赤血球(a red blood corpuscle)

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更新日:
 2008年6月28日






◎赤血球(a red blood corpuscle)
 血液を一滴取り、顕微鏡で観察すると、たくさんの細胞(血球)が液体の中に浮かんで見えます。この細胞の大部分は“赤血球”です。
 赤血球は一般に、骨髄中で指令を受けた幹細胞が、前赤芽球→塩基好性赤芽球→多染性赤芽球→正染性赤芽球と順次、細胞分裂と成熟を繰り返し、ヘモグロビン(血色素)を合成、貯蔵しながら成長した細胞です。成長の過程で核を失う頃には骨髄から流れ出し、成熟赤血球として末梢血液中で120日あまりの間、寿命がくるまでガス交換に貢献します。古くなった赤血球は脾臓や肝臓などの網内系で壊され、一部は新しい赤血球の素材として再利用されます。
 赤血球のおよそ2/3は水分で出来ています。残りの1/3を占めるヘモグロビンが、肺ですばやく酸素と結びつき、全身の組織に酸素を運びます。また、逆に組織で不要になった二酸化炭素を肺に持ち帰ります。
 正常の赤血球の形態は、中央が両面からくぼんだ円盤状で、直径は6〜9.5μm、厚いところで約2μmです。この特徴のある形は表面積が広く、ガス交換に好都合です。また変形能に優れ、ある時はパラシュート形、またあるときは砲弾形と変形し、微細な毛細血管でも容易に通過することができます。

・測定法
 血液を一定の割合に希釈し、その一定量の中にある赤血球を数え、計算により血液1μl中の数を求めます。
 赤血球を数える方法は、計算板を用いる視算法と、自動血球計数器を使う方法があります。自動血球計数器を使う方法は、実際に計測する血球数が視算法に比べて圧倒的に多いため、測定誤差も少なく、再現性にすぐれています。また一回の操作で、瞬時に他の多くの検査結果が得られることから、広く日常の検査で利用されています。

・基準値
 男子:400〜550万個/μl
 女子:350〜450万個/μl
 年齢と性別による相違はかなり大きく、血液を採取する部位によっても値は変わりますが、日内変動や食事による影響は少ないと言われています。

・異常値
1)減少
 血液中の赤血球数や、ヘモグロビンの含有量が減少した状態を貧血と言います。貧血になると酸素の運搬能力は低下し組織は酸素欠乏状態におちいります。

2)増加
 貧血とは逆に、赤血球数が正常以上に増加すると、赤血球増加症(多血症)となり、血液が流れにくくなり、血管がつまりやすくなります。
 病的な場合以外でも、高地に長く滞在し、慢性の酸素欠乏状態が続くと、反応性に赤血球が増加する場合があります。
 また、激しい下痢・嘔吐・発汗など、体の水分量だけが低下すると、見かけ上赤血球数が増加した状態になります。

・その他
 赤血球数は個人差が大きいので、健康時の測定値を知っておくと役立ちます。



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