか、断熱材、建材などにも利用されている。

◎ポリエステル(polyester)(1999年2月4日)
 主鎖中にエステル結合-CO-O-を持つ高分子物質の総称。ポリエステル系合成繊維(ポリエチレンテレフタラートなど)、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ウレタンゴムなどがある。

◎ポリエステルカーボネート(PPC)
 ポリエステルカーボネートは芳香族ジカルボン酸の誘導体、ビスフェノールAおよびホスゲンを原料として得られ、主鎖にカーボネート結合とエステル結合をもつコポリマータイプのエンジニアリングプラスチックです。
 ポリエステルカーボネートの特徴は、ポリカーボネートと同等の透明性、機械的強度を持ちながら、耐熱性に優れていることがあげられます。また特に、耐長期エージング特性、高温クリープ性、耐加水分解性に優れています。
 その他の特徴として、寸法安定性に優れており、自動車のヘッドランプ、リフレクターなどに使用されるほか、食品用の用途にも検討されています。

◎ポリエステル繊維(polyester fiber)
 テレフタル酸あるいはそのジメチルエステル(DMT)をエチレングリコールと反応させてジエステルのモノマーにして、それを重合させ、ホモポリマーPETとする。溶融ポリマー(ポリエチレンテレフタレート樹脂)を紡糸口金を通して押出し、空気中で冷却・固化して長繊維にする。綿に代わるものとして衣料品、産業用に最も多く使用されている繊維。
 特徴としては、化学的に安定、取り扱いが容易、洗濯による縮みが少ないなどだが、量的には合成繊維の半分を占める。最近では、PETボトルを回収し、洗浄、再結溶融、繊維加工工程を経てリサイクル繊維も登場、注目されている。
 メーカー:東レ、帝人、旭化成、三菱レイヨンが代表的。

◎ポリエステルフィルム(polyester film)(1999年2月4日)
 ビデオフィルムやフロッピーディスクなどに使われる。

◎ポリエチレン(polyethylene:PE)
 エチレンの重合体。汎用のプラスチック。石油化学製品を代表する熱可塑性樹脂。エチレンの単独重合体、あるいはエチレンと他の少量のモノマー共重合体。エチレンCH2=CH2を重合させて製造されるが、一般的にその密度が0.94未満のものを低密度ポリエチレン、0.94以上のものを高密度ポリエチレンという。
 透明ないし、半透明の固体で、酸、アルカリ、溶剤に耐えるが、高温炭化水素、およびハロゲン化炭化水素には溶ける。電気絶縁性、耐水性、防湿性、耐寒性が良好で、代表的な熱可塑性樹脂として各種容器、電線被覆、パイプ、繊維、ライニング、包装材料などに用いられている。また、クロルスルホン化したポリエチレンは、ゴムとして用いられる。
 高圧法、低圧法、中圧法(フィリップス法、スタンダードオイル法)等の合成方法がある。合成方法の違いによって、製品の性質も異なる。低圧法やフィリップス法で合成したポリエチレンは、分子の枝分かれが少なく、材料の中で結晶構造をとっている部分が多く密度が高いので、高密度ポリエチレンといい、高圧法のポリエチレンに比較して透明性、加工性、耐候性ではやや劣るが、硬度、強度、耐熱、耐寒性能では優れている。高圧法によるポリエチレンは、結晶化度が数十パーセント、密度0.92g/cm3、軟化点温度が100℃程度にとどまり、低密度ポリエチレンと呼ばれるのに対して、高密度ポリエチレンは、結晶化度が95%に達し、単結晶の密度は0.95g/cm3、軟化点温度は120℃程度になる。
 熱を加えると容易に流動性を持つようになるので、成形してバケツなどの日用品、フィルムベース、包装材料、絶縁材料などに大量に使われる。
 低密度ポリエチレンはフィルム、ラミネート、電線被覆などに使用され、高密度ポリエチレンは洗剤や灯油缶等の中空容器、フィルム、コンテナー等に使用される。また低密度ポリエチレンの製造は従来1,000気圧以上の高圧のもとで行われていたが、エネルギー消費が少ない中低圧でエチレンとブテン-1などのコモノマーを共重合させ、低密度ポリエチレンと類似した性質をもつ直鎖状低密度ポリエチレンの製法が開発され、現在日本では低密度ポリエチレンのうち4割近くがこの製法により生産されている。
 ポリエチレンは、(1)比重が小さい、(2)化学的に安定で耐水性、耐薬品性がある、(3)強靭で、可とう性があり、低温でもぜい化しにくい、(4)加工性が良い、などの特長がある。

・高密度ポリエチレン
 密度の高い(High Density) ポリエチレンは、略してHDPEとも呼ばれています。製造のときの圧力が30~100気圧(中圧)、または常圧~数十気圧(低圧)であるところから、中低圧法ポリエチレンとも呼ばれています。
 硬くて白っぽいポリエチレンでスーパーの買い物袋やおしぼりの袋がこれです。バケツやゴミ容器、ビールなど飲料のコンテナー、ロープ、水道管、灯油缶、洗剤やシャンプー容器などに使われています。

・低密度ポリエチレン
 (Low Density)は、略してLDPEとも呼ばれています。製造の際、エチレンに1000~3500 気圧の高圧を加えられるので高圧法ポリエチレンとも呼ばれています。この方法で製造されたLDPEは、長鎖分岐や短鎖分岐がたくさんできるので、密度が低くなります。
 LDPEは(1)低温でヒートシールができる、(2)透明なフィルムができる、加工性が良いなどの特徴を持っていますので、紙と張り合わせたポリエチレン加工紙として、牛乳、ジュースなどの容器フィルムとして生鮮食品などの軽包装など多岐にわたって使用されています。また、ポリエチレン成形品としてマヨネーズ、ケチャップのスクイーズボトルや容器のふた、びんのキャップなどに使用されています。
 その他、電線被膜、農業用フィルム、さらに最近では医薬用容器(点眼、アンプル)など多岐にわたっています。

・直鎖状低密度ポリエチレン
 直鎖状低密度(Linear Low Density)ポリエチレンは、略してLLDPEとも呼ばれています。LLDPEは、エチレンとエチレンより炭素数の多いα―オレフィン(プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテン、4-メチルペンテンなど)と共重合し、短鎖分岐が導入されるため、密度の低いポリエチレンとなります。α―オレフィンの種類および量をコントロールすることにより、LDPEからHDPE間での密度範囲を網羅する中低密度ポリエチレンが得られます。
 LLDPEはLDPEに比べ(1)引張り、引裂き、衝撃強度が強い、(2)シール強度が強い、耐熱性が高い、(3)耐ストレッチクラッキング性が優れるなどの性質を持っています。
 用途はLDPEと重複する分野が多いのですが、食品包装フィルムや農業用フィルムでは、フィルム厚さはLDPEより薄くてもよく、米袋や肥料袋等に適していると言えるでしょう。

・超高分子ポリエチレン
 超高分子ポリエチレンは、チーグラ触媒で製造される分子量100万以上のポリエチレンです。
 分子量が非常に大きいため、耐衝撃性、耐磨耗性に優れ、また、汎用ポリエチレンと同様に摺動性を有しています。ただし溶融時の流動性がほとんどないため、一般にプレス成形、ラム押出成形が用いられます。また、特殊な一軸押出機や、射出成形なども、開発されています。
 このような特性を活かし、主に産業機械分野、ライニング分野で多く使用されています。産業機械分野では、食品搬送機械のガイドレール、スクリュー、製紙機械のサクションボックスカバー、エレベーター部品等に使用されています。ライニング分野では、鉱石セメント、塩、砂等のホッパー、サイロ等のライニングに使用されています。
 また、耐薬品性と絶縁性に優れているため、鉛電池用バッテリーのセパレートとして広く使用されています。

◎ポリエチレングリコール(polyethylene glycol:PEG)
 酸化エチレンを重合して得られる物質。水に溶け、不揮発性の粘性の高い液体、または固体。重合度(平均分子量として)200~600のものは液体、1000以上は固体。分子量が増すにしたがって水溶性、蒸気圧、吸湿性、有機溶剤に対する溶解性が低くなり、逆に氷点、溶融範囲、比重、引火点は上昇する。
 平均分子量1000~6000のものは医薬品、染料、樹脂などの溶剤、あるいは潤滑剤として用いられる。分子量4000以上のものは、極めて硬いワックス状で、水に溶けやすい。
 界面活性剤、医薬品等に使用される。医薬関係ではバインダーとしても用いられる。

◎ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate:PET、ETP)
 テレフタル・ジメチルとエチレングリコールを出発原料とするテレフタル酸ジメチル法(エステル交換反応)、あるいはテレフタル酸とエチレングリコールを出発原料とする直接重合法(直接エステル化法)によって得られるビスヒドロキシエチルテレフタレート(BHET)の重縮合体。
 PBTと同じ結晶性の熱可塑性飽和ポリエステル樹脂のひとつ。未強化グレードと強化グレードに大別され、前者はオーディオやVTRなどの磁気テープ、パーソナルコンピュータ等の記録媒体であるフロッピィーディスク等に大量消費されているほか、最近は清涼飲料、調味料、洗剤等の各種容器に使用されている。一方、後者はガラス繊維強化グレードとして各種工業部品に使用されている。固体。
 一般にエステル結合でつながった高分子化合物をポリエステルと総称しています。ポリエステルには飽和ポリエステルと不飽和ポリエステルとがありますが、ポリエチレンテレフタレートは、酸成分をテレフタル酸とし、グリコール成分をエチレングリコールとした飽和の熱可塑性ポリエステルです。ポリエチレンテレフタレートは、使用量が非常に多いため、単にポリエステルといえばポリエチレンテレフタレートを指す場合が多いようです。
 ポリエチレンテレフタレートは、融点約250℃、ガラス転移温度約70℃、比重1.38~1.40の透明性、強執牲、耐熱性などに優れた結晶性高分子。独特の結晶性を有しており、加熱/冷却や延伸などの加工条件で結晶化を制御し、結晶状態や配向状態を変化させると、全く異なる機械的、熱的性質のプラスチック製品となります。
 また ポリエチレンテレフタレートは、耐薬品性、ガス遮断性、保香性といった食品の容器包装に欠かせない性質を持っており、フィルム、ボトル、シートとして広く使用されています。
 二軸延伸ブローボトルは、透明性、ガス遮断性、耐薬品性に優れ、丈夫で耐圧性があることなどの特長から食品包装に適した材料であり、最初に、醤油、ソース、食用油、清酒ビールなどの食品包装や台所用液体洗剤、シャンプー、化粧品などの非食品包装に採用されました。その後、清涼飲料水容器として、熱固定した耐熱ボトルが開発され、熱充填が可能となったことにより、その用途も炭酸飲料、ジュース、ウーロン茶、コーヒー、スポーツ飲料などのボトルを中心として急速に普及してきました。  
 ポリエチレンテレフタレートは、成形加工条件によって耐熱性が大幅に違うので、湯煎や電子レンジ加熱などで使用する時には特に注意が必要です。
 結晶化により、不透明化した耐熱容器は、電子レンジやオーブンに使用されますが、食品の種類によって、長時間加熱したときに高温に達するものもあり、使用上の注意書きに従うことが必要です。
 熔融紡糸して繊維を作り、成形してフィルムを作る。繊維としては耐熱性が他の合成繊維よりも良く、弾性回復、耐しわ性も良く、羊毛に類似の性質を持っている。多くは衣料、タイヤコードなどに利用されている。商品名テトロンなど。

◎ポリエチレンナフタレート(PEN)
 ポリエチレンナフタレートは2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチルとエチレングリコールを原料として高温で重縮合して得られるポリエステル系の樹脂です。
 1945年に発明されて1990年から工業化されております。 PENはPETと同類のポリエステル系樹脂であり高透明性、高強度物性、等のPETと 共通の特性に加え更に高耐熱性(100℃以上)、高ガスバリヤー性、紫外線カット性等の特徴ある優れた物性を持つています。
 この特性を生かし、フィルムではAPS用や磁気テープ分野等での用途があり、食品関連用途では海外におけるミネラルウォーター用のリターナブルボトル(写真-1)、機内食用ジャム容器、国内ではゼリー容器(写真-2)、への採用等が見られます。ビールボトルヘの応用も海外では検討されており今後の展開が期待されます。

◎ポリエーテルイミド(PEI)
 GEがポリエーテルスルホンに対抗して開発した樹脂。非結晶性スーパーエンプラ。ポリエーテルイミドは4.4'〔イソプロピリデンビス(P-フェニレンオキシ)〕ジフタル酸二無水物とメタフェニレンジアミンとの縮合により得られる熱可塑性、高耐熱性のエンジニアリングプラスチックです。日本ジ-イ-プラスチックス(株)がウルテムという商品名で販売しています。
 ポリエーテルイミドの特徴は、琥珀色の透明な非晶質樹脂で、高耐熱性(HDT:200℃)、耐汚染性(汚れがつきにくい)、耐化学薬品性、耐加水分解性が高く、リサイクルが可能というほか、樹脂そのものが難燃性を持っています。
 このような特徴を活かして、調理用耐熱容器などに使用されています。 ポリエーテルイミドは、ほかのプラスチックともなじみがよく、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリアミドイミドなどとのアロイが可能です。このほか、食品用途以外の分野でも電気、電子部品、航空機部品などに広く展開しています。

◎ポリエーテルエーテルケトン(polyether ether ketone:PEEK)
 芳香族系の直鎖状高分子で熱可塑性の結晶性樹脂である。熱可塑性樹脂の中では最高レベルの耐熱性をもち、電線被覆、工業部品を中心とする射出成型品に使用されている。固体。
 結晶性スーパーエンプラ。科学的にも物理的にも非常に安定している。結晶性と非結晶性が半々にしかも極めてミクロな状態で混ざったような構造。耐薬品性に優れる。半導体の洗浄ラインの容器。純水のパイプライン。

◎ポリエーテルサルフォン(polyether sulfone:PES)
 ポリエーテルスルホンとも言う。イギリスのICI社が開発した。透明性を有する非結晶性樹脂の中では最も高い耐熱性を有している。酸、アルカリ、さらにはスチームに対しても安定である。寸法精度良。
 芳香族ポリサルフォン系樹脂のひとつジクロロジフェニルサルフォンを主原料に縮重合反応によって得られる非晶性樹脂。ポリサルフォンがコポリマーであるのに対してポリエーテルサルフォンはホモポリマーである。耐熱性、耐加水分解性に優れ各種工業部品に使用されている。固体。

◎ポリ塩化ビニリデン(polyvinylidene chloride :PVDC)
 塩化ビニリデンと塩化ビニルとの共重合体を通常、ポリ塩化ビニリデンと言っています。単独重合体の軟化点185~200℃、融点212℃、比重d20=1.875、ガラス転移温度-18℃。耐薬品性、耐溶剤性が良く、吸水性がほとんどない。繊維、フィルム、ラテックス、塗料、ライニング、成形品として利用されている。
 1838年にフランスの化学者ルーニョによって塩化ビニリデンモノマーが発見されました。1939年ごろアメリカのダウ・ケミカル社によって工業化され、日本では1952年、旭ダウが、また、1953年には呉羽化学が工業化しました。
 ポリ塩化ビニリデンの特徴は気体や水分の透過性が非常に小さく、耐熱性、耐寒性に優れていることがあげられます。
 この特徴を活かして、家庭用ラップフィルム、ケーシング用フィルムとして水産加工品などの包装に、外装用としてハム、ソーセージなどのほか、コーティング材としても使用されています。

◎ポリ塩化ビニル(PVC)
 日本では第二次世界大戦後の1940年代後半から「ビニール風呂敷」でお馴染みになったプラスチックです。透明で本来は硬いプラスチックです。卵のパックケースなどがポリ塩化ビニルに近いといえます。
 塩化ビニルというガスをモノマー(原料)として作られます。1933年にドイツで工業化された歴史の古いプラスチックです。ポリ塩化ビニルが正しい名称ですが、一般には「塩化ビニル」、「塩ビ」と省略して呼ばれることが多く、また英語の略号「PVC」も用いられています。
 硬いポリ塩化ビニルに軟化させる成分を加えると、軟らかくしなやかなものができます。このようなポリ塩化ビニルを軟質ポリ塩化ビニルと呼んでいます。軟化させる成分を可塑剤と呼びます。添加剤の一種です。「ビニル風呂敷」も軟質ポリ塩化ビニルだったわけですが、日用品ではテーブルクロス、人形、かばん、サンダル、農業関連ではビニルハウス用のフィルム、食品関連ではスーパーで肉や魚をラップしているフィルムなど、幅広く使われています。また電線被覆や、壁紙、床タイル、ホ←スなどの住宅用品、血液バッグなどの医療用品も重要です。
 一方、可塑剤を加えていない硬いは、硬質ポリ塩化ビニルと呼ばれており、酸素が通りにくいので、ボトルとして用いると内容物が比較的長もちするという特長を生かして、ソースや醤油、シャンプー、洗剤用などに使用されています。このほか、上水道や下水道のパイプ、雨どい、窓枠など、建材としても欠かせない存在です。
 このようにさまざまな分野でポリ塩化ビニル製品が使用されているのは、硬いものから軟らかいものまで作れることに加えて、ポリ塩化ビニルがバランスの取れた物理的、化学的性質を備えているからです。

◎ポリオレフィン(polyolefine)
 エチレン、プロピレンなどのオレフィン類の単独重合体、または異種ポリオレフィンとの共重合体の総称で、ポリエチレン、ポリプロピレンなどがその代表的なもの。オレフィン系炭化水素を原料とする合成樹脂の総称。
 通常、エチレン、プロピレンを主原料とする低・高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性汎用合成樹脂を指しているが、アイオノマー樹脂、ポリブテン、またメチルペンテンポリマー等もポリオレフィンに属する。

◎ポリカーボネート(polycarbonate:PC)
 代表的なエンジニアリングプラスチック。非結晶性。強靱で透明性、耐熱性、寸法安定性、難燃性などに優れ、特に衝撃強度は熱可塑性樹脂でも最高に近い値を示す。寸法安定性、寸法精度、に優れる。耐化学薬品性、耐溶剤性に弱点がある。ストレスクラッキングを起こしやすい。耐熱水性も悪い。
 ビスフェノールAとホスゲンを原料として生産される耐衝撃性、寸法安定性に優れた非結晶性の熱可塑性樹脂。電気機器やカメラ等の部品に使用される。固体。
 PC樹脂は耐衝撃性や透明性に優れる樹脂で、光ディスクなどの情報記録媒体に使用され、特にこの数年来、CD-ROMを中心にエレクトロニクスの用途が急増し、さらに建材などにも用途が広がっている。業界推定では、PC樹脂の世界需要は年間150万トンで、2004年には250万トン前後に拡大すると見られている。
 ポリカーボネートはビスフェノールAと塩化カルボニルまたはジフェニルカーボネートを反応させて得られるポリエステルの一種で、透明で軽く強靭な性質で、耐熱温度も130℃と高く、耐衝撃性や電気絶縁性に優れた特性を持っています。
 ポリカーボネートは、1959年にドイツのバイエル社が最初に生産を開始しました。1960年には、アメリカでGE社、日本では帝人化成(久野島化学)、出光石油化学が、1961年には三菱ガス化学(旧江戸川化学)と次々に工業化されていきました。
 ポリカーボネートは現在、CDや光ファイバーのような光学関連、各種の家電製品、カメラ、携帯電話、OA機器、電子機器、医療機器、自動車などの部品、ゴーグルなどのスポーツ用品、ヘルメットや安全眼鏡のような保安部品、ドームの屋根材やガラスに代わる窓材のような建築材料、食品関連用途などに使われています。
 食品関連用途としてはプラスチックの哺乳瓶の大半はポリカーボネートが使われており、約30年の使用実績があります。また、水ようかんやカレールーの容器、弁当箱、ビ-ルのジョッキーや食器等にも使用されています。
 ポリカーボネートは、有機溶剤に弱いのでシンナーやドライクリーニング液とうに触れると、ひび割れや表面が溶かされたりすることがあります。また、強アルカリ性の水溶液に接触すると、ポリカーボネートが加水分解することがあるので注意が必要です。

◎ポリ酢酸ビニル(酢酸ビニル樹脂)
 酢酸ビニルをモノマーとして作られるプラスチックです。チューインガムの主成分です。チューブに入った接着剤や木工用の接着剤にも用いられています。ポリ酢酸ビニルをカセイソーダで処理すると、合成織椎のポリビニルアルコール(ビニロン)が得られます。

◎ポリサルフォン(polysulfone:PSU)
 ポリスルホンとも言う。耐薬品性に優れ、透明で機会強度も強い。非結晶性スーパーエンプラ。
 分子内に-SO2-結合をもつ非晶性の合成樹脂。芳香族系とアルキル系に大別され、通常エンジニアリングプラスチックとして供給されているのは芳香族系のものである。耐熱性、耐加水分解性に優れ、高温下でも酸、アルカリで加水分解されず、熱水、加熱スチームに長期間耐える。電気・電子、自動車等の工業部品、食品・化学工業等の装置部品等に使用されている。固体。

◎ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)
 ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレートは1.4へキサンジメタノールとテレフタル酸を主成分とするプラスチックで、熱可塑性ポリエステルの一種です。
 ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレートの特徴は、PETに比べガラス転移温度、結晶溶融温度が高く、耐熱性に優れた成形品が得られ、医療器具、電子機器製品、食品用としては冷凍調理食品、ベーカリー製品、機内食サービスなどに使用されています。
 生産はアメリカのイーストマン・ケミカル社のみで国内へは輸入されています。

◎ポリスチレン(polystyrene:PS)
 スチレンモノマーを重合して製造される熱可塑性樹脂。家電製品のボディー材、食品トレーなどに使われる汎用樹脂。スチロール樹脂と呼ばれることもありますが、これはドイツ語からくる呼び方で す。英語のPolystyreneを略してPSとも呼ばれます。無色透明の熱可塑性樹脂で、塊状重合、懸濁重合などによって合成される。比重d23=1.05~1.07、ガラス転移温度82℃。固体。1930年にドイツで初めて工業化された。
 代表的な熱可塑樹脂の一種でスチレンおよびその誘導体を主体とする重合体をいう。種類としては、一般用(GP)、耐衝撃性(HI)、発泡(FS)及びスチレン系共重合樹脂(AS、ABS)がある。そのうちGP、HIはテレビ、冷蔵庫、VTR、ラジカセ等の電気・工業部品、容器、家庭用品、玩具等に使用される。
 GPPS(ゼネラルパーパス・ポリスチレン)と呼ばれる、軽くて硬い、透明なポリスチレンは、成型加工が容易で、寸法安定性が良い製品が得られます。また、顔料との親和性が良いので、きれいに着色することができます。
 このポリスチレンは、包装フィルム、トレー、コップ、調味料入れなどの家庭用品に使用されています。
 ポリスチレンを数倍から数十倍発泡させたものか゛、軽くて断熱性,緩衝性に富んだ発泡ポリスチレンです。
 魚、肉、野菜のトレー、カップ麺の容器、弁当などの折箱、野菜、果物、魚を運ぶコンテナーなどに使用されています。食品用以外の分野でも電気機器の緩衝梱包材、建築用の断熱材、畳床として欠かせないものになっています。
 モノマーにゴムを混ぜて重合すると、耐衝撃性が優れた半透明のHIPS(ハイインパクト・ポリスチレン)になります。主にVTRのカセット、TVやOA機器のハウジングに使用されています。食品分野では、乳酸菌飲料容器のほとんどがこのHIPSでほかに、トレー、使い捨てコップなどに使用されています。
 このように種々の用途に使用されるポリスチレンも耐熱性や耐油性には優れているとはいえません。電子レンジに使用する容器には適していませんし、溶剤や食用油を入れるとことは避けてください。

◎ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol:PVA、PVAL)
 ポバールまたは、PVAともいう。酢酸ビニルを酸またはアルカリで加水分解して得られる。ビニロンの原料。固体。ポリビニルアルコールは、酢酸ビニルを重合してポリ酢酸ビニルとし、これを加水分解することによって得られるプラスチックです。
 無色の粉末。水に可溶、一般の有機溶媒に不溶。合成繊維ビニロンの原料となり、接着剤、分散剤、水溶性フィルムなどにも用いられる。
 ポリビニルアルコールの工業化や周辺技術の開発は、主に日本でなされ、日本の技術が世界で一番進んでおり、生産能力、生産量共日本が世界一という数少ないポリマーの一つです。
 繊維製品の透明包装用フィルムは、ポリビニルアルコールの代表的な用途の一つで、近年、特殊な用途として農業用の保温材、直掛けネットとしても使用されています。
 容器包装としては、ポリビニルアルコールの高ガス遮断性を生かし、ポリオレフィン等と共押出しされて、多層ブローボトルや、深絞りカップの中間層に用いられ、マヨネーズ、ケチャップ、味噌、サラダ油、天ぷら油、チーズケーキ、ゼリー、ジャムなどに使用されています。
 さらに、ポリビニルアルコールの高ガス遮断性を利用して、ガス置換包装や真空包装や脱酸素剤入り包装に用いられ、対象物としては、カツオパック、煮干し、昆布、蒲鉾、スライスハム、ソーセージ、味噌、液体スープ、しょうゆ、漬物、お茶、コーヒー カステラ、まんじゅう、ピーナッツ、しょうのう、バラジクロルベンゼン、ケミカルカイロなどに使用されています。

◎ポリフェニレンエーテル(polyphenylene ether:PPE)
 ポリフェニレンエーテルは、フェノールとメタノールを原料として作られる非結晶性の熱可塑性樹脂です。電気特性(絶縁性)と耐熱性等に優れているのが特長です。
 ポンプインペラー、水道用バルブ、家庭電気製品や自動販売機の部品などに使用されています。日常、われわれの目に触れにくい機械や器具の機能部品として、重宝されているものです。

◎ポリフェニレンオキサイド(polyphenylene oxide:PPO)
 フェノールとメタノールの合成によって得られる2、6-キシレノールの重合体であるPPO(またはPPE)とポリスチレンとのブレンドあるいはグラフト重合によって得られる製品が代表的なもの。プラスチック・アロイのひとつで、非晶性の熱可塑性樹脂である。広い温度範囲で機械的性質が安定しており、かつ電気的特性に優れているのが特徴。電気・電子、OA機器の機能部品及びハウジングに使用されている。固体。

◎ポリフェニレンサルファイド(polyphenylene sulfide:PPS)
 ポリフェニレンスルファイドとも言う。結晶性スーパーエンプラ。アメリカ・フィリップの特許切れから数社の参入。耐熱性に優れる。
 パラジクロルベンゼンと硫化ソーダの合成によって得られる結晶性の合成樹脂。汎用エンジニアリングプラスチックに比べて耐熱性がきわめて高く、機械的強度、電気的特性、耐薬品性に優れている。
 荷重たわみ温度が260度、長期耐熱温度も220から240度。粘度が低いため、ガラス繊維、無機鉱物質などのフィラーを入れてコンパウンドさせる。バリが発生しやすい。分子鎖にイオウ(S)を含んでいる。成形品の表面でイオウの一部は架橋反応を起こし、熱硬化性樹脂のような状態になる。
 重合後の精製工程から得られるニードポリマーは粉体であり、これ自体では成形しにくいため、高温処理したものに各墲フ無機フィラーを配合して射出成形グレードとする。電気・電子部品、一般機械部品に使用される。固体。

◎ポリフェノール(1995年10月27日)
 アントシアン、カテキン、タンニンなど、一群の物質の総称。色素成分、食品の苦味、渋味などの味の成分。

◎ポリブチレンテレフタレート(polybutyrene terephthalate:PBT、PBTP)
 比較的新しい熱可塑性ポリエステル樹脂。機械的性質、高い熱変形温度、耐摩耗性など、ポリアミド、ポリアセタール並みの性質を有し、また吸水率も小さく耐油性に優れているが、強酸、強アルカリ、熱水に弱く衝撃強度が弱いなどの欠点がある。
 テレフタル_ジメチルと1、4-ブタンジオールを出発原料とするテレフタル_ジメチル法(エステル交換反応)、あるいはテレフタル_と1、4-ブタンジオールを出発原料とする直接重合法(直接エステル化法)によって得られるビスヒドロキシブチルテレフタレート(BHBT)の重縮合体。強靭で剛性が高く、熱的・電気的性質に優れた結晶性の熱可塑性飽和ポリエステル樹脂のひとつ。電気、電子部品に多用されている。固体。
 ポリブチレンテレフタレート(略称PBT、ポリエステルエラストマー)はテレフタル酸ジメチルと1.4ブチレングリコールを出発原料として製造されるポリエステル樹脂です。
 PBTは結晶性高分子で結晶化速度が速く、成形性が良好です。電気的性質も広い温度範囲にわたって良好で、吸水性が小さく、耐候性、耐薬品性も良いという特性を持った、性能、成型性ともにバランスのとれた高性能樹脂です。
 電気、電子機器部品、自動車部品、精密機械部品、その他、主として機能性を活かした部品として使用されています。食品用途では、餅つき機部品、両推計部品、濾過器部品、食品用コンテナー、歯ブラシの毛先、漬物の袋等に使われています。PBTは熱水中では加水分解するので、長期連続使用には不向きです。

◎ポリブテンー1(PB-1)
 ナフサの分解物であるブテンー1をチーグラ系触媒により、重合することによって得られるものです。
 ポリブテンー1は、分子量が100万~300万と非常に高いことと、分子構造の特異性から、他の熱可塑性樹脂にない、抜群のクリープ特性、耐ストレスクラック性、耐衝撃性、耐巣ラリー磨耗性を持っています。また、HDPE、PPに比較すると弾性率が小さく柔軟です。
 また、フィラーを高濃度に充填することができることも、ポリブテンー1の面白い特徴の一つです。もちろん、一般のポリオレフィンと同様、耐水性、耐薬品性、電気絶縁性にも優れています。
 ポリブテンー1のパイプは、優れた耐熱クリープ性・柔軟性を活かして、各種の温水・給水パイプとして使用されています。

◎ポリブテン(polybutene)
 イソブチレンを主体とする低重合体。スペントBBを原料として製造されるため若干のブテン-1が共重合した液状ポリマーとなる。潤滑油、含浸油、石油添加剤等に使用される。液体。

◎ポリプロピレン(polypropylene:PP)
 プロピレンというガスが原料です。プロピレンの重合体で、合成樹脂、合成繊維として用いられるものを言う。自動車部品などの原料として利用される汎用樹脂。融点164~170℃、比重0.90~0.91、分子量10万~20万。
 1954年、イタリアのナッタ博士により発明され、日本での工業化は1962年です。ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンと並び、4大汎用樹脂(日常的に使用されるプラスチック)の一つです。
 プロピレンを主体とする重合体をいう。固体。結晶性高分子の一つであり、軽量(比重約0.902)で機械的性質、剛性、曲げ疲労性などに優れている。耐熱性、表面光沢などはPEよりも優れているが低温衝撃性は劣る。成形収縮率が大きく寸法精度が出しにくい。
 ポリエチレンと並んで石油化学製品を代表する熱可塑性樹脂。自動車や電気・電子部品、包装用等のフィルム、コンテナー、日用品、注射器等広範な用途をもつ。プロピレンを重合して製造される。
 ポリプロピレンの特色は、ポリエチレンに比べ、耐熱温度(100℃~140℃)が高いことです。また、他のプラスチックとのブレンド、無機系の充填剤との混合、他のプラスチックとの積層(張り合わせ)などで、剛性、耐衝撃性、気体透過性を改良した幅広分野に利用されています。
 用途としては、テレビ、ビデオ等の家庭用電気製品、バンパー等の自動車用部品、ビールのコンテナー、荷造り用バンドなどがあります。また、面白い利用例として、蝶番のない蓋と本体が一体になった箱(めがねケース、家庭用救急箱など)があります。
 代表的な食品関連用途としては、フィルム、シートでは、米菓、ラーメン、レトルト食品の包装。射出成形品では、マーガリンの容器、弁当箱、ブロー製品では、食用油、ケチャップのボトルなど。フラットヤーン織物として、米麦袋、不織布としてティーバック。新しいところではポリプロピレンフィルムにアルミニウムを蒸着させて、ゼリー等の水物包装容器になどに展開するなど、新しい分野への技術開発が進められています。

◎ポリプロピレングリコール(polypropylene glycol:PPG)
 プロピレンオキシドの開環重合で得られる両末端が水酸基(-OH)の低重合体。潤滑剤、界面活性剤、ポリウレタン原料、洗剤原料としても使用される。ポリウレタンの原料である。液体。
 メーカー:旭電化、三洋化成、第一工業製薬、武田薬品、旭硝子など。

◎ポリマー(polymer)
 重合によって生じた大きな分子量の化合物を、もとの化合物、すなわちモノマー(単量体)に対してポリマー(重合体)と呼ぶ。重合体が2分子の時は二量体、3分子の時は、O量体という。

◎ポリマー・アロイ(polymer alloy)
 いわば樹脂の合金(アロイ)。複数の樹脂(ポリマー)を分子、原子レベルで組合せ、それぞれの樹脂の特徴を生かして相手の樹脂の欠点を克服したり、個別の樹脂では得られない新しい性質を生み出す方法のこと。単に、樹脂同士を混ぜ合わせただけでは両方の樹脂の相性が悪く良好な物性が出てこない場合が多い。このため添加剤に工夫を凝らしたり、一方の樹脂を変性させることで相性を改善して幅広くアロイ化を進める技術開発に力が注がれている。

◎ポリマー・ブレンド(polymer blend)
 相性の良い樹脂(ポリマー)をブレンドすることで、個々の樹脂の長所を生かし高性能化を図る方法のこと。ABS樹脂とポリカーボネート変性ポリフェニレンエーテル、あるいはポリブチレンテレフタレート等のポリマー・ブレンドが市場に供給されている。

◎ポリメタクリル酸メチル(PMMA、polymethyl methacrylate)
 代表的なアクリル樹脂(メタクリル樹脂)であるポリメタクリル酸メチル(PMMA)は、メタクリル酸メチルCH2 = C(CH)3COOCH3をモノマー(単量体)として重合させたものである。ガラスのように無色透明であることから、別名、有機ガラスともよばれ、透明度が高く、ガラスよりも強靭である。重さはガラスの半分程度で、着色、加工は容易だが、硬度が小さいので傷つきやすい欠点がある。ポリメタクリル酸メチルは、航空機、自動車の風防ガラス、照明器具のカバー、水族館の水槽、サングラスやコンタクトレンズなどに利用される。細く成形したものは通信用の光ファイバーとしてつかわれる。着色されたものは建築材料や義歯などにも利用される。

◎ポリメタクリルスチレン(MS)
 ポリメタクリルスチレンは、メタクリル酸メチルとスチレンの共重合樹脂です。ポリ衛協の自主基準ではメタクリル酸エステルとスチレン誘導体をそれぞれ20%以上含み、且つ両者の合計が60%以上としています。
 ポリメタクリルスチレンは、ポリスチレンに比較して透明性、耐侯性、硬度が高く、メタクリル樹脂に比べ吸湿性が低く、成形性、耐アルコール性に優れています。
 従って、ポリメタクリルスチレンは、酸性食品、油性食品及びアルコール性食品のほとんどに使用できるプラスチックです。
 具体的には、調理加工済みの油性食品、酸性食品、アルコール性食品に使用され、器具としては塩入れ、コップ、お酒の容器等があります。

◎ポリメチルペンテン(polymethylpentene:PMP)
 ポリメチルペンテンは、4-メチルペンテン-1を主原料としてチーグラ触媒を用いて重合された樹脂です。
 ポリメチルペンテンは、ポリエチレンやポリプロピレンに比べ、耐熱性、透明性、離型性、ガス透過性に優れ、射出成形、および押出成形に対応が可能です。
 ポリメチルペンテンの用途は、主に医療容器、食品容器・包材、産業材の3つです。
 医療容器関連用途としては、血液分析用セル、プレフィルド注射器、血液バック、医療用コネクタ等、主に耐薬品性、透明性が活かされています。
 食品容器・包材用途は、耐熱ラップ、青果用鮮度保持包材、電子レンジ食品等、耐熱性、透明性、ガス透過性を活かした用途に使用されています。
 産業材用途は、プリント基板用離型フィルム、PET合成紙改質材、ゴムホース製造用シースおよびマンドレル等、耐熱性、離型性を活かした用途に使用されています。

◎ボーリング(1998年8月8日)
 ボーリングのボールは、エボナイトでできている。エボナイトは、硬質ゴム。容積は5420ml。日本では、栃木県佐野市にある日本エボナイト(株)が製造している。

◎ホルマリン(formaline)
 メタノールを原料として製造される。ホルムアルデヒドの37%水溶液である。フェノール、尿素、メラミン等の合成樹脂原料、あるいは合成繊維原料、防腐剤、各種有機合成原料等に使用される。液体。

◎マイクロカプセル(micro capsule)
 染料ベース、香料、薬剤、液晶などを直径1μm~1mm位の殻(カプセル)に封入したもの。感圧カーボン紙の発色剤、芳香インキなどに用いられる。

◎マイクロ波
 マイクロ波は、極超短波とも言われ、周波数300MHz~300GHz、波長では1m~1mmの電波の略称。
 波長が10cmまでのデシメートル波をUHF帯(300MHz~3GHz)、それ以下1cmまでのセンチメートル波をSHF帯(3GHz~30GHz)、さらにそれ以下1mmまでのミリメートル波をEHF帯(30~300GHz)に分類される。

◎麻黄(マオウ)(1997年10月10日)
 発汗作用があり、熱を下げる。また、せきをしずめる。

◎マキシシングル(2000年3月10日)
 日本レコード協会によりますと、業界で決まった定義はありません。これまでCDのサイズはシングル盤は直径8センチ、アルバムは12センチでしたが、ここ数年シングルで12センチのものが出てきました。こうしたものを一般にマキシシングルと呼んでいます。今年は宇多田ヒカルの大ヒットもあり発売数が増えています。
 東芝EMIによりますと、ヒットチャートでシングル扱いされるのが4曲以下なので、マキシシングルも4曲以下となっています。12センチシングルと呼ばれるものもありますが、マキシの方が12センチシングルより曲数が多いと言えるでしょう。
 もともとヨーロッパでは8センチサイズのCDがなく、12センチCDを「マキシ」と呼んでおり、これに「シングル」を付けた和製英語のようです。

◎マグネシウム(1997年10月10日)
 不足すると疲れやすくなる。また下痢や便秘などが起こり、精神的にも不安定になる。

◎マスターバッチ
 最終配合物中に存在すべき材料の一部を混合していない配合物。方式には湿式と乾式とがある。

◎マニホールド(manifold)
 (機械)内部に配管の役目をする通路を形成し、外部に2個以上の機器を取付けるためのブロック。

◎マラソン(1999年12月21日)
 紀元前490年、マラトンの戦でアテナイがペルシアの大群を破った。この時、一人の兵士がアテナイまで走って勝利を告げ、そのまま息絶えた。マラソンはこの故事にちなんでアテネで行なわれた第1回近代オリンピックから採用されたもので、距離もマラトンの古戦場からアテネの競技場までの約40キロとなった。
 現在のように42.195キロと固定されたのは第8回パリ大会から。それ以前は40キロ前後で一定しなかった。パリ大会のとき決定の基準となったのが、1908年のロンドン大会時の距離。このとき、コースはウィンザー城を出発点と設定されていた。それを知ったのがプリンセス・メリー。それならばぜひスタート地点を育児室の窓の下にして欲しいと懇願。これが採用されて、26.385マイル(42.195キロ)となった(日経新聞、1999年11月27日)。マイルでもキロメートルでも区切りの悪いこの数値、そんな王室のわがままか
ら始まっていたわけ。

◎マンゴー(1996年8月14日)
 熱帯の地域であればどこでも栽培できるが、インドが原産地。ウルシ科の植物であるため、かぶれることもある。日本にはメキシコ産のリンゴに似ているリンゴマンゴー、フィリピン産のイエローマンゴー、オーストラリア産のグリーンマンゴーが輸入されている。
 切り分ける際には、中心部の種を避けて包丁を入れ、種を骨に見立てて魚を三枚に下ろす要領で切る。

◎マンセル記号(Munsel number)
 マンセル表色系のシステムによって色彩を表示する記号。色相をH、明度をV、彩度をCで表す。

◎マント(manteau)(1999年8月14日)
 フランス語。袖無しの外套。

◎密度(density)
 1つの量が空間、面または線の上に分布しているとき、微小部分に含まれる量の、体積、面積、または長さに対する比をいう。体積密度、面密度、または線密度とよんで区別する。一般には体積密度のことである。各種の量に対して用いられるが、単に密度といえば、質量についての体積密度(g/cm3:1ml当りの質量)を指すのがふつうである。

◎未亡人(1996年1月19日)
 夫が先に死亡した婦人の自称。「夫に死なれて共に死ぬべきであるのに、未だ生き残っている人」という意味。自分のことを謙遜していう言葉。

◎ミルシート(2005年12月10日)
 鉄鋼メーカーが、規格が指定された鋼材を受注した場合に、その製造結果が指定された規格などの要求事項を満足していることを証明した書類のことで、一般に「ミルシート」と呼ばれています。
 正式には「鋼材検査証明書」(Inspection Certificate)、又は単に「検査証明書」と言います。発行は、慣例としてその製品を製造したメーカーの製造箇所の品質管理部門が行います。
 内容は、商社名/需要家名、契約番号、商品名、証明書番号などの一般事項のほか、寸法、員数、質量、検査番号、めっき量(表面処理品の場合)、引張試験値(引張り強さ、降伏点、伸びなど)、化学成分(5元素:C、Si、Mn、P、S)などの製造実績値が記載されていいます。

◎明朝体(1999年12月19日)
 新聞や書籍に使われている文字は明朝体が主流。日本ではその製造所の由来から築地系、秀英系などと呼ばれて引き継がれて来ており、新聞社ごとに違うなど、現役の著名なものだけでも60書体以上が流通している。
 明朝体の活字は、もともとはフランスの東洋学者や英米の宣教師らにより作られた。縦が太く、横が細い。アルファベットの基本書体、ローマン体と同じで、欧米の人にとって自然に採用できた書体(朝日新聞、1999年11月14日)。
 書体そのものは、名前のとおり、中国の明で16世紀から使われていたという。ルーツは「一切経」の版木に掘られた文字。三蔵法師玄奘が持ち帰ったとして知られる経典。日本でこれを模写したとき、明版を元にしており、その書体が明朝体と呼ばれるようになる。
 明朝体の祖形は楷書体。「トン・スー・トン」で説明される「三過折」筆法で書かれる。トンと筆をおき、スーと横に筆を送り、最後にトンと押さえてから筆を抜く。明朝体の横線の最後には、うろこと呼ばれる三角の部分がある。楷書体の筆法の「トン」のなごり。

◎無機EL
 金属化合物などの無機物を発光体にする電界発光(EL:electronic Luminescence)。実用化されている無機ELは交流で動作するものが多く、輝度は電圧と交流周波数に依存する。分散型ELといわれることもあるが、駆動電圧をあげるための昇圧コイルやコンデンサまでワンチップ化し、200V、1500Hzくらいまでの駆動ICも開発されている。

◎無機顔料(inorganic pigment)
 無機質の顔料で合成によるものと天然の鉱物から作ったものがあり、安価でしかも耐候性、耐熱性、耐溶剤性等に優れているが、色の鮮明さ、着色力では有機顔料に及ばない。

◎無機系充填剤
 炭素カルシウム、タルク、マイカ(金雲母)、ウオラストナイト(カップリング剤で処理)増量剤、低収縮、低そり、耐熱性の向上。

◎無給油機器(oil-less enclosed pneumatic device)
 (機械)あらかじめグリースなどの封入によって、長期間潤滑剤を補給しなくても運転に耐える空気圧機器。

◎無機蛍光顔料(inorganic fluorescent pigment)
 ブラックランプの光(紫外線)により鮮やかに発色する。自然光の下では、白あるいは半透明色。耐光性がよい。

◎ムクドリ、椋鳥(1996年1月19日)
 ①スズメ目ムクドリ科の鳥の総称。
 ②スズメ目ムクドリ科の鳥の一種。大きさは10~35cm。灰褐色で、くちばしと脚は黄色。日本各地の人家付近の樹林や田圃(たんぼ)に群棲し、果実や昆虫を食う。鳴き声がはなはだ騒がしい。

◎無潤滑機器(non-lubricant pneumatic device)
 (機械)特定の構造によるか、自己潤滑性がある材料を用いて、特に潤滑剤を用いなくても運転に耐える空気圧機器。

◎無水フタル酸(phthalic anhydride)
 アルキド樹脂、可塑剤の原料。ナフタリンまたはキシレン中に含まれるオルソキシレンを原料として製造される。固体。

◎無水マレイン酸(maleic anhydride)
 不飽和ポリエステル樹脂、可塑剤等に使用される。ベンゼンを原料にした製法と、BB留分を原料にした製法がある。固体。

◎ムラ(unevenness)
 印刷されたインキの濃度や厚さが均一でないこと。

◎明度(brightness)
 色相、彩度とともに色の3属性の一つ。色の明るさを尺度化したもの。マンセル表色系ではバリューがこれにあたる。

◎銘板(2008年6月24日)
 「JISZ8304:銘板の設計基準」では、「銘板とは、金属、プラスチックまたは紙を素材とし、必要な事項を容易に消えない方法で表示したもの」と定義されています。一般的には、「名板」、「銘鈑」、「ネームプレート」なども同義語として使用されています。銘板の分類法としては、製法による分類と銘板素材による分類があります。

◎メジウム(medium(clear)
 印刷インキの色を薄くするために使用する無色透明のインキ。クリアーともいう。メジウムはグロス型インキで使用され、マット型インキではエクステンダーが使用される。色濃度調整の他、アルミペースト等の特殊色剤用混合ベースとして、また、オーバーコートやアンダーコート用としても使用される。

◎メタキシレン(meta-xylene)
 混合キシレンに30~45%含まれており、これを分離して得られる。混合キシレン中に最も多量に含まれている成分であり、イソフタル_原料として使用されている。一般的には混合物のままで異性化してp-キシレン等として回収されている。液体。

◎メタクリル・アクリレート樹脂(methacrylate resin:PMMA)
 看板、照明器具等に使用される。アセトンと青酸あるいはイソブチレンとメタノールから誘導されるメチルメタクリレート(MMA)の重合によって製造される。固体。
 メタクリル樹脂(PMMA)とも呼ばれています。無色透明な液体であるメチルメタクリレートが主原料です。1933年Rohm & Hass Co.により工業的に製造され、日本では1938年より本格生産となりました。
 メタクリル樹脂の特性としては、熱変形温度(ASTM D648)が70℃~103℃の範囲にあり、透明性、耐候性に優れ、機械的強度が良好で、且つ表面硬度が高いことです。
 また、表面光沢優れ着色も自由にできる特徴を有しています。
 これらのことから、無機ガラスに対して有機ガラスと呼ばれることもあります。
 メタクリル樹脂は、アセトン、ベンゼン、エステルなどに侵されますが、無機の酸、アルカリに強く、他の有機物に対して抵抗性があり、耐薬品性に注意すれば各種容器に利用することができます。
 大きな用途として、車のテールランプカバーや弱電機器カバー、看板、自動販売機前面カバーおよびカーポート屋根材があります。さらには、光学特性をいかした光学式ビデオディスク盤の材料、レンズ材利用、プラスチック光ファイバー等の用途へも広がっています。
 食品用ととしては、サラダボール、シュガーポット等の器具が主体となっていますが、食品売り場間仕切り用ならびに電子レンジ用窓などにも使用されています。

◎メタノール(methanol)
 ホルマリン、DMT、メタクリル樹脂等の原料並びに各種溶剤に使用される。天然ガス、液化石油ガスを原料として製造される水素と一酸化炭素を原料とする。液体。

◎メタメリズム(条件等色)(metamerism)
 ある光源のもとでは同一に見える色が、別の光源のもとでは違った色に見える現象。顔料の組み合わせが異なる調色インキなどで起こる。調色をする際の光源の選択が重要。

◎メタルハライドランプ(metalhalide lamp)
 高圧水銀灯の一種で、水銀の他に金属(ハロゲン化物)を添加したランプ。UVインキの硬化用に使用する。

◎メタル版(metal screen)
 金属製スクリーン版の総称。エッチングによる板状のメタル版やニッケル箔を使ったラインケメタル版等が知られる。プリント基板のレジスト印刷に使われることがあるが、一般のスクリーン印刷では使用しない。

◎メタロセン(シングルサイト)型触媒(metallocene catalysts)
 二つの平面体の間に金属原子が挟まれたサンドイッチ構造の分子をメタロセン化合物という。これは重合触媒としての活性点が一つだけ(シングルサイト)という特徴があり、特定の物性を持ったポリマーを選択的に製造することができる。工業的には1980年代半ばに開発され、90年代半ばからこの触媒によるポリエチレンの商業生産が始まった。

◎メタン(methane)
 CH4 最も構造の簡単な飽和炭化水素である。ナフサ分解ガス、COG、天然ガス等に含まれ、アンモニア、メタノール、アセチレン、シアン化水素等の原料として使用される。気体。

◎メタンガス(1995年8月28日)
 天然ガスの主な成分はメタンというよく燃える気体で、空気よりも軽く、色も臭いもありません。空気よりも軽いので、万が一漏れても低いところにたまらずに、上方に広がってくれます。また、地球温暖化の原因となる二酸化炭素は、化石燃料を燃やすとできますが、天然ガスは、石炭や石油に比べて30~40%も少ないクリーンなエネルギーです。
 天然ガスは、都市ガスの原料にするだけでなく、いろいろな使い方ができます。そして、さらに広い分野で利用できるよう研究が進められています。

◎メチルイソブチルケトン(methyl isobutyl ketone:MIBK)
 塗料溶剤として使用される。アセトンを原料として製造されるが、この際、メチルイソブチルカルビノール(略称:MIBC)を副生する。液体。

◎メチルエチルケトン(methyl ethyl ketone:MEK)
 塗料や印刷インキ等の溶剤として使用される。第2級ブタノールの脱水素によって得られる。液体。

◎メチルペンテンポリマー(methylpentene polymer:PMP)
 耐熱性に優れた結晶性のオレフィン系熱可塑性樹脂。全芳香族ポリエステルに分類される。耐薬品性を兼備しており、電気・電子部品、摺動部品のほか医療・実験器具、また耐熱紙容器のコーティング材料として使用されている。固体。

◎メチルメタクリレート(methyl methacrylate:MMA)
 MMA樹脂の原料。メタクリル酸メチルあるいはMMAモノマーともいう。製法的には従来アセトンシアンヒドリン(ACH)法が主体であったが、シアン化水素不足から、最近はイソブチレンまたはこれを含むC4留分の直接酸化による製法が主流となっている。液体。

◎滅菌、消毒、防腐
 滅菌sterilizationとは、あらゆる微生物を殺すことであり、消毒disinfectionとは、病原微生物さえ殺せば良いという操作である。
 消毒と滅菌については、いくつかの混乱がある。その主な理由は、消毒という概念のあいまいさにある。この原因として、病原性微生物の定義の不適確さをあげなければならない。次には、あらゆる微生物の一部分である病原性微生物だけを殺す手段が現実にあるかという点である。
 このように考えると、滅菌は可能であるが消毒は不可能であるということにもなりかねない。しかし、消毒はきわめて便利な言葉であって、実用語として、滅菌ほど強い処理を施さないというあいまいな概念として用いられている。
 消毒という言葉がすたれない理由のひとつは、非病原性微生物に比べて病原性微生物の抵抗性は弱く、分布も限られかつ汚染数が少ないことが多く、一般には滅菌よりも温和な処置で病原性微生物を殺すことができるためである。あらゆる微生物を皆殺しにするためには厳しい処置を加えなければならないが、ふつうに容認されている消毒処理は、かなり便利なものである。
 また防腐antisepsisとは、微生物による物質の劣悪化(腐敗)を防ぐことで、静菌状態にとどめることに近い。無菌動物とノトバイオートを飼育管理する場合は滅菌操作が不可欠であり、SPF動物やふつう動物を対象とする場合は消毒で間に合う。飼料の保管や死体保存には、一般に防腐処置ですまされる。

◎メッシュ(mesh)
 1インチ(2.54cm)に何本の糸が織られているか、という糸の線数のこと。

◎メバチマグロ(Bigeye Tuna)(1996年1月19日)
 スズキ目鯖科。別名、バチ、メブト、イモシビ、ダルマ、メッパ。成魚大きいものは150kg、2m位になる。ずんぐりと太めのスタイル。頭部と目が大きい。目がぱっちりと大きい為、目鉢という。身質は色も味も濃く柔らかい。刺身や寿司種として広く使われており、スーパーマーケットで販売されている。

◎メラミン樹脂(メラミン・ホルマリン樹脂)(melamine formaldehyde resin:MF)
 メラミンとホルマリンの反応によって得られる熱硬化性樹脂。表面硬度が大きく、滑らかで耐水・耐熱性に優れ成形後の収縮膨張が少ないこと、電機的には耐アーク性がよいこと等から電気・機械部品、食器等の成形材料、また化粧板、塗料等に使用されている。着色が自由で外観がよい。固体。
 メラミンという白い結晶とホルマリンとを原料として作られるプラスチックです。食器やテーブルトップとしてみなさんにもおなじみですが、素顔は無色透明です。
 ユリア樹脂とは異なり、耐水性の難点もなく、硬くて陶器に似た肌合いがあり、一段と高級なプラスチックです。耐熱性が大きいことは、タバコの火や熱湯を入れたヤカンで、ビクともしないことから納得していただけるでしょう。塗料や織物の樹脂加工にも用いられています。
 原料にホルマリンが用いられていますが、成形された製品からホルマリンはほとんど溶出しません。

◎モアレ(moire)(仏)
 点または線が幾何学的に規則正しく分布したものを重ね合わせることによって生じる干渉縞、斑紋。網点分解でスクリーンの角度が狂うと網点が干渉して顕著に生ずる。

◎モース硬度
 10種の基準となる鉱物と比較することによって、鉱物の硬度を求める経験的な尺度。基準となる鉱物は柔らかいもの(尺度1)から、硬いもの(尺度10)の順に、滑石、石膏、方解石、ホタル石、燐石灰、正長石、石英、黄玉、硬玉、ダイアモンド。基準の鉱物と目的の岩石を引掻き合わせ、できた傷の有無から、例えば、石英に傷つけられて正長石に傷をつけた場合は(-7)、(+6)というような表現をする。

◎モデム(MODEM)(1998年8月28日)
 コンピュータからのデジタル信号を普通の電話回線で使うアナログ信号に変換する、またはその逆のことをする機械。MOdulator/DEModulatorの頭の文字をとってモデムと呼ぶ。

◎モノクロ(モノクローム)(monochrome)
 一色で表現された絵、又は白黒写真

◎モノマー(monomer)
 ポリマー(重合体)の基礎原料となる比較的低分子量で構造が簡単な化合物のことをモノマー(単量体)という。例えばポリエチレンに対するエチレン、ポリスチレンに対するスチレンモノマーがこれに当たる。

◎モバイル(mobile)
 「移動性を持った」、「可動式の」という意味の形容詞。転じて、携帯電話機や持ち運び可能な小型コンピュータ一般のこと。

◎喪服のアクセサリー(1995年8月28日)
 黒か白のパールが良い。パールは涙を象徴すると言われ、慶事、弔事どちらにも使うことのできる唯一の宝石。その他、黒曜石、オニキスなどが弔事に使うことができる。ネックレスは一連のものを使う。二連、三連のものは「凶事が重なる」として嫌う。指輪は結婚、婚約指輪以外はなるべくやめる。

◎モリブデン(Molybdenum)(2000年1月12日)
 元素記号はMoで融点が2630℃のレアメタル。比重は10.2。モリブデンの特質を利用して、様々な用途が開発されているが、ステンレス鋼や特殊合金への利用が大半を占めている。半導体の配線材料や電極など電気工業、触媒などの化学工業の分野、潤滑剤などの分野への利用も増加しつつある。化学工業では、石油精製に重要な脱硫触媒元素として使用されているほか、オレンジ色の顔料としても利用されている。また磁性材料の点からは、モリブデンは永久磁石合金の構成元素として利用されている。
 二硫化モリブデンは、広い温度範囲にわたって潤滑性能がすぐれ、自動車や工業用潤滑剤として使用されている。そのほか、難燃助剤としてガラス、セラミック工業でも使用されている。
 PbMoO4は光偏光素子として、MoNは超伝導材料として注目されている。

◎モルタル
 セメント、石灰および砂の混合物。レンガあるいは石造物の下塗りに用いる。

◎モロヘイヤ(1996年7月9日)
 エジプトを中心にした中東、アフリカ地域やフィリピンが主産地。シナノキ科ツナソ属の一年草で、和名はタイワンツナソ。

◎もんじゃ焼き(1999年7月9日)
 「文字焼き」がなまって「もんじゃ焼き」になったという説が有力。寺子屋のあった時代に、鉄板の上で先生が文字を書きながら子供たちに教えたといわれている。

◎夜光塗料(Luminous Paint)
 発光塗料ともいい、せまい意味では全く光がなくてもリン光(→ ルミネセンス)を出す顔料を混入した塗料のことをいうが、一般的には光エネルギーを蓄えて発光するものも含めている。看板、港湾や道路の標識、時計の文字盤、釣り用品、アウトドア用の衣料などに使われる。
 かつては発光性の物質として、亜鉛や銅の硫化物に、ラジウムやトリチウムなどの放射性の元素を、少量加えてものが使われた。しかし、放射線障害の危険があるため、現在では時計やコンパスのように、ガラスなどで密閉した器具に限定して使われるだけである。こうした塗料は、外部から全くエネルギーが供給されなくても発光するので、とくに自発光塗料ともいう。
 一般に使われるのは、紫外線などの光をあてておいて光エネルギーを化学的に蓄積し、光がなくなっても長時間にわたって発光し続けている顔料で、正確には蓄光塗料という。

◎野菜と果物の違いは(2000年3月10日)
 農水省と大阪市中央卸売市場に聞きました。行政上の分類では、種をまいたあと1年で花を咲かせ、そのあと枯れる1年草本類を「野菜」、木やつるのまま何年も成長をする多年生の木本類の果実を「果物」としています。この分類ではスイカやメロン、イチゴも「果実的野菜」として野菜とみなされます。
 一方、食生活の面から見れば、副食(おかず)になるものが野菜、嗜好(しこう)品が果物と分けるのが一般的です。この分類ではスイカ、メロン、イチゴとも果物になります。
 また、大阪市中央卸売市場では、野菜と果物の取引は別々に行われています。スイカ、メロン、ブドウ、レモンなどは果物の方で売買されますが、慣例として、野菜の仲卸業者も競りに参加できるようになっています。しかし、イチゴは扱えません。

◎やぶさかでない(1999年12月28日)
 難しい日本語の言葉の一つに「やぶさかでない」というのがあります。「やぶさか」というのは、「吝か」と書き、ケチ、物惜しみをする、といった思い切りの悪い様子を言う否定的な言葉です。これを「~でない」と打ち消しているわけです。
 ところが、否定語につられて、言葉全体が否定的な意味と勘違いしがち。否定的なニュアンスを否定しているわけですから、裏の裏、肯定的な意味になり、~する努力を惜しまない、快く~する、といった意味になります。
 ちなみに「とんでもない」の「ない」は否定語ではありません。この言葉は「とんでもない」という一語の形容詞。「とんでもな」までが語幹で、「い」が活用語尾になります。ですから「やぶさかではありません」とは言えても、「とんでもありません」は間違った日本語、ということになります。

◎ヤモリ、守宮(1996年1月19日)
 有鱗目トカゲ亜目のハチュウ類の一群の総称。六百数十種。トカゲに似て平たく、鱗は微小で全体暗灰色。多数の褐色斑が散在。夜出て、昆虫を捕食。無毒。

◎ヤレ(破れ)(faulty printing)
 印刷、乾燥作業などにおいて、種々の原因により最終的に製品として使用することのできない印刷物。

◎有機EL
 炭素などを含む有機物を発光体にする電界発光(EL:electronic Luminescence)の略。ガラス基板上のプラス電極と、マイナス電極の間にはさんだジアミン類などの有機蛍光物質に電圧をかけて発光させるもので、いわゆる自発光デバイスであり、バックライトなどの他の光源を必要としない。

◎有機EL表示装置
 電圧を加えると自ら発光する有機EL素子を使ったディスプレイ。液晶表示装置と異なり光源(バックライト)が不要なため、消費電力を抑えやすいほか、パネルの標準化が容易。斜めからでも画像がはっきり見え、画面の切り替え速度も速い。国内外の電機メーカーなどが相次いで開発・製品化に乗り出しており、2005年時点で世界の市場規模が2,000億円を超すとの予測もある。

◎有機顔料(organic pigment)
 合成もしくは天然の有機色素からなる着色顔料で、一般に無機顔料に比べ耐候性、耐薬品性に劣るが、色の鮮明さ、着色力は優れている。

◎有効数字(significant figure)
 実験結果などを表わす数値のうちで、位取りを示す0(例:0.05)を除いた意味のある数字を有効数字という。実験により得られた数値は、測定の「正確さと精密さ」で決まる固有の桁数の数字(有効数字)で示される。
 例えば、350gという測定値は、0.1gの桁を四捨五入したものならば有効数字3桁であるが、1gの桁を四捨五入したものならば有効数字2桁である。一般的に、350という数値は有効数字3桁として扱われる。
 有効数字をきちんと示したい場合、その数値は3.50×102g、2 桁の有効数字ならば 3.5×102gと書き表す。
 全桁数で示す場合は、「有効数字は*桁である」と表現する。最小桁で示す場合は、「小数第*位までである」と表現する。この場合、 誤差の目安となる標準偏差に±を付けて有効数字の信頼性を示すことがある。
 少数点以下の末尾の0(例:0.020、有効数字2桁)は、有効な数字の一部である。先頭の0は、有効数字の桁数には入れない(例:0.020、有効数字2桁)。
 有効数字2桁として数値を示す例:3 → 3.0、0.008 → 8.0×10-2

◎有効断面積(effective area)
 (機械)バルブなどの実流量に基づき、圧力の抵抗を等価のオリフィスに換算した計算上の断面積(mm2)。流れの能力の表示値として用いる。主に日本を中心とした東南アジアで使用されている。

◎誘電体材料(Dilectric materials)
 1943年、酸化バリウム(BaO)と二酸化チタン(TiO2)とからペロブスカイト型構造をもつ強誘電体チタン酸バリウム(BaTiO3)が合成されて以来、工業的重要度が飛躍的に高まった。その後、ペロブスカイト型構造をもつ化合物の活発な研究開発により、種々の強誘電体チタン酸塩化合物が合成され、電子材料の幅広い分野に利用されている。
 また1980年台の半ばから、強誘電体薄膜を用いた不揮発性メモリの実用化に向けての研究開発が、日米を中心に大学や企業で盛んになってきた。強誘電体不揮発性メモリは電気的に消去・書き込みのできるEEPROMなどに比べると、高速で書き込みができるため、ランダムアクセスメモリ(RAM)として使用でき、究極の不揮発性メモリとして期待されている。
 不揮発性メモリに用いられる強誘電体材料としては、PbTiO3、Bi4Ti3O12、BaMgF4やPZT(PbZrxTi1-xO3)などがあるが、最も研究された材料がPZTである。しかし、PZTは自発分極電荷が減少するという膜疲労の現象があり、この問題を解決するために、電極に導電性の酸化膜であるRuO2、La2-xSrxCoO3、IrO2などを用いる試みが研究されている。
 将来の動向として、強誘電体不揮発性メモリはDRAMやフラッシュ形EEPROMなど、既存のメモリと共存しながらも、既存メモリにない多くの優れた特長を生かすことで、半導体産業・システム産業に大きな変革をもたらすものと期待されている。

◎ユーカリ(2001年7月1日)
 ユーカリという名前は、ユー+カリプタスというギリシャ語からきており、ユーは英語のgoodとかwellで、カリプタスはcoveredということだがら、”よく覆われている”ものという意味。ユーカリの実は殻で固く覆われており、山火事などで火に炙られるとその刺激で固い殻が開いて芽をだす仕組みになっている。また、ユーカリには油成分が多く、これが山火事を引き起こす元となっている。この油は有用成分を多く含んでおり、多方面に利用されている。
 ユーカリはオーストラリア原産で、世界で600種以上あり、いまでは世界の至る所でみられる。日本でも街路樹や公園などで多くみられる。インドネシアやブラジルではパルプ用材として広大な面積に植林されている。インドネシアでは、ユーカリが七年で成木になるので、植林地を七分割し、切っては幼木を植えて育てることで、自然破壊することなく、パルプ産業を発展させている。
 ある種のユーカリの木の下では、まったく草が生えないことが知られており、これはユーカリから化学物質(シネオールとかピネンといわれるもの)がでて、発芽を阻害したり、成長を阻害したりすることがわかった
 また、レモンユーカリ(レモンの香りがする)などいくつかのユーカリの木のまわりにいると蚊に刺されない。調べてみると、これらのユーカリの木は蚊の忌避物質を放出していることがわかった。この成分を利用して、蚊よけ製品が考案された。たとえば、蚊よけスプレー、蚊よけパンスト(夏、公園でデートしても蚊に食われない)、蚊よけテント(キャンプしてもテントの中に蚊が入ってこない)、犬用蚊よけ首バンドなど。
 オーストラリアのユーカリの木が多い山では、全体が霧で覆われたように霞むくらい油成分が飛散し、ちょっとしたことで、山火事が発生する。この油成分はテルペンといわれる化学物質で、ユーカリの種類によって、テルペンの種類や量が異なっている。そのなかには、上記の生長抑制物質(除草剤として使える)や蚊の忌避物質のほかに、香料、抗マラリア成分、抗菌性物質、抗発癌剤、抗魚病細菌物質、抗貝付着物質(船底に付着する貝類の忌避物質)などの有用物質が含まれている。
 ユーカリの木は、主にパルプ用だが、これから作った炭は、短時間にぱっと燃えるので、バーベキュウ用として、ブラジルからたくさん輸入されている。木や葉から採れる油は、医農薬原料や香料のほか、石油の代わりに使えないかという研究もされている。発熱量が多く、再生可能な燃料として注目されている。さらに、炭酸ガス固定能が高いので、環境浄化にも期待されている。

◎ゆず肌(orange peel)
 印刷物表面が、ゆずやみかんの表皮に似た様な状態になるトラブル。

◎油性インキ(oil-based ink)
 ①水性インキに対し親油性のビヒクルを使用したインキ(溶剤型インキ)。
 ②ビヒクルに乾性油成分を使用したインキ(酸化重合型インキ)。

◎湯葉(1996年7月9日)
 豆乳を静かに煮ながら表面にできた膜を取り出して乾燥したもの。

◎ユリア樹脂(尿素樹脂、尿素ホルマリン樹脂)(urea resin:UF)
 合板用接着剤を主力用途としているが、成形品等にも使用される熱可塑性樹脂。尿素とホルマリンを原料とする。尿素樹脂とも言う。
 尿素(ユリア)とホルマリンとを原料として作られる硬くて無色透明なプラスチックです。食器やボタン、電気部品などにも使われていますが、大きな用途は合板(ベニヤ板)の接着剤です。布の防叙皺工にも用いられています。耐水性やや難点があります。

◎溶射(thermal spraying)
 ガス炎、プラズマやアークのフレームの中に粉末や線状の材料(セラミックスも可能)を供給して溶融あるいは半溶融の微粒子状とし、高速で母材表面に吹き付けることにより被覆を形成する。耐食性、耐酸化性、耐熱性の向上などの表面特性の改善を目的にする。

◎養生
 施工対象の既存の物品を汚れ、傷から守るために覆い隠す事。

◎葉身(ようしん)
 葉の主部で、扁平、広大な部分。

◎幼稚園(1995年12月1日)
 学校教育法第1章第1条に定められた学校の一つ。文部省の管轄下にあり、「満3才から学齢までの幼児を保育し、適当な環境を与えて、その心身の発達を助長する」と幼児教育が目的であることが明記されている。教育要領も定められており、教育の目安が示されている。

◎葉柄(ようへい)
 葉の一部分で、葉身を茎に不着させる柄。

◎「預金」と「貯金」の違い(1997年9月25日)
 預金と貯金の違いを教えてください。
 言葉の意味としては、預金が金銭を金融機関に預けることであるのに対し、貯金は「たんす貯金」の例もあるように、カネを蓄えることで、金融機関に預けるとは限らない。
 実際には預け先で使い分けられる。銀行、信用金庫、信用組合など民間金融機関の場合は「預金」で、郵便局、農協、漁協が「貯金」だ。
 郵便貯金は1875年(明治8)5月にスタート、銀行預金はその3年後に山梨第十国立銀行が始めた「貯蓄預金」が最初だ。また1893年(明治26)には「貯蓄銀行条例」が施行され、零細小口資金専門の「貯蓄銀行」が生まれた。1口5円以上の預金しか受け入れられなかった普通銀行も「1口5円未満の定期、当座預かり」を条件に貯蓄銀行業務を認められた。これに基づく預金は当初「貯蓄預金」と呼ばれていたが、大正年間に「普通貯金」に改称された。
 こうした歴史をたどると、零細小口で貯蓄性の強い預金が「貯金」、その他は「預金」と使い分けたと考えられなくもない。

◎ヨーグルト(yoghurt)(1997年2月9日)
 濃縮した牛乳などに乳酸菌を加え、乳酸発酵させた糊状または液状の乳製品。厚生省令では「発酵乳」と分類されています。

◎ヨーグルトの表面に溜まるあの水分の正体は?(2002年7月1日)
 ヨーグルトを冷蔵庫に入れっぱなしにしておくと、いざ食べようと思った時、表面に薄く水が溜まっていることがありますよね。これを捨てる人が多いようですが、もったいない話なんですよ!
 あの水分は乳清(ホエイ:whey)と呼ばれる乳性分の一部で、水溶性のたんぱく質やミネラル、ビタミン類、乳糖などの栄養分がたっぷりと詰まっているのです。
 ご存知のように、ヨーグルトは、牛乳に乳酸菌を加えて発酵させたもの。牛乳内のたんぱく質が白く固まり、水分や水溶性たんぱく質などが包み込まれていて、保存することで発酵が進み、水分が自然にしみ出てしまうことになります。それが表面に溜まる水分、ホエイなのです。
 買ったばかりのヨーグルトにも、ホエイが溜まっていることがあります。これは、輸送中の振動で、たんぱく質の固まりが壊れてしまうために出てくるもの。やはり栄養価は高く、捨てるのはもったいないものです。
 もし、長年の習慣から、ヨーグルトの水の部分はどうしても口に入れたくないというのであれば、シチューやカレーなどの料理に隠し味として使うといいですよ。ホエイの爽やかな酸味は、肉や魚の臭みを消す役割を果たしてくれるはずです。

◎ラウリル硫酸ナトリウム(1999年11月28日)
 界面活性剤。発泡剤として、練り歯磨きに入っている。

◎ラウンドアバウト(roundabout)(2013年2月24日)
 ラウンドアバウトとは円形交差点の一種。通常、3本以上の道路を円形のスペースを介して接続したもので、この円形のスペースの真ん中には中央島と呼ばれる、円形の通行できない区域がある。車両は、この中央島の周りの環状の道路(環道)を一方向に(右側通行なら反時計回り、左側通行なら時計回り)通行する。また、環状路を走る車両が優先となる。
 国際交通安全学会(東京)によると、欧米で1960年代から普及が進み、ドイツでは4000箇所以上、フランスの地方都市は原則としてすべての交差点に導入。日本では、愛知県豊田市、茨城県日立市など約10か所に設置例がある。

◎ラッカー(lacquer)
 塗料の一種。硝化綿(ニトロセルロース)と合成樹脂とに顔料を分散したもの。

◎ラッチ形ソレノイド(latch type solenoid)
 (機械)ソレノイドに定格周波数、定格電圧を1パルス(一定時間)印加するとバルブが作動し、通電を切っても確実に保持する機構(ラッチ)を有するもの。

◎ラテックス(latex)
 もともと天然ゴムの樹から得られたゴム液のこと。高分子物質が乳化剤により、水中にコロイド状に分散したもので、エマルジョン(乳状液)の一種であるが、天然ゴムの乳化液をラテックスと通称したことから、合成ゴム系の乳化物をラテックスと呼んでいる。
 合成ラテックスとしてスチレン・ブタジエンゴムやクロロプレンゴムなどのラテックスがある。特にSBRラテックスは紙のコーティング用や繊維処理剤として重要である。液体。

◎ラビングテスト(rubbing test)
 摩擦試験。拭き取り試験。

◎ラフィネート(raffinate)
 溶剤抽出の際、溶剤に抽出されない残留分の一般的名称。ナフサ分解で副生する分解油中から芳香族を抽出した残留分は、その代表的な例である。

◎ラミネート法(lamination)
 複合フィルム・シートあるいは多層フィルム・シートの製造方法のひとつ。合成樹脂フィルムを紙やセロファン、アルミ箔等の他の基材の上に貼り合わせたラミネートフィルムを製造する際に用いられる。Tダイ法によって得られたフィルムを溶融状態のままラミネーターと呼ばれる装置にかけ、加圧ロールにより基材に貼り合わせる方法が一般的である。代表的なラミネートフィルムとして低密度ポリエチレンを各孖諸゙と組み合わせたものがある。

◎理想気体(ideal gas)と実在気体(real gas)
 理想気体は、ボイル-シャルルの法則に厳密に従う気体である。分子間の相互作用がまったくなく、分子の体積を持たない気体が理想気体である。
 一方、実際に存在する気体(=実在気体)は、厳密な意味ではボイル-シャルルの法則に従わない。実在気体には分子の体積や分子間力があるからである。1 気圧、室温の条件では、殆どの気体分子は希薄なので、とくに精密な計算を必要とする場合以外はボイル-シャルルの法則を用いることができる。分子間力の強い分子(二酸化炭素など)や高圧条件の場合、実在気体はボイル-シャルルの法則に従わない。

◎リゾチウム(1996年9月19日)
 アミノ酸129個から合成された分子量14300の球状タンパク質。等電点11。

◎リノール酸(2001年7月1日)
 リノール酸の評判が落ちている。かつて、リノール酸といえば、良質植物油の代名詞的な存在であった。
 血中コレステロールを下げるといわれ、珍重されていたものだ。10年ほど前は、「リノール酸神話」とまでいわれ、メーカーも、リノール酸を摂取できることを売りにして、様々な食品を発売していた。
 しかし、近年の研究によって、リノール酸は善玉から、むしろ悪玉になってきた。たしかに、リノール酸にはコレステロールを減らす効果がある。しかし、悪玉コレステロールだけでなく、体に必要な善玉コレステロールまで減らすことがわかってきたのだ。また、リノール酸を過剰に摂取しつづけると、心筋梗塞や、動脈硬化を引き起こしやすくなることもわかってきた。
 もともと、リノール酸は摂取カロリーの2パーセント程度は必要とされるが、これは米や穀物を食べていれば、十分摂取できる量である。ふつうに食事をしていれば、それで十分なのだ。
 最近は、リノール酸にかわって、オリーブ油やベニバナ油に含まれるオレイン酸に注目が集まっている。オレイン酸は悪玉コレステロールだけを減少させるというのが、現在の売り文句となっているが、10年たてば、この話もどうなっていることか。

◎リブ
 製品の肉厚を厚くしないで剛性や強度をもたせ、また、広い平面部の反りを防ぐために用いる補強部分をいう。

◎硫酸バンド
 硫酸アルミニウムのこと。無機系の凝集剤として代表的なもの。

◎粒子の流体中における挙動(1996年11月19日)
・比較的大きい粒子では、慣性力が支配的となる。(粒子の運動方程式による)
・微少な粒子では、ブラウン運動による拡散が支配的となる。(拡散方程式による)

◎流体(1996年11月19日)
 多数の微結晶を含む懸濁液を連続体とみなすと非ニュートン流体となる。
・水あめ水溶液 = ニュートン流体

◎両生類(1996年1月19日)
 変温動物。ふつう幼時はえらがあって、水中に生息するが、成長するとえらが消失して肺を生じ、陸生となる。
 イモリ、サンショウウオ、オオサンショウウオやカエルなど。

◎リレー(relay)(1996年1月19日)
 電子回路の中で、例えば+5Vで動作するデジタル回路の信号によって、交流電源の回路をON、OFFするような場合、リレーは大変便利な部品である。
 リレーは、信号側と負荷側が電気的に絶縁されているスイッチのことで、負荷側のON、OFFが直接の機械接触によるかどうかによって、有接点型と無接点型に大きく分けられる。
 有接点型は、電気接点を持つ機械式リレーのことであり、普通、単にリレーと呼ぶ場合は、このタイプである。

◎臨界圧力比(b critical pressure ratio)
 (機械)この値より小さいとチョーク流れになる圧力比(上流絶対圧力/下流絶対圧力)。亜音速状態での流れの能力を表す値で、単純な絞りの臨界圧力比bは0.528である。

◎リン酸鉄リチウム(iFePO4)(2006年8月3日、TECh On!)
 ハイブリッド車などで使う次世代のLiイオン2次電池の正極材として期待されている材料。LiFePO4は、携帯電話機用のLiイオン2次電池などで使われている既存の正極材料であるLiCoO2に比べて、1)材料コストが半分以下、2)400℃の高温下でも酸素を放出せず安全性が高い、3)結晶構造が強固で長寿命、という特徴がある。このためハイブリッド車や発電所の電力貯蔵など中~大型のLiイオン2次電池の正極材として、研究開発が続けられている。
 ただしLiFePO4には導電率が低いといった課題がある。そこで導電率を高めた材料の開発が進んでいる。例えば三井造船はLiFePO4粒子の表面に粒子の表面に炭素を析出させるなどして導電率を高めたLiFePO4系の正極材を開発した。

◎ルチル(rutile)(2000年5月19日)
 金紅石ともいう。化学組成はTiO2。正方晶系で、ふつう柱状または、斜状結晶をなす。赤褐色から赤色、黒色など、透明光線は深赤色。透明から半透明。

◎ルチン(2002年7月9日)
 「ルチン」は、殻類ではそばに特有に含まれるポリフェノールです。従って、活性酸素を除去する酸化防止作用を有している上、毛細血管を強くしたり、血圧を下げたり、また糖尿病を予防する働きなど、様々な働きがある(後述)。この「ルチン」が、韃靼(だったん)そばには普通のそばの約100倍も含まれているんだそうな。
 「ルチン」は水溶性のため、茹でている間にどんどん茹で湯の中に溶け出してしまう。そば湯はビタミン類の貴重な補給源でもある。そば湯を飲む風習は、信州から始まったそうな。そばを食べる時は、そば湯も一緒にのみましょう。
 毛細血管を強化するためには1日20mgのルチン摂取が目安で、茹で上げたそば切り10gの中には10mgのルチンが含有されるので、一人前(約200g)のそばを毎日食べればよい。また、単独よりもビタミンCと一緒に取ると効果が強めれらる。
 ルチンの効果は、以下のようなものが知られている。
(1)毛細血管の強化:毛細血管の膜に厚みと弾力性を持たせる。
(2)血圧降下作用:血圧は、アンジオテンシン2(血圧上昇)、ブラギニン(血圧下降)のバランスによって保たれているが、このバランスが崩れると血圧が下がったり上がったりする。ルチンはこの血圧上昇物質の働きを弱める。
(3)膵臓機能の活性化:血糖値の調整を行う膵臓に障害をもたらす物質の働きを弱め、インシュリンの分泌を促す。糖尿病の予防と抑制
(4)記憶細胞の保護・活性化、老化防止:そばポリフェノールのルチンは、脳の記憶細胞に有効なことがわかってきた。そばポリフェノールは脳の細胞脂質が酸化され、細胞が死んでしまうのを防ぐんだそうな。(ポリフェノールとは抗酸化物質で植物が光合成によって作り出す物質である。ポリフェノールは有害な紫外線等から植物自身を守る働きをしている。ポリフェノールの仲間にはルチン以外にもいくつかある。たとえばブドウに含まれているアントシアニン、緑茶に含まれているカテキン、カカオ豆に含まれるカカオポリフェノール等である。ただポリフェノールは体内で長時間残留する物ではないので、毎日少しずつ摂取することが大事である。)

◎ルバーブ(1996年7月9日)
 英語、rhubarb:[ru:barb]、フランス語、rhubarb:[rybarb]
 タデ科の多年草。シベリア南部原産。葉はハート型をしている。紅色の葉柄は長さ30~40㎝で、酸味と香りがあり、食用にする。ヨーロッパ、アメリカでは、菓子やジャムの材料として用いる。ルバーブ・パイなどもある。

◎冷湿布(1997年10月10日)
 皮膚血管が収縮して血行がゆるやかとなり、その結果新陳代謝を妨げるので滲出抑制、鎮静、鎮痛などの効果が得られる。急性炎症、心内膜炎、打ち身などに適応される。

◎冷蔵庫(2000年4月17日、朝日新聞)
 「切れちゃう冷凍」、「ソフトな冷凍」、「やわらか冷凍」などのキャッチフレーズをつけた冷蔵庫が人気を集めている。これは、冷やす温度を数種類用意したもので、各温度帯の意味は以下の通り。
・冷蔵:約3℃
・チルド:約1℃ 水分の多い豆腐、市販のデザートなどのデリケートな食品に。
・氷温:約−1℃ 刺身、乳製品、米など様々な食品の保存に。
・パーシャル:約−3℃ 3~4日で使い切る程度の魚やブロック肉の保存に。
・柔らか冷凍:約−7℃ カチカチに凍らないので肉の塊も切り分けられる。
・冷凍:約−18℃
 −7℃だと、肉や魚に包丁が入り、すぐに調理できる。カレーはスプーンですくえ、薄切り肉はパックのまま冷凍しても一切れずつはがせるので、冷凍前に小分けしておかなくてもよい。
 食品によって含水量や脂肪分は異なるが、この温度では6~7割部分が凍結している状態だという。冷凍温度が低くなると、包丁で切るのに必要な力が大きくなる。−7℃は、女性が普通に切断できる限界の荷重6kgに当たる。
 冷凍速度の競争も続いている。氷の結晶が成長しやすいマイナス1~5℃を通過する時間は短い方が良い。食材中で氷の結晶が成長すると細胞を壊し、味が落ちるからだ。
 保存期間が一番長いのは通常冷凍(約−18℃)の1ヶ月。−7℃は2~3週間くらいが推奨。それ以上長期だと、結晶の成長が進む。

◎レオロジー(Rheology)
 レオロジーはギリシャ語の「Rheo(流れ)」と「Logos(学問)」に由来し、液体の流動、固体の変形、あるいはこれらに関係する科学を包含した学問。物質の粘性、弾性、粘弾性、可塑性チキソトロピーなどを扱う。

◎れき岩(conglomerate)
 大小の円礫が、砂、粘土質などにより強固に膠結されて生成した岩石。礫の大小、種類または膠質物質の分量、固結の程度によっていろいろな種類の礫岩ができる。固結土の高いものは砕石として使われるが固結度の低いものは砂利資源として評価される。

◎瀝青材料
 常温で固体または半固体の炭化水素化合物で、二硫化炭素に完全に溶解するものを瀝青(ビチューメン)といい、瀝青を主成分にしたものが瀝青材料で、天然アスファルト、石油アスファルト、タール、カットバックアスファルト、アスファルト乳剤などを総称する。

◎レーキレッドC(lake red C)
 金赤色インキに使用される代表的な顔料。色は鮮明な橙赤色。練肉しやすく、インキ化したときの適性も良好であるが、耐光性は弱い。

◎レジスト(resist)
 微細加工プロセスにおけるパターン形成に必要な材料で、光や電子線に対して反応性(感光性)をもつ。

◎レジストインキ:resist ink
 製品もしくはパターンを被覆し、メッキ、エッチングおよびサンドブラスト等において化学的、物理的な反応や作用から保護するためのインキ。

◎レゾルシン(resorcin)
 ベンゼンメタジスルホン酸をカ性ソーダとともにアルカリ溶融する製法と、m-ジイソプロピルベンゼン(m-DIPB)を空気酸化し、過酸化物を酸分解する製法がある。医薬品、ゴム・タイヤ用接着剤、染料等に用いられる。固体。

◎レタス(1996年7月28日)
 原産地は地中海沿岸地方から西アジアにかけてとされる。日本には戦後、アメリカ軍が持ち込み、本格的に栽培されるようになった。
 現在、冬は香川や静岡などの暖かい地方で、春や秋は茨城、千葉などの都市近郊で、夏は長野や岩手などの高冷地でと、年間を通じて産地が移動する。

◎レプトン(lepton)(1996年1月19日)
 強い相互作用をせず、スピンが1/2の素粒子の総称。原子を作る素粒子の中で、陽子や中性子などの重粒子に対し、電子、ニュートリノなどの軽粒子をレプトンと呼ぶ。

◎レベリング:leveling(levelling)
 版から印刷素材に転移したインキの表面が平らになること。インキのレベリングが良いと、光沢のある鮮明な印刷効果が得られる。チキソ性の強いインキは再現性、厚盛り性は優れるが、レベリング性が良くない。

◎レベリング剤:leveling agent
 レベリング剤は、インキ皮膜のはじき、クレーターやユズ肌などを改善し平滑化する助剤である。万能型のレベリング剤はなく、インキの種類により効果のあるレベリング剤が選ばれる。

◎レベル(1996年7月9日)
 さまざまな病原体を扱う場合、医学関連の研究所では病原体の危険度に応じた「レベル1」から「レベル4」までの四段階に分けて、厳密な取り扱い方法が決められている。
①レベル1:固体および地域社会に対する低危険度
 ヒトや動物に疾病を起こすが、重要な疾患の可能性がない病原体で、通常の微生物学実験室での扱いが可能。特別な隔離は必要なく、一般外来者の立ち入りを禁止しなくて良い。
②レベル2:固体に対する中等度危険度、地域社会に対する軽微な危険度性
 ヒトや動物に病原性を持つが、実験室職員、地域社会、環境等に対し重大な災害とならない場合。実験室内で暴露されると、重篤な感染を起こす可能性はあるものの、有効な治療法や予防法があり、伝播の可能性が低いもの。実験室は通常のものを使用して用い、エアロゾル発生の恐れがあるものは生物学的安全キャビネット内で行う。実験進行中は一般外来者の立ち入りを禁止する。
③レベル3:固体に対する高い危険度、地域社会に対する低危険度
 ヒトに感染すると重篤な疾病を起こすが、他の固体への伝播の可能性が低いもの。廊下の立ち入り制限を行い、二重ロックまたはエアロックによって外部と隔離。壁、天井、床、作業台などの表面は洗浄および消毒可能にし、排気系を調節することにより、常に外部から実験室内に空気の流入が行われるようにする。実験室内からの排気は高性能フィルターで除菌してから大気中に放出。実験は生物学的安全キャビネット内で行い、実験動物は生物学的安全キャビネットまたは陰圧アイソレーター(動物を隔離して飼育する器具で、病原体が外部に出ないように陰圧にしてある)の中で行う。
④レベル4:固体および地域社会に対する高い危険度
 ヒトまたは動物に重篤な疾病を起こし、他の固体への伝播が直接または間接に起こりやすいもの。独立した建物として隔離域とそれを取り囲むサポート域を設置。壁、天井、床はすべて耐水性かつ気密性のものとし、これらを貫通する給排気管、電気配線、ガス、水道管なども気密構造にする。さらに出入口にはエアロックとシャワーを設けて、実験室内の気圧は隔離の程度に応じて気圧差をつけ、高度の隔離域から程度の隔離域へ、また低度の隔離域からサポート域へ空気が流出しないようにする。給気、排気ともフィルターを通じ、実験器材の搬出入の際の滅菌装置、実験室内からの排水は120℃加熱滅菌しなくてはならないなど、二重、三重の隔離策が決められている。
・レベル3、4では作業職員名簿に記載された者以外、立ち入り禁止にされている。
・ヘルペス1、2、EBウイルス、日本脳炎などはレベル2。
・エイズウイルス(HIV)はレベル3。
・エボラウイルス、ラッサウイルス、マールブルグウイルスなどはレベル4。

◎レモネード(lemonade)(1996年7月9日)
 英語。レモンの果汁に砂糖水を加えた飲料。レモン水。

◎レモン、檸檬(1997年3月14日)
 ヒマラヤ原産。ヨーロッパに渡り、中世にはビタミンC不足でかかる壊血病の予防に重宝された。アメリカを経て日本へは明治時代に導入された。ビタミンC含有量が100グラム当たり90mgで温州みかんの2.5倍以上ある。酸味は主にクエン酸で、酸度は7%前後、ミカンは0.8~1%にすぎない。風邪に効くほか、がんに効果的な物質が含まれているとする説もある。

◎連成計(vacuum and pressure gage)
 (機械)正および負のゲージ圧を測定するもの。その目盛は正のゲージ圧を示す圧力部と、負のゲージ圧を示す真空部とからなる。

◎連続通電形ソレノイド(continuous electric contact solenoid)
 (機械)ソレノイドに、定格周波数、定格電圧を連続的に印加できるものをいう。

◎ろ過度(nominal filtration rating)
 作動流体がフィルタを通過するときに、ろ材によって除去される混入粒子の大きさを示す呼び。単位はμm(1/1000mm)で表す。

◎ロックアウトバルブ(lock out valve)
 (機械)供給ポートを開閉し、閉と同時に以降の回路内の空気を排気するバルブ。残圧排気弁とも呼ぶ。

◎露点(dew point)
 水蒸気を含む気体を、圧力一定のままで冷却するとき、含まれている水蒸気が飽和する温度。

◎ローリエ、ベイリーブス(1996年7月9日)
 スープやシチューの肉、魚の臭み消しに最適。葉を鍋に入れて煮込む。(臭み消し)

◎ローレルの葉(2000年7月9日)
 よく、カレーや煮込み料理にローレルの葉を入れますよね。これって一体何の為に入れるんでしょうか?入れるのと入れないので料理はどう変わるんでしょうか?
 ローリエは、入れると肉などの臭みを消す働きがあるそうです。また、食欲増進や体を暖める働きもあるそうです。
 ただ入れるんじゃなくて、折ったり切れ目を入れたほうがよく香りが出ます。でも、あまり長い時間入れておくと苦みが出てしまうそうですから、長い時間煮込む場合は、取りだしておいた方がいいそうですよ。

◎ワサビ、山葵(1999年8月13日)
 アブラナ科の多年生水生草本。日本原産。伊豆天城産、長野安曇野産が有名。冷涼な気候(10~13℃)で、常に清澄な流水のある所を好み、水温は9~12℃が理想的。“山葵”と書くのは、葉がアオイ(葵)の葉ににて見えるからともいわれている。江戸時代の絵入りの百科事典である「和漢三才図会」には、“そばの薬味に欠かせないもの”と記されている。
 ワサビの根と思われている部分は、ジャガイモと同じ地下茎で、イモまたは、根茎と呼ばれている。根茎は、すり下ろして食べる場合と、ワサビ漬けなどに加工利用して食べる場合とがあり、根茎以外の花や葉身、ヒゲ根とすべての部分が辛く、これらの全部が食用に利用されている。
 すり下ろして利用する生ワサビ(根茎)は、一般に良質のものに限られる。ワサビ漬けに使われる生ワサビはやや下級のもので、また、葉身や茎(葉柄)なども使われる。このほか、醤油漬けには、つぼみのついた花茎、茎、葉身が、またワサビ味噌には、ヒゲ根が用いられる。
 流水の中で育つ水ワサビと、湿気の多い山岳地で栽培される畑ワサビがある。品種は同じだが、水ワサビの方が品質がよいとされ、主に生食用になる。1994年の国内収穫量は水ワサビが2400トン、畑ワサビが1500トンだった。
 刺身にワサビを添えるようになったのは室町時代から。江戸時代後半に、醤油とワサビが定番になった。
 ワサビは、抗カビ力も強い。密閉容器中に1つまみ入れておけば、パンや餅は2週間経ってもカビが生えないという。ビタミンCを多く含み、肌をきれいにする。辛味は、食欲増進にも効果がある。
 また、ワサビには脳血栓や脳梗塞に対する大きな効果があるという研究発表もある。小さな血栓は、毎日ワサビを摂取することで消失するらしい。

◎ワニス(varnish)
 合成樹脂を有機溶剤に溶解した無色透明の水飴状液体。ビヒクルの主成分となる。

◎ワムシ(1996年6月16日、朝日新聞)
 ヒラメの養殖に関係して、ヒラメの稚魚に与えられるエサは、ワムシ。体長0.1mmほどの動物性プランクトン。このワムシは、栄養豊富なクロレラ(単細胞緑藻)で培養する。クロレラ培養のワムシが養殖用のエサになることは30年ほど前に分かった。今では、タイやフグなどの養殖もワムシなしには成り立たない。小魚の体長が1cm近くになると、ワムシより少し太めのアルテミアに替わる。


inserted by FC2 system