総コレステロール

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更新日:
 2008年6月28日






TC:総コレステロール(Total Choresterol)
 コレステロールは、細胞膜の構成やステロイドホルモン、ビタミンの合成、消化分泌液の胆汁酸の合成に深く関わり、生命活動に必要不可欠な働きを果たしています。
 総コレステロールは、遊離脂肪酸とエステル結合したエステル型コレステロール(全体の約70%)と未結合の遊離型コレステロール(残りの約30%)に分けられます。コレステロールは、代謝の段階で結合が変化します。
 コレステロールは疎水性のため、蛋白質と結合した形(リポ蛋白)で血中に存在しています。血中コレステロールは、主に肝臓、小腸で生合成され(一部食餌性として小腸などの腸管から吸収される)、リポ蛋白であるVLDL、ILD、LDLに次々と組み込まれながら、末梢組織へ供給消費されます。一方、末梢組織では、過剰なコレステロールがHDLに組み込まれて、肝臓へ運ばれます。

・臨床的意義
 高脂血症は、このバランスが崩れ、血中コレステロール濃度が常に高い状態であり、これが長期間続くと各組織にコレステロールが沈着して、腱黄色腫、眼瞼黄色腫を起こします。さらに、進行すると血管組織にコレステロールが蓄積して動脈硬化になり、虚血性心疾患、脳血管障害、大動脈瘤などを惹き起こします。
 コレステロールの生合成の場である肝臓実質で障害があると、その合成能が抑制されて血中コレステロール濃度が低下します。

・基準値
 130〜220mg/dl

・測定原理
 現在、最も使用されている方法は、COD−POD(コレステロール・オキシダーゼ−ペル・オキシダーゼ)酵素法です。
 コレステロール・エステラーゼによって、エステル型コレステロールを加水分解して、全てのコレステロールを遊離型コレステロールに変化させます。得られた遊離型コレステロールは、COD(コレステロール・オキシダーゼ)とPOD(ペル・オキシダーゼ)の作用によって、キノン色素を発色させます。この時の発色を吸光度測定して、濃度換算します。

・異常値
1) 高値を示す病気
 a) 原発性(原因がよくわからないもの)
  動脈硬化症
 b) 家族性(遺伝性のもの)
  Broad-β病(高脂血症)
  家族性高コレステロール血症
 c) 続発性(二次性のもの)
  何らかの病気の続発的、合併的に起こるもの
  糖尿病
  甲状腺機能低下症
  ネフローゼ症候群
  肝疾患(胆道閉塞、胆汁うっ滞など)
  多発性骨髄腫

2) 低値を示す病気
 a) 家族性
  α−リポ蛋白欠損症(Tangier病)
  無βーリポ蛋白血症(Bassen−Kornweig症候群)
  LCAT欠損症
 b) 続発性
  甲状腺機能亢進症
  下垂体機能低下症
  肝疾患(肝硬変、重症肝炎)
  吸収不良症候群、栄養失調

・変動の要因
 a) 年齢
  年齢とともに高くなる。男性では、40〜50歳代でピークを迎えて減少するが、女性では閉経後に高くなり、60歳代で最高になり、減少する。
 b) 性差
  女性の方が高い。
 c) 妊娠
  高くなる。
 d) 喫煙
  低下する。
 e) 飲酒
  一般には、上昇すると言われています。
 f) 食事性因子
  高脂肪、高カロリー栄養食を摂食すると高くなる。低カロリー栄養食の場合、低くなる。



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