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更新日:
2008年6月28日
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γ−GTP
γ−GTP(γーグルタミルトランスペプチダーゼ)は、肝内で多くの物質の解毒・抱合・排泄に関わっているグルタチオンという物質の生成に関与している酵素です。
γ−GTPは腎臓にもっとも多く含まれ、ついで膵臓、肝臓、脾臓、小腸でも見られますが、血清中のγ−GTPは他の血清酵素より肝特異性が高いので、肝・胆道系疾患のスクリーニング、診断及び経過観察に有用です。
・臨床的意義
γ−GTPの第1の特徴は、アルコールに対して非常に鋭敏に反応することです。アルコール性肝障害にかかっていれば、間違いなくγ−GTP値は上昇しますが、アルコール多飲者で肝の障害が軽度の場合でも、γ−GTP値が高くなることは多くあります。反対に禁酒すればγ−GTP値は低下し、2〜3ヶ月で正常に戻ります。
また、睡眠薬や精神安定剤などの薬剤を常用している場合も、γ−GTPは高値を示します。
第2の特徴は、胆道系(※)酵素としての働きです。γ−GTPは、ALPやLAPという酵素と共に胆道系酵素と呼ばれ、閉塞性黄疸や、胆汁うっ滞時に著明に上昇します。これは、閉塞における胆汁うっ滞により、γ−GTPの合成が誘導されるためと、胆汁への排泄障害の結果、胆汁が血中に逆流すると同時に、胆汁酸の作用で膜に結合していたγ−GTPを溶かすため、血中に遊出していくと考えられています。
※ 胆道系:肝臓から分泌された胆汁が胆管を通って胆のうへ入り、胆のうで濃縮され、さらに胆のう〜総胆管を経て十二指腸に入るまでのルート
・基準値
新生児:50〜150 U/l
小児−若年者:0〜20 U/l
成人男性:0〜50 U/l
成人女性:0〜30 U/l
・測定法
γ−GTPの測定には、L−γグルタミル−P−ニトロアニリド(SSCC法)や、L−γグルタミル−3−カルボキシ−4−ニトロアニリド(IFCC/JSCC)など、各種合成基質が用いられています。それら基質からγ−GTPが、γグルタミル基を受容体として主に用いられているグリシルグリシンに転移させ遊離したP−ニトロアニリドや5−アミノ−2−ニトロ安息香酸を比色測定します。
・異常値
常習飲酒家:10〜100 U/l
アルコール性肝障害:50〜1000 U/l(禁酒により低下する)
薬剤性肝障害:50〜600 U/l
急性肝炎、非活動性慢性肝炎、肝硬変:100 U/l 程度
活動性の慢性肝炎、肝硬変:100〜300 U/l
胆汁うっ滞:100〜1000 U/l
肝細胞癌:50〜300 U/l
また、心筋梗塞、糖尿病等で上昇することあり。
・その他
溶血検体で正誤差を与えます。
日内変動少なく、食事、運動の影響はありません。
年齢、性別により以下の様に差があります。
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