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2007年

このページは、私が気になった中国に関するニュースを個人的にまとめたものです。

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◎中国からの穀物輸出ストップ? 緊急「輸出」関税(2007年12月30日、産経新聞)
 中国財政省は30日、2008年1月1日から12月31日までの1年間、小麦、トウモロコシ、コメ、大豆など穀物と穀物製品の8種類57品目に5~25%の輸出関税を課すと発表した。
 中国では食品を中心とした物価上昇傾向に歯止めがかからず、庶民の生活への圧迫が懸念されていた。今回の緊急措置で穀物の輸出を減らし、国内消費に回すことで、食品物価の安定を目指すねらいがある。ただ、この措置が中国の農産品最大輸入国である日本の食品物価や国際市況に少なからぬ影響を及ぼす可能性がありそうだ。
 財政省ウェブサイトによると税率は麦類20%、麦類製粉25%、コメ、トウモロコシ、イネモミ、大豆は5%などとなっている。財政省は小麦やコメなどの輸出促進が目的の輸出還付税を20日から廃止したばかりだった。
 中国では11月の消費者物価指数が前年同月比で6.9%上昇。食品価格は同18.2%と大幅に上昇。食品価格の高騰は今後も続くとみられている。
 庶民はすでに家計の圧迫を感じているようで、重慶市のスーパーでは安売り食用油に殺到した客が圧死している。一部エコノミストの間ではこのままでは狂乱物価につながり、社会の安定にも影響するとの懸念が出ていた。

◎中国の死刑執行、銃殺が大多数(2007年12月26日、産経新聞)
 中国の死刑制度の研究者、劉仁文氏は26日付の中国紙、新京報のインタビューで、中国の死刑執行方法について「銃殺が依然大多数だが、一部の省都では(致死薬物)注射が主流になった」と語った。
 同氏によると、中国では約10年前から注射方式の導入を始めたが、経費がかかるため、ほとんどの中小都市には注射設備がない。このため、設備を搭載した移動型死刑執行車両が各刑務所を巡回している都市もある。同氏は銃殺を担当する執行者の精神的なストレスが大きいことを指摘、全国に注射方式を速やかに導入するよう提言した。

◎中国各地に“地下教会”、活動家ら信者7000万人?(2007年12月26日、産経新聞)
 中国各地に点在する地下教会。クリスマスの25日、北京郊外の農家でも地下教会の礼拝がひっそりと行われた。地下教会は、「反体制ネットワーク」に発展しかねない危険な存在とも現政権には映る。実際、この礼拝に集まったのは、人権活動家や、民主化運動にかかわって逮捕された人など、中国共産党の執政に失望、不満を持つ人ばかりだった。(北京 野口東秀)

・郊外農家の礼拝 人権活動家、天安門事件関係者ら
 「あの男には注意して」。北京市中心部から車で約2時間の一軒家。25日午前、次々に人が集まり始め、十数人が集まったとき、ある出席者から耳打ちされた。
 50代の男は当局に礼拝を事後報告する疑いをもたれていた。出席者同士が信者の近況などを話していたが、その男が来た途端、「敏感な話」はピタリと止まった。私服の公安当局者も突然現れた。人数、顔ぶれの確認だろう。
 当局は、大規模な人数での開催だった場合は事前に阻止しただろう。この礼拝は人数的には許容範囲だったようだ。北京五輪を控え、表だって圧力を加えることは欧米の反発、批判を招き、国益にならないとの判断もあるだろう。
 地下教会信者の正確な実数は不明だが、共産党員に匹敵する「推定7000万人」との指摘もある。それだけに、「信仰の自由と言論の自由・民主化が結びつき、政権基盤を揺るがす危機感が中国共産党にはある」(信者)とみられる。
 実際、礼拝に参加した人々は口々に「中国の国旗と国歌はわれわれのキリスト教教義と相反する」「中国の民主・自由化を実現しなくてはならない」と話す。
 牧師は、民主化運動を弾圧した1989年の天安門事件をきっかけに信者となった劉鳳鋼氏(49)が務めた。
 関係者によると、劉氏は「地下教会の圧迫例を列挙」した文書を書き、「社会を撹乱(かくらん)した」ことで90年代に2年間、黒竜江省の労働教養所で強制労働、2003年からも3年半、国家秘密探知罪で刑務所で過ごしたという。地下教会の教会撤去に関する情報をインターネットで示唆したことなどが理由だ。
 礼拝は「報告する疑いをもたれていた」男のせいか、緊張した雰囲気が漂う。テーブルに山積みされた聖書は、「あるところから仕入れた」(出席者)という。非合法組織「中国民主党」幹部の高洪明氏(57)もその聖書を手にした。
 90年代に労働教養所で信者の影響を受け入信。その後も「国家政権転覆罪」に問われ、懲役8年の刑期を終え、今年6月に出所したばかりだ。
 こうした礼拝について、政府関係者は「今、宗教を圧迫することはしない。反動も強い。問題は宗教を利用した政権転覆活動、分裂活動、反共産党思想の宣伝だ」と強調している。

・地下教会
 中国では共産党中央統一戦線工作部や国務院国家宗教事務局などが宗教活動を統制、管轄しており、公認組織のプロテスタント系信者が1600万人、カトリック系が530万人とされる。当局の統制に反発、政府公認の組織に属さず、自由な活動を求める信者の自主的な集まりが家庭教会、地下教会と呼ばれる。農民層だけでなく、拝金主義や蔓延(まんえん)する汚職、モラル低下に幻滅した知識人層、富裕層にも信者は増えている。

◎中国:時速300キロの国産列車完成、北京-天津間運行へ(2007年12月24日、毎日新聞)
 新華社電によると、中国山東省の鉄道車両メーカー、南車四方機車車両は22日、時速300キロ走行が可能な初めての国産列車「和諧号」が完成したと発表した。来年3月に鉄道当局に引き渡し、8月の北京五輪前に北京-天津間で運行を開始する予定。
 同社は川崎重工業などと提携、東北新幹線の「はやて」をベースにした車両の技術提供を受け、高速旅客列車を生産している。新華社は「和諧号」について「外国の技術を導入、吸収した上で中国が自主開発した」と伝えており、日本の技術がベースになっている可能性がある。(北京・共同)

◎マカオで市民がデモ、中国返還8周年、貧富格差拡大に抗議(2007年12月20日、読売新聞)
 【マカオ=吉田健一】中国返還8周年を迎えたマカオで20日、格差拡大などに抗議するデモが行われ、主催者によると、約7000人が参加した。
 マカオでは今年、デモが相次いでおり、カジノ景気の陰で広がる貧富の格差などに市民が強い不満を抱いていることを示している。
 参加者は「中国からの不法労働者を規制せよ」「不動産価格を安定させよ」などと叫び、政府を批判するプラカードや横断幕を手に市街地を練り歩いた。
 マカオは昨年、カジノの売り上げが米ラスベガスを抜き世界一となり、一人当たり域内総生産(GDP)も初めて香港を上回った。しかし、中国から流入する不法労働者が、地元労働者の賃金を押し下げるなど、市民の多くはカジノ景気の恩恵を受けていない。

◎マカオで政府批判デモ、数千人参加、高まる政府不信(2007年12月20日、朝日新聞)
 中国返還8周年を迎えたマカオで20日、民主化を前面に掲げる初の本格的なデモがあった。民主派議員や労働組合などが呼びかけたデモには市民数千人が参加。深刻な汚職や社会格差への強い不満を背景に、外資導入でカジノの売り上げを世界一に導くなど剛腕を発揮してきた何厚●(●=金へんに華))長官への不信感が噴き出し、中国政府も懸念を深めている。
 「清潔な長官こそ必要だ」「公共の土地を食い物にさせない」。道路を埋めた市民が叫ぶスローガンは、全面的な直接選挙の実現、官業癒着への批判、経済優先の施策、貧富の格差への不満まで多岐にわたった。
 ポルトガル植民地時代から市民が政府を公然と批判することは少なかったが、今年5月のメーデーでは、不法労働者の流入阻止などを求める数千人が警官隊と衝突するなど、市民の不満が噴出し始めている。
 民主派議員の呉国昌氏は「問題の根は政府を監督する制度の欠如。中国政府にマカオの現実を直視させたい」と話した。
 マカオでは11月、収賄罪などで起訴された政府の公共工事管轄部門のトップ、欧文龍被告(50)の公判が始まった。欧被告は、総額8億パタカ(約120億円)のわいろを受け取ったとされる。欧被告は公判で「大規模工事の決定権は上司にあった」と何長官の関与を示唆した。「腐敗の根は想像以上に深い」(30代自営業)との疑念が市民に広がっている。
 99年に初代長官に就任した何氏はカジノ改革を断行して外資を積極的に導入、02年以降、年10~30%の経済成長を実現した。だが、経済の急成長は物価の高騰を生み、住宅価格が4年で4倍に上がった地区も。好況に沸く建設業も賃金の安い中国本土出身の労働者に独占され、「地元住民が恩恵を受けられず、たまった不満が社会の不安定要素になっている」(何偉雄・マカオ大学教授)。
 「一国二制度」で先行する香港では03年の返還記念日に50万人の民主化要求デモが起き、董建華(トン・チエンホワ)長官辞任の引き金になった。中国共産党関係者は「マカオで同じ失敗では許されない。社会不満が高まるほど民主派勢力の力が増すだけに、北京の懸念は強い」と話す。

◎素材各社、高機能品を中国で量産・需要増で新戦略(2007年12月17日、日本経済新聞)
 素材各社が中国で高機能素材を生産する。三井化学と三菱ガス化学は2010~12年にも車や家電に使う高機能樹脂の工場をそれぞれ建設。旭硝子は省エネガラスの量産を始めた。米国に次ぐ規模を持つ中国の素材市場では、所得水準向上に伴い強度などに優れる高機能品の需要が急伸している。主に日本から汎用品を輸出してきた各社が、得意とする高機能品の現地生産に一斉に踏み切ることで、日本の素材業界の中国戦略は新段階に入る。
 中国の石化製品需要は世界の16%を占め、米国に次ぎ2位。日本の化学業界は06年に国内生産の16%を中国に輸出したが品目はポリエチレンなど汎用品が多かった。今後は高付加価値で利ざやも大きい高機能品の市場開拓に力を入れる。

◎中国:「死の即席めん」の原因は殺鼠剤(2007年12月9日、毎日新聞)
 【北京・共同】8日の新華社電によると、中国雲南省昭通市で3日、即席めんを食べた小学生4人が直後に腹痛を訴えて死亡したのは、即席めんに殺鼠剤(さっそざい)が混入していたことが原因だと分かった。地元警察当局者の話として伝えた。警察は何者かが故意に殺鼠剤を入れた可能性は低いとみて、混入経緯を調べる。

◎中国:即席ラーメン食べ小学生4人中毒死(2007年12月6日、毎日新聞)
 【北京・浦松丈二】中国雲南省昭通市魯甸県で3日、同じインスタントラーメンを食べた小学生4人が直後に中毒症状を起こして死亡した。中国当局は原因が解明されるまで近くの食料品店28カ所を営業停止処分にした。5日付の中国各紙が報じた。
 死亡したのは9~13歳の4人。路上に倒れているのを通りかかった教諭が発見した。朝食を食べられなかった友だち同士で1杯のラーメンを分けて食べていたという。
 中国では安価なインスタントラーメンの人気が高いが、最近は原材料費の高騰で廃油を再利用した粗悪品が出回っているという。また、ずさんな製造管理で殺鼠剤(さっそざい)などの毒物が食品に混入する事件も相次いでいる。

◎中国人観光客、「買い物多い」ツアーに抗議し警官隊と衝突(2007年12月6日、産経新聞)
 マカオで団体ツアーに参加していた中国人旅行者120人が4日夜、旅程に買い物が多すぎるとして暴徒化し、機動隊が出動する騒ぎとなった。
 香港のケーブルテレビや蘋果日報によると、警棒や暴動鎮圧用のシールドを持った20数名の警官は、中国・湖北省からの旅行者と5時間近くにらみ合いを続けたという。
 旅行者らは、同ツアーのガイドが多くの店に自分たちを案内し、無理やり品物を購入させたと主張。警官ともみ合いになり、旅行者の男2人、女3人が身柄を拘束された。
 マカオはギャンブルが法律で認められていない中国で、唯一合法的にカジノが利用できる場所。中国政府が個人旅行者への規制を緩和した2003年以降、同地への訪問者数は倍増、昨年のマカオへの旅行者は2200万人前後となっている。(ロイター)

◎鳥インフルで1人死亡、人からの感染調査、中国(2007年12月3日、朝日新聞)
 新華社通信によると、中国江蘇省の衛生当局は2日、同省の男性(24)が鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に感染して死亡したと発表した。男性はウイルスに感染した家禽(かきん)類との接触がなかったことから、同当局は人から人への感染の可能性がなかったかどうか調査に乗り出し、男性と接触した69人の検査を進めている。
 同当局によると、男性は11月24日に発熱や悪寒の症状が現れ、同27日に肺炎と診断されて入院。病状が悪化し12月2日に死亡、ウイルス感染が確認された。中国で鳥インフルエンザによる死者は17人となった。

◎鑑定結果は「ニセ写真」、野生の華南トラ騒動(2007年12月3日、毎日新聞)
 中国国内の有名写真家らで構成する撮影家協会は3日までに、真偽をめぐり大論争に発展している野生の華南トラの“スクープ写真”は「偽物」との鑑定結果を発表した。同日付の中国各紙が報じた。
 鑑定には動物学者や植物学者らも参加。陝西省安康市鎮坪県の猟師、周正龍氏が「10月3日に地元の山中で撮影した」とする写真40枚を分析した結果、「トラのポーズが全く同じ。立体感も感じられず、実物ではない」と断じた。
 複数の専門家も「国内で販売されたカレンダーに同じポーズのトラが写っている」と指摘。「カレンダーのトラを拡大コピーし、山中にコピー写真を立てて撮影した後、スクープ写真として発表した可能性が高い」との見解を相次いで表明した。
 これに対し、周氏は中国紙の取材に「絶対に本物」と反論。決着はついておらず、最終判断は真相解明を進める国家林業局に委ねられた形だ。
 中国では10月以降、インターネットを中心に華南トラ写真の真贋(しんがん)論争が繰り広げられている。偽物と主張する学者らは「打虎派」、周氏や地元の支持者らは「保虎派」と呼ばれ、メディアの派手な報道も手伝い国民の関心事となっている。(共同)

◎選手用に特別飼育、「五輪豚」に市民反発、中国(2007年11月20日、朝日新聞)
 北京五輪の選手や関係者用に特別に飼育されているという「五輪豚」をめぐり、中国で議論が沸騰している。豚肉を独占提供する業者が安全確保のため秘密養豚基地を建設したなどとする報道に「我々はどうでもいいのか」と市民が反発。五輪組織委員会は「報道は大げさ。関連企業に警告した」と火消しに躍起だ。
 「五輪豚」は新京報が8月末に報道。秘密養豚基地は10カ所で、監視カメラを配備。飼料は欧州連合(EU)認証の有機農産物を使い、毎日2時間運動させて健康増進に努めている――などという業者の話を伝えた。
 中国産食品への不安が高まる中で安全性をアピールした形だが、今年は伝染病の流行などで豚肉価格が高騰しており、消費者心理を逆なで。「いつも食べている豚肉は危険ということか」などと反発の声が噴き出した。
 組織委は公式ホームページで「五輪豚は組織委や北京市当局が要求したものではない」と沈静化に必死だ。養豚業者は朝日新聞の取材に「五輪豚は確かにいて一般とは違う飼育態勢を取っているが、具体的には答えられない」と話している。

◎中国政府ぐるみで日系企業乗っ取り?現地社長が8億円横領(2007年11月18日、読売新聞)
 中国・江蘇省昆山(こんざん)市淀山湖鎮(てんざんこちん)に進出している洋服メーカー「冨田(とみだ)」(愛知県一宮市)が、地元政府ぐるみの企業乗っ取りで業務を妨害されているとして、中央政府の商務省に救済を求める異例の直訴を行った。
 同社の冨田博社長(63)は同市政府認定の「名誉市民」だが、「一部の役人が私利に走り、称号も役に立たない」とお手上げの状態。政治腐敗が外資のチャイナリスクとして表面化した形だ。
 「冨田」は1992年、昆山市にある国営企業と合弁でスーツなどを生産する縫製工場を設立、99年に同社と中国の関連会社が全株を買い取った。昨年の年商は8000万元(約12億8000万円)で、従業員は約650人。
 同社によると、当初の合弁先から派遣されていた社長の中国人男性(43)が2004年末、健康上の理由で退職。その後、弁護士や監査事務所の調査で、土地の買収資金などの名目で支出された約5300万元(8億4800万円)を横領していた疑いが発覚した。
 さらに男性は、工場用地の名義を自分の経営する「新東湖服装公司」に無断で変えていたほか、市政府側との間で工場所有者を同公司とする契約書まで作成していたこともわかった。
 冨田側が同市公安局に通報したところ、逆に男性側は昨年4月から9月にかけ、工場の出入り口にコンクリートの壁や鉄柵を設けて営業を妨害。同社は近隣の蘇州市検察当局に相談したが、「地元の抵抗で捜査ができない」との返答だった。
 冨田は昆山市対外経済貿易委員会に対し、来月17日に迫った合弁期限の延長を申請しているが、これも棚上げされたまま。日系企業が約400社進出し、外資誘致に積極的な同市としては異例の対応で、在上海日本総領事館も市関係部門に善処するよう申し入れた。
 市や鎮の政府幹部の一部は調査をしないまま、「資金を保管しているだけで横領にはあたらない」と男性側にお墨付きを与える文書を捜査当局に提出している。
 こうした経緯からみて、一連の不正には政府関係者も関与している可能性が高いといい、同社は商務省に対し、「背景には土地などの公共財産を流用しようとする官民の癒着がある」と訴えている。
 男性と同委員会は読売新聞に対し、「取材には応じない」としている。
 冨田は明治初期創業の老舗。88年以来、遼寧省大連、瀋陽や上海に延べ10の合弁会社を設立して洋服を生産し、日本や欧州の量販店、大手スーパーなどに卸している。瀋陽でも名誉市民の表彰を受けている冨田社長は、「長く中国とかかわってきたが、こんなことは初めて。せっかく育てた工場なので、何としても操業を続けたい」と話している。(上海支局 加藤隆則)

◎中国:貿易黒字過去最高、1~10月累計2千億ドル突破(2007年11月13日、毎日新聞)
 中国税関総署が12日発表した10月の貿易収支(速報)によると、貿易黒字は前年同月比13.5%増の270億5000万ドル(約3兆円)で、1~10月累計では前年同期比59.0%増の2123億6000万ドル(約23兆4600億円)に達し、2000億ドルの大台を初めて突破した。年間でも2000億ドルを超えたことはこれまでなかった。
 10月の貿易黒字は、単月としても過去最高だった今年6月を上回った。大幅な伸びが続いていることから、米国などからの黒字削減要求が一段と強まりそうだ。
 10月の輸出は22.3%増の1077億3000万ドルで、輸入は25.5%増の806億7000万ドル。中国政府は貿易黒字の削減に努力する姿勢を示しているが、輸出額は5カ月連続で1000億ドルを超え、年間の貿易黒字は2500億ドルに達するとの見方が強まっている。
 国・地域別の輸出入額では、1~10月の累計で欧州連合(EU)が2875億ドルとトップ。日本は1920億ドルで米国に次ぎ3位。(共同)

◎中国:特価の食用油奪い合いで3人死亡、重慶市のスーパー(2007年11月12日、毎日新聞)
 【上海・大谷麻由美】新華社通信によると、中国重慶市の外資系スーパー「カルフール」で10日、開店10周年セールに客が殺到し、倒れた人の下敷きになった3人が死亡、31人が負傷した。特価品の食用油の奪い合いが原因。
 普段は5リットルで51.4元(約760円)の食用油が、39.9元(約590円)で販売された。午前4時から客が並び始め、開店時には数百人に上った。踏み倒された人々がいても、食用油の奪い合いは続いたという。
 中国では最近、物価の上昇が著しく、食用油は今夏に比べても約1.3倍に値上がりした。中国の庶民生活には、大量の食用油が不可欠で、価格高騰は死活問題となっている。

◎中国:ニセ学歴が横行、幹部の高学歴化が進む中(2007年11月9日、毎日新聞)
 【上海・大谷麻由美】中国の幹部の高学歴化が進む中、ニセ学歴が横行していると、新華社通信が主管する週刊誌「瞭望」(最新号)が報じた。大学との合意で、短期間で修士や博士の課程を修了して学位を取得、出世を目指す「学術腐敗現象」が起きているという。
 同誌によると、04年10月に党中央組織部などが調査した結果、全国の幹部約67万人のうち約1万6700人の学歴内容で問題が発覚。幹部40人に1人の割合でニセ学歴の可能性がある計算だ。
 「ポスト胡錦濤」として党最高指導部の政治局常務委員に昇格した習近平氏(54)は法学博士、同じく李克強氏(52)は経済学博士を取得しており、若手世代の高学歴化は著しい。中国では働きながら学位を取る社会人大学院が盛んなのも、高学歴の取得に拍車をかけている。
 しかし、仕事で忙しい幹部は、普段の授業出席や宿題は秘書に任せ、学期末の試験だけ本人が出席。教授にわいろを渡したり、学校の広告塔となる代わりに、試験で簡単な問題を要求したり、0点でも合格できるように配慮してもらう。これらは「公然の秘密」だという。

◎中国:先天異常の出生率が急増 環境汚染の影響指摘も(2007年11月10日、毎日新聞)
 中国で生まれつき障害のある子供の出生率が01年の1万人当たり104.9人から、06年には145.5人に急増していたことが10日までの中国紙の報道で分かった。研究者は水や大気など環境汚染の影響を指摘している。
 中国英字紙、チャイナ・デーリーによると、国家人口計画出産委員会の江帆副主任は四川省成都で開かれた会議でこのデータを報告。「中国では先天異常の子が30秒に1人誕生しており、状況は年々悪化している」と語った。また「(先天異常の増加は)総合国力強化や社会経済の持続的発展に直接影響する」と懸念を示した。
 産炭地として有名な山西省の計画出産担当者は、炭鉱周辺で「先天異常が全国平均よりはるかに高い」と報告、環境汚染との関連性を強く示唆した。同省は先天異常の出生率が全国31の省・直轄市・自治区で最も高いという。
 香港紙、サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、江副主任のデータに関連し、上海の復旦大学の呉超群教授は「遺伝などの要因もあるが、われわれの調査では環境汚染の影響が非常に大きい」と分析した。(北京・共同)

◎華南トラ騒動、写真の裏に巨大な利権構造(2007年10月25日、毎日新聞)
 【北京=矢板明夫】中国陝西省鎮坪県の山中で、地元の猟師(52)が10月はじめ、ほぼ絶滅したとされる野生の華南トラを撮影したという写真の真贋(しんがん)をめぐり、メディアを巻き込んで大論争に発展した問題で、中国国家林業局は24日、専門家を現地に派遣する方針を固め、真相究明と事態収拾に乗り出した。写真をめぐる中国各紙による報道合戦は過熱一方だが、その裏では保護区設置などによる巨大な地元利権が絡んでいる。
 北京紙・新京報などによると、自然生態保護を担当する中国国家林業局は23日、撮影者の周正竜氏と写真を鑑定した陝西省林業庁の担当者、専門家ら計9人を北京に呼び、事情聴取を行った。同局は近く専門家チームを派遣し、野生の華南トラの生存条件に適する環境が現地に残っているかどうかを含め、調査する方針だ。
 一方、真贋論争が勃発(ぼっぱつ)して以来、総人口約5万7000の鎮坪県に全国から100人以上の報道陣が殺到。現地入りした記者の話によると、県内のホテル、旅館はすべて満室となり、入山案内料の相場も数十元(1元は約15円)から数百元に高騰。にわかに「華南トラ景気」に沸いた。写真に対し疑問を持つ記者が多いのに対し、地元の人は口をそろえて「本物だ」と主張している。
 鎮坪県周辺の山中は1950年代までに華南トラの名所として知られていたが、60年代初めに大掛かりな乱獲が行われ、それ以後は姿を全く見かけなくなった。捕獲したトラの骨などは漢方薬の材料に使われたという。
 しかし近年、中国国内で旅行ブームが始まったのを受け、地元政府は観光資源として華南トラを活用しようと考え、これまでに数回にわたり捜索チームを山中に派遣、糞(ふん)や足跡らしきものを複数発見したが、決定的な証拠はなかった。
 周氏の写真が今月12日に公表されると、同県政府の動きは迅速だった。14日に「華南トラ保護弁公室」を立ち上げ、19日に「鎮坪華南虎」の商標登録の手続きを開始。国に対して「華南トラ自然保護区」の申請書類づくりを始めたという。
 保護区の設置が認められると、同県の国内総生産(GDP)の4分の1に相当する2000万元の資金が投入されると中国紙が報じている。このため、現地の農民の間では、早くも「来年から働かなくてもよい。国から金がもらえるのだから」といったうわさまで流れているようだ。

◎大発見か捏造か? 幻の「華南トラ」43年ぶりに確認(2007年10月23日、毎日新聞)
 【北京=矢板明夫】本物の華南トラなのか-。いま、写真の真偽をめぐり、中国で大論争が起きている。
 今月3日、陝西省鎮坪県の山中で、猟師、周正竜氏(52)が一頭の野生のトラを発見し撮影した。地元の専門家らが鑑定した結果、写っているのはほぼ絶滅したといわれる華南トラであると断定され、野生の華南トラが43年ぶりに確認される重大発見となった。
 陝西省林業庁は12日に会見し、周氏に対して賞金2万元(約30万円)を贈呈、華南トラを保護するため、周辺の山での猟の禁止なども発表した。中国の各メディアは「華南トラ発見」のニュースを大きく報じ、トラを退治した男を意味する「打虎英雄」という言葉に引っ掛けて、トラの撮影に成功した周氏を「撮虎英雄」と持ち上げた。
 しかし、写真が公表されると、「野生にしては太りすぎ」「至近距離での撮影に対して全く反応しないのはおかしい」などと、トラの不自然さを指摘する書き込みが各ウェブサイトに殺到。公表された3枚の写真で、トラの表情と姿勢がまったく同じことなどから、「撮影したのは、トラの写真を実物大にしたパネルではないか」との意見が多く寄せられた。
 20日、中国科学院植物研究所の研究員、傅徳志氏は広東省の新聞「南方都市報」に対し、トラの体と周辺の植物の葉っぱの大きさがアンバランスであることなどを指摘し、「学者の名誉をかけて、写真は捏造(ねつぞう)だ」と断言した。
 陜西省林業庁は「専門家チームが出した結論なので、写真は本物」とし、再鑑定する考えがないことを明らかにした。一方、周氏はメディアの取材に対し、トラの写真は計71枚もあり、すべてをみれば、「捏造でないことはわかるはず」と主張、しかし、写真を高く売りたいため、「いまのところ、それを公表する予定はない」としている。

・華南トラ
 中国の中南部を中心に生息しているトラ。体長は2.5メートル前後。シベリアトラなどと比べて小さい。1950年代に約4000頭いたとされる。現在は各地の動物園などに約70頭がいる。野生種については64年以後、正式に確認されていない。すでに絶滅したと主張する学者もいる。

◎「央企」を知らずして中国経済を語るなかれ(2007年10月2日、日本経済新聞)
 最近、日本人に馴染みの薄い「央企」という言葉が中国のメディアに登場している。しかし、「央企とは何か」という質問をそのまま中国人にぶつけないほうが賢明だろう。なぜなら、その瞬間から相手に「このひとは中国のことをまったく知らない」と見下されてしまうほど、いまの中国ではホットなキーワードだからだ。(肖宇生の中国IT最前線)
 「央企」とは中央政府直轄の大型国有企業(金融を除く)の略称だ。何十万の国有企業のうち、「央企」に認定されるのはたったの155社で、中国国有経済のピラミッドの頂点ともいえる。中国石油やチャイナモバイルなど、日本でもよく耳にする企業のほとんどが「央企」であるといえばイメージも沸いてくるだろう。
 中国ではいま、大型国有企業育成の国家戦略の下で「央企」改革が急ピッチで進められている。これまで海外のメディアでは、中国の経済発展における外資系企業や新興民営企業の健闘が伝えられてきた。しかし今後の中国経済の発展を占うのに「央企」抜きでは語れないということは間違いなさそうだ。

・存在感抜群の「央企」
 昔の大型国有企業のイメージは計画経済そのもので、経営不在の典型例だったが、改革開放に伴いその経営は質、規模ともに急激に改善されてきた。国策である大型国有企業の育成政策が施行されてからここ4~5年間は特に顕著だ。いまや中国の国力上昇のもっとも代表的な立役者といっていい。
 フォーチュン誌による2006年の「世界トップ500」の企業に中国の大陸系企業は19社がランクインしており、そのうち銀行や保険を除く13社はすべて「央企」なのだ。経営規模だけではない。その利益も急速に拡大している。2005年度の「央企」の税引き前利益の合計は6276.5億元(約9兆4000億円、1元=15円で換算)にも上っている。2003年度の3000億元から3年間で倍増しているわけだ。今後もさらに増える見込みで、その勢いはすさまじい。
 「央企」は毎年中国政府から認定される資格みたいなもので、数年前の200社近くから現在の155社に減少したように、経営改革が遅れたり業績が落ち込んだりすると容赦なく淘汰される。世界に通用するグローバル企業を育成するという中国政府の狙いから、今後も 「央企」の統廃合を進めると見られており、2010年には80から100社に絞り込まれるそうだ。それだけに、中国の国有企業にとっては政策面で優遇される「央企」に認定されることが最高の名誉になっている。

・「外資系より央企」就職戦線の異変
 「央企」の好調ぶりは人材争奪面においても明らかだ。それは新卒や転職などの就職市場に大きな異変を引き起こしている。何年か前までは学生や転職組の「央企」の人気は、欧米企業を始めとする外資系企業の後塵を拝してきたが、いまや完全に逆転する勢いだ。
 大多数の新卒にとっては「央企」への就職は完全に高嶺の花になってしまった。ある「央企」の総合職の募集要項は、清華大や北京大などごく限られた名門校だけを指定し、しかも修士以上に限るとされている。中国人学生にとっては「央企」の安定した仕事の環境や高い給与水準、充実した福利厚生などが就職先として羨望の的となっている。
 対照的に外資系企業はハイリスク・ミドルリターンと映るようになってしまった。外資系企業の最大の魅力はグローバルなキャリア設計にあったが、「央企」に入ってもそれほど遜色ないため、その逆転現象が加速している。
 そして、やはり自国を代表する企業で働きたいというプライドも影響しているようだ。これは中国の国力上昇の当然の副産物ともいえるが、もっとも根本的な原因は「央企」が人材の誘致においても猛烈な勢いで力を入れるようになってきたからだ。
 いままで優秀な人材は当然のように外資系企業に入ってきたが、これからはその通りにいかないということが目に見えている。これは欧米企業の人材戦略にも大きく影響を及ぼしそうだ。待遇面や現地人材の登用などにおいて欧米企業に劣る日系企業にとってはなおさらだ。

・経営陣公募で人事改革
 近年、中央政府に直接任命されてきた経営陣の人事にもメスが入り始めた。役員レベルの公開招聘もその1つだ。ヘッドハンティングは社内外、国内外を問わないからかなり踏み込んだ改革といえよう。2003年から2006年までの間、すでに80社近くの「央企」が公開招聘に参加し、81名の人材を外部から招き入れた。
 今年も電信や鉄鋼など基幹産業を含む「央企」の人材公開招聘を行った。募集人数は22名で、その内訳は副社長9名、CFO7名、法律顧問6名とかなりのハイレベルといってよい。応募しやすくするため、初めて海外にも招聘会場を設けた。積極的なアピールや周到な準備から応募人数も1603人に上ったという盛況ぶりだ。そのうち、外国人は25人、香港や台湾、マカオなどのグレートチャイナ地域出身者も10人いる。
 選考のスピードも電光石火だ。公募は5月末に始まったが、9月末時点ですでに14名が着任した。今後も定期的にこういった人材招聘を行っていくという。さすがに最高責任者である社長レベルまでは行っていないが、執行レベルの経営陣はすでに開放されたといっていい。それは中国政府の「央企」育成の本気度を如実に表している。

・「央企」改革に下支えされる中国株式市場
 長い間、中国株式市場は国のマクロ経済の急速な発展から乖離し、低空飛行の状態が続いた。中国政府もこれを問題視し、数年前から法制度の整備や流通株の増大などを通じて株式市場の改革を進めてきた。
 当初、大量の非流通株(政府保有などで市場に流通しない株式)の市場への放出は株価の下降圧力になりかねないと懸念されていたが、結果は周知の通り、ここ2年間中国の平均株価は4倍増と、急激な上昇を見せている。その要因は「央企」の改革による上場企業の業績改善や将来への期待が投資家心理にプラスに働き、積極的な投資と株価の上昇を引き起こし、さらに多くの国民を株式市場に引き寄せるという好循環にある。
 いまも「央企」改革の重点である企業の統合や持ち株会社の上場、上場企業へのさらなる優良資産の注入などは中国株式市場にもっとも影響を与えるプラス要因だ。つまり、こういうマクロの環境があるからこそ、すでに5500点を超えている上海株価指数はいっこうに調整局面に入る気配を見せないのだ。
 チャイナモバイルなどすでに香港に上場している大型「央企」の国内株式市場復帰の動きも、投資家の期待を大きく膨らませている。いまの中国株式市場は大型「央企」に背負われているといっても過言ではない。
 中国の改革開放はすでに20年を数えるが、ついに主役の登場だ。大型「央企」は猛スピードで近代化を図り、その豊富な資金力、川上産業においての圧倒的な強さ、充実した開発力を引っ提げて、競争の激しい中国市場、そしてグローバル市場に参戦しようとしている。迎え撃つ外資系グローバル企業との勝負の行方が見えてきたとき初めて、中国の改革開放の評価が下されるだろう。

◎中国の富豪は品性が悪い(2007年9月26日、産経新聞)
 中国紙、中国青年報などが最近実施した中国の富豪のイメージに関する世論調査で「品性が悪い」と回答した若者が67%に上った。不正をした富豪の逮捕や国外逃亡が後を絶たず、金持ちへの不信感が強い中国社会の現実を浮き彫りにしている。
 同紙によると、調査で富豪の「品性がよい」と答えたのはわずか4%。また尊敬に値する「富豪」が備える要件について聞いたところ「社会的な責任感」(88%)、「思いやり」(77%)、「合法的な手段」(74%)が多く、いまの中国の富豪に欠けている要件もほぼ同様だった。
 中国大陸に「尊敬する富豪はいない」との答えが57%に達し、逆に最も評価が高かったのは慈善事業への貢献で知られる香港の財閥の総帥、李嘉誠氏で、2番目は米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長だった。
 北京大学の夏学●(亦の下に金)教授は「中国では国有資産を私物化するなどした一獲千金の成り金が多い」とした上で「富豪たちの価値観に多くの問題がある」と指摘した。

◎米シスコ、中国ハイアールと提携(2007年9月26日、日本経済新聞)
 【シリコンバレー=村山恵一】ネットワーク機器最大手の米シスコシステムズは25日、中国の家電最大手、海爾集団(ハイアール)と提携すると発表した。家庭用ネット機器の開発などで広く協力し、成長が期待できる中国市場の開拓につなげる。ハイアールは事業のグローバル化にシスコの経営ノウハウを生かすことも狙っている。
 シスコはルーター(経路制御装置)などネット構築のための機器が主力。主要顧客は企業で、消費者向けビジネスの強化が課題となっている。今後、ネット対応家電などの市場が伸びるとみて、潜在需要が大きい中国で事業拡大の足がかりを築く。ハイアールとの協業による具体的な製品計画などは明らかにしていない。
 両社はグループ管理や財務、投資戦略など経営手法についても情報を共有する方針。主にシスコがノウハウを供与し、ハイアールが中国以外で事業を拡大するのを支援するとみられる。

◎中国の知財問題、パネル設置決定、WTOが米提訴受け(2007年9月26日、朝日新聞)
 知的財産権が守られていないとして米国が中国を世界貿易機関(WTO)に提訴していた問題で、WTOは25日、この問題の紛争処理小委員会(パネル)設置を決めた。米国と中国の間の通商問題では自動車部品、中国の自国企業への輸出補助金に続き、3件目のパネル設置となった。
 米国は、映画や音楽の海賊版や偽ブランド品などに対する中国政府の取り締まりが不十分で米国企業が損害を受けている▽海賊版への刑事罰が軽くWTOの知的財産権(TRIPS)協定に違反している、として今年4月に提訴。米中2国間での協議が続けられてきたが解決に至らず、8月に米国がパネル設置を要求した。
 紛争処理機関によると、米国は中国が一定の対策を講じていることは認めたが、「対応が尽くされていない」としてパネル設置を求める姿勢を変えなかった。
 審理には日本や欧州連合(EU)なども「第三国」(オブザーバー)参加する。パネルは裁判の一審にあたる。

◎女子サッカー日本代表の横断幕に、ブーイングの中国反省(2007年9月26日、朝日新聞)
 中国・杭州市でこのほど行われた女子サッカーのワールドカップのドイツ戦で、日本選手が試合後に「ARIGATO 謝謝 CHINA」と書いた横断幕を掲げた行動が、日本にブーイングし続けた中国側に反省の気持ちを呼び起こしている。地元メディアは「中国のブーイングは日本の横断幕に負けた」と観戦マナーを批判している。
 17日の試合中、約4万人の観客のほとんどがドイツを応援。試合前の「君が代」斉唱では多くの観客が起立せず、ブーイングも起きた。ドイツが攻めたり、得点したりすると大歓声が起こり、日本は完全にアウェー状態。荒川がけがで交代したときでさえ、日本へのブーイングが響いた。しかし、日本代表が横断幕を掲げると、中国人の一部からも拍手が起きた。
 国営新華社通信は20日、「北京五輪でこのような反日感情を持ち込めば、中国人の国際的なイメージを損なう」と論評。反日的な記事が多いとされる全国紙「国際先駆導報」も「日本人は不快な気持ちを乗り越える勇気を見せたが、中国人にはその勇気がなかった」と指摘した。
 ネットの掲示板やブログでも議論が沸騰。「日本選手は横断幕を準備しながらブーイングを浴び続け、どんなに悲しかったか。横断幕を見て、中国人として恥ずかしかった」などの意見が掲載された。

◎北京五輪チケット、中国国内販売がドタバタ(2007年9月26日、朝日新聞)
 北京五輪の中国国内向け入場券販売がつまずいている。第1次販売分に当選した人のクレジットカードや口座から代金を引き落とせないトラブルが続出。北京五輪組織委員会は25日までだった支払期限を急きょ延長した。
 第1次販売は6月30日に申し込みを締め切った。抽選の結果、約72万人の申込者のうち約30万人が約159万枚を当てた。本人名義のVISAカードによる決済か、中国銀行の口座引き落としで代金を払う。
 ところが申込書の誤記や口座の残高不足、他人名義のカードの使用などが相次ぎ、「相当数の当選者が支払いを済ませていない」事態になった。カードや口座による決済に不慣れなことや、申し込めるだけ申し込んで思った以上に当選し、代金の支払いを見送る例が多いとみられている。
 当選通知は電子メールや手紙だけだったが、組織委は25日から当選状況や支払いの成否について電話での照会も受け付け始めた。「第1次販売で支払いを済ませない人は、第2次販売には参加させない」と新方針も示し、支払い催促を行っている。

◎中国:第4のロケット発射基地建設へ、南部・海南島に(2007年9月25日、毎日新聞)
 【上海・大谷麻由美】中国政府と中央軍事委員会は、中国南部・海南島の文昌市にロケット発射センターを建設することを承認した。国内4番目だが、初めて内陸部以外の発射基地になる。
 文昌発射センターは、2010年に市場参入を計画中の新たな運搬ロケット「長征5号」を使用し、主に衛星や宇宙ステーションなどを打ち上げる。大型ロケットが中心となるため、推進力は従来の発射センターより約10%高まる。中国は宇宙ビジネスを加速させそうだ。
 内モンゴル自治区酒泉など既存の発射基地3カ所はいずれも内陸部にあり、ロケットの運搬は鉄道輸送。ロケットの直径が3.35メートル以内に制限されてきた。
 文昌は海に面した立地から大型ロケットの海上運搬に適し、発射時の残骸(ざんがい)が落下した際の危険性も低くなる。低緯度で静止軌道に乗せやすく、衛星の寿命が延長される利点もある。

◎実効性は「?」北京タクシー全面禁煙、成人男性の半数喫煙(2007年9月23日、産経新聞)
 【北京=川越一】2008年北京五輪で“禁煙五輪”を実現させるため、北京市は10月から市内を走るタクシーの全面禁煙を実施する。「喫煙大国」との悪評を一掃する狙いがあるが、中国の喫煙率は35.8%で、そのうち66.8%が男性。中国の英字紙チャイナ・デーリーによると、北京市では成人男性の約半数が喫煙者といわれるだけに、実効性が上がるかどうか、立ちこめる紫煙で見通しは悪そうだ。
 1992年バルセロナ五輪以降、五輪施設の禁煙措置は一つの流れになっている。北京五輪でも選手村や競技施設、観客席を禁煙とすることが決まっている。選手やコーチが利用する練習施設や居住施設でのたばこの販売も禁止している。
 五輪を契機に国際的なイメージの改善をもくろむ北京市はすでに、外国人選手や観光客の目につく機会が多いタクシー運転手のマナー改善に着手している。運転中の喫煙やたばこのポイ捨てが目立っていたが、北京市運輸管理局は今年8月に通達を出し、乗客が運転手の喫煙を発見した場合、カメラ付き携帯電話などで撮影し通報するよう奨励。違反した運転手には100~200元(約1500~3000円)の罰金が科されることになっている。
 「緑色タクシー」と題された今回の禁煙キャンペーンは対象を乗客まで広げたのが特徴だが、中国各紙は具体的な罰則規定が明らかにされていないことを問題点として指摘する。北京の大衆紙、新京報によると、タクシー運転手ができるのは喫煙をやめるよう乗客に注意するだけ。従わない場合も下車を強制することは規定上不可能で、「乗客の喫煙を阻止する方法がない」のが実情だ。
 今年1~2月、中国吉林省長春などで開催された冬季アジア競技大会では、禁煙のはずの体育館内のトイレに、紫煙が充満した。今度は北京市民や訪問者のモラルが問われそうだ。

◎中国退役軍人の暴動、黒竜江省チチハルにも飛び火(2007年9月15日、朝日新聞)
 香港の人権団体「中国人権民主運動情報センター」は14日、中国黒竜江省チチハル市の鉄道学校で13日夜、職業訓練していた1000人規模の退役軍人が学校施設を破壊するなどし、治安当局と衝突したと伝えた。内モンゴル自治区や陝西省などでも同様の暴動が起きており、中国鉄道省は12カ所の鉄道学校の退役軍人約6000人を一時帰郷させる通知を出したという。
 同センターは、中国軍は人員削減で退役した軍人を鉄道学校で学ばせる政策を進めているが、卒業後の就職が難しく、不満が高まっているとしている。

◎中国が初の食品安全法、年内にも施行へ(2007年9月15日、産経新聞)
 中国政府が食品の安全基準や、行政と事業者の責任を明確にした初の「食品安全法案」をまとめ、年内の施行を目指していることが14日までに分かった。政府当局者が北京で開かれていた「食の安全」に関する国際会議で明らかにした。
 同当局者によると、早ければ10月末の全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員会に上程される。同当局者は、同法施行は「世界の食の安全性向上にもプラスとなる」と語った。
 食品安全法案は、食品関連事業者の責任や地方自治体の監督責任、損害賠償請求など消費者の権利を明確化したのが特徴。食品の安全基準や監督・検査制度、輸出入時の安全措置のほか、食品の生産から流通、飲食店での提供までの全過程での安全義務を明記した。
 食品事故の予防と対応を定めた章では、問題のある食品のリコール(無料の回収)制度を盛り込んでいる。
 法案は全10章、百数十条から成る。中国では「食の安全」に関する法律が複数に分かれており、責任の所在が不明確だった。このため、20005年ごろから包括的な「食品安全法」をつくる準備が進んでいた。

◎人民元が最高値更新(2007年9月13日、産経新聞)
 13日の上海外国為替市場の人民元相場は大手金融機関の相対取引で一時、1ドル=7.5101元まで上昇し、2005年7月の切り上げ後の最高値を更新した。7.5105元で大方の相対取引を終え、終値としても最高値を更新した。前日終値は7.5216元だった。

◎101階建て「上海環球金融中心」、建設大詰め(2007年9月13日、朝日新聞)
 森ビルが上海で08年春の完成を目指す101階建て超高層ビル「上海環球金融中心」の鉄骨が最上階まで組み上がり、13日、工事現場が報道関係者に公開された。アンテナなどの突起物を除くビル本体の高さは492メートルで、完成時点で世界一となる見通し。森ビルの森稔社長は「当初より7年も遅れたが、上海が世界の金融センターに成長し、ちょうど良いタイミングになった」と語った。
 総工費は約1250億円で、ビルの延べ床面積は約38万平方メートル。店舗やオフィスのほか、79~93階は高級ホテルが入る。100階には「世界一高い展望台」を設ける。
 オフィス部分の賃料は1日1平方メートルあたり3ドルを設定し、上海では最高ランク。みずほコーポレート銀行など金融機関約30社の入居がほぼ決まっている。

◎香港ディズニーランド、経営難続く、開業2周年(2007年9月13日、朝日新聞)
 香港ディズニーランドが12日、開業から2周年を迎えた。不振だった1年目からの立て直しを狙い、様々なサービスを打ち出したものの、2年目の入場者数は前年をさらに下回った模様で、厳しい状況が続く。
 香港ディズニーは入場者数や収益を一切公表していないが、複数の香港紙は8月、消息筋の話として、2年目の入場者が「400万人前後にとどまる」と伝えた。目標の547万人はおろか、前年実績の520万人も下回る。
 開業当初、「アトラクションが少ない割に高い」と批判された香港ディズニーは、昨年3月から、通常の約2枚分の料金で買える平日用通年チケットなど8種の優待チケットを発売した。
 夏休み最終盤の8月末、ゲートをくぐる客の9割以上はこうした優待チケットの利用者だった。園内での消費が期待できるとはいえ、入場料収入は伸びない。
 香港ディズニーは「お客様の満足度は高まっている。長期的に成果を上げる自信はある」と強調。香港政府も「長期的に見るべきプロジェクトだ」と繰り返すが、見込みの甘さは隠せない。
 香港政府は、初期投資額約248億5000万香港ドル(約4000億円)のうち政府が約9割の224億香港ドルを拠出するという破格の条件でディズニーランドを誘致。運営会社にも出資している。政府は再投資の是非を検討しているが、立法会では「政府の信頼にかかわる問題。予算審議には厳しい態度で臨む」(李華明議員)といった声が強まりつつある。

◎中国製自動車そっくりだ、BMWが提訴(2007年9月11日、朝日新聞)
 フランクフルトの国際自動車ショーに出展された中国製自動車が自社の車の意匠権を侵害する疑いがあるとして、独BMWはその輸入販売会社を相手取り、国内販売の中止を求めて7日にミュンヘンの地裁に提訴したことがわかった。
 問題の車は双環汽車(河北省)製「CEO」で、BMWは自社の高級SUV(スポーツ用多目的車)「X5」のデザインに非常に似ているとしている。BMWは、独国内で10月中旬から販売を予定している双環製の車のショー出展を見合わせるよう求めていた。
 訴えられた輸入販売会社は「CEOは約3年前から市場に出ており、いま訴えるのはおかしい」(幹部)としている。CEOはすでにスペインやロシアなどで販売されているという。

◎中国のエイズ感染21万人に、半年で1万8千人増(2007年9月9日、朝日新聞)
 新華社電によると、中国国務院(中央政府)エイズ予防・治療工作委員会弁公室は8日までに、今年7月末までに報告されたエイズウイルス(HIV)感染者が21万4300人に達したと明らかにした。このうち発症者は5万6758人で、1万8246人が死亡した。
 今年1~6月に新たに報告された感染者は1万8543人に上り、4314人が発症、2039人が死亡するなど、同弁公室は「感染などは依然として上昇傾向にある」と懸念を示した。
 ただ、報告されていない患者も多く、実際の感染者は65万人に達すると推定されている。

◎中国主席、輸出品の安全確保で国際協力強化を表明(2007年9月7日、産経新聞)
 中国の胡錦濤国家主席は6日、オーストラリアのハワード首相との会談後の記者会見で、世界で中国産の食品や玩具などの安全性への懸念が広がっていることを重く受け止めていると述べ、中国が輸出品の安全を確保するため、国際協力を強化する用意があると表明した。
 胡主席は会見で「中国は品質検査を進める上で国際社会との協力を強化したい」と語った。
 シドニーで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議は9日に採択予定の首脳宣言に、中国への名指しを避けながらも「食の安全強化の必要性」を盛り込む見通しだ。(共同)

◎中国・上海でナンバープレート高騰、車体の半額も(2007年9月1日、朝日新聞)
 マイカーブームにわく中国・上海で、車のナンバープレートの値が高騰している。プレートが競売にかけられているためで、8月には1枚75万円にまで跳ね上がった。「最も高価なブリキ板」と皮肉られている。
 中国は今や、日本を抜いて販売台数で世界第2位の自動車大国。なかでも経済発展が著しい上海では、欧州や米国、日本、韓国の自動車メーカーが販売合戦を繰り広げ、街には世界中の新型車がひしめく。
 一方、車の増加で交通渋滞や大気汚染が深刻となっており、上海市当局は車のナンバーの発行数量を制限。毎月、入札・競売をおこなって交付している。
 国営新華社通信によると、8月は8000枚のプレートをめぐって1万2943人が応募し、平均落札価格は4万6897元(約75万円)。過去最高だった6月の4万7711元と同水準で、4万元弱だった昨年後半よりも過熱している。
 「10万元(約160万円)のドイツ車を買おうと思うけど、ナンバー代が車体価格の半分もするなんて」。自動車教習所に通う40代の女性看護師は不満顔だ。免許取得費も約5000元と、他の地域より高い。にもかかわらず、夫婦の貯金をはたいてでも、初めてのマイカーを取得する夢は捨てられない。
 しかし、「上に政策あれば、下に対策あり」が中国人の信条。ナンバー取得費が安い江蘇省など、上海近郊の省のナンバーを入手する要領のいい者も少なくない。「車のディーラーが簡単に手続きを代行してくれた」と新車を購入した別の女性。偽ナンバーも出回っているという。

◎中国財政相が辞任・香港紙「汚職で解任」(2007年8月30日、日本経済新聞)
 【北京=宮沢徹】中国国務院(中央政府)新聞弁公室は30日、金人慶財政相が個人的な理由で辞職願を提出し、中央政府が解任に同意したことを明らかにした。金財政相は政府系のシンクタンク、国務院発展研究センター副主任(閣僚級)に転出する予定という。
 香港紙は今回の解任の原因は汚職事件で、後任の財政相には謝旭人・国家税務総局長が就任すると報じている。
 中国は10月15日の共産党大会に向けて、幹部の汚職を徹底的に追及する方針を示しており、上海市の前党委書記など汚職で更迭される幹部が相次いでいる。

◎中国産冷凍枝豆、除草剤が残留(2007年8月30日、朝日新聞)
 厚生労働省は29日、中国産の冷凍枝豆に、検出されてはならない除草剤の一種「プロファム」が残っていたとして、食品衛生法に基づく検査命令を全輸入業者に出した。違反品は廃棄されるなどして国内で流通していないという。
 同省によると、中国産の冷凍枝豆に残っていたプロファムは、7月に那覇検疫所で0.04ppmが検出されたことを受けて検査を強化した後、今月23日に東京検疫所で0.01ppmが検出されたため、より厳しい検査命令を出した。07年の中国からの冷凍枝豆の輸入量は1万9130トン。

◎洪水などの被災者、延べ3億1千万人、今年の中国(2007年8月23日、朝日新聞)
 中国民政省は22日、今年に入り水害などの自然災害の被災者は延べ3億1000万人、経済損失は1264億元(約1兆9000億円)に達したと発表した。南部を中心に豪雨による洪水が多発したことが原因で、記者会見した李学挙民政相は「今年の災害は大変深刻だ」と述べた。
 四川や雲南、湖南の各省で水害が頻発している。民政省による現地への緊急救助出動は41回に上り、倒壊家屋は110万戸に及んでいる。住居や食料が不足しており、政府の救済処置が必要な被災者は約7000万人に達する。同省は被災者や死者の家族に対して救済金や慰問金を支払うことを検討しているという。

◎中国:ノキアなどの工場で1万人スト、賃金など不服に(2007年8月22日、毎日新聞)
 携帯電話端末の世界最大手ノキア(フィンランド)の携帯電話用部品などを手がける中国広東省深センの工場で20日、約1万人の全従業員が賃金などを不服として大規模ストを実施した。約1000人が付近の道路を封鎖するなどしたため、警察当局と衝突、数人が拘束された。
 関係者が22日、明らかにしたもので、ストは同日も続いている。警察当局が警戒しているという。
 ストが起きた工場はドイツ資本で、ノキアのほか米モトローラやソニーの携帯電話用バッテリーなどを製造。香港紙によると従業員の9割が四川、湖南、湖北省から出稼ぎに来た女性。関係者は労使交渉が行われているものの合意に至っていないとしている。(香港・共同)

◎中国:嫁不足深刻、適齢期男性は女性より1800万人多く(2007年8月22日、毎日新聞)
 【上海・大谷麻由美】中国共産党機関紙「人民日報」は22日、中国では現在、20~45歳の結婚適齢期の男性が女性より1800万人多く、2020年にはこの差が3000万人に拡大すると報じた。遼寧省瀋陽で21日に開かれた出生計画に関する会議で発表された。嫁不足は既に深刻化しており、誘拐などの犯罪への警戒が高まっている。
 中国の05年出生比率は女児を100とすると男児は118.88。農村に根強く残る男尊女卑の風潮などにより、男女比の不均衡は拡大を続けている。国家人口計画生育委員会の張維慶主任は「中国は男女比の差が世界最大で、最も長い期間続いている国家となった。社会の安定に悪影響を及ぼすだろう」と指摘した。
 中国政府は出生計画において「厳しい情勢と任務に直面している」として、不均衡を是正するため「女児愛護行動」キャンペーンを展開したり、胎児の性別を理由にした中絶を禁止している。

◎麻薬密輸の2邦人に中国高裁が死刑判決、執行は最高裁次第(2007年8月21日、読売新聞)
 【大連(中国遼寧省)=末続哲也】中国で麻薬密輸罪に問われ、1審で死刑判決を言い渡された元暴力団組員、武田輝夫被告(64)(名古屋市出身)と40歳代の鵜飼博徳被告(岐阜県出身)に対する控訴審の判決が20日、遼寧省大連市の省高級人民法院(高裁)であった。
 同法院は控訴を棄却し、1審判決を支持した。中国は2審制で、2邦人の死刑が確定した。
 中国で起きた日本人の麻薬密輸事件ではこれまで、執行猶予付きの死刑判決が確定したケースはあるが、執行猶予なしの死刑判決が確定したのは初めて。
 死刑執行には、中国最高人民法院(最高裁)の許可が必要なため、今後、同法院が判決を検討し、最終判断を下すことになる。日本の外務省は「少なくとも最近15年間、海外で邦人が死刑に処せられたケースはない」としている。
 判決によると、武田被告は2003年、中国で覚せい剤計約9キロを集め、鵜飼被告ら「運び屋」を使って日本への密輸を指揮した。中国では04年2月にも同省瀋陽で、武田被告の麻薬密輸事件にかかわったとされる60歳代の邦人男性に、1審で執行猶予のない死刑判決(控訴中)が出ている。

◎日本産ナマコ、中国で空前のブーム、価格5年で5倍(2007年8月21日、朝日新聞)
 中国で日本産のナマコがブームを呼んでいる。特に乾燥品は価格がここ5年で5倍に跳ね上がり、密漁も急増している。ただ生態にはナゾの部分が多く、いつ枯渇するかも分からない。このため農林水産省は産地の研究機関と共同で、北海道も独自に、実態を調査して増殖させる作戦に乗り出した。
 北海道最北の稚内市。日本の4分の1の市場占有率を誇る北海道の中でも、最もナマコ漁が盛んだ。ある漁師(66)がこっそり自宅の裏庭を見せてくれた。
 網の上に天日干しされた10センチ大のトゲトゲがついた黒い固まり。中国では干しアワビやフカヒレなどと並ぶ高級食材の「北海キンコ」だ。「最近、キンコ泥棒が多い。夜は自宅の中で保管するんだ」と言う。
 乾燥ナマコは現在、1キロ4万~5万円で輸出される。「日本産はキロ当たり中国のサラリーマンの平均月収くらい」と中国人の輸出業者(44)は言う。背景に中国の経済成長がある。遼寧省や山東省で養殖を進めているが、富裕層は日本の天然ものを好むという。
 北海キンコの大半は中国へ輸出される。横浜中華街の老舗(しにせ)「珠江飯店」は今は特別な時以外仕入れない。「買うのは中国大使館ぐらい。入荷も不安定で日本人は食べないのに価格が異常だ」と料理人の片岡叔民さん(56)は言う。
 ナマコは生態が明らかでない点が多い。このため農水省は今年度から、北海道、青森、山口、佐賀、名古屋などの研究機関や大学など全国12機関と共同で、把握・管理の方法を探る。香港や中国本土で市場調査もする。担当者は「日本産は世界のナマコピラミッドのトップにいる。安定供給を可能にしたい」と話す。
 北海道も8月から増殖に本格的に取り組み始めた。3年間、毎年100万匹を孵化(ふか)させ、約1年かけて育てた後、放流して追跡調査する。「半分生き残ってくれれば上出来」と道の担当者。
 愛知、福井、山口、大分の4県は20年ほど前、水産庁の事業でナマコ増産の技術開発を始めたが、国内消費は伸び悩み長くは続かなかった。この事業にも携わった水産大学校(山口県下関市)の浜野龍夫准教授が主宰する研究会にはここ2、3年、問い合わせが急増している。
 浜野准教授は「中国では強壮に良いという言い伝えがある。今より下がったとしても、高値安定が続くのではないか」とみている。

◎ダイキン、中国で冷媒原料を合弁生産(2007年8月18日、日本経済新聞)
 ダイキン工業はエアコン冷媒やフッ素化学製品の原料となる「無水フッ化水素酸」の生産拠点を中国江西省に現地企業と合弁で設立する。投資額は5億円程度で、2009年1月の稼働を目指す。中国は無水フッ化水素酸の原料となる蛍石の生産大国。蛍石を安定調達するため、中国に生産拠点を設けることにした。
 合弁の相手は、蛍石の採掘で中国最大手の中蛍集団(浙江省)。9月末に合弁会社を設立する予定で、資本金は15億5000万円程度。ダイキンが55%、残りを中蛍集団が出資する。

◎中国、批判的スクープ「禁止令」、段ボール肉まん事件で(2007年8月18日、朝日新聞)
 北京テレビによる「段ボール肉まん捏造(ねつぞう)報道」をきっかけに、中国当局が報道規制を強めている。複数のメディア関係者によると、事件直後、偽食品摘発や重大事件などマイナス面の調査報道やスクープ報道を禁止する通達が出された。当局は来年8月の北京五輪に向けて報道の規制緩和の方針を打ち出しているが、メディア関係者は「以前より社会問題の報道に対する引き締めが厳しくなった」と指摘する。
 複数のテレビ局や新聞社の関係者の証言によると、通達は肉まん事件が起きた直後の7月下旬、共産党中央宣伝部から各メディアに出された。
 通達では、肉まん事件は、北京五輪を控えた重要な時期に海外で中国産食品についての過剰な批判を引き起こし、国家の対外的なイメージやメディア界の信用を著しく失墜させたと強調。調査報道やスクープ報道は「市民を不安にさせ、社会の混乱を招く危険性がある」と警告し、各社の独自取材による批判型記事掲載の自粛を指示した。
 当局は、捏造報道を見つけ出すため、各地方の党宣伝部や新聞社、テレビ局に対し、視聴者や読者から報道内容への批判や情報提供を受け付ける専用電話を設置するように命じた。捏造報道を転載した他のメディアの責任も追及するという厳しい内容だ。
 通達後、紙面をにぎわせていた危険な食品や問題製品についての記事はほとんど見なくなり、当局が発表した安全対策や中国製品の合格率の高さをアピールする報道が目立つ。地元紙記者は、通達直後、上層部から「国家のイメージを損なう報道はいっさいするな」と厳命されたと語る。
 中国では、メディアは共産党の方針や政策を宣伝する「党ののどと舌」(代弁者の意味)と位置づけられ、報道の自由は制限されている。しかし近年、環境問題や食の安全の分野で、各放送局や新聞社の記者が独自に調査して告発する報道が増加。「政府や政策を直接批判する内容以外はほぼ許されていた」(テレビ局記者)
 「肉まん事件」は、こうした緩和の流れに水を差した形だ。「五輪を控え、当局はさらに『社会の安定』を重視し、締め付けは一層厳しくなる可能性が高い」(中国の大手新聞社記者)という。

◎「段ボール肉まん」で懲役1年、TV局アルバイトに判決(2007年8月13日、朝日新聞)
 新華社電によると、段ボールの混ざった肉まんが販売されているとのやらせ報道問題で、中国・北京市第2中級人民法院(地裁)は12日、「偽造肉まん」ビデオを作成してテレビ局に持ち込んだアルバイトの被告(28)に対し、懲役1年と罰金1000元(約1万6000円)の有罪判決を言い渡した。
 判決は被告の行為について、「特定の商品の名声を傷つけ、劣悪な影響を作り出した」と指摘した。被告は法廷で、視聴者や肉まんの業界関係者、テレビ局に謝罪したという。

◎中国当局、玩具生産2社を輸出停止処分に、鉛検出問題(2007年8月9日、朝日新聞)
 中国から米国に輸出された玩具の塗料から相次いで鉛が検出された問題で、中国の国家品質監督検査検疫総局は9日、広東省にあるメーカー2社を輸出停止処分にしたと発表した。今後刑事責任も追及するという。
 処分を受けたのは、米マテル社の子会社フィッシャー・プライス社が販売する、人気テレビ番組「セサミストリート」のキャラクター商品などを製造していた「漢勝木業製品工場」と、米RC2コーポレーションが販売する幼児向け玩具「きかんしゃトーマス」を製造していた「利達玩具有限公司」。
 いずれも全米で販売され、すでにプライス社は約100万個、RC2社は約150万個を自主回収した。きかんしゃトーマスの一部は日本でも販売され、販売元のソニー・クリエイティブプロダクツが無償交換に応じている。

◎中国“見せしめ”禁輸発動も、食の安全、東南アジアに広がる不安(2007年8月7日、産経新聞)
 【シンガポール=藤本欣也】中国製品が大量に出回る東南アジアで、中国製食品への不安が広がっている。フィリピンやマレーシアなどでは一部食品の輸入禁止や検査強化を実施。一方の中国当局は、同様に禁輸措置の検討を進めるインドネシアに対し、突然、同国産の水産物の禁輸措置を発動、インドネシア側を震え上がらせた。“見せしめ”との見方も広がる中、「食の安全」と「対中関係」のはざまで東南アジアが揺れている。
 ジャカルタからの報道によると、インドネシアのカラ副大統領は6日、記者団に「中国との間で貿易戦争になることは望んでいない」と語った。
 同国政府に衝撃が走ったのは3日。中国が突然、「インドネシア産水産物から基準を超える水銀やカドミウムなどが相次いで検出された」と公表し、「消費者を保護する」ため、すべてのインドネシア産水産物の輸入をストップした。
 特定品目だけでなく、すべての水産物を対象に輸入を禁止するのは異例。インドネシア産水産物の対中輸出高は年約1億5000万米ドル(約180億円)で、全体の7.3%を占めている。禁輸の影響を懸念するインドネシア政府は、「残留物で問題が起きたとの報告もなければ、中国側から事前の警告もなかった」と中国側の強硬措置に戸惑っている。
 一方、東南アジアでは中国製品への規制の動きが広がっている。フィリピン政府は7月、中国製の4種類のキャンディーなどから有害物質のホルムアルデヒドが検出されたとして、これらの製品の輸入を禁止。マレーシア政府も、調査回数を増やすなど中国製食品の検査を強化することを決めた。
 インドネシアでは、中国製菓子からホルマリンが検出されただけでなく、中国製化粧品や玩具にも有害物質が含まれていることが確認されるなど社会問題化し、政府が対応を検討していた。中国の性急な措置は、東南アジア諸国に広がる規制の動きへの過敏な反応とする見方も出ている。

◎中国製「カシミヤ100%」実は2割(2007年7月31日、スポーツ報知)
 「カシミヤ100%」などの表示で販売された中国製セーターに一般の羊毛が大量に混ざっていたことが分かり、公正取引委員会は31日、景品表示法に基づき、販売元の丹羽幸(名古屋市)と小杉産業(東京)の2社に排除命令を出した。
 公取委によると、丹羽幸は昨年から今年にかけて、スーパーなどでセーターを販売した際、カシミヤは十数%―二十数%しか使用されていなかったのに「カシミヤ100%」と表示。小杉産業が一昨年から今年にかけて販売したセーターとベストも「カシミヤ50%毛50%」と表示していたが、実際には数%―二十数%しか含まれていなかった。
 衣類はいずれも中国企業が製造、日本の検査機関「毛製品検査協会」の検査を経て両社が販売。製品の一部を使った検査では、素材が適正に用いられていることが確認されており、公取委は、中国企業が検査をかわすため、カシミヤを多く使用したサンプルを検査用に提出したとみている。
 景表法は故意か過失を問わず、商品を販売した業者の表示が対象。公取委は毛製品検査協会にも再発防止策を講じるよう要請した。
 丹羽幸と小杉産業は「公取委の指摘を受け、再発防止に努めたい」としている。

◎カシミヤ偽表示で業界波紋、現地検査や中国製輸入停止も(2007年8月4日、読売新聞)
 中国から「カシミヤ100%」の表示で輸入されたセーターやマフラーに別の動物の毛が混じっていたとして約85万点が回収された問題で、国内のアパレル業界に波紋が広がっている。
 中国での製造過程で意図的に混入された疑いが指摘されているためだ。商社や小売店は検査回数を増やし、国内で流通するカシミヤ製品の約8割の品質検査を行う財団法人「毛製品検査協会」(東京)も、中国5か所で現地業者を集めて品質基準に関するセミナーを開催するなど、対策に躍起だ。一方、検査コストの負担増から中国製カシミヤの取り扱いをやめる動きも出始めている。
 関係者によると、混入していたのは「綿羊絨(めんようじゅう)」と呼ばれる羊の一種やヤクの毛など。今年1月以降、7社が自主回収に踏み切り、公正取引委員会は7月末、カシミヤの混用率が特に低かった2社に景品表示法違反で排除命令を出した。
 マフラーを自主回収した東京の服飾品卸会社は「コストが上がっても品質は守らなければ」として、従来は、内モンゴル自治区の工場側が送ってきたサンプルを検査機関に出していただけだったが、今シーズンから、担当者が現地に出向き、計3回、抜き取り検査を行う。検査や渡航の費用がかさむため、「マフラー1点で約200円の負担」となり、今年は出荷量を4分の1程度に減らすという。
 業者の多くは同様の対策を予定しているが、福岡市のアパレル業者は「現状より検査に費用がかかると商売にならない」と、中国からの輸入をすべてストップした。
 毛製品検査協会は、6月に現地でセミナーを開いたほか、中国・天津の検査所の検査員を1人から2人に増員した。また、検査済みの100%製品につけていた「カシミヤラベル」は当面、発行しない方針だ。本所寛理事(59)は「抽出検査で全製品の責任まで負うことはできず、現情勢ではやむを得ない措置。しかし、日本側の検査強化や品質管理の啓発活動が悪質業者へのけん制になり、正常化に向かうはず」と話している。
 欧米や日本の高級品メーカーでつくる「カシミヤ・キャメルヘア工業会」(本部・米国)によると、主要産地の内モンゴルでは、砂漠化などで生産量が減少傾向にあり、原毛価格はここ数年、60~70%も高騰しているのに、小売価格にはほとんど変動がない。背景として、製造業者らがコストを下げるため、別の繊維を混入している可能性が指摘されている。
 日本の輸入量の約8割を中国製が占めるが、北部の河北省などでは無数の零細業者が乱立して流通ルートが複雑になっており、どこで混入が行われたのか追跡するのは困難という。

◎中国製カシミヤ混用率に虚偽表示、公取委が2社に排除命令(2007年8月1日、読売新聞)
 50%や100%と表示した中国製セーターなどのカシミヤ混用率が、実際には最大でも20%台だったとして、公正取引委員会は31日、衣料品製造販売の小杉産業(東京都中央区)と丹羽幸(名古屋市)に対し、景品表示法違反(優良誤認)で排除命令を出した。
 公取委によると、小杉産業は2005年10月ごろからセーターとベスト計22品目に、丹羽幸は昨年10月ごろからセーター計11品目に、それぞれ「カシミヤ50%」、「カシミヤ100%」と表示して販売していたが、実際のカシミヤ混用率は、小杉産業の製品が1.6~25.5%、丹羽幸の製品では16.1~26.4%に過ぎなかった。
 両社は、製造を委託している中国内の業者に、表示通りの混用率にするよう指示したが、納入品の品質を確認していなかった。丹羽幸は、財団法人・毛製品検査協会から「カシミヤ100%」「このマークは試験鑑定を行ったものにつけられるものです」などと記された下げ札を購入し、これらのセーターに取り付けていたため、公取委は同協会にも再発防止を求めた。

◎中国で取材妨害、干渉続く、外国人記者クラブが調査報告(2007年8月1日、産経新聞)
 北京の「中国外国人記者クラブ」(メリンダ・リュウ会長)は1日、北京五輪を約1年後に控えた中国で、海外メディアに対する取材妨害や当局による干渉がことし157件発生、中国政府が五輪取材で求められる報道の自由の保証などの国際的基準に応えていないとする調査報告を発表した。
 調査は北京、上海などに駐在する二十数カ国、163人の記者が回答。全体の約40%に当たる記者が、当局による拘束や呼び出し、取材源に対する脅迫、身体的暴力などを報告した。
 この中には、中朝国境を取材した英テレビクルーが武装警察に拘束された例や、チベット自治区で取材したドイツの記者のインタビュー相手が罰金を科された例などが含まれる。
 調査では、回答者の67%が中国が五輪に向け保証した取材の自由を実現していないと指摘。95%は「中国の現状は報道の国際的基準を満たしていない」と答えた。

◎採算割れでも止まらない中国の銅輸入(2007年7月31日、日本経済新聞)
 中国の銅地金輸入が止まらない。本来の消費ペースを大幅に上回る勢いで輸入されており、中国国内需給が大きく緩和。国内価格の指標となる上海期貨交易所相場は、国際指標であるロンドン金属取引所(LME)の相場水準を大きく下回る状態が続いている。
 「今年に入っての中国の輸入量は異常ですよ」。市場関係者は口をそろえる。
 2007年の中国の銅消費量は430万トン程度と予測されている。これに対して供給は国内生産量が330万トン。輸入で残りの100万トンを補う形が想定され、需給はほぼ均衡するはずだった。
 ところが、ふたを開けてみると、今年に入っての中国の銅輸入ペースは市場予想をはるかに上回る勢い。1~6月の輸入量は89万~90万トン。生産と消費の量はほぼ市場予想通りのペースだったため、「半年で既に20万トン前後の供給過剰になっている」との声も聞かれる。
 中国国内の需給緩和により、LME相場と上海相場の格差が拡大している。25日時点のLME銅3カ月先物相場は1トン7778ドル。上海相場の期近をドル換算し、輸入税などを省くと約7390ドル。上海相場が390ドル程安い計算になる。
 中国には需給が大幅に緩和していても輸入をやめられない理由がある。近年の非鉄価格上昇を見て、中国の輸入業者は自由貿易協定(FTA)を締結するチリなどの生産会社と長期契約を結んでいる。そのため、どんなに国内需給が緩くても決まった量を引き取らなくてはならない。
 輸入業者はLME相場を基準とした価格で銅地金を買い、中国内ではほぼ上海価格で売る。また、中国内の製錬所はLME相場に連動する価格で原料を買い、生産した地金を上海価格で売る。市場間の価格差により、現地の輸入業者や製錬所は多額の損失を被っている。
 とはいえ、市場原理としてはLME価格と上海価格、つまり国際価格と中国内価格は最終的には同水準に収れんしていく。市場の話題は「それがどうやって起こるか」だ。足元では2通りの予測が出ている。
 1つは輸入業者の収益悪化で長期契約の履行が不可能になり、輸入が激減する。もう1つは経営体力のない製錬所の減産や操業停止だ。どちらも中国市場への供給を絞り、国内相場を押し上げる材料となる。
 現時点ではこうした事態が起こりうるのか不明だが、銅市況を読む上で注視すべきポイントの1つといえる。

◎中国当局・FBI、偽ウィンドウズ販売で25人逮捕(2007年7月25日、朝日新聞)
 中国公安省は24日、米連邦捜査局(FBI)と合同で、上海や深センにあるパソコンのマイクロソフトの基本ソフト(OS)の偽造工場を捜索、偽造ソフト約7万枚を押収し、偽造団のメンバー25人を逮捕したと発表した。米国などで中国製偽造ソフトによる著作権侵害が深刻化する中、中国当局は対策に力を入れていることをアピールする狙いがあるとみられる。
 公安省とFBIは今月上旬、上海に本拠地がある偽造団の6カ所の工場を捜索。マイクロソフト社のウィンドウズ・ビスタやXPなどの偽造ソフトのほか、偽の証明書約23万通と説明書約6万枚なども押収した。米国やカナダ、オーストラリアなどで、正規品の約10分の1の価格で売りさばかれていたという。

◎中国やらせ報道、高まる視聴率獲得圧力、チェック制度未確立(2007年7月21日、産経新聞)
 北京の段ボール紙を混ぜた肉まん販売の報道は「やらせ」と発覚、中国製食品の安全性に関心が高まる中、「偽食品についての偽報道」は二重の衝撃となった。市場経済の波がメディアにも押し寄せ、制作側に視聴率獲得の圧力が高まる一方、先進国ほどチェック制度が確立していないことが背景にある。

・焦り
 「NHKと違い受信料収入はなく、民放同様激しい視聴率競争がある」
 やらせ事件を起こした北京テレビに勤める記者はこう説明する。広告収入が上がるよう視聴率を取れる番組が求められている。
 中国紙、新京報によると、でっち上げに至る経緯はこうだ。
 同テレビに以前、視聴者から紙くずを混ぜた肉まんが売られているとの電話通報があり、身近な話題を取り上げる「透明度」という番組の今年6月の制作会議で、担当記者が番組で取り上げることを提案した。
 しかし、この記者は十数日間、市内を歩き回ったが問題の肉まんは見つけられず、既に提案したことへの焦りもあり、身分を労働者と偽って露店主に段ボール肉まんをつくるよう依頼。今月8日に報道した。

・2つのベクトル
 記者は臨時スタッフとして同テレビで働き始めたばかりで、成果を挙げて名前を売りたかったという。一般にニュース1本の制作で5000元(約8万円)程度の報酬があるため、同紙は報酬への欲求もあったと指摘した。
 かつては完全に政府のプロパガンダ機関だった中国メディアは、改革・開放路線で独立採算制となり、今は「政府の宣伝機能と市場原理という2つのベクトル」(北京テレビ記者)の間で揺れている。政治・言論面の報道規制は依然厳しいが、社会・生活面ではかなり自由度が高まった。
 ここ数年は大衆受けする調査、告発報道も急激に増えた。しかしフリージャーナリストの安替さん(32)は「視聴率に敏感になる一方で、まだ米国のような、やらせを防止する厳格なチェック制度はメディアに確立していない」と断言。局内の管理者も自分に調査報道の経験がないから放送前に視聴してもやらせを見抜けないと分析する。
 一方で、番組制作の外注は激増しているが、きちんとした雇用契約もなく、収入が不安定な外部スタッフも多いという。

◎「段ボール肉まん」やらせ、捜査結果もウソ?北京市民「疑心暗鬼」(2007年7月20日、産経新聞)
 【北京=福島香織】中国の北京テレビが特ダネとして報道した「段ボール入り肉まん」事件が実はテレビ局のアルバイトスタッフによる「やらせ」報道であったことが北京市当局の捜査で判明した。ニセ飲料水などニセモノ食品が氾濫(はんらん)するうえ、報道もニセモノという状況に、市民の間には「北京市当局の捜査結果もウソではないか?」といった疑心暗鬼が広がっている。
 18日夜、北京テレビが説明した経緯によると、同テレビ報道番組「透明度」(8日)で最初に放送した、水酸化ナトリウム水溶液漬けの段ボールをまぜた肉まんの製造過程の映像は、番組制作チームのアルバイトスタッフが、出稼ぎ者4人に作り方を教え、家庭用ビデオで撮影、編集したやらせ映像だった。放送後、北京市工商当局、公安当局が合同で捜査した結果、報道を虚偽だとしてアルバイトスタッフを拘束した。京華時報(19日付)によれば、加担した4人の出稼ぎ者も拘束されているという。
 「透明度」はタレコミ情報をもとにした盗撮で構成される暴露番組。このアルバイトスタッフはこれまでもしばしば高視聴率を稼ぐネタを持ち込み、特に問題はなかったという。
 一方、市民の間にはメディアへの不信と同時に、新型肺炎が蔓延(まんえん)した2003年に報道統制により事実を隠蔽(いんぺい)した“前科”がある北京市当局に対する疑心暗鬼も広がっている。
 インターネットの人気の言論サイト強国論壇には「少なくとも段ボール肉まんが存在するかしないかの結論は出ていない」「ちょっと様子をみてみよう。この事件はまたどんでん返しがないとも限らない」「(北京市の当局者は)成績のためなら、真実も黒く塗りつぶしてウソにする」といった声が寄せられている。

◎不正生む共産党「価値観の真空」、中国・有害物質入り産品(2007年7月20日、産経新聞)
 【ワシントン=古森義久】米国で中国社会研究の権威とされるプリンストン大学のペリー・リンク教授は18日、中国での有害物質入り産品の問題は、中国共産党が長年にわたってもたらした「価値観の真空」から生じる腐敗、不正の結果だとする見解を発表した。
 リンク教授は中国の毛沢東主席主導による「反右派闘争」の50周年を記念し、同闘争の犠牲になった言論人や学者らを招いてプリンストン大学でこのほど開いた学術会議の模様を報告しながら、この見解をワシントン・ポスト18日付に寄稿論文として載せた。
 同論文は反右派闘争の犠牲者の一人、劉賓雁氏の「中国には共産党が宣言する『真実』と農民の生活から生まれる真実との二つがある」という言葉を引用し、二つの「真実」が存在するというギャップが、「価値観の真空」、さらには偽善を生むようになったと述べた。同論文はさらにこの偽善が「中国社会に腐敗、不正、ペテンを長年、はびこらせ、最近、明るみに出たペットフード、医薬品、歯みがきなどの有害汚染の土壌」となったという見解を強調した。
 リンク教授はこの「二つの真実」や偽善の実例として、中国共産党は毛沢東主席の巨大な肖像画をなお天安門に掲げ、「社会主義」の標語を最優先させているが、現実には資本主義の拡散を許し、政治的に従順でさえあれば、経済的にはなにをしてもよいという風潮を生んだ、と指摘している。
 1956年後半から始まった中国の「反右派闘争」では、共産党の政策を少しでも批判する知識人ら合計五十数万が「右派」のレッテルをはられ、弾圧された。

◎ロシア人と中国人住民が大げんか、ハバロフスク(2007年7月20日、産経新聞)
 【モスクワ=遠藤良介】インタファクス通信によると、ロシア極東ハバロフスクのアムール河岸で18日夜、ロシア人と中国人住民による少なくとも数十人規模の衝突が起き、ロシア人4人が刃物で切られ重軽傷を負った。地元当局は中国人約20人を拘束した。
20人拘束、ロシア人4人重軽傷
 人口減少に悩むロシアの極東部には、中国からの出稼ぎ労働者が大量に流入している。政治レベルでは中露の友好演出が進むが、住民レベルでは中国人に対する複雑な感情がある。

◎段ボール肉まん告発、やらせ、北京TV謝罪「虚偽報道」(2007年7月19日、産経新聞)
 【北京=福島香織】中国の北京テレビは18日夜、同テレビ局が特ダネとして報道した「段ボール入り肉まん」報道が、アルバイトスタッフによる「やらせ」であったことを認めた。テレビを通して視聴者に「虚偽報道し、悪質な社会的影響を与えた。社会に深くおわびする」と謝罪した。
 この報道は8日、北京テレビ番組「透明度」で初めて放送された。水酸化ナトリウム水溶液につけた段ボールと豚肉のミンチを6対4の割合でまぜて肉まんを作り、同市朝陽区で販売している様子を販売員らのインタビューなどを交えて生々しく報道した。しかしそれらは、アルバイトスタッフが自ら段ボールなどを持ち込み、出稼ぎ労働者4人に指示してやらせ、ハンディビデオカメラで撮影、編集していたことが判明した。
 この報道は、中国中央テレビなども後追い報道し、さらに日本を含めた海外メディアも相次いで報道。国際社会からの反響も大きかったため、北京市当局が捜査に乗り出していた。警察当局はアルバイトスタッフをすでに逮捕。北京テレビはこの虚偽報道を受け、「教訓をくみ取り、管理をさらに強化し、虚偽報道を断固根絶する」と、関係者を厳重処罰する方針を示した。
 中国の食品安全問題は国内外で非難されているが、捏造(ねつぞう)報道の発覚により、今度は報道の信憑性も問われることになりそうだ。

◎115年間で最大の集中豪雨、36人死亡、中国・重慶(2007年7月19日、朝日新聞)
 新華社電によると、中国内陸部の重慶市では16日以降、115年間で最大の降雨記録となる歴史的な集中豪雨が続き、18日までに36人が死亡し、11人が行方不明となった。同市は昨夏、100年に1度とも言われる深刻な干ばつに見舞われており、2年連続で厳しい自然災害に直面した形となった。
 重慶市に隣接する四川省でも豪雨が続き、7月に入って54人が死亡、22人が行方不明。国務院(中央政府)は18日、こうした事態を受け、水利、民政、財政、衛生各省から成る緊急対策チームを重慶・四川の被災地区に派遣した。

◎中国上半期のGDP11.9%、インフレ懸念する声も(2007年7月19日、朝日新聞)
 中国国家統計局は19日、07年上半期(1~6月)の国内総生産(GDP)の実質成長率(速報値)が前年同期比11.5%だった、と発表した。第2四半期(4~6月)は同比11.9%だった。公共投資や民間の設備投資は活発で、旺盛な輸出で過去最高を更新中の貿易黒字が景気を牽引(けんいん)する状況が続いている。
 急激な株高を懸念した中国政府は株取引にかかわる印紙税率の引き上げなどの対策を打ち出し、株式市場は落ち着きを取り戻している。ただ、資金は再び不動産投資に向かいつつあり、住宅価格が値上がりしている。
 また、伝染病をきっかけとしたブタ肉の値上がりなどで上半期の消費者物価が前年同期比で3.2%上昇した。人民元の値上がりを抑える目的で中央銀行が続けている元売りドル買い介入は、市場に流通する通貨(人民元)の量を過剰にしており、インフレを懸念する声も出ている。

◎中国:経営者に懲役9年の実刑判決、れんが工場虐待(2007年7月17日、毎日新聞)
 【上海・大谷麻由美】中国山西省のれんが工場で農民が強制的に働かされ、虐待されていた事件で、傷害や拘禁の罪などに問われた工場経営者の王兵兵ら5被告に対する判決公判が17日、同省臨汾市中級人民法院(地裁)で開かれた。新華社通信によると、王被告に懲役9年▽工場監督者の衡庭漢被告に無期懲役▽労働者1人を暴行して殺害した看守の趙延兵被告に死刑▽その他の2被告に懲役2年--の判決が言い渡された。
 5月に事件が発覚してから約1カ月半で処分や判決が下される「スピード解決」となった。胡錦濤政権には、事件が社会不安や不満の拡大を招くのを抑えたい意図があるとみられる。
 同法院などによると、衡被告らは06年1月、経営者の王被告かられんが工場の監督を請け負い、無許可のまま、河南省や陝西省の駅などで知的障害者9人を含む農民31人をだまして工場に連行した。5被告は06年3月~07年5月末、労働者が逃走しないよう暴力を振るい、監禁した。生産量を上げるために1日14~16時間も働かせた上、焼き上がったばかりのれんがを搬出させて、労働者にやけどを負わせた。
 判決後、山西省高級人民法院(高裁)の劉冀民副院長は記者会見し、省内で他に同様の七つの事件で計29被告に対する裁判が行われたと述べた。子供を誘拐して労働させていた事件では、一部の被告に懲役5年の実刑判決が下されたという。

◎中国:薬草採りの縄張り争いで衝突、6人死亡、チベット族(2007年7月17日、毎日新聞)
 香港の人権団体、中国人権民主化運動ニュースセンターの17日の発表によると、中国四川省甘孜チベット族自治州稲城県で13日、薬草採りの縄張り争いから隣接する二つの村の住民計500人が衝突、6人が死亡し約110人が負傷した。
 両村の境界線があいまいで、貴重な収入源であるキノコの一種、冬虫夏草を採る際、これまでも争いとなっていた。13日には一方の村の住民が銃や手りゅう弾を使って攻撃。武装警察が出動して事態の収拾にあたったという。
 稲城県は電話取材に対し「そのような事実はない」と否定した。

◎冬虫夏草巡り住民衝突、手投げ弾などで6人死亡、中国(2007年7月17日、朝日新聞)
 香港の人権団体「中国人権民主運動情報センター」によると、中国・四川省稲城県で13日、漢方の強壮剤として珍重される「冬虫夏草」の採取場所を巡り、地元のチベット系住民同士が衝突し、一方が手投げ弾を使うなどして6人が死亡、100人以上がけがをした。
 同県坡郷の住民が手投げ弾や歩兵銃を使って桑堆郷の住民を攻撃したという。武器の入手経路は不明。1000人以上の武装警察が現場に入り、暴徒らの行方を追っている。
 両郷の住民は以前から冬虫夏草をめぐって対立。住民は「県政府に再三調停を求めていたが、政府は対応しなかった」と批判しているという。

◎中国が輸出停止企業リスト更新、33社から52社に拡大(2007年7月17日、読売新聞)
 【北京=牧野田亨】中国の国家品質監督検査検疫総局は16日、食品の安全性に問題があるなどとして輸出停止措置をとった国内企業のリストを更新し、10日発表の33社から52社に拡大した。
 日本向け輸出企業も11社から15社に増えた。
 日本向けでは新たに、福建省の冷凍食品会社が輸出したニンジンから日本の基準量を上回る農薬が検出されるなどした。

◎北京市が偽肉まん検査(2007年7月16日、産経新聞)
 16日付の中国各紙によると、豚肉の代わりに段ボール紙を混ぜた偽肉まんが見つかったことを受け、北京市当局は11日から14日にかけて市内23カ所の露店を立ち入り検査した。紙など違法な原料を使った肉まんは見つからなかった。
 地元テレビ報道が暴露した偽肉まんは、豚肉が高騰したため露店主が段ボール紙を肉に混入。偽肉まんを販売した露店主は逃走しているという。

◎中国:大気汚染に抗議、住民が警察と衝突、5人拘束(2007年7月14日、毎日新聞)
 香港の人権団体、中国人権民主化運動ニュースセンターは13日、四川省峨眉山市で、アルミニウム精錬工場による大気汚染事故に怒った住民が警察部隊などと衝突、10人が負傷したほか、5人が拘束されたと発表した。
 センターによると、精錬工場で6月24日、有毒物質が大気中に漏れ出す事故が発生し、住民は「農作物が被害を受けた」と工場側に賠償を要求。工場がこれを拒否したため、住民が7月10日に周辺道路を封鎖するなど抗議行動を起こし、衝突に発展した。有毒物質の成分、具体的な被害状況は不明。

◎中国、土地の違法利用深刻、随・唐遺跡がゴルフ場に(2007年7月13日、産経新聞)
 【北京=野口東秀】中国の徐紹史国土資源相は12日記者会見し、違法な土地利用に関連した贈収賄事件の調査結果を発表した。古代の遺跡の上にゴルフ場を建設するなど、利益目当ての乱開発が目立った。
 発表によると、今年1~5月の間だけで農地の不正収用など土地の違法利用で調査した事件は2万4245件に達した。一方、土地開発にからみ2005年8月から今年5月までに贈収賄事件として摘発したケースは98件、4330万元(約7億円)にとどまった。
 土地の違法利用の中には、龍門石窟などで知られる河南省洛陽市で、開発業者が隋、唐の時代の遺跡を含む約35ヘクタールを「植物生態園」の建設名目で借り、ゴルフ場を建設していたケースもあった。周辺は1980年代に保護区に指定されていたが、業者は遺跡と認識していたにもかかわらず開発したとみられる。
 また、北京市では約66ヘクタールの農地が違法に競馬場用地として貸し出されていたほか、浙江省平湖市でも農地を含む75ヘクタールが違法に収用され、ゴルフ場が建設された。
 北京五輪を控え、開発ブームにわく中国では、官民が癒着して農地を安い補償金で収用、開発する問題が各地で発生しており、農民による抗議行動の一因になっている。
 徐国土資源相は会見で「地方政府の中には土地の違法利用を黙認、もしくは背後で操っているところもある」と地方の腐敗ぶりを非難した。

◎「偽肉まん」は、豚肉と段ボールの割合が4対6、中国(2007年7月13日、朝日新聞)
 中国産の食品や薬品に対し各国で不信感が高まる中、中国の国内に流通する食品からも相次いで「偽物」が見つかっている。地元メディアの報道で次々と暴露され、市民の不安は高まっている。
 どろどろに溶かした段ボールの固まりをひき肉に練り込んでいる隠し撮り映像が、11日、北京テレビのニュースで流された。豚肉と段ボールは4対6の割合。香料を足して10分ほど蒸すと「偽肉まん」ができあがる。放送後、インターネットの掲示板には「何を信じて食べればいいのか」などの書き込みが殺到した。
 水道水が飲用に適さない北京では、大型ボトル入りの飲料水を家庭や会社で飲んでいるが、地元紙・京華時報によると、北京市内で売られている大手4社の飲料水が年間約1億本であるのに対し、実際に流通している4社の銘柄入り大型ボトルは約2億本あった。
 中国中央テレビによると、河南省では約1万3000本の偽ワインが見つかった。水で半分以上薄めて香料を加えており、価格は本物の5分の1程度だった。

◎欺瞞!!中国の食品、肉まんの中身は「段ボール」(2007年7月12日、産経新聞)
 【北京=福島香織】11日の北京テレビによると、北京市朝陽区のヤミ食品工場が、豚肉ミンチに古い段ボールを溶かしたものを加えてつくったあんで肉まんを製造していた。インターネット上では北京市民らから「もう街角で肉まんは食べられない!」との悲鳴が上がっている。日本ではミートホープの食肉偽装事件が大問題になったが、中国のニセ食品はより大胆だ。
 北京テレビ記者が、ヤミ食品工場に潜入取材、生々しい映像とともに報道した。
 ヤミ工場関係者の説明によると、古い段ボールを水酸化ナトリウムに浸し、溶かしたあと40%の豚肉、葱(ねぎ)をまぜ、豚肉味の香料など調味料で味付け、肉まんにして毎朝街角で売っていたという。色といい、食感といい、本物との見分けはつかず、このヤミ工場では毎日1000元(約1万6000円)分前後の肉まんを売りさばいていたという。関係者によれば、全国の肉まんヤミ工場がみなこのニセ肉まんの作り方を知っているとされる。
 中国では昨今、豚の感染症流行の上、世界的なトウモロコシの値上げで豚の飼料も高騰したため、養豚をやめる農家が激増、豚肉不足に陥り豚肉価格が高騰。このため、病死した豚の肉や水を注入した「水増し豚肉」が市場に普段より多く出回っていることに注意が喚起されていた。

◎携帯充電池、4割品質基準満たさず・中国広東省(2007年7月5日、日本経済新聞)
 中国広東省工商行政管理局は省内で流通する携帯電話機用充電池の品質調査で4割が基準を満たしていなかったと発表した。中国では甘粛省で携帯電話機の充電池が突然爆発、1人が死亡する事故が起きたばかり。充電池の安全性に対する消費者の不安が募っている。
 同管理局が市場で流通している充電池のうち、任意に集めた40種類の安全性能を調べた。問題のあった16種類の充電池には「ノキア」「モトローラ」の携帯電話機専用の充電池も含まれていた。いずれも安全保護機能が不十分で、過剰充電や過剰放電で発火や爆発する可能性があるという。
 ノキアやモトローラの携帯電話機は中国市場でシェア1、2位の人気製品。日本人を含め、中国で暮らす外国人も多く使っている。今回、問題となった充電池はメーカーの正規品でない可能性もあり、同管理局では「できるだけ正規品を選んで使ってほしい」と注意を呼びかけている。

◎報復? 干しブドウなど米国産食品相次ぎ不合格、中国(2007年6月30日、朝日新聞)
 中国政府は米国産の輸入食品に対して、安全検査を強め始めた。干しブドウ、カシューナッツなどについて、虫や大腸菌の混入を理由に中国の基準に「不合格」だとして廃棄し、輸入を差し止めた。中国メディアは、山東省青島で輸入した米国産栄養剤から基準値を超える鉛が検出された、とも報じた。
 中国は、先進国における安全規制の強化を貿易摩擦を背景にした中国製品の輸入規制と受け止める向きが強く、米国への対抗措置といえる。中国産歯磨き粉の問題では「人体の健康に影響はない」(中国政府)、「いわれなき批判で損失1000万ドル」(中国業界団体)と反発している。
 中国政府は昨年、日本の食品の残留農薬規制の強化に伴い、中国産品から不合格が続出した際も、日本産輸入品の摘発を続けた。

◎中国、労働者の権利保護を強化へ 雇用の長期化促す(2007年6月30日、朝日新聞)
 中国の国会にあたる全国人民代表大会(全人代)の常務委員会は29日、雇用契約の長期化を促すなど、労働者の権利保護を強化した労働契約法案を可決した。08年1月から施行する。
 中国では、山西省で明らかになった未成年者の強制労働など、正規の契約を結ばない雇用が横行し、労働者の保護が急務とされてきた。ただ、安い賃金を競争力としてきた企業には、負担となりそうだ。
 法案によると、働き始めてから1カ月を過ぎても書面契約を結ばない雇用主は、月給の2倍の割増賃金を支払わなければならない。また、同じ企業で勤続10年を超えたり、期限付き契約を2度更新したりした場合、労働者が希望すれば、基本的に無期限の雇用契約を結ぶことも義務づけた。派遣社員であっても、正社員と同じ仕事をした場合は、同じ賃金の支払いを受け取る権利がある、とした。また、労働者の権利に影響する社則の変更は、組合と協議するよう求めている。
 中国では労働契約を結んでも1年更新の企業が多いため、「安定に欠け、労働者の権益に深刻な影響を与えている」(全人代広報担当)として、雇用主に契約の長期化や退職時の補償金の支給を促す

◎中国、労働契約法を採択、労務コスト上昇へ(2007年6月30日、読売新聞)
 【北京=寺村暁人】中国の全国人民代表大会(全人代)常務委員会は29日、労働者の権利保護を強化した「労働契約法」を採択した。対象は外資系企業を含み、来年1月1日に施行する。
 中国では現在、契約期間の終了時に退職金を支払う必要はないが、同法施行後は「経済補償金」の支払いが義務付けられる。また、20人以上の人員削減を行う場合、労働組合か従業員の意見聴取と、当局への報告義務を盛り込んだ。
 さらに、連続して期限付きの雇用契約を行ったあと、再び契約する場合は無期限の契約にする必要が生じる。日系企業などにとっても「人員調節が難しくなるほか、労務コストも確実に上昇する」(メーカー人事担当者)見通しで、各社は対応に迫られそうだ。

◎中国、外資の審査強化へ、国内企業合併・買収時に(2007年6月29日、朝日新聞)
 中国政府は、外資が中国企業を合併・買収する際に、国家の経済安全保障の審査を強化する方針を固めた。28日も開会中の全国人民代表大会常務委員会で審議中の独占禁止法案に、国の安全保障審査の条文を付け加えた。具体的な規定は今後、詰める。
 現状の規定では、外資の合併・買収が重点産業にかかわり、国の経済安全保障に影響を与える可能性がある場合や有名商標、老舗(しにせ)屋号を持つ国内企業の支配権が外資に移転する場合は商務省に届け出て、承認を受ける必要がある、とされている。法案審議の過程で、経済の安全保障に影響を与える条件などがあいまいだとして、規定を具体化したうえで審査を行うべきだ、との主張を受けて、規制を強化する。
 国営新華社通信によると、04年以前は合併・買収による外資の投資は、海外からの直接投資の約5%だったが、05年には2割に近づいた、という。米投資ファンドによる建設機械会社の買収に強い反対が出るなど、外資に対して誘致だけでなく、排斥する動きも表面化し始めた。

◎中国の国有石油大手会長が辞任、不正容疑で取り調べ報道も(2007年6月27日、読売新聞)
 【香港=吉田健一】中国の国有石油大手・中国石油化工(シノペック)は26日までに、同社の陳同海会長が「一身上の理由」で辞任したと発表した。
 中国系香港紙・大公報は同日、陳氏は、不正を働いた疑いで関係部門の取り調べを受けていると報じた。
 不正の具体的な内容は不明だが、上海を舞台にした汚職に関与した疑いが浮上しているという。
 陳氏の後任には、蘇樹林・前遼寧省共産党委員会常務委員が就任する見通し。陳氏は2003年から同社会長を務めていた。

◎中国北部、8年続く異常干ばつ、五輪への影響も懸念(2007年6月26日、朝日新聞)
 中国北部で干ばつが深刻化している。北京の天安門広場では5月26日に最高気温が39度に達し、56年ぶりの高温を記録。異常な干ばつはこの8年間続いており、慢性的な水不足と砂漠化に拍車をかけている。来年夏に予定される北京五輪で、熱中症などの影響が出るのではないかと政府が危機感を高めている。
 北京から南西に約70キロ離れた河北省黄家屯村。前が見えないほどの砂ぼこりが舞い、芽生えたばかりの落花生は砂で根元が黄色くなっている。村民の話では、近くを流れる川は10年ほど前に枯れ、地下水も数年で底をつく恐れがあるという。
 「家の井戸も枯れてきた。これ以上深く掘るのは不可能だ。どう暮らしていくのか」。小麦で生計をたてる村の男性(58)は肩を落とした。
 中国北部の干ばつは8年連続で発生している。国家洪水干ばつ防止事務室によると、5月末時点で被害面積は約15万平方キロメートル。約900万人に影響が出ている。
 砂漠化も進み、政府部内での報告によると、中国北部の砂漠の総面積は約60万平方キロメートルに及ぶ。90年代末から毎年約3500平方キロメートルずつ増え、砂漠が北京市内から約70キロのところまで迫っている。
 水不足も悪化の一途だ。地表水はほぼ無くなり、北京から800キロ以内の主な河川は干上がった。大部分を地下水に頼っているが、300~400メートルまで掘らないと水が出ない状況だという。
 中国環境科学学会の魏復盛副会長は、過度の地下水採取がさらに地表を乾燥させていると指摘。「地球温暖化により干ばつの悪化が予想され、黄砂の発生や砂漠化を進行させる」とみる。
 来年8月に開催が迫った五輪への影響も懸念される。マラソンなどの屋外競技で熱中症などの被害が出る恐れがあり、国家体育総局陸上競技管理センターは道路脇のスプリンクラーの設置や救護所の増設を検討中だ。それでも、根本的な解決策にはならないという。

◎少年1000人を強制労働、中国山西省のれんが焼き工場(2007年6月14日、朝日新聞)
 14日付の中国紙・新京報などは、中国河南省鄭州市から1000人以上の少年が山西省にある闇のれんが焼き工場に連れて行かれ、強制労働させられていると伝えた。少年は食事を十分に与えられず、1日14時間以上も労働し、少しでも怠けると、頭から流血するほどれんがで殴られる過酷な状態に置かれているという。
 少年は鄭州市の駅などでだまされ、れんが工場の集中する山西省臨汾市や永済市に連れて行かれ、500元(約8000円)で売られた。最年少は8歳で、7年間働かされた少年もいた。
 自分の子供が悲惨な労働を強いられている父親約400人がインターネット上で救出を求めたのを契機に、河南省政府は事態を重視し、公安当局も行方不明者の実態把握や誘拐犯罪組織について捜査を本格化している。このネットには6日間で58万件のアクセスがあるなど、反響が広がっている。(時事)

◎偽ヤマハ・オートバイ、中国で1億2500万円賠償命令(2007年6月12日、読売新聞)
 ヤマハ発動機は12日、オートバイを製造・販売する中国の4社が「YAMAHA」などの登録商標権を侵害したとして損害賠償などを求めた訴訟で、中国の最高人民法院(最高裁)がヤマハ発側の主張をほぼ全面的に認め、4社のうち3社に約830万元(約1億2500万円)の支払いなどを命じたと発表した。
 中国での商標権侵害を巡る訴訟では、過去最高の賠償額とみられるという。
 ヤマハ発によると、浙江華田工業有限公司は、2000年に日本で設立されたヤマハ発とは関係のない「日本雅馬哈(やまは)」という会社と商号使用許諾契約を結び、「日本YAMAHA株式会社」などと記したロゴを付けたオートバイを中国国内で製造。ほかの2社は販売を行っていた。
 3社は、損害賠償のほかに中国のオートバイ専門誌での謝罪広告の掲載なども命じられたという。

◎中国での二輪車商標訴訟、ヤマハ発動機が勝訴(2007年6月12日、日本経済新聞)
 【北京=尾崎実】自社の商標を無断で使用されたとして、ヤマハ発動機が中国の二輪車メーカーなど計4社を相手取り、損害賠償などを求めた訴訟の判決が、12日までに最高人民法院(最高裁に相当)であった。同法院は商標権の侵害を認め、中国メーカーなどに約830万元(約1億3000万円)の支払いを命じる判決を言い渡した。
 ヤマハ発動機によると、中国企業を相手取った二輪車の商標を巡る訴訟では過去最高の賠償額。「中国での訴訟であいまいだった損害額の算定根拠を明確にし、多額の賠償を認めた。抑止効果が期待できる画期的判決」(日本貿易振興機構北京センター)という。

◎中国南部で洪水、66人死亡し897万人が被災(2007年6月11日、朝日新聞)
 国営新華社通信によると、湖南、広東、福建各省など中国南部で大雨による洪水が発生し、10日夜までに66人が死亡、897万人が被災した。
 民政省によると、家屋は4万8000棟が倒壊したほか、損壊は9万4000棟にのぼる。大雨は6日から降り始め、一部地域で大規模な洪水、土砂崩れ、土石流災害が起きた。

◎【円・ドル・人民元 通貨で読む世界】中国の暴走抑制に道筋(2007年6月10日、産経新聞)
 頻発する海外での中国製食品の有害物質混入の露見は、歯止めがかからない環境破壊と同じように、共産党官僚による13億人の統治システムが限界にきていることを暗示している。水や空気に加え食の安全確保は政治の基本なのだが、それを実現できないなら、体制が独裁的であろうと民主的であろうと政治支配者の正当性が問われる。
 北京指導部はそんな危機感を持っているのだろうが打つ手は相変わらず、中国の古いことわざにある通り「殺鶏嚇猴」(鶏を殺して、猿を脅かす)。だが、責任者だった国家食品薬品監督管理局の前局長を収賄罪で死刑にしようと、事態が改善するかどうか党中央のスーパー・エリートですら不安にさいなまれている。
 知り合いの北京の教育官僚は一切外食しない。昼食も30分以上かけて自宅にもどってとる。奥さんが厳選した安全な食材を料理する。家族をごっそり東京に移住させ、本人には逆単身赴任の北京エリートもいる。
 チャイナ・リスクとは予測がつかないことにある。古代中国の思想家、荘子の格言「成即毀(成れば壊れる)」は中国史そのものである。今の二けた成長の裏側をみれば、明らかに分裂、崩壊の危機の芽が多岐にわたって膨らんでいる。その危機がいつどこでどんな形に展開するのか、判断材料すらない。
 市場も環境もグローバル化した今、このリスクは中国に暮らす人々のみならず、日本など近隣アジア、さらに全世界を襲う。少なくても民主政治で、司法、立法、行政が分立し、幅広く多様な有権者の意見が政治に反映するなら、政治の先行きは予測できる可能性が高いが、北京では政治改革の動きすら封じられている。
 チャイナ・リスクをどう管理するか、という観点で考えると、今回の主要国首脳会議(ハイリゲンダム・サミット)で果たした日本の役割には意義がある。安倍晋三首相は渋るブッシュ大統領を説得し、米国に日本、欧州、カナダの合意を尊重し、長期的な目標を設定することを受け入れさせた。この合意をもとに米国と並んで中国、インドなど京都議定書に参加していない世界の二酸化炭素(CO2)排出量の4割以上を占める主要排出国が参加できる枠組みをつくる道筋を付けた。さらにサミットでは安倍首相の呼びかけで、知的財産保護の分野で模倣品や海賊版対策に関する多国間の枠組みを定めた新条約締結に向け、議論を加速させることでも一致した。
 中国関連合意は環境、知的財産権と分野が限定されているが、国際的なルールの枠組みの中に中国を引き込み、いわば多国的な「外圧」により、中国の暴走を抑えてゆく。日本、欧州、ロシアとも同意できたこと自身が、中国に対する強力なメッセージになる。特定国による外圧はナショナリズムからくる反発を呼ぶが、多国間の枠組みによる強制力は、「国際社会との調和」をめざす中国の指導部にとっても受け入れやすいはずだ。1990年代末、当時の朱鎔基首相は世界貿易機関(WTO)加盟に際し、国際的なルールという大義を使って国有企業改革を断行した。安倍首相の活躍を演出した日本外務省が中国を国際的な枠組みに追い込む意図を露骨に示すことは対中外交上まずいだろうが、サミットはこれから日本がとるべき対中国戦略の先駆けになった。(編集委員、田村秀男)

◎建設中の上海ヒルズ、400メートル突破、強風でも快適(2007年6月5日、読売新聞)
 【上海=加藤隆則】上海・浦東新区に森ビルが建設中の101階建て超高層複合ビル「上海環球金融中心」(高さ492メートル)が400メートルを突破、5日、90階部分が日本メディアに公開された。
 同階には強風対策として、150トンの重りをつり下げた「制振装置」2基を設置。風の加速度を40%軽減でき、「世界で最も厳しい日本の振動基準を満たした」(萩野谷昭二・同ビル副総経理)という。また、風の逃げ道を作るため、上層部は大きな台形の形にくりぬくデザインだ。
 9月に上棟、来春に完工の予定。アンテナなどを除いた軒高442メートルは、米シカゴのシアーズタワーを抜いて世界一の高さとなる。オフィス、ホテルのほか100階に世界最高の展望台を設置、94階にエレベーターによる自動車搬入も想定した展示スペースを設ける。
 同社は昨年11月、ビルプロジェクトの総称を「上海ヒルズ」(上海秀仕)と発表。ところが市当局から「名称の届け出がない」と抗議を受け、以来、「ヒルズは愛称。今後、漢字表記は用いず、英語表記のみ使用する」としている。

◎中国:「ニセモノ天国」続く、地方経済の中核に(2007年5月31日、毎日新聞)
・中国・長江デルタ地域の地図
 映画や音楽ソフトの海賊版など知的財産権保護への取り組みが不十分だとして、米国が中国を世界貿易機関(WTO)に提訴したことを受け、WTO小委員会による審議が近く始まる。中国政府は偽ブランド取り締まりの努力を訴えているが、ディズニーなどに酷似したキャラクターがあふれる遊園地が非難を集めたように海外の目は厳しい。中国の市場は依然、「ニセモノ天国」の状況が続いている。【北京・大塚卓也、上海・大谷麻由美】
 中国政府は、偽ブランド商品や海賊版ソフトの最大の生産・流通拠点という汚名を返上するため、商標や特許など知的財産権保護にかかわる法律を次々と改正、「法律と執行制度はほぼ整った」と強調する。だが、中央政府でつくった法律も、地方政府など執行機関の末端に近づくほど徹底されていない。
 大きな要因と指摘されるのが、手口がますます巧妙化していることだ。日本や韓国の企業に被害が多い電器製品では、製造業者が偽物の商標を付けて出荷するのはまれだ。「正規に似せた『SONY』『Canon』などの偽商標が、流通段階で付けられて販売されている」(日本メーカー幹部)ため、違法業者の特定が困難という。
 「Panesonic」「Sanyou」など正規ブランドと微妙に違う偽商標品の場合、購入者が偽製品と分かって買っているため、当局もほとんど放置している。
 拍車を掛けているのが地方政府による「地元経済優先主義」だ。偽物の製造業者が地域経済の中核を担い、雇用を抱えているほか、税収源になっている例も多い。「中央の号令も省以下の地方政府では形骸(けいがい)化している」(日本貿易振興機構北京センター)という。特に上海周辺の華東地区や、広東省などの華南地区など一大拠点とされる地域では「『偽物』がすでに産業構造に組み込まれている」との指摘もある。

◇取り締まり来たら隠す--上海の偽ブランド店街
 上海・浦東新区の上海科学技術館地下にある商店街「亜太盛匯」。バッグや財布を売る小さな店がにわかに騒がしくなった。「(市の監督機関)工商局が検査に来る」。地方出身の女性たちが有名ブランドのルイ・ヴィトンやシャネル、コーチの偽ブランド品を奥の部屋に隠し始めた。当局による取り締まりは以前より頻繁になったが、乗り切るのは難しくない。
 亜太盛匯に偽ブランド店が急増したのは昨年7月以降だ。ガイドブックにも紹介されていた市内の偽ブランド街・襄陽市場が昨年6月末に閉鎖されたが、偽ブランド品の店主たちは亜太盛匯などに引っ越して商売続行中だ。客引きが日本人客に「トケイ、ヤスクスルヨ」と声を掛けてくる姿に変わりはない。
 カラフルなデザインのナイロンバッグが人気の米国のブランド「レスポートサック」は4月、上海の繁華街に専門店をオープンした。だが、上海では広東省広州製の偽バッグが数年前から売られ、亜太盛匯にも1年前に登場した。値段は10分の1以下。売り子は「こちらの売り上げには全く影響ない。困っているのはあちらだろうね」と意に介さない。

◇民族系国産車の外観、外車とうり二つ--GMは静観
 日本貿易振興機構北京センターの経済視察団に同行し、今月中旬、安徽省蕪湖市の自動車メーカー、奇瑞汽車本社を訪ねた時だ。車体組み立て工場入り口に並ぶ展示車両を撮影しようとしたところ、説明役の職員が「工場内は一切撮影禁止です」と制止した。
 当初は工場の生産ラインを見学できる予定だったが結局、販売計画を聞かされただけ。視察団の一人は「自信のなさの表れでしょう」とつぶやいた。
 中国には日米欧などの世界的有力メーカーの技術供与を受けて合弁生産する第一汽車、上海汽車など国営メーカーのほかに、90年代後半以降に地方政府などの主導で自動車生産に参入した「民族系」と呼ばれるメーカーが林立する。奇瑞はその筆頭格で、3月の販売台数は4万4568台と国内首位に立った。
 しかし、内実は海外の技術の「寄せ集め」の色彩が濃い。販売拡大の原動力になった小型看板車種「QQ」(03年生産開始)の外観は米ゼネラル・モーターズ(GM)の小型戦略車「スパーク」と、うり二つ。コピー車の典型例だが、最低価格を3万元弱(約44万円)と外資系競合車の半値程度に抑え、中流層ユーザーの人気を集める。
 当初、知財権侵害訴訟に発展するとの予想が多かったが、「QQ」の生産ラインは経営難を機にGM傘下に入った韓国・大宇から導入したとされ、GMは静観を続けている。エンジン生産ラインは米フォードの英国工場の中古ラインを購入し、その後、内製化したとされている。李立忠副社長は「生産設備は国内、海外から幅広く調達している」と説明する。
 奇瑞は米自動車販売会社と組み、08年から米国市場に乗用車を輸出する計画だったが、昨年破談になった。蕪湖市幹部は「品質水準が米社の要求に達していなかったのも理由の一つ」と認める。今後、民族系メーカーが日米欧などへの進出計画を本格化した場合、「知財問題」に再び火がつく可能性もある。

◇江蘇省と日系企業、「知的財産権」で組織
 「江蘇省は地方保護主義ではない。模倣品は撲滅する」。上海や江蘇省を含む長江デルタ地域に進出する日系企業・団体で構成される「上海知的財産権問題研究グループ」(加盟社数114社)と江蘇省の協力機構「ブランド保護連携フォーラム」が4月に設立された。同省南京市で開かれた総会で、省質量技術監督局の夏鳴局長はこう強調した。
 江蘇省のように地方政府が外資系民間組織と知的財産権保護に向けた組織を設立するのは珍しい。仇和・副省長は「知的財産権の保護事業は江蘇省の国際的イメージをアップさせ、経済全体の発展を促す」と述べた。
 長江デルタ地域に進出する日系企業は1万社を超える。中国最大の集積地であり、知的財産権の被害も集中している。省は知的財産権の保護活動を強化することで、投資環境を整備し、外資の一層の呼び込みを図る狙いがある。

◇昨年、3507人が有罪--政府、「氷山の一角」示唆
 中国政府は4月中旬に知的財産権侵害案件の取り締まり状況を発表し、公安当局などが昨年1年間に国内で押収した海賊版出版物などの数はCDなどの音楽ソフト4800万枚、雑誌110万冊、ゲームソフト379万枚余りに上ったと取り締まりの成果を強調した。知財権侵害で2277件を刑事事件として処理し、3507人に有罪判決が下ったという。
 ただ、具体的なケースや比較できるデータが不明確であるほか、取り締まりが氷山の一角に過ぎないことは政府自身が示唆している。国家知識産権局の尹新天報道官は記者会見で、北京、上海、深センなどの一部の商業施設では当局が偽ブランド販売禁止の通達を出したにもかかわらず、消費者がニセモノ商品を買い求めて来ることを例に挙げ、取り締まりの限界に理解を求めた。
 北京では、市政府が取り締まり強化姿勢を示しているが、「製造業者をつぶさない限り続く」(関係者)との指摘が多い。

◎中国:せき止め薬死亡で反論「原因はパナマ企業側」(2007年6月1日、毎日新聞)
 【上海・大谷麻由美】中米パナマで昨年、中国産原料が含まれるせき止め薬を服用した100人以上が死亡したとされる事件があり、中国政府は31日、「原因はパナマ企業側にある」という調査結果を発表した。
 中国から輸出される食品、医薬品、鍋などの食器類などから人体に有毒な物質の検出が相次ぐなか、中国は信用回復のために急きょ調査結果を公表したが、自国に責任がないことを強調する姿勢に各国の消費者の不信はかえって強まる可能性がある。
 事件は昨年秋、せき止めシロップ薬を飲んだ多数の市民が死亡。米ニューヨーク・タイムズ紙は5月、原因は薬の原料として使われた中国製のグリセリンだと報じた。
 国家質量監督検験検疫総局の魏伝忠・副局長は会見で、江蘇省にあるグリセリン生産工場と、製品を輸出した北京の貿易会社の調査結果を発表した。貿易会社は03年、医薬品に使用できない工業用グリセリンをスペイン企業に1万キロ以上輸出した。その際、医薬品に使用できないことは通達したという。その後、スペイン企業がパナマ企業にこのグリセリンを輸出。パナマ企業が医薬品に使用できると偽って薬品原料にしたという。
 副局長は中国からの輸出の際、実際の成分を説明せず包装には別の製品名を表記した「規範の問題」があったと明らかにしたが、「主な責任はパナマ企業だ」と強調した。
 また、パナマなどでジエチレングリコールが含まれた中国製練り歯磨き2種類が見つかった事件もあり、魏副局長は「毒性の低い物質」として、大量に摂取しなければ問題はないとした。
 魏副局長は、中国製品の安全性に対する信頼が揺らいでいることについて「消費者の健康と安全を確保するため、政府の監督部門は更に厳格な管理を進める」と述べた。

◎「パナマの業者に責任」中国、有毒薬品輸出で釈明(2007年6月1日、朝日新聞)
 中米パナマ向けに輸出された中国産の風邪薬の原料と歯磨き粉から毒性物質が検出された問題で、中国の国家品質監督検査検疫総局は31日、調査結果を発表した。いずれも毒性のあるジエチレングリコールが含まれていたことを認めたが、「輸出企業は薬として使われるという認識はなく、偽造薬として販売したパナマの業者に責任がある」と釈明した。
 同総局の魏伝忠副局長が会見した。説明によると、北京の貿易会社が03年夏、15%のジエチレングリコールが含まれた「工業用グリセリン」をスペインの貿易会社に輸出。この際、スペイン側には医薬品に使用できないことを説明したというが、さらにパナマに輸出され、同国の業者が「薬用純正グリセリン」と改ざんして販売。これが風邪薬に使われ、100人が死亡したという。
 歯磨き粉は、江蘇省の化学工場が製造したもので、同じくジエチレングリコールが含まれていた。同総局は「ジエチレングリコールの毒性は低く、少量含まれた歯磨き粉を使用した場合の人体への影響は因果関係がわからない」と説明した。

◎せき薬死亡、原料輸出の中国・副局長「原因はパナマ側に」(2007年5月31日、読売新聞)
 【北京=杉山祐之】中米パナマで昨年、中国産毒性原料を含むせき止め薬を服用した人が多数死亡、中国の医薬品、食品への信用を失墜させた事件で、中国国家質量監督検験検疫総局の魏伝忠・副局長らが31日、北京で記者会見し、主な原因はパナマ企業側にあるとの調査結果を発表した。
 魏副局長によると、中国江蘇省の企業が2003年、グリセリンの代用品となる工業用製品「TDグリセリン」を、スペイン企業に薬には使えないと念を押した上で1万キロ以上輸出。後日、スペインから「TDグリセリン」を輸入したパナマ企業が、米国で薬に使用できる物質と偽って薬の原料にしたという。
 魏副局長は、パナマで毒性物質を含む中国産練り歯磨きが見つかったとされる件でも、安全上の問題はないと語った。

◎受動喫煙で年間10万人死亡、5億人以上が被害、中国(2007年5月30日、朝日新聞)
 喫煙人口が世界最多の3億5000万人に上る中国で、受動喫煙による被害が広がり、年間10万人以上が死亡していることが、衛生省の「喫煙抑制報告」で30日までに明らかになった。同省は「受動喫煙の危害が深刻に受け止められていない現実に対し、科学的証拠を列挙した」とし、被害拡大に警鐘を鳴らすとともに、公共の場所などでの禁煙立法の必要性を訴えている。
 同報告によると、受動喫煙の被害者は5億4000万人で、うち15歳以下が1億8000万人。受動喫煙が原因の肺がんや心臓病などによる死者は年間10万人以上と推定されるという。(時事)

◎化学工場建設反対のデモを、携帯メールで呼びかけ、中国(2007年5月30日、朝日新聞)
 中国福建省アモイ市の住民の間で化学工場建設反対のデモを呼びかける携帯メールが飛び交っている。経済優先で計画を進める政府への反発を住民がメールで広げている模様だ。
 30日付香港紙「香港経済日報」などが伝えた。それによると、数日前から「6月1日午前8時、腕に黄色いリボンを巻いて抗議しよう」といったメールが広がっている。
 同市は昨年、台湾資本のベンゼン工場などを誘致。「アモイ史上、最大の投資プロジェクト」と言われる大型事業だが、建設地が市街地に近いため、住民から健康被害を心配する声が続出した。全国政治協商会議委員らも計画の中止を求めたが、市政府は明確な回答を示していないという。
 05年春の反日デモで携帯メールが参加呼びかけの道具になるなど、中国では住民が当局の監視の目をかいくぐり、携帯メールで情報を共有するケースが増えている。

◎中国、食の安全遠く、偽薬承認で収賄の元局長に死刑判決(2007年5月29日、読売新聞)
 【北京=杉山祐之】新華社電によると、北京市第1中級人民法院(地裁に相当)は29日、偽薬承認の見返りに巨額の賄賂を受け取ったなどとして収賄、職務怠慢罪に問われた国家食品薬品監督管理局の鄭篠●(てい・しょうゆ)・前局長(62)に対し、死刑の1審判決(中国は2審制)を言い渡した。(●は草冠に諛のつくり)
 現在、中国製医薬品、食品の安全性に対する信頼が内外で大きく揺らいでおり、判決には信頼回復を図る当局の狙いもありそうだ。
 同局は、食品、医薬品、化粧品などの安全管理を総合的に監督する政府機関であり、「食、医の安全」を守る砦(とりで)といえる。
 だが、鄭被告は、同局の前身である医薬管理局の局長時代なども含め、1997年6月から2006年12月にかけて、医薬品、医療機器の許認可を巡り、製薬会社8社から計649万元(約1億円)相当の金品を受け取っていた。01年からは、虚偽の申告資料に基づく薬品に生産許可を与え、うち6製品は偽薬だったという。
 法院は、極刑とともに、政治権利の終身剥奪、全財産の没収も命じた。
 中国外務省の姜瑜・副報道局長は29日の記者会見で、判決に関して「中国政府は食品、薬品の安全を一貫して重視している。国際社会とともに努力し、中国の食品の安全と信用を守りたい」と述べた。
 外務省が、医薬品、食品の安全確保を強調しなければならないほど、中国製品の信用失墜は著しい。
 米国などでの報道によると、中米・パナマで昨年秋、中国産の有毒物質を含むせき薬を服用した100人以上が死亡。同国ではさらに、毒性物質を含む中国産練り歯磨きが見つかり、現在、調査が続いている。米国では、やはり中国産原料を含むペットフードを食べた犬や猫が大量死した。
 中国国内では、食や医の安全を脅かす事件が頻発している。昨年来、発ガン性物質を含む着色料などを使って製造された食品が続々と見つかっている。魚の養殖などでも発ガン性物質は使用される。防腐剤や甘味料を調合した人工ハチミツ、廃油で作った食用油、工業用漂白剤を使用したしらたきもあった。農産品の残留農薬、偽薬も大きな問題であり続けている。
 食、医の安全に向けた政権の決意は強い。胡錦濤国家主席は先月、「食の安全の業務を全面的に強化せよ」と指示した。29日付の英字紙チャイナ・デイリーによると、政府当局者は食品輸出管理を強化する考えを示した。これに、司法の厳罰姿勢が加わる。
 だが、安全軽視の風潮は、死刑判決を受けた鄭被告ら汚職に走る政府の担当官からヤミ業者まで広い範囲に及ぶ。政権の姿勢が、現状をどこまで改善できるかは不透明だ。

◎中国、無許可食品の海外流出認める、安全検査強化を強調(2007年5月29日、産経新聞)
 中国の食品衛生当局は、国内で輸出許可を得ていない「違法な食料品」が大量に海外に出回っている実態を認め、今後、安全、衛生検査体制を強化し、検査に合格した食料品のみを外国に輸出する考えを強調した。29日付の英字紙チャイナ・デーリーが報じた。
 中国の国家品質監督検査検疫総局などによると、4月に米国が中国から輸入した品質に問題がある食料品のうち、56%以上が無許可だった。
 同当局者は「こうした違法な食料品が中国産の評判を傷つけている」と認め、外国企業に対し、中国当局の許可を得ていない食料品を輸入しないように呼び掛けている。

◎中国の前食品局長に死刑判決(2007年5月29日、日本経済新聞)
 【北京=宮沢徹】中国・新華社電によると、北京市第一中級人民法院(地裁)は29日、鄭篠萸・前国家食品薬品監督管理局長に死刑判決を言い渡した。政治権利の終身剥奪(はくだつ)も命じた。前局長は2005年6月まで局長を務め、その後、中国薬学会理事長に就任。医薬品の許認可権限を利用して、649万元(約1億円)のわいろを受け取ったとされ、収賄罪とともに、職務怠慢の罪で起訴されていた。

◎三井物産、中国に鋼材加工拠点・宝鋼集団と共同で(2007年5月28日、日本経済新聞)
 三井物産は年内にも、中国で現地の宝鋼集団と共同で鋼材の加工・流通拠点を2カ所新設する。設備投資は合計で約20億円。山東省に設けるコイルセンターからは自動車業界向けに鋼板を供給。広東省の物流拠点では宝鋼の製品を保管し、需要家に販売する。中国では経済発展により鉄の消費量が拡大しており、拠点を拡充することで事業基盤の拡大を図る。
 山東省烟台市のコイルセンター「烟台宝井鋼材加工」には三井物産が35%、宝鋼が65%出資した。加工能力は年11万トンで、主に上海GMに販売する。

◎世界揺るがす中国毒物禍、米「輸出企業を登録制に」(2007年5月26日、産経新聞)
 【ワシントン=渡辺浩生】中国産の食品や医薬品から有毒物質が発見されている問題で、米政府は24日、訪米中の中国の関係閣僚に対し、米国向け輸出企業を登録制にするなど監視強化を要請した。中国産原料を使ったペットフードを食べた犬猫が相次ぎ中毒死したのに続き、中国製練り歯磨きに有毒化学物質ジエチレングリコールが混入していたことが明らかになり、中国の医薬品や食品に対する不信感は広がる一方だ。
 「消費者の信頼を得られない国家が世界市場で失望を買うことぐらい、彼らもわかっている」
 レビット米厚生長官は24日、訪米中の高強衛生相らと会談後、報道陣にこう語った。
 中国に対し米側が求めたのは(1)米国向けに食品や飼料、医薬品を輸出する企業の登録義務付け(2)未登録企業の輸出禁止(3)厚生省・食品医薬品局(FDA)の検査官による現地企業の査察実施への協力-など8項目。これに対し、中国側は要請を持ち帰るとし、即答を避けた。
 3月に発覚したペットフード禍は、汚染原因である有機化合物メラミンの特定や流入経路の追跡に手間取り、汚染ペットフードを食べた大量の鶏や豚が出荷された。FDAの現地調査も足止めをくらった。この苦い教訓を生かして、透明性向上を図ろうというものだ。
 こうした中で、致死量のジエチレングリコールが混入した中国産練り歯磨きがパナマ、ドミニカ共和国、オーストラリアで相次ぎ発見された。FDAは中国産練り歯磨きの全貨物の検査に着手。「米国への流入は確認されていない」(レビット長官)が、ロイター通信によると、米国にとって中国はカナダに次ぐ2番目の練り歯磨き輸出国だけに懸念は拭いきれない。
偽アンコウも…なんとフグ輸出
 さらに24日には、中国産アンコウと表示された箱入りの魚約128キロのリコール(自主回収)をカリフォルニア州の輸入業者が発表した。それによると、“アンコウ”を食べたシカゴの住民2人が倒れ、フグの毒として知られるテトロドトキシンが検出されたという。FDAでは、フグをアンコウと偽表示して輸入されたとみている。
 中国側の安全管理や法令順守意識が未熟であるにもかかわらず、農務省によると、2006年の中国からの農産物輸入は前年比20%増の23億2705万ドルで、02年から倍増した。米紙ワシントン・ポストによると、そのうちFDAが水際で検査できるのは全体の1%以下。それでも今年1~4月に298の貨物の輸入が差し止められた。
厚労省が「危険食品」の情報収集着手
 中国産の食品や医薬品の安全性に懸念が広がる中、厚生労働省は、中国から輸入される食品などに関する情報収集に乗り出している。米国で見つかった「危険食品」についても情報収集を進めており、水際での対策強化も検討している。
 過去には日本でも、基準を超える抗菌性物質が検出された中国産ウナギや、発がん性の疑われる物質で加工された乾燥果実などが見つかった。厚労省は、違法物質が検出された食品について、検疫所の検査の強化を図るなど対策を取ってきた。一方、パナマなどで見つかった毒性物質の入った練り歯磨きは日本では確認されていないという。
 厚労省によると、練り歯磨きは化粧品か医薬部外品に分類され、販売には薬事法に基づく製造販売業の許可が必要だ。海外から原料として取り寄せる場合も製造工程の明らかな原料でなければ使えない。製造販売業者の品質・安全管理基準で、製造工程の確認が義務付けられているためだ。
 厚労省はこれまでのところ「違法な原料や医薬品が輸入される可能性は低い」としている。

◎中国産アンコウにフグ混入、米当局、患者発生で注意喚起(2007年5月26日、朝日新聞)
 米食品医薬品局(FDA)は25日までに、「中国産アンコウ」として出荷された魚に猛毒を持つフグが交ざっている恐れがあると、消費者に注意を呼びかけた。シカゴでこの魚を使ったスープを食べた2人が体調不良を訴え、1人は入院。FDAが検査したところ、フグ毒の成分テトロドトキシンが検出された。魚を輸入販売したカリフォルニア州の業者は自主回収に乗り出した。
 FDAによると、テトロドトキシンは致死量が含まれている恐れがあるという。「中国産アンコウ」は昨年9月から282箱(1箱約10キロ)が同州のほか、イリノイ州、ハワイなどの卸業者を通じて販売された。商品の箱には「冷凍アンコウ」「中国産」などの表示があり、成分表示にも同様に書かれていたという。
 FDAは、毒性を考慮してフグの輸入には厳しい基準を適用しているが、今回輸入した業者はこうした基準を満たしていなかった。この魚を輸出した中国の業者の商品については、全量検査を行っているという。
 米国では中国の原材料を使ったペットフードが原因で犬や猫が死亡する例が相次いだことをきっかけに、中国の食品や医薬品の安全性に対する懸念が強まっている。

◎中国製の土鍋から鉛、上薬から溶け出す?(2007年5月25日、読売新聞)
 札幌市の男性が今年1月、市内にある家具製造販売大手の量販店で購入した中国製土鍋を使用中、鍋の縁から鉛が溶け出していたことが25日、わかった。
 鉛は食品衛生法が定める基準値(2.5ミリ・グラム/リットル)を下回る1.8ミリ・グラム/リットルだったが、量販店は土鍋を撤去した。北海道立消費生活センターは、土鍋の縁に塗られた上薬から鉛が溶け出した可能性が高いとみて、厚生労働省、北海道、札幌市に事例報告した。
 同センターによると、男性は自宅で、この土鍋を使って2時間ほど水炊きしたところ、鍋の縁から銀色の液体が溶け出しているのに気付き、量販店側に連絡した。同店がテストしたところ、液体は法定基準値以下の鉛を検出した。原因などについては不明だったため、男性は3月、同センターに苦情を申し出た。
 同センターでも土鍋を取り寄せて検査し、縁から鉛が溶け出すのを確認した。同センターなどは、量販店と仕入れ先の新潟県の業者に対し、原因を究明するよう指導した。

◎米が中国産練り歯磨き検査、パナマなどで有毒物質検出(2007年5月24日、産経新聞)
 パナマやドミニカ共和国で中国産の練り歯磨きから致死量の有毒物質ジエチレングリコールが検出されたとして、米食品医薬品局(FDA)は、中国から米国に輸入されるすべての練り歯磨きの積み荷を検査すると明らかにした。ロイター通信が23日報じた。
 米国では、中国産のペットフードの原料や家畜用飼料に化学物質が混入していたことが大きな問題となっている。
 FDAによると、米国向けの練り歯磨きが汚染されているという確証はなく、検査は「予防的措置」としている。パナマの検査官は、中国から2種類のブランドの練り歯磨きが自由貿易区を通じて違法に輸入されたと話しているという。ブランド名は不明。
 ジエチレングリコールは車の不凍液に使われる有毒物質で、独特の甘味がある。日本では過去にワインへの混入が問題となった。

◎「一人っ子政策」に反発、地元政府取り囲み放火も、中国(2007年5月21日、朝日新聞)
 中国広西チワン族自治区南部の博白県で、地元政府による「一人っ子政策」の違反取り締まりに住民が反発し、数千人が政府の建物を取り囲んで放火するなど緊張が高まっている。武装警察隊などが沈静化を図っているが、けが人が出ている模様だ。
 騒ぎが起きたのは19日。香港紙などによると、同県農村部の四つの地域で放火するなどした。中国では少数民族などの特例を除き、2人以上の子どもを産むと罰金が科せられる。香港紙によると、同県の担当部門は上位機関から「管理が甘い」と批判されたため、3月から取り締まりを強化したという。
 同県に住む30代の女性は電話での取材に「当局は違反者に数万元、数十万元と勝手な罰金を科し、払わないと家財道具を取り上げていった」と話した。
 一人っ子政策を巡っては、山東省の人権活動家が政府による強制堕胎の実態を告発し、国際的な批判が出ている。

◎中国新幹線、備品盗難はじめ「非文明的行動」相次ぐ(2007年5月20日、産経新聞)
 【北京=野口東秀】日本やフランスなど各国の技術を導入したのに「国産」と宣伝している中国版新幹線が早くもピンチだ。4月18日から各地で時速200キロ以上の高速運転が始まったが、乗客による車内の備品持ち去りが後を絶たない。来年の北京五輪に向け、どうすればマナーが向上するのか中国指導部も頭が痛い。
 「社会公民の恥。中国人のイメージに悪影響を与える。五輪に向けこうした非文明的行動は注意しなくてはならない」。国営新華社通信(電子版)は乗客のマナーに疑問を投げかけ、処罰が有効策と指摘している。
 新華社によると、河南省鄭州市の検査場で検査員約100人は車内を点検して嘆いた。手洗い場のセンサー式蛇口、手洗いや排水の備品が消え、飲みかけのジュースが座席に放置されていた。
 中国各紙によると、信じられないほど備品が持ち去られている。トイレットペーパーに緊急脱出用のハンマー、便座の温度調節用つまみ、トイレットペーパーホルダーの軸など。センサー式蛇口のように持ち去っても何に使うのか想像もつかないものも含まれている。
 座席の物入れ網が破かれたり、トイレで喫煙したり、通風孔へのごみ投入、緊急用ボタンへのいたずら、トイレの水を流さない-など悪質なマナー違反も目につく。さらには大声を出したり床にたんを吐くなど傍若無人に振る舞う、足を前の座席に投げ出して足のにおいを発散させるなど周囲の迷惑を省みない行動もあるという。
 日本の新幹線車両をベースにしたCRH2など高速列車の愛称は「和諧(わかい)(調和)」号。名前は立派だが、車内の様子は公共精神の欠如を物語っている。

◎中国産ペットフード禍、背景に食のグローバル化(2007年5月18日、産経新聞)
 米国で中国産ペットフードを食べた猫や犬が次々に死ぬ事態が起き、このペット王国を揺るがしている。“犯人”は、原料の小麦グルテンに混入した有機化合物と判明し、食物連鎖による人体への影響すら懸念されて、波紋が広がった。今回の騒ぎは、グローバル化の時代、1国の農産品や食品の安全管理体制がズサンだと禍(わざわい)は世界に及ぶということを改めて教えている。(ワシントン、渡辺浩生)
 発端は3月中旬、カナダのペットフード大手メニュー・フーズ社が犬猫用フードのリコール(自主回収)を発表したことだった。半生状ペットフードを食べた猫や犬が腎(じん)不全で死亡するケースが北米で相次いだためで、回収の対象は95種、6000万点に上った。
 米国は、無人島に同伴者を1人連れて行くとしたら「ペット」と半数が答えるといわれるほどのペット王国。全世帯の43%が犬を、37%が猫を飼っており、被害も当然、米国に集中した。米食品医薬品局(FDA)によると、飼い主から寄せられた苦情は1万7000件、死亡したケースは数千件に達し、リコールを公表したペットフードメーカーも12社に広がった。

・有機化合物メラミン混入
 原因は、ペットフードの原料である小麦グルテンに有機化合物メラミンが混入していたことだ。メラミンは、尿素とアンモニアを反応させて製造され、主に合成樹脂の材料に使われる。
 製品化されなかったペットフードは飼料としても養鶏場や養豚場に出荷されていて、豚6000頭、鶏2000万羽も汚染飼料を食べたとして出荷を差し止められた。汚染小麦グルテンは養殖魚の餌の原料にもなり、約200カ所の養殖場や孵化場で使われていた。人体への影響まで懸念されだしたのだ。
 FDAは「メラミンは極めて微量。危険度は極めて低い」とし、検査の結果、メラミン入りの飼料を食べた鶏、豚は食品として安全だと宣言した。小麦グルテンは一般に、食肉や魚の加工品、ベビーフードにも使用される。この点についても、「食品の原料として直接使われた証拠は得ていない」(FDA)という。

・飼料価格つり上げの手口
 だが、今回、中国の農産品、食品の安全管理体制への不信は決定的となった。
 中国当局も今月、タンパク質の含有量を多く見せかけるため、メラミンを添加した小麦グルテンを輸出していたと見て、江蘇省と山東省の食品輸出業者2社に対する捜査に着手した。家禽の一大産地である山東省では、この増量方法は、飼料価格つり上げの手口として知られていたという。
 ただ、FDAが汚染経路を特定すべく派遣した調査官が現地入りしたときには、輸出業者の施設は閉鎖され、「見るべきものは何も残っていなかった」(米紙ワシントン・ポスト)。
 米環境消費者団体「環境防衛」のレベッカ・ゴールドバーグ氏は「農業のグローバル化に伴い、ある国の不正が一見、無関係な他の多くの人々に影響するようになった」と、同紙に指摘する。実際、中国産食糧の米国向け輸出は過去26年間で20倍に膨らんでいる。
 問題の小麦グルテンは日本には入っていないとはいえ、水際でのチェック体制強化を怠ってはならない。

◎中国、WHOに9億6000万円寄付(2007年5月17日、産経新聞)
 【北京=福島香織】中国の高強衛生相は15日、ジュネーブで開かれている第60回世界保健機関(WHO)年次総会に出席し、WHOに800万ドル(約9億6000万円)の寄付を行うと発表した。16日、国営新華社通信がジュネーブ発で伝えた。高衛生相は「この寄付金は主にアフリカなど発展途上国での保健・疾病監督ネットワーク設立、疾病予防・治療および突発的公共衛生事件への対応能力向上に役立てられる」と説明、対アフリカ外交の一環であることもうかがわせた。
 今年1月に中国の後押しで香港出身のマーガレット・チャン氏が事務局長に就任した後の初の年次総会で、中国はWHOを通じた保健分野における国際的な発言力強化の姿勢を示した。大手ポータルサイト・新浪掲示板に寄せられた中には「台湾をWHOから排除するためなら、800万ドルは当然」「WHOやアフリカとの距離をつめる一石二鳥の策」と支持する声のある一方で、「国内の医療問題を解決してからにしろ」という非難の声も少なくない。
 WHO年次総会は14日、台湾の加盟問題の議題申請を却下していた。

◎光化学スモッグは中国発? 環境研・九大が推計(2007年5月13日、朝日新聞)
 日本列島が高気圧に覆われ各地で今年一番の暑さになった今月9日に、九州北部から関東まで20都府県以上で観測された光化学スモッグは、中国大陸で発生したオゾンが主原因だったらしい。西風でオゾンが運ばれてきた様子が、九州大学と国立環境研究所によるシミュレーションで再現された。以前から指摘されている「越境汚染」の可能性を裏付けるものだ。
 光化学スモッグは、光化学オキシダント(主成分はオゾン)が起こす。オゾンは、自動車や工場などが出す窒素酸化物などの大気汚染物質が日光を浴びるなどして生じることが知られている。
 10年以上前からアジアの光化学スモッグを研究してきた九州大応用力学研究所の鵜野伊津志(うの・いつし)教授、環境研の大原利真(としまさ)・広域大気モデリング研究室長らのグループは、中国や日本を含むアジア各地の大気汚染物質の排出量を、エネルギー消費や車の台数などから推計。オゾン生成の化学反応や風向・風速を加味して、地上でのオゾン濃度の変化を数値計算した。
 それによると、6日午後3時では中国沿岸部などに高濃度の地点があるが、日本は各地とも低濃度だった。ところが、東シナ海の高気圧の北側に西風が吹き、7日から9日にかけて、高濃度のオゾンが中国から日本に広がったとの結果が出た。
 九州などに広がったオゾンは8日時点で、地域によっては光化学スモッグ注意報の発令基準(0.12ppm)に近い濃度レベルに達する、との計算結果で、8、9日に日本国内で実測された光化学オキシダントの濃度分布などとよく合っていた。
 光化学スモッグは70年代がピークだったが、近年、再び各地で注意報の発令が増えている。特に九州北部や日本海側での発令が目立ち、9日には新潟県で72年の観測開始以来初の注意報が出された。こうした特徴や、日本の大気汚染が規制で改善傾向にあることから、研究者の間では中国からの越境汚染の影響が大きいとの見方が強かった。
 大原室長は「国内で光化学スモッグの原因物質をさらに減らすと同時に、越境汚染について国際的なルールを作る必要がある」と指摘している。

◎北京“偽ディズニー”当局指導、大あわて模様替え(2007年5月12日、産経新聞)
 【北京=福島香織】ミッキーマウスそっくり人形やディズニー風アトラクションなどで“北京のディズニーランド”と人気を集めていた国営遊園地「石景山遊楽園」が12日までに、大あわてで模様替えを行った。米ウォルト・ディズニー社が北京市版権(著作権)局に「著作権侵害だ」と通報、同市版権局の指導を受けたからだ。
 同園は「ディズニーは遠すぎる、石景山遊楽園においで!」を宣伝文句にミッキーマウスや白雪姫などディズニー・キャラクターからドラえもん、ハローキティまで国際的人気キャラクターを勝手に使用したパレードなどで人気を呼び、年間入場者数は150万~200万人に達した。
 しかしこのメーデー休暇に日本のフジテレビなどが著作権侵害ぶりを相次いで報道。証拠映像が米動画投稿サイト「ユーチューブ」で世界中に配信され、ディズニー本社の知るところとなった。
 11日付の新京報によると版権局はすでに独自調査を行い、著作権侵害疑惑のある看板や玩具などを撤去するように指示した。12日現在、ミッキーマウスなどが描かれていた看板はエビやカニの模様に塗り替えられ、ディズニー風の人形も撤去された。みやげ店の売り子は「ミッキーマウスなんて見たこともありません」と口裏を合わせていた。だが、シンデレラ城などのそっくり施設はそのままだ。
 当初、遊園地側はミッキーマウスに見えるキャラクターはオリジナルの「大耳猫」と主張。だが中国の大手ポータルサイト「新浪」のネットアンケートでは65.84%が著作権侵害とみている。

◎物権法採択も、北京のマンション開発、立ち退き拒否に荒業(2007年5月12日、産経新聞)
 【北京=野口東秀】マンション開発が進む北京の住居区でツルハシやモリ、棍棒(こんぼう)などを手にした100人近い“武装集団”が今月8、9日未明、立ち退きを拒否していた住民の寝込みを襲い住宅二十数戸をたたきつぶした。マンションの開発業者は事件との関係を否定している。私有財産の保護を強化した物権法が3月に採択され、10月に施行されるが、記者が目の当たりにした地上げの現実は想像を絶していた。
 北京市朝陽区では高層マンションの開発が進む一方で、住宅があちこちで瓦礫(がれき)と化し、まるで爆撃を受けたような光景が広がっていた。テレビや冷蔵庫、自転車などが散乱し、30歳代の女性がぺしゃんこになったタンスの中身を取り出そうとしていた。身の置き場を失った数人が木片で火を起こし、昼食の支度をしていた。住民は瓦礫の山から引っ張り出した床板や車、テントでの野宿生活を強いられていた。
 複数の住民によると、事件は8、9の両日、いずれも午前2~3時の間に起きた。8日は約30人、9日は約100人がトラック十数台やフォークリフト数台で乗り付けた。この集団はツルハシやモリ、棍棒などを手に住宅に押し入り、「立ち退きだ!」と大声で叫びながら寝ていた住民を外にたたき出した。
 殴打されたり、半裸状態のまま放り出されたり、地面にひざまずかされたりした住民もいた。身の回りのものを持ち出す時間すら与えず、集団は数十分間にフォークリフトを使って住宅を破壊し尽くしたという。
 住民は110番したが、「現場から約500メートル離れた派出所の警官が到着したのは30、40分後。集団はすでに逃げ去っていた」という。
 男性住民は「東北地方の黒社会(暴力組織)の仕業だ。記者に話すと報復が恐い」と恐怖におののいていた。
 事件は一帯のマンション開発地域に住む住民に知れ渡っており、「同じ目に遭うかもしれない」と不安が広がっていた。
 破壊された住宅の場合、開発業者から住民に提示された立ち退き料は1平方メートル当たり4300元(1元約15円)。住民側は「そんな額でいったいどこに移り住めというのか」と交渉を拒否していた。
 中国では都市開発地域だけではなく、地方でも十分な補償を受けられないまま農地を強制収用された農民の不満が高まっている。昨年、土地をめぐる違法行為は全国で13万1077件(前年比17.3%増)が明るみに出、3593人が処分され、このうち501人が刑事処罰を受けた。
 胡錦濤国家主席は「社会矛盾解決や社会調和促進の能力を強化すべきだ」と強調しているが、現実はうたい文句のようにはいかないようだ。

◎米ペットフード事件、中国当局、メラミン輸出一転認める(2007年5月10日、産経新聞)
 【北京=福島香織】中国の国家質量(品質)監督検査検疫総局は8日、米国で中国産小麦を使ったペットフードで犬やネコが中毒死した事件で、中国の2企業が有機化合物メラミンを添加した小麦グルテン粉などを米国に輸出していたことを認め、今後調査に協力する方針を表明した。同総局はこれまで、これら企業が米国向けに飼料用小麦グルテンなどを輸出したことはないとしていたが、一転関与を認めた。
 問題の企業は、江蘇省の徐州安営生物技術開発公司と山東省の濱州富田生物科学技術有限公司。2社が輸出していた小麦グルテンには、食品への使用が禁止されているメラミンが添加されていたうえ、検査義務のない品名で税関に報告され、検査検疫機関の監視をくぐって輸出されていた。
 企業責任者は法に従い厳重に処罰されるという。同総局は検査結果を米食品医薬品局(FDA)に報告し、米国側に飼料安全協力メカニズムの創設を提案した。
 中国では、鴨卵の黄身を赤くするために発がん性が指摘される着色料スダンレッドを飼料に加えたり、豚肉の色を美しくするため、気管支ぜんそくの治療薬に使われる塩酸クレンブテロールを飼料に加えるなど、飼料、食品への化学物質の添加が、法で禁止されているにもかかわらず、日常茶飯事となっている。
 厚生労働省は日本の輸入業者に対し、中国の2企業のグルテンを輸入した場合は返品または廃棄し、関係機関へ知らせるよう呼びかけている。

◎米の人権団体がヤフー提訴、活動家逮捕で中国政府に加担(2007年4月19日、朝日新聞)
 米国の人権擁護団体が18日、中国政府に逮捕され、服役中の中国人活動家とその妻を代理する形で、米インターネット大手ヤフーを連邦地裁に提訴した。ヤフーが中国当局の捜査に加担したため、活動家が逮捕され、人権が侵害されたと訴えている。
 活動家はネット配信記事で、中国民主化の必要性を主張。ヤフーが当局に提出した利用記録から身元が特定され、逮捕後の2005年、国家転覆を扇動した罪で10年の禁固刑を言い渡された。
 ロイター通信などによると、人権団体はヤフーの人権侵害行為を批判し、活動家救出活動への尽力や損害賠償の支払いを要求。ヤフーは「中国で事業をする以上、現地法に従う必要があり、従わなければ現地従業員が罰せられる」と反論した。

◎タンは吐かない、臭いさせない、五輪控え北京のタクシー(2007年4月19日、朝日新聞)
 ニンニクの口臭や喫煙、茶髪、男性の長髪、女性のイヤリングは厳禁、来夏に五輪開催を控える北京市が街のイメージアップをめざしてタクシー運転手の「資質向上」に乗り出すことになった。
 市当局によると、窓からタンを吐いたり物を捨てたりしない、車内で変なにおいがしないなどの12項目をチェック。違反があれば会社に通告し、改められない場合は、運転手の資格を取り消すなどの措置をとるという。
 北京のタクシーは数年前に新型車両が一斉に導入され、見かけはきれいになったが、強烈なニンニクや足のにおいを放つ運転手も少なくない。
 「髪形まで制限するのはやりすぎ」との声もあるが、市交通委員会の劉小明・副主任は18日の記者会見で「五輪を迎えるにあたって重要な措置のひとつ。タクシーはサービス水準をさらに上げて初めて美しい北京の風景の一部となれる」と力を込めた。

◎禁止用語提案に反論が殺到、北京五輪、マナー向上で(2007年3月20日、産経新聞)
 来年夏に五輪開催を控える中国の北京では、関連施設などハード面の整備が急ピッチで進められているが、同国のメディアは最近、市民にマナーの向上を呼びかけ、外国人との接し方について特集を組むなど、ソフト面での啓蒙活動に躍起になっている。3月中旬まで開かれていた中国人民政治協商会議(政府の諮問機関)でも、五輪開催期間中の国のイメージアップが話題になった。
 北京市、国家体育総局、国家観光局などの関係者が参加した分科会では、「路上でたんをはくこと」「列をつくって並ばないこと」「禁煙場所での喫煙」「下品な言葉使うこと」を「4つの害」と指定し、五輪までになくす運動を推進すべきだとの意見が出された。劉敬民・北京市副市長は「北京市民の姿を世界中の数十億人もの観客がテレビカメラを通じて見ている」ため、「市民を広く巻き込んでこの問題(マナー)について話し合いたい」と語った。
 五輪報道をめぐっては、民族間の敵対心をあおる「一矢を報いる」、「雪辱する」などの「戦争用語」を使用禁止すべきだとの意見が前国務院新聞弁公室主任の趙啓正氏から出されたが、この意見がメディアに報じられると、早速ネットで「外国のメディアは使っているのに、中国だけが言葉狩りするのがおかしい」「スポーツの面白さがなくなる」といった反論が殺到した。
 文化部長(大臣)を務めた作家・王蒙氏は、「日本選手に対して、私たちはこれまでの失礼や友好的でない態度を改めるべきだ」と語ったが、これについてネットでの反応はまちまちだ。(矢板明夫)

◎中国:茶への投機が過熱、500万円のプーアル茶も(2007年3月17日、毎日新聞)
 中国で茶への異常な投機ブームが起きている。主な対象は日本でも人気が高いプーアル茶で、産地の雲南省の茶販売店では3キロ30万元(約500万円)の“超高級茶”も登場した。
 中国経済はカネ余り状態が続いており、投機マネーが株式や不動産だけでなく茶にも向かった格好だ。プーアル茶は中国で庶民が日常的に飲んでおり、投機ブームで庶民の手が届きにくくなる懸念もあるという。
 雲南省の省都、昆明の茶販売店。約500万円の茶は直径30センチほどの円盤形に固められている。一部の高級品は古いほど味がよくなるとされ、この茶は1973年産。茶の産地として知られる同省思茅市は4月から名前を「プーアル(普〓)市」に変更するという。上海など大都市では、外国人の観光客を狙って高値で売りつけようという悪質な茶販売店もある。
 昆明ではプーアル茶への投機に目を付けた茶販売店が急増。古くからある店の店主は「最近の茶市場は乱れている」と嘆いている。(上海・共同)

◎中国:春節の爆竹、北京で125人けが、男性1人が死亡(2007年2月19日、毎日新聞)
 【中国総局】春節(旧正月)の18日、中国各地で新年祝賀行事があった。北京市では大みそかにあたる17日夜から18日未明にかけて街中で爆竹や花火が鳴り響き、昨年より13人多い125人が負傷した。地元紙はうち男性1人が死亡したと伝えた。爆竹や花火による火災は114件発生した。
 爆竹は破裂音が魔よけになると信じられ、春節や慶事に欠かせないが、事故が多いことから同市では94年から禁止されていた。だが、市民の要望が強く、昨年の春節から解禁された。
 解禁2年目となる今年、同市は路上の清掃作業員を延べ1万6000人出動させ、約900トンを超す爆竹などの残がいを回収した。けがの原因にもなる爆竹、花火の粗悪品は後を絶たず、今年は5億6000万本と昨年の4倍に達したという。

◎パンダ:中国で人工繁殖、ベビーブームに(2007年2月11日、毎日新聞)
 中国では昨年、人工繁殖によって34頭のパンダが生まれ、このうち30頭が元気に育っているという。同センターでも双子の姉妹パンダが相次いで双子を出産するなどベビーブームに沸き、9日、その様子が公開された。

◎スパイ罪のシンガポール紙記者、広州に移送(2007年2月10日、産経新聞)
 9日付の香港紙、明報などによると、スパイ罪に問われて懲役5年の判決を受けたシンガポール紙ストレーツ・タイムズの香港駐在記者、程翔受刑者が北京から広州の刑務所に移送された。家族に当局の通知が届いたという。
 北京よりも広州の方が設備が整っているとされ、接見を要求する家族が移送を求めていた。

◎尖閣諸島:調査船EEZ出るも、中国から経過説明なし(2007年2月5日、毎日新聞)
 沖縄県尖閣諸島・魚釣島(中国名・釣魚島)近くの日本の排他的経済水域(EEZ)内で4日、事前通報せずに調査活動をしていた中国の海洋調査船「東方紅2号」は、発見から約12時間後の同日午後10時ごろ、日本側EEZを出た。外務省によると、5日午前までに、中国政府から経緯などの説明はないという。
 塩崎恭久官房長官は5日午前の記者会見で「通告していないEEZ内の水域で活動することは不適切であり、こういうことがないようにしてもらいたい」と遺憾の意を表明した。

◎中国の衛星破壊実験、米次官「有人飛行にも危険、不快」(2007年2月2日、朝日新聞)
 ローレス米国防副次官は1日、対中国政策を議会に提言する超党派の諮問機関「米中経済安保検討委員会」の公聴会で、1月12日に中国が実施した衛星破壊実験について「極めて不快なできごととして起きた」と強い懸念を表明した。
 同副次官は、衛星破壊実験は「有人宇宙飛行への危険が高まるばかりか、他国の宇宙利用、民間の商業利用にとっても損害を与える可能性も含んでいる」としたうえで、「中国は宇宙空間での攻撃能力に関し、強大で多次元な計画を持っており、衛星破壊実験はその一要素にすぎない」と警告した。
 米中間の軍事対話が思うように進まない状況下で、中国側が米国に通知せずに実験に踏み切ったことが、軍事的な意図について判断ミスにつながる恐れがあるだけに「特に厄介だ」と指摘。「この問題について彼ら(中国)と対話を持たない限り、誤解が重なり、懸念も増大する」と、中国側に透明性の向上を求める姿勢を明らかにした。

◎中国のネット人口1億3700万人、10人に1人利用(2007年1月24日、朝日新聞)
 中国のインターネット人口が、昨年末の段階で日本の総人口を超える約1億3700万人に達したことがわかった。業界団体の調査結果として中国各紙が24日、報じた。一昨年末に比べて約2600万人増え、中国人の10人に1人がインターネットを利用していることになる。
 中国インターネット情報センターの調べでは、ネット利用者は昨年、05年比で23.4%増。99年末の利用者は890万人だった。
 一方、ネット利用者が1カ月に使う接続費は83.5元(約1250円)で、05年より2割近く下がった。このため、同センターの毛偉主任は、今後さらに利用者の増加率は加速すると予測した。
 ただ、中国で深刻な社会問題となっている都市と農村の格差はネット普及率にも当てはまり、都市は農村に比べて6.5倍の早さで利用者が増えているという。

◎EU、中国の「衛星破壊実験」を批判(2007年1月24日、朝日新聞)
 欧州連合(EU)は24日、ジュネーブ軍縮会議で、中国による弾道ミサイルを使った「衛星破壊実験」を取り上げ、「宇宙での軍備競争を拡大しないとする国際的な努力に逆行する」と批判した。
 軍縮会議は22日に今年の第1会期が始まった。24日の全体会合でEU議長国のドイツ大使がEUを代表して発言。衛星破壊実験に懸念を表明した後、大量破壊兵器の宇宙空間への配備を禁じる宇宙条約のすべての加盟国に対して「条約の責務を果たし、国際法に従い、国際平和を乱さない宇宙活動をすべきだ」と訴えた。
 中国はこれに対し「(衛星破壊は)あくまで実験であり、他国に対して脅威を与えるものではない。中国は常に宇宙の平和利用を支持し、宇宙軍拡に反対してきた」と反論した。
 EUはまた、北朝鮮のミサイル発射実験、核実験を「挑発的で国際社会を無視するものとして非難する」とし、さらなる核実験をしないよう呼びかけ、6者協議による外交解決努力を全面的に支持するとした。

◎「上海一の富豪」贈賄容疑で逮捕、前市党書記の妻も聴取(2007年1月23日、朝日新聞)
 不動産取引などで、かつて「上海一の富豪」と呼ばれた実業家、周正毅氏が上海市の検察当局に贈賄容疑などで逮捕されたことが分かった。同市新聞弁公室が22日明らかにした。周氏は、市社会保障基金を巡る汚職事件に関与した疑いで解任された陳良宇(チェン・リアンユイ)・前市共産党委員会書記との癒着疑惑が指摘されている。
 関係筋によると、党の規律検査部門は陳・前書記の妻からも聴取しているとされ、今秋の第17回党大会までに前書記の立件と事件の全容解明を目指すとみられる。
 同筋によると、前書記は当初の調べに、汚職事件への関与を否認していた。だが、その後、拘束された側近らの供述で、妻や愛人らの名義で約3億元(約45億円)分の株券などを不正に受け取った容疑が浮上した。

◎中国が衛星破壊実験を初めて認める、中国外務省の会見で(2007年1月23日、朝日新聞)
 中国外務省の劉建超報道局長は23日の記者会見で、中国が衛星破壊実験を実施したことを初めて認め、日米など関係国に通報したことを明らかにした。劉局長は、実験実施は「いかなる国に向けたものでもなく、いかなる国にとっても脅威にならない」と強調した。
 劉局長は、衛星破壊実験について「隠すような問題ではなく、実際に各国が関心を表明した後、すぐに各国に状況を伝えた」と説明。「中国は一貫して宇宙の平和利用を主張している。いかなる形での宇宙での軍拡競争にも参加することはない」と述べた。再実験の可能性については「現在計画があるとは聞いていない」とした。
 また、実験実施に対し日本政府が懸念を表明したことに関連して、「日本がさらにどのような状況を知りたいのか分からない」と述べ、「日本が望むなら意見交換を歓迎する」とした。

◎中国:衛星兵器実験に成功、米が懸念表明(2007年1月19日、毎日新聞)
 【ワシントン和田浩明】米政府は18日、中国が対衛星兵器の実験に11日初めて成功したことを確認し、中国政府に対し懸念を表明したことを明らかにした。有人宇宙飛行に成功した中国が衛星攻撃能力まで保有したことで、米国やロシアが対抗して宇宙空間での軍拡競争が始まるとの懸念が出ている。実験で破壊された衛星の破片が、日本も参加する国際宇宙ステーション(ISS)などの脅威になる可能性も指摘されている。
 17日に実験を最初に報じた航空宇宙専門誌エビエーション・ウイーク・アンド・スペース・テクノロジー(電子版)などによると、中国は米東部時間11日午後5時28分(現地時間12日朝)、四川省の西昌宇宙センターから対衛星兵器を搭載した中距離弾道ミサイルを打ち上げた。このミサイルに搭載された「運動エネルギー迎撃体(KKV)」と呼ばれる装置が、99年に打ち上げられていた中国の古い気象衛星「FY-1C」に高度約860キロ付近で衝突し、破壊したと見られる。
 米国家安全保障会議(NSC)報道担当官は、18日の声明で実験を確認し、「この兵器の開発と実験は(米中)両国が民間宇宙開発分野で実現を目指す協力の精神に反する」と中国を非難した。
 米ハーバード大学の天文学者ジョナサン・マクドゥエル氏によると、破壊された気象衛星は「数百の破片」に分裂、雲状に広がっている模様で、ISSなどにぶつかり損傷を与える危険もある。低軌道には通信や全地球測位システム(GPS)などに使われる民間・軍用衛星も多数周回している。同氏は「中国に対抗して米国が、80年代に開発した対衛星兵器を実戦配備する可能性も出てきた」と毎日新聞に指摘した。
 米下院のマーキー議員(民主党)は18日、宇宙空間での軍拡競争が始まりかねないとの懸念を表明し、対衛星兵器の開発・配備を禁止する国際条約締結を目指すようブッシュ大統領に求めた。
 ブッシュ政権は中国の宇宙技術開発の進歩に神経をとがらせ、民間分野での交流や情報交換の促進を図っている。昨秋はグリフィン米航空宇宙局(NASA)長官が訪中した。一方で昨年10月には宇宙空間の軍事面での重要性を強調し、米国の行動の自由の確保を目指す新国家宇宙政策を発表している。

◇「懸念持ってる」塩崎官房長官
 塩崎恭久官房長官は19日午前の記者会見で、中国の対衛星兵器実験について「米政府から報告を受けている。宇宙の平和利用、安全保障上の観点から懸念を持っている」と述べた。北京の日本大使館から中国外務省に事実関係と意図の説明を求めたことも明らかにした。

◎早い話が:インド人も驚いた=金子秀敏(2007年2月1日、毎日新聞)
 中国四川省の山奥から打ち上げられたミサイルが、約850キロ上空を周回する古い気象衛星「風雲1C」を撃墜した。
 米情報当局からその情報が米メディアにリークされた。衛星が1メートルだとすれば、850メートル先にある直径1ミリの針の穴に糸を通したようなものか。
 このニュースが流れた2日後、米国では上下両院軍事委員会が緊急招集され、米政府に報告を求めた。人工衛星を攻撃する兵器「アンチサテライト・ウエポン」(ASAT)を中国が保有したことが、いかに米国を憂慮させたかわかるだろう。最近、中国の潜水艦が米国の航空母艦を背後からこっそりつけ回したが、軍事委員会は緊急招集されていない。
 9・11テロの後、米国はミサイル防衛(MD)システムの建設を進めている。低軌道を飛ぶ偵察衛星で地上を常時監視し、高軌道の早期警戒衛星でミサイル発射を探知、イージス艦などからの迎撃ミサイルで撃ち落とす構想だ。日本もこれに一枚かんでいる。
 だが、偵察衛星の目つぶしが可能なら、イージス艦は無用の長物になる。ミサイル防衛のアキレスけんを、あらためて突きつけられた。
 日本政府の憂慮は「中国の衛星の破片が散らばって、ほかの衛星を壊す恐れがある」というものだ。米国の憂慮とは質が違う。
 もともと衛星撃墜兵器を開発したのは米国だ。1984年、ミサイルによる衛星撃墜実験に成功した。ところが、ソ連がレーザー兵器による衛星撃墜に成功した。米国もすぐにレーザー兵器開発に切り替えた。そのとき「ミサイルによる衛星破壊は、破片が出る」とされた。実際はレーザー兵器の登場でミサイル方式は旧式になったのである。いま、米国は大型ジェット機に搭載したレーザー兵器で地上300キロのミサイル、衛星を破壊できるそうだ。
 米国とならんで素早い反応を示した国がある。インドである。
 インドでは2年前から、偵察衛星の情報を集約して陸海空3軍を統合指揮する防空司令部を作るという構想が宙に浮いていた。空軍の予算ばかり増えると陸軍、海軍が大反対していた。
 が、隣国の中国が衛星撃墜実験に成功したというニュース。一気に宇宙軍拡に乗り遅れるなというコンセンサスができて、防空司令部が具体化した。新たな宇宙軍拡競争はもう始まっている。(専門編集委員)

◎ハルビン幻想、氷絵巻、それでも零下12度「暖かい冬」(2007年1月30日、朝日新聞)
 中国最北の黒竜江省の省都ハルビン市で恒例の「氷雪節」が行われている。今年は50年ぶりの暖かい冬を迎えた。日本でも暖冬でスキー場などの客足が衰えているが、こちらは厳しい寒さを敬遠していた人たちがどっと詰めかけ、市内のホテルも連日満室。うれしい悲鳴をあげている。
 観光客のお目当ての一つは10万立方メートルの雪と13万立方メートルの氷を使った「氷雪大世界」だ。巨大な雪像や、氷を積み上げて内側からライトアップした作品が会場内に所狭しと並び、夜空の下、幻想的な世界を浮かび上がらせる。
 市気象局によると今年の1月上旬の平均気温は零下12.9度で、例年より約6度高い。降雪量も少なく、祭りに使われる天然雪の割合も3割から1割ほどに減ったという。

◎名前は「子弾頭」、新幹線ベースの中国高速鉄道GO!(2007年1月29日、読売新聞)
 JR東日本の新幹線車両「はやて」をベースにした中国の高速鉄道「子弾頭」(弾丸)が28日、上海―杭州、上海―南京間で営業運行を開始した。
 中国メディアによると、当面は最高時速160キロ前後で運転する。子弾頭は中国山東省青島の大手鉄道車両メーカーと日本の川崎重工業などが合弁で生産。8両編成を連結させた16両。
 中国政府は高速鉄道の自主開発の方針を打ち出しており、今回の「子弾頭」についても「国産」と伝えている中国メディアが多い

◎中国自動車産業、過当競争で輸出にはけ口(2007年1月29日、産経新聞)
 販売台数が700万台を超えて世界第2位となった中国の自動車市場で、外資系、国有企業系、民営企業系のメーカーが三つどもえの販売合戦を繰り広げている。国内メーカーは100社以上が乱立し、激烈な「春秋戦国時代」を勝ち抜く安売合戦により、“価格破壊”と過剰生産に悩まされている。有り余る中国車は最近では海外輸出に振り向けられ始め、中国当局は「無秩序な輸出は対外イメージを損ねる」として抑制に乗り出した。
 自動車メーカーの業界団体である中国汽車工業協会によると、中国の2006年自動車販売台数は721万6000台となり、日本を抜いて世界2位の市場に躍進した。また、生産台数も727万台余りでドイツを抜いて同3位となった。
 規模では米ゼネラル・モーターズや独フォルクスワーゲンなど外資との合弁国有企業が上位を占める。それがここ数年、乱立する純国産メーカーが小型車を中心に善戦し、すでに市場の3割近くを奪うまでに成長してきた。
 国内メーカーは年間販売台数で数十台という会社を含め100社以上がしのぎを削り、新規参入が加速している。例えば乗用車メーカーは01年には二十数社あったが、05年に50社を超え、中国の自動車メーカーの数は世界1となった。市場無視の投資拡大の結果、国内の総生産能力は1000万台を超えるのが時間の問題となり、設備稼働率も05年で71.5%の低水準にとどまっている。
 こうした状況を背景に、各社とも「降価」(値下げ)を武器に過当競争を繰り広げている。昨年12月も国産車50モデル以上が、一斉に数千元から最大3万元(45万円)もの値下げに踏み切った。“老舗”の外資系も値引き競争に巻き込まれ、フォルクスワーゲンの中国向け人気車「サンタナ」は発売当初に比べ半値以下に落ちている。自動車価格はかつて発売後3年は維持できたが、今や1年未満で調整を余儀なくされるという。
 一方、国内市場の過当競争と値崩れから逃れ、輸出で利益を確保しようとする中国企業が急増。現在、メーカーと商社を併せて1175社が海外進出に殺到している。
 中国商務部によると、輸出台数が年間10台以下の業者が669社、わずか1台の業者となると204社にものぼる。過当競争は飛び火して、昨年の輸出自動車約9万台の平均単価は前年比19.5%も下落し、こちらも採算無視の輸出競争に陥る懸念が広がる。
 このため、商務部や国家発展改革委員会などの当局は、自動車輸出許可のための資格検査を義務づけた通知を発表し、「安かろう悪かろう」の対外イメージを作り出す弱小メーカーの締め出しを狙っているという。

◎マカオ、ベガス抜く、カジノ売り上げ8400億円(2007年1月24日、産経新聞)
 中国政府が唯一賭博を公認する特別行政区マカオ統計当局によると、昨年のカジノ売り上げが速報値で69.5億ドル(現在のレートで約8400億円)に達し、米ラスベガスの推計65億ドルを超えた。カジノ市場対外開放からわずか4年、カジノ都市として世界首位に躍り出た背景には、膨張する中国経済からあふれでるチャイナ・マネーと国際カジノ産業に流れ込む外資がある。
 昨年のマカオカジノ売り上げは前年比22%増。今年も順調に伸びる見込みで、2007年は80億ドルに達するとの推計もある。マカオのカジノ売り上げは昨年1~10月の段階ですでに56.3億ドルを記録し、ベガス同期の54.4億ドルを上回っていた。賭博税はマカオ税収の7割を占める。
 地場カジノ関係者によれば、マカオカジノの客の93%は中国大陸からの客だ。国内経済の過熱が警告され不動産投資にも陰りが出る中、中国の新興富裕層は03年に個人旅行が解禁されたばかりのマカオのカジノに押し寄せている。昨年、広東省東莞市にある小さな町の町長が1.1億元の公金をマカオカジノで使い9000万元(約13億500万円)も負けた事件が明らかになったように、客には汚職官僚も少なくない。
 清濁併せのむチャイナ・マネーを吸い上げるべく外資も殺到。24日付の証券時報によれば現在、マカオカジノに進出している外資系5社の初期投資は計200億ドル。中でも04年5月に開業したベガス資本のサンズはテーブル数でいえば地場カジノ・マカオ博彩(SJM)を超え、世界最大規模だ。すでに投資分の回収に成功、05年のマカオでの収益はサンズ全体収益の70%以上を占めるという。

◎中国:日本技術の新幹線が臨時運行、春節の帰省ラッシュで(2007年1月24日、毎日新聞)
 春節(旧正月)の帰省ラッシュを控えた中国の一部在来線で今週末以降、日本の新幹線の技術を導入した新型車両が、臨時列車として運転を始める。日本は、中国が国家プロジェクトとして進める「北京-上海間高速鉄道」への新幹線採用を強く働きかけてきた。4月には温家宝首相の訪日も決まっているため、日本の関係者の間では「高速鉄道への参画も」との期待が高まってきた。
 在来線に登場するのは、川崎重工業など日本企業6社が、技術供与先の中国「南車四方機車車両」(山東省青島)と共同で製造した「CRH2型子弾頭」。東北新幹線「はやて」「やまびこ」に採用されている「E2系1000」が基礎になっているという。
 上海-南京(江蘇省)、上海-杭州(浙江省)で28日から営業運転され、上海鉄道局は24日に乗車券の販売を始めた。北京-青島(山東省)間でも運転される。当面は時速160キロ以内で、4月18日のダイヤ改正後は同200~250キロで走行する。
 一方、「北京-上海間高速鉄道」については、中国鉄道省が「自主開発」を表明したが、車両や根幹技術には海外勢の支援が不可欠と見られている。中国ナンバー2の呉邦国・全国人民代表大会常務委員長と自民・公明両党訪中団との22日の会談に、JR東日本の大塚陸毅会長が同席したことも、日本側の期待感を増幅させている。

◎中国のネット人口1億3700万人、10人に1人利用(2007年1月24日、朝日新聞)
 中国のインターネット人口が、昨年末の段階で日本の総人口を超える約1億3700万人に達したことがわかった。業界団体の調査結果として中国各紙が24日、報じた。一昨年末に比べて約2600万人増え、中国人の10人に1人がインターネットを利用していることになる。
 中国インターネット情報センターの調べでは、ネット利用者は昨年、05年比で23.4%増。99年末の利用者は890万人だった。
 一方、ネット利用者が1カ月に使う接続費は83.5元(約1250円)で、05年より2割近く下がった。このため、同センターの毛偉主任は、今後さらに利用者の増加率は加速すると予測した。
 ただ、中国で深刻な社会問題となっている都市と農村の格差はネット普及率にも当てはまり、都市は農村に比べて6.5倍の早さで利用者が増えているという。

◎中国、05年のGDPを10.4%成長に上方修正(2007年1月24日、朝日新聞)
 中国国家統計局は05年の国内総生産(GDP)の実質成長率を0.2ポイント上方修正し、10.4%だった、と発表した。GDP総額は18兆3868億元(約276兆円)。
 昨年1月の当初発表では9.9%としていたが、昨年8月に10.2%と1度目の上方修正をしていた。06年分のGDPは25日に発表される。

◎中国、衛星攻撃兵器の実験を公式確認(2007年1月23日、産経新聞)
 中国外務省の劉建超報道官は23日、定例記者会見で、中国が人工衛星を弾道ミサイルで破壊する衛星攻撃兵器実験を実施したことを公式に確認した。劉報道官は、「中国は一貫して宇宙の平和利用を主張、宇宙空間の軍事化と軍備競争に反対するとの立場に変化はない」と強調。さらに「いかなる国にも脅威にならない」と述べ、日米両国などに通報したことを説明。また、現時点で「2度目の実験実施は聞いていない」と語った。
 ロイター通信が23日、米専門家の話として伝えたところでは、破壊された衛星の破片は高度約400キロから同約3000キロの範囲で雲のように集まって漂っている。このため、各国の衛星だけでなく高度約400キロの軌道上で建設中の国際宇宙ステーションに衝突する可能性がある。
 しかし、会見で同報道官は、破片が他の衛星に衝突する可能性などについては回答を避けた。
 中国は日本時間12日午前7時28分、四川省の上空、高度約850キロにあった老朽化した自国の気象衛星を、地上から発射したミサイルに搭載した弾頭で破壊した。

◎中国が秘密兵器で米衛星への奇襲計画、米議会諮問機関(2007年1月20日、読売新聞)
 米連邦議会の諮問機関「米中経済・安全保障見直し委員会」は19日、中国が米国などの人工衛星に対抗するため検討している戦略を分析した報告書を公表した。
 中国については、弾道ミサイルを用いた人工衛星の破壊実験が発覚したばかりだが、報告書は秘密裏に開発した兵器システムで米衛星に奇襲をかける計画の存在や、ミサイルによる物理的な衛星撃破に加え、電波妨害や地上局破壊など多彩な攻撃の可能性を明らかにしている。
 報告書は、委員会の委託で、国防総省の中国問題顧問を務めるマイケル・ピルスバリー氏が中国の軍事専門誌など公開情報を収集・分析する形でまとめた。現役の人民解放軍将校らによる構想を「30の提案」に分類し、特に「秘密裏に対衛星兵器を開発し、使用に当たっては警告なく奇襲せよ」とした主張に深刻な懸念を表明している。
 また、報告書は中国が全地球測位システム(GPS)衛星も標的にしていると指摘し、「50基の衛星に対して攻撃を仕掛けられた場合、米軍だけでなく米国の市民経済にも壊滅的な悪影響を及ぼすことになる」と予測した。
 報告書は、中国が電波妨害や地上局の破壊などあらゆる手段を用いる恐れがあるとした上で、「中国当局は、米国にはどの国が攻撃してきたか実証する能力がないと踏んでいる」との見方を示している。

◎日東電工、中国の深センに液晶フィルム新工場(2007年1月19日、日本経済新聞)
 液晶用光学フィルム世界最大手の日東電工は中国・深セン市に新工場を建設し、2007年10月に稼働させる。総投資額は約200億円。深センなど華南地域には現地テレビメーカーのほか、韓国・台湾の液晶パネルメーカーが相次ぎ進出を計画しており、供給体制を強化する。08年の北京五輪開催などで中国の液晶テレビ市場は3年後に現在の五倍強に膨らむ見通し。成長市場で拠点を拡充し事業拡大を目指す。
 新工場は、まず第一期分として約60億円を投じて深センにある光明ハイテクパーク内に建設する。その後2―3年で140億円程度の追加投資を実施。画面サイズが65インチ以上の大型液晶パネル向けフィルムを生産できる最新鋭の加工・検査設備を導入する。2~3年後に約250億円の売り上げを目指す。

◎覚せい剤密輸の日本人被告に死刑判決、中国・人民法院(2007年1月18日、朝日新聞)
 中国遼寧省の大連市中級人民法院は18日、覚せい剤約5キロを中国から日本に密輸しようとして覚せい剤密輸罪に問われた名古屋市出身の武田輝夫被告(63)に対して、死刑の判決を下した。武田被告は、02年10月に福井市栃泉町の元金融業の男性宅で現金約800万円と貴金属類約5750万円が奪われた緊縛強盗事件で、福井県警から強盗傷害容疑の国際指名手配をされている。
 中国で日本人の被告に対する執行猶予無しの死刑判決はこれで3例目。これまでの2人の被告はいずれも控訴中で、刑は確定していない。
 武田被告は03年に運び役の日本人らを通じて覚せい剤を大連から日本に密輸しようとしたなどとして、04年6月に中国広東省で中国当局に拘束された。同年10月に覚せい剤密輸の罪で起訴され、公判で罪状をほぼ認めていた。
 また、同法院はこの日、この事件で覚せい剤密輸に関係した罪に問われた日本人男性(40)に対しても懲役3年の判決を下した。

◎日中貿易:2千億ドル突破(2007年1月17日、毎日新聞)
 中国税関総署は16日までに、06年の日本と中国の貿易総額(輸出入合計)が前年比12.5%増の2073億6000万ドル(約25兆円)になったと発表した。2000億ドルを超えたのは初めて。日本は中国にとって、欧州連合(EU)、米国に次ぐ3位の貿易相手だが、中国の対外貿易全体に占める比率は11.8%で05年の13%よりやや低下した。
 税関統計によると、中国の対日輸出は9.1%増の916億4000万ドル、日本からの輸入は15.2%増の1157億2000万ドルだった。(北京・共同)

◎中国人民銀、巨額の資金吸収(2007年1月17日、日本経済新聞)
 中国人民銀行(中央銀行)は16日の公開市場操作(オペ)で2100億元(約3兆2550億円)の人民銀行手形を発行した。新華社などによると1回の発行額としては過去最大。過剰流動性を抑えるため、15日には民間銀行の預金の一定部分を強制的に吸い上げる預金準備率の引き上げで約1500億元を吸収するなど、引き締め姿勢を強めている。
 今回発行した手形は1年物。利率は前回1年物を発行した9日と同じ2.7961%。人民銀は年明け以降、四回の手形発行で既に計4600億元の資金を吸収した。
 中国では流入する多額の外貨を人民銀が買い取り人民元の上昇ペースを抑えている。人民銀は手形発行などを通じ、市中にだぶつく人民元を吸収するオペに追われている。

◎中国の化学繊維生産量、世界全体の50%超える(2007年1月17日、読売新聞)
 中国の化学繊維生産量が、2006年に世界全体の生産量の半分を初めて超えたことが16日、日本化学繊維協会のまとめで明らかになった。
 中国の生産量は、前年比15%増の約1886万トンで、世界全体に占めるシェア(占有率)は前年の46.6%から50.9%に上昇した。
 中国の安い化繊製品に市場を奪われ、韓国は同11.3%減、アメリカが同7.8%減などと落ち込んだ。日本も、同2.8%減の約99万トンで、シェアは前年より0.2ポイント低い2.7%になった。
 一方、インドは同11.4%増と生産量が増加し、シェアは前年より0.4ポイント上昇して、6.5%となった。化繊協会は、国別で世界4位のインドが、07年は台湾、アメリカを抜いて2位に浮上すると予想している。

◎中国への直接投資、5%増の630億ドル・06年(2007年1月15日、日本経済新聞)
 新華社によると、中国の薄熙来商務相は15日、2006年の対中直接投資(実行ベース)が前年比5%増の630億ドル(約7兆5600億円)だったことを明らかにした。05年は同0.5%減と6年ぶりのマイナスを記録したが、昨年は再びプラスに転じた。
 対中投資は外資の進出に伴い急増していたが、中国政府がハイテクなどに絞って誘致する政策へシフトしてきたことなどを受けて、伸びが鈍化している。外資にもインドやベトナムなど中国以外へ投資を振り向ける動きが出ている。
 一方で中国は海外への投資を積極化している。薄商務相によると、06年の対外投資(実行ベース)は同32%増の161億ドルだった。中国政府による対外投資奨励策を受け、中国企業の海外進出や資源開発などのプロジェクトが増加したとみられる。

◎中国人、「影響力は世界で2番」の自負、日米共同調査(2007年1月14日、読売新聞)
 中国人は自ら「中国はアメリカに次ぎ世界で2番目に強い影響力を持ち、10年後はアメリカに追いつく」と信じている――。
 日本、アメリカ、中国、インドの4か国、計6649人を対象に実施した意識調査で、こんな結果が出た。
 調査は国際経済交流財団が米シカゴ地球問題評議会と共同で行った。それによると、中国人の考える影響力のある国は、アメリカに続き自国が2位、3位ロシア、4位欧州連合(EU)で、日本は8位だという。中国の影響力について、日本人は、アメリカ、EU、ロシア、イギリスに続く5位、アメリカ人は3位、インド人は5位と位置づけていた。ただ、アメリカ人も、中国は10年後にアメリカに次いで2番目に強い影響力を持つようになると予測している。
 国際社会で存在感を増す中国に対して、「影響力の増大を抑えるために積極的に動くべきだ」との意見は、日本人で28%、アメリカ人で29%、インド人で23%といずれも3割以下にとどまった。逆に、日本人の72%、アメリカ人の65%、インド人の40%が「友好的な協力関係の構築を進めるべきだ」と、中国の台頭を好機ととらえる人々が多かった。
 ただ、「中国はパートナーか、ライバルか」という問いには、日本人の86%、アメリカ人の49%が「ライバル」と答えており、協調関係の構築は容易ではなさそうだ。

◎中国:広州市がGDP水増し統計、地方ではいまだに横行か(2007年1月12日、毎日新聞)
 中国の広州市が、06年の同市の1人当たり国内総生産(GDP)を国家統計局とは違う独自の計算方法で算出し、本来より約3000ドルも多い約1万1000ドルと発表していたことが分かり、批判を浴びている。上海市も昨年まで同様の手法で統計発表していた。中国ではこれまで地方政府の業績をGDP成長率で評価してきた結果、こうした統計数値の水増しが横行しているのが実態。胡錦濤政権はこの状況を是正するため、成長至上主義から安定した発展方式への転換を図っているが、地方政府の意識変革は難しそうだ。
 広州市長は昨年末、同市の1人当たりGDPを戸籍人口の約702万人で計算すると1万ドルを超える見込みだと述べ、この情報が年明けから広まった。しかし、国家統計局が算出で使うのは同市の戸籍人口ではなく、常住人口の約994万人。これで計算すると1人当たりGDPは約7800ドルにとどまった。広州市に対して「不正確」「水増し」と批判が寄せられたため、同市はその後、数値を約7800ドルに修正した。
 上海市も05年、戸籍人口を使って1人当たりGDPを約8300ドルと発表したが、国家統計局の発表では約6300ドルだった。北京市の場合は、国家統計局の発表と同じで、05年の1人当たりGDPは約5500ドルだった。

◎中国軍機、また墜落、部隊間に設備・人材の格差?(2007年1月12日、朝日新聞)
 香港の親中国紙「文匯報」は12日、中国人民解放軍機が11日に山東省青島市の市街地に墜落したと報じた。重傷者はいない模様。9日にも広東省で解放軍機が墜落したばかり。専門家は、相次ぐ解放軍機事故の背景として「軍改革の過程で、設備や人材の部隊間格差が広がっている」と指摘している。
 同紙などによると、11日午後5時過ぎ、北海艦隊に所属する小型軍機が青島市東部の株洲路に墜落した。パイロットは墜落前に脱出し、市民にもけがはなかったという。事故原因は不明。
 昨年6月に安徽省で最新鋭の警戒管制機が墜落し40人が死亡したのに続き、10月には河北省で、今月9日にも広東省で解放軍機が墜落した。
 解放軍は兵器の現代化や人員の削減などの改革を進めているが、軍事専門家の平可夫氏は「資金や設備が重点的に投入される部隊と、そうでない部隊の格差が広がっている」と指摘する。

◎中国の貿易黒字、74%増の1774億ドル・06年(2007年1月10日、日本経済新聞)
 中国国営の新華社は10日、2006年の貿易黒字が前年比74%増の1774億ドル(約21兆円)になったと報じた。黒字の拡大は成長率を押し上げる一方、大量の外貨の流入で過剰投資も引き起こしている。黒字急増を抑えるため、人民元の上昇をどこまで認めるかが今年の焦点となる。
 輸出入総額は24%増の1兆7606億ドル。輸出の伸びが27%なのに対し、輸入の伸びは20%にとどまり、貿易黒字を大きく膨らませた。黒字の拡大が寄与し、06年の経済成長率は実質で10.5%に達したもよう。輸入の伸びは年間を通して徐々に落ちてきており、放っておけば今年も大幅に黒字が増える可能性が大きい。
 06年の人民元の対ドルの上昇率が3.4%と小幅だったことも貿易黒字が急増した原因。黒字の拡大はマネー膨張による資産バブルなど経済への悪影響も心配されている。

◎新疆独立テロ組織18人を射殺、中国ウイグル当局発表(2007年1月8日、読売新聞)
 中国の通信社・中国新聞社電などによると、中国・新疆ウイグル自治区の公安当局は8日、同自治区のパミール高原地帯で、今月5日にテロリスト18人を射殺、17人を拘束した、と発表した。その際、自家製の手投げ爆弾22発、製造中の手投げ弾1500発以上を押収した。
 同電によると、射殺、拘束されたのは、新疆独立を目指すテロ組織とされている「東トルキスタン・イスラム運動」のメンバー。パミール高原に訓練キャンプを設置、そこを拠点にテロ活動を行っていたという。
 公安当局側は摘発の過程で反撃を受け、要員1人が死亡、1人が負傷した。

◎中国:暴動や抗議行動に危機感、最高裁長官(2007年1月8日、毎日新聞)
 新華社電によると、中国最高人民法院(最高裁)の蕭揚院長(長官)は7日、暴動や暴力的な抗議行動が「社会の安定に影響する突出した問題」になっていると述べた。山東省済南市で開いた法曹関係者の会議で語った。
 中国では地方官僚の腐敗行為などに反発する住民の抗議が多発しているが、法曹の最高責任者が危機感を示したのは異例。蕭院長はまた、昨年1~11月に全国の裁判所で判決を下した刑事事件の被告は75万9230人で前年同期より4.3%増えたと指摘、治安悪化に懸念を表明した。(北京・共同)

◎渡航の際は注意、香港、広州でタバコ、バイク禁止(2007年1月5日、産経新聞)
 香港で1日からレストランなどの公共スペースでの喫煙を禁止する条例が施行された。違反者は5000香港ドル(約7万5000円)を科されることになり、街中でこっそりと吸う喫煙者への厳しい目が広がりそうだ。香港に買い物に出かける日本人には要注意だ。
 この条例は、サービス産業で働く約20万人を副流煙による健康被害から守るのが狙いという。
 禁煙となったのは、海水浴場や1200カ所の公園だけでなく、レストラン、バー、カラオケ、学校、病院、オフィスビルなどの屋内公共スペース。“執行猶予”されるのは、サウナや麻雀店、マッサージ店で、2009年7月から禁煙となる。
 施行当日の元旦には、2145人に巡回の当局者から「注意」が与えられた。人口700万人のうち80万-90万人とされる香港の喫煙者は我慢できなくなった場合、「喫煙マップ」を頼りに喫煙場所を探し回ることになりそうだ。当局は、公園など市内255カ所に指定の喫煙場所を設置したという。
 「空気が良くなった」という賛成派に対し、「タバコ税を払っているのに納得できない」「(レストランでの)売り上げに心配だ」などの声も出ている。
 一方、広東省広州では、1日から庶民の足でもあるオートバイの走行が市街地で禁止された。中国紙によると、広州でのオートバイ台数は97年段階ですでに40万台を超えている。
 オートバイによる交通事故、交通秩序混乱、ひったくりが増加したことなどが理由。昨年11月の新規車両(車)登記件数は前年同月比88%増の1万7530件に達した。オートバイ禁止で車への乗り換えが増加したようだ。

◎東芝が中国でノートPC2種の販売自粛(2007年1月5日、読売新聞)
 東芝は4日、ノート型パソコン「サテライト L100」と「サテライト A80」の2機種について、中国全土で販売を自粛していることを明らかにした。
 静電気の影響を防ぐ性能が基準に達していないとして、中国・浙江省が省内での販売停止を命じていた。
 同省はほかに、富士通、NEC、米ヒューレット・パッカードの各1機種についても販売停止を命じている。各メーカーに対し、消費者の請求があれば、返品に応じるよう求めている。
 浙江省は昨年12月、品質検査の結果、4社の計5機種が静電気に対する耐性の「国家推薦基準」に達していないとして、省内での販売停止を命じた。これまでに販売されたのは約1000台とみられる。

◎中国:上海市汚職、わいろ3億元、今秋までに刑事事件に(2007年1月4日、毎日売新聞)
 上海市の社会保険基金をめぐる汚職事件で、上海市党委員会書記を解任された陳良宇氏が受領したわいろは、総額3億元(約45億円)余に達したことが分かった。中国の情報に詳しい香港誌「亜州週刊」が報じた。陳氏は昨年9月に党職を解任され、党中央規律検査委員会に身柄を拘束されている。同委員会は今秋の第17回党大会までに陳氏の身柄を司法当局に引き渡し、訴追手続きが行われるとみられる。
 同誌によると、陳氏の事務所からは高価な書や絵画の他に汚職事件の証拠は見つからなかったが、その後、別の場所から上海市の長寧区長やその他の人の名義で受け取った株券などが見つかり、わいろの総額が3億元余に達することが判明した。同委員会はうち1億5000万元(約22億5000万円)分の裏付け調査を終えたという。
 陳氏は当初、汚職事件への関与を否認した。しかし陳氏と関係の深い長寧区長が、自身が拘束された後に陳氏に関する情報を提供し、事件の全容が判明した。
 汚職にかかわった陳氏の息子は米国に逃亡。陳氏の妻や関係のあった女性も同委員会の調査を受けているという。汚職に関与した幹部や不動産開発業者の調査も続き、約50人が拘束された。
 中国では汚職事件の最高刑は死刑。成克傑・元全人代副委員長は約4000万元(約6億円)を受け取ったとして、00年に死刑となった。

◎中国製の模倣「日本ブランド」中東へ、被害9兆円にも(2007年1月4日、読売新聞)
 中国で作られた日本製品の模倣品が、オイルマネーで潤う中東諸国へ不法に輸出、販売される被害が急増している。
 特許庁の調べでは、〈メード・イン・ジャパン〉に対する信頼度を背景に、自動車部品や家電製品などを中心に、中国国内で消費されるものも含め、全世界での被害総額は年間9兆円(2002年)にのぼるという。神戸港などを経由して再輸出されるケースもあるといい、捜査当局は警戒を強化、政府と業界も本格的な対策に乗り出した。
 被害総額は、特許庁が国内企業から聞き取り調査した結果をもとに推計した。関係者によると、中東諸国は関税が安く、販売網が発達していることから、中国で作られた日本製品の模倣品が、約5年前から大量に流れるようになった。日本製を強調するため、中国からいったん神戸港など日本国内へ持ち込んだうえで輸出することもあるという。
 花王(東京)は、調査会社から「中国・海門市の工場で模倣品が製造されている」と連絡を受け、中国当局に摘発を要請。当局は05年3~9月、同社製品を模したローション約5万本(約2500万円相当)とラベル約50万枚を押収した。
 日産自動車(同)は05年4月、同社製のスパークプラグの模倣品が、中国からUAE(アラブ首長国連邦)へ輸出されたとの情報で、税関当局と協力して、ドバイで「NISSAN」と表記されたプラグ3万5000個(約700万円相当)を見つけた。





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