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更新日:
 2013年3月7日








◎サルコジ前仏大統領の自宅を捜索、違法献金疑惑(2012年7月4日、読売新聞)
 仏ル・モンド紙(電子版)によると、フランス警察当局は3日、サルコジ前大統領の在任中の違法献金疑惑で、パリ市内にあるサルコジ氏の自宅や事務所を家宅捜索した。大統領としての免責特権が失効したため捜査に着手したとみられる。
 サルコジ氏に対しては、2007年の大統領選で、法定上限を超える15万ユーロ(約1500万円)の政治資金を受け取ったとの疑惑が10年になって浮上。側近の閣僚、献金主とされるロレアル社の大株主らが事情聴取を受けていた。サルコジ氏の弁護人によると、捜索時に前大統領は海外旅行中で不在だった。

◎違法献金疑惑 サルコジ前大統領自宅など捜索、免責特権切れるのを待ち捜査(2012年7月4日、スポーツニッポン)
 フランスの捜査当局は3日、2007年の大統領選で当選したサルコジ前大統領が選挙戦の際、個人的に親しい富豪から政治資金規正法の上限を超える違法な献金を受け取った疑いで、前大統領の自宅や個人事務所、弁護士の事務所の計3カ所を家宅捜索した。
 疑惑は10年に発覚し、サルコジ氏側近のブルト元労相らが事情聴取を受けていた。大統領には刑事罰の免責特権があるため、捜査当局は今年5月のサルコジ氏の大統領退任後、免責特権が切れるのを待って捜査に着手したとみられる。
 サルコジ氏と家族は2日、カナダへ向けて出国しており不在だった。前大統領の弁護士は、同選挙戦の最中にサルコジ氏が富豪と接触した形跡は全くないとし、疑惑を否定した。
 フランス公共ラジオによると、捜査を担当する予審判事は献金したとみられる化粧品大手ロレアル大株主の富豪リリアン・ベタンクール氏の口座から07年の2月と4月の2回に分けて、計80万ユーロ(約8000万円)が引き出されていることに注目。この中からサルコジ氏陣営に資金が供与されたとの疑いを強めている。
 フランスでは昨年12月、シラク元大統領がパリ市長時代に関わった職員の架空雇用事件で、パリの軽罪裁判所から公金横領罪などにより執行猶予付きの有罪判決を受けた。元大統領は健康を理由に控訴を断念、有罪が確定している。

◎フランス総選挙、左派が勝利へ、オランド政権、基盤強化(2012年6月11日、朝日新聞)
 フランス総選挙(国民議会選挙、定数577)は10日、第1回投票があり、即日開票の結果、オランド大統領を擁する社会党をはじめとした左派勢力が過半数を得る情勢となっている。5月の大統領選で勝ったオランド氏は、財政の緊縮策を保ちつつ成長戦略も進める政権基盤を固められそうだ。
 仏テレビ・フランス2の推計(日本時間11日午前3時時点)によると、社会党、ヨーロッパエコロジー・緑の党、左翼戦線など左派勢力が、決選投票まで含めた合計で305〜353議席を獲得し、過半数の289議席を大きく上回る見通しだという。
 サルコジ前政権を支持した民衆運動連合(UMP)を中心とする右派は227〜266議席にとどまりそうだ。一方、大統領選の第1回投票で3位に躍進したルペン氏が率いる右翼・国民戦線が2議席を確保する可能性がある。

◎オランド氏勝利、17年ぶり社会党大統領誕生(2012年5月7日、産経新聞)
 フランス大統領選の決選投票が6日行われ、即日開票の結果、左派で最大野党の社会党候補、フランソワ・オランド前第1書記(57)が、右派与党の国民運動連合(UMP)、ニコラ・サルコジ大統領(57)の得票を上回り、勝利する見通しとなった。1995年にミッテラン元大統領が退任して以来、17年ぶりの社会党大統領が誕生する。58年に発足した第5共和制下では2人目となる。
 サルコジ氏は81年の大統領選でミッテラン氏に敗れた中道のジスカールデスタン元大統領以来、31年ぶりの現職敗退。債務危機を受け、イタリアやスペインなど欧州で相次ぐ政権交代や政権崩壊の波が、ドイツとともに危機対応を主導してきたフランスにも及んだ。
 内務省の中間集計によると、6日午後9時半の段階で、オランド氏の得票率は51.07%、サルコジ氏は48.93%。
 オランド氏は6日夜、中部コレーズ県で演説し、「私はフランス国民全員の大統領になる」と勝利を宣言。サルコジ氏はパリで演説し、敗北を認めた上で、オランド氏に「試練の中で幸運を祈る」と電話で伝えたことを明らかにした。

◎仏大統領選、オランド氏当選へ、サルコジ氏、敗北認める(2012年5月7日、朝日新聞)
 フランス大統領選は6日決選投票があり、即日開票の結果、社会党のフランソワ・オランド氏(57)が、民衆運動連合(UMP)が推す現職ニコラ・サルコジ氏(57)を破り、初当選する見通しとなった。社会党の大統領は、ミッテラン氏が退いて以来となる17年ぶり。
 サルコジ氏は6日夜(日本時間7日未明)、パリで支持者を前に「(オランド氏に)この難局を乗り切るよう幸運を祈ると伝えた」と語り、敗北を認めた。投票が締め切られた直後に公表された仏テレビ・フランス2の出口調査では、オランド氏が51.90%と過半数の票を得ている。
 オランド氏は仏中部の地元チュルで勝利宣言した後、パリに戻り、バスチーユ広場で支持者の歓迎を受ける予定だ。

◎フランスの「消費税」21.2%案、大統領選の焦点に(2012年2月9日、朝日新聞)
 フランス政府は8日、付加価値税(消費税)を、食料品などを除き10月から1.6ポイント引き上げて21.2%とすることを柱とする補正予算案を閣議決定し、下院に提出した。政府は2月末の法案成立を目指すが、4月の大統領選で政権が代わった場合、実施が見送られる可能性が高い。
 政府は付加価値税の増税の狙いを、雇用者側の社会保障負担を減らすことで産業競争力を高め、新たな雇用創出につなげることだと説明。大統領選への出馬表明を控える現職のサルコジ氏は有権者の関心が高い失業対策の目玉と位置づけている。
 これに対し、大統領選の支持率調査でトップを走る最大野党社会党のオランド候補は、付加価値税増税は低所得者や中間層の購買力に悪影響を与えかねず、雇用創出の効果が期待できないとして、廃案にする意向を明言。他の野党にも支持は広がっていない。

◎仏アレバにハッカー攻撃、原発事故対応に協力(2011年9月30日、読売新聞)
 仏経済誌レクスパンション(電子版)は29日、福島第一原発の事故対応に協力している仏原子力大手アレバのコンピューター網がハッカー攻撃を受けたと報じた。
 アレバ社は30日、読売新聞の取材に対して攻撃があったことを認めた上で、「仏政府と連携して対応措置を取った。日本関連を含め重要情報は流出していない」と説明した。レクスパンション誌によると、アレバ本社や国外の事務所に対しては、アジアからのものと見られるハッカー攻撃が2年前から続いている。

◎「ツイッター見て」は放送禁止、仏機関が「SNS」に言い換え指示(2011年6月8日、毎日新聞)
 フランスのメディア規制機関、視聴覚高等評議会(CSA)はこのほど、テレビやラジオが自社の交流サイト(SNS)ページを視聴者に紹介する際に、「フェイスブック」や「ツイッター」という言葉を使用することを禁止した。特定のブランドの宣伝につながるためとしている。
 CSAの広報を担当している元ジャーナリストのクリスティン・ケリー氏はロイターに対し、「フェイスブック」や「ツイッター」という言葉は商業ブランドであると指摘。「フェイスブックをご覧下さい」などの呼びかけを「SNSをご覧下さい」などと言い換えるよう求めている。
 ケリー氏は複数のラジオインタビューで、フランスでは1992年以降、メディアの広告枠外で商品名などを視覚的・聴覚的に放送することを禁止していると説明。ラジオやテレビがSNS大手の「フェイスブック」や「ツイッター」の社名に言及することは法律に違反した行為で、罰金が科される可能性があると述べた。

◎ルノー、スパイ捏造事件でナンバー2辞任(2011年4月12日、読売新聞)
 AFP通信によると、仏自動車大手ルノー社のナンバー2、パトリック・ペラタ最高執行責任者が11日、スパイ捏造事件の責任をとって辞任した。
 ルノーは11日、緊急取締役会を開き、事件への対応を協議した。仏政府はルノーの15%の株を保有しており、役員会に先立ち、「責任者は処罰すべきだ」との方針を示していた。この事件は、ルノー社が日産自動車と共同開発した電気自動車(EV)関連の情報を漏えいしたとして3人の幹部を解雇。仏捜査当局はその後、「事実無根だった可能性がある」との見方を示し、同社は3人に謝罪していた。

◎スパイ捏造事件引責、ルノーNO.2が辞任(2011年4月12日、読売新聞)
 AFP通信によると、仏自動車大手ルノー社のナンバー2、パトリック・ペラタ最高執行責任者が11日、スパイ捏造事件の責任をとって辞任した。
 ルノーは11日、緊急取締役会を開き、事件への対応を協議した。

◎仏、ブルカ禁止法を施行、着用し抗議の主婦らを聴取(2011年4月11日、朝日新聞)
 イスラム教徒の女性が顔を含む全身を覆い隠すブルカやニカブの公共の場での着用を禁止する法律が11日、フランスで施行された。違反者には、罰金150ユーロ(約1万8千円)が科せられる。
 パリ警視庁や裁判所に近いノートルダム大聖堂の前では同日朝、法律の施行に抗議していたニカブ姿の主婦(37)が「これを着続ける。私の信条の一部なのだ」と訴えた。AFP通信によると、この女性と支援者らは警察官の事情聴取を受けた。

◎ルノー産業スパイは偽情報?調査担当者を拘束(2011年3月14日、読売新聞)
 フランス自動車大手ルノー社の電気自動車(EV)関連情報が同社幹部3人(解雇済み)を通じて社外へ漏れたと伝えられる問題で、パリの検察当局は14日までに、社内調査担当者ドミニク・ジェブレ氏の身柄を拘束した。
 仏メディアによると、検察は「組織的詐欺」の疑いで予備捜査に入る方針という。ルノー社は解雇された幹部3人に謝罪した。
 内務省の国内中央情報局はこれまで、情報の見返りとして報酬が振り込まれたとされる銀行口座の存在を一切確認していない。社内の何者かが偽情報を流して3人にぬれぎぬを着せ、解雇に追い込んだのではないかとの疑念が浮上している。
 ジェブレ氏は11日、西アフリカ・ギニアへ出国しようとしてパリのドゴール空港で身柄を拘束された。ルノー社は14日、緊急の役員会を開くことを決めた。

◎ルノー安全対策担当者を聴取、仏当局、詐欺容疑で立件へ(2011年3月14日、朝日新聞)
 フランスの自動車大手ルノーから開発中の電気自動車関連の情報が漏れたとされる事件で、警察当局と仏情報機関・国内中央情報局(DCRI)は13日、同社安全対策担当者(52)の身柄を拘束し、詐欺容疑で立件する方向で事情を聴いた。ルノーは14日に経営委員会を開き、漏出疑惑を持たれ解雇された幹部3人に謝罪した。
 ルノーのペラタ最高執行責任者(COO)は今月初めに仏紙に「ルノーは情報操作の犠牲者になったのかもしれない」と語り、産業スパイ事件の根拠となっていた内部情報の一部が誤りだった可能性を認めていた。

◎フランス、リビア国民評議会を政府承認(2011年3月11日、読売新聞)
 フランスのエリゼ宮(大統領府)は10日、リビアの反体制派組織「国民評議会」を「唯一合法的なリビア国民の代表」として認める立場を表明した。
 事実上の政府承認にあたる。国民評議会を承認したのはフランスが初めて。フランスと国民評議会は、リビア北東部のベンガジとパリにそれぞれ大使を派遣する。
 サルコジ仏大統領は10日、エリゼ宮で国民評議会幹部2人と会談し、承認を伝えた。リビアの最高指導者カダフィ氏に退陣を迫る国際世論を勢いづける狙いとみられる。ジュペ仏外相は同日、ブリュッセルでの欧州連合(EU)外相理事会を前に、「国際社会は新たなリビアの責任者と対話すべきだ」と語った。
 一方、EUのアシュトン外交安保上級代表(EU外相)の報道官は10日、「一方的に承認を急ぐべきではない」と述べた。欧州議会は10日、EUに評議会の承認を求める決議を採択したが、フランスに追随する動きが広がるかどうかは不透明だ。ロイター通信などがリビアのメディアを引用して伝えたところによると、カダフィ政権はフランスとの国交断絶の検討に入った。

◎フランスへのハッカー攻撃、中国が関与か(2011年3月8日、産経新聞)
 仏リベラシオン紙(電子版)は7日夜、仏財務省に対するハッカー攻撃について、同国内務省高官の話として、「エリゼ宮(仏大統領府)や外務省はもとより、欧州レベルの機関など主要国首脳会議(G8)や20カ国・地域(G20)首脳会合を準備中の全機関が標的にされた」と伝えた。
 一方、7日付仏週刊誌パリ・マッチ(電子版)によると、政府筋は、中国のアドレスから送られたメールの添付ファイルで拡散するトロイの木馬型ウイルスが使われており、中国にあるサイトに情報が流出した恐れがあると指摘、中国の関与を示唆した。

◎仏財務省にハッカー侵入、G20関係書類標的か(2011年3月7日、産経新聞)
 仏財務省のコンピューターに昨年末から大規模なサイバー攻撃があったことが分かった。バロワン仏政府報道官が7日、明らかにした。
 バロワン氏はフランスが今年の議長を務める20カ国・地域(G20)首脳会議関係の情報が狙われたと指摘。「手がかりはあるが、確認は不可能だ」と述べた。
 仏週刊誌「パリマッチ」が7日、電子版で報じたところによると、ハッカーの侵入で財務省のコンピューター約百台が狙われ、約1万台に修理を要する被害が出た。政府高官の1人は中国のアドレスから添付ファイルで拡散する「トロイの木馬」型ウイルスが使われているため、中国のサイトに情報が流出した恐れがあるという。

◎ルノー漏えい「スパイの形跡なし」、仏捜査関係者(2011年3月4日、読売新聞)
 フランスの自動車大手ルノー社が日産自動車と共同開発した電気自動車(EV)関連の情報がルノー社幹部3人(後に解雇)を通じて社外に漏れたとされるスパイ問題で、仏メディアは3日、スイスやリヒテンシュタインに存在すると伝えられた幹部名義の銀行口座が存在せず、社内の何者かが偽情報を流して3人にぬれぎぬを着せた可能性があると伝えた。
 捜査関係者はAFP通信に対し、「スパイ行為の形跡は何もない」と語った。
 ルノー社は1月中旬、同社幹部が報酬の見返りにEV関連情報を社外へ流した可能性があるとしてパリ地検に告訴。幹部3人を解雇したが、3人はいずれも関与を否定、逆に同社側を虚偽告訴罪で告訴し、復職を求める事態になっていた。

◎フランス:マルセイユ、路上にゴミ1万トン、スト2週間超(2010年10月26日、毎日新聞)
 フランスでの年金改革反対ストで、一部自治体でゴミ収集がストップして問題となっている。仏第2の都市・マルセイユでは、路上に1万トンのゴミがたまり、伝染病が懸念されるほどだ。一方、仏政府は25日、一連のストで16億〜32億ユーロ(約1800億〜3600億円)相当の経済的損害が出たことを明らかにした。
 仏内務省などによると、マルセイユでは清掃作業員のストが2週間以上続き、市のつじつじにゴミが放置されたまま。ネズミも路上をうろつき、ペストなど伝染病の懸念も出ている。自治体側は24日、ゴミ集積所でピケを張る作業員に職場復帰を命令。労組幹部も25日になって、衛生状況の悪化を防ぐためにストを中止するよう作業員らに求めた。だが、実際にゴミが消えるまでには、かなり時間がかかりそうだ。

◎フランス:退職年齢延長に反対、350万人デモ(2010年10月13日、毎日新聞)
 フランスで12日、サルコジ政権が進める退職年齢延長などの年金改革に反発した今年最大規模のデモが行われた。労組によると大学・高校生を含む350万人が参加。交通機関などではストが相次いだ。デモやストは13日も続く予定で、政権への批判の高まりを示している。
 高校生の団体も抗議行動に初めて加わり、全国で約400の高校で正門を封鎖した。パリのデモ(労組発表33万人)に参加した男子高校生(17)は「退職年齢が延長されれば、その分、若年層の職がなくなる。若年層にはただでさえ失業者が多く、政権の改革は支持できない」と話した。
 交通機関は、ストの影響でパリ発着の航空便の3〜5割、新幹線の6割が運休。一般鉄道や地下鉄も終日、乱れた。また、マルセイユなどの港湾労働者によるストで海運にも影響が出ている。
 サルコジ政権は今年、年金財政の赤字解消に向け、退職年齢の60歳から62歳への延長を柱とする年金改革法案を提出。法案の主要部分は既に議会を通過しており、フィヨン首相は12日、「譲歩はありえない」と述べ、ストに対抗する姿勢を示した。
 だが、政権に対しては、ロマ族の「追放」政策などへの批判も高まり、最近の世論調査では政権支持率は約25%と07年の政権発足以降、最低を記録。一方で国民の約7割がゼネストを支持している。

◎ブルカ禁止法は合憲、来春施行へ、フランス(2010年10月8日、産経新聞)
 フランスの法律の違憲審査を行う憲法会議は7日、イスラム教徒女性の全身を覆う衣装、ブルカやニカブの公共の場での着用を禁止する「ブルカ禁止法」が憲法違反に当たらないとの判断を下した。これにより、同法は6カ月の周知期間を経て来春に施行されることになった。
 同法は9月に議会で成立していた。違反した者は罰金150ユーロ(約1万7000円)、妻や娘に着用を強制した者には罰金3万ユーロと禁固1年が科される。
 フランス国内で500万〜600万人とされるイスラム教徒のうち、ブルカやニカブを常時着用している者は約2千人といわれる。
 欧州ではベルギー下院も4月に公共の場での着用を禁止する法案を可決したほか、スペインなどでも禁止の動きが出ている。

◎ロマ人追放は「EU法違反」、欧州委員会(2010年9月30日、読売新聞)
 AFP通信などによると、欧州連合(EU)の執行機関・欧州委員会は29日、フランスのサルコジ政権によるロマ人不法滞在者の国外追放措置が、域内の自由移動を保障するEU法に違反するとして、法的措置を開始することを決定した。
 ビビアン・レディング欧州委員(司法・基本権・市民権担当)は29日、仏テレビで、「フランスは移動の自由を定めたEU法を施行していない」と語った。欧州委員会は今後、フランス政府に正式な通知を送付し、EU法の順守を求めるとともに、国外追放措置の詳細についてただす方針。
 サルコジ政権は8月、犯罪対策としてロマ人の不法滞在者を出身国のルーマニアなどに強制送還する措置を開始していた。

◎エッフェル塔や地下鉄に爆破予告、ブルカ禁止法に反発か(2010年9月15日、朝日新聞)
 パリで14日、エッフェル塔や駅に対する爆破予告が相次ぎ、観光客らが避難する騒ぎが起きた。仏メディアは、この日上院を通過して成立したブルカ禁止法に反発するイスラム過激派などが関与している可能性があると指摘している。
 AFP通信によると、14日午後8時20分(日本時間15日午前3時20分)ごろ、エッフェル塔の管理会社に匿名で爆破予告の電話があった。警察などが当時塔内のレストランなどにいた人びとを避難させる一方、塔とその周辺を立ち入り禁止にして爆破物の捜索にあたった。爆発物は見つからなかった。
 地下鉄と鉄道の運行会社にも同夜、匿名の爆破予告があり、警視庁や学生街に近いサンミッシェル駅で乗客らが避難。パリと郊外を結ぶ路線が最長約1時間にわたり運行停止になった。

◎仏ブルカ禁止法が成立、施行は11年春(2010年9月15日、朝日新聞)
 フランス上院は14日、イスラム教徒が顔を含む全身を覆い隠す「ブルカ」などの衣装を公共の場で着用することを事実上禁止する法案を賛成多数で可決。同法は成立した。国家としての禁止法成立は欧州で初めて。
 同法については国務院が個人の自由を尊重する立場から違憲の疑いを指摘したこともあり、憲法評議会による審査期間などを考慮し、施行は公布から6カ月後の2011年春と定めた。憲法評議会が審査して違憲判断を下した場合は同法は施行されない。
 同法が施行されれば、公共の場で顔を隠す衣装の着用を禁止される。違反すると罰金150ユーロ(約1万6千円)か、フランスの習慣などを学ぶ市民教育の受講が義務づけられる。また、女性に着用を強制した夫などについては、最高で禁固1年か罰金3万ユーロが科せられる。
 フランスのブルカ禁止論議は、昨年6月に国民議会(下院)に強制着用の実態調査を求める決議案が提出されて本格化。同議会に設置された調査委員会が今年1月に着用禁止に向けた法制度の整備を提言。政府は5月に禁止法案を閣議決定し、国民議会が7月に可決した。

◎フランス:「ロマ」100人送還、欧州で強い批判も(2010年8月20日、毎日新聞)
 フランスのサルコジ政権は19日、国内にいながら定住していない少数民族ロマ約100人を、故国・ルーマニアなどに送還した。仏では7月「非定住者」の暴動が発生、同政権はロマの故国への送還強化を宣言していた。ルーマニア政府は「移民・外国人排斥の風潮を招きかねない」と懸念を表明するなど、欧州で大きな批判を呼んでいる。
 同日、送還されたのは仏国内の違法キャンプなどに滞在していた約100人。大人300ユーロ(3万5000円)、子供100ユーロが「帰国費」として支給された。同政権は当面、ロマ約700人に帰還を要求し、同意しない場合は強制送還に切り替える。
 仏では7月、国内を放浪する「非定住者」が、警察や商店を襲撃する暴動が発生。これに対し、サルコジ大統領は、▽ロマなどの違法キャンプ300カ所の撤去▽罪を犯したロマの故国への送還強化−−などの方針を発表していた。
 これまでも仏はロマの送還を行っていた。だが大統領の宣言後、最初となった送還には欧州連合(EU)の政府である欧州委員会が「(ルーマニアを含む)EU内の移動は自由なはず」と懸念を表明。仏の動向を今後、監視する意向を示した。
 また送還されたロマの一部は欧州メディアに「無理やり送還させられた。職のある仏に再び戻るつもりだ」と発言。一方、仏政府は「EU法では治安安定のため、EU内の移動の自由を制限できるはずだ」と、送還の合法性を強調している。

◎仏、ロマの送還開始、「移民排斥」と批判も(2010年8月19日、産経新聞)
 フランス政府は19日、国内に不法滞在する少数民族ロマの出身国への送還を開始した。第1陣の93人が同日、空路でルーマニアに送り返された。サルコジ大統領が打ち出した「移民犯罪」対策の一環で、今月末までに計約700人がルーマニア、ブルガリアなどに送還される予定。
 フランスの野党や人権団体は「外国人、移民の排斥」だと反発、与党内からもロマ追放はナチスによる「ユダヤ人狩り」を連想させるとの批判が出ている。
 移民・統合・共同開発省によると、送還されるのは「自主的に」帰国に同意したロマの人々で、19日は14人がパリから、79人が中部リヨンから航空機に搭乗。帰国に際し「人道的支援」として、大人は1人当たり300ユーロ(約3万3千円)、子どもは同100ユーロを支給された。送還される人々の指紋などの生体認証データを保存し、再入国を防ぐという。

◎フランスは返還拒否、韓国からの“略奪文化財”(2010年8月17日、産経新聞)
 日本から韓国への“文化財返還”があらためて問題になっているが、フランスは韓国への返還をいまなお拒否し続け、交渉は17年間も難航している。
 フランス所有の韓国文化財というのは、李朝末期の1866年、フランス艦隊がソウル近郊の江華島に侵攻し、島にあった王室文庫の「外奎章閣」から奪っていった文書。
 日本から“引き渡し”が予定されているのと同じ王室儀礼に関する「儀(ぎ)軌(き)」で、191種・297巻がフランス国立図書館(BNF)に所蔵されている。
 韓国の返還要求に対し1993年、当時のミッテラン大統領が訪韓の際、うち1巻を「永久貸与」として韓国政府に引き渡した。フランスとしては韓国への高速鉄道売り込みの“手みやげ”だった。
 韓国側はこれをきっかけにすべての返還を期待し交渉を続けたが進展はなかった。最近、韓国政府は「永久貸与」式の“返還”を打診しているが、フランスは応じていないという。
 フランス側は文書の所有権はあくまでフランスにあるとし「返還」には強く反対してきた。「永久貸与」も国内法上、問題があるほか、数多くの他の外国文化財の返還問題にも火が付く恐れがあるため、決めかねているという。
 フランスは韓国からの明らかな“略奪文化財”であっても「返還」には応じていないのが実情だ。
 今回、菅直人首相の「首相談話」は韓国側に「返還」ではなく「お渡ししたい」としている。いわば「無償譲渡」という感じだ。対象は日本政府(宮内庁)保管の「王室儀軌」167巻というが、これが日本側に渡った正確な経緯は日本統治時代(1910〜45年)を含め、必ずしも明らかでない。
 日韓間では1965年の国交正常化の際、文化財返還も交渉の対象になり、双方の政府合意で一定のものは返還された。
 しかし韓国側は「まだ日本には数多くの韓国文化財が存在する」とし、略奪とは関係ない売買、収集などによる民間所有のものを含め、返還を求める声が続いている。

◎ロマ居住地、40カ所撤去、仏内相(2010年8月12日、産経新聞)
 フランスのオルトフー内相は12日の記者会見で、政府が7月下旬に少数民族ロマの「不法キャンプ」撤去方針を発表して以来、これまでに40以上のキャンプを強制的に取り壊したことを明らかにした。
 内相は、キャンプに住んでいた約700人について「それぞれの出身国であるルーマニアやブルガリアに送還する」とも表明。ロマの送還について、来週パリを訪問するルーマニア高官と2国間協力の強化を話し合うと述べた。
 フランス政府は今後3カ月で、国内300カ所の不法キャンプを撤去する方針を示しており、人権団体などが反発している。

◎たばこ、値下げするなら課税する!フランス保健相(2010年7月6日、産経新聞)
 屋内の公共空間での禁煙など喫煙による健康被害への法規制が進むフランスで、米英系のたばこ会社が5日、一部銘柄の販売価格を値下げしたことにバシュロナルカン保健相が「全く許し難い」と猛反発、たばこへの一層の課税強化を示唆した。
 値下げされたのは、大手ブリティッシュ・アメリカン・タバコが製造するラッキーストライクなどの銘柄。従来価格より20ユーロセント(約22円)下げて1箱5ユーロ30セント(約580円)とした。
 保健相は「たばこの健康被害を抑止するため、増税で適正価格にすることを望む」などと発言、たばこ会社に対抗して税金で価格を引き上げる意向を示した。
 フランスでは昨年11月にたばこ税の増税案が議会を通過、値上げのために消費量が減少に転じたばかり。ただ今回値下げに踏み切った銘柄の国内シェアは4%以下にとどまっている。

◎欧州で暴風雨50人超死亡、フランス西部を直撃(2010年3月1日、産経新聞)
 大西洋で発生した暴風雨が2月28日、欧州西部を直撃しフランス西部を中心に50人以上が死亡、約60人が負傷、十数人が行方不明になった。同国内務省によると、西部のバンデ県などで45人の死亡が確認された。多くが高波にのみ込まれ水死したという。スペインでも3人、ドイツ、ポルトガル、ベルギーでそれぞれ1人が死亡した。
 フランス大西洋沿岸では高波による洪水が発生し、100万世帯以上が停電した。フィヨン首相は「国家的大惨事だ」と言明、サルコジ大統領は1日に最大被災地となったバンデ、シャラント・マリティム両県などを訪問する予定。
 パリのエッフェル塔では一時、時速175キロの強風を記録、パリ市内ではオートバイがなぎ倒されたり、ゴミが飛散するなどした。シャルル・ドゴール空港ではダイヤが大混乱し、少なくとも100便が運休した。

◎フランスの免税品、買い物王者は中国人 ロシア人抜く(2010年2月1日、朝日新聞)
 中国人がフランスで買ったブランド品などの免税品の額が昨年、ロシア人を抜いて1位に躍り出た。還付請求代行業者グローバル・リファンド社が発表した。
 中国人の免税品購入額は2009年、前年比47%増の1億5800万ユーロ(約208億円)。その87%はファッション関連に費やされていた。ブランド志向が強いうえ富裕層が急増していたロシアは、金融危機の影響のためか前年から約23%減の1億1100万ユーロ。1位の座を明け渡した。
 かつて圧倒的1位だった日本人は07年にロシア人に、08年は中国人に抜かれ、昨年も3位だった。ただ、円高の影響から約17%伸びて約1億ユーロだった。4位米国人は2%増の6100万ユーロ。
 ロシア人と並ぶブランド好きで知られるウクライナ人は、1人あたり購入額が1481ユーロで、前年に続いて1位。

◎フランス炭素税、憲法評議会が「無効」 政権に大打撃(2009年12月30日、朝日新聞)
 フランスで法律の違憲性を判断する憲法評議会は29日、仏政府が来年1月から導入を予定している炭素税を無効とする裁定を発表した。政府の新年度予算や税制改革は根本から練り直しを迫られる。
 仏は二酸化炭素(CO2)排出量の抑制や省エネ技術開発促進のため、二酸化炭素1トンあたり17ユーロの炭素税導入を中心とする税制改革法案をつくった。電力業界を「CO2と無関係の原子力が主流」として対象外にするなど、多くの企業向け免税措置を設けた。
 この措置を憲法評議会は問題視した。製油所など環境汚染が甚だしい1018カ所の事業所や火力発電所が課税を免れ、免税対象は企業排出CO2の93%に及ぶと試算し、「税の不平等感が強く、温暖化対策の目標にも逆行する」と批判。法律を無効とした。
 フィヨン首相は29日、新たな炭素税法案を1月20日の閣議に提出する方針を示したが、予定通りの導入は不可能となった。炭素税を環境対策の目玉として打ち出していたサルコジ政権には大きな痛手で、野党は政権の対応を一斉に批判している。リベラシオン紙は「家庭に厳しく大企業に甘い法律だったからだ」と指摘。アルザス紙は「サルコジ大統領の5年の任期で最大の失敗となるだろう」と論じた。(国末憲人)

◎仏海岸で緑藻大繁殖、有毒ガスで意識不明も、バカンスに打撃(2009年8月11日、日本経済新聞)
 フランスの大西洋に面した海岸で今夏、ノリに似た緑藻が異常繁殖し、市民生活に影響が及んでいる。7月末には緑藻が腐って発生した有毒ガスを吸った人が意識不明になった。立ち入り禁止とされた海岸もあり、バカンスの書き入れ時を迎えた観光業に打撃を与えている。海洋汚染や温暖化が大繁殖の原因と指摘されている。
 仏西部サンミシェルアングレーブでは、海岸で乗馬を楽しんでいた人がガス中毒で倒れ、馬は死んだ。砂浜を埋め尽くした緑藻が腐敗し、有毒ガスである硫化水素を発生させたとみられる。
 緑藻の大繁殖は仏の大西洋岸各地に広がっており、各県はこうした海岸の一部を立ち入り禁止とした。観光業者や漁業関係者は困惑しているが、海岸にべったりと付着した緑藻を取り除くのは難しく、分解を待つしかないという。

◎「日曜はダメよ」の仏店舗、営業解禁へ新法(2009年7月26日、読売新聞)
 フランスで、これまで原則として禁じられていた日曜日の店舗営業を、大都市や観光地で解禁する新法が国会で可決された。
 政府は年内施行を目指しており、実現すれば観光客も買い物や飲食がしやすくなる。
 ただ、「もっと働き、もっと稼げ」と旗を振るサルコジ大統領肝いりの新法には、国民の過半数が「ノン」と拒否反応を示しており、野党は徹底抗戦の構えだ。
 フランスの労働法典は企業に対し、日曜日に労働者を休ませることを義務づけている。日曜休日の起源は、旧約聖書の安息日にさかのぼり、人々はローマ帝国時代以来、「日曜日は家族と精神活動のためにある」と考えてきた。
 フランスには、24時間営業のコンビニはない。世論調査会社ビアボイスの今月の調査では、「日曜は家族のためにある」と答えた人が86%に達し、55%が日曜労働に反対した。
 ただ、実際には、日々の生活に必要なパン店や生鮮食料品店、郊外型大型店などは例外扱いされている。特別手当を受け取って恒常的に日曜日も働く人は、約350万人にのぼる。
 大統領は、年間約8000万人が訪れる観光客に目を付け、「日曜営業拡大で収益を上げよう」と売り込んできた。新法は、新たに指定する全国約500か所の「観光・温泉地」と、パリ、マルセイユ、リールの3大都市圏で日曜営業を拡大。一方で、経営者は日曜労働を強制できず、「観光・温泉地」以外の労働者には、平日の2倍の過勤手当を払う保護策も盛り込んだ。
 法律原案は、より広範な日曜労働拡大策を盛り込んでいたため、与野党から、「人間の自由時間を奴隷と消費に変えるべきでない」(緑の党)、「議会はもっと良質な提案を国民にすべきだ」(与党・民衆運動連合)などと異論が噴出。2年に及ぶ断続的な審議の間に約300もの修正が施された。
 今回の新法で、フランスは日曜営業の規制を緩和した英国やドイツに追随する形になるが、最大野党・社会党などは「日曜労働の自由化につながる」と反発。日曜の過勤手当が「観光・温泉地」で適用されない点に目をつけ、「憲法が禁じる不平等を生む」と憲法評議会に違憲審査を申し立て、新法の撤回を迫る構えだ。
 働くことを決して美徳としないお国柄だけに、今後もさまざまな抵抗が予想され、制度の定着を疑問視する声も根強い。

◎フランス:労組が雇用で政府と対決、サルコジ氏、難局直面(2009年2月3日、毎日新聞)
 フランスでサルコジ大統領による「改革」を巡り社会の対立機運が高まっている。先月、仏全土で100万人以上が参加するデモが起き、雇用や賃金への不安が改めて爆発。労組側は2日、今後の闘争方針を協議し、政府との対決姿勢を強める構えだ。昨年末まで欧州連合(EU)議長国としてグルジアや中東での調停役で活躍した大統領は内政の難題に直面、得点を失いつつある。
 大統領は5日夜、国民に向けたテレビ演説で「景気低迷の原因は仏政府の政策でなく国際金融危機にある」として、国民の不安に理解を示し、対決ムードを和らげる予定だ。
 しかし、先月29日のデモやストには国民から高い支持が寄せられている。金融危機以来、失業が増え、賃金カットなども行われているためで「政府は銀行や企業に資金支援するのでなく、国民にすべきだ」とするデモの主張が共感を呼んでいる。デモ参加者数は労組側発表で250万人(警察発表108万人)にのぼっており、サルコジ政権発足以来最大規模となった。
 大統領による「改革」の一つで、教員数削減などを掲げた教育改革法案は反発を受けて先送りされ、商店の日曜営業法案も保守派などの反対で骨抜き修正された。公共テレビからの広告削減は今年から実施されたが、左派は「大統領に近い民放を利するだけ」と反発を緩めていない。
 大統領は外交での影響力保持を狙って、ユーロ圏会議開催をうかがったが、「ドイツの『開催は逆効果』の声で実施に至らなかった」(ルモンド紙)とされ、外交での得点稼ぎもままならない。
 北部での先月の遊説の際に反政府派のやじに怒り、「警備が不備だった」として地元警察責任者を更迭するなど、大統領のいらだちはおさまっていない。

◎フランスのデモ拡大、参加者250万人に(2009年1月30日、読売新聞)
 フランスで29日朝に始まった主要8労組による全国規模の時限ストは同日午後、パリやマルセイユなど全国の主要都市でデモ行進が行われ、最大労組「フランス労働総同盟」の発表で計250万人が参加した。警察発表は100万人。
 官公労の組合員に加え、金融など民間企業の労働者も「雇用の安定」を求めて多数参加し、デモは2007年5月のサルコジ政権発足以来、最大規模となった。悪化するフランスの雇用情勢の深刻さが浮き彫りになった形だ。
 パリ市内では、100人規模の参加者が警官隊と衝突し、1人が負傷、13人が逮捕された。

◎仏デモ、100万人超が参加、大統領「不安を理解」(2009年1月30日、産経新聞)
 国際金融危機を背景にした企業の人員削減、賃金カットなどに抗議し、フランスの主要都市で実施されたデモで、同国の警察当局は29日、参加者が全土で108万人に上ったとの推計を発表した。労組側は250万人が参加したとしている。
 2007年のサルコジ政権発足以来、最大規模の抗議行動で、同大統領は「かつてない規模で世界に広がった(経済)危機に対して不安を抱くのは当然」と声明を発表、今回のデモやストに理解を示した。
 声明はさらに、サルコジ大統領が2月に労使の代表者と会談し、フランス政府の構造改革計画を今年どのように進めるのかについて検討すると表明している。
 警察発表によると、デモの参加者はパリで6万5000人、マルセイユで2万4000人、トゥールーズで5万6000人など各都市でも過去数年で最大規模に達した。

◎新成人は新聞無料、ただしフランスのお話、政府が財政支援(2009年1月25日、読売新聞)
 フランスのサルコジ大統領は23日、広告や部数の減少に悩む日刊紙など活字メディアについて、今後3年間で総額6億ユーロ(約690億円)を投入する抜本的な救済措置を打ち出した。
 メディア業界や記者ら関係者による国民三部会(諮問委員会)が約半年の議論を経てまとめたもので、業界、政府をあげて新聞立て直しに乗り出す。
 救済策の目玉は、18歳の成人に1年間、好みの新聞1紙を無料配達する試み。各社が新聞代を、政府が配達料を負担し、活字離れが指摘される若年層を新聞へ引き寄せる狙い。宅配網拡充のため、民間配達業者への財政支援を現行の約9倍の7000万ユーロ(約80億5600万円)に引き上げ、業者の税負担を大幅に引き下げる。
 また、〈1〉活字メディアによる電子媒体の充実を政府が支援〈2〉郵便局の配達料値上げを1年先送り〈3〉新聞社が印刷会社に支払う代金の3〜4割圧縮を政府が迫る〈4〉新聞の政府広告を増やす――なども含まれている。

◎中国製ブーツで湿疹か、フランスででリコール(2008年11月7日、産経新聞)
 フランスの衣料品販売会社エタムは7日までに、同社販売の中国製ブーツを履くと、添付の小袋入り防かび剤が原因で湿疹などの激しいアレルギー症状を引き起こす可能性があるとして、ブーツのリコール(無料の回収)に着手した。6日付のフランス紙パリジャンなどが伝えた。
 フランスでは9月にも中国製ソファの多くの購入者が防かび剤による湿疹を訴えたことを受け、ソファが店頭から撤去された経緯がある。
 問題のブーツは10月20日に販売が始まり、これまでに881足が販売された。防かび剤には欧州連合(EU)の中で使用が認可されていない化学物質が含まれていたとみられる。

◎フランス:中国製椅子、販売中止に、湿疹など被害400人(2008年9月19日、毎日新聞)
 フランスの大手家具販売チェーン「コンフォラマ」社は17日、中国製のひじ掛け椅子やソファ数種を店頭から撤去したと発表した。購入者数百人から「痛みを伴う湿疹(しっしん)が出た」などの苦情を受けた措置。
 同社広報部によると、これら椅子類は中国の「リンク・ワイズ」社製で、防カビ剤を多量に含んでいたため「アレルギー反応を起こすケースがある」という。7月に症状を訴えた医師が「購入した椅子との関係があり得る」と警告したことで販売停止を決めた。パリジャン紙は「十数人の客が椅子などの購入後、深刻な症状を発症し入院した」と報じた。
 コンフォラマ社は06〜08年にリンク・ワイズ社製の椅子類を延べ3万8000人の顧客に販売。うち400人が被害を訴え、800人が商品交換か、払い戻し手続きを取ったという。コンフォラマ社は購入者にアレルギー発症を警告する手紙を送ったが、製品回収には踏み切っていない。

◎英仏トンネル火災、最大規模の事故、復旧めど立たず(2008年9月12日、朝日新聞)
 英国とフランスを結ぶ英仏海峡トンネル内で、フランス時間の11日午後4時(日本時間同11時)ごろ、通過していたトラック輸送用の列車付近から出火した。トンネルは上下線とも閉鎖され、復旧のめどは立っておらず、94年の開通以来最大規模の事故となる可能性も出てきた。
 この事故で、列車に乗っていたトラック運転手ら32人が退避用トンネルを使って避難した。6人が軽い中毒症状などを訴えて病院に運ばれ、8人がガラスの破片などで軽いけがを負った。
 火災は仏側入り口から数キロ入った地点で発生。仏ラジオによると、輸送列車の荷台に載せられていたトラックのブレーキ部分から火が出てタイヤを焦がし、周囲のトラック2台に燃え移ったという。
 当日は米同時多発テロの7周年にあたっていたが、現地に入ったアリオマリ内相は「事故と見られる」とテロの可能性を否定。ただ、複数の脱出者から「爆発音がして火が出た」との証言も出ている。
 仏国鉄によると、事故当時は他の列車はトンネル内になく、近くにいた列車もロンドンとパリに戻ったという。
 英仏海峡トンネルはドーバー海峡下を通る全長約50キロの海底トンネルで、ロンドンと欧州大陸を結ぶ高速鉄道ユーロスターなどが運行されている。96年にも火災が発生し、全面復旧に数カ月を要した。

◎ルワンダ政府報告書「大虐殺にフランスの政治家ら関与」(2008年8月6日、朝日新聞)
 80万人が犠牲になったとされる94年のルワンダ大虐殺に、当時部隊を派遣していたフランスの政治家らが積極的に関与したとする報告書が5日、ルワンダ政府によって発表された。AFP通信などによると、故ミッテラン元大統領やバラデュール元首相ら、当時の仏政府首脳らが名指しで非難されている。
 大虐殺は、多数派のフツ族民兵などが、少数派のツチ族や穏健派のフツ族を襲撃して起きたとされる。仏政府は90年からのルワンダ内戦で、自国民保護による派兵やフツ族中心のルワンダ政府への武器供与などを行っていた。
 120人の目撃証言に基づく報告書は、仏軍兵士が殺人やレイプに直接かかわったほか、民兵側の路上検問を黙認するなど、政治的・軍事的に支援したとしている。その責任者として、ミッテラン氏ら政治家と軍関係者計33人の名前が列挙されている。
 94年4月の故ハビャリマナ・ルワンダ大統領(当時)の搭乗機撃墜事件をめぐり、仏捜査当局は04年、ルワンダのカガメ現大統領が首謀者だったとする報告書をまとめている。これに反発して、ルワンダ政府が06年、仏政府の大虐殺での役割を調べるための特別委員会を設けたいきさつがある。ルワンダは06年11月にフランスと断交。ルワンダ政府はすぐには起訴手続きを取らないとしているが、今回の報告書で両国関係がさらに悪化することは必至だ。
 仏外務省は報告書を見ていないとして、コメントは出していない。

◎仏で憲法大幅改正、大統領3選禁止、議会権限を拡大(2008年7月23日、読売新聞)
 フランス国会は21日、上下両院の合同本会議を開き、大統領の3選を禁じ、議会の権限を強化することなどを盛り込んだ大幅な憲法改正案を賛成539、反対357の賛成多数で可決した。
 修正される条文の数は全体の半数近い約40か条に及ぶ。
 仏憲法の改正は、ドゴール首相下の1958年に成立した第5共和制下で24度目。
 今回の改正は、▽大統領任期を連続2期までとする▽刑事犯への大統領恩赦を廃止する──など、大統領の権限を縮小した。
 一方で、▽軍の海外派兵について政府は3日以内に議会に報告し、派兵が4か月以上の場合は議会承認を得る▽議会の議事日程を決める政府の権限を大幅に縮小する▽法案審議における政府の修正権を廃止する──など、議会の権限を拡大した。
 改憲は、サルコジ大統領が公約していた。大統領は、訪問先のダブリンで「民主主義の勝利だ」と歓迎した。改憲には合同本会議で賛成票が、投票総数(棄権と白票を除く)の5分の3以上となった場合に成立するが、今回は、野党・社会党や環境政党・緑の党などが反対に回り、賛成票が必要票数(538)を1票上回って可決にこぎ着けた。

◎仏アレバの原子力施設、ウラン漏れ相次ぐ、情報隠しの声(2008年7月19日、朝日新聞)
 フランスの原子力企業アレバの関連施設で今月、ウランが漏れる事故が相次ぎ、安全性への信頼が大きく揺らいでいる。当局は「環境への影響はなかった」と説明するものの、実態解明を要求する声が高まっている。
 最初の事故は、南仏トリカスタンのウラン濃縮工場から出る廃液処理施設で8日に発生。天然ウラン約74キロを含む廃液がタンクからあふれ、地表や周辺の川に流れ出た。政府は、地下水の使用や周辺の川や湖での遊泳、釣りなどを禁止した。
 反核団体のネットワーク「核からの脱却」は「アレバは情報公開を遅らせた結果、住民を危険にさらした」と批判。アレバは施設経営陣の更迭を決めた。ボルロー環境相はパリジャン紙に「もっと透明性が必要だ」と言明。国内すべての原発周辺の地下水の汚染調査に乗り出した。
 一方、民間研究機関は、同施設周辺でここ30年間に770トンの放射性廃棄物が漏れ出したと指摘。騒ぎが広がっている。
 また、18日には南仏ロマンシュルイゼールの研究炉用核燃料製造工場で配管が破れ、ウラン数百グラムを含む放射性物質が漏れ出したことが発覚。数年前から破れていた可能性があるという。
 いずれの事故も、国際原子力事象評価尺度(INES、8段階)で低い方から2番目のレベル1にあたると、仏当局は暫定値を公表。しかし、不信感は強まっており、野党は政府に事件の徹底究明を申し入れた。

◎夏のリビエラ、クラゲうじゃうじゃ、温暖化?海洋汚染?(2008年7月18日、朝日新聞)
 世界屈指の高級海浜リゾート地、フランスの地中海岸コートダジュール(リビエラ)地方でクラゲが大発生し、バカンス客らを困らせている。地球温暖化の影響とも海洋汚染のせいとも指摘され、係員らが波打ち際で捕獲・回収に追われているという。
 地元紙によると、被害が大きいのは沿岸で最も人気の高いカンヌからカーニュにかけて。ここ数日クラゲがどっと押し寄せ、囲まれて身動きできなくなったボートからの救援依頼が相次いだ。この間の救助隊や消防の出動は500回にのぼるという。
 周辺自治体は網を張るなどの対策を模索。地域を代表する保養地アンティーブはクラゲの接近を察知する警戒システムを設け、吸引機付きのボートで処理している。
 ルモンド紙によると、原因として(1)地球温暖化で地中海の海水温度が平均1度ほど上昇した(2)マグロやウミガメの乱獲でクラゲを食べる動物が減った(3)化学物質による海洋汚染――などが指摘されているという。

◎街角:パリ、豊かな「左派支持者」(2008年7月13日、毎日新聞)
 今春のパリ市長選で再選された左派社会党のドラノエ市長を支持した人々の中に、「ボーボー」(ブルジョア・ボヘミアン)と呼ばれるグループがいる。伝統的な家族観や宗教観を守る従来のブルジョアに対し、ボーボーは古い概念にとらわれず自由を掲げている。専門職などに就き暮らしは豊かだが、華美を嫌う。パリ東部バスチーユや北部モンマルトルなど労働者の多い地域に住み、選挙では左派に投票する。
 そんなボーボーの一人、パリ中心部マレ地区に住むグウェノレ・ルメンさん(27)はエリート校・パリ高等師範学校で財務数学を学びながら、教養課程の学生に数学を教えている。同校の学生は公務員待遇で月給が1300ユーロ(約22万円)、さらに教師の収入が550ユーロ(約9万円)ある。
 卒業生の7割は教授や研究者になるが、「学界に失望した」というグウェノレさんは金融機関に就職するつもりだ。月収は4000ユーロ(約68万円)超の見通し。ただ、「10年ほど働いて貯金したら退職する。好きな数学とサイクリングざんまいの暮らしがしたい」と話す。ボーボーたるゆえんだ。
 フランスでは故ミッテラン大統領時代に「ゴーシュ・キャビア」(左派なのに高価なキャビア好き)といわれる人々がいた。ボーボーとやや似ているが、グウェノレさんは「彼らの教育観はブルジョアと同じで子供をエリート校に行かせるが、ボーボーは子供の自主性に任せる」と違いを強調する。ちなみに、ボーボーもブルジョアの変形のためか「誰も自分がボーボーだとは言わない」そうだ。【福井聡】

◎オトコとオンナの事情・フランス編:第57回 親子で性を語るとき(2008年7月2日、毎日新聞)
 フランスの学校は7月3日から夏のバカンスが始まる。2カ月も続くバカンス中、観光地でアルバイトをしたり、キャンプや文化的な催しに参加したりして、日常とは異なる体験をする。このバカンス中に、フランスの小さな子どもたちはファースト・キスを、もう少し大きくなると初体験をすることが多い。
 どんな話題でも率直に話していそうに見えるフランス人の親子も、性の話題はちょっと違うようだ。日刊紙パリジャンは一面に若い男女の写真を載せ、「思い切って、あなたの子どもと性について話そう」と見出しを打ち出している。性の問題に詳しい産婦人科医シルヴァン・ミムン氏によると、友達の近況を尋ねながらなにげなく性の話題に触れるといいそうだ。「Aにはカレがいるの?」「彼女、肉体関係はあるの?」「ピルは?」など。自分のことは話しづらくても、友達の恋愛話には花が咲く。こうして、フランスの子どもたちは親に心を開いていくらしい。
 会話のきっかけは、映画やテレビドラマでセックスシーンがあったときに何気なく。新聞や雑誌の記事を読んで真面目に、など親としてはタイミングを見計らって切り出そうとしている。13歳の娘と17歳の息子を持つベルナデットは、子宮頸がんの予防ワクチンをすすめるテレビコマーシャルがきっかけで、子どもたちと語り合えたと喜んでいた。フランスの厚生省は、14歳から女の子に子宮頸がんの予防ワクチン接種を勧めていて、ワクチンメーカーがテレビやインターネットなどで広告を流している。「初体験前にワクチン接種」とコメントが流れてくると、ベルナデットの子どもたちはコマーシャルに目をやった。「あなたも来年ワクチンしてもいいかもね」などと娘に言いながら、ワクチンや避妊の必要性を話したそうだ。
 フランス人は早熟なのかと思ったが、初体験の年齢は日本人とそう変わらない。女性が17.6歳、男性が17.2歳。50年前は、女性が20.66歳、男性が18.6歳と男女差が2年あったが、1960年代から70年代にかけて女性の低年齢化が進み、現在は男性とほぼ同じ。この変化は、女性が初体験の相手と結婚しなくてもよいと考えるようになったからだ。(INED国立人口統計学研究所とInserm国立衛生医学研究所、2006年の調査)
 別の調査によると、もっとも早熟なのはアイルランド人の15.6歳、もっとも慎重なのはインド人の19.8歳、日本はフランスと並んで17.2歳に初体験をしている。(コンドームのメーカーDurex、2005年の調査)
 日本のお父さんお母さんは子どもと性の話題を語り合っていますか?

◎米イーベイに66億円強の賠償命令、偽ブランド品販売で仏裁判所(2008年7月1日、日本経済新聞)
 米ネット競売大手のイーベイが偽ブランド品の取引を放置したとして、仏高級ブランド最大手LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンが損害賠償を求めていた裁判で、パリ商事裁判所は30日、イーベイに総額4000万ユーロ(約66億7000万円)の支払いを命じた。イーベイは直ちに控訴する方針を明らかにした。
 同裁判所は、LVMHグループのルイ・ヴィトンやクリスチャン・ディオール、ジバンシーなどのブランドを偽った香水や化粧品、衣類の取引がイーベイ上で行われ、LVMHの利益を損なったことを認めた。判決は損害賠償の支払いに加え今後、こうしたブランドの取り扱いを禁じ、LVMHの主張にほぼ沿った内容となった。
 LVMHが「画期的な判決」と歓迎する一方、イーベイは「判決は偽物との戦いを示さず、競争を排したいLVMHの欲望を体現しただけ」と批判している。

◎オトコとオンナの事情・フランス編:第56回 「処女と偽り婚姻無効」判決に世論沸騰(2008年6月24日、毎日新聞)
 処女をめとりたかったオトコが、処女と偽ったオンナに結婚の無効を求めた。オンナはうそを認め、裁判所は双方の望み通り、この結婚を無効としたが一件落着とはいかない。この判決に対し、「男女平等の原則に反する」「女性を犠牲にする悪習」など批判がわき起こり、フランス社会は大騒ぎだ。
 ことのはじまりは2年前の7月、フランス生まれのイスラム教徒のカップルが、フランスの役所で結婚式を挙げ、初夜を迎えたときのことだ。イスラム教徒の伝統に従って結婚のうたげは朝方まで続いていた。朝4時ごろ、招待客が最後のミントティーを飲んでいた時、新郎が「妻がうそをついていた」と青ざめた顔をして現れた。新妻は処女ではなかった。
 テレビのインタビューに答えた弁護士によると、新郎は「うその上には固いきずなはつくれない」と説明し、法律的には、民法180条に基づいて、結婚相手の「基本的資質(qualites essentielles)」に誤りがあったと主張している。
 多くのフランス人は処女であることを「基本的資質」と考えない。世論調査で73%のフランス人がこの判決にショックを受けている。(Opinion Way)
 そもそも、フランスの民法で「基本的資質」ははっきりと定義されていない。これまで、結婚相手の「基本的資質」の誤りを理由として結婚が無効とされたのは、相手が国籍を偽っていた、前科があった、性的不能であることを隠していた、など。処女についてのうそが問題になったのは初めてだ。
 判決は、宗教には触れていないが、当事者はアラブ系移民のイスラム教徒。政教分離を原則とするフランス社会に、「イスラム教を位置づけた」と批判の声がでている。イスラム教徒が持つ価値観、処女を重視する考え方を認めたと。
 自らもアラブ系移民のダティ法相は、最初は判決を擁護していたが、社会の批判をうけて、「この個人的な事件は、2人の関係を超えて、社会全体、特に女性にかかわる」として控訴を求めた。フランス革命以来、結婚は「個人の契約」であると同時に「社会の制度」でもある。婚姻無効も同じだ。世論を無視して、個人の希望をかなえることはできない。
 この結婚を無効とするかどうかは、9月に予定されている控訴審にゆだねられることになった。移民のオトコとオンナが、フランス社会でどんな道を歩んでいくことになるか注目だ。

◎女性のセックス、より自由に、最新調査で浮き彫り(2008年3月12日、毎日新聞)
 恋愛の国フランスでセックスに関する新しい調査結果がまとまった。これは、1970年、1992年に次ぐ調査で、国立衛生医学研究所(Inserm)の研究者らがフランス人1万2000人を対象に行った。今週、「フランス人の性行動」と題する本が書店に並ぶ予定だ。
 昼のニュースで調査結果を伝えた国営放送のフランス2は、「性行動に関する男女差がなくなった」と伝え、街角のインタビューを流して、セックスに 関する女性の自由な言動を紹介していた。「恥ずかしい話題じゃないわね」「挑発的な下着や服を着て、ナンパすることもある」。調査結果によると、「パートナーは生涯1人」と貞節を守る女性は、1970年は68%だったのに対し、1992年は43%、今回は34%に減っている。
 では、何人のパートナーと肉体関係をもったか。男性は平均11人、女性は4人と答えている。調査をまとめたInsermのナタリー・バジョズさん は、「男性は全ての関係を覚えているのに対し、女性は印象に残った相手やセックスしか覚えていない」とテレビで解説していた。確かに、友人たちに聞くと 「一晩の快楽は数に入れない」「記憶に残っていないオトコが結構いる」と言う。肉体関係を持ったあと、記憶の彼方に置き去りにされているオトコたちが多い ようだ。
 セックスを巡り、女性の言動が自由になっていることを示す数字、「マスターベーションをする」と答えた女性が前回に比べて18ポイント増えて、 60%に達した。また、ポルノ映画を定期的に見ると答えた女性は全体の5分の1。25〜49歳の女性は、男性と同じく3分の2が定期的にオーラルセックス をする。
 自由な性生活を楽しむフランス人女性たちだが、性行為の頻度は、前回、前々回の調査と変わらず、月に平均8.7回。ただし、50歳以上の女性は、更年期障害などをものともせず活発な性生活を送っていて、月に平均7.3回、9割の女性がセックスをしている。
 一方で、自分のセックスが「魅力的か」「充分か」と迷っている女性たちも少なくないらしい。民放TF1のインタビューに答えた性科学者のヴァレリー・コルドニエ医師は、「性に悩みカウンセリングに訪れる女性が年々増えている」という。
 魅力的なセックスライフを求めて、フランス人女性たちは、実体験と研究を怠らない。

◎「うせろ、馬鹿野郎」、サルコジ仏大統領が市民に暴言(2008年2月25日、朝日新聞)
 フランスのサルコジ大統領がパリの国際農業見本市会場で23日、市民に「うせろ、馬鹿野郎」などと発言した場面の映像をパリジャン紙(電子版)が報じ、「国家元首にあるまじき言葉」との批判が出ている。
 映像によると、会場で市民と握手をしていたサルコジ氏とぶつかりそうになった男性が「触るな」と発言。言い合いになり、サルコジ氏の「馬鹿野郎」発言が出た。
 映像はフリージャーナリストが録画。動画が見られる同紙のサイトには24日夕までに70万件のアクセスがあったという。
 野党社会党のオランド第1書記は「大統領にふさわしくない振る舞いで、容認し難い」と批判。大統領府はコメントを拒んでいる。

◎特派員すけっち:貧乏人の味方? 冬の「ソルド」に人々殺到、パリ(2008年1月27日、毎日新聞)
 パリで冬のソルド(セール)が始まった。期間が決められた上に全国一斉で繰り広げられる。日本なら店ごとに「今日はセール」と決めればそうなるが、フランスはソルドも政府が決める。逆に言えば、勝手に値引きは出来ず、普段は定価商売がほぼ崩れない。
 このやり方だと、「金持ちはいつでもどの店でも買い物できるが、貧乏人はお気に入りの店と商品に狙いを付けておいて、ソルドの時だけ買う」という消費パターンが出来上がる。現に、学生たちの多くは「冬と夏のソルドしか買い物はしない」と公言している。
 この冬、私もソルドでコートを買おうと決めていた。軽くて暖かい上等なダウンのコートをと思い、まず中心部から西側に伸びるサントノレ通りにある高級店「モンクレール」へ。狭い店内はいつものように満員だが、なんとソルドをやっていない。根強い人気を背景に定価商売を続け、どのダウン・ジャケットも700ユーロ(約11万円)以上もする。気に入ったものもなく、あっさり退散。
 今度はサントノレ通りを東に歩いて大衆店「H&M」に。東京のラッシュ並みの人込みをかき分けコート売り場にたどり着くと、100ユーロ以下のダウンがずらりと並ぶ。さらによく探すと、あった。長めのダウンのコートがなんと29.95ユーロ(約4700円)だ。中国製で、特大サイズしかないが、十分着られ、即決購入。
 もうかった気分となり、ついもう1軒足を伸ばす。同じく大衆店「セリオ」で99ユーロ(約1万5000円)のウールのコートが3割引。もう少し待てば5割引に下がるかなと迷いながらも買ってしまった。
 この冬は寒い日はダウン、そうでなければウールと、2つのコートで万全だ。パリの町はこの時期、各ブランドの袋を提げた買い物客でにぎわう。ソルド商戦は2月16日まで続く。【パリ、福井聡】

◎フランス:事実婚の子、5割超 出生率1.98、EU内で最高(2008年1月20日、毎日新聞)
 【パリ福井聡】フランスで2006年に生まれた子供のうち、両親が正式な結婚をしていない婚外子の割合が初めて半数を超えたことが分かった。仏国立統計経済研究所が18日までに発表した。正式な結婚にとらわれないフランス人の考えが反映された形だ。
 同研究所によると、婚外子の割合は65年には5.9%に過ぎなかったが、次第に増え続け、06年には50.5%(05年は48.4%)と正式な結婚による子供の数を上回った。
 フランスでは99年、事実婚や同性愛のカップルに対し、税控除や社会保障などについて、結婚に準じる権利を付与するパクス(連帯市民協約)法が制定され、結婚や家族の考えが変わった。「パクス婚」と呼ばれ、「片方の意思だけで解消できる」点で結婚より緩やかな形。社会学者のイレーヌ・テリー氏は「家族を形作るのは結婚ではなく子供になりつつある」としている。
 一方、フランスの昨年の合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子供の数)は1.98で、欧州連合(EU)で最高となった。EU平均は1.52だった。

◎フランス:カフェ、きょうから禁煙、密閉喫煙室か屋外のみ可(2008年1月1日、毎日新聞)
 フランスで1月1日からカフェ、バー、レストラン、ホテル、カジノなどが原則禁煙となり、今後は「密閉された喫煙室」を設ける店と屋外テラスのみ喫煙が認められる。
 違反者には68ユーロ(約1万1000円)の罰金が科せられる。世論調査によると、66%が禁煙実施を支持。パリのカフェ経営者、コロンベさんは「店の客はすべて喫煙者」と反発するが、ルーブル美術館近くのカフェの客、ザーネさんは「仏文化は紫煙と結びついてきたが、時代の流れは反喫煙。受け入れるほかはない」と話す。

◎フランス:カフェもレストランも禁煙に、違反者には罰金(2007年12月31日、毎日新聞)
 フランスで1月1日からカフェ、バー、レストラン、ホテル、カジノなどが原則禁煙となり、今後は「密閉された喫煙室」を設ける店と屋外テラスのみ喫煙が認められる。
 違反者には68ユーロ(約1万1000円)の罰金が科せられる。世論調査によると、66%が禁煙実施を支持。職場、学校、病院など公共の場所は07年2月から禁煙となったが、飲食店は「猶予期間」が設けられていた。
 パリのカフェ経営者、コロンベさんは「店の客はすべて喫煙者。禁煙になれば客が店にいる時間が減り、店の雰囲気も変わってしまう」と反発するが、ルーブル美術館近くのカフェの客、ザーネさんは「仏文化は紫煙と結びついてきたが、時代の流れは反喫煙。受け入れるほかはない」と話す。

◎仏でたばこ値上げ、「喫煙大国」にも包囲網(2007年8月4日、日本経済新聞)
 フランスでたばこの小売価格が6日から平均6%引き上げられ、1箱あたり5.3ユーロ(約850円)程度になる。値上げは2004年以来3年ぶり。仏では2月から官公庁、交通機関など公共の場所での全面禁煙が始まったばかり。カフェなどで紫煙をくゆらす「喫煙大国」のイメージが強い仏だが、“喫煙包囲網”は着実に広がっている。
 たばこメーカーの値上げ要請を政府が認めた。政府は計画中の大型減税の財源を賄うのに必死。今回の値上げで販売数が変わらなければ税収は最大で年6億ユーロ(約1000億円)増えると見積もる。

◎仏、リビアにミサイルなど売却・480億円で契約(2007年8月3日、日本経済新聞)
 フランス公共ラジオなどによると、リビア当局者は2日、フランスとの間で、総額2億9600万ユーロ(約480億円)に上る対戦車ミサイルと警察向け通信システム購入の契約に調印したと述べた。
 リビア政府はフランスなどの働き掛けを受け、400人以上の子供にエイズウイルス(HIV)を感染させたとして終身刑とされたブルガリア人看護師ら6人を7月24日に解放。その後、フランスのサルコジ大統領がリビアを訪問し、軍事、産業面での協調などをうたった合意文書に署名した。今回の契約はその一環。

◎仏、リビアに原子炉供与、サルコジ・カダフィ会談(2007年7月26日、朝日新聞)
 フランスのサルコジ大統領は25日、リビアを訪問して最高指導者カダフィ大佐と会談し、同国に原子炉を供与することで合意した。リビアで死刑判決を受けたブルガリア人看護師らをリビアが24日解放したことへの見返り措置とみられるが、核拡散につながりかねない、との批判が出ている。
 トリポリからの情報によると、両国がこの日、原子力協定の覚書などに調印。ゲアン仏大統領府事務総長は「国際社会の規則を守る国には原子力を開発する権利がある」と説明。専門家チームがすでに3週間前から現地入りして調査を進めていると明らかにした。
 リビアには、仏大統領夫人のセシリアさんが22から24日まで訪問。死刑判決を受けたままリビアに拘束されて欧州各国との関係正常化の障害となっていたブルガリア人看護師ら6人を8年半ぶりに解放した。
 リビアは03年、核兵器を含む大量破壊兵器を秘密裏に開発していたことを認め、計画を廃棄したばかり。国際社会の不信は完全には消えていないうえ、独裁的な政治体制、人権意識の薄さへの国際社会の疑念も深い。
 約800団体が参加する仏反核ネットワーク「核からの脱却」は「人質と核技術を取引する企てだ。カダフィが独裁者だということを忘れたか」と非難の声明を発表。原子炉供与を撤回するよう求めている。

◎フランスの出生率、「2」の大台で欧州トップに(2007年1月17日、朝日新聞)
 フランスで、女性1人が一生に産む子どもの数である合計特殊出生率が06年に2.00と「2」の大台に乗ったことが、仏国立統計経済研究所(INSEE)が16日公表した人口統計で明らかになった。同研究所では「1.98のアイルランドを抜いて欧州トップになった」と予測。06年に生まれた赤ちゃんの数も81年以来の多さで、ちょっとしたベビーブームだ。日本の合計特殊出生率は05年で1.26。
 統計によると、06年に生まれた赤ちゃんは83万900人で前年より2.9%増。合計特殊出生率も前年の1.94から伸びた。20〜40歳の女性の人口は減っており、1人の女性がより多くの赤ちゃんを産んでいる傾向がはっきりした。
 女性の出産年齢は上昇が続き、30歳未満の母親から生まれた赤ちゃんは、ほぼ半数の52.8%だった。労働人口に占める女性の比率も、03年の45.3%から05年の45.8%へと年々上がり、社会進出が出産を妨げていない状況を示している。

◎仏、高校などでのコンドーム販売を決定、エイズ対策で(2006年11月28日、産経新聞)
 フランスのベルトラン保健相は27日、記者会見し、蔓延傾向のエイズ対策として遅くとも世界エイズデーの12月1日までに高校、大学などのキャンパスをはじめタバコ店、新聞雑誌販売店、薬局、ディスコなどで20サンチーム(約30円)のコンドームを販売することを決めたと発表した。
 保健相は、「1個20サンチームのコンドーム1000万個を2万カ所以上で販売する」と言明。高校生など若者が廉価で身近な場所で入手できるようにするという。
 フランスでは一時減少傾向だったエイズ感染者が増加しており、2005年度の新たに感染者は約6700人で、そのうち女性が57%を占めているとの調査結果が出ている。

◎仏暴動再燃、バス2台焼き打ち・車両277台に放火(2006年10月29日、読売新聞)
 フランスのイスラム系移民若者による暴動は27日、発生から1年となったが、再発懸念の危機的状況が続き、政府の政策が効果を上げなかったことを浮き彫りにしている。
 差別や貧困、失業などで若者が悩む「郊外問題」は来年春の大統領選の一大焦点に浮上してきた。
 仏紙ル・モンドなどによると、27日夜から28日朝にかけ、パリ北東郊外で路線バス2台が若者に焼き打ちされたのをはじめ、フランス全土で計277台の車両が放火され、若者47人(うち34人がパリ郊外)が逮捕された。また、警察官6人が軽傷を負った。
 今年前半6か月間では全仏で約2万1000台の車両が焼き打ちされており、暴動再発の火種は消えていない。暴動1年を前に9月からはバス焼き打ちや警察官襲撃が強まっているのが特徴だ。
 仏政府は昨年の暴動後、4億2000万ユーロ(約630億円)を投入、〈1〉人種、居住地を隠した履歴書による就職面接の実施〈2〉若者の職業訓練強化〈3〉企業向け減税による雇用創出などを実施してきた。だが、〈1〉を除いては、これまでの移民同化政策の一部修正に過ぎず、暴動再発の危険性を完全に排除するまでには至らなかった。
 国立科学研究センターのロック氏は「夜間外出禁止令によって暴動が沈静化したことで従来の政策を繰り返すだけとなった。重要な政策は何も取られず、人種などを隠した履歴書による面接も多くの企業で実施されなかった」と指摘する。
 郊外問題は、来春の大統領選の行方を左右する要素となってきた。大統領の座を目指し優位に立つサルコジ内相は、治安を回復させれば一層の支持が得られるが、暴動が再発すれば、一気に後退しかねない。仏初の女性大統領を狙う野党・社会党のロワイヤル元環境相も「暴力を働いた16歳以上の若者は軍事教練で教育する必要がある」と述べ、党内で波紋を呼んでいる。
 若者が直面する差別や貧困、失業問題を大統領選に向けての最優先課題にするよう要求する声はパリ郊外にある市の市長の間で強まっており、大統領候補がどう対応するかが問われる。

◎仏、禁煙支援に150億円、飲食店には猶予1年(2006年10月11日、朝日新聞)
 フランス政府は、公共スペースの全面禁煙化を07年2月から実施する。飲食店は約1年の猶予を与えられ、08年1月からとなる。これを機に、国民が禁煙ガムや薬を買うための費用として年約1億ユーロ(約150億円)を国費から支援する。
 禁煙化は11月に定める政令で実施する。07年2月からは官公庁や学校、病院、商店での喫煙が禁止される。08年から禁煙となるレストランやカフェ、バータバ(飲食店兼業たばこ店)、ホテル、ディスコなどは隔離された喫煙室を置けるが、室内に従業員は立ち入らず、飲食などのサービスは受けられない。
 違反時の罰金は個人が75ユーロ(約1万1000円)、管理者は違反者1人につき150ユーロ(約2万2000円)。「客が減る」と禁煙化に反対してきたバータバ業界は、猶予期間の延長を求める構えだ。
 仏政府は、禁煙ガムや禁煙シールの使用者を現在の60万人から倍増させるため、禁煙グッズの購入費の3分の1(限度額は50ユーロ)を医療保険から補助する。

◎「役立つ」外国人を優先受け入れ、仏で新移民法が成立(2006年7月1日、朝日新聞)
 仏上下両院は30日、国家や経済に役立ちそうな外国人を選別して優先的に受け入れ、それ以外の外国人については門戸を狭める新移民法案を可決、同法は成立した。
 新法は、役立つ技能や資格を持った外国人を対象に、3年ごとに更新が可能な滞在許可を与える制度を新設する。修士以上の学位を持つ学生にも、4年の滞在許可を与える。
 一方、家族呼び寄せや仏人と結婚した人の滞在許可を従来より厳しくするほか、10年以上の滞在事実がある不法入国者に認められていた合法化制度も廃止。長期滞在希望者には仏語・市民教育の受講を求める。
 新移民法は、昨年秋の郊外暴動で仏社会に広がった反移民感情を支持につなげたいサルコジ内相が推進した。だが、最近は不法滞在の学童を強制送還する措置への市民の反対運動が拡大しており、新法施行には曲折がありそうだ。

◎仏大規模ストで105万人参加、800人逮捕(2006年3月29日、産経新聞)
 仏国家警察総局は28日夕(日本時間29日未明)、フランス政府の若年層対象の雇用促進策「初回雇用契約(CPE)」の撤回を要求する学生団体や労組が同日、全国で展開した大規模デモに約105万が参加したと発表した。一連の抗議デモでは最大規模で、公共部門でのスト参加者は平均29.98%と、昨秋の国家公務員ストの27.8%を上回った。
 逮捕者はパリだけで488人で、全国では約800人に上ったもよう。負傷者も多数出た。
 パリでは同日夕、デモ解散地のレピュブリック広場で暴力行為を目的とする約1500人の”破壊者”や極左のアナキスト約300人が機動隊と激しく衝突し、約300人が拘留され、双方で約50人が負傷して病院に運ばれた。

◎「理由なく解雇」に仏各地で大学生ら24万人抗議活動(2006年3月17日、読売新聞)
 フランス政府の若者雇用促進政策に反対するデモが16日、パリなど仏各地で行われ、警察の調べで、大学生や労組員ら計24万7500人が抗議活動を繰り返した。
 パリ市内など一部地域では大学生が治安部隊と衝突、同部隊は催涙ガスを使用して大学生らを強制排除した。抗議活動は日増しに高まっており、終息の兆しは見えていない。
 同政策は、企業が26歳未満の若者を雇用した場合、最初の2年間は理由を提示することなく解雇できることが主眼。国会で9日、法案が可決された。政府は企業の雇用意欲を促進し、23%の高失業率に悩む若者層の雇用を増進できるとしているが、大学生らは雇用が不安定になると反発。パリやマルセイユ(南部)、ボルドー(南西部)など全国の約80市町村で反対を訴えた。
 パリ市内の学生街カルチエラタンでは数百人の大学生らが車に火を放ち、商店街の店舗ガラスを割ったりしたため、治安部隊が出動し、催涙ガスや放水で学生らを排除した。全国で36人の警察官が負傷、212人の学生らが拘束された。
 大学生や労組、最大野党の社会党は18日にも仏全土で抗議デモを行う予定。全国84大学のうち、64大学が学生による立てこもりなどで、授業中止に追い込まれている。

◎仏で学生ら25万人デモ、雇用策に反発、300人逮捕(2006年3月17日、産経新聞)
 フランス政府の若者雇用促進策が雇用を不安定にするとして、撤回を求める大学生や高校生らが16日、各地で再びデモを行い、警察発表で約25万人が参加した。一部は治安部隊に火炎瓶を投げるなど過激化。治安部隊は催涙ガスやゴム弾、放水銃を使用し、学生ら約300人を逮捕した。各地の衝突で治安当局側の46人が負傷した。
 デモ参加者は14日の約4万人を大幅に上回った。昨年、都市郊外で続いた暴動の参加者がデモに触発されて再び暴力行為を行う可能性を懸念する声も出始めている。16日付フィガロ紙は「(学生街の)カルティエラタンでの暴力の映像は、不良たちをその気にさせる危険がある」とする治安当局筋の発言を伝えた。
 パリでは学生らがカルティエラタンなどで店舗や車に放火したり、窓ガラスを壊したりした。北西部レンヌでは学生らが一時、市庁舎を占拠したとの報道もある。
 18日には学生団体に加えて主要労働団体もデモに参加する予定。最新の世論調査によると、若者雇用策の撤回に賛成と答えた人が7割近くに達しており、同政策を打ち出したドビルパン首相は厳しい立場に置かれている。

◎仏でまた学生デモ、4万1000人参加(2006年3月15日、産経新聞)
 フランス政府の若者雇用促進策が若者の雇用を不安定化するとして、撤回を求める大学生や高校生らが14日、パリなど各地でデモを行い、警察集計で約4万1000人が参加した。
 フランスでは11日未明、パリ大学ソルボンヌ校で教室などを占拠していた学生ら約200人を機動隊が強制排除。ドビルパン首相は12日、テレビの報道番組で、政策撤回の意思がないことを明らかにしている。
 学生団体などは反発を強め、全国のほぼ半数の大学で学生の立てこもりや授業中止などの影響が出ている。14日に続き16、18日にもデモが予定され、18日のデモには労働団体も参加する見通しだ。(共同)

◎仏の公取、化粧品メーカーなど16社に課徴金65億円(2006年3月15日、日本経済新聞)
 フランス競争評議会(日本の公正取引委員会に相当)は14日、化粧品メーカー13社と流通3社が価格を不当に拘束したとして計4624万ユーロ(約65億2000万円)の課徴金を命じると発表した。仏ロレアルやマリオノー、資生堂フランスなどが対象。取り決めた以上の値引きをする事業者に圧力をかけ、競争を阻害した疑い。
 1990年代半ば以降の各社の内部資料などを検討した結果、メーカーと流通業者が結託して標準的な価格水準や値引き幅を決めて市場価格を監視。従わない小売店などに圧力をかけ、自由な価格設定を妨げていた事実が判明したという。
 各メーカーへの課徴金はロレアルの410万ユーロを筆頭に、シャネルが300万ユーロ、パルファム・クリスチャンディオールが220万ユーロなどとなっている。資生堂フランスは34万ユーロ。流通業者ではマリオノーが1280万ユーロ、セフォラが940万ユーロなど。

◎仏で初の高病原性鳥インフル、高級食材「ブレス鶏」に懸念(2006年2月19日、産経新聞)
 フランス農業省は18日、東部アン県の湿地で死んでいるのが見つかった野生のカモが、高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に感染していたことを確認したと発表した。H5N1型の感染確認はフランスでは初めて。
 欧州最大の家禽(かきん)生産国への感染拡大を受け、欧州連合(EU)はあらためて対策を協議する見通しだ。
 感染が確認されたカモは、フランス第3の都市リヨンの北東約30キロのアン県ジョワイユで死んでいるのが13日に発見された7羽のうちの1羽。
 タイ訪問中のシラク大統領は18日、感染の最終確認に先立ち「冷静かつ真剣に取り組むべき事態だ」との認識を強調。ビュスロー農業・漁業相は現場周辺を視察した。農業省によると、今後全国で約90万羽の家禽に予防接種する計画だ。
 フランスではジョワイユのほかにもパリの東にあるセーヌエマルヌ県など複数の場所で死んだ野鳥が十数羽見つかっており、検査が行われている。ジョワイユの北にあるブレス地方で生産される鶏は高級食材として知られ、売り上げの落ち込みが懸念されている。(共同)

◎「石綿空母」が仏に帰還、インドで解体できず(2006年2月16日、読売新聞)
 フランスのシラク大統領は15日、解体のためインド西部グジャラート州に向かっていた仏退役空母クレマンソーに対して、仏海域に帰還するよう命じた。
 同空母の船体には有害物質のアスベスト(石綿)が使用され、環境保護団体などがインドでの解体に反対していた。
 1961年就役のクレマンソーは91年の湾岸戦争などに参戦した後、老朽化のため97年に退役した。
 その後、船体にアスベスト160トンが使用されていることがわかった。うち115トンは仏南部トゥーロンの軍港で除去され、残り45トンについてはインドでの解体現場で除去されることになっていた。しかし、反対運動が高まり、インド最高裁もクレマンソーのインド入りを禁じる判断を示していた。
 この問題が、19日から訪印するシラク大統領にとって大きな悩みの種となる中、仏の最高行政裁判所・国務院が15日、空母のインドへの移送中止を命令、大統領はこれに従った。

◎パリの公衆トイレが無料に、立ち小便対策で市当局(2006年1月29日、朝日新聞)
 パリの街角にある有料トイレが2月から無料になる。ホームレスの支援団体が求めていた措置で、立ち小便対策に悩む市当局が受け入れた。AFP通信によると、30日に市議会が正式決定する。
 「サニゼット」の商標を持つ有料トイレは男女共用で、0.4ユーロ(約60円)分の硬貨を投入するとドアが開き、使用者が外に出た後に自動洗浄する。パリでは観光地や大通りなどに420ある。市は有料システムの改造を進め、2月半ばまでに全部が無料となる。
 パリの公園や地下鉄駅のトイレの多くは無料。自動式でも中心部の20カ所はホームレス支援策として開放済みだ。全面無料化について、市担当者は「貧困層への支援と立ち小便防止を兼ねた策」と説明している。
 05年には市民や観光客245万人がパリの有料トイレを利用した。市は無料化に続き、07年にはもっとあか抜けたデザインに改める方針だ。

◎「英語だめ」は3分の1、フランス人世論調査(2006年1月23日、産経新聞)
 ロイター通信によると、世論調査会社IFOPが15歳以上のフランス人約1000人に英語がどのぐらい話せるか質問したところ、「話せない」との回答は全体の3分の1だった。22日付の地方紙ディマンシュ・ウエストフランスが調査結果を掲載した。
 「フランスでは英語があまり通じない」ともいわれるが、同紙は「フランス人は英語がさっぱり分からない訳ではない」と評価している。
 調査結果によると、「英語が話せない」との回答は34%。「多少理解できるが、うまく話せない」が48%。「理解できるし、話せる」という人が6%。「流ちょうだ」との答えは12%だった。
 フランスでは中学校から英語を含む本格的な外国語学習を始めるのが一般的だ。

◎レストラン税、仏の引き下げ、独の反対で難航(2006年1月18日、朝日新聞)
 「食の大国」フランスが、自国のレストランの食事にかかる付加価値税の大幅引き下げをめざし、欧州連合(EU)への働きかけを強めている。税制の調和を進めるEUでは、たとえ仏1国の税率でも、変更には全加盟国の承認が必要だ。この問題では、盟友と頼むドイツが反対しており、19日にベルリンで両国の財務相会合を開いて合意をめざす。
 付加価値税は日本の消費税にあたる。シラク仏大統領は02年5月に「19.6%の税率を5.5%に引き下げる」と訴えて再選されたが、公約は3年半もたなざらしになったままだ。観光客の財布が緩む期待もあり、レストラン業界は実施を強く求めている。
 仏にとって頭が痛いのは、ドイツのシュレーダー前政権が理解を示していたのとは異なり、05年11月に発足したメルケル政権が反対に回ったことだ。財政再建をめざすメルケル首相は付加価値税の引き上げをめざしており、国境を接する仏の減税を認めては、自国の飲食業界の反発が避けられない。
 昨年12月の財務相理事会ではドイツが反対を貫き、結論を今月24日の理事会に持ち越した。シュタインブリュック独財務相は「それまでに妥協案を提出する」としている。シラク仏大統領は「減税案の成否と仏独の協調は関係ない」と述べているが、仏国内では「レストラン減税は仏独関係の今後を占う」との見方も出ている。
 一方、仏紙ルモンドによると、仏は他の減税と引き換えにレストラン減税をあきらめる可能性があるという。年約30億ユーロ(約4000億円)といわれる税収減を避けるためだ。

◎仏の空母に石綿、エジプトはスエズ運河通行に「待った」(2006年1月16日、朝日新聞)
 解体のためインドに向かっていた仏退役空母クレマンソー(現役時の満載排水量32780トン)のスエズ運河通過に、エジプト政府が待ったをかける騒ぎがあった。理由は同艦に残留しているアスベスト。結局通過は認められたものの、目的地インドでも同艦入港への批判が強まっており、97年の退役以来、たらい回しにされてきた同空母の「漂流」が続きそうだ。
 AFP通信によると、エジプト当局は11日、有害廃棄物の国際移動を規制するバーゼル条約が定める移動書類が提出されていないとして、クレマンソーのスエズ運河通過を禁じた。仏政府の強い要請でエジプト当局は15日、同国沖の地中海に停泊していた同艦の通過を認めた。
 クレマンソーはインド西部で解体される予定で昨年末にフランスを出港したが、同通信によるとインド最高裁は6日、同艦の入港禁止を支持する意見を出しており、スエズ運河を抜けても目的地にたどりつけるかは不透明だ。
 クレマンソー艦内には退役時に500〜1千トンのアスベストがあったとみられる。仏政府は国内での除去作業で45トンに減らしたと主張。だが、グリーンピースなど環境団体は数百トンのアスベストが残留していると指摘。インド国内では「解体作業員が危険にさらされる」との批判が強まっている。
 同艦は61年に建造。退役後、スペインで解体するためいったん民間に払い下げられたが、契約に違反して業者がアスベスト規制が欧州より緩やかなトルコに運ぼうとしたため、仏海軍がイタリア沖で同艦を停止させ、売却を白紙に戻したいきさつがある。

◎「暴動は沈静化」と仏警察、一部で夜間外出禁止令解除(2005年11月17日、読売新聞)
 フランスの警察当局は17日、差別や貧困などへの不満を理由に先月27日から続いていた若者の暴動が沈静化したと発表した。
 16日夜から17日早朝にかけては全国で、98台の車両が燃やされ、33人が逮捕された。一晩で1408台の車両が燃やされたピーク時(6日夜〜7日朝)に比べて大幅に減少、警察報道官は「警備強化で通常のレベルに戻った」と語った。
 中東部ローヌ県の知事は17日、仏第3の都市リヨンなど県内13市町村に出していた未成年者対象の夜間外出禁止令を「治安が回復した」として解除した。これにより、非常事態法に基づき、夜間外出禁止令を発令している市町村は約20となった。

◎仏暴動の発端、移民を就職差別した企業に罰金導入へ(2005年12月2日、読売新聞)
 フランスのドビルパン首相は1日、10月末から主要都市で移民らの若者による暴動が起きたのを受けて、就職の際、移民らの若者を差別した企業に最高2万5000ユーロ(約350万円)の罰金を科すことを柱とした行動計画を発表した。計画は雇用、教育分野で機会均等を促進するのが狙い。
 企業罰金について、仏政府は企業に対する抜き打ち検査を強化、出自や居住地区を理由に若者を雇用しなかったことが判明した場合、企業に罰金を科す。政府は職業訓練開始年齢を現行の16歳から14歳に引き下げ、国営企業で移民の子弟らの若者を積極的に雇用していく方針も示した。
 一方、暴動では子供の監督を怠った親が目立った。このため仏政府は、学校、自治体が、問題のある子の親に「定期的に子供を通学させる」ことを誓った文書にサインすることを要求できるようにする。親が文書へのサインを拒否した場合は、罰金(額未定)を科すほか、家族手当の支給停止も検討する。
 ドビルパン首相は記者会見で、「最優先事項の失業対策は効果を上げているが、それだけでは十分ではなかった。暴動によって仏社会の弱点が浮き彫りになった」と述べ、差別や貧困に悩む若者を積極援助していく方針を強調した。

◎欧州寒波:パリやブリュッセルで凍死者、列車脱線や停電も(2005年11月27日、毎日新聞)
 欧州各地を27日までに寒波が襲い、雪で交通が大混乱し、停電も起きた。欧州西部で気圧が急激に下がり、北から強い寒気が流れ込んだためとみられる。英BBC放送などによると、パリやブリュッセルで凍死者が出たほか、英北部スコットランド地方では雪解けによる地滑りで列車が脱線し、英軍が負傷した乗客数人を航空機で搬送した。
 英南西部コーンワル地方では25日午後、計約1000人が乗った約500台の車が雪で動けなくなり、英軍などが救助活動にあたった。ウェールズ、北アイルランドの各地方の一部でも降雪が確認された。英当局は11月末から12月初めごろまで寒波が続くとしている。
 雪のため、パリでは26日、観光名所のエッフェル塔が一時、入場を中止したほか、フランスやドイツでは大規模な停電が起きた。
 一方で、ドイツやベルギーでは時期を早めてオープンするスキー場も出てきた。

◎仏暴動:車放火、逮捕者など減り、沈静化傾向(2005年11月10日、毎日新聞)
 フランス各地に拡大した移民若年層の暴動は9日夜から10日未明にかけ、全国で放火された車が482台(前夜617台)、逮捕者は203人(同280人)になった。国家警察のゴータン長官は「暴動は著しく沈静化している」と述べた。
 警察署など公共機関を狙った大規模な攻撃は報告されていない。しかし、内務省によると、地方での車両放火件数は前夜からほとんど減少していないといい、沈静化傾向がこのまま定着するかどうかは予断を許さない状況だ。
 緊急事態法の発動を受けて、これまでに北部アミアンなどで夜間外出禁止令が発令されているが、仏政府は事態の推移を見極め、12日間の有効期限を延長するかどうかの閣議を14日にも開く予定だ。

◎仏暴動さらに169人逮捕、放火台数は3日連続減少(2005年11月10日、読売新聞)
 仏警察当局によると、9日夜から10日早朝にかけて、トゥールーズ(南部)やリヨン(中東部)、リール(北部)などで車両や公共施設への破壊・放火事件が発生し、全国で482台の車両が放火され、169人が逮捕された。
 ただ、暴動の規模は放火車両件数で今月6日夜から7日朝にかけての1408台を最高に、1173台(7日夜―8日朝)、617台(8日夜―9日朝)となっており、3夜連続の減少となった。
 16歳未満の少年、少女を対象とした夜間外出禁止令は9日、ニースやルアン、オルレアンなど約30の市町村で発令されたが、暴動が激化したパリ北東郊外セーヌ・サンドニ県は暴動減少を理由に発令しなかった。

◎仏の暴動拡大、警官ら30人けが・大統領「治安最優先」強調(2005年11月7日、日本経済新聞)
 フランスのシラク大統領は6日、国内各地で起きている若者らの暴動に関する関係閣僚らによる国内治安対策会議を開催後、「治安と公共秩序の回復を最優先する」との声明を発表、警察力の増強と逮捕など司法手続きの順守を徹底する方針を明らかにした。
 10月27日にパリ郊外で始まった暴動は全土に拡大し、パリ南方エソンヌ県では6日夜、散弾銃のようなものが発射され警官ら約30人が負傷した。うち2人は重傷。
 南部サンテティエンヌでは6日夕、若者らがバスを襲撃、乗客らを降ろした後に放火し、乗客と運転手の計2人が負傷した。北部ルーアンでは燃えた車が警察施設に突っ込んだが、負傷者はなかった。南部トゥールーズなどでも警察と若者グループが衝突した。
 ドビルパン首相は6日、政府の基本的姿勢を7日夜に国営テレビを通じ表明することを明らかにした。

◎フランス:パリ郊外で大規模暴動、移民地域(2005年11月4日、毎日新聞)
 北アフリカ系移民などが集中して住むパリ北郊で、10月末から若者の大規模な暴動が続いている。ドビルパン首相は2日、カナダ訪問を延期し、サルコジ内相もパキスタン、アフガニスタン訪問を中止する事態となっている。
 きっかけは、10月27日夕、パリ北郊サンドニ県で少年2人が警察の職務質問を受け変電所内に逃げ込み、誤って高圧部分に触れ死亡した事件。以来、1週間にわたって周辺の移民系若者が車100台以上を放火するなど暴動を繰り広げ、機動隊数百人が出動して対立が続いている。暴動はパリ市内には及んでいないが、連日テレビに映し出される映像は仏国民に改めて移民問題の深刻さを思い知らせている。

◎仏の暴動、パリ中心部にも拡大・車両へも放火、観光に影響(2005年11月6日、日本経済新聞)
 フランス各地に飛び火した若者らの暴動は5日夜から6日未明にかけ、フランス南部の地中海沿いのリゾート地のほかパリ中心部にも拡大。ロイター通信によると、全国で車両600台以上が燃やされ学校も放火されたほか、70人近くが拘束された。暴動沈静化の兆しはなく、観光への影響も深刻さを増しそうだ。
 AP通信によると、6日未明までにパリ中心部で13台の車が放火されたほか、北部ノルマンディー地方や南部の地中海沿岸部でも暴動が発生。警察官と消防士計8人が負傷した。また、パリ南方のエソンヌ県では二つの学校が放火された。
 ドビルパン首相は5日、暴動が起きている地域にイスラム教徒が多いことを踏まえ、パリのイスラム教指導者と協議。フランス公共ラジオによると、首相は協議の場でイスラム教社会に対して敬意を抱いていることを強調したという。首相は、モスク(イスラム教礼拝所)に催涙弾が投げ込まれた事件に触れ、治安部隊がモスクを標的にした事実はなく、事件は不幸な出来事だったとの認識を示した。

◎仏暴動拡大、内相の強硬姿勢に批判噴出(2005年11月6日、読売新聞)
 フランス全域に移民の若者らによる暴動が拡大する中で、次期大統領候補でもあるサルコジ内相の強硬姿勢に批判が噴出している。
 内相は暴徒を徹底弾圧する方針を示したものの、暴動が一向に収束しないためだ。サルコジ氏が移民に対する融和政策を切り捨てたことへの反発も強く、影響力の低下が目立ち始めた。
 サルコジ内相は4日夜、ドビルパン首相と対応策を協議した後、パリ市西部の警察司令所を訪問、「逮捕こそが(事態収拾の)カギになる」と幹部に命じ、徹底弾圧の方針を強調した。
 しかし、パリの北東郊外やマルセイユなど地方都市の若者は、この発言に反発。4日夜から5日早朝にかけて全国で約900台の車両が放火される事態を招いた。同内相は先月下旬の暴動発生以来、違法者への「寛容ゼロ政策」を強調、「暴徒は社会のクズ」「放水で一掃せよ」などと発言、そのたびに暴動は過激化してきた。
 「サルコジ(内相)がクズというのなら、クズとして力で政府の移民同化政策に反対する」とパリ北東郊外オルネー・ス・ボワに住む16歳の少年は語る。
 強硬姿勢を強めるサルコジ内相には、仏政界でも批判が出てきた。ベガッグ機会平等促進担当相は「地域の差別を解消してこそ治安は回復する」と非難。最大野党・社会党のオランド第1書記も融和的政策も同時に実施するよう主張した。
 内相への批判は、ドビルパン内閣で内相が中心になって、移民に対する融和政策を徐々に弱めてきたことも大きな要因となっている。同内閣は犯罪の未然防止のため、移民家族を巡回して諸問題の相談にのる地域警察パトロールや、若者の悩み解決にあたる「夜間調停者」の規模を縮小。文化、宗教、社会面から同化を進める民間団体への補助金も大幅に削減した。
 サルコジ内相は、有言実行で人気を高めてきたが、暴動鎮静で効果を上げられず、つまずいた形となった。

◎暴動、パリ中心部でも、車13台放火、観光打撃(2005年11月6日、産経新聞)
 フランス各地に飛び火した若者らの暴動は5日夜から6日未明にかけ、フランス南部の地中海沿いのリゾート地のほかパリ中心部にも拡大。ロイター通信によると、全国で車両600台以上が燃やされ学校も放火されたほか、70人近くが拘束された。暴動沈静化の兆しはなく、観光への影響も深刻さを増しそうだ。
 AP通信によると、6日未明までにパリ中心部で13台の車が放火されたほか、北部ノルマンディー地方や南部の地中海沿岸部でも暴動が発生。警察官と消防士計8人が負傷した。また、パリ南方のエソンヌ県では2つの学校が放火された。(共同)

◎パリ暴動、地方に拡大、移民隔絶、憎悪の悪循環(2005年11月5日、産経新聞)
・強行策も融和策も、欧州八方ふさがり
 アラブ、アフリカ系の移民が多いパリ郊外で二人の少年が感電死した事件をめぐる当局の処理への不信感を引き金に起きた暴動は、失業や貧困、教育や文化の相違などに対する不満や不平を一気に噴出させつつ、フランス各地に拡大してきた。荒れる若者たちによる焼き打ちの炎は、欧州全体を覆う移民問題という難問をあぶり出した形だ。
 「おれたちも暴動にはひどい目に遭わされているが、長い目で見れば、これは(フランス政府への)警告だ」。暴動現場の一つ、パリ郊外のクリシー・ス・ボワで、アフマドと名乗るタクシー運転手はBBCテレビにこう話し、「今回の暴動に対し政府が何もしなければ、次はもっとひどくなるだろう」とも語った。
 一帯では若者たちが職を求めに行っても、移民と分かる名前や住所を口にしただけで、求人はなくなってしまうという。仏国内のアラブ、アフリカ系社会には、失業率が30%(国内失業率約10%)に達する所もある。
 欧州は第二次世界大戦後の復興事業の労働力として旧植民地出身の移民を受け入れており、フランスも伝統的に移民受け入れには積極的だった。
 「自由、平等、博愛」の共和国精神や、フランス生まれはほぼ自動的に国籍を取得できる生地主義に基づき同化政策を進め、人口約六千万の約9%をアラブ系などの移民が占めるようになった。
 昨秋、イスラム教徒の女性を対象に施行された「スカーフ禁止法」に象徴されるように、フランス的価値観を迫る性格が強く、出身国ごとの文化的背景を尊重する、英国の「多文化主義」とは一線を画してきている。
 だが、異なる文化を持つ異なる民族をいかに社会に同化させるかをめぐる試行錯誤は続き、イスラム教徒の移民が多数を占めるにつれて、人種差別問題や文化の相違といった軋轢(あつれき)も生じてきた。
 移民大国であり、多民族国家である米国も、中南米からのヒスパニック系移民の大量流入などに直面している。欧州の場合はしかし、移民が在来社会と隔絶した場所に押し込められ交流が希薄である傾向が強く、移民の不平、不満を増大させる一方、不法移民などへの取り締まりも強化され、憎悪を増幅させる悪循環になっている。
 移民らが多く住む低賃金者用集合住宅のあるパリなど大都市の郊外が失業や貧困、治安悪化などの象徴となり、“郊外問題”と呼ばれ始めたのは九〇年代初頭から。移民の若者による暴動事件も十年来、年中行事化しており、今年に入り焼き打ちされた車両は四日現在、約七万台に上る。
 九五年の大統領選で、シラク大統領は「社会格差」という表現を使い、“郊外問題”の解消を公約した。だが、社会の中に移民をどう位置づけていくかの論議は先送りにされてきた感がある。
 二〇〇二年の大統領選で、極右政党、国民戦線のルペン党首が社会党のジョスパン氏を抑えてシラク大統領と決選投票を争ったのも、高失業率や治安悪化という社会不安を背景にルペン氏に支持が集まったからだった。
 七月に起きたロンドン地下鉄同時爆破テロは、異文化に最も寛容とされてきた英国の移民政策に衝撃を与え、今またフランスの暴動が、不法移民などへの強力な取り締まりを行ってきた手法の問題点も浮き彫りにした。パリ発行の国際紙、インターナショナル・ヘラルド・トリビューンは「八方ふさがりだ」と、欧州の窮状を指摘している。

◎パリで暴動続く、車両放火、1260台に(2005年11月5日、産経新聞)
 パリ郊外での若者らの暴動は4日夜から5日未明にかけても多数の車両が燃やされるなど収まる気配をみせず、警察当局者によると、暴動が発生した10月27日から4日までに放火された車両は計約1260台、摘発者は約230人に上った。フランス公共ラジオは、今回の暴動の規模は過去10年で最悪としている。
 フランス政府の対策にもかかわらず収束の兆しはみられず、同国内では観光産業への影響を懸念する声も出始めた。
 4日付のパリジャン紙は「外国で募る憂慮」と題して、ロシアやポルトガル政府が今回の暴動をめぐり自国民に注意喚起したと報道。フランス・ソワール紙とリベラシオン紙はそれぞれ「パリは燃えているか」「欧州は都市ゲリラ戦に懸念」などの見出しを掲げ、各国メディアが連日、誇張気味の表現を交えて一連の暴動を報じている様子を紹介した。
 フランス公共ラジオによると、暴動被害は観光地に及んでおらず、現段階で影響は出ていない。ただ、同ラジオは暴動が長期化した場合は打撃を与えかねないとの見方を示した。
 一方、フランス政府の対策では、カナダ訪問を取りやめたドビルパン首相が4日、若者ら十数人を首相府に迎えて対話の機会を持ったほか、治安維持に直接責任を負うサルコジ内相もパリ周辺各県の知事を集めて対策を協議した。(共同)

◎パリ郊外で暴動拡大、首相、カナダ外遊取りやめ(2005年11月3日、産経新聞)
 パリ郊外の移民が多く住む地域で、高い失業率への不満などを背景に、若者の暴動が1週間にわたって続いている。フランスのドビルパン首相は2日、カナダ訪問を急きょ取りやめ、事態収拾に乗り出した。
 きっかけは10月27日にパリ北東、セーヌサンドニ県の変電施設で起きた少年2人の感電死事件。2人は警官に追われていると思い、施設に逃げ込んで感電したとみられている。事件以来、警察に反発する若者らが連夜暴動を起こし、近隣地域にも拡大。1日夜から2日朝にかけては約250台の車に放火し、2日夜はショッピングセンターなども襲った。
 これらの地域には北アフリカなどからの移民とその子供たちが多く住み、他地域に比べ失業や貧困、犯罪が格段に深刻だ。治安維持を担うサルコジ内相が騒ぐ若者たちに対して「社会のくず」などと発言して怒りを買ったほか、モスク(イスラム教礼拝所)に催涙弾が投げ込まれる事件も重なり暴動を後押しした形。
 サルコジ氏はあけすけな発言で国民の支持を集めてきたが、今回はそれがつまずきの原因となり、同氏に批判が集中している。(共同)

◎パリ、5年おきの「魔の日」、過去爆破テロ、飛行機墜落(2005年7月25日、朝日新聞)
 パリは25日、5年おきの「魔の日」を迎える。95年には中心部で列車爆破テロ(8人死亡、約200人負傷)があり、00年にはシャルルドゴール空港を離陸したばかりの超音速旅客機コンコルドが墜落、地上の4人を含む113人が死亡した。英国やエジプトでのテロを受け、一段と重苦しい「特異日」になりそうだ。
 10年前の夕刻、帰宅ラッシュの首都圏高速鉄道を襲った爆破事件は、アルジェリア系の武装イスラム集団(GIA)の犯行。手製爆弾を使い、イスラム過激派による「都市型無差別テロ」の先例となった。
 仏司法当局が首謀者とにらむ男(35)は間もなくロンドンで拘束されたが、仏への送還は実現していない。仏側には、ロンドンでの連続テロで英当局が身柄引き渡しに、より協力的になるのでは、との見方もある。
 パリの「安全度」はロンドンやローマなどより高いとされるが、仏当局は観光客を標的にしたテロも視野に入れ、警戒を強めている。

◎世界で一番高い橋が開通、仏南部ミヨー(2004年12月15日、読売新聞)
 世界で最も高い高架橋がフランス南部ミヨーのタルン川の峡谷に完成し、14日、シラク仏大統領が出席して開通式が行われた。
 パリと地中海沿岸を結ぶ高速道路にかかるミヨー橋は全長2460メートル、高さ343メートル。パリのエッフェル塔と比べ19メートル高い。道路部分の高さは最高270メートル。
 開通式で、シラク大統領は「仏建築史に残る崇高な橋」と称賛。上空では戦闘機が赤、白、青の仏国旗の色を描き、完成を祝った。
 橋は英国の建築家ノーマン・フォスター氏の設計で、仏のエーファージュ社が建設を担当。超音速旅客機コンコルドや英仏海峡トンネル同様、英仏協力プロジェクトとなった。2001年12月から総工費3億9400万ユーロ(約527億円)をかけて建設されていた。
 ミヨーは夏のバカンス・シーズン中、谷を上り下りする車で渋滞がひどく、山頂を一直線に結ぶ橋を架けることで渋滞解消を図った。

◎仏新幹線TGV、全面禁煙に(2004年12月12日、朝日新聞)
 最高時速300キロでフランス主要都市を結ぶ仏新幹線TGVが12日から全面禁煙になる。喫煙人口の減少や、車内での喫煙を嫌がる乗客が増えたのを受けて、フランス国鉄(SNCF)が決めた。
 03年に実施した乗客と乗務員に対するアンケートで、「車内喫煙は迷惑」との回答が55%と01年より7ポイント増加。禁煙車の乗車率が喫煙車よりも高いことがわかった。このためSNCFは喫煙車の廃止方針を決めていたが、冬休みシーズンに入る12日からの全面禁煙化をこのほど発表した。
 仏とベルギー、英国などを結ぶ国際高速列車はすでに禁煙。仏−スイス間のTGVも12日から全面禁煙になる。

◎猟犬に「外出禁止」令、フランス3県、狂犬病感染防止で(2004年9月28日、朝日新聞)
 狩猟シーズンが始まったフランス南西部でこのほど猟犬の「禁足令」が発令された。狂犬病で死んだ飼い犬と接触した犬の所在がまだ分からず、猟犬がみだりに出歩けば感染する可能性がある、との理由。解禁を心待ちにしていたハンターは落胆し、地元メディアは「クリスマスイブに子供からクリスマスツリーを取り上げるような暴挙」と怒りの声を伝えている。
 禁足令が出されたのはジロンド県など南西部3県。同県では8月末、モロッコから違法に持ち込まれた子犬が狂犬病で死んだ。この子犬が死ぬまでの3週間、飼い主と公園や音楽祭などを訪れ、子供や他の犬にかみついていたことが判明し、大騒ぎになった。
 発症すれば、ほぼ100%が死ぬ伝染病とあって、保健当局は子犬と接触したと届けた市民にワクチンを接種。犬約50匹を安楽死させた。だが、子犬と接触した市民5人と犬6匹の所在は、いぜん不明なまま。1〜2カ月とされる潜伏期限が近づき、当局は「新たな発症」に神経をとがらせている。
 一般の飼い犬でも、予防接種をしていない犬は隔離した。一部地域では怒った飼い主が抗議集会を開いた。猟犬は獲物を追ったり、仕留めた獲物を探したりするのに欠かせない。怒ったハンターの訴えで一部地域では禁足令排除の裁判所命令が出たが、同情した別の県からは「ぜひうちに狩猟をしに来て」との申し出もあった。

◎仏でウナギ稚魚激減、中国向け出荷で乱獲も一因(2004年7月18日、読売新聞)
 欧州のシラスウナギ(ウナギの稚魚)の主産地フランスで漁獲量が激減している。養殖用に中国に出荷するための乱獲が原因の一つとされる。中国のウナギの大半は日本の消費者向け。欧州のウナギ資源の危機は「食材のグローバル化」とも無関係ではなさそうだ。(フランス西部ラロシェル 池村 俊郎)
 フランスの大西洋岸は古くからのシラスの産地。この地域の漁獲量は今も欧州全体の8割以上を占める。
 水揚げされたシラスのうち、生きのいいものは中国へ送る。死んだり、弱ったりしたシラスは高級料理用にスペインへ輸出する。
 ただ、最盛期には年間3000トンあった漁獲量は10年前から減り始め、最近は100トンをやっと超える程度だ。ラロシェル近郊のシャロン漁港で会った漁師ベルビュドさんは「全くの不漁」と嘆く。この日の水揚げは500グラム。10年前まで10キロ単位が当たり前だった。農薬による環境悪化などが考えられるが、中国のウナギ養殖業者に売るため乱獲が続いた結果という見方が有力だ。
 ウナギ養殖は日本から中国に拠点が移った。中国はシラスを成魚まで育ててから、かば焼きなどに調理して日本へ輸出している。
 フランスのシラスの値段はキロあたり350ユーロ(約4万8000円)。日本近海のシラスに比べれば、値が10分の1なので、「中国の業者が現金の札束を手に買っていく」(地元漁師)という。中国人が欧州種シラスを養殖し、最後は日本人の胃袋に収まる構図だ。
 仏国内の公認シラス漁師は約1100人。かつては岸を歩きながら網で細々と漁をしていた。10年前、アジア市場へ輸出が始まってからは小型漁船で一網打尽に採る方法が一般化した。伝統シラス漁法復活協会のフォンテーヌ会長は「乱獲をやめる以外、保護の望みはない」と断言する。
 欧州委員会はウナギ資源保護のため、シラスから成魚まで漁獲量を大幅に制限する案を検討中という。

◎「ユダヤ人だ」と女性を襲撃、乗客は“見て見ぬ振り”(2004年7月12日、読売新聞)
 パリ市内と南東郊外を結ぶ首都郊外線RER車両内で、幼児を連れた若い母親がユダヤ人排斥を理由に若者集団に襲われながら、だれも通報しようとせず、仏政府首脳に衝撃を与えている。
 報道によると、通勤時間帯の9日朝、パリ郊外ルーブル駅で北アフリカ系の男6人が、RER車内にいた幼児を連れた女性(23)をナイフで脅し始めた。男たちは被害者の身分証明書の住所を見てユダヤ人が多く住む地域だったことから「女はユダヤ人だ」と叫び、髪を切り取り、衣服をズタズタにした。この間、居合わせた多数の乗客は無言で、列車の緊急停止レバーを引く客もいなかった。
 男たちは女性の腹部にナチスのカギ十字マークをペンで書き込み、同駅から4駅目で逃走した。警察の調べでは被害者も北アフリカ系の長期滞在者で、ユダヤ系ではなかったという。
 中東紛争にからみ、仏国内でユダヤ系住民に対する嫌がらせや襲撃が相次ぎ、今年前半、135件が発生し、すでに昨年1年の発生件数を上回っている。

◎仏の停電スト、パリに波及、シャンゼリゼでも避難騒ぎ(2004年6月18日、朝日新聞)
 民営化に反対する仏電力・ガス公社労組の「選択停電スト」が16日午後、パリ都心部に波及。大統領府など主要官庁や高級店が並ぶシャンゼリゼ通りなどで、短時間ながら停電になり、避難騒ぎが起きた。
 内務省では自家発電がすぐに作動せず、約1時間停電。報道によると、省内では警報が鳴り響いて「すわテロか」と緊張が走り、一部で職員が避難した。
 シャンゼリゼ通りでも一部の店が客を避難させた。クレジットカードの読み取り装置が使用不能になり、レジで長時間足止めされる客が続出。エレベーターに閉じこめられた人もいた。
 店員はAFP通信に「素早いサービスに慣れた金持ちが多いだけに、みなさんご立腹です」とコメント。ストに慣れっこのパリ市民からも悲鳴が上がり始めた。
 エッフェル塔も停電したが、自家発電がすぐ作動、影響はなかった。ストは全国規模で起き、フランスからドイツやスペイン向けの送電も一時止まった。

◎仏空港の崩壊事故、設計は有名建築家、関空の構想も担当(2004年5月25日、朝日新聞)
 仏シャルル・ドゴール空港の発着ロビーの一部が崩壊した事故を受け、設計者のポール・アンドルー氏が25日、出張中の北京から急きょパリに戻る。同氏は同空港(74年開業)の建設に当初からかかわったほか、関西空港ターミナルの基本構想も手がけた空港建設の大家。開業1年に満たない「作品」の崩壊に対する説明が注目される。
 アンドルー氏は事故当時、北京の国立劇場の建設現場を指揮していた。AFP通信によると、同氏は24日、「動転している。事故が起きた建物の設計思想は『大胆さ』だったが、使用資材は旧来のもので、原因は見当もつかない」と語った。
 同氏は多数の国際空港のほか、パリ西郊の新凱旋門(がいせんもん)の建設も指導した。00年夏に開業した大阪市の海洋博物館「なにわの海の時空館」の設計者でもある。
 仏司法当局は設計・建設段階の関係者に対しても過失致死傷罪の疑いで捜査する方針で、崩壊部分の構造や強度の検証が焦点となる。現場の第2ターミナル「ホールE」の建設には、約400社が参加した。

◎パリ・ドゴール空港ターミナル崩落、乗客ら5人即死(2004年5月23日、読売新聞)
 パリ郊外のシャルル・ドゴール空港で23日、昨年6月に新設開業したばかりの第2ターミナルのサテライトE(2E)で、ガラス張り建物が天井から崩落する事故が起き、居合わせた乗客など少なくとも5人が即死、3人が重傷を負った。
 エールフランスや提携航空会社で使用中の同ターミナルでは、事故発生部分の乗降ブリッジに、プラハ便のエールフランス機などが駐機中だった。崩落したのは乗降ブリッジにつながるガラス張りターミナルの一部で、ブリッジ部分も根元が折れる形で地上へ落ちた。
 空港側によると、警察官が早朝、壁のヒビを発見し、立ち入り制限しようとしたところ、天井ごと崩落が起きたという。鉄骨、コンクリートが居合わせた客を直撃し、警察官も事故で負傷した。発生が早朝で乗降客の少ない時間帯だった。
 同ターミナルは将来、500人乗り超大型機A380の駐機を予定する同空港自慢の近代建造物。今年末の最終完成を目指すが、一部開業を急ぎすぎたという指摘もある。日本人観光客にとってもドゴール空港はパリの玄関口。日本大使館で日本人の死傷者がいないか確認を急いでいる。

◎屋根崩落、5人死亡、パリのドゴール空港ターミナル(2004年5月23日、産経新聞)

23日、パリ郊外のシャルル・ドゴール空港で、屋根の一部が崩落した第2ターミナル(AP)
 パリ郊外にあるシャルル・ドゴール空港ターミナル2Eで23日、各搭乗口に向かう通路の屋根の一部が崩落し、消防当局などによると、少なくとも5人が死亡、3人が負傷した。負傷者は10人以上との報道もある。
 現場に駆け付けたドロビアン運輸相は「テロであることを示す兆候はない」と言明、崩落の詳しい原因は不明だが事故とみられる。空港関係者によると、屋根にひび割れが発見されたため、警察官が立ち入り禁止区域を設けようとした直前の崩落で、構造上の欠陥も指摘されている。
 在フランス日本大使館によると、日本人の死傷者は報告されていない。大使館は職員を空港に派遣し確認を急いでいる。
 崩落が起きたのは午前7時(日本時間同日午後2時)ごろ。崩落したコンクリートの重さで通路が横50メートル、縦30メートルにわたり地面に抜け落ち、コンクリートや金属、ガラスの破片が四方に飛び散った。死傷者はプラハ行きの便を待っていた乗客とニューヨークなどから到着した乗客で、早朝で閑散としていたため大惨事は免れた。
 警察犬などを使ってがれきの下に負傷者らが残っていないか捜索しているが、警察当局者は新たな犠牲者がいる可能性は少ないと述べた。
 2Eターミナルは主にエールフランスが使用、超大型機エアバスA380の運航に対処するため、昨年6月から運用を開始した。オープン前に安全責任者らが訪問した際、その目の前で屋根に取り付けられていた照明が突然落下したため運用開始が1週間延期されるなど、当初から安全上の問題を指摘する声があった。

◎パリ・ドゴール空港、屋根の一部が崩落、5人死亡・仏TV(2004年5月23日、日本経済新聞)
 パリ郊外にあるシャルル・ドゴール国際空港第二ターミナルのサテライトE(2E)で23日午前7時(日本時間同日午後2時)ごろ、出発ロビーの屋根の一部が崩落し、消防当局によると5人が死亡した。ロイター通信などが伝えた。同通信によると、フランスのLCIテレビは、10人以上が負傷したと伝えた。
 日本人が巻き込まれたかどうかは不明。警察当局によると、崩落した屋根のがれきの下になお利用客がいる可能性があり、確認作業を急いでいる。
 空港の広報官は、崩落の原因は分かっていないとしている。
 消防当局者は、数トンのコンクリートや金属が崩落したと述べた。AP通信が警察当局の話として伝えたところによると、長さ50メートル、幅30メートルにわたってがれきが散乱した。
 AP通信によると、2Eは約11カ月前にオープンしたばかりだった。

◎ドゴール空港で屋根の一部が崩落、数人死亡、パリ(2004年5月23日、朝日新聞)
 AP通信などによると、23日早朝(日本時間同日午後)、パリのシャルル・ドゴール空港のターミナルの屋根の一部が崩落し、空港利用客ら数人が死亡、10人以上が負傷した。ロイター通信は死者は4人と伝えている。
 空港警察によると、崩落事故が起きたのは同空港の2Eターミナル。地元テレビは、事故があったのは出発ラウンジで、搭乗を待つ客が被害に遭ったと伝えている。現場は崩れたコンクリートや金属が散乱しているという。

◎エアコンもう品薄、昨夏猛暑の仏、政府は対策発表(2004年5月23日、朝日新聞)
 昨夏の猛暑で約1万5000人が死んだフランスで、夏を迎え撃つ準備が官民双方で始まった。最高気温が連日25度を超しているパリでは、エアコンがすでに品薄。昨年、対応の遅れを厳しく批判された仏政府は早々と「猛暑対策」を発表した。
 仏エアコン市場で首位のダイキン・フランスによると、今年の販売は前年の5割増ペース。欧州連合(EU)規格の製品しか扱えないため、在庫には限りがある。堀本和秀社長は「今年は需要倍増を見越して態勢を組んだが、受注の出足は予想を超えた。買い急ぎ傾向の中で夏場も品不足が続くだろう」と見る。
 実際、大手家電販売チェーン、ダルティのネット販売は19日現在、エアコン8機種がすべて品切れ状態。家庭雑貨チェーン、カストラマのネット販売でも同25機種のうち23が品切れとなった。
 一方、仏保健省が5月上旬に発表した対策は、(1)6〜9月、気象庁が朝夕2回の熱波情報を出す(2)4段階の警戒レベルに合わせ病院などが態勢をとる(3)高齢者関連の施設が冷房機器を買う場合、政府が費用の4割までを肩代わりし、業者に優先的な配達を求める――というもの。猛暑が広範囲で続くような「第4レベル」では、軍の出動まで想定している。
 仏では03年8月、最高気温が35度を超す日が約2週間続き、独り暮らしの高齢者ら1万4800人が衰弱死した。


 


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