GPT(Glutamic pyruvic transaminase)

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更新日:
 2008年6月28日



 GPTはALT(alanine aminotransferase)の慣用名で、酵素の標準化により、将来はALTと呼ばれるようになると思われます。ALTはASTと同様、トランスアミナーゼというアミノ酸の合成に必要な酵素です。

・臨床的意義
 ALTは逸脱酵素であり、細胞膜の透過性の亢進あるいは細胞破壊によって血中に遊出してきます。この酵素も体内のほとんどの組織に含まれていますが、ASTに比べて特異性が高く、肝臓での含有量が圧倒的に多く、次いで腎臓に多く含まれています。ですから、ASTは肝疾患の指標として用いられています。

・基準値
 7〜34 IU/l

・測定法:JSCC準拠
 試料中のALTの作用により、L−アラニンとα−ケトグルタル酸は、グルタミン酸とピルビン酸になります。このピルビン酸は、NADHの存在下LDHによって乳酸になります。このときNADHはNADに酸化され、340nmの吸光度が減少します。このNADHの減少速度を測定することで検体中のALT活性値を求めます。

・異常値
 正常の血清中のASTとALTとでは、ASTの方がALTよりも多く含まれています。しかし、疾患によってその比が異なっているので、比を求めることで疾患をある程度推測することができます。

1)軽度上昇
 AST>ALT:肝硬変、肝癌
 AST<ALT:慢性肝炎非活動型

2)中程度上昇
 AST>ALT:心筋梗塞、閉塞性黄疸、アルコール性肝炎
 AST=ALT:慢性肝炎活動型

3)高度上昇
 AST>ALT:劇症肝炎、うっ血肝
 AST<ALT:急性肝炎

・生理的変動
 飲酒、運動、体重増加、ステロイド剤の服用で高くなります。
 溶血でもASTほどではないが高くなります。
 透析中の患者、ビタミンB6欠乏では低くなります。



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