血小板(Platelet)

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更新日:
 2008年6月28日






◎血小板(platelet)
 血管が傷つくと、血液中の“血小板”が真っ先に集まって、傷口に蓋をします。血小板は、骨髄中の“巨核球”と呼ばれる巨大な細胞の細胞質が細かくちぎれたものです。1個の巨核球から2000個以上の血小板が作られます。
 末梢血液中の血小板は、直径1.5〜3.5μm(平均2μm)の円盤状で、血球の中ではもっとも小さい細胞です。
 血小板の主な役割は“止血”です。血管が損傷すると、血管の中を流れている血小板は、露出した内皮下組織に粘着します。この時、血小板は円盤状からテトラポットのような形に変化し、突起を生じて血小板同士の凝集をおこします。さらに血小板自身の中から各種の物質の放出反応も加わって、凝集はより強固になって、血小板の血栓(蓋)ができあがります。
 その後、血小板血栓の表面で血液凝固が始まって傷口の止血は完了し、血小板はその役割を終えると自己融解によって消失します。

・測定法
 血液1μl中にある血小板の数を求めます。血球計算板を使う視算法と、自動血球計数器を使う方法があります。
 希に、測定時に使用する血液凝固阻止剤によって血小板の凝集がおこり、みかけ上、血小板数が少なく計測される場合があります。

・基準値
 血小板数は、健常者でも血液1μlにつき15万〜40万/μlと大きな幅があります。個人差以外にも、測定法の違いによって、値はかなり変動します。

・異常値
1)減少
 血小板の数が減ったり、機能が低下したりすると、出血しやすくなります。
 血小板数の変動の多くは減少症で、骨髄中に血小板のもとになる巨核球が少なくなって減少する場合と、十分あっても血小板生成能の低下による場合があります。
 また、末梢血液中で抗体による血小板破壊や、消耗の亢進による減少があります。

2)増加
 血小板が著しく増加すると、血栓症を起こしやすくなります。
 慢性の感染症や、悪性腫瘍で血小板が増加します。また急性の出血の後で、血小板の増加がみられることがあります。
 血小板は極端に増加しすぎても、逆に出血しやすくなります。

・その他
 出血しやすい素因は、血小板の数が少ない場合以外にも、血小板の機能異常、血管の障害、血液の凝固因子の異常、解熱剤など、薬剤の服用による場合などがあります。



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