鳥インフルエンザに関するニュース

  メニュー

TOPページ 

Newsまとめ 

移動する 

日本について 

海外情報 

色々な話 

科学の話 

医学の話 

食品の話 

用語辞典 

メモ 

 


更新日:
 2009年1月6日






◎韓国でも鳥インフル、今シーズン2例目(2009年1月5日、産経新聞)
 農林水産省は5日、韓国の農場で、アヒルから毒性の弱いH5N2型の鳥インフルエンザウイルスが検出されたと発表した。韓国当局から連絡を受けた。鳥インフルエンザは今冬、カンボジアなどアジアで人や家禽の感染が拡大している。韓国での確認は昨年10月に続き2例目で、いずれも毒性の弱いH5N2型がアヒルから検出されている。
 農水省によると、昨年12月31日、韓国中部・忠清北道の農場で定期検査を行ったところ、飼育されていたアヒルからウイルスが検出された。大量死などはないという。韓国からの鳥肉の輸入は一昨年から停止されており、新たな輸入停止などはない。

◎鳥インフル感染、今冬もアジア各地で拡大(2008年12月18日、産経新聞)
 鳥インフルエンザの感染報告が多い冬に入り、今年もアジア各地で人や家禽類への感染が増え始めた。カンボジアでは今年初めてH5N1型ウイルスの人への感染が確認され、インドネシアで17日に死亡した女性も、鳥インフルエンザに感染していた疑いがもたれている。また、インドの西ベンガル州などでも家禽類への感染が拡大。農民らが家禽類の引き渡しを拒むなどしているため処分が遅れており、今後、人への感染の拡大が懸念されている。
 インドネシア国営アンタラ通信は17日、首都ジャカルタ西部で24歳の女性が鳥インフルエンザとみられる症状で死亡したと伝えた。H5N1型ウイルスに感染していたとすれば、同国で114人目の死者となり、世界最悪の記録を更新することになる。
 またAP通信によると、カンボジアでは19歳の男性が同型ウイルスに感染していたことが確認された。同型ウイルスの感染確認はカンボジアでは2005年以来8人目で今年は初めて。
 一方、インド東部の西ベンガル州当局者は17日、英BBC放送に、同州内の2つの村の鶏やアヒルなどの家禽類からH5N1型の鳥インフルエンザウイルスが検出されたため、約1000羽の家禽類を処分したことを明らかにした。ただ、感染が疑われる家禽類は数十万羽に上る。
 地元メディアによると、政府は鶏1羽に50ルピー(約90円)、アヒルには75ルピー(約135円)を支払うとしているが、貴重な食料でもあるため、農民らは自分の鶏などは感染していないとして引き渡しを拒否している。しかし同州内では100人以上の人が鳥インフルエンザの疑いがある症状を見せており、拡大防止へ早急な対応を迫られている。

◎中国:鳥インフル発生、隠ぺいか、香港人権団体が指摘(2008年12月17日、毎日新聞)
 【台北・庄司哲也】香港の人権団体「中国人権民主化運動情報センター」は16日、中国江蘇省東台市で先月5日から、強毒性鳥インフルエンザH5N1型ウイルスにより、ニワトリが大量に死んでいるとしたうえで、当局が事実を隠ぺいし、感染したニワトリが上海市やほかの省で販売されていると伝えた。
 同市にある7村で、先月から約120万羽のニワトリが鳥インフルエンザで死んだ。7村では計1000万羽のニワトリが飼育されており、同センターは「1000万人の命が脅威にさらされている」と指摘した。

◎強毒性ウイルスと確認、香港の鳥インフル(2008年12月12日、産経新聞)
 香港当局は12日までに、香港の養鶏場で検出された鳥インフルエンザウイルスは毒性の強いH5N1型だったと確認した。当局は養鶏場の外部からウイルスが入ったとみて感染経路を調べている。
 また12日付の香港各紙によると、香港の養鶏業界で中国本土から養鶏用の受精卵が違法に持ち込まれているとの疑惑が持ち上がり、香港当局は感染との関連も含め調査する方針を決めた。
 香港当局は9日、九竜半島の養鶏場で採取した鶏の死骸(しがい)などからH5型のウイルスが検出されたと発表していた。(共同)

◎ドイツでアヒルに鳥インフル 鶏肉など輸入停止(2008年10月14日、産経新聞)
 ドイツの農場で、飼育されていたアヒルから毒性の強いH5N1型の鳥インフルエンザが検出されたことが分かった。鶏などに感染する恐れもあるため、農林水産省は14日、鶏肉や関連食品について、同国からの輸入を一時停止した。
 死亡したアヒルの数や症状など、詳しいことは不明。ドイツからは平成19年で、鶏のヒナ2万8831羽や鳥肉など7トン、加工卵など712トンの輸入実績がある。

◎鳥インフル感染か、北スマトラで13人が高熱・呼吸困難(2008年8月8日、読売新聞)
 【ジャカルタ=佐藤浅伸】インドネシア北スマトラ州アサハン県の保健当局者は7日、同県アイルバトゥ村で計13人が高熱や呼吸困難などの症状を訴え、4日に入院したことを明らかにした。
 鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)感染の有無を調べている。
 同国保健省は、鳥インフルエンザに集団感染した疑いがあるとみて調査を始めた。
 県保健当局者などによると、13人全員が同じヤシ農園内に居住。7月28日〜8月3日には、3人が同農園で死亡していた。

◎すべての鶏を処分へ、香港政府(2008年6月12日、産経新聞)
 香港政府は11日、香港内の3つの市場で採取した鶏のふんから新たに鳥インフルエンザウイルスが検出されたため、香港内のすべての生きた鶏を処分すると発表した。
 香港では九竜半島にある市場で今月3日に採取した鶏のふんからウイルスを検出。鶏の産地は香港か中国本土とみられるため、本土からの鶏の輸入と香港の業者からの出荷を7日から3週間停止することを決めていた。
 その後、政府がさらに香港内の市場を検査したところ、3市場の鶏のふんからウイルスが見つかった。政府は引き続きウイルスの感染源などについて調査している。

◎欧米で流行の鳥インフルH7型、人に感染しやすく変異(2008年5月27日、読売新聞)
 新型インフルエンザを引き起こす最有力候補と見られる鳥インフルエンザウイルスのH5N1型とは、別のタイプのH7型が、人に感染しやすいよう変異し始めていることが、米疾病対策センター(CDC)などの研究グループの調べで分かった。
 現在、日本をはじめ欧米各国は、H5N1型をもとに大流行前ワクチンなどの備蓄を進めているが、H7型に対しても監視強化を迫る成果として注目される。27日発行の米科学アカデミー紀要に掲載される。
 研究グループは、人への感染が報告されたH7型の鳥インフルエンザウイルスのうち、高病原性のH7N7型、H7N3型、低病原性のH7N2型の構造を調べた。H7N7型は、2003年にオランダで80人以上が感染し、1人が死亡。その他は北米や英国で広がった。
 その結果、H7N7型のウイルスは変異していなかったが、他の二つのタイプは、人の細胞にくっつきやすくなるよう表面の構造が変異していたことが判明。
 人から人へ感染が拡大する新型インフルになるには、こうした構造変化のほか、増殖に適した温度も変化するなどのいくつかの条件が必要とされる。
 米国で見つかったH7N2型ウイルスは、イタチの一種フェレットに感染を広げる能力もあり、同研究グループは、「動物間で感染が広がる能力を持つウイルスが登場している。厳しい監視が必要だ」と警告している。

◎強毒性鳥インフルエンザ、青森のハクチョウ2羽からも検出(2008年5月22日、読売新聞)
 環境省は22日、青森県・十和田湖畔で見つかったオオハクチョウ2羽からも強毒性の鳥インフルエンザウイルス「H5N1」を検出したと発表した。
 4月18日に衰弱した状態で発見されて2日後に死亡した1羽と、5月8日に死骸が見つかった1羽。鳥取大で検査を実施した。厚生労働省によれば、2羽に接触した同県職員ら計11人への感染はなかった。
 鳥インフルエンザウイルスに感染したオオハクチョウはこれまで秋田県側の十和田湖畔、北海道の野付半島とサロマ湖で確認されている。環境省では青森県で見つかった2羽についても遺伝子分析を実施し、秋田、北海道の例との関連を調べる。
 一方、国立環境研究所では5月5〜8日に十和田湖周辺で捕獲した渡り鳥など101羽のウイルス保有状況を調査したところ、すべて陰性だった。サロマ湖周辺で5月12日に採取したガン、カモ類のフン100点もすべて陰性だった。

◎鳥インフル:ウイルスほぼ一致、韓国と秋田県(2008年5月21日、毎日新聞)
 秋田県のオオハクチョウから検出された強毒性の鳥インフルエンザウイルスの遺伝子が、韓国で発生したウイルスとほぼ一致したことが21日、動物衛生研究所(茨城県つくば市)の分析で分かった。感染源が共通していることが確実になり、国際協力による対策強化が求められそうだ。
 韓国では、南西部の全羅北道・金堤(キムチェ)市の鶏から強毒性のウイルスが検出された。同研究所は、韓国政府から提供されたデータを、秋田県での鳥インフルエンザウイルスと比較。両者の塩基配列が99.7%以上一致していることを突き止めた。

◎鳥インフル:地元に衝撃広がる(2008年5月10日、毎日新聞)
 道内2例目となる強毒型の鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)検出を受け、感染したオオハクチョウの(死骸、し、がい)が見つかったサロマ湖(網走管内佐呂間町)周辺の養鶏業者などには風評被害や感染拡大を懸念する声が広がった。道は10日午前、「高病原性鳥インフルエンザ連絡会議」を緊急開催し、養鶏場のほか、鶏やアヒルなどを飼育する学校や公園の衛生管理も徹底するなど感染拡大の阻止に取り組むことを確認した。
 道の網走家畜保健衛生所は同日、死骸の発見現場から30キロ以内にある養鶏場3戸に対し立ち入り検査を実施し、消毒命令を出した。うち1戸には午前11時45分、消石灰100袋(1袋20キロ)を積んだトラックが到着。午後に消石灰を散布し鶏舎周辺を消毒する。経営者は「養鶏のプロとして鳥インフルエンザは絶対、出してはいけない。意識して消毒に努めたい」と話した。
 これまでに道内の養鶏場で異常は確認されていない。感染した鳥の死骸やふんに触れない限り人に感染する恐れはないが、鶏卵・鶏肉や観光を危険視する風評が広がれば、養鶏業者や観光業者が打撃を被りかねない。
 北見市内で約25万羽の鶏を飼育している「ホクリヨウ生産」(本社・北広島市)の草刈陸男技術本部長は「万全の態勢をとっているので鶏に感染する危険性はないと思うが、風評被害が出たら影響は大きい」と話す。同社の北見農場は30キロ圏内ではないが、消石灰をまくなど衛生管理を徹底しているという。
 サロマ湖に近い「ワッカ原生花園」(北見市)のセンターハウスには、野鳥の死骸を見つけたらすぐに連絡するよう呼びかけるポスターが掲示されている。管理人の男性(71)は「お客さんが不安がらないように掲示しており、今のところ問い合わせはない。観光客は冷静に受け止めているようだ」と話した。
 道自然環境課によると、道内では8日現在、23カ所に563羽のハクチョウ類が確認されている。3万〜4万羽になるピークは過ぎ、大半はシベリアなどへ渡ったが、一部は道内にとどまる。ほかの野鳥に感染する恐れもあり、今後も監視が必要という。【高山純二、渡部宏人、仲田力行】

◎鳥インフル:オオハクチョウ死、サロマ湖も強毒型、北海道(2008年5月10日、毎日新聞)
 北海道は10日午前、網走管内佐呂間町幌岩のサロマ湖畔で見つかったオオハクチョウ1羽の死骸(しがい)から強毒型の鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)が検出されたと発表した。国内の野鳥からH5N1型のウイルスが見つかったのは5例目で、今年4月以降では十和田湖(秋田県小坂町)と野付半島(根室管内別海町)のオオハクチョウの死骸からウイルスが検出されている。
 死骸は巡視中の道職員が5日に発見し、簡易検査で陽性反応が出たため北海道大で詳しい検査をしていた。十和田湖、野付半島で検出されたウイルスと同じ由来か、引き続き遺伝子を解析している。
 道は家畜伝染病予防法に基づき、死骸発見現場から半径30キロ以内にある養鶏場3戸(ブロイラーなど計約18万羽飼育)に立ち入り検査し、消毒を命じた。これまでに周辺の養鶏場や湖沼で異常は確認されていない。【高山純二】

◇環境省本格調査へ
 北海道佐呂間町でオオハクチョウの死骸から強毒型の鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)が検出されたことを受け、環境省は10日、渡り鳥が訪れていた国内の主要地で異変がないか本格調査に乗り出す。12日には専門家会合を発足し、他の野鳥への調査拡大などの対応を練る。
 環境省は先月末から、秋田県小坂町と北海道別海町に続いて強毒型が確認されたことを重視。国内でオオハクチョウ以外のガン・カモ類などの渡り鳥の大量死や異常死がないかについて、全国での巡視を強化する。
 また、日本は、渡り鳥を保護するため、飛来地の中国や韓国、ロシアなど8カ国と協力して生息地保護に取り組んでいる。発生状況を各国に通報し、地球規模でも被害を抑えたいとしている。
 現在、オオハクチョウはシベリア方面に飛び去りつつあるという。【山田大輔】

◎韓国北東部でも鳥インフル(2008年5月8日、産経新聞)
 韓国北東部の江原道は8日、同道春川市の農家で死んだ家禽(かきん)から鳥インフルエンザウイルス(H5型)が検出されたと発表した。
 韓国では4月に今年初めて南西部の全羅北道で発生が確認されて以来、鳥インフルエンザの感染拡大が続いており、今月6日にはソウルでも確認。済州島を除く全土に広がっている。

◎韓国:慶尚北道が鳥インフル感染を隠ぺい(2008年5月3日、毎日新聞)
 韓国KBSテレビは2日、同国南東部の慶尚北道が先月、大量死した鶏から鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)を検出しながら「陰性」との結果が出たと発表し、感染事実を隠ぺい、その間に被害が拡大したと報じた。
 同道の関係者はKBSの取材に「混乱が起きるから」と理由を話した。
 KBSによると、慶尚北道は4月28日に永川市で鶏の大量死が起きたとの連絡を受け検査したが、結果を偽って発表。今月1日に国立機関の検査で感染力の強いH5N1型ウイルスが検出されたと伝えられた。同日、蔚山市や大邱市でも感染が確認され、2日には釜山でも感染が判明した。

◎鳥インフル:韓国で被害が急拡大、処分も636万羽(2008年5月2日、毎日新聞)
 【ソウル中島哲夫】韓国南西部で4月初めに確認された強毒性の鳥インフルエンザ(H5N1型)による被害が1カ月で全国各地に広がった。KBS放送は2日、過去2回あった流行より拡散がはるかに速く、処分された鶏やアヒルも過去最大の635万9000羽に達したと報じた。
 鶏などの大量死は4月2日、南西部の全羅北道金堤市で初めて表面化し、強毒性のウイルスを検出。同道と全羅南道の養鶏場などで次々に感染が確認された後、はるか北方にあたる京畿道平沢市、中部の忠清南道、東部の蔚山市・慶尚北道にまで同ウイルス確認例が広がった。釜山や大邱でも疑わしい例が報告され、検査を急いでいる。
 KBSによると5月1日までの被害確認件数は22件。韓国では03〜04年と06〜07年のいずれも秋から冬にかけて同種の被害が起きたが、件数はそれぞれ19件(処分530万羽)と7件(同280万羽)だった。今回は春になってから発生し、わずか1カ月で急拡大した点に特徴がある。

◎殺処分作業の兵士感染か、韓国の鳥インフルエンザ(2008年4月21日、産経新聞)
 韓国紙、ソウル新聞は22日付早版で、韓国南西部全羅北道の鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)の感染確認現場で、家禽(かきん)の殺処分に従事した韓国軍兵士(22)が高熱を出し、ウイルスの感染が疑われていると報じた。
 同紙が入手した防疫当局が作成したとみられる文書によると、兵士は18、19両日に作業に投入され、部隊復帰後の20日から39.8度の熱を出し、ソウル市内の軍病院に収容された。同紙は兵士が所属する部隊の軍医官が、電話取材に対しウイルス感染の疑いがあると認めたと報じた。
 韓国では2003年冬から翌04年春に鳥インフルエンザが家禽類の間で流行した際、家禽を処分した複数の作業員がH5N1型ウイルスに感染したが発病はせず、06年になって感染が確認されたことがある。(共同)

◎鳥インフル、人に感染か・韓国紙報道(2008年4月21日、日本経済新聞)
 【ソウル=島谷英明】韓国紙のソウル新聞は22日付早版で、病原性の強い鳥インフルエンザ(H5N1型)に人間が感染した疑いがあると報じた。感染地域の全羅北道(韓国南西部)で鶏などの処分作業に投入された韓国軍兵士(22)で、作業後から高熱を出して病院で治療を受けているという。韓国では今月3日に鳥インフルエンザの発生が判明。感染地域は首都圏にまで広がっているが、これまで人間の感染は確認されていない。

◎韓国で鳥インフルエンザ拡大・20カ所で確認(2008年4月16日、日本経済新聞)
 【ソウル=鈴木壮太郎】韓国で病原性の強い鳥インフルエンザ(H5N1型)の被害が広がっている。15日までに全羅道(韓国南西部)4市・郡の20カ所で発生、首都圏の京畿道でも発生が疑われている。韓国政府は感染地域で鶏の処分や施設の消毒などの措置を講じる一方、流通している鶏肉や卵の安全性のアピールに必死だ。
 鳥インフルエンザは3日に全羅北道金堤市で発生、12日は隣接する全羅南道霊岩郡でも確認された。14日までに感染地域の鶏やカモなど191万6000羽が処分された。首都圏の京畿道平沢でも14日に感染の疑いのあるウイルスが検出されており、政府は確認を急いでいる。

◎鳥インフル感染地域の家禽、外部に不法流通、韓国(2008年4月15日、朝日新聞)
 【ソウル=稲田清英】今月に入って高病原性鳥インフルエンザウイルスの感染が確認された韓国南西部・全羅北道の金堤市で、搬出禁止措置がとられている防疫区域内にある農場から感染したカモなどが小売業者によって不法に持ち出され、市内や周辺の飲食店などに販売されていたことが14日、分かった。聯合ニュースが伝えた。
 市内の飲食店を対象にカモの簡易検査をした結果、ウイルスの陽性反応を確認。警察などが流通経路を調べたところ、この農場から持ち出されたことが分かった。
 調べによると、業者は同市内で鳥インフルエンザ発生が確認された後の4〜6日に農場で600羽を買い取り、飲食店や別の業者に売ったり、自身の養鶏農場の近くで販売したりした、という。
 また全羅南道でも全羅北道内で感染した疑いがある鶏630羽が流通していた可能性があることがわかり、波紋が広がっている。

◎鳥インフルの感染拡大懸念、韓国南西部(2008年4月9日、産経新聞)
 韓国南西部の全羅道地域で今月、鶏やアヒルの高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)の感染が確認され、付近で感染が疑われる事例も相次ぎ、拡大が懸念されている。
 李明博大統領は8日に現地を訪れ、拡大阻止に全力を尽くすよう指示した。
 3日に全羅北道金堤市の養鶏場で、5日には約30キロ離れた同道井邑市のアヒル飼育場で、それぞれ感染が確認された。その後も地域の2カ所で家禽(かきん)の大量死が起きた。
 井邑市の飼育場を出入りしたトラックは全羅南道も含む別の飼育場12カ所を往来。当局は感染発生場所付近とこの12カ所で飼育されたアヒル計約54万羽を処分、全羅北道全域で消毒作業を展開した(共同)

◎韓国南西部で鳥インフルエンザ、1年1カ月ぶり(2008年4月7日、朝日新聞)
 韓国南西部の全羅北道で高病原性鳥インフルエンザが1年1カ月ぶりに発生し、韓国政府などは6日、本格的な拡散防止対策を始めた。これまで韓国では冬季に渡り鳥が原因とみられる事例の発生が確認されていたが、4月に入ってから見つかるのは初めて。
 鳥インフルエンザが見つかったのは全羅北道の金堤市の養鶏場で、3日に高病原性と確認された。また、近くの井邑市のカモ飼育場でも5日、鳥インフルエンザの発生がわかった。検疫当局は、変異ウイルスが人を介して感染した可能性も排除できないとして調べている。(ソウル)

◎鳥インフルエンザの死亡49人目、ベトナム(2008年2月15日、朝日新聞)
 ベトナム国営テレビは14日、北部ハイズン省の男性(40)が鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に感染し、13日に死亡したと伝えた。保健省によると、男性は死亡する数日前に鶏肉を食べており、自宅周辺で数羽の鶏が死んでいるのが見つかった。同国の鳥インフルエンザによる死者数は計49人となった。

◎鳥インフル:インドネシアで2人死亡、初めて100人に(2008年1月28日、毎日新聞)
 【ジャカルタ井田純】インドネシア保健省によると、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染し、新たに2人が死亡したことが28日、確認された。同国の感染死者数は累計で世界で初めて100人に達した。
 死亡したのはジャカルタ近郊の西ジャワ州デポックの男児(9)と、ジャカルタ在住の女性(23)で、感染源は別とみられる。いずれも高熱などの症状を訴え、病院に運ばれた後、27日に死亡した。インドネシアの死者は今年6人目で、感染拡大が懸念されている。
 世界保健機関(WHO)によると、03年以降、鳥インフルエンザによる死者は世界で220人以上確認されている。

◎インド、バングラデシュで鳥インフルエンザ拡大、人への感染も懸念(2008年1月26日、産経新聞)
 インド東部の西ベンガル州と隣のバングラデシュで、鶏の鳥インフルエンザが急拡大している。人にも感染のおそれがある高病原性鳥インフルエンザウイルスH5N1による流行で、感染範囲は農村部から拡大、1400万の都市圏人口を持つ州都コルカタにも迫る勢いを見せている。インド政府は鶏などの家禽210万羽以上の殺処分を進めているが、個人で鶏を飼う農家などの拒否反応は強く、処分作業は難航しているという。
 インドからの報道によると、西ベンガル州の鶏の大量死は今月4日ごろからスタートしたが、インド政府が報告を受けたのは1週間後の11日、H5N1型鳥インフルエンザと確認されたのは15日だったという。
 一方、フランス通信(AFP)によると、バングラデシュでは昨年2月からH5N1型鳥インフルエンザによる鶏の大量死が各地で散発的に発生していることから、国連食糧農業機関(FAO)は西ベンガル州の流行がバングラデシュから国境を越えて広がったとみている。
 西ベンガル州ではすでに19県のうち12県で流行が発生しており、この12県を中心に家禽210万羽以上を殺処分にする予定だが、この1週間の処分は43万羽にとどまっている。農家が大切な収入源である鶏の供出を拒んでいることや豪雨による中断などが作業を困難にしているようだ。
 インド、バングラデシュ両国政府ともこれまでのところ、人への感染は起きていないとしているが、現地では通常のインフルエンザシーズンとも重なり、発熱などの症状を訴えて不安になった住民多数が診療所に押しかけているという。
 鳥の流行の拡大が止まらず、死んだ鶏を池や川に捨てたり、調理して食べるといった報告もあることから、鳥から人への感染のリスクは依然、否定できず、インド保健省はタミフル10万カプセル(1万人分)、マスク2500人分などを現地には支給した。また、西ベンガル州政府に対し、無作為抽出で人のH5N1感染の検査を行うよう要請するなど、感染の早期発見と封じ込めの体制を急いでいる。
 こうした対応にもかかわらず、鳥の感染はすでにコルカタの郊外30キロにまで接近していると伝えられ、1400万人の都市圏人口を持つ巨大都市への流行の拡大も強く懸念されている。
 コルカタには養鶏場は1カ所しかないが、個人的に裏庭などで鶏を飼う家も少なくないことから殺処分の徹底は困難だという。また、鶏肉を取引する市場では警戒態勢がとられているものの、道端で個人的に店を出しているところまで感染防止策を徹底させるのは難しいと懸念されている。
 州政府は流行地域からの家禽や鶏肉などのコルカタへの搬入を禁止し、道路を封鎖して監視しているが、監視の目をかいくぐって持ち込むケースもかなりあるようだ。

◎南京に住む父子の鳥インフル、人から人への感染を確認(2008年1月10日、読売新聞)
 【北京=牧野田亨】中国衛生省報道官は10日の記者会見で、江蘇省南京市の父子が昨年相次いで鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に感染した事案について、「(家庭での)密接な接触によって感染した」と発表、人から人への感染だったと結論付けたことを明らかにした。
 中国で人から人への鳥インフルエンザウイルスの感染が確認されたのは初めて。
 一方、同報道官は、人の間で流行するようなウイルス変異については、「発生していない」と否定した。父子が、病死した家禽(かきん)類と接触した形跡はなく、感染ルートは分かっていない。
 父子は、息子が昨年11月に発症し、死亡した。その後、父親も発症、治療を受けた。

◎中国で初、人から人への感染確認、鳥インフルエンザ(2008年1月10日、朝日新聞)
 中国・南京市の父子が鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に感染した問題について、中国衛生省の報道官は10日の定例会見で、死亡した息子から父親への感染を確認したと発表した。中国で人から人への感染が確認されたのは初めて。ウイルスが「新型」に変異すると大流行する恐れがあるが、「遺伝子の変異はない」としている。
 父親は完治しており、父子と接触があった約80人からは異常が見つかっていないという。ただ、死亡した息子への感染ルートはまだ確認できていない。報道官は「冬から春にかけて鳥インフルエンザが多発する恐れがあり、予防対策を徹底していく」と述べた。
 オランダやベトナムなどで鳥インフルエンザの人から人への感染が確認されている。ウイルスが人から人への感染力が高い新型インフルエンザになると、世界的に流行する可能性がある。

◎鳥インフルで1人死亡、人からの感染調査、中国(2007年12月3日、朝日新聞)
 新華社通信によると、中国江蘇省の衛生当局は2日、同省の男性(24)が鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に感染して死亡したと発表した。男性はウイルスに感染した家禽(かきん)類との接触がなかったことから、同当局は人から人への感染の可能性がなかったかどうか調査に乗り出し、男性と接触した69人の検査を進めている。
 同当局によると、男性は11月24日に発熱や悪寒の症状が現れ、同27日に肺炎と診断されて入院。病状が悪化し12月2日に死亡、ウイルス感染が確認された。中国で鳥インフルエンザによる死者は17人となった。

◎鳥インフル:英国農家で七面鳥の感染を確認、5千羽処分(2007年11月13日、毎日新聞)
 【ロンドン町田幸彦】英政府衛生当局は12日、同国南部のサフォーク州の農場で七面鳥からH型鳥インフルエンザのウイルス感染が確認され、約5000羽を処分すると発表した。この農場で飼育されているアヒル、ガチョウもすべて処分する方針だ。クリスマス料理に使われる七面鳥の販売価格が上昇する恐れがあると英メディアは伝えている。

◎鳥インフルエンザの死者86人に、インドネシア(2007年10月1日、朝日新聞)
 インドネシア保健省は1日、西ジャカルタの21歳の男性が鳥インフルエンザで死亡したことを明らかにした。これにより鳥インフルエンザによる同国の死者は86人、感染者総数は107人となった。保健省は死亡した男性の感染経路について調査している。

◎バリ島の鳥インフルエンザ、2人目の死者で拡大懸念(2007年8月23日、読売新聞)
 【ジャカルタ=佐藤浅伸】インドネシア保健省は22日、バリ島南部に住む女性(28)が鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に感染して死亡したと発表した。
 バリ島で人への感染が確認されたのは、12日に死亡した主婦(29)に続いて2人目。被害拡大の懸念が広がっている。
 イスラム過激派による2度の爆弾テロ事件(2002年と05年)から立ち直り、観光客が戻り始めた矢先だけに、島民の衝撃は大きい。
 今回感染死した女性は、タバナン県バトゥガイン・ブラバン村で鶏の販売をしていた。14日から高熱など肺炎に似た症状が続き、21日に死亡した。人への初感染が確認されたジュンブラナ県は島西部の遠隔地だったが、今回は最大都市デンパサールの北西約20キロで、タナ・ロット寺院など観光スポットにも近い。インドネシアの死者はこれで計84人、感染者は105人となり、いずれも世界最多を更新し続けている。
 バリ州政府は、初の感染死者となった主婦の自宅から1キロ以内の家禽(かきん)計6000羽以上を大量処分したほか、消毒作業などの対策を全島で実施。さらに島外からの家禽持ち込みを禁止するなど、被害の拡大阻止に全力を挙げている。
 ただ、島内各地で鳥インフルエンザウイルスに感染した家禽の死骸(しがい)が見つかっているほか、新たに感染が疑われる患者も出ており、どこまで封じ込められるかは不明だ。

◎鳥インフル:バリ島で初の感染死 観光地での拡大懸念(2007年8月14日、毎日新聞)
 【ジャカルタ井田純】インドネシアの鳥インフルエンザ対策委員会は13日、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染し、バリ島在住の女性(29)が死亡したと発表した。インドネシアの鳥インフルエンザによる死者は計82人と世界最多だが、バリ島での死者はこれが初めて。日本人も多く訪れている観光地だけに、感染拡大への懸念が高まっている。
 発表によると、この女性は同島北西部で暮らしていたが、10日に州都デンパサールの病院に搬送され、12日に死亡した。5歳の娘も今月初めに同様の症状で既に死亡しており、家で飼っていたニワトリからH5N1型ウイルスが検出されている。

◎ドイツでも鳥インフルエンザ・EU、感染拡大を警戒(2007年6月25日、日本経済新聞)
 欧州連合(EU)の欧州委員会は24日、独ニュルンベルク近郊で死んだ2羽の白鳥から、鳥インフルエンザウイルスが検出されたと発表した。検査の結果、毒性が強い「H5N1」型ウイルスと判明した。欧州では数日前にチェコの七面鳥から鳥インフルエンザが見つかったばかり。欧州委はEU各国に警戒を強めるよう呼びかけた。
 EUでは野鳥での感染確認は今年初めて。七面鳥など家禽(かきん)を含めても今年4例目となる。EUでは昨年、野鳥だけで700羽を超える鳥インフルエンザの感染例が報告されており、欧州委は流行拡大に神経をとがらせている。
 ウイルス感染が確認されたニュルンベルク近郊では、家禽類や卵の輸送などを制限する緊急措置が取られた。(ブリュッセル=下田敏)

◎鳥インフル:ラオスで初の感染者(2007年2月27日、毎日新聞)
 ラオス保健省は26日、首都ビエンチャン郊外の養鶏場で働いていた少女(15)が高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染したことを明らかにした。同国で鳥インフルエンザの感染者が確認されたのは初めて。少女は今月15日に体調を崩して入院、24日にタイ東北部ノンカイの病院に転院していた。【アジア総局】

◎鳥インフル:モスクワで家禽80羽死ぬ、H5N1型検出(2007年2月18日、毎日新聞)
 【モスクワ杉尾直哉】タス通信によると、モスクワ州のドモジェドボ地区など首都モスクワ郊外の3カ所で家禽(かきん)約80羽が相次いで死に、ロシアの衛生当局は17日、鳥インフルエンザの高病原性ウイルスH5N1型による感染死だったと発表した。モスクワ州動物衛生当局によると、18日にも州北部1カ所で新たに鳥インフルエンザによる家禽の感染死が確認され、被害が広がっている模様だ。
 ロシアでは05年夏以降、シベリアやロシア南部で鳥インフルエンザが発生、今年も南部クラスノダール州で1月に家禽が死んでいたが、首都近辺での発生は初めて。これまで人への感染例は報告されていない。

◎鳥インフル:インドネシアの死者64人に、今年7人目(2007年2月12日、毎日新聞)
 インドネシア保健省によると、西ジャワ州で11日に死亡した女性(20)の高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)感染が12日、確認された。同国の累計死者は世界最多で、64人となった。今年に入って7人目の死者。病気の鶏と接触して感染したとみられる。
 同国では予算不足などで鶏の処分が進まず、首都と隣接州で死者が相次いでいる。今年に入って死者の出るペースが一層速まったため、当局が鶏処分に本腰を入れ始めたが、2月初めから首都圏を大洪水が襲い、処分作業は頓挫している。

◎鳥インフル:宮崎など4例すべて中国から飛来(2007年2月14日、毎日新聞)
 宮崎県や岡山県の養鶏場で見つかった4例の高病原性鳥インフルエンザウイルスについて、農林水産省の感染経路究明チームは14日、すべてが渡り鳥により中国から運ばれてきた可能性が極めて高いと発表した。ウイルスの遺伝子は05年に中国で流行したものとほぼ同じで、発生した養鶏場の近くではいずれも渡り鳥が飛来していた。感染した渡り鳥のフンに鶏が直接触れたか、ネズミなどを介して感染したのではないかとみている。

◎世界に鳥インフル拡散、致死率6割超(2007年2月12日、産経新聞)
 新型インフルエンザへの変異が懸念されている強毒性の鳥インフルエンザ(H5N1型)の感染が世界に広がり、11日現在、感染者は273人、うち死者は167人、致死率は6割を超えた。鳥への感染で日本、韓国、欧州へ拡大しているのは、中国西部の青海湖で一昨年、野鳥を大量死させたウイルスと同じ「青海湖系統」とみられ、専門家は「これからさらに家禽(かきん)への感染が増える」と警告している。
 国連のナバロ調整官(鳥インフルエンザ担当)は今月9日の記者会見で、この2カ月間で日本、韓国だけではなくタイ、エジプト、ナイジェリア、ハンガリー、インドネシアなどで鳥インフルエンザが広がっていることに言及。「2003年以来、毎年12月から4月にかけて、鳥インフルエンザが家禽に広がり、死者も出ている。今年6月までさらに感染例が増える恐れがある」と指摘した。
 今月、英国南東部サフォーク州で七面鳥が大量死し、H5N1型の鳥インフルエンザウイルスが検出された。野生の鳥と接触しないように防鳥ネットが張られ、七面鳥は室内で飼育されていた。
 このケースについて同調整官は「渡り鳥ではなく、交易を通じハンガリー南西部のガチョウで発生した鳥インフルエンザウイルスが英国に広がった可能性がある」と述べ、生きた鳥の交易が鳥インフルエンザを世界に拡散させる恐れを指摘した。
 感染経路を突き止めるため、世界各国で鳥インフルエンザウイルスの遺伝子解析が行われている。今年1月、宮崎県清武町で発生した鳥インフルエンザや昨年11〜12月に韓国の家禽で発生した鳥インフルエンザは、中国・青海湖でガンや白鳥など数千羽を死なせたウイルスと同系統であることが判明している。
 英国の事例が青海湖系統かどうか発表されていないが、昨冬、アフリカのナイジェリアや、死者4人を出したトルコなどで検出されたウイルスは青海湖系統だった。世界保健機関(WHO)専門家は英国のウイルスも同系統ではないかとみている。
 インドネシアでは11日、新たに1人の女性が鳥インフルエンザで死亡したことが判明し、同国の死者は64人となった。同国で流行しているウイルスは青海湖系統とは別だが、同国の死者は世界最多で、致死率をみると80%近くにのぼっている。しかし、同国は国内で検出されたウイルスの検体をWHOに原則提供しない方針を決定、米国系製薬会社とワクチンの開発・製造で相互協力する覚書を結び、国際社会の懸念を招いている。
新型ウイルス警戒
 人類が免疫を持たない新型インフルエンザが発生した場合、日本国内で最大64万人が死亡するとされている。その日本の対策は−。
 厚生労働省は、世界保健機関(WHO)の指針に従って、「新型インフルエンザ行動計画」をまとめ、1〜6までの警戒レベルを設定。新型インフルエンザが発生した場合、日本の全人口の25%が感染し、1300万〜2500万人が受診し、死者は17万人から64万人にのぼると推計している。
 封じ込めに最も重要なのは抗ウイルス剤タミフルの投与だが今年1月、厚労省は、この投与順位を「入院患者」「感染した医師、社会機能維持者」「医学的ハイリスク群」「児童、高齢者」「外来患者」とした。これが国民の理解を得られるかどうかは難しい。子供を優先してほしいという声も強く、現在、意見を募っているところだ。
 新型インフルエンザを想定したワクチンの開発が日本国内でも進められているが、そのワクチンが実際に新型インフルエンザに効くかどうかはわからない。
 日本では今年に入り宮崎、岡山など4カ所の養鶏場で鳥インフルエンザの発生が確認された。今のところ人への感染は確認されていないが、京都産業大の大槻公一教授(獣医微生物学)は現在の状況を「いつ人から人への感染力を持ち、新型インフルエンザになるかわからない」と警戒を呼びかけている。

◎鳥インフル:韓国でまた発生、昨年11月以降6件目(2007年2月11日、毎日新聞)
 韓国農林省によると、ソウル近郊の京畿道安城市の農場で鶏が大量死し、10日までに高病原性鳥インフルエンザの感染が確認された。保健当局は周辺の半径3キロ以内の家禽(かきん)類を処分する方針。
 韓国では昨年11月以降、高病原性鳥インフルエンザの発生が相次ぎ、今回で6件目。同農場では約13万羽の鶏を飼育しており、今月6日から9日にかけ計約1200羽が死んだ。
 鳥インフルエンザは昨年12月以降、安城市に近い忠清南道天安市などでも発生しているが、農林省は「時間的にみて(同市から)感染が広がったとは考えにくい」としている

◎韓国でまた鳥インフルエンザ、鶏1200羽死ぬ(2007年2月10日、読売新聞)
 【ソウル=中村勇一郎】韓国農林省は10日、ソウル近郊の京畿道安城市の養鶏場で今月6日から9日にかけて、鶏約1200羽が大量死し、検査の結果、毒性の強い鳥インフルエンザウイルスが検出されたと発表した。
 この養鶏場は鶏約13万3千羽を飼育していた。韓国政府は養鶏場の残りの鶏を処分するとともに、半径10キロ以内の立ち入りを制限し、警戒態勢を敷いている。
 韓国では昨年11月以降、各地で鳥インフルエンザによる鶏の大量死が相次いでおり、毒性の強いウイルスが検出されるのは今回で6件目。

◎ナイジェリアで初の死者、鳥インフルエンザH5N1型(2007年2月1日、読売新聞)
 【ヨハネスブルク支局】ロイター通信によると、西アフリカ・ナイジェリアのヌウェケ情報相は31日、同国最大都市ラゴスで死亡した女性(22)から、高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)が検出されたと発表した。
 サハラ砂漠以南のアフリカで、鳥インフルエンザ感染者の死亡が明らかになったのは初めて。
 女性は、同国内で鳥インフルエンザ感染による死亡が疑われるとして、検査していた14人の1人。同国情報省によると、さらに3人にも感染死の可能性があるという。

◎鳥インフル:エジプトで12人目の死者(2007年2月6日、毎日新聞)
 ロイター通信によると、世界保健機関(WHO)当局者は5日、カイロ南方ファイユームのエジプト人女性(17)が高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)で死亡したと明らかにした。エジプト保健省によると、昨年2月に国内初の感染例が報告されて以来、20人目の感染者で、死者は12人目。死亡日時は不明。
 WHOは今年1月、昨年末に死亡したエジプト人2人から、抗ウイルス薬タミフルに中程度の耐性のあるウイルスが検出されたと発表したが、同当局者は、今回死亡した女性がタミフルを処方されていたかどうかは分からないとしている。(共同)

◎鳥インフルエンザ:英で七面鳥が大量死、H5N1型検出(2007年2月3日、毎日新聞)
 【ロンドン藤好陽太郎】英国南東部サフォーク州の農場で食肉用の七面鳥2600羽が死に、欧州連合(EU)の行政府にあたる欧州委員会は3日、テストの結果、検出されたウイルスが毒性の強い高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)と確認されたと発表した。
 英国でH5N1型が確認されたのは昨年4月に白鳥の死がいから初めて検出されて以来。七面鳥は1月30日から死に始め、英環境・食糧・農村省は農場周辺を立ち入り禁止にした。同省によると、農場で飼育されている16万羽の七面鳥が殺処分される可能性がある。

◎鳥インフル:ナイジェリアで死者、サハラ以南アフリカで初(2007年2月1日、毎日新聞)
 【ヨハネスブルク白戸圭一】ナイジェリアのヌウェケ情報相は31日、同国最大の都市ラゴスで死亡した女性(22)から高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)を検出したと発表した。ロイター通信などが伝えた。サハラ砂漠以南アフリカで、鳥インフルエンザによる死者が確認されたのは初めて。検疫や医療の体制がぜい弱なアフリカでの感染拡大が懸念されている。
 情報相によると、女性の母親も死亡したほか、ラゴスから離れた国の北東部でも2人が同様の症状で死亡した。いずれも感染が疑われ、ナイジェリア政府は世界保健機関(WHO)などと協力してウイルスの検出を急いでいる。同国は昨年2月、サハラ砂漠以南のアフリカで初めて鳥インフルエンザウイルスによる鶏の死を確認。鶏への感染は国内36州のうちの17州に広がっていた。

◎ハンガリーの鳥インフル、強毒型と確認、欧州委(2007年1月30日、朝日新聞)
 欧州委員会は29日、ハンガリー南東部の農家で死んだガチョウから検出された鳥インフルエンザウイルスが毒性の強いH5N1型と確認されたと発表した。欧州連合(EU)域内での発生は昨年8月以来。さらに約10キロ離れた別の農家でもH5N1型とみられるウイルスに感染したガチョウが見つかり、ハンガリー当局が約9400羽を処分した。日本政府はハンガリー産のフォアグラ、鶏肉などの輸入を25日付で一時禁止している。

◎「カモが犯人」説浮上、糞から鳥インフルのウイルス(2007年1月27日、朝日新聞)
 宮崎県の清武町と日向市東郷町で鳥インフルエンザに感染した鶏が大量死した問題で、清武町でみつかった「H5N1型」とほぼ同じ遺伝子のウイルスが韓国で今月、渡り鳥のマガモの糞(ふん)から検出されていたことが、わかった。感染経路の解明を進める農林水産省も関心を寄せている。専門家の間では「犯人」として渡り鳥、なかでもカモ類を挙げる声が出てきた。
 韓国西海岸側の天安(チョナン)市など4都市では、昨年11月からこれまでに、鳥インフルエンザが5回発生した。同国農林省によると、ウイルスの遺伝子はすべて清武町と同じ中国・青海湖タイプ。しかも、同市内で採取されたマガモの糞から、同じ青海湖タイプのウイルスが検出された。
 渡り鳥の飛来ルートとしては、シベリアや中国東北部から朝鮮半島の西海岸沿いを南下し、九州にいたるコースが知られる。農水省の感染経路究明チームのメンバーでもある金井裕・日本野鳥の会主任研究員によると、マガモもこのルートで11〜12月にかけて日本に飛来するとされる。
 韓国農林省によると、天安市で鳥インフルエンザに感染した鶏の大量死が発生し、マガモの糞からウイルスが検出されたのは今月19日。だが、この糞は昨年12月下旬に採取されていたという。
 糞の採取と飛来の時期が重なることなどから、金井主任研究員は「カモ類を感染源として有力視する見方は多い」という。
 感染経路究明チームの座長を務める伊藤寿啓・鳥取大教授(獣医ウイルス学)によると、感染源には(1)野鳥が運んできた(2)人の靴などに付いて運ばれた(3)物に付いて持ち込まれた、などが考えられるという。
 だが、「渡り鳥犯人説」は当初からあった。清武町のウイルスは、中国西部の青海湖で05年に確認されたものと遺伝子が近いうえ、「ウイルスは鳥の体内では増殖しても、人や物に付着した場合は弱まるはず」(伊藤教授)だからだ。
 ただ、どうして養鶏場にウイルスが入り込んだのかは謎のまま残っている。鶏舎は金網と防鳥カーテンで外部から遮断されていたからだ。
 大槻公一・京都産業大教授は「養鶏場への人の出入りや関係者による消毒の徹底ぶりなど、さらに詳しく調べる必要がある」と話す。

◎宮崎県日向市の鶏大量死、鳥インフルと確認、H5亜型(2007年1月25日、朝日新聞)
 宮崎県日向市東郷町の養鶏場で鶏が大量死した問題で、農林水産省と県は25日、H5亜型の鳥インフルエンザウイルスの感染を確認したと発表した。大量死は同日までに3169羽に上った。県は26日から、この養鶏場の残り約5万羽の殺処分に着手し、隣に近接する別経営の養鶏場の5万羽の処分も検討する。半径10キロ圏内にある計21養鶏場で飼われている約51万羽の鶏や卵は、25日午後7時から移動を禁止した。県内の感染確認は、これで2カ所目。
 県によると、今回感染が確認された養鶏場は、佐藤ブロイラー農場(佐藤欣一社長)。
 県は同日朝、死んだ鶏からウイルスを分離し、動物衛生研究所(茨城県つくば市)の鑑定で鳥インフルエンザウイルスと確認された。詳しいウイルスの型の判明には数日かかる見込みだが、農林水産省と県は強毒性の可能性が高いとみている。
 県は、鶏の死骸は養鶏場近くの山林に埋める方針。殺処分と埋却作業には4日以上かかるとみられる。また、県は26日、県職員100人に加え、日向市と畜産関係団体の応援も得て計150人態勢で殺処分を始める。
 鶏などが移動制限される半径10キロ圏内には日向市と美郷町、都農町、木城町に西都市の5市町が含まれるが、対象となる養鶏場は日向市と美郷町にある。
 県内では13日、現場から約60キロ南の清武町の谷口孵卵(ふらん)場でも鳥インフルエンザ感染が確認された。後に強毒性のH5N1型と判明。半径10キロ圏内では鶏などの移動が禁止されたが、県は25日、鶏卵の移動制限を解除した。圏内の11養鶏場のうち3養鶏場が対象だ。
 佐藤ブロイラー農場では、25日に新たに1850羽が死んでいるのが見つかった。

◎鳥インフルエンザ:さらに750羽死ぬ、宮崎(2007年1月24日、毎日新聞)
 宮崎県日向市で鳥インフルエンザが疑われる鶏の大量死が発生した問題で24日、さらに食肉用ブロイラー750羽が死に、22日以降に死んだ鶏は計1319羽となった。県は、発生養鶏場の半径10キロ内にある30養鶏場(飼育数約100万羽)を対象に電話で聞き取り調査し、異状がないことを確認した。発生養鶏場の経営者らにも今のところ健康被害はないという。
 県によると、大量死しているのは発生養鶏場の5鶏舎のうち最も多い約2万羽を飼う鶏舎(長さ約80メートル、幅約15メートル)で、感染が見られない他の4鶏舎とは30メートルほど離れているという。県は発生養鶏場を隔離し、25日も鶏舎の消毒を継続する。【関谷俊介、北川仁士】

◎宮崎の鳥インフル、中国で流行のウイルスと一致(2007年1月23日、朝日新聞)
 宮崎県清武町で発生した鳥インフルエンザのウイルスが、一昨年から中国などで流行しているウイルスとほぼ同一の遺伝子を持っていることが専門家らの調査でわかった。専門家は、中国大陸から渡り鳥などによってウイルスが日本へ運ばれた可能性が高いとみている。農水省は感染経路をさらに詳しく調べる。
 同町の養鶏場で鶏を大量死させたウイルスを県が採取し、その遺伝子を茨城県つくば市の動物衛生研究所が解析していた。その結果、05年5月に中国で発生が確認されたH5N1型の強毒性鳥インフルエンザウイルスの遺伝子と塩基配列が99%以上、一致したという。東南アジアで猛威を振るうH5N1型ウイルスとは遺伝的に近くないとみられる。
 中国でのウイルスは、西部にある同国最大の青海湖で渡り鳥数千羽を死なせた。それまで野生の鳥では一般的に発症しないと考えられた鳥インフルエンザウイルスが、鳥の大量死を引き起こしたため、専門家を驚かせた。昨年11月に韓国で流行したウイルスも同じ系統と考えられている。
 世界保健機関(WHO)の調べでは、05、06年に中国で鳥インフルエンザにより13人が死亡したが、その一因となったという指摘もある。
 青海湖は国際的な渡り鳥の中継地。このウイルスがヨーロッパやアフリカまで広がって鳥インフルエンザを流行させたことが確認されている。

◎鳥インフル死者62人に、インドネシア(2007年1月21日、産経新聞)
 インドネシア保健省当局者は20日、西ジャワ州の病院で19日に高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)によって女性(19)が死亡したと語った。インドネシアの累計死者数は62人となった。AP通信が報じた。
 当局者によると、女性は死んだ家禽(かきん)類と接触があったという。
 死者が世界最多の同国では、予算不足で鶏の処分が進まず、感染拡大の懸念が一層強まっている。

◎韓国で強毒性の鳥インフルエンザ、鶏157羽死ぬ(2007年1月20日、朝日新聞)
 韓国中部の忠清南道は20日、同道天安市にある養鶏場で飼育している鶏3万羽のうち157羽が、強毒性の鳥インフルエンザ(H5N1型)にかかり死んだと発表した。同道は、半径500メートル以内の鶏27万3000羽などの家禽(かきん)類を処分する対策をとるとした。
 韓国での鳥インフルエンザの発生は、昨年11月以降で5件目。昨年12月には、今回の養鶏場から8キロほど離れた同道牙山市のアヒル飼育場でも発生した。

◎鳥インフル感染の女性死亡、エジプト、11人目(2007年1月20日、産経新聞)
 エジプトの中東通信などによると、高病原性鳥インフルエンザに感染し、治療を受けていた同国ベニスエフの主婦が19日、死亡した。
 エジプト保健省によると、昨年2月に国内初の感染例が報告されて以来、19件目の感染者で、11人目の死者という。
 女性は肺炎の症状を訴え、13日からカイロの病院に入院していた。

◎野鳥の死体から鳥インフルエンザウイルス、香港(2007年1月18日、朝日新聞)
 香港政府は17日、九竜半島中部で見つかった野鳥の死体から、鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)を検出したと発表した。今月9日に同半島の住宅地に近い山中で見つかったタカの死体から検出した。香港では昨年末に香港島の繁華街で見つかったスズメ目のシマキンパラの死体からも同ウイルスが検出されている。

◎鳥インフルエンザ、宮崎で1万2千羽を焼却処分へ(2007年1月15日、読売新聞)
 宮崎県清武町の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザが発生した問題で、県は15日午前、感染で死んだ約3900羽と殺処分した約8100羽の計約1万2000羽を密閉容器に入れる作業を始めた。
 同日午後、養鶏場から約18キロ離れた宮崎市の廃棄物処理施設に運び焼却する。
 作業では、防疫服を着用した県職員約100人が、密閉容器1個に10羽ずつ投入。16日には養鶏場全体を再度消毒する。
 県は、養鶏場の半径10キロ以内を移動制限区域として鶏や卵の移動を禁じており、17日から区域内にある他の16養鶏場(約19万4000羽)を立ち入り調査する。
 異状がないことを確認したうえで、その後3週間の経過期間中に新たな大量死やウイルス検出がなければ、移動制限を解除し終息宣言をする。

◎H5型鳥インフルと確認、宮崎で33万羽の移動禁止(2007年1月14日、読売新聞)
 宮崎県清武町の養鶏場で大量死した鶏について、農林水産省は13日、H5型のウイルスに感染した高病原性鳥インフルエンザと確認した。
 これを受けて宮崎県は同日、発生場所から半径10キロ以内の鶏や卵の移動を禁止した。対象は16養鶏場の約33万羽。
 県によると、この養鶏場は、「谷口孵卵場黒坂農場」。飼育していた約1万2000羽の肉用種鶏のうち約3800羽が10〜13日に死んだ。県の依頼により動物衛生研究所(茨城県つくば市)が鑑定した結果、H5型ウイルスが確認された。
 H5型ウイルスのうちどのタイプかは確定されていないが、同省では、短期間での大量死の状況から、毒性の強いタイプの可能性が高いとみている。
 宮崎県はすでに、この養鶏場の鶏を隔離し、鶏舎周辺の消毒作業を実施している。従業員らの健康状態に異常はないという。県は今後、同養鶏場の鶏すべてを処分する。
 国内では2004年に山口、大分、京都の3府県で、毒性の強いH5N1型の鳥インフルエンザの発生が確認された。05年6月に茨城県で発生したのは、弱毒性のH5N2型だった。
 同省は週内に疫学調査チームを発足させて感染経路の究明をめざす。鳥インフルエンザは、鶏肉や卵を食べた人が感染したという報告例はなく、同省では、消費者に対して冷静な対応を呼びかけている。

◎宮崎の鶏大量死、高病原性鳥インフルエンザと確認(2007年1月13日、読売新聞)
 宮崎県清武町の養鶏場で鶏が大量死した問題で、農林水産省は13日、H5型のウイルスに感染した高病原性鳥インフルエンザと確認した。
 これを受けて宮崎県は14日、発生場所から半径10キロ以内の鶏や卵の移動を禁止する。対象は16養鶏場の約33万羽。
 県によると、この養鶏場は、「谷口孵卵場黒坂農場」。飼育していた約1万2000羽の肉用種鶏のうち約3800羽が10〜13日に死んだ。
 県の依頼により動物衛生研究所(茨城県つくば市)が鑑定した結果、H5型ウイルスが確認された。H5型ウイルスのうちどのタイプかは確定されていないが、同省では、短期間での大量死の状況から、毒性の強いタイプの可能性が高いとみている。
 宮崎県はすでに、この養鶏場の鶏を隔離し、鶏舎周辺の消毒作業を実施している。従業員らの健康状態に異常はないという。県は今後、同養鶏場の鶏すべてを処分する。
 国内では2004年に山口、大分、京都の3府県で、毒性の強いH5N1型の鳥インフルエンザの発生が確認された。05年6月に茨城県で発生したのは、弱毒性のH5N2型だった。
 同省は週内に疫学調査チームを発足させて感染経路の究明をめざす。鳥インフルエンザは、鶏肉や卵を食べた人への感染例の報告はなく、同省では、消費者に対して冷静な対応を呼びかけている。

◎鳥インフルエンザ:インドネシアの累計死者61人に(2007年1月13日、毎日新聞)
 【ジャカルタ井田純】インドネシア保健省は13日、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)の感染で新たに2人が死亡したと発表した。同国の死者数は世界最多で、累計で61人となった。今年に入ってからの死者はすでに4人。
 死亡したのはジャカルタ在住の女性(22)と、ジャカルタ近郊バンテン州タンゲランの女性(27)。保健省当局者によると、2人はともに先月30日、イスラム教の犠牲祭のために市場で生きた鶏を買い、感染したとみられている。

◎鳥インフルエンザ:新たに鶏1650羽の死確認、宮崎(2007年1月12日、毎日新聞)
 宮崎県は12日、同県清武町の養鶏場で新たに1650羽の鶏が死んだことを確認した。同養鶏場には三つの鶏舎があり、いずれも10、11両日に死んだ約750羽と同じ鶏舎の鶏だった。同養鶏場の約1万2000羽のうち、約5分の1の約2400羽が死んでいる。
 死んだ鶏から分離したウイルスは動物衛生研究所(茨城県つくば市)で検査し、早ければ13日中にも型が判明する見通し。鳥インフルエンザと確認された場合、家畜伝染病予防法に基づき、同養鶏場の鶏すべてを処分する。【北川仁士】

◇環境省が調査へ
 この問題で環境省は12日、野鳥の飛来状況などの現地調査を行うと発表した。職員3人を派遣し、13日に野鳥の生息状況などを調べ、鳥インフルエンザの感染経路の特定などに役立てる。【山本建】

◎鳥インフルエンザで新たに2人死亡、インドネシア(2007年1月12日、朝日新聞)
 インドネシア保健省によると、ジャカルタ郊外在住の少年(14)と女性(37)が10日と11日、鳥インフルエンザウイルスに感染して相次いで死亡した。また市内の病院に入院中の別の女性(22)も感染が確認された。いずれも鶏からの感染ではないかとみられている。
 インドネシアでは計77人が感染し、うち59人の死亡が確認されている。

◎鳥インフルエンザ:インドネシアの死者59人に、世界最多(2007年1月12日、毎日新聞)
 インドネシア保健省当局者によると、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染した女性(37)が11日夜にジャカルタの病院で死亡した。同国の累計死者は世界最多で59人となった。
 インドネシアでは10日に少年(14)が死亡しており、今年に入り2人目の死者。政府が対策の主眼とする鶏のワクチンが不足しており、人への感染拡大が懸念されている。死亡した女性は鶏を調理した後で発症、今月1日に入院していた。
 中国や韓国でも今年に入って相次いで人への感染が確認され、アジア各国で警戒感が強まっている。
 インドネシアに次いで多い42人が感染死したベトナムでは、抜本的対策とされる家禽(かきん)の処分で感染を封じ込めていたが、昨年12月、約1年ぶりに鶏とアヒルの感染が確認された。インドネシアでは予算不足などで鶏の処分が進まず、感染防止は難航している。(共同)

◎鳥インフル:宮崎・清武町の養鶏場で発生か、鑑定急ぐ(2007年1月12日、毎日新聞)
 農水省は11日、宮崎県清武町の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザと疑われる事例があり、ウイルス分離など病性鑑定をしていると発表した。また宮崎県によると、養鶏場の管理獣医師が簡易検査したところ、鳥インフルエンザの陽性反応を示したという。ウイルスの型や感染ルートなどは特定されていないが、同省は強毒タイプの可能性が高いとみており、12日に対策本部を設置したうえで、現地に専門家を派遣する方針。
 同省によると、養鶏場は3棟で約1万2000羽の肉用種鶏が飼育されており、10日に約250羽、11日に約500羽の死が確認された。今後、農場の鶏の隔離や周辺農場への移動自粛要請などをする方針。また、ウイルスの分離ができ次第、茨城県つくば市の研究所にウイルスを送って鑑定し、13日にも型が判明する見通し。
 鳥インフルエンザは法定伝染病に指定。感染した鳥の肉や卵を人が食べても、感染することはない。国内では、04年に山口県阿東町で発生して以降、大分、京都、茨城、埼玉で発生している。
 宮崎県は06年2月現在、ブロイラー飼育数が1843万7000羽、飼育農家数394戸で、いずれも全国一。【工藤哲】

◎鳥インフルエンザ:死者58人に、インドネシア(2007年1月10日、毎日新聞)
 インドネシア保健省によると、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染した少年(14)が10日にジャカルタで死亡、同国の累計死者は58人となった。
 同国は鳥インフルエンザによる死者数が世界最多。政府の予算不足などで鶏の処分が進まず、感染防止は難航している。
 少年は1月1日に発症、5日に入院した。発症前に近所で飼っていたアヒルが死んでおり、感染源かどうか調べている。

◎鳥インフルエンザ:エジプトで8人目の死者(2006年12月25日、毎日新聞)
 エジプトの保健・人口省は24日、高病原性鳥インフルエンザに感染したエジプト北部の女性が同日、死亡したことを明らかにした。中東通信が伝えた。鳥インフルエンザ感染による同国での死者は8人目。
 飼育していた家禽(かきん)から感染したとみられ、17日から入院していた。
 エジプトでの感染者は死者を含め18人。(カイロ共同)

◎鳥インフル感染の可能性、ウズラ卵100万個超が流通(2006年12月13日、読売新聞)
 【ソウル=中村勇一郎】韓国南西部の全羅北道庁は13日、鳥インフルエンザによってウズラが大量死した同道金堤市の養鶏場から、ウイルスに感染した可能性があるウズラの卵が出荷され、韓国内に流通していたことを明らかにした。
 同道は流通ルートについて調査を開始し、回収作業に乗り出した。
 この養鶏場では今月8日から11日にかけ、ウズラ約3000羽が大量死し、精密検査の結果、毒性の強い鳥インフルエンザウイルスが検出された。聯合ニュースによると、この養鶏場からは、ウズラがウイルスに感染したと見られる先月下旬から今月8日までの間に、計100万個以上の卵が洗浄されないままの状態で出荷され、韓国各地に流通していたという。

◎韓国でまた鳥インフルエンザ、高病原性、西部の全羅北道(2006年12月11日、産経新聞)
 韓国農林省は11日、同国西部の全羅北道金堤市のウズラ飼育場で、今月7日から10日までに約3200羽のウズラが死に、毒性の強い高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出されたと発表した。同省などはウイルスの型の特定を急いでいる。
 先月下旬には、この飼育場から北に約20キロ離れた全羅北道益山市の2カ所の養鶏場で、高病原性のH5N1型ウイルスにより鶏が大量死。保健当局はウズラ飼育場から半径500メートル以内で飼われている家禽(かきん)類を処分する方針。
 保健当局はこれまで、11月の発生場所から半径3キロ以内で飼育されていた鶏やアヒルなど計約77万羽を処分するなどして感染防止を図ったが、新たな感染が確認されたことで、より広い範囲での感染対策を迫られることになった。

◎韓国:鳥インフルエンザでウズラ1000羽死ぬ、全羅北道(2006年12月11日、毎日新聞)
 【ソウル中島哲夫】韓国農林省は11日、同国南西部の全羅北道金堤市の養鶏場でウズラが大量死し、国立獣医科学検疫院の検査で原因は毒性の強い高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)と確認されたと発表した。韓国での高病原性鳥インフルエンザ発生確認は先月以来3件目。
 聯合ニュースによると、この養鶏場では約29万羽のウズラを飼育しており、ここ4日間に1000羽余りが死んだ。生存しているウズラと半径500メートル以内にある養鶏場の鶏計7万羽が殺処分される。
 この養鶏場は、最初に高病原性鳥インフルエンザが確認された同道益山市の養鶏場から南に18キロ離れており、防疫上の警戒範囲(半径10キロ)の外にあたる。

◎鳥インフルの死者57人に、インドネシア(2006年11月29日、産経新聞)
 インドネシア保健省によると、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染したジャカルタ郊外のバンテン州の女性(35)が28日に死亡、同国の累計死者数は57人となった。
 同国は鳥インフルエンザによる死者が世界で最も多い。政府の予算不足などから鶏の処分が進まず、感染を封じ込めるめどが立っていない。世界保健機関(WHO)などは、現状を放置すれば人への感染力が強いウイルスが出現する可能性が大きいとして対策強化を求めている。

◎韓国で鳥インフル拡大、西部でも1000羽死ぬ(2006年11月28日、産経新聞)
 【ソウル=久保田るり子】韓国南西部全羅北道で大量死した鶏から毒性の強い鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)が確認されたのに続き、西部の忠清南道瑞山市の養鶏場でも今月20日から26日にかけ約1000羽の鶏が死に、1次抗体試験で陽性反応が確認された。
 国立獣医科学検疫院が精密検査を進めている。聯合ニュースによると、鶏の状況から毒性の低い鳥インフルエンザウイルスの可能性が高いとしている。このほか27日までに京畿道の平沢市など2カ所でも鶏が大量死し、低病原性鳥インフルエンザと確認された。農林省は26日、韓国全土に注意を呼びかけている。

◎ソウル近郊でも鳥インフルエンザ、毒性の弱いH9型(2006年11月27日、読売新聞)
 【ソウル=中村勇一郎】韓国の京畿道庁は27日、ソウル近郊の京畿道揚平郡の養鶏場で今月21日から26日にかけて、飼育中の鶏約800羽が死んでいるのが見つかり、検査の結果、鳥インフルエンザが原因と判明したと明らかにした。
 同道庁によると、今回検出されたのは毒性の弱い「H9型」の鳥インフルエンザウイルスで、人間への感染などはないという。同道庁は「飼育者が病気で餌をやれなかったため、体力が衰え、感染したのではないか」と説明している。
 一方、南西部・全羅北道益山市の養鶏場で毒性が強い「H5N1型」の鳥インフルエンザによって鶏約6000羽が死んだことを受け、韓国政府は現地に調査チームを派遣し、養鶏場関係者らについても感染していないか検査を行っている。

◎韓国の鶏大量死、鳥インフルエンザと確認(2006年11月26日、日本経済新聞)
 【ソウル=峯岸博】韓国農林省は25日、南西部の全羅北道益山(イクサン)市の養鶏場で死んだ約6000羽の鶏を精密検査した結果、毒性の強い高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)を検出したと発表した。
 同市の防疫対策本部は同日、養鶏場の残る約6000羽の鶏と犬2匹を追加処分。さらに同養鶏場の半径500メートル以内にある6カ所の養鶏場で飼われている鶏やアヒルなど23万6000羽をすべて処分する方針を決めた。半径3キロ圏内の養鶏場で生産された卵なども廃棄し、半径10キロ圏内では家禽(かきん)類の移動を禁止する。
 韓国では2003年末から04年春にかけて養鶏場などで19件のH5N1型の鳥インフルエンザの大量感染が発生し、鶏やアヒル計530万羽が処分された経緯がある。

◎韓国益山市の鳥インフル、毒性の強い「H5N1」型(2006年11月26日、読売新聞)
 【ソウル=中村勇一郎】韓国農林省は25日、同国南西部・全羅北道益山市の養鶏場で飼育中の鶏6000羽が死んだことについて、毒性の強い「H5N1型」の鳥インフルエンザによるものと最終確認したと発表した。
 韓国政府は、この養鶏場の半径500メートル以内で飼育されていた鶏約23万6000羽を処分する方針を決め、半径10キロ以内を警戒地域とし、立ち入りを制限するなどの対策に乗り出した。現在まで人への感染は確認されていないが、韓国政府は、養鶏場の作業員らにワクチン投与を行うなど警戒を強めている。
 この養鶏場では今月19日から22日までの4日間で、飼育されていた1万3000羽の鶏のうち、6000羽が相次いで死に、国立獣医科学検疫院で検査を進めていた。
 韓国では2003年12月から04年3月にかけても、同型の鳥インフルエンザが各地で流行し、処分に携わった作業員も感染した。
 日本政府はすでに、韓国政府から鳥インフルエンザ発生の正式な通知を受けており、24日から、韓国産の鶏肉など家禽(かきん)肉の輸入を一時停止している。

◎韓国:養鶏場で6000羽死ぬ、鳥インフルエンザが原因(2006年11月25日、毎日新聞)
 【ソウル堀山明子】韓国農林省は25日、同国南西部・全羅北道益山市の養鶏場で鶏6000羽以上が死んだのは、毒性の強い高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)が原因と確認されたと発表した。同省は養鶏場から半径500メートル以内の養鶏場6カ所で飼育されている鶏、アヒルなど23万6000羽以上を処分する方針。問題の養鶏場では同日、鶏6000羽余と犬2匹が処分された。
 益山市の防疫対策本部は通行規制範囲を拡大し、家畜の移動を全面禁止するなど防疫対策を強化。また、人への感染を防ぐため養鶏従事者や防疫作業員に抗ウイルス薬を投与した。
 農林省は、鶏の感染死が確認された養鶏場から半径3キロ以内を「危険地域」に指定、地域内の養鶏場19カ所の卵を廃棄する方針を明らかにした。さらに半径10キロ以内を「警戒地域」と位置づけ、221カ所で飼育されている家きん500万羽余の移動を禁止する。
 全羅北道は養鶏で知られ、韓国で飼育されている鶏の28%が集中している。今回の感染で道内で飼育されている鶏の3割程度が処分される計算になり、養鶏業界は大打撃を受ける。
 韓国では03年12月から04年3月にかけて全国10市郡の養鶏場19カ所で鳥インフルエンザ感染が発生し、約530万羽が処分された。発症はしなかったが、当時、鶏の処分にあたった作業員4人が感染していたことが確認されている。

◎鳥インフル?韓国で鶏大量死、4日間に6千羽(2006年11月23日、産経新聞)
 韓国農林省は23日、西部の全羅北道、益山にある養鶏場で鶏が大量死したことを明らかにした。毒性の強い高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染した疑いがあり、詳しい検査をしている。25日ごろに結果が判明するとしている。
 同省や全羅北道庁によると、養鶏場では19日から22日にかけ鶏約6000羽が死に、養鶏場が22日、国立獣医科学検疫院に検査を依頼。同日深夜に検疫院が鳥インフルエンザの疑いがあるとの暫定的な結論を出した。同省が意見を求めた検疫専門家は、状況からH5N1型の可能性が高いとみているという。
 農林省は、この養鶏場で飼育されている残り約6000羽を処分し、養鶏場の鶏の卵を受け入れているふ化場二カ所を閉鎖する方針。また半径10キロ以内の別の養鶏場でも検査を行う。保健福祉省は現地にインフルエンザ治療薬の抗ウイルス剤、タミフルを送るなど、人間の感染防止対策を始めた。
 韓国では2003年12月から04年3月にかけ、養鶏場などで19件のH5N1型の大量感染が発生し、計530万羽の鶏やアヒルが死んだり処分された。当時、鶏などの処分に従事した作業員4人がウイルスに感染した。
 これまでのところ、鳥インフルエンザによる死者が最多なのはインドネシアで56人。世界保健機関(WHO)などは、遺伝子の変異で人への感染力が強いウイルスが出現する可能性が大きい地域として警戒を強めている。

◎韓国南部で鳥インフルエンザの疑い、鶏大量死(2006年11月23日、朝日新聞)
 韓国農林省は23日、南部の全羅北道益山市で、高病原性のH5N1型鳥インフルエンザの疑いがあるケースが発見されたことを明らかにした。
 農林省によると、今月19〜22日に同市の農場で飼育していた鶏約1万3000羽のうち約6000羽が死んだ。同省は鳥インフルエンザウイルスに感染した可能性が高いとみており、25日ごろ最終的な判断を下す。

◎鳥インフルがヒトに感染しやすくなる変化を発見・東大など(2006年11月16日、日本経済新聞)
 東京大学医科学研究所の研究チームは、通常は人に感染しにくい高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)の表面の特定部分が変化すると、人に感染しやすい危険なタイプになることを突き止めた。人から人に容易にうつり世界的に流行する恐れが懸念されている新型インフルエンザの出現を予測する手掛かりになる。
 河岡義裕教授、山田晋弥研究員らの成果で、16日付の英科学誌ネイチャーに掲載される。
 インフルエンザウイルスは表面にあるさまざまな突起が人や動物の細胞にくっつくことで感染する。研究チームが調べたところ、突起の一種を構成するアミノ酸の配列の182番目か、192番目のどちらかの種類が変化すると、人と鳥の両方の細胞に結合しやすいことがわかった。
 新型インフルエンザウイルスは鳥インフルエンザウイルスが突然変異などで構造変化を起こすことで誕生するとみられている。今回発見したのはそうした変化の一つで、新型インフルエンザ出現の危険度を分析する指標となる可能性がある。

◎鳥インフル、ヒト感染の変異を特定、東大医科学研(2006年11月16日、産経新聞)
 世界規模の大流行が懸念される鳥インフルエンザ(H5N1型)で、ウイルスの表面タンパク質の特定部分でアミノ酸が変異するとヒトの細胞に結合しやすくなることが、東京大医科学研究所の河岡義裕教授らの研究で分かった。ヒトへの感染リスクを評価する指標となり、対策にも役立ちそうだ。16日発行の英科学誌「ネイチャー」に発表した。
 インフルエンザウイルスは、表面タンパク質のヘマグルチニン(HA)が動物細胞の表面にある受容体と結びつくことで感染が始まる。一般的には鳥インフルエンザは鳥型受容体に結合するが、ヒト型受容体にも結合できるように変化すると、ヒトからヒトへの感染が広がる可能性が高まる。これまで、H5N1型ウイルスがヒト型受容体と結合できるようになるメカニズムは分かっていなかった。
 河岡教授らの研究チームは、タイやベトナムでヒトに感染したH5N1型ウイルス21株と、鳥に感染したウイルス5株について表面タンパク質を詳しく調べた。その結果、ヒトに感染したウイルス数株は、ヒト型受容体に結合できるような変異を起こしており、HAの182番目と192番目のアミノ酸が別のアミノ酸に入れ替わる変異が、ヒト型受容体との結合能力に深く関与していることが明らかになった。
 実際にヒトからヒトへの感染が拡大する場合は、HAのアミノ酸変異以外の要因も絡むが、変異型ウイルスが出現するとヒトからヒトへの感染リスクは確実に高くなる。鳥インフルエンザの発生地域で変異型のウイルスが出現した場合は徹底して封じ込めるなど、リスク評価や感染拡大防止政策の指標として期待できるという。

◎鳥インフルエンザで長期の警戒呼びかけ、国連調整官(2006年10月25日、産経新聞)
 【ニューヨーク支局】国連のナバロ調整官(鳥インフルエンザ担当)は23日、国連本部で記者会見し、「鳥インフルエンザは動物の間で今後5−10年流行し、いつ人から人への感染力を持つ新型インフルエンザになるかわからない」と述べ、長期にわたって警戒を強める必要性を呼びかけた。また「ウイルスは病毒性が非常に強いが、渡り鳥などでは症状がないまま長期にわたって潜伏することもある」と語り、渡り鳥や感染した鳥の交易を通じて世界に拡散する恐れがあるとの懸念を示した。AP通信などによると、世界30カ国以上の国で鳥インフルエンザが報告され、人への感染件数が増加している。
 対応策としては、住宅の裏庭に鶏を飼うなど人と鶏の生活圏が一緒の養鶏方法を変えなければならないが、同調整官は「実現するには5−10年はかかる」と指摘。特に世界の死者の3分の1にあたる55人が死亡しているインドネシアや、貧困や感染症に苦しむアフリカへの支援が不可欠との認識を示した。
 北米では今のところ、鳥インフルエンザの人への感染は報告されていないが、冬の到来に伴い渡り鳥が飛来し、感染拡大の危険性が高まっている。米政府はアジアやシベリアからの渡り鳥の飛行経路の交差点にあたるアラスカ州で野鳥の検査を行い、警戒を強めている。

◎鳥インフルエンザ:茨城の感染原因、特定できず、農水省(2006年9月28日、毎日新聞)
 昨年6月に茨城県で発生した鳥インフルエンザ(H5N2型)について、農林水産省の感染経路究明チーム検討会(寺門誠致座長)は28日、最終報告書を取りまとめた。感染経路について「原因ウイルスは中米で見つかった種類に非常に近く、中米のウイルスから作られた未承認ワクチンなどが持ち込まれ、使用された可能性は否定できない」と述べるにとどまり、感染原因の特定にはいたらなかった。
 ウイルスを分析した結果、日本や近隣諸国では見つかっていない種類で、中米のグアテマラやメキシコで発見されたものに近かった。このため、渡り鳥によって運ばれてきた可能性は低いとした。ウイルスの侵入時期は「昨年5月中旬かそれ以前」とし、その後、農場間で人などを通じて感染が広がった可能性が高いと結論付けた。

◎鳥インフルエンザ死者、インドネシアで51人に(2006年9月25日、産経新聞)
 インドネシア保健省は24日、ジャカルタで22日に死亡した少年(9)が高病原性鳥インフルエンザウイルスH5N1に感染していたことを確認した。同国の累計死者は51人となった。
 感染した鶏に接触したことが原因とみられる。インドネシアの鳥インフルエンザによる死者は世界で最も多く、18日にも鶏に触ったとみられる少年(11)が感染死したばかりだった。(共同)

◎インドネシアで鳥インフル死者49人に、世界最悪(2006年9月15日、産経新聞)
 世界保健機関(WHO)は14日までに、インドネシアの首都ジャカルタ郊外で3月に死亡した男児(5)が高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に感染していたことを確認した。同国の累計死者は計49人となった。
 同国の死者は世界で最も多く、対策の遅れでさらに増え続けている。

◎鳥インフルエンザ:農業男性が感染死、死者14人に、中国(2006年8月15日、毎日新聞)
 中国衛生省は14日、新疆ウイグル自治区の農業の男性(62)が鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染し、7月12日に死亡したと発表した。男性は6月19日に発病したが、その1カ月前から外出しておらず、身近な人の中にも感染した鳥との接触はなかった。中国でH5N1型の感染による死者は14人となった。【上海支局】

◎鳥インフルエンザの死者、インドネシアが世界最多に(2006年8月10日、読売新聞)
 【ジャカルタ=黒瀬悦成】インドネシア保健省は9日、ジャカルタ郊外のブカシ市で7日に死亡した16歳の少年について、世界保健機関(WHO)の検査で、毒性の強い鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染していたことが確認されたと発表した。
 同国での鳥インフルエンザによる死者は合計43人となり、ベトナムの42人を抜き世界最多となった。インドネシアでは昨年7月に死者が初確認されて以降、感染が急拡大している。
 WHOによれば、今年5月に北スマトラ州で人から人への感染が起こった可能性が高いとされ、国連食糧農業機関(FAO)も「インドネシアでは感染力が強い型のウイルスが誕生した恐れがある」と警告している。
 インドネシア政府は養鶏業者らに対し、感染が見つかった家きん類を殺処分するよう指導しているが、財政難から業者への補償が十分に出来ず、処分は進んでいない。住民への啓発活動も遅れており、感染の爆発的拡大が懸念されている。

◎東南アジア、鳥インフル感染拡大(2006年8月10日、産経新聞)
 世界保健機関(WHO)は9日、インドネシアの首都ジャカルタ郊外で7日に死亡した少年(16)ら2人が鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に感染していたことを確認した。同国の累計死者数は44人となり、ベトナムを2人上回って世界最多となった。感染多発地帯である東南アジアでは、沈静化していたタイでも7月以降、死者が増え始めており、感染の拡大に歯止めが掛からない状態だ。(シンガポール 藤本欣也、バンコク 岩田智雄)

・インドネシア
 もう1人の死者はジャカルタ北部出身の少女(17)で8日に鳥インフルエンザウイルスに感染した疑いで死亡、最終確認を急いでいた。
 同国で初めて死者が確認されたのは昨年7月。以後、わずか1年余りの間にジャワ島からスマトラ島などへ「世界最悪のペースで感染が拡大」(WHO)している。
 同国で感染拡大を食い止められない原因の一つは、予算不足のため、感染が疑われる鶏の処分を徹底できないことにある。1羽当たりの補償金は1万ルピア(約130円)と市場価格より安値で、非協力的な農家も多い。ワクチン投与や啓発活動も、鶏を放し飼いにしている都市部までカバーできていないのが現状だ。
 「感染を繰り返すことでウイルス変異が起き、感染力が強まる恐れがある」(国連)とも指摘されており、北スマトラ州では5月、人から人への感染が複数回起きた。気温が下がり始める9月以降、感染がさらに拡大する懸念も高まっている。

・タイ
 タイでは、鶏肉の輸出に影響が出ることやウイルスの発見が難しくなることを避けるため、政府が家禽(かきん)類へのワクチン接種を禁止している。しかし最近、中国から大量の違法ワクチンが密輸されていることが発覚した。
 農業・協同組合省家畜開発局が9日明らかにしたところでは、ワクチンを中国からタイ北部チェンライに密輸し、国内の広範囲で売りさばいていた業者が摘発された。ワクチンは1回分3、4バーツ(1バーツは約3円)という安値で流通。違法ワクチンの乱用により、ウイルスが変異することが心配されるという。
 さらにタイでは、最近相次いで2人の鳥インフルエンザによる死者が発生したため、政府が対策に追われている。全国の100病院に隔離病室を建設する緊急予算が8日、閣議決定された。

・ベトナム
 インドネシアに次いで死者が多いベトナムでは昨年12月以来、鳥の感染も報告されていない。鶏肉のほとんどが国内市場向けであるベトナムは、徹底した家禽類へのワクチン接種で当面のウイルス封じ込めに成功した。しかし近隣国での流行が国内に飛び火する恐れもあり、政府は神経をとがらせている。シンガポールも7月下旬、病院や学校で感染拡大を防ぐ大規模訓練を行った。
 今年5月に亡くなった李鍾郁(イ・ジョンウク)WHO事務局長は生前、「もはや新型インフルエンザの出現は避けられない。『もしも』ではなく時間の問題である」と指摘。アジア開発銀行(ADB)は、鳥インフルエンザが大流行した場合、アジア(日本を除く)経済に最大約3000億ドル(約35兆円)の損失をもたらすと試算する。日本政府は東南アジア諸国の対策支援のため、治療薬タミフル50万人分、マスクなど防護用品70万人分の提供を表明している。

◎鳥インフルエンザ、インドネシアでまた集団感染か(2006年8月2日、産経新聞)
 インドネシア保健省当局者は2日、北スマトラ州カロ県で鳥インフルエンザに感染した疑いがある2〜32歳の計9人が相次ぎ入院、検査中であることを明らかにした。同県では今年4月と5月に8人が感染、うち7人が死亡する集団感染が起きたばかり。
 4月と5月の集団感染で、8人中7人はウイルスのヒトへの定着を促進する可能性がある「ヒトからヒト」の感染と判明。世界保健機関(WHO)などは、今後も感染が続けばヒトでの大流行につながる遺伝子変異が起きかねないとして警戒を強めている。(共同)

◎鳥インフルエンザ:インドネシアで拡大、国連機関が警告(2006年7月17日、毎日新聞)
 国連食糧農業機関(FAO)アジア太平洋地域事務所は16日までに、鳥インフルエンザの感染者や死者が続出しているインドネシアについて、感染力の強いウイルスができる恐れがあり「最も警戒すべき地域」と警告した。
 同事務所は6月、国際獣疫事務局(OIE)と合同で東南アジア8カ国を対象に実地調査。この結果、インドネシアではほぼ全土にウイルスが拡大し、「感染を繰り返し、ウイルス変異が起きる危険性が高まる」状態にあることが分かった。
 ベトナムやタイなどが鳥インフルエンザの封じ込めに成功している中で、インドネシアでは依然として感染者や死者が増加。これについては「中央政府の統制がきかず、正確な情報の把握ができないため、対策が後手に回っている」ことを最大の理由に挙げている。 FAOとOIEは「感染機会を減らすことで、ウイルス変異の可能性を少しでも減らすことが急務」と指摘している。
 両機関では日本政府が拠出した約20億円の信託基金をもとに、東南アジア地域の鳥インフルエンザに対する防疫強化に取り組む予定で、今月末までに作業計画をまとめ、8月から具体的作業に着手する。(共同)

◎インドネシアが「最警戒地域」・FAO、鳥インフルで(2006年7月16日、日本経済新聞)
 【バンコク16日共同】国連食糧農業機関(FAO)アジア太平洋地域事務所は16日までに、鳥インフルエンザの感染者や死者が続出しているインドネシアについて、感染力の強いウイルスができる恐れがあり「最も警戒すべき地域」と警告した。
 同事務所は6月、国際獣疫事務局(OIE)と合同で東南アジア8カ国を対象に実地調査。この結果、インドネシアではほぼ全土にウイルスが拡大し、「感染を繰り返し、ウイルス変異が起きる危険性が高まる」状態にあることが分かった。
 ベトナムやタイなどが鳥インフルエンザの封じ込めに成功している中で、インドネシアでは依然として感染者や死者が増加。これについては「中央政府の統制がきかず、正確な情報の把握ができないため、対策が後手に回っている」ことを最大の理由に挙げている。
 FAOとOIEは「感染機会を減らすことで、ウイルス変異の可能性を少しでも減らすことが急務」と指摘している。

◎鳥インフルエンザ:感染繰り返し変異急増か、インドネシア(2006年7月14日、毎日新聞)
 インドネシアで今春、家族7人が死亡した鳥インフルエンザ集団感染で、患者から分離されたウイルスには世界保健機関(WHO)が公表していない多くの遺伝子変異があり、感染の繰り返しとともに変異が急増した痕跡が見られると、英科学誌ネイチャーが14日までに報じた。同誌は、これらのデータがWHO関係のごく少数の科学者にしか知らされていない現状を問題視。データを広く公開すべきだとの声を掲載した。
 集団感染は、家禽(かきん)から感染した女性(37)を起点に家族ら計8人が感染。中でも女性からおい(10)、さらにその父親(32)へは、「ヒト・ヒト」感染が2回連続で起きたとみられている。
 同誌によると、8人中6人のウイルス遺伝子を調べたところ、女性から直接感染した5人のウイルス変異は1〜4カ所だったが、息子を経由して感染した父親のウイルスには21カ所も変異があり、「ヒト・ヒト」感染の繰り返しで変異が急増した可能性を示した。(ワシントン共同)
 大槻公一・鳥取大教授(獣医微生物学)は、「最初の感染者から1人を介しただけで21カ所も変異する可能性は高くない。他のルートで感染したことも考えられ、まだ新型への変異は起きていないとみられる。公表していないことは問題だが、パニックの心配と情報の信ぴょう性を考えると、公表には難しい点も多い」と話している。

◎鳥インフルエンザ:感染繰り返し変異が急増か、英科学誌ネイチャー(2006年7月15日、毎日新聞)
 【ワシントン共同】インドネシアで今春、家族7人が死亡した鳥インフルエンザ集団感染で、患者から分離されたウイルスには世界保健機関(WHO)が公表していない多くの遺伝子変異があり、感染の繰り返しとともに変異が急増した痕跡が見られると、英科学誌ネイチャーが14日までに報じた。同誌はデータを広く公開すべきだとの声を掲載した。
 集団感染は、家禽(かきん)から感染した女性(37)を起点に家族ら計8人が感染。女性からおい(10)、さらにその父親(32)へは、「ヒト・ヒト」感染が2回連続で起きたとみられている。父親のウイルスには21カ所も変異があり、「ヒト・ヒト」感染の繰り返しで変異が急増した可能性を示した。

 大槻公一・鳥取大教授(獣医微生物学)は「1人を介しただけで21カ所も変異する可能性は高くない。他のルートで感染したことも考えられ、まだ新型への変異は起きていないとみられる」と話している。

◎インドネシア10歳少女、鳥インフル死確認、34人目(2006年5月28日、読売新聞)
 【ジャカルタ=黒瀬悦成】インドネシア保健省は27日、先に死亡した10歳の少女について、毒性の強い鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染していたことが世界保健機関(WHO)の検査で確認されたと発表した。
 同国の鳥インフルエンザによる死者は計34人となった。

◎鳥インフルエンザ:計5人死亡、インドネシア保健省(2006年5月17日、毎日新聞)
 【ジョクジャカルタ井田純】インドネシア保健省は17日、毒性の強い高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)の感染で新たに5人の死亡が確認されたと発表した。これで同国の死者数は計30人となり、東南アジアで唯一、感染拡大が続いている。
 世界保健機関(WHO)によると、4人は北スマトラ州で、1人はジャワ島スラバヤで感染死が確認された。北スマトラ州の4人は家族で、WHOは人から人への感染の可能性がないかどうか感染経路などを調査している。

◎インドネシアで鳥インフルエンザ死、WHO25人目確認(2006年5月9日、朝日新聞)
 インドネシア保健省は8日、先月26日にジャカルタ市内の病院で死亡したバンテン州タンゲラン出身の男性(30)が鳥インフルエンザウイルスに感染していたことを明らかにした。世界保健機関(WHO)の検査で感染が確認されたという。インドネシアでの鳥インフルエンザによる死者は25人になった。
 保健省によると、男性は死んだ鶏と接触があったという。

◎鳥インフルの死者、100人突破・WHO発表(2006年3月22日、日本経済新聞)
 【ジュネーブ=市村孝二巳】世界保健機関(WHO)は21日、アゼルバイジャンで鳥インフルエンザに感染した人の検体から毒性の強いH5N1型ウイルスを検出したと発表した。英国の検査機関が7人の検体から同型ウイルスを確認した。うち5人はすでに死亡し、1人は回復したが、残り1人は危篤状態だという。WHOが累計数を公表している2003年以降、H5N1型による死者は103人と、公式に100人を超えた。

◎大流行の潜在的危険高まる、鳥インフル、地域拡大で封じ込め困難(2006年3月15日、産経新聞)
 鳥インフルエンザ(H5N1型)は従来のアジアに加え、今年に入ってトルコ、イラクでも死者が出るなど地理的に拡大した。感染症の専門家らは「世界的大流行に発展する潜在的な危険は高まっている」と懸念しており、封じ込め策も困難さを増している。
 世界保健機関(WHO)は、H5N1型の感染形態は今のところ「鳥から人」がほとんどだとして「人に感染しにくい点は変わっていない」と強調する。しかし人への感染機会が増える度に「人から人」に感染しやすいウイルスに遺伝子変異を起こす危険が高まるのではないかと指摘され、ウイルスの監視強化が一層重要になっている。
 だが感染地域の広がりは、検査や医療態勢などの事情が全く異なる国々で同時に対策を進めなければならないことを意味し、WHOなど国際機関の負担は重くなる一方だ。
 世界のどこかで人に感染しやすいウイルスが出現した場合、WHOなどが備蓄する抗ウイルス剤を“集中投下”して早期に封じ込めるというのが現在のWHOの計画だが、地域の拡大でその実効性が揺らぐ恐れもある。(共同)

◎ハンガリー製薬会社、H5N1型ワクチンを生産(2006年3月15日、日本経済新聞)
 【ウィーン=桜庭薫】ハンガリーのジュルチャーニ首相は14日、毒性の強いH5N1型鳥インフルエンザウイルスに有効なワクチンを同国の製薬会社オムニベストが商業規模で生産すると発表した。政府が暫定的に販売許可を与えた。
 オムニベストは1週間当たり50万回分のワクチンを生産する計画。生産体制を早急に構築するため、ハンガリー政府は同社に20億フォリント(約11億5000万円)の金融支援を実施。見返りに同社の売り上げの14%を受け取る権利を保有することになっており、首相は「2年で支援額を回収できる」と説明している。
 世界保健機関(WHO)調べで2003年以降、約100人が死亡したH5N1型には、スイス医薬品大手ロシュの抗インフルエンザ薬「タミフル」の治療効果が高いとされる。だが、米英をはじめ各国の製薬会社は流行封じ込め効果を高めるためにワクチンを開発中。オムニベストは昨年10月に開発成功を発表していた。

◎鳥インフルエンザ、中国で10人目の死者(2006年3月8日、日本経済新聞)
 【上海=渡辺園子】浙江省衛生庁は8日、同省安吉県の9歳の少女が毒性の強いH5N1型の鳥インフルエンザのため6日に死亡したことを明らかにした。中国ではこの少女を含めこれまでに15人の感染を確認し、うち10人が死亡している。浙江省での死者は初めて。

◎オーストリアでも猫が鳥インフル感染(2006年3月7日、産経新聞)
 オーストリア通信によると、同国南部で猫3匹から高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)のウイルスが検出された。地元州政府関係者が6日、明らかにした。
 感染した猫が見つかったのはスロベニアと国境を接するシュタイアーマルク州のグラーツで、これまでに死亡した白鳥などへの感染が確認された動物収容施設。猫はいずれも生きているという。
 オーストリアでは白鳥やニワトリ、アヒルなどから相次いでH5N1型ウイルスを検出し三十件以上に上っている。スロベニアでも白鳥へのH5N1型感染が確認されている。
 欧州では二月末、ドイツ北部リューゲン島でH5N1型ウイルスに感染した猫が見つかっている。(共同)

◎中国で9人目のH5N1型感染死、広東省で初確認(2006年3月5日、産経新聞)
 中国広東省トップの張徳江書記は5日、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染死した疑いがあると4日に発表された同省広州市の男性(32)について、感染を確認したと述べた。訪問先の北京で明らかにした。
 広東省で人への感染が確認されるのは初めて。中国での感染者は15人目で、死者は9人目となった。
 男性は2月22日に発熱などの症状が出て、今月2日に死亡した。鶏と接触する機会が多かったという。

◎死んだ猫からH5N1型検出、独北部で鳥インフル拡大(2006年3月1日、産経新聞)
 ドイツのニュース専門テレビN24は28日、同国北部リューゲン島で死んだ猫が高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に感染していたことが分かったと伝えた。連邦動物保健研究所の検査でウイルスが検出された。同国で鳥類以外への感染報告は初めてで、感染拡大が続いていることを示している。
 AP通信によると、猫は先週末に死んでいるのが見つかった。同研究所の担当者は「感染した鳥を食べれば猫にも感染することがアジアの例で分かっている」と述べた。しかし、感染した猫から人間に感染した例は報告されていないとしている。
 ドイツでは2月中旬に同島で初めて鳥インフルエンザ感染が確認され、同島を中心に白鳥やカモなど100羽以上の感染が報告されている。家禽(かきん)への感染例はない。(共同)

◎仏製品の禁輸43カ国に、鳥インフル、影響広がる(2006年3月1日、朝日新聞)
 フランス貿易省は28日、鳥インフルエンザ(H5N1型)を理由に仏産鶏肉などの輸入を止めた国が同日夕までに43カ国に達した、と発表した。影響は家禽(かきん)製品輸出の15%前後に及ぶ模様だ。
 仏政府によると、真っ先に輸入を止めた日本に続き、米国、ロシア、インド、ブラジル、韓国、オーストラリアなどが関連製品の輸入停止を決めた。対象製品はまちまちで、米国のように、飼育場への感染が確認された東部アン県産に限定している国もある。
 ラガルド仏貿易相は声明で「輸入制限に際しては米国のように、対象を感染地周辺の産品に絞る国際ルールに従ってほしい」と訴えた。また、ビュスロ農相は国民議会(下院)で、輸入停止の見直しを各国に働きかける考えを表明した。
 仏は欧州最大の家禽輸出国だが、業界団体によると輸出の約8割は欧州連合(EU)向け。輸出停止は欧州以外で広がっており、国内産業への影響はまだ限定的だ。
 とはいえ、このままでは「食の国」のイメージが損なわれるため、業界は自衛策を加速させている。アン県を含む東部3県の特産「ブレス鶏」の生産団体は、ブランド表示の条件である放し飼いの「免除」を統制機関に求めることを決めた。屋内に隔離しないと、ウイルスに感染した野鳥との接触を断つのが難しいためだ。フォアグラ産地の仏南西部でも、カモやガチョウの予防接種や屋内隔離が始まった。

◎仏の七面鳥大量死、強毒型インフルと確認(2006年2月25日、朝日新聞)
 フランス農業省は25日未明、仏東部アン県で起きた七面鳥の大量死は強毒型の鳥インフルエンザ(H5N1型)によるものだった、と発表した。欧州連合(EU)域内で飼育場への感染が確認されたのは初めて。すでに鶏肉の消費減のほか、日本がフォアグラの輸入を停止するなど内外に影響が広がっており、仏家禽(かきん)業界は困惑を深めている。
 アン県では18日と22日に、野生のカモの死体から国内初の強毒型ウイルスが検出されたばかり。23日に七面鳥1万羽が死んだ屋内飼育場でも警戒を強めていた。業界団体は、敷きワラに付着した野ガモのフンが感染源との見方を示している。
 仏国内では、野鳥への感染が判明した時点で鶏肉の消費が通常より約3割落ち込んだ。業界は、重要な顧客である日本が仏産フォアグラの輸入を止めたことにも衝撃を受け、仏公共ラジオはこのニュースを繰り返し伝えている。
 南西部のランド県ではフォアグラ生産などのために飼育しているガチョウとカモ計70万羽に、27日から予防ワクチンの投与を始める。仏政府は、家禽業界に対し5200万ユーロ(約70億円)の緊急支援を決めている。
 24日にパリに入った中川農水相と政府要人の会談でも、鳥インフルエンザ対策が取り上げられそうだ。

◎インドネシアの死者19人に、鳥インフル、市場で卵運ぶ(2006年2月19日、産経新聞)
 インドネシア保健省は18日、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)で男性(23)が死亡したことが世界保健機関(WHO)の検査で確認されたと明らかにした。同国の死者は計19人になった。
 男性はジャカルタの病院で10日に死亡。市場で働いており、仕事中に運んだ鶏卵などから感染した可能性があるという。
 インドネシアでは1月下旬にも市場の従業員が感染死している。WHOはジャカルタの市場を調査し、感染防止のため市場の衛生状態を改善するよう同国政府に勧告している。

◎鳥インフル、インドで初の死者か、養鶏業の男性、感染疑い(2006年2月19日、産経新聞)
 PTI通信によると、インド西部グジャラート州で18日、隣接のマハラシュトラ州から来ていた養鶏業の男性(27)が、高病原性鳥インフルエンザウイルスに感染した疑いで死亡したことが分かった。グジャラート州政府当局者が明らかにした。
 同州は男性の検体を中央政府の研究所に送り分析している。感染が確認されればインドで鳥インフルエンザによる初の死者となる。
 マハラシュトラ州は、鶏が5万羽以上死に、検体から18日に鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)が確認された。この男性はウイルスが確認された同州ナンドルバルに住んでいた。
 インド政府はマハラシュトラ州内で体の不調を訴えた8人について感染の有無を検査、さらに子供3人を含む4人の経過を観察しているが、死亡した男性がこの8人に含まれていたかは不明。
 マハラシュトラ州では19日、感染拡大を防ぐためウイルス確認地点から半径3キロの養鶏場で鶏の処分を開始した。約80万羽を処分し20万羽にワクチンを接種する。(共同)

◎仏で初の高病原性鳥インフル、高級食材「ブレス鶏」に懸念(2006年2月19日、産経新聞)
 フランス農業省は18日、東部アン県の湿地で死んでいるのが見つかった野生のカモが、高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に感染していたことを確認したと発表した。H5N1型の感染確認はフランスでは初めて。
 欧州最大の家禽(かきん)生産国への感染拡大を受け、欧州連合(EU)はあらためて対策を協議する見通しだ。
 感染が確認されたカモは、フランス第3の都市リヨンの北東約30キロのアン県ジョワイユで死んでいるのが13日に発見された7羽のうちの1羽。
 タイ訪問中のシラク大統領は18日、感染の最終確認に先立ち「冷静かつ真剣に取り組むべき事態だ」との認識を強調。ビュスロー農業・漁業相は現場周辺を視察した。農業省によると、今後全国で約90万羽の家禽に予防接種する計画だ。
 フランスではジョワイユのほかにもパリの東にあるセーヌエマルヌ県など複数の場所で死んだ野鳥が十数羽見つかっており、検査が行われている。ジョワイユの北にあるブレス地方で生産される鶏は高級食材として知られ、売り上げの落ち込みが懸念されている。(共同)

◎仏で初の高病原性鳥インフルエンザ確認(2006年2月19日、日本経済新聞)
 【パリ18日共同】フランス農業省は18日、東部アン県の湿地で死んでいるのが見つかった野生のカモが、高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に感染していたことを確認したと発表した。H5N1型の感染確認はフランスでは初めて。
 欧州最大の家禽生産国への感染拡大を受け、欧州連合(EU)はあらためて対策を協議する見通しだ。
 感染が確認されたカモは、フランス第3の都市リヨンの北東約30キロのアン県ジョワイユで死んでいるのが13日に発見された7羽のうちの1羽。
 タイ訪問中のシラク大統領は18日、感染の最終確認に先立ち「冷静かつ真剣に取り組むべき事態だ」との認識を強調。ビュスロー農業・漁業相は現場周辺を視察した。農業省によると、今後全国で約90万羽の家禽に予防接種する計画だ。
 フランスではジョワイユのほかにもパリの東にあるセーヌエマルヌ県など複数の場所で死んだ野鳥が十数羽見つかっており、検査が行われている。

◎インドで初の鳥インフルエンザ(2006年2月19日、朝日新聞)
 インド西部マハラシュトラ州政府は18日、同州北部の農家の鶏からでH5N1型の鳥インフルエンザウイルスを検出した、と明らかにした。インドPTI通信などが報じた。インドで鳥インフルエンザが確認されたのは初めて。
 この数日間に複数の養鶏農家で計約5万羽が死んだため、中央政府の研究所が調査していた。
 州政府は市民に対して養鶏農家に近づかないよう呼びかけると同時に、一帯の鶏の大量処分を検討している。

◎鳥インフルエンザ、フランスでも感染確認(2006年2月18日、日本経済新聞)
 【ブリュッセル=下田敏】フランス政府は17日、同国東部で見つかったカモから鳥インフルエンザウイルスが検出されたと発表した。毒性が強く、人に感染する恐れがあるH5N1型かどうかを確認中だが、当局は「類似性が強い」とみている。欧州連合(EU)の新たな感染防止策に沿って仏政府は直ちに現場を保護地域に指定。家禽(かきん)などへの感染を点検する。
 EU域内では今月中旬以降、イタリアやギリシャ、ドイツなどで相次いでウイルスが検出されており、家禽の輸出大国であるフランスにも感染が広がった。欧州では越冬を終えた渡り鳥が通過する時期が近づいているため、EUは「渡り鳥から家禽へのウイルス感染を全力で防ぐ」(キプリアヌ欧州委員)とし、警戒を強めている。
 仏政府はEUの緊急対策に従って現場から半径3キロ以内を保護地域とし、家禽の移動禁止、鶏肉や卵の出荷停止、防疫処理などを実施する。さらに該当地域の家禽はすべてウイルス感染の有無をチェックする方針だ。

◎鳥インフルエンザ:インドネシアの死者18人に(2006年2月12日、毎日新聞)
 インドネシアで高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染して新たに2人が死亡したことが世界保健機関(WHO)の検査で確認され、同国の死者は計18人になった。2人を収容したジャカルタの感染症対策専門病院が12日明らかにした。
 WHOによると、インドネシアで確認された感染死は今月に入ってタイの14人を上回り、ベトナムの42人に次いで世界で2番目に多くなっている。
 新たに確認された死者は、ジャカルタ郊外の西ジャワ州に住む22歳と27歳の女性で、9日から10日にかけて相次いで死亡した。(共同)

◎伊、ギリシャで鳥インフルエンザ検出、野鳥から検出、EUで初(2006年2月12日、産経新聞)
 イタリアとギリシャ両政府は11日、それぞれの国内で死んだ白鳥から、高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)を検出したと発表した。欧州連合(EU)内での野鳥からの検出は初めて。
 AP通信などによると、EU欧州委員会は同日、ブルガリアの白鳥からもウイルスが検出されたと発表した。
 イタリアとギリシャでウイルスが検出された白鳥はいずれもほかの地域から飛来。欧州では既にルーマニアやクロアチアなどで家禽(かきん)や野鳥からウイルスが検出されており、各国は人への感染に対する警戒を強めている。
 ANSA通信によると、イタリアでは南部で死んだ白鳥17羽のうち、シチリア島の2羽を調べていた。同国のストラーチェ保健相は11日、シチリアなど南部3州からの鳥類の移動を禁じた。
 ギリシャでは北部テッサロニキ周辺の3羽を調査。国境を接するトルコで20人以上がH5N1型ウイルスに感染、死者も出ていることから、ギリシャ政府はトルコからの車両の消毒や食料の輸入禁止など対策を講じていた。

◎鳥インフルエンザ:アフリカでの拡大警告、ナイジェリアで確認相次ぐ(2006年2月10日、毎日新聞)
 【ヨハネスブルク白戸圭一、ジュネーブ澤田克己】ナイジェリア農業省は9日、同国北部の3カ所の農場で飼育されていた鶏の死がいから、新たに致死性の高い鳥インフルエンザH5N1型ウイルスを検出したことを明らかにした。同国北部の別の農場で死んだ鶏の死がいからは今月8日、アフリカで初めてH5N1型ウイルスが検出されたばかり。検疫体制のぜい弱なアフリカの国で相次いでウイルスが検出されたことで、感染の拡大が懸念されている。
 最初の感染は国際獣疫事務局(OIE)が8日、北部カドゥナ州の農場で確認。同農場では約4万5000羽が死んだ。今回さらに別の州の3カ所の農場で新たに感染が確認された。約4週間前から鶏の大量死が始まったという。
 世界保健機関(WHO)の李鍾郁(イジョンウク)事務局長は9日、ナイジェリアで確認された鳥インフルエンザウイルスが「周辺国にも拡大する恐れがある」と警戒を呼びかける声明を発表。アフリカ諸国にはエイズや結核、マラリアといった病気が多いため、「人への鳥インフルエンザ感染が出ても他の病気の患者と見分けるのが難しいかもしれない」という懸念を表明した。
 H5N1型ウイルスは渡り鳥によって広められていると見られており、昨秋以降、欧州や中東各地に拡大。感染拡大を防ぐためには、ウイルスが確認された地域で飼育されている鶏を大量に殺処分するしかないが、貧しいアフリカ諸国でこうした対策を徹底できるかは疑問視する声が多い。
 アフリカで鶏は最も一般的な食肉で、農家が庭先で飼育、村の市場で売ったり自家消費している。政府の検疫体制がぜい弱なうえ、大半の人は鳥インフルエンザの存在を知らないため早期発見も難しいとされている。

◎鳥インフルエンザ、4人感染2人が死亡、インドネシア(2006年2月6日、朝日新聞)
 インドネシア保健省によると、世界保健機関(WHO)は5日までに、インドネシア国内で新たに鳥インフルエンザウイルスに4人が感染、うち2人の死亡を確認したと明らかにした。これで国内で感染が確認されたのは23人に達し、うち16人が死亡した。
 死亡が確認されたのは、ジャカルタの鶏小売業者(22)と西ジャワ州の少年(15)。
 またAFP通信によると、保健省は現在、感染の疑いがある11人(うち死亡4人)について、検体を香港にあるWHO関連施設に送り、検査結果を待っているという。

◎野鳥の死体から鳥インフルウイルス、香港(2006年1月19日、朝日新聞)
 香港政府は19日、新興住宅地郊外で見つかった野鳥の死体から、鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)を検出したと発表した。昨年アジアや欧州で感染が広がって以来、香港で同ウイルスが検出されたのは初めて。
 ウイルスは、今月10日に住民が見つけたシキチョウから検出された。周囲の養鶏場などに異常はない。シキチョウは移動範囲が狭く、「渡り鳥との接触で感染した可能性がある」としている。
 香港では97年から98年にかけて鳥インフルエンザで6人が死亡。03年にも2人が死亡しており、市民の警戒感が高まっていた。

◎トルコで21人目の感染者、鳥インフルエンザ(2006年1月18日産経新聞)
 AP通信によると、トルコ保健省当局者は17日、東部エルズルムで入院している子供1人が、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)感染を調べる暫定検査で陽性を示したと述べた。これにより、同国の感染者は21人(うち4人死亡)となった。(共同)

◎インドネシアの死者12人に、鳥インフルエンザ(2006年1月14日、産経新聞)
 インドネシア保健省は14日、首都ジャカルタで11日に死亡した女性(29)が、高病原性鳥インフルエンザに感染していたことが確認されたと発表した。昨年7月以降、同国で確認された死者は計12人となった。
 世界保健機関(WHO)が認定する香港の検査機関で調べた結果、感染が最終確認された。(共同)

◎鳥インフルエンザ:トルコの感染者18人に(2006年1月13日、毎日新聞)
 トルコからの報道によると、同国政府は12日、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)の同国内での感染者がさらに増え、計18人になったと発表した。
 政府はこれまで、感染者は15人としていた。南東部で新たに2人の感染が確認されたほか、東部で死亡した11歳の少女から同日までにH5N1型ウイルスを検出した。
 これまでに死亡したのは少女を含む3人のきょうだいで、いずれも感染が確認された。
 当局は、感染した家禽(かきん)の処分を進めている。(カイロ共同)

◎鳥インフルエンザ公表遅れを釈明、「官僚手続き原因」(2006年1月12日、産経新聞)
 中国の国営通信、新華社は11日夜、同日朝に世界保健機関(WHO)が明らかにした中国での鳥インフルエンザ感染による新たな死者の発生を、中国衛生省の発表として半日遅れで報道した。記事の中で「官僚的な手続きが公表を遅らせた」と釈明した。
 WHOは11日朝、中国南部の広西チワン族自治区の女児と江西省の男性の2人が昨年12月に死亡したことを確認し、中国衛生省から9日に通告があったことも明らかにした。鳥インフルエンザによる中国での死者は計5人。(共同)

◎鳥インフルエンザ、死者5人に、中国、政府公表遅れる(2006年1月11日、朝日新聞)
 世界保健機関(WHO)は11日、中国で鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染し、2人が昨年12月に死亡したことを明らかにした。中国で確認された死者は計5人になった。
 死亡したのは広西チワン族自治区の10歳の少女と江西省の35歳の男性。それぞれ昨年11月と12月に、発熱などの症状が出て入院し、治療を続けていた。中国衛生省は、2人の感染については発表していたが、死亡についてはまだ明らかにしていない。中国政府は感染について迅速な情報の提供を約束しているが、死亡の公表が遅れた形だ。

◎鳥インフルエンザで新たに2人死亡、中国(2006年1月11日、産経新聞)
 世界保健機関(WHO)は11日までに、鳥インフルエンザに感染した中国南部の広西チワン族自治区の女児(10)と江西省の男性(35)の2人が昨年12月に死亡したことを明らかにした。鳥インフルエンザによる中国での死者は計5人となった。
 それぞれ昨年12月6日と同15日に感染が確認され、発熱などで入院していた。衛生省が9日、WHOに死亡を通告した。
 中国ではこれまで遼寧省、安徽省、湖南省などで8人の感染が確認されているほか、疑い例で1人死亡したケースがある。家禽(かきん)の感染は、計13の省と自治区に広がっており、人への感染がさらに拡大する懸念が出ている。
 一方、中国農業省は10日夜、安徽省で死亡した野生のクイナから高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)が検出されたと発表した。このクイナのウイルスと、同地域の感染者から見つかったウイルスは極めて似ており、野生の鳥が感染源との見方も出ている。
 WHOの10日現在の世界まとめによると、2003年以降の中国を含む世界各国のH5N1型ウイルスの感染者はベトナムやトルコなどで計147人、死者は78人に上る。

◎77人過去に感染?茨城・埼玉の鳥インフルエンザ(2006年1月11日、朝日新聞)
 高病原性鳥インフルエンザ問題で、厚生労働省は10日、茨城、埼玉両県の養鶏場の従業員ら計77人が過去に感染していた可能性があると発表した。毒性の弱いH5N2型で発症者はいなかった。体内にウイルスが残っている段階で通常のインフルエンザウイルスと混じり合うと、新型インフルエンザに変わる可能性も否定できないため、厚労省は「通常のインフルエンザにかかった場合は養鶏場での作業を避けてほしい」と呼びかけている。
 中国やカンボジアなど海外では毒性の強いH5N1型で鶏から人に鳥インフルエンザが感染した例が相次いでいるが、毒性が弱く発症しにくいH5N2型については、実態はあまり知られていなかった。国立感染症研究所は「H5N2型の人への感染の可能性が報告されたのは世界で初めて」としている。
 鶏の感染が確認されている茨城と埼玉の養鶏場34カ所の従業員ら353人の血液を採取し、鶏との接触などがない茨城県職員31人と比べたところ、茨城の従業員ら70人、埼玉の従業員7人は血液中の抗体値が高く出た。ただ、ウイルスは検出されておらず、感染を断定することはできないという。
 厚労省では今回の調査結果から、H5N2型は人に感染しても、健康上の影響は小さいとみている。

◎鳥インフルエンザ:トルコで拡大、14人感染確認(2006年1月10日、毎日新聞)
 【エルサレム・樋口直樹】トルコ政府は9日までに、各地に拡大している鳥インフルエンザと同様の症状を示している患者のうち、14人の感染が確認されたと発表した。うち、3人は既に死亡している。いずれも東部ワン県の同じ家族の子供だった。世界保健機関(WHO)によると、これらの感染はすべて鳥との直接接触が原因で、ウイルスの変異による人から人への感染例はないとみられている。
 中国や東南アジア以外で鳥インフルエンザによる死者が確認されたのはトルコが初めて。鳥インフルエンザへの感染が疑われ、検査を受けている患者は東部地方に加え、中部の首都アンカラ近郊や北部の黒海沿岸、さらに最大都市イスタンブールにまで拡大している。
 トルコ政府は感染地域の農家に鳥の処分を求めるなど封じ込めに躍起だが、鳥インフルエンザの拡大は観光業などにも暗い影を落としている。隣国ロシアは8日、国民に対しトルコへの渡航を避けるよう呼びかけた。
 今のところ、鳥インフルエンザのウイルスには人から人へ感染する能力はないとされるが、専門家の間では、致死率の高いH5N1型ウイルスなどの変異によって、人から人への感染が強く懸念されている。

◎鳥インフルエンザ感染、中国で8人目、6歳の少年(2006年1月10日、朝日新聞)
 中国衛生省は9日夜、湖南省桂陽県の6歳の少年が鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染したと発表した。中国で人への感染が確認されたのは8人目。
 国営新華社通信によると、少年は12月24日に発熱などの症状が出て入院したが、現在、容体は安定しているという。発病前に少年の家の家禽(かきん)が病気で死んでいた。
 中国政府は、1月末の春節(旧正月)に向けて地方から消費地への鶏などの移送が活発になることから、鳥インフルエンザの感染が拡大する可能性があるとして警戒を呼びかけている。

◎鳥インフルエンザ、少年の姉も死亡、トルコ(2006年1月6日、読売新聞)
 【カイロ=長谷川由紀】トルコの半国営アナトリア通信によると、東部ドウヤベジトに住む少女(15)が5日、鳥インフルエンザで死亡した。
 少女は、今月1日に鳥インフルエンザで死亡した少年(14)の姉で、これで死者は2人となった。
 世界保健機関(WHO)の感染症対策専門家は、2人が感染したウイルスについて「(強い毒性を持つ)H5N1型の可能性が高い」としており、確認を急いでいる。
 地元病院関係者によると、2人の妹が同じ症状で重体となっているほか、家族ら数人が発熱やせきなどの症状を訴え、病院で手当を受けているという。

◎鳥インフルエンザ、トルコで初の死者、家禽世話の十代姉弟(2006年1月5日、産経新聞)
 ロイター通信などによると、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染したとみられるトルコ東部のきょうだい2人が5日までに死亡した。
 5日に少女(15)、1日に弟(14)がそれぞれ死亡。妹(11)も感染が疑われ重症という。きょうだいは農場で家禽(かきん)の飼育を手伝っていた。
 同国保健当局は採取した検体を世界保健機関(WHO)などに送り、最終確認を急ぐ。WHO当局者は「残念だが、(死亡した2人が)H5N1型に感染したことはほぼ間違いない」と語った。感染が確認されれば、東南アジアと中国以外で人が感染、死亡した初のケースとなる。
 家禽や野鳥への感染例は、昨年7月にロシアとカザフスタンで、10月にはトルコやルーマニアなど欧州各地で発見されていた。
 先月30日現在のWHOの世界まとめによると、人への感染が確認された例は、ベトナム、タイ、インドネシア、中国、カンボジアの5カ国の計142件で、74人が死亡している。(共同)

◎鳥インフルエンザ:中国四川省で初の感染確認(2006年1月4日、毎日新聞)
 中国農業省は3日、四川省大竹県で新たに高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)の家禽(かきん)への感染を確認したことを明らかにした。同省で家禽への感染が確認されたのは初めて。
 農業省によると、昨年12月22日、同県の農家で飼われていた家禽1800羽が死んでいるのが見つかり、3日に感染を確認した。四川省の関係当局は感染拡大防止のため、周囲の家禽約1万2900羽を処分したとしている。(北京・共同)

◎中国四川省で感染確認、鳥インフルエンザ(2006年1月4日、産経新聞)
 中国農業省は3日、四川省大竹県で新たに高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)の家禽(かきん)への感染を確認したことを明らかにした。同省で家禽への感染が確認されたのは初めて。
 農業省によると、昨年12月22日、同県の農家で飼われていた家禽1800羽が死んでいるのが見つかり、3日に感染を確認した。四川省の関係当局は感染拡大防止のため、周囲の家禽約1万2900羽を処分したとしている。(共同)

◎鳥インフルエンザで女性死亡、中国で3人目、感染は7例目(2005年12月30日、産経新聞)
 新華社電によると、中国衛生省は29日、福建省三明市の女性(41)が高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)ウイルスに感染し死亡したと発表した。中国での人への鳥インフルエンザ感染確認は7人目、死者は3人目。福建省での確認例は初めて。
 女性は工場で働いていたが、発熱など肺炎に似た症状が出て今月8日に入院、21日に死亡した。死亡後に疾病予防コントロールセンターが女性の組織のサンプルからH5N1型への感染を確認した。
 衛生省は世界保健機関(WHO)や香港政府などに通報、女性に接触のあった人などに発症した例はないとしている。
 中国ではこれまで計12の省と自治区で家禽(かきん)などへの鳥インフルエンザ感染が確認されており、人には遼寧省、広西チワン族自治区、安徽省、湖南省、江西省で計6人の感染が確認されていた。死亡した2人はいずれも安徽省。(共同)

◎ルーマニアで新たな鳥インフルエンザ感染を確認(2005年12月30日、日本経済新聞)
 【ウィーン=共同】ブカレストからの報道によると、ルーマニア政府は29日、ブカレスト東方にある複数の村の家禽類から、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)ウイルスが検出されたことを確認した。
 同国では今年10月、東部の湿地帯「ドナウ・デルタ」周辺の家禽類からH5N1型が初めて確認されて以降、断続的に家禽類への新たな感染例が報告されている。同国では人への感染例は確認されていない。

◎鳥インフルエンザ:中国で7人目感染、女性死亡(2005年12月29日、毎日新聞)
 新華社電によると、中国衛生省は29日、福建省三明市の女性(41)が高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染し死亡したと発表した。中国での人への鳥インフルエンザ感染確認は7人目、死者は3人目。福建省での確認例は初めて。
 女性は工場で働いていたが、発熱など肺炎に似た症状が出て今月8日に入院、21日に死亡した。
 衛生省は世界保健機関(WHO)や香港政府などに通報、女性に接触のあった人などに発症した例はないとしている。(北京・共同)

◎鳥インフルエンザ:ルーマニアで新たに確認(2005年12月30日、毎日新聞)
 ブカレストからの報道によると、ルーマニア政府は29日、ブカレスト東方にある複数の村の家禽(かきん)類から、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)ウイルスが検出されたことを確認した。
 同国では今年10月、東部の湿地帯「ドナウ・デルタ」周辺の家禽類からH5N1型が初めて確認されて以降、断続的に家禽類への新たな感染例が報告されている。同国では人への感染例は確認されていない。(共同)

◎未公表の福建省でも発生か、中国の鳥インフルエンザ(2005年12月24日、産経新聞)
 中国疾病予防コントロールセンターが英医学誌ランセットにこのほど発表した論文で、中国当局がこれまで公表していない福建省での鳥インフルエンザ(H5N1型)ウイルス検出を明らかにした。24日付香港紙、香港経済日報が報じた。
 中国当局はこれまで、12の省と自治区で家禽(かきん)などの感染が確認されたと公表しているが、福建省は含まれていない。香港の専門家は同紙に「家禽の死骸(しがい)やふんからの検出なら公表しない可能性もある」としているが、同紙は中国本土の通報制度は「混乱状況」にあると批判的に伝えた。
 同センターは論文で、11月に感染が確認された湖南省湘潭県の少年のH5N1型ウイルスについて、福建省の家禽から今年検出した同型ウイルスと「密接な関連がある」と指摘しているという。

◎中国、鳥インフルサンプルをWHOに提供せず(2005年12月24日、朝日新聞)
 世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局(本部・マニラ)の尾身茂・事務局長は23日、北京で記者会見し、鳥インフルエンザウイルス(H5N1)に感染した鳥から採取されたウイルスのサンプルが中国政府からWHOに全く提供されていない、と明らかにした。WHOは提供を強く求めていく方針だ。
 尾身局長によると、中国では今年、全国31カ所で鳥への感染が確認されたが、いずれの地域からもウイルスのサンプルが提供されていないという。昨年は5カ所の感染地のサンプルが提供された。

◎鳥インフルエンザ、耐性ウイルスで2人死亡、ベトナム(2005年12月22日、朝日新聞)
 鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)の人への感染が相次いでいるベトナムで、死亡した患者2人から抗ウイルス薬オセルタミビル(商品名タミフル)の耐性ウイルスが検出されていたことが分かった。耐性ウイルスによる死亡例の報告は初めてとみられる。タミフル耐性ウイルスはこれまでにも見つかっているが、体内での増殖力は強くないと考えられていた。
 ベトナムなどの医療チームが22日付の米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに報告した。
 報告によると、耐性ウイルスが見つかったのは13歳と18歳の女性。いずれも今年1月に入院し、1人は発症2日目、もう1人は6日目にタミフルの投与を受けていたが、それぞれ発症8日目と20日目に死亡した。
 タミフルは発熱などの発症から48時間以内に投与を受けると効果があるとされる。13歳の女性は推奨通りの治療を受けて当初は安定していたが、数日後に呼吸機能が悪化したという。
 タミフル耐性ウイルスの報告は今年10月にもあり、感染していたベトナムの少女は回復していた。この薬は出現が懸念される新型インフルエンザにも有効だと考えられ、世界的に備蓄が進められている。
 報告したチームは「H5N1型ウイルスの治療のためには、さらなる抗ウイルス薬の準備が必要ではないか」と指摘する。

◎鳥インフルエンザ、拡大の恐れ、中国が表明(2005年12月15日、朝日新聞)
 中国農業省は14日の記者会見で、中国での鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)の感染が来年の春節(旧正月)に向けて拡大する可能性があることを明らかにした。
 同省の賈幼陵・獣医局長は「今年の冬から来春にかけて感染が散発的に発生する可能性があり、コントロールは依然として厳しい」と述べた。特に来年1月末の春節に向けて、地方から消費地への鶏などの移送が活発になることから、感染拡大につながる恐れがあるとの見方を示した。

◎鳥インフルエンザ、タイで5歳児が死亡、死者は14人目(2005年12月9日、朝日新聞)
 タイ保健省は、中部ナコーンナヨク県に住む5歳の男児が鳥インフルエンザに感染して死亡した、と9日、発表した。タイでの死者はこれで計14人。
 男児は先月25日に発病し、今月7日に死亡、8日に感染が確認された。近所に住む男児の叔父が飼っていた鶏10羽も死亡したという。

◎4人目の鳥インフルエンザ感染確認、中国(2005年12月7日、産経新聞)
 新華社電によると、中国衛生省は6日、広西チワン族自治区資源県で、女児(10)が高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染していたことを確認したと発表した。中国で人への感染が確認されたのは4人目。
 女児は11月23日、発熱などの肺炎に似た症状を起こし、病院で治療を受けている。地元当局が女児と接触していた人を調べているが、異常は見つかっていないという。
 中国ではこれまで安徽省と湖南省で計3人の感染を確認。また、計31の省、直轄市、自治区のうち、7省4自治区で家禽(かきん)の感染が確認されていた。(共同)

◎鳥インフルエンザの疑い、ジャカルタで女性が死亡(2005年12月1日、朝日新聞)
 インドネシア保健省は11月30日、鳥インフルエンザの疑いでジャカルタ郊外に住む女性(25)が死亡したことを明らかにした。世界保健機関(WHO)による検査の結果を待っているという。同国の感染死亡者はこれまで7人が確認されている。
 一方、WHOは同29日、西ジャワ州の病院に入院中の16歳の少年が鳥インフルエンザに感染していることを確認した。保健省の調査などで、この少年の7歳と20歳の兄弟が11日に死亡していたことが分かった。2人は腸チフスと診断され、すでに埋葬されているため、鳥インフルエンザによる死亡かどうか確認できないとしている。

◎中国で3人目の感染確認、鳥インフルエンザ(2005年11月24日、産経新聞)
 中国衛生省は23日、安徽省で死亡した女性が高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染していたことを確認した。中国では、同省と湖南省で計2人の感染が確認されており、今回で3人目。
 新たに感染確認されたのは安徽省休寧県の女性(35)で、11日に発病。発熱、肺炎などの症状を起こし、22日に死亡した。検査を実施したところ、女性の気管支から採取した分泌物からH5N1型ウイルスの陽性反応が確認された。女性は生前、鳥インフルエンザに感染した疑いのある家禽(かきん)に触れていたという。
 また、中国農業省は23日、新疆ウイグル自治区米泉市で、家禽への感染を確認。同自治区ではこれまでにも、ウルムチやカシュガルなどで感染が判明。中国では計31の省、直轄市、自治区のうち、7省4自治区で感染が確認されている。(共同)

◎中国で鳥インフルエンザ3人目の感染を確認、感染者死亡(2005年11月24日、朝日新聞)
 中国衛生省は23日、安徽省の35歳の女性が鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染して死亡したと発表した。中国で感染が確認されたのは3人目。
 国営新華社通信によると、女性は安徽省休寧県の農民で、死んだ家禽(かきん)と接触したことがあった。11日に発病し、発熱と肺炎の症状が出た後、22日に死亡した。安徽省では、安慶市の農民の女性(24)も、飼っていた病気の家禽と接触したことが原因で鳥インフルエンザに感染し、10日に死亡している。

◎茨城で新たに感染歴、11万羽処分へ、鳥インフルエンザ(2005年11月18日、朝日新聞)
 茨城県で発生した高病原性鳥インフルエンザの問題で、同県は18日、新たに小川町の養鶏場で感染歴が確認されたと発表した。県は同日、この養鶏場が飼育する約11万羽の鶏の殺処分を命じた。同県内での鳥インフルエンザの発生はこれで34例目。

◎鳥インフルエンザ、中国で感染者、周辺国に被害拡大懸念(2005年11月18日、朝日新聞)
 初の鳥インフルエンザ感染者が確認された中国政府は、「情報隠蔽(いんぺい)」と国際社会から非難を浴びた新型肺炎SARSでの失敗を教訓に、情報公開や防止対策に懸命だ。しかし、全土に140億羽以上の家禽(かきん)を抱え、地方から中央への報告も滞りがち。周辺国への一層の感染拡大が懸念されている。
 中国政府は感染の疑いがある家禽1000万羽以上を処分し、ワクチン接種も急ぐ。11月初めには対策費20億元(約280億円)の投入を決めた。農業省は17日、衛生省との連携強化や地方政府からの速やかな報告を求める予防措置を通達した。
 しかし、地方政府の担当者が責任の追及や投資の減少などを恐れ、不都合な報告をしないケースもあるという。香港特別行政区は18日から中国本土との境界にある2カ所の税関で、入境者への体温検査を始める。
 鳥インフルエンザが警戒されるのは、人の間で感染が広がる新型インフルエンザの発生につながる恐れがあるからだ。厚生労働省は日本で流行した場合、4人に1人に当たる約3200万人が感染し、最大その2%、64万人が死亡すると推計している。
 「これまでも鳥の感染が確認されていたので、可能性としては想定していた」。中国で鳥インフルエンザによるとみられる死者が確認されたことについて、国立感染症研究所の岡部信彦・感染症情報センター長はいう。
 「まだ、鳥から人への感染にとどまっており、すぐに新型インフルエンザの発生に結びつくわけではない。だが、ウイルスの拡散は新型発生の危険を高める。中国には監視を強化し、患者の発生事例を迅速に報告するなどしてもらいたい」と求める。
 厚労省は14日、新型インフルエンザ対策について、平常時から大流行までを6段階に分けた行動計画を発表した。現在は下から3番目だが、自治体との連携や病院の態勢、治療薬の配布手順など、詳細な検討はこれからだ。岡部さんは「具体化できることを早急に検討し、実現していく必要がある」と話している。

◎鳥インフルエンザ、中国で人の感染初確認、2人死亡(2005年11月17日、読売新聞)
 【北京=藤野彰】新華社電によると、中国衛生省は16日夜、湖南、安徽両省で鳥インフルエンザに感染した男女2人と、感染の疑いのある女性1人を確認したと発表した。
 このうち、女性2人は今月10日までに相次いで死亡した。中国本土で、鳥インフルエンザの人への感染が確認され、死者が出たのは初めて。
 感染が確認されたのは湖南省の9歳の少年と安徽省の農民の女性(24)。また、感染の疑いが持たれたのは湖南省の少年の姉(12)。
 湖南省の姉弟はともに10月上旬に発病、弟は鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)の抗体検査で当初は陰性反応が出たが、最終的にH5N1型に感染していることがわかった。2人の住む村では鳥インフルエンザが発生しており、2人とも発病前に、家禽(かきん)の死骸(しがい)に接触したことがあるという。弟は今月12日に治癒して退院。姉は抗体検査は陰性だったが、H5N1型に感染した可能性があると推測され、先月17日に死亡した。
 一方、安徽省の女性は今月1日に発病し、同10日に死亡。発病の1、2週間前に家で飼っていた鶏とアヒルが死に、その死骸に触ったという。検査の結果、H5N1型に感染したことが確認された。

◎鳥インフルエンザ:感染確認の3人中2人は死亡、中国(2005年11月17日、毎日新聞)
 世界保健機関(WHO)北京事務所は16日、鳥インフルエンザの感染が確認された中国の3人のうち2人は死亡したと中国当局から連絡を受けたことを明らかにした。(北京・共同)

◎鳥インフルエンザ:世界の感染126人、64人死亡(2005年11月17日、毎日新聞)
 世界保健機関(WHO)の14日現在のまとめでは、03年12月26日以降、ベトナム、タイ、カンボジア、インドネシアの4カ国で計126人が鳥インフルエンザに感染し、うち64人が死亡した。
 中国での感染例について、松本慶蔵・長崎大名誉教授(呼吸器感染症学)は「現段階では東南アジアの事例と同様、鳥から人への感染が確認されたに過ぎない。ウイルスが変異して人から人への感染がない限り、冷静に対応すべきだ」と話している。【江口一】

◎鳥インフルエンザ:中国で初めて人に感染・死亡確認(2005年11月17日、毎日新聞)
 【北京・飯田和郎】中国衛生省は16日、南部の湖南省と中部の安徽省で病原性の強いH5N1型の鳥インフルエンザウイルスに計2人が感染し、うち1人の死亡を確認したほか、湖南省でさらに1人の感染疑い例があると発表した。中国で人への感染・死亡が確認されたのは初めて。新華社通信が報じた。
 感染者は▽今月10日に死亡した安徽省安慶市の女性(24)▽10月10日に発病したが、現在は回復して退院した湖南省湘の男児(9)−−の2人。疑い例は、湖南省の男児の姉(12)で、10月17日に死亡した。中国衛生省は、姉は感染による死亡の可能性が高いとみているが、世界保健機関(WHO)の基準では十分な根拠がなく、感染例と確認できなかった。3人はいずれも、鳥インフルエンザに感染して死んだニワトリなどと接触していた。
 衛生省は当初、湖南省の男児が入院し、姉が「原因不明の肺炎」で死亡した後も、鳥インフルエンザ感染を否定した。しかし、後に「感染の可能性を排除できない」と改め、WHOとともに症例の調査を進めていた。
 中国紙によると、鳥インフルエンザの感染が広がっている遼寧省でも養鶏業者の女性1人が肺炎で入院しており、医療関係者は感染の可能性を指摘したが、同省は16日に感染の疑いを否定した。
 中国では今年、5省3自治区で、飼育されている鳥が鳥インフルエンザに感染したことが確認されており、現在も感染地域は拡大している。
 中国政府は今月2日、対策本部を設け、20億元(約280億円)を投じると発表。16日には臨時条例の策定を決め、感染地域の養鶏業者や農民への補助金給付や税金免除などの措置を発表した。

◎中国新疆で新たな鳥インフルエンザ感染か、20万羽処分(2005年11月14日、産経新聞
 14日付中国系香港紙、大公報によると、中国新疆ウイグル自治区ウルムチ郊外とカシュガルで家禽(かきん)類が大量に死んだことが確認され、当局が鳥インフルエンザ(H5N1型)感染の疑い例として調べている。当局は周辺の鶏など20万羽を処分したという。
 同自治区では6月、塔城市で家禽のH5N1型感染が確認されている。
 同紙によると、ウルムチ郊外では今月11日の農業当局の検査で、鶏1400羽が死んだことを確認。死んだ鶏は9月と10月の2回、ワクチン接種していたため、当局は効果のない違法ワクチンが流通していなかったかどうかについても調べるという。(共同)

◎中国9000羽、ベトナム5000羽超が感染死(2005年11月4日、産経新聞)
 中国農業省は4日までに、中国遼寧省黒山県の農村で家禽(かきん)類8940羽がH5N1型の鳥インフルエンザに感染して死んだと発表した。中国での鳥インフルエンザ発生は今年秋以降、4例目。
 住民らへの感染は確認されていない。衛生省は関連施設の封鎖、検疫に乗り出し、周辺3キロ以内で飼われている家禽約37万羽を処分した。現地が渡り鳥の飛来地として知られることから、専門家は感染ルートについて「海外からの可能性もある」とみている。
 ベトナムの農業・地方開発省は4日、ベトナム北部バクザン省の3地区で鳥インフルエンザが発生し、農家が飼育する1万8000羽の鶏やアヒルのうち5000羽以上が死んだと発表した。
 同省によると、同地区の家禽(かきん)からH5型の鳥インフルエンザウイルスが検出され、これまでに830羽以上が処分されたという。ベトナムでは、10月中旬から南部でも鳥インフルエンザが発生している。(共同)

◎鳥インフルエンザ、茨城県内で31例目、抗体検出(2005年10月31日、読売新聞)
 茨城県は31日、新たに鳥インフルエンザH5型の抗体が、同県小川町の養鶏場で検出されたと発表した。養鶏場は開放型の鶏舎で、県は同日、鶏約8万2000羽の処分を決めた。来週にも着手する。同県内での感染は、6月26日に水海道市でウイルスが検出されて以降、31例目。
 この養鶏場は、既に抗体が見つかった同町の養鶏場から半径5キロ圏内にあり、11月下旬の移動制限の解除に向け、抗体やウイルス分離など1回目の検査を実施していた。

◎中国湖南省、H5N1型鳥インフルエンザで545羽死ぬ(2005年10月26日、日本経済新聞)
 【北京=桃井裕理】中国農業省は25日、中国湖南省で家禽(かきん)687羽が毒性の強いH5N1型の鳥インフルエンザに感染し、545羽が死んだとして国際獣疫事務局(OIE)に報告した。10月に入って中国でH5N1型の感染が確認されたのは内モンゴル自治区と安徽省に続いて3カ所目。
 感染は22日から湖南省湾塘村で広がった。当局はただちに周辺の家禽など約2487羽を処分した。

◎鳥インフル:H5N1型で鳥550羽死ぬ、中国(2005年10月25日、毎日新聞)
 中国外務省の孔泉報道局長は25日の定例会見で、中国安徽省天長市で病原性の強い鳥インフルエンザ(H5N1型)が発生し、飼育されている鳥550羽が感染して死んだと発表した。また、感染の危険のある鳥約4万7000羽を処分したことも明らかにした。【中国総局】

◎中国で鳥インフルエンザ確認、4万羽以上処分(2005年10月25日、読売新聞)
 【北京=末続哲也】中国政府は25日、安徽省東部の農村部でガチョウなど約2100羽が鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染し、うち550羽が死亡したと確認した。中国当局は感染拡大を防ぐため、周辺の4万羽以上を処分した。
 中国政府は今月20日にも、内モンゴル自治区フフホト市で、H5N1型への感染で飼い鳥約2600羽が死亡し、周辺の約9万1000羽を処分したことを確認していた。

◎鳥インフルエンザ、死者4人に、インドネシア(2005年10月25日、産経新聞)
 世界保健機関(WHO)とインドネシア保健省は25日、同国で新たに2人の鳥インフルエンザ感染を確認したと発表した。今年7月に感染者が確認されて以降、感染者は計7人となり、うち死者は計4人となった。
 新たに確認された2人のうちジャカルタ郊外の西ジャワ州ボゴールの男性(23)は9月30日に死亡。スマトラ島南部ランプン州の男児(4)は10月4日に発症したが、治療を受け回復した。
 保健省はこれまで6人以上が死亡したと発表していたが、WHOが最終的に確認した死者は7月に1人、9月に3人となった。(共同)

◎英で鳥インフルエンザ「H5N1型」を確認・中国に類似(2005年10月24日、日本経済新聞)
 【ロンドン=横田一成】病原性が非常に強い鳥インフルエンザウイルス「H5N1型」の感染例が23日、欧州連合(EU)域内で初めて確認された。英環境・食糧・農村省は国内の検疫施設で死んだオウムが感染していたと発表した。英政府は24日のEU農相理事会で域外からの生きた鳥の輸入禁止措置などを提案し、感染拡大を防ぐ方針だ。
 このオウムは南米のスリナムから輸入された。同国では鳥インフルエンザの発生例はなく、同じ時期に検疫施設にいた台湾からの鳥が感染源の可能性が高い。オウムから検出されたウイルスは今年初めに中国でカモから検出されたものに最も類似していた。
 H5N1型に感染したニワトリは数日以内に死ぬ。人間も発病した場合の致死率は6割に達し、タイなどアジア地域では約60人が死亡している。EU周辺ではトルコ、ルーマニアの鳥から検出された。
 欧米では鳥インフルエンザへの警戒感が強く、鶏肉の消費が落ち込むなど経済への悪影響も出始めている。

◎鳥インフルエンザ感染のカモ確認 スウェーデン(2005年10月23日、朝日新聞)
 スウェーデンからの報道によると、同国獣医学研究所は22日、ストックホルムの東の地域で死骸(しがい)で見つかったカモが鳥インフルエンザに感染していたことが判明したと発表した。高病原性ウイルスのH5型かどうかは不明で、今後類型特定を進めるという。
 ロイター通信などが報じたところによると、このカモは21日に発見されたが、同研究所がサンプルを22日に検査したところ、鳥インフルエンザが確認された。ただ、この時期に20〜30%のカモがインフルエンザに感染していても異常なことではないとしている。(時事)

◎鳥インフルエンザで1年ぶりの死者、タイ(2005年10月21日、朝日新聞)
 タイ保健省は20日、同国西部のカンチャナブリ県で19日に死亡した40代の男性について、「鳥インフルエンザウイルスによる死亡と確認された」と発表した。タイでの死者は昨年10月以来で、昨年初めの流行からは13人目となる。
 同省によると、男性は鳥インフルエンザに感染したニワトリを食べたらしい。ともに食べた男性の子どもも感染し、入院している。

◎鳥インフルエンザ:中国・内モンゴル自治区で発生(2005年10月20日、毎日新聞)
 【北京・大谷麻由美】中国外務省の孔泉報道局長は20日の定例会見で、中国内モンゴル自治区フフホト市賽罕区にある鳥の飼育場で、病原性の強い鳥インフルエンザ(H5N1型)が発生し、鳥2600羽が感染して死んだと発表した。

◎鳥インフルエンザで死者、タイ、昨年から13人目(2005年10月20日、産経新聞)
 タイのタクシン首相は20日の会見で、同国中部カンチャナブリ県で19日に死亡した男性について「高病原性鳥インフルエンザで死んだことが確認された」と語った。
 タイでは昨年初めからの鳥インフルエンザ流行で、今回のケースを含め13人の死亡が確認されたことになる。
 同国保健当局は、11月ごろから始まる乾期に、一層の鳥インフルエンザ流行が懸念されることから警戒を強めていた。(共同)

◎タイ中部でスズメから検出、鳥インフルエンザ(2005年10月18日、産経新聞)
 タイ中部ラチャブリ県の畜産当局者は17日、同県内で野生のスズメからH5N1型の高病原性鳥インフルエンザのウイルスが検出されたと明らかにした。
 畜産当局者は「近隣の7県でも鶏などから鳥インフルエンザウイルスが検出されている」と述べた。タイ保健当局は、気温が低下し鳥インフルエンザ流行が懸念される11月ごろからの乾期を前に、人への感染などに警戒を強めている。
 昨年1月に鳥インフルエンザの発生が明らかになったタイでは、これまでに12人が死亡、防疫措置のため数百万羽の鶏など家禽(かきん)が処分された。今年に入ってから死者は確認されていない。(共同)

◎鳥インフルエンザ、ルーマニアでもウイルス検出(2005年10月16日、日本経済新聞)
 【ブリュッセル=下田敏】人に感染する恐れのあるH5N1型の鳥インフルエンザウイルスが15日にルーマニアでも検出され、欧州連合(EU)は加盟各国に緊急対策を要請した。渡り鳥の飛来地の重点的な監視や家禽(かきん)の隔離などが柱。冬をひかえて欧州で鳥インフルエンザが流行する恐れがあり、警戒を強めている。
 致死性のH5N1型ウイルスはトルコでも確認されており、EUは黒海沿岸を厳重監視地域とした。加盟各国には沼地や農場などでの重点調査を要請。鶏やアヒルなどの家禽と渡り鳥の接触を防ぐほか、戸外での家禽の放し飼いを禁止するよう促した。渡り鳥を通じて独仏などに感染が拡大する恐れがあるためだ。
 EUは17日に環境相理事会、18日には緊急外相理事会を開き、鳥インフルエンザへの対策をさらに協議。加盟国間の調整を進める。

◎鳥インフルエンザ:トルコで毒性の強いH5N1型を確認(2005年10月14日、毎日新聞)
 【ブリュッセル福原直樹】欧州連合(EU)は13日、トルコで発生した鳥インフルエンザのウイルスが毒性の強いH5N1型であると確認した。一方、ルーマニアで報告されたケースでもウイルスを確認、EUは同国からの鶏肉などの輸入を禁止した。EUによると、ルーマニアの場合もH5N1型の可能性があるという。
 H5N1型のウイルスでは03年以来、タイ、ベトナムなどで約60人が死亡している。EUは「シベリアからの渡り鳥が感染源」だとしており、アジアでの発生との関連を調べている。

◎トルコ、初の鳥インフルエンザ感染を確認(2005年10月10日、日本経済新聞)
 【カイロ=森安健】トルコのエケル農相は8日、同国で初めて鳥インフルエンザを確認したことを明らかにした。西部バルケシル県の農場で既に2000羽の七面鳥が死んでおり、8日夜から新たに2500羽の処分が始まった。エケル農相は「あらゆる措置をとっており、心配する必要はない」と語った。

◎インドネシアの鳥インフルエンザ、新たに死者2人(2005年9月26日、読売新聞)
 【ジャカルタ=黒瀬悦成】インドネシア保健省は26日、毒性の強い鳥インフルエンザ(H5N1型)への感染が確認された27歳の女性と5歳の女児が同日までに死亡したと発表した。
 これにより、同国の検査基準に基づく鳥インフルエンザによる死者数は計6人となった。
 インドネシアでは今年7月以降、ジャカルタ首都圏を中心に鳥インフルエンザの感染被害が急拡大し、政府は今月19日、「異常事態」を宣言して、感染が疑われる住民を強制入院させるなどの措置を取っている。

◎インドネシアの鳥インフルエンザ感染、ジャワ島外に拡大(2005年9月23日、日本経済新聞)
 【ジャカルタ=代慶達也】インドネシア保健省は23日、22日夜にカリマンタン島東部サマリンダで鳥インフルエンザ感染の疑いで5歳の子供が死亡したと発表した。ジャワ島外で感染の疑いで死亡したのは初めて。21日にジャカルタの女児2人も感染の疑いで死亡、3人の血液検査中だが、確認されれば、同国での死者は計7人となる。
 同省によると、鳥インフルエンザ感染の疑いのある患者は連日増え、20人以上が治療中。大半はジャカルタ在住だが、カリマンタン島やスマトラ島の住民もいる。政府の支援要請を受け、世界保健機関(WHO)や日米豪各国は治療薬「タミフル」を提供し、医療専門家を派遣する。

◎鳥インフルエンザ:ジャカルタと周辺で流行、死亡者も(2005年9月22日、毎日新聞)
 【ジャカルタ岩崎日出雄】インドネシアの首都ジャカルタと周辺で鳥インフルエンザが流行し始めている。21日、鳥インフルエンザウイルスに感染したとみられる5歳と2歳の女児2人がジャカルタで死亡した。確認されれば7月以降、6人目の死者となる。
 ユドヨノ大統領は20日に関係閣僚による緊急閣議で予防策強化を指示したが、スパリ保健相は21日、「感染経路を確実に特定できないと、新たな犠牲者が出る」と危機感を示した。死亡した5歳の女児が入院していた病院には現在、感染の疑いのある患者が子供3人を含めて6人おり、うち2人は動物園職員(28)と園内の行商人(39)。同動物園では、ワシなど19羽が感染死し、18日から閉鎖している。

◎鳥インフルエンザ感染の疑い、2女児死亡、インドネシア(2005年9月22日、朝日新聞)
 インドネシアのスパリ保健相は21日、鳥インフルエンザウイルスに感染した疑いで前日ジャカルタの病院に入院した女児(5)が死亡した、と明らかにした。感染が確認されれば、同国では5人目の死者となる。また、高熱など鳥インフルエンザ感染に似た症状で入院していた女児(2)も同日朝、死亡した。
 保健相は「感染源を特定しない限り、鳥インフルエンザがさらに流行する恐れがある」と話した。地元ラジオによると、21日夕方までにジャカルタで新たに3人が感染の疑いで入院した。すでに感染が確認されている2人を含め、現在9人が治療を受けている。

◎鳥インフルエンザ感染、ジャカルタで拡大、特別警戒宣言(2005年9月20日、朝日新聞)
 インドネシア保健省は20日、ジャカルタの動物園で働く職員ら3人が鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に感染した可能性があると発表、これを受けユドヨノ大統領が緊急閣僚会議を招集し、早急に感染拡大防止策をとるよう指示した。同国ではジャカルタ周辺だけでこの2カ月間に4人の感染死が確認され、19日には幼児3人の感染の可能性が判明。政府は特別警戒態勢を宣言したばかりだった。
 20日に保健省が感染の疑いを公表した3人のうち2人は、ジャカルタ南部にある同国最大のラグナン動物園の職員(28)と園内で働く行商人(39)。同動物園では、ワシなどの19羽が感染死していたことが判明し、19日から3週間の予定で閉鎖していた。
 3人のうち残る1人の女児(3)の感染経路は不明という。
 インドネシアでは、今年7月に初めて、ジャカルタ郊外の父娘3人の感染死が確認された。今月10日には、ジャカルタの女性(37)が4人目の死者となった。
 米国務省高官は20日、訪問先のマニラで記者団に対し、11月に韓国・釜山で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、鳥インフルエンザの感染拡大防止が重要議題の一つになるとの見通しを示した。
 インドネシアでの鳥インフルエンザの感染の広がりについて、日本の厚生労働省は「発生の段階で、検疫強化や鳥の輸入時の届け出義務づけなどの措置をとっており、今のところ新たな対応の必要性はないと考えている」としている。
 北海道大の喜田宏教授(微生物学)は「H5N1型の人への感染では鳥との濃厚な接触によるケースが多い。インドネシアの場合、人から人へ感染力を持ったウイルスにはまだ変異してはいないだろう」と話している。

◎鳥インフルエンザの人への感染、ジャカルタで拡大の様相(2005年9月19日、朝日新聞)
 インドネシアのスパリ保健相は19日、ジャカルタに入院中の幼児3人が鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に感染している可能性があることを明らかにした。現在、検体を検査のため香港に送っているという。
 ジャカルタ近郊では今年7月、鳥インフルエンザが原因で父娘3人が死亡したことが分かったほか、今月10日に死亡した女性(37)も4人目の死者と確認されている。
 一方、ジャカルタ南部にある国内最大のラグナン動物園が19日から3週間の予定で閉鎖されることになった。サンプルのため調査した鳥類27羽のうち、ワシなど19羽が鳥インフルエンザで死亡していたことが、前日までに判明したため。同園の職員によると、閉園中に従業員の健康診断を実施するとともに、2000羽を超える鳥類の検査も進める。

◎鳥インフルエンザ:鶏86万羽処分へ、茨城県(2005年9月5日、毎日新聞)
 茨城県小川町と行方市の養鶏場で過去に鳥インフルエンザウイルスに感染したことを示す抗体が検出された問題で、同県は5日、抗体が確認され開放型鶏舎を持つ計14養鶏場の鶏と卵の処分を来週から始めることを決めた。処分される鶏は合計86万2000羽で、処分終了は早くても10月中旬の見通し。
 また、県は同日、抗体が検出された小川町の養鶏場「ホウトク農場」の鶏から、現在も感染していることを示すウイルスは確認されなかったことを明らかにした。同養鶏場の鶏舎は密閉型のため、飼育している鶏約18万羽は処分されず、今後定期検査を受ける。【藤田裕伸】

◎鶏153万羽処分、鳥インフルエンザが拡大、茨城・埼玉(2005年9月5日、朝日新聞)


 茨城・埼玉両県で発生している弱毒性の鳥インフルエンザの感染が、拡大している。約2カ月間で30カ所の養鶏場に広がり、殺処分数(予定を含む)は153万羽に上った。感染原因について農林水産省は、国内では認められていない不良ワクチン接種が濃厚だとの見方を強めている。発生地域は、国内有数の養鶏地帯。弱毒性は放置すれば強毒性に変異し、人への感染の心配もあるため、同省は感染源の特定を急いでいる。
 一連の鳥インフルエンザは、茨城県水海道市の養鶏場で6月26日に最初に確認された。以来、感染歴を示す抗体を持つ鶏が相次いでみつかり、9月3日同県小川町で確認され、埼玉県鴻巣市の1カ所を含む計30カ所になった。鶏はすべて採卵用だった。飼養羽数は約414万8000羽に上る。茨城県では採卵用鶏の3分の1に達した。
 被害拡大で同省は8月22日から、インフルエンザが発生した鶏舎の鶏をすべて殺処分してきた方針を変更。処分条件を緩和した。これまで約50万4000羽が殺処分され、今後約102万4000羽が処理される予定だ。
 茨城県は、約170カ所ある採卵用養鶏場での検査を続けているが、まだ半数の施設が残っている。畜産課は今後の被害拡大に不安を示す。
 野鳥がウイルスを運んできたのか、それとも別の原因か。感染ルートを調査してきた同省は2日、「違法ワクチン説」を打ち出した。
 養鶏業者が入手、接種したワクチンの中に、病原体を死滅させる不活化処理が十分でないものがあり、生き残ったウイルスが鳥から鳥へと感染した、と推定した。
 今回、鶏からみつかったウイルスの遺伝子は、95〜02年にメキシコ、グアテマラ、エルサルバドルで発生したインフルエンザ遺伝子の塩基配列と94〜97%が一致した。しかも、韓国と台湾で昨年12月にみつかったウイルスとも全く違っていた。
 中米からの渡り鳥は距離からみて考えにくく、感染を疑わせる鳥が輸入された形跡もない。全国約1700カ所の養鶏場に対する緊急調査では、茨城県以外で見つかったのは埼玉県の1カ所だけ。この養鶏場も茨城県内から鶏を受け入れており、全国的な広がりはない、と判断した。
 専門家は「違法ワクチンが原因の可能性が極めて高い」とみている。
 同省は、事態を放置すれば強毒性に変異したり、ブタの体内で人への感染性が高い新型インフルエンザに変わったりする可能性を重視。養鶏場の鶏の入手経路と抗体を分析し、ワクチン使用の有無や初期の感染源を絞り込む。
 一方、「違法ワクチン説」に、生産者団体は困惑している。日本養鶏協会はホームページで「合意の得られたルールの下に良質な不活化ワクチンの使用を要求しており、ウイルス拡散とは無関係です」と、見解を示し関連を否定した。
 同協会は昨冬に山口県や京都府で強毒性の鳥インフルエンザが発生して以来、農家からの「万一の場合は倒産必至。防げるものなら防ぎたい」との考えを受け、同省に合法的ワクチンを要望。先月31日にも要請書を提出したばかりだった。

《鳥インフルエンザのワクチン》
 感染予防のため、ウイルス(病原体)を死滅させた製剤を接種する。死滅させる不活化の工程が不十分で生き残っていると、感染源になる恐れがある。日本では、大流行する心配がある場合に非汚染地域の鶏を守るため約700万羽分を備蓄しているが、まだ使われたことはない。一般の使用は家畜伝染病予防法で禁じている。農水省によると、メキシコ、アメリカ、イタリアなどで、使用歴がある。メキシコ、アメリカの使用は一時的で、地域や農場も限定していた。

◎ウイルスはH5N2型、茨城の鳥インフルエンザ(2005年8月1日、産経新聞)
 茨城県は1日、茨城町の内田養鶏場で7月31日に分離された鳥インフルエンザウイルスは、動物衛生研究所(つくば市)の検査の結果、H5N2型と判明したと発表した。
 県によると、これまで県内の3養鶏場で分離されたウイルスもすべてH5N2型だが、同一のウイルスかどうかは遺伝子を解析しないと分からないという。
 また、内田養鶏場が今年5月ごろにひなを出荷した埼玉、千葉、岩手各県の計3カ所の農場では1日までに、いずれも抗体検査で陰性が確認された。同養鶏場はこのほか、抗体陽性反応が出た茨城県水海道市の天王原養鶏園にひなを出荷していた。(共同)

◎ウイルスはH5N2型、茨城の鳥インフルエンザ(2005年8月1日、産経新聞)
 茨城県は1日、茨城町の内田養鶏場で7月31日に分離された鳥インフルエンザウイルスは、動物衛生研究所(つくば市)の検査の結果、H5N2型と判明したと発表した。
 県によると、これまで県内の3養鶏場で分離されたウイルスもすべてH5N2型だが、同一のウイルスかどうかは遺伝子を解析しないと分からないという。
 また、内田養鶏場が今年5月ごろにひなを出荷した埼玉、千葉、岩手各県の計3カ所の農場では1日までに、いずれも抗体検査で陰性が確認された。同養鶏場はこのほか、抗体陽性反応が出た茨城県水海道市の天王原養鶏園にひなを出荷していた。(共同)

◎茨城の鳥インフルエンザ、周辺5農場から抗体検出(2005年6月29日、読売新聞)
 茨城県水海道市の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザが発生した問題で、農水省と茨城県は28日、家畜伝染病予防法に基づいて鶏と卵の移動を制限している半径5キロ圏内の農場10か所で鶏の血液サンプルを調べたところ、5か所から過去に鳥インフルエンザウイルスに感染したことを示す抗体が検出されたと発表した。
 いずれのサンプルからもウイルスが分離されず、「現時点では感染しておらず、鶏や卵の安全性に問題はない」としている。
 農水省によると、抗体が検出された鶏は、5農場70羽のうち32羽。いずれも、鳥インフルエンザが発生した農場から半径600メートル以内にある。ウイルスが分離されていないため、型の判別は難しいという。
 県は、農水省が29日に開く専門家による家きん疾病小委員会で安全性が確認されれば、同日夜にも、抗体が確認されなかった5農場の卵出荷再開を知事権限で認める方針。また、5キロ圏外の農場でも血液サンプル調査を行うかどうか、小委員会の議論を踏まえて検討したいとしている。
 鳥インフルエンザが発生した養鶏場では28日、約9200羽の鶏を処分した。県は29日、全農県本部などの支援も得て作業員を増員し、残る約1万2600羽を処分し、同日中に作業を完了したい考え。

◎鳥インフルエンザで5000羽死亡、中国(2005年6月28日、朝日新聞)
 世界保健機関(WHO)は28日、北京で記者会見し、中国青海省で鳥インフルエンザ(H5N1型)が発生した問題に関し、死亡した鳥が5000羽に上っていることを明らかにした。
 中国農業省は5月末、死亡したのは渡り鳥1000羽以上と発表していた。WHOは同省の感染地域で視察を終え、北京に戻ったばかり。
 中国では青海省のほか、西部の新疆ウイグル自治区でも鳥インフルエンザが発生している。(時事)

◎中国発表5倍の野鳥死ぬ、青海省の鳥インフルエンザ(2005年6月28日、産経新聞)
 世界保健機関(WHO)の北京駐在代表は北京で28日、記者会見し、高病原性鳥インフルエンザの発生が確認された中国西部の青海省剛察県で、これまでに約5000羽の死んだ渡り鳥が見つかったと発表した。
 中国農業省は5月27日に「1000羽以上が死んだ」と発表したが、被害実態が5倍と大きく上回ることが判明した。人や家畜などへの感染は起きていないとしている。
 代表らによると、渡り鳥の死骸(しがい)は5月4日に最初に見つかった後、WHOと現地政府の調査により大量に見つかった。5月下旬から沈静化したが、現在も毎日約20羽が死んでいる。
 現地当局は感染した渡り鳥が見つかった地点から半径10キロ以内を立ち入り禁止とし、半径30キロ以内で消毒を実施。家畜の鶏やガチョウを大量に処分するとともに、現地住民に死んだ鳥を食べないよう指導している。
 新疆ウイグル自治区塔城市でも今月、飼育場でガチョウ1000羽以上が鳥インフルエンザに感染したことが確認されており、WHOは現地調査を中国当局に要望している。 (共同)

◎茨城・水海道市の養鶏場で鳥インフルエンザ確認(2005年6月26日、読売新聞)
 茨城県水海道市の養鶏場で鳥インフルエンザが発生した疑いが出て、県は動物衛生研究所(同県つくば市)に確定検査を依頼したところ、26日、H5N2型の鳥インフルエンザウイルスが確認された。
 県畜産課によると、5月上旬からこの養鶏場で飼育している鶏の産卵数がほぼ半減したため、業者が5月23日に熊本県の民間研究所に簡易検査を依頼した。その結果、今月24日に感染の疑いが確認され、茨城県に連絡が入った。
 同課によると、養鶏場では現在、鶏の大量死はなく、産卵数も回復している。県は25日に周辺10か所の養鶏場に立ち入り検査したが、異状は見られなかったという。
 この養鶏場では、卵を埼玉県内の卸業者や東京都内の小売り店に出荷している。

◎茨城の養鶏場で大量死、鳥インフルエンザの疑い(2005年6月26日、産経新聞)
 茨城県は26日、同県水海道市の養鶏場で鶏が大量死し、簡易検査で鳥インフルエンザの疑いが出たと発表した。県は動物衛生研究所(同県つくば市)に確定検査を依頼した。
 県畜産課によると、同養鶏場で3−5月、飼育している約2万5000羽のうち約430羽が死に、産卵数も減った。養鶏場は民間機関に簡易検査を依頼し、鳥インフルエンザウイルスが分離されたため今月24日、県に通報した。
 養鶏場では現在、鶏の大量死はなく、産卵数も回復。畜産課が25日、養鶏場と周辺10カ所の養鶏場を立ち入り検査した結果、異常は見つからなかったという。
 大量死があった養鶏場は、卵を埼玉県内の卸業者や東京都内の小売店に出荷している。(共同)

◎高病原性鳥インフルエンザ、茨城で確認、弱毒タイプ(2005年6月26日、朝日新聞)
 農林水産省と茨城県は26日、茨城県水海道市の採卵養鶏場の鶏から、高病原性鳥インフルエンザのウイルスを確認した。農水省によると、過去に山口や京都などで発生したウイルスが全身で増える強毒タイプではなく、ウイルスが呼吸器などでしか増えず、感染した鶏の致死率も低い弱毒タイプだった。しかし、強毒タイプに変異する可能性があるため、県は近く、この農場の鶏を処分し、安全が確認されるまでの間、一定距離内の鶏や鶏卵の移動を制限する。
 農水省などによると、この養鶏場では今年4月、一日最大10羽、1カ月間で100羽の鶏が死んだ。不審に思った経営者が、5月下旬に民間の検査機関に分析を依頼。検査結果の報告を受けて、県と農水省があらためて検査したところ、毒性の弱い高病原性鳥インフルエンザと判明したという。
 県は6月25日に、この養鶏場のほか、仕入れ先と周辺の養鶏場の鶏も調べたが、呼吸器の変調などの症状は認められなかった。今後、ウイルス検査もして、鳥インフルエンザの感染期間や範囲の特定を進める。

◎中国、鳥インフルエンザで人用の薬を鶏に乱用・米紙(2005年6月18日、日本経済新聞)
 【ワシントン18日共同】中国が、鶏に鳥インフルエンザが流行するのを抑えるため、人の治療に使う薬「アマンタジン」を鶏に大量に与えていたことが分かったと、18日付の米紙ワシントン・ポストが伝えた。同紙は専門家の話として、この結果、ウイルスが薬に対する耐性を獲得し、人にはもう効かない恐れが強いとしている。
 薬を製造した中国の製薬企業幹部の証言などに基づく報道。人の抗ウイルス薬を家畜に流用することは、耐性の危険を高める恐れがあり、国際指針でも認められていないが、中国政府は鶏への使用を許可していたといい、倫理的な批判を浴びそうだ。
 アマンタジンは人のインフルエンザ治療に使える数少ない抗ウイルス薬。現在、鳥インフルエンザウイルスが変異して人で大流行する事態が懸念されているが、その際に有効なはずの薬が乱用のため役に立たなくなってしまった可能性がある。

◎鶏に乱用、薬が人に無効、鳥インフルエンザで中国(2005年6月18日、産経新聞)
 中国が、鶏に鳥インフルエンザが流行するのを抑えるため、人の治療に使う薬「アマンタジン」を鶏に大量に与えていたことが分かったと、18日付の米紙ワシントン・ポストが伝えた。同紙は専門家の話として、この結果、ウイルスが薬に対する耐性を獲得し、人にはもう効かない恐れが強いとしている。
 薬を製造した中国の製薬企業幹部の証言などに基づく報道。人の抗ウイルス薬を家畜に流用することは、耐性の危険を高める恐れがあり、国際指針でも認められていないが、中国政府は鶏への使用を許可していたといい、倫理的な批判を浴びそうだ。
 アマンタジンは人のインフルエンザ治療に使える数少ない抗ウイルス薬。現在、鳥インフルエンザウイルスが変異して人で大流行する事態が懸念されているが、その際に有効なはずの薬が乱用のため役に立たなくなってしまった可能性がなる。
 同紙によると、中国は昨年2月に初めて鳥インフルエンザの発生を公表したが、実際は1990年代後半から鶏で流行。発生のたびに農家が地元企業から購入したアマンタジンを飲み水に混ぜるなどして鶏に与えていた。
 現在、アジアで流行中の鳥インフルエンザに感染した人は100人以上に上り、この人たちにアマンタジンが効かないことが分かっていたが、理由は不明だった。アマンタジンが無効なため、高価で製造量にも限りがある別の薬しか使えず、近い時期に人で大流行が起きた場合、治療薬の不足が心配されている。(共同)

◎鳥インフルエンザ:インドネシアで初の感染者(2005年6月16日、毎日新聞)
 【ジャカルタ岩崎日出雄】インドネシア保健省は16日、南スラウェシ州(スラウェシ島)で同国初の鳥インフルエンザ感染者1人が見つかったと明らかにした。感染者は病気のニワトリと接触した農業作業場の男性。発症していないが、高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)の抗体が検出された。
 鳥インフルエンザの人への感染は日本人1人を含みベトナムやタイなどで計100人以上報告されている。

◎青海省の鳥インフルエンザ、人への感染なし(2005年5月27日、朝日新聞)
 青海省の湖鳥島で渡り鳥への鳥インフルエンザ感染が確認された問題で、衛生部は26日、現地衛生部門が直ちに関係者に対して感染状況の調査など各種対策活動を進めていることを明らかにした。25日現在、原因不明の肺炎や鳥インフルエンザの人への感染、病死した鳥と接触した後インフルエンザにかかったなどのケースは見つかっていない。
 中国での鳥インフルエンザ発生は、昨年の安徽省巣湖市での確認以来初めて。

◎青海省で渡り鳥が死亡、鳥インフルエンザと確認(2005年5月22日、朝日新聞)
 農業部は21日、青海省農牧庁から鳥インフルエンザ発生の通報を受けていたことを明らかにした。通報を受けたのは今月4日。青海省剛察県泉吉郷の年乃索麻村で一部の渡り鳥が死亡し、国家鳥インフルエンザ参考検査室の診断により、H5N1型鳥インフルエンザだったことが確認されたという。
 青海省はすでに、動物防疫関連の法規定に基づいて緊急対策措置を取り、感染発生地区の封鎖と消毒を進め、他の家禽や人間、野鳥との接触を防いでいる。同時に、周辺地域や渡り鳥の移動経路では、感染の危険の高い家禽への免疫措置を実施。現在のところ、剛察県で発生した渡り鳥のインフルエンザが、家禽や人に伝染したケースは見つかっていない。

◎ウイルス変異?で感染力増す、鳥インフルエンザでWHO(2005年4月15日、朝日新聞)
 ベトナムなどで広がっている鳥インフルエンザH5N1型について、ウイルスがより人に感染しやすい変異を起こしている可能性があることが、世界保健機関(WHO)の調査でわかった。WHOの尾身茂・西太平洋地域事務局長は「恐れていたことが起きている可能性を否定できない」として徹底した監視と調査を呼びかけている。
 尾身氏によると、03年12月ごろから始まった人への鳥インフルエンザ感染の波は、同年12月から04年3月までが第1波、04年8〜10月が第2波、04年12月からの流行が第3波にあたるが、今回は4月になっても勢いが衰えていない。
 特にベトナムでは、この4カ月の間に33人が感染し、15人が死亡した。これまでの感染者は計60人。最近の感染のペースは第1波を超え、さらに拡大の様相を見せている。
 またこれまでの鳥への感染の広がりをベトナムの地域別にみてみると、北部、中部、南部いずれでも完全に消滅した時期はなく、ウイルスはすでに一定地域に定着してしまった可能性があるという。
 WHOが注目しているのは、ベトナムで感染者が増えているのに死亡率が下がっていることだ。03年12月から04年3月の流行期の死亡率が約70%、04年12月から今年2月までの死亡率が約60%であるのに対し、3月は15%にすぎない。
 WHOはこうしたベトナムでの鳥インフルエンザの人への感染の広がり方の変化を統計的に分析した結果、ウイルスの毒性は弱まったものの、より少量のウイルスで感染するようになった可能性があるとの見方をとるようになった。ウイルスの性格が変化すると感染に気がつかないまま快復してしまう人も増えるようになり、鳥インフルエンザがより人に拡大しやすくなる恐れがあるという。
 1918年に欧州などで広がり2500万人が死亡したとされるスペイン風邪でも死亡率は1%前後だった。仮に圧倒的に高かったH5N1型の死亡率が下がったとしても、これまで以上に感染力が強まれば大流行し、かえって死者を増やす恐れもある。
 鳥インフルエンザは、遺伝子レベルですでに何度も変異を起こしていることが確認されているが、その変化がウイルスそのものの特性の変化につながっているかどうかはまだわかっていない。

◎北朝鮮で鳥インフルエンザ発生(2005年3月27日、朝日新聞)
 北朝鮮の朝鮮中央通信は27日、同国の国家獣医非常防疫委員会メンバーの話として、平壌市の「下堂(ハダン)養鶏場」など2、3の養鶏場で最近、鳥インフルエンザが発生した、と伝えた。同国内で発生が確認されたのは初めてだ。
 それによると、これらの養鶏場では感染したニワトリ数十万羽が、埋められたり焼却されたりした。職員の中に感染した人は出ていないという。
 韓国の聯合ニュースは今月15日、消息筋の話として、1カ月ほど前に下堂養鶏場で数千羽が鳥インフルエンザに感染して死んだため、当局が対策に乗り出したと報じていた。

◎ベトナムでまた1人死亡、鳥インフルエンザ(2005年3月27日、産経新聞)
 ベトナムの保健省当局者は26日、北部と中部で計3人がH5N1型の高病原性鳥インフルエンザに感染し、うち1人が死亡したことを明らかにした。
 同省は18日、昨年12月の鳥インフルエンザ再発以来、14人が死亡したと発表しており、今回の死者で15人目。
 当局者によると、死亡したのは北部ナムディン省の17歳の少女。治療を受けていたハノイの病院で23日に死亡した。
 北部クアンニン省の40歳の女性と中部クアンビン省の5歳の男児は、高熱やせきなどの症状で入院、鳥インフルエンザウイルスが検出された。
 ベトナム紙は3人とも病気のニワトリを食べたと報じている。

◎鳥インフルエンザでカンボジア人女性が死亡、ベトナム(2005年2月2日、朝日新聞)
 ベトナム保健省の当局者は2日、同国南部の病院で1月30日に死亡したカンボジア人の女性(25)から、鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)を検出したことを明らかにした。女性はベトナム国境に近いカンボジアの村で発症し、ベトナム側に搬送されていた。
 昨年1月に鳥インフルエンザが流行して以来、カンボジア人の犠牲者が確認されたのは初めて。ベトナム人、タイ人も含めた死者は計45人になった。

◎鳥インフルエンザ:ベトナムで16歳少女死亡、今年3人目(2005年1月10日、毎日新聞)
 ハノイからの報道によると、ホーチミン市の病院当局者は10日、ベトナム南部ドンタップ省の16歳の少女が高病原性鳥インフルエンザで死亡したことを明らかにした。
 ベトナム国内では昨年1年間で約20人が鳥インフルエンザで死亡。今年に入ってからは、南部チャビン省の9歳男児、ドンタップ省の6歳男児に次ぐ3件目の確認例となる。
 少女は高熱などの症状を訴えて入院、2週間後の今月8日に死亡した。医師によると、少女は病気に感染した鶏肉を食べた後に発病、検査で「H5N1」型ウイルスが確認された。
 同病院では、鳥インフルエンザに感染したとみられる別の患者2人も治療中という。(バンコク共同)

◎ベトナムで16歳少女死亡、鳥インフルエンザ(2005年1月10日、産経新聞)
 ハノイからの報道によると、ホーチミン市の病院当局者は10日、ベトナム南部ドンタップ省の16歳の少女が高病原性鳥インフルエンザで死亡したことを明らかにした。
 ベトナム国内では昨年1年間で約20人が鳥インフルエンザで死亡。今年に入ってからは、南部チャビン省の9歳男児、ドンタップ省の6歳男児に次ぐ3件目の確認例となる。
 少女は高熱などの症状を訴えて入院、2週間後の今月8日に死亡した。医師によると、少女は病気に感染した鶏肉を食べた後に発病、検査で「H5N1」型ウイルスが確認された。
 同病院では、鳥インフルエンザに感染したとみられる別の患者2人も治療中という。(共同)

◎鳥インフルエンザでまた死者、ベトナム(2005年1月10日、朝日新聞)
 ベトナム・ホーチミン市の保健当局によると、同国南部タイニン省の16歳の女性が8日、鳥インフルエンザのH5N1型ウイルスに感染して死亡した。同国で昨年1月からの鳥インフルエンザによる死者は、23人にのぼった。
 家族によると、女性は鳥インフルエンザの症状を見せていた鶏に直接触れており、そこから感染したとみられる。保健当局は、ほかにもH5N1型のウイルス感染が確認され治療中の患者がいるとしており、鶏の消費が増える2月上旬からの旧正月を前に感染拡大が懸念される。

◎鳥インフルエンザ:韓国で発生、鶏肉など輸入停止、農水省(2004年12月22日、毎日新聞)
 農林水産省に22日入った情報によると、韓国で弱毒性とみられる鳥インフルエンザ(H5N2型)が発生したことが分かった。農水省は同日付で韓国からの鶏肉など家きん肉の輸入を一時停止するとともに、23日からは韓国から帰国する旅行者を対象に、任意で消毒を受けてもらうなどの感染防止対策を実施する。
 農水省によると、感染したのはアヒル繁殖農家のアヒルで、一緒に飼われていた9000羽は既に処分されたという。詳しい発生場所や発生日の情報は入っていない。韓国では昨年12月にも鳥インフルエンザが発生しており、日本は今年10月まで家きん肉輸入を停止していた。【望月靖祥】

◎鳥インフルエンザ:浅田農産元従業員1人の感染を確認(2004年12月22日、毎日新聞)
 京都府の養鶏場「浅田農産船井農場」(閉鎖)で2月に発生した鳥インフルエンザで元従業員ら5人の血清からウイルスへの抗体が検出されたことについて、国立感染症研究所は22日、元従業員1人の感染を正式に確認したと発表した。国内で感染が確認されたのは初めて。
 他の4人についても「感染した可能性が高い」とみている。5人は発症せず、体内にウイルスが確認されないことから、他人への感染の恐れはないという。
 感染が確認された男性は他の元従業員3人とともに、鶏の大量死の発生から2月27日の京都府の立ち入り検査までの数日間、全身を覆う防疫服やマスクを着用せずに死んだ鶏を処理していた。
 一方、感染の疑われる府職員は同日の検査前に養鶏場に入った際、防疫服やゴーグルなどを着用していたものの、感染予防に必要なフィルター付きのマスクは付けていなかった。
 厚生労働省はこの調査を受けて、全国の自治体に対し、鳥インフルエンザ発生時には防護の徹底や関係者の血清採取などを進めるよう通知した。【山本建】

◎鳥インフルエンザ:確実な感染者は1人、厚労省が発表(2004年12月18日、毎日新聞)
 京都府丹波町の養鶏場「浅田農産船井農場」(閉鎖)で2月に発生した鳥インフルエンザで、元従業員ら5人の血清からウイルスに対する抗体が検出された問題について、厚生労働省は18日、このうち1人について感染が確実とみられることを明らかにした。22日に最終結論を出す方針で、確認されれば日本で初めての感染例となる。他の4人は感染の疑いはあるが、感染とは断定できない見通しだ。
 京都府は発生時に死んだ鶏の処分などを担当した元従業員や同府職員ら計58人の血清を3月中旬以降に採取し、国立感染症研究所に検査を依頼していた。その結果、3月と4月の2回にわたり血清を採取できた男性の元従業員について、「2回目が明らかに抗体の値が上がっており、感染していた可能性が高い」と判断した。発生直後に十分な防護をせずに作業していたとみられる。
 他の4人は血清を1回しか採取できず、抗体の検出量も少なかったため「可能性はあるが、断定できない」という。
 検査開始から公表までに9カ月かかったことについて、厚労省は「人に感染した鳥インフルエンザの抗体の検出方法が確立しておらず、慎重に確認する必要があった」と説明した。【山本建】
 【鳥インフルエンザ】鶏や七面鳥にウイルスが感染すると神経や呼吸器に症状が表れ、大量死を引き起こすこともある。日本で検出されたウイルスはアジア各国で流行したものと同じ病原性の強い「H5N1」型。人に感染すると、肺炎や結膜炎を起こす。世界保健機関(WHO)によると、昨年秋からの流行で、タイで12人、ベトナムで20人が死亡している。

◎各国の感染状況を報告、鳥インフルエンザ(2004年11月25日、産経新聞)
 冬に向け感染拡大が懸念される高病原性鳥インフルエンザを封じ込めようと、25日にバンコクで始まった東南アジア諸国連合(ASEAN)、日本、中国、韓国の閣僚会合は、各国の専門家らが感染状況の報告や各国間のネットワーク構築などについて話し合った。
 世界保健機関(WHO)によると、同日は、この1年で計32人の死者が出たタイとベトナムが犠牲者の感染経路や年齢などを詳細に報告。死亡した子どもの多くが鶏と遊んでいたことを指摘した。
 WHOのインフルエンザの専門官は「鳥インフルエンザなどの世界的流行はいつ起きてもおかしくない。会合はその準備の意味でも時宜を得ている」と強調。「封じ込めのためには監視体制が最も重要」と述べた。
 別の専門官は「ヒト用ワクチンは来年早々にようやくテストが始まる」と説明し、今冬の大流行が懸念されると述べた。(共同)

◎ヒト型への変異見つからず、タイの鳥インフルエンザウイルス(2004年11月1日、産経新聞)
 タイで9月、娘から母親への感染が疑われた鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)には、人から人に感染しやすい変異はなかったとみられることが、米疾病対策センター(CDC)の調査で10月31日までに分かった。米紙ニューヨーク・タイムズが、世界保健機関(WHO)当局者の話として報じた。
 H5N1型が原因とみられる肺炎で死亡した少女(11)を看病した母親(26)が、同型ウイルス感染で後に死亡したケースで、親類にも感染が確認された。
 親類や死亡した母親の体から完全なウイルスは分離できなかったが、ウイルスの断片のDNA配列をCDCが調べたところ、すべて鳥のウイルスで、人のインフルエンザウイルスとの交雑が起こった可能性は低いと分かった。
 WHOによると、タイではH5N1型鳥インフルエンザによる死者が10月25日までに計12人確認されている。(共同)

◎鳥インフルエンザ:アヒルもウイルス媒介、WHO確認(2004年10月30日、毎日新聞)
 【ジュネーブ大木俊治】世界保健機関(WHO)は29日、アヒルがニワトリと同様に鳥インフルエンザウイルスを媒介することを実験で初めて確認した。感染したアヒルは発病しないが、ニワトリと同程度の大量の毒性ウイルスを排出するという。アヒルからヒトへの直接感染はまだ確認されていないが、WHOの感染症対策当局者は、アヒルへの接触に注意するよう呼びかけるとともに、今後アヒルの感染調査も必要になる可能性を指摘した。
 実験はWHOと提携する米国の研究所で、タイやベトナムで採取したH5N1型ウイルスを使って実施した。その結果、感染したアヒルは健康で、発病の兆候は全く見られなかったが、17日間以上、ニワトリと同程度の大量の毒性ウイルスを排出した。ニワトリからヒトへの感染例があることから、アヒルからヒトへの感染も否定できないという。
 また同じ実験で、抽出したウイルスが気温33度で6日間存在し続けたことも判明。従来のウイルスは気温37度で2日間しか存在しなかったことから、ウイルスの環境への抵抗力が増したことも確実になった。
 これまでも野鳥が鳥インフルエンザを媒介する可能性は指摘されていたが、WHOはアヒルが野鳥に比べてヒトとの接触度が高いことを重視。ウイルスはだ液やふんを通じて空気感染するため、同当局者は(1)アヒルに触れたら手をよく洗う(2)手を洗わないまま自分の目や口を触らない(3)マスクやメガネなどの防護措置をとる(4)食べる場合は高温で調理する−−などの感染防止策を呼びかけた。
 WHOによると、今年1月以降、鳥インフルエンザの感染が確認されたのは、タイで17人(うち12人死亡)、ベトナムで27人(うち20人死亡)の計44人。このうちベトナムの3人は、アヒルからの感染が疑われている。
 一方、タイで先月末、娘から母親への鳥インフルエンザ感染が疑われた事例について、同当局者はWHOの調査の結果、ヒトへの大量感染につながるウイルスの変異はなかったことを確認した。

◎オランダで1000人以上感染か、昨年の鳥インフルエンザ(2004年10月26日、産経新聞)
 オランダの鶏で昨年大流行し、感染した獣医師1人が死亡した高病原性鳥インフルエンザ(H7N7型)について、同国内の感染者は確認数の10倍を超す少なくとも1000人いたとの推定を、オランダ国立公衆衛生環境研究所が25日までにまとめた。
 H7N7型は、アジアで広がるH5N1型に比べ人への病原性は弱いが、今回の報告は、従来の想定より人に感染しやすかったことを示しており、拡大防止へ慎重な監視が求められそうだ。
 報告書要約によると同研究所は、感染鶏と接触した養鶏所作業員500人の約半数からH7型に感染したことを示す抗体を検出。さらに、感染した作業員の家族の59%からも抗体を見つけ、人から人への感染が高率に起こる可能性を示した。これらの数字を基に、同国内の感染者を「1000人かそれ以上」と推定した。
 口と鼻を覆うマスクを着けた作業員も感染したが、抗ウイルス薬タミフル(一般名リン酸オセルタミビル)は感染予防に有効だったという。
 同研究所は今年2月、感染者数は死者1人を含む計89人、うち人から人への感染は3人と発表していた。米科学誌サイエンスによると、今回はより鋭敏な検出法を使ったとしている。(共同)

◎鳥インフルエンザ:タイで女児死亡(2004年10月4日、毎日新聞)
 【バンコク共同】タイ保健省は4日、北部ペチャブン県で鳥インフルエンザに感染した9歳の女児が3日に死亡したことを明らかにした。同省によると、タイの鳥インフルエンザ感染による死者は11人目。
 女児の自宅で飼育中だった鶏が鳥インフルエンザで死んだことが確認されており、鶏からの感染とみられる。
 同省は9月28日、タイで初めての「人から人」への感染の可能性が指摘される例を発表し、警戒を呼び掛けていた。
 女児は9月末から高熱やせきなどの症状を訴えて入院。検査でH5N1型ウイルスが検出された。
 AP通信によると、隣国ベトナムでは鳥インフルエンザの死者は計20人に上っている。

◎鳥インフルエンザウイルス、犬から検出、タイ(2004年10月3日、読売新聞)
 【バンコク=川辺徹】タイ保健省報道官は3日、中部プラチンブリ県の犬から、鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)を検出したと発表した。犬からのウイルス検出が明らかになったのは初めて。
 報道官によると、国立チュラロンコン、カセサート両大が検出を確認。犬はすでに回復しているという。鳥インフルエンザはこれまで猫の感染例が確認されており、犬によってもウイルスが拡散される恐れが出てきた。

◎鳥インフルエンザで1歳2カ月の男児が死亡、ベトナム(2004年9月29日、朝日新聞)
 ベトナムで今月初めに死亡した1歳2カ月の男児が、鳥インフルエンザに感染していたことが確認された。ベトナム保健当局者が29日、AP通信に明らかにした。男児は8月末に高熱などの症状を示し、今月5日にハノイ市内の病院で死亡した。

◎鳥インフルエンザ:死亡した娘から感染し母も死亡か、タイ(2004年9月28日、毎日新聞)
 【バンコク竹之内満】世界保健機関(WHO)とタイ保健省は28日、バンコク近郊のノンタブリ県で20日に死亡した女性(26)が鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染していたことを確認するとともに、先に亡くなった娘(11)から感染した可能性は排除できないと発表した。WHOが人から人への感染の可能性を指摘したのは、今年1月のベトナムでの症例以来。
 母親は今月15日、肺炎に似た症状で発症し、20日に死亡した。発症前にタイ北部カンペンペット県で、同様の症状だった娘の看病を続けていた。娘は今月8日に死亡し、その後火葬されたため死因は特定されていない。しかし、母親の鳥インフルエンザ感染が判明したため、WHOは「母親は長期間、娘に付きっきりで看病していた」ことで感染した可能性があるとしている。
 WHOのトンプソン報道官はジュネーブで28日、「さらに詳しい調査を進めている。母子間の感染が確認されたとしても、(人同士の感染流行につながる)ウイルスの変異は認められず、公衆への重大な脅威ではない」と平静を呼びかけた。
 タイでは今年7月、鳥インフルエンザが再発して以来、感染が確認されたのは3人目で、うち2人が死亡。感染が疑われる患者数も計17人に上っている。また、周辺のカンボジアやベトナムなどでも再発の兆候が出始めている。

◇ウイルス解析必要
 国立感染症研究所の岡部信彦・感染症情報センター長の話 患者から分離したウイルスを詳しく解析し、遺伝子が人から人に感染するタイプに変異したのかどうかなどをきちんと確かめないと、最終的な判断はできない。変異がなくても、鳥インフルエンザが偶然、患者から他人に感染することはありうる。今回のケースは、状況から見ると人から人への感染の疑いも無視できないので、きちんと調べる必要がある。

◎鳥インフルエンザ:タイで子ども4人、同様の症状で入院(2004年9月12日、毎日新聞)
  通信によると、タイ中部プラチンブリ県とバンコクで12日、子ども計4人が鳥インフルエンザと同様の症状を訴え入院した。同国保健省が感染の有無を調べている。
 プラチンブリ県で入院したのは8歳、6歳の男児と3歳の女児で、熱やせきなどの症状を訴えたという。3人の住居近くでは鶏の死亡例が確認されている。バンコクでは2歳の女児が入院した。
 タイでは7月に鳥インフルエンザの再発が確認され、今月8日には再発後初めて18歳の男性が死亡した。(バンコク共同

◎鳥インフルエンザ:「大流行の可能性」とWHOが警告(2004年9月11日、毎日新聞)
 世界保健機関(WHO)の尾身茂・西太平洋地域事務局長は11日、中国上海での記者会見で、アジアで再発している鳥インフルエンザについて、ウイルス(H5N1型)が想像より広い範囲に伝染していると指摘、「拡大防止の取り組みを強化しなければ、大流行する可能性が高い」と警告した。
 その理由として、ベトナムから8月に報告された人間への感染例3件のうち、2件は感染地域と認定されていなかった地域で発生したことなどを挙げた。
 WHOはベトナムの周辺諸国にもウイルス伝染が広がっているとみているが、中国は鶏への感染例だけで人間への感染例は報告されていない。
 WHOによると、アジアでは今年初めの大流行以降、今月10日までに判明した人間への感染例は39件。アジア全体の死者はこれまで29人と発表していたが、ベトナムの1例は鳥インフルエンザでないことが判明したため28人となった。(上海・共同)

◎猫にも感染!鳥インフルエンザウイルス(2004年9月3日、読売新聞)
 【ワシントン=笹沢教一】新型インフルエンザに変異して人間に被害を及ぼす可能性のある鳥インフルエンザウイルス「H5N1」が、猫にも感染することがオランダ・エラスムス医療センターの研究でわかった。
 猫にはこれまで感染しないと考えられていた。
 猫は人との接触が多いうえ、養鶏場や住居などを自由に行き来するため、研究チームは「ウイルスの運び役となり、地域に感染を広げる恐れがある」と警告している。3日付の米科学誌サイエンスで発表した。
 研究チームは、生後4〜6か月の飼い猫3匹に、ベトナムで亡くなった患者から採取したウイルスを気管に接種したところ、いずれも発熱や重い呼吸器の症状を起こし、接種の6日後に死んだ猫もいた。
 さらに、別の猫を使って、ウイルスに感染させた鶏肉を食べさせたり、感染猫と接触させる実験を行ったところ、いずれも感染が確認された。排せつ物にもウイルスが含まれており、研究チームは「環境を汚染して感染の危険を高める可能性がある」としている。
 H5N1は、大きな分類ではA型インフルエンザウイルスに分類され、ネコ科の動物はA型に感染しないと考えられていた。

◎鳥インフルエンザ:猫に感染確認、人感染型に変化の恐れも(2004年9月3日、毎日新聞)
 病原性の強いA型鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)がペットの猫に感染することをオランダのエラスムス医療センターの研究チームが実験で確認した。研究チームは「ウイルスが飼い猫を通じて広がったり、人に感染しやすいタイプに変わる恐れがある」と指摘している。3日付の米科学誌「サイエンス」電子版で発表した。
 猫はA型インフルエンザウイルスに感染しにくいとされていたが、今年2月、タイでの感染が報告された。このため、研究チームは、ベトナムで鳥インフルエンザにかかった患者からウイルスを採取し、猫3匹に接種する実験をした。
 その結果、3匹とも発熱や呼吸困難などの症状が出て、1匹は接種後6日目に死んだ。死んだ猫は人と同様、肺の細胞に炎症が起こっていた。ウイルスを接種した猫と同じ部屋にいた別の猫や、ウイルスに感染した鶏を食べた猫も感染した。
 人のA型ウイルス(H3N2型)を別の3匹に接種しても感染せず、A型でもH5N1型が猫に感染しやすいことも確認できた。
 大槻公一・鳥取大教授(獣医微生物学)は「研究は、鳥インフルエンザが予想外の身近な動物を通じて広がる可能性を示した」と話している。

◎鳥インフルエンザ:中国、複数農場の豚からウイルス検出(2004年8月20日、毎日新聞)
 【北京・大谷麻由美】中国の鳥インフルエンザ研究機関の当局者は20日、昨年と今年実施した検査で、中国国内の複数カ所の農場で飼育されている豚から鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)を検出したことを明らかにした。AFP通信が報じた。報告が事実だとすれば、豚が媒介することでウイルス遺伝子が変異し、人への感染がより容易になるタイプが出現する恐れもある。
 北京で開催中の新型肺炎(SARS)と鳥インフルエンザの感染防止に関するシンポジウムの中で、当局者が明らかにした。詳細については触れず「我々は、これ以上話すべきではない。人々を怖がらせることになるだろう」と述べたという。
 H5N1型は毒性の強い鳥インフルエンザウイルスで、アジア地域で鶏などへ感染が広がった。鳥から人へ感染したケースはあるが、豚への感染は未確認だった。
 会議に出席した世界保健機関(WHO)の感染症専門家は「豚から鳥インフルエンザウイルスが発見されたという報告は初めて聞いた」と話し、驚いていたという。

◇「中国、情報公表を」日本の専門家
 豚は鳥と人の両方のインフルエンザウイルスに感染する。豚の鳥インフルエンザウイルス感染が注目されるのは、人への感染拡大の「中継点」になる恐れがあるためだ。
 毒性の強い鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)は、人に感染する能力は低い。だが、豚の体内で鳥と人のウイルスの遺伝子が組み換えを起こすと、人に感染しやすい新型が生まれ、大流行を起こす可能性があると考えられている。
 大槻公一・鳥取大教授(獣医微生物学)は「鶏と豚が放し飼いにされている中国では、両者が接触する機会が多く、鳥インフルエンザの豚への感染が起こりうるとされていた。人は新型ウイルスに対する抗体を持っておらず、ワクチンもない」と警告する。
 豚への感染が確認されたからといって、すぐに新型が登場するわけではないが、永井美之・富山衛生研究所所長(ウイルス学)は「豚で流行が広がると、ウイルスの組み換えが起きる可能性が高まる。中国は感染状況をきちんと把握し、公表すべきだ」と指摘する。
 農水省は「日本では豚と鶏を別々に管理しており、豚の検査でもウイルス感染は確認されていない。中国での感染が事実ならば、どんな環境で飼育されたものか、確認したい」と話している。

◎豚から鳥インフルエンザウイルスを検出、中国福建省で(2004年8月20日、読売新聞)
 【北京=佐伯聡士】中国の国家鳥インフルエンザ参考実験室の陳化蘭主任は20日、北京市内で開かれたSARS(重症急性呼吸器症候群)と鳥インフルエンザに関する国際学術シンポジウムで、昨年、福建省の農場で、豚から初めて人間への感染の恐れがある鳥インフルエンザウイルス「H5N1」が発見されたことを明らかにした。
 陳主任は本紙に対し、どのような調査でウイルスを検出したのかなど詳細は明らかにしなかったが、ウイルスが発見された豚は発症しなかったという。世界保健機関(WHO)中国代表部スポークスマンは、今回の件について「ウイルスが見つかった豚に関する情報をもっと集めなければならない」として、懸念を示している。
 中国では今年初め、全国規模で鳥インフルエンザの感染が拡大。いったん終息したものの7月初め、安徽省で再び感染が確認されている。中国国内で人への感染が確認された例はない。
 豚は鳥と人間のインフルエンザウイルスの両方に感染しやすく、豚の体内でウイルスが混ざり合って新型インフルエンザウイルスが生まれ、人類に大きな被害を及ぼす可能性があると警戒されている。

◎ベトナムの鳥インフルエンザ死者からH5N1型検出(2004年8月19日、読売新聞)
 【マニラ=中谷和義】世界保健機関(WHO)は18日、今月ベトナムで鳥インフルエンザに感染して死亡した3人のうち2人からH5N1型のウイルスが検出されたと発表した。
 同型ウイルスは今年初めの感染拡大時に猛威をふるったタイプ。WHOでは今後、試料の遺伝子配列を分析して、同型ウイルスがヒトからヒトに感染するタイプに変異していないか調べることにしている。
 WHOはまた、20日にも調査チーム2人をベトナムに派遣する。2人は2週間ほど現地調査にあたる予定だ。WHO西太平洋地域事務局(マニラ)の押谷仁・地域感染症アドバイザーは「冬になるとウイルスの動きが活発になる傾向がある」と述べ、早い段階での押さえ込みが必要だと訴えた。
 ベトナムでは今年初め、15人が鳥インフルエンザで死亡した。同国政府は3月末、終息宣言を出したが、その後も鶏への感染が続いていた。

◎鳥インフルエンザ、ベトナムで3人死亡、終息宣言以来初(2004年8月13日、朝日新聞)
 ベトナム政府は12日、同国内で死亡した3人が、鳥インフルエンザに感染していたことを確認した。保健省関係者によると、2人は北部ハタイ省の子供、1人は南部ハウザン省の大人だという。
 3月末に感染拡大の終息を宣言して以来、同国内で人への感染が確認されたのは初めて。鶏への感染は南部を中心に再発しており、政府は関係機関に警戒を呼びかけていた。
 世界保健機関(WHO)によると、今年初めからの鳥インフルエンザの流行では、ベトナムとタイで計23人が感染により死亡した。タイでは人の感染再発は確認されていないが、鶏の感染が全国的に広がり懸念が高まっている。

◎タイ、7県で鳥インフルエンザ再発確認(2004年7月14日、産経新聞)
 タイ農業・協同組合省当局者は13日、今月初めの鳥インフルエンザ再発以来、同日までに計7県で発生が確認されたことを明らかにした。
 これまで発生が確認されたのはアユタヤやパトゥンタニのほか、ウタラディット、ナコンサワンなど北部と中部の各県。被害拡大を防止するため、13日までに計1万4800羽以上の家禽(かきん)が処分されたほか、発生地点から5キロ以内で飼育されている家禽の移動禁止などの措置がとられている。(共同)

◎タイで記者が鳥インフルエンザに感染か(2004年7月11日、日本経済新聞)
 【バンコク11日共同】11日付のタイ各紙によると、同国中部パトゥンタニ県で同日までに、タイ人男性の新聞記者が発熱やのどの痛みなど鳥インフルエンザに似た症状で入院した。容体は安定しているもよう。
 タイ保健当局は感染の有無を確認中。この記者はパトゥンタニ県で発生した鳥インフルエンザを取材していたという。
 タイでは今年初めからの鳥インフルエンザ流行で12人の感染が確認され、うち8人が死亡したが、政府は5月に事実上の終息宣言を出した。7月に入りパトゥンタニ県などで養鶏場の鶏の感染再発が確認されたが、人間の感染は確認されていない。

◎タイ北部でも鳥インフルエンザの再発確認(2004年7月10日、産経新聞)
 タイ農業・協同組合省当局者によると、同省は10日までに北部ウタラディット県で、新たに家禽(かきん)の鳥インフルエンザ感染を確認した。感染死した家禽の数など詳細は不明。当局は感染拡大防止のため、既に家禽の処分に着手したという。
 タイは5月に、鳥インフルエンザは「事実上国内で制圧された」と発表したが、今月に入り中部アユタヤ、パトゥンタニ両県で再発が確認された。(共同)

◎鳥インフルエンザ再発のタイ、さらに2県で感染確認(2004年7月10日、朝日新聞)
 タイ農業・協同組合省は10日、同国北部のスコータイ、ウタラディット両県で鶏の鳥インフルエンザ感染を確認したと発表した。農家や養鶏場で約200羽が死亡、約1000羽を処分したという。
 タイ政府は5月中旬に感染の終息宣言をしたが、その後、再発を確認したのはこれで計5県になった。同省は「いずれも感染拡大は阻止した」としている。
 昨年末からアジアを中心に猛威をふるった鳥インフルエンザは、中国やベトナムでも再発した。

◎鳥インフルエンザ、中国南部にウイルス定着(2004年7月8日、読売新聞)
 東アジアで昨冬から今春にかけて流行した高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)は、中国南部の家きんの間に定着し、いつでも世界的な感染爆発が起きる可能性がある。そうしたことを米中など4か国の研究チームが家きん市場での調査から明らかにした。8日付の英科学誌「ネイチャー」に発表する。
 研究チームは、2000〜2004年にかけて毎月、中国南部の3つの省と香港の家きん市場に落ちているフンを採り、H5N1ウイルスの有無を調べた。
 中国南部ではほぼすべての年で、高い割合でフンからウイルスが見つかった。特に気温が20度以下の10〜3月で検出率が高かった。香港では04年にはウイルスがほとんど見られなくなった。このため、中国南部の家きんの間でウイルスが生き延び、冬に活発化しているとしている。
 ウイルスは年々変異していたが、02年からは「z」と呼ばれるタイプが勢力を増していた。翌年からタイやベトナム、インドネシアで流行したウイルスと同じだった。研究チームは「野鳥がウイルスを拡散する可能性がある。ウイルスの根絶は困難」と警告している。

・鳥インフルエンザ
 鳥の間で流行するインフルエンザの総称。鳥に強い毒性を持つH5N1型は高病原性として区別。このウイルスが人へ感染する例は極めてまれだが、人に感染しやすい型に変異する可能性も指摘されている。

◎鳥インフルエンザウイルスを検出、タイ2県で(2004年7月7日、朝日新聞)
 タイ農業・協同組合省のネウィン副大臣は7日、同国中部アユタヤ県の養鶏場で大量死した鶏から、鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)を検出したと語った。副大臣によると、隣接するパトゥンタニ県でも鳥インフルエンザの発生を確認、すでに約800羽を処分した。
 政府は、大量死があった2県の養鶏場の半径5キロ以内で、すべての鶏の処分を指示したという。

◎鳥インフルエンザ再発を確認、タイ(2004年7月7日、産経新聞)
 タイ農業・協同組合省のネウィン副大臣は7日、同国中部アユタヤとパトゥンタニ両県で鳥インフルエンザが発生したことを確認した。鳥インフルエンザは先月末にベトナム南部、今月6日には中国・安徽省でも相次いで発生が確認されている。
 タイ保健省は6日に、アユタヤの養鶏農場で死んだ鶏について「鳥インフルエンザ感染の可能性が高い」としていた。AP通信によると、タイ政府は既に両県の鳥インフルエンザ発生地点周辺の家禽(かきん)農場に対し、家禽の処分を命じたという。
 タイでは今年初めから猛威をふるった鳥インフルエンザで、12人の患者の感染が確認され、うち8人が死亡した。タイ政府は今年5月に「全国の家禽農場で再発の恐れがなくなった」として事実上の「根絶宣言」を行ったが、同月中に北部チェンマイの研究農場で、鳥インフルエンザが原因とみられる病気で家禽が死ぬ事例があった。(共同)

◎中国で鳥インフルエンザ再発、2月以来、感染拡大は抑制(2004年7月6日、朝日新聞)
 新華社電などによると、中国農業省は6日、安徽省巣湖市居巣区でニワトリが死亡し、鳥インフルエンザ(H5N1型)が死因だったことを明らかにした。中国での鳥インフルエンザ発生確認は今年2月下旬以来。
 農業省は3日、同区でニワトリ死亡の報告を受け、調査チームを派遣。発生現場を封鎖するなどの措置を取り、既に感染拡大を抑制したとしている。同省などは感染源を調査しているが、渡り鳥の可能性が高いとみられる。(時事)

◎中国:安徽省で鳥インフルエンザが発生(2004年7月6日、毎日新聞)
 中国中央テレビによると、中国衛生当局は6日、安徽省で鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)の発生を確認、現場から3キロ以内の家禽(かきん)類をすべて処分し、感染拡大は抑えたとしている。(北京・共同)

◎鳥インフルエンザ:タイ中部で再発か、約1000羽が死亡(2004年7月6日、毎日新聞)
 タイ保健省当局者が6日明らかにしたところによると、同国中部アユタヤ県の養鶏農場で、同日までに鶏約1000羽が鳥インフルエンザとみられる病気で死んだ。
 保健省は検査を実施し、死因の確定を進めている。保健省によるとこの農場では先週から鶏の異常死が相次いだという。
 今年初めから鳥インフルエンザが猛威を振るっていたタイでは、5月14日に政府が事実上の終息宣言を行った。しかし同26日には北部チェンマイ県の研究農場で、鳥インフルエンザとみられる病気で約300羽の家禽(かきん)が死んでいる。(バンコク共同)

◎ベトナムで鳥インフルエンザ拡大(2004年7月2日、産経新聞)
 ベトナム農業・地方開発省獣医師局幹部は1日、既に鳥インフルエンザの再発が確認された南部ドンタップ、バクリエウの2省のほか、南部を中心に4省で小規模の再発があったことを確認、これまでに家禽(かきん)計1万数千羽が処分されたことを明らかにした。
 同局幹部によると、4省は5月に再発した南部ビンロン、中部クアンガイと6月に再発した南部のティエンザン、カントー。いずれの省でも家禽からH5型の鳥インフルエンザウイルスが検出された。
 一方、獣医師局のブイ・クアン・アン局長は1日の会見で周辺国の中国、ラオス、カンボジアから大量の家禽が密輸されていることが鳥インフルエンザ再発の危険性を高めているとして、密輸取り締まりについて「3国と協議する」と述べた。(共同)

◎鳥インフルエンザ:ベトナムで再発確認、1万数千羽処分(2004年7月1日、毎日新聞)
 ベトナム農業・地方開発省獣医師局幹部は1日、既に鳥インフルエンザの再発が確認された南部ドンタップ、バクリエウの2省のほか、南部を中心に4省で小規模の再発があったことを確認、これまでに家禽(かきん)計1万数千羽が処分されたことを明らかにした。(ハノイ共同)

◎鳥インフルエンザ:朝鮮半島から渡り鳥介し「侵入」(2004年6月30日、毎日新聞)
 鳥インフルエンザの専門家でつくる農林水産省の「感染経路究明チーム」(座長、寺門誠致・農林漁業金融公庫技術参与)は30日、山口、大分、京都の3府県へのウイルス侵入経路について、渡り鳥を介して朝鮮半島から入り込んだ可能性が、極めて高いとする報告書をまとめた。
 同チームは3月末に発足。科学的見地から検討を重ねた結果、12月に感染が確認された韓国のウイルスの遺伝子と、その後に感染した国内各地のウイルスの遺伝子が極めて似ていることなどが判明した。
 このため、韓国などでウイルスに感染したカモなど野鳥が国内に飛来し、その野鳥のフンで感染したスズメやネズミなどが鶏舎内に侵入、ニワトリに感染したというルートが考えられると結論づけた。また、野鳥が飛来した池の水を飼育水に使ったことによる経口感染や、人間が鶏舎内への媒介役となった可能性もあるとした。3府県の感染ルートは独立しており、それぞれで野鳥がウイルスを運んできたとみている。
 同チームは報告書とともに、国際連携▽養鶏場での野鳥対策▽従業員への衛生管理教育−−などの強化を求める提言も作成した。農水省は提言を基に、今後の防疫体制づくりを進めていく。【望月靖祥】

◎ベトナム南部で鳥インフルエンザが再発(2004年6月30日、日本経済新聞)
 【ハノイ=町田猛】ベトナム南部バクリュウ省当局者は30日、同省でH5型の鳥インフルエンザが再発し、鶏が2000羽死亡、3000羽を処分したことを明らかにした。
 ベトナムは3月末、鳥インフルエンザの制圧を宣言していたが、農業・地方開発省がその後、全国の1万5000羽について調査したところ、全国の省・市の半数以上に当たる37省のサンプルからH5型の鳥インフルエンザウイルスが検出された。

◎鳥インフルエンザ再発、ベトナム南部(2004年6月30日、産経新聞)
 ベトナム農業・地方開発省当局者は30日、南部バクリエウ省で鳥インフルエンザが再発し、これまでに鶏約3000羽を処分したことを明らかにした。
 当局者によると、同省の1軒の農家が飼育する鶏が25日に死に始め、鶏からH5型の鳥インフルエンザウイルスを検出。この農家は3農場で約5000羽を飼育しており、うち約3000羽を処分したという。現在までに同省で感染が確認されたのはこの農家だけという。
 ベトナム南部では4月にもドンタップ省で小規模の感染再発が確認されており、開発省幹部は「感染拡大を防ぐための対策を強化する」と述べた。
 同国では1月半ばに鳥インフルエンザの人への感染が確認され、23人が感染、うち16人が死亡した。最近、中国から大量の家禽(かきん)が密輸されている上、13省で家禽などから鳥インフルエンザウイルスの抗体が検出され、開発省が警戒を呼び掛けていた。(共同)

◎ベトナム南部の鶏に鳥インフルエンザ感染見つかる(2004年5月6日、朝日新聞)
 ベトナムからの報道によると、同国南部ドンタップ省で4月中旬、新たに鶏の鳥インフルエンザ(H5N1型)感染が見つかった。感染の規模は明らかにされていないが、政府は「すでに封じ込めた」としている。
 ベトナムは3月30日に鳥インフルエンザの終息宣言をしたが、レ・フイ・ゴ農業・地方開発相は5日、「再発の危険性は今も高い」と話した。

◎鳥インフルエンザ、カナダでも人に感染、すでに快復(2004年3月28日、朝日新聞)
 カナダのブリティッシュコロンビア州で、鳥インフルエンザが発生した養鶏場の検査をしていたカナダ食品検査庁の男性職員がウイルスに感染していたことがわかった。カナダ放送協会(CBC)が27日、州当局者の話として伝えた。鳥インフルエンザの人への感染例はカナダでは初めて。
 CBCなどの報道によると、確認されたのは症状の比較的軽いH7型ウイルスの一種で、東南アジアで死者が出た型とは異なる。約2週間前に感染して結膜炎などの症状が出たが、その後快復した。ほかに約10人が風邪に似た症状を示したが、これまでのところ感染は確認されていない。
 同州では2月に鶏への感染が確認され、カナダ政府はさらなる感染防止のため、その養鶏場周辺の36万5000羽の鶏や七面鳥の処分を決めている。

◎鳥インフルエンザ:ベトナムで16人目の死者(2004年3月20日、毎日新聞)
 ベトナムの保健当局者は20日、高病原性鳥インフルエンザのため入院していた少年(12)が死亡したと発表した。同国の鳥インフルエンザによる死者は計16人になった。
 ロイター通信や地元紙によると、少年は南部タイニン省の病院に13日に入院、15日死亡した。
 ベトナムでは64省・直轄市のうち57省・市で家禽(かきん)の感染が確認されたが、政府は今月末にも鳥インフルエンザの終息を宣言する方針を示していた。(ハノイ共同)

◎鳥インフルエンザウィルス、遺伝子が韓国と一致(2004年3月19日、読売新聞)
 鳥インフルエンザ問題で、韓国で流行したウイルスと、国内の山口県などで検出されたウイルスがほぼ同一であることが、18日わかった。
 動物衛生研究所(茨城県つくば市)の分析で、双方のウイルスの遺伝子の塩基配列が99%以上一致した。農水省では、韓国での発生時期や、日本での発生地が韓国に近い西日本であることなどから、国内での感染は、韓国から渡り鳥などの野鳥がウイルスを持ち込んだ可能性が強まったと見ている。海外の発生国のウイルスとの関連が確認されたのも、感染ルートの手掛かりとなる具体的なデータが判明したのも初めて。
 韓国の鳥インフルエンザウイルスは、3月中旬に同研究所が入手。分析の結果、山口、大分両県や京都府で感染した鶏から検出したウイルスと、遺伝子の塩基配列が99%以上一致した。
 韓国では2003年12月半ばに、養鶏場の鶏から「H5N1型」の高病原性鳥インフルエンザウイルスが確認され、中・南部を中心に感染が拡大した。日本では2004年1月、山口県の養鶏場で感染が確認され、その後、大分県や京都府でも発生。いずれも韓国と同じ「H5N1型」で、3府県のウイルスは遺伝子の塩基配列が99%以上一致し、ほぼ同一とされた。
 3府県のウイルスについて専門家は、「非常に近いところに由来となるウイルスがあり、そこから3か所にそれぞれ入ったと思われる」とし、感染ルートについては「カモなどの渡り鳥から小鳥に移り、小鳥が鶏舎に入って鶏に感染した可能性がある」との見解を示していた。

◆塩基配列
 細胞の中では、様々な遺伝子が働き、機能を支えている。その遺伝子の役割を決めているのが、DNAという長い鎖のような化学物質の上に並ぶ4つの物質で、これを塩基と呼び、その配列が遺伝子情報となる。鳥インフルエンザウイルスの場合、98〜99%の配列が一致しないと、同系統かどうか論じることは出来ない。

◎京都、大阪でカラスから鳥インフルエンザウイルス(2004年3月17日、日本経済新聞)
 京都府は17日、同府亀岡市の山林で見つかったカラス1羽の死がいから鳥インフルエンザウイルスを検出したと発表した。大阪府も同日、茨木市内の民家の庭で死んでいたカラスから、鳥インフルエンザウイルスを検出した。
 高病原性のH5N1型ウイルスに感染したカラスは、16日までに京都と大阪で確認された6羽を確認。今回でウイルス検出のカラスは計8羽となった。
 京都府によると、カラスは14日、亀岡市の山林から3羽死んでいるのが見つかり、うち1羽からウイルスが検出された。亀岡市は、養鶏場で感染が相次いだ京都府丹波町の隣で感染カラスが見つかった園部町に隣接している。
 一方、大阪府によると、茨木市の発見場所は今月5日に高病原性ウイルスに感染したカラスが見つかったのと同じ民家。17日午後3時ごろ、民家の庭でカラス4羽がけんかしているのを住民が発見。1羽が死んだため、近くで野鳥の捕獲作業をしていた府職員に回収を依頼した。府南部家畜保健衛生所病性鑑定室(藤井寺市)の遺伝子検査でウイルスが検出された。

◎鳥インフルエンザ:大阪と京都でカラスからウイルス検出(2004年3月17日、毎日新聞)
 京都府は17日、亀岡市の山林で今月14日に見つかったカラス1羽の死がいから、鳥インフルエンザウイルスが検出されたと発表した。カラスの感染が確認されたのは7羽目。また、大阪府茨木市の民家の庭先で同日死んだカラス1羽を簡易検査した結果、鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が出た。大阪府は、詳しい検査を実施し、ウイルスが検出された場合は、京都府と同様、独立行政法人・動物衛生研究所(茨城県つくば市)に検体を送り、感染力の強い高病原性かどうかを確認する。
 亀岡市のカラスの死んだ時期は不明だが、浅田農産船井農場の鶏大量死が起きた丹波町の南東17〜18キロ離れ、ねぐらに集まったカラス同士で感染が広がった可能性があるとみている。カラスのねぐら調査をしていた府職員が14日、亀岡市千代川町で死んでいたカラス3羽を見つけ、うち1羽からウイルスが検出された。
 また、大阪府によると、17日午後3時ごろ、民家の庭先にいたカラス4羽のうち1羽がぐったりとなって死んだ。簡易検査を実施し、A型インフルエンザの陽性反応が出た。この民家の庭先では、今月5日に捕獲された後に死んだカラスから高病原性のウイルスが検出されている。府は民家から半径10キロ以内の養鶏農家4戸を立ち入り調査して鶏に感染していないかどうか調べ、移動制限区域外の2戸について移動自粛を要請する。現場は、丹波町から約29キロ離れている。【野上哲、堀雅充、宇城昇】

◎カラスから検出のウイルス、6羽目も「H5N1型」(2004年3月16日、日本経済新聞)
 京都府は16日、同府丹波町で10日に見つかったカラス1羽の死がいから検出された高病原性鳥インフルエンザウイルスが、感染が確認された浅田農産船井農場の鶏と同じH5N1型と判明したと発表した。
 これでH5N1型の感染が確認されたカラスは、京都府と大阪府で計6羽になった。
 新たに判明した1羽は、船井農場から約5キロの竹林の中で見つかった3羽のうちの1羽。動物衛生研究所(茨城県つくば市)でウイルスの型を最終確認していた。残りの2羽は陰性だった。
 また、府はカラスの感染調査のために設置したわなで15日、初めて1羽を捕獲したが、簡易検査で陰性だったという。〔共同〕

◎「鳥インフルエンザを事実上制圧」・中国農業省(2004年3月16日、日本経済新聞)
 【北京=宮沢徹】中国農業省は16日、1月下旬に発生した鳥インフルエンザを事実上制圧したと宣言した。この日は広西チワン族自治区南寧市とチベット自治区ラサ市の封鎖を解除し、感染地域49カ所すべての封鎖を解いた。29日間連続で新たな感染がなく、人間への感染例もないという。
 ただ、会見した農業省のスポークスマンは「中国は家禽(かきん)が多く流通ルートなどの管理が難しい。渡り鳥による感染の可能性もある」と再発の可能性を指摘した。今後は飼育方式を近代化し、感染が一気に拡大しかねない大規模飼育から小規模飼育への切り替えを進めていく。

◎鳥インフルエンザ:京都・丹波のカラスは「H5N1型」(2004年3月16日、毎日新聞)
 京都府丹波町の竹林で10日に見つかり、鳥インフルエンザウイルス感染が判明したカラスは、独立行政法人・動物衛生研究所(茨城県つくば市)の検査で16日、ウイルスの血清の型が高病原性の「H5N1型」と確認された。鶏が大量死した浅田農産船井農場などで検出されたのと同じ型。府などは引き続き問題のカラスの感染時期などを詳しく調べている。

◎鳥インフルエンザ、タイで8人目の死者、闘鶏から感染か(2004年3月16日、朝日新聞)
 タイ保健省は16日、中部アユタヤ県の女性(39)が、鳥インフルエンザに感染していたことを確認した、と発表した。女性は12日に死亡した。タイ国内での鳥インフルエンザ感染者はこれで12人になり、このうち8人が死亡した。
 保健省によると、女性は今月1日に高熱などの症状が出て入院した。2月半ば、女性の隣家で飼っていた闘鶏用の鶏20羽が死んだことから、保健省はこの鶏からの感染ではないかとみている。
 タイとベトナムでは、今季の鳥インフルエンザの流行でこれまでに計34人の感染者が出ている。このうち死者は23人。ベトナムでは2月半ば以降新たな感染者は確認されていないが、タイでは3月に入っても患者が発生。両国政府とも「鶏の感染拡大は下火になった」との見方だが、世界保健機関(WHO)など国際機関は、長期的、徹底的な対策が引き続き必要だとしている。

◎船井農場を丹波町に寄付へ、浅田農産が申し入れ(2004年3月15日、産経新聞)
 京都府丹波町の鳥インフルエンザ問題で、浅田農産(兵庫県姫路市)がウイルス感染が確認された船井農場の土地と建物の寄付を同町に申し入れていたことが15日分かった。
 同社の浅田秀明社長(41)はすでに、同農場を閉鎖する方針を京都府などに伝えていたが、周辺住民らは跡地が別の養鶏業者に転売されることを懸念、町に買い取りなどを要望していた。
 丹波町によると、寄付の申し出があったのは13日。岡秀夫助役は「抵当権などの問題もあり(寄付を受けるかどうかは)まだ決まっていないが、住民も不安を訴えており、検討を急ぎたい」と話している。
 同農場は約4万平方メートルで、10の鶏舎がある。飼育していた鶏約22万5000羽や鶏卵などを地中に埋める処分は終了し、現在は鶏舎内に残る推定約1万立方メートルの鶏ふんなどの消毒作業が進められている。

◎大阪の感染したカラスもH5N1型(2004年3月15日、日本経済新聞)
 大阪府茨木市の民家で捕獲され、その後死んだカラスから検出された鳥インフルエンザウイルスは、京都府丹波町の浅田農産船井農場などの感染鶏と同じH5N1型だったことが15日、茨城県つくば市の動物衛生研究所の鑑定で分かった。
 大阪府によると、弱ったカラスは5日、住民が自宅の庭で見つけ捕獲。府警茨木署に運ばれ、7日に死んだ。府南部家畜保健衛生所が10日にウイルスを確認し、動物衛生研究所がウイルスの型を最終確認していた。〔共同〕

◎鳥インフルエンザ:浅田農産、船井農場の土地・建物を寄付へ(2004年3月14日、毎日新聞)
 京都府丹波町の鳥インフルエンザ問題で、浅田農産(本社・兵庫県姫路市)の浅田秀明社長が、鶏が大量死した船井農場の土地・建物を府か町に寄付する意向を町に伝えていることが13日、分かった。町幹部が同夜、地区の役員に対する説明会で明らかにした。農場閉鎖後の跡地については、別の養鶏業者などに転売される懸念が町民に広がっていた。
 同農場は80年にできた。敷地は約4万平方メートル。
関係者によると、同日午前、横山義雄町長と浅田社長が電話で船井農場の取り扱いを協議した。浅田社長から寄付の申し出があり「府または町へ寄付したい」との書面が町に届いたという。寄付を受けるのは町になる見通しという。
 船井農場の今後をめぐっては、鶏ふんを鶏舎に残したまま防疫措置を取ることに対して、地元住民に不安の声が根強かった。住民らは、この方法を了承する条件として、町や府に「施設を買い取って、別の業者を含め二度と養鶏業が営まれないようにしてほしい」と強く要望していた。
 これで、町が町民に参加を呼びかけている鶏ふん処理にも弾みがつきそうだ。【松田栄二郎、丹野恒一】

◎浅田農産告発は防疫完了後に、農水相(2004年3月12日、産経新聞)
 京都府丹波町の浅田農産船井農場の鳥インフルエンザ問題で、亀井善之農水相は12日の閣議後の会見で、「当面は鶏糞(ふん)の処理が残っており、防疫措置の徹底が続けられる。京都府から経緯を正確に聴取し、告発を視野に入れて判断したい」と述べ、家畜伝染病予防法違反罪で浅田農産の刑事告発は防疫措置を終えた後になるとの見通しを示した。

◎大阪・茨木市のカラスからインフルエンザウイルスを確認(2004年3月11日、朝日新聞)
 大阪府は10日、京都府と隣接する茨木市内で見つかったカラス1羽からインフルエンザウイルスが確認されたと発表した。8日には、京都府丹波町と園部町で見つかった計2羽のカラスから高病原性鳥インフルエンザのウイルスが検出されており、両地点から茨木市の発見場所まで30キロ圏内に入る。大阪府は動物衛生研究所(茨城県つくば市)で、丹波町などのカラスのウイルスと同型かどうかを調べる。
 大阪府は、カラスの行動範囲とされる10キロ圏内にある茨木市、豊能、能勢両町内にある養鶏農家計4戸に、大阪府北部家畜保健衛生所の獣医師6人を派遣し、約1万8千羽のうち29羽から気管の粘膜などを採取した。4戸とも、外見上異常が見られる鶏はいなかったという。また、カラスが見つかった茨木市など3市2町に檻(おり)を1基ずつ設置し、野鳥を捕獲して感染が拡大していないか調べる。
 5日午後11時ごろ、茨木市上音羽の住民が、自宅の庭で弱っているカラスを見つけ、茨木署見山駐在所に「庭に飛べないカラスがいる」と通報した。市街地から北に約10キロ離れた京都府に近い山間部で、同駐在所から署員が出向いて捕獲し、段ボール箱に入れて署の中庭に置いていたところ、7日夕に死んだ。
 署からは同日夜に茨木市に連絡があり、大阪府北部家畜保健衛生所が8日午前にカラスの死骸(し・がい)を回収。簡易検査では陰性だったが、ウイルスの分離検査をしたところ、10日夕にインフルエンザウイルスが検出された。大阪府は、カラスが見つかった民家や茨木署などを消毒した。発見者や警察官らの健康状態にも異常は見られないという。
 4日から5日かけて、京都府丹波町の浅田農産船井農場の敷地内と、同府園部町内林町の民家前で死んだカラスが見つかり、8日に高病原性鳥インフルエンザのウイルスが検出された。カラスが捕獲されたのも5日で、茨木市上音羽から船井農場までの距離は約30キロ、園部町とは約24キロ離れている。

◎鳥ウイルス感染、大阪・茨木市で3例目のカラス(2004年3月10日、読売新聞)
 大阪府は10日、同府茨木市北部で捕獲されたカラス1羽の死がいから、鳥インフルエンザウイルスが検出されたと発表した。
 野生のカラスの感染確認は、京都府丹波町、園部町に次いで3例目。動物衛生研究所(茨城県つくば市)で、高病原性の「H5N1」型かどうかなどの確認を急ぐ。
 府などによると、カラスは今月5日、同市上音羽で弱っているのを住民が見つけ、茨木署で保護。7日に死亡し、8日、府南部家畜保健衛生所病性鑑定室が回収してウイルス検査をしていた。
 カラスが見つかったのは、感染で鶏が大量死した京都府丹波町の浅田農産船井農場の南東約30キロで、鶏や卵の移動制限区域内。遺伝子検査(PCR検査)では陰性だったが、検体の培養検査で、A型インフルエンザウイルスを検出した。
 これを受け、府は同日夜、近くの2か所の養鶏農家・施設を立ち入り検査した。現時点では、鶏肉などの移動自粛を求める必要はないとしている。11日には周辺でカラス、野鳥を捕獲し検査を行う。
 府農政室は「カラスの行動範囲は約10キロ。今回、見つかったカラスが、船井農場周辺から直接、飛んできたとは考えにくく、感染経路はわからない」と言う。
 一方、農水省は「カラスの発見は、船井農場などで感染死したカラスが見つかったのと同じ日。時間的な経緯から、同農場からの感染ではないかと思えるが、ねぐらなどで一緒になったカラス同士の2次感染の可能性もある」としている。

◎大阪のカラスからウイルス検出、鳥インフルエンザ(2004年3月10日、産経新聞)
 大阪府は10日、同府茨木市内の民家の庭で弱っているところを捕獲され、その後死んだカラス1羽から鳥インフルエンザウイルスを検出、感染を確認したと発表した。
 カラスの感染判明は高病原性ウイルス感染が判明した養鶏場のある京都府丹波町と隣の園部町で5日に見つかった死がい各1羽に続き3例目。
 この民家は、丹波町の感染養鶏場から半径30キロの移動制限区域内。府は「カラスの行動範囲からみて丹波町から飛来したとは考えにくい」としている。
 府などによると、ウイルスが検出されたカラスは5日午後11時半ごろ、弱ってふらふら歩いているのを住民が自宅の庭で発見、近くの駐在所へ通報した。駐在所の警察官が捕獲し茨木署に運んだが、7日に死んだ。
 8日にウイルスの遺伝子を調べるPCR検査を行った結果では陰性だったが、さらに詳しく検査したところ10日にウイルスが分離、確認された。茨城県つくば市の動物衛生研究所で高病原性かどうかを最終確認する。府はカラスの行動範囲である半径10キロ以内の養鶏場に職員を派遣、感染の有無を調査する。
 府北部家畜保健衛生所が駐在所と発見者の家、カラスを運搬したパトカー、同署内で運んだ経路などを既に消毒し、駐在所の警察官にも異常はないという。

 大阪にも"飛び火"した鳥インフルエンザ問題。「なぜ、こんなところまで」。大阪府茨木市の民家の庭で捕まったカラスから10日、ウイルスが検出された。住民や養鶏業者に新たな戸惑いと不安が広がった。
 茨木市内の養鶏業者の男性は知らせを聞いて「本当ですか」と絶句。「11日、野鳥からの感染防止対策として、目の細かい網を取り付ける予定だった。まさかここでも…」。動揺を隠せなかった。
 茨木市役所では担当職員らが電話対応に追われた。地元保健所の職員は「情報がさっき入ったばかりなので」と混乱した様子。
 「広がらなければいいと祈っていたのに」と言うのは茨木市に隣接する同府高槻市の小鳥店長の丸山重夫さん(61)。春は手乗り用のひなが売れる時期だが、最近は客足が鈍いという。「カラス以外の野鳥にも感染していないだろうか」と心配していた。

◎鳥インフルエンザ、大阪でもカラスからウイルス(2004年3月10日、日本経済新聞)
 大阪府は10日、茨木市内で見つかったカラス1羽の死がいから、鳥インフルエンザウイルスが検出されたと発表した。培養検査でウイルスが分離されたため、動物衛生研究所(茨城県つくば市)に送り、京都府丹波町で発生した高病原性H5型かどうか最終確認する。
 カラスから同ウイルスが検出されたのは京都府の丹波町と園部町の2羽に続き三例目で、大阪府では初めて。今回のカラスの発見現場と丹波町は28キロ離れているため、農水省、大阪府などは感染ルートの解明を急ぐ。府によると、今月5日午後十一時半ごろ、茨木市北部の民家の庭で、弱ったカラスを住民が発見、近くの交番に通報した。茨木署員が捕獲し、署で預かっていたが、7日夕、カラスは死んだ。茨木市役所を通じて連絡を受けた府が8日、特定の遺伝子を増幅させる「PCR検査」をしたところ陰性だったが、同時に検体の一部を鶏卵に接種し培養させる「発育鶏卵接種試験」を実施したところ、10日夕にA型インフルエンザウイルスが検出された。

◎タイで11人目の患者、鳥インフルエンザ(2004年3月9日、産経新聞)
 タイ保健省当局者は9日、ナコンラチャシマ県の男性(29)が鳥インフルエンザに感染していたことを確認した。男性は既に回復している。同国での感染確認は11人目で、うち7人が死亡している。
 男性は先月13日に発症後、病院に入院したが、今月7日に退院した。鳥インフルエンザで死んだとみられる闘鶏用の鶏を自ら処分した後、感染したもよう。(共同)

◎死んだカラス、船井農場のウイルスと同じ型(2004年3月9日、読売新聞)
 京都府丹波町の鳥インフルエンザ問題で、農水省は9日、死亡したカラス2羽から検出されたウイルスの型が、同町の浅田農産船井農場や高田養鶏場で検出されたものと同じ「H5N1型」であることを確認した。
 引き続き動物衛生研究所(茨城県つくば市)で、遺伝子の塩基配列を解析し、船井農場などのものと同一のウイルスであるかどうか判定する。専門家によると、国内で野鳥から、高病原性のH5N1型ウイルスが検出されたのは初めて。
 2羽のカラスは今月5日、船井農場の敷地内と同町に隣接する園部町内で死亡しているのが見つかった。
 同省の家きん疾病小委員会の委員長を務める喜田宏北大大学院教授は、「ウイルスは鳥の体内に長期間とどまれないので、船井農場の鶏から感染した可能性が極めて高い」と話し、カラスによるウイルスの拡散の懸念について「カラスは行動範囲が限られているので、30キロの移動制限区域外に出る可能性は低い」としている。

◎京都の鶏卵被害、鳥インフルエンザで最大4億円(2004年3月9日、日本経済新聞)
 農水省は9日、京都府丹波町で発生した高病原性鳥インフルエンザで、移動制限を受けた採卵農家の被害額を試算した。最長40日間の出荷制限を受けた場合、被害額は最大で4億円になるという。同省は家畜伝染病予防法で補償を受けられない周辺農家の被害は大きいとして、補償の対象を広げるよう法改正を急ぐ考えだ。
 試算は感染の見つかった養鶏場「浅田農産船井農場」(同町)の周囲30キロメートル以内で、採卵業を営む農家を対象にした。周辺には約140万羽の鶏が飼育され、移動制限により卵の出荷ができなくなり、毎日1000万円程度の被害が出ているという。
 一方、鶏肉農家は移動が禁止されても、出荷する時期を遅らせれば対応できるため、今回の試算に加えなかった。

◎鳥インフルエンザ、タイで11人目の感染者(2004年3月9日、朝日新聞)
 タイ保健省は9日、タイ東北部ナコンラーチャシーマ県の男性(29)が、鳥インフルエンザに感染していたことを確認した。タイでの感染者はこれで11人となり、そのうち7人が死亡している。
 同省によると、男性は自宅で闘鶏用の鳥を飼っており、この鳥が死んだ際、手で直接触れて処分をしたという。2月半ばに発病し、3月7日に退院した。
 タイ農業・協同組合省では、同国内の鳥インフルエンザの鶏への感染拡大は収まる傾向にあるとしている。しかし、感染の疑いがある人は今も十数人いるという。

◎カラス2羽もH5N1型、京都の鳥インフルエンザ(2004年3月9日、朝日新聞)
 京都府丹波町の浅田農産船井農場と園部町内で死んでいた野生のカラス2羽が高病原性鳥インフルエンザに感染した問題で、農林水産省は9日、さらに詳しい分析をした結果、このウイルスは船井農場の鶏などから検出されたものと同じタイプのH5N1型だったと発表した。毒性が強いウイルスとされる。
 農水省は、カラスは船井農場で感染した可能性が強いとみており、さらに詳しい遺伝子解析を進め、感染ルートの解明につなげたい考えだ。
 H5N1型の鳥インフルエンザは今年、船井農場や、そこから5キロの距離にある養鶏場、山口県、大分県のほか、アジア各国で発生している。

◎鳥インフルエンザ:カラス死がいからウイルスを検出、京都(2004年3月7日、毎日新聞)
 京都府丹波町の鳥インフルエンザ問題で、府は7日、鶏が大量死した浅田農産船井農場の敷地内と、農場から約6キロ南の園部町で死んでいたカラス2羽から鳥インフルエンザウイルスを検出したと発表した。独立行政法人・動物衛生研究所(茨城県つくば市)にウイルスを送り、鳥に対する感染力の強い高病原性かどうか調べる。府は、野鳥を媒介にした伝染拡大の懸念もあるため、府内の養鶏農家に、野鳥が鶏舎に入らないよう網を張るなど対策の徹底を指示した。
 府によると、カラスは船井農場での感染が発覚した後の今月5日発見。同農場で死んだ2羽と、丹波町と隣接する園部町の民家前など2カ所で死んだ2羽の計4羽の簡易検査を実施した結果陰性だったが、府中央家畜保健衛生所でより詳しいウイルス分離検査をしたところ、2羽からA型ウイルスを検出した。A型には同農場の鶏が感染した「H5N1型」のように高病原性から毒性の弱いものまであるため、さらに分析の必要がある。
 2羽は「ハシブトガラス」とみられ、一つの地域に定住する性質がある。記者会見した青合幹夫・府農林水産部長は「野鳥が鶏の感染を媒介したか不明だが、行動範囲が広いので農家での対策を再徹底したい」と話した。
 また、船井農場では、7日、殺処分を終えた鶏約25万羽を回収し、農場隣の土地に掘った深さ5メートルの穴に搬入する作業が本格的に始まった。搬入後、埋め立て処分にする。
 一方、兵庫県八千代町の鶏肉処理業者「アリノベ」で殺処分された鶏6880羽の焼却処分が7日、終了した。焼却は同県姫路市の産廃処理業者で行われ、アリノベに冷凍保存されていた鶏肉約33トンと羽毛、鶏を入れていたかごや搬出作業をした県職員の防疫服なども焼いた。【野上哲、山崎明子、山本真也】

◎浅田社長、鶏大量死直後に感染認識か、防疫服に替える(2004年3月7日、読売新聞)
 京都府丹波町の鳥インフルエンザ問題で、「浅田農産船井農場」の浅田秀明社長(41)が、山口県での感染確認から間もない1月中旬ごろ、船井農場の朝礼で「鶏が死んだら報告を」と従業員に訓示し、同農場での大量死が始まった2月20日ごろからは連日、農場を訪れて白い防疫服に着替えていたことが6日、わかった。
 従業員らは「社長は鳥インフルエンザの危険性を十分に認識し、当初から感染の疑いを持っていたのではないか」と話しており、京都府警はこれらの証言に関心を寄せている。
 複数の従業員の証言によると、浅田社長は山口県の感染確認から2、3日後の朝礼で「もし20羽、30羽、あるいは50羽、100羽と連続して死ぬようなことがあれば、すぐに知らせてほしい。異常が見つかったら報告を」と話したという。農場では、8号鶏舎で2月20日に死んだ鶏が1000羽余りになり、23日には約2000羽、26日には7000羽と急激に増え始めた。
 従業員によると、浅田社長は、普段はジャンパーにスラックス姿で月に1、2回しか同農場に姿を見せないのに、2月20日ごろからは連日、農場を訪れていた。これまでは、農場内でも普段着だったので、防疫服を着ているのを見て「なんでやろ」と不思議に思っていたという。
 26日には生きた鶏を入れる出荷用のかごが半分しか埋まらないほど鶏が死に、多くの従業員が異変を感じて動揺したという。この従業員は「浅田社長から腸炎で死んだと説明されていたが、この時点で絶対に変だと確信した」と話している。
 浅田社長は鳥インフルエンザの危険性について、十分な認識があったと考えられ、府警は防疫服を着ていたことについても関係者から事情を聞く方針。

◎鶏感染死の「浅田農産」立件へ、京都府警が近く捜査本部(2004年3月3日、朝日新聞)
 京都府丹波町の「浅田農産船井農場」をめぐる高病原性鳥インフルエンザ問題で、大量死した鶏が鳥インフルエンザにかかっていた可能性があるのに府にすぐに届けなかった疑いがあるとして、京都府警は近く捜査本部を設置する。同農場を経営する「浅田農産」(本社・兵庫県姫路市、浅田秀明社長)について、家畜伝染病予防法違反容疑などでの立件を目指す。同農場が大量死を通報しなかった問題では、農水省や京都府が刑事告発するかどうか検討している。
 京都府などによると、船井農場では2月18日に101羽、19日に118羽が死に、20日からは1000羽以上、23日からは2000羽以上が死ぬなど、鶏の大量死が続いた。府は、19日にあった通常の立ち入り検査の際、異状があれば通報するよう指示した。しかし、同農場は通報せずに出荷を続け、26日夜に府への匿名の通報で発覚した。
 大量死が続く中、25、26の両日には、約1万5500羽を生きたまま、兵庫県八千代町の「アリノベ八千代工場」と愛知県豊橋市の食鳥処理場に出荷した。このため、同工場にいた鶏も一部が鳥インフルエンザにかかり、感染の拡大が確認された。
 府警は大量死が発覚した直後の27日、浅田社長から事情聴取した。浅田社長は「腸炎だと思った。鳥インフルエンザとは思わなかった」と話したという。
 府警は、死んでいく鶏の症状と鳥インフルエンザの症状、大量死などについて、どんな認識を持っていたのかを中心に捜査していく方針。
 家畜伝染病予防法は、家畜が法律に定めた病気に感染したり、似た症状が出ていることに気付いたりした場合、獣医師や所有者が都道府県に届け出ることを義務づけている。高病原性鳥インフルエンザは同伝染病に指定されている。所有者が違反した場合は、1年以下の懲役か50万円以下の罰金が科せられる。
 1月には農水省が「鳥インフルエンザを常に疑い、否定できない場合は死んだ鳥の数にかかわらず、養鶏農家はすぐに届け出るように」と都道府県に徹底させるよう通達を出している。

◎浅田農産会長「隠す意図なかった」、謝罪会見で(2004年3月2日、朝日新聞)
 京都府丹波町の浅田農産船井農場の鶏が鳥インフルエンザに感染した問題で、農場を経営する浅田農産の浅田秀明社長(41)と父親の浅田肇会長(67)が2日午前、兵庫県姫路市の本社で記者会見した。秀明社長は同農場で鶏の大量死が始まった後に、同県八千代町で食鳥処理場を営む「アリノベ」(同県中町)に約20万羽を引き取るよう要請したとされる点について「一度は出荷を中止したいと申し入れたが、アリノベ側に断られた」と釈明した。
 肇会長は「ご迷惑をおかけして、全国の皆さんや消費者に深くおわび申し上げます」と謝罪。「予想もしていなかったことで経験がなく、前後の対処を間違った」と述べた。そのうえで鶏が大量に死に始めたことについて京都府への報告が遅れ、感染が拡大した点については「隠す意図はなかった」と強調した。
 秀明社長によると、農場内の鳥がすでに大量死し始めていた2月23日、アリノベ側に「卵の価値が下がっている。食肉化して船井農場を空にしたい」と伝え、大量死した鶏舎以外の鶏すべてを引き取ってほしいと求めた。この時点では大量死の原因は腸炎と思っていたため、鳥インフルエンザの可能性は考えなかったという。
 25、26の両日に約9900羽を出荷したが、大量死はさらに拡大していたため、アリノベ側に「出荷をやめたい」と伝えたが、「すでに枠を取ってあるので困る」と言われた。このため、浅田農産は代わりに同社の姫路農場から出荷することを検討していたという。
 この点についてアリノベ側は、入荷した鶏が大量に死んだことについて浅田農産側に問い合わせた際、「『腸炎で死んだ』『担当者が間違って水をやらずに体力が落ちた』などと説明された」としている。

◎鳥インフルエンザ:浅田農産社長ら謝罪、隠ぺい疑惑は否定(2004年3月2日、毎日新聞)
 京都府丹波町の「浅田農産」(本社・兵庫県姫路市)船井農場で発生した鳥インフルエンザ問題で、浅田農産の浅田秀明社長(41)と浅田肇会長(67)は2日午前、本社で会見し、「全国の消費者の皆さんにご迷惑をおかけしたことを、非常に申し訳なく思っています。どうもすみませんでした」と謝罪した。
 一方、兵庫県八千代町の鶏処理業者「アリノベ」(有延秀男社長)へ出荷した約9900羽について、鳥インフルエンザの出た8号鶏舎ではなく3号鶏舎から出荷したとしたうえで、「(死んだ鶏は)腸炎と思っていた。腸炎を出したのは3号鶏舎だった」と説明。また、「出荷を2日間で辞めようとこちらから申し出た。隠ぺいしようと思っていれば出荷を止めなかった」と隠ぺいの疑いを強く否定した。
 船井農場で大量死が始まったのは2月20日。「アリノベ」の有延秀棋専務によると、2月25〜27日に2万5000羽の引き取りを予定していた。ところが23日になって浅田社長から「卵相場が低落しているので、鶏を全部出して鶏舎をからっぽにしたい」と、合計20万羽分の追加取引の要望が来ていたという。
 会見で浅田社長は「鳥インフルエンザの症状は分からなかった」と、鳥インフルエンザの症状を事前に確認できなかったと強調した。

◎「船井農場で養鶏続けない」、浅田農産社長が地元に約束(2004年3月2日、朝日新聞)
 京都府丹波町の養鶏場「浅田農産船井農場」で発生した鳥インフルエンザ問題で、府の麻生純副知事と同町の横山義雄町長は1日、同社の浅田秀明社長から、船井農場での養鶏はこれ以上続けないことと、跡地は転売しないことを約束した書類が府や町に提出されたことを明らかにした。
 同農場をめぐっては、鶏が大量死していることが明るみに出て以降、住民から「浅田農産が船井農場を閉鎖しても、別の業者がここで養鶏を続けるのではないか」と不安視する声が相次いでいた。
 浅田農産によると、同社は、船井農場のほか、兵庫や岡山など5カ所で養鶏農場を経営している。

◎京都もH5N1型と確認、山口、大分と同じタイプ(2004年3月1日、産経新聞)
 京都府丹波町の養鶏場「浅田農産船井農場」で発生した高病原性鳥インフルエンザ問題で、農水省は1日夕、対策本部の会合を開き、検出されたウイルスが動物衛生研究所(茨城県つくば市)の鑑定で山口、大分両県のものと同じH5N1型だったことが報告された。
 兵庫県の食鳥処理場に出荷され陽性反応が出た鶏も、H5型ウイルスの感染が確認され、引き続き分析が続いている。
 農水省は会合で、浅田農産船井農場から発生の届け出が遅れたことを重視し、再発防止のため防疫マニュアルの見直しを急ぐほか、原因究明を進める方針を確認した。
 また、ウイルスに感染した鶏が生きたまま出荷され、一部が鶏肉として流通したことについても、国と自治体間の連絡体制が十分だったかどうかを検討した。
 農水省は感染ルートの解明を進めるため、今週中にもウイルスなど専門家による家禽(かきん)疾病小委員会を開く。

◎鳥インフルエンザ:浅田農産、大量死中に20万羽引き取り要請(2004年3月1日、毎日新聞)
 京都府丹波町の採卵養鶏場「浅田農産」(本社・兵庫県姫路市、浅田秀明社長)船井農場の鶏インフルエンザ問題で、同農場で鶏が大量死を続けていた最中の2月23日、浅田社長が兵庫県八千代町の鶏肉処理業者「アリノベ」(有延秀男社長)に対し、当初予定していた取引とは別に急きょ、同農場にいる20万羽すべての鶏を引き取るよう依頼していたことが1日、分かった。アリノベの有延秀棋専務が明らかにした。通報遅れなどが指摘され、家畜伝染病予防法など、法律違反がないかどうかについて浅田農産関係者からの説明を受けている京都府警も、同社の意図について関心を寄せている。
 船井農場で大量死が始まったのは2月20日。有延専務によると、もともと2月25〜27日に2万5000羽の引き取りを予定していた。ところが、23日になって浅田社長から「卵の相場が低落しており赤字になるだけなので、鶏を全部出して鶏舎を空っぽにしたい」と、合計20万羽分の追加取引の要望が来たという。
 唐突な申し出は十数年来の取引でも初めてだったが、鶏卵相場は昨年12月から低落し、養鶏業者の倒産が相次いでいることから「浅田社長も大変なんだろう」と承諾したという。数量が多いため、他の加工業者にも声をかけ、3月20日までかけて引き取る段取りをしたという。この日程についても有延専務側は「3月23日までに」と提示したのに対し、浅田社長は「(3月)20日までに」と求めたという。
 その後、アリノベが2月25、26日に計約9900羽を引き取ったところで、27日に船井農場での鳥インフルエンザ陽性反応が明らかになった。
 浅田農産本社は「会長が答えることにしているが、不在なので何とも答えられない」としている。【山本和良】

◎鳥インフルエンザ、浅田農産、大量死直後“駆け込み出荷” 低い防疫意識(2004年2月29日、産経新聞)
死んだら売れない?
 京都府丹波町の養鶏採卵場「浅田農産船井農場」から、鳥インフルエンザウイルス陽性発覚前に生きたままの鶏約一万五千羽を出荷した浅田農産(兵庫県姫路市)の浅田肇会長は二十八日、大量死に気付いた直後に「死んだら引き取ってもらえない」と、当初予定を早めて出荷したことを示唆する発言をしていた。
 しかし、これが報道されたことを受けて同日夜、「予定を早めて出荷したというのは自分の想像だった」と、発言の修正もしている。
 ただ、浅田会長は「移動させてしまったことは判断が甘く、責任を感じる」と被害を拡散させたことを謝罪。日本養鶏協会(東京都)の副会長など業界関係の役職を辞任する意向を示した。
 浅田会長の当初の説明では、農場内の鶏舎十棟のうち二棟で今月二十日ごろ、大量死が発生。二十三日ごろ、隣接する鶏舎の鶏を予定より二カ月早く出荷することを決めたという。
 浅田会長は当初「弱った鶏を処理場に出すのは業界では一般的」と釈明していた。
 “駆け込み出荷”が行われた可能性があることについて、兵庫県の青砥謙一防災監は「異変を察知しながら出荷を早めたとすれば、けしからんこと」と批判している。
 農水省でも「処理場に出入りする養鶏業者や、車両を通じて、感染を拡大させる危険がある」と問題視している。
 発症していない鶏の体内でもウイルスは増殖し、フンやクシャミで排出され、移動中のトラックや、食鳥処理場内でウイルスが蔓延(まんえん)する。さらに、食鳥処理場には各地の養鶏業者が集まるため、出荷した鶏からウイルスが他の業者の着衣や車のタイヤに付着し、感染を広げる懸念もある。
 農水省の家禽(かきん)疾病小委員長を務める喜田宏・北大教授は「エサにウイルスが混じっている可能性がある」と指摘する。飼料業者が複数の養鶏場に搬入する際に、ウイルスが飼料に混入したりすることもあるという。
 喜田教授は山口・下関、大分・別府、京都・舞鶴と、発生場所に港湾施設があることに着目。海外渡航者などを媒介して広がった可能性もあると推定している。

◎鳥インフルエンザ:船井農場に飼育鶏の全処分命令、京都府(2004年2月29日、毎日新聞)
 京都府は29日朝、高病原性鳥インフルエンザで鶏が大量死した京都府丹波町の採卵養鶏場「浅田農産」(本社・兵庫県姫路市)船井農場に、飼育する鶏を全て処分させる命令を出した。
 同日午前10時、浅田秀明社長に現地で命令書を手渡した後、府と丹波町の職員約50人が防疫服を着て農場に入り、従業員らと共同で作業を開始した。同農場では約20万羽を飼育。今月20日から28日までに7万羽近くが死亡しており、生き残っている鶏十数万羽を順次プラスチック袋に入れ、炭酸ガスを注入して安楽死させる。死んだ鶏は地中に埋められる予定。【野上哲】

◎京都・兵庫で鶏の処理作業始まる(2004年2月29日、日本経済新聞)
 京都府丹波町の養鶏採卵場で高病原性鳥インフルエンザ感染が確認された問題で、京都府は29日、養鶏採卵場「船井農場」を経営する「浅田農産」(兵庫県姫路市)に対し、家畜伝染病予防法に基づく鶏の殺処分を命令、同社は処理作業に着手した。死んだまま放置されている分を含め十数万羽に上り、数日かかる見通し。
 兵庫県も同日、簡易鑑定で鶏から陽性反応が出た食鳥加工会社「アリノベ」の処理場(同県八千代町)で、船井農場と岡山、広島県から持ち込まれ未処理のままだった計6880羽を殺処分した。
 環境省は同農場周辺でウイルスを運ぶ渡り鳥の生息状況を調べるため1日、職員を派遣する。
 一方、八千代町のアリノベの処理場から鶏肉約60羽分が業務用などに販売されていたことが京都市などの調べで判明。大阪府によると、一部が大阪市の飲食店で鶏ガラスープに使われたという。
 高病原性ウイルスの確認により、船井農場の半径30キロが防疫マニュアルに基づく鶏や卵の移動制限対象となり、大阪府と兵庫県が制限区域を決定。京都府も対象地域が確定次第、発動する。〔共同〕

◎生きた鶏1万5千羽を出荷、一部流通、京都の鳥インフルエンザ(2004年2月28日、産経新聞)
 鳥インフルエンザの陽性反応が出た京都府丹波町の採卵養鶏場「浅田農産船井農場」が、鶏が大量に死んだ25、26の両日、生きた鶏約1万5000羽を兵庫県八千代町と愛知県豊橋市の処理場に出荷し、食肉用に加工されて一部が流通ルートにのっていたことが27日、分かった。
 食肉はいずれも処理場に留め置かれたり、出荷先の業者に保管されたりしており、一般の消費者にまでは流通していなかった。処理場の従業員らの健康に異常はみられないという。兵庫県などは、養鶏場の関係者らからなぜこの時期に出荷したかなど経緯の詳細について事情を聴いている。
 浅田農産(兵庫県姫路市、浅田秀明社長)の浅田肇会長は取材に対し、「もともと両日にこれだけ出荷することが決まっていた。今回のケースで代金は受け取っていない」と説明している。
 また、同養鶏場で死んだ鶏はその後の調べでさらに増え、同日までに計約2万8000羽に上ったことも判明した。京都府は28日以降、死んだ鶏を同農場敷地内に埋めて処分させる。
 兵庫県畜産課などによると、船井農場は25日、約5600羽を愛知県豊橋市の処理場に、約3200羽を兵庫県八千代町の処理場にそれぞれ出荷。さらに26日、約6700羽が八千代町の同じ処理場に運び込まれ、いずれも食肉に加工された。
 このうち、25日の八千代町分は、15カ所にソーセージなどの加工用として出荷されたが、納入先にそのまま保管されていた。これ以外は、いずれも処理場にそのまま留め置かれていたという。

◎鳥インフルエンザ:死亡は2万8000羽に 京都の農場(2004年2月28日、毎日新聞)
 京都府は27日、鳥インフルエンザ簡易検査で鶏の一部が陽性反応を示した京都府丹波町の採卵養鶏場「浅田農産」(本社・兵庫県姫路市)船井農場で、20日から27日までに死んだ鶏は約2万8000羽に上ると発表した。27日だけで約1万羽が死んだといい、現場に10棟ある鶏舎のうち2棟で集中して死んでいるという。府は死んだ鶏の処理のため、敷地内に埋設用の穴を掘るよう指示し安全管理を徹底するとともに、ウイルスが卵や鶏肉を食べた人に感染した例は報告されていないことから、関係者に慎重な対応を呼びかけている。
 府畜産課の聞き取り調査では、現場の農場ではこれまで通常1日約100羽程度鶏が死んでいた。19日までは100羽程度だったのが、20日に約1000羽、23日に2000羽台、26日は7000羽台と日を追うごとに急増。27日は1日だけで1万羽に達したという。
 同社は20日以降も兵庫県などに卵を出荷、鶏肉も兵庫県内に出荷しており、府の指導を受けて自主回収を始めた。
 一方、府によると、従業員29人のうち23人と出入り業者39人は健康に異状がなかった。残る6人の健康調査も続ける。【山崎明子】

◎生きた鶏1万5千羽出荷、京都の鳥インフルエンザ問題(2004年2月28日、朝日新聞)
 京都府丹波町の採卵養鶏場「浅田農産船井農場」で鶏が大量死し、鳥インフルエンザの疑いがある問題で、この農場からは大量死が続いているさなかにも、生きたままの鶏1万5千羽以上が出荷されていたことがわかった。また、27日夕までに死んだ鶏は、農場にいた約19万羽のうち、約2万8千羽に達した。鶏の死は、敷地にある10棟の鶏舎のうち、2棟に集中している。府は農場の関係者から事情を聴く一方、農林水産省と連絡を取りながら感染経路や原因の解明を進める。
 府によると、船井農場で死んだ鶏は18日101羽、19日118羽と100羽台だったが、20日になって1043羽に急増。その後、1千〜2千羽台で推移したが、26日に7千羽に急増した。鶏は10棟に分かれて飼育されていたが、死んだ鶏のほとんどは隣接する2棟に集中しており、府は近くこの2棟を消毒する。
 養鶏場を経営する浅田農産(本社・兵庫県姫路市)や府によると、船井農場からは25、26の両日、1万5532羽の鶏が生きたまま兵庫県内の食鳥処理業者に出荷された。このうち約5600羽は、同様に生きた状態で愛知県の業者に運ばれている。船井農場が回収を進めるなどしている。
 また、同農場は1日15万〜16万個の卵を出荷している。20日以降は兵庫県の14社と京都府内の1社に出荷され、一部は消費者が購入したとみられる。
 一方、死んだ鶏は、鶏舎の中に放置された状態となっている。船井農場は28日以降、敷地内に穴を掘り、埋める予定。
 また、府は27日、船井農場の従業員23人の健康調査をした。

◎鶏1万羽死亡、鳥インフルエンザの可能性、京都(2004年2月27日、朝日新聞)
 京都府は27日、同府丹波町の採卵養鶏場で飼われていた鶏が大量死し、ヒト用の簡易検査の結果、インフルエンザの陽性反応が出た、と発表した。府は鳥インフルエンザの可能性があるとして、養鶏場を中心に半径30キロ以内の養鶏農家に対して、鶏卵と鶏の移動を自粛するよう要請を始めた。また、この養鶏場には出荷した卵と鶏肉の自主回収を求めた。府は山田啓二知事を本部長とする「高病原性鳥インフルエンザ京都府対策本部」を設置した。国内では山口県阿東町、大分県九重町で鳥インフルエンザが確認されている。
 この養鶏場は、「浅田農産船井農場」。
 府によると、26日午後7時半ごろ、府内の保健所などに匿名で「丹波町の養鶏場で毎日千羽以上の鶏が死んでいる」との通報があった。府は養鶏場の責任者から事情を聴いたところ、「20日ごろから大量に鶏が死んだ」と説明し、府はこの養鶏場が飼っていた約19万羽のうち、9853羽が26日までに死んだことを確認した。
 府は27日未明に養鶏場の立ち入り検査を実施し、鶏を府内2カ所の家畜保健衛生所に運んだ。簡易検査の結果、生きている9羽中2羽と、死んだ3羽中3羽からインフルエンザの陽性反応が出た。
 簡易検査を実施した府中央家畜保健衛生所では、引き続き本格検査を実施する。結果が判明するには数日かかる予定という。本格検査ではウイルスを分離。分離されたウイルスは、動物衛生研究所(茨城県つくば市)でさらに詳しく検査し、大分、山口両県で見つかったウイルスとの関連などを調べる。
 府は大分県での発生を受け、府内の養鶏農家への聞き取り調査を実施し、18日の時点で異常がないことを確認した、と発表していた。この際、この農場も「問題ない」と答えていたという。
 府は半径30キロ以内にあるほかの38戸の養鶏場についても順次立ち入り調査する。
 府によると、この養鶏場からは26日夕に卵8トン分が神戸、大阪方面に、鶏肉は25、26の両日で計1万5532羽分が兵庫方面にそれぞれ出荷された。
 府の青合幹夫・農林水産部長は「鳥から人への感染はまず心配ないし、今回はまだ疑い例だ。冷静な対応をお願いしたい」と話している。
 養鶏場を経営する浅田農産(本社・兵庫県姫路市)の浅田秀明社長によると、鶏舎は10棟あり、面積は約3万平方メートル。卵の出荷先は大阪、兵庫が中心で、取引先は約20軒という。浅田社長は「眠るように死んでいったので、病気とは思わなかった」と沈痛な表情で話した。

◎大量死、なぜ1週間も放置、京都の鳥インフルエンザ(2004年2月27日、読売新聞)
◆匿名電話で発覚
 鳥インフルエンザへの警戒が強まる中、二十七日、京都府丹波町の養鶏場「浅田農産船井農場」で飼育されていた鶏への感染が極めて疑しくなった。匿名の電話から発覚した一万羽の大量死。一日約一千羽が死んでいたのに、なぜ、一週間近くも報告がなかったのか。京都府などは、未明から記者会見や対策会議の設置などに追われた。山口県から端を発し、大分県でも確認された鳥インフルエンザ。加熱調理すればウイルスは死滅するが、鶏や卵の移動自粛は、兵庫県など周辺地域にも拡大し、近畿にも風評被害への不安が広がり始めた。

◆苦渋の会見
 午前六時半、京都府庁で青合幹夫・農林水産部長ら三人が緊急会見。「鶏舎の責任者は『一万羽が死んだ』と言っている」と報告すると、報道陣から「どこの鶏舎なのか」と矢継ぎ早に質問が飛んだ。青合部長は「まだ陰性なので言えない」と答えるだけだった。
 緊急招集された府の対策本部で、青合部長が「三羽が陽性でした」と明かすと、その場にいた幹部約二十人らは厳しい表情を浮かべた。山田啓二知事は幹部職員に「まずは発生鶏舎からの鶏肉、鶏卵の移動自粛を」と指示。地図をにらみながら「半径三十キロだと半分近くは兵庫県。連携を取らなければ」と唇をかんだ。
 青合部長は「十九日に(問題の業者を)立ち入り検査した時は、鶏舎の担当者は『異常はない』と話していた。何かあった時は直ちに連絡をと伝えていた。(一週間、連絡がなかったことに)我々としては残念だ」とうつむいた。

◆立ち入り制限
 山あいに十棟の鶏舎が整然と並ぶ船井農場では、午前十時半ごろ、農場に通じる道路に立ち入りを制限するロープがはられ、時々、パトカーや府保健所の車が出入りするだけ。住民らは、約百五十メートル離れた鶏舎を不安げに見やっていた。
 鶏舎では二階部分で鶏を飼育しているが、多くはぐったりした様子で、中には倒れたまま動かない鶏も。時折、弱々しい鳴き声が鶏舎内に響いていた。
 午前十一時ごろには、白い防疫服にマスク姿の府保健所職員らが訪れ、鶏舎を見回った。浅田秀明社長も十一時過ぎ、現地を訪れ、困惑した表情で報道陣の質問に答えていた。
 一方、浅田肇・浅田農産会長は姫路市内の本社で、「野鳥が入ってくるような鶏舎ではなく、インフルエンザとはまったく思っていなかったので、陽性反応に驚いている」と話した。

◆「モラルに欠ける」と憤る同業者
 鶏が大量死したことをニュースで知った丹波町内の養鶏業者は「山口県で発生したのを受け、消毒用の噴霧器を置き、養鶏場に入る人や車をすべて消毒するなど、自衛手段は講じているが、移動禁止圏内に入れば、出荷はできなくなる」とショックを隠さない。別の業者は「二十日から鶏が死んでいたなら、府などに届けていないのはモラルに欠ける。業界の信用を落とし、風評被害につながるのではないか」と憤った。
 養鶏場から数百メートルしか離れていない農家女性(70)は「最近も、卵を運ぶトラックが出入りし変わった様子はなかった。これからもここで生活していけるのか」と不安を見せた。
 京都府ブロイラー協議会の塩見一重会長は「鶏に異変があれば行政に二十四時間対応できるようお願いしてきただけに残念。鶏肉の相場は下がっており、出荷停止になれば影響は計り知れない」と話した。

◎ベトナムの死者15人に、鳥インフルエンザ(2004年2月19日、産経新聞)
 ベトナム保健省は18日、鳥インフルエンザで中部ラムドン省出身の1人が死亡、同国の死者が15人になったと発表した。年齢や性別など詳細は明らかにされていない。
 保健省はまた、南部ドンナイ省の幼児の感染を確認。これによりベトナムの鳥インフルエンザの感染者は死者を含め22人となった。(共同)

◎タイで7人目の死者 鳥インフルエンザ(2004年2月18日、産経新聞)
 タイ政府当局者は18日、今月上旬に死亡した北東部コンケン県の男児(4つ)の死因について、鳥インフルエンザウイルス感染によるものと確認した。同国の鳥インフルエンザによる死者は7人目となった。
 男児は今月3日に死亡、保健当局が死因を調べていた。(共同)

◎ベトナムの感染者21人に、WHO発表(2004年2月18日、産経新聞)
 世界保健機関(WHO)は17日、鳥インフルエンザに感染した疑いでベトナム北部タインホア省の病院に入院中の少年(15)に対する検査の結果、感染が確認されたと発表した。
 WHOによると、ベトナムでの感染者は21人目で、ベトナム、タイ両国で計29人となった。このうちベトナムでは14人、タイでは6人が死亡している。(共同)

◎中国の鳥インフルエンザ、吉林とチベットでも感染確認(2004年2月17日、読売新聞)
 【北京=佐伯聡士】新華社電によると、中国農業省は16日、鳥インフルエンザに感染した疑いのある家きん類が東北地方の吉林省で新たに見つかったと発表した。東北地方での報告は初めて。また、西部のチベット自治区ラサで感染が確認された。同自治区の感染確認も初めて。
 これにより、鳥インフルエンザ発生が確認された地域と疑いのある地域は全国31省・自治区・直轄市のうち計16地域に拡大し、半数を超えた。

◎タイで6人目の死者、鳥インフルエンザ(2004年2月15日、産経新聞)
 世界保健機関(WHO)とAP通信によると、タイで13歳の少年が14日、高病原性鳥インフルエンザに感染して死亡した。同国の死者は6人目。
 ベトナムでは14人が死亡しており、鳥インフルエンザの死者は両国で計20人となった。(共同)

◎発症から死まで10日、ベトナムの鳥インフルエンザ(2004年2月14日、産経新聞)
 世界保健機関(WHO)は13日までに、ベトナムで高病原性鳥インフルエンザに感染した10人(うち8人が死亡)についての臨床データを初めて発表し、発症から死亡するまで平均10日と病気が急激に進行することに加え、死亡率も高いことを明らかにした。
 10人については人から感染したことを示すデータは得られなかったが、WHOは「人から人へ感染するウイルスに変異する可能性は将来あり得る」として注意を呼び掛けている。
 発表によると、10人のうち6人の潜伏期間は2日から4日。発症後、38度以上の高熱とせきが出る。白血球の著しい減少や呼吸困難、下痢などの症状が表れ、胸部のエックス線写真に異常が見られた。8人は発症から平均10日で死亡。残る2人については1人が回復し、1人が治療中。
 また10人のうち8人は死んだ鶏をさばくなど直接、家禽(かきん)に接触していたことも分かった。
 WHOの集計によると、ベトナムでの鳥インフルエンザの感染者は13日までに計19人で、うち14人が死亡した。
 データは、患者の治療や調査にかかわったベトナム人の臨床医や研究者らから提供された。(共同)

◎WHOが人への感染を警告 鳥インフルエンザ(2004年2月11日、産経新聞)
 世界保健機関(WHO)は11日までに、家禽(かきん)類への鳥インフルエンザ(H5N1型)感染が急速に広がっているベトナムやタイ以外の国でも、人への感染が起きる可能性が十分にあると警告した。
 WHOは、鳥インフルエンザは各国で農業部門に深刻な影響を与えていると指摘。その上で、感染した家禽類の処分による当面の経済的損失よりも、人に感染して大流行になる事態の方がはるかに深刻なので、鳥インフルエンザ対策を最優先すべきだと強調した。
 WHOは、H5N1型のウイルスは人には感染しにくいとみられるとしているが、家禽類への感染が続くと、人から人へ感染するウイルスに変異する危険性があり、それが起きると、世界規模で人の健康にとって極めて深刻としている。(共同)

◎米・東部デラウェア州で鳥インフルエンザ(2004年2月7日、読売新聞)
 【ワシントン支局】米国東部デラウェア州の当局者は、6日、同州ケント郡の養鶏農場で鶏の間に鳥インフルエンザ感染が確認されたため、農場の鶏約1万2000羽の処分を命じた。
 州当局によると、確認されたウイルスはH7型。このウイルスは、家きんの間で感染することはあるが、アジアで拡大しているH5N1型とは異なり、人に健康被害を引き起こす心配はないとしている。
 州当局は、鳥インフルエンザが発生した農場は1か所としているが、具体的な場所などは明らかにしていない。
 米国での鳥インフルエンザ発生を受け、韓国農林省は7日、暫定的に米国産鶏肉の輸入を禁止する措置を取った。

◎中国農業省、鳥インフルエンザの3か所での発生確認(2004年2月7日、読売新聞)
 【北京=竹腰雅彦】新華社電によると、中国農業省は7日、湖北、河南、江西省の計3か所で鳥インフルエンザの発生を確認し、雲南、甘粛省の2か所で新たに感染した疑いのある家きん類が発見されたと発表した。
 中国の鳥インフルエンザの発生、発生疑い地域は、これまでに全国計31の省・自治区・直轄市のうち13地域に上り、感染の拡大傾向が強まっている。人への感染例は報告されていない。

◎米でも確認、鶏処分、人には感染せず(2004年2月7日、産経新聞)
 AP通信によると、米デラウェア州の当局者は6日、同州で鳥インフルエンザの鶏への感染が確認されたとして、養鶏場の鶏約1万2000羽の処分を命じた。当局者は、検出されたウイルスはH7型で、アジアで猛威を振るっているH5N1型とは異なり、人に感染しないと述べた。
 今冬に入り鳥インフルエンザの感染が確認されたのは12カ国・地域目。アジア以外では初めてだが、米国では近年、毎年のように感染が確認されているという。
 米政府は4日に、鳥インフルエンザの感染が確認されたアジア各国からの家禽(かきん)の輸入を停止する方針を示している。(共同)

◎中国広東省、全家禽類に鳥インフルエンザワクチン(2004年2月6日、日本経済新聞)
 【広州=北代望】中国広東省政府は6日、昨年春から鳥インフルエンザの予防接種を省内の大量の家禽(きん)類に注射していたことを明らかにした。同日、記者会見した広東省動物防疫監督総所の余業東所長によると、同省は農業省の許可を得て昨年5月から昨年末までに省内のすべての家禽類に「H5N2」型ワクチンを注射した。
 H5N2ワクチンはアジアで猛威を振るっている「H5N1」型鳥インフルエンザを防ぐために、感染地域で使用されている予防接種。同省が昨年5月に同型ワクチンの大量接種を始めた理由について余所長は、「周辺地域で鳥インフルエンザが発生したことへの対策」と説明。中国政府が昨年から国内での感染拡大を警戒していたことを示唆した。
 同省では年間13億羽の家禽類が養殖され、このうち10億羽が市場で売られているという。

◎鳥インフルエンザ:中国で5万羽病死、121万羽を処分(2004年2月6日、毎日新聞)
 【北京・浦松丈二】中国農業省の劉堅次官は5日、北京で会見し、中国国内の鳥インフルエンザの感染状況について、全国23カ所で家禽(かきん)計5万6417羽が感染または疑い例と報告され、121万5057羽を処分したことを明らかにした。感染の急拡大を受け、鳥から人への感染を重点的に防ぐ必要性を強調した。
 4日までに報告された全国23カ所の内訳は鶏16例、アヒル5例、ガチョウ2例だった。感染・疑いが報告された家禽の約87%に当たる4万9236羽が死亡した。一方、新華社電によると、農業省は5日、安徽省や江西省などで新たに感染や疑い例が報告されたと発表し、感染確認は10カ所、疑い例は計18カ所になった。
 劉次官は「国内の鳥インフルエンザ感染は比較的良好に抑制されており、人への感染は発生していない」と述べた。この会見に同席した中国衛生省の王隴徳次官も「感染地区の住民1418人を検査したが、インフルエンザ症状の発症は一人として発見されていない」と強調した。

◎鳥インフルエンザ:中国で5万羽死亡、121万羽を処分(2004年2月5日、毎日新聞)
 【北京・浦松丈二】中国農業省の劉堅次官は5日、北京で会見し、中国国内の鳥インフルエンザ感染状況について、全国23カ所で家禽(かきん)計5万6417羽が感染または疑い例と報告され、121万5057羽を処分したことを明らかにした。感染の急拡大を受け、鳥から人への感染を重点的に防ぐ必要性を強調した。
 全国23カ所の内訳は鶏16例、アヒル5例、ガチョウ2例だった。感染・疑いが報告された家禽の約87%にあたる4万9236羽が死亡した。中国では1月27日に広西チワン族自治区での感染が初確認されて以来、4日までに全国31の省・自治区・直轄市のうち12地域で感染・疑い例が報告されている。
 劉次官は「国内の鳥インフルエンザ感染は比較的良好に抑制されており、人への感染は発生していない」と述べた。この会見に同席した中国衛生省の王隴徳次官も「感染地区の住民1418人を検査したが、インフルエンザ症状の発症は一人として発見されていない」と強調した。
 中国政府がこの問題で内外記者会見を開くのは初めて。質問に立った8人のうち中国人記者を除く外国人記者5人全員が「情報隠しがあるのではないか?」などと当局の情報公開のあり方に疑問を投げかけた。

◎鳥インフルエンザ:ベトナムで11人目の死者(2004年2月5日、毎日新聞)
 ベトナム南部ホーチミンの保健当局者は5日、15歳の少女が高病原性鳥インフルエンザで死亡したことを明らかにした。
 世界保健機関(WHO)ハノイ事務所とベトナム保健省は少女の死亡について確認していないが、正式に確認されれば鳥インフルエンザによるベトナムでの死者は11人となる。
 当局者によると、少女は南部の出身で、1月末に入院し、治療を受けていた。
 ベトナム政府によると、4日までに国内64省・直轄市のうち9割近い56省・直轄市で家禽(かきん)類への感染が確認されており、感染者の急激な増加が懸念されている。(ハノイ共同)

◎中国、鳥インフルエンザで家禽4万9千羽が死亡(2004年2月5日、朝日新聞)
 中国農業省の劉堅次官は5日の記者会見で、4日までに中国全土で5万6417羽の家禽(かきん)が鳥インフルエンザに感染し、そのうち4万9236羽が死亡、そのほかに121万5057羽を処分した。人への感染例は発見されていないという。
 中・南部で発生が広がりを見せており、ウイルスの力が比較的強いのが特徴だとしている。当局は感染地の周囲3キロ以内の家禽類はすべて処分したほか、5キロ以内では強制的に予防接種を実施、10キロ以内の生きた家禽を扱う市場は閉鎖した。

◎鳥インフルエンザ、昨秋すでに発生か、中国・広東省(2004年2月4日、朝日新聞)
 4日付の香港の英字紙スタンダードと4日発売の系列週刊誌「東週刊」最新号は、消息筋の話として昨年10月、広東省中山市の2カ所の養鶏場で、鳥インフルエンザ(H5N1)による鶏の大量死が起きたが、省当局が機密扱いとし、一切公開しなかったと報じた。
 同筋によると、検出されたウイルスは97年に香港で流行したタイプと類似していたが、殺傷力はより強いという。同誌が香港政府衛生署に問い合わせたところ、同省と香港の境界にある香港・文錦渡の検疫施設で10月20日に2グループ、計4300羽の鶏から鳥インフルエンザのウイルス抗体が検出され、通関拒否、返送したという。

◎中国、新たに2省で疑い例、鳥インフルエンザ(2004年2月4日、朝日新聞)
 中国中央テレビが3日伝えたところによると、新たに内陸部の甘粛省と陜西省で鳥インフルエンザに感染した疑い例が見つかり、中国で感染が確認されるか疑い例が出たのは計12の省・自治区・直轄市に広がった。1月31日に報告された広東省朝安県の疑い例は鳥インフルエンザと確認された。また、広東省深セン市の野生動物園ではコクチョウの異常死が見つかったため、専門家が原因を調べているという。

◎ベトナムで3人の感染確認、13人に、鳥インフルエンザ(2004年2月4日、朝日新聞)
 世界保健機関(WHO)のハノイ事務所は3日、ベトナム国内で新たに3人の鳥インフルエンザ(H5N1)の感染者を確認したと発表した。同国内での感染者はこれで合計13人となり、このうち9人が死亡した。

◎ベトナム姉妹死亡、感染源はアヒル?WHOが本格調査(2004年2月2日、朝日新聞)
 ベトナムの姉妹が鳥インフルエンザ(H5N1)に感染し、「人から人への感染の可能性がある」と世界保健機関(WHO)が公表した問題で、WHOは本格的な疫学的調査に着手した。姉妹の兄が結婚式のため触ったアヒルが感染源で、ウイルスが兄にうつり、さらに姉妹にうつった可能性もあるとみている。仮に人から人にうつったとしても、猛威をふるう新型である恐れは現時点では少ないという。
 焦点になっているのは、同国北部タイビン省に住んでいた23歳と30歳の姉妹と、31歳の兄。関係者によると、姉妹の一人と兄が1月4日ごろ、知人の結婚式のためにアヒルを直接、処理した。このアヒルが感染源の可能性が高いという。
 兄は同12日に死亡。姉妹は10日ごろ、相次いで発熱などを訴え、23日に死亡した。
 姉妹の1人はアヒルに接触していないのに感染したことから、WHOは鳥インフルエンザのウイルスが家族からうつった疑いがあるとみている。
 今のところ、感染は姉妹の家族内にとどまっているが、WHOは家族外に広がっているかどうかを確認し、対策を講じる必要があると判断。ベトナム政府とともに、姉妹らの生前の行動を洗い直すとともに、地域住民の健康状態を調べる。

◎鳥インフルエンザ:ウイルス変異の見極め急務(2004年2月2日、毎日新聞)
 鳥インフルエンザ(H5N1型)で死亡したハノイの姉妹について「兄から感染した可能性がある」と発表した世界保健機関(WHO)の見解は、各国に衝撃を与えた。鳥インフルエンザウイルスが、人から人への感染力を獲得したとすれば、専門家が恐れる「新型インフルエンザ」の発生にもつながりかねない。情報を整理すると、感染経路として三つのシナリオが見えてくる。【元村有希子、足立旬子、江口一】

 この姉(30)と妹(23)は、1月23日に死亡した。H5N1に感染したことが確認されている。考えられる感染経路は三つある。
 まず、姉妹がどこかで鶏と接触し、直接感染した可能性だ。アジアで起きている感染の多くはこのケース。しかし、WHOは「この姉妹に鶏との接触歴は見当たらない」と否定的な見解を示している。
 2番目は、WHOが最も強く疑っているケース。「兄から姉妹への偶発的な感染」だ。もともと人への感染力が弱い鳥ウイルスが、濃厚な接触によって極めてまれに感染する。兄(31)は1月12日に死亡した。死因は呼吸器疾患と伝えられているが、検体が残っていないため、ウイルスに感染していたかどうかは分からない。
 このシナリオが事実なら「人・人感染」になるが、WHOはこの場合は「限られた状況での人・人感染で、感染力は弱い」と説明している。97年にH5N1ウイルスが香港で初めて見つかった際にも、患者を診た医療従事者らから、感染の証拠を示す抗体が検出されたが、症状は出なかった。
 3番目がいわば最悪のシナリオで、「兄の体内で人に感染しやすいようにウイルスが変異し、姉妹に感染した」というケースだ。現時点ではWHOは、この可能性には言及していない。

◇新型ウイルスなら大流行の恐れも
 一般的に、ウイルスは種の壁を超えた感染はしにくい。鳥と人間では、ウイルスが取り付く細胞の受容体の構造が違ううえに、感染しても、人間の体内で容易には増えない。国立感染症研究所の田代真人ウイルス第3部長は「鳥インフルエンザが人間の間で流行するには、何段階もの変異が必要。簡単には新型インフルエンザにはならない」と指摘する。
 新型が誕生するのは、鳥ウイルスに感染した患者の体内で、人のウイルスと遺伝子が混ざり合って変異する場合や、いったん鳥から豚に感染し、それが人に感染しやすいタイプに変わる場合などがある。田代部長は「すぐに新型になることはないが、人間への感染が続くと、いつ新型インフルエンザになってもおかしくない」と警告する。
 いったん「新型」になると、人間は免疫を持たないために大流行する恐れがある。過去の新型インフルエンザである1918年のスペイン風邪(H1N1型)では、世界で推定4000万人が死亡した。
 今回のH5N1は病原性が強いため、田代部長らは全世界の人口の半数が感染し、その半数が重症化、うち5億人が死亡することもありうる、という見方も示している。

◇ことば:H5N1型
 インフルエンザウイルスにはA型、B型、C型があり、その中でもA型は変異を起こしやすい。A型は、細胞に感染するための突起(ヘマグルチニン、H)が15種類、増殖するための突起(ノイラミダーゼ、N)が9種類あり、その組み合わせで特徴が変わる。人に流行しているのはH3N2型とH1N1型。鳥ウイルスはH5、H7、H9などで、このうちH5N1型は強い病原性を持ちやすく、以前から変異して人から人へ流行することが懸念されている。

◇H5N1型への対応追い付かず、アジアに拡大か
 昨年末から韓国などで被害が出ていた鳥インフルエンザウイルスは、今年に入ってアジア全域に拡大する様相を見せている。すでに日本、中国、ベトナム、カンボジア、ラオス、タイ、インドネシア、パキスタン、台湾で感染が確認された。
 ウイルスは弱毒の台湾とパキスタンを除き、ほとんどが強毒のH5N1だ。ベトナムで8人、タイでは2人が死亡した。鶏など家きん類の被害も甚大だ。韓国では鶏数百万羽を処分した。インドネシアでも数百万羽の鶏が死んだ。中国でも南部でアヒルへの感染が確認され、全土にまん延している可能性が出ている。
 急速な拡大に、1月28日には各国政府やWHO関係者などがバンコクで緊急閣僚会議を開き、監視態勢の強化や感染の疑いのある家きん類の迅速な処分などに全力で取り組むことを決めた。だが、鶏が人間の生活に密着した国々ではウイルス感染拡大のスピードは速く、対応が追いついていないのが現状だ。

◎鳥インフルエンザ:感染防止で中国に警告の声明 WHO(2004年2月2日、毎日新聞)
 世界保健機関(WHO)北京事務所は1日、鳥インフルエンザが広がっている中国について「感染拡大を封じ込める可能性はあるが、その可能性は日ごとに小さくなっている」と警告する声明を発表、WHOとの協力強化など、より迅速な対応を取るよう求めた。
 声明は中国指導部の感染封じ込めに向けた姿勢を評価する一方で、家きんに投与している予防ワクチンの成分などの詳細な情報を提供しないと不満を表明。農業省を含む広範な当局者がWHOと連携して対策を講じるよう求めた。(北京・共同)

◎鳥インフルエンザ、人から人の可能性指摘・WHO(2004年2月2日、日本経済新聞)
 【ハノイ=町田猛】世界保健機関(WHO)ベトナム事務所は1日、同国で1月23日に死亡した姉妹2人が鳥インフルエンザに感染していたと発表した。姉妹がこの病気に感染した鶏と接触した確証はないとし、人から人への感染だった可能性があると指摘した。人から人への感染が確認されれば感染拡大の恐れが強まる。
 ベトナムでの死者は計8人となった。姉妹は北部タイビン省に住む30歳と23歳。兄が1月上旬に呼吸器系の疾患で死亡し、兄の妻も同様の症状を示した後に回復に向かったという。
 WHOは姉妹の感染経路の最終確認はできていないと説明している。しかし「兄から姉妹への感染が解釈のひとつだ」とした。兄はすでに火葬され、検査できないという。

◎鳥インフルエンザ:WHOが死亡した姉妹の感染を確認(2004年2月2日、毎日新聞)
 【バンコク小松健一】世界保健機関(WHO)ベトナム事務所は1日、先月23日に呼吸器疾患などの症状で死亡した23歳と30歳の姉妹について、鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)の感染が確認されたと発表した。
 姉妹の発病前に、姉妹の兄(31)が同様の症状で死亡しており、姉妹の感染源が不明なことからWHOは「兄から感染した可能性がある」と指摘し、慎重に調査を進めている。今冬流行しているウイルスで人から人への感染が確認されれば初めて。今後、さらに感染力が強い型にウイルスが変異すれば、世界的に被害が広がる恐れもある。
 WHOベトナム事務所によると、姉妹は北部のタイビン省在住で先月10日に発病し13日に入院。ともに23日に死亡した。姉妹が病院に収容される前に兄も呼吸器系の病気で死亡した。兄については鳥インフルエンザに感染したかどうかは不明で、ウイルス検査を行うための病理組織も保存されていない。兄の妻も姉妹と同時期に同様の症状で病院に運ばれたが、回復した。
 WHOは「姉妹が鶏に接触したかどうかを含めて感染源の特定は出来なかった。限定された状況での人から人への感染が考えうる説明の一つだ」と述べている。
 WHO関係者によると、2日にも姉妹の検体を日本の国立感染症研究所などに送り、ウイルスの遺伝子を詳しく調べる。また、姉妹が鳥から感染した環境にあったかどうかなど疫学的な調査も重ねて行う。
 WHOによると、今回問題になっているH5N1型は、97年に初めて鳥から人への感染が確認され、発症者18人のうち6人が死亡した。当時、人から人への感染が疑われるケースもあったが、いずれも重症ではなかったという。
 ベトナムの感染者は10人、死者は8人となった。タイでも3人感染し2人が死亡している。

◇「感染力は限られている」
 尾身茂・WHO西太平洋地域事務局長の話 完全には確認していないが、状況から考えて、人から人への感染であったとしてもおかしくないということだ。仮に人から人への感染だとしても、現在のところ感染力は限られているので、直ちに大流行することはなく、パニックになる必要はない。97年、香港でも例外的に人から人への感染が起きたが、感染力は弱く、そこだけで終わっている。

◇「ウイルスの変異の確認が必要」
 喜田宏・北海道大教授(ウイルス学)の話 死亡した患者と、感染したニワトリなどのウイルスの遺伝子を比較するとともに、併せて家畜への接触歴などを調べることで、人から人への感染が実際にあったかどうかを判断することになる。もともと鳥インフルエンザは人には感染しにくい。今回のケースが人から人への感染だったと確認されたとしても、ウイルスが人への強い感染力を持ったものに変異したのかどうか確認することが必要だ。

◎鳥インフルエンザ、人から人へ感染の可能性、WHO発表(2004年2月1日、朝日新聞)
 世界保健機関(WHO)のハノイ事務所は1日、ベトナムで、すでに死亡した姉妹2人が鳥インフルエンザ(H5N1)に感染していたことを確認するとともに、それが兄からの感染だった可能性があると発表した。鳥インフルエンザの人から人への感染となれば、03年にオランダで起きて以来となる。ただし、仮にそうだとしても、ウイルスが人に感染する新型に変異した可能性は少なくとも現時点では低いと見られており、直ちに大流行になる恐れはないという。
 姉妹は北部タイビン省の23歳と30歳。ともに1月10日に発症し13日に入院、23日に死亡した。この姉妹の兄(31)とその妻も高熱や呼吸困難など、似たような症状を示し兄は姉妹に先立ち12日に死亡、妻は快復した。
 WHOハノイ事務所のロバート・ディエツ報道官は、「感染源を確定することはできていない」としながらも「兄から姉妹への限定的な『人から人への感染』だったというのが一つの可能な説明だ」としている。ただしその一方で「感染した鶏と接触した可能性も排除はできない」とも指摘している。
 マニラにあるWHO西太平洋地域事務局の感染症対策の責任者、押谷仁博士は「人から人へ効果的に感染するウイルスには変化していない可能性が高く、大きな流行になるとは考えていない」と話した。
 ベトナムでは、この姉妹を含めすでに計10人の感染が確認され、うち8人が死亡している。
 WHOによると、97年に香港で起きた人から人への感染は、限定的なもので、公衆衛生上の深刻な脅威には発展しなかったという。

◎インドネシアの鳥インフルエンザ、感染隠し疑い強まる(2004年2月1日、読売新聞)
 【ジャカルタ=黒瀬悦成】インドネシアで鳥インフルエンザが確認された問題で、同国政府が設置した「鳥伝染病対策委員会」の委員は31日、本紙に対し、国内で昨年8月以降大量死している鶏の細胞のデオキシリボ核酸(DNA)鑑定を行ったところ、香港やタイで死者を出しているH5N1型の鳥インフルエンザを昨年12月初旬の時点で検出し、政府もこの事実を把握したのに公表を控えていたことを明らかにした。
 インドネシア政府は最近まで鳥インフルエンザの発生を否定し続け、1月25日に一転して発生の事実を認めたが、型式については「検査結果が出ておらず不明」と主張していた。

◎中国、鳥インフルエンザ感染拡大さらに加速か(2004年2月1日、日本経済新聞)
 【北京1日共同】中国で鳥インフルエンザの家禽(かきん)類への感染拡大が一段と加速する勢いをみせている。1月27日に初めて感染が公表されて以来、1週間足らずの間に計6の省・自治区・直轄市で感染や疑い例を確認。新型肺炎(SARS)の再発も続き、政府の防疫体制が試練に立たされている。
 感染が確認されたのは南部の広西チワン族自治区と内陸の湖南、湖北両省で、疑い例は湖北、広東、安徽各省と上海市。湖北など3省では複数地区から報告があり、感染地域が広範囲に拡大していることを裏付けた。香港紙が報じた上海での人への感染は同市当局が否定したが、農村の公衆衛生は極めて貧弱で、人への感染例がいつ出てもおかしくない状況だ。

◎鳥インフルエンザ:湖北省と湖南省で発生を確認、中国(2004年1月31日、毎日新聞)
 【北京・浦松丈二】新華社電によると、中国政府研究機関は30日、中国中部の湖北省と湖南省の2カ所で鳥インフルエンザ(H5N1型)の発生を確認した。さらに安徽省の2カ所と上海市、広東省でも感染が疑われている。中国では今月27日にベトナム国境に近い広西チワン族自治区で今冬初めて感染が確認されていた。これで国内3カ所で発生し、さらに4カ所で感染が疑われる事態となった。
 今回確認されたのは湖北省武穴市の養鶏場と湖南省武岡市のアヒル飼育場。今月27日に感染が確認されたアヒルだけでなくニワトリにも感染した。湖北省や湖南省は香港向けの家禽(かきん)供給基地として知られており、感染拡大が懸念される。
 また、感染の疑いが公表されたのは安徽省広徳県▽同省馬鞍山市雨山区▽上海市南匯区▽広東省掲東県の4カ所。上海市には日本人も多く在住している。いずれも人への感染は確認されていないという。
 中国農業省と衛生省は各地に対策チームを派遣し、地元当局が感染拡大を防ぐため、周囲3キロ以内の家禽を処分し、5キロ以内に強制免疫措置を取った。また、世界保健機関(WHO)や国連食糧農業機関(FAO)、周辺の香港、マカオに発生状況を通報した。

◎鳥インフルエンザウイルス、01年にベトナムで検出(2004年1月31日、朝日新聞)
 ベトナムで6人の死者を出した鳥インフルエンザウイルスH5N1が、01年にハノイで売られていたガチョウから見つかっていたことが米疾病対策センター(CDC)とベトナム国立衛生研究所などの調べでわかった。研究チームは昨年10月に沖縄で開かれた国際会議で発表。「この地域で鳥インフルエンザが潜伏している可能性が高く、人と鳥の詳しい調査が必要だ」と指摘していた。
 チームは01年、ハノイ市内の11の市場で売られていたアヒルとガチョウ計396羽を調査。6羽からインフルエンザウイルスが見つかった。うちガチョウ2羽から強毒型のH5N1を検出した。
 ウイルスは鶏に強い毒性を示し、遺伝子の塩基配列を解析したところ、97年と昨年に香港で死者を出したウイルスとの共通性が見られたという。ベトナム北部で強毒型のH5N1が見つかったのは初めてだった。
 研究チームは、鳥インフルエンザウイルスがアジア各地で飼育されているニワトリやアヒルなどで互いに感染を繰り返しながら潜伏していると推測している。
 世界保健機関(WHO)も29日、ベトナムの患者や鶏から検出したウイルスの遺伝子を分析した結果、「流行が起きる以前から強毒型のH5N1がアジアで潜伏していたと推測される」と発表しており、今後H5N1の感染経路を解明する手がかりになりそうだ。

◎上海市政府「鳥インフルエンザの人への感染はデマ」(2004年1月31日、日本経済新聞)
 【上海=川瀬憲司】上海市政府は31日、一部の香港紙などが同日「上海で鳥インフルエンザが人に感染した疑いがある」と報じたことについて全面否定した。同時に報道した香港紙などに訂正を求めている。
 31日付の香港紙「明報」など一部の海外メディアが、上海市政府が30日夜発表したニュースリリースに基づく情報として、中国で最初の鳥インフルエンザに感染した疑いのある人が上海で見つかり、既に隔離されたと報じた。これに関して同市政府はインターネットを通じてコメントを発表、「報道は純粋なデマで、市政府はこのような情報を発したことはない」と明確に否定した。
 上海市政府が30日夜に出したニュースリリースは同市東部の南匯区康橋地区で鳥インフルエンザの疑似病例を29日夜に発見したとする内容。感染の疑いがあるのは家禽(かきん)類で既に死亡を確認したが「人への感染例は見つかっていない」としていた。
 これとは別に、南匯区政府は31日、同区内の鳥インフルエンザに関する詳細な状況を明らかにした。29日午後、200羽以上のアヒルが相次いで死亡したとの通報を受け、血清などを調べたところ感染の疑いが分かったという。半径3キロ以内を全面封鎖するとともに、夜を徹して計3万5000羽のアヒルを処分。翌30日には約2000人を動員し、半径5キロ以内の家禽類に強制的な防疫措置をとったとしている。

◎中国、内陸部で感染確認、鳥インフルエンザ拡大(2004年1月31日、産経新聞)
 新華社電によると、中国農業省は30日、内陸部の湖北省と湖南省で報告されていた高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)の鶏とアヒルの感染疑い例について感染を確認し、上海市、安徽省、広東省でも家禽(かきん)類への感染疑い例が見つかったと発表した。
 中国での感染確認は広西チワン族自治区と、隣接する湖南省、さらにその北の湖北省、疑い例は上海市、同市西方の安徽省、南部の広東省となった。現時点では人への感染は確認されていないが、衛生状態の悪い内陸部の農村では危機意識も薄く、感染が広範囲に拡大する恐れが強まった。
 中国中央テレビによると、感染拡大を受けて中国政府は同日、回良玉副首相を本部長とする総合対策本部を農業省に設置した。
 農業省と衛生省は世界保健機関(WHO)に報告するとともに、新たに感染疑い例が見つかった省と市に合同で担当者を派遣。各地元政府は現場周辺の鳥を処分するなど感染拡大防止のための措置を取ったという。
 上海市では、郊外の南匯区の飼育場で29日に死んだアヒルが鳥インフルエンザに感染していた疑いがあることが判明。地元住民によると、死んだ数は300〜400羽に上るという。上海市新聞弁公室によると、この業者はアヒルの検疫をしていなかった。
 疑い例が報告されたのは上海市南匯区、安徽省宣城市と馬鞍山市、広東省掲陽市。(共同)

◎タイ南部でも鳥インフルエンザ感染確認、首都で処分開始(2004年1月30日、産経新聞)
 タイ政府当局者によると、30日までに新たに同国南部パンガー県で鶏の鳥インフルエンザ感染が確認された。同県はリゾートとして世界的に知られるプーケット県に隣接。南部での感染確認は初めてで、感染地域は全76県のうち33県となった。
 また首都バンコクでは30日、市場での本格的な鶏の処分が始まった。
 市内のドゥシット動物園は「観光客などを通じて飼育動物が鳥インフルエンザに感染する恐れがある」(同動物園)として、同日から閉園した。閉園期間は未定という。
 同市は市内の王宮前広場などに生息するハトについても、感染の有無を調査する。
 一方、タイ航空は同日、国際線と国内線の全路線で、機内食での鶏肉使用を取りやめたと発表。国内線の客室を使った家禽(かきん)類の輸送も禁止した。(共同)

◎市場のアヒルから鳥インフルエンザ、台湾、1万羽処分へ(2004年1月29日、読売新聞)
 台湾の農業委員会(農水省)は29日、台北市内の市場で売られていた生きたアヒルから、鳥インフルエンザが検出されたと発表した。日本などで見つかった「H5N1型」とは異なる「H5N2型」で、人間には感染しないとされる。
 ただ、「1型」への変異の恐れがあるため、同委員会は出荷地である台湾中部、雲林県のアヒル飼育場の計1万羽を処分する。(時事)

◎鳥インフルエンザ、中国で昨年に発生、英科学誌(2004年1月29日、読売新聞)
 【ロンドン支局】英科学誌ニュー・サイエンティストの電子版は28日、アジアで猛威を振るう鳥インフルエンザの発生時期は「昨年上半期」で、流行源は中国と見られると報じた。中国当局の事実隠ぺいとずさんな養鶏農業が流行につながったと指摘している。
 同誌によると、1997年、香港で鳥インフルエンザ(H5N1型)により6人が死亡し、多数の鶏が処分された後、中国南部の養鶏場の鶏に、不完全なワクチンが集中的に投与された。
 その結果、インフルエンザの症状が顕在化しないまま、感染が広がったという。
 中国政府当局が広西チワン族自治区での感染確認を「国内初」として発表したのは今月27日だった。
 WHO(世界保健機関)の専門家は、同誌に対し、東南アジアで現在流行中の鳥インフルエンザは、発生状況などから、同じ感染源と見られると指摘。感染源について、「中国説が濃厚」とし、渡り鳥が感染拡大の一因だった言う専門家もいる。

◎「処分の鳥、焼いて食べた」アヒル大量死の中国・農村(2004年1月29日、読売新聞)
 【南寧(中国広西チワン族自治区)=伊藤彰浩】「村を封鎖し、鶏、アヒル、ガチョウ、ハトを処分し、無害処理する。封鎖は21日間」。中国で初めて鳥インフルエンザが確認された広西チワン族自治区南寧市郊外の隆安県では28日、アヒル大量死の現場となった小さな農村、丁当鎮の1集落に入る唯一の農道はロープで封鎖され、前日付の真新しい張り紙が、木に張り付けられていた。
 ロープの前には、机1つがポツンと置かれた急ごしらえの検問所があり、防疫職員と警官が1人。この集落の住民は外部に隔離されたといい、香港や国内の記者を除けば、周囲はひっそりと静まり返っていた。
 ところが、封鎖されていない丁当鎮の村の中心部に入ると、人々には驚くほど緊張感がなかった。道ばたで魚やソーセージのくし焼きを売っていた30歳代の女性は「病気の話は25日に地元政府から聞いた。でも家にいる鶏やアヒルを殺せというだけで、病気のことはわからないので、特に怖くない」と明るく笑う。
 村民の中に、鳥インフルエンザが世界的な騒ぎになっていることを知っている人は見当たらず、「殺した鳥を焼いて食べてしまった人もいた」という発言もあった。また、同村生まれの男性農民(59)は「24日の午後に話を聞き、自宅の20羽の鶏を殺した」と話した上で、「酒を飲んでいるから大丈夫だ」と冗談交じりに語り、人への感染を恐れる様子は全くなかった。
 南寧市内のタクシー運転手によると、地元の多くの一般市民が鳥インフルエンザの確認を知ったのは「きょう(28日)のニュース」といい、疑い例が23日に報告された時点では、当局から警戒が全く呼びかけられなかったのは明らかだった。
 同自治区に隣接する広東省では、昨年初め、後に新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)と判明する「奇病」騒ぎが広がったが、病気に効くといわれた酢の買い占め騒ぎが収まった後は、十分な情報公開が行われないまま、感染に対する関心が著しく薄れた。今回も、地元当局の対応を見るかぎり、昨年のSARSの教訓を十分に踏まえているとは言えず、一層の防疫体制と情報公開が求められそうだ。

◎EU、ペット鳥も輸入停止、鳥インフルエンザ(2004年1月29日、産経新聞)
 欧州連合(EU)欧州委員会は28日、アジアで高病原性鳥インフルエンザの感染が拡大していることから、オウムやインコなどペットの鳥についても感染が確認された国からの輸入を一時停止する措置を取った。
 EUは昨年、パキスタン、中国、インドネシアから主にオウムやセキセイインコなど約10万羽を輸入した。
 欧州委員会は今月23日、タイ産鶏肉の輸入一時停止措置を取っている。

◎パキスタン:鳥インフルエンザ感染の全ニワトリ廃棄へ(2004年1月29日、毎日新聞)
 【イスラマバード西尾英之】パキスタン政府は28日、南部カラチで確認された鳥インフルエンザの感染拡大を防ぐため、国内で感染が確認されたニワトリをすべて廃棄処分とすることを決めた。
 同国では南部カラチの養鶏場で昨年末から死ぬニワトリが急増。検査の結果、タイなどで確認されたH5N1型ウイルスとは別のH7型とH9型の鳥インフルエンザと分かった。現時点では人への感染は確認されていない。

◎中国で「鳥」対策強化、人口大流動で感染拡大心配(2004年1月28日、読売新聞)
 中国南部の広西チワン族自治区でアヒル200羽が死んだ原因が鳥インフルエンザであることが確認されたことを受けて、中国政府は、感染拡大防止に向けて、対策強化に乗り出した。
 春節(旧正月)前後の40日間は、中国国内で延べ約19億人が移動するとされる人口大流動の時期。このタイミングで感染が確認されたことについて、「人から人への感染が確認されたわけではないので実情は不明だが、家禽(かきん)類との接触が多い農村に里帰りした大勢の出稼ぎ農民が都市部にUターンすることで感染拡大が心配される」(関係筋)との見方も出ている。(北京 佐伯 聡士、香港 関 泰晴)
 旧正月の休みは28日に終わる。出勤に備えて、28日は道路交通だけで延べ3400万人が移動するという。出稼ぎ農民の中には、生きた鶏やアヒルを持って列車や長距離バスを利用する者も少なくない。一部都市では、新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)対策で、乗客の体温検査などが行われているが、万全とは言えない。
 鶏やアヒルが死に、鳥インフルエンザの疑いがあると報告された中国中部の湖北省と湖南省は、家禽類の集積地で、香港への輸出の中心基地でもある。ウイルスに接触し、感染した可能性のある鶏やアヒルを適切に処分し、隔離することが急務となっているが、小規模な農家が多く、インフラもぜい弱な農村部で徹底した措置が取れるかどうか厳しい見方も出ている。
 1997年の鳥インフルエンザの流行で死者6人を数えた香港では、衛生当局が27日、広西チワン族自治区、湖南、湖北両省の鳥肉輸入禁止を発表し、「中国政府と緊密に連絡を取る」としている。一方で、発覚当初は事実関係をなかなか認めようとしない「中国的手法」に疑問の声も出ている。
 中国政府は、鳥インフルエンザ対策として、北京市で今月22日からの旧正月期間中も、検疫当局が市場や養鶏場などを調査。広西チワン族自治区では国境での検疫強化を実施していた。しかし、同自治区内での鳥インフルエンザ感染については、香港紙がまず報道して、当局は27日になってようやく確認した。
 香港のマスコミでは広東省の養鶏場で1000羽あまりが「異常死」したといった未確認情報がとびかっている。

・鶏肉輸入停止で外食業界など「材料調達は」
 中国産鶏肉の輸入停止決定を受け、外食産業や流通業界は二十八日午前、対応に追われた。米国産牛肉やタイ産鶏肉の輸入停止がすでに決まっており、外食産業などは「材料調達できなくなる」と頭を痛めている。
 大手スーパー「ジャスコ」を展開するイオン(本社・千葉市)は、中国産鶏肉の生肉の販売中止を決めた。焼き鳥など加熱調理品の販売を続けるかどうかは検討中としている。イトーヨーカ堂(本社・東京)は、焼き鳥の一部に中国産鶏肉が含まれているが、加熱品は問題ないとして、在庫品の販売は続ける方針だ。

◎輸入鶏肉、ブラジル産など代替需要で値上がり(2004年1月28日、日本経済新聞)
 輸入鶏肉はブラジル産などを中心に卸価格が騰勢を強めている。タイ産、中国産が鳥インフルエンザ発生で相次ぎ輸入停止となり、外食産業などが他産地産の手当てを急いだのが影響した。タイ産と並ぶ主力輸入先のブラジル産もも肉(冷凍)の東京地区卸値は28日午前、前日比10%上昇。米国産骨付きもも肉も同4%前後高い。
 輸入鶏肉は主にファミリーレストランや弁当・総菜店向け食材、ハム・ソーセージの副原料となる。前日に農水省が中国産の輸入停止を発表したため「大手外食チェーンのほか中小飲食店も活発に必要分を確保しようとしている」(東京の大手食肉卸)。タイ産が22日に輸入停止になった後、「市場に出回るブラジル産が極端に減り、価格交渉で値決めが難しくなっている」(同)。ブラジル産卸値は1キロ550円で、前週末に比べると44.7%高い。

◎「日本向け鶏肉輸出拡大の準備整った」ブラジル政府高官(2004年1月28日、日本経済新聞)
 来日中のブラジル農業使節団のマサオ・タダノ団長(農畜産業配給省農畜産物保護局長)は28日、都内の駐日ブラジル大使館で会見し、日本への鶏肉輸出拡大の準備ができていると表明した。
 日本の鶏肉輸入でブラジルはタイに次ぎ二位。輸入量に占めるブラジル産の比率は2001年が20.8%、2002年が32%、2003年が37%と年々上昇している。
 牛・鶏・豚肉やマンゴーの輸出拡大を目的に来日した同団長は「ブラジルは日本の需要に応じるだけの準備が整っている。日本の消費者が安全で品質が良く価格が安定したものを求めていることはよく認識している。自信をもってブラジル産を勧めたい」と日本の輸入拡大に期待を示した。

◎タイ、鳥インフルエンザ感染確認25県へ拡大(2004年1月28日、日本経済新聞)
 【バンコク=宮内禎一】タイのソムキット副首相は28日、新たに12県で鳥インフルエンザに感染した鶏を確認したと記者団に語った。確認された県は13から25に増え、全76県のほぼ3分の1に感染が広がった。
 首都バンコクが追加されたほか、これまで感染が確認されていなかった東北部でコンケンなど5県、北部でランパーンなど2県が加わった。感染が確認されていないのは南部だけになった。タイでは20県以上で鶏が大量死していたが、政府の確認が遅れ、被害の拡大を招いているとの批判が強まっている。

◎政府、中国産鳥肉の輸入停止、鳥インフルエンザ確認で(2004年1月27日、日本経済新聞)
 中国政府は27日、広西チワン族自治区で大量に死んだアヒルが鳥インフルエンザに感染していたことを明らかにした。これを受け、日本政府は27日、同日から鶏など中国産の鳥の肉(家きん肉)と加工品の輸入を停止した。家畜伝染病予防法に基づいた措置。中国産鶏肉は国内の供給量の約7%を占めている。最大の鶏肉輸入元のタイに続く輸入停止は、今後の国内需給に影響を与えそうだ。
 農水省によると、両国産の鶏肉などの輸入再開には通常、両政府が感染した鳥の焼却処分など適切な再発防止策を取ったことを日本政府が確認した後、少なくとも90日間の経過期間が必要。輸入停止が長期化する可能性もある。

◎鳥インフルエンザ、中国でも確認(2004年1月27日、日本経済新聞)
 【北京=吉田忠則】中国衛生当局は27日、広西チワン族自治区で大量に死亡したアヒルが鳥インフルエンザに感染していたことを明らかにした。湖北省や湖南省でも感染の疑いが浮上。中国は日本にとって鶏肉の主要な供給国になっており、食品・外食産業に影響を与える可能性がある。
 中国での初の感染確認は国営の新華社電が同日伝えた。人への感染は今のところ確認されていないという。
 アヒルの大量死亡は広西チワン族自治区南寧市隆安県の飼育場で23日に発生。中央政府の検査機関で調べた結果、「H5N1型」の鳥インフルエンザに感染していたことが確認された。すでに飼育場の3キロメートル以内のニワトリやアヒルなどの家きん類1万4000羽を処分した。5キロメートル以内で防疫措置を施した。
 湖北省武穴市と湖南省武岡市で死んだニワトリやアヒルも鳥インフルエンザへの感染の疑いがああり、関連機関で調査している。広西チワン族自治区を含め現時点で感染源は特定できていない。

◎農水省、ラオスとパキスタンの鳥肉などを輸入停止(2004年1月27日、日本経済新聞)
 農水省は27日、ラオスとパキスタンで鳥インフルエンザが発生したため、両国産の鶏肉など家きん肉・同加工品の輸入を停止したと発表した。同省によると、2002年の家きん肉の輸入実績は両国ともゼロだが、パキスタンから家きん以外の生きた鳥を約3万3000羽輸入している。2月からはこれらの輸入も停止する。

◎ラオスでも鶏の鳥インフルエンザ感染を確認(2004年1月27日、日本経済新聞)
 【バンコク27日共同】ロイター通信によると、ラオス政府当局者は27日、同国で鶏の鳥インフルエンザ感染を確認した。当局者は「ベトナムのハノイに死んだ鶏のサンプルを送って調べた結果、感染が確認された」と述べた。
 ラオスと国境を接するベトナムとタイでは鳥インフルエンザ感染で死者が出ているが、同当局者は、ラオスで人の感染はこれまで確認されていないとしている。

◎タイ2人目の死者、ラオスで感染確認、鳥インフルエンザ(2004年1月27日、朝日新聞)
 鳥インフルエンザに感染したタイ北部スコータイ県の男の子(6)が27日、治療中の病院で死亡した。タイではこれまで子供3人の感染が確認され、死者は2人目。ベトナムでの死者6人を合わせると今回の流行で計8人が犠牲になった。またラオスでも同日、鶏への感染が確認された。
 タイで死亡した男の子の母親は養鶏所で働いており、病死した鶏の処分をしていたという。母親も同様の症状で1月中旬に死亡し、感染が疑われている。男の子も母親を手伝って鶏の処分をしていたようだ。
 タイでは、感染が確認された3人のほかに、大人5人、子供5人の計10人に感染の疑いが出ており、そのうち大人5人が死亡している。
 一方、ラオス政府は27日、首都ビエンチャンで鳥インフルエンザの発生を確認したと発表した。
 ビエンチャンでは15日ごろから、少なくとも3カ所の養鶏所で約4500羽が死んだ。政府は当初ニワトリコレラとしていたが、タイなどの研究機関に検査を依頼し、感染が確認されたという。人への感染は、確認されていない。
 一方、ハノイで記者会見した世界保健機関(WHO)の尾身茂・西太平洋地域事務局長は、ベトナムで新たに感染者1人が確認され、計8人になったことを明らかにした。

◎中国、鳥インフルエンザ感染確認、ベトナム隣接の自治区(2004年1月27日、朝日新聞)
 中国当局は27日、広西チワン族自治区のアヒル飼育場で発生した大量のアヒルの病死について、鳥インフルエンザ(H5N1)によるものと確認した。人への感染は見つかっていない。国営新華社通信が伝えたもので、中国でこの冬、鳥インフルエンザが確認されたのは初めて。
 報道によると、感染が確認されたのは、ベトナムに隣接する同自治区の隆安県丁当鎮。23日に自営の飼育場で死亡したアヒルに感染の疑いが浮かび、サンプルを国の研究機関が調べていた。
 すでにこの飼育場は封鎖され、半径3キロ以内で1万4000羽の家禽(かきん)を処分。同5キロ以内ですべての家禽に免疫措置をとったとしている。
 また、湖北省武穴市の養鶏場と湖南省武岡市のアヒル飼育場で26日に病死した鶏やアヒルについても、感染の疑いがあるとみて現地政府が対応している。

◎中国産鶏肉、輸入停止 国内消費量17%の輸入ストップ(2004年1月27日、朝日新聞)
 中国で高病原性鳥インフルエンザが発生したことがわかり、農林水産省は27日夜、同国からの鶏肉類の輸入停止を発表した。中国産は現在、日本で消費される鶏肉全体の約7%にあたり、22日に輸入停止となったタイ産とあわせると、国内消費量の17%の輸入が止まることになる。感染確認がアジア各地で相次ぎ、消費者や食品・流通業界への影響も広がりそうだ。
 同省は家畜伝染病予防法に基づき、鳥インフルエンザが発生した国・地域からの鶏肉とその加工品などの輸入を、すべて停止している。
 同省食肉鶏卵課によると、02年の日本国内の鶏肉消費量は173万トンで、中国からは11万9000トンを輸入している。ほかに空揚げ用などの鶏肉類の加工品14万3000トンも中国から輸入している。
 現在、日本国内で消費する鶏肉類の約3割は、タイや中国などからの輸入に頼っている。
 過去にも、中国産のアヒル肉から鳥インフルエンザのウイルスが確認されたことがあり、農水省は01年6月〜8月と03年5月〜8月の2回、それぞれ3〜4カ月にわたって中国からの輸入停止措置をとった。この時はいずれも、鶏の感染はないことが確認されたため、鶏肉の輸入停止は解除され、アヒル、カモ肉についてだけは停止状態が続いていた。
 鶏肉の需給状況について、農水省は「鶏肉の在庫は約11万トンある。1カ月の平均消費量には満たないが、ブロイラーは約2カ月で生育するので、国産でもすぐに増産できる」とし、需給が逼迫(ひっぱく)する可能性は低いとの見方を示している。ただ、輸入ブロイラーの卸売価格は、先週初めより3割程度上がっており、小売価格への波及も懸念される。
 鳥インフルエンザを巡っては、日本は26日までに、ベトナムや韓国、台湾、香港、マカオ、イタリア、タイ、インドネシア、カンボジアからの輸入を停止。27日には中国のほか、新たに感染が確認されたラオスとパキスタン産も停止しており、輸入が止まったのは12カ国・地域となった。

◎韓国17件目、ベトナムと異なる構造、鳥インフルエンザ(2004年1月27日、朝日新聞)
 韓国農林省は26日、同国中部・忠清南道天安市の養鶏場で鳥インフルエンザの発生が確認されたと明らかにした。韓国での発生確認は13日以来約2週間ぶりで、17件目。鶏2万3000羽のうち数千羽が死んだ。
 また、韓国で確認された鳥インフルエンザのウイルスは、死者6人が出たベトナムのウイルスとは遺伝子構造が一部異なることがわかった。

◎タイ、感染疑いの5人死亡(2004年1月26日、日本経済新聞)
 【バンコク26日共同】タイ保健省は26日、高病原性鳥インフルエンザ感染の疑いがある5人が同日までに死亡したことを確認したと発表した。5人の死因は不明。
 同省によると、中部スコタイ県で新たに小児1人の感染が確認され、タイでの感染確認は死亡した男児(6)を含む3人となった。感染の疑いがあるのは死亡した5人を含む計10人で、今後犠牲者が大幅に増える恐れも出てきた。
 一方、パキスタンの畜産当局は26日、同国南部のカラチで鶏への鳥インフルエンザ感染が確認されたと明らかにした。ウイルスの型などは不明だが、鳥インフルエンザが東アジアから南アジアへも波及したことになり、拡大の懸念がさらに強まった。
 AP通信によると、タイの隣国ラオスでも鳥の大量死が発生、鳥インフルエンザの疑いがあるとして検査を行っているという。
 タイ保健省当局者によると、26日までに同国内の10県で、鳥インフルエンザに感染した鶏が確認された。
 同国政府は中部を中心とした24県を、インフルエンザ汚染または汚染警戒地域に指定し、鶏の大規模な処分作業を実施。26日の同国テレビによると、処分された鶏の数は1000万羽に上った。
 タイ国家経済社会発展委員会当局者は26日までに、鶏肉消費量の落ち込みなどで、鳥インフルエンザが同国経済に悪影響を与えていることを認めた。地元報道によると、ホテルの予約が減少するなど、観光業にも打撃が出始めている。

◎パキスタンでも感染確認(2004年1月26日、日本経済新聞)
 【イスラマバード26日共同】パキスタンの畜産当局者は26日、ロイター通信に対し、南部の港湾都市カラチで、鶏への鳥インフルエンザの感染が確認されたと語った。地元テレビは「これまでに300万―400万羽が死んだ」と報じた。

◎中国でアヒル200羽死亡(2004年1月26日、日本経済新聞)
 【香港=桃井裕理】文匯報は広西チワン族自治区からの旅行者の話として、南寧市の飼育場でアヒル約200羽が死んだと伝えた。地元政府は感染拡大の防止に乗り出しているという。
 アヒルは22日からの春節(旧正月)前に相次ぎ死亡した。死因は確認されていないもようだが、地元政府はすぐに飼育場の周囲3キロメートル以内の鳥類を処分するなどの対策を講じたという。
 現時点で同自治区内では同飼育場以外に鳥インフルエンザの疑いが持たれる病気は発生しておらず、人間にも感染の兆候はみられない。専門家が派遣され、防疫作業を指導している。
 鳥インフルエンザはベトナム、タイ、インドネシアなどに広がっている。ベトナムでは既に6人の死亡が確認されている。

◎農水省、インドネシアとカンボジア産鳥肉の輸入停止(2004年1月26日、日本経済新聞)
 農水省は26日、インドネシア、カンボジアで鳥インフルエンザが発生したことを受け、家畜伝染病予防法に基づき、鶏肉など両国産の鳥の肉(家きん肉)と加工品の輸入を停止したと発表した。同省によると、2002年度のインドネシア産鳥肉・加工品の輸入量は約3000トンで全輸入量の0.4%を占める。カンボジアからの輸入実績はなかった。
 政府は鳥インフルエンザ発生を受け、22日からタイからの鳥肉などの輸入を停止している。

◎タイで鳥インフルエンザ感染の男児死亡(2004年1月26日、朝日新聞)
 タイのスダラット保健相は26日、北部スコータイ県の6歳の男の子が鳥インフルエンザに感染したことを確認したと発表した。タイで確認された感染者はこれで3人になった。鳥インフルエンザはパキスタンでも同日、新たに鶏への感染が確認された。感染は国境を越えて広がる勢いで、国際的な連携による感染阻止が急務になっている。
 タイ保健省によると、鳥インフルエンザに感染して入院中だった西部カンチャナブリ県の6歳の男の子が25日深夜、死亡した。このほか、これまでに感染が確認された3人以外に感染が疑われる患者は少なくとも10人おり、このうち5人が死亡している。鶏の感染状況を調べている農業・協同組合省によると、鶏の感染は26日までに全76県のうち、10県で確認された。
 パキスタンでは、11月ごろから鶏の大量死が続き、350万羽から400万羽が死んだという。農業省当局者によると、今のところ人間への感染は確認されていない。
 インドネシアでは、25日に鶏への感染が確認された。農業省によると、感染はジャカルタを除くジャワ島やバリ島など全32州のうち10州に広がった。昨年8月末からこれまでに470万羽が死に、そのうちの4割が鳥インフルエンザによるものとしている。
 カンボジアではプノンペンの養鶏場で感染が起きた。子供2人への感染が疑われているが、確認されていない。
 また、中国では、ベトナムに隣接する中国・広西チワン族自治区でアヒルの大量死が報道された。
 ラオスでも1月半ば、ビエンチャン近郊で約400羽の鶏の大量死が発生。政府はニワトリコレラとみる。しかし、AFP通信によると、現地の国連関係者は「すでに数千羽が死に、鳥インフルエンザの可能性が極めて高い。政府はすぐに対応するべきだ」と指摘している。

◎鳥インフルエンザ公表せず、インドネシア政府に批判(2004年1月26日、朝日新聞)
 インドネシア政府は25日、東アジアで猛威をふるう鳥インフルエンザが国内でも発生していることを認めたが、専門家らは昨年11月にはすでに発見されていたとしており、これまで事態を公表しなかった政府への批判が広がりそうだ。
 26日付のジャカルタ・ポスト紙によると、鶏の大量死の調査をしているボゴール農業大学の研究者は、「政府も独立機関の研究者も、昨年11月には鳥インフルエンザウイルスを発見した。拡大を防ぐために、すみやかに公表するよう政府に求めていた」と述べた。
 農業省は、鶏の大量死は昨年8月末、中ジャワ州で始まり、これまでに470万羽が死んだとしている。このうち4割が鳥インフルエンザによるもので、残りは人体に影響がないとされるニューカッスル病としている。感染はジャカルタをのぞくジャワ島の5州や、バリ、カリマンタン(ボルネオ島)の3州など、全国32州のうち10州に広がり、少なくとも400軒の養鶏場が影響を受けている。
 大量死はすでに1000万羽に達しているという専門家の見方もある。
 公表の遅れについては、獣医師会の幹部からも「12月中旬にはすでにサンプル検査が終わっているはずなのに、政府は結果を公表していない」との批判が出ていた。

◎インドネシアでも鳥インフルエンザ発生、人への感染なし(2004年1月26日、朝日新聞)
 インドネシア農業省は25日、同国で鳥インフルエンザが発生したと発表した。人への感染は確認されていない。東ジャワ州やバリ島などでは昨年10月ごろから、鶏1千万羽が死んだと同国メディアは伝えている。
 アジアで今冬、鳥インフルエンザによる鶏の大量死が確認されたのは、これで7カ国・地域になった。
 これまでに確認されたのは日本、タイ、韓国、ベトナム、カンボジア、台湾。このうちベトナムとタイで人への感染があった。
 インドネシア農業省は、鶏の死因にはニューカッスル病もあるとしている。01年の統計で同国内では2億6千万羽の鶏が飼育されているが、国内消費が主体。
 日本は03年1〜11月、インドネシアから約3800トンの鶏肉を輸入した。輸入量全体の1%未満。輸入量の9割強をタイ、ブラジル、中国、米国の4カ国が占めた。
 25日付のコンパス紙によると、東ジャワ州の獣医師会代表は「同州では500万羽が鳥インフルエンザで死んでおり、12月にすでにサンプル検査がすんでいるのに、政府は結果を公表していない」と、政府の対応を批判した。

◎中国でアヒル200羽病死、鳥インフルエンザの疑いも(2004年1月26日、朝日新聞)
 26日付の香港の中国系紙文匯報は、ベトナムに隣接する中国・広西チワン族自治区から訪れた人の話として、同自治区隆安県のアヒル飼育場で、1月20日ごろまでにアヒル約200羽が病死したと伝えた。鳥インフルエンザの疑いがあるため、地元政府は飼育場周辺3キロの範囲内の家禽(かきん)をすべて処分する措置をとり、25日に農業省の専門家が現地入りし、調査や防疫の指導をしているという。

◎インドネシアでも確認(2004年1月25日、日本経済新聞)
 【ジャカルタ=岩本陽一】インドネシア農業省は25日、国内で鶏などに対する鳥インフルエンザの感染を確認したと発表した。2003年8月から今月までの約半年間で、国内生産量の5%程度に相当する約470万羽が死んだ。政府は緊急対策チームを発足、全国レベルでの実態把握や検査態勢の整備に乗り出した。
 農業省によると、ジャワ島、カリマンタン島のほか、日本人観光客に人気の高いバリ島など広範囲の地域で感染被害を確認した。国内では昨年秋ごろから鶏の大量死が問題となっていたが、同省は鶏特有の病気である「ニューカッスル病」と判断。今月23日までは、鳥インフルエンザの被害を公式には認めていなかった。25日時点で人への感染例は報告されていない。
 インドネシアでは鶏肉は主要食材の一つであり、輸出は限定的。同国から日本への輸出量は、年間約3000トン(2002年実績)にとどまっている。一方、イスラム教徒向けの食品規格が厳格に守られており、輸入も全消費量の数%程度と少ない。感染ルートの解明は容易でないとの見方もある。

◎タイ首相「数週前から発生の疑い持っていた」(2004年1月25日、日本経済新聞)
 【バンコク25日共同】タイのタクシン首相は25日、同国で発生が確認された高病原性鳥インフルエンザについて「政府は2、3週間前から国内で発生したとの疑いを持っていた」とし、国民の不安を引き起こすことを懸念して公表しなかったと説明した。
 AP通信によると、訪問先の中部スパンブリ県で記者団に語った。この発言でタイ政府が長期にわたり発生を隠ぺいしていたとの批判はさらに強まりそうだ。
 タイでは昨年からの鶏の大量死に関し「鳥インフルエンザが原因」との指摘が消費者団体から上がっていたが、政府は今月21日に「3人が感染の疑いで検査を受けている」と公表するまで発生を繰り返し否定していた。
 首相は、発生の疑いについて公式の検査結果が出る以前に、鳥インフルエンザが実際に発生した場合と同様の取り組みを政府が進めていたと語った。
 また首相は25日、政府の指示で鶏を処分した同県中部スパンブリ県の農家に対し、1羽当たり40バーツ(約110円)を補償すると語った。
 タイ政府は鳥インフルエンザ発生の疑いが浮上して以降、全国で鶏約700万羽を処分。発生状況が最も深刻とされるスパンブリ県では約100万羽が処分されている。

◎鳥インフルエンザ「前から疑っていた」、タイ首相が豹変(2004年1月25日、朝日新聞)
 タイのタクシン首相は25日、鳥インフルエンザの感染が深刻な中部スパンブリ県を訪れ、「数週間前から、わが国でも鳥インフルエンザの感染が発生するかもしれないと疑っていた」と記者団に語った。しかし、人への感染が確認される直前まで、首相が先頭に立って「タイは安全」と主張しており、責任を追及する声は一層高まりそうだ。
 消費者や農家の団体などからは「政府は鶏肉業界への影響を恐れ、判断を誤った。対応の遅れが感染を広げた」との批判が高まっている。
 昨年11月から中部や西部で鶏の大量死が続いていたが、政府は「ニワトリコレラなどが原因」と説明していた。1月13日にベトナムで初めて人への感染が確認されると、タイでも「わが国の鶏の大量死は鳥インフルエンザが原因ではないか」と指摘する報道が相次いだ。
 タクシン首相の発言によれば、政府はこのころすでに国内での感染を懸念していたことになる。
 しかし、政府は感染を否定。ネウィン農業・協同組合副首相は16日、「世界第4位の鶏肉輸出国であるタイの検査技術は信頼を得ている。国際機関による調査は必要ない」と発言。
 20日には首相自らが、テレビカメラの前で鶏肉料理をたいらげ、安全をアピールしてみせた。この後、ニラン上院議員が22日に「すでに感染者が出ている」と暴露発言。政府も翌日、追認するかたちで正式発表した。
 農業・協同組合省によると、鶏の大量死は24県で発生、700万羽以上を処分した。鳥インフルエンザの鶏への感染はスパンブリ県に加え、25日、カンチャナブリ県でも確認された。
 人への感染の発表前、「処分された鶏の入った袋が、道路わきに放置されていた」「鶏の処分を拒否する農家もいた」などの証言も出ている。

◎ベトナムでの感染7人、死者6人に、鳥インフルエンザ(2004年1月24日、朝日新聞)
 世界保健機関(WHO)は24日、ベトナム南部ホーチミン市で、8歳の少女と13歳の少年が、鳥インフルエンザウイルスに感染していたことを確認した。少年は22日に死亡、少女は現在も治療を受けている。ベトナムでの人への感染確認はこれで7人となり、このうち6人が死亡した。
 ベトナムでは、これまでハノイ周辺の北部でのみ感染者が確認されていたが、ホーチミン市を含む南部では初めて。国内の鶏の感染は南部でも広がっていた。政府は、ホーチミン市内で鶏肉の販売を全面禁止し、他地域でも鶏の持ち出しを禁じるなどの対策をとったが、感染拡大はいまだに止まっていないと見られる。
 鳥インフルエンザは、ベトナムのほか、タイでも子供2人に感染が確認されている。カンボジアでも鶏への感染が確認されており、今後も東南アジア各地で感染者が増える恐れが指摘されている。

◎タイ政府に「情報隠し」疑惑も、鳥インフルエンザ(2004年1月24日、朝日新聞)
 鳥インフルエンザの人への感染が23日確認されたタイでは、鶏の大量死が少なくとも16県に広がっている。タイ農業・協同組合省は同日になって初めて中部スパンブリ県での鳥インフルエンザの感染を確認したが、タイ養鶏業界に致命的な打撃を与えるのは確実で、政府の対応の遅れに批判が高まっている。
 農業・協同組合省の23日の発表によると、これまでに検査した約1万6000羽のうち、スパンブリ県の1羽から、鳥インフルエンザウイルスが確認されたという。
 しかし、タイの有力英字紙ネーションは同日、同省畜産局に近い獣医師の話として、昨年11月に中部ナコンサワン県で鶏の大量死があった際、政府は鳥インフルエンザ感染をすでに確認していたと報じた。養鶏業界への影響を懸念して事実を公表しなかったという。
 伝染病は、間もなくスパンブリ県やカンチャナブリ県でも広がったが、政府は「ニワトリコレラ」や気管支症が原因と説明してきた。12月半ばに韓国で鳥インフルエンザの発生が確認された後も、タイ政府側はこの説明を変えていない。
 政府は大量死の発生直後から鶏の処分や検査を行い、16県で700万羽を処分した。しかし、農業関係者は「農家は病気について情報を得ておらず、処分の際の衛生対策が十分でなかった可能性もある」と指摘する。
 また、消費者団体からも「医師や研究者は、鳥インフルエンザの発生を疑いながら、黙っていたのではないか」との声が上がっている。タクシン首相は23日、鳥インフルエンザ感染が見つかった国の農業、保健担当大臣を招いて来週にも国際対策会議を開きたいとの意向を示した。

◎タイ政府、感染を確認(2004年1月23日、日本経済新聞)
 【シンガポール=宮内禎一】タイのスダラット保健相は23日、同国中部の養鶏農家の男児2人が鳥インフルエンザに感染したと発表した。
 感染したのはスパンブリ県の7歳の男児とカンチャナブリ県の6歳の男児で、いずれも重体。「鶏との接触で感染した可能性が高い」という。男児2人も含め感染の疑いのあった5人のうち男性1人が同日肺炎のような症状で死亡したが、死因は調査中。残る2人は検査結果が出ていない。
 政府によると感染の疑いがあった24県中、16県で監視体制を強化している。スパンブリ県の鶏1羽からウイルスを確認した。疫病の拡大を防ぐため感染地域の鶏を23日までに710万羽処分した。

◎カンボジアでも鶏の感染を確認、鳥インフルエンザ(2004年1月23日、朝日新聞)
 国連食糧農業機関(FAO)のアジア太平洋地域事務所によると、カンボジアで23日、鶏の鳥インフルエンザ感染が確認された。カンボジア政府も同日、感染の事実を公表した。
 鶏の感染が確認されたのは、首都プノンペン近郊の養鶏場。鶏が大量死したことから、フランスの研究所にウイルスの特定を依頼した。ベトナムやタイで人に感染したものと同じ型のH5N1だったが、カンボジアでは人への感染はまだ確認されていない。
 カンボジアは隣接するタイやベトナムからの鶏の輸入を禁止している。しかし、これらの国と隣接するラオスでも1月半ば、原因は特定されていないが鶏の大量死が報じられた。

◎鳥インフルエンザ、「鶏肉大国」タイ衝撃、経済へ影響か(2004年1月22日、朝日新聞)
 鳥インフルエンザ感染の疑いがある患者が出たことで、世界屈指の鶏肉輸出国タイが衝撃を受けている。「現段階では感染は確認されていない」とタクシン首相。しかし、最大の得意先の日本が22日、輸入停止に踏み切り、この措置が長引けば国内経済への打撃は避けられない。
 今回の騒ぎに火をつけたのは、医師でもあるニラン上院議員。22日、朝日新聞などの取材に対し、中部スパンブリに住む7歳の男の子の鳥インフルエンザ感染が確認された、と語った。情報源は明かさなかった。
 タクシン首相は感染確認を否定しつつ、「仮に感染が確認されても、政府は感染拡大を防止できるし、人から人への感染ではないので平静を保って欲しい」と国民に呼びかけた。
 保健省によると、感染が疑われているのは大人1人、子供3人。男の子の双子の兄も22日になって同様の症状で入院した。
 地元紙によると、大人は40代の男性で、中部ナコンサワンの養鶏場で働いていた。鶏70羽が死んだ後、それを処理し、今月7日に高熱などの症状で入院した。
 ナコンサワンなどの養鶏場では昨年11月ごろから、鶏の大量死が相次いでいた。処分したものも含めて40万羽以上という。しかし政府は当時、この事実を明らかにしていなかった。
 公表したのは、韓国で鳥インフルエンザ感染が報道された12月中旬。「鳥インフルエンザではなく、ニワトリコレラや寒さの影響」と説明し、今月14日にも同様の否定会見を開いた。
 病気の鶏が見つかった養鶏場から半径5キロ以内の鶏はすべて処分し、半径50キロ以内の鶏をすべて検査するとの対策をとり、これまでに85万羽を処分したという。
 タイは、米国や中国、オーストラリアに次ぐ鶏肉輸出国だ。商業省貿易振興局によると、03年1〜11月の輸出総額は8億8500万ドル(約956億円)。このうち日本向けは4億2000万ドルで、半分を占める。焼き鳥や空揚げなど日本向け加工食品の工場も多く、冷凍にして船積みしている。
 一方、世界保健機関(WHO)や国連食糧農業機関(FAO)は、タイ政府の対応を見守る姿勢だ。関係省庁と連絡は取りあっているが、「タイ政府は自力で処理できる」との立場だ。
 WHOタイ事務所のソムチャイ医師は「政府の結論を注目しているが、ウイルスの特定を確実にするためにも、国際的な調査を提案したい」と話す。

◎タイでも鳥インフルエンザ感染か、上院議員が確認と表明(2004年1月22日、朝日新聞)
 タイ上院のニラン社会開発・人間の安全保障委員長は22日、中部スパンブリの7歳の男の子が鳥インフルエンザに感染したことが確認された、と語った。タイ保健省は「感染したかどうかは確認中」としている。確認されれば、タイで初の感染者となる。
 タイ政府は、昨年11月から鶏が大量死したことは認めているが、原因は「ニワトリコレラ」として、鳥インフルエンザの発生は認めていない。感染が確認されれば、迅速な対応を欠いた政府への批判が高まる可能性がある。
 同議員は政府筋の話として、この男の子から、ベトナムで人への感染が確認された鳥インフルエンザウイルスH5N1が検出されたとしている。
 保健省によると、感染の疑いで検査をしているのはこの男の子のほか、中部のナコンサワンの大人1人と、カンチャナブリの子供1人の計3人。地元紙の報道によると、3人とも養鶏場関係者やその家族で、鶏と直接接触があったらしい。

◎ベトナムの鳥インフルエンザ、死者5人に(2004年1月19日、朝日新聞)
 世界保健機関(WHO)は19日、ハノイの病院で17日に死亡した8歳の女の子が鳥インフルエンザのウイルス(H5N1)に感染していたことを確認した。ベトナムの鳥インフルエンザによる死者は、これで5人になった。
 WHOによると、女の子はハノイに近いハータイ省に住み、14日に入院したばかりだった。これまでの4人と同様に、鶏からの直接感染と見られ、人から人への感染は確認されていない。
 ベトナムでは昨年10月からこれまでに、感染が確認された5人を含め、少なくとも18人が同様の症状で入院し、うち13人が死亡した。ほとんどが子供だ。
 ハノイの国立小児病院によると、感染が疑われた子供の多くは重症で、急激に症状が悪化。感染が疑われる18例のうち回復したのは1例だけだという。

◎中国広東省、鳥類1億羽にワクチン注射(2004年1月19日、日本経済新聞)
 【広州=北代望】中国広東省は日本やベトナムでみつかった鳥インフルエンザの感染予防策として、省内の鶏などすべての食用鳥類約1億羽にワクチンを注射し、検疫を強化する。同省農業局が17日の緊急会議で決定した。
 同省に存在する鶏、豚などの食用家畜は13億6000万匹といい、加工品などを香港や日本に輸出している。近隣国・地域からのウイルス流入を防ぐため、通関時の検査や流通経路の監督も強化する方針だ。

◎ベトナムで5人目の死者、鳥インフルエンザで(2004年1月19日、日本経済新聞)
 【ハノイ19日共同】ロイター通信によると、世界保健機関(WHO)は19日、このほど死亡したベトナムの8歳の女児が高病原性鳥インフルエンザに感染していたことが確認されたと発表した。ベトナムで同ウイルスによる死者は5人目となった。
 5人はいずれもハノイ近郊で発症。WHOはウイルスの遺伝子解析を進めている。これまでに人から人へ感染するような変異は認められておらず、鳥からの感染とみられている。ベトナムではこれまでに約200万羽の鶏が処分された。

◎ベトナム、鳥インフルエンザで4人目の死者(2004年1月17日、日本経済新聞)
 【ハノイ17日共同】世界保健機関(WHO)は16日、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)に感染した死者がベトナムで新たに1人確認されたと発表した。ベトナムでの同ウイルスによる死者は計4人となった。
 AP通信によると、WHO当局者が「4人目の死者は今月8日に死亡した5歳の男児」と述べた。
 南部のキエンザン省の病院当局者が明らかにしたところによると、今月11日に女性(21)が、13日には男性(25)が鳥インフルエンザの症状を示し入院。また、17日付のベトナム紙トイチェは、ハノイと周辺で1歳児3人が入院、そのうち2人は重症と報じた。
 WHOはウイルスの遺伝子解析を進めているが、これまでに人から人へ感染するような変異は認められておらず、鳥からの感染とみている。

◎鳥インフルエンザ:ベトナムで4人目の死者、WHOが確認(2004年1月17日、毎日新聞)
 世界保健機関(WHO)は16日、ベトナムで4人目の鳥インフルエンザによる死者が確認されたと発表した。
 WHOは現在、死亡した患者から検出したウイルスの遺伝子を解読しているが、これまでのところ人から人に感染するような遺伝子の変異は確認されていないという。
 このためWHOは、新型肺炎「重症急性呼吸器症候群」(SARS)のような大流行が起こる可能性は低く、現時点では渡航自粛勧告などを出す予定はないとしている。

◎ベトナムで4人目の死者、インフルエンザ(2004年1月17日、産経新聞)
 世界保健機関(WHO)は16日、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)に感染した死者がベトナムで新たに1人確認されたと発表した。ベトナムでの同ウイルスによる死者は計4人となった。
 AP通信によると、WHO当局者が「4人目の死者は今月8日に死亡した5歳の男児」と述べた。
 南部のキエンザン省の病院当局者が明らかにしたところによると、今月11日に女性(21)が、13日には男性(25)が鳥インフルエンザの症状を示し入院。また、17日付のベトナム紙トイチェは、ハノイと周辺で1歳児3人が入院、そのうち2人は重症と報じた。
 WHOはウイルスの遺伝子解析を進めているが、これまでに人から人へ感染するような変異は認められておらず、鳥からの感染とみている。(共同)

◎鳥インフルエンザ:台湾中部でまた発見、3万5000羽処分に(2004年1月17日、毎日新聞)
 【台北・飯田和郎】台湾中部、嘉義県の養鶏場で17日までに、毒性の弱いH5N2型鳥インフルエンザウイルスが発見され、農業委員会(農水省)は鶏約3万5000羽すべての処分を命じた。ウイルスが毒性の強いH5N1型に変異する可能性も排除できず、被害拡大を防ぐため、処分を決めたという。
 台湾では彰化県の養鶏場でH5N2型ウイルスが見つかり、鶏約2万羽が処分されたばかり。衛生署(衛生省)は彰化県から嘉義県へ感染した可能性は低いとみている。

◎鳥インフルエンザ:台湾でもウイルス検出、2万羽処分(2004年1月16日、毎日新聞)
 【台北・飯田和郎】台湾農業委員会(農水省)の動植物防疫局は15日、台湾中部、彰化県の採卵養鶏場の鶏から、H5N2型の鳥インフルエンザウイルスを検出したと発表した。H5N2型は日本や韓国などで発見されたH5N1型ウイルスに比べ、病原性は弱いとされるが、この養鶏場で飼育する約2万羽や生産された卵すべてを処分するとともに、彰化県内での鶏の移動禁止を命じた。
 彰化県の動物防疫所の郭丑哲所長によると、H5N2型ウイルスは15日までに、定期検査時に発見された。「感染源は特定されていないが、渡り鳥など野鳥のフンが介在したのではないか」と推測している。農業委は「周辺国で鳥インフルエンザが猛威をふるっており、万全を期すため殺処分を決めた」と説明している。
 台湾は、日本やシベリアなどから南下する渡り鳥の中継地となっている。このため衛生署(衛生省)の蘇益仁・疾病管理局長は15日、「台湾で鳥インフルエンザが大流行する可能性がある」として、検査体制を強化する方針を明らかにした。
 国立感染症研究所の田代真人・ウイルス第三部長の話 H5N2型ウイルスが人間に感染したという報告はなく、人間への感染をすぐに心配する段階ではない。しかし、ウイルスは変異を起こしやすい。鳥での感染拡大を封じ込めると同時に、ウイルスの遺伝子を詳しく調べ、感染源を突き止めることが必要だ。

◎渡り鳥からの感染、専門家は否定的、鳥インフルエンザ(2004年1月16日、朝日新聞)
 山口県阿東町の養鶏場の鶏が高病原性鳥インフルエンザで大量死した問題で、農林水産省は15日、専門家による小委員会を開いた。これまでは渡り鳥がウイルスを運んだ可能性が指摘されていたが、今回の発生状況や鳥の飛来ルートなどを踏まえて、専門家らは「今のところは渡り鳥とは決めつけられない」(小委員長、喜田宏・北海道大教授)とし、海外から入ってきたウイルスが、人やトラックなどに付着して、鶏に伝わった可能性を挙げた。
 鶏の導入元の福岡県内の育成農場で検査したところ、感染は見つからなかった。専門家らは今回の感染と育成農場は無関係で、養鶏場の1羽から感染が広がったと見ている。
 また委員会は、感染経路を解明するには、今後、ウイルスの遺伝子解析を進め、海外のウイルスと比較することが重要だと指摘。ワクチンの使用については、現状では適切でないが、発生拡大に備えて備蓄を検討しておくべきだとした。
 さらに、メンバーの山口成夫・動物衛生研究所感染症研究部長は、マウスへの接種試験をし、このウイルスが人に感染する可能性があるかどうか検討する考えを示した。

◎台湾、鳥インフルエンザウイルス検出で鶏2万羽処分(2004年1月15日、朝日新聞)
 台湾行政院(内閣)農業委員会(農水省)は15日、中西部の彰化県の養鶏場1カ所の鶏から鳥インフルエンザウイルスH5N2型が検出され、2万羽を処分したと発表した。ベトナムで死者がでたH5N1型に比べ、病原性は低いという。今回の処分は、突然変異によって病原性の強いウイルスが現れるのを防ぐための予防的措置と説明している。

◎鳥インフルエンザで死亡確認、ベトナムで3人、WHO(2004年1月14日、産経新聞)
 世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局は13日、ベトナムのハノイ周辺で昨年10月から、母子と別の子供の計3人が鶏の鳥インフルエンザ(H5N1)に感染して死亡したと正式に発表した。
 ハノイ周辺では、3人のほかに11人の子供が同様の症状を示し、うち9人が死亡しているが、この症例については鳥インフルエンザかどうか確認できていないという。
 尾身茂事務局長は「死亡した3人は、人から人への感染ではなく鶏から感染した可能性が強い。これまでのところ、人から人への感染を示す証拠はない」と述べた。
 また、鳥インフルエンザに感染している鶏を食べることについて「生で食べず、熱を加えて調理して食べれば感染することはない」との見解を示した。
 鳥インフルエンザの人への感染例としては、1997年に香港で6人が死亡。2003年にはオランダと香港で死者が出た。(共同)

◎ウイルスは韓国、ベトナムと同型、鳥インフルエンザ(2004年1月14日、産経新聞)
 山口県の養鶏場で発生した高病原性鳥インフルエンザ問題で、感染した鶏から検出したウイルスが、韓国で昨年末から大流行しているものと同じ「H5N1型」であることが13日、動物衛生研究所(茨城県つくば市)の遺伝子解析で分かった。
 世界保健機関(WHO)西太平洋事務局も同日、同じ型のウイルスによりベトナムで昨年10月から子供を含む3人が死亡したと発表した。このウイルスは香港でも見つかっており、農水省は国内への感染ルートを調査、厚生労働省や地元自治体などとともに感染拡大の防止に努める。
 農水省は13日夕、省内で対策本部(本部長・金田英行副大臣)の初会合を開き、まん延防止策などを協議。金田副大臣は「まずはウイルスの発生状況の把握、感染原因の究明をやらなければならない」と話した。
 今後、感染ルート解明のため山口県と共同で養鶏場に鶏が導入された経路を調べるほか、国外から渡り鳥の飛来によりウイルスが持ち込まれた可能性も検討。野鳥が死んでいるのが見つかった場合、ウイルスの感染を調べることにしている。
 動物衛生研究所によると「H5N1型」は1997年に香港で6人が死亡したケースや、昨年12月から韓国で鶏やアヒルが大量死したケースが知られている。
 今回の検査では韓国のウイルスと完全に同一かどうかまでは判明しておらず「ウイルスの型が一致したとしても、韓国から国内にウイルスが持ち込まれたと即断はできない」(栗本まさ子農水省衛生管理課長)という。
 また農水省は同日、担当職員を山口県に派遣。養鶏場の消毒や部外者の立ち入り制限などの防疫措置のほか、養鶏場で飼われていた鶏の処分方法などについて説明を受けた。

◎鳥インフルエンザ:韓国などと同種ウイルスと判明(2004年1月14日、毎日新聞)
 農林水産省は13日、山口県で発生した高病原性鳥インフルエンザのウイルスの型が韓国や中国、香港、ベトナムで検出されたウイルスと同種の「H5N1型」であると確認した。独立行政法人・動物衛生研究所(茨城県つくば市)で検査した結果、判明した。今後、ウイルスの遺伝子配列をさらに詳しく調べ、韓国などとの関連があるかどうかを検討する方針で、感染ルート解明の重要な手掛かりとなりそうだ。
 鳥インフルエンザが発生した山口県阿東町の養鶏業者「ウイン―ウイン・ファーム山口農場」のニワトリは福岡県大平村の系列農場で生産され、成育後に山口農場に運ばれている。専門家の多くはニワトリが山口農場で感染したとみている。
 農水省は韓国での鳥インフルエンザ流行を受けて、昨年12月12日に韓国からのニワトリの輸入を禁止した。同省は「現時点では韓国などとの接点は確認されていない」とする一方、国内での鳥インフルエンザ発生が1925年以来79年ぶりであることなどから、ウイルスは海外から日本に入ってきた可能性が高いとみて、感染ルート解明を急いでいる。
 H5N1型は香港で97年に発生し、死者6人を出した際に検出された。昨年流行した中国、現在も流行中の韓国やベトナムでも同じ型のウイルスだと判明している。
 H5N1型と特定されたことで、韓国などで感染した渡り鳥がウイルスを日本に持ち込んだとの見方が強まりそうだ。
 大槻公一・鳥取大教授(獣医微生物学)は「韓国と同じ型のウイルスなので、野鳥を通じて感染した可能性が高い。このウイルスはもともと、中国から韓国へと広がっており、それが日本に入ってきたのではないか。韓国から山口県までの200〜300キロの距離は渡り鳥にとって簡単に飛べる距離だ」と語る。
 渡り鳥がウイルスを運んだ場合、ほかの養鶏場でも感染の恐れがある。大槻教授は「感染拡大を防ぐには、鶏舎に網を張って野鳥が出入りするのを防ぐなど、ウイルスが侵入する可能性を徹底的に絶つことが求められる」と指摘している。
 一方、喜田宏・北海道大教授(ウイルス学)は「同じH5N1型でも、各国で流行しているウイルスの塩基配列は少しずつ違う。感染ルート特定には、塩基配列の分析、比較が必要だ」と慎重な見方を示している。【上田宏明、加藤潔、足立旬子】

◎鳥インフルエンザ、今のところ証拠なし、ベトナムの死者との関連性(2004年1月13日、毎日新聞)
 ベトナムで11人以上がインフルエンザで死亡したことと、鳥インフルエンザとの関連について、マニラの世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局の担当者は13日、「現在のところ、鶏から感染したことを示す証拠は出ていない」と述べた。
 担当者は「香港の研究施設でウイルスなどの検査をしており、早ければ13日中に結果が出るだろう」と話した。
 また山口県で「高病原性鳥インフルエンザ」のウイルスが発見されたことについて「話は聞いているが、ベトナムのものとは別の種類だと思う。それ以上の情報は得ていない」とした。(共同)

◎鳥インフルエンザで3人死亡、ベトナム(2004年1月13日、朝日新聞)
 マニラにある世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局は13日、ベトナムで、鳥インフルエンザ感染により母子ら3人が死亡したと発表した。WHOは、いずれも鶏などとの直接接触による感染の可能性が高いと見ており、「人から人への感染は確認されていない」としている。
 発表によると、感染が確認されたのはハノイ近郊の女性(30)と女の子(12)の親子、さらに別の家族の男の子(5)。昨年12月28日から今月10日にかけて死亡し、鳥インフルエンザのH5N1型ウイルスが見つかった。
 ベトナムでは昨年暮れごろから、鳥インフルエンザに感染した鶏が大量に見つかり、100万羽以上が死んだり、処分されたりした。また昨年10月以降、この3人のほかに子供9人が同様の症状で死亡している。ただ、ウイルス感染の有無は確認されておらず、調査が続けられている。

◎鳥インフルエンザ、家畜の処分を指示、ベトナム(2004年1月13日、産経新聞)
 13日付の英字紙ベトナム・ニューズによると、ハノイ市当局はこのほど、病気の疑いのある家禽(かきん)、家畜をすべて処分するよう指示した。先週、同市西のハタイ省ルオンミ地区で、鳥インフルエンザウイルス感染により8万1000羽の鳥類が死んだための措置。
 同国では南部のティエンザン、ロンアン省で昨年末に70万羽が鳥インフルエンザで死んでおり、感染拡大に当局は警戒を強めている。(共同)

◎鳥インフルエンザ:特定鶏舎で高い死亡率、山口の採卵農場(2004年1月13日、毎日新聞)
 山口県阿東町の採卵鶏農場で国内79年ぶりの鳥インフルエンザが発生した問題で、農場の六つの鶏舎のうち昨年4月に鶏を導入した1号鶏舎の死亡率が60%超で際立って高いことが山口県の調査で分かった。農場では13日までに新たに2312羽が死亡、累計数は8294羽に達し、全体の死亡率は24%。県は導入時期と感染の因果関係について調査する。
 県によると、インフルエンザとみられる最初の死亡鶏が出たのが「ウインウインファーム山口農場」1号鶏舎だった。先月28日、8羽が死んだ。農場によると、通常やせて病死する鶏が丸々と太ったまま突然死したので異常に気付いた。
 同農場は昨年4月開業し、1号鶏舎には開業時に福岡県大平村の自社育成農場から約6000羽を導入した。以後、2〜3カ月おきに5000〜6000羽を6棟の鶏舎に導入してきた。
 13日現在の各鶏舎の死亡数と死亡率は、1号3895羽62%(昨年4月導入)▽2号249羽5%(同6月)▽3号2982羽60%(同8月)▽4号1128羽23%(同)▽5号35羽0.5%(同10月)▽7号5羽0.1%(同12月)だった。6号舎は使用していない。
 死亡率の高い1、3号舎は隣接しており、それ以外の鶏舎は通路をはさむなど、やや離れている。県は、1号舎で感染が起こり、乾いた鶏ふんが風などで飛散して隣の3号舎に広がった可能性があるとみている。
 県は1号舎の従業員や飼料など物資の出入りを農場から聴き、原因を調査する。農場に残る2万6000羽の殺処分にも着手した。

◎鳥インフルエンザ、鶏2万6000羽、処分へ(2004年1月13日、産経新聞)
 山口県阿東町の採卵養鶏場の鶏から高病原性鳥インフルエンザウイルス感染が発生した問題で、山口県は13日も引き続き養鶏場を消毒し、鶏を埋却処分するのに向け作業を始めた。県内全域の養鶏農家に対する立ち入り検査にも着手、関係者の聞き取りを進め、感染源の解明に全力を挙げる。
 鶏は12日、新たに約2300羽が死に、これまでに死んだ数は計約8300羽となり、残り約2万6000羽は処分され、国から一定の割合で補償されるという。
 県畜産課によると、13日朝から、県中部家畜保健衛生所の職員ら9人が発生地の「ウインウインファーム山口農場」(阿東町生雲中)で作業を開始。残りの鶏は養鶏場の敷地内に埋めて処分するため、場所を検討した。決まり次第、残りの鶏の数と感染の有無を調べながら、鶏をガスで窒息死させるなどした後、消毒剤とともに埋める。
 同農場が生産した卵はJA山口たまごセンターなどを経て「おったまご」のブランドで主に山口県内に出荷。既に対象の約100店舗に販売中止を要請し、鶏の大量死が始まった後の出荷分約20トン中、1・7トンを回収。回収した卵は処分する。
 また、県は13日、県内全域の家畜保健衛生所の職員25人で227カ所の養鶏農家を順次、立ち入り検査。様子がおかしい鶏がいないか調べている。
 農場周辺では引き続き、県職員が部外者の立ち入りを禁止するため規制に当たった。
 鳥インフルエンザウイルス感染の発生を受け、山口県農林部は13日も、早朝から対応に追われた。
 山口市嘉川の県中部家畜保健衛生所では、午前6時すぎから採卵養鶏所の消毒や立ち入り規制などを行うため、職員10人が相次いで出発。小雪がちらつく中、作業着にジャンパー姿の職員らが慌ただしく車に乗り込み、阿東町へ向かった。
 ウイルス感染があった養鶏所に向かう道は「関係者以外通行禁止」。職員は周辺を出入りする車両を止め、タイヤに消毒液を吹き付けるなどの感染拡大防止作業を続けた。
 寺村隆男所長は「消毒が終わり次第、鶏の処分を始めるが、数が多いため、作業終了の見通しはまったく立たない」と話した。

◎渡り鳥のふんから感染か、山口の鳥インフルエンザ(2004年1月12日、朝日新聞)
 今回の山口のトリインフルエンザの感染ルートについて、東大医科学研究所の河岡義裕教授(ウイルス学)は、海外の事例をもとに、渡り鳥などの野鳥のふんや、ふんがついたものと接触したことで広がった可能性もある、としている。
 ウイン社の山口農場の鶏舎は屋根はあるものの壁側から野鳥が入れる構造になっている。
 もともとインフルエンザウイルスは水鳥などの野鳥の体内にいる。このときは毒性が弱いが、鶏に感染し、増殖していく中で、突然、毒性が強いものが出てくることも知られている。
 農水省などには渡り鳥で日本に伝わったとの見方も出ている。
 今後は感染経路の特定や感染拡大の阻止などを、農水省などが各自治体と進めていく。
 厚生労働省は12日、保健所を通じ、ウインウインファーム山口農場の養鶏場の関係者らに発熱やかぜのような症状がないかを調べ始めた。手洗いなど衛生管理の徹底も指導する。また、都道府県に対し、鳥インフルエンザの感染が疑われる患者が現れた場合、ただちに報告するよう求めた。この病気に関する冊子も自治体へ配布する。

◎山口で鳥インフルエンザを確認、国内79年ぶり(2004年1月12日、日本経済新聞)
 農林水産省と山口県は12日、同県阿東町の採卵養鶏場のニワトリから高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出されたと発表した。同ウイルス感染が国内で確認されたのは1925年以来79年ぶり。
 鳥インフルエンザウイルスは各国で発生例があり、人間に感染した例もあるが、鶏肉や鶏卵を食べて感染したとの報告はないという。県は家畜伝染病予防法に基づき農林部長を本部長とする対策本部を設置。この採卵養鶏場の半径30キロ以内の鶏卵、鶏肉の移動を禁止し、当該養鶏場のニワトリの処分と施設の消毒などの防疫処理を進める。業者には出荷した卵の自主回収を指示した。鳥インフルエンザの感染が確認されたのは阿東町の「ウインウインファーム山口農場」。昨年12月28日ごろからニワトリが死に始め家畜保健衛生所員が30日に立ち入り検査。1月11日、動物衛生研究所(茨城県つくば市)の検査でウイルス感染が分かった。ウイルスは韓国で昨年アヒルやニワトリに被害が拡大したA型インフルエンザウイルス(H5N1)と同じ「H5」型に属し、類似性があるという。同研究所で型の確認を急いでいる。〔共同〕

◎鳥インフルエンザ感染、山口で確認、国内では79年ぶり(2004年1月12日、朝日新聞)
 農水省などによると、鳥インフルエンザの感染例が、山口県内で見つかった。ニワトリの死亡率が高い「高病原性」とされるタイプで、国内での発生確認は79年ぶり。同県や同省が午後に発表する。見つかったのは、約3万5千羽を飼育している同県阿東町の養鶏場。同じ養鶏場のニワトリは処分され、周辺の半径30キロの地域からの鶏肉出荷は停止される見込み。鳥インフルエンザは韓国や、ベトナム、香港などで問題になっている。鶏肉を食べても、人間には感染しないとされる。

◎ベトナムでニワトリの伝染病流行、国連に専門家派遣要請(2004年1月9日、朝日新聞)
 ベトナム南部のメコンデルタのロンアン省やティエンザン省の養鶏場で原因不明のニワトリの伝染病が去年暮れから流行し、すでに10万羽近いニワトリが死に、近隣地方にも感染が広がりつつある。症状からインフルエンザウイルスによる感染と見られているが、事態を重く見たベトナム農業・地方開発省は、国連食糧農業機関(FAO)に専門家を現地に派遣するよう求めている。

◎トリのインフルエンザ拡大へ、韓国、サムゲタン店は悲鳴(2003年12月22日、朝日新聞)
 韓国中部で発生したトリのインフルエンザ(H5N1ウイルス)が、全土に拡大する兆しを見せている。22日までに南部の慶尚北道・慶州など9カ所で鶏やアヒルへの感染が報告される一方、食肉価格が急落し、鶏料理食堂の売り上げが落ち込むなど、生産や消費への影響も深刻になり始めた。
 22日昼過ぎ。鶏を丸一羽煮込む伝統料理サムゲタンで知られるソウル市内の有名食堂。「影響は深刻。客足も売り上げもほぼ半減です」。閑散とした店内で支配人が嘆いた。大手スーパーのロッテマートによると通常、1日4000万ウォン(約400万円)ほどある鶏、アヒル肉の売り上げが、感染報告後、約40%落ち込んだという。農林省によると、10日に1キロ当たり991ウォンだった鶏肉の卸売価格は、22日には695ウォンまで下がった。
 忠清北道でH5N1ウイルスが確認された10日以降、政府は半径3キロ以内を危険地域、10キロ以内を警戒地域に設定。感染した鶏、アヒルを処分したり移動制限したりするなど、感染拡大防止策を進めてきた。
 しかし、20日に約25キロ離れた忠清南道天安市で新たに発生を確認。21日には100キロ以上離れた慶尚北道慶州市、全羅南道羅州市の鶏、アヒル農場にも飛び火していることがわかり、感染地は9カ所に及んだ。政府は鶏とアヒル計約96万羽の処分を決めたが、人手不足のために、22日までに処分されたのは56万羽にとどまるという。
 H5N1は97年に香港で大流行し、ヒトへの感染も報告された。今回のウイルスが香港型と同様にヒトに感染する型かどうか、政府は詳しい遺伝子検査を実施中だ。政府は「加熱すれば食べても大丈夫」として、高建(コゴン)首相自らがマスコミを招き、食堂でサムゲタンを食べるなど安全PRに躍起になっているが、消費者の鶏、アヒル肉離れには歯止めがかからない。
 感染経路もはっきりしない。越冬のため飛来した渡り鳥がウイルスを媒介したとの説が出ているが、調査が追いつかない状況だ。政府は農家保護のため鶏250万羽を緊急購入する方針を示したが、防疫網をかいくぐって感染が広がった恐れもあり、「政府の対策が後手に回っている」(大手紙朝鮮日報)との声も出ている。
 農林省によると、韓国は昨年、鶏とアヒル肉約2500トンを香港、日本などに輸出しているが、感染報告後、輸出はストップしている。一方、日本も韓国産鶏、アヒル肉の輸入を見合わせているという。

◎韓国でトリのインフルエンザ発生、13万7000羽処分(2003年12月17日、朝日新聞)
 韓国中部でニワトリが大量死する事態が発生、同国政府の17日までの発表によると、97年に香港で家禽(かきん)類に流行、ヒト感染も確認されたH5N1型と同種のインフルエンザウイルスが韓国で初めて検出された。現在、ウイルスの遺伝子を詳細に分析している。政府は感染防止のため同日、発生地から3キロ以内で飼育されるニワトリ、アヒル13万7000羽の処分を決めた。
 忠清北道の養鶏場で10日までに2万6000羽のニワトリが感染、死んだのをはじめ17日までに養鶏場から半径2.5キロ内の2農家で新たにニワトリ、アヒル計約1万8500羽への感染が報告されたという。これまでのところヒトへの感染報告はない。
 日本政府は12日から加工品の一部を除き韓国産鶏肉などの輸入を停止した。

◎鳥インフルエンザでオランダの医師死亡、欧州で初の死者(2003年4月21日、朝日新聞)
 オランダの獣医師が、鳥インフルエンザが原因と見られる肺炎で亡くなった。欧州での死者は初めて。亡くなったのは、同国南部のデンボッシュに住む57歳の男性で、鳥インフルエンザが流行する養鶏場で治療にあたった後、体調の異変を訴え、数日後の17日に死亡した。同国保健省は「肺から鳥インフルエンザのウイルスが検出された。他に死因は見いだしにくい」としている。
 鳥インフルエンザは、97年に香港の養鶏場で流行し、感染した18人のうち幼児ら6人が死亡、今年2月にも中国福建省に旅行した香港人が感染、2人が死亡した。
 2月末からオランダ、ベルギーの養鶏場で流行し、すでに1100万羽以上が処分され、欧州連合(EU)も養鶏産品の輸出を暫定的に禁止している。両国とも養鶏場で作業する獣医師らに、薬の服用など予防策をとるよう求めている。
 SARSも鳥類のウイルスが原因との見方が強まり、両者の関係を指摘する声もあるが、世界保健機関(WHO)は「鳥インフルエンザは、人から人への感染は極めてまれ」としている。




inserted by FC2 system