E型肝炎に関するニュース

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更新日:
 2008年6月28日






◎E型肝炎ウイルス、100年前に土着化、ブタ輸入で(2006年4月9日、日本経済新聞)
 最近になって存在が確認され、ときおり集団感染を引き起こすE型肝炎ウイルスは、すでに約100年前には国内に侵入し、“土着化”していたことが、厚生労働省研究班(主任研究者・三代俊治東芝病院研究部長)の調査研究でわかった。
 富国強兵政策の一環で、軍人の体力をつけるため英国から輸入したブタによって持ち込まれ、肉食文化の普及で全国に拡大したらしい。
 E型肝炎ウイルスは遺伝子の特徴から1〜4型があることが知られ、時間の経過とともに変化していく。遺伝子の変化を調べることで、ウイルスの歴史、移動、系統関係などがわかる。
 同班の溝上雅史・名古屋市大教授らは、国内と世界各地で見つかったE型肝炎ウイルスの遺伝子を比較した。国内のウイルスは大きく分けて3型と4型の二つのグループが混在し、いずれも約100年前に、起源となるウイルスが国内に侵入したことがわかった。
 国内で主流の3型は、ヨーロッパや米国など、19世紀に英国と交易が盛んだった国々に多い。日本も1900年ごろに、軍人の体力強化のために英国からブタを大量に輸入した。ブタのE型肝炎ウイルス保有率は非常に高いことから、研究班は、ブタがウイルスを持ち込んだ可能性が高いと断定。肉食文化の普及で、ウイルスが土着したとみている。E型肝炎ウイルスの感染経路は、ブタやシカ、イノシシなどの肉の生食によるものと分かってきた。しかし数年前まで日本のE型肝炎のほとんどは、インドなど海外で感染したものと考えられていた。

◎E型肝炎:男性患者、輸血で感染か、北海道の病院(2005年11月3日、毎日新聞)
 9月21日に北海道内の病院で心臓外科手術を受けたとみられる70歳代の男性が輸血によりE型肝炎ウイルス(HEV)に感染した疑いがあることが、日本赤十字社の調べで分かった。輸血後に、献血者の血液が陽性と判明した。献血は道内で行われた。男性は肝炎を発症していない。
 1日に開かれた厚生労働省の血液事業部会運営委員会で報告された。厚労省によると、E型肝炎は通常、経口感染するが、初期は輸血でも感染の恐れがあるという。厚労省はHEV対策として、献血時の問診を強化することなどを検討している。【玉木達也】

◎E型肝炎の輸血感染、25年前も、保存血液で判明(2004年12月14日、読売新聞)
 名古屋市内の医療機関に通院していた50代男性が、1979年に受けた輸血でE型肝炎ウイルスに感染していたことが13日わかった。
 自治医大の岡本宏明教授らが、長期保存していた患者の血液と輸血血液を調べ、感染を突き止めた。
 E型肝炎の輸血感染は、疑われる例も含め、最近3件が発覚したが、25年前の例が明るみに出たことで、輸血感染の予想外の広がりが懸念されてきた。
 岡本教授らは調査結果を英医学誌12月号に発表した。それによると、名古屋市の医療機関の通院患者400人余りを調査。通院開始時から2003年1月の間、継続的に保存されてきた各人の血液サンプルを分析した結果、50代の男性の血液から、ウイルス遺伝子や感染の証拠である免疫物質が検出され、感染時期が79年だと判明した。
 さらに、保管していた当時の輸血血液から、患者と同じ遺伝子構造のウイルスが見つかったことなどから輸血が原因と確認された。
 男性は幸い、ウイルス感染後も肝炎を発症しなかったため、感染に気付かず、現在も通院している。
 厚生労働省研究班は1990年以降、輸血後の急性肝炎で、B、C型肝炎ウイルスが検出されず、他の原因も当てはまらず「原因不明」とされるケースが約3割あると報告している。
 厚生労働省も、原因不明例の中にE型肝炎が潜在していたとみており、今回の研究成果を今後の輸血対策を検討する際の重要データとして注目している。

◎豚内臓でE型肝炎に感染か、北海道で6人感染、1人死亡(2004年11月28日、朝日新聞)
 北海道北見市内の焼き肉店で、豚の内臓などを食べていた6人がE型肝炎ウイルス(HEV)に感染し、うち男性1人が劇症肝炎で死亡していたことが28日、厚生労働省と北海道の調べで分かった。集団感染の疑いがあるとみて、厚労省などで感染源の特定を急いでいる。HEVの感染源は、野生のイノシシの肉などの報告例はあるが、流通食品が特定されたケースはないという。
 厚労省や北海道などの調査によると、道内に住む親類14人が8月、同市内の焼き肉店で会食した。このうち60代の男性が10月に劇症肝炎で死亡。14人のうち死亡した男性を含め、6人がHEVに感染していたことが確認された。5人は発症していないという。
 会食した人の話によると、数人がレバーなど豚の内臓を食べていた。焼いて食べたのか、生焼けだったのかなど食べ方は分からないという。
 道庁などは、感染者の抗体の型が同一ではないため、この焼き肉店の豚肉が原因でない可能性もあるとみて、店から豚肉のサンプルを求めたり、従業員の健康状態を確認したりして調べている。
 感染した1人が献血し、その輸血を受けたリンパ腫の男性がHEVに感染したため、厚労省などが調査を始めていた。
 E型肝炎は、主に汚染された水や食べ物から感染する。発症しないことも多い。潜伏期間は5〜6週間で発熱、だるさ、黄疸(おうだん)などの急性肝炎症状が起きる。ほとんどの場合、水分や栄養の補給と安静によって1カ月ほどで回復する。HEVは加熱すれば死滅するが、豚のレバーなど内臓には残りやすく、厚労省は生焼け、生食を避けるよう呼びかけている。

◎豚でE型肝炎?:6人感染1人死亡、豚の生の内臓が原因か(2004年11月28日、毎日新聞)
 北海道北見市の焼き肉店で8月に食事をした客6人が、E型肝炎ウイルス(HEV)に集団感染し、1人が劇症肝炎で死亡していたことが、厚生労働省や道の調べで分かった。1人は感染を知らずに献血し、輸血感染も起きていた。道などは豚のレバーなど生焼けの内臓肉が原因の可能性が高いとみている。確認されれば、一般に流通する食品でHEVに集団感染した初の事例になる。
 道北見保健所によると、9月21日に60代の男性が発熱と下痢を訴え、同市内の病院に入院した。検査でE型肝炎と分かり、病院は10月1日、同保健所に通報した。同保健所は道を通じて厚労省に報告したが、男性は約2週間後に死亡した。
 その後、厚労省は男性の二男が旭川市内で献血し、輸血された患者が感染したことを把握した。
 道などの調査で、8月中旬に北見市内の焼き肉店で、男性と二男を含む5家族14人が、お盆の集まりで一緒に食事をしていたことが分かった。
 血液検査で男性と二男以外の4人からもHEVへの感染歴を示す抗体が検出された。5家族は二つのテーブルに分かれ、片方のテーブルで豚のレバーやホルモンなどの内臓肉を注文したという。
 E型肝炎については、国内でもハンターらが野生シカやイノシシを食べて集団感染したケースが報告されていた。
 また、自治医大の岡本宏明教授らが昨年実施した全国調査では、生後6カ月が過ぎ、出荷時期を迎えた豚の9割にHEVの感染歴があった。HEVそのものは血液中から消えていたが、別に岡本教授が道内の市販豚レバーを調べたところ、1.9%からHEVが検出された。一部は国内の患者から検出されたウイルスと遺伝子がほぼ一致し、ブタが感染源の可能性が指摘されていた。

▽E型肝炎に関する厚労省の研究班長を務める三代俊治・東芝病院研究部長の話
 ブタの内臓にはHEVが潜んでいる可能性があり、生焼けで食べたのが感染原因だろう。野生でなくとも、動物の肉を生で食べることは避けた方がよい。HEVは熱に弱く、肉を十分に加熱すれば感染は防げる。【水戸和郎、田中泰義、山本建】

【ことば】E型肝炎
 肝炎の一種だが、B型やC型肝炎のように慢性化することはない。大半は無症状のうちに治るが、感染者の約1%が劇症化して死亡する。衛生状態の悪い途上国では飲み水が主な感染源だが、国内では、野生動物の生食が原因と見られるようになっていた。

◎野生イノシシからE型肝炎ウイルス(2004年11月23日、読売新聞)
 厚生労働省研究班が、兵庫県など4県で捕獲したイノシシを調べたところ、肝臓などからE型肝炎ウイルスの遺伝子が検出された。
 遺伝子は型が、国内のE型肝炎患者から検出されたものとよく似ており、イノシシから人間に感染している可能性を強く示唆する結果となっている。厚労省は「ウイルスは加熱すれば死ぬ。よく調理して食べてほしい」と呼びかけている。
 分析したのは国立感染症研究所の宮村達男ウイルス第2部長と、東芝病院の三代俊治研究部長を班長とする2つの研究班。両研究班は昨年11月から今年4月にかけ、長野、愛知、和歌山、兵庫、長崎県で85頭の野生イノシシを捕獲。
 肝臓と血液を調べたところ、8頭(兵庫3、長崎3、愛知1、和歌山1)からE型肝炎ウイルスの遺伝子が検出された。このうち愛知、和歌山、兵庫の遺伝子は国内の患者から見つかったウイルスの遺伝子型とほぼ一致した。
 E型肝炎は昨年、長崎や鳥取で複数の感染患者が発生。いずれも患者がイノシシの肉や肝臓を食べており、これが原因と強く疑われたが、決定的な証拠は見つかっていない。イノシシの血液からウイルス遺伝子が見つかったことで三代部長は「感染するウイルスが肉にも含まれることがほぼ裏付けられた」としている。
 厚労省食品安全部は「野生イノシシの肉には、E型肝炎ウイルスだけでなく、ほかの病原体や寄生虫も含まれている可能性が高い。生や、生焼けを食べるのは避けて」としている。
 E型肝炎ウイルスに感染すると約6週間後、発熱や腹痛、黄だんなどの症状が出る。大半は安静にしていれば治るが、まれに劇症肝炎になる。発症者の死亡率は1〜2%とされる。

◎輸血受けた60歳代男性、E型肝炎に感染、国内2例目(2004年10月29日、読売新聞)
 E型肝炎ウイルス(HEV)の輸血感染が、今年9月に起きていたことが、日本赤十字社の調査で分かり、28日の厚生労働省の審議会に報告された。
 E型肝炎の輸血感染は、一昨年に北海道で起きており、国内で2例目。
 HEVは現在、献血の安全検査の項目に含まれておらず、日赤はE型肝炎患者の多い北海道で、感染が疑われる献血はすべて検査するなど、安全対策を強化する方針だ。
 感染したのは、リンパ腫(しゅ)を治療中の60歳代の男性患者。日赤で、保存血液を調べたところ、HEVの遺伝子が見つかり、男性患者から検出されたものと一致した。日赤は、男性患者が治療を受けた自治体名は明らかにしていない。
 この患者は9月9日に血小板の輸血を受け、10月の検査で感染が確認された。E型肝炎の潜伏期間は約6週間で、患者は今のところ、発症していない。
 事態を重く見た日赤は、北海道に限り、献血者が感染源となるシカや豚の生肉を食べたかどうかを問診し、疑いの強い献血はウイルスの遺伝子検出検査を行う。
 E型肝炎は、主に途上国で飲料水を通じて流行する急性肝炎。慢性化しないが、劇症化による死亡例が日本でもある。国内では、シカや豚の内臓などを不十分な加熱で食べるのが原因と疑われている。

◎輸血でE型肝炎ウイルスに感染、日赤が対策強化へ(2004年10月28日、朝日新聞)
 9月にリンパ腫の治療を受けていた60歳代の男性が、輸血が原因でE型肝炎ウイルス(HEV)に感染していたことが28日、日本赤十字社の調べでわかった。輸血によるHEV感染が確認されたのは、03年1月に続き2例目。男性は肝機能の数値が若干高いが、肝炎は発症していない。
 日赤が保管している献血血液のうち、肝機能数値が高い血液を個別に調査した結果、HEVに感染した血液が見つかり、献血した感染者の血小板が男性に輸血されていたことが判明した。
 HEVはブタやイノシシ、シカの生肉などを食べて感染する。感染が持続せず、発症しない人もいることなどから献血時の検査対象になっていないが、高齢者や妊婦などの場合重症になることもある。厚生労働省は11月から感染率の高い北海道でまず、献血時の問診で過去3カ月に生肉を食べたかを聞き、感染の疑いがある場合は献血血液を詳しく調査することにしている。

◎E型肝炎:野生イノシシ肉を食べた男性11人感染、長崎(2004年5月13日、毎日新聞)
 長崎県で昨年3月に野生のイノシシ肉をバーベキューで食べた男性11人がE型肝炎に感染していたことが、国立病院機構長崎医療センター(長崎県大村市)の調べで分かった。国内でE型肝炎の10人以上の集団感染が確認されたのは初めて。肉が生焼けだったか、生肉が触れたはしや、まな板を他の料理にも使ったことなどが原因と考えられるという。
 センターの矢野公士医師によると、64〜82歳の男性13人が、捕獲した野生のイノシシでバーベキューをした。このうち、69歳の男性2人が約40日後の4月下旬、全身のけん怠感や黄だんなど急性肝炎の症状を訴えて近くの病院を受診。イノシシ肉からの感染を疑った医師が医療センターに連絡した。
 センターが2人の血清を調べたところ、E型肝炎ウイルスが検出され、遺伝子の配列が99%以上一致したことから、同じ感染源と推定された。また、2人以外に調査できた10人のうち、3人が同じく急性肝炎の症状を示し、症状のなかった7人のうち6人の血液からも感染を示す抗体が見つかった。
 E型肝炎ウイルスの感染は国内では散発しており、昨年3月には野生のイノシシの肝臓を生で食べた鳥取県の2人がE型肝炎を発症、うち1人が死亡している。
 矢野医師は「E型肝炎ウイルスはA型と似ているので、十分加熱すれば死滅するか感染性を失うと考えられる。生肉の取り扱いには十分注意を」と警告している。
 調査結果は来月3日に千葉県である日本肝臓学会総会で報告される。【山崎太郎】

<E型肝炎>
 E型肝炎ウイルス(HEV)の感染で起きる急性の肝炎。まれに劇症化するが、C型肝炎のような慢性化はしない。途上国ではウイルスに汚染された飲料水が感染源となることが多い。野生動物の生食も感染源となり、国内でも昨年、鳥取県や兵庫県でイノシシなどの生食による感染が起きていた。

◎“生焼け”イノシシでE型肝炎に集団感染、長崎(2004年5月13日、読売新聞)
 長崎県で昨年3月、野生のイノシシ肉をバーベキューで焼いて食べたグループの11人が、E型肝炎に集団感染していたことが、国立病院機構長崎医療センターなどの調査でわかった。
 国内でE型肝炎の大規模な集団感染が確認されたのは初めて。野外バーベキューの機会が増える季節を控え、厚生労働省は野生動物の肉の生焼けや生食を避けるよう呼びかけている。
 このグループのうち、69歳の男性2人が、食べた約40日後に急性肝炎を発症、近くの医療機関で治療を受けた。原因は不明で、イノシシ肉によるE型肝炎を疑ったこの医療機関から昨夏、同医療センターに連絡が入った。
 同医療センターが2人の保存血清を調べたところ、E型肝炎ウイルスが検出された。遺伝子が99%以上一致し、感染源は同じと考えられた。
 さらに2人と一緒にバーベキューを食べた10人(64〜82歳)を追跡調査したところ、3人が肝炎症状を示して受診していたことが判明。血液からE型肝炎ウイルスに感染していたことを示す抗体が見つかった。また症状はなかった7人のうち6人からも抗体を検出。全部で11人が感染していたことがわかり、付近の山中で捕獲した野生イノシシをバーベキューで食べたことが原因とわかった。
 国内では昨年、鳥取県でイノシシの生レバーを食べたハンター2人がE型肝炎に感染し、4月に1人が死亡。兵庫県でも同年2月にシカ肉を生で食べた4人が感染しているが、1度に10人を上回る感染者が出たのは初めて。
 同医療センターの矢野公士医師は「バーベキューで不十分な加熱となったのが原因と見られる。生肉が触れたまな板やハシなどの取り扱いも注意すべきだ」としている。この調査結果は6月3日から千葉県浦安市で開かれる日本肝臓学会総会で報告される。

◎野生ジカの刺し身食べE型肝炎感染、病院研究部長ら発表(2003年8月1日、朝日新聞)
 国内の野生ジカを刺し身で食べ、4人がE型肝炎になったことがわかり、東芝病院(東京都品川区)の三代俊治・研究部長らが英医学誌ランセットの最新号に発表した。E型肝炎は動物から感染する可能性が指摘されていたが、これまで直接的な証拠がなかった。三代さんは「E型肝炎が人獣共通感染症であることがはっきりした。シカ肉を生で食べるとE型肝炎に感染する危険性がある」と警告している。
 E型肝炎に感染したのは兵庫県内の2家族の4人。今年4月にまず、44歳の男性が発熱やだるさの症状がでて、急性肝炎と診断された。さらに男性の父親(69)と弟(42)、友人の男性(61)も同様の発症をした。4人の血清検査ではA型、B型、C型のどの肝炎ウイルスも陰性だったが、E型肝炎ウイルス(HEV)に対する抗体が陽性で、HEVの遺伝子も検出され、E型肝炎と診断された。
 4人は発病の6〜7週間前、2頭の野生のニホンジカの肉を3回にわたって刺し身で食べていた。冷凍保存されていたシカ肉のうち一頭分から患者とほぼ同じHEVの遺伝子が検出され、この肉が感染源とわかった。
 これまでブタやウシ、ヤギ、ネズミなどからウイルスや感染歴を示す抗体が見つかっているが、今回のように動物から人に感染する証拠は見つかっていなかった。野生のシカは、山間部の料理店などで刺し身として提供されることがある。
 E型肝炎はB型やC型と違って慢性化しないが、妊婦がかかると死亡率が高いとされる。今回、野生のシカの生食で感染することがわかったことで、三代さんは「E型肝炎を人獣共通感染症としてとらえ、シカだけでなく、イノシシなどほかの野生動物の感染の実態を調べる必要がある」としている。




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