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2009年

このページは、私が気になった中国に関するニュースを個人的にまとめたものです。

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◎中国製シームレス鋼管に相殺関税、米国際貿易委(2009年12月31日、読売新聞)
 米国際貿易委員会(ITC)は30日、油田から石油や天然ガスなどを運ぶための中国製シームレス鋼管について、中国政府による不当な補助金で米国内の販売を増やし、米企業が被害を受けていると判断し、反補助金の相殺関税を課すことを認める決定を下した。
 今回の決定で、米商務省は10~16%の相殺関税を課すことが出来る。2008年の中国製シームレス鋼管の輸入額は約28億ドルで、米国内の消費量の3割強を占めている。対中国の相殺関税として過去最大規模となる。

◎中国軍、幹部若返り人事、江主席時代の色彩消す?(2009年12月31日、産経新聞)
 中国人民解放軍で急速に若返り人事が進められている。30日の中国共産党機関紙「人民日報」(電子版)によると、軍で思想・政治工作などを担当する総政治部の副主任4人のうち2人が交代した。胡錦濤国家主席(中央軍事委員会主席)による軍掌握の一環で、2012年の第18回共産党大会で行われる中央指導部の大型人事に向けた布石と言える。
 総政治部での人事は、上将の劉永治、孫忠同の両氏(いずれも65歳)に代わり、新たに中将の童世平・前国防大学政治委員(61)と、新疆軍区政治部副主任などを務めた杜金才・総政治部主任助理(57)が就任した。
 また、成都軍区の張海陽・政治委員(60)が戦略ミサイル部隊「第2砲兵」の政治委員に昇格する方向だ。同氏は、元中央軍事委副主席、張震氏の子弟。
 今年に入ってから目立ち始めた若返り人事は海軍出身者が中心だ。今回、昇格した童氏も海軍の所属で、江沢民前国家主席が軍の権力を握っていた時代に上将に抜てきされた陸軍出身の張黎副総参謀長が1月に引退、後任に海軍出身で原潜の艦長も努めた孫建国総参謀長補佐(57)が昇格したことなどで示されている。海洋権益の確保を重視する胡指導部の意向を反映したものだ。
 軍内での人事刷新は、軍歴のない胡主席が第18回党大会以降も軍トップの軍事委主席にとどまるためには必要で、「江主席時代の色彩を消す必要に迫られている」(観測筋)と指摘されている。

◎中国当局、ギョーザ事件の捜査縮小、真相究明、暗礁も(2009年12月30日、日本経済新聞)
 千葉、兵庫の両県で計10人の被害を出した中国製冷凍ギョーザ中毒事件で、中国公安当局が専従捜査班の人員を百数十人規模から十数人に縮小していたことが30日、中国公安関係者の話で分かった。中国当局が進める重大事件の捜査態勢が判明するのは極めて異例。
 中国製食品の安全性に対する深刻な不信を引き起こした事件は、発覚から2年となる来年1月30日を前に、真相究明が暗礁に乗り上げる可能性が高まっている。

◎ウイグル族が漢族殺害、民族衝突の恐れ、中国(2009年12月29日、読売新聞)
 香港の人権団体・中国人権民主化運動ニュースセンターは28日、中国山西省太原市で25日、ウイグル族3人が強盗目的で漢族住民を襲い、男女2人が死亡する事件が発生、治安当局が両民族の衝突を警戒していると伝えた。
 当局はウイグル族1人を逮捕した。事件後、インターネット上では「ウイグル族を殺せ」との書き込みが多数見られ、現地では、漢族の不満が極度に高まっているという。

◎粉ミルク汚染で引責辞任、中国高官「復活」(2009年12月29日、読売新聞)
 中国紙「北京青年報」などは28日、多数の乳幼児に被害を出した粉ミルク汚染事件で昨年9月に引責辞任した中国国家品質監督検査検疫総局トップ(閣僚級)の李長江氏(65)が、ポルノなど違法出版物を取り締まる政府の工作グループのナンバー2に就任していると伝えた。
 今回の人事は、「引責辞任した幹部は1年以内に指導職務を担当してはならない」との共産党の規定に違反はしていないというが、重大事件だっただけに、「復活」をめぐっては論議を呼びそうだ。李氏は、2001年、食品の安全などを監督する同総局長に就任。在任中は、中国製冷凍ギョーザ中毒事件など「食の安全」に関する不祥事が相次いだ。

◎大学進学の夢もてない農民工の子供たち、中国(2009年12月28日、産経新聞)
 農民工(出稼ぎ労働者)の子弟にとって大学進学は遠い夢-。中国でこのほど農民工の子弟を対象に行ったアンケートで、大学を目指して高校進学を選択した者が2割未満だったことが明らかになり、「貧富の差が固定化されてしまう」などと懸念する声があがっている。
 アンケートを実施したのは中国中南部の武漢大学で、対象となったのは武漢市内の中学校に通う農民工の子弟300人余り。
 この調査によれば、中学卒業後の進路として「技術を身につけたい」を理由に専門学校を選んだのが72%と一番多く、「大学に入りたい」として一般高校を選んだのは18%。「早く収入がほしい」として働くと答えた者が10%だった。
 中国の都市部の高校進学率は一般的に7割以上、大学進学率は4割前後といわれている。これと比べると農民工の子弟の進学率が極端に低いことは明らかだ。
 インターネットの掲示板ではこの現象を「中国現代教育の失敗」と批判する意見がほとんどだ。「毛沢東時代は少なくとも教育は公平だった。胡錦濤国家主席をはじめ今の中国の指導者のほとんどは貧しい家庭の出身だが、大学受験を通じて自分の運命を変えた。これからの子供はそれができなくなったことが悲しい」「奨学金制度を充実させ、教育現場の公平性を取り戻さなければ、中国の将来は暗い」などの意見が寄せられている。

◎人民元切り上げ要求「絶対応じられない」、中国・温首相(2009年12月28日、朝日新聞)
 中国の温家宝(ウェン・チアパオ)首相は27日、国営新華社通信のインタビューで、欧米などが求める人民元相場の切り上げについて「さまざまな圧力が(人民元の)上昇を迫るが、我々は絶対に応じられない」と述べ、人民元上昇を容認しない考えを改めて示した。
 温首相は「私は今日も依然として、世界の主要通貨が続けざまに下落する状況下で、人民元の基本的な安定は国際社会への貢献になると考えている」と強調した。人民元の対ドル相場は、昨年夏ごろから1ドル=6.83元前後でほぼ動いていない。
 中国の将来的なインフレ懸念については、「我々はすでにインフレ予想の問題に注目し始めている」と指摘。「経済成長と構造調整、物価上昇を、みな合理的な範囲に保たねばならない」と述べた。

◎東ソー、中国での塩ビ生産3倍に、工場新設、国内を逆転(2009年12月27日、日本経済新聞)
 東ソーは中国・広州市に建材や水道管に使う代表的な汎用樹脂である塩化ビニール樹脂の新工場を建設する。100億円を投じて中国での年産能力を現在の3倍にあたる60万トン超に引き上げる。東ソーは塩ビ樹脂で国内シェア首位だが、増産で中国の生産量が初めて国内を逆転する。需要が低迷する国内から、世界最大の化学品市場に成長する中国に生産を移す動きが活発になってきた。
 中国の塩ビ製造子会社「東曹(広州)化工」(広州市)の隣接地を取得し2010年中に新工場の建設に着手する。現在の年産能力は22万トンだが、新工場は約40万トンとする計画で12年の稼働を目指す。塩ビ樹脂生産では中国最大規模となり、建材や水道管、玩具などの現地需要を取り込む。

◎中国、共産党非難は許さず、民主活動家に重刑(2009年12月26日、読売新聞)
 中国の著名な民主活動家・劉暁波氏(53)に対して25日、国家政権転覆扇動罪で懲役11年の判決が下され、共産党独裁に「挑戦」する活動は決して許さず、芽のうちに摘み取るという胡錦濤政権の強硬姿勢が改めて明確になった。
 中国当局は、経済成長による国際的地位向上で人権批判は弱まりつつあると自信を深めており、国内体制の締め付けを一段と強めるとみられる。
 北京市第1中級人民法院(地裁)の判決では、08憲章に加え、劉氏がインターネットで発表した論文6編で、「共産党が唱える愛国主義の本質は独裁政権を愛せということだ」などと批判したことを罪状にあげ、「デマや中傷を広めて国家政権や社会主義制度を覆そうとしている」と断罪した。
 弁護士によると、劉氏は「言論の自由は基本的権利である」と訴え、一貫して無罪を主張。しかし、同法院は「国家政権転覆扇動罪」の最高刑の懲役15年に対し、同11年という重い判決を下した。劉氏は控訴する意向だ。
 08憲章は人権派弁護士ら303人が署名し、昨年12月にネットで公表された。中国の現状は「共産党の天下」と非難し、三権分立の確立や直接選挙の実施、言論や信仰の自由の保障など、19項目の要求を掲げた。
 当局は憲章の発表前に劉氏を拘束、今年12月10日に起訴した。憲章が公表されたウェブサイトも閉鎖した。
 だが、憲章は非公式のブログなどを通じて広がり、12月現在で賛同者の署名は1万件を超えたという。遼寧省の民主活動家の男性(38)は25日、同法院前で「憲章が違法なら、署名した私自身も劉暁波氏と同罪だ。警察は捕まえてほしい」と訴え、連行された。
 劉氏の妻(48)は25日、北京で本紙の取材に応じ、「夫は『中国で言論活動が原因で犯罪者とされるのは、私が最後であってほしい』と言っていた」と述べた。
 劉氏は中国の民主化運動を象徴する存在でもあり、海外でも知名度は高い。即時釈放を求める欧米諸国の大使館員ら約15人が25日、裁判の傍聴を求めたが認められなかった。米大使館員は法院前で中国の対応を非難する声明を発表した。
 ただ、中国の人権問題に厳しく対処してきた米国は、オバマ大統領が11月の訪中で直接批判を控えるなど、トーンダウンが目立つ。中国当局による民主活動家に対する監視や妨害は強まっている。

◎時速350キロ、中国で高速鉄道開通、武漢-広州、3時間で直結(2009年12月26日、日本経済新聞)
 中国鉄道省は26日、湖北省武漢市と広東省広州市を結ぶ高速鉄道(全長1069キロ)を開通した。鉄道省は高速鉄道の営業速度を時速350キロとしており、世界最速の営業速度となる。従来約11時間かかっていた同区間は約3時間強に短縮される。
 武漢と広州を結ぶ路線は、中国が計画している北京市と広州市を約8時間で結ぶ京広高速鉄道(2012年完成予定)の一部。投資総額は1166億元(約1兆5600億円)。毎日21往復運行する。料金は1等車が780元、2等車が490元。同じ区間で競合する中国南方航空は最低220元の格安便を導入、鉄道と航空便の競争も激化しそうだ。
 高速鉄道の開通により、外資系製造業が多く進出する武漢と広州の移動が容易になる。中国は景気対策で鉄道整備を進めており、各地で高速鉄道の建設を急いでいる。

◎中国新鉄道、1000kmを3時間、東京-新下関に相当(2009年12月26日、朝日新聞)
 営業運転速度としては世界最高の時速350キロで走る中国の高速列車「和諧(わかい)号」が26日、武漢(湖北省)と広州(広東省)を結ぶ新路線(1069キロ)で運行を始めた。所要時間はこれまでの3分の1以下の約3時間だ。
 広州北駅で同日朝、開幕式後に始発列車が出発。12分後に時速350キロに達した。日本の新幹線の東京-新下関間に相当する距離。全路線の6割超を橋やトンネルが占める。着工から約4年半で開業にこぎ着けた。
 列車は16両編成で定員約1100人。独シーメンス社の技術供与を受けたものだ。ほかに、東北新幹線「はやて」をベースに開発した列車(最高速度250キロ)も同路線に投入される。
 運賃は片道で1等780元(約1万円)、2等490元(約6600円)。1日23往復、約30分に1本の運行を予定する。
 日本の鉄道関係者によると営業運転のこれまでの最高速度は仏TGVの時速320キロ。日本の最速は山陽新幹線の同300キロ。中国では、北京南-天津間(約120キロ)を結ぶ路線で時速350キロを出せる車両を投入しているが、長距離での本格運転は今回が初めてとなる。
 中国政府は、2020年までに5兆元(約67兆円)を投入し、計12万キロの路線整備を目指している。ただ、目標達成を急いでいる様子もうかがえる。建設責任者の一人は現地紙の取材に「ドイツ企業から安全確認に2年かかると言われた工程を半年で実現させた」などと述べている。

◎産業スパイ、日本人元社長に異例の実刑判決(2009年12月25日、産経新聞)
 東証2部上場の自動車部品メーカー「ミクニ」の中国四川省成都にある現地法人の日本人元社長が、同社グループの技術など機密を持ち出してライバル会社を現地に設立したとして、成都市中級人民法院(地裁)は24日、元社長に商業秘密侵害罪で懲役2年5月、罰金50万元(約650万円)の実刑判決を言い渡した。
 判決を受けたのは成都三国紅光機械電子の堀茂元社長(58)。知的財産権や産業スパイに絡む係争は中国でも珍しくないが、日本人が実刑判決を受けるのは異例。中国では地裁判決後に1回のみ控訴が可能。2005年に退社した元社長が中国人の元同僚らと図面などを持ち出したとしてミクニ側が同年、元社長らを告訴していた。

◎中国、08年成長率を9.6%に上方修正、GDP総額、日本に迫る(2009年12月25日、日本経済新聞)
 中国国家統計局は25日、2008年の国内総生産(GDP)成長率を速報値の実質9.0%から9.6%に上方修正したと発表した。名目GDP総額も速報値より多い31兆4045億元(約420兆円)に膨らみ、世界2位の日本(約505兆円)に一段と迫ってきた。
 GDPの上方修正は4年ぶりに実施した経済に関する国勢調査の結果、第3次産業の数値が当初より増えたためとしている。中国のドル換算のGDPは07年にドイツを抜いて米国、日本に次ぐ世界3位に浮上。09年も8%を超す成長が確実視されており、為替相場の動向次第では10年にも日本を抜くとみられる。
 GDP総額が膨らんだため、GDPを一定額生み出すために排出する二酸化炭素(CO2)の量は前年比5.2%減となり、速報値段階より減少幅が拡大した。中国は11月、単位GDPあたりのCO2排出量を2020年までに05年比で40~45%削減する目標を発表したが、08年までで既に05年比の減少率は12.45%に達したとしている。

◎中国反体制作家に懲役11年(2009年12月25日、日本経済新聞)
 中国共産党による独裁廃止などを求めた「08憲章」を起草したとして国家政権転覆扇動罪に問われた反体制作家、劉暁波氏(53)の判決公判が25日、北京市第1中級人民法院(地裁)であり、同法院は懲役11年、政治権利剥奪(はくだつ)2年の実刑判決を言い渡した。国営新華社などが報じた。
 劉氏の公判を巡っては、米国務省などが「開かれた政府を求めた劉氏の行為は罪に当たらない」などと強く非難しており、今回の判決を受け、欧米各国や国際人権団体などは中国に対する批判を一層強めるとみられる。
 08憲章のほか劉氏が発表した6件の論文で、一党独裁批判や多党制導入などを主張したことが同罪に問われたが、劉氏側は公判で「言論の自由が保障されている」と無罪を主張。劉氏は昨年12月、憲章の発表直前に公安当局に身柄を拘束された。

◎見せしめか、著名反体制作家に懲役11年、中国(2009年12月25日、産経新聞)
 北京市第1中級人民法院(地裁)は25日、中国共産党の一党独裁体制の変更を求めた「08憲章」を起草したとして国家政権転覆扇動罪に問われた著名な反体制派作家、劉暁波氏(53)に対する判決公判を開き、懲役11年の実刑判決を言い渡した。中国当局には、劉氏を重罪に処すことで、民主活動家や知識人に対する見せしめとする狙いがあるとみられている。
 検察側は劉氏が「08憲章」のほか、海外で発表した六つの論文で、一党独裁を批判し、多党制導入を主張したことなどについて、「デマや誹謗(ひぼう)などを通じて政権転覆を扇動した」と指摘。これに対して劉氏側は「言論の自由」を根拠に無罪を主張していた。
 法院を訪れた米大使館員(人権担当)は「判決に強い懸念を表明する。中国政府に対し即時釈放を改めて要求する」と述べた。「08憲章」にも署名した劉氏の支援者は「中国に言論の自由がないことを証明した」と話した。
 劉氏は1989年の天安門事件の際、米国留学から帰国して民主化運動に参加、事件後に逮捕され、1年8カ月間投獄された。釈放後も96年から99年まで3年間、労働改造所に送られたが、文筆活動で中国の民主化を主張し続けてきた。
 しかし「08憲章」がインターネット上で発表された昨年12月に拘束され、今年6月、正式に逮捕された。「08憲章」への署名は当局によるネット規制にもかかわらず、1万人前後になったとされる。
裁判所周辺は、公安当局が厳戒態勢を敷き、裁判所前に「記者エリア」を設置、外国人記者の取材活動を規制する措置を講じた。

◎中国の地裁、産業スパイ事件で邦人に実刑(2009年12月25日、読売新聞)
 東証2部上場の自動車部品メーカー「ミクニ」(本社・東京)が成都に設立した現地法人の日本人元社長が、中国国内で同業種の競合会社設立に関与したとして、成都市中級人民法院(地裁)は24日、元社長に対し商業秘密侵害罪で懲役2年5月、罰金50万元(約650万円)の実刑判決を言い渡した。
 審理が2年半も中断するなど不透明な手続きも浮き彫りになっており、元社長は控訴する方針だ。
 判決を受けたのは堀茂・元成都三国紅光機械電子社長(58)。判決などによると、堀元社長は中国人の元同僚ら4人(共犯として執行猶予判決)と、ミクニ同様のオートバイ用排ガス浄化部品を生産する会社を設立。ミクニ側が2005年7月ごろ、部品図面などを持ち出したと告訴した。
 堀元社長ら5人は06年7月に刑事拘留されたが、中国人4人は証拠不十分で保釈。07年3月、5人全員が起訴された際は、同法院が2度にわたり補充捜査を命じている。また5人は、「生産技術は公開情報」と無罪を主張し、審理は07年5月に計4回開かれた後、2年半も中断。刑事訴訟法は、複雑な事件でも審理期間を最長2か月半と定めており、被告人らは「目新しい証拠はなく、長引いた原因は不明だ」と主張している。
 中国の製造業は人材の流動性が高く、知的財産の保護も不十分で、技術流出に絡む紛争は多いが、刑事事件に発展するケースはまれ。中国の法リスクに詳しい梶田幸雄・麗沢大外国語学部教授は「商業秘密侵害罪は要件が厳格な上、高い専門性に見合った裁判官、鑑定人も不足している」と立件の難しさを指摘する。
 その上、司法手続き自体の不透明さがある。今回のように外国人が絡む事件は通常、地元共産党委に属する政法委が各方面の利害を調整し実質的な決定を下す。判決の懲役2年5月は堀元社長の未決拘置期間に等しく、収監を避ける配慮である可能性が高い。一方、捜査当局のメンツをつぶす結論は出しにくい事情がある。堀元社長は「私への個人的な恨みに基づく恣意的な告訴、捜査が行われた」と話している。

◎中国財政赤字が最大更新も、来年、13兆円規模と報道(2009年12月21日、産経新聞)
 中国紙、第一財経日報は21日、来年の中国の財政赤字が1兆元(約13兆円)前後に上り、今年を上回って過去最大を更新する可能性があると報じた。財政省財政科学研究所の賈康所長が19日に北京で開かれたフォーラムで語った。
 今年は予算段階で、国と地方合わせて9500億元の赤字だった。中国は来年を期限とする4兆元規模の景気刺激策を実施中で、来年も公共事業に多額の支出が必要。
 ただ、賈所長によると、財政赤字は中国政府が財政規律を守るための目安としている国内総生産(GDP)比3%以内には収まる見込みという。

◎特例会見、中国では「次の最高指導者」周知の意図(2009年12月15日、読売新聞)
 中国の習近平国家副主席は15日、特例的に天皇陛下と会見し、胡錦濤国家主席(共産党総書記)の最有力後継候補として経歴に箔をつけた。
 「皇室の政治利用」を巡る日本の騒動をよそに、中国は会見の「成功」をアピール、鳩山政権下で対日関係の強化を図る構えだ。
 習氏は15日の会見で、緊張した表情で天皇陛下と握手。長身の習氏は、少し頭を下げて手を差し伸べ、あいさつを交わした。宮内庁によると、習氏は、会見が実現した経緯について直接の言及はしなかったが、「わざわざ機会を作っていただいたことに深く感謝します」と述べた。中国の環境問題なども話題となった。
 中国が会見に強くこだわったのは、次世代リーダーの習氏を「最高指導者級」として処遇するよう求めたからだ。そこには、日本に習氏を印象付ける思惑以上に、中国国内で「次の最高指導者」としての地位を周知させる、内政上の宣伝意図があった。
 中国は、日本の皇室の「政治的価値」を熟知している。銭其チン元外相は回顧録で、1989年の天安門事件後に中国が国際社会で孤立する中、92年の天皇陛下訪中が「対中制裁打破に積極的な効果をもたらした」と振り返り、西側諸国の包囲網を破る突破口となったと総括する。
 習氏の妻で人民解放軍の人気歌手、彭麗媛さんが11月に東京・学習院大で公演した際にも、皇太子殿下が私的に会場を訪れて鑑賞し、言葉を交わされたという。中国にとって、天皇陛下との外交は「政治」そのものであり、中国は今回、様々な手を打って準備した。
 中国外務省の姜瑜・副報道局長は15日の定例記者会見で、「現在のところ、習副主席の訪問は非常に順調に進んでおり、日本も周到な手配をしてくれた」と評価した。
 ただ、皇室相手の外交は、一歩間違うと、日本の国民感情を決定的に悪化させるリスクを伴う。98年に訪日した江沢民国家主席(当時)は、天皇陛下主催の宮中晩さん会で日本の軍国主義を非難して激しい反発を招き、その後の日中関係が冷え込む大きな原因となった。今回も慣例を破る特例会見となったことで、習氏に対して悪印象が残る懸念もある。
 鳩山政権は「日中関係の重要性」を理由に、特例的な会見を認めた。中国共産党と鳩山政権との親密度は、今後さらに深まる可能性が高い。ただ、両国の国民同士の冷めた感情を好転させるという、現在の日中関係における大課題の解決という面では、むしろ逆効果となった恐れもある。(東京で、中国総局、関泰晴、国際部、比嘉清太)

◎中国のエイズ禍、“亡命”の医師が米議会で告発(2009年12月6日、産経新聞)
 中国で売血による深刻なエイズ禍を世界に告発してきた著名な女医、高耀潔さん(82)=写真=が、中国当局の監視を逃れ米国に事実上亡命した。1日の世界エイズデーをはさみ、ワシントンで渡米後初めて公式の場に姿を現した高さんは、米議会などで「中国のエイズ禍の根源は、政府が真相を隠す血液ビジネスの利権に他ならない」と訴えた。
 高さんは、1990年代から地元の河南省で、売血を介したエイズウイルス(HIV)感染が急速に広がっている実態を独自に調べ、内外に告発を続けてきた。活動は国際的に高く評価された半面、国内では実態隠しを図る中国当局により、行動監視や外部との接触制限などを受けてきた。
 高さんによると、河南省内の自宅の電話が今年5月に切断されたことで危険を察知し、四川、広東各省に逃亡。さらに、四川大地震の被害実態を告発した活動家の訴追を知って最終的に出国を決意し、8月に米国へ渡った。米国では、中国民主化組織「チャイナ・エイド」(ボブ・フー会長)の助けを受け、テキサス州内で情勢を静観していた。
 米国への渡航は、人権賞受賞のためワシントンを訪れた2007年以来だ。高さんは、前回の訪米期間中、中国の監視要員に毎晩、当日の活動状況をひそかに報告させられていたことを告白。今年2月に訪中したクリントン米国務長官の招きで北京に上京したときには、警察に面会を阻止されたことも明らかにした。
 米議会で3日発言した高さんは、エイズ禍に関する司法への告訴が事実上受理されない中国の現状を指摘し、金品供与や昇進などの「アメ」と、脅しや投獄の「ムチ」で、告発者がコントロールされている実態を報告した。
 さらに、エイズ禍を広げた血液ビジネスには、衛生当局の官僚らによる構造的な汚職が深くかかわっていることも詳述。「エイズ問題は中国の経済発展にもやがて影響する。ごまかしは通じない」と訴えた。

◎中国、見せしめ外交、「人権」のカナダ首相を冷遇(2009年12月6日、産経新聞)
 2日から訪中したカナダのハーパー首相は6日、香港で曾陰権行政長官と会談したあと、帰国の途についた。近年、人権重視の姿勢を全面的に打ち出しているカナダは中国と険悪な関係が続いており、ハーパー首相は温家宝首相から直接批判されたほか、地方指導者との会談が直前にキャンセルされるなど、“異例の冷遇”を受けた。中国のカナダに対する厳しい姿勢は、中国に友好的でない国々への“見せしめ”とも指摘される。
 2006年2月に就任したハーパー首相は一貫して中国の人権や少数民族政策に批判的な立場を取っており、中国当局による気功団体、法輪功への弾圧などを抗議するために2007年に中国との人権対話を一方的に中断。また、同年にはチベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマの公式訪問を受け入れ会談した。
 訪中を控えていたオバマ米大統領が10月にワシントンを訪問したダライ・ラマとの初会談を先送りしたのとは対照的だ。
 さらに2008年夏の北京五輪の開幕式に中国から招待されたが、「人権問題が解決されていない」との理由で出席を拒否した。
 こうした中、ハーパー首相が訪中したのは、来年の冬期五輪開催を控え、中国からの観光客や投資を期待する国内の経済界から圧力を受けたことが要因といわれる。
 3日に行われた温家宝首相との会談では、2国間貿易やカナダへの観光の推進など経済分野では成果を得たが、温首相から「中国とカナダの首相会談はこれが5年ぶり。遅れた訪問ですね」と嫌みをいわれたほか、「カナダが近年、中国に取ってきたよそよそしい態度は、両国関係に影響を及ぼしている」と直接批判された。
 さらに、香港紙、明報によると、ハーパー首相は5日、来年開かれる万国博覧会会場視察のために上海を訪れたが、同日午後に予定されていた韓正市長との会談が中国側によって急きょキャンセルされた。中国の地方指導者が外国の首脳との会談をキャンセルすることは異例で、中国側による不快感表明とみられる。
 北京在住のある中国外交研究者筋は「金融危機以後、中国はますます自信を深めている。今回のハーパー首相に対する厳しい態度は、これまでのカナダの対中政策への報復よりも、最近同じく中国に友好的ではないオーストラリアや旧東欧諸国への“警告”の意味があるだろう」と指摘している。

◎帰国できない、成田空港に滞在1カ月(2009年12月5日、スポーツニッポン)
 中国当局に入国を拒否され、出発地の日本に送還された上海の人権活動家馮正虎(ひょう・せいこ)さん(55)が帰国を求め、約1カ月にわたり成田空港の入国審査前の制限区域に滞在を続けている。「母国への帰国は基本的人権」との訴えに、支援の輪も広がりつつある。
 民間の経済研究所の所長を務めていた馮さんは、1989年の天安門事件の際、民主化運動の弾圧に反対する声明を発表し、職を追われた。その後は日中で民主化や人権擁護活動に取り組み、今年3月、中国で41日間の拘束後に釈放され、4月初めに来日した。
 6月から計7回帰国を試みているが、いずれも中国当局は拒否。あらためて11月3日に成田を出発、上海空港から入国を試みたが拒否され、4日に送り返された。
 今回は日本への入国手続きを拒んだ。「母国に帰国するという基本的な人権を守り、中国当局に屈しないため」と理由を話す。
 馮さんは主に空港の入国審査場脇で過ごし、インターネットなどで抗議行動を知った世界中の人々から寄せられるメールや電話に対応する日々。
 滞在エリアは、日本国内から物品を持ち込むことを禁じる区域。馮さんは、来日する支援者たちが入国審査の際に差し入れてくれるビスケットやチョコレートなどで飢えをしのぐ。水は洗面所で確保し、夜は長いすに横になる。1カ月にわたる滞在にも「少し疲れはあるが、健康状態は大丈夫」と馮さん。
 東京入管成田空港支局は「制限区域内の長期滞在者は初めてのこと。強制的な手段は取れず、最後は自発的に入国手続きをしてもらうしかない」と困惑している。

◎腐敗抗議の数百人拘束、北京、人権状況の実態露呈(2009年12月4日、産経新聞)
 北京市中心部にある中国中央テレビ本社前で4日、地元政府官僚の腐敗や不当な土地強制収用に抗議するため、全国各地から来た数百人の陳情者が、待ち構えていた100人以上の公安当局者に拘束され、「闇監獄」とも呼ばれる拘束用施設に連行された。
 4日は、中国政府が法治の徹底を図るために制定した「法治宣伝日」。早朝から陳情者は、中央テレビに対し、報道を通じて中央や地方の政府などに、法律に基づく統治の徹底を促すよう求めて続々と集合。
 しかし陳情者が同テレビ本社前に来るたびに、多数の制服警官が取り囲んで、公安当局借り上げの市バスに乗せ、従わない陳情者は腕をつかみ強制的にバスに連れ込んで拘束。満席になると、市南部にある拘束用施設に次々と送り込んだ。

◎メラミン混入事件、元酪農業者ら2人死刑執行、中国(2009年11月24日、読売新聞)
 【北京=関泰晴】新華社電によると、中国で有害物質メラミン混入の粉ミルクを飲んで乳幼児が腎結石などにかかった事件で、河北省石家荘市の中級人民法院(地裁)は24日、公共安全危害罪などで死刑判決を受けていた元酪農業者ら2人の死刑を執行したと発表した。
 昨年発覚した事件では乳幼児6人が死亡、健康被害が出た乳幼児は約30万人にのぼった。乳幼児の両親が各地で損害賠償訴訟を起こす動きもあり、死刑執行は、両親らの不満を和らげる狙いがあると見られる。

◎上海ディズニー、経済効果か文化侵略か(2009年11月24日、読売新聞)
 【上海=加藤隆則】中国政府が今月初めに建設を承認した上海ディズニーランド。
 中国では、来年5月開幕の上海万博に続く大型プロジェクトとして、内需拡大効果に期待が集まるが、米国文化を象徴するミッキーマウスによる「文化侵略」との批判も上がっている。
 上海市政府が今月4日に中国政府の建設承認を発表した翌日の上海各紙は、「ディズニー歓迎」報道一色だった。「経済波及効果は1兆元(約13兆円)以上」「5万人の雇用機会創出」など専門家試算が大きく伝えられた。ディズニー効果で、上海への旅行客が、年間300万~500万人増加すると見込まれるためだ。
 米ディズニー側は長年、中国本土市場進出を目指してきたとされるだけに、オバマ米大統領の訪中直前の承認発表は「(米側への)プレゼント」(中国メディア)と評されている。

・開発に便乗
 建設予定地は、東アジアのハブ空港を目指す浦東国際空港、リニアや上海万博会場に近い「一等地」だ。予定地の浦東新区趙行村では「立ち退きで、生活が改善される」と歓迎ムードが広がっている。
 最後となる稲の刈り入れが一段落した同村で、来年にも始まる工事区域に組み込まれた喬史芳さん(58)は「(立ち退きで)一生かかっても手にできなかった都市戸籍がもらえる。これで安心して医者にもかかれる」と大喜びだ。農地を失った農民には、社会保障が不十分な農村戸籍に代わって、都市戸籍が与えられるからだ。
 また、農地収用に伴う立ち退き補償金の上積みを狙って、相次いで形ばかりのビニールハウスなどを設置する便乗行為が横行、地元当局は、「違法建築」として、解体を命じる騒ぎまで起きている。

・過半数が「嫌い」
 一方で、中国本土初のディズニーランド建設に対して、「中国の民族文化衰退につながる」との批判もわき上がっている。「人民日報」発行の国際問題専門紙「環球時報」が実施したネット世論調査(3000人対象)では、「ディズニーに代表される米文化」に、過半数が「嫌い」と答えた。「米の文化侵略」と民族感情をあおる過激な言論もネット上で飛び交い、中華文化への自信増大のためか、「なぜ孫悟空のテーマパークではいけないのか?」との書き込みも。
 さらに、入園料が300元(約3900円)以上と予想され、所得格差拡大が社会問題化していることから、「裕福な家の子供だけが楽しみ、貧しい子供が傷つく『楽園』になる」と懸念する声も出ている。

・上海ディズニーランド
 アジアでは東京、香港に次いで3か所目となる。2014年に開業見通し。初期の年間入園者数(推定)は約1000万人。敷地面積は400ヘクタール。総投資額は250億元(約3250億円)、中国側が57%、ディズニー側が43%を出資。日本の東京ディズニーリゾートは約200ヘクタール(ホテルなど含む)、ディズニーランドとディズニーシーの入園者数は計2722万人(2008年度)。

◎天然ガス不足の中国、給油待ちタクシーが長蛇の列(2009年11月23日、産経新聞)
 中国・重慶市の高架道路で17日、給油待ちのタクシーが長蛇の列を作る光景が見られた。国営放送によると、吹雪に見舞われた中国北部に供給が回されたため、同国の中部および東部では過去最悪の天然ガス不足に直面している。
 一方、生産者側は、低い利益率のため増産に消極的となっている。

◎中国の新型インフル死者数、少なすぎる?専門家が指摘(2009年11月21日、朝日新聞)
 【北京=小林哲】中国の新型インフルエンザの死者数について、広東省の広州呼吸疾病研究所の鍾南山所長は「公表されている数字は信じられない」などと述べ、一部地域で死者数の隠蔽(いんぺい)が行われていると批判した。現地紙「広州日報」が19日に報じた。
 鍾所長によると、一部の地域では、地方政府が新型インフルの制圧に成功していると見せかけるために患者数を過少報告している。感染が疑われる重症患者に義務づけられているウイルス検査が徹底されず、感染が特定されないケースがあるという。
 中国衛生省の発表によると同国の感染者は16日現在で約6万9千人、死者は53人。流行の程度が異なるため単純には比較できないが、人口が約10分の1の日本(17日現在で死者65人)と同程度の死者しか出ていないことになる。世界保健機関(WHO)の報告書によると、日本の人口100万人あたりの死者数は0.2人(6日現在)で、世界で最も低いレベルにとどまっている。中国についての詳しい分析はまだない。
 衛生省は19日、国内12省に作業チームを派遣し、重症例への対応などを指導したと発表した。新華社電によると 海華報道官は「うその報告や報告漏れ、報告を遅らせることを厳禁する」と強調した。
 鍾所長は中国の感染症対策の第一人者。03年の新型肺炎(SARS)流行の際も、感染拡大を隠そうとする政府に異議を唱えた。

◎中国の新型インフル「死者数隠ぺい」、国内専門家が指摘(2009年11月19日、日本経済新聞)
 【北京=尾崎実】19日付の中国紙、広州日報によると、中国で感染症研究の第一人者として知られる広州呼吸疾病研究所の鐘南山所長は18日、新型インフルエンザによる中国の死者数について「公表数は全く信じられない」と指摘した。実際の死者数が一部地域で隠ぺいされていることが理由とし、情報の公開を強く求めた。
 中国衛生省によると、16日までの中国本土の感染者数は約6万9000人で、死者数は53人。中国では2003年に重症急性呼吸器症候群(SARS)が大流行した際、政府が情報を隠したことで被害が拡大した。
 鐘所長は「流行のピーク時には、全人口の1~2割にあたる1億3千万~2億6千万人が感染する恐れがある」とも指摘。感染者の3分の2が発症し、800万~1700万人に入院治療が必要になるとの見方を示した。同紙によると、感染拡大で国内総生産(GDP)が0.5%減少する可能性があるという。

◎えっ、2億人以上感染も!中国、インフル死者数を隠ぺいか(2009年11月19日、スポーツニッポン)
 19日付の中国紙、広州日報によると、広東省の広州市呼吸疾病研究所の鍾南山所長は18日、中国の新型インフルエンザの現状について「一部の地域では死者数を隠ぺいしており、公表されている数字は全く信じられない」と述べ、情報の透明性を高めるよう呼び掛けた。
 鍾所長は中国の感染症対策の第一人者。中国本土の感染者数などは公表数より多いと指摘されていたが、専門家が認めたのは初めて。衛生省の発表では16日までの感染者数は約6万9千人で死者は53人。
 また鍾氏は流行のピークには人口の1~2割を占める「1億3千万~2億6千万人が感染する可能性がある」との見通しを示し、積極的な対策をとらなければ、国内総生産(GDP)が約0・5%減少すると警告した。同紙はピーク時を特定していない。
 鍾所長は、2003年に中国で新型肺炎が流行した当初、感染者数を隠ぺいしていた政府側の見解に異論を唱えて一躍有名となった。

◎逆効果、おびえる風俗嬢の映像で警察“集中砲火”浴びる(2009年11月6日、スポーツニッポン)
 中国河南省鄭州市の警察が防犯キャンペーンの一環で風俗店を急襲、風俗嬢を力ずくで捕らえる模様を地元メディアを通じて公開したところ、「風俗嬢の人権を無視している」とインターネットなどで警察が非難の集中砲火を浴びている。警察は旧態依然の手法で“活躍”をアピールしたが、庶民の人権意識の高まりで逆効果を招いた格好だ。
 地元テレビや新聞によると、警察は10月28日深夜、市内の歓楽街で風俗店に踏み込んだ。私服警官が個室の扉をけり壊し室内に突入、中にいた風俗嬢の髪の毛をわしづかみにし、顔を上に向かせる写真や映像が公開された。風俗嬢のおびえた顔も映っていた。
 報道直後からネットで「警官は粗暴すぎ」「顔写真まで公開するのは人権侵害」といった書き込みが殺到。「恥ずかしいのは風俗嬢ではなく、警察の質だ」と当局批判に発展した。当局は「メディアが勝手に写真を公開した」と反論、責任逃れに躍起になっている。

◎風俗嬢摘発で警察の人権侵害に猛批判、中国(2009年11月6日、産経新聞)
 中国河南省鄭州市の警察が防犯キャンペーンの一環で風俗店を急襲、風俗嬢を力ずくで捕らえる模様を地元メディアを通じて公開したところ、「風俗嬢の人権を無視している」とインターネットなどで警察が非難の集中砲火を浴びている。警察は旧態依然の手法で“活躍”をアピールしたが、庶民の人権意識の高まりで逆効果を招いた格好だ。
 地元テレビや新聞によると、警察は10月28日深夜、市内の歓楽街で風俗店に踏み込んだ。私服警官が個室の扉をけり壊し室内に突入、中にいた風俗嬢の髪の毛をわしづかみにし、顔を上に向かせる写真や映像が公開された。風俗嬢のおびえた顔も映っていた。
 報道直後からネットで「警官は粗暴すぎ」「顔写真まで公開するのは人権侵害」といった書き込みが殺到。「恥ずかしいのは風俗嬢ではなく、警察の質だ」と当局批判に発展した。

◎中国新疆の騒乱、12人の死刑確定、被告側の控訴棄却(2009年11月1日、朝日新聞)
 【北京=峯村健司】新華社通信によると、中国新疆(しんきょう)ウイグル自治区ウルムチで7月に起きた騒乱で、地元の高級人民法院(高裁に相当)は10月30日、殺人や放火などの罪に問われたウイグル族ら10人を死刑(執行猶予を含む)とした一審判決を支持、被告側の控訴を棄却した。
 中国の刑事裁判は二審制で、控訴しなかった2被告を含めて計12人の死刑が確定した。判決によると、被告らはナイフや鉄パイプで市民を殺害したほか、店舗や住宅に放火した。

◎中国の自動車生産、09年は1千万台突破 年間世界一へ(2009年10月21日、朝日新聞)
 【深セン(中国広東省)=琴寄辰男】中国自動車工業協会は20日、09年年初からの累計生産台数が1千万台を超えたと発表した。中国国内の年間自動車生産が1千万台を上回るのは初めて。
 同協会などはこの日、吉林省長春で記念式典を開いた。中国の新車販売台数は今年、年間1200万台を超える勢いが続いており、米国を抜いて世界首位になる可能性が高まっている。生産台数でも日本を超えて世界一となる見通しだ。
 中国では、今年1~9月の累計で新車販売が966万台と好調で、生産も961万台に達した。08年に1150万台余りを生産して世界一だった日本は、国内市場の低迷などで、今年1~8月の累計では464万台にとどまっている。

◎取材をやめろ! 中国警察、気を失うまで記者を殴打(2009年10月20日、産経新聞)
 20日付の中国英字紙チャイナ・デーリーは、河南省洛陽市で18日夜、地元放送局の記者が交通事故の現場を写真撮影したところ、警官4、5人に拘束され、気を失うまで激しく殴打されたと伝えた。
 中国では記者に対する当局の妨害や暴力が日常的に起きているが、メディアが詳細を報じるのは珍しい。あざの残る記者の顔や手錠が掛けられた手首の写真も掲載した。
 現場は6月に警察車両が人身事故を起こしたのと同じ場所だったため、記者は再発防止を注意喚起するため取材しようとしたところ警官が制止。激しい暴行を受け、目が覚めると暗い部屋の中で手錠につながれていたという。

◎ウルムチ暴動での死刑、6人増え12人に、中国(2009年10月15日、産経新聞)
 新華社電によると、新疆ウイグル自治区ウルムチ市で7月5日に起きた大規模暴動で、同市の裁判所は15日、殺人などの罪で6人に死刑判決を言い渡した。ウルムチ暴動での判決公判は12日に続いて2件目で、死刑判決を受けたのは12日のウイグル族の6人とあわせ計12人となった。
 新たに死刑判決を受けた6人もウイグル族とみられる。
 裁判所は15日、別の3人に対し、無期懲役を言い渡した。12日の判決では6人に死刑、1人に無期懲役を言い渡した。
 ウルムチ市の暴動では、197人が死亡、1700人以上が負傷した。

◎騒乱招いたウイグル族襲撃、主犯格の漢族に死刑(2009年10月11日、朝日新聞)
 【北京=峯村健司】中国国営新華社通信によると、今年7月5日に新疆(しんきょう)ウイグル自治区ウルムチ市で起きた騒乱のきっかけとなった、広東省の玩具工場での漢族とウイグル族との衝突事件に関して、地元の中級法院(地裁に相当)は10日、傷害罪に問われた主犯格の漢族2人にそれぞれ死刑と無期懲役の判決を言い渡した。
 中級法院はウイグル族を含めたほかの9人には懲役8~5年の実刑を言い渡した。
 この事件は6月26日、玩具工場の宿舎で漢族の従業員がウイグル族の従業員を襲撃し、数百人の乱闘に発展。ウイグル族2人が死亡、118人が負傷した。「漢族による集団暴行」とされる映像がインターネット上で広まり、ウイグル族の怒りに火がつき、ウルムチでの抗議デモに発展した。
 中国当局は、衝突事件の首謀者の漢族に対して厳罰姿勢を示すことで、ウイグル族側の不満を解消する狙いがあるとみられる。

◎汚職の不動産局長に実刑 中国、ネットでの告発が端緒(2009年10月10日、産経新聞)
 新華社電によると、中国江蘇省南京市の中級人民法院(地裁)は10日、工事発注などで便宜を図り、業者らからわいろを受け取っていたとして収賄罪に問われた同市江寧区の元不動産管理局長、周久耕被告に懲役11年の実刑判決を言い渡した。
 昨年12月、周被告が高級腕時計を着け、高級たばこを吸っているのに気付いたインターネット利用者が告発。ネット上で追及が始まり、同区は「公費でぜいたく品を購入した」と認定、周被告を免職処分にしていた。
 その後の調査で、周被告が職権を利用して、工事発注や人事などの面で便宜を図り、100万元(約1300万円)以上のわいろを受け取っていたことが判明したという。

◎GM:中国メーカーに「ハマー」売却(2009年10月10日、毎日新聞)
 【ワシントン斉藤信宏】米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は9日、大型SUV(スポーツタイプ多目的車)ブランド「ハマー」を、中国の重機メーカー、四川騰中重工機械に売却することで最終合意に達したと発表した。米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)によると、買収金額は約1億5000万ドル(約135億円)という。
 米中両国の独占禁止法に抵触しないことなどが買収の条件となるが、実現すれば中国企業が初めて米国自動車市場に本格参入することになる。中国企業によるGMブランド買収は、世界の自動車産業の主役交代を印象づける出来事として注目されそうだ。
 GMは四川騰中に車両製造工場を引き継ぐ12年まで「ハマー」の生産を続ける。四川騰中はハマーの販売店網も引き継ぐ見通しで、販売店や製造工場など3000人超の雇用は守られる公算が大きい。
 GMは6月に米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を受けた際、経営再建策の一環として、世界に10以上あったブランドを4ブランドに絞り込む方針を決めた。
 難航した「ハマー」の売却では最終合意に達したものの、小型車ブランド「サターン」の売却交渉が9月に破談に終わったほか、「ポンティアック」の廃止も決まっている。
 新興国メーカーは、インドのタタ・モーターズが08年に米フォード・モーターから英高級ブランド「ジャガー」と「ランドローバー」を買収するなど先進国の自動車ブランド買収の動きを加速させている。

◎ウイグル族殺害、漢族の男に死刑・無期判決(2009年10月10日、読売新聞)
 【北京=関泰晴】新華社電によると、中国広東省韶関(しょうかん)市の中級人民法院は10日、同市の玩具工場で今年6月に発生したウイグル族の労働者殺害事件で、主犯格の漢族の男2人に対し、それぞれ死刑と無期懲役の判決を下した。
 事件は新疆ウイグル自治区ウルムチで7月に発生した暴動の原因とされ、中国当局は漢族に厳罰を下すことで、ウイグル族の不満を和らげようとしたとみられる。
 判決によると、殺害事件の発端は同工場で6月25日深夜、漢族の女性が宿舎に戻る際、ウイグル族の男性に追いかけられたこと。漢族の男性が怒って鉄棒などでウイグル族を襲撃し、乱闘で2人が死亡、9人が重軽傷者を負った。乱闘に加わった漢族とウイグル族双方の計9人に対しても、懲役5~8年の判決が下された。

◎ウイグル暴動の発端となった工場乱闘で死刑判決、中国(2009年10月10日、産経新聞)
 新華社電によると、7月に新疆ウイグル自治区ウルムチで起きた大暴動の発端となった広東省韶関市の玩具工場での乱闘事件で、韶関市の法院(地裁)は10日、1人に死刑、1人に無期懲役の判決を言い渡した。
 乱闘事件は6月26日、玩具工場宿舎で漢族の従業員らがウイグル族の従業員を襲撃したことがきっかけで発生。ウイグル族2人が死亡、100人以上が負傷した。
 7月5日に起きたウルムチ暴動は、この乱闘事件に怒ったウイグル族が抗議したことがきっかけといわれている。

◎中朝国境でサリン検出、北朝鮮から風吹く時に2回(2009年10月9日、朝日新聞)
 【瀋陽=西村大輔、ソウル=牧野愛博】中国軍の特殊部隊が昨年11月と今年2月、遼寧省丹東周辺の北朝鮮国境付近で、空気中から猛毒のサリンを検出した。中国当局関係者が明らかにした。実験か事故があった可能性があるとみて、軍が監視を強めている。
 関係者によると、特殊部隊は演習を兼ねて、定期的に空気中の化学物質を調査していた。北朝鮮側から風が吹く時に調べていたところ、1立方メートルあたり0.015~0.03マイクログラムのサリンが偶然検出された。中国軍が航空機で無毒化する薬品を散布したとの情報もある。
 サリンは戦前のドイツで化学兵器用に開発された神経ガスの一種。殺傷能力が極めて高い。95年のオウム真理教による地下鉄サリン事件では多くの死傷者を出した。
 毒性が強く、軍事演習での使用は考えにくいが、何らかの実験をしたか、保管もしくは移送中に事故が起きた可能性がある。丹東に近い北朝鮮・新義州には、軍事目的と疑われる化学工場がある。
 韓国の08年版国防白書によると、北朝鮮は80年代から生物化学兵器の生産を開始。現在、2500~5千トンを貯蔵している。その詳細は不明だが、北朝鮮はサリンの原料となる化学物質を輸入したことがあり、米韓両国は北朝鮮がサリンを保有していると判断、対北朝鮮戦に備えた共同作戦計画に化学防護作戦を盛り込んでいるとされる。砲弾に仕込むのが一般的で、日本を射程に収める弾道ミサイル「ノドン」にも搭載できる。ただ、熱に弱いサリンを大気圏再突入時の熱から防ぐ技術は、現在の北朝鮮にはないとも言われている。

◎狂犬病で毎年2400人以上死亡、中国(2009年9月28日、産経新聞)
 28日付の中国英字紙、チャイナ・デーリーによると、中国衛生省は27日、国内の狂犬病患者が2001年以降増加し、死者が毎年2400人以上に達していると警告する報告書をまとめた。
 死者数はインドに次いで多く、増加の背景にはペットの犬が増えたことや、公衆衛生意識の遅れがあると指摘した。
 中国では年平均4千万人以上が犬などの動物にかまれる事故が発生。狂犬病の感染例は南部の広西チワン族自治区、広東省、湖南省などで多い。
 全国に約7500万匹の犬がいるが、狂犬病の予防ワクチンを接種している犬は20%に満たないという。

◎取材の共同通信記者に暴行、北京のホテルで当局者(2009年9月19日、産経新聞)
 北京市中心部の目抜き通り、長安街に面したホテル、北京飯店の客室で18日夜、軍事パレードの予行演習を取材していた共同通信の記者ら3人が、押し入った中国当局者の男ら数人に暴行を受けた。男らは「カメラ撮影は違法だ」などとして、パソコン2台を破壊した。
 3人は手を後ろに組まされ、ひざまずくよう命令された。携帯電話の使用も禁止され、行動の自由が一時、制限された。長安街では戦車などが集結。建国60年となる10月1日の軍事パレードの予行演習が行われるところだった。
 中国外務省は今月6日の予行演習の際には撮影を禁止すると通達を出していたが、その後の演習では禁止の通達などは出ていなかった。

◎中国で養豚業者が銅在庫を大量保有 そのわけは?(2009年9月19日、産経新聞)
 世界最大の金属消費国、中国の個人投資家が相当量の銅在庫を保有していると英サクデン・ファイナンシャルが明らかにした。
 サクデンでアジアの事業開発を担当するジェレミー・ゴールドウィン氏は訪中後に発表したリポートで、養豚業者ら投機家が5万トンを超える銅在庫を積み上げている可能性があると指摘した。これは上海先物取引所の指定倉庫の在庫の約半分の水準に相当する。同取引所の銅在庫は先週9万7396トンに達し、2年ぶりの高水準を記録した。
 サクデンの推計は、個人投資家による投機が拡大するなか、アナリストらによる中国の金属需要判断が難しくなっていることを裏付けている。これらの投資家が保有する在庫は、各取引所の報告の枠組みに含まれていないためだ。ゴールドウィン氏は、中国の個人投資家が約2万トンのニッケル在庫も保有しているとも指摘している。
 上海東方フューチャーズのアナリスト、江明君氏は「銅取引に全く関係のない人たちが、金を買うのと同様に、価値の保存手段として銅を購入している」との見方を示した。
 中国政府の4兆元(約53兆円)規模の景気刺激策導入と09年1~6月期の銀行融資が過去最高の1兆1000億ドル(約100兆円)に達したことを背景に、建設や自動車製造で使用される銅の買い入れが拡大。ロンドン金属取引所(LME)の銅相場は年初から2倍以上に上昇している。
 金属市場における中国の個人投資家の動きについては、スコシア・キャピタルのアナリスト、ナ・リュー氏が8月17日付のリポートで、市場心理が変化すればすぐに在庫を放出する可能性があると指摘していた。
 江氏も個人投資家の在庫の積み増しは「中国の需要が強いとの印象を与えるが、実際購入しているのは経済に悲観的な見方をしていて、自分たちの富を蓄えようとしている人たちだ」と話した。

◎三菱ガス化学、中国で製紙向け漂白剤の新工場、40億円投資(2009年9月8日、日本経済新聞)
 三菱ガス化学は中国・江蘇省に紙の漂白や半導体の洗浄に使う過酸化水素の新工場を建設した。約40億円を投資、年産能力は3万トンで、同社の過酸化水素の生産能力は約15%高まった。中国国内で製紙向けの需要が高まっていることなどに対応する。過酸化水素は塩素より環境負荷が小さく漂白剤として需要が高まっている。
 三菱ガス化学は国内では四日市工場(三重県四日市市)、鹿島工場(茨城県神栖市)、北海道にある共同出資会社の3つの過酸化水素工場を持つ。インドネシアにも生産拠点があり、中国は海外で2番目の工場になる。

◎中国で暮らす日本人減少、外務省の在留邦人数調査(2009年9月8日、朝日新聞)
 近年急激に増えていた中国で暮らす日本人の数が昨年、香港が返還された97年以降初めて減少した。外務省が7日に公表した昨年10月1日現在の「海外在留邦人数調査」によると、昨年は07年と比べて1977人減って12万5928人だった。
 「在留邦人」は、3カ月以上の長期滞在者と永住者の合計。中国では、日本企業の進出を背景に02年の6万4090人から5年間で2倍に増えていた。しかし、昨年は日系企業で働く人が約5千人減少。進出企業数は依然増えており、各企業が駐在員数を減らす傾向があったようだ。
 中国以外では、オーストラリアの在留邦人が6万6371人となり、英国を抜き、米国(38万6328人)、中国に次ぐ3位に浮上した。国際結婚や定年退職後に移住する人が増えたという。世界全体では111万6993人(前年比2.9%増)で、過去最多を更新した。(五十嵐誠)

◎中国で9日に結婚ラッシュ(2009年9月7日、産経新聞)
 【北京=矢板明夫】中国で9日、結婚ラッシュを迎える。中国語で「9」は漢字の「久」と発音が同じ。2009年9月9日には、「結婚生活久久久」という語呂合わせから、2人の末永い幸せを願うカップルの気持ちが込められているという。
 華僑向け通信社、中国新聞社などによると、今月9日は平日の水曜日にもかかわらず、北京、上海、杭州などのホテルや結婚式場が予約でいっぱいとなっている。各地の婚姻登録所は、当日に婚姻届を提出する人が普段より大幅に増えることを想定し、スタッフの増員や昼休みの短縮などで対応するという。
 08年8月8日の北京五輪開幕式当日にも結婚ラッシュがあった。「8」は中国語で金持ちになることを指す言葉、「発財」の「発」の発音に近いため、当日、北京で婚姻届を出したカップルは約2万組、上海では約7千組、それぞれ普段の1日分の50倍と20倍だった。今年の予約状況などから、9日に結婚する人数は昨年の8月8日に届かないものの、かなり肉薄する数字になると予測される。
 中国古来の慣習から、偶数の日付のほうが縁起良いとされる。今月9日は西暦で奇数の日付だけではなく、旧暦でも7月21日、伝統的な発想では決して結婚にふさわしい「吉日」とは言いがたい。
 9日の結婚ラッシュは、伝統の暦よりも、語呂合わせを大事にする現在の中国若者の意識変化が伺える。また、「久」を重要視し、「結婚生活の長さ」を気にするのは、中国の離婚率が79年の4%から08年の20%余りに急上昇した世相を反映しているかもしれない。

◎平壌で人気「すり身の牛肉や魚肉とパン」って?(2009年9月7日、スポーツニッポン)
 北朝鮮の首都平壌で最近、イタリア料理店やファストフード店が相次いで登場、世代を問わず人気を集めている。
 凱旋門(ケソンムン)近くに6月に開店したファストフード店は、欧米のハンバーガー店のような店構え。しかし、メニューに「ハンバーガー」の文字はなく、「すり身の牛肉や魚肉とパン」など朝鮮語で表記されている。27種類のメニューの平均単価は228ウォン(約175円)と一般の食堂に比べ割安感がある。外国人を含め1日当たり約150人が訪れ、注文配達も行う。
 支配人の高正玉さん(47)は「徹底して朝鮮式にこだわった。原材料はすべてわが国のもので、味付けも工夫した」と“独自色”を強調する。チェーン展開の計画もあるという。
 目抜き通りの一つ、光復通りに昨年末オープンしたイタリア料理店は、3人の調理師がイタリアや中国で修業、約30種類のピザと約20種類のスパゲティを提供する本格派。
 フロアマネジャーの韓恩恵さん(35)は「当初は興味本位の客が多かったが、今は固定客も増えた」と話す。2階では、イタリア製の服飾や靴、化粧品も販売している。

◎中国:ウルムチ市トップを解任、暴動やデモの頻発で責任(2009年9月6日、毎日新聞)
 【ウルムチ鈴木玲子】新華社通信によると、中国共産党の新疆ウイグル自治区委員会は5日、ウルムチ市トップの栗智共産党委書記(漢族)を解任した。後任には朱海侖・自治区政法委書記が就任した。また、自治区人民代表大会常任委員会は同日、自治区公安庁の柳耀華庁長も解任した。区都ウルムチで大規模暴動やデモが頻発し、治安回復が遅れたことに対する責任が問われたとみられる。
 早期解任によって、市民の不満の矛先をかわす狙いがあるものと見られるが、漢族らによる抗議デモでは自治区トップの王楽泉党委書記の辞任を求める声が強く、今回の解任で事態が収拾するかどうかは不明だ。
 一方、ウルムチ市検察院は5日、記者会見し、通り魔事件で拘束した容疑者のうち既に起訴した4人の氏名などを明らかにした。男3人、女1人でいずれもウイグル族。このうち19歳の男は、街で買い物をしていた女性の尻を針で刺した疑いで逮捕され、起訴された。同検察院は起訴の罪名について公共安全危害罪としている。

◎中国の携帯電話加入者、7億突破、増加の勢い衰えず(2009年9月6日、朝日新聞)
 【上海=奥寺淳】中国工業情報省によると、中国の携帯電話加入総数が7月末時点で7億265万件となり、初めて7億の大台に乗った。1月からの7カ月間で6100万件増加しており、1億件近く増えた昨年と比べても、ペースは衰えていない。
 7月の純増は745万件。1~7月の伸び率を地域別に見ると、携帯の普及率が高い沿海部は前年同期より鈍ったが、人口の多い河南省などを含む中部は伸び率が上昇。経済発展している内陸部が押し上げている。加入総数は01年に1億件を突破。それから8年で7倍に増えた。

◎針使う通り魔、「ウイグル族だ」と漢族デモ(2009年9月4日、読売新聞)
 【ウルムチ=関泰晴】中国西部・新疆ウイグル自治区ウルムチで針を使って通行人を襲う事件が相次ぎ、漢族の住民ら数万人が3日、中心部でデモを行い、「ウイグル族の仕業だ」などとして地元当局に治安対策の強化を求めた。
 新華社電などが伝えた。
 ウルムチでは、当局発表で死者197人を数えた暴動から5日で2か月となるが、深刻な民族対立の火種は依然としてくすぶっている。
 香港メディアなどによると、デモ参加者は自治区トップの王楽泉共産党書記の辞任を求め、「政府は役立たずだ」などと叫んで抗議したという。
 一連の襲撃事件では、注射針が使われたとの報道もある。漢族、ウイグル族や回族など9民族の被害者が出ており、公安当局は容疑者21人を拘束したが、身元などは公表していない。漢族の間では「被害者が数百人に達した。狙われているのは漢族で、犯人はウイグル族だ」などと流言が広がっていた。
 地元住民によると、最初にデモが起きたのは2日で、漢族数百人が地元当局に対し、治安対策の強化や被害者の医療補償などを求めた。3日もデモは続き、参加者が大幅に増えた。武装警察部隊が現場に到着し道路を封鎖するなどして制止に当たっている。
 ウルムチでは、現在も武装警察が厳戒態勢を敷いて治安維持に当たっている。漢族の抗議や不満の矛先が今後、ウイグル族に向かう恐れもあり、民族対立が激化する可能性も出ている。

◎中国・新疆で漢族ら数万人がデモ、治安悪化に抗議か(2009年9月4日、朝日新聞)
 【北京=峯村健司】新華社通信によると、中国新疆(しんきょう)ウイグル自治区ウルムチ市内で3日、数万人の住民がデモをした。デモの原因は明らかになっていないが、地元政府関係者などによると、参加者のほとんどが漢族で、治安悪化について当局に抗議したものとみられる。
 7月に同市内で発生した騒乱以降、当局は大量の武装警察部隊などを送り込み、治安回復を進めていたが、依然として住民の不安や反発が根強いことが浮き彫りになった。

◎“携帯王国”中国、「i PHONE」も10月に上陸、3G時代へ(2009年9月3日、産経新聞)
 【上海=河崎真澄】中国の携帯電話利用者が今年7月末の段階で7億300万人になったことが中国工業情報化省の調べで3日までに分かった。一方で固定電話は3億2800万台と携帯電話の半分に満たない。内陸部などで固定電話より先に携帯電話が普及したことなどが背景にある。
 7月末時点の省別携帯利用者は、広東省が8500万人で最も多く、4000万人台の山東、江蘇、浙江の各省がこれに続く。
 こうした“携帯王国”を狙い、米アップルの携帯電話「i PHONE(アイフォーン)」がついに中国に上陸する。通信大手、中国聯通と中国市場での販売契約を結んだ。
 中国での販売価格は1台3000元(約4万2千円)程度になる見込み。中国聯通による第3世代(3G)携帯網が9月末に全国展開されるのを待って、10月に発売する。
 聯通のほか、中国移動(チャイナモバイル)と中国電信(チャイナテレコム)の通信2社も中国で3Gサービスの運用を開始ずみ。ただ、聯通と電信はそれぞれが国際規格である「WCDMA」、「CDMA2000」を利用しており、移動は中国の独自開発規格「TD-SCDMA」を採用した。このため、3社が別の規格で三つどもえの戦いを展開する事態となっている。

◎液晶パネル、初の海外生産、シャープが中国大手と合弁会社(2009年8月31日、産経新聞)
 シャープは31日、中国の情報・通信機器大手の中国電子信息産業集団(CEC、北京市)と、液晶テレビ用パネルを生産する合弁会社の設立で基本合意したと発表した。シャープが液晶テレビ用パネルの海外生産に踏み切るのはこれが初めて。これまでは国内だけで生産し、海外に輸出してきたが、為替相場による影響を排除するため、海外生産に乗り出す。
 合わせて旧世代のパネル工場で現在休止している亀山第一工場(三重県亀山市)の生産設備をCECの孫会社が設立した液晶パネル生産会社に売却する。
 CECと合弁で設立するのは、「第8世代」と呼ばれる最先端の液晶パネルの工場。建設は北京市を予定しており、投資額や稼働時期など詳細については今後詰める。一方、売却するのは旧世代の「第6世代」と呼ばれる液晶パネルの生産設備。CECの孫会社で南京中電熊猫信息産業集団が、南京市で計画している液晶パネル工場に移転する。同工場は2011年3月までの稼働を計画している。
 またシャープは中国市場の需要増大に対応するため、10年4月に南京市に液晶テレビの設計開発拠点「液晶設計開発センター」を設立する。現地の消費者の生活実態などを研究し、現地のニーズに適した製品を開発し、売り上げ拡大につなげる。
 液晶パネルの海外生産は、今年4月に片山幹雄社長が記者会見し表明していた。

◎シャープ液晶、地産地消作戦、中国メーカーに設備売却(2009年8月31日、朝日新聞)
 シャープは31日、同社の亀山工場の液晶パネル生産設備の一部を中国・南京の電機メーカーに売却し、パネルの生産技術も供与すると発表した。シャープは中国メーカーがこの設備を使ってつくるパネルを仕入れ、中国で販売するテレビに搭載する。中国メーカーの生産は11年3月までに始める。シャープは国内工場だけで行ってきた液晶パネルの生産を海外へ移す「地産地消」戦略を進めているが、今回はその第一弾となる。
 シャープが技術供与するのは、南京市の「南京中電熊猫信息産業集団有限公司(CECパンダ)」。訪中しているシャープの片山幹雄社長がこの日、CECパンダ、南京市の両者と契約を結んだ。シャープは南京市とCECパンダが設立する新会社に設備を売却するが、出資はしない。
 売却するのは、亀山第1工場(04年1月稼働、現在休止中)の設備で、液晶パネルをつくるガラス基板のサイズは「第6世代」(37型換算で6枚取り)。設備を運び出した後の第1工場の活用方法については「未定」という。
 CECパンダは国営電機メーカーが70%、江蘇省と南京市がそれぞれ15%ずつ出資する家電メーカー。液晶やテレビの生産技術は保有しておらず、シャープからの技術供与で液晶テレビ生産に参入する。シャープはCECパンダ側と、第6世代より大きい「第8世代」の生産でも提携する方向で協議していく。

◎希少金属値上がり、7月以降、中国需要で1~4割(2009年8月29日、日本経済新聞)
 電子機器や特殊鋼の生産に欠かせないレアメタル(希少金属)の国際価格が軒並み反発している。7月から上昇が目立ち始め、6月末時点に比べ上げ幅は約1~4割に達した。景気刺激策などを受けた中国の需要増が上昇をけん引。日本国内で在庫調整が進んだ影響もある。レアメタル価格の再上昇は家電や自動車メーカーの収益を圧迫する要因になりそうだ。
 レアメタルは、需要拡大や中国など資源国の輸出管理で昨夏まで高騰していたが、経済危機後に急落した。安定確保のため在庫を積んでいた需要家も多く、銅などの非鉄金属に比べ上昇が遅れていたが、ここにきて反発基調に転じた。

◎中国、空母建造に着手、初の国産、15年完成目指す(2009年8月29日、朝日新聞)
 【北京=峯村健司】中国軍が上海など6カ所の工場を使い、初の国産空母の建造に着手したことがわかった。複数の軍と造船会社の関係者が明らかにした。国家中央軍事委員会幹部が今年4~6月に各工場を視察し、責任者に空母建造の指示と計画概要を伝えた。2015年までに5万~6万トン級空母の完成を目指す。
 胡錦濤(フー・チンタオ)指導部は10月1日の建国60周年記念式典を前に、海軍の長年の悲願であり、国威発揚にもつながる空母建造に踏み切った。式典に合わせて建造着手を宣言することが指導部内で検討されていたが、「公表すれば周辺国の脅威論をあおりかねない」(中国海軍幹部)という慎重論が強まっている。
 軍関係者によると、空母と、それを護衛する艦船などの船体は、主に上海の江南造船で建造される。遼寧省大連、四川省成都、湖北省武漢、浙江省杭州、甘粛省蘭州にある軍需工場では、電力制御システムやレーダーなどの関連部品を製作している。各工場でつくられた部品や装置は江南造船に集められ、最終組み立てが行われる。
 空母専用に350億元(約4803億円)をかけて設けられた江南造船の第3ドックは、長さ約580メートル、幅約120メートルで中国最大級。約8万人の作業員が集められ、鋼材のさび止め塗装などの作業を始めている。秘密保持のため、構内には国家安全省の職員や警備員を配置している。
 江南造船関係者は「必要な設備はすべて整った。建造は順調に進んでおり、海軍側からは急ぐように指示されている」と明かし、週末も無休で作業をしている。
 中国海軍はソマリア沖での海賊対策に艦船を派遣するなど今年から本格的な遠洋進出に乗り出した。空母建造は公表していないものの、梁光烈国防相が「大国で空母を持っていないのは中国だけで、永遠に持たないというわけにはいかない」と述べるなど、軍幹部の積極的な発言が相次いでいる。

◎中国が武装警察法、権限乱用の批判かわす?(2009年8月27日、読売新聞)
 【北京=関泰晴】中国の全国人民代表大会(国会)常務委員会は27日、暴動鎮圧やテロ制圧にあたる武装警察部隊の権限を明確化する「人民武装警察法」を可決した。
 各地で暴動が多発し出動の機会が増加している武装警察の活動を法で規定することで、「無制限に権限が拡大、乱用されている」との国際社会の批判をかわす狙いもありそうだ。
 新華社電などによると、武装警察は1982年に創設されたが、活動や権限などの規定があいまいだった。新たな法では、8項目の任務を規定し、〈1〉暴動、騒乱、大規模な暴力的な犯罪〈2〉テロや社会の安全を脅かす事件―の鎮圧にあたることなどが盛り込まれた。

◎中国、武装警察法を採択、暴動鎮圧・テロ対策を正当化(2009年8月27日、朝日新聞)
 【北京=坂尻顕吾】中国の全国人民代表大会(全人代)常務委員会は27日、国内の治安維持に当たる武装警察部隊の任務などを定めた人民武装警察法を初めて採択した。中国共産党・政府は、10月1日の建国60周年に向けて、社会暴動の鎮圧やテロ対策を担う現場の活動を正当化する狙いがあるようだ。
 武装警察部隊は人民解放軍から派生した準軍事組織で、行政区域ごとに配置され、総数は約68万人とされる。近年はテロ対策部隊が新設され、各地で頻発する騒乱や暴動にも真っ先に投入されているが、具体的な任務を定めた法律の不備が識者などからたびたび指摘されてきた。
 全人代常務委員会で採択された同法は、任務規定として8項目を並べ、国家施設の警備などのほか「暴動や騒乱、大規模な暴力犯罪事件、テロ襲撃事件およびその他の社会安全事件」を活動の対象に初めて位置づけた。27日、採択後に記者会見した王尚新・法制工作委員会刑法室主任は「法制定は部隊の任務執行に法律上の根拠と保障を与える」と意義を訴えた。
 法案は昨年3月の全人代で提起され、常務委員会で審議が続いていた。今回採択に至った背景には、昨年3月にチベット自治区で起きたラサ騒乱や今年7月に新疆(しんきょう)ウイグル自治区ウルムチで起きた騒乱を武装警察部隊が中心となって鎮圧した経緯がある。常務委員会の委員からは「二つの暴動処理に成功した実績を明文化すべきだ」と採択を望む声が高まっていた。
 胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席は25日、視察先のウルムチで騒乱鎮圧について「暴力犯罪を断固として制止し、ウルムチの社会安定を回復した」とたたえた。法採択にはこうした中国指導部の意向もある。
 一方、暴動やテロ対策を名目とした武装警察部隊の活動が行き過ぎることへの懸念は消えない。これまでの審議で、委員からは「武装した警察力の行使はあってもいいが、社会暴動はそもそも人民内部の矛盾に原因があり、思想活動や教育活動を通じて解決をめざすべきだ」(白克明氏)との意見も出ていた。
 新法には隊員の職権乱用を戒め、他人の自由を不当に制限したり財産を侵害したりすることを禁じる規定もある。ただ罰則規定はなく、法採択は治安維持の現状追認というのが実態といえそうだ。

◎“駆け込み”帝王切開が急増、早く就学させたい親心? 中国(2009年8月26日、産経新聞)
 【杭州(中国浙江省)=河崎真澄】9月が入学シーズンの中国で、9月初めに出産を予定する妊婦が8月末までの“駆け込み”帝王切開を希望するケースが急増している。8月31日までに生むことで、小学校入学の年齢が1歳近く早まるためだ。
 その理由について上海紙、東方早報は、子供を少しでも早く就学させ自立させたいとの“親心”からだと説明する。子供が社会に出て収入を得るまでの期間が1年近く短縮されて、養育費などが節約できる、との現実的な見方もあるという。
 同紙によると、ある産院では、同じ日に出産した5人の妊婦のうち3人までが帝王切開を選んだ。別の産院に入院中の妊婦は「子供の入学時期を遅らせたくない」と話し、就学時の「早生まれ」目的の帝王切開を行う予定だ。夫も親族も賛成しているとか。
 一方で、妊婦や親族がどこまで未熟児や合併症などの出産リスクを認識しているのか疑問視する声も上がっている。親の都合で早生まれを選んでも、同じ学年の子供たちとの厳しい競争を勝ち抜いていけるかどうかも考えなければならないが、“親心”はそこまでは及んでいないようだ。

◎中国の建国記念愛国映画、ネットで非難とボイコットの動き(2009年8月24日、産経新聞)
 【北京=矢板明夫】建国60周年を記念するため中国映画界が総力をあげて制作し、10月1日の国慶節を前に上映が予定される愛国映画「建国大業」が今、ネットで猛烈な批判にさらされている。出演者の多くが外国籍取得者であることが反発を招いており、「祖国を捨てたやつらに国の愛し方を教えてもらいたくない」などと、インターネットには映画のボイコットを呼びかける書き込みがあふれている。
 映画は中国最大の国有系映画会社、中国映画集団公司が投資し、建国直前の1949年9月の北京を舞台に、毛沢東、周恩来、劉少奇ら共産党指導者の活躍を描いた歴史巨編。中国を代表する人気俳優や歌手ら172人が出演。登場人物の多さと、俳優全員がギャラなしのボランティア出演であることなどが話題になっている。今年2月ごろから、撮影の進捗(しんちょく)状況が中国メディアに詳しく取り上げられており、注目されていた。
 しかし、8月に入り、出演者のうち21人が米国、カナダなどの外国籍を取得していることが報じられ、ネットでの評価は期待から批判へと一変した。「60年来の愛国主義教育が失敗した証拠であり最大の皮肉」「現代中国の恥をさらした映画だ」などとネットには厳しい意見が殺到した。
 中国では近年、子供の教育や高い福利厚生、仕事の得やすさなどを理由に、外国籍を取得する者が増えている。米国政府の統計によると、昨年、米国籍を取得した中国人は4万人を超えた。しかし、取得者の多くが金持ちの有名人や高官の家族など特権階級で、このことが市民の反発を招いているようだ。人材や財産の中国からの流出を懸念する声と同時に、外国籍を取得した中国人を「裏切り者」と決めつける人も多い。今回の“映画批判”は、外国籍取得者に対するこうした市民の不満と嫉妬(しっと)が一気に噴出した現象ともいえそうだ。

◎東レが北京で水処理膜工場、来年4月稼働へ起工式(2009年8月24日、産経新聞)
 東レは24日、工場廃水などの浄化用水処理膜を生産する中国の合弁会社の工場起工式を北京市順義区で行った。設備投資額は約5億元(約70億円)で、来年4月から稼働する予定。
 合弁相手は水処理事業などを手掛ける中国藍星集団(北京市)。資本金3500万ドルのうち、東レグループが50.1%を出資した。
 中国では生活水準の向上や干ばつなどで水不足が深刻化しつつあり、水処理膜市場の規模も拡大。現地生産で水処理事業の拡充を図り、占有率(シェア)を高めたい考えだ。

◎日本語の無料紙創刊ラッシュ、中国・上海、駐在員ら5万人に的(2009年8月24日、日本経済新聞)
 長期滞在の日本人が約5万人とニューヨークを抜き世界最多の中国・上海で、日本語のフリーペーパーが創刊ラッシュとなっている。現在10紙以上が発行され、駐在員や留学生らの情報入手手段として欠かせない存在になりつつある。
 数十ページのタブロイド紙から100ページ以上の雑誌タイプまであり、飲食店やイベントの情報、日系企業の経営者インタビュー、日本で話題のニュースなどを掲載。日本人女性は「外食や買い物の情報を得るのに便利で、上海で暮らす上で不可欠」と語る。
 日本人が多く住む地区の料理店やスーパーなどに置かれ、自由に持ち帰れる。「スーパーシティ」など人気が高いフリーペーパーは発行部数が4万~5万部と、長期滞在者のほとんどが手にできる計算だ。

◎北韓に密輸直前のミサイル用金属、中国が押収(2009年7月29日、KBS World)
 中国の税関が北韓に密輸されようとしていた、ミサイルの開発にも使われる「バナジウム」という金属を押収していたことが明らかになりました。
 これは中国のインターネット・ニュースサイト丹東日報が28日報じたもので、中国東北部の丹東の税関は24日、北韓に輸出される物品が積まれていた車を調べたところ、果物の箱の中に隠されていた「バナジウム」およそ70キロを見つけ、押収したということです。
 見つかったバナジウムは68本の小さいビンに入っており、20万元(およそ3600万ウォン)に相当するということです。
 バナジウムは、熱や磨耗に耐える性質が優れたレアメタル・希少金属で、ミサイルの開発にも使われているため、中国はバナジウムの輸出を厳しく規制しています。
 中国は特に北韓が5月に行った核実験に対する国連安全保障理事会の決議に基づく制裁措置を履行するため、北韓への輸出規制を強化しているものとみられます。

◎「裁判官や警察官、官吏は信用できない」、中国で世論調査(2009年8月22日、産経新聞)
 【北京=野口東秀】中国最大手のインターネットサイト「新浪網」などがこのほど中国の社会信用度を調査したところ、裁判官や警察官、官吏に対する信用度が極めて低いことが浮き彫りになった。
 この世論調査には3376人が参加した。大卒が6割以上を占めるほか、中級以上の管理職や技術者が比較的多かった。
 「中国で信用度が高い職種」としては「農民」が19%でトップ。「宗教関係者」11%、「軍人」10%、「学生」9%と続く。
 しかし「裁判官」と答えた者はわずか1%、「警察官」も0.9%、「官吏」も0.8%に過ぎなかった。中国の民衆、とりわけインテリ層が司法や行政の在り方に強い不信感をもっていることがうかがえる。

◎中国の鉛汚染、湖南省でも 、子ども45人が中毒(2009年8月20日、朝日新聞)
 【北京=坂尻顕吾】20日付の中国紙・経済参考報によると、中国陝西省で14歳以下の子どもに鉛汚染が広がっていた問題で、湖南省武岡市の工場周辺でも似たような被害が起きていることがわかった。報道によると、同市が検査した子ども1958人のうち、7割の1354人は血液中の鉛が基準値を超えており、うち45人は鉛中毒とわかった。
 今年7月、同市文坪鎮の子どもたちに発熱、食欲減退などの症状が多発して鉛汚染が発覚。市環境保護局の調査で、付近にあるマンガン精錬工場が汚染源と特定された。工場はすでに閉鎖され、責任者2人が刑事拘束された。市担当者も職務怠慢の疑いで調査されている。
 経済参考報は、中国の経済発展に伴って鉛や水銀など重金属汚染が各地に広がりつつある実態を詳しく伝えた。同紙は地元政府の監督のあり方にも疑問を投げかけている。

◎中国、「検閲ソフト」義務化を断念、回線管理強化型に転換か(2009年8月13日、産経新聞)
 【上海=河崎真澄】中国政府は13日、国内で販売されるパソコンを対象に、有害サイトへの接続を遮断する政府指定の“検閲ソフト”搭載を義務化するとしていた方針を、撤回した。工業情報省がこの日、記者会見で明らかにした。国際社会だけでなく国内のネットユーザーからも猛反発にあい、異例の「断念宣言」に追い込まれた格好だ。だが、専門家らは、中国当局がパソコン内部ではなく、ネット回線そのものの検閲機能を強化する動きもあるとし、警戒を強めている。
 記者会見で、李毅中工業情報相は、有害サイトへの接続遮断ソフトについて「一律に強制はしない」と述べ、義務化しない方針を明らかにした。さらに「消費者の選択の自由を十分に尊重する」とも強調し、国内のネットユーザーから起こった義務化反対のうねりに配慮した方針転換であることをにじませた。
 ソフト搭載の義務化をめぐっては、日米など各国政府が制度導入の撤回を中国側に求めるなど、国際社会を巻き込む混乱を引き起こした。国内ネットユーザーからも、ソフト開発費として投じた4170万元(約5億8400万円)を「ムダ遣い」と批判する動きも強まり、急ごしらえの新制度は「四面楚歌(そか)」に追い込まれた。
 中国政府は当初予定していた7月1日からの義務化を前に、6月30日の夜になって導入延期を決めた。そして今回、義務化を断念するなど、方針を二転三転させる異例の事態となった。ただ、工業情報省は、すでにこのソフトの搭載を義務づけた中国国内の学校やネットカフェなど、公共の場所でのパソコンについては新制度を継続するとしている。
 断念について専門家の間では、パソコンに政府指定ソフトを搭載させる方式ではなく、「当局が一括管理しているネット回線のそのもののチェック機能を強め、個別のパソコンの情報収集力を管理する方針に切り替えた」との見方が出ている。
 中国国内では原則として、当局がコントロールするサーバーを経由しなければ、ネットの閲覧はできない仕組みだ。当局は、ネット経由で批判の動きが国内に広がり、反政府運動に結びつく点を警戒しているものとみられる。

◎中国、産業スパイ容疑でリオ社員4人を逮捕、新華社報道(2009年8月12日、朝日新聞)
 【北京=坂尻顕吾】英豪系の資源大手リオ・ティント社員が中国との鉄鉱石価格交渉をめぐって中国当局に身柄を拘束された事件で、新華社通信は、社員4人が商業秘密侵害と贈賄の両容疑で12日までに正式に逮捕されたと伝えた。リオ側に商業秘密を提供したとされる収賄側の中国鉄鋼企業の容疑者についても逮捕手続きに入った。
 中国当局は先月5日、リオ社上海事務所首席代表で中国系のスターン・フー氏(豪州国籍)と中国籍の社員3人の身柄を拘束。豪中間の外交問題に発展していた。
 報道によると、中国企業との鉄鉱石価格交渉の責任者だったフー氏と社員3人は不当な手段で中国鉄鋼企業の情報を入手し、その見返りとしてわいろを贈っていた。捜査機関からの送検を受けて、上海市の検察機関が「4人の犯罪容疑を証明する証拠がある」と判断したという。

◎中国:英豪資源大手の支社幹部らを逮捕、産業スパイ容疑(2009年8月12日、毎日新聞)
 【上海・鈴木玲子】新華社通信は12日、中国上海市の検察当局が産業スパイと贈賄容疑で、英オーストラリア資源大手のリオ・ティント上海支社幹部ら4人の逮捕を認める決定を出したと報じた。オーストラリア外務貿易省は同日、中国側から4人が逮捕されたと連絡を受けたことを明らかにした。
 逮捕されたのは、上海支社総支配人で中国系オーストラリア国籍のスターン・フー容疑者と同支社の中国籍社員3人。4人は7月5日に拘束された。
 当局は、4人がわいろを贈るなど不当な手段で中国の鉄鋼メーカーの機密情報を入手したとしている。収賄側の鉄鋼メーカーも、わいろの見返りに情報を提供した疑いがあるとして、容疑者の逮捕手続きに入ったという。
 中国国家機密保護局はウェブサイトで、リオの産業スパイ活動は6年間続き、鉄鋼メーカーは高値で鉄鉱石を買わざるを得なくなり、巨額の被害を受けたと説明している。

◎中国GDP水増し疑惑、語るに落ちた?マイナス発表の山西省を表彰(2009年8月9日、産経新聞)
 【上海=河崎真澄】中国国家統計局が今年1~6月の国内総生産(GDP)に関する31の省級行政区ごとの集計作業で、唯一マイナス成長を発表していた山西省を、「実事求是(事実の実証に基づき真実を追求する)の精神がある」として、異例の表彰を行っていたことが明らかになった。上海紙、東方早報などが9日までに統計局の情報として報じた。
 1~6月のGDPをめぐっては、31の行政区が発表した地域ごとのGDPを合算すると全国統計の総額より約10%も膨らんでいた。GDP成長率でも、当局発表の全国平均が前年同期比で7.1%だったのに対し、平均値を下回ったのは山西省を含む6行政区にすぎず、当初から統計の“水増し”が指摘されていた。
 これを受けた今回の山西省への表彰は、他の地域の統計に何らかの操作があったことを統計局が暗に認め、改善を促した形だ。
 中国では1958年に毛沢東が農工業の大増産を指示した「大躍進政策」で、単位面積あたりの農産物生産量や地域ごとの鉄鋼生産量などが競われ、地方幹部らが極端な虚偽報告を繰り返した。そうした無謀な経済政策の結果、地方が疲弊し数千万人の餓死者を出したという“前科”がある。
 GDPは地方幹部の人事考課の重要な材料となってきたが、地方政府だけでなく、統計局のデータに関してもこのところ、失業率の低さや平均賃金上昇幅の大きさが現実離れしているとの批判が高まっている。

◎中国の新車販売、7カ月連続世界一、月も100万台超(2009年8月8日、朝日新聞)
 【上海=奥寺淳】中国自動車工業協会がまとめた7月の新車販売台数は、前年同月より63.6%多い108万5600台で、今年に入って7カ月連続で世界一となった。5カ月連続で月間販売台数が100万台を超え、伸び率も6月(36.5%増)を大幅に上回った。
 同協会によると、7月は例年、車の売れ行きが鈍るが、今年は上半期の好調さが続いている。排気量1600CC以下の小型車の車両取得税を5%に半減する販売支援策が功を奏し、7月の乗用車販売は前年同月より7割も増えた。
 1~7月の累計は前年同期比23.4%増の718万4400台。同時期の米国(約580万台)を大きく上回っており、年間でも世界一となる可能性が高まっている。

◎中国の若手大富豪、200億円差し押さえ不正株取引(2009年8月8日、朝日新聞)
 【香港=小林哲】中国の家電販売最大手「国美電器」の創業者で、昨年11月に北京の警察当局に不正な株取引の疑いで拘束された黄光裕氏とその妻の香港の資産のうち、16億6千万香港ドル(約200億円)が香港の裁判所により差し押さえられたことがわかった。香港紙明報などが伝えた。同社の損失補填(ほてん)にあてるための措置という。
 黄氏は、中国の富豪ランキング上位に名前があがる著名な若手経営者。広東省の農村出身で、80年代に兄と創業した同社を中国最大規模のチェーン店に成長させた。

◎中国GDPに水増し疑惑、成長率でも中央と矛盾(2009年8月4日、産経新聞)
 【上海=河崎真澄】中国の国内総生産(GDP)に統計の“水増し”疑惑が浮上している。31の直轄市や省・自治区がそれぞれ発表した今年1~6月期の地域ごとのGDP額を合算すると、同時期の全国統計より約10%も規模が膨らむことが、中国系香港紙、香港商報の調べで分かった。同紙では、地方政府の幹部らが経済発展の実績を誇張して宣伝するため、統計数字を操作したのではないかと指摘している。
 同紙が、中国本土の31地方政府が発表した同時期の域内GDP額を合算したところ、中央の国家統計局が7月に発表した全国のGDP総額である13兆9862億元(約196兆円)を約1兆4000億元も上回ったという。
 また、GDP成長率でも国家統計局の発表では1~6月期の全国平均が前年同期比で7・1%だったのに対し、31行政区のうち全国平均を下回ったのは6つだけ。マイナス成長は炭坑閉鎖で地元経済が打撃を受けた山西省のマイナス4・4%のみだった。一方で、天津市と内モンゴル自治区が成長率を16・2%と発表するなど、14の行政区が10%以上の成長率を達成したとしており、全国平均との差でどの数字が正しいのか説明がつかなくなっている。
 複数の行政区にまたがる案件の重複計算など誤差もあるとみられるが、これほど中央との差が広がったのは珍しいという。1979年の改革開放以来、中国では地方政府幹部の人事考課に、GDP成長や外資導入などの経済実績を採用してきたが、胡錦濤指導部では行き過ぎた地方開発への懸念などから、最近では環境保護政策やその実績も考課材料にし始めている。
 先月16日には広東省共産党委の汪洋書記が、省内の産業構造転換をめざす方針を打ち出した際、「目先のGDPデータはあまり重視しない」と発言し、注目された。同省GDP成長率は7.1%増で全国平均と“足並み”をそろえている。
 中国の統計をめぐっては、GDP以外にも過去、矛盾点がしばしば指摘されてきた。3日の新華社電によると、国家統計局が河北省北戴河で先月31日から今月1日まで開いた半年に1度の全体会合で、同局内の共産党組織書記の馬建堂氏はあえて、「統計数字の精度や信頼性の向上に努力すべきだ」と強調した。国際社会から疑念を抱かれやすい中国の統計数字の信頼性確保を、関係部門や地方政府に指示した格好だ。

◎中国の消費、二極化鮮明、自動車・家電は好調、衣料・サービス不振(2009年8月2日、日本経済新聞)
 【上海=下原口徹】中国の個人消費の二極化が鮮明になっている。景気減速を反映し、小売り・サービスなどの販売不振が続く一方で、政府が消費刺激策として購入者に補助金を払う自動車や家電の売れ行きは好調だ。中国の2009年4~6月期の国内総生産(GDP)の実質成長率は前年同期比7.9%増。政府主導の景気回復は進んでいるが、個人消費の足取りは重いのが実情だ。
 「全商品5割引き」中国最大の商業都市、上海市内の衣料品店の店頭にはこんな安売り広告があふれている。7割、8割引きの店も珍しくない。カジュアル衣料品チェーンの店長は「通常のセールは2、3割引きからだが、在庫が多い今年は5割引きから始める店が多い」と話す。

◎中国の実質的な外貨準備、公表より3000億ドル多く、日銀試算(2009年8月1日、日本経済新聞)
 日銀は中国政府の事実上の管理下にある外貨資産が、公表されている外貨準備高よりも約3000億ドル(約28兆円)多いとする試算をまとめた。中国の発表によると、外貨準備高は6月末で2兆1316億ドル。試算通りなら、中国は外貨資産を1割以上多く保有していることになる。国際金融市場での存在感が一段と高まりそうだ。
 外貨準備に含まれていないのは中国人民銀行(中央銀行)が銀行から預かった外貨建ての準備預金と、政府系ファンドなどへの出資分だ。

◎中国・長沙市で千人が抗議デモ、化学工場汚染(2009年7月31日、産経新聞)
 新華社電によると、中国湖南省長沙市郊外で30日、住民らが化学工場の汚染問題をめぐり抗議デモを行い、地元当局庁舎を取り囲んだ。デモは1000人規模とみられる。
 住民は29日にもデモを行った。その際に6人が拘束され、うち1人がけがを負ったことで、住民らが反発を強め、連日のデモとなった。
 住民側は化学工場の汚染物質により「飲み水にも影響が出る」などと訴え、当局側に解決を求めている。

◎性教育不足で毎年1300万人が中絶、中国(2009年7月30日、産経新聞)
 30日付の中国英字紙、チャイナ・デーリーは、中国で中絶手術を受ける女性は毎年1300万人に達していると伝えた。「(避妊方法などの)性教育の不足」が主な原因という。
 中国で生まれる子供は毎年約2千万人に上るが、その6割強に相当する中絶が行われていることになる。専門家は「中絶の多くが未登録の病院で行われており、実際はもっと多い」と指摘した。
 最近の調査によると、中絶した女性の62%が20~29歳で、ほとんどが未婚。上海のある病院での調査では、ホットラインへの相談者で避妊方法を知っていた女性は30%に満たなかった。
 中国で中絶手術の費用は約600元(約8300円)という。

◎リストラ抗議、社長殺す、中国の鉄鋼会社でデモ(2009年7月28日、朝日新聞)
 【瀋陽=西村大輔】中国誌・財経(電子版)などによると、中国吉林省通化の大手国有企業・通化鋼鉄で24日、従業員ら1万人以上が経営悪化に伴うリストラなどへの不満から抗議デモを行い、暴徒化した一部が同社に出資する民間鉄鋼会社・建竜集団から派遣されていた陳国軍社長を殺害した。
 地元報道によると、建竜集団は05年に通化鋼鉄に資本参加したが、金融危機などの影響で経営状態が悪化。最近、建竜集団がさらに増資して買収する計画が明るみに出たことから、人員削減や給与カットを懸念する従業員の不満が高まっていた。
 23日に従業員が「建竜は出て行け」と叫んでデモを始め、工場内の8高炉のうち七つの操業が止まった。陳社長は24日、事情説明のために工場を訪れたが、従業員らに囲まれて殴るけるの暴行を受け、死亡した。
 中国人権民主化運動情報センター(香港)は、デモに参加した労働者は約千人の武装警察官と衝突し、100人以上が負傷したとしている。

◎中国ネット大手の百度、4~6月期45%増益(2009年7月24日、日本経済新聞)
 【ニューヨーク=米州総局】中国のネット検索最大手百度(バイドゥ・ドット・コム)が23日に発表した4~6月期決算は、売上高が前年同期比37%増の1億6100万ドル、純利益が同45%増の5600万ドルだった。中国企業のあいだでネット広告の利用が急速に広がっており、業界最大手として大幅な増収増益を実現した。
 足元の業績も堅調。7~9月期の業績見通しは売上高1億8400万~1億8900万ドルで、市場予測の1億8200万ドルを上回った。

◎化学工場が爆発、4人死亡、100人以上が負傷、中国(2009年7月15日、産経新聞)
 中国中央テレビなどによると、中国河南省洛陽市偃師の化学工場で15日未明、爆発事故が起き、従業員4人が死亡、3人が行方不明となり、100人以上が負傷した。爆発時に巨大な音がして、周囲約30キロで揺れを感じ、付近の建物では多くの窓ガラスが割れたという。
 爆発したのは大型の生産設備と原料で、爆発時に火柱が上がり、工場施設が燃えた。負傷者には、割れたガラス片などでけがをした付近の住民も含まれている。
 工場関係者によると、原料に使われていた有機化合物のクロロベンゼンが爆発したとみられ、当局が詳しい原因を調べている。工場には約300人の従業員がおり、当時は10人ほどが当直をしていた。

◎中国外貨準備、初の2兆ドル突破(2009年7月15日、朝日新聞)
 【北京=琴寄辰男】中国人民銀行(中央銀行)は15日、中国の外貨準備高が4月末時点で2兆ドルを初めて突破した、と発表した。直近6月末時点では2兆1316億ドルまで拡大した。このところのドル安傾向でユーロや円建て外貨準備のドル評価額がふくらんでいるうえ、中国経済が相対的に堅調なことからさまざまな形で外貨が流れ込んでいるためとみられる。
 中国の外貨準備高は06年初めに日本を抜いて世界一になり、同年10月には1兆ドルを突破。約2年半でさらに2倍になった。世界で2位の日本の外貨準備高は今年6月末時点で1兆191億ドルと、中国の半分以下の水準だ。
 増加傾向が続いてきた中国の外貨準備高は金融危機による輸出減で、昨年10月末時点では約5年ぶりに減少するなど一時頭打ちになっていた。しかし再び増加傾向に転じている。

◎ウルムチで立てこもり、警官がウイグル族の2人射殺(2009年7月14日、朝日新聞)
 【ウルムチ(中国新疆ウイグル自治区)=西村大輔】大規模騒乱が起きた中国・ウルムチの中心部で13日午後3時(日本時間同4時)ごろ、建設中の高層ビルで立てこもり事件があり、数百人の武装警察部隊が出動した。
 当局の発表によると、長刀や棒を持った3人のウイグル族が別のウイグル族を追いかけ、暴行しているのを巡回中の警察官が発見。3人が抵抗したため警告射撃をし、それでも抵抗をやめないため発砲。2人が死亡、1人が負傷したとしている。
 現場はウイグル族居住地区で、観光スポットの「国際大バザール」に近い繁華街。

◎中国東北に熱い視線ベンチャー、中小企業が視察(2009年7月12日、産経新聞)
 ベンチャーや中小企業の経営者ら120人が参加した日本企業家遼寧省視察団(団長、行徳哲男・日本BE研究所所長)が6月25~28日、中国遼寧省瀋陽、撫順、鞍山、大連の各市を訪問し、開発中の工業地帯などを視察したほか、要人とも会談した。遼寧省、吉林省、黒龍江省からなる東北3省は「遅れてきた投資チャンスの地」と呼ばれる。世界不況の中でも勢いよく経済発展を続ける姿を目の当たりにした視察団は、将来のビジネス展開に意欲を示した。
 遼寧省の重点開発地域の一つ、大連長興島臨港工業区。当地に進出した世界第6位の造船会社、韓国STXの造船所や大規模な社員寮が目を引く。3年前までは荒れ果てた土地でしかなかった開発区が、工業都市へと変貌を遂げている。
 「早く投資した人はたくさんもうかりますが、遅れて投資した人は少ししかもうかりません」。大連長興島臨海工業区招商二局の張慶忠副局長はセミナーの中で、同工業区への投資は中国投資の最後のチャンスであると強調した。
 中国政府からもバックアップを受けた同工業区では、今年に限り、生産企業が土地を借用する場合、国家が規定する土地価額全額を補助されるなど優遇措置は手厚い。伊藤忠商事や大陽日酸など日本の大手企業も進出を決めている。
 しかし、韓国では中小企業数十社が進出を決めているのに対し、日本の中小企業やベンチャーの出足は鈍い。日本の中小企業は長引く不況で、少ない投資で高い収益をあげることに専念してきた。このため「技術をメーンに売り込みたいが、中国側は資本を呼び込みたい」(建設関連ベンチャー)と双方の思惑に溝がある。
 とはいえ、高成長を続ける東北3省が魅力ある投資先であることに変わりはない。特に遼寧省は、東北3省の中で最も発展した地域だ。
 中国・鉄鋼発祥の地で「鉄鋼の都」と呼ばれる鞍山市は、工業・商業都市としても成長しようと開発を急いでいる。市の担当者は「開発中の大型ショッピングモールにはスウェーデンの家具販売会社『IKEA』の入居が決まっている」と胸を張る。
 同市では今年1~5月の全市域内の国内総生産(GDP)が18.5%となったといい、世界同時不況にもかかわらず、前年の成長率13.8%を上回る勢いで成長している。谷春立市長は「鞍山市は将来必ず中核都市に発展する」と自信を示した。
 日本経営合理化協会の熊谷聖一専務理事は視察団を代表したあいさつの中で、「これからビジネスのやり方を研究し、いつの日か、事業を展開したいと考えている」と述べた。

◎イーランドが第一毛織を告訴した理由とは(2009年7月12日、朝鮮日報)
 中国市場をめぐり、韓国ファッション業界の「恐竜」第一毛織とイーランドの激しい神経戦が展開されています。イーランド側は1日、ソウル中央地方裁判所に第一毛織を相手取り「中心的な人材を引き抜いた」として採用無効と損害賠償を請求する民事訴訟を起こしました。
 その発端は、約10年間イーランド中国ファッション事業部のトップを務めたA常務が2008年11月、突然辞意を表明したことでした。A常務は今年売上げ1兆ウォン越えが予想されているイーランド中国事業部を成長させた第1功労者といわれています。A常務は5月1日付で、今年1月から空席だった第一毛織の上海法人代表になりました。イーランド側は「A常務は当社中国ファッション事業部のトップを務めたため、中国事業計画など当社の社外秘事項を知っている」と主張しています。
 これに対して、第一毛織側は「わが社の上海法人代表が空席だったとき、中国の新聞に採用広告を出したが、A氏はそれを見てやって来た。ヘッドハンティングではなく、経歴社員の正式な採用過程を通じ採用された」と反発しています。しかし、イーランド側は「A常務だけではない。B作戦本部長も第一毛織に転職し、ほかの幹部2人も第一毛織に移ろうと辞表を提出している。第一毛織側がイーランドの中核的なノウハウを持つ人材を引き抜いている」と主張します。第一毛織は「組織的に人材を引き抜いているというのは名誉棄損」としながらも、「優秀な経歴を持つ人材が自らこちらのドアをノックしてきているのに、拒否する会社があるだろうか」と反撃しています。
 第一毛織とイーランドは韓国ファッション業界で1、2位を争う企業だが、中国ではイーランドのほうが断然リードしています。イーランドは約20年前から中国市場に目を向け、今では約3000店舗を抱えています。97年に中国に進出し、ラピドなど5ブランドを発売している第一毛織との差は大きいのが現実です。イーランド側は「中国での事業は長年現地で積み重ねてきた“関係”が重要なため、一度中国に辞令を出した人材は呼び戻さず、中国で長く勤務させる体制だった。このように育てた人材を奪われたことになる」と主張しています。

◎観光客7人死亡、12人不明、中国重慶で洪水(2009年7月12日、産経新聞)
 12日の新華社電によると、11日午後、中国重慶市の渓谷をハイキング中の観光客が洪水に巻き込まれ、7人が死亡、12人が行方不明になった。16人は救出された。全員、中国人とみられる。
 現場付近では局地的な集中豪雨があり、川の水位が急速に上がり、洪水が発生したという。

◎ウルムチで石油タンク爆発、破壊行為でないと当局(2009年7月12日、産経新聞)
 新華社電によると、中国新疆ウイグル自治区ウルムチ市北部にある中国国有石油大手、中国石油天然ガス集団の石油精製工場で12日午前10時(日本時間午前11時)ごろ、石油タンクが爆発、同日正午前に鎮火した。消防当局の話として伝えた。
 当局は、死傷者はおらず、爆発は破壊行為によるものではないとしている。現在、詳しい爆発原因を調べている。
 ウルムチでは5日に大規模な暴動が発生。漢民族とウイグル族との間で緊張状態が続いており、当局は武装警察部隊などを投入し、厳重な警戒態勢を敷いている。

◎石油タンク爆発、厳戒態勢のウルムチで(2009年7月12日、読売新聞)
 【中国総局】新華社電によると、中国新疆ウイグル自治区ウルムチ北部にある中国国有石油大手「中国石油天然ガス(CNPC)」の石油精製所で、12日午前10時(日本時間同11時)頃、石油タンクが爆発した。
 同日正午前に鎮火した。これまでのところ、死傷者は伝えられていない。当局が爆発原因などを調べている。
 ウルムチでは今月5日に大規模な暴動が発生したばかり。中国当局は、武装警察部隊などを大量投入し、厳戒態勢をとっている。

◎インド、2028年に中国抜き人口世界一に=統計庁(2009年7月11日、朝鮮日報)
・韓国は2050年に641万人減の4234万人
 2028年からはインドが中国を抜き、世界で最も人口の多い国になるという見通しが発表された。一方、韓国の人口は2050年までに641万人減り、人口の順位が現在より20段階も下がるものと予想されている。統計庁は今月11日の「人口の日」にちなみ、報告書「世界および韓国の人口現況統計」で、「2028年にインドの人口は14億6400万人に達し、中国の人口14億6000万人を抜き、世界一の人口大国になるだろう」という展望を明らかにした。
 今年の中国の人口は13億4600万人で、世界一だ。次いでインド(11億9800万人)、米国(3億1500万人)、インドネシア(2億3000万人)となっている。しかし、2028年から中国とインドの人口が逆転し始め、2050年になるとインドの人口は16億1400万人に達し、中国の14億1700万人よりも約2億人多くなると推測されている。
 統計庁のチョン・ベックン人口動向課長は「中国は出産抑制政策を施行し、インドより出産率が低いため」と説明している。2005~10年のインドの合計特殊出生率(一人の女性が一生に産む子供の数)は2.76人だが、中国は1.77人だ。
 韓国でも少子高齢化が早く進み、現在の人口4875万人が2050年には4234万人へと641万人減少する、と統計庁では予想している。これほどの人口減少幅は、経済協力開発機構(OECD)加盟30カ国のうち、日本(2550万人)、ドイツ(1166万人)に続き3番目に多い。このため、韓国の人口順位は2009年の26位から2025年には32位、2050年には46位へと下がり続けるものとみられている。また、韓国における65歳以上の高齢者人口比をみると、2010年は11.0%でOECD加盟国中27位だが、2050年には38.1%で1位になる見通しだ。

◎【ウイグル暴動】暴動死者数は184人、うち漢族が74%、当局発表(2009年7月11日、産経新聞)
 【ウルムチ=野口東秀】中国国営新華社通信などによると、新疆ウイグル自治区の当局者は、ウルムチ市で発生した暴動の死者数が10日深夜までに184人に上ったことを明らかにした。これまでの当局発表の死者数は156人だった。
 死者の民族別内訳は、漢族が137人(男性111人、女性26人)で全体の74%を占め、ウイグル族が46人(男性45人、女性1人)、回族の男性が1人としている。
 死者に関しては、治安当局がウイグル族に対して発砲したかどうかに関心が集まっている。現段階で当局は発砲の有無について正式な発表をしていない。
 暴動の死者数をめぐっては、亡命ウイグル人組織「世界ウイグル会議」のラビア・カーディル議長が10日、ワシントンで記者会見し、「中国当局の武力弾圧や漢族の攻撃により殺されたウイグル人は各地からの未確認情報を総合すると、5日から現在までで、最大3000人にも及ぶと私たちはみている」と述べた。

◎旭硝子、中国のブラウン管ガラス子会社を売却(2009年7月8日、日本経済新聞)
 旭硝子は8日、連結子会社の韓国電気硝子(韓国・亀尾市)が保有する中国のブラウン管ガラス製造・販売会社を中国企業に譲渡すると発表した。ブラウン管市場の縮小を受けた措置。旭硝子は2009年12月期連結決算で110億円の特別損失を計上する。
 10月に譲渡する湖南HEG電子玻璃公司(中国・湖南省)は、韓国電気硝子の100%子会社。湖南電子信息産業集団公司(中国・湖南省)など2社に全株式を無償で譲渡する。2社は湖南HEGの負債2050万ドル分を引き受ける。
 旭硝子は資産評価減などで09年12月期に特損を計上するが、連結業績予想には織り込み済み。湖南HEGの08年12月期の売上高は約66億円で、営業損益は約16億円の赤字だった。

◎中国:街は厳戒態勢、要所に銃持つ兵士の姿、カシュガルで(2009年7月8日、毎日新聞)
 【カシュガル(中国・新疆ウイグル自治区)浦松丈二】中国新疆ウイグル自治区ウルムチの暴動に続き、ウイグル族住民の抗議デモが発生した同自治区西部のカシュガルに7日、入った。ウイグル族が住民の8割以上を占めるオアシス都市に、同胞の死を悼む祈りが響く。市内の要所には自動小銃を持った兵士が配置され、住民たちの間に一触即発の緊張感が高まっていた。
 市中心部にある中国最大のモスク(イスラム礼拝所)「エイティガール寺院」。6日夜、200人以上のウイグル族住民が抗議デモのために集まろうとして、治安当局に排除された。
 「団結を強化し、分裂主義に反対しよう」。モスク前の大通りを走る宣伝カーからスローガンが聞こえてきた。モスクは7日も封鎖され、自動小銃を抱えた特殊警察隊が通行人を威嚇していた。通りをはさんだ市政府の敷地には軍用トラック7台と大勢の兵士の姿が確認できた。
 近くの路地でスモモを売っていたウイグル族農民のアブマイマイティさん(18)は「ウルムチの暴動も昨日のことも知らない」と言った切り、口をつぐんだ。ウイグル族の通行人たちも取材が暴動の話に及ぶと、逃げるように立ち去っていく。
 「お前は何ものだ」。突然、ウイグル族青年たちに囲まれた。自分は漢族ではなく、日本の記者と明かすと「危険だから敏感なことは聞かないほうがいい」と言い残し、足早に立ち去った。青年たちは地元当局の捜査を警戒しているようだった。
 モスクにほど近いカシュガル最大のバザール「中西亜国際貿易商場」。約4000の商店が軒を連ね、平日でも1日1万人の来客があるというが、客の姿はまばらだった。
 10年以上スカーフを売っているウイグル族のアイグリさん(32)は「普段は地元のウイグル族も漢族や外国人の観光客たちも大勢買い物に来るのに。これほど厳しい警備が敷かれたのは初めて」と話す。その直後、バザールに礼拝を呼びかける声が流れた。アイグリさんは封鎖されたモスクの方角を仰ぎ、悲しげな表情を見せた。

◎中国各地から日本へ個人旅行の第1陣が出発(2009年7月8日、産経新聞)
 中国人の日本への個人旅行が解禁され、第1陣の出発を記念する行事が8日、北京などの空港で開かれた。日本政府観光局北京事務所によると、この日に北京、上海、広州、杭州の4都市の空港から日本へ出発する中国人の個人旅行者は計約70人。
 中国人の日本観光はこれまで添乗員が同行するグループ旅行に限られていたが、経済成長に伴い海外旅行慣れした中国人が増え、日本への訪問でも個人旅行への要望が強まっていた。日本政府は、不法残留を防ぐため一定以上の経済力を持つ富裕層に限定する形で解禁した。
 観光査証(ビザ)の申請受け付けが北京の日本大使館や上海、広州の総領事館で1日に始まり、同日からの3日間だけで約190人が申請した。

◎「ウイグル族を何とかしろ」漢族、一部暴徒化(2009年7月8日、読売新聞)
 【ウルムチ(中国新疆(しんきょう)ウイグル自治区)=牧野田亨】5日の暴動で死者156人を出した中国新疆ウイグル自治区の区都ウルムチでは7日、多くの犠牲者を出したとされる漢族住民数千人がウイグル族住民に反発して集結し、「ウイグル族を殺せ」などと気勢を上げた。
 一部は暴徒化し、ウイグル族の商店を襲撃するなど民族対立が先鋭化している。新疆の地元当局は7日、事実上の夜間外出禁止令を出し、民族対立が激化し、社会の安定を揺るがす事態にならないように冷静な対応を呼びかけた。
 ウイグル族の店が並ぶ市中心部の解放南路。午後に入り、金属棒や木製の棒を握りしめた漢族住民がウイグル族の屋台をひっくり返し、食堂や建物の窓ガラスをたたき割った。武装警察部隊が催涙弾で鎮圧したが、住民たちはその後、市中心部をデモ行進した。
 ある漢族男性(26)は5日夜からナイフを携帯している。「あいつら(ウイグル族)がまた何か起こしたら、これで刺すためだ」
 「暴動の時、子供が殺されるのを見た。あいつらこそ何とかしろ」。別の場所では、住民を退散させようとする警官に、漢族女性は食ってかかる。「漢族は団結しろ」とかけ声が上がる。
 近くのウルムチ駅では、ウイグル族約30人が乱入し投石、数百人の利用者が駅舎に逃げ込む騒ぎが起きた。こうした騒乱が各地で起き、漢族の不安が、怒りに変わって爆発した。5日の暴動直後から、漢族の職場や居住区では「自警団」結成の動きが相次いでいた。
 ウルムチは漢族住民が増加し、ウイグル族を含む少数民族は人口の約4分の1。地元政府機関トップは漢族が占め、漢族とイスラム教徒のウイグル族とは、居住区も別。ウイグル族は顔の彫りが深く、両民族の違いは一目瞭然(りょうぜん)だ。
 ウイグル族居住区にも7日、漢族数百人が押しかけ、双方が投石を始めた。ウイグル族の男性は「ウイグルの女性が漢族に殴られ、けがをしたと聞いた」と、深くため息をついた。
 自治区トップの王楽泉・共産党委員会書記はテレビ演説を行い、「漢族の行動は社会の秩序を混乱させた」と批判、漢族とウイグル族双方に自制を呼びかけた。

◎金持ちだけですが、中国人の個人旅行解禁(2009年7月8日、スポーツニッポン)
 中国人の日本への個人旅行が解禁され、第1陣の出発を記念する行事が8日、北京などの空港で開かれた。日本政府観光局北京事務所によると、この日に北京、上海、広州、杭州の4都市の空港から日本へ出発する中国人の個人旅行者は計約70人。
 中国人の日本観光はこれまで添乗員が同行するグループ旅行に限られていたが、経済成長に伴い海外旅行慣れした中国人が増え、日本への訪問でも個人旅行への要望が強まっていた。日本政府は、不法残留を防ぐため一定以上の経済力を持つ富裕層に限定する形で解禁した。
 観光査証(ビザ)の申請受け付けが北京の日本大使館や上海、広州の総領事館で1日に始まり、同日からの3日間だけで約190人が申請した。

◎中国:ウルムチに夜間外出禁止も、漢族の一部に報復の動き(2009年7月7日、毎日新聞)
 【カシュガル<中国新疆(しんきょう)ウイグル自治区>浦松丈二】中国新疆ウイグル自治区で起きた大規模暴動を受け、区都ウルムチでは7日午後、鉄パイプなどを手にした漢族住民1万人以上が、ウイグル族への復讐(ふくしゅう)を訴えて抗議デモを行った。新華社通信によると、同自治区の王楽泉・共産党委員会書記は7日、混乱が広がるのを避けるため、ウルムチを対象に同日午後9時(日本時間同10時)から8日午前8時(同9時)まで全面的な交通管制を敷き、車での夜間外出を禁止すると発表した。
 ロイター通信によると、漢族のデモ参加者のうち数百人がウイグル族と衝突した。警官隊が催涙弾で鎮圧しようとしたが、デモ隊は投石などで抗戦した。一部が暴徒化し、ウイグル族の商店などを破壊したとの情報もある。
 ウルムチでは7日午前、家族が拘束されたことに抗議するウイグル族住民数百人が報道関係者の乗ったバスを取り囲み、警官隊と小競り合いとなった。
 新華社通信によると、デモの引き金となったとされる広東省の玩具工場での乱闘に絡み、警察当局が15人の身柄を拘束した。うち新疆ウイグル自治区出身者3人を含む13人については、乱闘に加わった容疑がもたれ、残る2人は同自治区出身者が従業員女性に性的暴行を加えたとするうわさをネット上で広げた疑いがもたれている。
 ロイター通信によると、世界の亡命ウイグル人で組織する「世界ウイグル会議」の代表で、米国亡命中のラビア・カーディルさん(62)は6日、同会議がデモを扇動したという新華社通信の報道について「全くのうそだ」と否定した。

◎中国・新疆、漢民族1万人暴徒化、「反ウイグル」対立激化(2009年7月7日、日本経済新聞)
 【ウルムチ(中国新疆ウイグル自治区)=尾崎実】中国新疆ウイグル自治区の区都ウルムチの混乱が続いている。7日には漢民族1万人以上が暴徒化してウイグル族が経営する商店を襲撃するなど暴動は拡大した。双方が被害者意識を強めており、民族間の対立がさらに激化。事態の混迷が深まるなかで、同自治区の王楽泉共産党委員会書記は7日、車での夜間外出禁止令を発令した。
 中国当局によると7日までの暴動の犠牲者は156人。民族別の内訳は「公安当局が調査中」(ウルムチ市長)。ウイグル族側は発端となった5日の暴動を「平和的なデモ」と主張しているが、当局の発砲で死者が出たのか、当局が指摘するように「暴力的なデモ」で漢民族が被害を受けたのかはっきりしない。
 ウイグル族の死者が多数なら鎮圧方法の是非が問われ、漢民族が多ければウイグル族への怒りにさらに火を付ける。当局は大量の部隊を投入しながら事態収拾の兆しは見えず、民族問題という中国の難題の根深さを改めて浮き彫りにした。

◎中国・人民日報、ウイグル暴動を「民族分裂行動」(2009年7月7日、読売新聞)
 【北京=佐伯聡士】中国西部・新疆ウイグル自治区の区都ウルムチで発生した大暴動を受けて、中国共産党機関紙「人民日報」は7日、「強力な措置で暴力犯罪に厳しく打撃を加え、断固として社会の安定を維持せよ」と訴える評論員論文を掲載した。
 今回の暴動を「民族分裂行動」と位置付け、徹底鎮圧する方針を宣言したものだ。チベット族など他の少数民族への波及を阻止しようとする胡錦濤政権の決意表明でもある。
 論文は「これは祖国統一を防衛し、民族団結を守り、社会安定を維持するための激烈な闘争だ」として、破壊活動への参加者に厳罰を科す方針を強調した。その上で、「ゴタゴタを起こして国家を分裂させようとするいかなる行為にも断固打撃を与えるべきだ」「旗幟(きし)鮮明に民族分裂主義に反対しなければならない」と、民族暴動を絶対に阻止する姿勢を表明した。
 当局は、鎮圧を正当化するための宣伝も本格化した。人民日報が発行する国際問題専門紙「環球時報」は7日、暴動についてインターネットサイトで実施した世論調査の結果を掲載。それによると、参加した4万人の95%以上が「非常に憤慨している」「厳罰に処すべきだ」と回答した。
 胡政権はウルムチ暴動を昨年3月のチベット族によるラサ暴動と同様に、「民族分裂行動」と位置づけ、国内を「分裂反対」一色でまとめる狙いだ。背景には「複雑な民族問題を抱え、全国的な波及を恐れる胡政権の危機感がある」(中国筋)という。
 中国の55の少数民族人口は全体の約8%だが、民族自治地域の面積は国土の約64%を占める。地下資源が豊富だが、発展から取り残された地域が多い。政権は「民族自治」地域を設け、チベット、新疆ウイグル、内モンゴル、寧夏回族、広西チワン族の五つが省レベルの自治区を持つ。チベットとウイグルが最も不安定だが、他の地域でも摩擦の火ダネはくすぶっている。
 2004年には、河南省鄭州でイスラム教を信仰する回族と漢族の住民同士が衝突、多数の死傷者が出た。回族の運転する車に漢族の少女がはねられ、死亡したのが発端だった。経済格差などをめぐる日常的な不満が背景にあり、小さなトラブルが大きな騒乱へと発展する構図となっている。

◎暴動端緒、ウイグル族死亡事件の容疑者拘束、中国警察(2009年7月7日、読売新聞)
 【北京=関泰晴】7日の新華社電によると、新疆ウイグル自治区ウルムチでの暴動の発端となったとされる中国広東省のウイグル族労働者死亡事件で、警察当局はウイグル族3人を含む容疑者15人を拘束した。
 この事件は、先月下旬、同省の玩具工場で漢族とウイグル族の労働者が衝突し、ウイグル族2人が死亡したもの。ウイグル族の住民多数が、自治区政府に事件の真相究明を求めて集まり、警官隊と衝突して暴動に発展したとされる。中国当局は、事件を適切に処理していると宣伝し、ウイグル族の不満を和らげようとしているとみられる。

◎【ウイグル暴動】ウルムチで再び衝突、カシュガルでも暴動の動き(2009年7月7日、産経新聞)
 【ウルムチ=野口東秀】中国・新疆ウイグル自治区で起きた暴動で、ウルムチでは7日午前、ウイグル族住民約200人が家族が拘束されたことに対する抗議行動を行い、再び警官隊と衝突した。この衝突での死傷者は確認されていないが、暴動の死者は16人増えて156人となり、負傷者も1080人に上っている。
 また、中国国営新華社通信は7日、同自治区カシュガルで6日夜、200人以上の住民が中国最大のモスク(イスラム礼拝所)「エイティガール寺院」に集まろうとしたところを警察が排除したと伝えた。
 当局はウルムチのほか、ウイグル自治区内のカシュガル、イリ・カザフ自治州、アクスでも暴動を扇動し、組織しようとする動きがあるとしている。
 香港の人権団体によると、当局はカシュガルなどウイグル独立派の活動が盛んな同自治区内の4地域に、3万人を超える治安部隊を配置、厳戒態勢を敷いている。
 中国指導部が最も懸念するのは、ウイグル族の不満が連鎖的に爆発し、周辺各地に暴動が飛び火することだ。他の少数民族にも波及すれば、事態の深刻化は免れない。当局は現地でインターネットを遮断し、国際電話をかけられないようにするなど情報統制をさらに強化する見通しだ。 
 ウルムチの暴動では、車両261台や商店203軒が焼かれたり、壊されたりしたとする当局は、すでに主導的な役割を果たした人物やグループに対する捜査を進めており、これまでにウイグル族ら約1434人を拘束した。

◎【ウイグル暴動】路上に並ぶ遺体、当局、生々しい暴動映像を配布(2009年7月7日、産経新聞)
 【ウルムチ=野口東秀】中国・新疆ウイグル自治区で起きた暴動で、中国当局はインターネットおよび国際電話を規制を講じるなか、ウルムチ市の指定したホテルに小さな「臨時プレスセンター」を設置し、外国メディア向けに当局が撮影した映像を提供したり、取材ツアーのアレンジをしたりする異例ともいえる素早い報道対応をしている。
 プレスセンターでは、相次いで現地入りした記者を市内の病院に案内し、入院中の被害者への取材を斡旋(あっせん)するなどしている。
 ウルムチ市当局が6日、外国メディアに配布した映像には、暴動の生々しい様子が収められていた。当局が5日に撮影したもので、約7分間。襲撃で死亡し頭から血を流して路上に横たわった多数の住民の姿や、暴徒に襲撃され泣き叫ぶ漢族の女性、炎上するバスの様子などが収録されている。
 昨年発生したチベット騒乱やウイグル自治区各地でのテロ事件ではこうした対応はとっておらず、外国記者が暴力を受けたり、拘束されたりする事態が相次いでいた。
 今回の対応には、当局の鎮圧の正当性を国際社会にアピールしながら、外国メディアを1カ所に集め、コントロールする狙いがあるとみられる。

◎新疆暴動、中国メディアが異例の報道ぶり(2009年7月7日、日本経済新聞)
 【北京=高橋哲史】中国新疆ウイグル自治区の区都ウルムチで発生した暴動について、中国メディアは異例の大きな扱いで報道を続けている。7日付の中国各紙は1面トップで「暴力事件」の見出しを掲げ、今回の暴動が分離独立勢力による組織的な「犯罪」であると印象づける報道ぶりになっている。10月に建国60周年を控え、社会安定を最優先に掲げる中国指導部の意向がうかがえる。
 北京の大衆紙「新京報」は7日、1面トップに焼けこげた乗用車やバスが放置されたウルムチ市内の写真を掲載し「捜査当局が暴力犯罪分子の拘束に全力を挙げている」と報じた。国営の中央テレビも、暴徒に襲われ病院で治療を受ける被害者の映像を繰り返し流している。

◎中国・新疆暴動、ウイグル族に根強い不満(2009年7月7日、日本経済新聞)
 【北京=尾崎実】中国新疆ウイグル自治区の区都ウルムチで5日に起きた暴動の死傷者は6日までに900人を超えた。住民と制圧部隊の衝突の激しさは、地域間、民族間の経済格差など、ウイグル族が抱えた不満の根深さを物語る。10月に建国60周年を控え、社会安定を最優先に掲げる中国指導部は武装警察を大量投入。しかし、力ずくでの封じ込めは、少数民族の反発を一層増幅させる危うさもはらんでいる。
 「警官隊が群衆に向かって突然発砲し、人びとがバタバタと倒れた。道ばたには漢民族もウイグル族も関係なく、血だらけの男女が横たわっていた」。ウイグル族の男性住民(32)が発生当時の様子を振り返る。6日までに日本経済新聞記者が現地に電話取材したところ、衝突の実態や背景が明らかになってきた。5日午後7時半(日本時間同8時半)ごろ、ウルムチ市中心部に住民らが続々と集まり出し、デモ隊は数千人規模にまで膨らんだ。「ウイグルに自由を」などと叫んだ民衆は、制圧に向かった警官らにレンガや石を投げつけ始めた。街中に発砲音が響いたのは、その直後だった。

◎ウイグル騒乱、死者156人に、当局、1434人を拘束(2009年7月7日、朝日新聞)
 【ウルムチ(新疆ウイグル自治区)=奥寺淳、北京=坂尻顕吾】中国の国営新華社通信が7日、警察当局の話として伝えたところによると、中国・新疆ウイグル自治区の区都ウルムチで5日に発生した騒乱の死者はさらに16人増えて156人に達し、負傷者は1080人に上った。同通信は死者は男性が129人、女性が27人としているが、漢族やウイグル族など民族の内訳は明らかにしていない。また、地元警察当局が騒乱に関与した疑いで1434人を拘束したと伝えた。
 ウルムチのほか、自治区西部のカシュガル、アクス、北西部のイリカザフ自治州でも組織的な騒乱の兆候があったとしている。カシュガルでは6日、地元の有名モスクに200人以上が集結。地元警察当局が解散させたという。
 ウルムチでは、7日朝にかけて装甲車や大量の武装警官が夜通しでウイグル人居住区に厳戒態勢を敷いた。インターネットは遮断されている。
 騒乱現場の近くに住むウイグル族男性は騒乱を目撃し、銃声も聞いたというが、「警官が来て大勢のウイグル族が連行された」と話した。
 騒乱が起きたウイグル族居住区には普段は漢族もいるが、事件後は漢族の姿は見あたらない。双方が「相手に襲われた」と主張し、当面はお互いが近寄らない状態になっている。

◎中国:犬にも一人っ子政策、増え過ぎで制限(2009年7月6日、産経新聞)
 【上海・鈴木玲子】中国広東省広州市は今月から、条例で飼い犬を1世帯当たり1匹に制限した。無登録のペット増加に頭を抱えた市当局が管理強化を狙ったとみられるが、複数の犬を飼う愛犬家からは悲鳴が上がっている。ペット店に愛犬を避難させる飼い主が急増。市民からは人口抑制政策「一人っ子政策」になぞらえ、「犬にも『一人っ子証明』が必要なのか」との不満が噴出している。
 条例は大型の「危険な犬」を飼うことも禁止。違反者には、犬の没収や最高2000元(約2万8000円)の罰金が科せられる。
 複数または禁止された大型犬を持つ飼い主は途方にくれる。愛犬家のサイトには「誰が我が家に踏み込んできてもうちの子(ペット犬)は絶対に守ってみせる」などの悲痛な声があふれる。地元紙によると、街には捨てられたペットと見られる野良犬が増えた。当局に処分を依頼する飼い主もいる。

◎中国新疆でウイグル族暴動、3千人規模、2人死亡か(2009年7月6日、産経新聞)
 【北京=共同】新華社電によると、中国西部の新疆ウイグル自治区ウルムチで5日午後、住民らが通行人を襲い道路を遮断、車に火を付けるなどの暴動が起きた。香港メディアは同日、ウイグル族関係者の話として、約3千人のウイグル族がデモに参加、多数の警官と衝突し、2人が死亡、300人が拘束されたと報じた。
 中国では6月下旬、広東省韶関市の玩具工場で、同自治区から出稼ぎに来ていたウイグル族の労働者が漢民族に襲われ2人が死亡、漢民族を含む118人が負傷する事件が起きており、反発したウイグル族が暴動を起こしたという。
 今年10月に建国60周年を控え、中国政府が少数民族に対する引き締めを強めていることも不満の背景にあるとみられる。同自治区では、昨年8月、警官襲撃など北京五輪妨害を狙ったテロが相次いだ。

◎暴動で住民ら多数死亡、中国・ウルムチ、車両や商店破壊も(2009年7月6日、産経新聞)
 【北京=野口東秀】中国国営新華社通信は6日、新疆ウイグル自治区ウルムチで5日夜、暴動が発生し、多数の一般市民と武装警察官1人が死亡、20人以上が負傷したと伝えた。当局は暴徒を逮捕し、暴動を鎮圧したとしている。ウイグル族の漢族に対する強い反感が背景にあり、暴動の規模は、数千人規模とみられる。
 暴動では、多数の車両や商店が放火され破壊されたほか、ナイフや石などを手にした暴徒が通行人を襲撃したもよう。タクシーの運転手は携帯電話や現金を奪われたとしている。当局は高圧電流警棒や威嚇射撃で鎮圧したが、武装警察部隊が展開しており、緊張が続いている。
 新華社通信は、在外ウイグル人組織「世界ウイグル会議」が暴動を主導したとする地方政府関係者の話を伝えており、当局は暴動がインターネットなどで組織されたとの見方を強めているようだ。同組織は、「ウイグルの母」と呼ばれ、ノーベル平和賞候補として名前が挙がったことがある在米ウイグル人の人権活動家、ラビア・カーディルさんが率いている。
 同自治区のヌル・ベクリ主席は談話を発表し、暴動の背景には広東省の工場で先月26日に発生した漢族とウイグル族の衝突があると指摘した。広東省韶関市の香港系玩具工場で、「ウイグル人が漢族の女性を乱暴した」とのうわさが広がったことで、100人以上の漢族労働者が鉄パイプなどでウイグル族労働者を襲い、2人が死亡、漢民族を含む100人以上が負傷した。
 ウルムチでの暴動は、広東省での襲撃事件にからんだウイグル人の漢族に対する“報復”ともみられ、新華社電は、当局者の話として漢族の一般市民3人が死亡したとも伝えている。
 新疆ウイグル同自治区では、昨年8月、北京五輪妨害を狙ったテロが続発した。このうち、武装警察部隊襲撃事件でウイグル族の男2人に死刑判決が言い渡されている。
 中国では、10月の建国60周年を前に各地で暴動が相次いでおり、当局は特に少数民族問題への対応に苦慮しそうだ。

◎新疆ウイグル自治区で暴動、住民多数が死亡(2009年7月6日、読売新聞)
 【北京=関泰晴】新華社電によると、中国新疆ウイグル自治区の区都ウルムチで5日午後、地元住民による暴動が発生し、住民多数と武装警察官1人が死亡、20人以上が負傷した。
 警察当局が暴動を鎮圧したが、現地では、多数の車両が放火され、商店も破壊された。
 香港メディアは、暴動がウルムチ中心部の数か所に広がり、約300人が拘束されたと伝えた。広東省の玩具工場で6月下旬に発生した漢族とウイグル族労働者の衝突事件を巡り、約3000人のウイグル族が5日午後、自治区政府に説明を求めてデモを実施、警官隊が鎮圧に当たる中で、暴動に発展した模様だ。抗議行動が同自治区の別の都市で計画されているとの情報もある。
 地元当局は、ノーベル平和賞候補にも名前の挙がる在米ウイグル人の人権活動家、ラビア・カーディルさん率いる亡命ウイグル人組織「世界ウイグル会議」がインターネットを通して暴動を主導したと非難した。
 ウイグル族の人権問題などに取り組む日本ウイグル協会は6日、本紙に、ウイグル族17人が治安部隊車両の下敷きとなり死亡したほか、警察側の無差別発砲で死者多数が出たとの情報を明らかにした。

◎中国国有投資、カナダ資源会社に出資、積極投資を再開(2009年7月6日、朝日新聞)
 【北京=琴寄辰男】中国国有投資会社の中国投資(CIC)は、カナダの資源会社テック・リソーシズに15億ドル(約1400億円)を出資すると発表した。金融危機による投資環境の悪化で大規模な投資を控えてきたが、株式相場の回復などを受け、再び積極的な姿勢に転換する。
 発表によると、出資後の持ち株比率は17.2%。購入した株式は「少なくとも1年間は保有する」としている。CICによる資源会社への大規模な投資は初めて。
 中国は最近、オーストラリアの資源会社に出資するなど、石油や鉄鉱石といった資源権益確保への動きを強めており、今回の出資もこの方針に沿ったものとみられる。
 巨額の外貨準備を積極運用する目的で07年9月に設立されたCICは、米投資会社ブラックストーンや米金融大手モルガン・スタンレーに相次いで出資してきた。だが、その後の金融危機で評価損が膨らんでいた。

◎セブン&アイ、北京にレストラン、3年後には30店規模(2009年7月6日、朝日新聞)
 セブン&アイ・ホールディングス(HD)は7月下旬、地元企業と合弁で、北京市内にファミリーレストラン「オールデイズ 大望路店」を出店する。同HDによる中国でのレストラン出店は初めて。
 1号店は北京中心部のビジネス街にあるビルの1階に入る。「北京にはファミレス形態の店がほとんどない」(広報)といい、ハンバーグやパスタなど、同HD傘下のデニーズの洋食メニューを導入して顧客層の拡大を図る。客単価は45元(約630円)前後を想定している。
 同HDは年内に北京市内で3、4店、3年後には中国で約30店を出店する計画だ。

◎中国・新疆ウイグル自治区で騒乱、市民に多数の犠牲者か(2009年7月6日、朝日新聞)
 【北京=坂尻顕吾】中国西部の新疆ウイグル自治区のウルムチ市で5日夜、大勢の市民が参加した騒乱があり、武装警察と衝突した。国営新華社通信によると、多数の市民と武装警官1人が死亡、20人以上が負傷。当局は同日深夜までに事態を沈静化させたとしているが、騒乱の規模などは明らかにしていない。
 新華社通信によると、騒乱が起きたのは同日午後8時ごろ(日本時間同9時ごろ)。ウルムチ市の人民広場や解放路、大バザール(市場)などで多数の車両が焼かれ、多くの商店が破壊された。
 事件の背景について、新華社は「民族分裂を図るウイグル族系のグループが最近、ウェブサイトなどを通じて騒ぎを扇動していた」と指摘。今回の騒乱について「国外から指揮と扇動を受け、国内の組織が実行した計画的、組織的な暴力犯罪」と伝えた。
 一方、香港紙の明報によると、騒乱はデモに参加した約3千人のウイグル族が武装警官と衝突して起きたもので、少なくとも2人が死亡、約300人が当局に拘束された。広東省韶関市の玩具工場で6月下旬、ウイグル自治区から出稼ぎ中の労働者が漢族に襲われて2人が死亡、漢族を含む118人が負傷する事件が起きており、この事件に対する当局への不満が騒乱の背景にあるとしている。
 同自治区では北京五輪直前の昨年8月上旬、カシュガル市で国境警備隊が襲撃され、警官32人が死傷するテロがあった。今年10月には建国60周年を迎えるため、各地で予定される式典に向けて中国当局は少数民族に対する監視と引き締めを強めている。
 在日ウイグル族でつくる日本ウイグル協会が、現地の複数の目撃者から集めた情報によると、今回の騒乱で治安部隊の車両の下敷きになり、少なくとも市民17人が死亡。また、治安部隊の発砲で死者が100人を超すとの情報もあるという。
 ただ、日本時間6日午前2時から現地との電話やインターネットの接続が遮断されており、その後の詳しい状況は把握できていない。

◎けた違いの汚職にびっくり、カジノ豪遊に幹部ポストの“販売”(2009年7月4日、産経新聞)
 【北京=野口東秀】中国紙によると、深●(=土へんに川)発展銀行(広東省深●(=土へんに川)市)の支店長だった羅苑棠被告が現役当時、訪れたマカオのカジノで大豪遊し、3400万元(約4億7600万円)も負けたという。このほど拘束された同市の許宗衡・元市長も、人事権を乱用して、幹部ポストを部下に“販売”していたというから驚きだ。日本の新聞なら1面トップ級の大ニュースだが、腐敗がはびこる中国では犯罪規模もけた違いだ。
 羅被告は昨年、27歳という若さで支店長に就任してまもなく、マカオを訪れてはカジノにおぼれた。マカオのカジノといえば、中国官僚が公金で豪遊する話は有名で、大負けして自殺者までいるという。ご多分に漏れず、羅被告も負け続け、莫大な借金を抱える結果となり、地元団体の預金4000万元(約5億6000万円)を不正流用して返済に充てたという。逃亡していたが、湖南省で拘束され、1日の初公判で起訴事実を認めた。
 一方、香港紙によれば、許元市長は市長の立場を利用して、「人事」を“販売”。区長級ポストが1000万元(約1億4000万円)以上、局長級ポストなら500万(約7000万円)から600万元(8400万円)とし、受け取った金は懐に入れていた。許元市長自身も市長に就任するため、数百万元を使ったと指摘する報道もある。
 許元市長は“地下鉄市長”との異名もあり、地下鉄などの公共工事にからみ、わいろを受領していたとみられている。拘束された元市長は現在、「わいろ受領」「官職買収行為」など3つの容疑で取り調べを受けている。

◎中国:マンション倒壊、手抜き工事否定、上海市発表(2009年7月4日、毎日新聞)
 【上海・鈴木玲子】中国上海市で先月27日、建設中のマンションが倒壊し、作業員1人が死亡した事故で、同市政府は3日、事故調査結果を発表した。建物の南北で地盤にかかる圧力バランスが崩れたため、建物の支柱が耐え切れなくなり、倒壊を招いたという。
 調査結果によると事故当時、建物の北側に建設残土が高さ約10メートルまで積み上げられていた。一方、南側では地下駐車場工事のため、地面が深さ4.6メートルまで掘削されていた。北側の建設残土は南側の掘削工事で生じたものだった。
 事故後、業者による手抜き工事の可能性を指摘する声が相次いだが、市は「建物の構造設計や支柱に使用したくいの材質などに問題はない」と否定した。
 事故を巡っては、マンション購入者400人以上が契約破棄や返金などを求めて開発業者に殺到する騒ぎになっている。

◎香港でもタミフル耐性ウイルス、服用していない少女から(2009年7月4日、朝日新聞)
 【香港=小林哲】香港衛生署の発表によると、香港で新型の豚インフルエンザに感染した少女(16)から、抗ウイルス薬タミフルが効かない耐性ウイルスが検出されたことがわかった。少女は症状が軽くタミフルを服用しておらず、なぜ耐性ウイルスに感染したかはわかっていない。
 同ウイルスはデンマークと大阪の患者からも見つかっており、世界で3例目。
 少女は6月11日に米サンフランシスコから帰国。空港で症状が確認され、18日まで隔離されていた。検出された耐性ウイルスは、別の抗ウイルス薬リレンザは有効という。
 香港政府は、タミフルを約2千万錠、リレンザを約200万錠備蓄している。香港では3日、新たに44人の患者が確認され、感染者は計901人に達した。

◎宮本大使への機密提供で懲役18年確定、新華社前局長(2009年7月3日、産経新聞)
 北京市高級人民法院(高裁)は3日までに、宮本雄二駐中国大使らに国家機密を渡したとしてスパイ罪などに問われた国営通信、新華社の前外事局長、虞家復被告(62)に対し、懲役18年を言い渡した一審判決を支持し、控訴を棄却した。中国は事実上二審制のため有罪判決が確定した。
 一審判決などによると、虞被告は中国の対北朝鮮政策の変化などについての情報を提供し、その見返りとして宮本大使から計20万7000元(約290万円)を受け取ったほか、韓国の元外交官からも同様に金品を受け取っていた。
 これに対し、虞被告側は「渡したのは機密情報ではない」と控訴。二審は書面審理のみで、弁護側が申請した宮本大使の証言などは認められなかった。
 宮本大使は一審判決後の5月中旬に記者会見し、「中国の法令を順守してきたつもりだ。何の問題もない」としていた。

◎中国共産党、幹部登用で「社会の安定維持」を評価(2009年7月3日、産経新聞)
 【北京=野口東秀】中国国営新華社通信によると、中国共産党は社会の安定に対する成果を重視した、指導幹部や指導グループへの評価制度を導入する。胡錦濤国家主席は「党の団結を高めなければならない」と強調しており、10月1日の建国60周年に向け、次世代の幹部を登用し、幹部登用への透明性を高めて民衆の信頼を得るのが狙いだ。
 胡主席は先月29日、政治局会議を開き、幹部評価制度を確立し、民衆から支持を得られる人材を配置する必要性を訴えた。
 具体的には「経済・社会の協調した発展」という原則下で、「社会の安定維持」、「社会保障と民衆生活の改善」で実際の成果を評価するという。
 社会の安定を重視する背景には、経済格差や社会保障への不満、地方官僚の腐敗、横暴などに対し、各地で暴動などが相次いでいるという事情がある。次世代の有能な幹部を各地の重要ポストに配置することにも、社会の安定を図る狙いが含まれている。
 公式発表では、2008年末の中国共産党の党員数は約7593万人。新中国成立直後の1949年と比べ17倍の数となっている。党の末端組織数も約372万で19倍だ。
 組織の肥大化で腐敗が蔓延(まんえん)する結果を招く一方、中央の政策に背き、地元財界と一体となって“利益追求集団”と化した地方組織もあり、こうした状況は庶民の強い反感を買っている。

◎中国の学生企業家、富豪番付トップは資産140億円、IT目立つ(2009年7月3日、産経新聞)
 大学生で既に10億元(約140億円)の資産家も-。中国の大学生起業家の2009年長者番付(100人)がこのほど発表され、情報技術(IT)関連企業を中心に平均資産は2600万元(約3億7000万円)に上った。
 中国校友会のサイトなどによると、資産10億元の学生富豪トップは浙江省杭州市でネットゲーム企業を経営する浙江理工大の金津さん(25)。オンラインゲーム好きが高じて05年に資本金わずか5000元で起業。若者数100万人が利用する3次元立体(3D)の人気ゲームを開発した。
 最年少は広東省深セン市で広告業などを営む丁仕源さん(19)。53位で資産は300万元(約4200万円)だった。女性はトップ10人に2人が入り、共に資産1億元。
 100人のうち40%がIT関連で、トップ10中8人がIT関連のビジネスで稼いでいた。

◎中国共産党員7593万人に(2009年6月30日、産経新聞)
 新華社電によると、中国共産党中央組織部は7月1日の同党創立記念日を控えた30日、党員数が昨年末で7593万1000人になったと明らかにした。前年の2007年末より177万8000人増えた。
 08年末の人口は13億2802万人で、共産党員の割合は5.7%。

◎「あっ、去年の映像だ!」、中国中央テレビ、ネットで厳しく批判され、編集者を解雇(2009年6月29日、産経新聞)
 【北京=矢板明夫】北京紙、新京報などによると、中国国営中央テレビ(CCTV)は28日までに、ニュース番組の映像を捏造したとして編集者を解雇した。この編集者は今月7日に放送された全国大学統一入試を伝える報道で、1年前の映像を当日に撮影されたものとして使用したが、ひょんなことから捏造が発覚した。
 問題となったのは、看板ニュース番組「新聞聯播」の中で放送された3分弱のニュース。大学入試初日の試験会場周辺の様子を伝える映像のなかに、一瞬だが、「北京五輪まであと63日!」という幕が掲げられたバスが画面に現れた。
 それに気づいた視聴者がすぐにその映像をネット掲示板にアップし、「中央テレビの記者は取材をさぼり、昨年の映像で視聴者をごまかしている」と非難を始めた。北京五輪が昨年8月8日に開幕したため、その63日前は、ちょうど昨年の大学入試時期と一致する。
 視聴者からの抗議を受けて局側は調査を開始、放送から2日後の9日、1年前の映像を使用したことを認め、ホームページで謝罪した。局側は「取材チームは現場に着いたが、突然雨が降り出したため、いい映像が撮れなかった。別の記者に協力を求めたところ、その記者は勘違いし、昨年の映像を局に送った。その日の担当編集者は内容をよくチェックせず、番組を制作した」などと釈明した。
 しかし、こうした釈明は視聴者を納得させることはできず、ネットでは「中国で最も権威あるテレビ局がこんな姿勢でニュース番組を作っていいのか」「今回は動かぬ証拠があるから認めたけれど、いつも私たちをだましているのではないか」といった批判があふれ、局側に対し、経緯の詳細な説明と関係者の処罰を求める意見が多かった。今回、担当編集者が解雇されたのは、こうした世論の厳しい批判を受けたためのようだ。
 中国のネットで出回っている6月7日に放送されたニュース映像の1カット。バスの前の幕に「北京五輪まで63日!」の文字が読める(矢板明夫撮影)

◎中国、石油備蓄2.6倍に、5年後メド、4000億円かけ新基地(2009年6月29日、日本経済新聞)
 【北京=多部田俊輔】中国政府は国家戦略石油備蓄量を5年後をメドに現在の2.6倍の2億7000万バレルに増やす。浙江省などにある第1期備蓄基地の原油充てんがほぼ完了し、年内にも第2期の備蓄基地の建設に着手する。投資額は300億元(約4200億円)規模。国家エネルギー局幹部が明らかにした。世界2位の石油消費国である中国の備蓄動向は世界の石油市場に一定の影響を及ぼしそうだ。
 中国が近く建設に着手する第2期備蓄基地は、8カ所で構成し、合計備蓄量は2680万キロリットル(1億6900万バレル)。「5、6年以内には大半の基地を完成させ、順次充てんを始めていく」(同局幹部)という。

◎アジア最大級の鉄鉱石鉱床、中国・遼寧省で発見(2009年6月29日、朝日新聞)
 【瀋陽=西村大輔】中国遼寧省本渓市でこのほど、アジア最大とみられる巨大な鉄鉱石鉱床が発見された。同市によると、推定埋蔵量は少なくとも30億トンとみられる。
 地元報道によると、10年に生産が開始され、15年には年産500万トンに達する見通し。今後、調査が進めば、埋蔵量は70億トン以上に達すると推測されており、世界最大の規模になる可能性もあるという。
 中国は世界最大の鉄鉱石輸入国で、年間需要の6割、約4億トンを輸入に頼っている。巨大鉱床の発見は、鉄鉱石の価格安定に寄与すると期待されている。一方、専門家からは、鉱床が深く、含有量もあまり高くないため、コストがかかるなどの懸念も指摘されている。

◎建設中マンションが根元から倒壊、上海、1人死亡(2009年6月29日、朝日新聞)
 【上海=奥寺淳】中国上海市閔行区で27日早朝、建設中の13階建てマンションが突然根元から倒れ、作業員1人が死亡した。現場では複数の棟を建築、分譲しており、マンション購入者100人以上が開発業者の事務所に押しかけ、代金返還を迫っている。
 目撃した男性によると、ゆっくり傾き、45度近くまで建物が斜めになったところでドーンと倒れたといい、「別の棟を買ったが、怖くて入居できない」と怒り心頭だ。
 倒壊したマンションを約200万元(約3千万円)で購入した男性は「建築構造や材料に問題がある。返金を求めているが、業者や地元政府から答えはない」と話す。
 原因は不明だが、地元の報道によると、26日にそばの川の堤防が崩れかけたため、建物と川の間に大量の土を積み上げていた。地下駐車場を建設中だったとの情報もある。

◎中国の検閲ソフト義務化問題、日本が2国間協議を検討(2009年6月28日、日本経済新聞)
 【ジュネーブ=藤田剛】中国が7月から国内で販売するすべてのパソコンに中国製の「検閲ソフト」の搭載を義務付ける問題に関して、日本政府は中国に2国間協議を要請する検討に入った。中国は世界貿易機関(WTO)の会合で義務化の正当性を主張したが、検閲ソフトが対中貿易の障壁になる懸念が強いため、改めて2国間協議の場で見直しを求める。
 6月25、26日に開かれたWTOの貿易の技術的障害(TBT)に関する会合で、米国と欧州連合(EU)は検閲ソフト「グリーン・ダム」の搭載義務化に懸念を表明して中国に撤回を要求。日本も同調した。しかし、中国は「青少年をネット上の違法なコンテンツから守るための正当な措置」と反論し、撤回に応じない方針を示した。

◎中国の工場でウイグル族と漢族が衝突、2人死亡(2009年6月27日、読売新聞)
 【香港=竹内誠一郎】香港紙の明報は27日、中国広東省韶関市の香港系大手おもちゃ工場で26日に、新疆ウイグル自治区から雇用された少数民族ウイグル族と漢族の従業員同士が衝突し、ウイグル族の2人が死亡、双方の計118人が重軽傷を負ったと報じた。
 明報によると、工場の従業員は約8000人。ウイグル族約600人が採用された5月から、女性従業員への乱暴などの事件が相次ぎ、ウイグル族の仕業と見なした一部の漢族が宿舎を襲った。経営者は明報に対し、「衝突は生活習慣の違いが主な原因」と説明した。

◎中国の検閲ソフト義務付け、米・EUが撤回要求、WTOで表明(2009年6月27日、日本経済新聞)
 【ジュネーブ=藤田剛】米国と欧州連合(EU)は26日、世界貿易機関(WTO)が開いた貿易の技術的障害(TBT)に関する会合で、中国が国内で製造・販売するパソコンに中国製の「検閲ソフトウエア」の搭載を義務付ける計画に懸念を表明し、撤回を求めた。日本も米・EUを支持する方針を示した。保護主義的な動きが独自のソフトや認証制度の義務付けにつながり、貿易摩擦が激化し始めた。
 中国は有害サイトへのアクセスを制限するという理由で、7月から全パソコンに検閲ソフト「グリーン・ダム」をあらかじめ搭載するよう義務付ける予定。これに米国は「パソコンメーカーや消費者の選択の自由を阻害する」と反発。EUと足並みをそろえ、WTOの会合で急きょ議題に取り上げた。

◎中国汚染粉ミルク事件、2代表の資格はく奪(2009年6月27日、産経新聞)
 新華社電によると、中国の全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員会は27日、昨年発覚した汚染粉ミルク事件で解任された河北省石家荘市の冀純堂元市長と、昨年の大規模土石流災害の責任を問われ解任された山西省臨汾市の夏振貴元共産党委書記の全人代代表の資格をはく奪することを決めた。
 汚染粉ミルク事件では、地元メーカーが北京五輪開幕前の昨年8月上旬、有害物質メラミンに汚染された粉ミルクを出荷していたことを石家荘市に伝えたが、同市が河北省に報告したのは9月で、行政側の対応が大幅に遅れる原因となった。

◎中国大手6銀行、5100億円の不正融資、489人を処罰(2009年6月26日、日本経済新聞)
 【上海=下原口徹】中国政府は中国工商銀行、中国建設銀行、中国銀行、中国中信集団、交通銀行、招商銀行の大手6銀行に対し実施した2008年度の会計監査で、365億元(約5100億円)の不正融資があったと発表した。政府は6銀行に指導して273億元を回収させるとともに489人を処罰した。
 不正融資のうち215億元は不動産取引にかかわるもの。住宅ローン名義でほかの融資を行ったり、融資条件が満たされないのにもかからず融資に踏み切ったりしたケースがあった。また107億元は政府の批准を受けていないプロジェクトなどへの融資。43億元は当初の契約とは用途が違う案件への融資だった。

◎ラオックス、中国家電量販大手の傘下入り、正式合意(2009年6月25日、朝日新聞)
 経営再建中の中堅家電量販店ラオックスは、中国の家電量販大手の蘇寧電器(南京市)の傘下に入ることで正式合意した。蘇寧電器が筆頭株主となり役員2人も派遣する。日本の有力家電量販店が中国企業の傘下に入るのは初めて。
 ラオックスは09年3月期まで8期連続の最終赤字。25日に東京で開いた記者会見で、蘇寧電器の孫為民総裁は「早期にラオックスが利益を生み出せる体質にしたい」と話し、3年以内の黒字化をめざす考えを明らかにした。
 ラオックスは、15億円の第三者割当増資を行う。うち8億円は蘇寧電器が引き受け、発行済み株式の27.36%を取得する。残る7億円をラオックスの加盟店が引き受ける。ラオックスは、増資で得た資金を、店舗改装や運転資金に充てる方針。店舗や人員の削減も進める計画だ。
 共同の仕入れ体制も整える。蘇寧電器は中国では取り扱いが少ない高機能の家電をラオックスを通じて入荷し、品ぞろえを充実させる。7月に中国からの個人旅行者にビザ発給が解禁されることにも着目。中国人が日本のラオックスで買った商品を、中国の蘇寧電器の店で修理する仕組みをつくる。ラオックスの山下巌社長は会見で「経営資源の共有の面で考えると一番よいパートナーだ」と説明した。(内山修)

◎中国が穀物の輸出関税を撤廃、国際市況に影響も(2009年6月23日、産経新聞)
 中国財政省は22日、小麦やコメ、大豆など穀物を対象にした輸出関税を7月1日付で撤廃すると発表した。中国産穀物の輸出が加速し、国際商品市況に影響を与える可能性もある。
 穀物を対象にした輸出関税は、食料品高騰が問題になった2008年1月に課されたが、最近では食料品を中心に消費者物価の下落が続いていた。現在の穀物関連の輸出関税は3~10%。
 同時に、硫酸など工業関連産品の輸出関税撤廃や引き下げも実施する。大幅な減少が続く輸出を振興する狙いがある。

◎ラオックス、中国家電大手傘下に(2009年6月24日、読売新聞)
 中国の家電量販店大手・蘇寧電器集団(南京市)は24日、経営再建中の中堅家電量販店ラオックスに約27%出資し、筆頭株主になると発表した。
 日本の家電量販店が中国企業の傘下に入るのは初めてとなる。
 ラオックスが、蘇寧電器など2社を引受先に約15億円の第三者割当増資を行うほか、蘇寧電器から役員2人を受け入れる。
 ラオックスはヤマダ電機など、業界大手との競争激化で業績が低迷。昨秋以降の消費低迷とデジタル家電の価格下落が追い打ちをかけ、2009年3月期連結決算の税引き後利益は125億円の赤字だった。郊外の不採算の店舗を相次ぎ閉鎖し、東京・秋葉原地区に集約するなどの大幅なリストラを進めており、財務体質の改善が課題になっている。
 蘇寧電器は日本式の店舗運営手法を吸収し、日本市場に本格進出する足がかりとする狙いとみられる。蘇寧電器は中国南部を中心に850店以上を展開。08年の売上高は1000億元(約1兆4000億円)を超え、業界2位。中国の小売業としても最大級だ。

◎ラオックス、中国の家電販売大手の傘下入りで正式合意(2009年6月24日、朝日新聞)
 中堅家電量販店のラオックスは24日、中国で急成長している家電量販大手、蘇寧電器集団(南京市)の傘下に入ることで正式合意した。蘇寧電器はラオックスの発行済み株式の27.36%を取得して筆頭株主となり、役員2人を派遣する。共同の仕入れ体制を整え、互いの国の売れ筋商品を供給しあう方針だ。
 ラオックスから提携を持ちかけていたもので、日本の有力家電量販店が中国企業の傘下に入るのは初めて。ラオックスは近く、15億円の第三者割当増資を実施。8億円を蘇寧電器の完全子会社が引き受け、残る7億円をラオックスのフランチャイズ店が引き受ける。

◎有害情報遮断メーカーに嫌がらせ電話1000件超、中国(2009年6月24日、産経新聞)
 新華社電によると、中国の有害サイト接続遮断ソフトメーカー、鄭州金恵計算機系統工程(河南省)は24日、中国政府が国内で販売されるパソコンに同社のソフト搭載を義務付けると発表した今月上旬以降、国内外から1000件以上の嫌がらせ電話があったことを明らかにした。
 中国政府の措置に対する反発が強いことを示しており、同社幹部も「家族を殺す」との脅迫電話を受け、会社のホームページはハッカー攻撃を受け続けているという。
 中国政府は今回の措置について「インターネットの有害情報が青少年に及ぼす悪影響を避けるため」(工業情報省)としているが、国内では強制的な同ソフト搭載に対し「合法性に欠ける」(中国誌)などと批判が相次いでいる。

◎中国、世界最速の“底打ち”脱却、「4~6月 8%成長回復」当局分析(2009年6月24日、産経新聞)
 【上海=河崎真澄】金融危機による輸出低迷で打撃を受けた中国経済が今年1~3月期に底を打ち、4~6月期には回復に向かったとする報告を、中国国家統計局のエコノミストが24日までにまとめた。総額4兆元(約56兆円)に上る景気刺激策の効果が国内消費などに表れたと分析した。分析が正確なら、中国は13億人を超える巨大市場をテコにした「内需主導型」成長により、昨年9月の「リーマンショック」以来の金融危機の泥沼から“世界最速”で抜け出すことになる。日本企業も一段と中国市場への依存度を高めることになりそうだ。
 この報告は、国家統計局のマクロ経済担当エコノミストである郭同欣氏が作成した「現下のいくつかのマクロ経済問題に関する初歩的分析」。公式見解ではないと断っているが、国家統計局公式ホームページで公表されている。
 この中で郭氏は「今年4~6月の国内総生産(GDP)実質成長率は8.0%近くに回復する」と分析した。中国の四半期ごとのGDP成長率は、金融危機の影響で今年1~3月期に6.1%まで鈍化していた。
 4~6月期の成長率は7月16日前後に国家統計局が正式発表する予定だ。郭氏はそれに先立ち、中国国内の月次別の鋼材生産量や発電量、不動産など固定資産投資、消費・販売額など経済指標を分析した結果、今春以降、内需に明確な回復基調が見られたとして、4~6月期のGDP成長率の大幅な回復を予測した。
 郭氏の資料によると、工業部門の成長率に対する寄与度で、中国から海外に向けた「輸出」が昨年11月以来マイナス成長を続けているのに対し、消費や固定資産投資など「内需」はすでに今年2月に底を打ち、拡大基調に転じている。
 外資誘致と輸出拡大により「世界の工場」として高い成長率を維持してきた中国にとって、金融危機に伴う欧米向け輸出の落ち込みをどうカバーするかが危機克服に向けた最大の課題だった。郭氏の分析が正しければ、危機発生から1年もたたずして、中国経済は成長の軸足を輸出から内需に移し、再び成長軌道に乗った可能性がある。
 世界銀行も今月18日の発表で、今年の中国のGDP成長率予測を、3月段階の6.5%から7.2%へと0.7ポイント上方修正した。公共投資や消費など、内需の堅調さを評価している。
 内需主導の回復ぶりが明らかになればなるほど、中国は年内にも日本を抜いて米国に次ぐ「世界2位の経済大国」の座を射止める公算が大きくなってくる。
 清華大学世界経済研究センターなどでは(1)中国が8%超の成長を達成(2)日本はマイナス成長(3)中国の消費者物価が上昇し日本はデフレ(4)日本円の対人民元相場が下落する、との条件下で、中国のGDPは年内に世界2位になると指摘した。2008年の中国のGDPは4兆2950億ドルで、日本の4兆3480億ドルに肉薄している。中国は07年にドイツを抜きGDP世界第3位になっている。

◎米・EU、中国をWTO提訴、「レアメタルの輸出を制限」(2009年6月23日、日本経済新聞)
 【ブリュッセル=瀬能繁】米国と欧州連合(EU)は23日、中国がレアメタル(希少金属)などの鉱物の輸出を制限し国際競争をゆがめているとして、世界貿易機関(WTO)に提訴したと発表した。米国の対中提訴は今年1月にオバマ政権が発足してから初めて。
 米国とEUは、中国政府がレアメタルなどの輸出について、関税や数量制限を設けることで制限していると批判。中国企業がレアメタルを安い価格で手に入れられるのに対し、欧米企業は高コストとなることから、輸出制限の撤廃を求めていた。
 WTO協定では輸入だけでなく、輸出についても数量制限することを原則として禁止している。自国企業に優先的に配分することで国際競争をゆがめることになるためだ。輸出制限の是正は2001年の中国のWTO加盟時の条件。EUは提訴に踏み切った理由について「WTOの一般ルールに違反しているだけでなく、加盟時の約束も無視している」と指摘した。

・希少金属:きしょうきんぞく【rare metal】
 ニッケル、クロム、タングステン、希土類(レアアース)など埋蔵量の限られた31鉱種の金属のこと。
 レアメタルともいう。鉄、銅、鉛、亜鉛など古くから利用されてきたベースメタルに対し、主に第2次大戦以降利用が進んだ。強度、耐熱性、磁性、耐蝕性、感光性、ガス吸脱着性など、さまざまな特性があり、特殊鋼用の添加材をはじめ用途は幅広い。資源は南アフリカ共和国、中国、オーストラリアなど特定国に偏在しており、安定供給が課題となっている。

◎個人所得税の税収、10年で11倍に、経済成長の中国(2009年6月22日、産経新聞)
 【上海=河崎真澄】中国で個人所得税の税収額が2008年に3722億1900万元(約5兆2300億円)と前年を16.8%上回って過去最高を更新したことが、中国財政省の資料で明らかになった。同税収額は1998年の338億6400万元に対し10年で約11倍に膨らんでおり、中国の個人所得の急増ぶりを裏付けた格好だ。
 華僑向け通信社の中国新聞社が22日までに伝えたところによると、08年は給与にかかる所得税が同28.1%増の2240億6500万元と全体の59.4%に達した。また、個人所得税の納税者のうち、年収が12万元(約169万円)を上回る“高額所得層”は約3%の240万人だった。この層で約34.8%に当たる1294億元を納税した。
 94年に導入された中国の個人所得税制度だが、2007年までは年平均30%以上も税収が伸びてきた。08年は秋以降の金融危機の影響で伸び率は鈍化したものの、北京や上海、広州など都市部を中心に「サラリーマン」層が確実に増えて、個人収入を伸ばしている様子がうかがえる。
 不況下で不動産相場が伸び悩んでいるが、個人の不動産譲渡や贈与に対する税収は08年に27億6千万円と同26.7%増えた。
 中国での個人所得増大によって、中国全土のレストランなど飲食業の売上高が増大。商務省によると、08年は前年比で24.7%も売上高が伸びて国内総生産(GDP)全体の20分の1に達したという。

◎中国、国家秘密保護法を改正へ、ネット社会に対応(2009年6月22日、産経新聞)
 新華社電によると、中国の全国人民代表大会(国会)常務委員会は22日、急拡大するインターネット社会に対応するため、国家秘密保護法改正案の審議に入った。国家秘密を扱うコンピューターによるネット接続を禁止するなど新たな条項を盛り込み、違法行為には最高5万元(約70万円)の罰金を科すとしている。
 国家秘密保護法は1989年に施行。改正案はインターネットを通じた情報の管理強化などに重点を置いており、通常のパソコンで国家秘密に関する情報を処理することも禁止する。
 秘密漏えいに対しては、これまでも刑法により最高で死刑とすることが可能だった。

◎違法に爆薬を保管、工場爆発で16人が死亡、中国(2009年6月22日、朝日新聞)
 【上海=奥寺淳】中国国営の新華社通信によると、21日午前3時ごろ、安徽省鳳陽県の鉱石加工工場で大規模な爆発事故があり、作業員ら16人が死亡、43人が重軽傷を負った。違法に所持していた爆薬が爆発したとみられ、会社の代表者が警察に拘束された。
 地元当局の調べでは、同社は違法に鉱石を採掘しており、事務棟の倉庫に5~7トンの爆薬を保管。何らかの原因でこれが爆発し、事務棟の南側にあった宿舎が倒壊、寝ていた作業員らが下敷きになった。現場には直径10メートル、深さ5メートルの穴が出来た。

◎たばこ:中国が増税発表 税収増と健康被害減少を狙う(2009年6月20日、毎日新聞)
 中国政府は20日、たばこの増税を発表した。税収増と健康被害を減らすのが狙い。中国は喫煙人口が3億人を超す“喫煙大国”で、税率の低さが、喫煙者が減らない原因の一つとみられている。
 高級たばこに課す消費税率を45%から56%に引き上げ、その他のたばこも増税。さらに、卸売り段階ですべてのたばこに5%の新税を課す。
 中国では、たばこがもたらす健康被害による直接的な損害は年1400億~1600億元(約2兆~2兆30000億円)に上るといい、専門家は「中国のたばこ税率は低すぎる。増税はたばこ被害を減らす有効な手段だ」と指摘している。

◎盗作疑惑:中国の童話がハリー・ポッター酷似、作者は否定(2009年6月20日、毎日新聞)
 【上海・鈴木玲子】中国で発売される童話「冒険小王子」が、世界的ベストセラー小説「ハリー・ポッター」シリーズのエピソードに酷似するとして盗作疑惑が浮上している。中国紙「揚子晩報」などが報じた。ハリーの英女流作家、J・K・ローリング氏側は著作権侵害の可能性を指摘するが、中国の出版社側は「オリジナル作品」と反発を強めている。
 「冒険小王子」は中国人作家、周芸文氏の新童話シリーズで、今月28日に出版を始め、シリーズ20冊を来年にかけて出版する計画。既に2万冊以上が試読本として小学校に配られ、「中国版ハリー・ポッター」と呼ばれ、人気を集めている。
 報道によると、内容は主人公が妖精学校に通う男児で、列車で学校に到着するなど「ハリー」の設定とそっくり。ローリング氏側は、酷似するエピソードは18カ所に上ると指摘。著作権侵害が確認されたら、作者の周氏と出版する江蘇美術出版社に約1億ポンド(約158億円)の賠償を請求する可能性もあるという。
 これに対し同社は19日、インターネットに公開書を掲載し、「出版の決心は揺るがない。作品は中国自身のオリジナルだ」と反論した。また、周氏は地元紙に対して「ローリング氏の弁護士から話が来たことはない。盗作など絶対にない」と否定している。

◎中国で発見の新型インフル、重症化しやすい可能性、東大(2009年6月20日、日本経済新聞)
 中国で見つかった新型インフルエンザウイルスに、人の体内で増殖しやすくなる遺伝子変異が起きていることを、東京大医科学研究所の河岡義裕教授らが確かめ、19日明らかにした。感染すると重症化しやすいタイプに変異しつつある可能性がある。この変異を持つウイルスがどの程度広がっているかは不明だが、河岡教授は「今後増えるかどうか注視する必要がある」と話している。
 遺伝子変異が見つかったのは、5月31日に中国・上海で22歳の女性から分離したウイルス。河岡教授らは公表された遺伝子情報を分析。ウイルスの増殖能力にかかわる「PB2」という遺伝子の配列の一部が、これまで見つかったウイルスに比べ、人の体内で増殖しやすいタイプに変わっていたという。
 豚インフルエンザから変異した新型インフルエンザのウイルスは鳥、人、豚の4種類のウイルスが複合したことが分かっている。PB2は鳥インフルエンザのウイルスから引き継がれ、人の体内では増えにくいとみられていた。

◎「低俗情報流している」中国がグーグルに一部業務停止命令(2009年6月20日、読売新聞)
 【北京=関泰晴】20日付の中国各紙によると、中国当局は米大手検索サイト・グーグルに対し、「ポルノなどの低俗情報を流している」として、海外サイト検索など一部業務の停止を命じた。
 ネット上の言論統制を狙う共産党が、「青少年の健全育成」を名目にさらなる規制強化に乗り出したものだ。
 グーグル社に対しては、中国政府系の監視団体・インターネット違法不良情報通報センターが今月18日、「有害サイト接続を遮断せず、ポルノなどの低俗な情報を見られるようにしている」と警告していた。これまで検索に英語を用いることなどにより、中国国内からもグーグル経由で有害サイトへの接続が可能な場合があった。
 処分を受けて、グーグル社は、「すべての業務内容を点検中だ。関係機関との協議で大部分の問題は解決した」との声明を発表。当局に協力する姿勢を示している。
 中国当局は、7月以降に国内で販売されるパソコンに有害サイト検閲ソフト「グリーン・ダム」装着を義務化する方針も決めており、ネットから「有害」情報を締め出す動きを強めている。
 有害サイトに関し、新聞出版局は8項目の「低俗」基準を公表、「倫理・道徳に反する文字や内容」「未成年者の心身の健康に影響を与える内容」を幅広く摘発できるものとなっている。ネット利用者からは「拡大解釈が横行するのは目に見えている。行き過ぎだ」と非難の声が出ている。

◎中国政府、グーグル中国に海外サイト検索停止命令、管理強化へ(2009年6月19日、日本経済新聞)
 【北京=多部田俊輔】中国国営の新華社は19日、中国政府当局が米グーグルに対し、同社中国語サイト「グーグル中国」がポルノなどの低俗情報を提供しているとして、海外サイトの検索サービスなどの暫時停止を命じると伝えた。中国政府は天安門事件20周年や建国60周年を迎え、1月からインターネット上の情報管理を強化しており、その一環とみられる。
 グーグル中国については、中国インターネット違法・有害情報通報センター(CIIRC)が18日、ポルノなどを提供していると強く非難し、政府当局に制裁を科すよう勧告した。政府当局は同日午後、グーグル中国の責任者を呼び、アクセスを遮断するように警告したという。
 新華社によると、政府は工業情報化省や公安省などと協力し、5月からネット上の低俗情報などの摘発を本格化。過去1カ月余りで約1000の有害サイトに閉鎖を命じた。最近は携帯電話サイトの取り締まりを強化している。

◎天安門事件追悼集会を放送したテレビ局の編集者らを停職(2009年6月18日、日本経済新聞)
 【北京=尾崎実】中国人権民主化運動情報センターは18日、中国広東省の広州テレビが香港で開かれた天安門事件追悼集会の映像を放送したとして、広州市共産党委員会宣伝部が編集者ら5人を停職処分にしたと伝えた。テレビ局の上層部も近く処分を受ける可能性があるとしている。
 同局は4日夜に開かれ、過去最多の15万人が集まった追悼集会の模様を5日のニュース番組で約10秒間放送。担当者が映像に気づかず、カットしなかったことが原因という。
 中国当局は天安門事件に関する報道に対し厳しい報道管制を敷いており、事件から20年の今年は、外国テレビ局が関連映像を流すと画面が突然暗転するなどの措置が取られていた。

◎中国フィルタリングソフト義務化問題のあまりに多すぎる疑問(2009年6月17日、日本経済新聞)
 中国工業情報化省が6月9日に発表した通達が国内外に波紋を広げた。その内容は、青少年の保護を目的に7月1日から中国国内で販売するパソコンすべてに有害サイトへのアクセスを遮断するフィルタリングソフトの搭載を義務付けるというもの。この唐突な決定に対しては、義務化の妥当性はもちろん、フィルタリングソフトの中身や開発メーカーにも批判や疑念が広がった。(肖宇生)

・防戦に追われた工業情報化省
 通達が発表されたとたん、中国国内のネットユーザーはもちろん、米ウォール・ストリート・ジャーナルをはじめ海外メディアも関心を示し、プライバシー侵害や情報統制への懸念を示した。中国の法曹界からも不正競争防止や独占禁止法制などに抵触する恐れがあるとして、工業情報化省に聴聞会の開催を要求する声が上がった。
 あまりの反響の大きさに工業情報化省は「使用の強制性はない」「ユーザーによるアンインストールは自由」などと説明して事態を沈静化しようとしたが、それで収まる気配はなかった。
 それもそのはず。中国にもすでに数多くのフィルタリングソフトが流通している。そのなかで、何の前触れもなく特定メーカーの製品を強制的に搭載させるというのだから、混乱を巻き起こすのは当然だ。しかも、その指定メーカー2社はこれまで一般にあまり知られていない会社だったため、なおさら騒動に拍車がかかった。
 政府は予算として4170万元(約6億円)を支出してソフトの1年間の使用権を買い取るという。そのため、パソコンメーカーやユーザーに新たな負担は発生しないとしているが、2年目以降どうなるかは不明確だ。こうした予算の使い方や消費者負担の問題についても議論が広がっており、工業情報化省は防戦一方に追い込まれた。

・ソフトを開発した2社の正体は
 この一件でにわかに有名になったのが2社のソフトメーカーだ。1社は、画像や映像のフィルタリングソフトを開発した「鄭州金恵計算機系統工程」。もう1社は、主に文字フィルタリングソフトを開発した「北京大正語言知識処理科技」。しかし、コンピューター業界でもこの2社の業務内容や経歴を詳しく知る人は少ない。
 北京大正社は中国科学院と北京麦納新技術という会社の共同出資会社で、北京麦納社の代表である孟東豫氏が北京大正社の代表も兼任している。ただ北京麦納社も孟氏もそのバックグラウンドは世間に知られておらず、北京大正社の実態も今のところよくわからない。
 一方の鄭州金慧社も状況はそれに近い。会長の周海琴氏は中国科学院傘下の組織において共産党の党委員会トップを務めていたとされ、こちらもよくあるITベンチャーの経営者像とはかけ離れている。2社の共通点は中国科学院だが、背景に何かあるのかはわかっていない。

・ソフトの品質に疑問符
 工業情報化省がこの2社のソフトを選んだ理由は、フィルタリング機能の高さにあるという。フィルタリングソフトは一般に、有害サイトのURLをデータベース化してそこへのアクセスを遮断する。一方、両社のソフトはサイト自体の内容を判断して遮断するというのだ。
 この政府の宣伝はネットユーザーの好奇心を大いに刺激した。ソフトが本当に触れ込みどおりの性能を備えるのかを検証しようと、数多くのネットユーザーが分析やテストに取り組んだ。そしてメーカーにとっては残念ながら、数日もたたないうちに「このソフトを無力化できた」という宣言がネット上にいくつも登場し、その方法も掲載された。
 さらに、画像のフィルタリングでは色だけを判断して接続を遮断するなどの問題がみつかったほか、テキストも特定の文字が含まれれば遮断するケースがあったという。もちろん、これらの結果は公式に検証されたものではないが、多くの人がこのソフトの実力にクエスチョンマークを付けた。米国では他社のプログラムを盗用しているとの指摘やセキュリティー上の脆弱性が見つかったなどの分析結果も出ている。

・不透明な決定プロセスこそ問題
 数多くのフィルタリングソフトのなかから、工業情報化省はなぜ2社の製品を選んだのか。今回の問題では、中国当局によるネット規制の強化という側面がクローズアップされたが、同じように重大視すべきなのがその決定プロセスの不透明さだ。
 実は通達が出る前に、すでに全国の学校ではフィルタリングソフトが一斉に適用されている。しかし、市販のパソコンではユーザーに利用を強制することはできず、実効性がどの程度上がるかはそもそも疑問だ。それでもあえて2社のソフトを義務化しようとしたのはなぜか。
 中国の産業政策や行政は海外からの批判が多いが、近年はかなり近代化が進み、法令に基づく適正な運用を心がけてきた。批判を受けても、ステップを踏んで粛々と説明責任を果たそうとしている。
 ただ、今回だけは工業情報化省にあまり弁解の余地はなさそうだ。最新の情報では、フィルタリングソフトはパソコンに同梱するがプリインストールはせず、使用をユーザーの選択に任せる譲歩案を打ち出したという。いずれにせよ工業情報化省にとっては久々の失点であり、フィルタリングソフト問題の収拾どころか、他のスキャンダルに発展しなければよいと心配に思うのが、今の筆者の心境だ。

◎中国が北朝鮮が、韓国軍をハッカー攻撃1日1万件(2009年6月16日、スポーツニッポン)
 韓国軍機務司令部は16日、同軍のコンピューターに対し、軍事情報を盗むことなどを目的に1日平均1万450件のハッカー攻撃が行われていると発表した。
 聯合ニュースによると、攻撃は中国や北朝鮮など海外から行われているとみられる。
 同司令部によると、ハッカー攻撃のほか、ホームページの改ざんやウイルス配布など韓国軍のコンピューターに対する不正行為は1日平均計9万5千件。聯合ニュースによると、昨年に比べ20%増えている。

◎薬買い取りビジネス横行、中国、医療格差が背景(2009年6月13日、産経新聞)
 医療費の高騰が社会問題化している中国で、高価な処方薬の違法売買がビジネスとしてまん延している。医療保険で安く買える退職公務員らが、多めに買った薬を売って小銭を稼ぎ、買い取り業者は、医薬品不足の農村部に薬を割安で供給してもうける。都市と農村の貧富の格差や医療保険制度の整備の遅れが背景にある。
 北京市内の病院の周りには「収薬(薬買い取ります)」との札を立てた業者が目につく。安貞病院前で札を立てていた男性は「高血圧や糖尿病、心臓病など高額な治療薬は定価の5割で買い取る」と話す。「売りに来るのは、余った薬を使わない老人」と説明した。
 薬の買い取りは違法行為だが、男性は駐車中の警察車両の隣で堂々と営業中で、「収薬」は事実上、野放しだ。

◎スパイ容疑で有名女性アナを拘束 中国公安当局(2009年6月11日、産経新聞)
 11日の中国共産党機関紙、人民日報のニュースサイト「人民網」などによると、国営の中国中央テレビの著名な女性アナウンサー、方静さん(38)が5月にスパイ容疑で公安当局に拘束されていたことが分かった。
 方さんは国外に軍事情報を提供するため軍事関連の話題を取り上げる番組「防務新観察」のニュースキャスターを自ら志願した疑いを持たれているという。
 中国では機密の範囲が極めて広く、定義もあいまいなため、スパイや機密漏えいの容疑で拘束されるメディア関係者が少なくない。

◎中国、風力発電能力を20年に8倍に、政府が支援、10兆円投資(2009年6月7日、日本経済新聞)
 【北京=多部田俊輔】中国政府は2020年に風力発電能力をいまの約8倍の1億キロワット超に増やす。発電設備メーカーや発電会社への支援に乗り出す構えで、総投資額は10兆円規模になる見通し。温暖化ガスの排出抑制につなげるうえ、減速する中国経済のけん引役に位置づける。日本メーカーを含めた関連企業の商機も広がりそうだ。
 中国国家エネルギー局が年内にもまとめる新エネルギー産業振興計画に数値目標を盛り込む。「20年末で3000万キロワット」の既存計画に比べ3倍以上の上方修正になる。

◎無罪か有罪か「トウ玉嬌事件」、中国ネット世論が左右(2009年6月6日、産経新聞)
 「正当防衛だ」「いや、当然殺人罪だ」。中国のインターネットの書き込みなどで、ある事件が話題となっている。湖北省の娯楽施設で先月に起きた「トウ玉嬌事件」だ。上海市で昨年7月に公安庁舎に押し入り、警官6人を刺殺した楊佳死刑囚(執行済み)事件を例えに“女楊佳事件”とも呼ばれる。
 5月10日、女性従業員のトウさん(21)が同省巴東県の県政府幹部1人を刃物でのどを刺して死亡させ、もう1人にケガを負わせた。中国メディアによると、これら幹部がトウさんに対し、一緒に風呂に入るよう求め、拒否されると言動で侮辱。札束で頭をたたいたとの指摘もある。
 公安当局は「殺傷行為は過剰な防衛にあたる」として、殺人などの疑いで拘束した。しかし、女性従業員の家族や弁護士が「不当な拘束」として抗議、県政府や公安当局に対する反発がネットなどで広がった。抗議行動も起き、27日には湖北省北京事務所に30人ほどが詰めかけるなどした。
 さらに10万人のデモが呼びかけられるなど事態は拡大、県政府などは負傷した2人の職員を免職や党籍を剥奪(はくだつ)する一方、司法当局もこのほど、トウさんに対する身柄拘束を解き、自宅監視に切り替えた。
 日本なら当然、逮捕され司法処置されるケースだが、中国では官僚の横暴ぶりに対する民衆の反発と怒りは強く、きっかけさえあればいつでも爆発する状況にある。ネット世論が政府に与える影響の大きさをも示すわけだが、事件を受けて、北京などではマッサージなどの風俗店を当局が立ち入り検査したり、摘発している。

◎路線バス炎上、窓開かず?25人死亡、中国・四川省成都(2009年6月5日、読売新聞)
 【北京=関泰晴】新華社電によると、中国四川省成都で5日朝、路線バスが炎上し、乗客ら25人が死亡、76人が負傷した。
 警察当局が原因を調べている。バスは窓が開かない構造だったとの報道もあり、火が出ても乗客が閉じ込められ、被害が拡大した可能性も指摘される。

◎中国で食品安全法施行、官民癒着に無認可企業、実効性に疑問(2009年5月31日、産経新聞)
 【北京=矢板明夫】中国国内における食品生産の監督システム強化などを盛り込んだ「食品安全法」が1日から施行される。全国人民代表大会(全人代=国会)で5年間審議し、ようやく可決した法律だ。ギョーザ中毒事件や汚染粉ミルク事件などを受け、国内外で高まる中国製食品への不信感を払拭したいとの狙いがあるが、「中国の問題は法律の不備が原因ではなく、現場で法律が執行されないことだ」と新法の実効性を疑問視する声が早くも出ている。
 法律では、これまで複数の官庁が持っていた食品生産への監督権限を新設された国家食品安全委員会に集約させて効率化を図る。添加物の使用規制を厳しくし、違反者に対する罰則も重くする。また、虚偽の広告への取り締まりを強化、芸能人やスポーツ選手など有名人が出演した広告の食品に問題が発生した場合、その連帯責任を負わなければならないと明記した。これについては一部の芸能関係者から「やりすぎだ」との批判があがっており、食品安全問題に詳しい中国人弁護士も「世界基準から見ても厳しい」と話している。
 しかし、中国には1995年に成立した「食品衛生法」がすでにあり、これまでに衛生省などが制定した食の安全に関する規定は100以上、衛生基準は500以上にものぼる。この分野で法律の空白があったわけではなく、きちんと執行されていなかったことが一連の不祥事が発生した原因だと指摘される。
 例えば、昨年9月に発覚した汚染粉ミルク事件。有害物質メラミンの大量混入が半ば公然と行われていたにも関わらず、問題企業は毎年のように生産過程を監督する政府機関から表彰を受けていた。「官業の癒着構造により、法律が機能していないことが、悲劇をもたらした原因だ」と、中国メディアも事件後に強く批判した。
 法律はまた、「問題が発生した場合、速やかな情報公開」を企業に求めているが、報道の自由のない中国でどこまで徹底されるのか疑問だ。さらに、中国には少なくとも数十万の無認可の小規模な食品企業があるとされ、地方の監督当局がすべてをカバーすることなどとても不可能との指摘もされている。

◎「日本車お断り」、中国・重慶に「抗日スタンド」登場(2009年5月29日、産経新聞)
 【上海=河崎真澄】「当スタンドは日本車には給油しません」-。こんな看板を掲げた奇妙なガソリンスタンドが中国重慶市に現れ、地元カーマニアのサイト「汽車(自動車の意)中国車友会」で話題になっている。この看板には「惨殺された2000万人の同胞のため」と“理由”も添えられている。
 いわば「抗日」を売りにしたものだが、このサイトによると、経営者の劉登雲氏は、「中国人の国民意識は低すぎる。経済発展したとしても歴史を忘れてはならず、感覚麻痺(まひ)した人を覚醒(かくせい)させなければならない」と話したという。劉氏は看板を取り外すよう圧力がかかった場合は、訴訟に持ち込む考えも表明している。
 このスタンド登場を写真入りで伝えたサイトには、「よくやった!」「実際の行動を基礎とせよ(日本車お断りを実行せよ)」といった書き込みが相次ぎ、支持が広がっている。

◎見つけ次第撲殺! 突然の犬禁止令の背景は? 中国の地方都市(2009年5月25日、産経新聞)
 【北京=矢板明夫】中国の地方都市でこのほど、「市内を犬禁止区域と指定し、犬は見つけ次第撲殺する」との強烈な内容の「犬類管理規定」が発表され、犬を飼っている市民が強く反発している。
 この都市は中国の東北部にあり、ロシアと国境を接する黒竜江省の黒河市。古くから犬を飼う習慣があるため、これまでに観光客や小中学生が犬にかまれた事件は時折あったが、野犬はともかく、当局が「飼い犬」を問題視することはとくになかった。今回は何の前触れもなく「犬のない町」を目指すことを宣言、市政府の男性職員らで構成し、犬を撲殺する「打狗(狗は中国語で犬のこと)隊」は今月中にも市内でパトロールを開始するという。
 多くの市民は戸惑い、農村部に親戚(しんせき)がある家は慌てて犬を避難させるなど混乱した。ある年配の女性は「子供はみんな遠くへ出稼ぎに行ったので、唯一の家族の犬がいなければ生きていけない」と、規定撤廃を地元メディアに訴えている。
 インターネットの書き込みでは現地政府を「独裁者」「ナチス」などとする批判が殺到する一方、この規定が突然発表された背景について多くの憶測が寄せられた。「市が観光都市の認定を国に申請したためだ。犬を一掃すれば認可が下りやすくなる」という説のほか、「市の指導者が最近、川の近くで犬にかまれた個人的な恨みからだ」との未確認情報も寄せられた。

◎中国、誘拐児童発見にデータベース構築、年間被害者2500人(2009年5月22日、産経新聞)
 中国公安省はこのほど、人身売買目的で誘拐された子供たちの身元確認を迅速に進めるため、全国規模のDNAデータベースを構築した。北京紙、新京報によると、公安省刑偵局は同種のデータベース作成は世界初としている。中国政府として、人権状況改善に取り組む姿勢をアピールする一環とみられる。
 中国国営新華社通信によると、公安省は全国の警察機関に、住民から児童の失踪(しつそう)や誘拐、人身売買の訴えがあった場合、即座に捜査に着手するよう指示した。子供が誘拐・売買されたり、行方不明になったりした父母から採血してDNAデータを収集、被害者の子供からもデータを集め、データベース上で照合する。
 中国政府は2008年1月から「中国女性・児童人身売買対策行動計画(08~12年)」を実施中だ。公安省は「以前から人身売買を厳しく取り締まってきた。1980~90年代以降、人身売買事件数は徐々に減少している」としているが、米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、誘拐された子供や女性は、中国政府の集計でも毎年2500人近くに上る。被害者の支援団体は、何十万人にも及ぶと主張している。
 同紙は、一人っ子政策が行われている中国では、男児を切望する傾向があると指摘。福建省で農業を営む38歳の男性は2008年に5歳の男児を3500ドル(約33万円)で買ったことを明かしたという。
 現在、中国国内には236カ所のDNA検査施設がある。中国紙、法制日報(電子版)によると、00年にはDNA検査で誘拐された子供546人の父母が判明したという。
 もっとも、子供が発見されなければデータベースも意味がない。07年に息子を誘拐された深●(=土へんに川)の男性はニューヨーク・タイムズ紙に対し、過去2年間に深●(=土へんに川)周辺で起きた約2000件はすべて未解決で、「大海原で釣り針を探すようなものだ」と語っている。自慢の照合システムの効果は不透明だ。(川越一)

◎中国がコピー兵器を続々生産、露の怒り受け知的財産保護協定(2009年5月22日、産経新聞)
 中国がロシアから購入した戦闘機や潜水艦、戦車など主要兵器20種以上をコピーして国産化、途上国へ大量に販売し、怒ったロシアの要求で、昨年12月に両国間で兵器に関する知的財産権保護協定が結ばれていたことが21日までに分かった。
 カナダの軍事専門家、平可夫氏によると、中国の戦闘機「殲11B」はロシア製スホイ27のコピーのほか、「元」級潜水艦はキロ級潜水艦、99式戦車の車台はT72、自走ロケット砲AR-2はスメルチのコピー。少なくとも21種に上るという。
 兵器のコピーは過去15年間にわたって行われており、ロシア側は詳細なコピー兵器リストを作成し、中国側に突きつけた。知的財産権保護に関する協定は昨年12月中旬、ロシアのセルジュコフ国防相が訪中した際に調印されたが、両国は一切公表していない。

◎尾を引く汚染粉ミルク事件、外国製品急増、廃業する酪農家も、中国(2009年5月21日、産経新聞)
 【北京=矢板明夫】中国で昨年9月に発生した汚染粉ミルク事件はいまだに消費者の心理に大きな影を落としている。国産粉ミルクが敬遠され、高価な外国製品の需要が急速に伸びており、深刻な打撃を受けた国内の業界からは政府に支援を求める声が出始めている。
 中国乳製品協会の統計によると、今年の第1四半期に輸入された外国製粉ミルクは6・6万トンにのぼり、昨年同期より83%も伸びた。外国製粉ミルクの市販価格は国産品の2倍を超えることが多いが、乳幼児を抱える多くの保護者は「安さ」よりも「安心感」を重視していることがうかがえる。こうした傾向は中国の中でも比較的豊かな沿海部でより顕著にみられる。
 一方、国産粉ミルクは在庫が急増し、全国ですでに30万トンを超えたという。河北省や新疆ウイグル自治区などで多くの中小乳製品メーカーが生産停止に追い込まれ、牛乳を捨てたり、乳牛を殺したりして自主廃業する酪農家も現れている。中国メディアは「国産品の中からその後、有害物質は検出されていない」と伝えているが、消費者の不安解消には至っていないようだ。
 経済紙、中国産経新聞によると、各メーカーと酪農団体はすでに中国政府に対し、在庫の粉ミルクを国の備蓄用として買い取るよう求める要望を出したという。
 昨年9月、河北省の大手乳製品メーカーが生産した粉ミルクに有害物質のメラミンが混入していたことが発覚。それを飲んだ乳幼児計29万人が健康被害を受け、11人が死亡したことが後に判明した。

◎やっぱりNG! 中国「セックス」テーマパーク、即刻撤去命令(2009年5月18日、産経新聞)
 【上海=河崎真澄】中国重慶市はこのほど、市内で建設が進んでいる「セックス」を題材としたテーマパーク「性公園(ラブ・ランド)」の即刻撤去を命じた。15日付の英字紙チャイナ・デーリーが計画を報じたところ、「低俗すぎる」などとの批判が集中し、あわてて再調査に乗り出した市側が急遽(きゆうきよ)、処分を決めた。
 重慶晩報(電子版)によると、市当局は「性公園の内容は低俗かつ露骨で、社会に悪影響を及ぼす」と断定した。「性公園」は地場資本の美心集団が、「性に関する知識を科学的に伝える」などとして、10月のオープンに向けて準備を進めてきた。
 しかし中国紙の報道を受け、Tバックを着けた巨大な女性の下半身像の広告塔や、高さ約1メートルの男性生殖器模型などパークの“オブジェ”画像がインターネットで流れ出し、批判が強まっていた。市の命令を受けた美心集団は直ちに撤去作業に入って謝罪。今後は市当局と協力し新たなテーマパークを作り直すという。
 当初は「エイズ防止に役立つ」「中国人のタブーを打破する」と宣伝され、一部には「前衛的だ」との前向きな評価もあったが、まだまだ時代はそこまで進んではいなかったようだ。

◎花火で全焼の中国国営テレビ社長が辞任(2009年5月18日、産経新聞)
 中国国営新華社通信は18日までに、中国中央テレビ(CCTV)の趙化勇社長が定年で辞任、新社長に党中央宣伝部の焦利副部長(54)が任命されたと伝えた。
 今年2月9日に同テレビ新社屋付属ビルが花火の打ち上げで全焼した火災の引責との見方を香港紙は示している。(北京 野口東秀)

◎中国の腐敗幹部、ひょんなことで悪事が露呈、元愛人の密告も(2009年5月15日、産経新聞)
 【北京=野口東秀】お茶の箱の底から預金残高が合計で200万元(1元は約14円)余りの通帳が-。中国メディアはこのほど、今年4月に党籍を剥奪されたことが報告された河南省鄭州市の王治業・同市規律検査委員会書記の豪華な生活と、あっけない転落ぶりを伝えた。
 王書記は日本で言えば、地方都市の副市長クラスだが、自宅以外に別荘も所有していた。別荘の敷地には、プール、ゴルフ練習場、冷凍倉庫、人工滝なども造られていた。
 失脚の発端となったのは、2007年夏のある出来事。廃品回収のために住宅街を回っていた2人の農民がある家の前で警備員と口論をしたとき、家の中から出てきた中年女性が仲裁し、高級茶「鉄観音」をもらった。
 2人は廃品回収業者にこのお茶をプレゼント。廃品回収業者がお茶をいれた後、箱を壊したところ、底が二重になっており、8冊の通帳が隠されていたのだった。
 【北京=野口東秀】お茶の箱の底から預金残高が合計で200万元(1元は約14円)余りの通帳が-。中国メディアはこのほど、今年4月に党籍を剥奪(はくだつ)されたことが報告された河南省鄭州市の王治業・同市規律検査委員会書記の豪華な生活と、あっけない転落ぶりを伝えた。
 王書記は日本で言えば、地方都市の副市長クラスだが、自宅以外に別荘も所有していた。別荘の敷地には、プール、ゴルフ練習場、冷凍倉庫、人工滝なども造られていた。
 失脚の発端となったのは、2007年夏のある出来事。廃品回収のために住宅街を回っていた2人の農民がある家の前で警備員と口論をしたとき、家の中から出てきた中年女性が仲裁し、高級茶「鉄観音」をもらった。
 2人は廃品回収業者にこのお茶をプレゼント。廃品回収業者がお茶をいれた後、箱を壊したところ、底が二重になっており、8冊の通帳が隠されていたのだった。

◎「北情報を宮本大使に提供」、中国新華社前局長スパイ事件判決(2009年5月15日、産経新聞)
 【北京=野口東秀】中国国営新華社通信の元外事局長、虞家復被告(62)が宮本雄二・駐中国大使らに情報を提供した見返りに金品を受け取っていたとされる事件で、懲役18年の実刑を言い渡した1審判決は、虞被告が中国の対北朝鮮政策などの国家機密情報を違法に同大使らに提供して国家の安全に危害を与えたと断じている。判決はしかし、情報機関出身であることを知りながら韓国の元外交官に情報提供していたことの方を重くみている。
 関係者によると、虞被告は、大使が公使時代の1998年に知り合い、食事などをする関係になり、(大使着任後の)2006年9月から翌年7月にかけ、宮本大使から複数回に分けて20万7000元(約300万円)を渡されたと供述。判決などでは、同被告が口頭で、(1)対北朝鮮政策の変化(2)中国銀行の北朝鮮への送金停止措置(3)北朝鮮の輸出優遇政策の変化(4)中国の外交政策-について情報を提供した、としている。
 虞被告は宮本大使にこれらの情報を話したことや金品の授受は認めたものの、「情報は外国の通信社などが報道した内容ですべて公開情報だ。機密情報を渡していないし、報酬は受け取っていない」と反論し、虞被告の妻も「宮本大使には現金の趣旨を、裁判の場ではなくてもいいので、記者などに説明してほしい」と話しているという。同被告は上級審に控訴した。
 宮本大使は15日、記者団に、「外交の内容をいちいち申し上げることはマイナス面も出てくるのでコメントしない。日本の対中活動に影響が出るとは思わない」と述べ、具体的な内容に言及することは避けた。

◎「大使が300万円手渡す」、新華社元局長が供述(2009年5月14日、産経新聞)
 中国国営通信・新華社の前外事局長、虞家復被告(62)が宮本雄二駐中国大使に国家機密を渡したとしてスパイ罪などで実刑判決を受けた事件で、虞被告が捜査当局の調べに対し、「大使本人から現金20万7000元(約300万円)を直接手渡された」と供述していることが14日、分かった。関係者が明らかにした。
 在北京日本大使館は「裁判についてはコメントしようがない」としている。
 関係者によると、虞被告は宮本大使が公使として北京に勤務していた1998年に知り合い、たびたび食事に行く関係になった。大使着任後の2006年9月から07年7月の間、食事の席などで、大使本人から複数回にわたって現金を手渡されたと供述している。

◎新華社元幹部に懲役18年判決、駐中国大使に国家機密(2009年5月14日、産経新聞)
 中国の裁判所は14日までに、宮本雄二駐中国大使や韓国の元外交官に国家機密を渡していたとして、中国国営通信社・新華社の外事局長を務めていた虞家復被告(62)に対し、懲役18年の判決を言い渡した。オーストラリアに移住した虞被告の娘などの話として、同国紙、オーストラリアン(電子版)が伝えた。
 同紙によると、虞被告は1970年代に新華社に入り、日本と韓国情勢が専門分野だった。同被告は2006年から07年にかけ国家機密を漏えいしたとして、07年7月に自宅軟禁下に置かれ、同年12月に逮捕された。逮捕前に役職を退いたという。
 虞被告は宮本大使らに情報を渡したことは認めている。同被告の弁護士は、被告が提供した情報は広く入手可能で、国家機密漏えいには当たらないとしている。虞被告の娘によると、家族は控訴を検討しているという。在中国の日本大使館幹部は13日夜、「オーストラリアンの報道は見たが、コメントできない」と話した。

◎「法令尊重、問題ない」、駐中国大使がコメント(2009年5月14日、産経新聞)
 中国国営通信社、新華社の元外事局長が、宮本雄二駐中国大使に対し、国家機密を渡したなどとして有罪判決を受けたことについて、宮本大使は14日、大使館を通じ「外交活動の個別のやりとりについてはコメントできない」とした上で「現地の法令を尊重しており、問題はないと考えている」とコメントした。
 オーストラリア紙、オーストラリアンによると、元外事局長の虞家復被告は2006年から07年にかけ国家機密を漏えいしたとして07年12月に逮捕され、中国の裁判所で今月14日までに懲役18年の判決を受けた。
 被告側は宮本大使らに情報を渡したことは認めたが、提供した情報は広く入手可能で国家機密漏えいには当たらないと主張していた。

◎米国で腐敗中国官僚に重刑(2009年5月11日、産経新聞)
 【北京=野口東秀】中国での報道によれば、総額約4億8300万ドルを横領したとして米国で逮捕された中国銀行開平支店(広東省)の許超凡元支店長と許国俊元支店長に対し、米ラスベガス連邦裁判所が6日、詐欺やマネーロンダリング(資金洗浄)などの罪でそれぞれ禁固25年と同22年の判決を下した。海外に逃亡した高官が海外で裁かれ、重刑を受けた初のケースと中国メディアは評価している。
 8日付中国紙「環球時報」などによると、判決を言い渡された2人の妻もそれぞれ8年の禁固刑となった。米国で罪を認めて司法取引に応じた別の元支店長は中国に強制送還され、懲役12年の判決を受け服役中という。この歴代支店長3人は、銀行の資産を米国に移す手口で横領を続けていたが、2001年の事件発覚前に妻らと米国に逃亡し、ラスベガスのカジノで資金洗浄していたという。
 同紙は、2001年に配信された国営新華社通信の記事を引用し、4000人を超える容疑者があわせて50億元(1元は約14円)を海外に持ち逃げしたと指摘する。中国当局は米国に逃亡した腐敗官僚1000人以上の名簿を米国側に提出しているという。
 中国の腐敗官僚が高飛びする場合、地位が高い場合、米国、カナダ、オーストラリアに逃亡するケースが多く、太平洋の島国に身を潜める事例も指摘される。米国では高級住宅地に住むケースも少なくない。「環球時報」の記者は、ラスベガスのカジノの貴賓室で中国の大型国有企業の元トップという高齢者が多額の現金で遊ぶ光景を目撃したという。地位が低い官僚は東南アジア、アフリカ、東欧などに逃亡するようだ。
 逃亡官僚は現役時代に権力をフルに使い、家族や愛人を海外に移住させ、米国籍を取得させる。その後、海外に投資する形で合法的に現金を移す。海外移住に向け現役時代に居住権や国籍を取得する者もいる。
 今回、米国の裁判所が初めて中国の腐敗官僚に重刑を下したことで、インターネットの書き込みでは「海外逃亡に歯止めをかけ、すでに逃亡している官僚を震え上がらせることになる」と評価する意見が出ている。

◎誘拐された女性と子供410人保護、中国(2009年5月8日、産経新聞)
 中国の通信社、中国新聞社によると、中国公安省当局者は7日、女性や子供の誘拐事件を集中的に捜査し、この1カ月間で、72の誘拐グループを摘発、214人の女性と196人の子供を保護したと発表した。
 同当局者は、女性や子供が誘拐され、人身売買される事件が多発しているとの認識を示し「社会問題だ」と強調。誘拐事件は、省をまたぐことが多く、犯人も定住していないことが多いため捜査が難しいと指摘。その上で「誘拐が判明した時点で即座に捜査を開始する必要がある」と述べた。

◎幹部ら246人の不正摘発、中国、四川地震の支援で(2009年5月8日、産経新聞)
 新華社電によると、中国四川省規律検査委員会は8日、昨年5月に起きた四川大地震の震災支援で救援物資、資金の扱いをめぐり不正行為をしたとして、4月末までに地方幹部ら計246人を摘発し、うち231人を処分したと発表した。31人は刑事訴追を受けた。
 最も重い処分となったのは省内の市病院幹部で、救援資金約1万1000元(約16万円)を被災者側に支給しなかったとして、懲役7年の判決を受けた。別の村の幹部は支援金を支給する際に村民から500元を不正に受け取り、懲役3年を言い渡された。

◎中国国有の非鉄大手、豪希土類大手に51%出資で合意(2009年5月4日、日本経済新聞)
 【北京=多部田俊輔】中国の国有非鉄大手、中国有色鉱業集団は4日までに、オーストラリアのレアアース(希土類)大手ライナスに51.66%出資することでライナスと合意したことを明らかにした。出資額は2億5200万豪ドル(約180億円)。ライナスは資金繰りのため、中国の銀行から100億円規模の融資も受ける。両社は中豪政府の承認を求める。中国メディアによると、中国企業による豪資源会社の買収は今年4件目。

◎中国、ソフト設計図に固執、IT情報強制開示、来月に詳細(2009年4月25日、日本経済新聞)
 【北京=多部田俊輔】中国政府は5月までにIT(情報技術)セキュリティー製品の技術情報をメーカーに強制開示させる制度の詳細を公表する。日米欧の各国政府は知的財産が流出する恐れがあると反対してきたが、「IT強国」を目指す中国政府は導入の意欲を改めて示した。対象範囲などによっては、日米欧企業が大きな影響を受ける恐れがある。
 中国が導入にこだわるのは、独自の安全基準である「強制製品認証制度(CCC認証)」にITセキュリティー製品13品目を加えること。ICチップ用OS(基本ソフト)やネットワーク監視システムなど、情報システムや情報機器の安全性確保に不可欠なソフトウエアだ。日米欧企業が強みを持つ分野で、認証を受けられなければ中国で販売できなくなる。

◎IT製品の情報開示義務、中国が近く詳細公表(2009年4月25日、朝日新聞)
 中国政府が日本政府に対し、外国企業に情報セキュリティー製品の技術情報開示を義務づける「強制認証制度」の詳細内容を5月1日までに公表すると伝えたことが24日、分かった。日本政府は、企業の知的財産が流出する恐れがあるとして、制度導入の撤回を強く求めている。
 経済産業省によると、中国当局から今月上旬に連絡があった。制度が導入されると、機密性の高い先端暗号技術や基本ソフト(OS)まで中国当局に開示しなければ、中国での製造や販売ができなくなる恐れがあるという。
 中国政府は昨年1月、13製品を対象とした制度の概要を公表し、今年5月に制度を導入するとしていた。しかし、日米欧などの反対にあって今年3月に延期を表明している。
 13製品にはコンピューターウイルスを防ぐための「ファイアウオール」やICカードリーダーが含まれ、業界団体のまとめでは、日本企業の取扱金額は1兆円にのぼるという。
 二階経産相はこの日の記者会見で「国際的に例のない強制認証制度が導入されると、日中両国の通商貿易関係や中国産業の発展への影響を及ぼす」と述べ、制度導入への懸念を改めて表明した。

◎中国、融資拡大促す 当局トップ、8%成長実現へ景気けん引(2009年4月19日、日本経済新聞)
 【海南省(中国南部)=品田卓】中国は実質経済成長率8%の実現をめざし、金融面で景気をけん引する姿勢を強めている。19日まで3日間の日程で開かれた博鰲(ボーアオ)アジアフォーラムで、中国銀行業監督管理委員会の劉明康主席と中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁はそれぞれ、銀行融資の拡大と柔軟な金融政策を続ける考えを強調した。
 銀行融資については1~3月期の全国ベースの増加額がすでに4兆5800億元(約66兆円)と、今年(1~12月期)の年間目標である5兆元をほぼ達成した。しかし、銀行監督当局トップである劉主席は「5兆元は上限ではない。8%成長の目標を達成させるためには銀行の役割が非常に大きい」と述べ、今後も融資拡大を促す姿勢を示した。
 劉主席は、融資の急拡大が不良債権を生むとの懸念が出ていることに対して「1~3月期の融資には必ずリスクは含まれている。だが、それはコントロールできる範囲だ」と語った。

◎万里の長城2千キロ長かった、総延長は8851.8キロ(2009年4月19日、朝日新聞)
 【北京=坂尻顕吾】「万里の長城の総延長は8851.8キロに上る」。世界文化遺産にも登録され現存する部分が多い明代(1368~1644年)の万里の長城について、中国政府は建国以来初めて大規模な測量結果を公表した。
 調査は「万里の長城保護プロジェクト」の一環として国家文物局と国家測量局が07年5月から08年末まで実施。その結果、れんがなどで造った「人工壁」は全体の約7割に当たる6259.6キロで、残りはがけなど天然の地形を利用しており、総延長は8851.8キロと確定した。東端の遼寧省から西端の甘粛省まで10の省や直轄市、自治区にまたがっていた。
 それぞれの長城の長さを足し合わせれば1万2700里(6350キロ)となることから「万里の長城」の名が付いたとされるが、これまで総延長を確定するような大がかりな測量がなされていなかった。今回は天然壁の部分も含めたことから、2千キロ以上も長さが延びたようだ。
 ただ、自然災害のほか道路や鉄道などの公共工事の影響で、人工壁の約3割は既に消滅。原形をとどめていない部分が多く、れんがなどの保存状態が良い部分は8.2%(513.5キロ)しかなかった。北京市の八達嶺(はったつれい)長城や甘粛省の嘉峪関(かよくかん)などはこのうちの一部で、観光地として公開されている。中国政府は今後、秦代や漢代などの長城も総延長を調査する。

◎中国の億万長者82万人、最多の北京、113人に1人(2009年4月18日、朝日新聞)
 【上海=奥寺淳】資産が1千万元(約1億5千万円)以上ある富豪が中国には82万5千人いる。中国の民間の研究機関「胡潤百富」が15日に発表した調査で、こんな結果が出た。都市別では北京が最多で113人に1人の割合。中国都市部を中心とした購買力の高さが裏付けられた形だ。
 胡潤が個人の投資金額や納税額、車や家の購買状況などをもとに算出した。富豪は大都市に偏っており、1位の北京は14万3千人で全体の17%。2位の広東省(13万7千人)、3位の上海(11万6千人)の3地域で、ほぼ5割を占めた。富豪の割合は、中国全体では約1700人に1人だった。
 資産には株式のほか近年、値上がりの著しかった不動産も含まれるという。
 胡潤によると、同規模の資産家の割合は英国が150人に1人、米国が100人に1人で、北京や上海は肩を並べた形。今回の調査に協力した人の8割は、金融危機後も生活に大きな影響はなかったと答えたという。
 一方、資産が1億元(約15億円)以上ある大富豪は中国全体で5万1千人にのぼった。

◎チベット暴動、4人に死刑判決、2人は執行猶予付き(2009年4月8日、朝日新聞)
 【北京=坂尻顕吾】新華社通信によると、中国チベット自治区ラサ市の中級人民法院(地裁)は8日、昨年3月に発生した暴動で放火などの罪に問われた被告4人に死刑判決を言い渡した。うち2人は2年の執行猶予付きで、このほか1人を無期懲役とした。ラサ暴動参加者への判決で死刑が伝えられたのは初めて。
 自治区側は昨年3月14日のラサ暴動で市民18人が死亡、約380人が重軽傷を負ったと公表。公安当局は放火など約300件の違法行為を摘発し、暴動に加担した疑いがあるとして約950人を拘束した。このうち約70人を刑事法廷にかけているとされる。

◎ハッカーが中国政府幹部から機密文書盗む(2009年4月1日、産経新聞)
 1日付の香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは消息筋の話として、3月の中国全国人民代表大会(全人代=国会)開幕前に中国国務院(政府)幹部のコンピューターにハッカーが侵入し、温家宝首相の政府活動報告の草案を含む機密書類が盗まれたと伝えた。
 同紙によると、ハッカーのアクセスは台湾からあった。盗まれた書類の中には、政府活動報告の草案に対する共産党政治局員らの修正意見が含まれていた。修正意見は報告そのものよりも機密性が高いとされている。
 政府幹部はネットに接続するパソコンと機密情報を扱うパソコンを分けなければならないと規則で定められており、ハッカーの侵入を受けた幹部は規則に違反していた。侵入を知った温首相は激怒、同幹部は既に処分されたという。

◎中国:広東省「GW復活」に政府が反対、背景に「対立」(2009年3月29日、毎日新聞)
 【上海・鈴木玲子】中国で昨年廃止された5月の大型連休について、広東省政府が独自に「復活」させると宣言、国務院の事実上の阻止によって撤回に追い込まれるという異例の事態が起きた。香港紙は、背景に「中央政府と広東省の対立がある」と指摘している。
 中国は5月1~7日が7連休だったが、法改正によって昨年から1~3日の3連休に短縮された。だが、長期連休の復活を望む声は多く、広東省は25日、土日の振り替えなどで調整し、独自に長期連休を復活させると発表した。
 同省は「観光業など内需消費を拡大できる」と強調。重慶市、湖南省、新疆ウイグル自治区も中央政府に復活を要請している。
 ところが、香港紙「文匯報」によると、広東省は発表した25日夜、省内報道機関に発表内容を報じないよう指示した。国務院は翌26日、法に基づき法定休暇を守るよう全国に通知した。
 今回の騒動について香港英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」は「中央と広東、特に温家宝首相と(広東省トップの)汪洋・省共産党委員会書記の間に不和が生じている、との憶測が強まるのは避けられない」と報じた。温首相と汪書記は、中小企業救済を巡って対立したことがある。

◎中国:手足口病で児童ら18人死亡、4万人超が感染(2009年3月29日、毎日新聞)
 中国で今年に入って手足口病の感染が急増し、衛生省は27日、重症の児童ら18人が死亡したと発表した。全国で4万人を超す感染を確認。患者の9割以上が5歳以下の児童で、河南省で7人、山東省で5人が死亡した。
 手足口病は口の中や手足に発疹(はっしん)が出る感染症。5~7月に感染拡大の恐れがある。日本でも毎年夏に流行期を迎えるが、手洗いの励行などで死亡例はほとんどない。中国では昨年、30人以上が死亡している。【上海】

◎中国の粉ミルク汚染で石家荘市元幹部ら14人処分(2009年3月26日、産経新聞)
 26日の新華社電によると、中国河北省規律検査委員会などはこのほど、有害物質メラミンによる粉ミルク汚染事件で、製造元の三鹿集団(破産)のある石家荘市の元幹部ら14人を処分した。
 処分の対象となったのは石家荘市の冀純堂元市長や元副市長、河北省農業庁の元幹部ら。冀氏は事件発覚後、市長を解任されたが、今回の処分で共産党と行政の役職について免職となった。

◎中国・粉ミルク汚染で元酪農業者らの死刑確定(2009年3月26日、産経新聞)
 中国河北省の高級人民法院(高裁)は26日、多数の乳幼児に被害が出た汚染粉ミルク事件で、有害物質メラミンを混入し公共安全危害罪に問われた元酪農業者、張玉軍被告ら3人に対し、死刑(うち1人は執行猶予2年)を言い渡した一審判決を支持、控訴を棄却した。新華社などが伝えた。
 中国は二審制のため死刑判決が確定した。また、汚染された粉ミルクを生産した三鹿集団の前会長、田文華被告についても無期懲役の一審判決を支持した。
 張被告は、2007年から08年にかけ、牛乳のタンパク質含有量を高く見せ掛けるため、メラミンを混入した粉約776トンを製造して牛乳業者に販売、三鹿集団を中心とする乳業メーカーが粉ミルクなどの原料として購入していた。

◎中国、ユーチューブ接続遮断、暴動動画と関係?(2009年3月25日、産経新聞)
 中国当局は米検索大手グーグル傘下の動画投稿サイト「ユーチューブ」への国内からのアクセスを遮断した。グーグルの広報担当者の話としてAP通信などが25日までに報じた。
 アクセスが遮断されたのは23日ごろ。担当者は理由について明らかにしていないが、同サイトにはチベット自治区ラサで昨年3月に発生した暴動の際、警官に暴行され死亡したとされるチベット民族の男性の映像などが最近投稿されている。
 この映像について新華社は24日、チベット亡命政府関係者が提供したもので、場面をつなぎあわせてつくった偽物だとのチベット自治区当局者の話を伝えている。

◎昨年、中国の死刑執行3.5倍に、国際人権団体報告(2009年3月24日、産経新聞)
 【ロンドン=木村正人】国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(本部ロンドン)は24日、2008年に世界25カ国で少なくとも2390人の死刑が執行されたと発表した。07年の1252人から大幅に増えた。昨年夏に北京五輪を開催した中国での死刑執行は全体の7割強を占め、前年より約3.5倍に増加していた。
 アムネスティの報告書によると、死刑が執行されたのは、多い順に中国が1718人以上(07年推計は470人)▽イラン346人以上(同317人)▽サウジアラビア102人以上(同143人)となっている。米国は37人(同42人)、日本は15人(同9人)だったという。
 死刑宣告を受けたのは52カ国の8864人だった。
 中国は死刑執行の件数を公表していないため正確な数字は分からないが、最高人民法院(最高裁)が07年1月、死刑執行が適切かどうかを判断する制度を導入したのをきっかけに、この年の死刑執行は06年の1010人から大幅に減少した。さらに最高人民法院は、昨年前半に死刑判決の15%を覆したと発表していた。
 しかし、アムネスティの報告書では、五輪開催を機に再び増加している実態が浮かび上がっている。同報告書は、中国では死刑判決を言い渡されるケースでも公正な裁判は行われていないと指摘している。
 死刑制度を維持しているのは59カ国で実際に死刑を執行したのは25カ国にとどまるため、アムネスティは「死刑廃止に向け前進している」と評価している。

◎チベット僧ら数百人が警察襲撃、中国・青海省(2009年3月23日、読売新聞)
 【北京=杉山祐之】新華社電によると、中国青海省ゴログ(果洛)チベット族自治州のラギャで21日、チベット仏教僧侶100人近くを含む数百人の群衆が警察署を襲撃、地元政府職員数人が軽いけがを負った。
 騒動は22日までに収まり、警察が6人を逮捕したほか、89人が自首した。このうち、93人が地元寺院の僧だったという。
 インド北部ダラムサラに本拠を置くチベット亡命政府によると、警察署周辺には約4000人が集結し、「チベット独立」などと叫んだ。チベット動乱50年、ラサ暴動1年にあたる今月、チベット族居住地域では武装警察などが厳戒態勢を敷いているが、こうした大規模暴動が伝えられるのは初めて。
 新華社電は、僧侶側にけが人が出たかどうかは伝えていない。襲撃の原因については、チベット独立活動に関与した疑いで警察の取り調べを受けていた男性が、20日に警察署から逃亡し、行方不明になった事件との関連を指摘している。
 AP通信などは、亡命政府の情報として、男性が黄河に飛び込んだと伝えた。警察はこの男性の部屋でチベットの旗や政治宣伝ビラなどを見つけ、拘束したという。

◎チベット自治州、僧侶百人らが警察署襲撃、暴動収まらず(2009年3月22日、朝日新聞)
 【北京=峯村健司】中国国営新華社通信によると、青海省果洛チベット族自治州で21日午後、チベット寺院の僧侶約100人を含む数百人が地元警察署を襲撃し、職員ら数人が軽傷を負った。同自治州では9日にも警察署が地元住民に襲われる事件が起きており、厳戒態勢を強める当局とチベット族との対立が深まっているようだ。
 チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世がインドに亡命するきっかけとなった騒乱から50周年を迎えた10日以降、大規模な暴動が伝えられたのは初めて。
 警察当局は22日、暴動に関与した6人を逮捕し、89人が警察署に出頭したが、このうち93人が僧侶だった。警察当局は、20日に拘束したチベット独立派の男が取り調べ中に逃げ出し、行方不明になったことがきっかけになったと説明しているが、詳しい原因は明らかにしていない。
 一方、チベット亡命政府によると、男はチベット寺院の若い僧侶で、警察の取り調べを受けていた最中に近くを流れる川に飛び込み、自殺を図ったという。

◎倒壊校舎施工図は国家機密、中国当局が「圧力」(2009年3月18日、産経新聞)
 香港の人権団体、中国人権民主化運動情報センターは18日、中国・四川大地震で倒壊した校舎をめぐり、中国当局が手抜き工事を裏付ける施工図を持っている可能性のある遺族ら3人に対し、施工図を公開した場合は国家機密漏えい罪で処罰すると警告したと伝えた。
 同センターによると、3人は四川省北川県の北川中学校の校舎倒壊で亡くなった生徒の遺族ら。手抜き工事を訴えるため、入手した施工図を全国人民代表大会(全人代=国会)代表に送付しており、施工図をまだ持っている可能性があることから、当局が公開しないように「圧力」をかけた。
 施工図には、倒壊により判明した実際の校舎の鉄筋よりも多い数の鉄筋を使うように記されているほか、より太いものを使うようになっていたという。

◎やっぱりコネ? 中国主席の息子が国有企業のNO2に(2009年3月16日、産経新聞)
 16日付の香港紙、星島日報は、中国の胡錦濤国家主席の息子、胡海峰氏(37)が昨年、北京の名門校、清華大が出資する国有企業「清華控股有限公司」のナンバー2に当たる同社の共産党委員会書記に就任したと伝えた。
 同紙によると、胡海峰氏は北方交通大を卒業後、清華大で経営学を学んだ。党委書記は同社内では会長に次ぐ地位。本人がビジネスに直接関与する立場を嫌ったことから、党委書記に就任したという。これまでは同社傘下企業の幹部を務めていた。

◎中国2月の輸出、25.7%の大幅減、輸出先が総崩れ(2009年3月12日、朝日新聞)
 【北京=琴寄辰男】中国税関総署が11日発表した2月の通関統計(速報)によると、2月単月の輸出額は649億ドル(約6兆4千億円)で前年同月比25.7%の大幅減となった。輸出額の前年同月割れは、昨年11月以降4カ月連続だが、減少幅は大きく拡大した。世界同時不況で輸出先は総崩れの状態で、前月まで400億ドル前後だった貿易黒字額も48億ドルまで縮小した。
 輸出額は1月も同17.5%と大幅に減っていたが、中国税関総署は、旧正月休暇が前年より早い影響が大きいとし、「特殊要因を除けば前年同月比6.8%の増加」と説明していた。だが、減少幅は2月にさらに拡大、1~2月の累計は前年同期比21.1%減と大幅な落ち込みだった。
 1~2月の輸出額を国・地域別にみると、欧州連合(EU)向けが同22.9%減、米国向けが同16.1%減、ASEAN(東南アジア諸国連合)向けが同24.5%減となるなど、主要な輸出先すべてで前年同期を下回った。日本向けも同17.5%減、中継貿易の拠点である香港向けも同26.5%減と落ち込んだ。
 金融危機の影響が中国の輸出入にはっきり表れた昨年11月以降、先に輸入額が落ち込み、貿易黒字額はかえって拡大する状況が続いた。
 資源価格の下落で輸入額が縮小した面もあるが、原材料を輸入し加工品を輸出する加工貿易が輸出額の5割を占める中国では「現時点の輸入は未来の注文書」(李徳水・元国家統計局長)。欧米などからの受注減が、まずは輸入減に表れ、遅れて輸出減につながった。
 輸出の大幅減を受け、2月単月の貿易黒字額は前月の約8分の1に縮小し、06年2月以来の低水準にとどまった。

◎中国の工業生産減速、前年比3.8%増 過去最低水準に(2009年3月12日、朝日新聞)
 【北京=琴寄辰男】中国国家統計局が12日発表した1~2月の工業生産(年間営業収入500万元=約7千万円=以上の企業)は、前年同期比3.8%増と過去最低水準にとどまった。金融危機による輸出急減や国内景気の減速が響いた。中国の国内総生産(GDP)の四半期統計は、消費、投資といった需要側の統計を中心に推計する日本などと異なり、生産側の統計がもとになる。3月に工業生産の大幅改善がなければ、1~3月のGDP成長率は一段と減速する可能性が高い。
 中国の工業生産は昨年11月に前年同月比5.4%増まで伸び率が低下。旧正月休暇の時期のずれの影響が出る1、2月を除けば、単月では94年に月次統計を取り始めて以来、最低だった。12日の発表は、今年1~2月累計の伸び率でこれをさらに下回った。
 内訳では、繊維などの基礎原料のエチレンが前年同期比11.1%減、銅など非鉄金属が同9.5%減となったほか、自動車も同1.7%減。温家宝(ウェン・チアパオ)首相が「非常に重視している」とする発電量も同3.7%減だった。
 ただ、セメントが同17.0%も伸びたほか、前年同月割れが続いていた粗鋼も同2.4%増とプラスに転じた。これら一部製品では、景気減速を受けた生産調整が一巡した可能性もある。4兆元(約57兆円)超の内需拡大策の効果がいつごろはっきりと表れるかが今後の焦点となる。
 中国の李毅中・工業情報相は10日の記者会見で、セメントや粗鋼などの生産回復の動きを「政策の効果で、よいニュースが出ている」としながらも「多くの産業で供給過剰が続いており、生産の回復が新たな波乱につながる可能性がある」との見方を示した。

◎中国のわいろ総額300億円に、起訴公務員は10%増(2009年3月10日、産経新聞)
 中国最高人民検察院(最高検)の曹建明検察長(検事総長)は10日、全国人民代表大会(国会)で、昨年1年間に汚職・横領で起訴された公務員が前年比10.1%増の3万3953人に上ったとの活動報告を行った。立件されたわいろの総額は21億元(約300億円)に上った。
 胡錦濤指導部が共産党・政府の公務員の汚職根絶に厳しい姿勢で臨んでいるにもかかわらず、腐敗が依然極めて深刻なことを示した。
 報告によると、収賄額10万元以上、横領額100万元以上とされる悪質事件で立件された国家公務員は計2687人で、うち閣僚級が4人いた。

◎中国外相、ギョーザ事件「捜査中」、日本側姿勢にいら立ちも(2009年3月7日、読売新聞)
 【北京=佐伯聡士】中国の楊潔チ(ようけつち)外相は7日、北京の人民大会堂で記者会見し、北朝鮮が人工衛星打ち上げの名目で弾道ミサイルの発射準備を進めている事態について、「我々は朝鮮半島の平和と安定の維持が各国の利益に合致すると考え、関係各国がそのために有利となることを多く行うよう望む」と述べ、間接的な表現ながら、北朝鮮に自制を求めた。(「チ」は竹かんむりに「褫」のつくり)
 また、楊外相は、中国製冷凍ギョーザ中毒事件について、「一つの刑事事件であり、捜査は継続中」と強調。その一方で、食品安全に関する日中間の長期的な協力メカニズムをつくるべきだとの考えを改めて表明した。さらに、「長い間捜査したが、解決に至っていない食品(安全)事件は日本にないというのか」と逆質問するなど、この問題を繰り返し指摘されることへのいらだちをうかがわせた。
 一方、中国が日中合意に反する形で単独開発を進めている東シナ海のガス田「樫(かし)」(中国名・天外天)をめぐって、楊外相は、「中国の排他的経済水域にあり、中日合意とは関係ない」と語り、単独開発の正当性を訴えた。

◎中国:国債を増発、景気減速に歯止め、全人代報告(2009年3月6日、毎日新聞)
 【北京・大塚卓也】中国の温家宝首相は5日、全国人民代表大会の政府活動報告と付属文書の中で、中央政府と地方政府を合わせた財政支出を前年比22.1%増の7兆6235億元(約110兆5400億円)にすると表明した。マイナス成長に陥る日米欧の主要国の財政支出拡大に制約がある中、中国は建国以来最大規模の新規国債発行に踏み切り、景気減速に歯止めをかける姿勢を鮮明にした。
 中国は昨年秋に、10年までに総額4兆元(約58兆円)をインフラ整備などに投資する内需拡大策を発表した。しかし、大半は同年を期限とする「第11次5カ年計画」や、次期5カ年計画に盛られる事業の前倒しと見られており、どれだけの景気刺激効果があるのか不透明な面が多い。
 5日の財政報告によると、09年の公共投資は前年比2倍以上の9080億元を計上。また、付加価値税改革などにより企業と国民の負担を約5000億元軽減することも盛り込み、投資と消費の両面から内需を押し上げる方針を示した。
 人民元レートについては、政府活動報告で「合理的な均衡水準で基本的な安定を保つ」と説明。昨年夏以降の変動範囲である1ドル=6.8~6.9元台前後の水準を維持するため、金融当局による為替介入を続けることを示唆した。

◎上海余話:「性表現」はダメ(2009年3月4日、産経新聞)
 上海市の衛生局が、バスや地下鉄など交通機関の広告に「男子」「女子」の文字を使うことはまかりならぬ、とのお達しを出した。医療機関や美容整形などに限った話だが、通達によれば、なんでも「性」に関する表現は「良くない影響を与える恐れがある」との見解で、性機能の強化や性病治療をうたう広告も禁止。ましてや避妊具や女性の体(裸体ではない)を強調する広告は厳禁だ。
 性病に少しでも関係すれば、泌尿器科だろうが肛門科だろうが産婦人科だってダメ。それも不妊治療までが禁止範囲に含まれるというから、「行き過ぎ」のそしりは免れそうもない。
 なぜそこまで、と通達をよくよく読むと、禁止の期限が2010年12月31日までとある。どうも来年5月1日から10月31日まで開催される「上海万博」をみすえた時限措置のようだ。万博事務局では入場者数7000万人を目標に掲げているが、95%の6650万人が中国国内からと見込んでおり、海外からは日本人が最多の100万人と予想している。
 華僑も詰めかけるとすれば、期間中に上海を訪れる人の97%くらいは漢字を読めそうだ。「メンツを重んじた共産党か市のお偉いさんがどうせ『性表現を徹底的に取り締まれ』とでもツルの一声を発したんでしょ」というのが、通達に慣れっこの上海人の解説。
 なぜ禁止か。疑問をはさむことすら許されぬ国に住むことは容易ではない。(河崎真澄)

◎競売落札中国人の支払い拒否に、中国国内のネットで批判拡大(2009年3月4日、産経新聞)
 清朝時代の中国からの略奪品であるウサギとネズミのブロンズ像をパリの競売で落札後、代金の支払い拒否を表明した中国人の“競売妨害”とも呼べる行為に対し、中国のインターネット上では「中国のイメージを傷つける」などとする批判派が拡大、賛成派を上回る勢いになっている。
 ネット上の書き込みでは「(競売を認めた)フランスが不誠実である以上、彼の行動は当然」「巧妙な手口で素晴らしい」との称賛も少なくない。中国では伝統的に法律より、「大義」を重んじる傾向がある。
 しかし「毒入り粉ミルクに続いてまた中国の信用を傷つけた」「妨害しても今後、中国人が競売から排除されるだけ」と国際感覚を意識した批判が意外と多い。「中国政府も不当な競売と反対していたのに参加すること自体が売国奴的」との批判も目立つ。
 中国外務省は落札者が中国人とは知らなかったとした上で「民間の問題であり、コメントしない」としている。

◎被害者の95%賠償受け取り、中国、粉ミルク汚染で(2009年3月3日、産経新聞)
 3日付の中国共産党機関紙、人民日報によると、最高人民法院(最高裁)の瀋徳咏常務副院長は2日、有害物質メラミンによる粉ミルク汚染事件で、被害に遭った乳幼児約30万人の家族の95%以上が企業側から賠償金を受け取ったことを明らかにした。
 ただ、連絡が取れない家族がいるほか、受け取りを拒否し訴訟手続きを進める家族もおり、瀋副院長は「裁判所は法に従って(訴訟を)受理するかどうかを決める」としている。

◎支払い拒否の中国人「責任を果たした」、競売出品者「保有し続ける」(2009年3月2日、産経新聞)
 【北京=野口東秀】第2次アヘン戦争のさなか、中国清朝の離宮「円明園」から英仏連合軍に略奪され、このほどパリで競売にかけられたウサギとネズミのブロンズ像の落札者が中国人だったことが2日、明らかになった。国営新華社通信が伝えた。落札した民間組織顧問は「金を払うつもりはない。中国人としての責任を果たしただけだ」と話しており、像の引き渡しをめぐって新たな問題が起きる可能性が高い。
 新華社によると、落札したのは流出文化財を取り戻す活動をしている民間組織「海外流出文化財救出基金」の顧問を名乗る蔡銘超氏。
 像をめぐっては、中国外務省が「中国に所有権があるのは間違いない」と返還を要求。在仏中国人弁護士らによる競売差し止め請求をパリ大審裁判所(地裁)が棄却したことから、中国国内ではインターネットなどで仏製品不買を呼びかけるなどの過激な主張が飛び交う一方、蔡氏の行為は愛国心と団結心を鼓舞する事例と受け止められている。 ブロンズ像は、先ごろ亡くなったフランスの服飾デザイナー、イブ・サンローラン氏の遺産として競売にかけられ、3140万ユーロ(約39億円、手数料込み)で落札された。ロイター通信によると、サンローラン氏のパートナーで、競売出品者となったピエール・ベルジェ氏は、代金が支払われなければ、ブロンズ像を自宅で保有し続ける意向を表明した。

◎落札の中国人「金払わない」と宣言、イブ・サンローランの遺品(2009年3月2日、産経新聞)
 第2次アヘン戦争で英仏連合軍が1860年に中国から略奪、フランスの服飾デザイナー、故イブ・サンローラン氏の遺産としてパリで2月25日に競売にかけられたウサギとネズミのブロンズ像を落札したのは中国人だったことが2日、分かった。
 ロイター通信によると、落札者を名乗る中国人は2日、記者会見し「落札した金を支払うことはできない」とし、支払いを拒否する姿勢を示した。
 新華社電によると、海外に流出した文化財を取り戻すキャンペーンを行っている中国の民間組織「海外流出文化財救出基金」が、中国人がブロンズ像を落札した事実を明らかにした。落札した中国人についての詳細は不明だが、同基金と連携しているとみられる。支払いを拒否した後の対応については不明。
 2つのブロンズ像は競売会社クリスティーズにより競売にかけられ、2点で計3140万ユーロ(約39億円、手数料込み)で落札された。

◎北京弁護士会が初の公開選挙、民主派の働きかけで実施(2009年3月2日、朝日新聞)
 【北京=峯村健司】北京市弁護士協会(会員約1万8千人)が26、27両日、代表を選ぶ初めての公開選挙を実施した。共産党の一党支配体制下で、当局の影響を強く受ける職業団体で選挙が導入されることは異例。一部の民主派弁護士による運動が消極的な協会を突き動かしたもので、民主化を求める声が高まっていることを示している。
 北京市中心部の朝陽区にある投票所には、十数人の警察官が警備しており、物々しい雰囲気に包まれていた。会場内には深紅の真新しい投票箱が設置され、朝から投票する弁護士が列をつくった。投票した男性弁護士の一人は「これまでだれが会長なのかも知らなかった。当局が民主化にお墨付きを与えたことを意味し、全国に波及する可能性がある」と評価する。
 市内各区の弁護士がそれぞれ投票し、合計229人の代表を選ぶ。その後、代表が会長ら執行役員を選出する仕組み。同協会はこれまで、一部の幹部が内部で会長らを選んでいた。
 ところが約40人の民主派弁護士が昨年8月、「歴史の潮流に見合った民主的な直接選挙の実現を」と題する呼び掛けをインターネットを通じて始めた。会長職を協会の一部だけで決めている点を「非民主的で不透明」と批判した。これに対し協会側が「少数の弁護士が民主化推進の名目でデマを流して、人心を惑わせる言論の扇動は違法だ」と反論。両者の対立は深まり、昨年10月に行われる予定だった選挙は延期されていた。
 民主派弁護士らは選挙制度についての勉強会を重ね、賛同を求めるビラを配って、約100人の署名が集まった。北京大など有名大学の教授からも選挙導入を求める声が高まった。協会内でも「自ら選んだ代表こそが自分たちの権利を守ってくれる」という意見が強まり、初の選挙実施にこぎ着けた。
 民主派グループのメンバーには、人権活動家の胡佳氏=国家政権転覆扇動罪などで服役中=の弁護人、李方平氏らが含まれている。これらの弁護士は小規模の事務所に属しており、執行部には入れなかったが、民主派グループから代表を選出すれば「協会や政府に対して人権侵害について組織的に意見できるようになる」(民主派弁護士)と期待する。
 しかし、民主派グループは少数派で、会長に選出される可能性は高くない。李弁護士は「民主化への大きな一歩といえるが、有権者が直接会長を選べず、選挙結果が明らかになるまで1週間もかかるなど、改善の余地は大きい」と指摘する。

◎中国:食品安全法が成立、効果疑問視する指摘も(2009年3月1日、毎日新聞)
 【北京・大塚卓也】中国の全国人民代表大会(全人代=国会に相当)常務委員会は28日、食品の生産から流通までの全過程で安全確保に関する行政監督を強化し、食の安全に対する国内外の信頼回復を目的とした食品安全法を可決した。6月1日施行する。
 同法の草案は07年12月に同常務委に上程された。しかし、その後日本で発覚した冷凍ギョーザ中毒事件や、有害物質メラミンの粉ミルク混入事件などを受けて改正が繰り返された。民事賠償が行政処罰に優先することや、虚偽広告を取り締まる規定が書き加えられ、消費者保護の姿勢を強化した。広告は、芸能人やスポーツ選手ら有名人が出演した広告の食品に問題が発生した場合、有名人も食品メーカーの経営者とともに連帯責任を負う。
 食品だけでなく、農薬や肥料などへの管理も厳格化し、違法業者に対する罰則も引き上げた。また、食の安全に関連する政府機構の権限が分散し、効果的な取締りができない弊害が出ていることを踏まえ、政府内に食品安全委員会を創設して権限を調整することも盛り込んだ。
 ただ、中国では、知的財産権保護に対する法律強化にもかかわらず、ブランド品の海賊版などが一向に減らないのと同様、食の安全に対しても効果を疑問視する指摘も根強い。

◎中国に食品安全法、危険食品ならCM出演に連帯責任(2009年3月1日、読売新聞)
 【北京=佐伯聡士】中国の全国人民代表大会(国会)常務委員会は28日、「食の安全」を確保するため、食品生産の監督強化などを盛り込んだ「食品安全法」を可決した。
 6月1日から施行される。中国製冷凍ギョーザ中毒事件や約30万人の被害者を出した汚染粉ミルク事件などで中国産食品に対する不信感が国内外で強まる中、信頼回復を図る。
 新華社電などによると、食品生産の監督権限を調整するため、「食品安全委員会」を政府内に設立するほか、違法業者に対する罰則強化などを定めている。タレントやスポーツ選手ら有名人が出演した広告の食品に問題が生じた場合、有名人も食品メーカーの経営者とともに連帯責任を負う規定が新たに盛り込まれた。
 同法案は2007年12月に上程されたが、「食の安全」を脅かす一連の事件を受けて修正が重ねられてきた。ただ、中国では、利益優先の違法行為が後を絶たず、同法の実効性について疑問視する声も多い。

◎中国:景気対策で赤字が過去最大13兆円規模に、09予算(2009年2月25日、毎日新聞)
 23日付の中国週刊紙、経済観察報は、中国政府が3月の全国人民代表大会(全人代=国会)に景気刺激型の09年度予算案を提出し、赤字規模は9500億元(約13兆円)と過去最大を記録すると報じた。
 中国政府が昨年11月に打ち出した総額4兆元の景気対策実施に向け、公共事業などへの支出が膨らむ一方、財政収入が落ち込んでいるため。建設国債発行額も08年度予算の300億元から大幅に増える見通しだ。
 赤字額のうち2000億元は、地方が実施する公共事業のため、中央政府が発行する国債で賄うという。08年度予算の赤字規模は1800億元で、予算段階の赤字額としては03、04年度の3198億元がこれまで最高だった。
 新華社電によると、中国共産党政治局も23日、全人代に温家宝首相が提出する政府活動報告案を審議し、公共投資の大幅増加で内需拡大を図る方針を確認した。

◎北京中心街で車炎上、2人負傷、「直訴」の焼身自殺図る?(2009年2月25日、読売新聞)
 【北京=佐伯聡士】新華社電によると、北京市中心部の繁華街で25日午後、男性3人が乗った小型乗用車から出火し、このうち2人が負傷して病院に運ばれた。
 命に別条はないという。
 市当局は「3人が直訴のために北京に来た」としており、焼身自殺を図ったとみられる。現場は、目抜き通りの王府井と長安街の交差点。

◎北京市の繁華街で車炎上、男女3人が焼身自殺図る(2009年2月25日、朝日新聞)
 【北京=峯村健司】25日午後2時50分ごろ、北京市の繁華街、王府井の交差点付近で、3人の男女が乗用車内で火をつけ焼身自殺を図った。北京市公安局によると、3人は病院に運ばれ、うち2人がけがをした。3人は、地方の政府や裁判所の対応に不満を持つ中央政府へ直訴に来た者とみられる。
 目撃者によると、3人が乗った乗用車は内モンゴル自治区のナンバー。車上に中国国旗と2本の赤旗を掲げて何かを叫んだという。近くにいた警察官が制止しようとしたところ、車に火を放った。警察官らが窓ガラスを割って突入、3人を車外に引きずり出した。

◎中国の炭鉱でガス爆発、44人死亡、多数の作業員が坑内に(2009年2月22日、日本経済新聞)
 【北京22日共同】新華社電によると、中国山西省太原市古交の炭鉱で22日未明、ガス爆発が発生し44人が死亡した。坑内には依然として多数の作業員が取り残されており、犠牲者がさらに増える恐れがある。
 事故発生時には坑内で436人が作業していた。現場では、多数の救助隊員が集まり、坑内に空気を送りながら救出活動が行われている。
 山西省では、鉱山に絡む事故が多発。2007年12月には臨汾市の炭鉱で100人以上が事故死した。昨年9月にも同市で違法操業の鉄鉱山のダムが決壊して土石流が発生、270人以上が犠牲になり、当時の孟学農省長らが監督責任を問われ事実上更迭された。

◎シャープ、液晶パネル中国生産検討、亀山ライン売却案も(2009年2月21日、朝日新聞)
 シャープは、薄型テレビ向け液晶パネルの生産を海外にシフトする検討を始めた。中国の大手電機メーカー上海広電集団と提携し、中国内で生産する方向で同社と交渉に入っている。急激な円高で採算が悪化しているためで、国内では旧世代の設備となる亀山第1工場(三重県亀山市)のラインを売却し、中国に移転する案も浮上している。
 提携が実現すれば、日本の電機メーカーによる中国での大型液晶パネル生産は初めて。中国内向けの生産が中心になるとみられる。提携の具体策は今後詰めるが、広電集団以外のメーカーとも接触している模様だ。
 海外向けテレビでシャープはこれまで、国内で作ったパネルを輸出し、欧州やメキシコ、中国などで組み立てて販売してきた。パネル自体は同社の基幹技術と位置付け、国内での生産体制を敷いてきた。しかし、円高が進んでいることや、サムスン電子など韓国、台湾勢との価格競争が強まっていることから、旧世代では海外に生産を移すことが適切だと判断した。
 亀山第1工場は04年1月に稼働し、「第6世代」と呼ばれる大型パネルを生産してきた。景気の減速で昨秋以降、世界的に液晶テレビ市場が縮小するなか、シャープは在庫圧縮のため減産に着手しており、現在は携帯電話など中小型液晶向けに切り替えるためラインを一時停止している。亀山では第2工場で「第8世代」パネルを製造している。
 シャープは最新の「第10世代」パネルを生産する堺工場(堺市)を建設中だ。10年春の稼働予定で、既存の旧式設備が余剰となることも、亀山第1の移転構想を後押ししている。
 広電集団は「第5世代」の中小型の液晶パネルをテレビ、パソコン向けに製造している。

◎中国、暴動やデモ相次ぐ、不満層と反体制勢力の“合流”警戒(2009年2月20日、産経新聞)
 【北京=野口東秀】中国では今年に入り、職を失った農民工(出稼ぎ労働者)に加え、土地の強制収用に反発する農民や元軍人らによる暴動やデモなど、当局への抗議行動が全国各地で相次いでいる。その規模は数百から数千人にのぼり、社会不安が顕在化し始めたとの見方も出ている。当局は、これら住民の不満層と、チベットなどの民族独立派、民主化活動家などが合流し、混乱が拡大する事態を警戒している。
 「内外の敵対勢力が農民工を利用し、(暴動など)破壊行為を行うことを断固阻止する必要がある」
 中国紙によると、労働者組織、中華全国総工会の孫春蘭副主席は17日、こう述べ、暴動やデモを防ぐために農民工に資金を無利息で貸し付けるなどの措置を講じる考えを示した。
 公式発表では、2500万人の農民工が年内に失業する危機にある。経済の動向次第ではこれがさらに増え、暴動や犯罪も増加するとみられている。
 さらに、3月にはチベット動乱から50年、4月には気功集団「法輪功」の中南海包囲事件から10年など、当局が神経をとがらせる“記念日”を迎える。
 このため、党直属機関は今月1日、関係当局に「2009年全国社会治安総合管理の要点」を通達し、その中で、▽内外の敵▽民族の分離独立派▽暴力・テロ組織▽極端な宗教団体-の各勢力による「破壊活動を徹底して抑え込む」などとした方針を示した。
 関係者によると、公安省は今月中旬、北京に全国の公安幹部を集め、今年10月に行われる「建国60周年記念式典の成功」を昨夏の北京五輪と同列視し、今年の優先課題と位置づけ、強い危機感をにじませた。
 政府はこれを受け、農民らを対象にパソコン教室を実施するなど、社会格差を是正する取り組みを行う一方で、6月4日の天安門事件20周年をにらみ、反体制活動や抗議行動を封じ込めるため、大量の当局者を動員して北京の警戒を強化する予定で、「硬軟両様」の対策をとり始めている。
 温家宝首相は今月、失業した農民工や就職難の大学生との座談会を開き、民意を重視するとの姿勢をアピールし、指導部の強い危機感を印象付けた。
 【中国で今年発生した抗議行動】

(民主化系サイトや関係団体などから)

■浙江省桐郷市
2月14日 労働者がらみの交通事故の処理をめぐり数千人と約1000人の警官隊が衝突

■浙江省温州市
2月16日 土地開発をめぐり農民ら約100人が、数千人が署名した横断幕を手に抗議

■山東省済南市
1月中旬(予定) 教師、元教師が処遇改善を求め北京まで5000人のデモ行進を計画。一部拘束

■山東省済南市
2月11日 元軍人ら約1000人が地元幹部との会見求め抗議行動

■山東省済南市
1月7日 労働者約数百人が賃金未払い問題でデモし警官隊と衝突

■湖北省随州市
2月16日 元教師ら約100人が待遇を不満とし示威行動

■湖南省吉首市
1月10日 違法に資金を集めた企業をめぐるトラブルで数千人が抗議

■広東省広州市
1月-2月 断続的に数百人、1000人規模で住民が発電所建設に反対し警官隊と衝突

■広東省広州市
2月16日 靴工場閉鎖で約300人の労働者らが抗議行動

■広東省陽江市
2月8日 住民1000人以上が海浜開発に反対し警官隊と衝突

■河北省三河市
1月5日 住宅建設の質めぐり購入者約数百人が抗議

■河北省孟村回族自治県
漢族と回族計1000人が乱闘

■河北省武安市
2月11日 約50人の農民が幹部の不正に抗議

■河北省保定市
1月11日 土地問題で農民と開発側が衝突

■上海市
2月4、11日 失業者や土地を失った農民など1000人超が市政府前に集まる

■北京市
2月9日 河北省からの陳情者が腐敗に抗議し横断幕掲げる

■貴州省徳江市
2月8日 催し物をめぐるトラブルなどで約1万人の群集の一部が警官隊と衝突

■雲南省景洪市
1月下旬 労働者数千人が賃金問題で抗議行動

■陝西省西安市
1月8日 約2000人の元軍人らが待遇改善求め抗議、警官隊と衝突

■安徽省淮南市
2月5日 政策に反対しタクシー業者約1000人がストライキ

◎京セラ、中国に太陽電池パネル新工場(2009年2月20日、産経新聞)
 京セラは20日、中国・天津の太陽電池パネルの生産拠点に新工場を建設すると発表した。同社は、平成23年度の太陽電池の年間生産量を、20年度の2倍以上の650メガワットへ引き上げる計画で、その一環。
 新工場は延べ床面積2万8800平方メートル。4月着工し、来年春ごろ完成予定だ。工場建設で、天津の生産能力は現在の年間60メガワットから最終的に4倍の240メガワットになる。チェコなどにある他のパネル生産拠点も順次、生産能力を増強する。

◎「中国あげつらうな」、中国の習近平副主席、メキシコ訪問で失言(2009年2月19日、産経新聞)
 中国の習近平国家副主席が外遊先のメキシコで、「腹がいっぱいになってやることのない外国人がわれわれの欠点をあれこれあげつらっている」と発言し、「国家指導者にふさわしくない失言」(中国紙記者)と話題になっている。
 副主席は11日、華僑と会談した際、中国が13億人の食糧問題を基本的に解決したのは人類に対する貢献だとし、「中国は革命も輸出せず、飢餓や貧困も輸出せず、外国に悪さもしない。これ以上いいことがあるか」と述べた。
 中国でもインターネットで発言や映像が伝わり、直後からブログなどで「酒に酔った勢いでの発言ではないか」「穏健な胡錦濤指導部のイメージを傷つける」と批判が広がった。習副主席は胡国家主席後継の最有力候補とされる。

◎「特権」への批判相次ぐ、中国、国営テレビ火災(2009年2月18日、産経新聞)
 北京市内で9日に発生した国営、中国中央テレビ(CCTV)の付属高層ビル火災で同テレビに対し「自業自得」「特権が招いた火災」などの批判がネット上で相次いでいる。
 火災は、同テレビ側が警察の制止にもかかわらず禁止されている花火を打ち上げ、発生。批判には、貧富の格差が拡大する中、特権意識を背景にした同テレビの日ごろの報道姿勢に対する不満があるとみられる。
 同テレビは10日に謝罪したが、ネット上では批判的な書き込みが噴出。中国紙、北京日報も「禁止花火を上げ、計り知れない害を及ぼした」と指摘した。
 同テレビは胡錦濤国家主席ら国のリーダーの動向などは詳しく報道するが、庶民の窮状はなかなか報じないとの不満も根強く「人々が興奮しているのは、うそを報道し続けてきた中央テレビの不幸が見られたからだ」との書き込みも。

◎ロシア:中国に20年間石油供給、250億ドル融資見返り(2009年2月18日、毎日新聞)
 【モスクワ大前仁】中露両国は17日、中国がロシアに対し250億ドル(2兆3000億円)を融資する見返りとして、ロシアが20年間にわたり中国に対し石油を供給する長期契約に合意した。これにより東シベリアの原油を太平洋岸に輸送する「太平洋パイプライン」の中国支線の建設など、2国間のエネルギー協力事業が加速するとみられる。
 インタファクス通信などによると、ロシア側の国営石油会社「ロスネフチ」、パイプライン建設会社「トランスネフチ」と、中国側の中国石油天然ガス集団(CNPC)、国家開発銀行が同日、北京で合意文書に署名。融資の内訳は、ロスネフチに対し150億ドル、トランスネフチに対し100億ドルとなる見通し。一方、ロスネフチは現在の契約が切れる2011年以降、CNPCに対し毎年1500万トンの原油を供給する。
 両国は昨年10月、東シベリアのスコボロジノから中国・大慶まで延びる同パイプライン中国支線の建設で基本合意したが、融資条件など条件交渉が長引いていた。ロシアでは経済危機の影響を受け、ロスネフチ、トランスネフチ両社とも資金不足に陥っており、パイプラインの建設続行に際して、中国からの融資を求めていた。

◎北朝鮮の情報管理、中国ピリピリ、各国が収集活動活発化(2009年2月17日、朝日新聞)
 【北京=峯村健司】北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の健康状態に注目が集まる中、友好国の中国の当局が、情報収集を活発化させる各国の動きに神経をとがらせている。中国筋によると、政府系シンクタンクの中国社会科学院の幹部が北朝鮮に関する情報を韓国側に漏洩(ろうえい)した疑いで、取り調べを受けていることが判明。大使館や外国メディア関係者に単独で許可なく接触することを禁ずる通達を出すなど、管理を強めている。
 この社会科学院の幹部は、朝鮮半島情勢や日中関係など中国での東アジア研究の第一人者で、対日政策の決定にも影響力を持つとされる。中国内外のメディアに頻繁に登場していたが、1月下旬ごろ公の場から姿を消した。
 複数の中国筋によると、この幹部は1月下旬、捜査当局に拘束され、事情聴取を受けている。北朝鮮をめぐる政府の機密情報を韓国の情報機関に漏らした疑いが持たれているという。
 捜査当局は、幹部が情報提供の見返りに金品を受け取ったかどうかを調べているとみられる。社会科学院外事局は「そのような話は聞いていない」と否定しているが、幹部とは連絡がとれない状態が続いている。
 背景には、金総書記の健康不安が広まった昨年以降、北京を舞台に繰り広げられている各国の大使館や情報機関関係者による激しい情報収集活動がある。
 特に力を入れているのが韓国で「北朝鮮の情報収集にかける要員数や経費は他国と比べても群を抜いている」(北京の外交筋)。昨年初めにも、中国共産党対外連絡部の複数の幹部が、北朝鮮関連の機密情報を韓国情報機関に漏らしたとして処分された。
 朝鮮戦争以来、「血で固められた友情」で結ばれてきた中朝は、定期的に両国の首脳らが往来しており、中国はベールに包まれた北朝鮮の重要情報を持つと言われる。今年1月には王家瑞・対外連絡部長が訪朝、金総書記と会談したことが注目された。
 各国からの要請を受け、党幹部が2月上旬、各国の大使館員を集めて金総書記の健康状態を説明した。外交筋によると、この幹部は「発する言葉や指摘されている左手の動きに問題はなかった」と説明し、健康であることを強調した。だが、中国側が撮影した映像は見せず、ある外交筋は「すべてを明かしているとは思えず、北朝鮮に気遣っている感じだった」と明かす。
 中朝国交樹立60周年にあたる今年は「中朝友好年」と位置づけられ、両国首脳の往来が予想されている。特に北朝鮮を刺激しかねない金総書記の健康や後継者問題は「語ることすら許されず、最も敏感な話題」(中国政府筋)と言われており、中国当局は今後さらに締め付けを強めるとみられる。

◎北京で人工降雨実施(2009年2月13日、産経新聞)
 新華社電によると、中国当局は12日、空軍輸送機を使い、北京市上空を中心に約400リットルの液体窒素を散布、広範囲に雨を降らせることに成功した。
 北京では約110日にわたり目立った雨が降っておらず、今回の人工降雨は「国営中国中央テレビの付属高層ビル火災を受けて実施したのではないか」(中国紙記者)との見方も出ている。
 12日は朝から曇り空で、今回の人工降雨で降水量を最大10%増やすことができたという。北京市を取り囲む河北省でも同日、ヨウ化銀などを詰めたとみられるロケット弾約650発と砲弾約390発を打ち上げ、一部地域を除いて雨を降らせることに成功した。

◎中国:チャイナルコが英豪系リオ社に大型投資、資源確保へ(2009年2月12日、毎日新聞)
 【北京・大塚卓也】中国国営の非鉄金属最大手、中国アルミニウム(チャイナルコ)は12日、英豪系資源大手リオ・ティントに195億ドル(約1兆7500億円)出資すると発表した。国営新華社系「新華網」によると、中国企業の海外投資案件としては過去最大。世界最大の外貨準備を生かして、世界同時不況下、割安になっている資源権を確保しておこうとの中国政府の意向に沿った投資とみられる。
 195億ドルのうち、123億ドルはリオがオーストラリア、米国、チリなどに保有する鉄鋼石や希少金属の9鉱山などの権益に、残り72億ドルはリオの転換社債に、それぞれ投資する。チャイナルコは現在、米アルミ大手アルコアと共同で、リオの株式約9.3%を保有しているが、今回発表された転換社債を株式に転換すれば18%に増える。チャイナルコはリオに対し、複数の非常勤役員を派遣する方向。一連の投資にはオーストラリア政府などの承認が必要という。
 世界に多くの資源権益を保有するリオをめぐっては、昨年、同業大手の英BHPビリトンや三井物産が買収に名乗りを上げたが、価格などの条件が折り合わず、断念した経緯がある。今回の投資で、中国政府の動かせる資金の豊富さが改めて浮き彫りになった。

◎北京ビル火災:許可受けず花火、容疑の12人拘束(2009年2月12日、毎日新聞)
 【北京・浦松丈二】北京市朝陽区の中国国営・中国中央テレビ(CCTV)新社屋の付属高層ビル火災で、北京市公安局は12日、危険物で火災を発生させた容疑で、新社屋建設プロジェクト室の責任者ら12人を拘束したと発表した。
 拘束されたのは同室の徐威主任(50)とCCTV職員3人、花火の打ち上げ業者8人。調べでは、12人は打ち上げに同市の許可が必要な大型花火700発余り(100万元=約1300万円相当)を無許可で打ち上げ、火災を発生させた疑いがもたれている。
 火災では消防士ら8人が死傷しており、逮捕、起訴されれば厳罰が予想される。業者8人は逃走中に拘束された。

◎中国国営TV火災で12人拘束、上層部の責任注視(2009年2月12日、産経新聞)
 【北京=野口東秀】中国国営新華社通信によると、北京市中心部の中国中央テレビ(CCTV)新社屋の付属高層ビル火災で、公安当局は12日、違法に花火を打ち上げた重大責任事故罪の容疑で、同テレビの新社屋建設プロジェクト弁公室の徐威主任(50)ら計12人を拘束したと発表した。今後、同テレビ上層部の責任が追及されるかどうか注目されている。
 拘束されたのは、徐主任と現場にいた職員3人、雇われて花火を打ち上げた業者の8人。同日付の中国紙「京華時報」などは、検察当局も火災の背景に職権乱用などの不正があるか調査に乗り出したと報じた。
 打ち上げた花火は北京五輪で使用された系統に属し、通常は打ち上げが禁止されている「礼花弾」で、約700発、約100万元(約1300万円)相当が準備され、21発を残して打ち上げられた。
 同火災に関する報道では、新華社の原稿を使用し、「掘り下げた報道をしないよう」通達が出されていると指摘され、一部関係者は「すでに政治問題化している」と話す。インターネットの書き込みでは「上層部は公開で謝罪もしていない。徐主任個人が花火打ち上げを決めるわけがない。民事、刑事両面で責任をとれ」などと庶民レベルで今後の成り行きが注視されている。

◎中国の著名弁護士行方不明、関係者「強制的に連れ去られた」(2009年2月12日、産経新聞)
 【北京=野口東秀】中国の人権派弁護士として知られる高(こう)智晟(ちせい)氏(44)が行方不明になっている。関係者はクリントン米国務長官が今月下旬に訪中するほか、3月初旬には全国人民代表大会(全人代=国会)が開かれることから、当局が“口封じ”のため身柄を拘束したのではないかと推測している。今回の事態を受ける形で、高氏が「2007年秋に当局から激しい拷問を受けた」とする記録文が関係者により公開された。
 高氏は「今月4日未明、陝西省の親族宅にいたところ、乱入した十数人の集団に強制的に連れ去られた」(関係者)という。
 高氏が親族宅から連れ去られた状況を親族から聞いた関係者は産経新聞に対し、「高氏が連絡を必ずとっている人物への連絡が現在もない」と指摘した。北京市内の高氏の自宅にも人のいる気配はなかった。
 高氏は農民や非合法気功集団「法輪功」への支援活動で知られたが、胡錦濤政権を批判するなどし、06年12月に国家政権転覆扇動罪で懲役3年、執行猶予5年の判決を受けた。07年に入り、米国の国会議員に人権問題に関する手紙を送ったとされた後、同年9月下旬、行方不明になった。
 高氏が今回、行方不明になった直後、高氏の手によるとされる記録文(07年11月28日付)がインターネットなどで公開された。それによれば、高氏は同年9月21日に路上で突然、車に押し込まれた。その後で連れ込まれた部屋では、複数の公安当局者から「死ぬときが来た」と電流警棒で下半身をはじめ全身を殴打されたり、尿をかけられたりするなどの拷問を受け続け、「筆舌に尽くしがたい絶望のどん底に突き落とされた」という。
 記録文によると、約50日間の拘束のうち、10日間余は拷問が続き、当局者は「この売国奴が。米国が何をお前に与えてくれたのだ。ここは中国だ。共産党の天下だ。お前の命など虫けらと同じだ」とののしった。高氏は「共産党は素晴らしい」などと唱えさせられた後に食事を与えられたが、最後に何度も「今回のことを話すと、次は死ぬときだ。次は妻子の前でお前をかわいがってやる」と当局者から威嚇されたといわれる。
 高氏は昨年、ノーベル平和賞の候補といわれた。国家政権転覆扇動罪で服役中の民主化活動家、胡佳氏とも関係が深い。一方、一党独裁体制の廃止を求めた「08憲章」の起草者で昨年12月8日に拘束された劉暁波氏は今月12日現在、依然釈放されていない。

◎違法花火で12人を拘束、北京の国営TV付属ビル火災で(2009年2月12日、産経新聞)
 12日付の中国紙、京華時報によると、北京市警察当局は、市内の国営中国中央テレビ新社屋北側にある付属高層ビル火災に関連し、違法に花火を打ち上げたとして重大責任事故罪の容疑で、同テレビの新社屋建設プロジェクト弁公室の徐威主任ら計12人を拘束した。
 拘束されたのは、徐主任のほか、現場にいた職員3人と花火会社の8人。火薬が多く含まれ、通常は打ち上げが禁止されている「礼花弾」と呼ばれる花火約700発、約100万元(約1300万円)相当が準備され、21発を残してほかはすべて許可なく打ち上げられた。
 中央テレビ関係者によると、火災当日は春節(旧正月)から数えて15日に当たる「元宵節」に当たり、同テレビ関係者に「新社屋予定地で花火を見る会」の通知が出されていた。

◎ウイグル人東大院生、中国が釈放、妻「声を聞かせて」(2009年2月11日、朝日新聞)
 【北京=峯村健司】東大大学院に留学中の98年、一時帰国した中国で国家分裂扇動などの容疑で逮捕され、投獄されていた新疆ウイグル自治区出身のウイグル人男性、トフティー・トゥニヤズさん(49)が10日、11年の刑期を終えて釈放された。支援者が明らかにした。今後も当局の監視下に置かれるとみられる。トフティーさんは出迎えた親族とともに、自治区西部にある自宅に向け警察車両で移送された。
 妻のラビヤさん(45)は長男(19)、長女(11)とともにさいたま市に住む。「逮捕当時4カ月だった長女は父を覚えていない。声だけでも聞かせて欲しい」と話している。トフティーさんが早く戻れるよう日本政府にも支援を求めるという。
 トフティーさんは同自治区カシュガル出身で、ウイグル民族史を研究。一時帰国していた98年2月、公文書館で資料をコピーしたことや出版予定の書籍の内容が国家分裂扇動などの罪に当たるとして懲役11年の判決を受けた。

◎中国ビル炎上、原因の違法花火、テレビ局が打ち上げ(2009年2月11日、朝日新聞)
 【北京=坂尻顕吾】北京市中心部にある国営中国中央テレビ(CCTV)の新社屋敷地内で内装工事中だった高層ビルの火災で、市消防局は10日、CCTV側がビル付近で数百発の花火を違法に打ち上げ、火災につながったことを明らかにした。新華社通信が伝えた。
 火災による被害者は消防隊員7人と建築作業員1人の計8人で、うち死者は消防隊員の男性(29)だった。
 報道によると、CCTVは湖南省の花火業者を雇い、敷地内の空き地で火力の強い式典用の花火を打ち上げていたが、使用に必要な市当局の許可を得ていなかった。当日夜、巡回中の警察官が忠告したが、CCTV側は無視して花火を続けたという。
 打ち上げの様子はCCTVが設置した4台のカメラに録画されており、市消防局がテープを確認。警察当局は打ち上げにかかわった関係者を拘束したほか、花火の燃え殻などを押収した。
 CCTVは10日午後、同社のウェブサイトで「国家財産に重大な損害を与えたことは誠に残念であり、周辺の交通渋滞や生活の不便をもたらし、心からおわびします」と謝罪のコメントを発表した。

◎中国:高層ビル全焼、1人死亡、国営TVの違法花火で(2009年2月10日、産経新聞)
 【北京・浦松丈二】北京市朝陽区の中国国営・中国中央テレビ(CCTV)新社屋の敷地内で9日午後8時半(日本時間同9時半)ごろ、火災が発生し、社屋北側で建設中の付属高層ビル(30階建て)が全焼した。10日未明に鎮火したが、消防士1人が死亡。ほか5人と同テレビ職員1人が煙を吸い込むなどして負傷した。
 同市消防局は10日、ビルのオーナーであるCCTVが市当局の制止を無視して違法にビル付近で花火100発を打ち上げたことが原因と発表した。警察当局も関係者を監視下に置いた。
 CCTVは「心からおわびする」とコメントを発表したが、国営テレビの「強権体質」は内外の批判を招きそうだ。打ち上げられた花火は北京五輪にも使用された式典用で市当局の許可が必要だったが、CCTVは無許可で打ち上げ、その様子をカメラ4台で撮影したという。
 全焼した付属高層ビルは高さ159メートル。今年半ばにホテル「マンダリン・オリエンタル」などが入居予定だった。

◎首都空港前社長に死刑判決、中国・山東省の地裁(2009年2月10日、産経新聞)
 新華社電によると、中国山東省済南市の中級人民法院(地裁)は10日、巨額のわいろを受け取っていたとして収賄罪などに問われた首都空港集団前社長の李培英被告に死刑判決を言い渡した。
 首都空港集団は北京首都国際空港をはじめ中国各地の空港運営を行っている。判決によると、李被告は1995年から2003年にかけ、職務権限を利用し取引先などから計約1億900万元(約14億5000万円)を受け取っていた。

◎北京・建設中ビル火災:「北京の顔」炎上に衝撃、「倒壊する、近づくな!」(2009年2月10日、産経新聞)
 【北京・浦松丈二】昨年8月の北京五輪前から「北京の顔」として本格的な開発が続いていた中心ビジネス街「中央商務地区(CBD)」で9日夜、新名所に加わるはずだった超高層ビルが炎上し、北京市民に衝撃を与えた。
 「倒壊する危険性があるから近づくな!」。現場から約200メートルの地点で警察官が規制線を張り、近づけない。計54台の消防車が出動し、サイレンが鳴り響く中、周囲では花火の打ち上げが続き、けん騒に包まれた。中国では春節前日の1月25日から爆竹・花火を打ち上げることが許可されており、この日が最終日。例年、残った花火を大量に打ち上げることで知られている。
 建設中のビルの窓からは次々と炎が噴き出る。ビルの密集地で消防車は片側からしか近づけない。さらに、はしご車が到着せず、下層階でしか消火活動ができない。ラジオも盛んに「見物に来てはいけません」と放送しているが、数千人の市民が集まって携帯電話で撮影したり、知人に連絡したりしていた。

◎首都空港前社長に死刑判決、中国・山東省の地裁(2009年2月10日、産経新聞)
 新華社電によると、中国山東省済南市の中級人民法院(地裁)は10日、巨額のわいろを受け取っていたとして収賄罪などに問われた首都空港集団前社長の李培英被告に死刑判決を言い渡した。
 首都空港集団は北京首都国際空港をはじめ中国各地の空港運営を行っている。判決によると、李被告は1995年から2003年にかけ、職務権限を利用し取引先などから計約1億900万元(約14億5000万円)を受け取っていた。

◎中国新車販売 初の世界一、1月73万5500台で米国抜く(2009年2月10日、産経新聞)
 【上海=河崎真澄】中国国営新華社電によると、中国自動車工業協会は10日、今年1月の中国国内の新車販売台数(速報値)が前年同月に比べ14.4%減の73万5500台になったと発表した。このうち乗用車は同7.8%減の61万600台だった。米調査会社が発表済みの同月の米新車販売台数(速報値)が65万6976台だったため“敵失”とはいえ、中国が単月の自動車販売台数で初めて米国を抜き、世界トップの座に立ったことが確認された。
 米市場が急速に縮小する一方で、個人消費や地方自治体の購買を強く奨励する中国は乗用車を中心に底堅い需要があり、米国を上回った。耐久消費財の象徴である自動車販売で中国が米国を抜いたことで、金融危機に端を発した世界的な不況下で、中国の存在感が高まることになりそうだ。
 中国政府が景気刺激策の一環として、1月20日から年末まで、排気量1600cc以下の小型車の取得税の税率を10%から5%に引き下げたため、小型車の販売台数は前年同月比で増加傾向にある。同協会では「全体の販売台数は前年を下回っているが、小型車の好調な売れ行きで、低迷していた中国市場に回復の兆しが表れた」と話している。
 先月の春節(旧正月)前商戦とも重なり、買い控えてきた層の購買意欲を刺激したようだ。小型車のうち国内メーカーによる自主ブランド車の占める割合は昨年の25.9%から、1月は29.7%に上がり、日系小型車の割合を上回った。
 中国の新車販売台数は1999年から10%以上の伸びを続け、2006年に日本を抜いて世界2位になった。08年は1000万台突破が期待されたが、世界的な景気後退の影響で前年比6.7%増にとどまり938万台。主力のセダンは504万台で、国内メーカーが約26%、日系メーカーが約31%だった。日系はホンダのアコード、トヨタのカローラ、カムリが多い。
 中国自動車工業協会では09年の販売台数を5%増と見込んでいる。米市場は08年に18.0%減の約1324万台に落ち込み、今年も減少する可能性が高い。

◎中国PHSサービス終了へ、ユーザー不在の当局決定で広がる波紋(2009年2月10日、日本経済新聞)
 中国の通信産業主管省庁である工業信息化部が先ごろ出した一通の通達が大きな波紋を呼んでいる。明言はしていないものの、中国版PHSである「小霊通」の廃止を意味する内容だったからだ。いまだに7000万人近い利用者を擁するサービスへの突然の退場宣言にユーザーは混乱し、通信業界には様々な思惑が蠢き始めた。
 当局が今回下した決定のキーワードは「TD-SCDMA」だ。つい最近交付した中国3G免許の一つ、中国の独自国際規格である。PHSが使用している1900~1920MHz帯の周波数は、TD-SCDMAに割り当てられた1880~1900MHz帯に隣接する。このままでは3Gサービスの運営に支障をきたす恐れがあるため、2011年末までに1900~1920MHz帯から引き上げるよう通達したのである。

・ユーザーが反発 「市場か国策か」の論争も
 中国のPHSはピーク時に9000万人超のユーザーを抱えたが、ここ数年は減少が続き、衰退ぶりは明らかだった。しかし、このタイミングでいきなりサービス終了期限が発表されるとは予想されておらず、ユーザーには驚きが広がった。
 特に、中国が威信をかけるTD-SCDMAを盾にとったようなやり方に、「ユーザー視点を欠いた決定」と反発が強まっている。この問題は「市場か国策か」という論争に発展し、弁護士などの法律家も独占を助長する疑いがあるとして合法性を疑問視し、聴聞会の開催を要求しているほどだ。
 PHSサービスを展開する当事者であるチャイナテレコムやチャイナユニコムは、「いかなる場合でもユーザーの利益を最優先する」とのコメントを発表したが、その具体的な方策はまだ出ていない。キャリア間、そしてキャリアと政府間の駆け引きが今後さらに激しくなるのは確実だ。今回の決定はまだ方針と期限を示しただけで、中国社会は固唾を呑んでその追加細則の発表に注目している。

・妥協の産物として生まれた中国PHS
 今回の決定では当局が市場無視と批判されているが、そもそも中国のPHS導入政策そのものが苦肉の策だった。なぜならPHS技術の導入が検討された当時から、政府はすでに携帯電話規格としては方向的に見劣りするとして導入に反対だった。
 しかし、勢いのある携帯事業を分離され(後にチャイナモバイル)、固定通信しか残っていなかったチャイナテレコムがPHSの導入を強く働きかけた。それまでガリバーであったチャイナテレコムの圧力により当時の信息産業部は仕方なく、「PHSは固定通信の延長と補助である」と定義し、政策のグレーゾーンを作り出したのだ。
 それにより2002年から地方都市でサービスを始め、1年で600万ユーザーを獲得して政府の外堀を埋めた。以降、政府の「奨励せず、関与せず」という曖昧な方針の下で、PHSはその低価格を武器に地方から大都市へとエリアを広げ、4年間でついに1億人に迫るユーザーを抱える一大陣営に成長したのである。
 PHSはある時期まで、落日の固定通信キャリアであったチャイナテレコムとチャイナネットコムを救ったともいえる。もちろん、移動通信のチャイナモバイルは猛反発したが、チャイナモバイルの強さゆえに政府はバランスをとるべく固定通信キャリアを“懐柔”したわけだ。
 PHSは淘汰される技術の烙印を押されながらも、通信キャリアと政府の駆け引きによる妥協の産物としてこれまで生き延びてきた。今回の決定は、その政策の天秤がTD-SCDMAを担うことになったチャイナモバイル側に傾いた結果ともいえる。いずれにせよ、その決定プロセスにおいてユーザーは蚊帳の外だった。

・7000万ユーザー争奪戦が勃発
 今回の決定はユーザーからの反発を招いたが、もはや逆戻りはできない。次の焦点はやはり、7000万ユーザーの今後だ。移転をスムーズに運ぶことが大前提になるだろうが、その裏では潜在顧客を巡る各キャリアの熾烈な争奪戦が予想される。
 今のところ、チャイナテレコムが5000万人、チャイナユニコムが2000万人(旧チャイナネットコム分)のPHSユーザーを抱えている。3G免許が交付されている2社にとって、これらのPHSユーザーをいかに自分の陣営に引き止めるかは死活問題となる。
 一方、3Gサービスで一番不確実性の高いTD-SCDMAを担うチャイナモバイルも、ガリバーの座を守るため虎視眈々としている。中国の携帯契約数は6億件を突破し、新規ユーザーの開拓も頭打ちになりつつある。PHSユーザーはローエンドの顧客層ではあるが、残された市場としては最大のターゲットになるからだ。
 特にTD-SCDMAはまだ魅力的な3Gアプリケーションが欠けており、ローエンドユーザーをまとめて獲得できる今回の機会はまさに渡りに船といえる。2G時代の覇者は間違いなく3Gの最初のターゲットとして照準を合わせ、チャイナテレコムやチャイナユニコムも一歩も引けない。その戦いは3G時代の前哨戦としてすでに始まっている。

・次世代PHS戦略にも影
 一方、今回の決定で中国市場を失う日本のPHS陣営への打撃はあまりにも大きい。中国市場はPHSの最大市場であり、ユーザー数の9割以上を占めているからだ。
 その推進役であるウィルコムは2007年末にチャイナネットコムとデータ通信を中心とした包括提携を結び、巨大な中国市場をバックに次世代PHSの普及に繋げるシナリオを描いた。しかし、そのチャイナネットコムはすでに業界再編により姿を消し、絵に描いた餅になっている。
 ウィルコムがどこまで中国市場を分析したのかについては疑問符をつけざるを得ない。ウィルコムの命綱である次世代PHSサービスは今年スタートするが、それも海外市場、つまり中国市場の存在があって初めて意義がある。日本発の通信技術として初めて海外市場で開花したPHSだが、中国の陥落は次世代PHSの戦略にも影を落とすことになろう。

◎北京高層ビル火災、中央テレビの違法な花火打ち上げが原因(2009年2月10日、読売新聞)
 【北京=佐伯聡士】北京市中心部にある中国中央テレビ新社屋に隣接する付属高層ビルで9日夜起きた火災について、市公安当局は10日、中央テレビが同ビル付近で花火を違法に打ち上げたことが原因と発表した。
 新華社通信が同日伝えた。
 花火は昨夏の北京五輪でも使われた式典用とみられ、打ち上げには市当局の許可が必要だった。同テレビはこれを無視して、湖南省の花火業者を雇い、花火を打ち上げた。公安当局が容疑者を監視下に置き、調べを進めている。
 この火災で、消防士1人が死亡したほか、建設作業員1人と消防士6人の計7人が負傷。中央テレビは10日、「国家財産に重大な損失をもたらし、周辺住民にも不便をかけた」などとして、放送を通じて陳謝した。

◎北京の高層ビル火災、国営テレビが謝罪、禁止区域で花火強行(2009年2月10日、日本経済新聞)
 【北京=尾崎実】北京市の高層ビル、マンダリンオリエンタルホテルが全焼した9日夜の火災は、隣接する国営中国中央テレビが当局に無断で打ち上げた花火が原因と判明した。中央テレビは10日、自社のホームページで「国家財産に重大な損失を生じさせ、住民に生活の不便を与えたことを深くおわびする」と謝罪した。
 北京市消防局の調べでは、中央テレビは9日夜、ビル西南角の空き地で、契約した花火会社に、数百発に上る撮影用の花火を打ち上げさせた。
 市はテレビ局と周辺一帯を打ち上げ禁止場所に指定していたが、中央テレビ側は打ち上げを強行。使用した花火も、市中心部での打ち上げには許可が必要な爆発規模の大きいものだった。警官の制止を無視して打ち上げたとの情報もあり、公安当局が容疑者の身柄を拘束し事情を聴いている。

◎北京の火災、1人死亡 消防局幹部「国営TV局が花火」(2009年2月10日、日本経済新聞)
 【北京=尾崎実】北京市朝陽区の国営中国中央テレビ新社屋に隣接する付属高層ビル火災は10日未明、出火から約6時間後に鎮火した。国営新華社によると、消防隊員1人が死亡、他の隊員5人と中央テレビ職員1人が負傷した。
 新華社によると、北京市消防局幹部は「中央テレビが花火会社を雇い、市の許可を得ないまま、ビル西南角の空き地で、数百発の花火を打ち上げていた」と出火原因を明らかにした。
 北京は干ばつの影響で100日以上まとまった雨が降っておらず、空気が乾燥。火災が発生した9日は、北京中心部で春節(旧正月)期間中の花火打ち上げが許可された最終日で、多数の市民が花火や爆竹を楽しんでいた。工事関係者は「ビル最上階の防水材料は燃えやすい材質だった」と説明している。

◎中国、新車販売世界一、ひと月73万5千台、米を抜く(2009年2月10日、朝日新聞)
 【武漢(中国湖北省)=琴寄辰男】中国自動車工業協会が10日発表した1月の新車販売台数は73万5千台で、前年同月と比べて14.4%の大幅なマイナスとなった。ただ、1月の米国市場の販売台数が約65万7千台にとどまったため、単月の販売台数で中国が初めて世界首位に立った。
 中国の新車販売台数は、世界的な金融危機の影響などで昨年8月に3年半ぶりに前年同月比マイナスに転じ、その後も10月を除いて前年同月割れが続く。中国政府は、排気量1.6リットル以下の乗用車を購入した場合、車両取得税を半減するなどの支援策を打ち出しており、1月はこのクラスの乗用車の販売台数は同1.5%増だった。中国自動車工業協会は「支援策の効果が出始めており、メーカーの在庫圧力は緩和されてきている」としている。ただ、「今後の一段の落ち込みが心配」(日系メーカー)との声も出ている。

◎北京の偽造品モール、7店を営業停止、店が抵抗で警察ざた(2009年2月8日、産経新聞)
 北京市内の中心部にあり、偽ブランド品販売で知られる有名なショッピングモール「秀水街」で8日、偽造品を販売したとして管理組織側が7店舗を営業停止処分にしたところ店舗側が抵抗、警察が出動する騒ぎとなった。
 1日にも7店舗を営業停止にしており、管理組織によると、2月中に計30店舗を処分するという。
 8日は管理組織側が警備員を連れて店舗を訪れ、高級ブランドのルイ・ヴィトンやグッチに似せたかばんや財布などを売っていたとして営業停止を命令。店側は「偽物は売っていない」などと反発、もみ合いとなった。
 秀水街には間口3、4メートルの店舗が1000以上並ぶ。中国では偽造品取り締まりが厳しくなっており、商品棚には並べずに、こっそり販売するケースが後を絶たない

◎中国:71年以来の大干ばつ、中北部(2009年2月6日、毎日新聞)
 【北京・浦松丈二】中国中北部が深刻な干ばつ被害に見舞われている。北京市では昨年10月26日から降水量が0.1ミリを超えない日が100日以上続き、5日付の中国各紙は71年以来の「歴史的な干ばつ」と伝えた。
 中国の穀倉地帯である河南、安徽、山東、河北、山西、甘粛、江西などの各省で小麦が枯れるなど干ばつ被害を受けた面積は、日本の国土の約4分の1にあたる1000万ヘクタールに迫っているという。
 中国政府担当者は「被害面積、継続時間のいずれも過去にあまり例がない」と述べ、人工降雨を検討していると明かした。

◎中国の1月新車販売が米抜く、中国紙報道(2009年2月5日、朝日新聞)
 中国紙、第一財経日報は5日、1月の新車販売台数で中国が米国を抜いたもようだと伝えた。月間新車販売で中国が米国を上回り、世界最大となるのは初めてという。
 1月の米新車販売台数は前年同月比37.1%減の約65万7000台と、記録的な落ち込みを見せた。一方、米ゼネラル・モーターズ(GM)幹部が明らかにした推計では中国の1月の新車販売は約79万台。
 中国の自動車業界関係者は同紙に「大体そのようなところだ」と語り、GMの推計と大差ないとの見方を示した。中国の自動車市場も景気減速の影響を受けているが、日米欧と違い市場が成熟しておらず、初回購入需要が中心で根強い購買意欲がある。

◎「独り勝ち」マック、この不況下に1万人超雇用(2009年2月5日、スポーツニッポン)
 新華社電によると、米ファストフード大手マクドナルドの中国現地法人は4日、中国国内で今年、175店舗を新規出店し、1万人以上を新たに雇用すると発表した。
 マクドナルドは既に中国で1050店舗余りを出店。今年の新規出店規模は中国以外の世界各地での新規出店数の合計を初めて上回るという。
 中国でも大幅な景気減速で消費不振が懸念されているが、現地法人幹部は「中国政府の内需拡大の呼び掛けに応じて、より多くの実益を消費者に与えたい」と語り、割安なセットメニューで攻勢をかける考えを示した。
 マクドナルドは日本でも、不振の外食業界で「独り勝ち」の状態。日本マクドナルドホールディングスが4日発表した2008年12月期連結決算は外食業で初めて5000億円を突破した。

◎「中国に社会正義を」、弁護士511人が抗議、集団で権力に対抗(2009年2月2日、産経新聞)
 【北京=野口東秀】中国広東省で起きた農地収用問題をめぐる差し戻し審で昨年末、農民を支援していた深セン市の40代の男性弁護士が器物損壊罪で実刑判決を受けた。ずさんな審理に抗議する弁護士511人が1月中旬、「司法の公正」を求めて署名し、裁判所に提出された。背景には「司法の独立」「社会正義」が実現されていないことに対する不満がある。一党独裁体制の変更を求めた「08憲章」に代表される、集団で権力に対抗する動きがさらに活発化しそうだ。
 署名にかかわった弁護士らによると、2006年末、広東省河源市東源県で約40戸の農民の土地が水力発電所建設のために強制収用された。ところが、発電所建設後に起きた洪水で土地が流出。「違法な収用」「補償額が低すぎる」などと反発した農民側は工事停止を求めて企業側と衝突し、弁護士と農民2人が08年1月、当局に逮捕された。嫌疑は「2回にわたり村民を扇動して工事を阻止し、工事現場の財物を破壊して5万元(1元約13円)を損失させた」。08年6月にそれぞれ懲役4年、懲役10月、懲役9月を言い渡された。
 この判決が全国の法曹界に論議を引き起こした。08年8月には北京、上海、河南省など10省市の弁護士36人が、(1)公正な審理(2)弁護士の就業権の保障(3)社会公平正義の実現-を求める「公開の手紙」を発表した。その後、裁判は差し戻され、12月に弁護士だけが懲役2年に減刑された。
 しかし、実刑判決には変わりなく、法曹界では「弁護士の人権活動に対する当局の報復だ」などとして批判の輪が拡大。511人の弁護士の署名簿が今年1月中旬、広東省河源中級人民法院に提出された。同署名簿では1審証拠の瑕疵(かし)を補う合理的理由が示されないまま判決が下されたと指摘。「徹底して真相究明を求める」としている。
 今年に入り、北京では道路建設に抗議した垂れ幕を当局が強制排除。山東省では賃金未払いに抗議する労働者のデモ、雲南省では年金支給を求めるデモが起きている。

・最近の人権、民主化の動き
 中国は今年、民主化運動を弾圧した天安門事件やチベット問題などの記念日がめじろ押しで、当局は「政治的に敏感な年」と位置づけ、世論・思想の引き締めを強化する方針を打ち出している。
 しかし昨年12月、民主運動家らが共産党一党支配体制の変更、言論の自由、司法の独立などを求めた「08憲章」を発表したほか、今年1月には学者や弁護士22人が「暴動事件などを意図的に隠蔽(いんぺい)している」として国営中央テレビの視聴拒否を宣言。さらに元安徽省人民政治協商会議常務委員が政治改革を求める「全国人民に告げる書」を発表するなど、体制改革を求める知識人らの党・政府批判の動きが相次いでいる。
 市民レベルでも家屋強制撤去などに対し政府を訴える動きも多く、報道ベースでは1990年から2007年までの行政訴訟件数は128万件に達している。
(セン=土へんに川)

◎中国:出稼ぎ「農民工」2000万人失職(2009年2月2日、毎日新聞)
 【北京・大塚卓也】中国共産党は2日、農村から沿海地区などの都市部に出稼ぎに出る「農民工」約1億3000万人のうち、15%強の約2000万人が金融危機による工場閉鎖などで失職したとの推計を明らかにした。失職した農民工の大半は、先月25日に始まった春節(旧正月)を待たずに帰郷したとみられる。失業が長引けば社会不安に結びつきかねないため、党中央は全国の党・行政機関に雇用対策を強化するよう指示した。
 党中央農村工作指導小組弁公室の陳錫文主任は記者会見で、農民工は平年でも600万~700万人増加しており、今年は失職した農民工を合わせ2500万人前後の雇用圧力があると説明した。農民が起こす暴動や抗議行動は、土地の強制収用や環境汚染などが主な原因となっていたが、「失業が新たな要因になる可能性がある」と危機感を示した。

◎中国、旧正月の小売売上高13.8%増、増加率は2.2ポイント低下(2009年2月2日、日本経済新聞)
 中国商務省が発表した春節(旧正月)休暇(1月25~31日)期間の小売売上高は2900億元(約3兆8000億円)で、前年比の増加率は2008年実績より2.2ポイント低い13.8%だった。春節商戦は中国サービス業のかき入れ時。関係者の間では、景気減速が鮮明になる中でも小売売上高は堅調で、個人消費の底堅さを示しているという分析も出ている。
 品目別では食品(23%増)や飲料(17.5%増)のほか、出稼ぎ労働者が帰省した内陸部を中心に家電(17.8%増)販売も伸びた。「食品などの価格が急上昇した昨年からの物価下落分を考えると、売上高の伸びの鈍化ペースは思いのほか小さかった」(外資系証券)との見方が広がっている。
 もっとも、中国消費をけん引する上海市の小売売上高は8.4%と一ケタ増にとどまった。「春節商戦がこの程度では今後の販売動向が心配」(上海の小売関係者)との声も出ている。上海では、マンションや自動車など高額商品の売れ行きも鈍っているようだ。

◎失業・帰郷の中国「民工」2千万人に、共産党幹部が推計(2009年2月2日、読売新聞)
 【北京=佐伯聡士】中国共産党の陳錫文・中央農村工作指導グループ弁公室主任は2日の記者会見で、全国約1億3000万人の「民工」(農村からの出稼ぎ労働者)のうち、景気後退による工場閉鎖などで失業し、帰郷した人が約2000万人にのぼるとの推計を明らかにした。
 今年新たに増加する見通しの民工を加えて、約2500万人の雇用の受け皿が必要になるという。
 陳主任はまた、土地収用や環境汚染、強制立ち退きなどが、従来から暴動など官民衝突の主な要因になっていると指摘したうえで、今年は民工の失業問題が、社会の安定を左右する新たな要因になるとの見方を示した。
 中国では、春節(旧正月)明け以降も民工の大量失業状態が長引けば、社会不安につながりかねないとして、「2月危機」が懸念されている。

◎中国:三鹿前会長が控訴、粉ミルクメラミン汚染で無期懲役(2009年2月2日、毎日新聞)
 新華社電によると、有害物質メラミンで汚染された粉ミルクを製造したメーカー、三鹿集団(河北省石家荘市)の前会長、田文華被告は1日、無期懲役などの1審判決を不服として、河北省高級人民法院(高裁)に控訴した。1審の石家荘市中級人民法院(地裁)は1月、田被告に劣悪品生産販売罪で、無期懲役と約2470万元(約3億2500万円)の罰金を言い渡した。

◎電池交換したばかり? 携帯電話が爆発、男性死亡、中国(2009年2月1日、朝日新聞)
 【広州=小林哲】広州日報によると、広州市中心部のパソコン店で30日夜、20代の男性店員の左胸ポケットに入れてあった携帯電話が爆発、男性は死亡した。携帯電話の電池を新品に交換したばかりだったといい、警察が電池を製造したメーカーの特定などを急いでいる。中国では、携帯電話の爆発事故がしばしば起きている。

◎鳥インフルエンザ死者相次ぐ、警戒強める中国(2009年1月31日、朝日新聞)
 【広州=小林哲】中国で鳥インフルエンザ(H5N1型)のヒトへの感染が広がっている。公表された感染者は今年になって7人、うち5人が死亡し、すでに昨年の死者数を上回った。中国政府は「感染拡大の兆候はない」としているが、旧正月(春節)を故郷で過ごした人たちのUターンラッシュが始まり、警戒を強めている。
 今年最初に死者が出たのは北京。昨年末に市場で買ったアヒルを調理した女性(19)が発熱や呼吸困難を起こし、入院先で5日に死亡した。その後も17日に山東省済南の女性(27)▽20日に湖南省懐化の病院に入院中の貴州省の男性(16)▽23日に新疆ウイグル自治区ウルムチの女性(31)▽26日に広西チワン族自治区の男性(18)と死亡が相次ぎ、3週間余りで昨年1年間の4人を上回った。
 かつてない速いペースでの死者の増加に中国政府は警戒を強める。国営新華社通信は、「現在の感染は散発的」「大規模で爆発的な感染が起きる証拠はない」などとする専門家の意見を紹介。ヒトからヒトへの感染拡大でないことを強調して、国内外に広がる不安を打ち消そうとしている。
 中国中央テレビも、死者が出るたびに情報を詳しく報じている。各地で緊急対応措置が発動され、専門家チームが感染者と接触した人を特定し、発熱などの症状が出ていないか7日間様子を見ていることなどが伝えられている。
 政府は、春節明けを前に多くの人が都会に戻るのに備え、原因不明の肺炎患者が出た場合に医療機関に報告の徹底を求めるなど、対策を強化する。
 ただ中国には感染源になりうるアヒルやニワトリを飼う農家が多く、感染の危険性が元々高い。感染の約8割が冬から春(11月~3月)に集中しており、増加は避けられそうにない。陳竺・衛生相も「今はヒトへの感染が多発する季節で、感染防止は厳しい状況にある」と散発的な感染が続くことを認めている。
 ヒトへの感染が続けば、やがてウイルスが進化してヒトからヒトに感染するタイプが現れる可能性がある。万一、人口が密集する都市部でウイルスが広まれば、一気に流行する危険が高い。
 大流行(パンデミック)を防ぐには、発症初期に患者を隔離するなど感染の封じ込めが欠かせない。だが、北京で死亡した女性の場合、病室などで家族や医療関係者116人が二次感染の危険にさらされるなど当局の対応に不安が残った。
 現地紙によると、女性は地元の医院で「風邪」「肺炎」などと診断されて転院を繰り返し、家族に鳥インフルエンザ感染の疑いが告げられたのは発症から11日後の死亡前日だった。中国のある医療当局者は「患者側が医療費の負担を心配して症状が重くなるまで受診しないことや、高額な検査を受けたがらないことが多く、感染確認が遅れることはあり得る」と認める。

◎中国製ギョーザ中毒:事件から1年、冷食不振が長期化、中国産排除、コスト増追い打ち(2009年1月29日、毎日新聞)
 中国製冷凍ギョーザによる中毒事件から1年。消費者の中国製食品離れの影響で、国内冷食各社の販売不振は長期化の様相だ。「安全安心」の向上のため、一部企業では材料調達や生産を「国内回帰」させているほか、原産地表示を厳格化する動きも出始めた。
 問題のギョーザを開発・販売した日本生活協同組合連合会(日生協)では昨年4~12月の冷凍食品の売上高が前年に比べ5%減。特に中国製は8割減だった。輸入したジェイティフーズも、昨年4~9月の家庭用冷凍食品の売上高は6割減。夏場は回復基調だったが「有害物質メラミンの混入などで中国産への不信が増幅し、再び厳しい状況」という。
 財務省の貿易統計では、中国製食品の輸入量は中毒事件以後、前年割れが続き、ギョーザを含む穀物類は昨年10~11月にかけ落ち込み幅が拡大している。
 消費者の中国食品離れで、日生協は自社のギョーザのうち中国製3品目を製造中止し国内産4品目に絞った。日本水産も中国での生産の一部を山形県の子会社などにシフト。原材料を国内産に切り替える企業も目立つ。
 ただ、メーカーにとって国内回帰はコスト増に直結する。味の素冷凍食品は2月に「ギョーザ(12個入り)」をリニューアルするが、原料のキャベツをすべて国産に切り替えるため、店頭想定価格は320円から360円に上がる。日生協のギョーザも最も割安な商品で比較すると国産は中国製より約3割高い。「中国なしでは成り立たない」(日水)との指摘もある。
 景気悪化に伴う節約志向で、消費者の選別の目は厳しくなっているが、味の素は「価格に見合った安心感を提供できれば評価されるはず」と話している。【森禎行】

◇産地自主表示の動きも
 冷凍食品離れの背景には「何が入っているか分からない」という消費者の不安感もある。現行のJAS(日本農林規格)法は、多くの加工食品について原材料の原産地表示を義務づけていないからだ。農林水産省は見直しを進めているが、業界では自主的な表示に踏み切る動きもある。
 同法が原材料の原産地表示を義務づけている加工食品は、乾燥した魚介類など加工度の低い一部の品目だけ。その他は最終加工地だけを表示すればいい。農水省は対象品目の拡大などを検討しているが、同省が昨秋実施したアンケートでも原材料の原産地表示に賛成する人が8割に上った。また、東京都は、今年6月から国内で製造された家庭用冷凍食品すべてに原料原産地表示を義務付ける。
 一方、問題のギョーザを輸入したジェイティフーズは昨年6月からほとんどの加工食品について原料の原産地を表示。親会社の加ト吉も来月から順次、表示に踏み切る方針だ。
 原材料の調達先が多岐にわたり、表示しきれないケースもある。このため、ニチレイ子会社のニチレイフーズは昨年4月から一部の製品にQRコード(二次元バーコード)をつけ、携帯電話を使って原産地情報を読み取れるようにした。
 ただ、原材料の調達先は季節によって変わるケースなどもあり、今後は表示の煩雑化やコストの増大が課題になりそうだ。【工藤昭久、森禎行】

◎中国、春節にネット規制強化、閉鎖次々、体制批判牽制も(2009年1月27日、朝日新聞)
 【北京=坂尻顕吾】26日に春節(旧正月)を迎えた中国で、当局がネット規制を強めている。風紀改善のための「特別キャンペーン」として、サイトの閉鎖やわいせつ画像などの削除を次々に進めている。今のところ取り締まり対象は「低俗な内容」に限っているが、ネット上での民主化要求や体制批判への牽制(けんせい)も狙っている様子がうかがえる。
 キャンペーンは国務院(政府)新聞弁公室や公安省、文化省など7部門合同で5日から始まった。春節明けまでの1カ月を集中取り締まり期間と位置づけている。新聞弁公室が23日現在で公表したデータによると、すでに1250サイトを閉鎖、330万本余りのわいせつ情報を削除した。公安省は未成年者保護法違反などで61件を立件し、41人を逮捕したという。
 閉鎖したサイト名は公表していないが、中国政府は今月上旬から別途、「低俗サイト」と名付けたリストを数回にわたって公表。大半は国内サイトが、中には米検索大手「グーグル」なども含まれ、「画像検索が多数のわいせつサイトにリンクしている」などと指摘していた。新聞弁公室の劉正栄ネット担当副局長は23日、「低俗サイトが青少年に及ぼす影響を純粋に考えたキャンペーンであり、それ以外の目的はない」と訴えた。
 一方、中国では先月9日、作家や弁護士らが「08憲章」と題した民主化要求案をネットに公表。今月12日には国営テレビを「洗脳番組」とした視聴拒否宣言が出るなど、知識人らの共産党や政府に対する批判が相次いでいる。当局が規制を強めている背景には「当局がネット監視に力を入れていることを印象づける」(党関係者)という狙いもあるようだ。

◎中国、アフリカ援助拡大(2009年1月26日、産経新聞)
 26日の新華社電によると、中国の陳徳銘商務相はこのほど対アフリカ援助を今後も拡大していく考えを示した。特に病院、学校、体育館などのインフラ整備が重点。
 今年の対アフリカ援助の規模は2006年の2倍となり、既に22カ国と33の事業について優遇借款の供与で合意しているという。

◎北京市の人口1695万人、4分の1が出稼ぎ労働者ら(2009年1月26日、産経新聞)
 26日の新華社電によると、北京市統計局は2008年末、同市の常住人口は前年末より62万人増え、1695万人となったと明らかにした。全人口の4分の1が外部からの出稼ぎ労働者やその家族という。

◎回収ギョーザ、20社に転売、省当局仲介か 新華社報道(2009年1月26日、朝日新聞)
 【北京=坂尻顕吾】昨年1月に日本で発覚した中国製冷凍ギョーザ中毒事件で、製造元の天洋食品(中国河北省石家荘市)が回収したギョーザが昨年4月、河北省内の約20社に売り渡されていたことを新華社通信(英語版)が24日夜、伝えた。
 新華社電は、国有企業を監督する同省国有資産管理監督委員会の当局者らの話として、承徳鋼鉄で男性1人が会社から配布された天洋の回収ギョーザを食べ体調不良を訴えたこと、唐山鋼鉄では天洋のギョーザを食べた社員に食中毒がなかったことを明らかにしている。
 これら鉄鋼メーカー2社はいずれも天洋と同じく省内の国有企業。同委が苦境にある天洋の支援策として回収ギョーザの購入を仲介したものとみられている。
 事件をめぐっては昨年7月初旬、中国側が「回収ギョーザを食べた4人が6月中旬、健康被害を起こした」と日本側に通報していたが、関係者によると、この被害は承徳鋼鉄で起きたものだった。

◎中国:鳥インフルエンザ感染6人目、うち4人死亡(2009年1月26日、毎日新聞)
 【北京・浦松丈二】中国衛生省は25日、貴州省貴陽市の男性(29)が鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染し、重体となったと発表した。中国国内での感染者は今年に入って6人目、うち4人が死亡している。この男性は発病前に市場で生きた家禽(かきん)に触れたことがあるという。

◎中国製ギョーザ中毒:昨年4月、河北省の20社が購入、事件後、天洋の回収分(2009年1月26日、毎日新聞)
 【北京・浦松丈二】中国製冷凍ギョーザの中毒事件で、中国国営・新華社通信(英語版)は24日、製造元の天洋食品(河北省石家荘市)が事件後回収したギョーザについて、河北省の企業約20社が昨年4月に購入していたと報じた。25日付の中国各紙はこの記事を掲載しておらず、日本向けに事実関係を説明する狙いとみられる。また、同省当局者は、承徳鋼鉄が配布したギョーザを食べた男性従業員1人が体調不良を訴えたが、病院に行かずに回復したと明らかにした。一方、同じように配布された唐山鋼鉄では食中毒は発生していないとしている。
 関係者によると、同省当局が経営難に陥った天洋食品を救済するため、地元企業にギョーザ購入を指示していた。当時、中国側は「中国国内で毒物が混入した可能性は極めて低い」との見解を示しており、輸出前に回収された製品は安全だと判断していたという。

◎中国製ギョーザ中毒:中国当局、冷凍庫管理者を拘束、天洋の数人、長期に(2009年1月25日、毎日新聞)
 【北京・浦松丈二】中国製冷凍ギョーザによる中毒事件で中国公安当局が、製造元の「天洋食品」(河北省石家荘市)の工場内の冷凍庫を管理する従業員が殺虫剤メタミドホスを製品に混入したとの見方を強め、従業員数人を長期間拘束して事情を聴いていることが分かった。事情に詳しい同社関係者が24日証言した。
 関係者によると、中国公安省と河北省公安当局でつくる捜査チームは、同社社員100人余りと工場の臨時工数百人らから聞き取りを実施。日本でメタミドホスが検出されたギョーザの製造日と出勤記録などから、冷凍庫周辺で製品にメタミドホスが混入された可能性が高いと判断した。事件前にメタミドホスを扱った経験を持つ関係者が複数いることも明らかになった。
 事情聴取は同社関係者のなかで(1)会社側と過去にトラブルを起こした(2)冷凍庫のカギを開けられる(3)メタミドホスに接触した経験がある--人物を対象に実施。疑いがぬぐい切れない複数の従業員が数カ月にわたって拘束されているという。
 公安当局と同社が懸賞金をかけて容疑者を追っているが、決め手となる情報は寄せられていないという。

◎天洋の回収ギョーザ、河北省が横流しを指示(2009年1月25日、読売新聞)
 【北京=佐伯聡士】昨年1月の中国製冷凍ギョーザ中毒事件で製造元の「天洋食品」(河北省石家荘市)が回収・保管していたギョーザが、複数の鉄鋼メーカーに大量に横流しされた問題で、同社など国有企業を監督する河北省の政府部門「国有資産監督管理委員会」が「安全」と判断し、メーカーに横流しを指示していたことがわかった。
 同委関係者が24日明らかにした。
 同委関係者は本紙に対し、「長い間、ギョーザは密封保存されていたが、我々が検査した後、安全だという結論が出た」と語った。昨年1月の事件後、日本に輸出できなくなり、経営難に陥った天洋食品を救済するため、同委が監督下にある大型国有企業「河北鋼鉄集団」に買い上げさせ、集団傘下の「承徳鋼鉄」などに配布させたとみられる。
 一方、新華社通信は24日、河北省内の約20社が昨年4月、天洋食品の回収ギョーザを購入したと報じ、幅広い横流しの事実を認めた。また、同省当局者が「承徳鋼鉄の男性従業員1人が配布されたギョーザを食べた後、不調を訴えた」ことを明らかにしたと報じた。中国当局が新華社を通じ、国内での事件の具体的内容を公式に明らかにするのは初めて。

◎中国でコピー商品続々、変種ロゴ「NOKLA」「SUNY」(2009年1月25日、読売新聞)
 【香港=竹内誠一郎】携帯電話などの盗作版を意味する「山寨(さんさい)」という言葉が、中国で広まっている。
 海外から知的財産権保護の遅れを非難される中国当局は取り締まりに躍起だが、「山寨文化」という言葉まで生まれる社会現象にまで発展し、根絶は容易ではない。春節(旧正月)前夜の25日には、中央テレビの国民的番組「春節聯歓晩会」(春晩)の模倣版「山寨春晩」まで北京で行われた。
 「山寨」とは本来、中国の王朝に抵抗した盗賊が立てこもった山中の城塞(じょうさい)の意味。これが広東省を中心に、違法商品を製造する地下工場を指す用語となった。コピー商品は「山寨機」と呼ばれる。
 全国の「山寨機」の生産拠点、広東省深センの電器街では、米アップル社の「iPhone」の完全コピーや、「NOKIA」を「NOKLA」に、「SONY」を「SUNY」とロゴを変えた機種がずらりと並ぶ。機能は本物とほぼ変わらず、価格は5分の1。新商品の登場からわずか1~2か月でコピーを生み出すゲリラ的商法が、昔の盗賊の姿と重なり合ったとされる。
 香港誌「亜洲週刊」によると、「山寨機」は年間1億台以上が生産され、海外の大手携帯メーカーだけでなく、中国政府も付加価値税収入だけで178億元(2300億円)の損失を被ったとされる。当局はこの2年間、取り締まりを強化したが、大きな効果は上がっていないという。
 携帯電話のカメラに外付けの望遠レンズなど、高機能を搭載しながらも低価格というだけでなく、偽物が醸し出す反権威の雰囲気に大衆は喝采(かっさい)を送る。昨年から、「山寨」はパロディー的要素も加わった言葉として急速に広まり、ネットでは、人気歌手周傑倫(ジェイ・チョウ)さんの「山寨版(そっくりさん)」が登場。「ノーベル賞」にさえ、山寨版が出てきた。
 その中で、四川省出身の施孟奇さん(36)が提唱した企画が「山寨春晩」だ。さすがに、中央テレビの看板番組の模倣には批判が相次ぎ、「山寨春晩」組織委員会関係者によると、これまでテレビ各局の撤退、会場の使用許可取り消しなどが相次いだ。最終的には当初の計画を大幅に縮小して、マカオのテレビ局が放映を引き受けた。
 中国国内では「低俗。中国の恥」というコピー文化への批判もあるが、「山寨文化」は大衆社会の開き直りでもある。施さんは「山寨とは一言で言えば民間文化。コピーもあればパロディーもあり、中国が多様である証拠」と話している。

◎中国製ギョーザ:冷凍庫管理者数人を長期に拘束、中国当局(2009年1月25日、毎日新聞)
 【北京・浦松丈二】中国製冷凍ギョーザによる中毒事件で中国公安当局が、製造元の「天洋食品」(河北省石家荘市)の工場内の冷凍庫を管理する従業員が殺虫剤メタミドホスを製品に混入したとの見方を強め、従業員数人を長期間拘束して事情を聴いていることが分かった。事情に詳しい同社関係者が24日証言した。
 関係者によると、中国公安省と河北省公安当局でつくる捜査チームは、同社社員100人余りと工場の臨時工数百人らから聞き取りを実施。日本国内でメタミドホスが検出されたギョーザの製造日と出勤記録などから、工場の冷凍庫周辺で製品にメタミドホスが混入された可能性が高いと判断した。また、事件前にメタミドホスを扱った経験を持つ関係者が複数いることも明らかになった。
 事情聴取は同社関係者のなかで(1)会社側と過去にトラブルを起こした(2)冷凍庫のカギを開けられる(3)メタミドホスに接触した経験がある--人物を対象に実施。捜査過程で疑いがぬぐい切れない複数の従業員が数カ月にわたって拘束されているという。
 事件では、公安当局と同社が合計65万元(約850万円)の懸賞金をかけて容疑者を追っているが、容疑者特定の決め手となる情報は寄せられていないという。一方、当局が内部犯行の見方を強めていることについて、同社社員は「捜査の方向が間違っているのではないか」と疑問視している。

◎中国製ギョーザ、省政府が横流し斡旋、新たな中毒も(2009年1月25日、産経新聞)
 【北京=矢板明夫】昨年1月に発覚した中国製冷凍ギョーザによる中毒事件後、製造元の国有企業「天洋食品」(河北省石家荘市)が売れ残った大量のギョーザを、地元政府の斡旋(あっせん)で同省内の鉄鋼工場に横流しし、新たな中毒事件を引き起こしていたことが24日までに分かった。「中国国内での毒物混入はない」と断定した中国当局の発表を信用したためで、同省関係者もギョーザを食べた従業員も危険性について認識していなかったようだ。
 河北省の国有企業幹部によると、日本との取引を中止され経営難に陥った天洋食品を救済するため、地元の国有企業を管轄する同省国有資産管理監督委員会は、同じ国有企業の同省鉄鋼グループに対し、売れ残った10万食以上のギョーザの購入を持ちかけた。ギョーザは同グループ傘下の唐山、承徳、張家口など各地の子会社で無料配布されたが、それを食べた複数の従業員が下痢や嘔吐(おうと)などの中毒症状を訴えたという。
 国営新華社通信は24日夜、天洋食品が回収したギョーザを昨年4月に同省の企業約20社が購入したと報じた。一方で、同ギョーザを食べて重い中毒症状を訴えたケースはないとする当局者らの見解も伝えた。
 だが、「唐山鉄鋼」の50代の男性従業員は産経新聞に、「昨年5月ごろに会社からギョーザを数袋もらったが、同僚の中にギョーザで体調を崩し入院した人もいたため、しばらくして回収された」と証言した。
 日本での中毒事件は中国でも報道されたが、中国公安省は昨年2月に記者会見で、「中国国内での毒物混入」を否定したため、「日本での混入説」はほぼ既成事実として中国で認識された。多くの中国メディアは「工場内の安全管理に問題なし」として、天洋食品を事件の被害者のように報じたため、一般市民からも同情が集まっている。横流しを斡旋した地元政府は、ギョーザの危険性についてまったく認識していなかったと関係者は証言した。工場周辺では、いまだに「日本人犯人説」が独り歩きしているのが現状だ。
 【中国製ギョーザ中毒事件】 2007年12月から08年1月にかけて、中国河北省石家荘市の天洋食品が製造した冷凍ギョーザを食べた千葉、兵庫両県の3家族計10人が食中毒となり、製品から有機リン系殺虫剤メタミドホスを検出。中国側は中国での故意の混入を一貫して否定してきたが、中国でも中毒被害が発生。事件の真相は依然、解明されていない。

◎鳥インフルで09年4人目の死者、中国(2009年1月24日、日本経済新聞)
 【北京=尾崎実】中国衛生省は24日、鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に感染した新疆ウイグル自治区ウルムチ市の女性(31)が23日に死亡したと発表した。中国での鳥インフルエンザによる死者は今年4人目。同省によると、女性は10日に発病した後、病状が悪化し入院治療を受けていた。発病前、市場で生きた家禽(かきん)と接触していた。

◎天洋食品回収のギョーザ、中国鉄鋼メーカーに大量横流し(2009年1月24日、読売新聞)
 【北京=佐伯聡士、牧野田亨】昨年1月、日本で発覚した中国製冷凍ギョーザ中毒事件で、製造元の天洋食品(河北省石家荘市)により回収・保管されていたギョーザが、河北省唐山市の「唐山鋼鉄」など複数の鉄鋼メーカーに大量に横流しされ、同年4~6月ごろ、従業員やその家族らが食べていたことが23日、関係者の話で分かった。
 また、別の関係者は、中国国内で6月に起きた中毒事件の被害者が、同省承徳市の「承徳鋼鉄」の関係者4人であると明らかにした。4人は横流しされたギョーザを食べたものとみられ、中毒事件発覚後もギョーザが広範囲に出回るという、ずさんな管理実態が浮き彫りになった。
 唐山鋼鉄従業員によると、冷凍ギョーザは昨年5月ごろ、会社から「福利厚生の一環」として無料配布された。対象は、正規従業員7000~8000人のうち夜勤者が中心で、日本で中毒事件が発覚し、輸出が禁止された天洋食品製「中華deごちそう ひとくち餃子」が2~4袋ずつ配られた。
 唐山市で本紙が確認した製品の包装デザインは黒色が基調で、事件当時公表された赤色基調のものとは異なる。輸入元企業の親会社の日本たばこ産業(JT)によると、黒色の商品は高級感を出すためデザインを刷新したもので、昨年2月から発売する予定だったが、事件発覚で日本国内には出回らなかったという。
 記載された賞味期限「2009年4月6日」から逆算すると、製造日は昨年1月6日で、天洋食品が保管していたものとみられる。多くの従業員がギョーザを食べたとみられるが、中毒など健康被害は伝えられていない。同省邯鄲(かんたん)市の「邯鄲鋼鉄」でも、昨年4~6月ごろ、2~3袋ずつ配布された。系列病院の職員を含め、約3万人に配られたという証言もある。
 一方、承徳鋼鉄従業員によると、ギョーザは「ひとくち餃子」で、昨年5月ごろ、同社周辺に4か所ある従業員食堂で販売され、購入者が列を作ったという。だが、1、2か月後、会社が突然、残っているギョーザの回収を開始。会社側からは、中毒患者発生などの説明はなかったという。
 中国筋によると、中国では、経営不振の企業などの救済策として、在庫品を低価格で他の企業などが買い取り、従業員に配布する行為が少なくないという。
 JT・IR広報部は、天洋食品製造のギョーザの所有権について、日本に輸出され、通関に合わせてJT側に移る契約だったと説明。中国国内での横流しに関して、「非常に遺憾。天洋食品と接触できないため、打つ手がない」と話している。

◆中国製冷凍ギョーザ中毒事件=千葉、兵庫両県の3家族10人が07年末から08年1月にかけ、天洋食品製造のギョーザで中毒症状になった事件。ギョーザから有機リン系殺虫剤メタミドホスが検出されたが、中国側は同年2月末、「原料、生産工程、輸送過程でメタミドホスが混入された状況は見つかっていない」との見解を公表。だが、6月中旬、中国河北省で4人が天洋食品のギョーザを食べ、中毒を起こしたことから、中国国内での混入の可能性が強まっていた。

◎中国製ギョーザ中毒:回収ギョーザ、河北省が横流し指示、昨年、天洋食品救済で(2009年1月24日、毎日新聞)
 【北京・浦松丈二】中国製冷凍ギョーザによる中毒事件で、製造元の「天洋食品」(河北省石家荘市)が回収、保管していたギョーザ約15万食が08年4~6月にかけて複数の地元国有企業に横流しされていたことが分かった。複数の関係者が24日明らかにした。同省唐山市の「唐山鋼鉄」従業員が同5月にこのギョーザを食べて中毒症状を訴え、病院に運ばれていた。横流しは、地元政府機関が経営難に陥った天洋食品の救済のため国有企業に購入を指示したもので、改めて食の安全をめぐる中国のずさんな管理が浮き彫りになった。
 唐山鋼鉄では同5月ごろ、会社側から福利厚生として従業員や家族らに天洋食品製「中華deごちそう ひとくち餃子」が数万袋の規模で無料配布された。中国では08年1月に日本で発覚した同社製の中毒事件が大きく報道されておらず、従業員らは危険性を知らされずに食べたとみられる。
 関係者によると、地元国有企業を監督する河北省国有資産監督管理委員会が唐山鋼鉄の親会社、河北鋼鉄集団側に冷凍ギョーザの購入を指示。同集団を通じて複数の傘下製鉄会社の従業員に無料配布、または販売された。
 日本政府は事実関係を中国側に問い合わせているが、中国側は「把握していない」と確認を避けている。
 中国では同6月にも同社製の冷凍ギョーザを食べた4人が中毒になった。関係者によると、この4人も河北鋼鉄集団の傘下の「承徳鋼鉄」(同省承徳市)の関係者だという。
 横流しされたギョーザは日本で中毒事件が発覚する直前まで天洋食品で製造していたギョーザと同じ製品であり、安全性は確認されていなかったという。

◎中国製ギョーザ:河北省指示で天洋食品分横流し、中毒発生(2009年1月24日、毎日新聞)
 【北京・浦松丈二】中国製冷凍ギョーザによる中毒事件で、製造元の「天洋食品」(河北省石家荘市)が回収、保管していたギョーザ約15万食が08年4~6月にかけて複数の地元国有企業に横流しされていたことが分かった。複数の関係者が24日明らかにした。同省唐山市の「唐山鋼鉄」従業員が同5月にこのギョーザを食べて中毒症状を訴え、病院に運ばれていた。横流しは、地元政府機関が経営難に陥った天洋食品の救済のため国有企業に購入を指示したもので、改めて食の安全をめぐる中国のずさんな管理が浮き彫りになった。
 唐山鋼鉄では同5月ごろ、会社側から福利厚生として従業員や家族らに天洋食品製「中華deごちそう ひとくち餃子」が数万袋の規模で無料配布された。中国では08年1月に日本で発覚した同社製の中毒事件が大きく報道されておらず、従業員らは危険性を知らされずに食べたとみられる。
 関係者によると、地元国有企業を監督する河北省国有資産監督管理委員会が唐山鋼鉄の親会社、河北鋼鉄集団側に冷凍ギョーザの購入を指示。同集団を通じて複数の傘下製鉄会社の従業員に無料配布、または販売された。
 日本政府は事実関係を中国側に問い合わせているが、中国側は「事実関係を把握していない」と確認を避けている。
 中国では同6月にも同社製の冷凍ギョーザを食べた4人が中毒になった。関係者によると、この4人も河北鋼鉄集団の傘下の「承徳鋼鉄」(同省承徳市)の関係者だという。
 横流しされたギョーザは日本で中毒事件が発覚する直前まで天洋食品で製造していたギョーザと同じ製品であり、安全性は確認されていなかったという。

◎「日本の“中古品”なぜ」回収ギョーザ中毒で怒る従業員(2009年1月24日、産経新聞)
 中国河北省唐山市の鉄鋼メーカー、唐山鋼鉄で昨年4~5月に配布された天洋食品(同省石家荘市)製のギョーザは、食べた一部の従業員が中毒症状を起こしたが、ほかの多数の従業員は「日本で中毒を起こした“中古品”をなぜわれわれに食べさせるんだ」と懸念し、封も切らずに廃棄していた。
 昨年1月末に日本で事件発覚後、中国公安省は2月末に中国国内での混入の可能性を否定していた。今回発覚した無料配布は、6月の中国での中毒事件で国内混入が決定的になる前。天洋食品を監督する河北省国有資産監督管理委員会は「安全」と判断、監督下の企業に配布させたが、従業員らは当初から「危険性」を感じていたようだ。
 配布を受けた従業員の中には「食べた。結構おいしかった」(男性従業員)と話す人が半数程度いる一方で、「もらってすぐに捨てた。中毒事件で回収されたギョーザでしょ」(女性従業員)と安全性を疑問視する声もあった。
 また、別の女性従業員は「なぜ日本のお古を中国人が食べなくてはいけないのか。日本人は中毒になるけど、中国人なら大丈夫ということか」と不快感を隠さなかった。

◎中国・天洋食品、回収ギョーザ大量横流し(2009年1月24日、日本経済新聞)
 【石家荘(中国河北省)=尾崎実】昨年1月に千葉、兵庫で被害を出した中国製冷凍ギョーザ中毒事件で、製造元の天洋食品(中国河北省)が回収したギョーザが同年6月までに、河北省の複数の鉄鋼メーカーに大量配布され、製品を食べた一部の従業員や家族が中毒症状を訴えていたことが24日、関係者の話で分かった。食品安全問題を巡る中国側のずさんな管理体質が改めて浮き彫りになった。
 日本での事件後、天洋食品が回収・保管した製品が再び出回り、中国国内で4人が有機リン系殺虫剤メタミドホスによる中毒被害を受けたことが既に判明しているが、「横流しルート」が具体的に明らかになった。中国公安当局は一連の事件について解明を進めているが、配布は地元政府が指示したとみられる。
 複数の関係者によると、問題のギョーザを従業員らに配布したのは、いずれも河北省に本社を置く唐山鋼鉄、邯鄲鋼鉄、承徳鋼鉄の3社。天洋食品側から300万元(約4000万円)相当の製品を分配された。昨年6月上旬、唐山鋼鉄と邯鄲鋼鉄は従業員らに製品を無料で配布。承徳鋼鉄は社員食堂で販売した。

◎被害者90%が賠償受け入れ 中国汚染粉ミルク事件(2009年1月24日、産経新聞)
 23日の中国中央テレビによると、中国乳製品工業協会は、有害物質メラミンが混入した汚染粉ミルク事件で、被害に遭った乳幼児の約90%に当たる26万2600人余りの患者の遺族や家族がメーカー側から賠償金を受け取ったことを明らかにした。
 中国衛生省の調査では、これまでに29万人以上が腎臓結石などにかかり、うち6人が死亡。工業協会は死亡者や連絡が取れた891人の重症者のうち、2人の家族らを除いて賠償を受け入れたとしている。同テレビは軽症者の詳しい受け取りの状況は伝えていない。
 賠償金額は死亡者が20万元(約260万円)、重症者が3万元、軽症者が2000元とされ、家族らから「低額すぎる」と批判が出ていた。

◎中国粉ミルク汚染:メラミン粉販売業者に死刑、地裁(2009年1月23日、毎日新聞)
 【北京・浦松丈二】新華社通信によると、中国で化学物質メラミンが混入された粉ミルクを飲んだ乳幼児が腎臓結石になった事件で、河北省石家荘市中級人民法院(地裁)は22日、メラミンの粉末を製造販売した業者1人に死刑、仲間の業者1人に無期懲役の判決を、また、最大の被害者を出した「三鹿集団」(破産)の元董事長兼総経理(会長兼社長)の田文華被告に無期懲役の判決を言い渡した。業者2人は、生乳のたんぱく質含有量を多く見せかけるためメラミンを混ぜた「たんぱく粉」を酪農家に売り、公共安全危害罪に問われた。

◎メラミン混入犯3人に死刑判決、中国・汚染粉ミルク事件(2009年1月22日、産経新聞)
 【石家荘(中国河北省)=矢板明夫】中国国営新華社通信によると、有害物質メラミンが混入した粉ミルクを飲んだ乳幼児ら29万人以上に被害が出た事件で、河北省石家荘市の中級人民法院(地裁)は22日、メラミンを混入したとして公共安全危害罪などに問われた元酪農業者、張玉軍被告ら3人に死刑(うち1人は執行猶予2年付き)、同市の乳製品メーカー「三鹿集団」の前会長、田文華被告ら3人に無期懲役を言い渡した。他の被告6人は懲役15~5年の実刑判決を受けた。
 2008年9月、中国甘粛省で同社の粉ミルクを飲んだ乳児が相次いで腎臓結石にかかったことで事件が発覚。その後、同社など22社の粉ミルクや牛乳へのメラミン混入が判明した。健康被害は、邦人を含む乳幼児ら約29万6000人に広がり、うち6人が死亡した
 地元検察当局によると、張被告は07年~08年8月、水を入れて量を増やした牛乳のタンパク質含有量を高くみせかけるため、メラミンを混入した物質約776トンを製造。うち600トン余りを牛乳業者などに販売、三鹿集団も粉ミルクの原料に使っていた。同社はメラミンが検出された後も汚染粉ミルクの製造・販売を続け、被害が拡大した。
 中国外務省の姜瑜報道官は22日の定例記者会見で、「中国政府は食品の安全、品質を重視し、法に基づき厳正に処理してきた」と述べ、事件後、法整備を進め、食品の安全性に関する監督を強化してきたことを強調した。

◎中国の粉ミルク汚染、メラミン混入関与の業者に死刑判決(2009年1月23日、読売新聞)
 【北京=佐伯聡士】新華社電によると、中国で有害物質メラミンが混入された粉ミルクを飲んだ乳幼児が腎結石などにかかった事件で、河北省石家荘市中級人民法院(地裁)は22日、メラミン入り原料の粉を製造・販売などし、公共安全危害罪などに問われた業者2人に死刑、1人に執行猶予付きの死刑判決を言い渡した。
 粉ミルク汚染事件で判決が出たのは今回が初めて。
 また、事件の発端となった粉ミルクを製造し、劣悪品生産・販売罪に問われた同市のメーカー「三鹿集団」の田文華・前会長には無期懲役の判決を言い渡した。
 事件で健康被害が出た乳幼児は中国全土で約30万人に上っており、死刑判決は「食の安全」に対する不信感が国内外で強まる中、この問題を重視する姿勢を示す狙いがあるとみられる。
 業者は、メラミンが化学工業製品で食べてはいけないことを知りながら、牛乳中のたんぱく質含有量を多く見せるため、メラミン入りの粉を大量に生産・販売、生乳に混入させていた。三鹿集団も、メラミン混入を知っていながら、粉ミルクの生産・販売を停止せず、被害を拡大させたという。

◎中国:メラミン混入業者に死刑判決、「三鹿」元会長に無期(2009年1月22日、毎日新聞)
 【北京・浦松丈二】新華社通信によると、中国で化学物質メラミンが混入された粉ミルクを飲んだ乳幼児が腎臓結石になった事件で、河北省石家荘市中級人民法院(地裁)は22日、メラミンの粉末を製造販売した業者1人に死刑、仲間の業者1人に無期懲役の判決を、また、最大の被害者を出した「三鹿集団」(破産)の元董事長兼総経理(会長兼社長)の田文華被告に無期懲役の判決を言い渡した。
 業者2人は、生乳のたんぱく質含有量を多く見せかけるためメラミンを混ぜた「たんぱく粉」を酪農家に売り、公共安全危害罪に問われた。一方、田被告は昨年8月にメラミン混入を確認しながら政府に生産停止を命じられる9月まで生産、販売を続けていたことで劣悪製品生産販売罪に問われていた。

◎中国、9.0%成長に減速、08年、6年ぶりに1ケタ成長(2009年1月22日、日本経済新聞)
 【北京=高橋哲史】中国国家統計局は22日、2008年の国内総生産(GDP)が実質で前年に比べ9.0%増えたと発表した。中国の成長率が一ケタ台に落ち込んだのは2002年(9.1%)以来、6年ぶり。金融危機に端を発する世界経済の低迷で輸出の不振が鮮明になり、固定資産投資や生産活動が減速した。中国政府は内需拡大を通じて雇用と社会安定の維持に必要とされる「8%成長」の確保に全力を挙げる。
 08年10―12月期のGDP伸び率は前年同期比6.8%だった。
 07年のGDP伸び率は13.0%だったので、08年は4.0ポイント低下した。落ち込み幅は天安門事件が起きて7.2ポイントの急減速となった1989年以来、19年ぶりの大きさ。08年のGDPの規模が2年連続で米国、日本に次ぐ世界3位になったのは確実だが、1人当たりでみるとなお100位以下の低水準にとどまる。

◎中国GDP、10~12月6.8%、減速さらに強まる(2009年1月22日、朝日新聞)
 【北京=琴寄辰男】中国国家統計局が22日発表した08年10~12月の国内総生産(GDP)実質成長率は前年同期比6.8%だった。7~9月の9.0%からさらに減速し、01年10~12月の6.6%以来、7年ぶりの低成長となった。
 中国政府は「保八」(成長率8%維持)を掲げて内需拡大策に取り組むが、足もとでの大幅減速は強い逆風となる。世界経済の先行きにも影響を与えそうだ。
 08年の実質成長率は9.0%。6年ぶりに10%を下回り、13.0%に上方修正された07年から大きく減速した。名目GDP総額は30兆670億元(約391兆円)で、07年に続いて米国、日本に次ぐ世界3位を維持した。
 成長が一段と減速したのは、欧米向けを中心に輸出が落ち込んだためだ。10月こそ前年同月比19.2%増だったが、11月は同2.2%減と7年5カ月ぶりに前年同月を割り込んだ。12月も同2.8%減とマイナス幅はさらに広がった。11月以降、米国向け、欧州連合(EU)向けとも前年同月を割り込み、中継貿易の拠点である香港向けも同15%を超える減少が続く。
 輸出の減少は生産の大幅な調整を招いている。工業生産(年間営業収入500万元以上の企業)の前年同月比の伸びは10月に、旧正月の影響で比較できない1、2月を除くと約7年ぶりに10%を割り込み、11月には5.4%増と、94年に月次統計を取り始めて以来最低を記録した。
 内需では、企業の設備投資、建設投資などの固定資産投資が08年に25.5%増、消費動向を示す小売総額が08年に21.6%増で、足もとでも数字上は堅調。ただ、高額品の消費は伸び悩んでいる。

◎ギョーザ事件:捜査情報に懸賞金、中国当局と天洋食品(2009年1月21日、毎日新聞)
 【石家荘(中国河北省)浦松丈二】中国製冷凍ギョーザによる中毒事件で、中国公安当局と製造元「天洋食品」(河北省石家荘市)が合計65万元(約850万円)の懸賞金をかけて容疑者を追っていることが分かった。同社社員が17日証言した。
 懸賞金額は当地の物価水準では異例の高額。懸賞金は当初、公安当局が犯人逮捕につながる情報提供者に対して30万元の支払いを約束していたが、有力情報が集まらないため、同社工場長が最近、懸賞金に35万元を上乗せすることを社内の会議で約束した。
 同社工場は生産を停止しているが、正社員は捜査に協力するため出勤を命じられている。工場には月曜から金曜までほぼ毎日、捜査員7、8人が訪れ、製品のギョーザに接触できるなど条件を満たした社員を連行し、無実が完全に証明されるまで拘束し厳しく事情を聴いているという。

◎中国:鳥インフルエンザの死者3人目(2009年1月21日、毎日新聞)
 【上海・鈴木玲子】中国国営新華社通信によると、強毒性鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染し8日発病した貴州省の男子学生(16)が20日、湖南省の病院で死亡した。5日に北京市の女性(19)、17日に山東省の女性(27)が死亡。今年に入り中国での鳥インフルエンザによる死者は3人目となった。
 一方、20日付の中国紙「第一財経日報」は、鳥インフルエンザで重体の山西省の女児(2)の母親が6日ごろ「重症肺炎」で死亡していたと報じた。親子ともニワトリとの接触があったとされ、鳥インフルエンザによる死亡の可能性もある。

◎中国:共産党部長、招請受け平壌へ(2009年1月21日、毎日新聞)
 【北京・西岡省二】中国国営新華社によると、中国共産党の王家瑞・対外連絡部長が21日夜、北朝鮮の朝鮮労働党の招請を受け、平壌へ向かった。王部長は北朝鮮の最高指導者、金正日(キムジョンイル)総書記との親交が深く、健康状態が回復基調にあると伝えられる総書記との会見が実現する可能性が強い。
 金総書記が会見すれば昨年8月に脳卒中で倒れて以来、初めての外国高官との面会となる。
 王部長は、26日からの春節(旧正月)を前にした胡錦濤総書記(国家主席)のメッセージを北朝鮮側に伝達し、中朝国交樹立60周年関連行事などについて協議するとみられる。
 王部長は04、05、08年も春節に合わせて訪朝し、金総書記と会談している。北京の外交関係者は「金総書記との会談が実現すれば中国メディアが取材することになり、健康状態を確認できる機会になる」と話している。

◎中国共産党部長が訪朝、金総書記との会談焦点(2009年1月21日、日本経済新聞)
 【北京=佐藤賢】新華社電によると、中国共産党の王家瑞対外連絡部長が21日、北朝鮮を訪問した。中国共産党と朝鮮労働党の友好相互訪問の一環とみられる。王部長は昨年1月の訪朝で金正日総書記と会談しており、健康悪化説がくすぶる金総書記との会談が実現するか注目される。
 王部長は胡錦濤国家主席から金総書記へのメッセージを伝達する見通し。北朝鮮の核問題についても意見交換するとみられる。中朝の国交樹立60周年となる今年を「中朝友好年」としており、関連行事や往来についても話し合う見込みだ。
 王部長は昨年1月のほか2004年1月と05年2月に訪朝した際にも金総書記と会談するなど金総書記と親交が深い。05年と昨年は金総書記が会談後、王部長ら訪朝団のために宴(うたげ)を開いて歓待している。

◎「台湾スパイ容疑はねつぞう」中国報道官(2009年1月21日、日本経済新聞)
 【北京=佐藤賢】中国国務院台湾事務弁公室の楊毅報道官は21日の記者会見で、台湾総統府職員が中国に機密資料を漏らしたとして逮捕された事件について「機密資料を渡したという報道は全くの捏造(ねつぞう)だ」と否定した。

◎中国3社の意匠権侵害、独バスメーカーが勝訴(2009年1月21日、日本経済新聞)
 【重慶=多部田俊輔】独バスメーカーのネオプランが意匠権を侵害されていたとして中国のバス製造・販売会社3社を訴えていた訴訟で、北京市第一中級人民法院は製造販売の中止と2116万元(約2億8000万円)の損害賠償を中国3社に命じた。中国側は独自のデザインなどと主張したが、法院は外観に差がほとんどないと判断した。
 中国紙の京華時報が21日に報じた。製造販売中止などを命じられたのはバス製造販売の江蘇塩城中威客車(江蘇省)など3社。

◎メラミン賠償金求め最高裁に提訴、中国下級裁不受理で(2009年1月20日、産経新聞)
 有害物質メラミンによる中国の粉ミルク汚染事件で、被害に遭った乳幼児の親ら213人が、最大の被害を出したメーカー、三鹿集団(河北省石家荘市)などに対し、計約3600万元(約4億7000万円)の賠償金を求める訴えを、最高人民法院(最高裁)に起こした。親らの代表が20日明らかにした。
 親らは石家荘市の地裁と河北省の高裁で、いずれも訴えが受理されなかったため最高裁に訴えた。しかし最高裁も同日、審査が必要として受理せず、1週間以内に受理するかどうか決めるという。
 賠償金は被害の程度によって最高で1人60万元を要求。三鹿などは、約30万人の被害乳幼児を対象に1人2000元、死者の遺族には20万元支払うと決定、一部の親は既に受け取っている。

◎鳥インフルエンザ、中国で今年3人目の死者(2009年1月20日、朝日新聞)
 【北京=坂尻顕吾】新華社通信によると、鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染して治療中だった中国貴州省出身の男子学生(16)が20日、湖南省の病院で死亡した。中国では今月、北京市の女性(19)と山東省済南市の女性(27)も鳥インフルエンザで死亡しており、今年の死者は3人目となった。
 学生は8日に貴州省で発症し、16日に隣接する湖南省の病院に入院。17日に省衛生当局が学生からH5N1型ウイルスを検出していた。

◎中国軍「海洋や宇宙に拡大」、海軍力を強化、国防白書(2009年1月20日、読売新聞)
 【北京=佐藤賢】中国政府は20日、2年ぶりの国防白書「2008年中国の国防」を発表した。国防政策として「海洋や宇宙、電磁空間の安全を守る能力を高める」と明記。遠洋での作戦能力や宇宙・サイバー戦への対応を増強する方針を示した。日本について前回は集団的自衛権行使などへの警戒を示したが、今回は艦艇の相互訪問などで「日中の防衛関係は進展した」と指摘した。
 国防政策では「情報化の条件の下での局地戦争勝利」との基本方針を維持したうえで、脅威の多様化に対応して任務の幅も広げる必要性を強調。領土、領海、領空だけでなく、海洋や宇宙、電磁空間に活動範囲を拡大する。「強大な海軍の建設に努力する」とも明記し、特に海軍力の増強に力を入れることを鮮明にした。
 テロ対策や国連平和維持活動(PKO)に重点を置く方針も明示。国内の脅威にも触れ、台湾独立や新疆ウイグルの東トルキスタン独立、チベット独立を求める運動が「国家の統一と安全を脅かしている」と指摘した。

◎中国で「言論の自由」訴訟、ブログ運営業者相手取り(2009年1月20日、読売新聞)
 【北京=杉山祐之】北京市の会社役員が19日、政治改革を求める論文を掲載した自らのブログについて、ブログを運営するインターネット業者がアクセスを禁じたのは、中国憲法に定める「言論の自由」への侵害などとして、同市海淀区人民法院(地裁に相当)で、この業者を相手取り、閲覧再開などを求める訴訟を起こす手続きを行った。
 法院は7日以内に受理するかどうかを判断する。
 訴えたのは、元安徽省人民政治協商会議常務委員で北京在住の汪兆鈞(おうちょうきん)氏(60)。先月31日、独裁の弊害と民主化の重要性を訴える「全国人民に告げる書」と題する論文を発表したが、ブログは即日、アクセス禁止となった。
 中国では先月、知識人ら303人が一党独裁を批判する「08憲章」を発表。今月には22人が「洗脳を拒絶する」として中央テレビの視聴ボイコットを宣言するなど、民衆の反政府感情の高まりを背景に、ネットを舞台にした民主化要求が相次ぎ公然化しており、「言論の自由」を掲げた今回の提訴に大きな注目が集まりそうだ。
 汪兆鈞氏が発表した論文「全国人民に告げる書」の要旨は以下の通り。
 09年は、社会転換が始まる年にしなければならない。
 株式市場で政府が優先的に守らなければならないのは共産党の利益だ。多くの地方政府は土地売却、住宅建設で生命をつないでいるが、建設された住宅を買える人はいない。中国経済の問題は、党が政治を握り、銀行、資本市場を独占していることだ。党は、徹底的に反省し、自ら改革する決意を下すべきだ。
 民主的社会制度がなければ、社会矛盾は広がり、冤罪(えんざい)が激増する。(直訴者らは)動乱を起こさないよう注意しなければならない。
 党の思想、世論封鎖を打破してこそ、国家の誤りを終結させられる。インターネットが封殺されれば裁判所に訴え、受理されなければデモ行進を行い、デモが認められなければ同じ色の旗を掲げればよい。
 党はそんなに批判が怖いのか。党はメディアとネットに対する監督、検査を停止すべきだ。封鎖をやめて初めて、本当の人民の声を聞くことができる。
 国軍を政党の軍隊に変えているのは憲法違反だ。
 大学生が社会的責任を意識し、巨大な力を示す時、新たな光明を迎える。
 胡錦濤国家主席と温家宝首相は、このまま「成り行きに任せ」れば、退任後、必ず責任を追及される。
 台湾の民主を学ばなければならない。民主化すれば中国は大きく飛躍できる。

◎中国、「MSN中国」も低俗と批判(2009年1月19日、産経新聞)
 9日付の中国各紙によると、中国政府は8日、社会道徳にそぐわない「低俗な内容」が多数含まれているとして、ソフトウエア最大手の米マイクロソフトが運営するインターネットの中国語版ポータルサイト「MSN中国」など14サイトを新たに「低俗サイト」として公表した。
 中国政府が今週着手したネット上のわいせつ情報などの取り締まり強化対策の一環で、リスト公表は2回目。1回目の「低俗サイト」リストでは、米ネット検索大手グーグルなど19のサイトが名指しで批判を受けた。
 MSN中国については、一部に「大量の低俗な絵や写真が含まれている」と指摘している。

◎中国、新たに12の「低俗サイト」を公表(2009年1月19日、産経新聞)
 新華社電によると、中国政府は19日、わいせつ情報が含まれているとして、新たに12のウェブサイトを「低俗サイト」として公表した。政府が5日から着手したネット上のわいせつ情報などの取り締まり強化策の一環で、リストの公表は4回目。
 これまでに米ネット検索大手グーグルを含む計50の「低俗サイト」が公表され、約720のサイトが閉鎖されている。

◎「サイト閉鎖は違憲」と初の提訴、北京の会社経営者(2009年1月19日、産経新聞)
 中国の大手ニュースサイト「新浪網」が民主化要求の文書を掲載したウェブサイトを閉鎖したのは、表現の自由を保障した憲法に違反するとして、文書を発表した会社経営者の男性(60)=北京市=が19日、新浪網を運営する会社に、サイトの再開を求める訴えを起こした。
 中国でインターネットは共産党の管理下にあり、党を批判する内容のサイトは日常的に閉鎖されている。男性の弁護士によると、サイト閉鎖を違憲とする提訴は初めてとみられる。
 しかし裁判所は、審査が必要だとして同日は提訴を受理しなかった。今後も受理されない可能性がある。
 男性は昨年12月31日「共産党の執政になってから人民に言論の自由はない」と党を批判し民主化を求める文書を発表。一党独裁体制の廃止などを呼び掛けた文書「08憲章」が国内のネットで閲覧できないことも批判した。サイトは数日で閉鎖された。

◎中国側「ギョーザ事件進展なし」、警察庁に回答(2009年1月19日、産経新聞)
 警察庁は19日、中国警察の中央機関である公安部との定期協議を都内で開き、中国製冷凍ギョーザ中毒事件についても協議。中国側から「いまだに解明には至っていない」との説明を受けた。
 協議には、警察庁から金高雅仁・総括審議官ら幹部が、公安部側は張巨峰・国際協力局副局長らが出席。犯罪情勢全般に関する全体会合後、個別事件などを協議する分科会に移り、ギョーザ事件についても、課長級幹部同士が情報交換した。
 中国側はこの際、ギョーザ事件の捜査状況について「長期間にわたって大規模な態勢で捜査しているが、いまだに解明には至っておらず、進展はない」と説明。引き続き両国の捜査機関が連携を強化していくことで合意した。
 日中間では昨年12月、「刑事共助条約」が調印。起訴、公判に必要な証拠物については外交ルートを通さず、捜査機関同士が直接要請が可能となったが、警察庁によるとギョーザ事件についてはこれまでに、中国側から証拠提供の申し入れはないという。

◎鳥インフルエンザに感染、27歳女性死亡、中国・山東省(2009年1月19日、読売新聞)
 【北京=佐伯聡士】中国衛生省は18日、山東省済南市在住の女性(27)が鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に感染し、17日夜死亡したと発表した。
 今月5日に北京で鳥インフルエンザによる初の死者が出たほか、17日にも山西省で2歳の女児が重体になっていることが判明したばかり。

◎公安省幹部2人取り調べ、中国(2009年1月19日、産経新聞)
 19日付の中国紙、新京報は、中国有数の富豪として知られる家電販売最大手「国美電器」の創業者、黄光裕氏の経済事件に関連し、中国共産党の規律検査委員会が公安省の鄭少東次官補兼経済犯罪捜査局長と相懐珠副局長の2人を取り調べていると伝えた。
 黄氏の経済事件では、黄氏のマネーロンダリング(資金洗浄)に関与した疑いで香港とマカオの賭博業界の関係者が取り調べを受けており、鄭次官補らは同関係者との関連が指摘されている。
 また、国美電器は18日、黄氏が取締役会議長などの役職から離れたと発表した。ただ、黄氏は同社の35・55%の株式を保有し続けている。

◎中国製ギョーザ中毒:中国当局、捜査情報に懸賞金、天洋食品が上乗せ(2009年1月18日、毎日新聞)
 【石家荘(中国河北省)浦松丈二】中国製冷凍ギョーザによる中毒事件で、中国公安当局と製造元「天洋食品」(河北省石家荘市)が合計65万元(約850万円)の懸賞金をかけて容疑者を追っていることが分かった。同社社員が17日証言した。
 懸賞金額は当地の物価水準では異例の高額。懸賞金は当初、公安当局が犯人逮捕につながる情報提供者に対して30万元の支払いを約束していたが、有力情報が集まらないため、同社工場長が最近、懸賞金に35万元を上乗せすることを社内の会議で約束した。
 同社工場は生産を停止しているが、正社員は捜査に協力するため出勤を命じられている。工場には月曜から金曜までほぼ毎日、捜査員7、8人が訪れ、製品のギョーザに接触できるなど条件を満たした社員を連行し、無実が完全に証明されるまで拘束し厳しく事情を聴いているという。

◎ギョーザ事件:捜査情報に懸賞金、中国当局と天洋食品(2009年1月18日、毎日新聞)
 【石家荘(中国河北省)浦松丈二】中国製冷凍ギョーザによる中毒事件で、中国公安当局と製造元「天洋食品」(河北省石家荘市)が合計65万元(約850万円)の懸賞金をかけて容疑者を追っていることが分かった。同社社員が17日証言した。
 懸賞金額は当地の物価水準では異例の高額。懸賞金は当初、公安当局が犯人逮捕につながる情報提供者に対して30万元の支払いを約束していたが、有力情報が集まらないため、同社工場長が最近、懸賞金に35万元を上乗せすることを社内の会議で約束した。
 同社工場は生産を停止しているが、正社員は捜査に協力するため出勤を命じられている。工場には月曜から金曜までほぼ毎日、捜査員7、8人が訪れ、製品のギョーザに接触できるなど条件を満たした社員を連行し、無実が完全に証明されるまで拘束し厳しく事情を聴いているという。

◎中国のGPSが2020年完成、空母戦闘群と連動(2009年1月18日、朝日新聞)
 【北京=佐伯聡士】中国が構築を進めている中国版GPS(全地球測位システム)「北斗」の地球規模の運用態勢が2020年までに整う見通しとなった。
 中国紙「中国国防報」などが伝えた。すでに衛星5基を打ち上げて軍民両用で地域的な運用が始まっているが、最終的に30基余りを使用する予定で、今年は一気に3~4基の衛星を打ち上げる。
 米国のGPSに依存しない北斗の地球規模のカバーは、建造に向けて本格的な研究が始まった空母戦闘群と密接な関係を持つ。ミサイル駆逐艦、艦載機の精密誘導兵器などを駆使する空母戦闘群にとって、独自技術による測位システムは欠かせない。有事の際、米国がGPSをコントロールし、空母などが機能不全に陥る事態を避けるためだ。外交筋の間では「空母建造の時期は北斗の完成をにらんだもの」との見方が出ている。
 03年5月から正式に運用を開始した北斗は、中国とその周辺地域を対象に、軍だけでなく、漁業、気象、交通などの分野で幅広く利用され、昨年5月の四川大地震の際には軍の救援活動で威力を発揮したという。精度などレベルを大幅に向上させた第2世代の整備も07年4月から始まっている。
 衛星測位システムは、米国のGPSのほか、ロシアの「グローナス」が10年のシステム完成に向けて急ピッチで態勢を整えている。

◎中国当局、メタミドホス混入疑いで「天洋」関係者を聴取(2009年1月18日、読売新聞)
 【北京=佐伯聡士】中国製冷凍ギョーザ中毒事件で、中国公安当局が昨秋以降、製造元の天洋食品(河北省石家荘市)の工場関係者数人を有機リン系殺虫剤メタミドホスを混入させた疑いがあるとして拘束し、事情聴取を進めていたことが分かった。
 関係筋が17日明らかにした。ただ、混入が立証できず、捜査は暗礁に乗り上げている。中毒被害事件が発覚してから今月30日で1年を迎えるが、解決は難しそうな情勢だ。
 関係筋によると、当局は、北京五輪閉幕後の9月頃から捜査を本格化。工場関係者の家族3代まで聴取の範囲を広げ、反日的な背景がないかどうかを含めて調べを進め、数人を拘束した。だが、容疑を否認しているほか、殺虫剤混入を立証できる決定的な物証や動機が見つかっていないという。

◎天安門事件の再評価厳しく、趙元総書記死去から4年(2009年1月17日、産経新聞)
 【北京=野口東秀】民主化運動を武力弾圧した天安門事件(1989年6月4日)で失脚した中国共産党の趙紫陽元総書記が死去してから17日で4年。祭壇が設けられた北京市内の趙氏の自宅には、軍の発砲などで子供を失った母親らが続々と駆けつけた=写真(野口東秀撮影)。今年は同事件から20年にあたり、当局は世論の引き締めを格段に強化している。趙氏の名誉回復と「反革命暴乱」と定められた同事件の見直しは厳しい情勢だ。
 趙氏宅には天安門事件で息子を亡くし、一党独裁の終結を求めた「08憲章」の最初の署名者でもある丁子霖・元中国人民大学助教授らが姿をみせ、趙氏の大きな写真が掲げられた書斎は花束で埋まった。
 記帳簿には「人民はあなたを忘れない」「現在の社会はあらゆる腐敗が蔓延(まんえん)している」などの言葉が書き込まれ、片足を失った民主活動家のほか、国家政権転覆扇動罪で服役中の胡佳氏(代理人署名)らの名前などがみられた。
 趙氏の娘、王雁南さんは「天安門事件の再評価は時間の問題だと、官僚も庶民もわかっている。必ず社会正義が実現し、政治体制の進歩がなされると信じる」と強調した。
 指導部は2005年、1987年に失脚し、追悼大会が天安門事件につながった胡耀邦元総書記を事実上“再評価”している。しかし趙氏については「動乱を支持し党分裂を図った」とし、名誉回復は否定したままだ。

◎ギョーザ中毒事件で元従業員を拘束、聴取 中国当局(2009年1月17日、産経新聞)
 【北京=野口東秀】中国製ギョーザ中毒事件で、中国公安当局は製造元の天洋食品(河北省石家荘市)に勤めていた男性従業員ら3人前後を容疑者として絞り込み、事情聴取していることが17日までにわかった。中国筋が明らかにした。男らは容疑を認めていないが、当局はさらに徹底した捜査を継続する方針だ。
 容疑者の一人は、ギョーザを冷凍庫で保管する段階にかかわる従業員とみられ、昨年秋の時点ですでに拘束されていた。当局は絞り込んだ男らが共謀した可能性を視野に入れているもようだ。しかし供述は二転三転するなど、あいまいだという。
 当局は、延べ約1000人から事情聴取し、管理記録や出勤状況を調査したほか、監視カメラの映像などを分析してきた。さらに、家族や友人、同僚らも聴取するなどし、その結果、昨年秋から冬にかけて3人前後に絞り込んだ。
 容疑が完全に固まっていないため、当局は事情聴取のための拘束という形式で、釈放、再拘束を繰り返すなどして調べているが、毒物混入を立証できる決定的物証に欠けており、解決までにはなお時間がかかる可能性がある。
 事件をめぐっては、昨年6月に、天洋食品が日本での事件後に回収したギョーザを従業員の親戚(しんせき)らに販売、4人が中毒症状を起こし、日本と同じ農薬成分メタミドホスが検出された。この事件は中国製食品への不信が急速に高まるきっかけとなり、日本の対中感情を悪化させる要因にもなった。

【用語解説】中国製ギョーザ中毒事件
 2007年12月~08年1月に、中国河北省石家荘市の天洋食品製の冷凍ギョーザを食べた千葉県と兵庫県の3家族計10人が下痢や嘔吐の症状を訴え9人が入院、女児1人が一時意識不明となった。検査で具や包装から有機リン系の殺虫剤メタミドホスが検出され、中国製食品に対する不安が拡大した。日本国内ではメタミドホスは使用禁止。中国でも07年に使用が禁止され、08年1月に製造・販売も禁じられた。08年6月に中国でも食中毒被害が発覚。中国国内での故意の混入が疑われてきた。

◎中国、わいせつ500サイト閉鎖(2009年1月16日、産経新聞)
 16日付の中国紙、経済日報によると、中国工業情報省は15日、政府が先週から始めたインターネット上のわいせつ情報などの取り締まり強化策として、既に500以上のウェブサイトを閉鎖したことを明らかにした。
 ネット上で違法にわいせつ情報を流したとして公安当局が拘束した容疑者も、数十人に上るという。
 中国政府はネット情報に対する監視を強めてきたが、今回は1カ月かけて、わいせつ情報などを掲載している「低俗」サイトに対する取り締まりを強化。米ネット検索大手グーグルや米マイクロソフトが運営する「MSN中国」を含む50サイトが「内容が低俗」として名指しで批判されている。

◎中国のネット利用者、2億9800万人、08年末41%増(2009年1月15日、日本経済新聞)
 【上海=渡辺園子】中国インターネット情報センターは、2008年末の同国のネット利用者数が前年同期比41.9%増の2億9800万人に達したと発表した。農村での利用者が6割増と大幅に増えた。人口普及率は22.6%。7割超の日本や米国よりはまだ低いが「初めて世界平均(21.9%)を上回った」という。
 中国のネット利用者数は既に米国を抜き、世界一。ネット上のサービスで利用率が高いのは音楽ダウンロード(83.7%)やニュース配信(78.5%)。株取引の利用率は11.4%で、株価低迷を背景に07年末比で6.8ポイント低下した。携帯電話でのネット接続の利用者は07年末比2.3倍の1億1760万人に急増した。

◎ニセ1万円札2390枚両替、中国国有企業の理事長起訴(2009年1月15日、読売新聞)
 【香港=竹内誠一郎】15日付の香港各紙によると、香港の銀行で日本円の偽1万円札2390枚を両替したとして、中国本土出身の男(56)が14日、偽造通貨行使の罪で起訴された。
 男は「偽札だとは知らなかった」と主張している。
 「明報」紙によると、男は中国国有企業の理事長で、7日、仲間の女に1万円札2390枚を預け、196万香港ドルに両替させた。銀行はその後、すべて偽札だったと気づき、警察に通報。男は、女が逮捕されたあと、警察に出頭した。

◎中国産ウナギに殺虫剤、首都圏に販売、千葉県が回収命令(2009年1月15日、朝日新聞)
 千葉県は15日、同県成田市の輸入業者「丸勝」(西勝光治社長)が中国から輸入した活(い)きウナギから、基準値の3倍の殺虫剤が検出された、と発表した。印旛保健所は立ち入り調査を実施し、同日、食品衛生法違反で丸勝に回収命令を出した。健康被害の届け出はないという。
 県衛生指導課によると、殺虫剤は「ジコホール」で、国内では現在、生産されていない。活きウナギは3日に中国から1500キロ輸入され、東京、埼玉、千葉の卸売業者に販売されたという。成田空港検疫所が検査したところ、基準値(0.01ppm)を超える0.03ppmが検出されたことが14日に分かり、厚生労働省が県に連絡した。

◎中国で大量の偽札出回る、100元札受け取り拒否も(2009年1月14日、産経新聞)
 【北京=矢板明夫】昨年末から今年初めにかけて、中国各地で100元(約1300円)の偽造紙幣が大量に出回り、相次いで見つかっている。北京紙「新京報」などは「銀行の偽札鑑別機を通り抜ける」とその精巧ぶりを報じたところ、市民の間で不安が広がり、100元札の受け取りを拒否する商店やタクシー運転手も現れている。
 中国メディアによると、12月初めまでは広東省周辺で、出稼ぎ労働者らに支払われる給料の中から偽札が集中的に見つかったが、その後、福建省、四川省など全国に広がったという。一部の工場経営者が偽札業者から大量購入して給料として従業員らに配り、旧正月の帰省ラッシュに伴って全国に広がった可能性もあるという。
 偽札は、その紙質や精巧な印刷からホンモノと見分けがつかないといわれている。偽札は、紙幣の下部に印刷されている通し番号がHD90から始まるものが多いとされる。だが、同番号のホンモノの紙幣もあり、それだけで判断はできないという。密造の場所は特定されておらず、台湾で作られた可能性が高いともいわれているが、一部のネット情報では北朝鮮から流入したとの説もある。
 中国では、偽札を発見し銀行などに届け出ても、没収されるだけでまったく補償されないため、偽札を手にしたら黙ってそれを使おうとする人が多い。そのため、警察に寄せられる情報は少なく、捜査は難航しているという。
 中国人民銀行(中央銀行)の貨幣金銀局の葉英男局長は8日、記者会見し「一部の小売店で使用されている偽札検査機は、品質が悪く判別能力に欠けている。これが偽札流通の要因となっている」と述べ、今後は国家質量技術監督局と連携し、偽札検査機の品質向上に引き続き努めたいとの意向を示した。
 米国営短波ラジオ放送局のボイス・オブ・アメリカ(VOA)は10日、「偽造紙幣の流通は、人民元に対する信用を失墜させた」と報じている。

◎「国営テレビは洗脳番組」、中国内の学者ら視聴拒否宣言(2009年1月14日、朝日新聞)
 【北京=坂尻顕吾】「中国中央テレビの洗脳番組を拒絶する」。中国内の学者や作家、弁護士ら22人が連名で国営テレビを「国家宣伝」と位置づけ、ネット上で視聴拒否を宣言した。体制批判は避けているが、共産党や政府の統括下にある中核メディアの是非を知識人が正面から取り上げた動きだ。
 宣言文は12日付で公表された。中国中央テレビについて、(1)ニュース番組は民衆の集団抗議など社会矛盾を取り上げない、(2)国内報道は紋切り型の慶事報道に偏重している、(3)大量の宮廷ドラマは征服された側の民族感情に配慮していない、などと指摘。「われわれには視聴を拒否する権利がある」と訴えた。
 宣言文に署名した弁護士の1人は14日、朝日新聞の取材に「三鹿集団による粉ミルク事件では被害者の側に立った報道がほとんどないなど、以前からメディアのあり方に疑問を持っていた」と話した。

◎300人が人権問題で抗議、北京、警察が100人連行(2009年1月14日、産経新聞)
 中国政府で対外宣伝部門を主管する国務院新聞弁公室の庁舎前で14日午前、各地の当局の腐敗や非人道的な対応に怒った陳情者ら300~400人が「中国には人権がない」などと抗議し、100人以上が警察車両で現場から連行された。
 中国では当局への抗議行動が活発化しているが、新聞弁公室前での集団抗議は珍しい。
 目撃者によると、抗議に参加したのは世界人権宣言の採択から60周年の昨年12月10日に外務省前で「人権状況の改善」や中国政府の「国家人権行動計画」への参画を訴える抗議行動を行ったグループが中心。外務省は同月18日、同計画を作成した新聞弁公室が1月14日に訴えを受け付けるとグループに回答していたため、現場に集まった。
 当初は数十人だったが、北京に長期滞在している地方の陳情者が続々と集まり、抗議文書を掲示するなどの行動に発展したという。

◎「低俗サイト」第3弾公表、中国政府、国内で運営の17サイト(2009年1月14日、産経新聞)
 14日付の北京晨報によると、中国政府はサイトの一部に社会道徳にそぐわない「低俗な内容」が含まれているとして、新たに17のサイトを「低俗サイト」として公表した。
 政府が5日から着手したネット上のわいせつ情報などの取り締まり強化策の一環で、リストの公表は3回目。17サイトは中国紙、京華時報のニュースサイト「京華網」などすべて中国国内の会社が運営しているもの。
 これまでの2回では、米ネット検索大手グーグルを含む計33のサイトが「低俗サイト」として公表された。

◎中国:貿易伸び10%台に、黒字額は世界一へ(2009年1月13日、毎日新聞)
 【北京・大塚卓也】中国税関総署が13日発表した最新の貿易統計によると、輸出と輸入を合わせた08年の貿易総額は前年比17.8%増の2兆5616億ドルだった。貿易黒字額は前年比12.5%増の2954億ドルで、4年連続で過去最高を更新した。貿易総額、黒字額とも07年に首位だったドイツを超え、貿易総額では米国に次ぐ2位に、黒字額では首位に立つ可能性が高い。
 08年の輸出は前年比17.2%増の1兆4285億ドル。ドイツの08年1~11月の輸出額は9278億ユーロ(約1兆2300億ドル)で、輸出額でも中国がドイツを超え、世界でトップとなる見通しだ。ただ、輸出入額は、金融危機の影響で先進国向けの輸出にブレーキがかかったため、昨年11月にWTO加盟(01年12月)以来初めて前年実績を下回った。

◎中国3G免許交付は「世界トップ奪取」の大号令(2009年1月13日、日本経済新聞)
 3Gの検討開始から11年、中国の通信産業を主管する工業・信息化部は1月7日、チャイナモバイル、チャイナテレコムそしてチャイナユニコムの3キャリアに対して、それぞれTD-SCDMA、CDMA2000およびWCDMAの3G免許を交付した。当日は記者などを一切シャットアウトし、関係者だけの極めて静かな船出となったが、世界の通信業者にとってインパクトは絶大に違いない。(肖宇生)
 「中国3G免許はいったいいつ交付されるのか」。この極めて複雑な命題を読み解こうと、世界中の通信関係者が何度もチャレンジし、その度に予想を裏切られてきた。ただし、長らく免許交付のアキレス腱となっていたTD-SCDMAの実用化と通信キャリアの再編などの課題は2008年中にクリアされ、発表は時間の問題だったといえる。
 今回の免許交付は満を持してのデビューともいえるが、正直なところ2009年旧正月前に正式発表されるかどうかには確信を持てなかった。しかし、急速に進行する世界同時不況が、発表のタイミングを見計ってきた中国政府の決断を後押ししたに違いない。
 なぜなら、4兆元の景気対策を打ち出した中国政府にとって、3G投資は持って来いのカードだからだ。ネットワーク投資だけでも今後2年間2800億元(約4兆2000億円)が必要とされ、関連産業の投資を含めると2兆元(約30兆円)に上るともいわれている。中国経済も減速が余儀なくされているなか、3Gスタートは久々の明るいニュースといえよう。
 TD-SCDMA実用化に向けた検証作業、キャリア再編の完了、そして景気対策の起爆剤としての期待。3G免許は結果として、絶好なタイミングで交付されたのである。
 去年の再編を終えて3大キャリアに集約された中国通信業界だが、今のところはチャイナモバイルの一人勝ちだ。ユーザー数も財務体質も収益レベルも他の2社を圧倒している。
 しかし、GSM時代にわが世の春を謳歌してきたチャイナモバイルも3Gでは全く未知数のTD-SCDMAを担うことになり、不確定要素がにわかに高まる。去年の試運用を経て北京などの大都市を中心に10都市にTD-SCDMAネットワークを構築したが、去年12月時点で1万7672という基地局数ではまだ足りないのは明らかだ。
 もちろん、失敗が絶対許されないプロジェクトだけに、チャイナモバイルもネットワークの構築に血眼になっている。今年だけでもインフラに588億元(約8820億円)を投じ、6万カ所の基地局を設置するという。エリアも今の10都市から238都市へ拡大し、全国の中規模都市の70%をカバーする。それでもTD-SCDMA陣営の一番の弱みは端末で、質・量とも改善されてきたとはいわれながらも、他2規格と比べるとその貧弱さを否めない。
 一方、チャイナテレコムとチャイナユニコムは、サービス開始時期ではチャイナモバイルに先行を許しているものの、すでに成熟している規格だけに追いつくのは早いと見られる。両社ともネットワークの構築とバージョンアップを急ぎ、CDMA2000とWCDMAのブランド力を最大限に生かしてチャイナモバイルからユーザーを奪い取ることを狙っている。得意の固定通信分野で培ってきた企業顧客資源を活用し、固定・携帯を統合したサービスでドル箱の法人分野も開拓する腹積もりだ。
 鍵を握っているのは魅力あるソリューションの提供や投資体力、そしてブランド力の確立だ。ガリバーのチャイナモバイルに対しチャイナテレコムとチャイナユニコムが挑むという構図は今後何年間かは続くだろう。それでも3社に与えられた時間はさほど多いとはいえない。
 勝負の行方が見えないキャリア業界をよそに、通信設備メーカーからは高笑いの声が聞こえそうだ。特に中国二強である華為技術と中興通信は、WCDMAとCDMA2000のいずれでも着々実績を残し世界トップ5にも入っている。中国3Gのスタートでさらに追い風が吹きそうだ。
 お家芸のTD-SCDMAはもちろん、CDMA2000とWCDMA分野においてもここ数年間は2社合計で50%以上の中国国内シェアを確保できるとみられる。保守的に計算しても売り上げで毎年100億~300億元(約1500億円~4500億円)の上積みが見込める。
 両社はこれまで価格競争力とスピードを武器に海外市場で欧米メジャーと渡り合ってきた。世界不況で欧米メーカーが苦戦し海外市場の急激な回復も望めないなか、今回の地元の競争で海外勢と市場シェアを分け合う気持ちは更々ないだろう。
 世界の通信市場が頭打ちになるなかで、中国の3Gはスタートした。しかし、それはあくまでも通過点である。では、中国の通信業界はどこへ向かうのか。そこで注目すべきなのは、独自規格TD-SCDMAを背負うチャイナモバイルの動向である。なぜならチャイナモバイルはその目線をすでに4Gに向けているからだ。
 3Gの運営は4Gへのスムーズな移行を図るためのツールにしか過ぎない。すでに最大のネットワークを持つチャイナモバイルは、中国だけでなく新興国を中心とした海外進出にも乗り出している。TD-SCDMAの運営で実績を示せれば、4G時代の規格策定などにおいてその発言力をより高められることは間違いない。
 それは通信設備メーカーも同じだ。最近は特許数や国際組織への寄稿数などが急増しており、開発力も高まってきた。エリクソンなどの欧米メジャーに追いつき、そして追い越せるかどうかはここ何年かが正念場になるだろう。過去20年、規格や技術の主導権を欧米メジャーに握られ苦しんできた中国通信業界だが、10年後にその立場が逆転することも夢ではない千載一遇の好機を迎えている。

◎上海市、9%成長に減速、09年目標、高成長に陰り(2009年1月13日、日本経済新聞)
 【上海=戸田敬久】上海市は13日、人民代表大会(議会)を開き、2009年の成長率の目標を9%に設定した。10%前後だった08年実績に比べ減速し、1991年(7.1%)以来の低い水準となる。高成長を続けてきた上海経済にも陰りが見え始めた。一方、09年の同市の税収入は6%増と、08年の13.3%増に比べて大幅に鈍る見込みだ。失業率は4.5%前後に抑える計画だという。

◎【メラミン混入】低額賠償金の受け取りを拒否(2009年1月13日、産経新聞)
 有害物質メラミンによる粉ミルク汚染事件で、中国の粉ミルクメーカーが支払う賠償金について、被害に遭った乳幼児の親ら200人以上が、一生分の治療費負担が必要などとして、低額の賠償金受け取りを拒否する署名活動を始めた。親の代表が13日、明らかにした。
 活動は、インターネット上で11日夜に始め、12日夜の時点で200人以上が署名しており、さらに広がることは確実。親らは、1回の賠償金支払いだけでなく、後遺症が出た場合の補償や、これまでの治療費の返還などを求めている。
 最大の被害者を出した粉ミルク製造元の三鹿集団(河北省石家荘市)などは、被害に遭った約30万人の乳幼児を対象に一人2000元(約2万6000円)、死者の遺族には20万元の賠償金を支払うことを決めている。

◎上海ディズニーランド、開業へ調印、早ければ14年(2009年1月13日、朝日新聞)
 【上海=西村大輔】中国中央テレビなどは13日、上海市政府と米ウォルト・ディズニー社が「上海ディズニーランド」開業の取り決めに調印した、と伝えた。早ければ2014年にも開業する見通しで、東京、香港に次いで東アジアで3カ所目となる。
 報道によると、運営会社の持ち株比率は上海市政府傘下の企業が57%、ディズニー側が43%。244億8千万元(約3300億円)を投じ、最終的には香港ディズニーランドの数倍にあたる6~8平方キロの規模になるという。
 建設地は明らかになっていないが、これまでの地元報道によると浦東国際空港に近い同市東部の浦東新区内とみられている。

◎ペット犬大量死、中国でドッグフード回収(2009年1月12日、産経新聞)
 12日付の上海紙、東方早報によると、上海の販売業者がオーストラリアのメーカーから中国に輸入したドッグフード「優格(中国でのブランド名)」を食べたペット犬が吐血して死ぬ例が相次ぎ、店頭からの製品回収を急いでいる。発がん性のあるカビの一種が混入した可能性があり、食べた後すぐに中毒死した小型犬も報告された。これまで100頭前後が死亡したとの情報もある。米国では2007年に中国産の原料を使ったペットフードを食べた多数の犬や猫が死んで社会問題となったことがある。

◎中国、抗生物質乱用で毎年8万人死亡(2009年1月12日、産経新聞)
 12日付の中国紙、中国青年報によると、中国の医学専門家は医療施設で抗生物質の乱用により毎年約8万人が死亡し、約800億元(約1兆500億円)の医療費の浪費を招いていると指摘した。
 専門家の推計では、2005年に薬の副作用で死亡した患者約20万人のうち、40%は抗生物質の乱用が原因だった。外国では安全性に問題があるため使用禁止となったのに、中国内では依然広く使用されている抗生物質もあるという。
 乱用の理由について、医療水準の低さや投薬による利益獲得があるとしている。

◎中国の新車販売938万台、08年、6.7%増に急減速(2009年1月12日、朝日新聞)
 【北京=琴寄辰男】中国自動車工業協会は12日、08年の新車販売台数が938万台だったと発表した。国営新華社通信が伝えた。金融危機の影響による販売不振で、前年比6.7%増と、98年(2.4%増)以来の低い伸びにとどまり、20%を超えた07年から急減速した。08年年初には1千万台突破が見込まれていたが、夏前から富裕層や企業の購買意欲が急速に冷え込み、達成できなかった。
 08年の生産台数は5.2%増の935万台だった。
 中国自動車市場は、06年に25%を超える伸びを記録し、日本を抜いて米国に次ぐ世界第2位に躍進。07年も22%増の879万台に達した。だが08年は夏前から販売が急減速し、8月に05年2月以来3年半ぶりに前年同月比マイナスに転落。その後も、10月を除いて前年同月割れが続いた。
 地元企業との合弁会社を通じて中国市場に参入している海外大手メーカーも、08年は伸び悩んだ。07年は33.7%増だったホンダは11.7%増の47万3千台に、07年は62%増だったトヨタ自動車も、17%増の58万5千台にそれぞれとどまった。米ゼネラル・モーターズは6%増と、99年の中国市場での販売開始以来初めて10%を割った。独フォルクスワーゲンは、香港、マカオでの販売を含めて12.5%増だった。
 北米、日本市場が不振を極め、各メーカーの期待が中国市場に集まるなか、09年は「市場全体で5%程度の伸びを見込むが、それも景気がいつ底入れするか次第」(日系メーカー)。1千万台達成は09年も難しい、との見方が早くも出ている。

◎街角:中国・吉林省、値切り交渉の報い(2009年1月11日、毎日新聞)
 吉林省長春から300キロ北上した農村の長距離バスターミナル。無許可で「白タク」営業している運転手が次々に声を掛けてきた。
 取材で市内を回った後、250キロ離れた黒竜江省ハルビンへ行くと説明すると、30歳前の運転手は「高速料金を含めて800元(約1万1000円)」と吹っかけてきた。この辺の農民の1カ月の平均収入を超える額だ。路面が凍結しているとか、空車で戻らなければならないとか、いろいろ理由を並べ立てる。
 冗談を言うな、と笑い飛ばしながら掛け合っていると、集まり始めた他の運転手に「上客」を奪われると思ったのか、「500元でいい」と乗車をせかされた。
 トウモロコシが刈り取られた畑が延々続く舗装路を時速80~90キロで飛ばす。外気は氷点下15度。夕刻前なのに人影はない。2時間以上走った。
 前方の橋に「改修中」の札が掛けられていた。吉林と黒竜江を隔てる拉林河。幅30メートルほどの水面は氷結していた。別の道を尋ねると、運転手は「遠すぎる」と沈黙した後、道路をそれて河原の土手を下り始めた。
 まさかとは思ったが、運転手は氷の表面にタイヤのわだちがうっすら残っているのを指さし、「仕様がない」と車を滑らせ始めた。対岸まで約10秒。私は助手席で体をこわばらせていた。反対の土手に上がった途端、運転手も「フー」と肩で息をした。
 片道90元の高速料金を切り詰めるため、迂回(うかい)路を走ったという。値切り交渉には自信を持っていたが、とんだ落とし穴だった。【大塚卓也】

◎中国、精巧なにせ札で騒動、検札機すり抜け(2009年1月11日、日本経済新聞)
 中国で通し番号が「HD90」から始まる高精度のニセ100元(約1300円)札が出回り、従来の検札機では識別できずに騒動になっている。中国人民銀行(中央銀行)は急きょ、にせ札について説明資料を公開するなど注意を呼びかけている。
 中国の小売店の大半はにせ札に対応するため、店頭に100元札用の検札機を備えている。だが、人民銀によると「HD90」のにせ札は、偽造防止処理の多くを模し、検札機で識別するのが難しい場合があるという。(上海=戸田敬久)

◎中国、世論統制を強化、記念日続々「敏感な1年」に警戒感(2009年1月11日、産経新聞)
 中国共産党は、報道や学術・文化界を含めた世論・思想の引き締めを強化する方針をこのほど打ち出した。経済の悪化で失業者が増大し、民衆の暴動が各地で吹き荒れる中、政治的に敏感な記念日がめじろ押しのためだ。公安当局は、民主化の動きを警戒、徹底してその芽を摘む構えで、宣伝工作と治安対策を格段に強化する見通しだ。指導部は、社会の安定を最大の政治原則として建国60周年を乗り切る構えをみせている。
 香港誌「開放」「争鳴」の最新号は、中国共産党が2008年12月、「世論宣伝の管理を強化する」内容の「24号文書」を党内に伝達したと報じた。胡錦濤国家主席(党総書記)が「西洋化と(体制内の)分裂に反対する旗を高く掲げる」よう指示したという。文書の通達は「金融危機で経済が衰退する時期には、特に世論を厳しくコントロールし、(党に歯向かう)異分子に打撃を与え、『社会の安定』を維持する必要がある」(争鳴)からだ。
 胡主席は12月中旬、「西側の政治制度をモデルにすることは絶対にない」と明言した。当局は、一党独裁体制を批判し、政治体制の改革を求めた「08憲章」の起草者で、著名な作家の劉暁波氏を拘束した。関係者によると、当局は、同憲章に署名した70人以上を尋問し、署名撤回を要求している。同憲章に関する取材や報道を禁止する通達も出された。
 「社会の安定」重視は、尖閣諸島(中国名・釣魚島)の領有権を主張する反日団体が1月10日に湖南省で開く予定だった会議が当局の意向で突然中止となったことにも表れている。
 共産党は1月4、5日、全国宣伝部長会議を開催。思想部門を統括する李長春・党政治局常務委員が「統一された宣伝・思想・文化工作」を展開し、社会の安定を維持する方針を打ち出した。国内の報道機関は08年8月の北京五輪期間中、社会の不安定化につながる報道を規制されていたが、今後、統制は一層強化されそうだ。
 09年は政治的に「敏感な年」(当局者)と認識しているからで、党中央組織部長の李源潮政治局員は「党と国家にとり、試練の年になる」と表明した。
 中国は、10月1日の国慶節(建国記念日)に大規模な軍事パレードを10年ぶりに実施し、大々的に国威発揚を図りたい考えだ。関係者によると、パレードに治安維持を担う武装警察部隊が初めて参加する方向で調整中だ。胡主席は1月4日、武装警察部隊幹部と会見し、「職責と使命は極めて重大だ」と激励した。

・中国の今年の主な記念日
 3月10日:チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の海外亡命(同月17日)につながったチベット動乱から50年。
 4月25日:非合法の気功集団「法輪功」メンバーが権力の中枢、北京の中南海を包囲し、党中央に衝撃を与えた事件から10年。
 5月4日:反日愛国運動(五四運動)90年周年。
 5月12日:約8万7000人の死者・行方不明者を出した中国・四川大地震から1年。
 6月4日:民主化運動を武力弾圧した天安門事件から20年。
 10月1日:建国60周年(国慶節)。

◎中国「西側の技術盗んでない」、高速鉄道で(2009年1月11日、日本経済新聞)
 中国鉄道省の王勇平報道官は10日、テレビ中継された記者会見で中国の高速鉄道について「自国の知的財産権による成果で、西側の技術の窃取は存在しない」と強調した。
 フランス鉄道車両大手アルストム・トランスポールの最高経営責任者(CEO)が、中国は海外メーカーの技術を転用した車両を輸出しようとしているなどと、年初の英紙フィナンシャル・タイムズ上で非難したことに反論した。
 報道官は、2004年以来、ドイツや日本、フランスなどの企業と協力、時速200キロレベルの技術を導入、吸収した上で300~350キロレベルの車両を自主開発したと述べた。

◎DOWA、中国で家電再利用事業、金・銅など抽出(2009年1月11日、日本経済新聞)
 非鉄大手のDOWAホールディングスは年内にも中国で家電リサイクル事業を始める。不要になったテレビや冷蔵庫、洗濯機など当面、年40万台程度を回収して金や銅などの金属資源を抽出、再利用する計画。中国では今後、老朽化して廃棄対象になる家電や自動車が大量発生する見込みだ。このため中国政府は今月から資源再利用などを促す新法を施行しており、先行してノウハウを蓄積してきた日本企業の商機が広がりそうだ。
 中国での自動車や携帯電話の年間販売台数は世界全体の1割を超え、日本を上回る消費大国に成長した。今後も急ピッチでの需要拡大が続けば部品に使う金属資源などが世界的に不足する恐れが強く、同国でのリサイクル体制の整備は世界の資源需給の行方を大きく左右することにもなる。

◎鳥インフルで街に警戒感、北京近郊、感染源で消毒(2009年1月10日、産経新聞)
 北京市で5日、鳥インフルエンザにより死亡した女性がアヒルを購入した河北省三河市の行宮市場では連日、徹底的な消毒が続いている。北京市では初の死亡例で、街には変異する恐れがある新型インフルエンザ発生への警戒感も強まってきた。
 感染源と疑われている家禽(かきん)類が売られていた同市場の一画は、黄色いテープで隔離されたまま。「消毒作業はいつまで続くの。商売どころか、寝る場所もない」。売り場に住んでいた女性が嘆いた。
 両市は隣接しており、境界には道路や鉄道に検疫所が設けられ、北京市への生きた家禽類の搬入を厳しく制限している。
 一方、北京市内の市場では、煮沸したニワトリやアヒルが売られているが、感染を恐れる市民はほとんど手を伸ばさない。

◎中国:ネットで2億人がニュースを見る(2009年1月10日、毎日新聞)
 インターネット社会が急速に進む中国で、ネット利用者の8割に当たる2億600万人がネットでニュースや情報を見ていることが明らかになった。中国の政府系シンクタンク、中国社会科学院が発表した「09年社会青書」の中の「08年中国インターネット世論分析報告」で発表された。
 中国のネット利用者は08年上半期で2億5300万人に達し、世界一に躍進した。報告によると、利用者は30歳以下の若い世代が中心で全体の68.6%を占める。国営新華社通信のウェブサイト「新華網」など3大ニュースサイトと「新浪」など4大ポータルサイトでは、1日に2万件のニュースが更新され、平均アクセス数は20億件に上る。
 08年は特にニュースへのアクセス数が急増した。同年上半期にはネットでニュースを見る利用者は5164万人増の2億600万人に上った。「(四川大地震や北京五輪など)大きな出来事が続いたため」と分析する。
 中央政府は民衆の意見を把握するため、ネット重視の姿勢を示す。一方で、政府に都合の悪い事件や情報は強制的に削除するなどネット監視体制を続ける。

◎女児を殺害、遺体の一部を火鍋で食った!?中国・広州の「食人」事件(2009年1月10日、産経新聞)
 中国の広州市で、女児(4)を殺害し、バラバラに切断した遺体を冷蔵庫に保管していた男(33)が逮捕された。報道によれば、男は遺体の一部を「火鍋」に入れて食べた疑いが強いことが地元の警察当局の調べで判明したという。付近では、幼い子供が相次いで行方不明になっており、連続「食人」事件に発展する可能性も出てきた。もともと奇行が目立った男の“猟奇的”な犯罪の一部始終を、報道を元にたどった。(桜井紀雄)
 「広州日報」や「信息時報」などの地元紙や、香港紙「星島日報」の報道を総合すると事件の概要はこうだ。
 事件は1月2日、中国南部沿海部の都市、広州郊外の集合住宅で起きた。被害にあったのは、両親と3人で暮らす李伶俐ちゃん。隣には祖父母が住み、ひとりっ子として両親、祖父母から溺愛(できあい)されていた。
 その家族が外出したすきの犯行だった。午前8時ごろ、父親は1月1日に買ったばかりの服とくつを伶俐ちゃんに着せ、妻とともに近くの縫製工場に出勤。祖母も仕事に行き、祖父は近所の女性に孫を預けて廃品回収に出かけた。
 「いつもこうでした。1時間ちょっとすれば戻りますし、いつもなら何も起きなかったのに…」地元記者を前に祖父はそう唇をかんだという。
 だが、9時半過ぎに帰宅した祖父は孫娘がいないことに気付く。「玄関で遊んでいたと思ったら目を離したすきにいなくなったの」と伶俐ちゃんを預かった近所の女性は説明した。「友達とでも遊んでいるんだろう」と近所を聞いて回ったが、見当たらず、昼に戻った両親らと警察に届け出た。
 狭い通路を隔て20平方メートル足らずの部屋が100世帯以上長屋状に密集する住宅地。警察は一軒一軒くまなく当たったが、まったく手掛かりがつかめなかったという。
 「あいつじゃないかと真っ先に思いました」取材に訪れた報道陣に、こう話したのは祖母だった。祖母は正午ごろ、日ごろから不審な言動が気になっていた「張」という姓の近くの男の家を訪ねた。
 「見てないけど」男はしらばっくれたという。
 近所の人と男の部屋を確認すると、異臭が漂っていたうえ、女性や女の子ものの大量の服が床一面に積み重ねられていた。だが、孫娘の姿はなく、部屋を後にしたという。
 「伶俐はあの服の山に隠されていたかもしれないのに…」。祖母の悔やんでも悔やみきれない様子が報道されている。
 それでも疑念が晴れなかった祖母は2時間後に再び男の自宅を訪ねた。さっきはなかったはずの血がドアに付いているのを見た。まだ、乾いてもいない。
 だが今度は、男はドアを開けようとしない。近所の人と力ずくでドアを開けると、絨毯が真っ赤に血で染まっていた。「これは何?」問いつめる祖母に、男は「鴨の血ですよ」と平然と言ったという。「鴨はどこなの!」言葉を継ぐ祖母に、男は押し黙った。
 警察が踏み込み、部屋を捜索したが、伶俐ちゃんはいない。あるのはワンドアの小型冷蔵庫だけ。冷蔵庫の扉を開けた捜査員の目に飛び込んできたのは、切断された女児の頭部と体の一部だった。
 「お前はそれでも人間か!!」捜査員の怒号が響き渡ったという。警察は殺人容疑で男を緊急逮捕。近所の人たちは、無表情なまま連行される男をただ見つめていた。
 報道によれば、警察は男の部屋から冷蔵庫や凶器とみられる大小複数の刃物を押収した。男は殺害と遺体損壊の事実を全面的に認めているという。遺体は8つに切断したとされるが、6部位しか見つかっていない。
 調べでは、残る2つの部位は、煮立った「火鍋」に入れ、調味料を掛けて食べた疑いが強いという。6部位は「後で味わうため」冷蔵庫に入れていた可能性が高いとみて捜査している。
 男は中国内陸の四川省の出身で、2年前からこの住宅地に住み始めた。いつも1人で、近所付き合いはなく、男のフルネームを知る人もほとんどなかった。近所の人の話では、縫製工場に勤めていたが、今は失業して終日、家にこもりきりだったという。
 だが、奇行ぶりは有名で、伶俐ちゃんの失踪を聞いて「男の仕業では」と思った住民は祖母ばかりでなかった。女性服を集めるだけではなく、自ら女性もののワンピースを着て出歩くこともあった。ある朝には、ブラジャーなど女性ものの下着姿で、玄関先で平然と歯を磨く男を住民が目撃していた。
 住宅内には街頭テレビが設置され、住民らが集まって見るのが習慣だという。男はドラマには見向きもしないのに、戦争映画だけは食い入るように見つめ、殺害シーンになると興奮しだして独り言をつぶやいていたという。
 殺害シーンが映し出されたとき、男がつぶやくのをそばにいた人が耳にしている。「人肉はうまい。本当にいい味だ」
 男は住宅地からの出入りを繰り返していた。最初は数カ月で別の場所に引っ越していったが、昨年に戻ってきた。だが、夜中に叫んだり、長刀を振り回して住民を威嚇したため、住民らの不安を訴える声に追い出された。それがどういうわけか、昨年11月に再び戻ってきたのだ。
 伶俐ちゃんの祖母は、玄関先で男が子供たちにあめをあげ、喜ぶ姿を目にしていた。「その中でも特に伶俐ちゃんをかわいがっていたようだった」という。
 帝塚山学院大の小田晋教授(犯罪精神医学)は「女児への強烈な性愛が殺害し、解体する行為をへて、食べることで自分のものとして完全に支配するという異常行動に結び付いたのではないか」と分析する。
 「この事件が初めてのはずがない」「大量の女の子の服は盗んだものと思っていたが、既に殺されてしまった子のものじゃないか」。住民らは事件後、取材に対し、口々にこう話した。街では約2年前から児童が突然いなくなる事件が相次いでいる。「この子を捜しています」と書いた張り紙も目につくという。
 住民の1人は「3カ月前にも3歳の女の子がいなくなった。あの子も食べられてしまったのでは…」と話したという。
 警察も連続「食人」事件の疑いもあるとみて、専門捜査チームを立ち上げ、失跡児童宅を回って今回の事件との関連を調べ始めた。
 さらには300人近い行方不明児童の父母が住民組織を立ち上げ、「子供を返して」と訴え始めた。伶俐ちゃんの遺族をはじめ、警察や行政の不備を追及する声も高まっているという。
 「現代に食人文化が残っているわけもなく、事件は犯人の性向によるところが大きいだろう」と中国事情に詳しいジャーナリストの富坂聰氏は指摘する。
 「伶俐ちゃんは誕生日を迎えたばかり。かわいく、賢く活発で、家族は宝のようにかわいがっていました」近所の住民は取材にこう答えている。事件後、母親は病に倒れたという。「部屋に入り、孫のズボンや靴を見るだけで耐えられない。全部処分してしまおうと思う」祖母の声だ。
 家宅捜索で、大量の女の子の服が押収された男の自宅前には、ピンクの女の子のくつがぽつんと残されていたが、伶俐ちゃんのものでないことは父親が確認したという。くつの持ち主は依然見つかっていない。

◎上海にディズニーランド、米ディズニーが計画書を提出(2009年1月10日、日本経済新聞)
 米ウォルト・ディズニーが「上海ディズニーランド」の建設を目指し、事業計画書を上海市に提出したと、9日付の米ウォールストリート・ジャーナル(電子版)が伝えた。同社が43%、上海市が57%を出資する合弁会社を設立し、35億9000万ドル(約3200億円)を投資する。中国政府の認可が必要となるが、2014年にも開業する計画。実現すれば、中国では香港に続く2カ所目のディズニーランドとなる。

◎メタミドホス:中国産に多量の不純物、東京農業大が検出(2009年1月10日、毎日新聞)
 本山直樹・東京農業大学総合研究所客員教授は9日、中国産メタミドホス製剤(有機リン系殺虫剤)に多量の不純物が含まれていたと発表した。中国製冷凍ギョーザ中毒事件の警察の分析でも、ギョーザから検出されたメタミドホスに不純物が含まれていた。
 本山教授は、中国・浙江省の農薬メーカーが製造し、ペルーに輸出・販売されたメタミドホス製剤「MTD600」を分析した。その結果、農薬を溶かす溶剤のジエチレングリコールのほか、トリメチルホスホロチオエートやジメチルチオメチルホスフェートなど5成分の不純物を検出した。日本ではメタミドホスの試薬品がわずかに流通しているが、不純物がほとんどない。
 警察は昨年の捜査で「中国の製造段階での意図的な混入の可能性が高い」とし、本山さんは「ギョーザのメタミドホスの不純物と照合すれば原因がより明らかになる」と警察側から求めがあれば協力する意向だ。分析結果は3月17~19日の日本農薬学会でも発表する。

◎中国、「MSN中国」も低俗と批判(2009年1月9日、産経新聞)
 9日付の中国各紙によると、中国政府は8日、社会道徳にそぐわない「低俗な内容」が多数含まれているとして、ソフトウエア最大手の米マイクロソフトが運営するインターネットの中国語版ポータルサイト「MSN中国」など14サイトを新たに「低俗サイト」として公表した。
 中国政府が今週着手したネット上のわいせつ情報などの取り締まり強化対策の一環で、リスト公表は2回目。1回目の「低俗サイト」リストでは、米ネット検索大手グーグルなど19のサイトが名指しで批判を受けた。
 MSN中国については、一部に「大量の低俗な絵や写真が含まれている」と指摘している。

◎鳥インフル、北京で初の死者、中国政府、拡大防止急ぐ(2009年1月8日、日本経済新聞)
 北京市で鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染した女性(19)が死亡したことを受け、同市政府など一帯の地方政府は7日までに一斉に感染の拡大防止に乗り出した。26日の春節(旧正月)に伴う大型連休を控え、首都で初めてとなる感染死亡事案に中国政府は危機感を強めている。
 国営の新華社によると、北京市は6日、指揮センターを立ち上げ、生きた家禽(かきん)の市外からの持ち込みを禁止するとともに、市内の養殖現場では防疫管理の強化を始めた。

◎北京市、家禽流入を禁止、鳥インフル対策強化(2009年1月7日、産経新聞)
 新華社電によると、北京市衛生当局は7日、市内に住む女性が鳥インフルエンザウイルスに感染して死亡したことを受け、生きた家禽(かきん)類の市外からの搬入を原則禁止するなど感染拡大防止対策の強化に乗り出したことを明らかにした。
 中国紙、京華時報によると、北京で鳥インフルエンザ感染による死者が出たのは初めて。女性がアヒルを買った河北省の市場は北京、天津両市の間にあり、天津市当局も警戒を強めている。
 北京市では、市内に通じる道路や鉄道などに検疫所を設け、運び込まれる動物に対するチェックを強化。市内の養鶏場でも消毒に力を入れているという。

◎中国政府、ポルノ規制でウェブ企業に圧力、グーグルや百度がやり玉に(2009年1月7日、日本経済新聞)
 中国政府が、オンラインのアダルトコンテンツに対する規制を強化し、Googleを含む複数の企業に対してポルノの入手しやすさを制限するよう通告した。遠回しだが見え透いた法的な脅しと言えそうだ。
 中国の政府機関7部門は、合同で行った現地時間1月6日の発表で、「低俗なコンテンツ」へのアクセスを違法に提供しているとして19のサイトを挙げた。その中には、Googleのウェブ検索と画像検索や、百度のウェブ検索サイトとブログサイト、「Sohu.net」などが含まれている(Googleは不正な行為を否定した)。
 国務院新聞弁公室の発表は、「全国的な犯罪撲滅」運動と銘打って、国民に違法な投稿やウェブサイトを報告するよう呼びかけている。中国政府の統制下にある中国日報は、公表された企業は「ポルノを広め、若者の道徳を脅かしていることが判明した」と報じるとともに、取り締まりが実施される可能性があると警告している。
 中国のネット検閲についてはこれまで、主に政治関連サイトに注目が集まっていた(ニュースサイトや人権問題サイトは頻繁にアクセスを制限されている)。だが、同国を統治する中国共産党は長年にわたり、ポルノの排除にも関心を寄せてきた。CNET Newsでは1996年の時点ですでに、中国のインターネットユーザーが「ポルノの作成や入手を違法とする一連の規則に署名する」よう求められたと報じている。
 最近の例では、中国公安部が2007年に、ポルノやオンラインのストリップショー、さらには官能小説をも捜査対象とすると述べている。2008年に開催された北京五輪中に実施されたネット規制は、同年12月の数週間に一部復活した。
 中国の当局者はこれまでに奇妙な発言を何度か行っている。アテネで開催されたインターネット関連の国際サミットでは、中国政府の代表が懐疑的な聴衆に向けて、「私は、中国でBBCを閲覧できないとか遮断されているという話を聞いているが、人々がなぜそんなことを言うのかわからない。われわれは規制を全く行っていない」と述べた(この発言を聞いた法輪功の信者たちは驚いたことだろう)。
 仮に規制の対象が単に政治の言論だったなら、米国の議員たちは間違いなく、儀礼化した公聴会を開いて中国政府やGoogleなどの各社を報道陣の前で形式的に非難する気になったはずだ。だが、話題に上がっているのはポルノなので、おそらく中国の検閲政策を称賛する上院決議案が提出される可能性のほうが高いだろう。

◎中国:鳥インフルで北京の女性死亡(2009年1月6日、毎日新聞)
 中国北京市衛生局は6日、鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染した北京市の女性(19)が5日に死亡したと発表した。新華社通信によると、この女性を看病した看護師が一時発熱した。看護師の詳しい症状などは伝えられていない。
 同市衛生局によると、女性は同市朝陽区在住で12月24日に発病、同27日から入院していた。新華社電によると、女性は12月19日に北京郊外の河北省の市場でアヒル9羽を購入して解体し、うち3羽を父親、叔父、友人にプレゼントした。
 この女性とは家族や隣人ら116人と一時発熱した看護師を含む医療スタッフ102人が接触していたという。
 世界保健機関(WHO)によると、6日現在、中国国内でこれまでに31人が鳥インフルエンザに感染し、21人が死亡している。うち昨年は3人が死亡した。

◎中国で連続人食い事件?女児バラバラ殺人容疑で男拘束(2009年1月7日、読売新聞)
 中国広州市で、4歳の女児がバラバラ遺体となって発見される事件があり、警察は6日までに、30歳代で失業中の隣人の男を、殺人の疑いで拘束した。
警察は、男が女児の遺体を食べた疑いがあるとして調べている。女児宅の周辺ではほかにも、幼児の行方不明事件があり、地元メディアは、「連続食人事件」との見方を伝えている。
 広州日報によると、女児の遺体は男の部屋の冷蔵庫に隠されており、2日、捜索中の警察官が発見したが、遺体の一部は見つからなかった。(香港・竹内誠一郎)

◎グーグルなど「低俗」批判、中国、ネット統制強化(2009年1月6日、産経新聞)
 6日付の中国各紙によると、中国政府は5日、インターネット上のわいせつ情報などに対する重点取り締まりに着手する方針を決め、米ネット検索大手グーグルなど19のサイトについて「低俗な内容を含んでいる」として公表、批判した。
 中国政府は急速な勢いで拡大するインターネットに対する統制を強めてきたが、今回は1カ月かけてネット上のわいせつ情報などを取り締まり、悪質な場合は閉鎖するとしている。
 「低俗」批判を受けたのは、グーグルのほかは主に国内のサイト。グーグルについては、ウェブ検索と画像検索が多数のわいせつサイトにリンクしているとしている。

◎製薬、中国開拓へ攻勢、「世界2位の市場」に布石(2009年1月4日、日本経済新聞)
 アステラス製薬など国内製薬大手が中国市場の開拓に乗り出す。人口の増加と所得水準の向上などを受けて中国の医薬品市場は年率2ケタ増のペースで拡大しており、近い将来、日本市場を抜いて米国に次ぐ世界第2の市場に成長する見通し。景気悪化で米欧の医薬品市場の伸びが鈍化してきているため、中国で主力薬の発売や営業員の増員を進める。
 アステラス製薬は2009年夏にも主力薬「ベシケア」を中国で売り出す。ベシケアは世界売上高が600億円強に達する薬剤で、泌尿器分野を得意とする同社が主力薬と位置付ける製品。頻尿や尿失禁などの症状が起きる過活動ぼうこうの治療に使う。

◎中国当局、五輪との関連初めて認める、粉ミルク・メラミン混入事件(2009年1月2日、産経新聞)
 中国で粉ミルクに有害物質メラミンが混入された事件で、製造元の「三鹿集団」の元経営陣に対する刑事裁判が河北省石家荘人民法院(地裁)で始まった。31日の初公判では、検察側が「北京五輪への影響を避けるために被害状況を隠蔽(いんぺい)した」と指摘したのに対し、被告側は「公表が遅れた責任は地元政府にある」と激しく対立。北京五輪が粉ミルク事件の被害拡大の原因の一つであることを、中国当局が初めて認めた形となった。
 1日付の中国政府系英字紙「中国日報」によると、劣悪生産販売罪などを問われた三鹿集団前会長の田文華被告(66)の公判で検察側は、「ミルクを飲んだ子供たちに健康被害が起きていることを知りながら、田被告は昨年8月1日の社内の幹部会議で、『公表すれば北京五輪に悪影響を及ぼすほか、会社に大きな損害を与える』と話すなど、事実隠蔽を指示した」と指摘。これに対し田被告は「五輪開幕前の8月2日に、被害状況を河北省の石家荘市に書面で報告しており、公表が遅れた責任は行政側にある」と主張した。
 事件は9月中旬、上海の地方紙が「三鹿集団のミルクを飲んだ多くの乳幼児が入院」と報じたことで明らかになった。その後の調べで同社の経営陣は少なくとも8月初めから汚染の実態を把握していたが、公表しないまま1月以上も約900トンの汚染粉ミルクを生産し、被害を拡大させた。
 事件発覚後、中国国内のネットや欧米などのメディアは、「公表が遅れたのは中国が国家の威信をかけた北京五輪への影響を避けるため」とする分析記事を掲載しているが、中国メディアは事件と五輪と結び付けることを避け、企業の責任のみを追及した。
 三鹿集団のトップを長年務めた田被告は、中国有数の女性企業家として知られるが、国有系企業である同社の重大不祥事の公表は、所轄する地元政府の同意が必要だといわれている。中国の社会問題専門家も、「事件と五輪の関係を認めたのは一歩前進だが、一企業が北京五輪への影響を考慮する必要はなく、行政責任を追及すべきだ」と指摘している。
 事件で29万人の乳幼児に腎臓結石などの異常が見つかっており、うち6人が死亡した。中国メディアによれば、田被告は死刑か無期懲役の判決を受ける可能性もあるという。




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