A型肝炎に関するニュース

  メニュー

TOPページ 

Newsまとめ 

移動する 

日本について 

海外情報 

色々な話 

科学の話 

医学の話 

食品の話 

用語辞典 

メモ 

 



更新日:
 2008年6月28日





◎A型肝炎:3人死亡、感染者は490人、米ピッツバーグ近郊(2003年11月15日、毎日新聞)
 【ワシントン河野俊史】米ペンシルベニア州ピッツバーグ近郊で、メキシコ料理のレストランの利用客を中心にA型肝炎が拡大し、地元テレビ局によると、14日までに3人が死亡、感染者は490人に上っている。米疾病管理予防センター(CDC)は米国内で最大規模のA型肝炎感染になる可能性を指摘している。
 感染が報告されているのは、ピッツバーグ北西約40キロのビーバー郡内にあるレストランチェーン「チチズ」の店舗の利用客ら。死亡したのは52〜46歳の男女で、いずれも10月に同店で食事をしたことが確認されている。感染者は11月上旬から増え始め、同チェーンは同店の営業を停止するとともに、感染源の疑いのあるグリーンオニオン(細身のネギ)を約100カ所の全チェーン店から撤去した。
 予防センターや同州の保健当局が感染原因を調査しているが、地元紙ピッツバーグ・ポストガゼットによると、ジョージア州やテネシー州で最近、汚染されたグリーンオニオンが原因とみられるA型肝炎の発症が報告されているという。今回検出されたウイルスを検査したところ、メキシコ国内でよくみられるものとの類似性が確認された。
 同チェーンは3ルートでグリーンオニオンを仕入れている。うち2ルートは米国内産と分かったが、1ルートについては原産地が特定されていないという。グリーンオニオンの場合、洪水で畑が人間の排せつ物で汚れた水につかったり、不衛生な環境の中での農作業によって汚染が引き起こされることが多い。
 ただし、CDCは「グリーンオニオンは、考えられる原因の一つに過ぎない」と慎重な姿勢を見せている。

◎米国でA型肝炎集団感染、3人死亡490人発症(2003年11月15日、読売新聞)
 【ワシントン=笹沢教一】米ペンシルベニア州の保健当局は14日、同州ピッツバーグ北西近郊にあるメキシコ料理のチェーン・レストラン「チチズ」で、野菜入りの料理を食べた客や店員が先月下旬から相次いでA型肝炎を発症し、これまでに3人が死亡、患者が490人に達したことを明らかにした。
 米史上最悪のA型肝炎の集団感染と見られ、州当局は最も重要度の高い緊急保健警告を発令、医師の診察や検査を呼びかけるとともに、連邦政府の疾病対策センター(CDC)が現地に専門家チームを派遣、感染ルートの特定を急いでいる。
 州当局の発表によると、患者の多くは先月初めからこの店を訪れた客で、店員も10人以上が早い時期から発病している。先月だけで、店では1万食以上が提供されたと推定され、すでに約9600人が感染の有無を調べる抗体検査などを受けた。州当局は、感染拡大を防ぐための緊急対策用として、8000人分以上の予防接種ワクチンを準備した。
 AP通信や地元テレビ局の報道によると、死亡した3人は50〜30歳代で、うち1人は、緊急肝臓移植が準備されたが、臓器の待機中に死亡したという。
 A型肝炎はA型肝炎ウイルスに汚染された水や食品を介して感染する。料理に含まれた「スカリオン」(ワケギ)などのネギ類から感染した疑いが強く、「チチズ」を運営する会社は営業を中止するとともに、感染拡大を防ぐために全米100店舗のチェーン店の調理室からこの食材を処分した。
 A型肝炎は38度以上の発熱やけん怠感、嘔吐(おうと)を伴い、潜伏期間は2週間から6週間。適切な処置があれば2か月ほどで収まる。米国の専門家は、患者が手を洗わずに生野菜を扱うなどで感染を広げることがあると指摘している。

・抗体持つ人、日本でも急減
 埼玉医科大第3内科の藤原研司教授によると、A型肝炎ウイルスは、日本でも戦前は身近に常在するウイルスだった。現在では衛生状態が向上し、日本を含む先進国で大規模な集団発生はほとんど見られなくなっている。
 20年前には40歳以上の日本人の8割が、過去にA型肝炎に感染したことを示す抗体を持っていたが、現在は、かかったことがない人が急増。今回の米国のケースのように汚染された食べ物によって不意打ちされると、同様の大規模な集団感染が起こる危険性がある。このため、専門家らが、汚染された食物による“輸入肝炎”の予防対策の必要性を指摘している。
 国立病院17施設の共同研究によると、1980年から20年間にこれらの病院を受診した急性A型肝炎患者数は1420人。生鮮食料品などによって小規模な集団感染がたまにあるほかは、海外旅行中に食事などで感染するケースがほとんどだという。症状が悪化する劇症A型肝炎を経て死亡する確率は、0.3%ほどと言われる。日本消化器病学会などの調査によると、最近4年間で国内の劇症A型肝炎発症者は34人報告されている。




inserted by FC2 system