海外渡航者の発熱のお話

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更新日:
 2008年6月28日



◎海外渡航者の発熱:Traveler's fever
 重要な疾患は、マラリア、腸チフス、デング熱です。

1. 診察および一般検査
 発熱以外に異常があれば、疑うべき病気は限定されます。
・頭痛、神経症状:ウィルス性脳炎、髄膜炎など
・咳、呼吸困難:呼吸器感染症
・下痢:急性腸炎など
・肝機能の異常:肝炎など
・頻尿:尿路感染症など

2. 感染症の検査(血液検査)
 発熱の他に特徴的な症状がない場合、以下の検査を行います。
・末梢血ギムザ染色:主にマラリアを診断するために行います。睡眠病、糸状虫症、回帰熱なども診断可能です。
・血液の細菌培養:主に腸チフスを診断する目的で行います。
・血清の保存:主にデング熱を診断する目的で血清を保存しておきます。後に、リケッチア症やウィルス性出血熱の検査が必要となった場合にも役立ちます。

3. 診断がつかない場合
 症状が特に悪化しなければ、経過観察する。マラリア検査は高熱時に、少なくとも1回、検査を反復する。
 発熱以外の症状が出現したら診断を見直す。出血斑や症状の増悪がみられる場合、リケッチア症やウィルス性出血熱などの検査を行う。
 感染症だけではなく、悪性腫瘍、膠原病、血液・リンパ系疾患などの可能性も考える必要がある。


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