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 2010年1月24日





◎HIV:感染者、発症患者ともに過去最多を更新、08年(2009年6月17日、毎日新聞)
 厚生労働省のエイズ動向委員会は17日、08年に新たに報告されたエイズウイルス(HIV)感染者とエイズ発症患者数の確定値を発表した。HIV感染者は1126人(前年1082人)、エイズ患者は431人(同418人)で、ともに過去最多を更新した。1日4.3人の感染や発症が確認されている計算で、いずれも50代の増加が目立つ。85年の最初のエイズ患者確認以降、08年末までの国内感染者累計は1万552人、患者は4899人になった。
 HIV感染者は6年連続の増加。日本人が1033人となり初めて年間1000人を超えた。感染者全体の約3分の2が20〜30代だが、50代も143人で前年より31人増えた。
 またエイズ患者は3年連続増で、50代(144人)が前年最多だった30代(135人)を抜いた。
 厚労省は「同性間の性的接触による感染者が増えており、若年層の感染が上の世代にも広がりつつある」と分析している。【清水健二】

◎国内のHIV感染・発症、08年は過去最多に(2009年2月19日、日本経済新聞)
 国内のHIV感染・発症、08年は過去最多に、厚労省まとめ国内で2008年に新たに報告されたエイズウイルス(HIV)の感染者数は1113人、エイズを発症した人は432人でともに過去最高だったことが18日、厚生労働省エイズ動向委員会のまとめで分かった。感染者は6年連続、発症者は3年連続の増加となった。
 新規の感染者、患者数の合計は1545人。性交渉による感染が1329人で、大多数を占めた。男女別では男性が1442人、女性が103人だった。年齢別にみると、30代が559人で最多。20代が377人、50代が283人と続いた。
 感染者や患者数が伸び続ける一方、保健所などで検査を受ける人も増加している。08年に抗体検査を受けた人は17万7156人で、前年より約2万3000人多かった。エイズ動向委員会は「早期治療、感染拡大防止のため、保健所などの検査や相談の機会を積極的に利用してほしい」とコメントした。

◎中国:HIV感染者、26万人を超す(2008年12月1日、毎日新聞)
 新華社電によると、中国衛生省は30日、9月末現在の中国のエイズウイルス(HIV)感染者の報告数が26万4302人となったと発表した。今年1月以降で約4万4800人増加した。
 感染者のうち発症した患者は7万7753人。死者は3万4864人となった。
 未報告も含めた推定の感染者数は約70万人といわれている。

◎カメルーン:進まぬHIV対策、偏見が感染助長(2008年10月31日、毎日新聞)
 エイズウイルス(HIV)がまん延するアフリカで、感染者の女性が十分な治療もされないまま出産、乳幼児を失った上、家族から追い払われる仕打ちを受けている。古い因習に基づく偏見が原因だ。エイズへの差別が色濃く残るアフリカ中部カメルーンで、女性感染者の声を聞いた。【ヤウンデで高尾具成】
 「15年の間に5人の子どもを失った」。首都ヤウンデの自宅で感染者のアボノ・ベナルディンさん(35)は話す。初産は18歳。マリ国籍の男性(32)との間に女児が生まれたが9カ月で死亡。95年、運転手の男性(35)と再婚。女児を授かったが2カ月で死に、夫も亡くなった。夫はHIV感染者だったが、2人の死亡は「呪われたのが原因」と信じて疑わなかった。
 97年、教師(36)との間に生まれた男児も3カ月で死亡。02年に未熟児で生まれた女児も5カ月で失った。ようやく自らも検査を受け、HIV感染が判明。子どもたちの死もHIVと無縁でないと悟った。夫に告白すると同居の家族に非難を受け、家を追い出された。首都郊外の故郷の村に戻ったが、自分の家族にも受け入れを拒まれ、行き場を失った。
 06年、病院でHIV感染者の男性(42)と出会い、新たな出発を誓った。「分かり合える」と思ったが、生まれた男児は生後9カ月目に失明した。「ヘビの子だ。川に捨てなさい」。夫の家族から浴びせられた言葉に、子どもを抱き、家を出た。16カ月目に男児も死亡した。
 アボノさんは市民団体の助けで治療を開始したが「喪失感は埋めようがない」と話し、死んだ子どもたちが写ったアルバムの写真を指先でなぞる。
 その後、非政府組織「カメルーン家族計画協会」の支援で病院のカウンセラーとして働き出した。同じ境遇の女性の相談に乗る。「魂と体がやっと一体となった気がする。でも男はしばらくはまっぴら」と笑う。自宅の部屋は空色に彩られている。「つらい日はいつも大好きなゴスペルを歌い、青空を見上げてきたから」だ。
 HIV感染者も妊娠中から対策をとれば健康な子どもが産めることも知った。「いつか元気な赤ちゃんを」。そう願っている。

◇カメルーンのHIV感染者
 総人口約1855万人のうちHIV感染者は約54万人。部族の伝統が根強く、HIV感染者への科学的根拠のない差別をもたらしている。最近の世論調査では「HIV感染者を受容できる」との回答は女性で9%、男性で19%で、偏見が依然残る。

◎カメルーン:食糧高騰でエイズ予防に暗雲、生活苦、HIV感染者が授乳の可能性(2008年10月28日、毎日新聞)
 エイズ問題が深刻化するアフリカ・カメルーンで、食糧高騰のあおりを受けた粉ミルクの値上がりにより、エイズウイルス(HIV)母子感染を防ぐ保健活動に暗雲が垂れこめている。粉ミルクが買えず、感染の元になる授乳を行う母親が出てくる可能性があるからだ。市民団体は「対策が値上がりに追いつかない」と困惑している。
 「月収の半分が粉ミルク代に消える」。南西部の商都ドゥアラ。ベニヤ板で築かれた簡素な住まいで、団体職員のベーテさん(30)が、6月に出産した長男クリスチャンちゃんをあやしながら、沈うつな表情で話す。
 ベーテさんは03年にHIV感染が発覚したが、夫(33)との間に長女ビクトリアちゃん(5)をもうけた。クリスチャンちゃんは2人目で、現在のところ、2人とも母子感染は確認されていない。
 市民団体などによるとこの1年で粉ミルクの値段が倍になった。「物価上昇が生活苦に追い打ちをかけている。でも何とか子どもたちを元気に育てたい」と話す。
 国連機関によると、同国の15〜49歳のHIV感染率は5%を超える。人口1800万人余りの同国で、0〜14歳のHIV感染者は4万5000人にも上る。政府や非政府組織(NGO)の母子感染予防対策を受ける妊産婦は04年に11%だったのが06年に22%と倍増した。しかし、まだ広くは行き渡っておらず、母子感染予防は大きな課題だ。
 日本の政府開発援助「HIV/エイズ信託基金」の支援を受ける非政府組織「カメルーン家族計画協会」のンガペ事務局長は「粉ミルクは感染者の母親にとって不可欠だ。しかし、値上げに対策が追いつかない」と嘆く。政府も世界的な食糧高騰になすすべもない状態なのが実情だ。
 さらに、燃料費もこの1年で4倍になっており「交通費の上昇がHIV感染者の治療や支援へのアクセスを妨げている」(同事務局長)状態で、事態は深刻度を増している。【カメルーン南西部ドゥアラで高尾具成】

◇HIV母子感染
 エイズウイルス(HIV)感染者である母親の妊娠・出産で、胎児や新生児、乳児がHIVに感染すること。胎盤、産道、母乳を通じた三つの感染経路がある。新生児の感染率は予防しなければ20〜30%だが、複数の抗ウイルス薬の投与や帝王切開、母親からの授乳禁止を組み合わせることで1%以下に抑えられるという。

◎コンドーム2千万個配布、カーニバル控えブラジル(2008年1月25日、産経新聞)
 ブラジル保健省は24日、エイズウイルス(HIV)感染防止の一環として、コンドーム約1950万個の無料配布を始めた。来月、南米最大の祭典、リオデジャネイロのカーニバルが行われるためで、配布数は過去最多とみられる。国営ブラジル通信が報じた。
 国連統計によると、2005年時点でブラジル国内に推定62万人のHIV感染者がおり、半数が性交渉で感染したとされる。エイズ患者は無料で治療を受けている。(共同)

◎HIV感染、69年に米国へ(2007年10月30日、産経新聞)
 1969年前後にカリブ海のハイチからエイズウイルス(HIV)感染者が米国に入り、その後にエイズが世界的に拡大したことを、米アリゾナ大などの国際チームがHIVの遺伝子解析で突き止め、米科学アカデミー紀要(電子版)に29日発表した。
 世界初のエイズ患者は81年に米国で報告されたが、その12年前から米国で感染者が増えていたことになる。アフリカを起源とするHIVの拡大経路の一端を解明した研究として注目されそうだ。
 チームによると、80年代初めに感染したハイチ人5人を含む20カ国約120人の患者から採取されたHIVの遺伝子配列を解析。時間の経過とともに変化する遺伝子の変異に基づいて、HIVの時系列での移動を推計した。
 その結果、アフリカ中部から66年ごろにハイチに入り、ハイチから69年ごろに米国に入ったとの解析結果が出た。69年以前に、アフリカやハイチ、米国以外で拡大していた形跡はないという。(共同)

◎中国のエイズ感染21万人に、半年で1万8千人増(2007年9月9日、朝日新聞)
 新華社電によると、中国国務院(中央政府)エイズ予防・治療工作委員会弁公室は8日までに、今年7月末までに報告されたエイズウイルス(HIV)感染者が21万4300人に達したと明らかにした。このうち発症者は5万6758人で、1万8246人が死亡した。
 今年1〜6月に新たに報告された感染者は1万8543人に上り、4314人が発症、2039人が死亡するなど、同弁公室は「感染などは依然として上昇傾向にある」と懸念を示した。
 ただ、報告されていない患者も多く、実際の感染者は65万人に達すると推定されている。

◎HIV感染、40代36%増、06年、患者数最高に(2007年5月23日、日本経済新聞)
 厚生労働省のエイズ動向委員会は22日、2006年の1年間に報告されたHIV(エイズウイルス)感染者・エイズ患者数の確定値を発表した。感染者は952人、患者は406人となり、いずれも過去最高を記録した。
 感染者数と患者数の合計は1358人。3年連続で1000人を上回った。
 40代の感染者数が前年に比べ36%増えたのが特徴で、同委員会の委員長を務める岩本愛吉・東京大学教授は「職場なども含めた社会全体の予防の必要性が強まっている」と話している。

◎南アフリカ:大規模なエイズ予防接種実施へ(2007年2月9日、毎日新聞)
 【ヨハネスブルク白戸圭一】南アフリカ政府は8日、エイズウイルス(HIV)の感染予防に効果があるとされるワクチンを3000人に接種する大規模な治験を近く実施すると発表した。国連合同エイズ計画の推計で南アはHIV感染者が550万人と世界で2番目に多く、15〜49歳の国民のおよそ5人に1人が感染者とみられる。治験は、高い確率で感染する環境下でのワクチンの有効性を確かめる狙いがあり、国際的に注目されている。
 治験を実施する政府系研究機関「南アエイズ予防接種イニシアチブ」によると、対象はHIVに感染していない18〜35歳の男女計3000人。国際製薬企業「メルク社」(本部ドイツ)のワクチンを接種し、今後4年に渡ってHIV感染の有無を追跡するという。
 南アでは、アパルトヘイト(人種隔離)政策下で教育を受けることができなかった黒人貧困層を中心にエイズを「精神の病気」などと信じる無理解や誤解が根強い。このため性交時のコンドーム使用など適切な感染予防策が十分に普及せず、感染の拡大に歯止めがかからない状態だ。

◎エイズ:感染、過去最多−−06年(2007年2月8日、毎日新聞)
 厚生労働省エイズ動向委員会は7日、06年のエイズウイルス(HIV)の新規感染者が914人、発症しているエイズ患者も390人(速報値)と報告制度が始まった84年以来、ともに過去最多になったと発表した。献血者のHIV陽性率も10万件あたり1.744人(05年1.468人)と過去最多。感染者の9割が男性、経路では男性同士の性的接触が半数を超えた。年齢では20代が前年より減ったものの、30、40代で感染が増えている。保健所などで実施しているHIV抗体検査の件数は06年で11万6550件(05年10万287件)を記録、過去10年間で最も多かった。

◎HIV感染者、東南アジアに160万人、ベトナムで増加(2007年1月13日、朝日新聞)
 国連合同エイズ計画(UNAID)は13日、ASEAN首脳会議で、東南アジアのエイズについて報告した。ASEANはアジアの中でもHIV感染率が高く、感染者数は約160万人。
 報告によると、ベトナムで感染者が急増しており、05年で約26万人。00年の約2倍で、毎年4万人が新たに感染しているという。違法薬物の注射針の使い回しや売買春による感染が多い。
 58万人の感染者がいるタイでは増加は抑えられているというが、最近の感染者の3分の1が主に配偶者から感染した既婚女性。これまで感染のリスクが小さいと考えられていたグループだ。22歳以下の若年層の感染率が上がっている。
 36万人の感染が推定されるミャンマーの状況も懸念される。大人の感染率が1.3%で域内全体(0.5%)を上回る。15歳から24歳の若者の感染率は2.2%と高い。

◎アジアが最大の結核感染地、NGOまとめ、世界平均の4倍(2006年10月4日、産経新聞)
 結核に感染する人がアジアでは毎年400万−500万人と世界最大の感染地域となっており、エイズとの二重感染者も増えている―。非政府組織(NGO)の日本リザルツ(羽田義久理事長)は、このほどアジアの結核事情をまとめた。
 日本リザルツによると、カンボジアは結核の罹患(りかん)率が世界平均の4倍に達し、エイズの病原ウイルスであるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)と結核の二重感染が増加。2004年の調査では人口10万人に対し510人が結核を発病し、罹患率はアジア最悪。05年の調査では、結核患者の約10%がHIV陽性で、エイズ患者の約半数が結核を発病していた。
 世界で最も結核感染者が多いのはインドで、1分に1人の割合で感染者が死亡。中国が2番目に多く、エイズの拡大に伴って結核感染者の増加が懸念されている。3番目はインドネシアで、結核による死亡率は東南アジアで最も高い。

◎HIV:すべての米国人対象に感染検査を、CDCが勧告(2006年9月22日、毎日新聞)
 【ワシントン和田浩明】米疾病対策センター(CDC)は21日、ヒト免疫不全ウイルス(HIV、エイズウイルス)を保持しながら感染を知らない米国民が推定25万人に達しており早期発見や感染抑止が急務だとして、何らかの医学的治療を受ける13〜64歳のすべての米国人を対象に任意で感染検査を行うよう全米の医療機関に勧告した。
 同センターは、すべての医学的治療の一環でHIV検査を行うよう勧告する一方、拒否する権利もあることを説明し、患者の同意を得て検査を実施するよう求めている。これまで必要としていたHIV検査用の書面での同意は不要とした。勧告に法的拘束力はないが、多くの医療機関が指針としている。
 これまでは感染率の高い地域や感染リスクの高い人を対象に検査を行うよう求めていたが、医療現場から「感染率情報の入手が困難でリスク評価の時間もなく、同意書を得るのも難しい」などの指摘が出ていたという。
 同センターによると、米国のHIV感染者とエイズ発症者の数は103万〜118万人(03年末推計)で、毎年約4万人が新たに感染していると推定される。感染診断のタイミングは44%が発症後で完全な治療効果を期待するには遅く、性行為による新規感染例の5〜7割が、HIV保持を知らない感染者からと見られている。
 同センターは「感染がすべて判明し感染者が適切な措置を取れば、理論的には新規感染を毎年30%は減らせる」と主張している。

◎HIV感染、昨年1年で280万人死亡、国連報告(2006年5月31日、読売新聞)
 【ジュネーブ=渡辺覚】国連合同エイズ計画(UNAIDS)は30日、1981年にエイズが初めて確認されて以来、昨年末までに世界で累計約6500万人がエイズウイルス(HIV)に感染し、約2500万人が死亡したとする世界エイズ報告を発表した。
 報告書によると、昨年末時点のHIV感染者は、約3860万人。新たな感染者は、昨年1年間で約410万人にのぼり、年間の死者数は約280万人に達したと推計している。
 地域別では、南部アフリカが最も深刻だが、アジアでも、インドや中国などで深刻な感染拡大が続き、地域内の感染者数は約830万人に達したとしている。特に約65万人の感染者を抱える中国について報告書は、薬物の使用や売買春などで、被害が拡大していると警告した。

◎HIV感染者:世界で3860万人に修正、UNAIDS(2006年5月31日、毎日新聞)
 【ジュネーブ澤田克己】国連エイズ合同計画(UNAIDS)は30日、昨年末時点でのエイズウイルス(HIV)感染者は世界で3860万人だったという推計を発表した。昨年11月に4030万人と発表していたが、感染者の約6割が集中するサハラ砂漠以南のアフリカ諸国などでの数字が下方修正されたという。エイズによる昨年の死者も、昨年発表より30万人少ない280万人となった。
 ただ、いずれの数字も推計。特に、貧しい途上国での調査は困難を極めるため、UNAIDSは「今後も数字は変動しうる」と説明している。

◎HIV感染、インドで570万人・国連報告書(2006年5月31日、日本経済新聞)
 【ニューヨーク=中前博之】エイズウイルス(HIV)感染者はインドが最多。国連合同エイズ計画(UNAIDS)が30日公表した報告書で、インドの感染者数が2005年末に570万人に達し、南アフリカの550万人を抜いたことが分かった。
 報告書は2年ごとに作成。今回、インドの感染者は03年から40万人増となった。ただ、10億超の人口を擁するインドの感染率(成人)は0.9%にとどまり、南アの18.8%を大幅に下回っている。
 世界全体の感染者は05年末で3860万人。うち同年の新規感染者は前回調査時の03年に比べ減少、410万人だった。啓発活動の広がりで「感染拡大のピークは過ぎた」(UNAIDS)。05年の死者は280万人で03年に比べ10万人減った。1981年のエイズウイルス確認後の感染者は累計で6500万人、死者は2500万人を突破した。
 地域別では、サハラ以南のアフリカ諸国が世界の3分の2弱、2位のアジアは5分の1強を占めた。中国は2年前から15万人増の65万人。米国が120万人、ロシアが約14万人で、日本は横ばいの1万7000人だった。

◎“エイズの起源”カメルーンに、チンパンジーから感染(2006年5月26日、読売新聞)
 【ワシントン=増満浩志】世界的に流行しているエイズウイルス(HIV)は、アフリカのカメルーン南東部に生息するチンパンジーから人間へ感染した可能性の高いことを、欧米とカメルーンの研究チームが初めて突き止めた。
 各地のチンパンジーが保有しているウイルスを比較して分かった。治療薬やワクチン開発につながる成果と期待される。米科学誌サイエンス電子版に25日、掲載される。
 HIVの起源は、チンパンジーに感染するサル免疫不全ウイルス(SIV)といわれていた。研究チームは、カメルーン国内の10か所でチンパンジーのふんを採取。5か所のふんからSIVの遺伝子を検出した。分析の結果、遺伝子の構造(塩基配列)には地域差があり、同国南東部の2か所で検出されたSIVが、世界的に流行しているHIV(Mタイプ)と酷似していた。
 この2か所では、チンパンジーのSIV感染率が30%前後と推定された。研究者らは「20世紀初め、この地域でチンパンジーから人間に感染したウイルスが、その後、世界へ広がった」とみている。
 武部豊・国立感染症研究所エイズ研究センター室長は「人で最も流行しているタイプのHIVの起源が見つかったことは大きな意義がある」と話している。

◎エイズ感染者:2年連続で1000人超える、全国に拡散(2006年4月29日、毎日新聞)
 厚生労働省エイズ動向委員会は28日、05年のエイズウイルス(HIV)感染者が832人、エイズ患者の新規報告数が367人に上り、合計が1199人(昨年比34人増)と、2年連続で1000人を超えたと発表した。
 感染は全国に拡散し、特に同性間の性的接触による感染が20〜30代の日本人男性で増えており、日本人男性の感染・患者数は過去最高となった。

◎エイズ予防に中国が本腰、公共施設コンドーム常備義務化(2006年2月13日、朝日新聞)
 中国政府は12日、エイズウイルス(HIV)感染拡大の防止を目指した「エイズ予防治療条例」を公布した。地方政府などのエイズ予防と治療の責任について規定。感染者に対して、権利を保障すると同時に感染防止も義務づけている。3月1日から施行する。
 国営新華社通信によると、条例は、地方政府が農村部の患者と都市部の経済的に苦しい患者に対しては治療薬を無償で提供しなければならないと規定。医療機関が患者のエイズウイルス感染を理由に治療を拒否した場合には、刑事責任を問うとしている。ホテルやレストラン、浴場、理髪店などの公共施設・娯楽施設にはコンドームを備えるか販売所を設けるように義務づけ、違反した施設には最高で5000元(約7万3000円)の罰金が科される。
 また、感染者本人の同意なしに職場などが感染の事実を広めることを禁止する一方で、感染者は他人への感染を防止する義務があるとし、エイズを故意に広げることを厳しく禁じている。
 衛生省などによると、05年末の中国のHIV感染者は約65万人で、薬物常用や性交渉による感染が8割を超える。同省は感染拡大に警戒感を強めており、条例により拡大防止に本格的に取り組む姿勢を示したものとみられる。

◎エイズ:感染拡大の防止目的に条例公布、中国(2006年2月13日、毎日新聞)
 中国国務院(政府)は12日、エイズウイルス(HIV)感染拡大の防止を目的とした法令「エイズ予防治療条例」を、国営通信の新華社を通じて公表した。3月1日から施行する。
 衛生省などによると、中国の感染者は昨年末時点で約65万人。同省の専門家は感染拡大の傾向にあると警告しており、政府として拡大防止に本腰を入れる姿勢を打ち出したものとみられる。
 条例は、全国の行政機関に対して、公共施設などでの啓発活動に全力を挙げるよう指示し、怠った場合は処罰すると明記。医療機関が患者のエイズ感染を理由に治療を拒否した場合には、刑事責任を問うとしている。
 また感染者本人の同意なしに職場などが感染の事実を広めることを禁止、中学校以上の教育課程でエイズ教育をカリキュラムに組み込むことも規定した。(北京・共同)
◎エイズ:世界の感染者初めて4000万人突破(2005年11月21日、毎日新聞)
 【ジュネーブ澤田克己】国連エイズ合同計画(UNAIDS)と世界保健機関(WHO)は21日、世界のエイズウイルス(HIV)感染者が初めて4000万人を突破、今年末時点の推計で4030万人に達すると発表した。世界規模での感染増加は落ち着きを見せ始めているが、東アジアや東欧、中央アジアでは依然として平均を上回る増加が続いている。
 この日発表された05年版報告書によると、今年の新たな感染者は490万人、死者は310万人。どちらも、前年と同水準だった。
 今年末現在の東アジアでの感染者数は87万人。昨年版報告書は110万人と推計したが、中国が人数を下方修正した模様だ。ただ、UNAIDSは「東アジアの感染者数は03年に比べると25%増えており、感染拡大の傾向は変わらない」と警告している。
 南アジア・東南アジアの感染者は740万人。タイでは人口に対する感染者の比率が1.5%と近年でもっとも低いレベルに下がった。だが、売春婦に対する最近の調査では、一時は100%近かったコンドーム使用率が5割程度に落ち込んでいるという。
 世界の感染者の半数以上がサハラ砂漠以南のアフリカ諸国で2580万人。アフリカでは抗ウイルス薬治療を受けているエイズ患者は1割だけで、世界中の死者の8割がサハラ以南に集中している。
 日本については▽感染者の6割が男性同士の性行為による感染である▽若い世代が性行為での感染予防を怠っているために30歳以下の若者が感染者の約3分の1を占めている−−と指摘している。

◎世界のHIV感染者3940万人に、国連報告書(2004年11月23日、産経新聞)
 国連合同エイズ計画(UNAIDS)と世界保健機関(WHO)は23日、世界のエイズウイルス(HIV)感染者が過去最多の推定3940万人に上り、成人感染者の半数近くを占める女性の緊急対策が重要だとする2004年版エイズ報告書を公表した。
 報告書によると、今年のエイズによる死者は推定310万人。感染者では、サハラ砂漠以南のアフリカが2540万人と、全体の3分の2近くを占めた。WHOなどは「まん延防止のためには、予防と治療の緊密な連携が必要だ」と指摘した。
 3720万人の成人感染者の半数近くが女性で、サハラ砂漠以南のアフリカでは15〜24歳の感染者の約75%が女子であるなど、女性感染者の世界的な増加が深刻化している問題を重点的に検討。「セックスを、金や生活必需品などを得るための売り物にせざるを得ない現実がある」と分析し、女性差別の解消や予防教育を感染拡大防止の鍵とした。
 予防と治療を受けられる環境には地域格差が大きく、抗ウイルス薬治療を受けられた発展途上国の人は44万人で、必要な人の10%未満に過ぎなかった。
 過去2年間で感染者の増加が著しかったのは、50%増の東アジアで、中国やインドネシアでのまん延が主因。東欧・中央アジアの40%増がこれに次ぎ、ウクライナとロシアでの増加が目立った。
 02年版報告書は感染者を4200万人、03年版は4000万人としていたが、その後、調査精度を高めたとして、それぞれ3660万人と3810万人に下方修正している。

◎エイズ死者増加、年間310万人に、国連が04年末推計(2004年11月23日、朝日新聞)
 国連合同エイズ計画(UNAIDS)は23日、04年末の全世界のエイズウイルス(HIV)感染者が、最新推計で前年同期比160万人増の3940万人となり、年間の死者も同20万人増の310万人に達するとの報告書を発表した。日本を含む東アジアの感染者は110万人で、2年で5割の増加。特に中国が目立ち、効果的な措置がとられなければ、現在は推計で100万人弱の感染者が、6年後に1000万人に達する可能性があると警鐘を鳴らしている。
 地域別の感染者は、サハラ砂漠以南のアフリカが横ばい傾向だが2540万人と最多。新たな感染者が310万人にのぼる一方、230万人が死亡し「大量感染、大量死亡の状況」と分析する。次に多いのが南・東南アジア(710万人)で、ラテンアメリカ(170万人)、東欧・中央アジア、東アジアと続く。
 厚生労働省によると、血液製剤によるものを除く日本の感染者は、04年9月末時点で6337人(うち日本人4472人)、エイズ患者は3164人(同2390人)と報告されている。うち新規感染者は558人で、年間で640人だった03年に比べ増加傾向だ。
 報告書は、日本の03年の新規感染者のうち、男性の同性間性的接触によるものが約340件で、異性間の接触で感染した男性の3倍以上になると指摘している。

◎エイズ感染、若年層では女性6割超、国連報告書(2004年7月15日、読売新聞)
 【バンコク=長谷川聖治】国連エイズ合同計画(UNAIDS)は14日、バンコク近郊のノンタブリで開催中の第15回「国際エイズ会議」で、若い女性の間でエイズの新規感染が急増しており、教育を中心とした対策が急務との報告書を発表した。
 報告書によると、世界のエイズウイルス(HIV)感染者約3780万人のうち女性が48%を占め、1985年の35%より13ポイントも増加。15〜24歳の若い年齢層では、女性が感染者の60%を超えている。特に事態が深刻なのはサハラ砂漠以南のアフリカで、この年代の女性感染者は75%を上回っている。
 女性の感染急増の背景には、幼いころから強制的に性産業に従事させられるなど、女性の地位が低く、人権保護が十分に及んでいないという実態がある。またエイズに対する知識を学ぶ機会も乏しい。

◎中国で1000万人感染の恐れ・国連が世界エイズ報告(2004年7月6日、日本経済新聞)
 【ジュネーブ6日共同】国連合同エイズ計画(UNAIDS)は6日、2年に一度の世界エイズ報告を発表、エイズの感染拡大には歯止めがかかっておらず、特に人口の多い中国とインドで今後エイズウイルス(HIV)感染者が急増する恐れがあり、適切な措置をとらなければ中国のHIV感染者数は2010年には1000万人に達する可能性があると警告した。
 報告はバンコクで11日から16日まで国際エイズ会議が開催されるのに先立って発表された。
 報告によると、03年末時点での世界のHIV感染者数(推計)は約3780万人。昨年はこれまでで最も新規感染者が多く、世界中で480万人が新たに感染したと推計している。また、昨年1年間にエイズで290万人が死亡したと推計、初めてエイズ患者が死亡した1981年からの死者の累計は2000万人を超えたとしている。
 地域別では、約2500万人のHIV感染者がいる南部アフリカの状況が依然として最も深刻だが、潜在的な脅威として中国とインドを挙げた。

◎中国で1000万人感染の恐れ、国連が世界エイズ報告(2004年7月6日、産経新聞)
 国連合同エイズ計画(UNAIDS)は6日、2年に一度の世界エイズ報告を発表、エイズの感染拡大には歯止めがかかっておらず、特に人口の多い中国とインドで今後エイズウイルス(HIV)感染者が急増する恐れがあり、適切な措置をとらなければ中国のHIV感染者数は2010年には1000万人に達する可能性があると警告した。
 報告はバンコクで11日から16日まで国際エイズ会議が開催されるのに先立って発表された。
 報告によると、03年末時点での世界のHIV感染者数(推計)は約3780万人。昨年はこれまでで最も新規感染者が多く、世界中で480万人が新たに感染したと推計している。また、昨年1年間にエイズで290万人が死亡したと推計、初めてエイズ患者が死亡した1981年からの死者の累計は2000万人を超えたとしている。
 地域別では、約2500万人のHIV感染者がいる南部アフリカの状況が依然として最も深刻だが、潜在的な脅威として中国とインドを挙げた。(共同)

◎世界のエイズ感染者、昨年は500万人、中・印で拡大(2004年7月6日、読売新聞)
 【ジュネーブ支局】国連合同エイズ計画(UNAIDS)が6日に発表した報告書によると、2003年にエイズウイルスに新たに感染した人は約500万人で、過去最悪だったことが分かった。
 中でもアジアと東欧での感染者増が顕著で、アジアでは約110万人が感染した。報告書は特に、人口の多い中国とインドでの感染拡大に懸念を示しており、「中国で適切な対策がとられないと2010年までに感染者が1000万人となる」と予測している。その上で、「危険信号を見逃す時間はもうない。アジアはエイズの壊滅的な打撃を防ぐかどうかの瀬戸際にある」と警告している。
 報告書ではまた、全世界でのエイズ患者数は約3800万人と推定。1981年にエイズが初めて確認されてから約2000万人がエイズで死亡したと分析している。

◎社説:エイズ感染、増加を食い止めるのは今だ(2004年5月24日、毎日新聞)
 油断しているうちに抜き差しならない状況になるのではないか。日本のエイズウイルス(HIV)感染者は着実に増え続け、今後、大きな脅威となる恐れが強まっている。
 4月末、厚生労働省エイズ動向委員会が発表した報告によると、03年1年間に新たに640人のHIV感染がわかった。新たに発病したエイズ患者は336人。いずれも、データを取り始めた85年以来、最多の人数で、新規感染者は95年に比べ倍増している。
 新規感染者の感染経路は、半数以上が男性間の性的接触によるものだった。こうした男性間の性行為による感染は99年ごろから急増している。一方で、異性間の性的接触による感染も3割弱あり、見逃せない。
 欧米では感染者の実数は多くても、新規の感染者数は横ばい状態の国が多い。政府や非政府組織(NGO)の対策が功を奏したためと考えられる。エイズ死亡者も薬剤の普及により減少している。
 それなのに、なぜ、日本は感染者・患者が増加しているのか。原因をよく分析し、早急に効果的な手を打たなくてはならない。
 まず第一に、人々の関心を高め、感染予防対策を徹底させる必要がある。薬を過信し、感染の危険性を軽く見る傾向があれば、すぐに改めなくてはならない。
 日本では薬害エイズの被害者に対する関心は高かったが、性行為による感染は人ごとだと思っている人が多い。感染者への偏見を持つ人もいる。
 しかし、HIV感染は特定の人の問題ではない。夫から感染する妻もいる。性的パートナーの数が増えているといわれる若者の性行動も感染増加の方向に働く。エイズ感染のリスクを高める別の性行為感染症が、近年増加しているというデータもある。
 同性間の感染が増加した後に、異性間の感染が増加してくるという専門家の予測にも耳を傾けたい。検査目的の献血をなくさなければ、感染者の増加につれて献血血液の汚染リスクが上がることも見逃せない。
 感染者を減らすには、性行為によるエイズ感染から目をそらさず、予防教育や、検査を受けやすい体制作りを推進することが大事だ。感染者への偏見をなくすことも、検査の普及につながる。
 専門家は、国内だけでなくアジアの情勢にも強い関心を寄せている。多くのアジア諸国ではHIV感染率が増加傾向にあり、これが日本の感染者増加につながる恐れがあるからだ。
 世界保健機関(WHO)によると、全世界で03年1年間に新たに感染した人は500万人、エイズによる死亡者は300万人に上る。現在のHIV感染者・エイズ患者の総数は3400万〜4600万人と推定される。
 鳥インフルエンザや重症急性呼吸器症候群(SARS)も大事だが、エイズを忘れてはならない。将来の感染急増を食い止められるかどうかが、この時期の対策にかかっている。

◎エイズ死者、2000万人超す、04年WHO報告(2004年5月12日、産経新聞)
 世界保健機関(WHO)は11日、2004年版の「世界保健報告」を発表し、25年前には未知の病だったエイズウイルス(HIV)による死者が累計で2000万人を超えたことを明らかにした。
 報告は、エイズウイルスによる死者や感染者がかつてない増加を示し、「現在は危機的な瞬間」にあると指摘。
 報告によると、現在の感染者は3400万人から4600万人と推計され、03年には300万人が死亡、500万人が新たに感染者となった。途上国には治療を受けなければ近い将来、死亡するとみられる感染者が600万人いるが、03年末までに治療を受けたのは40万人にすぎないという。
 国連のアナン事務総長が昨年9月に発表した報告書は、エイズ感染防止のための十分な資金投入が世界的に行われていないと批判、先進国以外の国のエイズ対策費を05年に倍増、07年には3倍にする必要性を訴え、先進国に協力を求めた。(共同)




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