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2005年

このページは、私が気になった中国に関するニュースを個人的にまとめたものです。

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◎中国:米国の中国企業制裁に不満表明(2005年12月29日、毎日新聞)
 米政府が中国航空技術輸出入総公司など中国国営企業6社に対して、イランにミサイル・化学兵器関連物資や技術を輸出したとして制裁を科した問題で、中国外務省の秦剛(しんごう)報道副局長は29日の定例会見で「米国の間違ったやり方に強烈な不満と反対を表明する」と述べた。
 秦副局長は、「米国が根拠を示さず、国内法に照らして制裁を科すのは道理に合わない」と批判した。

◎米国:イランに武器輸出、中国企業6社など制裁(2005年12月29日、毎日新聞)
 米政府は27日、イランにミサイル・化学兵器関連物資や技術を輸出したとして、中国航空技術輸出入総公司(CATIC)、中国北方工業公司(NORINCO)など中国国営企業6社を含む3カ国の計9社に制裁を科したと公表した。
 イランの大量破壊兵器開発阻止を目的とする「イラン不拡散法」に違反したとの認定。制裁を受けた企業は米政府と取引ができないほか、米企業からの技術移転が制限される。中国以外では、インドの化学系企業2社とオーストリアの防衛企業1社も制裁を科された。

◎中国の知的財産保護「輝かしい進展あった」と自賛(2005年12月27日、産経新聞)
 新華社は27日、知的財産権保護について「輝かしい進展があった」と自賛する長文記事を配信した。海賊商品の横行で高まる国際社会の中国への批判に反論する狙いがあるようだ。
 記事は昨年9月から今年末まで、中国政府が全国の各組織を主導し徹底した知的財産保護運動を展開したと強調。施行した条例、摘発した事件などを詳細に伝え、「コピー商品を販売した業者を取り締まった上海市政府に日本の有名企業9社が謝意を表明した」などと成果を誇示した。(共同)

◎60人食中毒、5人死亡、殺鼠剤を検出、中国・重慶(2005年12月27日、朝日新聞)
 26日付の香港各紙によると、中国重慶市の農村部で24日夜、村幹部が開いた宴席の参加者約60人が重い食中毒の症状を訴え、子どもら5人が死亡した。患者が吐いたものから、02年に南京で起きた無差別殺人事件と同じ殺鼠(さっそ)剤「テトラミン」が検出された。中国ではテトラミンの生産や販売が禁じられているにもかかわらず、同様の事件が相次いでいる。

◎中国の政府系機関で不正会計4兆円、196人処分(2005年12月27日、読売新聞)
 26日の新華社電によると、中国の会計検査院が今年1~11月に全国約9万の政府関係機関を対象に行った会計検査で、法律や規律に違反した不正会計処理額が2900億元(約4兆600億円)に上ることが明らかになった。
 また、同期間に検査対象となった全国2万2000人の共産党・政府幹部のうち、196人が司法当局への送致など処分を受けたことも判明。幹部腐敗の深刻さを改めて示した。
 最高人民検察院の報告によると、中国で昨年、汚職事件で立件された公務員の数は4万3757人(前年比267人増)。100万元(約1400万円)を超える収賄、公金横領事件は1275件(同4.9%増)で、容疑者のうち閣僚級は11人、中央・地方の局長級198人、一般幹部は2960人に上っている。

◎オークマ、中国で工作機械5割増産(2005年12月25日、日本経済新聞)
 オークマは中国で旋盤、マシニングセンターなど工作機械を5割増産する。昨年1月に本格稼働した合弁会社で現在月に約20台を生産しているが、2006年度は30台に増やす。自動車や金型関連の現地企業の間で需要が高まっているのに対応する。日系工作機械メーカーではヤマザキマザックも中国工場で増産に乗り出す予定で、工作機械の中国現地生産が加速しそうだ。
 合弁会社は「北一大隈(北京)机床」で、旋盤と縦型、横型のマシニングセンターなどの汎用機を中心に生産している。自動車や建機など中国の地元企業の設備投資が活発化、工作機械の需要が高まっているのに対応する。

◎中国:殺そ剤で村民ら5人死亡、55人入院、重慶市(2005年12月25日、毎日新聞)
 新華社通信によると、重慶市奉節県康楽鎮で24日夜、村の男性の誕生日を祝う宴会で食事を取った出席者が中毒症状を起こし、25日までに5人が死亡し、55人が入院した。うち10人は重体。地元政府によると、食べ物に殺そ剤が混ぜられていたとみられ、警察が事件として捜査している。

◎中国、鳥インフルサンプルをWHOに提供せず(2005年12月24日、朝日新聞)
 世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局(本部・マニラ)の尾身茂・事務局長は23日、北京で記者会見し、鳥インフルエンザウイルス(H5N1)に感染した鳥から採取されたウイルスのサンプルが中国政府からWHOに全く提供されていない、と明らかにした。WHOは提供を強く求めていく方針だ。
 尾身局長によると、中国では今年、全国31カ所で鳥への感染が確認されたが、いずれの地域からもウイルスのサンプルが提供されていないという。昨年は5カ所の感染地のサンプルが提供された。

◎中国:炭鉱事故多発で、責任者222人を処分(2005年12月24日、毎日新聞)
 中国安全生産監督管理総局の李毅中局長は23日の会見で、今年1年で安全対策が著しく劣っていた炭鉱4000カ所以上を閉鎖処分にし、大規模事故の責任者として陝西省と広東省の副省長を含む222人を処分したことを明らかにした。
 中国では今年、黒竜江省七台河市で11月末に171人が亡くなった爆発事故など、30人以上が死亡した炭鉱事故が11回も起きた。全体では昨年1年間とほぼ同数の約6000人が死亡したとみられている。
 李局長によると、山西省寧武県で7月に起きた事故では、36人が死亡したにもかかわらず、地元政府幹部らが共謀し「死者は19人」と上部機関に報告し、残り17人の遺体を隣接する内モンゴル自治区に隠すなど情報隠ぺいを図る悪質なケースもあった。
 処分の内訳は司法機関に移送された経営者らが96人。126人が共産党の処分を受けた。うち40人の行政職ポストがはく奪されたという。

◎中国:トンネル建設現場でガス爆発事故、42人死亡(2005年12月23日、毎日新聞)
 23日の新華社電によると、中国四川省都江堰市の高速道路トンネル建設現場で22日午後、ガス爆発事故が発生し、作業員ら42人が死亡、11人がけがをした。死者はさらに増える可能性がある。中国では最近、炭鉱爆発や病院火災など大規模事故が相次いで起き、多数の犠牲者が出ている。【中国総局】

◎鉄鋼や電力大手、中国で環境・省エネ事業を拡大(2005年12月23日、日本経済新聞)
 鉄鋼や電力大手が中国で環境・省エネルギー事業を拡大する。新日本製鉄は製鉄所で発生した熱で発電する装置を大型化して2006年夏に発売。Jパワーは現地の電力会社と組み、太陽光や風力を使った発電システムの実験を始めた。経済成長が続く中国では温暖化ガスの大量発生や環境汚染が深刻な問題になっている。日本が強みを持つ環境・省エネ技術で需要を取り込む。
 新日鉄は製鉄所の排ガスを回収して発電する大型設備の納入を増やす。コークス(蒸し焼きにした石炭)をつくる炉に取り付ける乾式消火設備(CDQ)と呼ぶもので、中国の鉄鋼大手、首都鋼鉄グループ(北京市)との合弁会社を通じて販売する。

◎中国の粗鋼生産、3億トンをはじめて突破(2005年12月22日、朝日新聞)
 中国の05年の粗鋼生産量が11月までで初めて3億トンを突破した。年間では3億4000万トンに達する見込み。わずか2年で日本の生産量に相当する1億2000万トンも増えた。中国の生産能力は、小規模な製鉄所の乱立で5億トン近くに達していると見られる。過剰生産による資源の浪費や鉄鋼会社の経営悪化も心配され、中国政府が合併や小型高炉の休止を指導するなど対策を急いでいる。
 国営新華社通信によると、中国の05年1月から11月までの粗鋼生産量は前年比25.5%増の3億1765万トンだった。通年では25%増の3億4000万トン、06年には4億トンの生産が予想されている。供給過剰を懸念した日米欧などの減産で世界的な生産量は横ばいの見込みだが、中国の伸びが目立つ。
 しかも、国家発展改革委員会によると、粗鋼の生産能力ではすでに4.7億トンに達し、建設中や計画分も1.5億トン分ある。中国内の鋼材価格は5月ごろから3年ぶりに下がり始めた。需要は減っていないが、10月の鉄鋼製品の在庫は1年前より42.9%も増えた。
 供給過剰は歴然としており、余剰分が輸出に向かう可能性も高い。欧米や東南アジアの主な輸入国はセーフガードなど貿易制限措置の発動をちらつかせて、中国に自主規制を迫っている。
 中国政府は来年から生産能力が計1億トンにもなる小型高炉を整理する方針だ。合併の指導や、企業の統廃合で生産調整を進める。ただ、対象の約900社のほとんどが中小で、民営企業も多い。経営陣だけでなく、税収減を嫌う地方政府の抵抗も強く、指導の効果は疑問視されている。
 一方、中国の05年の鉄鉱石の輸入量は前年より2割多い2億5000万トンの見通し。3年で倍増した。日本より1億トンほど多く、世界一。最近の鉄鉱石価格の急騰の原因でもある。購買力が大きくなるにつれて、中国は有力輸出国の豪州やブラジルとの価格交渉が、日欧主導で進む現状にも不満を強めている。

◎中国、04年GDPを上方修正、世界5位の仏並みに(2005年12月20日、朝日新聞)
 中国政府は20日、国家統計局が実施した経済センサス(統計調査)によって、第3次産業や個人企業などの実態を反映させた結果、04年のGDP(国内総生産)が15兆9878億元(約1.9兆ドル)となり、従来発表に比べ、16.8%増えたと発表した。ドル換算すると、04年は世界5位の仏に迫り、05年は世界4位の英国に近づく見通しだ。
 発表によると、04年のGDPは、従来より2兆3000億元増えた。増加分の93%は、第3次産業だった。中国政府の想定以上に、第3次産業や民間企業の存在感が高まってきたといえそうだ。
 中国政府は合計3000万余の事業主に対して、1000万人の調査員を動員した統計調査(04年12月末時点)を実施。第3次産業や個人企業まで細かく調査したのは初めて。すでに一部の結果が発表され、就業人口は第2次、第3次産業とも約1億5000万人ずつだった。

◎デジタルカメラ:ソニー「不合格」 ペンタックス製も、中国・浙江省(2005年12月18日、毎日新聞)
 ソニーとペンタックスのデジタルカメラが、中国浙江省工商行政管理局の検査で不合格とされたことが17日、分かった。ソニーは混乱を避けるために中国全土で出荷を自粛している。
 両社などによると、同省は省内で販売されている6社のデジタルカメラ34機種を抜き打ち検査し、13機種が不合格になった。ソニーの「サイバーショット」6機種は、明るさを調整する機能や液晶画面の輝度など4項目で基準を満たさないと判定され、名前が公表された。公表されなかったペンタックスも現地の販売代理店からの情報で、2機種が不合格とされたことが分かった。
 両社とも、自社の検査では品質基準を満たしているという。このため両社は、同省が設定した基準の詳細や不合格になった経緯などの情報収集を急ぐ一方で、当局に再検査を要請している。
 この問題は現地で大きく報道され、ソニーの現地法人には消費者から品質についての問い合わせが続いている。混乱を避けるために同社は中国全土で出荷を自粛。16日からは、販売店に文書で販売自粛を要請し始めた。ペンタックスは販売を中止していない。
 ソニーのコンパクト型デジタルカメラは中国市場でシェア首位。同社の05年度の全世界でのデジカメ出荷見込み1350万台のうち、中国市場向けは10%弱を占める。
 松下電器産業とキヤノンの製品も検査を受けたが、17日段階では当局から通知はないという。

◎中国浙江省、ソニーの再申請却下、デジカメ販売認めず(2005年12月18日、産経新聞)
 国営新華社通信によると、中国浙江省工商局がソニー製六機種などのデジタルカメラの品質が省の基準に達しなかったとして、省内販売差し止めを勧告した問題で、同局はソニーが申請していた再検査は必要はないとの判断を示した。また、必要なら訴訟支援も行う構えを見せるなど強硬姿勢を示している。
 浙江省は消費者の苦情を受けて省内市場に出回るデジタルカメラのうち、六ブランド三十四機種について先月、抜き打ち検査を行い、最終的に十三台の品質が問題有りとの判断を下した。現在のところ、社名や製品の詳細を公表されたのはソニーだけとなっており、浙江省、江蘇省などの百貨店、パソコン店などではソニー製品の撤去が始まっているという。
 十六日付の上海証券報によれば、カメラの品質については国家統一基準はないが、ソニー側が企業の品質基準に関する資料の提供をしぶったことにも一因があるという。
 また、中国科学技術省が最近、多国籍企業が知的財産権を乱用し中国市場を独占しているとの見解をまとめた報告書を発表するなど、中国側が市場を席巻する外資技術系企業への不満を隠さなくなっており、今回の事件は、製品性能ではなく、デジカメ市場でトップシェアを占めるソニーを問題視したためではないか、との見方も業界に出ている。
 実際、ペンタックスの二機種も問題点を指摘されたが、再検査を受理されたという。また、キヤノンは「当局から勧告はきていない」とし、松下電器産業も「販売差し止めの指示はきていない」としている。
 ソニーでは、「事態の収束に向け浙江省と話し合いを続ける」方針だが、一社が狙い撃ちされたことに困惑しており、日系企業も真意をつかみかねている。

◎中国・デジカメ差し止め、日本メーカー影響懸念(2005年12月17日、朝日新聞)
 世界のデジカメ市場を席巻している日本メーカーにとって、中国当局から販売差し止めを勧告されるのは初めてといい、中国事業に大きな影響を及ぼす可能性がある。ペンタックスも不合格となったが、ソニーへの勧告が先行したため「ソニーが狙い撃ちされた」との見方もあり、日本メーカーは疑心暗鬼に陥っている。
 ソニーは16日、中国全土の出荷自粛に続き、小売店にも販売見合わせを要請するなど対応に追われた。発端は、先月の検査。デジカメへの苦情を受けて浙江省当局が買い集めた6社34機種のうち、ソニーの「サイバーショット」6機種を含む13機種を不合格とした。13機種を5台ずつ2次検査した結果、ソニーの6機種30台はすべて基準を満たしていないとして、今月13日付で省内販売差し止めを勧告。他社の機種の検査は続いており、当局は「不合格なら追って勧告する」という。
 ソニーで不合格とされたのは、被写体の色合いを調整する機能や液晶モニターの明るさなど4項目。機種の個性にかかわる項目とも言え、「不具合」とは異なる。ソニーは「基準を尊重する」としつつ、当局に再度の検査を要請している。ペンタックスも「過去に不合格とされたことはなく、驚いている」と話す。
 当局関係者は「中国で最もカメラの機能に詳しい国家機関に持ち込んで検査した」と強調する。
 世界で約20%のシェアを握るソニーの05年度の出荷は1350万台の予定で、中国向けは1割程度とみられる。中国で販売する13機種のうち自粛対象は6機種で、ブランドイメージの低下は避けられない。上海市内の家電量販店では16日、対象外のソニー製品まで交換を求める客もいた。
 日本メーカーには不安が広がっている。中国には検査基準が複数あり、その主導権争いの中で、世界的なブランド「ソニー」が犠牲になったとの見方すらある。
 今回の検査対象になったキヤノンは「当局から一切連絡がないので、どの機種が対象になったのかも分からない」という。販売差し止めとなれば中国事業への影響は大きいため、各社とも情報収集に追われている。

◎化学工場爆発、有毒物質がロシア到達、非常事態宣言も(2005年12月16日、産経新聞)
 タス通信によると、ロシア非常事態省は16日、中国東北部の化学工場で起きた爆発で松花江に流れ出た有毒物質が同日、ロシアとの国境であるアムール川に到達したことを確認した。
 アムール川流域のロシア極東の市民生活に影響を与えるのは必至。ハバロフスク地方政府は非常事態の宣言も検討しているほか、飲料水確保など対策準備を進めている。
 ショイグ非常事態相は到達が確認される前の15日夜にハバロフスク入りし、関係当局と対策を協議。地方政府は約150万人の飲料水源になっているアムール川からの取水を中止する方針で、安全が確認されるまで数日間断水が続く可能性もある。多くの市民は各家庭で水を備蓄したほか、地方政府も飲料水3日分を確保、給水車85台を準備した。(共同)

◎中国吉林省で病院火災、33人死亡、被害拡大の恐れも(2005年12月16日、産経新聞)
 新華社電によると、中国吉林省遼源市の病院で15日夕、火災が発生。同日夜までに逃げ遅れた患者ら少なくとも33人が死亡した。
 新華社電は近隣の市などから消防車が動員されたとしている。大規模火災だった可能性があり、死傷者は拡大する恐れもある。患者らは火災から逃れるため建物から飛び降りるなどしたという。吉林省幹部らが現場に急行、救助活動を指揮している。(共同)

◎ソニーのデジカメ「品質不合格」、中国・浙江省が認定(2005年12月15日、朝日新聞)
 上海市に隣接する中国浙江省の工商行政管理局は15日までに、ソニーのデジタルカメラ「サイバーショット」6機種が品質に問題のある不合格品であるとして、省内での販売を禁じる、と発表した。ソニー側はこの措置を受け、同日、「実態を調査する」として、この6機種の中国全土での販売を差し止める方針を固めた。
 工商局の発表によると、省内でデジカメに関する苦情が相次いだため34機種の品質を検査。その結果、ソニーの6機種を含む13機種が一定基準を満たしておらず不合格品と認定した。自動フラッシュ機能や露光調整、ホワイトバランス調整機能に問題があるという。中国各紙によると、すでに国内各地の大手家電量販店などで商品引き揚げが相次いでいるという。ソニー以外のメーカーについては工商局は具体名を明らかにしていない。
 6機種はいずれも隣接する江蘇省無錫市や上海市の工場で製造され、中国のほか、北米でも販売されている。ソニーは「工商局と連携し、どこに問題があるのかを早急に突き止める」として、暫定措置として販売自粛を決めた。

◎世界のビール消費量、中国が2年連続1位、日本は6位(2005年12月15日、朝日新聞)
 キリンビールが15日発表した04年の世界主要国のビール消費量によると、中国が2864万キロリットルで2年連続の1位だった。2位が米国の2397万キロリットル、3位がドイツの955万キロリットル。日本は654万キロリットルで昨年と同じく6位。
 世界の総消費量は前年比4.2%増の約1億5039万キロリットルと19年連続で増加しており、東京ドーム約121杯分だった。アジア市場が11.2%増の4314万キロリットルとなり、世界最大市場である欧州の4937万キロリットル(1%増)に迫った。

◎上海に海上コンテナ港開港、世界一の国際ハブ港目指す(2005年12月11日、産経新聞)
 中国上海市が同市南東部の東シナ海に浮かぶ小島「小洋山」に建設中の海上コンテナターミナル「上海国際海運センター洋山深水港」の第一期部分が10日、開港した。
 「世界の工場」となった中国の主要港である上海港は今年、貨物取扱量が世界一となる見通し。将来、洋山深水港の完成により、コンテナ取扱量も世界一に押し上げ、国際的なハブ港を目指す。
 同港の第一期ターミナルは水深15メートル以上の岸壁を持ち、7~10万トン級の最新大型コンテナ船が停泊できるバースが5つ設置される。コンテナの年間取り扱い能力は300万TEU(長さ20フィートのコンテナ換算)。2012年にはバースが30以上に増え、取り扱い能力は1500万TEUとなる計画で、投資額は約600億元(約9000億円)。
 同港と上海市の陸上部は全長約33キロの「東海大橋」で結ばれ、陸上部には物流基地やハイテク産業が集積する「臨港新都市」の建設が進む。同港と新都市の一部は税関手続きが簡素化される「保税港湾地域」に中国で初めて指定され、国際的な中継貿易が促進される。
 上海港は04年に貨物取扱量が3億7900万トンでシンガポールの3億8800万トンに続き、世界2位。今年は1~11月までに前年同期比16.6%増の4億4000万トンに達し、シンガポールを上回る見通し。(共同)

◎中国偽物天国、秘密マンションに“世界のブランド”びっしり(2005年12月9日、産経新聞)
≪客は日本人や東南アジア大使館員ら≫
 世界のありとあらゆる偽ブランド品が堂々と売られる北京。「ニセモノ大国」の汚名を払拭(ふっしょく)したい胡錦濤政権は摘発に躍起だが、最近は摘発逃れのためマンションの一室で販売する傾向が出始めた。当局はいたちごっこの状況を変えられるのか。ニセモノ販売の現場を探った。(北京 野口東秀)

≪丁寧で完璧≫
 高層ビルが林立する北京市中心部のマンションの一室。呼び出しボタンを押し、ドアののぞき穴に向け、事前に手に入れていた「名刺カード」をみせた。数秒後、ロックが外され若い男が中に入れと手招きした。
 100平方メートルほどの広さに、シャネル、セリーヌ、フェラガモなど、世界的ブランドのバッグ、スーツ、財布、靴など数千点がびっしりと並ぶ。マンションを活用している理由について若い男は「客がゆっくりと選べる。しかも客以外は容易に入れない」と声をひそめた。
 フェンディの財布は200元(1元=約14円)、バッグはルイ・ヴィトンが450元、プラダは500元。女性店員は「広東省で製造したモノです」と説明する。
 部屋の中には、十数人の客が品物を物色していた。客層は日本、欧州、中国。記者(野口)と面識のある東南アジアの大使館員も夫婦連れで商品を買いあさっている。
 本物なら数10万円はするダンヒル、エルメスのスーツが1200元。手触りもよく見分けがつかない。「生地はホンモノ。入手ルートは言えません。縫製は中国だけど、丁寧な仕立てで完璧(かんぺき)に近いでしょ」と女性店員は“自慢”した。
 次に訪ねたのは、日本大使館周辺から徒歩で数分のところにあるマンションの一室。スイス製のニセモノの腕時計がきらびやかに並ぶ。
 世界最古の歴史を誇るバセロン・コンスタンチンを手に若い男が説明した。本物なら市場価格は300万元以上する代物。「売値は6000元弱。スイスで製造したからだ。台湾製や広東製とは素材が全く異なる。中の部品もスイス製だ」。本物そっくりの鑑定書まである。
 オメガにローレックスにロンジン…。男によると、ニセモノでも等級があり広東製は200元、台湾製で500元、真偽は不明だが「部品もスイス」という「スイス製」では数千元に跳ね上がる。

≪知財犯罪氾濫≫
 中国政府の知的財産権保護の関係白書などによると、2000年から04年で、知的財産に関する犯罪案件は5305件、22億元。国家工商行政管理総局は昨年、偽造工場約3500カ所を破壊、253万カ所の店舗を検査し、2308万個の偽造品を没収した。
 しかし、中国のニセモノ市場規模の推定値について、政府機関の国務院発展研究センターなどは、1370億元から2000億元(約2兆8000億円)の数字をあげており、摘発は氷山の一角に過ぎない。
 日系企業が受ける侵害分野も幅広く食料品からオートバイ、車までほぼすべての工業製品に及ぶのが実態だ。日本貿易振興機構(ジェトロ)北京センターには毎月数100件もの苦情、相談が日系企業などから寄せられる。
 「中央政府に取り締まる姿勢はあるものの、中国全体の経済に悪影響があるため、地場産業を優先する地方権力と企業が癒着しているのが根本的問題だ」。ジェトロ北京センター知的財産権室の後谷陽一室長はこう指摘する。
 問題解決には、党が知的財産権保護の重要性について、地道に国民を啓蒙(けいもう)し、違反組織を徹底して摘発する以外にない。中国政府は昨年8月、呉儀副首相をトップに国家知的財産権保護弁公室をたち上げ、保護・摘発に乗り出している。
 日本側は、知的財産権への意識と能力を中国の取り締まる当局者に高めてもらう目的で、国家知識産権局の審査官への技術説明会、偽造対策研修会などを各地で随時開催するなど、人材育成を側面支援している。

≪中国政府が発表した昨年の主な知的財産権侵害事件≫
・広東省でルイ・ヴィトンのバッグ
・江蘇省でクロコダイルのワイシャツ、ネクタイなど
・北京の企業によるコンピューターソフト
・広州市で化粧品エスティローダーの商標盗用
・広東省によるコンピューター関連技術のブランド盗用
・上海でアディダスの運動靴製造
・遼寧省でDVDなど偽造

◎炭鉱事故の死者74人に、中国河北省(2005年12月8日、産経新聞)
 8日の新華社電によると、中国河北省唐山市の炭鉱で7日発生したガス爆発事故の死者数が74人となった。行方不明者は32人。
 救助された29人のうち5人は重傷で、病院で手当てを受けている。

◎中国で5人目の感染確認、遼寧省の女性、鳥インフルエンザ(2005年12月8日、産経新聞)
 新華社電によると、中国衛生省は8日、遼寧省錦州市黒山県で、同県の女性(31)が高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染したことを確認したと発表した。中国で人への感染が確認されたのは5人目。
 女性は10月30日に高熱などの症状を起こし、原因不明の肺炎と診断されたが、その後回復に向かい、11月29日に退院した。中国疾病予防コントロールセンターの検査で鳥インフルエンザ感染が確認された。
 女性は発病前に、死んだ家禽(かきん)に接触していた。香港紙は女性は養鶏に従事、感染した家禽に接触したと伝えている。衛生省は世界保健機関(WHO)などに報告した。
 中国ではこれまで安徽省、湖南省、広西チワン族自治区で計4人が感染。また計31の省、直轄市、自治区のうち、7省4自治区で家禽や渡り鳥の感染が確認されている。
 黒山県は小規模な養鶏農家が村ごとに密集。家禽の感染確認が多数の村に及んだため、11月5日から今月1日まで武装警察が出動して県全体を封鎖していた。

◎中国の“月の土地”業者、当局相手に異例の提訴(2005年12月8日、産経新聞)
≪営業停止処分に猛反発≫
 「地球への眺め良好」などをうたい文句に、月の土地を販売する“不動産業者”がこの秋、中国・北京に現れ、話題を集めたが、中国当局は月の土地の権利という「実体がないものを売って不当な利益を得ている」として開業わずか数日で営業停止処分を下した。これに業者側は「法律に違反していない」と猛反発、処分の取り消しなどを求めて提訴に踏み切った。中国では企業が政府を相手取り訴訟を起こすこと自体が珍しく、その行方に関心が集まっている。
 国営新華社通信などによると、業者は中国の「月の大使館」と名乗り、北京市内の商業ビルの十階に事務所を構えている。宇宙船「神舟6号」の帰還を受け、2010年までの月面探索計画が発表され、中国国内が宇宙開発の話題でもちきりだった10月19日に営業を開始した。
 月の土地1エーカー(約4000平方メートル)とその地下3キロの鉱物の所有権込みで、約300元(約4500円)で分譲。3日間で34人が計49エーカーを購入。購入者は所有地の経度と緯度などが明記された権利書を受け取り、将来、各国の宇宙船などが所有地に着陸したとき、その国に対して使用料を請求できるという。
 「月の大使館」の責任者の男性が地元メディアに行った説明などによると、同社は米国の宇宙不動産業者・ルナエンバシー社の中国代理店。1967年の月に関する国際条約では国家が宇宙空間や惑星を所有することを禁じているが、同社は「個人や企業による所有は禁じられていない」と主張、80年から月の土地の販売を始め、今では日本も含め欧州、アジアなど約10カ国に代理店があり、購入者は200万人以上としている。
 ところが、中国では市民からの通報などを受け、北京市工商局が調査した結果、「不当な取引」と判断し営業許可を取り消した。これに対し業者側は「処分の根拠がない」「不利益をこうむった人はいない」などとして、工商局を相手取り、同市海淀区の裁判所に提訴、徹底抗戦する構え。中国のインターネット掲示板には「政府と法律で争う勇気を支持する」「中国が法治国家になれるかどうかの問題だ」といった意見が多く書き込まれている。
 日本の代理店「ルナエンバシージャパン」(東京・赤坂)は、産経新聞の取材に対し「米国本社経由で北京の騒ぎを聞いている。詳細はわからないが、中国政府の営業停止処分は理解できない」としている。
 ちなみに同社は2002年にノベルティーグッズ(特典商品)販売業者として設立され、これまでに月、火星、金星の土地を10万人以上に販売している。日本では月の土地1エーカーで3000円程度という。(矢板明夫)

◎発電所建設に反対、6千人が警察と衝突、中国・広東省(2005年12月8日、読売新聞)
 香港紙「蘋果日報」が7日報じたところによると、中国広東省汕尾市で6日夜、発電所建設に反対する地元住民約6000人と武装警察が衝突、武装警察が発射した催涙弾が頭に当たるなどして住民少なくとも3人が死亡、8人が負傷した。
 住民らは、2年前に始まった発電所建設に伴う土地収用の補償金を役人が横領しているとして、今年3月から抗議行動を続けていた。(香港支局)

◎中国の私営企業61%、「社会主義」の空洞化進む(2005年12月8日、読売新聞)
 【北京=藤野彰】7日付の中国各紙によると、中国経済躍進の牽引(けんいん)車になっている私営企業がすでに国内企業総数の61%を占めていることが、第1回全国経済調査でわかった。
 かつて社会主義経済の根幹をなしていた国有企業の比率はわずか5.5%にまで後退、急速な市場経済化の下で「社会主義」の空洞化が進んでいることが裏付けられている。
 この調査は、中国国務院(中央政府)が1949年の建国以来初めて実施した全国経済調査で、昨年末現在の業種別企業数、就業者数などが明らかにされている。

◎遺棄兵器12年までに処理、期限延長、中国と協議へ(2005年12月7日、産経新聞)
 政府は7日、旧日本軍が中国で遺棄したとされる化学兵器を回収、処理するための日中共同事業について、2007年4月までの処理期限を5年間延長し、12年4月までとする方針を固めた。政府は近く中国政府との協議に入り、合意を得た上で来春までに化学兵器禁止機関(OPCW)に延長を申請する。
 政府は、遺棄兵器の大半が集中している中国吉林省敦化市ハルバ嶺に大規模処理施設を建設する計画だが、日中両国が新たに設立する「日中連合機構(仮称)」の人員構成などをめぐり協議が難航、施設着工が遅れている。このため処理期限の延長が必要と判断した。
 中国の武大偉外務次官も今月、超党派の国会議員による「日中新世紀会」の訪中団に、12年までに日本が責任をもって全面処理する必要があるとの考えを示していた。
 遺棄兵器をめぐっては、1997年4月、10年以内の化学兵器の全廃を目指す化学兵器禁止条約が発効。日中両政府は99年7月、日本政府が廃棄に必要な資金、技術、施設などを提供するとした「遺棄化学兵器の廃棄に関する覚書」に署名した。政府は2000年9月から小規模の発掘回収事業に着手し、これまでに約3万7000発を回収している。
 また、政府は吉林省ハルバ嶺の遺棄化学兵器について「約67万発」とOPCWに申告していたが、現地調査の結果から「30万~40万発」と下方修正する考え。(共同)

◎炭鉱事故で54人死亡、中国河北省(2005年12月7日、産経新聞)
 新華社電によると、中国河北省唐山市の炭鉱で7日午後3時半(日本時間同4時半)ごろ、ガス爆発事故があり、同日夜までに54人が死亡、ほかに多数が行方不明となっているもよう。
 中国ではエネルギー不足を背景に、無理な操業による炭鉱事故が相次いでいる。先月27日に黒竜江省7台河市の炭鉱で死者171人の爆発事故があったほか、今月2日には河南省の炭鉱で出水事故が発生し、42人が行方不明になった。同日には貴州省でも複数の事故で16人が死亡、3人が不明になっており、事故に歯止めがかからない状況だ。
 中国政府は安全性に問題のある炭鉱に閉鎖を命じるなどしており、繰り返し安全確保を呼び掛けているが、石炭需要が増える冬を迎え、開発優先の地方が従わないケースも多いとみられている。(共同)

◎中国の乗用車、日本シェア3割に迫り首位争い、1~10月(2005年12月8日、日本経済新聞)
 【北京=宮沢徹】中国の乗用車市場(輸入車を除く)で長年首位の座を維持してきたドイツにかわり、日本メーカーが中国勢とともに急浮上している。ブランドごとに分類した国別シェアで日本は1~10月に26.6%と、首位に立った中国に0.7ポイント差で続き、外資の中では初のトップ。新車投入が遅れたドイツ勢に対し、日本勢は積極投資をテコに投入した新車が人気を集めており、3割強のシェアを有する米国市場に続き、世界3位の中国市場でも勢力を拡大している。
 中国汽車工業協会がまとめたメーカー別の同国内生産車販売台数によると、1~10月のドイツ車販売台数は前年同期比26.8%減の37万6000台で、シェアは15.4%に低下した。日本車は逆に同28.8%増の65万1000台。シェアは26.6%と初めてドイツ車を抜いた。中国車は66万9000台とシェア27.3%で日本車を上回り昨年3位から躍進した。日中が初の通年での首位獲得に向け競り合っている。

◎中国:河北省の炭鉱で爆発、3人死亡、99人行方不明(2005年12月7日、毎日新聞)
 新華社電によると、中国河北省唐山市の炭鉱で7日午後3時半(日本時間同4時半)ごろ、ガス爆発事故があり、同日夜までに3人が死亡、99人が行方不明になった。
 事故当時、坑内では123人が働いていた。
 中国ではエネルギー不足を背景に、無理な操業による炭鉱事故が相次いでいる。先月27日に黒竜江省七台河市の炭鉱で死者171人の爆発事故があったほか、今月2日には河南省の炭鉱で出水事故が発生し、42人が行方不明になった。同日には貴州省でも複数の事故で16人が死亡、3人が不明になっており、事故に歯止めがかからない状況だ。(北京・共同)

◎普通選挙求め25万人デモ、香港(2005年12月5日、産経新聞)
 香港政府が示した2007年行政長官選挙などの制度改革案に反対し、普通選挙の完全実施などを求める多数の市民が4日、市街地をデモ行進した。主催者によると25万人が参加したもよう。参加者数が確認されれば、警察発表で20万人が参加した昨年7月の民主化要求デモを上回る大型デモとなる。
 香港政府は10月、長官を選ぶ選挙委員会メンバーの拡大などを盛り込んだ改革案を公表したが、基本法(憲法に相当)が目標に掲げる普通選挙の完全実施の時期には触れなかったため、立法会(議会)の民主派らが反対していた。
 デモは、政府案の賛否を問う採決が立法会で21日に行われるのを前に、普通選挙実施の時期を示すよう中国、香港両政府に訴えようと民主派議員らが主催。参加者は当初予想された「数万人」を大幅に上回り、要求の強さを示した。
 ただ、政府案が今後修正される可能性は低いとみられる。中国側は普通選挙の完全実施は「時期尚早」としており、時期の明示も当面避ける見通し。
 政府案の通過には計60議員のうち40人以上の賛成が必要だが、民主派25人は原案のままなら反対票を投じる意向で、通過は微妙な情勢。デモが民主派と中国、香港両政府の今後の駆け引きにどう影響するか注目されそうだ。(共同)

◎中国、今年は9.4%成長・国家発展改革委主任が見通し(2005年12月4日、日本経済新聞)
 【中国総局】中国国家発展改革委員会の馬凱主任は3日、今年の同国の経済成長率が9.4%になるとの見通しを明らかにした。北京市内で開かれた会議で述べたもので、新華社が伝えた。中国経済は3年連続で9%台半ばの高い成長となることになる。
 馬主任は、高成長する一方で消費者物価上昇率は2%以下に抑えられており、固定資産投資の拡大に比べ伸び悩んでいた(個人消費を示す)社会消費品小売総額も順調に推移していることなどを挙げ、経済発展のバランスが改善しているとの見解を示した。

◎中国の刑務所内で「拷問」 国連人権委、改善求める(2005年12月3日、産経新聞)
 中国での人権弾圧や拷問被害を調査するため訪中していた国連人権委員会のマンフレッド・ノワク特別報告者は2日、北京で記者会見し、中国各地の刑務所や収容施設で「拷問」が行われているとの報告を明らかにし、中国政府に改善を求めた。
 報告書によると、拷問は、受刑者らに飲み水や食事を与えなかったり、電流が流れるこん棒で身体を痛めつけるなどさまざまという。中国政府は「拷問や残虐な体罰を禁止している」(外務省報道局)と主張しており、今回の報告書を受けて中国側がどう対応するかが焦点となりそうだ。
 ノワク氏は会見で、中国の司法制度について「容疑を否認し続ける限り、服役後も家族との面会が制限される」などと自白偏重を指摘。労働矯正施設についても「収容された者の意思破壊、人格改造が目的。組織的な非人道的行為だ」として撤廃を要求した。
 報告書によると、中国の国家安全省、公安当局者らがノワク氏ら調査団メンバーを24時間監視したほか、複数の拷問被害者に対し調査団との面会を拒否するよう脅したという。収容施設はいずれも調査団によるカメラなどの持ち込みを禁止し、証拠収集に応じなかったとしている。
 ノワク氏は先月21日から、独立派住民に対する迫害の疑いが取りざたされているチベット自治区ラサ、新疆ウイグル自治区ウルムチなどで調査していた。(共同)

◎炭鉱爆発で134人死亡、中国・黒竜江省(2005年11月29日、産経新聞)
 新華社電によると、中国東北部の黒竜江省七台河市の炭鉱で27日夜、爆発事故が発生。28日夜現在で、134人の死亡が確認された。坑内には15人が取り残されているという。
 事故当時坑内で作業していたのは221人。72人は自力で脱出したか救助された。
 現地入りした国家安全生産監督管理総局の李毅中局長は、救助隊メンバーら約380人に救出活動を進めるよう指示した。
 エネルギー需要の高まりから増産への圧力が強まる中国では、各地で炭鉱事故が相次いでいる。(共同)

◎旧日本軍の遺棄化学兵器、共同処理機構設立で日中合意(2005年12月3日、朝日新聞)
 日中両政府は、旧日本軍が戦時中、中国に残した遺棄化学兵器の回収・処理を共同で実施するため、両政府職員らによる「日中連合機構(仮称)」の設置で合意した。
 日本政府筋が2日明らかにした。両政府は2007年の処理期限を12年に延長する。兵器数については、これまでの70万発から「最多40万発」に下方修正することでも一致した。
 両政府は近く覚書を結び、本格的な回収・処理作業に入りたい考えだ。
 今回の合意に向け、両政府は事務レベル協議を重ねてきた。日中連合機構は、両政府が共同で設立する組織となる。中国政府が関与することで、認可や中国の国内法適用などの面で、作業を円滑に進めやすくする狙いがある。両政府は来春にも、同機構を中心に、吉林省ハルバ嶺(れい)で、発掘・回収施設の建設に着手する。日本政府がほぼ全額の約973億円を負担する。
 遺棄化学兵器数について、日本政府は「ハルバ嶺に約67万発、中国全土で約70万発」とオランダ・ハーグの化学兵器禁止機関(OPCW)に申告している。しかし、磁気探査機などを使った2002年からの調査で、ハルバ嶺の埋蔵量が30万~40万発程度と判明した。中国側はかつて200万発と主張していたが、日本側の主張を大筋で受け入れた。日本政府は近くOPCWに修正申告する。
 遺棄化学兵器処理の期限は、化学兵器禁止条約に基づき、07年4月までとなっている。しかし、両政府の調整が難航し、期限内処理が事実上不可能なことから期限を5年間延長する。日中両政府は覚書を結び次第、OPCWに5年間の延長を申請する考えだ。
 遺棄化学兵器の回収・処理は、日中両国などが結んだ化学兵器禁止条約に基づくものだ。日本政府は2000年9月、ハルバ嶺以外での小規模な発掘を開始し、約485億円をかけ、計約3万7000発を発掘・回収した。

◎遺棄化学兵器、中国、処理進めず、「期限延長」内情は不透明(2005年12月3日、産経新聞)
 中国での旧日本軍遺棄化学兵器処理事業の期限が、平成十九(二〇〇七)年から二十四(二〇一二)年に五年間延長される見通しとなった。化学兵器禁止条約の発効(一九九七年)から八年が経過し、日本政府はすでに計約四百八十五億円を投じている。だが、成果は計十カ所での小規模な発掘・回収事業だけで、遺棄化学兵器の九割が埋設される吉林省ハルバ嶺での事業は遅々として進まない。「日中間の信頼熟成の事業」(政府担当者)の前途は多難だ。
 「現状では二〇〇七年までの解決は無理だ。一二年までの解決を強く要請する」
 中国の武大偉外務次官は一日、北京を訪問した超党派議員団「日中新世紀会」(団長・遠藤乙彦衆院議員)にこう語り、日本側に対し、早期に化学兵器禁止機関(OPCW、本部・ハーグ)に廃棄期限の延長申請をするよう求めた。
 化学兵器禁止条約は、条約発効後、十年以内に廃棄を完了しなければならない、と規定している。これに基づき日本政府は、ハルバ嶺で、運搬用道路、保管施設、無害化のための焼却処理施設などの建設を計画。昨年四月には日本側の事業主体となる株式会社「遺棄化学兵器処理機構」を設立し、周辺道路の整備事業に着手した。十月中旬には内閣府の江利川毅事務次官が訪中して武氏と会談、早急に事業を開始することを確認した。本体事業はいつでも開始できる態勢にある。
 ところが、中国側は今も事業認可をしていない。内閣府の担当者は「中国政府内の手続きが手間取っているのではないか」と説明するが、真の理由は明らかではない。
 問題は、五年間の延長ですべての作業が終了するかどうか。条約は、五年以上のさらなる延長はいかなる場合も認めておらず、事態は深刻だ。造成や発掘回収に要する期間にめどが立たないうえ、焼却処理だけでも一年半近くかかるとされる。冬季は土も凍る寒冷地域だけに、作業は難航が予想される。「最終期限内に作業が終了しなければ、日本は国際的に非難される立場になりかねない」(政府高官)と危惧(きぐ)する声もあがる。
 総費用もはっきりしない。内閣府は約二千億円と試算しているが、ハルバ嶺での発掘回収事業費はすでに、当初試算の七百八十億円から九百七十億円に上方修正されている。焼却施設建設費にも一千億円以上かかるとみられるうえ、事業運営費や施設解体費などがかさむことが予想される。試算通り事業が進む可能性は低い。(田中靖人)

◎中国黒竜江省で炭鉱爆発、死者68人、内部になお70人(2005年11月28日、朝日新聞)
 中国の国営新華社通信によると、黒竜江省七台河市の炭鉱で27日夜、爆発が起き、少なくとも68人が死亡した。炭鉱事故多発に悩む中国政府は防止策を強めているが、惨事はむしろ増加傾向にある。相次ぐ事故は、急速な経済発展を受けたエネルギー生産の拡大と、安全管理の徹底を同時に進めることの難しさを示すものだ。
 27日の爆発による落盤で、七台河市の炭鉱内には70人以上が閉じこめられているといい、救出作業が続いている。爆発当時、炭鉱内には200人以上の労働者がいたという。中国政府は事態を重視し、松花江(ソン・ホワチアン)の汚染問題で同省ハルビン市に派遣していた国家安全生産監督管理総局の幹部たちを急きょ現場に向かわせた。
 中国では炭鉱事故で年間数千人規模の死者が出ている。同総局によると、死者10人以上の炭鉱事故は今年計51件に上り、昨年同時期に比べて16件増。死者数も同じく2倍増近い計1355人に上った。
 新華社は27日、胡錦涛(フー・チンタオ)国家主席が安全管理の徹底を求める「重要指示」を出したと伝え、28日付の各紙がこれを大々的に取り上げていた。事故は、その「重要指示」の直後に起きたことになる。
 政府は生産効率が悪く、安全対策が行き届かない小規模炭鉱の廃止を進める。大規模炭鉱に投資を集中し、増産と安全対策を両立させようとの狙いだ。
 中央政府は、役人や企業の管理責任を厳しく追及する姿勢。河北省●台市(「●」は「刑」のつくりが「オオザト」)では今月、炭鉱事故での死者1人当たり100万元(約1400万円)の「罰金」を企業側に科すことを決めた。

◎中国の炭鉱で爆発、30人死亡、140人以上鉱内に(2005年11月28日、朝日新聞)
 中国の新華社通信によると、黒竜江省七台河市の炭鉱で27日夜、爆発が起き、少なくとも30人が死亡した。爆発による落盤で炭鉱内には140人以上が閉じこめられているといい、救出作業が続いている。中国では大規模な事故が相次いでおり、胡錦涛(フー・チンタオ)国家主席らが安全管理の徹底を関係部門に指示したばかりだった。
 爆発当時、炭鉱内には200人以上の労働者がいたという。中国政府は事態を重視し、松花江(ソンホワチアン)の汚染問題で同省ハルビン市に派遣していた国家安全生産監督管理総局の幹部たちを急きょ現場に向かわせた。

◎有毒物質すでに露到達? 極東河川汚染、中国側が謝罪(2005年11月27日、産経新聞)
 【モスクワ=内藤泰朗】ロシアのラジオ放送「エホ・マスクブイ」は26日、専門家の話として、中国吉林省の石油化学工場爆発事故で流出した有毒物質が河川を通じてロシア側の村に到達したことが確認されたと報じた。また、北京発イタル・タス通信は、中国側が極東の河川汚染をもたらしたことを認め、ロシア側に謝罪したと伝えた。
 有毒物質が到達したのは、ロシア極東のレーニンスコエ村。同村で採取された川の水のベンゼン系有毒物質含有量が最大許容濃度の2倍だった。ただ、有毒物質が極東の中心都市ハバロフスクに到達するのは、早くとも12月1日ごろになるとしており、有毒物質含有量も許容範囲内になるとの見方を伝えた。
 ロシア極東管区のイスハコフ大統領全権代表は25日、河川汚染問題に関する特別対策本部を設置、1日に2回、河川の水質をチェックするよう命じた。同管区の軍部隊など約1000人を有毒物質流入の汚染除去対策のため関係施設に展開したという。
 しかし環境汚染に対する懸念は高まっており、世界自然保護基金(WWF)ロシア支部は、今回の河川汚染が事故現場の下流にあるロシア領のアムール川に生息する魚介類、川底の水生植物に多大な被害をもたらすだけでなく、同川の生態系にも多大な影響を及ぼす危険があると警告し、調査を始めた。
 一方、中国の李肇星外相は26日、ラゾフ駐中国ロシア大使に「深い謝罪の意」を伝え、ロシア側専門家を事故現場に招待し、今後の対策などについて説明する意向を示した。
 中国側は、有毒物質が来月8、9日ごろにロシア領内に到達し、同21日ごろ、ハバロフスクに達すると説明しており、ロシア側の見方と食い違っている。

◎重慶でも工場爆発、ベンゼン流出か、中国紙報道(2005年11月26日、産経新聞)
 25日付の中国紙、第一財経日報によると、中国重慶市で24日、化学工場が爆発、1人が死亡、3人が負傷した。近くの学校の生徒を含む約1万人が避難した。ベンゼンが流出したとみられ、地元当局が事故現場近くの河川の監視などを強化している。
 中国では13日に吉林省吉林市の化学工場が爆発、大量のベンゼンが松花江に流れ込み、下流のハルビンが水道供給を停止した。(共同)

◎中国向け輸出額、過去最高に、10月の貿易統計(2005年11月24日、日本経済新聞)
 財務省が24日発表した10月の貿易統計速報(通関ベース)によると、中国向け輸出額は8319億円と前年同月比で12.8%増え、単月での過去最高を更新した。現地工場向けに自動車部品の輸出が好調だった。中国以外も含めて輸出額から輸入額を差し引いた輸出超過額(貿易黒字)は前年同月比28.8%減で7カ月連続の減少。原油価格の高止まりで輸入額の伸びが輸出額の伸びを上回った。
 中国への輸出の伸びが2ケタ増となるのは8月から3カ月連続。自動車部品が39.6%増え、鉄鋼(20%増)、音響・映像機器部品(32.8%増)も好調だった。
 中国からの輸入では携帯電話やカメラを中心に音響・映像機器部品が27.9%増、ノートパソコンなども14.6%増えた。輸入額も過去最高の9月に次ぐ2番目の高水準だったため、対中貿易赤字は前年同月より3割弱増えた。
 一方、10月の貿易黒字は全体で8221億円。輸出額は過去最高の前月に次ぐ高水準。自動車(13.8%増)、鉄鋼(16.9%増)の増加が寄与した。

◎工場爆発の余波、中国ハルビン市で水道停止、住民混乱(2005年11月23日、読売新聞)
 【北京=竹腰雅彦】中国吉林省吉林市で13日起きた石油化学工場の大規模爆発事故で、隣接する黒竜江省の省都ハルビン市(人口約970万人)が22日から、事故で流出した化学薬品による水源汚染の可能性などを理由に、市全域で水道水の供給を緊急停止し、市民がパニックに陥る騒ぎとなっている。
 新華社電によると、市当局は21日、4日間の水道停止を突然発表。22日時点で汚染は未確認だが、市の水源である松花江の支流に大量の化学物質が流れ込んだ恐れがあるという。
 市は各機関に対し、「可能な限りの水備蓄」を指示。一方、市民は買いだめに走り、ペットボトル飲用水の値段が通常の3倍以上に高騰している。さらに「近く大地震が発生する」とのデマが広く流布され、混乱に拍車をかけている。
 本紙の取材に対し、市内の大学病院当局者は「約1000トンの水備蓄があるが、2日間の突貫工事で井戸を掘る」と語り、ある中学校も「学校で必要な水は井戸水で対応する」と話した。

◎中国、炭鉱1万3千カ所を生産停止(2005年11月21日、産経新聞)
 中国の華僑向け通信社、中国新聞社によると、国家安全生産監督管理総局は21日、安全性に問題があるなどとして、今年に入ってから、全国計1万2990カ所の炭鉱を生産停止にしたと発表した。このうち9067カ所は、違法に採掘をしていた炭鉱だった。
 中国ではエネルギー需要の高まりを背景に、全国の炭鉱で無理な採掘による事故が相次いでおり、政府が安全対策に力を入れている。(共同)

◎中国大陸の遺棄化学兵器、年明けに処理施設着工(2005年11月18日、朝日新聞)
 旧日本軍が中国大陸に放置した毒ガスなどの遺棄化学兵器の処理をめぐり、日本政府は年明けに、中国・吉林省ハルバ嶺(れい)で大規模回収・処理施設の建設を始める方針を固めた。中国政府と最終調整する。ハルバ嶺の遺棄量は日本がこれまで回収した量の約10倍とみられ、政府は本格処理を進めるため、07年4月の処理期限を延長することも検討している。日本側には「負の遺産」の解決で、冷え込んだ日中関係の改善に役立てたい狙いもある。
 両政府は04年4月、大規模施設建設で合意。今年10月に内閣府の江利川毅事務次官が訪中し、武大偉(ウー・ターウェイ)外務次官との会談で早期着工を確認した。中国側の事業承認を得て、年明けにも建設用地の伐採や造成を始める見通しになった。
 日本はこれまで広東省から黒竜江省に至る約30カ所で、計約3万7000発の遺棄化学兵器を発掘。中国国内で一時保管している。ただ、ハルバ嶺は手つかずの状態。遺棄推計量は、96年の日本の調査による約67万発から、02年の再調査で30万~40万発まで減ったが、過去の回収量と比べて「けた違い」(内閣府幹部)であることに変わりない。
 施設は、遠隔装置で砲弾を発掘する「発掘棟」、X線などで鑑定する「回収棟」、「保管施設」、焼却処理や有害物質の回収などをする「処理施設」で構成。1日あたり640~650発の処理能力があるという。
 遠隔地で一時保管している兵器は、トレーラーに搭載した移動式装置で暫定処理し、ハルバ嶺に運んで最終処理する。
 ただ、化学兵器禁止条約により、処理期限は07年4月に迫っている。政府は「間に合うよう最大限努力する」としているが、期限内の処理は困難な情勢だ。政府は条約に従い処理期限の1年前にあたる来年4月までに化学兵器禁止機関(OPCW)に期限延長を申し出ることを検討している。
 政府は来年度から当面4年間で、ハルバ嶺の大規模施設の建設や運営などに計2000億円以上の経費がかかると見積もっている。
 一方、小泉首相の靖国神社参拝で冷え切った日中関係のなか、遺棄化学兵器の処理協力は双方が歩み寄りをみせる数少ない分野。武次官は10月の江利川次官との会談で、「この問題に対する日本の努力、姿勢を積極的に評価する」と述べた。
 現在、日中間の政府高官対話は途切れ、東シナ海のガス田開発問題も解決のめどが立たない。日本側は「この事業は、未来に向けた建設的で大切なものだとの認識を双方が持っている」(内閣府幹部)と期待する。
 中国・黒竜江省のチチハル市で03年8月、旧日本軍が遺棄した毒ガスによって1人が死亡、43人が重軽傷を負うなど、地中に残された遺棄化学兵器が原因となる事故は今でも度々起きている。
 こうした状況下、中国側にも「早期処理を求める世論が強く、処理を急ぎたい」(内閣府幹部)事情があるようだ。

◎鳥インフルエンザ、中国で感染者、周辺国に被害拡大懸念(2005年11月18日、朝日新聞)
 初の鳥インフルエンザ感染者が確認された中国政府は、「情報隠蔽(いんぺい)」と国際社会から非難を浴びた新型肺炎SARSでの失敗を教訓に、情報公開や防止対策に懸命だ。しかし、全土に140億羽以上の家禽(かきん)を抱え、地方から中央への報告も滞りがち。周辺国への一層の感染拡大が懸念されている。
 中国政府は感染の疑いがある家禽1000万羽以上を処分し、ワクチン接種も急ぐ。11月初めには対策費20億元(約280億円)の投入を決めた。農業省は17日、衛生省との連携強化や地方政府からの速やかな報告を求める予防措置を通達した。
 しかし、地方政府の担当者が責任の追及や投資の減少などを恐れ、不都合な報告をしないケースもあるという。香港特別行政区は18日から中国本土との境界にある2カ所の税関で、入境者への体温検査を始める。
 鳥インフルエンザが警戒されるのは、人の間で感染が広がる新型インフルエンザの発生につながる恐れがあるからだ。厚生労働省は日本で流行した場合、4人に1人に当たる約3200万人が感染し、最大その2%、64万人が死亡すると推計している。
 「これまでも鳥の感染が確認されていたので、可能性としては想定していた」。中国で鳥インフルエンザによるとみられる死者が確認されたことについて、国立感染症研究所の岡部信彦・感染症情報センター長はいう。
 「まだ、鳥から人への感染にとどまっており、すぐに新型インフルエンザの発生に結びつくわけではない。だが、ウイルスの拡散は新型発生の危険を高める。中国には監視を強化し、患者の発生事例を迅速に報告するなどしてもらいたい」と求める。
 厚労省は14日、新型インフルエンザ対策について、平常時から大流行までを6段階に分けた行動計画を発表した。現在は下から3番目だが、自治体との連携や病院の態勢、治療薬の配布手順など、詳細な検討はこれからだ。岡部さんは「具体化できることを早急に検討し、実現していく必要がある」と話している。

◎香港ディズニー:魔法の効果なし? ブーム起こせず(2005年11月14日、毎日新聞)
 東京ディズニーランドに続くアジアで2カ所目のディズニーテーマパーク「香港ディズニーランド」が、9月12日にオープンして2カ月が過ぎた。世界の人々をとりこにするディズニーの魔法の効果も、香港では今ひとつのようだ。【香港・成沢健一】
 「歩道で子供におしっこをさせた」「列に割り込んでけんか騒ぎになった」。開園直後、香港各紙は中国本土客のマナーの悪さを大々的に報じた。リハーサル公開で約3万人が入場した際も「アトラクションは3時間待ち」「レストランが満席」と混乱ぶりを酷評するなど、香港メディアは開園前から手厳しかった。
 同園の運営会社には香港特別行政区政府が57%、米ウォルト・ディズニー社が43%を出資する。施設建設などに特区政府が224億5000万香港ドル(約3370億円)を投じており、「厳しいチェックは当然」(香港紙記者)というメディア側に対し、主要幹部をディズニー出身者で固める運営会社は、入園者数や面積などの問い合わせには一切応じない。
 世界的には入園者数を公表しないテーマパークは珍しくないが、地域密着型で話題を追求する香港メディアには通用しなかった。面積については、航空写真の分析や園の周囲を走るアトラクション列車の速度と所要時間から計算するなど、あの手この手で独自に調査。東京ディズニーランド(51ヘクタール)の半分にも満たない15~19ヘクタールと報じる熱の入れようだ。
 約15ヘクタールと報じた経済日報は「施設部分を除くと入園者が動けるのはせいぜい園内の半分程度。上限とされる3万人が入場すれば、1人当たりの空間はダブルベッドより狭い」とする専門家の見解を掲載した。この規模で入園料は土、日などが大人350香港ドル(約5250円)、子供250香港ドル(約3750円)。平日が大人295香港ドル(約4425円)、子供210香港ドル(約3150円)だ。
 香港紙の報道は中国メディアにも転電され続けた。中国の国慶節による大型連休(9月30日~10月9日)に香港を訪れた中国本土客は前年並みの約44万人で、特区政府や旅行業界が期待した50万~70万人を下回った。香港旅行業会議の董耀中代表幹事は「(報道による)イメージダウンなどの影響で、ディズニーランドは香港の名所が一つ増えたという程度の集客効果。ブームにはなっていない」と語る。
 「香港に敬意を込めて」。こう名づけられたキャンペーンが8日から始まった。1カ月間限定で、特区政府発行のIDカードを持つ香港住民の入園料を50香港ドル(約750円)引き下げた。不振の打開策との見方も広まったが、運営会社は「当初からの計画。開園から2カ月間の入園者数には満足している」と強調する。一方、旅行業者からは「年間パスを発行してほしい」などの要望も相次いでいる。
 香港中文大学の呂大楽教授は「東京ディズニーランドは国内客のニーズに応えて成功したが、香港は戦略が明確ではない。運営会社は情報の透明性を高めつつ、自らを省みる姿勢が必要だ」と指摘する。

◎中国新疆で新たな鳥インフルエンザ感染か、20万羽処分(2005年11月14日、産経新聞
 14日付中国系香港紙、大公報によると、中国新疆ウイグル自治区ウルムチ郊外とカシュガルで家禽(かきん)類が大量に死んだことが確認され、当局が鳥インフルエンザ(H5N1型)感染の疑い例として調べている。当局は周辺の鶏など20万羽を処分したという。
 同自治区では6月、塔城市で家禽のH5N1型感染が確認されている。
 同紙によると、ウルムチ郊外では今月11日の農業当局の検査で、鶏1400羽が死んだことを確認。死んだ鶏は9月と10月の2回、ワクチン接種していたため、当局は効果のない違法ワクチンが流通していなかったかどうかについても調べるという。(共同)

◎日本連合の受注が焦点に、中国高速鉄道、独が先行(2005年11月13日、産経新聞)
 中国が進めている高速鉄道計画でドイツの重電大手シーメンスがこのほど100編成(計800両)のうち60編成分を受注、ドイツと競争する形で応札している日本企業連合がどの程度受注できるかが焦点になっている。
 中国は昨年、在来線の高速化用車両200編成の入札を行い、川崎重工業など日本企業6社と提携する中国の車両製造大手「南車四方機車車両」(山東省)が60編成を受注、フランス、カナダの企業も受注した。
 今回は時速300キロの高速鉄道用と同200キロの準高速用の電車計100編成を発注。10月に日本企業・南車グループと、シーメンスと提携する中国企業の2グループが見積もりを出していた。
 シーメンスが受注したのは300キロの高速用で、2008年開業予定の北京―天津間の路線などに使われる予定。残る40編成は300キロ用と200キロ用が混在しているもようだが、最終的にどのような形で決着するかは予断を許さない。
 シーメンスは昨年の入札では価格面などで条件が合わなかったとされるが、今回は技術移転も約束、胡錦濤国家主席のドイツ訪問に合わせて受注を獲得した。フランスなどは今回の商談に参加していない。(共同)

◎円借款、新規打ち切り、中国、協議応ぜず、靖国・無償協力で対立(2005年11月7日、産経新聞)
 【北京=笠原健】二〇〇八年の北京五輪前までに新規供与を打ち切ることで日中両国政府が合意している中国への政府開発援助(ODA)の円借款に関する日中協議がストップしていることが六日、複数の関係筋の話で明らかになった。小泉純一郎首相の靖国神社参拝に反発する中国側が事務レベル協議に応じていないためだが、円借款の終結方法や無償協力の継続などをめぐって日中間の見解が対立していることが背景にある。 
 日中両政府は、町村信孝外相(当時)と李肇星外相が今年三月に電話で会談し、北京五輪前までに円借款供与を打ち切る方向で協議を進めることで合意した。
 四月に北京で開かれた日中外相会談でも、対中円借款を円満に終了するため事務レベルで協議を行う方針を確認していた。
 日本側は、昭和五十四年度から始まった対中ODAの主要部分である円借款供与の打ち切りにあたって、「双方が経済協力の成果を祝え、『有終の美』を飾れるものにしたい」(外務省幹部)としており、日中双方で「最終プロジェクト」を検討することにしていた。
 しかし、今春に中国国内で反日デモが頻発、小泉首相の靖国参拝問題の影響もあって「事務レベルでの協議はほとんど進んでいない」(同)状況にある。
 日本側は円借款の新規供与打ち切り後も、温暖化対策など環境問題に関する技術協力や文化無償資金協力に限って継続する方針だが、中国側は無償資金協力に経済発展に寄与するインフラ整備も含めるよう水面下で求めているという。
 来年度予算案編成を控えて、日本側は対中円借款に関する協議をすみやかに再開したい考えだが、「中国側が前向きに応じてくる保証はない」(日中関係筋)との見方も出ている。
 日本政府内では、対中円借款の新規供与を終えるにあたって、すでに交換公文を締結した案件で二〇〇八年度以降にまたがる事業を除き、北京五輪前までにすべて打ち切るべきだとの意見と、対中関係を考慮して一部例外を認めるべきだとの両論があり、結論は出ていないが、中国側がこのままの対応を続ければ、「即時打ち切り論」が勢いを増しそうだ。

◎中国の携帯電話利用者、3億7600万人(2005年11月6日、日本経済新聞)
 【北京6日共同】6日の新華社電によると、中国の携帯電話利用者はことし9月末時点で3億7600万人に上り、移動通信関連の産業が2005年の年間国内総生産(GDP)の約10%を占めるとみられることが明らかとなった。
 最近、上海で開かれた移動通信関連の国際会議でデータが発表された。それによると、携帯電話の利用者は08年には5億2000万人、10年には6億人に達すると予測されている。移動通信関連の市場規模はことし5兆元(約72兆円)に達する見通しだ。

◎中国・韓国:キムチで対立、両国製品に寄生虫卵(2005年11月2日、毎日新聞)
 【北京・大谷麻由美】中国中央テレビは1日、国家品質監督検査検疫総局が、韓国の大手食品会社5社の製造した韓国産キムチなどから寄生虫の卵が検出されたと発表した、と報じた。韓国では最近、中国産キムチから寄生虫の卵が見つかって問題となっており、今回は中国側が“反撃”に出た格好だ。
 同局によると、寄生虫の卵が検出された食品はキムチのほか、焼き肉のたれなど10製品。同局は食品会社5社の名前と商品名を公表、関連商品の輸入を即日停止した。今後は韓国から輸入された食品類の検査を強化するという。
 一方、韓国では10月中旬、中国産キムチ16製品のうち9製品から回虫など4種類の寄生虫の卵が検出された。9月には中国産キムチから鉛が検出された。
 中国外務省の孔泉報道局長は1日の定例会見で「中韓に発生した貿易問題は協議を通じて解決され、相互尊重の友好を基礎に貿易が発展し続けることを希望する」と述べた。

◎暴行警官に800人抗議、北京、車両を2時間包囲(2005年11月1日、産経新聞)
 北京市内の北京南駅近くで31日夕(日本時間同)、警官の暴行に怒った地方出身の住民約800人が、警官を殴った上、警察車両を約2時間にわたって取り囲んで抗議する騒ぎがあった。目撃者が明らかにした。
 昨年、全国で起きた暴動などの抗議行動は7万4000件発生しているが、首都でこうした抗議行動があるのは珍しい。貧富の格差拡大などへの民衆の不満は高まっており、きっかけさえあれば抗議行動がどこでも発生することを示した。
 目撃者によると、南駅近くで江西省の警察車両に乗ってきた警官隊が、中央政府などに直訴するため上京していた地方住民2人を拘束しようとして、素手で殴るなどした。これを目撃した周辺の直訴住民らが激高し、警官3人を殴りつけ、警察車両1台を取り囲んだ。
 群衆は「警察は庶民をいじめるな」「腐敗警官は出て行け」などと叫びながら、車両のタイヤをパンクさせたり、窓ガラスをたたくなどして抗議を続けた。駆け付けた北京の警官に説得される形で、約2時間後ようやく解散したという。
 裁判所などの陳情窓口がある南駅周辺には官僚の腐敗や農地の強制収用などへの不満を訴える地方出身者が約5000人滞在している。(共同)

◎遺棄化学兵器処理費、中国要求丸のみ巨額化(2005年10月31日、産経新聞)
・法外な森林伐採代償/プール付き宿舎
 中国に旧日本軍が遺棄したとされる化学兵器の廃棄処理問題で、中国側の要求を丸のみした結果、日本が拠出する処理費用が野放図に巨額化している実態が、内閣府の資料などからわかった。例えば施設建設に伴う森林伐採では、国際価格の数十倍という法外な代償を認め、要員宿舎はプール付きの豪華版としている。事業は今冬にも施設建設に入るが、費用の不透明性を残したまま見切り発車すれば、予算の垂れ流し、税金の無駄遣いにつながるのは必至だ。(長谷川周人)
 内閣府の予算関連資料によると、吉林省敦化市郊外のハルバ嶺で建設が予定される処理施設の「インフラ整備諸費」(共通施設分)に今年度、十八億五千万円近い予算が計上されている。
 避難路や要員宿舎の整備費用の一部に充当されるが、関係者によると、用地造成に伴う森林伐採で中国が要求した代償は「シラカバ一本百ドル」。しかし、シラカバは一般に製紙用以外に用途がなく「樹齢にもよるが二、三ドルが国際相場」(製紙業界関係者)とされ、日本は常識はずれの費用負担を強いられている。
 また、要員宿舎は「事業終了後の払い下げを見越し、地元当局から強い要望があった」(関係者)として、2LDKの豪華版で、プールなどのスポーツ施設が併設される予定だ。
 また、「環境関連諸費」(約千五百三十万円)の内訳をみると、「マクロ気象観測費」(約三百三十万円)と「ミクロ観測機器・機材整備費」(千二百万円)だが、気象観測といっても、中国軍の「気象専門員」が百葉箱を使い、気温や風向などを定時放送するというもの。日本側が「無意味に近い」と改善を要求したところ、中国側は「ならば地表温度なども計測しよう」と提案、新たな資材購入費として千二百万円を計上することになったという。
 このほか、中国はハルバ嶺に軍医療班を派遣しているが、絆創膏(ばんそうこう)一枚でも、日本人スタッフには「(解毒剤などが入った)段ボール三箱分の医薬品がセット売り」となる。しかも、なぜか産婦人科医を含む医師団は北京から送り込まれ、これら全経費が日本負担となっている。
 遺棄化学兵器の処理事業で、日本は今年度までに約九百七十億円を投入。処理方法を検討するなど準備を進めてきた。外務省によると、保管作業は昨年七月までに三万七千発分を終えた。
 今後は残る砲弾の回収と並行し、実処理を行う施設の建設に移るが、回収施設だけで九百七十三億円の建設費がかかることが判明している。このほか燃焼処理を行うメーンの前処理施設のほか、燃焼時に発生する汚染ガスの処理に環境対策費なども必要で、総事業費は「一兆円規模」との試算も出ている。
 しかし、遺棄砲弾数は二百万発と主張する中国は、その根拠すら示さず、情報開示を先送りしている。七十万発と主張してきた日本は独自調査に基づき三十万-四十万発と下方修正する方向だが、遺棄兵器の全容は見えていない。
 関係者からは「中国にとって処理事業は“金のなる木”。中国の機嫌ばかりを気遣う官僚の事なかれ主義を是正しなければ、いつまでも無駄な予算を垂れ流すことになる」と批判も出ている。

◎人民元4日連続上昇、7月切り上げ後の最高値更新(2005年10月28日、読売新聞)
 【北京=東一真】28日の上海外国為替市場の人民元相場は、前日終値より0.0022元の元高・ドル安の1ドル=8.0840元で取引を終え、7月の人民元レート切り上げ以降の最高値を更新した。
 このところ、中国人民銀行(中央銀行)関係者の人民元レートの一層の柔軟化を示唆する発言が続き、人民元相場は4日連続で上昇した。
 ただ、人民元切り上げの7月21日から、この日の最高値までの上昇率は0.32%にとどまる。

◎中国湖南省、H5N1型鳥インフルエンザで545羽死ぬ(2005年10月26日、日本経済新聞)
 【北京=桃井裕理】中国農業省は25日、中国湖南省で家禽(かきん)687羽が毒性の強いH5N1型の鳥インフルエンザに感染し、545羽が死んだとして国際獣疫事務局(OIE)に報告した。10月に入って中国でH5N1型の感染が確認されたのは内モンゴル自治区と安徽省に続いて3カ所目。
 感染は22日から湖南省湾塘村で広がった。当局はただちに周辺の家禽など約2487羽を処分した。

◎中国で鳥インフルエンザ確認、4万羽以上処分(2005年10月25日、読売新聞)
 【北京=末続哲也】中国政府は25日、安徽省東部の農村部でガチョウなど約2100羽が鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染し、うち550羽が死亡したと確認した。中国当局は感染拡大を防ぐため、周辺の4万羽以上を処分した。
 中国政府は今月20日にも、内モンゴル自治区フフホト市で、H5N1型への感染で飼い鳥約2600羽が死亡し、周辺の約9万1000羽を処分したことを確認していた。

◎中国:「光復節」60周年式典、中台一体化アピール(2005年10月25日、毎日新聞)
 【北京・大谷麻由美】日本の台湾植民統治が終了した「光復節」60周年を祝う式典が25日、北京の人民大会堂で開かれ、賈慶林・全国政治協商会議主席(共産党政治局委員)らが出席した。中国当局は、光復節関連の展覧会や討論会、関連書物の出版など台湾島内での「抗日の戦い」を強調しながら過去にない大規模な記念キャンペーンを展開。独立志向を持つ台湾の陳水扁政権への攻勢を強めている。
 賈慶林主席は、光復節の意義について「中華民族が屈辱から奮起した闘争の歴史を回顧するため」と指摘。また、台湾独立勢力が新たな憲法制定を通じて台湾の法的独立を実現しようとしていると陳総統を非難しながら「両岸(中台)の中国人が共同で台湾独立を阻止しなければならない」と述べ、台湾を含めた「中華民族の団結」を訴えた。式典には台湾第3野党で統一派「新党」の郁慕明主席も出席した。
 中国当局は今春以降、台湾の最大野党・国民党の連戦主席(当時)をはじめ、第2野党・親民党、新党の各党首を次々に招き、台湾野党との交流を進めてきた。
 胡錦涛国家主席は9月の対日戦争勝利60周年記念式典で、国民党の果たした役割を全面的に評価しており、当局は一連の光復節記念活動でも、「台湾同胞を含む全中国人が日本侵略者と勇敢に戦った偉大な勝利。台湾の史実は台湾が一つの国ではなく、中国の切り離すことの出来ない一部分と証明している」(25日付「人民日報」社論)と強調した。
 中国当局は「中台一体化」を強調することで、台湾問題が「内政問題」と国際社会に訴える狙いもある。日米両国が今年2月、台湾海峡の平和維持を「共通の戦略目標」に含めたことに強く反発した中国は、8月に初の中露軍事演習を実施し、台湾独立と日米安保同盟強化をにらんだ動きを強めている。
 ▽ことば(光復節) 1945年10月25日に台北市内で行われた蒋介石政権の陳儀(ちんぎ)・台湾省行政長官と安藤利吉・台湾総督が降伏文書の署名を行ったことを記念して設けられた日。陳儀長官は署名後、台湾の主権が国民党政権下に置かれると宣言し、この日から台湾は日本統治を離れた。

◎「遺棄兵器30~40万発」、政府修正答弁、中国主張の5分の1(2005年10月20日、産経新聞)
 旧日本軍が中国に遺棄したとされる化学兵器が、政府が当初説明していた約七十万発ではなく、三十万-四十万発にとどまることが十九日、分かった。内閣府の高松明・遺棄化学兵器処理対策室長が衆院内閣委員会で答えた。約二百万発とする中国の主張が科学的根拠を欠く不当な主張であることが裏付けられただけでなく、処理事業の見直しも迫られそうだ。
 高松氏は泉健太氏(民主)への答弁で、遺棄化学兵器について「三十万発から四十万発と推定している」と述べた。高松氏の前に答弁した細田博之官房長官は「約七十万発あり、そのうち、六十七万発余りが吉林省のハルバ嶺にある」としていたが、泉氏の指摘を受け、「推定だが三十万-四十万発ではないか」と修正した。
 日本政府は平成八年、化学兵器禁止条約に基づき、中国における遺棄化学兵器を約七十万発と申告していたが、十四年十月から十一月にかけ、埋設範囲と数量を正確に把握するため磁気探査を実施。中国外交部と日本政府が委託した民間業者が探査にあたった。
 その結果、実際には申告の約半分である三十万-四十万発と推定されたという。三年前に判明していた数量を明らかにしてこなかったことについて、内閣府は産経新聞の取材に対し、「今春の国際会議では三十万-四十万発と発言している」と意図的に情報を秘匿したわけではないと説明している。
 遺棄化学兵器処理事業で日本政府は、来年度から四年間で九百七十三億円をかけ、ハルバ嶺に処理関連施設を建設することを決定。事業は有償、無償資金協力を合わせた十六年度の対中政府開発援助(ODA)の新規供与額(約九百億円)と同規模の巨大プロジェクトとなっている。
 ただ、外務省OBの一人は「本来、旧日本軍から武装解除で引き渡しを受けた中国、ソ連に管理責任がある。そういう議論をきちんとやらずに国民に大きな財政負担を強いようとしている」と批判。複数の場所に処理施設設置を求める中国側の言い分を受け入れた場合、最終的な拠出額は一兆円を超えるとの日本側試算もあり、遺棄化学兵器の数量が半減したことは処理事業をめぐる今後の日中交渉に影響しそうだ。

・遺棄化学兵器
 先の大戦中に旧日本軍が対ソ連戦に備えて中国に持ち込んだ化学兵器の未処理分。装填(そうてん)された化学剤は、糜爛(びらん)剤(マスタード)など6種。中国は1997年に化学兵器禁止条約を批准し、日本は2007年までに全面廃棄の義務を負った。

◎遺棄化学兵器の回収施設建設費、200億円膨らみ973億円、中国試算(2005年10月17日、産経新聞)
 旧日本軍の遺棄化学兵器を処理するため日本が中国に建設する廃棄処理施設のうち、発掘回収施設の建設費用が、当初予算から約二百億円膨らみ九百七十三億円と試算されていることが十六日、分かった。今後も廃棄処理に関する予算は増大する可能性もある。
 内閣府によると、廃棄処理施設は遺棄砲弾の九割以上が埋設されている吉林省・ハルバ嶺に建設される。
 このうちの発掘回収施設は、遺棄された砲弾を爆発しないように安全に掘り出すための施設。平成十五年度に、日本政府が委託した日本の業者が「基本設計」を行い、総額七百八十億円と試算。二十年度までの国庫債務負担行為として、今年度に一部予算を計上した。
 ところが、その後の日中協議を経て、中国国内の建設基準などに基づく詳細な「初歩設計」を中国企業に委託したところ、総額が増加した。このため内閣府は、今年度予算を返上し、改めて来年度予算から建設費を計上する方針だ。
 廃棄処理施設の建設をめぐっては、関税の免除や建設許可に関する中国側の事務作業が遅れており、内閣府の江利川毅事務次官が十一日から十五日まで中国を訪れて、迅速化を要請している。

◎中国製の模倣品販売、ロゴも酷似、ヤマハが米3社を提訴(2005年10月14日、産経新聞)
 ヤマハ発動機は12日、同社製品を模倣した2輪車などを米国内で販売したとして、米国の2輪車販売会社「ヤモト・モーター」など3社に対し損害賠償を求める訴訟をロサンゼルス地裁に起こした。
 訴えによると、3社はヤマハの2輪車や4輪バギー車を模倣した中国製の製品を販売、会社のロゴもヤマハと類似したものを使用するなどしてヤマハに損害を与えた。ヤマハ側は懲罰的賠償と模倣製品の廃棄命令を求めているが、賠償請求額は未定という。(共同)

◎重慶で数千人デモ、倒産企業不払い巡り、2人死亡(2005年10月10日、読売新聞)
 【香港=吉田健一】香港紙「太陽報」が9日報じたところによると、中国・重慶市で7日、自己破産を宣言した国有企業「重慶特殊鋼鉄」の元従業員や家族ら数千人が警官隊と衝突、民衆側の2人が死亡、22人が負傷した。
 元従業員らは6日午前、市庁舎前で、解雇された際に一時金が支給されなかったことに対する抗議活動を開始。その後、同社前の路上に座り込んで、約3000人の警官隊と対峙(たいじ)した。
 当局は7日午前になって強制排除に乗り出し、衝突が起こった。デモを主導していた9人の身柄が拘束されたという。同社が倒産したのは7月。以後、大規模な抗議デモが断続的に行われていた。
 中国では、貧富の格差拡大などに不満を強める民衆が当局と衝突する事態が相次いでいる。昨年10月には四川省で土地収用に反発した農民数万人と治安当局が衝突して1人が死亡した。

◎中国:100人以上がコレラ感染(2005年10月9日、毎日新聞)
 8日付の香港紙、明報などによると、中国浙江省嘉興市でコレラが流行、先月上旬からの感染者は100人以上に達した。中国では毎年、各地でコレラ感染が確認されているが、今回は特に大規模という。死者が出ているかなどは不明。
 報道によると、河川や井戸水を通じ感染が拡大したとみられ、衛生当局が食品や水などの監視を強めているという。(香港・共同)

◎「冷静に考えて回答を」、離婚急増で質問票導入、北京(2005年10月7日、朝日新聞)
 離婚が激増している北京で「別れる前に冷静になってほしい」と、手続きに質問票の記入を義務づけることになった。子どもの養育や財産分与をめぐって離婚後にもめたり、「本当は別れるつもりがなかった」などと離婚の取り消しを求める裁判が増えたりしたためだ。
 北京各紙によると、市民政局はこのほど、従来は署名した書類を提出するだけだった離婚手続きについて、7項目の質問に答えなければならないとする規定を公布した。「子どもの養育について合意したか」「財産についてだれが所有権を持つか」などに、夫婦がそれぞれ自分で回答しながらもう一度慎重に考える機会をつくるのが狙いだ。
 昨年、北京で結婚の手続きをしたのは12万7391組で、離婚は2万1225組。結婚は前年に比べ約4割増だったが、離婚は倍以上に増えた。

◎重慶市で大規模デモ、広島市長ら参加予定のサミット前に(2005年10月6日、朝日新聞)
 香港紙「明報」は5日、中国重慶市で国営鉄鋼工場の労働者が賃金不払いなどに抗議する大規模なデモを繰り返していると報じた。重慶市では12日から、秋葉忠利・広島市長らが参加を予定しているアジア太平洋都市市長サミットが開幕することになっており、市政府が事態の沈静化に乗り出したという。
 報道によると、抗議しているのは6月に自己破産申請した「特殊鋼鉄公司」の労働者ら。8月に2000人規模のデモが起きて警察と衝突したのに続き、このほどさらに多数の従業員らが抗議行動に出たという。
 市長サミットには約40の国・地域から約100人の首長が集まる予定。

◎公衆トイレ、300メートルごとに、万博にらみ上海市(2005年10月3日、朝日新聞)
 上海市当局は2020年までに、300メートルに1カ所の割合で新たに公衆トイレを設ける、と決めた。市中心部に約800カ所を増設し、どこにいても3分以内でたどり着けるようになる。人口1700万人の上海はこれまで、公衆トイレの少なさが市民や観光客の悩みの種だった。
 市都市計画管理局によると、04年時点で市内の公衆トイレの数は計3781カ所。うち中心部には1601カ所で、平均すると1万人に2.2カ所の割合だ。北京では同5.5カ所で、中国の他の大都市に比べても少ない。とくに観光スポットやオフィスビルなどが集まる市中心部では圧倒的に足りない状態だ。
 同市が新たに設ける公衆トイレは、敷地の確保が難しいこともあり、地下鉄の駅や地下道、既存のビルの一部なども利用。トイレの面積は場所に応じて異なるが、いずれも個室の水洗式とする方針だ。08年の北京五輪や10年の上海万博の開催をにらんだ措置だという。
 同局は「トイレは市民生活にとって必要不可欠だ。国際都市として誇れる街づくりを目指したい」と話している。

◎幻滅!?「夢の国」、香港ディズニーランド(2005年10月2日、産経新聞)
 ≪立ち小便、座席争い殴り合い、マナー悪く≫
 【北京=福島香織】9月12日にオープンしたばかりの香港ディズニーランドが早くも悪評にさらされている。中国人客のマナーの悪さに加え、大気汚染や高い料金とで、夢の国はすっかり色あせた格好。上海にディズニーランドを誘致する計画も取りざたされており、香港政府が投じた224億5000万香港ドル(1香港ドル=約15円)あまりの回収を危ぶむ声は少なくない。
 「これがディズニーランドとは思えない」
 香港現地記者はそう指摘した。所かまわず子供に立ち小便をさせる母親、禁煙区でたばこをふかし、たんを吐き散らす男たち。9月18日には、演劇の座席をめぐり男性2人が殴りあいのケンカをして上演が30分遅れる事態もあった。
 全体の3分の1を占める中国本土からの客にとっては、175-350香港ドルの入場料やミネラルウオーター1本10香港ドルはばか高い。「金額に見合うサービスでなかった」と、入場料と交通費の返還を求める裁判まで起きる始末だ。
 スタートからつまずいていた。12日の開幕式は今年最悪のスモッグに襲われ「呼吸疾患のある人は室内で待機しなければならなかった」(28日付青年参考)。テーマパークのあるランタオ島は自然豊かなリゾート地だったが、大気汚染だけでなく海洋汚染で近海に生息する野生のピンクイルカへの影響などが懸念されている。
 香港政府は、年間入場者を600万から1000万人と見込んで12年以内に投資の回収は可能とそろばんをはじく。しかし、香港科技大学工商管理学院経済発展研究センターの雷鼎鳴主任は中国紙上で「たとえ毎日3万人が入場しても、年間利益はわずか10億香港ドル」と見通しの甘さを指摘する。
 これに追い打ちをかけたのが、香港の4.7倍の規模を持つ上海ディズニーランド構想だ。上海市はすでに土地を用意しているとされる。
 ディズニー側は今後5年以内にアジアで新たなテーマパーク建設はないと言明するが、香港紙・信報(15日付)は「香港だけでも集客が困難なのに、上海ディズニーランドができればその末路は想像に難くない」と、危機感を募らせている。

◎中国:汚職疑惑の村長罷免、当局の圧力で住民撤回(2005年10月2日、毎日新聞)
 【香港・成沢健一】中国広東省の村で、汚職疑惑が浮上した村長を住民運動で罷免することがほぼ確実となったものの、地元当局の圧力によって住民側が罷免要求を撤回させられていたことが分かった。一時は「農村自治のモデル」として注目を集めた村だが、1日付の香港各紙は当局によって民主が砕かれたと報じている。
 この村は工場の建設が相次ぐ広州市番禺区の太石村。今年7月、陳進生村長(村民委員会主任)の土地使用権売却や資金管理をめぐる不正が発覚し、村民が罷免を要求。9月には新村長を決める選挙委員会のメンバー7人が村民の投票で選ばれ、村長の罷免を求める候補者7人が当選した。
 しかし、当選者はその後に相次いで辞任し、7人とも当局が推薦した候補者と交代。さらに村民が提出した罷免要求の名簿584人分のうち、396人が撤回した。罷免要求は有権者(1502人)の5分の1以上の要件を満たさなくなり、7日に予定された選挙委員会による村長選挙が実施されないことになった。
 報道によると、住民運動にかかわった村民の一部を拘束した地元当局が、釈放条件として罷免要求撤回を村民に迫ったという。香港紙「りんご日報」は「罷免が成功すれば各地に飛び火する可能性があり、当局があらゆる手段を講じて運動を封じ込めた」とする人権団体の見方を伝えた。

◎村長リコールあえなく撤回、圧力か、辞退者続出、中国(2005年10月2日、朝日新聞)
 村長解任を求める署名運動が起きていた広州市番禺(パンユイ)区魚窩頭(ユイウオトウ)鎮の太石(タイシー)村で、「(リコールの有効署名者)584人のうち396人が要求を撤回したため法定人数に届かなくなった。法律に基づき罷免要求の撤回を決めた」との公告が村の選挙委員会から出されたことが9月30日明らかになった。解任手続きの開始を認めた鎮政府の決定を覆すもので、このままだと運動は頓挫する公算が大きくなった。
 鎮政府は11日の公告で解任手続きを認めていたが、村の選挙委員会が29日発表した公告は「(リコールに賛成した)村民の一部が撤回を申し出たため調査したら、最終的な罷免要求は188人で、全有権者1502の5分の1に達しない」とした。
 30日付の広州市の共産党機関紙・広州日報は「番禺区政府が調べたところ、村幹部が公共財産を懐に入れるといった問題はなかった。リコールの理由はなくなり、村民が相次いでリコールを撤回した」として、鎮政府より上級の区政府が決定にかかわったことを明らかにした。
 鎮政府の公告で始まった解任手続きは16日、選挙委員会委員を選ぶ選挙で、村民代表の7人が当選したが、その後全員が「健康」や「能力」を理由に辞職、今は当局の意向を受けた人が入っているという。
 香港の星島日報は1日、「当局の圧力の中で解職運動が流産した」と、リコールをめぐる動きを批判的に報道した。

◎中国、炭鉱規制を強化、事故隠蔽・汚職の温床(2005年9月30日、産経新聞)
 【北京=福島香織】中国で炭鉱規制強化の大号令がかかっている。近年の電力不足を背景にした炭鉱景気にあおられ、無理な生産で事故が多発しているためだ。しかし、中央政府の命令に従わず事故を隠蔽(いんぺい)するケースは後を絶たない。背景には根深い汚職構造も指摘されている。
 中国で昨年発生した炭鉱事故による死者数は六千二十七人、今年上半期では二千六百七十二人と発表されている。国家炭鉱安全監察局はこのほど、安全上の問題を理由に全国炭鉱の30-35%にあたる七千六百五十九の炭鉱に生産停止を命じた。しかし、山西省の炭鉱関係者は「死者一、二人の小規模事故は報告されない。実際の死者数はこの数倍にのぼるはず」とみる。
 同関係者によれば、賃金は採掘量に比例して支払われるため、作業員自身がガスが発生しても危険を冒して作業継続を望むケースが多い。炭鉱側もガス発生や出水のたびに作業を中断し生産性を落とすより、報奨金を出して危険な作業を奨励している。
 死亡事故が発生しても「炭鉱で働くのは貧しい農民などが多く、多少の補償金で遺族は沈黙する。また遺族に支払う数十倍の金が地元政府幹部の接待や取材記者の口封じのために使われている」と話す。河南省汝州市で七月に発生した炭鉱事故では、地元当局が記者五百人に合計約二十万元(一元=約十四円)の口封じ料を支払っていたことが地元紙で報じられたが、これは氷山の一角のようだ。
 事故発生時に隠蔽に協力してもらうため、炭鉱株主に地元政府幹部を迎えるやり方も一般的。中国時事週刊誌、生活週刊は、八月に出水事故で百二十三人の死者を出した広東省興寧市の炭鉱は六十五人の株主がいたが、地元政府幹部や安全監察当局幹部が含まれていたようだと報じている。
 中国当局は違法炭鉱の閉鎖を命じるとともに、これまで月給千元前後だった炭鉱作業員の最低賃金を三千元以上、数万元が相場とされていた死亡時の補償金を最低二十万元に引き上げるなど改善を指示。また、国務院は違法操業や事故隠蔽に関する罰則などを盛り込んだ特別規定を発表するとともに、九月二十二日を期限に、公務員に非上場の炭鉱株取得を禁じる通知を出すなど規制強化を打ち出した。
 しかし、「閉鎖を命じられた炭鉱の生産能力は約四千五百万トン。これに規制強化が加わり来年は七千百万トン前後の減産が予想されるが、新設の火力発電所稼働により新たな石炭需要は四千万-六千万トンにのぼる」(証券日報)とされ、違法炭鉱すべてが閉鎖になれば国内は深刻な石炭不足に直面する。
 さらに失業者急増で社会不安も起こりかねず、現に強制閉鎖された広東省興寧市の炭鉱では八月、操業再開を要求するデモを行った作業員千人と警官が衝突する事態が発生している。
 こうしたことから、炭鉱関係者の間では「炭鉱規制強化は一時的なものですぐ緩む。あるいは隠蔽が巧妙になるだけ」との見方も強い。「くびになっても炭鉱投資はやめない」という地方公務員の発言も飛び出している。

◎腐敗幹部3万人を処分、中国(2005年9月29日、産経新聞)
 28日の中国の華僑向け通信社、中国新聞社電によると、中国共産党中央規律検査委員会は、第16回党大会が開催された2002年11月以降、全国で腐敗幹部約3万人を処分したことを明らかにした。
 このうち、局長級以上が約100人、中級幹部が約2000人。
 企業幹部の違法兼任や、違法な金銭授受などを行ったという。(共同)

◎中国、10月に時速300キロ高速鉄道車両入札・日独が応札へ(2005年9月29、日本経済新聞)
 【北京=宮沢徹】中国鉄道省は10月10日、時速300キロメートルで走行する高速鉄道車両の入札を実施する。事業規模は2000億円前後の見通し。昨夏に200キロメートル車両の入札を実施したが300キロメートルは初めて。経済発展のボトルネックとされる鉄道輸送力不足の解消を急ぐ。日独の鉄道関係企業が中国企業と組み応札する予定。巨大市場を巡る外資企業の争いが激しさを増しそうだ。
 入札対象は時速300キロメートル車両だけでなく時速200キロメートル車両も含まれており、合計100編成800車両。対象路線は未定だが、湖北省武漢~広州のほか、北京~上海の一部区間になるとみられる北京~天津、上海~江蘇省南京などが含まれる可能性があるという。

◎人民元、ドル以外との変動幅3%に拡大(2005年9月23日、日本経済新聞)
 【北京=吉田忠則】中国人民銀行(中央銀行)は23日、円やユーロなどドル以外の通貨と人民元の1日の変動幅を現行の上下1.5%から同3%に広げると発表した。7月21日に元を対ドルで2%切り上げたのに続く為替制度の見直し。7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議を控え、改革姿勢を訴える狙いとみられる。
 元相場は現在も通貨当局が市場に介入し、ドルとほぼ連動させている。現行制度の矛盾は、例えばドルが円に対して1日で数%下落した場合、人民元は円との間で1.5%しか変動することができず、市場にゆがみが生じる恐れがあった。
 実際、9月2日には元がユーロに対し1.4%下落するなど1日の変動幅を1.5%に制限するのは難しくなっていた。元の対ドルの変動幅は当面、上下0.3%のままとする方針。7月21日以降の元ドル相場の変動は1日当たり実際は同0.1%以下にとどまっており、人民銀は元をドルに対して急激に変動させる考えはないとみられる。

◎中国漁船に砲撃、1人死亡、インドネシア海軍(2005年9月22日、産経新聞)
 中国外務省の秦剛副報道局長は22日の定例記者会見で、インドネシアの海域で操業していた中国漁船が19日、インドネシア海軍から砲撃を受け、1人が死亡、2人が負傷したと発表した。船員はいずれも中国人で、負傷者を含む約10人が同海軍に拘束されたという。
 副局長は中国外務省などがインドネシア当局に「非人道的行為に対する強烈な不満」を表明し、速やかに真相を解明するよう申し入れたことを明らかにした。その上で「インドネシア政府が武力の乱用防止と類似事件を再発させないよう保証することを希望する」と述べた。
 22日付の中国各紙によると、砲撃を受けた漁船はインドネシア海域で不法操業をしていた。同海軍の停船命令を無視し逃走しようとしたところを砲撃されたという。(共同)

◎中国、独禁法制定へ、民間参入の環境整備(2005年9月22日、産経新聞)
 中国商務省は22日、中国訪問中の日中経済協会代表団(団長・千速晃新日本製鉄会長)との会談で、独占禁止法制定に向け準備を進めていることを明らかにした。早ければ2006年の全国人民代表大会(全人代=国会に相当)で成立する見通し。
 中国はエネルギーや鉄道などを中心に国有企業の独占状態が続いており、価格が高いなどの弊害を指摘する声が強い。インフラ関係にも民間企業が参入しやすい環境を整備する一環として独禁法制定を位置付けている。
 商務省条約法律局の李玲審議官は「独禁法について国務院(政府)で審議しており、その後全人代常務委員会に出すことになっている。日本の専門家からも有益な意見を聞いた」と述べた。
 また会談で商務省の安民次官は、今年1~8月の日中貿易の総額が前年同期比10.2%増の1174億ドルと、中国の貿易全体の伸び(23.5%増)を大きく下回ったことに不満を示した。小泉純一郎首相の靖国神社参拝や、中国での反日デモなど政治関係の悪化が経済にも影響しているとの見方を示唆したとみられる。(共同)

◎不正抗議の村民追い払う、警察、「証拠」持ち去る、中国(2005年9月13日、産経新聞)
 中国広東省広州市番禺区の農村地帯で12日、役場幹部による公金不正処理があったとして抗議行動を続けていた村民らを警官ら約1000人が放水などで追い払い、村民側が保管していた村の会計資料を持ち去った。13日付の香港紙、明報などが伝えた。
 報道によると、村民側の一部は暴行を受け、約50人が拘束されるなどして消息が不明になった。村民側は幹部の不正の「証拠」が改ざんされる可能性があると指摘している。
 村民側は幹部の罷免などを求めて7月末から抗議を開始。地元当局は今月10日、村民らの罷免要求を認めると発表したが、村民側は関係資料改ざんを警戒し、罷免手続きに必要な会計資料の提出を拒んでいたという。(共同)

◎「大成功」のはず中ロ演習、実は死者8人(2005年9月9日、朝日新聞)
 鳴りもの入りで実施され、「大成功」を収めたはずの合同軍事演習で重大事故続発――ロシア紙コメルサントは8日、中国とロシアの初の本格的な合同軍事演習として先月、中国・山東省などで行われた「平和の使命2005」をめぐり、演習中の事故で8人が死亡していた、と報じた。
 同紙によると、死亡事故が起きたのは8月24日の黄海沖での上陸演習の時。中国軍の水陸両用軽戦車2台が沈没、兵士8人が死亡したという。
 戦車は古い50年代のものを改造し、大きな砲を乗せたため車体が重くなったのが原因らしい。悪天候もあり、ロシア軍の戦車も1台沈んだが、乗っていた兵士8人は何とか脱出したという。
 その翌日にあった空挺(くうてい)部隊の落下傘降下演習でも、中国軍の兵士20人以上が負傷。ロシア兵の1人はパラシュートが開かず、同僚につかまって降下し、惨事を免れたという。また、同紙は、演習のため中国へ向かう途中のロシアの駆逐艦から暗号解読兵1人がいなくなったが、軍事機密にかかわることから、軍内では通信兵の事故として処理された、と報じた。

◎中国から北朝鮮に違法資金か、米当局が調査と香港紙(2005年9月8日、産経新聞)
 8日付香港英字紙エイシャン・ウォールストリート・ジャーナル紙は、中国の商業銀行大手、中国銀行とマカオの銀行2行が、北朝鮮側に違法な資金供与をした疑いで米当局の調査を受けていると報じた。米当局は、中国側の資金が北朝鮮の核開発計画に使われた疑いもあるとみているという。
 報道が事実なら、13日前後にも予定される第4回6カ国協議や、中国銀の海外市場への上場計画に影響を与える可能性がある。中国銀は同紙に対し「調査については知らない」と答え、他の2行はコメントを避けた。
 同紙によると銀行に対する調査は、薬物や偽米ドル札などの製造を通じ、本国に違法資金を提供していた北朝鮮系の貿易会社などへの捜査を端緒に始まった。(共同)

◎炭鉱事故で17人死亡、中国・山西省、命令無視し操業か(2005年9月7日、産経新聞)
 中国国家安全生産監督管理総局は7日、中国山西省中陽県の炭鉱で6日に火災が発生し、現場の作業員17人がやけどなどで死亡したと発表した。
 新華社電によると、事故が起きた炭鉱は、安全対策が不十分として8月25日に政府から操業中止を命じられていた。命令を無視した規定違反の操業とみられ、地元警察は炭鉱経営陣6人を拘束した。(共同)

◎月餅:中国政府が「国家基準」策定、過剰包装を是正へ(2005年9月7日、毎日新聞)
 【北京・大谷麻由美】旧暦8月15日の中秋節に贈り物にする習慣のある月餅(焼き菓子)の包装が年々過剰になってきたため、中国政府は「国家基準」を策定し、来年から強制的に順守させることを決めた。中国では、エネルギー不足やゴミ問題などが深刻化。循環型社会の建設に向けて「節約」がキーワードになっており、月餅にも節度を求めた形だ。
 今年の中秋は9月18日。中国のデパートなどでは月餅が大々的に売り出されている。経済発展に伴い、人々のし好の多様性に合わせたさまざまな月餅が登場。伝統的な塩漬け卵黄の入った月餅のほか、朝鮮ニンジン月餅やフルーツ月餅、フカヒレ月餅、アイスクリーム月餅などが話題を呼んでいる。
 一方で、過剰包装も社会問題化してきた。紙でチョウをかたどった小箱に月餅を入れるなど外見の華やかさが追求され、値段も年々高くなってきた。中国では知人や親族のほか、取引先や関係の深い行政機関の幹部らに月餅を贈る例も多く、見栄えがする包装が好まれてきたからだ。
 策定された「国家基準」では、▽包装の原価が月餅の出荷価格の25%を超えてはならない▽月餅1個ずつの包装では、包装の中にできる空き部分は35%を超えてはならない▽包装した月餅と外箱とのすき間が2.5センチを超えてはならない--などが規定されている。

◎中国「成長、年9%以上」・新5カ年計画(2005年9月7日、日本経済新聞)
 【北京=桃井裕理】中国が10月の共産党中央委員会第五回全体会議(五中全会)で決める2006年からの第11次5カ年計画草案で、経済成長率を年平均9%以上とする方向で検討していることが明らかになった。雇用確保などを重視して高めの経済成長を維持する。エネルギー浪費体質を抱えたまま高成長を続ければ、世界経済の波乱要因となるだけに、今後は効率や質を重視した発展モデルへの転換を図る考えだ。
 現行の第10次5カ年計画(2001~2005年)で想定した経済成長率は年平均7%前後だった。実際には03年10~12月期以降、9%を大きく上回る成長が続き、5年間の平均成長率は9%前後となる見通しだ。

◎中国が戦勝60周年式典、元兵士ら6千人参加(2005年9月3日、朝日新聞)
 中国の戦勝60周年を祝う「抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利60周年」記念式典が3日、北京の人民大会堂で開かれた。胡錦涛(フー・チンタオ)国家主席、温家宝(ウェン・チアパオ)首相ら国家指導者のほか、抗日戦争を戦った元兵士らを含む約6000人が参加した。江沢民(チアン・ツォーミン)前国家主席のほか李鵬(リー・ポン)前全国人民代表大会常務委員長、朱鎔基(チュー・ロンチー)前首相ら前指導部も久しぶりに公式の場に姿を見せた。
 式典には、外国首脳は招かれていないが、日本の阿南惟茂大使ら各国の駐中国大使らが出席した。

◎セクハラ禁止法:女性の権利保護・強化を目指し採択、中国(2005年8月28日、毎日新聞)
 【北京・飯田和郎】中国全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員会は28日、女性へのセクハラ禁止などを盛り込んだ「女性権利保障法」の改正案を採択した。女性の権利保護・強化を目指すもので、セクハラの禁止が法律に明記されたのは、中国では初めて。12月1日から施行される。
 新華社通信によると、改正法は(1)セクハラを受けた女性に職場や関係機関に被害を訴える権利を認める(2)女性に対する家庭内暴力を禁止し、警察などに家庭内暴力の予防や制止努力を負わせる(3)学校に学生の選抜時の性差別をさせない--ことなどを規定。同法による「男女平等を基本的な国策とする」(新華社)としている。
 中国では、最近の世論調査で女性の84%が「セクハラ被害を受けた」と答えるなど、性的嫌がらせが問題化している。また、女性に課せられた産児制限などに対し、米国の人権団体などは「女性への人権侵害」と抗議しており、改正法は9月5日からの胡錦涛国家主席の訪米を前に、女性重視の姿勢を示し、米国の批判をかわす狙いもありそうだ。
 温家宝首相は今月開かれた会合で「女性と子供の合法的権利を適切に保障し、中国の女性・児童事業の健全な発展を推進する必要がある」と強調していた。

◎工作機械各社、中国生産を拡大・現地の需要に対応(2005年8月24日、日本経済新聞)
 工作機械大手が中国工場で増産に乗り出す。現地で引き合いの強いNC(数値制御)旋盤やマシニングセンター(MC)など、汎用機の生産台数を従来の1.3~2倍に増やす。日本国内の受注が好調で、世界最大の工作機械市場である中国への輸出を増やす余力も乏しい。各社は現地の生産能力を増やし顧客開拓に力を入れる。
 最大手のヤマザキマザックは今年末以降、全額出資する「小巨人机床」(寧夏回族自治区銀川市)の生産台数を従来の約1.5倍の月70台とする。15億円を投じ、機械24台の工場設備を35台に増強中。260人の人員も360人に増やす。月産百台体制を見据え、既に用地を確保した。

◎中国、国連人権調査官の訪問受け入れ、11月下旬に(2005年8月24日、産経新聞)
 AP通信によると、ジュネーブの国連人権委員会当局者は23日、中国が、国連人権委の特別調査官が人権弾圧や拷問疑惑の調査のために同国を訪問することを初めて承認したことを明らかにした。
 マンフレッド・ノワク人権委特別調査官が11月21日から12月2日まで訪中し、中国政府当局者と会談、収容所を視察する。ノワク調査官は調査結果をまとめ、来年の国連人権委会議に報告書を提出する。
 中国は1996年に拷問を法律で禁止したが、その後も拷問が広く行われているとの疑惑が持たれている。(共同)

◎ウラン鉱山の核汚染を直訴、公安に拘束、中国(2005年8月19日、産経新聞)
 ニューヨークに本部を置く人権団体「中国人権」は19日までに、中国甘粛省のウラン鉱山をめぐる不正と環境への核汚染の実情を中央政府に直訴するため北京に滞在していた男性が、公安当局に拘束されたまま行方不明になっていると発表した。
 男性は、甘粛省甘南チベット族自治州にある「792ウラン鉱山」の従業員で、4月28日に北京市の北京南駅近くで拘束された。
 男性は、経営者と省の官僚が結託して「資源が枯渇した」として2002年に閉山手続きを取りながら、実際は採掘を続けて巨額の不正利益を上げていることや、廃棄物を河川に流すなどして深刻な核汚染を引き起こしていると訴えていたという。
 中国人権は中国政府に対し「著しい人権侵害」として男性の釈放を求めるとともに、核汚染に対する対策を講じるよう要求した。(共同)

◎中国・蘇州で豚連鎖球菌感染例か、四川省以外では初(2005年8月17日、産経新聞)
 中国江蘇省蘇州市の衛生当局者は17日、同市内で最近、豚連鎖球菌に感染の疑いがある男性2人の死亡例が見つかったことを明らかにした。豚連鎖球菌の感染はこれまで四川省で広がっていたが、蘇州での感染が確認されれば、四川省以外で初めてとなる。
 衛生当局者によると、感染したのはいずれも蘇州市に住む男性で、今月初めに発症、敗血症などで死亡した。当局者は「江蘇省の衛生当局に報告した。感染経路は分からない」と話している。
 蘇州には日本人約5000人が在住。管轄する上海の日本総領事館は「聞いていない。これから確認する」と話している。豚連鎖球菌の感染は6月から四川省で拡大。これまでに200人以上が感染し約40人が死亡、世界保健機関(WHO)も動向を注視している。(共同)

◎人民元:変動幅上下2%への拡大提言、中国発展改革委(2005年8月16日、毎日新聞)
 中国国家発展改革委員会は15日までに、7月に切り上げられ管理フロート制に移行した人民元の変動幅について、現在の基準値の上下0.3%から上下2%に拡大することも検討すべきだとの研究報告をまとめた。
 報告は中国の経済運営の中で、財政規模が大き過ぎて通貨政策との整合性が取れていなかったなどの問題点を分析、政策面での改善を提言した。経済発展の不確実性を取り除く上で、通貨政策主導の調整に移行すべきだとし、元の変動幅拡大や金利引き上げなどを提案した。(北京・共同)

◎中国人民銀行:都市の不動産バブルを警告、初の報告で(2005年8月16日、毎日新聞)
 中国人民銀行は16日までにまとめた初の中国の不動産金融報告で、上海など一部大都市の不動産バブル傾向を指摘、リスクを軽視すべきではないと強く警告した。
 報告によると、04年末の不動産関連の貸出残高は2兆6300億元(約35兆6100億円)と前年比22.8%も増加、長期融資の34%に達した。
 04年に上海中心部の新築住宅の価格が前年比27.5%上昇したほか、高額物件の伸びが全国的に高いことなどを挙げ、バブルが崩壊した場合、銀行経営にも大きな影響が出ると警告した。
 自己資金の少ない不動産会社は、資産全体の7割を銀行融資に依存しているため、大きな潜在的リスクを抱えていると分析。国有商業銀行の不動産関連融資の内容をみても、個人向け住宅ローンの不良債権比率が1.5%と低いのに、不動産会社向けは10%を超えていた。
 人民銀は、不動産会社が引き締めを逃れるため、社員に個人ローンを組ませるなどの「偽住宅ローン」の横行といった問題も指摘。融資の厳格化や税制などの手段で投機を抑制するとともに、低価格住宅の提供を増やすことを提言した。(北京・共同)

◎猛暑続く上海、缶酎ハイが人気(2005年8月16日、朝日新聞)
 猛暑が続く上海で、缶酎ハイが人気だ。キリンビバレッジが6月中旬に発売した「氷結」が7月末までに100万缶以上売れて、同社の予想を上回る勢いという。
 業界初の現地生産。日本よりアルコール度数を抑え、甘みを強調した。ただ、表面に凹凸のある独特の缶は日本からの輸入で、小売価格1缶5.5元(約75円)のうち2元を占めるという。テレビや地下鉄の広告のほか、繁華街で20万缶余りを無料配布。20代後半から30代を中心に、新しいモノ好きの上海人に支持されたようだ。

◎香港、奇病の不安広がる、四川省産豚の販売自粛(2005年7月28日、産経新聞)
 中国四川省で豚の連鎖球菌に人が感染して死亡するケースが6月以降相次ぎ、生鮮食料品の中国依存が強い香港で不安が広がっている。現在のところ、当局は輸入を禁止してはいないが、大手スーパーは急ぎ、同省産冷凍豚肉の販売を自主的に見合わせた。
 地元紙によれば、香港で売られている冷凍豚肉のうち2割程度が四川省産という。(香港 時事)

◎上海ガニ、料理店から減る?特定外来生物に指定へ(2005年7月28日、朝日新聞)
 中華料理の高級食材として知られる上海ガニ(チュウゴクモクズガニ)が、許可なしに輸入、保管などができない特定外来生物に指定されることになった。国内種保護のためだが、輸入や卸業者だけでなく、生きたまま調理する中華料理店も許可を受けなければならなくなる。手続きを嫌って扱いをやめる店が出る可能性もある。
 環境省が27日、方針を固めた。8月5日の専門家会合で上海ガニを含む42種類の指定候補リストを決定。閣議決定を経て年内にも適用される見通しだ。
 指定されると、輸入、運搬、保管などに、それぞれ国の許可が必要。無許可だと、個人は3年以下の懲役や300万円以下の罰金、法人は1億円以下の罰金が科される。
 同省によると、上海ガニは中国・朝鮮半島原産で、欧米では川岸や土手に巣穴をあけて堤防を決壊させたり、魚を食べて漁業被害を引き起こしたりする例が報告されている。水質汚濁など環境悪化に強く、中国では1000~1500キロの川を遡上(そじょう)するなど移動能力も高い。国内に定着した例はないが、福島、山形、千葉の各県では養殖もしている。
 今年1月に第1次指定候補を決めたときは「食料として輸入されている」として見送られたが、その後の専門家らの意見で、在来のモクズガニへの影響を心配する声が強まった。
 同省によると、国内で消費される上海ガニの大半が中国からの空輸。例年10月から2月にかけて輸入され、取扱量の多い業者で年間20~40トン程度。輸入業者から卸業者、中華料理店と売り渡されるケースがほとんどで、一般消費者への小売りは極めて少ない。酒に漬ける「酔っぱらいガニ」や姿蒸しなど生きたまま調理されることが多い。
 同省はシーズンごとの輸入、販売量をあらかじめ申告させて一括で許可する考え。シーズン終了後に「精算」する形など「できるだけ簡素化する」としている。
 毎年「上海ガニフェア」を開催している横浜中華街にある料理店主は「手続きも分からないので、影響はその時にならないと何とも言えない」と話している。

・特定外来生物2次指定候補の42種類
 【哺乳(ほにゅう)類】アメリカミンク、ハリネズミ属、シカ亜科、キタリス、タイリクモモンガ、マスクラット
 【両生類】シロアゴガエル、コキーコヤスガエル、ウシガエル、キューバアマガエル
 【魚類】カダヤシ、ケツギョ、コウライケツギョ、ストライプトバス、ホワイトバス、ヨーロピアンパーチ、パイクパーチ、ノーザンパイク、マスキーパイク
 【昆虫類】コカミアリ、アシナガキアリ、ツヤオオズアリ、テナガコガネ属
 【無脊椎(せきつい)動物】カワヒバリガイ属、カワホトトギスガイ、クワッガガイ、ヤマヒタチオビ、ニューギニアヤリガタリクウズムシ、ザリガニ2属2種、チュウゴクモクズガニ
 【植物】アゾラ・クリスタータ、オオフサモ、ボタンウキクサ、オオカワヂシャ、スパルティナ・アングリカ、オオキンケイギク、オオハンゴンソウ、アレチウリ、ナルトサワギク

◎中国の流動人口1億4000万、10年間で2倍に(2005年7月27日、産経新聞)
 27日付の中国共産党機関紙、人民日報は、中国の出稼ぎ労働者ら流動人口が2003年時点で1億4000万人に達したと伝えた。1993年の7000万人から倍増しており、総人口の約1割に当たるとしている。
 流動人口は、中西部の農村地域から経済の発達した沿海部に移動しているのが主な流れ。15歳から35歳までの若年層が8割以上を占めている。賃金未払いなど出稼ぎ労働者の権利侵害も過去1年半の間に約15万件と多発しており、同紙は行政、立法による保護が必要と訴えている。(共同)

◎上海人民元市場、ごく狭い範囲の動き(2005年7月25日、朝日新聞)
 人民元の切り上げから2営業日目にあたる25日午前の中国外国為替市場は、前週末の22日終値1ドル=8.1111と切り上げ直後の1ドル=8.1100の狭い幅の中で売買されている。市場参加者は通貨当局の市場管理の姿勢を見極めようと、慎重な取引が続いている。
 一方、香港の先物市場(NDF)の人民元相場は同日午前、半年後に3%、1年後には5%程度の切り上げを見込んだ水準で取引されているが、売買そのものは活発ではない。投機筋の動きもまだ鈍い。
 市場では「切り上げ幅があまりに小さかったので、米国議会が納得せず、いずれ為替水準の再調整があるとの認識が市場に広がり始めた」(日系証券会社)との見方が出ており、中国人民銀行の次の一手に市場の関心が集まっている。

◎人民元切り上げ初日、中国が介入、変動幅抑え込む(2005年7月22日、読売新聞)
 【北京=東一真】通貨・人民元の切り上げ発表後、初の取引となった22日の上海外国為替市場の人民元相場は、新制度初日から通貨当局の介入とみられる元売り・ドル買い注文が入ったことなどから、ほぼ中国政府が前日に発表した基準レート(1ドル=8.11元)通りの取引となった。
 午後3時30分(日本時間午後4時30分)の終値は1ドル=8.1111元と、基準レートからわずかに元安・ドル高となった。
 中国当局が21日発表した新為替制度では、元の対ドルレートは前日の終値より上下0.3%幅で変動することを認めている。
 しかし、中国当局は午後になって断続的に元売り・ドル買い介入を行った模様で、終値では基準レートからの変動幅をわずか約0.01%に抑え込んだ

◎人民元の切り上げ初日、動きは微妙、関心は高く(2005年7月22日、朝日新聞)
 中国が人民元の切り上げを発表して一夜明けた22日。新制度のもとで初めての取引があった中国外国為替市場では、人民元相場が少しだけ動いた。小数点以下のごくわずかだが、旧制度で動いていた幅に比べると大きい。切り上げ後も元相場をさらに動かす用意があるという中国通貨当局のメッセージなのか。世界の市場関係者がかたずをのんで見守る。中国が通貨制度改革に向けて一歩を踏み出したことは確かだ。
 1ドル=8.1111元。22日、上海の中国外貨取引センターでの終値だ。前日に発表した切り上げ後レート8.11元で午前9時半に取引を開始。朝方に8.1105元に動いたあと、取引は模様眺めが続いたが、午後3時半の取引終了直前に売り買いが交錯。結局、1日で0.0011元だけ元安ドル高に動いた。通貨当局の介入とみられる元売りドル買いがあったという。
 ここ数年、1日の変動幅が0.0001~0.0002元程度に収まっていたのに比べると、変動幅は小数点以下とはいえ、1けた大きい。「元高は防ぎたいが、変動の実績は示したい当局の意図を感じた」と邦銀上海支店の担当者は言う。
 こんなわずかな変動が関係者の関心を呼んだのは、中国が人民元相場の変動を実際に許すのかどうか分からないためだ。
 旧制度でも、米ドルに対する1日の変動幅は上下0.3%以内とされていたが、実際はほとんど固定されていた。新制度でも変動幅の上限に変わりはないが、実際に毎日0.3%ずつ動き続ければ、変動は2%どころではすまない。
 新制度初日は通貨当局と市場関係者が互いの動向を見極めようとする雰囲気が強かったようだ。
 一方、22日の香港の人民元先物市場では、1年後の指標は5%近い元の値上がりを見込んだ。市場関係者の間では「当局が本当に変動させるつもりなら、上海市場でもっと大きく動かしたはず。今後も微調整にとどまるのではないか」との見方も出た。

◎中国が人民元切り上げ、2%幅、米に配慮(2005年7月21日、朝日新聞)
 中国の中央銀行にあたる中国人民銀行は21日夕、人民元の為替レートを1ドル=8.28元から1ドル=8.11元に切り上げる、と発表した。切り上げ幅は2%。あわせて、米ドルのみに連動させてきた現行制度を見直し、ユーロや円も含めた複数通貨の動きを参考に調整する制度に切り替える。21日から実施した。中国の為替制度の大幅な見直しは94年以来、約11年半ぶり。
 人民元の切り上げで、中国のドル建ての経済規模は拡大し、消費力も高まることから、世界経済へ及ぼす影響力は一段と高まるのは必至だ。中国経済の成長とともに、3年にわたって切り上げ観測が続くなか、この時期に踏み切ったのは、胡錦涛(フー・チンタオ)国家主席の9月訪米、ブッシュ大統領との会談を控え、対中貿易赤字の増大から人民元の切り上げを強く要請していた米国への外交的配慮もある、とみられる。
 人民元相場はアジア金融危機を機に97年ごろから事実上、1ドル=8.277元に固定。制度上は対ドルで前日比上下0.3%の変動幅を設けているが、経済の安定を優先し、実際には人民銀行の介入によって動かないように運用してきた。今回の見直しでも、ドルに対する変動幅は上下0.3%で同じ。ドル以外の通貨に対しては一切明らかにされていない。このため実際にどの程度動くかが今後、注目される。
 今回の見直しでは、人民元を連動させる対象を米ドルだけでなく、「通貨バスケット制」と呼ばれる複数通貨を加重平均した指標を参考に為替水準を調整する方式に切り替えた。人民銀行は、対象を複数通貨に広げることで、より柔軟な運用方法に改善したい考え。ただ、実際には対外決済通貨の大半を占めるドルの動きに大きく影響を受ける、とみられる。
 外国為替市場では、中国の輸出拡大につれて、人民元の切り上げ観測が流れ、人民元の上昇圧力が強まっていた。中国人民銀行が対ドル相場固定のため「ドル買い人民元売り」の介入を続け、05年6月までの3年間で外貨準備高は約3倍にあたる7110億ドルまで膨らんだ。景気が過熱するなかで、人民元の流通量が増えてインフレ圧力を抱えていた。今回の措置は、中国国内のインフレ圧力を和らげるとともに、米国を筆頭に海外から「人民元が低いために、中国製品の外貨建て価格が不当に安く据え置かれて貿易不均衡を招いている」との批判が強まっているのをかわす意図がある。
 中国は94年に通貨制度を改革。外国人向けの外貨、兌換券(だかんけん)を廃止するとともに、当時の市場レートを統合する形で1ドル=5.8元から8.7元に切り下げ、緩やかな変動を認める「管理された変動相場制」(人民銀行)を採用した。今回の見直しでも通貨バスケット制度に基づく「管理された変動相場制度」を参考にするとしており、毎日の変動がどの程度になるかは不明だ。
 温家宝(ウェン・チアパオ)首相は6月、アジア欧州会議(ASEM)財務相会合で「拙速に動かない。依然として大量の準備が必要だ」として、「自主性」「漸進性」「安定性」の3原則を示した。一方で、3月の人民代表大会後の会見では「いつどんな方法を採用するかは意表をつくことになるだろう」とも述べていた。

◎炭鉱事故死の17遺体隠す、中国、経営者を拘束(2005年7月15日、産経新聞)
 中国山西省寧武県の炭鉱で作業員19人が死亡したとされた爆発事故で、実際は36人が死亡していたことを同省炭鉱安全監察局が14日、明らかにした。
 新華社電によると、炭鉱経営者が死者数を少なく報告するため、17人の遺体を内モンゴル自治区に運び隠していた。警察当局は経営者ら3人を拘束した。
 爆発事故は2日に発生し、経営者は死者数を19人と報告。その後、同省当局者が負傷した作業員らから聞き取り調査を実施。報告に疑わしい点があったため、警察当局が捜査に乗りだし、11日に内モンゴル自治区内の病院など3カ所で17人の遺体を発見した。
 この炭鉱は不法採掘を行っていた。
 中国では昨年、炭鉱事故で6027人が死亡している。(共同)

◎中国貿易:上期の黒字396億ドル、昨年の年間額上回る(2005年7月12日、毎日新聞)
 中国税関総署が11日発表した今年上半期の貿易収支によると、貿易黒字額は396億5000万ドル(約4兆4300億円)で、昨年1年間の黒字額の319億8000万ドルを上回った。引き締め政策の効果で原油輸入の伸びが鈍化する一方、電機などの輸出が大幅に増加しており、米国などからの市場開放圧力が高まるのは必至。国際経済の焦点となっている中国の通貨、人民元の改革問題にも影響を与えそうだ。
 上半期の輸出入を合計した貿易総額は6450億3000万ドルで、前年同期に比べ23.2%増加。うち輸出は32.7%増の3423億4000万ドル、輸入は14%増の3026億9000万ドルだった。
 電機・機械製品の輸出は33%増の約1870億ドルに達し、上半期の輸出全体の55%を占めた。衣料品も19.8%増。欧州連合(EU)との間で貿易摩擦に発展している靴類の輸出も23.5%増加した。鋼材輸出も急増した。
 輸入面では、原油輸入が6342万トンと3.9%増にとどまり、鋼材輸入は1322万トンと26.5%減少。
 6月単月の輸出は前年同月比30.6%増の659億6000万ドルで、6カ月連続で30%以上の伸びだった。輸入は15.1%増の562億8000万ドルだった。(北京・共同)

◎中国の若者、日本人好き、国嫌い鮮明、対日意識調査(2005年7月7日、産経新聞)
 【北京=福島香織】中国の英字紙チャイナ・デーリー(6日付)によると、同紙発行の若者向け週刊誌が実施したアンケート調査で、中国人若年層の51%が「日本人と友達になりたい」と答え、「友達になりたくない」(21%)を大きく上回った。
 今年4月から全国の大学生ら1657人を対象に行われた対日感情に関する調査だ。「日本をどう思うか」という質問に対しては、「好き」はわずか2.8%にとどまり、「好き」と「やや好き」をあわせても10%だった。逆に「嫌い」(28%)、「やや嫌い」(24%)と、“嫌日派”が過半数となり、「日本は嫌いだけど日本人とは友達になりたい」という屈折した感情が浮き彫りになった。また、73%が「ビジネスとテクノロジーの領域では日中は十分協力すべきだ」と答えた。
 よく知っている日本人は小泉純一郎首相、東条英機元首相、山本五十六旧連合艦隊司令長官が上位3人にあがった。
 こうしたねじれた日本像が浮き彫りとなった理由だが、同紙は「歴史を反省しない日本の右翼勢力に対しては強く反対せねばならないが、日本人個人は非難されるべきではない」という中国の公式見解にたった専門家のコメント掲載にとどめている。
 しかし、調査は80%が日本人と会ったことがなく、60%が新聞、テレビ、インターネットを通じ対日観が形成されたとしている。個人の経験ではなく、中国共産党の宣伝機関であるメディアが世論にインパクトを与えていることが裏づけられた。

◎農地強制収用に抗議、農民が派出所包囲、中国・広東省(2005年7月4日、毎日新聞)
 【香港=関泰晴】4日付の香港各紙によると、中国広東省仏山市で7月2日、農地の強制収用に抗議する農民2000人以上が、警察当局の派出所を取り囲み、拘束中の仲間の農民を釈放するように要求した。
 農民側の一部が警官隊と衝突したといい、負傷者も出た模様だ。
 農地の強制収用は今年5月末に始まり、地元政府は4000人の警察官を動員したうえ、抗議する農民を殴るなどして排除した。その後、7月1日も別の区画の農地で強制収用が行われ、阻止しようとした農民4人が拘束された。また、大学の研究者を名乗る米国人が抗議行動の模様を撮影して一時拘束されたものの、すでに釈放されているという。
 農民側は「白紙の契約書にサインをさせられ、農地収用の補償金を受けていない」などと主張して、上級機関の広東省政府などに直訴したが、受け付けられなかったとしている。公安当局は現場周辺の取材を禁止しており、拘束されている記者もいる模様だ。

◎北京-天津の高速鉄道着工、08年の五輪前に運転開始(2005年7月5日、産経新聞)
 新華社電によると、北京-天津間を約30分で結ぶ高速鉄道の着工式が4日、天津で開かれた。2007年末に完工、運転開始は08年6月の予定で、北京五輪の開幕に間に合わせる。
 北京-天津間の高速鉄道は、中国が計画している高速鉄道計画3000キロの一部。両都市間約115キロを時速200キロで結び、所要時間は現在の在来線の半分以下。総投資額は約123億4000万元(約1600億円)。
 中国紙は2月、この高速鉄道計画についてコンサルタント契約の国際入札が実施されると伝えていたが、関係筋によると欧州企業が落札したもようだ。(共同)

◎炭鉱でガス爆発、19人死亡、中国・山西省(2005年7月3日、産経新聞)
 新華社電によると、中国山西省寧武県の炭鉱で2日、ガス爆発が起き、作業員19人が死亡した。
 同省の炭鉱安全監察局幹部によると、爆発が起きた際、炭鉱では34人が作業中だったが、15人は自力で脱出するなどして無事だった。この炭鉱は不法採掘を行っていた。
 中国では昨年、炭鉱事故で6027人が死亡。今年1-3月期の死者数は前年同期比20.8%増の1113人に上っている。(共同)

◎中国の米企業買収攻勢、まるで国策、豊富な“軍資金”(2005年6月29日、産経新聞)
 【北京=野口東秀】中国企業による米企業の買収提案が相次いで浮上している。中国海洋石油(CNOOC)が米石油大手ユノカルを、中国の家電大手海爾(ハイアール)が米家電メイタグの買収に向け動き出すなど、豊富な“軍資金”を背景に、「中国株式会社」による買収攻勢が本格化しそうだ。
 CNOOCのユノカル買収提案は総額約百八十五億ドル(約二兆円)。実現すればパソコン大手の聯想(レノボ)による米IBMのパソコン事業の買収(約十七億五千万ドル)を大きく上回り、中国企業による過去最大の外国企業買収となる。
 中国紙「南方日報」などによると、ユノカルの石油・天然ガス埋蔵量の70%はアジア地域。CNOOCの狙いは、ユノカルがインドネシアなどで展開するアジア事業にある。買収でCNOOCの石油・天然ガスの埋蔵量は原油換算で四十億バレル、約80%増加する。同社はそれにより、「アジア市場でのリーダーとなる」と強調している。買収の背景にはエネルギー確保のために海外油田の開発・獲得を強化するという国家戦略がある。中国の石油需要はマイカーの増加などで「世界の石油をがぶ飲みする」といわれており、急増する内需をまかなうことが急務となっているからだ。
 一方、中国家電最大手、ハイアールは米家電大手メイタグに買収提案している。買収総額は十二億八千万ドル。ユノカル同様、メイタグも身売り先が決まっていたところに中国企業が攻勢を仕掛けている。
 ハイアールによる買収の背景には、米国の家電市場のシェア拡大に加え、製品のブランド向上が見込める点にある。しかも人民元が切り上げられた場合のダメージにも歯止めをかけることができるわけだ。
 経営破綻(はたん)した英国の自動車大手MGローバー社の買収に、上海汽車集団に続いて吉利汽車が名乗りを上げているのも同様の位置づけだ。上海汽車はさらに、イタリアなどで車設計会社の買収を計画しているとされる。そのほか、通信機器企業が英アルコーニ(電機)の買収案も伝えられている。「中国株式会社」の買収攻勢は“序曲”にすぎないという見方が強い。
 相次ぐ企業買収の裏付けとなっているのが資金調達の問題。CNOOCの買収資金のうち大部分は自己資金でなく借り入れとされる。その「軍資金」は、国内銀行が拠出するとみられている。邦銀関係者は「国家開発銀行など国有金融機関は、自行の影響力を高めるためにも巨額の融資をする傾向にある」と解説する。
 ただ、相次ぐ米企業買収で米国では「国家安全保障上の脅威はすべて調査する」(スノー財務長官)として、対中警戒感も急浮上している。
 経済的摩擦は、米企業を相次いで日本企業が買収していた一九八〇年代をほうふつさせるが、同盟関係にある日本と異なり、中国とは戦略的な競争関係が増している。そこで「中国企業の米企業買収が政治問題化するのは必至だ」(経済紙記者)との見方は、中国国内でも広がりつつある。
 急速に国内の経済活動を拡大してきている中国にとって、次なる一手は「中国企業の国際化」。相次ぐ海外企業買収には、国際競争力を高めたいという期待の表れでもあるが、それ以前に、コピー問題や相手国市場を無視した輸出攻勢など、「中国国内の“国際化”に目を向けるのが先」という意見も多い。

◎中国・安徽省で1万人暴動、スーパー襲うと香港紙報道(2005年6月28日、朝日新聞)
 28日付の香港各紙によると、中国東部の安徽省池州市の中心部で26日午後、住民と警察が衝突、警察車両や派出所が焼かれ、近くのスーパーマーケットが略奪された。暴動は10時間に及び、約1万人が加わったとみられるという。最近、中国各地で警察と民衆の衝突事件が増加している。
 池州市では高校生が乗った自転車と乗用車が接触、運転手が高校生を殴ったことから、目撃した群衆が運転手を取り囲んで騒ぎになった。群衆は車に爆竹を投げ入れ、警察車両をひっくり返すなど騒ぎ出し、夜になって派出所に放火、近所のスーパーの略奪を始めた。
 地元紙池州日報(電子版)によると、警官700人が夜11時ごろに群衆を解散させたが、投石などで警官6人が軽いけがをした。現場で約10人が拘束され、高校生を殴ったとされる運転手も逮捕されたという。
 市政府と党委員会は27日、緊急会議を開き、「社会矛盾を不法分子に利用されないよう、事件の真相を住民に知らせ、社会の安定をはかるように」と指示したという。

◎中国南部で洪水の被害拡大、1884万人被災(2005年6月26日、朝日新聞)
 中国南部が大雨に見舞われ、洪水被害が広がっている。民政省のまとめでは、浙江、福建、江西、湖南、広東、広西チワン族の6省と自治区で計1884万人が被災。124人が死亡し、69人が行方不明になった。直接的な損害は約133億元(約1700億円)といわれる。
 広東省の一部地域では400年に1度といわれる大雨が降り、川の水かさも「100年に1度の高さ」になった。道路や鉄道にも被害が出た。広州市内の一部でも、珠江の水があふれて浸水した。

◎知財侵害、中国では75%が軽い処分、経産省調査(2005年6月23日、産経新聞)
 日本企業が中国で知的財産権の侵害を訴えても、当局による処分内容の75%が「模倣品の没収・廃棄」などで、軽いものが多いとする調査結果を経済産業省が23日まとめた。
 調査によると、2003~04年の2年間に出た中国の行政当局による知財に絡む処分は4029件で、模倣品の没収などは3043件。「製造設備の廃棄」はわずかに3%で、模倣品の製造を防ぐための厳しい措置はあまりみられなかったという。
 経産省は「中国政府に対して知財保護のための法整備、法の執行や再犯対策の強化を求める必要がある」としている。
 調査によると、日本企業が刑事手続きを利用して告発した139件のうち、刑罰が科されたのは33件で23%にとどまった。企業側からは「相手が有力企業のため摘発を求めても拒否された」「行政処理を要請しても長期間放置された」など、中国当局への不満の声が多く出された。
 調査は今年3~4月の2カ月間に実施、中国向けに事業を展開する日本企業134社から回答を得た。(共同)

◎中国、鳥インフルエンザで人用の薬を鶏に乱用・米紙(2005年6月18日、日本経済新聞)
 【ワシントン18日共同】中国が、鶏に鳥インフルエンザが流行するのを抑えるため、人の治療に使う薬「アマンタジン」を鶏に大量に与えていたことが分かったと、18日付の米紙ワシントン・ポストが伝えた。同紙は専門家の話として、この結果、ウイルスが薬に対する耐性を獲得し、人にはもう効かない恐れが強いとしている。
 薬を製造した中国の製薬企業幹部の証言などに基づく報道。人の抗ウイルス薬を家畜に流用することは、耐性の危険を高める恐れがあり、国際指針でも認められていないが、中国政府は鶏への使用を許可していたといい、倫理的な批判を浴びそうだ。
 アマンタジンは人のインフルエンザ治療に使える数少ない抗ウイルス薬。現在、鳥インフルエンザウイルスが変異して人で大流行する事態が懸念されているが、その際に有効なはずの薬が乱用のため役に立たなくなってしまった可能性がある。

◎鶏に乱用、薬が人に無効、鳥インフルエンザで中国(2005年6月18日、産経新聞)
 中国が、鶏に鳥インフルエンザが流行するのを抑えるため、人の治療に使う薬「アマンタジン」を鶏に大量に与えていたことが分かったと、18日付の米紙ワシントン・ポストが伝えた。同紙は専門家の話として、この結果、ウイルスが薬に対する耐性を獲得し、人にはもう効かない恐れが強いとしている。
 薬を製造した中国の製薬企業幹部の証言などに基づく報道。人の抗ウイルス薬を家畜に流用することは、耐性の危険を高める恐れがあり、国際指針でも認められていないが、中国政府は鶏への使用を許可していたといい、倫理的な批判を浴びそうだ。
 アマンタジンは人のインフルエンザ治療に使える数少ない抗ウイルス薬。現在、鳥インフルエンザウイルスが変異して人で大流行する事態が懸念されているが、その際に有効なはずの薬が乱用のため役に立たなくなってしまった可能性がなる。
 同紙によると、中国は昨年2月に初めて鳥インフルエンザの発生を公表したが、実際は1990年代後半から鶏で流行。発生のたびに農家が地元企業から購入したアマンタジンを飲み水に混ぜるなどして鶏に与えていた。
 現在、アジアで流行中の鳥インフルエンザに感染した人は100人以上に上り、この人たちにアマンタジンが効かないことが分かっていたが、理由は不明だった。アマンタジンが無効なため、高価で製造量にも限りがある別の薬しか使えず、近い時期に人で大流行が起きた場合、治療薬の不足が心配されている。(共同)

◎重慶に初のモノレール開通、市長、円借款には言及せず(2005年6月18日、朝日新聞)
 中国・重慶市で日本の円借款を使った初のモノレールが完成し、18日、現地で開通式が開かれた。在重慶日本総領事館によると、開通式には岩村敬・国土交通次官らも出席。王鴻挙・重慶市長はあいさつで円借款について直接は言及せず、「建設に貢献した国内外の友人に感謝する」と述べるにとどめた。
 今回開通した路線は市中心部から同南西部に延びる全長13.5キロ(計14駅)。総事業費470億円のうち約270億円分に円借款があてられたほか、日立製作所とその技術協力を受けた長春軌道客車が製造した車両が導入された。
 人口約3000万人の重慶市では経済発展に伴って公共交通網の拡充が急務となっている。今回のモノレール建設を巡っては、国際協力機構(JICA)が事業化可能性調査をするなど、基本計画の段階から日本が深くかかわっていた。

◎中国・重慶でモノレール開通式、日本の技術導入、全長13.5キロ(2005年6月18日、産経新聞)
 中国の重慶市に、日本の円借款事業で整備したモノレール路線が完成し、同市は18日午前、開通式を開いた。中国で日本の技術を導入したモノレールは初めて。
 式典には国土交通省の岩村敬(いわむら・さとし)事務次官や次期日中経済協会会長に決まった千速晃(ちはや・あきら)新日本製鉄会長ら、多数の日本関係者が招待された。
 重慶はまた、胡錦濤(こ・きんとう)政権の課題である内陸開発の拠点。日本が対中円借款の終了方針を固めた中で、中国側には日中協力をアピールし、対中投資をつなぎ留めたい思惑もある。
 開通したモノレールは全長13.5キロ。事業費約470億円のうち日本政府は円借款で270億円を供与した。日立製作所が、大阪空港や万博記念公園などを通る大阪モノレールをモデルに、設計技術や運行管理などのノウハウを全面的に供与。車両は日立と同社の技術提供を受けた長春軌道客車(吉林省)が分担して製造した。2000年に着工、昨年から試運転していた。(共同)

・対中円借款
 1979年に日本政府は長期・低利の対中融資を打ち出し、政府開発援助(ODA)の対中円借款が本格化した。融資額の累計は2004年度末で約3兆1330億円(供与限度額ベース)。中国の基盤整備と技術協力に貢献し、日本企業も事業に参画した。中国の経済成長で日本は近年、対象を環境保全や人材育成などに集中。新規の円借款も08年の協議を最後に中止することが固まった。円借款の国別順位で中国向けは1位が続いていたが最近第3位に後退、対中外交戦略として継続すべきだとの意見もある。(共同)

◎洪水被害で責任、異例の「進退伺」、中国・黒竜江省長(2005年6月15日、朝日新聞)
 中国黒竜江省寧安市での洪水被災で、張左己省長は14日までに安全対策での責任を認め、中央政府に対して処分を求める考えを表明した。胡錦涛(フー・チンタオ)政権は大規模災害などで行政責任を厳しく問う姿勢を鮮明にしているが、処分問題が省長級まで取りざたされるのは異例だ。洪水による死者は同日夕までに児童95人を含む計99人、行方不明者は計10人に上っている。
 14日付の英字紙チャイナ・デーリーなどは、張省長が「回避できない責任がある。いかなる処分も受ける」と語ったと伝えた。豪雨による洪水によって小学校の教室は2メートルを超す泥水に沈んだ。
 今年2月には遼寧省の炭鉱で200人以上が死亡したガス爆発事故が起き、同省の副省長が停職処分を受けた。中国の地方指導者にとって安全対策の徹底は自らの進退にかかわる重要課題となってきている。

◎披露宴テーブル数「8卓まで」、中国江蘇省で新規則(2005年05月29日、朝日新聞)
 結婚披露宴のテーブル数は8卓に限ります。中国沿海部の江蘇省宿遷市当局がこのほど、市民による冠婚葬祭の宴会についてテーブル数を限定し、規模を縮小することを求める規則をつくった。経済発展に伴って高まる一方の市民の消費熱を抑えるためだ。地元メディアや専門家からは「政府が個人の金の使い方に介入するのは越権行為」と反発する意見が相次いでおり、議論を呼んでいる。
 中央テレビ(CCTV)などの報道では、宿遷市共産党委員会は5月1日から、冠婚葬祭の宴会についての新しい規則を定めた。共産党員や政府幹部が主催する宴会ではテーブル数は5卓、市民主催の場合は8卓を超えてはならない。違反者は罰金などの処分を受けるとした。宴会を開く前には町内会にあたる居民委員会への申請も必要とされた。
 中国では親類や近隣、職場の付き合いが重視され、結婚披露宴などでは数十卓のテーブルを準備するのが珍しくない。市側は市民に対する消費動向の調査結果から多くが冠婚葬祭の交際に使う多額の費用に悩んでおり、消費を抑えるために実施したという。
 規則の施行以降、市内の宴会場では宴会数が大幅に減り、売り上げも半分になったところもある。付き合いを悪くできないため8卓以下のテーブル数の宴会場を複数借り、新郎新婦が宴会場を車で回る例もある。
 市側は、メディアや専門家の批判が相次いでも規則を撤回しない意向で、「効果をあげるために没頭して励む」としている。

◎中国大陸の化学兵器処理、移動施設の導入検討、政府(2005年05月29日、朝日新聞)
 政府は、第2次世界大戦中に旧日本軍が中国大陸に遺棄した化学兵器の処理を急ぐため、砲弾を解体する移動式処理施設を導入する方向で検討に入った。中国側とも調整を進める。日中両政府が合意した吉林省ハルバ嶺(れい)での大規模処理施設の建設が難航し、化学兵器禁止条約で07年4月までとされる処理期限に間に合わない恐れがあるためだ。また、回収、解体作業が遅れると安全面でも問題があると判断した。
 移動式処理施設は、トレーラーに簡易処理施設を搭載するもの。ハルバ嶺以外の各地で見つかった化学砲弾を解体し、廃棄物はハルバ嶺に運ぶことが検討されている。このほか、砲弾のままハルバ嶺に運ぶ案も検討されている、という。
 移動式処理施設は97年ごろにも導入が検討されたが、当時は解体に適した砲弾が少なかったため見送られた。しかし、大規模処理施設建設の遅れが深刻になってきたことに加え、解体に適した砲弾も多く発見されたことから、改めて導入を検討することになった。
 97年に発効した化学兵器禁止条約は、日本政府に対して遺棄化学兵器の廃棄を07年4月までに終えるよう義務づけている。しかし、04年4月に合意したハルバ嶺の大規模施設建設計画は、日中間で調整が難航。期限内に処理を終えるのは難しいとの見方が出ている。
 これまで日本政府は、黒竜江省北安市や同省チチハル市などで計約3万7000発に上る「びらん剤」などの化学砲弾を回収。南京市やチチハル市など12カ所で一時的に保管している。日本側の推計では中国国内の遺棄化学兵器は数十万発に上り、遺棄されたままの砲弾は変質や腐食が進行。チチハル市では化学物質が漏れ、死傷者が出ている。

◎中国の反日デモ、「警察が了解」と米紙(2005年4月11日、産経新聞)
 10日の米紙ワシントン・ポスト(電子版)は、9日に北京で起きた反日デモについて「中国政府がデモを容認するのはまれだが(今回は)例外だったようだ」と指摘、中国政府がデモを容認していたと報じた。
 同紙によると、デモの主催者だという中国人民大の大学院生は、デモの2日前に警察に許可を求めると、警察側からは「その場で状況を見る」とだけ言われ、暗黙の了解と受け取ったという。
 この大学院生は「政府が協力的でうれしい。警察は交通整理で協力してくれた」と話した。(共同)

◎反日デモ北京でも、ネットで呼びかけ5千人参加(2005年4月9日、読売新聞)
 【北京=佐伯聡士】日本の国連安保理常任理事国入り反対や歴史教科書検定に抗議する集会が、9日午前9時(日本時間同10時)ごろから、「中国のシリコンバレー」と呼ばれるハイテク産業の拠点、北京市海淀区中関村の「海竜ビル」前で行われた。
 今月2日から3日にかけて、四川省成都市や広東省深セン市で日系スーパー襲撃や街頭デモなど「反日活動」が起きているが、当局の監視が厳しい首都・北京でこうした集会が行われるのは異例。
 この日の活動はインターネット上で呼びかけられたもので、やじ馬を含めると約5000人が参加したものと見られる。参加者は「日本製品をボイコットしろ」「日本の安保理常任理事国入りに反対」などの横断幕を掲げ、「小日本(日本の蔑称=べっしょう=)」「釣魚島(尖閣諸島)から出ていけ」などと口々に叫ぶと、集まった群衆から大きな拍手と歓声がわき起こった。子ども連れで参加した30代の男性は「愛国主義教育の生きた教材。子どもの教育のために参加した。一人の中国人として貢献できれば」と話していた。
 警察当局は集会に参加した群衆を「海竜ビル」前の広場から出さないよう規制していたが、午前10時過ぎから群衆の街頭デモが始まった。これに先立ち紙で作った日本国旗を焼くなどの行動に出る者もいた。
 秦剛・外務省副報道局長は5日の定例記者会見で「理性的に自らの意思を示すよう希望する」と述べ、民衆に過激な行動を控えるよう求めていた。
 当局は署名活動を大学内に制限し、街頭デモなどを許可しない方針を決めていたとされる。しかし、政府は「日本が歴史問題で正しくない態度をとっていることが中国民衆の強い不満を引き起こした」(秦副報道局長)として一定の容認姿勢を示しており、こうしたあいまいな態度が反日活動を助長しているとの見方もある。

◎中国:反日デモに若者ら1万人、北京(2005年4月9日、毎日新聞)
 【北京・大谷麻由美】北京市北西部の海淀区で9日午前、日本の国連安保理常任理事国入りや教科書問題に反対して、中国人の若者らが抗議デモを行った。デモ参加者は約1万人に上り、さらに増える可能性もある。中国各地で続く最近の反日活動では最大規模となった。また、北京でこれほどの規模の集会が開かれるのは極めて異例。
 デモはインターネットやメールで呼びかけられ、パソコン製品などを販売する大型テナントビル前の広場で始まった。若者たちは「日本製品は買わない」「釣魚島(日本名、尖閣諸島・魚釣島)から出ていけ」と書かれたプラカードや横断幕などを掲げ、「小泉首相の靖国神社参拝反対」などとシュプレヒコールを上げた。北京市在住の男性会社員(24)は「日本は歴史を改悪している」と訴えた。
 周囲には警官らが配置されているが、当局がデモを規制する気配は見られなかった。
 中国では今月2、3日にも、広東省深センや四川省成都で同様の抗議デモが行われ、日系企業が襲撃される騒ぎに発展した。中国国内では日本製品の「不売」運動も展開されている。

◎北京で反日デモ、参加者数千人規模に(2005年4月9日、日本経済新聞)
 【北京=飯野克彦】日本の国連安全保障理事会常任理事国入り反対や歴史教科書検定への不満を理由に日本製品不買を呼びかけるデモが、9日午前に北京市西部で行われた。参加者はやじ馬的な人々を含め数千人規模に達した。インターネットで参加を呼び掛けた主催者は事前に「1万―2万人が集まる」とみていた。
 デモがあったのは、中国のIT(情報技術)産業の集積地として知られる中関村。パソコンや電子部品の主要な販売拠点で、ソニーやNECなど日本企業のIT製品のショールームも多い。参加者は「日本製品を買うな」「釣魚台(尖閣諸島)を守れ」などのシュプレヒコールを叫んだ。混乱を避けるため、多くの警官隊が配置されている。
 この日の各店頭からは日本メーカーの製品が自主的に撤去され、手持ちぶさたそうに談笑する店員の姿が目立った。
 参加を呼びかける文章は、数日前から「中国民間保釣連合会」など反日運動を展開する団体のサイト内の掲示板などに掲載されていた。

◎中国チェーンストア協会、日本製品撤去呼び掛け(2005年4月5日、日本経済新聞)
 中国の大手小売業団体「中国連鎖経営(チェーンストア)協会」が中国全国の小売り企業に対し、日本製品のボイコットを呼びかけていることが4日、明らかになった。日本が国連安保理常任理事国入りを目指していることや歴史教科書の検定問題に反発したもの。既に一部の大手スーパーでは日本製品の撤去の動きが始まっている。
 同組織は全国に約500社の企業会員と300人の個人会員を持つ流通業界の最有力団体。中国の大手スーパーや主要量販店のほか、米ウォルマート・ストアーズや仏カルフールなど中国に進出した多くの外資企業が加盟している。日系進出企業は加盟していない。

◎麻薬密輸罪で邦人に事実上の死刑求刑、中国の人民法院(2005年3月24日、読売新聞)
 運び屋を利用して中国から日本への覚せい剤密輸を組織したとして、中国司法当局から麻薬密輸罪に問われた武田輝夫被告(62)(名古屋市出身)らに対する論告公判が24日、遼寧省大連市甘井子区の同区人民法院(地裁に相当)で開かれ、検察側は「証拠は十分で、法律に基づく処分を求める」と述べた。事実上の死刑求刑と受け止められている。
 検察側によると、同被告は、2003年夏、中国人男性2人を通して覚せい剤約13キロを購入。知り合いの中国人女性と共謀して、日本への「運び屋」役の体に薬物を巻き付けて出国させようとした。同被告はこの主張を大筋で認めた。
 中国の刑事裁判では、検察側は量刑を示した上での求刑を必ずしも行わないが、大量覚せい剤密輸事件では死刑判決が下されるのが最近の流れ。このため「法律に基づく処分」は死刑を求めたのにほぼ等しい。
 この事件では、「運び屋」役のうち、同省瀋陽で逮捕された日本人男性が昨年2月に死刑判決(控訴中)を受けたほか、日本人男性2人と韓国籍女性1人が逮捕、起訴され、公判が続いている。

◎麻薬密輸:武田被告に論告、中国・大連市中級人民法院で(2005年3月24日、毎日新聞)
 日本への覚せい剤密輸を図ったとして麻薬密輸、販売罪に問われた無職、武田輝夫被告(62)=名古屋市出身=の大連市中級人民法院(裁判所)での論告公判で24日、検察側は「事実は明白で証拠は十分。法に基づく判決を下すべきだ」と述べた。中国で同罪は、犯行が悪質な場合に極めて厳しい判決もあり得る。過去には死刑が言い渡された例もある。
 裁判は同日結審、次回公判で判決が言い渡される。
 公判では起訴事実に基づく証拠調べなどが行われ、武田被告は大筋で事実を認め、「どのような刑も甘んじて受ける」と述べた。
 起訴状によると同被告は03年6月、大連市で中国人から覚せい剤5キロを買って小分けにし、7月に運び屋の日本人ら5人に渡した。公判では起訴事実以外に、同被告が別の中国人から15キロの覚せい剤を買った上、約13キロを運び屋などに売っていたとの捜査結果も明らかになった。
 中国では03年以降、覚せい剤密輸事件で日本人計17人が相次いで逮捕、起訴され、武田被告から覚せい剤を受け取った運び屋の森勝男被告(62)=福島県出身=が昨年2月、死刑判決=控訴中=を受けたほか、2人が執行猶予2年付きの死刑判決=確定=を受けている。

◎中国:若年層の離婚急増(2005年2月27日、毎日新聞)
 中国で若年層を中心に離婚が急増している。経済発展による価値観の多様化と婚姻法改正(01年)で離婚手続きが容易になったことが背景にあるが、一人っ子政策下で育った「思いやりの足りない」(専門家)世代が短期間で離婚するケースが目立っている。
 中国紙などによると、中国の離婚率は80年代の4.75%が近年は約13%に増加。北京市西城区で行った調査では、03年10月からの1年間に同区で離婚手続きを取った夫婦が前年同期の約1.8倍、1783組に上ったという。
 若年層による短期間の離婚は、ここ数年の特徴。北京市のある裁判所が昨年受け付けた離婚のうち、約3分の1が夫婦ともに25歳以下で、結婚から数カ月~1年半の例が多くみられた。中にはわずか15日のケースもあった。
 理由は浮気が70~80%で断然トップ。専門家は個人所得増に伴う価値観の多様化を理由に挙げ、80年代以降に生まれた「一人っ子」については、伝統や親の束縛を嫌がって自分の思い通りに結婚するが、相手を思いやる能力が足りず、容易に離婚する傾向が強いと分析している。(北京・共同)

◎「トイレは流して」五輪控えマナー向上に全力、北京市(2005年2月19日、読売新聞)
 五輪開催を3年後に控える北京市が、「準備活動の中で最大の難問」(王岐山市長)とする市民のマナー向上作戦に乗り出した。メディアなどを動員した大キャンペーンが連日続いている。(北京 竹腰 雅彦)
 春節休み中、露店がびっしり並び、数万人でごった返す同市の地壇公園。特設ステージで、路線バスの様子を再現した寸劇が演じられた。司会の女性が明るく問いかける。「さて、どこがマナー違反でしょう?」
 1000人近い観衆の手が次々に挙がる。「携帯電話で大声を出した」「家族の定期券を使った」「お年寄りに席を譲らなかった」
 「正解!」。答えた人に記念品のアクセサリーが手渡された。
 主催したのは、同市の東城区政府。司会者は「五輪では、世界の人たちに、『北京市民は文明的なマナーを守っている』という、いい印象を与えましょう」と声を張り上げた。
 北京市民のマナー。それはかつて、先進国の客の目には「恐るべきもの」と映った。所構わぬ大声に悩まされ、タンを踏まないように道を歩く。街路樹わきには、子供に排便させる親。入場券の窓口は、弱肉強食の世界だ。買い物をすれば釣り銭を投げ返される。車も歩行者も交通規則など眼中になく、我が道を行く。
 市場経済化が進み、社会が豊かになるにつれ、こうした状況は、部分的にはかなり改善された。「釣り銭投げ」は、今はほとんど見られない。崩れない行列もできるようになった。だが、及第点には遠い。
 「食事マナーは、まず、『小さな声』から!」――市共産党委員会の機関紙・北京日報など各紙には、新年から、マナーに関する大見出しが躍っている。
 公衆トイレの心得で、「水洗でも約3人に1人が水を流さない」としかる。食事では、「ステーキはかぶりつかず、小分けにして食べる」「食べ放題の食堂で料理を持ち帰らない」とたしなめる。身だしなみについては、「不衛生が原因の体臭や口臭を香水でごまかさない」と注意する。
 北京晨報紙は、伝統的美徳の「孝」を強調、家庭でのテレビのリモコン操作は「親が優先権を握る」のが正しいと紹介した。
 中国人はメンツを重んじる。五輪期間中、北京を訪れる外国人は約300万人に上ると見られており、そこで恥をかきたくない。市の最終目標は、「全世界が、市民の立ち居振る舞いに『礼儀の風貌(ふうぼう)』を感じとる」ようにすることだ。
 キャンペーンのテーマは、順次変わる。現在は「生活マナー」が中心で、夏ごろまでに「競技場でのマナー」に重点を移すという。昨年中国で開かれたサッカー・アジアカップで、厳重警戒にもかかわらず反日騒ぎが起きただけに危機感が強い。
 小中学校では、秋の新年度から「文明礼儀科」の授業導入も検討されている。
 1988年のソウル五輪、2002年のサッカー・ワールドカップで、韓国でのマナー向上運動を見てきた北京在住の韓国人会社員は、「日本を引き合いに、国民の自尊心に働きかけてハッパをかけた韓国とはやり方が違う。正しいはしの使い方まで学ばせようとする中国の意気込みには、すごみを感じる」と苦笑した。
 キャンペーンが、マナーに関する知識の普及に一役買うのは間違いない。だが、市民の反応はまだ概して冷たい。「役人は自分たちが腐敗しているくせに、国民に礼儀やマナーを教育しようなんて。笑い話にもならない」(五十代男性)との憤りの声も、結構ある。

◎炭鉱事故:ガス爆発で24人死亡、中国雲南省(2005年2月17日、毎日新聞)
 新華社通信は17日、中国雲南省富源県松林村の炭鉱で15日午後2時半ごろ、ガス爆発が発生し、採掘していた村民ら24人が死亡したと報じた。この炭鉱は採掘が許可されておらず、炭鉱経営者が村民に違法採掘をさせている最中にガス爆発が起きたという。
 富源県当局は今月9日の春節(旧正月)前に、違法な炭鉱の取り締まりを実施。この炭鉱は安全対策が施されていなかったため封鎖した。炭鉱経営者に対しても勝手な採掘を禁止したが、炭鉱経営者は春節休みを利用して村民を集め、作業をさせていたという。
 富源県は炭鉱資源が豊富で、個人による違法採掘が横行しているという。

◎中国、輸入、日本なお最大、貿易赤字208億ドルに拡大(2005年2月16日、産経新聞)
 中国国営新華社通信は十五日、中国税関統計として、二〇〇四年の日本からの輸入額が前年比27.2%増の九百四十三億ドル(約九兆九千億円)に上り、日本が依然として中国にとって最大の輸入相手国となっていると報じた。これに伴い中国側の対日貿易赤字も〇三年の百四十七億ドルから二百八億ドル(約二兆二千億円)に拡大した。
 中国にとって日本は〇三年まで十一年連続で最大の貿易相手国だったが、昨年は欧州連合(EU)、米国に抜かれ第三位になった。しかし部品や素材など日本からの調達の勢いは根強いことがうかがえる。
 中国税関の統計では中国とEUとの貿易総額は昨年、前年比33.6%増の千七百七十二億ドル、米国とは同34.3%増の千六百九十六億ドルだった。いずれも中国側の出超で、黒字額は対EUが三百七十億ドル、対米が八百二億ドルだった。
 日中間の貿易総額は、前年比25.7%増の千六百七十八億ドルと史上最高に達した。中国の対日輸出は同23.7%増の七百三十五億ドルで、中国の対日赤字額は二百八億ドルに上った。中国の貿易相手国・地域の第四位は東南アジア諸国連合(ASEAN)で日本とほぼ同額の二百億ドルの赤字となった。
 中国の貿易総額は昨年、前年比35.7%増の一兆千五百四十七億ドルとなり、日本を抜き米独に次いで世界第三位の貿易大国となることが確実視されている。
 日中関係については「冷たい政治関係が経済関係発展の障害になる」との声も出ているが、中国の対日貿易が増加している状況は、中国が日本との経済関係を引き続き強化していることを裏付けた形だ。

・日米中が牽引、アジア貿易
 中国にとって日本が最大の輸入相手国となっている理由は、中国が「世界の工場」であり続けるために、付加価値の高い素材を日本からの輸入に依存しているからだ。
 中国は、二〇〇一年十二月の世界貿易機関(WTO)加盟を契機に投資環境の整備を進め、安い労働力を武器に世界の一大生産拠点に成長した。
 だが、高度な工作機械部品や半導体などは、日本製品が現在も圧倒的に優位に立つ。中国が主力製品を繊維製品などから付加価値の高いデジタル家電などにシフトしようとするほど、日本製の部品が必要になる構図だ。
 日本と中国が相互依存を深めるのに対し、米国は中国からの輸入を拡大し続けている。米国にとって中国は五年連続で最大の貿易赤字相手国となり、赤字額は昨年、前年比30.6%増の千六百二十億ドルに達した。
 東アジアを舞台にした日米中の貿易トライアングルは近年、均衡発展を続ける日中間の貿易を、世界最大の消費市場を持つ米国が支える構造に変化してきたようだ。
 そのなかで、米国企業は、IBMがパソコン事業部門を中国の聯想(レノボ)へ売却を決定するなど、より付加価値の高い産業への転換を図っている。日本貿易振興機構の渡辺修理事長は「米国企業には、日本を研究開発の拠点にし、成功した技術で中国などアジアへ乗り出す動きが出ている」と指摘している。(吉村英輝)

◎炭鉱爆発で203人死亡、中国遼寧省(2005年2月15日、産経新聞)
 新華社電によると、中国遼寧省阜新市の炭鉱で14日、ガス爆発事故があり、15日までに203人が死亡、13人が行方不明になり、負傷者は22人に上った。
 事故が起きたのは同市の孫家湾炭鉱。14日午後、坑内で突然爆発があり、238人が閉じ込められた。地元当局は事故対策本部を設置、付近の炭鉱から応援要員が駆けつけ、救出作業に当たっていた。
 中国の国家安全生産監督管理局によると、同国では昨年、3639件の炭鉱事故が発生し、627人が犠牲となっている。エネルギー不足を背景に、無理な採掘が爆発事故につながったケースが目立ち、同管理局は「情勢は深刻」と認めていた。(共同)

◎北京などで抗議行動、尖閣の灯台国有化に反発(2005年2月15日、産経新聞)
 中国国内などで反日運動を展開している団体メンバーらは15日、北京の日本大使館前や香港で日本政府による尖閣諸島・魚釣島(中国名・釣魚島)灯台の国有財産化に対する抗議活動を始めた。中国各地の日本総領事館前などでも同日中に抗議活動が行われる予定で、一斉の抗議行動になる。
 国有財産化について、日本政府が「当然の行動」(小泉純一郎首相)と主張しているのに対し、中国政府は「非合法で無効」と強く反発、外交ルートでも抗議の意思を表明している。抗議活動は、こうした中国政府の意向を色濃く反映したものだ。
 日本大使館前で行われた集会では、同島は中国の領土とする立場から「日本は釣魚島から出て行け」などと抗議した。
 抗議は、広州、重慶、香港などの日本総領事館前、台北市内などでも行われる予定。参加者には台湾、香港や米国、カナダの活動家も含まれているとみられる。
 日本政府は9日、魚釣島に日本の政治団体が建設した灯台を国有財産とすると発表した。(共同)

◎中国で炭鉱事故、200人余が死亡、エネルギー不足背景(2005年2月15日、朝日新聞)
 中国東北部の遼寧省阜新市にある孫家湾炭坑で14日午後、ガス爆発事故があり、15日までに203人の死亡が確認された。28人が救出されたが、13人が行方不明となっている。国営新華社通信が伝えた。中国では経済成長に伴うエネルギー不足を背景に無理な炭坑採掘が続き、昨年1年間だけで3600件以上の炭鉱事故が発生、6000人以上が犠牲となった。今回は近年でも最大級の惨事となった。
 新華社電によると、爆発当時、244人が坑内で作業中だった。胡錦涛(フー・チンタオ)国家主席が救出活動に全力を挙げるよう指示を出し、現場に同省幹部らが駆けつけ、190人の救援隊が不明者の捜索を続けている。
 阜新市の炭鉱は1897年に開かれ、02年から阜新鉱業集団が運営していた。孫家湾炭鉱の従業員数は3100人で、設計生産能力は年間150万トンという。
 中国の国家安全生産監督管理局によると、昨年は全国で3639件の炭鉱事故があり、死亡者は6027人。03年よりそれぞれ504件、407人ずつ減った。昨年10月から11月にかけ、河南省や陜西省で犠牲者が百数十人に上る大事故が起きるなど、炭坑事故の多発は社会問題になっている。
 中国は急激な経済成長で、米国に次ぐ世界第2位のエネルギー消費国になった。その6割以上は石炭に依存している。全土に2万6000余の炭坑があるが、半数は小規模で掘削技術や安全確保策が遅れており、昨年中に基準を満たさない500余の炭坑が閉鎖された。

◎中国による知的財産侵害で米企業が対応要請(2005年2月10日、産経新聞)
 米企業が加盟する国際知的財産同盟は9日、海賊版の横行など中国による知的財産の侵害で被害を受けているとして、世界貿易機関(WTO)の場で中国と直ちに協議に入るよう通商代表部に申し入れた。
 同盟は、中国による知的財産侵害で2004年に25億ドルの損害を受けたと主張している。(共同)

◎中国また揺さぶり、「ビザ発給」めぐり反発、政府・与党は法整備粛々と(2005年2月6日、産経新聞)
 三月下旬に始まる愛知万博の期間中、日本政府が台湾人観光客への査証(ビザ)発給を免除する方針を決めたことに中国側が反発している。日本側は万博に間に合わせるため、九日の参院本会議で台湾を対象に査証を免除する特例法を議員立法で成立させる方針。小泉純一郎首相の靖国神社参拝や東シナ海のガス田開発など、中国側の挑発的な言動で日中関係が冷え込む中、新たな横やりが入った形だが、政府・与党は粛々と法整備を進める構えだ。
 愛知万博は三月二十五日から九月二十五日まで開かれる。政府はこれに合わせ、外国人観光客の来日を促すため、万博期間に限定した査証制度の緩和を検討してきた。
 この結果、韓国と台湾の観光客は査証を免除する方針を決定。中国の団体観光客に対しては、北側一雄国土交通相が今年一月に訪中した際、北京市など三市五省に限定している査証発給の対象地域を万博期間中に限り全土に拡大する考えを中国側に正式に伝えた。
 政府が中国人の査証発給地域を限定しているのは、「観光目的で来日したまま不法滞在する中国人が後を絶たない」(法務省関係者)からだ。
 こうした日本政府の方針に、中国側は外交部などは歓迎の意向を示したが、国家観光局が発給対象の拡大が万博期間に限定されていることを理由に「議員立法で査証を免除する台湾と比べ、査証発給の条件が違いすぎる。納得できない」などと強く抗議した。このため、台湾に対する特例法案の与党側の手続きに遅れが出て、万博開会までの査証発給免除を危惧(きぐ)する声も出ている。
 昨年十二月末の李登輝前総統の来日では日本政府を執拗(しつよう)に批判。「観光目的なのに中国も大人げない」(自民党三役の一人)などと日本側に不快感を広げた。
 両国関係は現在、首相の靖国参拝などを理由に中国側が首脳間の相互訪問を拒否。本来は温家宝首相が来日する番だが実現していない。一方で、東シナ海の日中中間線付近で日本の要請を無視してガス田開発を継続する傍ら、原潜が日本領海を侵犯する事件を起こすなど、挑発的ともいえる動きを活発化している。
 それだけに、今回の査証発給をめぐる中国側の反発について、政府・与党内には「中国の日本に対する揺さぶりの一環ではないか」(外務省筋)との観測も出ている。
 ただ、大勢は「台湾人観光客の場合、不法滞在の割合も少なく、中国人観光客と単純比較するわけにはいかない」との見方で、法案化を進める与党内からは、「中国が日本のやることにクレームをつけるのはおかしい」(自民党観光特別委員会メンバー)と中国への反発が強まっている。

◎中国検察控訴せず、王被告の無期懲役確定へ(2005年2月2日、朝日新聞)
 福岡市東区で衣料品販売業、松本真二郎さん(当時41)の一家4人が殺害された事件で、中国の一審で無期懲役の判決を受けた元日本語学校生の王亮被告(22)について、遼寧省の遼陽市人民検察院は2日、「中国の国内法の規定に従って審査した結果、控訴しないと決定した」と、瀋陽の日本総領事館に連絡してきた。
 同総領事館は、元私立大留学生の楊寧被告(24)=一審判決では死刑=についての情報はまだないとしている。
 両被告に対する判決公判は先月24日、遼陽市中級人民法院(地裁に相当)で行われた。楊被告は判決後、控訴する意思を示し、王被告は控訴しないと表明した。
 しかし、松本さんの遺族が王被告についての判決内容を不服として、中国の検察に控訴するよう外務省を通じて求めていた。
 中国では判決に不服の場合は判決の翌日から10日以内に控訴できる。このため、最終期限の3日を過ぎれば、王被告の刑が確定する。

◎中国圧力?ダライ・ラマ亡命政府事務所に閉鎖通告(2005年2月1日、産経新聞)
 【バンコク=岩田智雄】カトマンズからの報道によると、ネパール政府は31日までに、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世の亡命政府(インド北部ダラムサラ)の代表事務所とチベット難民福祉事務所に対し、事務所の閉鎖を求めた。
 両事務所はダライ・ラマが1959年に亡命して以来、チベットからネパールやインドへ亡命する難民を支援してきた。ネパールには2万人以上のチベットからの亡命者が居住しているとされるが、ネパール当局は、両事務所に対し、未登録で活動しているとして閉鎖するよう通告した。
 中国はこれまでネパールに、「反中国活動を許容している」などとして両事務所の閉鎖を要求してきた。このため、カトマンズの亡命政府代表事務所は「閉鎖は中国の圧力によるものだ」と反発している。
 ネパール政府は昨年5月にも、チベットからの亡命者18人を初めて中国当局に引き渡しており、米英や欧州連合(EU)が非難した。
 最貧国の1つであるネパールには最近、国境を接する中国からの影響が強まっている。30日には、中国の支援でカトマンズにテレビ局の新庁舎が完成した。

◎魏被告に死刑求刑、福岡市一家4人殺害事件(2005年2月1日、朝日新聞)
 福岡市東区で03年6月に起きた松本真二郎さん(当時41)一家4人殺害事件で、強盗殺人と死体遺棄などの罪に問われた中国人の元専門学校生魏巍被告(25)の論告求刑公判が1日、福岡地裁(川口宰護裁判長)で開かれた。福岡地検は「犯罪史上まれにみる極悪非道な犯行。冷酷性や非人間性を矯正することは不可能」として死刑を求刑した。論告に先立ち、真二郎さんの妻千加さん(当時40)の父親が、被害者の遺族として初めて意見陳述し、裁判所に極刑を求めた。3月16日の弁護側の最終弁論で結審する予定。
 検察側は論告で「魏被告らは、松本さん一家が外国製高級車に乗っていることで『金持ち』と思い、何の落ち度もない一家を皆殺しにして金品を奪った。家の下見を重ね、犯行後は遺体を海中に遺棄するなど完全犯罪をもくろんだ」と指摘した。
 論告によると、魏被告は犯行前の03年6月16日ごろ、元日本語学校生王亮被告(22)=中国で一審無期懲役=から「日本人の家に侵入して、キャッシュカードの暗証番号を聞き出し、家族全員を殺す。金を引き出してみんなで分ける」と犯行を持ちかけられた。
 魏被告は殺害計画に戸惑いを見せたが、元私立大留学生楊寧被告(24)=同死刑=が「死体を隠せば警察が捜査を始めることすら難しい。絶対にお前が捕まることはない」と説明。魏被告は「いい考えだ」と承諾したという。
 その上で検察側は「幼い子供2人を含む4人の生命が一方的に奪い去られ、結果は悲惨かつ重大。社会を震撼(しんかん)させ、遺族の被害感情も峻烈(しゅんれつ)。魏被告は、わずかな期間に強盗や窃盗などを続けるうち、人間性を次第に見失い、殺戮(さつりく)者と化した」と厳しく非難した。
 論告に先立って意見陳述した千加さんの父、梅津亮七さん(78)は「4人を失った悲しみや怒り、苦しみは増すばかり。なぜ金を奪うために殺す必要があったのか。この手で4人の無念を晴らせるなら、晴らしてやりたい」と述べた。
 この日、検察側から楊、王両被告に対する中国での判決文と一家4人の遺影が証拠提出され、いずれも採用された。

◎福岡一家4人殺害、2被告に死刑と無期懲役、中国で判決(2005年1月24日、朝日新聞)
 福岡市東区で03年6月、衣料品販売業、松本真二郎さん(当時41)の一家4人が殺害された事件で、中国で身柄を拘束され、殺人罪などに問われていた元私立大留学生の楊寧(24)、元日本語学校生の王亮(22)両被告に対し、中国・遼陽市の中級人民法院(日本の地裁に相当)は24日午前9時50分(日本時間同10時50分)、「凶悪で残虐な犯行」とする検察側の主張を認定し、楊被告に死刑、王被告に無期懲役の判決を言い渡した。同法院は、王被告については検察、弁護人双方の主張を認め「自首したことで、事件の解決に協力した」として量刑に差をつけた。
 中国の刑事裁判は二審制で、同法院の判決に不服の場合は、判決の翌日から10日以内に高級人民法院(高裁に相当)に控訴することができる。楊被告は控訴する方針で、王被告は控訴しない。
 事件発生から約1年半。日中両国の捜査協力を経て、この事件の3被告のうち2被告に司法判断が出た。共犯とされる元専門学校生の魏巍被告(25)は福岡地裁で公判中で、2月1日に検察側が求刑する予定。
 この日の判決は楊、王両被告に政治的権利剥奪(はくだつ)と財産没収、罰金各2万8000元(約40万円)も命じた。
 両被告とも昨年10月19日の初公判で、4人の殺害について起訴事実を大筋で認めた。検察側は「残虐な犯行で、日本にいる中国人留学生に悪い影響を与えた。また、中日友好の関係を損ねて遺憾だ」などと指摘したうえで、2人に対して「厳罰」を求めていた。王被告については、検察、弁護人とも「自首」を主張し、刑を軽くすべきだと訴えた。
 初公判で楊被告は「強盗計画を持ちかけたのは自分だ。最初から殺人を考えていた」と述べた。王被告は傍聴席にいた遺族に向かってひざまずき謝罪した。ただ、殺害の状況を巡って、互いに責任を押しつけ合うような場面もあった。
 この日の公判は初公判と同様、公開審理で日本のメディアにも傍聴席が5席割り振られた。遺族は傍聴に訪れなかった。
 両被告は事件直後の03年6月24日、福岡空港から帰国。日中間で犯罪人を互いに引き渡す条約が結ばれていないため、捜査の難航が予想されたが、中国の公安当局は同年8月、両被告を拘束し、国外での殺人などの犯行について処罰できると定めた刑法の国外犯規定に基づいて昨年7月に起訴した。
 魏被告は03年8月、別の傷害容疑で福岡県警に逮捕され、昨年1月、強盗殺人容疑で再逮捕された。一連の捜査では、日本の警察官、検察官が訪中し中国の捜査官による両被告の取り調べに立ち会う一方、中国の捜査員も来日し捜査に協力した。
 福岡地裁は昨年11月の魏被告の公判で、中国の捜査当局が作成した楊、王両被告の調書を、「共犯」の調書としては日本で初めて証拠採用した。

〈福岡市一家4人殺害事件〉
 福岡地検の起訴状などによると、楊寧、王亮、魏巍の3被告は共謀のうえ、03年6月20日午前0時すぎ、福岡市東区の松本真二郎さん(当時41)宅に侵入し、妻千加さん(同40)と長男海君(同11)の首を絞めて殺害。長女ひなさん(同8)を人質に取って帰宅した松本さんの首を絞めて仮死状態にし、ひなさんも殺害した。現金約3万7000円と預金通帳などを奪い、車で4人を博多湾の岸壁に運んで海に沈め、松本さんを水死させたとされる。

〈中国の刑事裁判〉
 二審制。検察が起訴後、各地の中級人民法院(日本の地裁に相当)が審理し、被告は弁護人を付けることができる。判決に不服の場合は、判決の翌日から10日以内に高級人民法院(高裁に相当)に控訴できる。殺人犯の量刑は死刑、無期懲役、10年以上の懲役とされる。

◎重慶市の大気汚染、中国で最悪に(2005年1月30日、日本経済新聞)
 中国・重慶市は2004年の大気汚染が中国主要47都市で最悪だったとの調査結果をまとめた。地元紙が伝えた。重慶市環境保護局によると酸性雨の原因になる二酸化硫黄濃度は他の46都市の平均値の2.4倍、二酸化窒素濃度は同1.72倍、ススなど汚染浮遊物質は同1.43倍に達する。
 市内に立地する化学工場や鉄鋼工場などからの排出ガスに加え、年々増加する自動車の排ガス問題も深刻だ。環境保護局は「重慶市も環境対策に力を入れたが、他の都市の進歩のほうが早かった」と説明している。

◎中国富豪がケチ返上?地震被災に寄付の話も(2005年1月20日、読売新聞)
 スマトラ島沖地震の被災者に対する国を挙げての募金活動が展開されている中国で、「寄付嫌い」とされてきた中国の富豪が重い腰を上げ始めた。
 中国紙「中国青年報」は「慈善事業は国家の文明レベルにかかわり、中国にも富豪の慈善家が必要だ」とする特集記事を掲載した。これを機にこれまでの「吝嗇(りんしょく)富豪イメージ」の根本的な改善につながるかどうかが注目される。
 同紙によると、中国最大の慈善組織「中華慈善総会」が過去に受け付けた寄付金の7割が、海外や香港・台湾地域からで、大陸の富豪が行った寄付は15%に満たず、このうち名の知れた富豪はいないという。2003年に米誌「フォーブス」が発表した中国人富豪番付100人の7割は「2004年中国慈善ランキング」の中に入っていなかった。
 また、中国の企業1000万社以上の99%は寄付したことがないという。ある有名な牛乳メーカーは、寄付に際して国家指導者との面会など様々な条件をつけ、申し出た100万元(約1300万円)のうち、実際には20万元(約260万円)しか寄付しなかった。
 中国の富豪は、計画経済から市場経済へと転換する社会の変化をうまくとらえて個人経営者から急速に台頭した私営企業家が大半だ。それだけに、欧米のように寄付文化が根付いているわけではない。
 確かに、富豪側にも、これまで寄付から縁遠かった理由がある。不動産開発業者、潘石屹氏は「中国の企業家が財を成したのはこの10年で、欧米とは比べものにならない。実際、運用できる資金はそれほど多くない」と反論する。金持ちイメージが広がることで、身の安全にもかかわるなどの懸念もある。さらに、寄付金の使途が不透明など慈善組織の信頼性が低い点も意欲の低下につながったとの見方もある。
 しかし、変化も出てきた。今月10日には、資産額91億元(約1180億円)で富豪番付トップになったこともあるIT(情報技術)界の大物、丁磊氏(33)が1000万元(約1億3000万円)を寄付する意向を表明した。丁氏は中国電子科学技術大学を卒業後、浙江省寧波の電信局職員を経て、1997年にインターネット企業「網易」を創業。
 丁氏とほぼ同時に、潘石屹氏も約300万元(約3900万円)の寄付を決めた。潘氏は政府職員を振り出しに、87年に海南島などで不動産開発会社を設立。それ以来、時代の先端を行く物件を次々に世に送り出し、今では経済フォーラムなどに引っ張りだこの有名人だ。

◎中国と台湾、春節直行便で合意、中国機が初めて台湾へ(2005年1月15日、朝日新聞)
 中国と台湾の航空当局者は15日、マカオで協議し、2月9日の春節(旧正月)に合わせて双方の航空会社がチャーター便を乗り入れることで合意した。台湾海峡の安定をアピールしたい両者の思惑が一致したもので、中国機が台湾に乗り入れるのは、49年の中台分断以来、実質的に初めてとなる。これを機に途絶えていた中台間の対話が復活するかどうかが、注目される。
 今回の協議は、中台双方の交通当局の航空担当幹部が民間団体職員の身分で出席、異例の当局者同士の直接交渉となった。2時間にわたった協議の後に開かれた共同記者会見で、浦照洲・中国民航協会常務理事は「友情のこもった雰囲気のなか、我々は短時間で合意に至った」と述べた。
 中台間を結ぶ航空便は、03年の春節に台湾機がチャーター便として旅客を乗せずに香港、マカオを経由して上海に乗り入れ、帰省客を乗せて戻ったのが、49年の中台分断以来最初となった。04年は中台関係の緊張から見送られた。
 今回合意されたのは、今月29日から2月20日にかけて、中国の中国国際航空や台湾の中華航空など、中台双方のそれぞれ6社が合計48便を運航するという内容。主に大陸で暮らす台湾人ビジネスマンらの里帰りに利用されるとみられる。発着地点は、中国側が北京、上海と広州、台湾側が台北と高雄。上海-台北だけだった前回より拡大した。「軍用機との識別が困難」とする台湾側に配慮し、着陸はしないが香港の空域を経由する。

◎中国が貿易額で日本抜き世界3位、04年1兆ドル超(2005年1月11日、朝日新聞)
 中国商務省が発表した04年の通関統計速報によると、1~12月の貿易総額は前年比35.7%増の1兆1547億ドルで、初めて1兆ドルを超えた。日本を抜いて米、独に次ぐ世界3位の規模となった見通し。内訳は、輸出が同35.4%増の5933億ドル、輸入は同36.0%増の5613億ドル、貿易黒字は同25.6%増の319億ドルだった。




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