韓国の気になるニュース
2007年

このページは、私が気になった韓国の気になるニュースを個人的にまとめたものです。

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◎韓国が「死刑廃止国」に、中断10年で人権団体認定(2007年12月30日、産経新聞)
 1997年を最後に死刑を行っていない韓国が30日、執行中断10年を迎え、国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(本部ロンドン)が定める「事実上の死刑廃止国」になった。死刑廃止を求める宗教者や市民団体は国会前で記念式典を開き、李明博・次期政権が死刑制度自体を廃止するよう求めた。
 韓国では97年12月30日に金泳三政権が23人の死刑を執行したが、翌年大統領に就任した金大中氏は、自身が民主化運動の中で死刑宣告を受けた経験とカトリック信者としての信念から死刑を許さず、盧武鉉政権も執行中断を続けた。
 式典には75年に政権転覆容疑が当局にでっち上げられた「人民革命党事件」で処刑され、今年再審で無罪が確定した民主化運動家の妻、李英嬌さん(70)も参加。「名誉が回復されても夫は戻らない。二度と繰り返さないために死刑制度はなくしてほしい」と訴えた。
 韓国国会では過去に2回、死刑廃止法案が廃案になり、2004年に新たに法案が提出されたが審議は進まず廃案になる見通しが強まっている。李明博氏は犯罪予防のため死刑制度維持は必要との見解を表明している。
 式典で参加者らは、韓国が「人権先進国」になったと宣言、現在64人の確定死刑囚の助命を求め同じ数のハトを放った。廃止運動に取り組む李相赫弁護士は「10年の執行中断が実現した以上、次期政権の執行再開は難しくなったが、完全な廃止のため法整備の努力が必要だ」と話した。

◎東芝とサムスン、フラッシュメモリーの使用許諾で合意(2007年12月3日、朝日新聞)
 東芝は3日、韓国サムスン電子と、携帯電話向けなどで需要が拡大しているNAND型フラッシュメモリーを組み込んだ部品について、データを読み書きする仕様や商標の相互使用許諾で合意したと発表した。世界首位のサムスンと、激しいシェア争いをする2位の東芝が手を組み、お互いの仕様や商標を使った製品も生産・販売してフラッシュ市場全体を拡大させる狙いがある。
 フラッシュを組み込んだ部品は両社の仕様が異なり、携帯電話などのメーカーは製品ごとにどちらか一方からしか部品を調達できなかった。今回の合意で各メーカーは調達先の選択肢が広がり、サムスンと東芝にとっては納入先が広がるメリットがある。両社とも08年中に、お互いの仕様を使った部品を発売する予定。

◎韓国:サムスン、ロビー活動疑惑が浮上、巨額資金、政官界に?(2007年11月28日、毎日新聞)
 韓国最大の財閥サムスングループが巨額の秘密資金を使って政官界にロビー活動をしていた疑惑が浮上した。盧武鉉(ノムヒョン)大統領は、特別検察官の任命を求める国会可決の法案に拒否権行使の構えを示していたが、27日、緊急記者会見を開き、受け入れ方針を発表した。大統領選と微妙に絡み合い、大きな社会問題となる。
 97~04年にサムスンでグループ全体を統括する部署の法務担当幹部などを務めた弁護士が10月末以来、カトリック団体の支援を受け記者会見などで疑惑を指摘してきた。疑惑は▽グループ企業の取引粉飾などで秘密資金を蓄え▽グループ幹部らの名義を使った借名口座で資金を管理▽旧正月の「モチ代」などとして検察幹部、国税当局者、経済官僚、政治家らに資金提供した--など。サムスン側は全面否定している。
 特別検察官の捜査開始は大統領選の終了後になると見られる。検察当局は既に捜査を開始しており、韓国メディアによるとサムスングループ総帥の李健煕(イゴンヒ)会長をはじめ幹部ら10人近くを出国禁止とし、疑惑が指摘された銀行口座の追跡調査にも着手した。

◎サムスン不正資金疑惑、年内にも捜査本格化(2007年11月28日、日本経済新聞)
 検察幹部を巻き込んだ韓国サムスングループの不正資金提供疑惑の解明が進む可能性が出てきた。韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は27日、検察官が不正に絡んだ疑いがある場合などに弁護士に捜査を担当させる「特別検事法」の成立を容認。年内にも同法に基づく捜査が始まる見通しで、調べはサムスン幹部に及ぶとみられる。グループ経営への影響も避けられない情勢だ。
 特別検事法は検察が事件の当事者になるなど公正な捜査を期待できない場合、国会議長の要請に基づき、大統領が弁護士を「特別検事」に任命して捜査に当たらせる内容。特別検事は容疑者の逮捕や起訴など検事と同様の権限を持つ。

◎韓国・サムスン疑惑で特別検察官任命へ、盧武鉉大統領(2007年11月28日、読売新聞)
 韓国の大手財閥・サムスングループの元常務が検察高官らに現金を配っていたと内部告発した疑惑で、盧武鉉大統領は27日、記者会見を開き、疑惑の捜査に民間から特別検察官を任命する特別法案を受け入れる意向を表明した。
 今後、人選などの手続きを進め、来月末にも捜査に着手する見通し。
 同法案には元常務の告発内容のほか、サムスングループが2002年大統領選の際、盧大統領に「当選祝い金」を渡したとするハンナラ党の主張も盛り込まれ、今後、捜査が進められる。

◎韓国:サムスンに政官界ロビー活動疑惑浮上、巨額資金使う(2007年11月27日、毎日新聞)
 韓国最大の財閥サムスングループが巨額の秘密資金を使って政官界にロビー活動をしていた疑惑が浮上した。盧武鉉(ノムヒョン)大統領は、特別検察官の任命を求める国会可決の法案に拒否権行使の構えを示していたが、27日、緊急記者会見を開き、受け入れ方針を発表した。公式選挙戦が同日始まった大統領選と微妙に絡み合い、大きな社会問題となる。
 97~04年にサムスンでグループ全体を統括する部署の法務担当幹部などを務めた弁護士が10月末以来、カトリック団体の支援を受け記者会見などで疑惑を指摘してきた。疑惑は▽グループ企業の取引粉飾などで秘密資金を蓄え▽グループ幹部らの名義を使った借名口座で資金を管理▽旧正月の「モチ代」などとして検察幹部、国税当局者、経済官僚、政治家らに資金提供した--など。サムスン側は全面否定している。
 23日に国会を通過した特別検察官任命法案には捜査対象として02年大統領選での資金提供や「最高権力層」へのロビー活動、「当選祝賀金」なども含まれているため、盧大統領は反発していたが、政治的配慮から受け入れることにしたという。
 特別検察官の捜査開始は大統領選の終了後になると見られる。検察当局は既に捜査を開始しており、韓国メディアによるとサムスングループ総帥の李健煕(イゴンヒ)会長をはじめ幹部ら10人近くを出国禁止とし、疑惑が指摘された銀行口座の追跡調査にも着手した。
 一方、国会第1党の大統合民主新党は最大野党ハンナラ党の李明博(イミョンバク)大統領選候補の陣営にサムスンの役職員出身者がいると指摘し、「秘密資金口座の規模や内訳を明らかにせよ」と求めるなど揺さぶりをかけている。

◎サムスン電子、2300億円追加投資・液晶パネル最新ライン(2007年11月23日、日本経済新聞)
 【ソウル=鈴木壮太郎】液晶パネル世界最大手の韓国サムスン電子は22日、ソニーとの合弁で8月に稼働させた液晶パネルの「第8世代」と呼ばれる最新ラインに2兆ウォン(約2330億円)を追加投資し、生産能力を倍増させると発表した。液晶テレビに使う大型パネルの需要が世界的に急増していることに対応する。追加投資はサムスンが単独で実施する。
 追加投資するのは、忠清南道にある「第8世代」ライン。46型と52型の大画面テレビ向けパネルを効率生産できる。2008年7~9月期に稼働させる計画で、生産能力は現在の月5万枚から同11万枚に増える。ソニーも追加投資を検討したが、今回は見送った。

◎韓国サムスンの不正資金疑惑、検察が捜査に着手(2007年11月13日、日本経済新聞)
 【ソウル=鈴木壮太郎】サムスングループの不正資金疑惑などを元常務が内部告発した問題で、ソウル中央地検は12日、同グループの捜査に着手した。聯合ニュースが報じた。市民団体の刑事告発を受けた捜査で、幹部社員の借名口座を使った不正資金の捻出(ねんしゅつ)や政官界への不正ロビー活動など一連の疑惑の真偽を捜査する方針。

◎韓国サムスン、日本から液晶TVなど家電撤退へ(2007年11月9日、産経新聞)
 テレビ世界最大手の韓国サムスン電子が、薄型テレビをはじめとする家電販売で日本から撤退する方針を固めたことが8日、明らかになった。10月末までに小売店、インターネット販売を停止し、今後は日本向け仕様の製造もやめる。日本市場は国内大手を中心に競争が激しく、サムスンは収益が見込めないと判断、欧米などに経営資源を集中するとみられる。
 サムスンの日本法人「日本サムスン」は今夏までに小売店での販売を停止し、ネット直販サイト「サムスンダイレクト」も10月末で閉鎖した。
 ネット直販では15~46型液晶テレビや携帯型音楽プレーヤー、DVDプレーヤーなどのAV(音響・映像)機器を販売してきたがすべてやめ、パソコン用モニターの法人販売だけを残す。
 修理などのアフターサービスは日本サムスンが継続し、「電子部品の販売を中心に、法人顧客との関係を重視した事業をこれまで通り続ける」(広報担当者)という。
 サムスン電子は1980年代に日本法人を設立し、洗濯機や冷蔵庫など「白物家電」で市場に参入。2000(平成12)年ごろに白物の本格販売から手を引いたものの、前後して薄型テレビなどのAV機器に注力した。
 一時は大手量販店に専用コーナーを設け、多額の広告宣伝費を投じてブランド戦略も展開した。だが、国内市場はソニーやシャープ、松下電器産業など世界シェア上位の競合企業が多く、販売を続けても収益改善は難しいと判断した。今後は欧米に加え、新興国などの成長市場での販売強化にカジを切るもようだ。
 日本サムスンの約1兆円の売上高の大半は、法人向け半導体や液晶パネルで占められ、消費者向け家電は「1%に満たない水準」(関係者)とみられ、「(家電販売停止の)経営の影響はほとんどない」としている。
 米調査会社ディスプレイサーチによると、サムスンは今年第2四半期のテレビ販売額で世界首位だった。

◎サムスン元常務が不正資金蓄財告発(2007年11月6日、日本経済新聞)
 韓国最大財閥サムスンが元幹部の内部告発に揺れている。元常務は5日ソウルで記者会見し、同社が不正資金を蓄財し、検察などへのロビーに使っていたと告発。オーナー一族による経営権継承についても「明白な犯罪で私も共犯」とした。ただ、サムスンは全面否定しており、検察当局が今後、捜査に乗り出すかが焦点になる。
 告発したのはグループ司令塔の構造調整本部(現戦略企画室)元常務で弁護士の金(キム)氏。元検事の金氏は1997年にサムスンに入社。財務、法務の責任者を歴任後、2004年に退職した。

◎来春から白頭山観光開始、現代グループが北朝鮮と合意(2007年11月4日、朝日新聞)
 韓国の財閥、現代グループは3日、北朝鮮との間で白頭山観光事業を08年5月から始めることで合意した。南北首脳が10月に署名した「南北関係発展と平和繁栄のための宣言」に基づく措置。ソウル―白頭山間の航空便を開設し利用するという。
 同グループの玄貞恩会長と朝鮮アジア太平洋平和委員会の崔承哲副委員長が3日付で合意文に署名した。玄会長らは同日、ソウル市内で記者会見し、当面は冬季を避けて5月から10月ごろまでの営業を目指す考えを示した。現地の飛行場は、150人から200人乗りの中型機の離着陸が可能で、ホテルも整備されている。
 白頭山(標高2750メートル)は「民族の聖地」といわれ、朝鮮半島のすべての山脈の起点とされる最高峰。山頂にはカルデラ湖「天池」があり、故金日成主席が抗日闘争の拠点にした。
 このほか、12月初めから、高麗時代の首都だった開城にある遺跡や名所を巡る観光事業を始めることでも合意した。玄会長らは2日、金正日(キム・ジョンイル)総書記と会談した。

◎期限切れ・細菌検出、韓国行楽地の飲食店1千店で問題食品(2007年8月24日、読売新聞)
 【ソウル=中村勇一郎】韓国の行楽地にある食堂や売店、屋台など1082店で、賞味期限の過ぎた食品を販売するなど食品衛生法上の問題があったことが韓国政府の調査で明らかになり、消費者の間に衝撃が広がっている。
 韓国の食品医薬品安全庁が先月、遊園地やサウナなどの娯楽施設の中にある飲食店約2万5000店を対象に抜き打ち検査を実施し、今月16日、結果を発表した。
 発表によると、賞味期限を過ぎた食品を販売していたのは204店。キムパプ(韓国風のり巻き)など食中毒になりやすい食品を検査したところ、12店で食中毒の原因となる菌が検出されたほか、6店で大腸菌が検出された。また、無許可営業の飲食店が347店に上ったほか、食品の保管方法が基準を満たしていない施設も66店あった。
 韓国では今年に入り、基準を超える大腸菌が含まれた氷を販売していた製氷会社が摘発されたほか、刺し身店で有害な深海魚が「マグロ」と偽って売られていたことも判明している。

◎サムスン電子の大規模リストラ、本当の危機は人材管理【コラム、趙章恩】(2007年8月7日、日本経済新聞)
 サムスングループが大規模なリストラに乗り出した。日本でも大きく報道されているように、サムスン電子の4~6月期の営業利益が5年ぶりに1兆ウォン(約1300億円)を下回ったが、収益悪化自体は半導体価格の下落やウォン高などで想定された範囲内で、一時的な不振との捉え方が多い。むしろ韓国のメディアの関心を集めているのは、11年ぶりに実施されているサムスン電子への税務調査や、希望退職という名目で進められている人員削減、役員の世代交代といった一連の動きだ。(趙章恩の「IT先進国・韓国の素顔」)
 なかでも税務調査については、サムスンが「模範的納税企業」であるために免除されてきた。韓国経済の発展への功績が認められ1998年、2002年に産業勲章を受賞し、毎年1兆ウォン以上の税金を納めている実績を評価しての特別扱いだったのだが、ここにきて復活することになった。国税庁は「定期調査なので余計な推測記事は書かないように」とマスコミに注文している。

・メディアが注目する「サムスン危機説」
 世界中がリストラの動向に注目するなか、サムスン電子は7月26日に緊急記者会見を開き、「半導体と系列のサムスンSDI以外は昨年に比べかなりよくなっている」と業況を説明した。さらにグループ全体の07年上半期の連結業績にも触れ、「売上高は90兆ウォンで前年同期比8%ほど増え、税引前利益も6兆7000億ウォンで2000億ウォン増えている。これにより全体で年間14兆~15兆ウォンを投資することにした」と、周りが騒ぐほど危機的状況ではないことを強調した。
 サムスン電子が半期の実績を発表し、下半期の展望まで詳しく説明したのは今回が初めてだ。危機ではないとしながらも、「サムスン危機説」がよっぽど気になったのだろう。
 サムスングループの李健熙会長はサムスン電子が絶好調で史上最高益を記録した2004年から「危機意識を持つように」と何度も注文し、2007年に入っても日本と中国に挟まれ苦しくなるかもしれないという「サンドイッチ危機論」を主張していた。それだけに、経営陣は相当の覚悟と準備をしてきたという見方が大半で、韓国では業績の悪化よりもサムスングループの今後の組織管理や経営スタイルに注目する記事が多い。

・社員のサムスン離れが加速
 韓国の新聞やマスコミのほとんどが「サムスン電子の不振は組織管理が原因」という分析記事を連載している。組織をしっかりと管理する管理経営こそがサムスン独自のスタイルであり、ほかの企業もうらやむところだった。ところが、李会長は2007年の年頭挨拶で「これからは創造経営だ」という一言を発した。
 朝鮮日報や東亜日報の記事を見ると、「管理のサムスン」から突然「自由にのびのび発想し力を発揮できる」と思わせる創造経営環境を作ろうとしたのがすべての悪化の始まりだ、と指摘している。統一の取れていた社風に自由な雰囲気を無理に導入しようとしたことで逆に中間層を中心にプレッシャーがのしかかったようだ。
 社員たちに話を聞くと、仕事も会社の雰囲気も1998年のIMF経済危機よりひどいというほどきつく締め付けられているらしく、自分で辞めていく社員も増えている。求人サイト「JOBKOREA」にはサムスングループ出身者の履歴書が2007年上半期に8134件登録され、前年同期比で19.9%も増えたそうだ。大手求人サイトに登録された全履歴書のうち、サムスン出身者が占める割合は2%ともいわれるが、リストラされる前に辞める若い社員が少なくないのだろう。
 JOBKOREAによると、社会人3~4年目のサムスン出身者はリクルート業界で最も人気があるそうだ。ほかの企業の出身者に比べて仕事がてきぱき早く、どんな仕事を任されても手際よく仕上げるという。サムスンの競合企業でも、「一つ教えると十を覚える」と、新人よりサムスン出身を好むそうだ。
 役員も例外ではない。クビになる前に早期退職する役員をスカウトしようとヘッドハンティング会社に依頼する中堅企業が絶えず、いまかいまかと役員たちがリクルート市場に出てくるのを待っている。

・「リストラ」は認めないが・・・
 サムスン電子側は「事業再編や費用削減、人員再配置などは実績がよくてもやること」であるとして、「人員削減によるリストラ」を認めていないが、毎年70~80人だった中途退職者が今年はすでに150人以上に増えている。すでに6月から希望退職という名目で部長・次長を対象に人員リストラを始めていることが何度も報道されている。
 半導体、情報通信、液晶、デジタルメディアという4大事業部の総括社長は、それぞれ兼ねていた事業部長職を辞め、社長の役割だけに専念するようになった。これは役員の世代交代の前兆ではないかと予測する人もいる。
 サムスン側は経営責任の所在を明確にするための人事見直しであり深い意味はないとしているが、事業部別に全役員の2~3割カットと削減人数の目標まで決まっているらしいという噂もある。既に液晶部門は事業部を3つから「TV・モニターディスプレー」「モバイルディスプレー」の2つに減らした。
 事業部改編や人事異動は年初に行われるのが一般的だったことを考えると、公式には業績悪化やリストラを認めていないが、かなりせっぱ詰まっているのではないかと予想できる。大学教授を中心とした経営専門家らはサムスン電子の外資によるM&A(企業の合併・買収)の可能性まで持ち出しているので、サムスンも悩ましいところだ。
 サムスン電子は地方工場のリストラ、役員のリストラに続いて、社員の福利厚生費用も大幅カットしている。社員食堂での無料ランチは続けるが、経費節減ということで朝と夕の食費補助を減らし、有給休暇も全部使わせる方針だ。兄弟姉妹の結婚祝い金150万ウォン(約20万円)も支給しないことにした。省エネの徹底は基本で、役員のゴルフ禁止令まで登場した。
 サムスングループの中心にあるサムスン電子が経費節減となれば、その他の子会社は乾いたタオルを絞るぐらいの節約に追い込まれる。その影響はかなり広いので、韓国では「頭のいいサムスンなら、人員を減らし社員の給料を削るようなリストラではなく、画期的な節減計画を打ち出してほしい」と希望をかけられている。

・優秀なサムスン社員を生かす方法は
 韓国では、法律が変わりパート職でも2年以上雇用した場合は正社員にしなければならないと定められてから、1年9カ月でパートを解雇する企業が後を絶たない。数万人の主婦パートや臨時採用職の人が涙を流している。そのようななか、7月末に韓国KBSが日本の電材メーカー、未来工業(本社・岐阜県)を取り上げたドキュメンタリー「山田社長、サラリーマンの天国を築く」を放映し、韓国中で話題になった。
 「よくニンジンとムチというが、社員は馬じゃない。ニンジンさえあればいい」「社員が会社を通じて幸せを感じ、自分の生活が楽しくなれば、自然に会社のために最善を尽くすようになる。そうなれば会社も発展する」という山田昭男・元社長(現取締役相談役)のインタビューは余裕を失いかけている韓国企業への強烈な問題提起となった。なにより、「社員は全員が正社員、年間の休日は140日、残業は禁止で育児休業は3年、定年は70歳、5年に一度は全社員が海外旅行、なのに会社の利益は上場製造業の中でも極めて高い水準」という未来工業の経営は「こんな会社もこの世に存在するんだ」という衝撃から尊敬へと変わっている。
 リストラなんてもう怖くもないというほど会社を転々としなければならない雇用環境のせいで、会社に対する忠誠心も社員同士の連帯感もなくなっている韓国社会。給料をもらっているんだから家庭を忘れ仕事に専念せよ、出産するなら会社を辞めてからにしろ、と堂々と注文するのが会社だと思っていただけに、未来工業の話は感動的だった。視聴者掲示板にも社員を信じて優遇する未来工業の山田氏に感動したという書き込みが続いている。
 サムスン電子は韓国企業の中で最も研究人員が多いことで有名だ。全従業員7万6千人のうち博士3000人、R&D部門が3万人。「少数の天才が国民を養う」という李会長の持論通り、サムスンは少数の天才と多数の人材が世界で愛されるヒット商品を生み出している。
 サムスンに入社するため数々の試験と競争に生き残った人たちだ。この優秀な人材がサムスンの中で一生リストラの恐怖なく仕事ができるようにしてあげることができれば、業績回復につながるのではないだろうか。「創造経営」よりも心理的に安心して働ける環境を提供する経営が大事ではないだろうか。社員を「馬」としか思わない会社は長続きしない。その失敗の代表例がサムスン電子にならないといいのだが。

◎韓国公使が北京の病院で点滴後に死亡、ニセ薬の可能性も(2007年8月1日、読売新聞)
 【北京=佐伯聡士】北京の韓国大使館当局者は1日、同国の駐中国公使が7月29日、腹痛のため北京市中心部にある外国人を主な対象とする病院でリンゲル液の点滴を受けた後、呼吸障害を起こして死亡したことを明らかにした。
 リンゲル液がニセ薬だった可能性や点滴の速度に問題があったとの見方が指摘されている。
 同当局者によると、死亡したのは政務担当の黄正一公使(52)。28日夜、大使館近くの店で買ったサンドイッチを食べたところ、下痢症状を起こした。症状が好転しないため、29日、同病院でリンゲル液の投与を受けたという。黄氏は昨年8月から公使を務め、北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議を担当していた。
 病院は本紙の取材に対し、「調査結果が出るまで何も答えられない」としている。黄公使の死亡を受けて、中国外務省は1日、哀悼の意を表明した上で、中韓両国の専門家が死因の調査に入ったことを明らかにした。

◎飼い犬に認識票義務付け、ふん放置なら過料、韓国(2007年7月28日、産経新聞)
 韓国農林省は、飼い犬について自治体に1匹ずつ登録する「総背番号」制とし、飼い主の名前と電話番号などを記した認識票を付けることや、ふんの後始末を義務付ける動物保護法施行令案などをまとめた。違反者は10万~30万ウォン(約1万3000~4万円)の過料を支払わねばならないという。
 動物の管理責任に関する市民の意識を高め、犬が行方不明になった際に捜すのを容易にするのが狙い。同省は来年1月末の施行を目指す。韓国メディアによると、同省はいずれ猫にも適用する計画だ。
 韓国メディアによると、自治体によっては登録時に、犬の体内に個体識別のためのマイクロチップを埋め込むことも義務化できるという。
 同案などは、犬を散歩などに連れ出す場合、必ず首につないだひもを手に持つことを明記し、14歳未満の子供がひとりで散歩させることも事実上禁止。生後3カ月以上の土佐犬など「猛犬」とされる犬については、外出時には口輪をすることが必要としている。

◎国民の不満が政府を動かした韓国MVNO解禁(2007年7月25日、日本経済新聞)
 サムスン電子のリストラが世界から注目を集める中、韓国では携帯電話販売制度もリストラが始まった。7月23日、韓国政府(情報通信部)は新規の移動通信会社設立を許可する方針を決めた。新規事業者が参入しやすいようMVNO(仮想移動体通信事業者)などを想定した通信網の「再販売制度」の法律的根拠を作るとも発表した。(趙章恩)

・高い携帯料金に不満がピーク
 新規参入を認めるのは、国民の87%が携帯電話に加入しており、1家4人の携帯電話料金がレジャーや外食費より高く、携帯電話の通話料が家計に占める割合が大きすぎることが背景となっている。韓国の物価にくらべて携帯電話端末も通話料も高過ぎるといった国民の不満をこれ以上は放っておけないとの判断もあった。
 「再販売」とは卸売り、つまりMVNOへの回線貸し出しのことを指す。既存事業者のシェアが50%以上を超えたり、実質的に参入障壁が存在し市場構造の改善が必要と判断されたりする場合には、情報通信部が再販売の義務を負う事業者とサービスを指定する方針だ。携帯大手のSKテレコムを利用したMVNOが登場するのも時間の問題になった。
 MVNO事業者への差別的な取り扱いや、不当な取引条件の強要ができないような制度を作り、現行の料金認可制度を自由競争へと変えていくことも検討している。政府が定めた再販売義務にもかかわらずキャリアの対応が消極的で再販売が活性化しない場合や、料金引き下げに問題がある場合、政府が介入し調整することも考えられている。このような再販売制度を含めた新規事業者に関する電気通信事業法改定は11月に国会で審議されることになる。
 韓国の移動通信キャリアはSKテレコム、KTF、LGテレコムの3社。以前は5社あったが、吸収合併により3社に集約された。その結果、競争がほとんどなく、シェアも固定化した。韓国で初めて携帯電話サービスを始めた017局番と011局番が合併し51%ほどのシェアを持っているSKテレコムが最大手、2位は通信会社最大手のKTを親会社に持つKTF、3位はLG電子系列のLGテレコムという序列だ。1社が通話料を値下げすると、値下げ競争を始めるのではなく、通信法違反だと告訴したり、通話品質が悪いからセールをするのだなどとの批判を繰り返すばかり。
 携帯キャリアが毎年最高益を記録するなか、市民団体は通話料値下げを求める集会を連日のように開き、サービスに不満を持った加入者がベンツでSKテレコム本社に突進するという事件もあった。
 韓国の携帯電話料金は特にデータ通信料が高く、料金体系がころころ変わるのも問題とされていた。パケット定額もずっと使える料金ではなく年末までのキャンペーンだったり、加入後3カ月間だけだったり、また端末を安くする代わりに高い料金プランに無理やり加入させられたり、使いもしない付加サービスを3カ月使用しないと端末が買えないといったことまであった。
 実はKTは1999年からKTFの携帯電話を再販売している。だが料金は全く同じで特にサービスが良いというわけでもなく、「電話局で買える安い端末」という程度だった。逆に莫大な資金力で違法な奨励金を使いKTFの端末を安く販売したり、KTの社員に販売目標を割り当てたりして問題になったりもした。KTは「再販売制度が法律として確定されれば、販売条件や料金などを情報通信部が決めるようになる。これはKTいじめだ」と反発している。

・LGのエリア限定格安携帯サービス
 加入者が最も少ないLGテレコムは、数年前からこれ以上加入者が減ると携帯キャリアとして成り立たないという危機感を抱いていた。情報通信部が奨励金を禁止した理由も、LGテレコムを助けるためだったといわれている。
 モバイルバンキングを導入したり、カシオ計算機の端末を販売したりしてみても加入者は700万人で停滞し、3Gサービスも諦めに近い状態のLGテレコムは、通話料を画期的に引き下げるためFMS(Fixed Mobile Substitution、携帯による固定電話の代替サービス)の「気分ゾーン」というサービスを導入した。
 KTは2004年にFMC(固定と携帯の融合サービス)の「ONEPHONE」を導入したが、結局加入者が伸びず「そんなサービスもあったの?」と記憶から薄れているが、LGテレコムのFMS「気分ゾーン」サービスはKTの固定電話より安い携帯電話というのがうたい文句だ。気分ゾーンの好調でLGテレコムは2007年上半期だけで純増45万人を確保した。
 これは「アルリミ」というBluetoothモデムをコンセントに差し込むと半径30メートル以内では携帯から固定電話への通話料が市内・市外関係なく3分39ウォン・1時間780ウォン、携帯電話にかけると10秒14ウォンになるというもの。通常の携帯電話標準料金は10秒24ウォン、KTの固定電話は同じ地域内でも30キロメートル以上離れたところに電話をかけると10秒14.5ウォンの市外電話料金になる。これを知らない加入者が多いということで、LGテレコムはKTソウル本社の前で「気分ゾーン」のキャンペーンを繰り広げ、話題になったりもした。
 LGテレコムは、「気分ゾーン対応端末は種類も少なく、アルリミを差し込まないと割引されないという不便もあるが、それでも加入者は通話料が安い携帯を選んだ。その理由は韓国ではまだ携帯電話は音声通話を自由に利用する目的で持ち歩くもので、モバイルインターネットやTVを観るといった需要は一部の年齢に限られているためではないか。やはり加入者のための最善のサービスとは安い通話料であるということがわかった」と話している。
 SKテレコムやKTFも色々な料金制度を出しているが、同じ条件なのに基本料金や通話料が高くなっているため暴利もほどほどにしろと、ユーザーからの抗議が絶えない。

・携帯市場の構造改革は進むか
 情報通信部はそのほかにも移動通信の構造改革に取り組む。消費者の便宜と選択肢を広げるため、3Gの場合2008年3月の奨励金全面解禁に合わせて、USIMロック解除を始めるよう準備を進める方針だ。USIMロックを解除した場合、拾った携帯電話端末を勝手に使えるという問題も発生する可能性があるため、加入者がロックできるようにする方策も検討し、年末までに具体的な内容を決める。ユーザーが奨励金だけ受け取ってキャリアを渡り歩くのを防止するため、一定期間は解約できない義務約定制度も導入する方針だ。
 個人的には日本のようにパケット定額が導入され、思う存分携帯電話からネットにアクセスできるようにしてほしい。データ通話料を安くすればその分様々なサービスを利用してコンテンツも販売できるし、モバイルバンキングやおサイフケータイの利用も増えると思うのだが、キャリアは別の考えがあるようだ。
 SKテレコムは高い通話料のおかげで社員の給料が高く、サムスン電子、信韓銀行と並び最も入社したい韓国企業の1、2位を争っている。加入者あっての利益ということを忘れず、社員の福利厚生と同じぐらい加入者のことも考えてくれたらいいのだけれど。
(趙章恩(チョウ・チャンウン)、JIBC会長・IT評論家・Webプロデューサー)

◎国:ハンナラ党聴聞会、予備選出馬の2人検証、史上初(2007年7月20日、毎日新聞)
 【ソウル中島哲夫】韓国野党ハンナラ党は19日、12月の大統領選を目指し党内予備選に出馬している5人のうち、李明博(イミョンバク)前ソウル市長(65)と朴槿恵(パククンヘ)前党代表(55)について、公認候補にふさわしいかどうか検証する聴聞会を開いた。韓国政治史上、この種の聴聞会の開催は初めて。
 大統領選の支持率調査で李氏は1位、朴氏は2位を維持しているが、両陣営の相互批判は泥仕合の様相。しかも両氏をめぐり次々に暴露される真偽不明の疑惑情報の中には、ハンナラ党と対立する現政権からのリークや情報機関の介入が指摘されるものもあり、一部疑惑については最近、検察当局が捜査を始めた。
 この複雑な状況での聴聞会は元検事や弁護士、大学教授らが質問者となり、午前に朴氏、午後は李氏を対象に実施。それぞれ3時間がテレビ中継された。
 朴氏に対しては父である故・朴正煕(パクチョンヒ)元大統領の独裁についての認識や、金銭疑惑などがあった牧師(故人)を支援した疑いなどを追及。李氏については主に巨額の財産形成の過程に疑いの目が向けられており、質問は不動産投機や他人名義での土地所有などに集中した。両氏ともに疑惑情報は事実でないと否定した。

◎ネット販売が引き金、韓国で「犬肉料理論争」再燃(2007年7月13日、読売新聞)
 【ソウル=竹腰雅彦】夏ばて予防のスタミナ料理として、韓国人に人気があるのは犬肉。しかし、犬肉を取り扱う初のネット販売サイトが国内の猛反対にあって、今月、閉鎖に追い込まれた。これを機に「犬肉論争」が再燃している。
 ネット販売サイトは、代表的な犬肉スープ料理「補身湯(ポシンタン)」にちなんだ「補身ドットコム」。4月、新ビジネスとして登場し、数百グラムから1頭分までの犬肉の注文販売を始めた。
 韓国では、1988年のソウル五輪の際、国際的な批判に配慮する形で、犬肉料理店は表通りから排除された。その後も、愛好者に根強い人気があり、韓国メディアによると、年間約200万頭が消費されるほどだが、犬肉を取り扱う店は裏通りにしかなかった。
 このため、犬肉が大量消費される夏場を迎え、新サイトの存在が知れ渡ると注文は増えたが、「国のイメージを損なう動物虐待を許すな」といった抗議も、ネット運営業者や管轄する自治体に殺到。業者は、7月初め、一応、自主的に販売中止に踏み切った。
 混乱の背景には、犬肉が韓国の食品衛生法や販売上の法規から漏れた「あいまいな存在」(中央日報紙)ということがある。犬肉を食品として管理するための法改正は、以前から求められているが、動物愛護団体など反対派の圧力で実現していない。犬肉愛好家と反対派の板挟みとなって、行政は身動きできない。
 「なぜ違法でないのに他人の商売に干渉するのか」
 「食文化だから守れといっても、(犬を食べていては)韓国は先進国になれない」
 同サイトの掲示板では、擁護派、反対派の激論が毎日のように続く。韓国伝統文化学校の崔公鎬教授は、両派の主張を眺めながら「食べたい人は食べ、食べない人は食べない。結局、それぞれの嗜好(しこう)の問題で、是非を論議することは不毛」と論じる。
 物議を醸した当のネット業者は、今後も電話販売に転じようとするなど、その商魂はたくましい。

◎米、韓国とFTA調印、単独相手国では最大(2007年7月1日、朝日新聞)
 米韓両政府は6月30日、自由貿易協定(FTA)をワシントンで調印した。米国にとって韓国は単独の協定相手国では最大。通商交渉をしやすくするために米議会が大統領に与えた「貿易促進権限(TPA)」の失効に伴い、ブッシュ政権にとって最後の大型FTAとみられている。両国議会の承認を経て実施されるが、自動車業界などの反発で米国での審議は難航が予想される。
 シュワブ通商代表は調印式で「先進の経済工業国間でも最高規格のFTAに合意できた。議会承認を確実にさせなければならない」、グティエレス商務長官は「過去約15年間で商業的に最も重要な合意」と述べた。

◎東京韓国学校で内紛、日本語授業をめぐり、大使館も巻き込む(2007年6月26日、産経新聞)
 日本在住の韓国人の子供たちが通う「東京韓国学校」(東京都新宿区)で、日本語での授業の扱いをめぐり、保護者や韓国大使館まで巻き込んだ騒動が起きている。授業の拡大を目指す理事会の方針に、校長ら学校側が反発。校長らを支持する保護者が校内に座り込んだり、卒業式で生徒が集団退場したりと、前代未聞の事態となっている。
 同校は昭和29年に在日本大韓民国民団(民団)の支援でつくられ、日本の小学生から高校生にあたる約980人が在籍。多くは将来韓国に帰国する予定の生徒だが、日本に永住し日本語での授業を希望する生徒も1割弱いるという。
 問題となっているのは“永住組”の中学生が所属する「J班」と呼ばれる小人数クラス。韓国語での教育のほか、日本の高校や大学への進学を念頭に、日本の教科書を使って日本語でも学ぶことになっているが、教員不足などの理由で中2の理科、社会、英語は韓国語で授業が行われている。
 このため理事会が昨年7月、学校に対し日本語での授業を主要5教科に拡大するよう要求したところ、多数派を占める“本国組”の保護者らが「一握りの少数派のために授業料が上がりかねない」などと猛反発。理事長らの退陣を求める署名を韓国政府に提出したり、校内に座り込んだりする事態となった。
 理事会は今月5日、混乱を招いた責任は日本語授業を拡大しない学校側にあるとし、韓国から派遣された校長の罷免を決定した。だが校長は応じず、対立は収束する兆しがない。影響は生徒にも波及し、2月の高校の卒業式では理事会側と学校側が口論となり、卒業生が集団で退場するなどしたという。
 同校は元来、日本永住の在日韓国人らが母国の教育を受けられるようにと設立された。しかし韓国の経済成長に伴い海外転勤の本国組が増加。永住組が少数派になったことも、対立の背景にあるとされる。
 韓国大使館は「話し合いで解決できるはず。学校と理事会で協議してほしい」としている。

◎サムスン電子、米でフラッシュメモリー生産(2007年6月17日、朝日新聞)
 韓国のサムスン電子は、ノート型パソコンや携帯機器などの記憶媒体用として需要拡大が見込まれるNAND型フラッシュメモリーを米国で生産する。35億ドル(約4300億円)を投じて新工場を建設し、下半期から量産を始める予定だ。
 フラッシュメモリーは米アップルの携帯音楽プレーヤーの機能を組み込んだ携帯電話発売など、さらなる需要の拡大が見込まれており現地生産で対応する。大型ウエハーを採用、回路線幅も最先端の51ナノメートル(ナノは10億分の1)技術を使って生産効率を高める。

◎韓国大統領選まであと半年、前・現大統領と北VSハンナラ党(2007年6月15日、産経新聞)
 今年12月の韓国大統領選は3つの観点から注目される。まず金大中-盧武鉉政権と10年続いた韓国の対北融和政策がさらに続くのかどうか。2つ目は、過去への恨(うら)みを抱いた「ハン(恨)の政治」はどうなるのか。3つ目は日米離れの反米・反日・民族主義がさらに進むのかどうかだ。
 1番目に関連しては、金大中前大統領、盧武鉉現大統領そして北朝鮮が今や「ハンナラ党に政権を渡すな」で共同戦線を張りつつある。
 韓国の大統領選の歴史で前職や現職大統領が、次の政権に誰がいいとか悪いとかあれこれ発言したことはない。ところが金大中氏と盧大統領は“ハンナラ党政権阻止”に向け積極的な発言をしている。その結果、盧大統領など「選挙法違反の疑い」まで話題になるほどだ。
 北朝鮮はすでに昨年来、韓国に対して「反保守大連合」を呼びかけ、ハンナラ党非難の宣伝・扇動を続けている。
 大統領選でハンナラ党が勝てば、北朝鮮への支援・協力は条件付きとなり、人権問題など金正日独裁体制への批判、圧力は強まるだろう。しかし「反ハンナラ共同戦線」が成功すれば親北・与党政権が続き、金正日政権は安泰となる。
 2番目の「ハン(恨)の政治」とは。まず金大中前政権は千年にわたり権力から遠ざけられ、社会的差別を受けてきた全羅道出身者が政権の座につくことで新しい歴史を開いた。またその後の盧武鉉政権は、現代政治史における政治的弾圧の被害者である親北・左翼勢力の「ハン(恨)」を背負って誕生した革新政権だった。
 いずれも過去とは異なる層が権力を形成し「恨みを晴らす政治」を進めた。違法とされた親北・左翼勢力の過去の行動が逆に合法としてたたえられる「過去清算」は、それを象徴している。
 次期政権はそうした過去に対する否定中心の政治を脱し、未来志向の政治になるのかどうか。左翼・革新系が主導する与党陣営が引き続き政権を取ると、「持てる者持たざる者」の二極化を最大の扇動テーマに「ハンの政治」は続く。
 3番目は韓国ナショナリズムの行方だ。盧武鉉政権は最後になって米韓FTA(自由貿易協定)推進で反米に一定の修正を加えたが、その支持基盤である左翼・革新系の与党陣営は依然、反米気分が強い。これは国力増大に伴う国民の自信感も背景にある。
 保守野党のハンナラ党は対外政策はより穏健だ。とくに対米関係改善を主張している。反日は名分として簡単には引っ込められないが、基本的には日米との連携強化という同盟重視だ。
 これに対し与党陣営は“自主”という名の脱同盟・民族主義傾向が強い。次期政権は韓国を国際社会の中でどこに位置付けて国家的発展を図るのか、重要な課題を背負うことになる。(ソウル、黒田勝弘)

◎韓国大統領の選挙違反決定、野党批判発言で選管(2007年6月8日、朝日新聞)
 韓国の中央選挙管理委員会は7日、「ハンナラ党が政権を握ることを考えると身の毛がよだつ」などと述べた盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の発言を、公務員の中立義務を定めた公職選挙法違反とする決定を下した。盧大統領が発言を選挙法違反とされたのは2度目。選管は大統領へ、中立義務の順守や自制を求める文書を送った。
 大統領は2日、支持グループ集会でハンナラ党について「強者の権利を制限する政策に一貫して反対した」「民主主義の未来を何も語っていない」「政権を握れば、古びた腐った政治がよみがえる」と発言。同党の大統領選有力候補である李明博(イ・ミョンバク)前ソウル市長らも批判し、同党が5日、選管に告発していた。
 大統領府は7日、選管決定について「大統領の政治行動を制約し、非常に遺憾だ。法的な問題を検討して対応する」と発表。大統領の政治活動の自由について憲法裁判所に確認を求めることも検討しており、混乱が拡大する可能性がある。

◎低迷サムスンが「緊縮経営」発表・気になる韓国の空洞化と財閥体質(2007年5月29日、日本経済新聞)
 5月28日、韓国のマスコミはサムスン電子の「緊縮経営」を経済面のトップニュースとして一斉に報じた。営業利益、純利益が2007年1-3月期もまた前四半期比でそれぞれ42%、32%減ったのを受けた経営改善策だ。DRAM市況の低迷やウォン高の打撃で、利益は4年前の水準まで落ち込んでいる。サムスン電子はデジタルメディア総括、情報通信総括といった部門別に新しい主力業種を探して戦略を修正するとともに、経費節減と生産性向上に必死になっている。(趙章恩)
 サムスン電子の主力商品である512メガバイトDRAMは市況の回復が期待されていたが、供給過剰で価格は1.7ドルまで落ち込み、原価の1.5ドルすれすれの状況になっている。
 一方、ウォンドル為替レートも一段とウォン高が進み、最高値を連日更新している。ウォン相場が10ウォン上昇すると、サムスン電子の営業利益は3000億ウォン減る。円安ウォン高も深刻な状況で、この10年でウォンが25%も高くなった。このままでは4-6月期の利益水準は1兆ウォンを下回ってしまう。

・役員リストラのうわさも
 株価もさえない。5月28日、サムスン電子の時価総額は80兆6815億ウォンで、韓国株式市場全体の時価総額814兆5120億ウォンに占める比率は9.9%。わずか0.1%とはいえ、1999年10月以来初めて10%を下回った。2004年4月にはサムスン電子の時価総額が23%に達していたことを考えると大きな落ち込みである。
 株価指標のKOSPI指数は上がっているのにサムスン電子だけが下落しているのは、それだけ韓国経済に対する影響力が小さくなったからとみられている。だた、業績回復の兆しがないのも原因で、赤字を出しているグループ会社の切り離しまで噂される始末だ。
 実は今回サムスン電子が発表した緊縮経営は、すでにLG電子やハイニックス半導体が3月から取り組むなど、韓国の電子系企業のほとんどに広がっている。ただ、サムスン電子の社員らの反応を聞くと「今回の緊縮経営発表は予防や段取りではなく戦争そのもの。すでに昇給は凍結、新規採用も中途採用もなくなった。IMF経済危機の時にも行わなかった役員のリストラ話まで噂されている」というほど緊迫した状況のようだ。
 生産現場でも合理化・効率化が進んでいる。マスコミにはあまり報道されないが、地道に経営改善に挑んでいるのはLG電子だ。LG電子は生産効率を極大化する「Tear Down & Redesign」という革新プログラムを13年間続けており、生産現場の無駄をなくす専門家チームも組織している。プラズマパネル事業のリストラも始めていて、厚さ2.8ミリだったプラズマパネル後面板ガラスを1.8ミリまで薄くし、部品単価を30%ほど節減できる新工程を開発した。これは2007年下半期から導入される。
 LG電子とLGフィリップスの原価節減モデルもよく知られている。「トーネイドプロジェクト」と名づけた取り組みで、両社が共同開発している既存のパネル生産とテレビ製造工程を統合させ費用を大幅に節減した。LG電子はこのプロジェクトの結果、液晶テレビの部品点数を大きく減らすことができ、42インチ型液晶テレビで64%の原価低減を達成した。42型の薄さが49ミリ、重さが15キログラム減るなど、商品性の向上にもつながっている。トーネイドの次には「ビアズ」というプロジェクトを始める。
 サムスン電子も「モンブラン7段階プロジェクト」と呼ぶプロジェクトで、液晶テレビの製造原価の20%ほどを占める液晶パネル駆動ICを既存の4分の1にまで減らすなど、製造費用の節減を進めている。

・国外移転も「パリパリ(早く早く)」気質
 業界関係者の間では「費用節減には限界があり、結局は技術力で勝負するしかない」という意見も多い。サムスン電子を支える半導体の場合は技術向上が利益につながるからだ。同じ設備を使ってより多く生産するのも重要だが、次世代技術に早く転換することでより早く利益を出すのが競争力ともいえる。
 サムスン電子もLG電子も韓国内では費用節減、賃金節減と厳しい。ただし、海外投資にはとても積極的だ。サムスン電子は1万円以下の低価格の携帯端末製造のため、ベトナムに工場設立を検討していると発表した。これで韓国では年間700人ほどの職がなくなる。中国とインド工場の増設を含めると2年後には8000人ほどの職が失われる。
 サムスン電子は今年のR&D費用の4割を海外に振り向ける計画だ。しかし、だからといって「サムスンはひどい」とは言えない。ライバルのモトローラやノキアが既にグローバル生産体制を築いているのに、サムスン電子には愛国のため生産コストが高くても韓国にいてほしいとは言えないだろう。

 韓国財政経済部の統計をみると、韓国企業の海外直接投資は毎年急増していて、2006年は前年比2倍と伸び180億ドルを超えた。その25%が中国に投資され、中国を含むアジアへの投資は103億ドルで全体の56%を占めている。北米は16.5%、ヨーロッパは15.6%だった。
 海外投資に積極的なのは安い賃金と土地を求めてというのが一般的だが、実際には韓国の首都圏の不動産バブル、工場を新設できない厳しすぎる土地利用規制、生産職労働組合との問題なども影響している。
 当然だがその分、韓国内の製造業は穴が開いてしまっている。このままではコストの低い海外への移転が加速し、雇用が減り収入が減り消費も減少し経済成長も鈍化する悪循環になってしまうのではないかと怖くなる。産業資源部の調査によると、大手企業上位200社の2007年の韓国国内投資は前年比6.8%増加の56兆4000億ウォンの見込みだが、このまま海外投資が毎年2倍ずつ成長すれば2年後には金額が逆転する。
 原価節減のために仕方ないとしても、そのペースが速すぎる。パリパリ(早く早く)の国民性らしく即断即決で工場が海外に移転し、優秀な人材も職を求めて海外に移る。生産を海外に移して韓国内はよりハイレベルな産業のブレーンになるはずが、どうも予想がずれてしまったような気がする。企業も政府もあれこれ思案はあるようだが、12月の大統領選挙が終わってからでないと踏み切れないという雰囲気もある。

・「会社のカネで外遊」ブログで自慢
 一連の緊縮経営の報道を見ていると、必死の覚悟で経営改善のためにがんばる会社もあれば、企業が社員の恐怖心をあおることを狙って頻繁に「非常経営」「緊縮経営」を発表する会社もあることが分った。社員に愛社心を強要しつつ、社員を減らし賃金を大幅削減するだけのリストラで満足するところも少なくなく顰蹙(ひんしゅく)をかっている。
 本当に企業が危ないなら、社員を苦しめる前に「会社の財産は自分の財産」と考える財閥オーナー一家の姿勢から変えるべきではないだろうか。
 物価は毎年10%以上値上がりしているのに、社員の賃金は2%も上がらない。なのにオーナー一家は名前だけ役員に連ね、社員が一生働いても手にできない金額を年俸としてもらっていく。
 しまいには「事業開発のためのヨーロッパ研修」と称して会社の金でホテル代だけで月数千万円を使い、それを自慢げにブログに書き込んだ財閥の娘もいる。持ち株会社の株を極端に安い値段で特定人物に集中的に売り、経営権を継承しようとしたのがばれて裁判中の会社もある。韓国企業のグローバル化はますます進むだろうが、このような経営体質を抱え続けて大きな落とし穴に落ちなければいいのだが。

◎韓国、外国人客のホテル料金引き下げへ、ウォン高を懸念(2007年5月26日、朝日新聞)
 韓国のホテル宿泊料金が引き下げられる見通しだ。韓国財政経済省が宿泊料にかかる付加価値税(10%)を外国人に限って免除すると決定。ソウル市内の20の高級ホテルは10~30%の引き下げを検討し始め、韓国を訪れる観光客やビジネスマンにとって朗報となりそうだ。
 韓国政府は経済の成熟に合わせサービス産業の育成に力を入れており、観光産業も重点分野の一つ。ただ韓国通貨ウォンがドルに対し03年末と比べ2割以上も高くなり、外国人宿泊客の負担感が増加。政府や業界が宿泊客の減少につながらないように、事前に料金引き下げに乗り出した。
 付加価値税免除は全国の約600のホテルが対象で今年7月から08年末まで実施する。同省は「北京五輪に合わせ観光客を呼び込みたい」としており、米国や欧州から中国を訪れる観光客が韓国にも立ち寄るよう誘導する五輪の「棚ぼた」需要を期待する面もある。
 06年に韓国を訪れた外国人は615万人で、うち日本人は233万人。価格引き下げを検討するソウル市内のホテルには、日本人の宿泊も多いロッテホテルやホテル新羅などが含まれる。

◎韓国ハンファ会長が警察に出頭・暴行容疑で事情聴取(2007年4月29日、日本経済新聞)
 【ソウル=鈴木壮太郎】韓国10大財閥の一角で石油化学や機械、金融などを手掛けるハンファグループの金升淵(キム・スンヨン)会長が29日、ソウルの南大門警察署に出頭した。金会長はけんかで負傷した次男のけんか相手への「報復」のため暴行を加えた疑いがあるとして、ソウル警察庁が事情聴取のため出頭を求めていた。出頭した金会長は「国民に申し訳なく、警察の調査に協力し、事実関係を明らかにする」と語った。

◎「解約は至難の業」の韓国ブロードバンドにようやく規制の網【コラム】(2007年4月24日、日本経済新聞)
 去年の冬、引っ越しのためこれまで6年以上使っていたハナロテレコムのVDSL(超高速デジタル加入者線)を解約してKTの無線LANに変えようと、顧客センターに電話した。韓国の新聞やテレビで何度も「インターネットサービスの解約は至難の業、夜空の星は取れても解約はできない?」などと報道されるほど、一度申し込むとなかなか解約してくれないことで有名な韓国のインターネット会社。果たして無事に解約できるだろうか緊張した。(趙章恩の「IT先進国・韓国の素顔」)

・解約電話の待ち時間30分は当たり前
 自動応答案内に沿って解約を選択すると、予想した通り20分以上も「ただいま相談員が全員通話中です。しばらくお待ちください」の案内が流れ、やっとつながった相談員に解約したいと告げると「違約金がかかります」とのこと。
 2001年に3年契約で加入したので違約金を払う時期は過ぎているはず。ところが、いつの間にか2004年から3年契約で新しく加入させられているではないか。解約が難しいとはこういう企業のいたずらのせいなのかと思って「違約金を払ってもいいから解約する」と怒ってみせると、今度は「どちらのDSLに加入する予定ですか?長期加入者なので特別にその会社と同じ料金まで値下げしましょう」と説得工作に入った。
 で、結論からいうと、「LGパワーコムの料金が最も安いのでその料金に合わせましょう」と説得され、結局解約はできず、下り速度15MBPSほどの「VDSLライト」を2万7800ウォン(約3300円)から2万1000ウォン(約2500円)に1年間割引してもらうことで決着した。
 でもおかしい。長期加入者には料金を安くする制度があるならなぜもっと早く言わないのか。知人に「解約すると話したらインターネット料金を値切ってくれた」と話したら、「知らなかったの?みんなそうやって値切ってるよ。うちはもっと値切ったし、デパート商品券ももらったよ」とのこと。負けた。もう少し強く解約の意思を伝えるべきだったのかも知れない。
 日本では加入者がサービスに納得がいかない場合、モデムを送り返すなどで解約できるが、韓国は加入者がインターネットサービス会社を納得させないと解約できない。電話でしか解約できないようにしているだけでなく、解約を申し込んでも内部的に時間がかかるとして何カ月も待たせ、その間口座から料金を自動的に引き落としたり、請求書を郵送して、払わないとブラックリストに登録すると脅したり、何が何でも解約させないぞ!という意気込みが強すぎて社会問題にまでなっている。
 顧客センターに電話して「解約したい」と告げると普通でも20~30分、ひどい場合は1時間以上もあちこちにたらい回しにされて、加入者が解約をあきらめるよう誘導しているのではとも言われている。やっと電話がつながったとしても、解約ではなく勝手に「一時利用停止」扱いにされて基本料金は引き続き請求されるということも少なくない。

・仁義なき顧客争奪戦
 インターネットサービス業者の横暴はこれだけではない。毎日のように家の電話や携帯電話に売り込みの電話をかけてくる。「TVポータルを利用しませんか、インターネットとセットで加入すると安くなりますよ」「インターネット電話にしませんか。今なら1カ月無料ですよ」「無料のウイルス退治プログラムを使ってみませんか」など、スパム電話はきりがない。さらに問題はこのような勧誘で「無料」と宣伝していたものが実は無料ではない場合が多いということだ。
 特に「ウイルス退治プログラム」は申請もしていないのに数十万人の顧客の口座から1カ月3300ウォン(約400円)の料金を無断で引き落とし、大問題になったことがあった。また一部地域では新規加入やアフターサービスで顧客の家を訪問した設置技師が勝手に有料プログラムをインストールし、料金が請求されたという事件もあった。
 2003年にLGパワーコムが新規参入し、FTTH(光ファイバー)競争が始まってからは「料金も安くします、違約金も代わりに払います、商品券も贈呈します、うちに乗り換えませんか」と勧誘が激化した。黙ってサービスを利用する顧客は高い料金を払わされ、長期加入者へのサービスに使われるはずの費用が、顧客を引き抜くために使われている。
 このような問題が発生するたびに、政府の通信委員会はインターネットサービス事業者に対して課徴金を請求しているが、その課徴金にも問題がある。企業の売り上げと加入者を基準に課徴金を算定するので、最も違反の目立つハナロテレコムやLGパワーコムはせいぜい2億~8億ウォン(約2400万―9600万円)、あまり違反していなくてもシェア1位のKTは18億ウォン(約2億1600万円)以上の課徴金をかけられている。
 政府の情報通信部の統計によると、2007年3月末の韓国のブロードバンド契約世帯数は1422万7799件。韓国の全世帯数が約1570万なので、90.7%の家庭がブロードバンドに加入しているという計算になる。ということは、全国民のほとんどがこのような不便を経験しているか、経験するかもしれないという状況なのだ。これだけ加入していると市場も飽和どころか新規加入する人を見つける方が大変なほどで、ライバル会社の加入者引き抜きに走るしかないというのは分かるような気もする。
※会社別シェアはKTが644万9729件で45.3%、ハナロが364万6563件で25.6%、LGパワーコムが132万9629件で9.3%、CATV経由が234万465件で16.4%、その他が46万1413件で3.4%の順だ。全加入世帯の40%以上が50MBPS以上のサービスを利用している。
 加入者引き抜きによりKTはこの1年でシェアを6%ほど落としている。KTはシェアが高く寡占企業のため、料金の値下げも情報通信部の許可が必要で、自由にできない。そのせいか本社ではなく代理店側が顧客の離脱防止のために自転車や複合機をプレゼントするなど、何とか解約させない方向へと「キャンペーン」が過熱している。

・ユーザーの不満ピークに
 2006年1~9月まで韓国消費者保護院に届けられたブロードバンド関連被害件数は1167件で、このうち解約に関する被害は465件と39.2%におよぶ。2006年の1年間に情報通信部顧客満足センターに届け出られた超高速インターネット解約関連相談も前年比142%増加している。いままではこのように解約してくれないインターネットサービス会社を取り締まる方法がなかった。
 IT関連企業に勤めるキム・ジュヨン氏は「解約してくれないのは違法なので『通信委員会や消費者保護院に届ける』と言ったら、逆に『どうぞご勝手に』と笑われてしまい驚いた。腹が立ったので料金を払わずにいると未納料金請求の電話が1日に何度もかかってきた。その電話をかけてきた人に解約したいと話すと自分は解約担当ではないので対応できないという始末。いったいいつ解約できるのか」と自分のブログに書き込んでいる。加入者誘致には熱心だけど、釣った魚には餌を与えないというようなひどいマーケティングにユーザーの不満はピークに達している。

・規制強化で改善を期待
 国民の積もりに積もった不満を解決するため、通信委員会は2007年4月23日、「超高速インターネットサービス解約拒否・遅延による被害補償制度」を6月に導入すると発表した。サービス停止希望日から課金が中止され、これを守らないと業者は遅延期間に応じた利用料金の3倍を加入者に補償しなくてはならなくなった。
 また顧客センターに電話をかけて5分以内に担当者と通話できなかった場合コールバックを予約できるようにし、1~24時間以内に担当者がかけ直すよう定めた。今までは電話だけで解約できるようにしていたのを、業者のホームページからも解約を申請できるようにした。違約金の算定も、きっちり利用期間を計算するようにした。
 これでやっとインターネットサービスが解約したいときに解約でき、申し込みたいときに気軽に申し込めるようになる。ただ、ブログなどには「解約遅延に関してKTやハナロがあっと驚くような課徴金を定めない限り、制度改善だけでは直らないかも」という意見もあり、まだ不安を感じる加入者もいるようだ。
 解約騒ぎによる既存加入者の不満をもみ消すかのように、KTやハナロテレコムはコンテンツサービスに力を入れている。速度はFTTHでなくても50MBPS程度のVDSLで十分と感じる加入者が多いので、セットトップボックスを利用した動画配信「TVポータル」を売り物にしている。
 インターネット料金に追加で月9000ウォン(約1100円)ほど払うと、映画館で封切りされて間もない最新映画や、テレビで放映のドラマを翌日には再放送で見られるサービスも提供している。映画・アニメ・スポーツ・教育・海外放送・ショッピング・オンラインバンキングなど、コンテンツが数え切れないほど多いのはユーザーにとっては嬉しい。これにIPTVさえ提供すれば、これまた勝手な値上げとチャンネル変更で加入者の評判を落としているCATVを解約できるのに。CATVを解約すると地上波テレビも見られなくなるという地域的弱点に付け込むCATVも規制できないだろうか。

◎三井化学、韓国でウレタン主原料を倍増(2007年4月13日、日本経済新聞)
 三井化学グループは13日、韓国の合弁会社で自動車向けなどに需要が伸びているウレタンの主原料を増産すると発表した。総額で100億円超を投じ、生産能力を2009年6月に現在の2倍に増やす。韓国内で高級自動車の内装材や建築材料などの需要が増えていることに対応する。
 増産するのは、ジフェニルメタン・ジイソシアネート(MDI)と呼ばれるウレタンの主原料。三井化学の100%子会社の三井化学ポリウレタン(東京・港)と、韓国の錦湖石油化学が折半出資する錦湖三井化学の全羅南道・麗水市の工場で年13万トンに増強する。
 三井化学によるとMDIの需要は韓国国内で年率7%のペースで増えている。高級素材として最近では建築材料や液化天然ガス(LNG)船の保冷剤などにも用途も広がっているという。
 錦湖三井化学は1988年の設立で、年5万6000トンのMDIを製造。05年6月に1万トン増の6万5000トンに能力を増やしたばかりだが、今後も需要の伸びが期待できると判断した。

◎韓国大統領:「3・1独立運動」式典で演説(2007年3月1日、毎日新聞)
 韓国の盧武鉉(ノムヒョン)大統領は1日、日本の植民地支配に抵抗した「3・1独立運動」の88周年記念式典で演説し、歴史教科書、慰安婦問題、靖国神社参拝問題は「誠意さえあれば解決できる問題だ」と述べ、日本政府に「歴史的真実を尊重する態度と実践」を求めた。また、竹島問題について「日本の一部自治体が日露戦争当時、武力で強奪した日を記念している」と指摘、竹島の島根県編入は侵略行為との歴史認識を繰り返した。
 盧大統領は演説の中で米下院外交委員会の小委員会で先月中旬、元従軍慰安婦を招いた初の公聴会が開かれたことに触れ、「日本が犯した蛮行は国際社会で受け入れられないと再確認できた」と強調した。
 一方で「日本と仲良い隣国になりたい。北東アジアの平和繁栄のために一緒に努力しなくてはならない状況になった」とも語り、北朝鮮の核問題解決に向け日韓協調が必要との認識を示唆した。盧大統領は04年以降、毎年、3・1演説で歴史問題に対する日本の指導者の姿勢を批判し、善処を訴えている。

◎韓国大統領、与党に離党届を提出(2007年2月28日、朝日新聞)
 韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は28日午前、与党・開かれたウリ党に離党届を提出した。韓国政治史上、与党から離党した現職大統領は4人目。年末の大統領選を控え、支持率が低迷する自身の離党で、ウリ党の混乱に歯止めをかけたい考えだ。
 大統領は同日、ウリ党員にあてた手紙で「韓国政治の正しい発展のためにも不幸な出来事だ」と説明。「ウリ党の成功を願っている」とし、離党後もウリ党の路線を支持する考えを示した。
 離党の事態を招いた原因について、「野党は選挙を有利にするため、大統領を攻撃するが、大統領は次期候補ではないので、対応が難しい」と指摘。再選制を導入する憲法改正に改めて意欲を示した。

◎韓国で学生服が高騰、怒りの声に私服着用認める(2007年2月24日、産経新聞)
 テレビCMにアイドルまで登場し、中高生の学生服市場が過熱する韓国で、年々高くなる一方の費用負担に耐えかねた保護者らが怒りの声を上げている。大手メーカーによる談合疑惑も浮上し、政府は衣替えの5月まで新入生に限り私服の着用を認める緊急措置を決めた。
 韓国ではほとんどの中学・高校が制服を採用。最近は大手メーカーがアイドルを起用したCMで「脚が長く見える制服」や「スタイルが良く見える制服」を競って宣伝、学生服の高級化が進み、1着70万ウォン(約9万円)の有名デザイナーのものまであるという。

◎米韓国防相:韓国が単独作戦統制権、実現なら62年ぶり(2007年2月24日、毎日新聞)
 韓国は朝鮮戦争中の1950年7月に自国軍の指揮権を国連軍司令官に渡した。12年に作戦統制権の単独行使が実現すれば62年ぶりとなる。青瓦台(大統領官邸)は24日、ワシントンでの合意に歓迎論評を発表した。
 しかし米韓連合軍司令部が解体されると、北朝鮮と全面戦争になれば米軍が大規模支援戦力を即時投入し圧勝するというシナリオの作戦計画も廃止される。このため北朝鮮に対する抑止力が弱まるという懸念は否定しにくい。
 それでも特に米国のラムズフェルド前国防長官が戦時作戦統制権の早期移譲に積極的だったのは(1)世界規模の米軍再編計画の一環として、鈍重な陸上戦力を紛争危険地帯に大量布陣させている現状を改め、米兵の犠牲が少ない海・空軍力での対応を主体としたい(2)反米傾向が目立つ盧武鉉(ノムヒョン)政権の意向にも沿う--との判断によるとの見方が強い。
 ところが昨年来、韓国で歴代国防相らを含む反対世論が高まり、次期大統領選にからむ争点として浮上したため、移譲推進はかえって反米感情を招きかねないという状況になった。韓国軍当局も早期移譲には不安があった。米側の譲歩は、こうした事情への配慮の結果とみられる。

◎米韓国防相会談:戦時作戦統制権、12年移譲で決着(2007年2月24日、毎日新聞)
 ゲーツ米国防長官は23日、訪米中の韓国の金章洙(キムジャンス)国防相と国防総省で会談し、2012年4月に現在の米韓連合軍司令部を廃止し、朝鮮半島有事での戦時作戦統制権の移譲を完了することで合意した。作戦統制権の移譲時期をめぐっては米側が09年、韓国側は12年を主張して対立していたが、米側が韓国側の要求を受け入れて最終決着した。
 会談後に発表された共同声明によると、戦時作戦統制権の移譲プロセスについて(1)米韓でロードマップ(行程表)を作成し、今年7月からロードマップの実施に着手する(2)12年3月に移譲に伴う訓練を実施し、完了する--ことで合意した。これを受け、12年4月17日に現在の米韓連合軍司令部を廃止すると同時に米韓間での新たな指揮・統制体制へと移行する。
 作戦統制権は朝鮮戦争を経て国連軍司令官が行使してきたが、1978年に米韓連合軍司令官に移管された。このうち平時の作戦統制権は94年に韓国側に移譲されたが、戦時については現在も在韓米軍司令官を兼ねる連合軍司令官が保持している。
 昨年10月の米韓国防相会談の共同声明では、移譲時期をめぐる双方の溝が埋まらず、「09年10月15日以降、遅くとも12年3月15日以前」に完了することを確認。具体的な時期を絞り込む交渉が続いていた。今回の合意は、北朝鮮の核実験など不安定な朝鮮半島情勢を受け、できるだけ長期間にわたり抑止戦力を維持したい韓国側に配慮する形となった。

【ことば】戦時作戦統制権
 特定の作戦の遂行にあたって、指揮官が持つ権限。現制度下では、韓国軍の作戦統制権は平時は韓国側にある。だが、朝鮮半島が戦時になった場合、韓国軍部隊に対する作戦統制権は自動的に在韓米軍司令官を兼ねる米韓連合軍司令官に移管される。

◎韓国:与党ウリ党が新党首選出、新党結成目指す(2007年2月14日、毎日新聞)
 韓国与党・開かれたウリ党は14日、ソウル市内で定期党大会を開き、丁世均(チョンセギュン)議員を新任の議長(党首)に選出するとともに、幅広い勢力を結集させた新党の結成を目指すことを決議した。最近の所属議員23人集団離党や五月雨式の個別離党に続く動きで、与党勢力の大がかりな再編に向けた抗争激化が決定的となった。
 丁新議長は就任受諾演説で「大統合新党を通じた大統領選挙勝利が目標だ」と宣言し、「直ちに実質的な大統合作業を始め、平和を愛し改革を支持し未来を志向する勢力と手を結ぶ」と述べた。
 12月の次期大統領選で野党ハンナラ党による10年ぶりの政権奪還を許さないためには「反保守」で一致できる勢力の団結が必須だという認識が一般的だが、だれが主導権を握るかが最大の焦点であり、それを決めるための乱戦が当分続くことになる。

◎鳥インフル:韓国でまた発生、昨年11月以降6件目(2007年2月11日、毎日新聞)
 韓国農林省によると、ソウル近郊の京畿道安城市の農場で鶏が大量死し、10日までに高病原性鳥インフルエンザの感染が確認された。保健当局は周辺の半径3キロ以内の家禽(かきん)類を処分する方針。
 韓国では昨年11月以降、高病原性鳥インフルエンザの発生が相次ぎ、今回で6件目。同農場では約13万羽の鶏を飼育しており、今月6日から9日にかけ計約1200羽が死んだ。
 鳥インフルエンザは昨年12月以降、安城市に近い忠清南道天安市などでも発生しているが、農林省は「時間的にみて(同市から)感染が広がったとは考えにくい」としている

◎韓国が434人に特赦、金大中前大統領の長男ら(2007年2月10日、読売新聞)
 韓国法務省は9日、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の就任4周年を迎え、経済犯罪などで刑事罰を受けた434人を対象に、減刑や復権などの特別赦免を12日付で行うと発表した。
 対象には、あっせん収賄で有罪判決を受けた金大中(キム・デジュン)前大統領の長男、金弘一(キム・ホンイル)氏や、2000年の南北首脳会談に絡んで現代グループから現金を受け取り、収賄罪で有罪判決を受けた金前大統領の側近の朴智元(パク・チウォン)元大統領秘書室長ら政官界関係者のほか、粉飾決算で有罪判決を受けた韓国財閥・斗山グループの朴容晟(パク・ヨンソン)前会長ら大物経済人も含まれた。
 同省は特赦の理由を「経済回復に専念できる社会雰囲気をつくるため」などと説明した

◎韓国でまた鳥インフルエンザ、鶏1200羽死ぬ(2007年2月10日、読売新聞)
 韓国農林省は10日、ソウル近郊の京畿道安城市の養鶏場で今月6日から9日にかけて、鶏約1200羽が大量死し、検査の結果、毒性の強い鳥インフルエンザウイルスが検出されたと発表した。
 この養鶏場は鶏約13万3千羽を飼育していた。韓国政府は養鶏場の残りの鶏を処分するとともに、半径10キロ以内の立ち入りを制限し、警戒態勢を敷いている。
 韓国では昨年11月以降、各地で鳥インフルエンザによる鶏の大量死が相次いでおり、毒性の強いウイルスが検出されるのは今回で6件目。

◎韓台の液晶パネル大手4社、07年は設備投資を大幅削減(2007年2月9日、日本経済新聞)
 韓国サムスン電子、台湾・友達光電(AUO)など韓台の液晶パネル大手4社が2007年の設備投資をそろって削減する。薄型テレビ普及に合わせた各社の増産投資で供給過剰となり、価格が急落。世界シェアの75%を占める韓台4社は増産投資を手控えることで需給を引き締め、採算を改善する。テレビまで組み立てる日本最大手のシャープは投資の水準を維持しており、違いが鮮明になっている。
 世界3位のAUOは8日、07年の設備投資額を900億~950億台湾ドル(約3300億~約3490億円)にすると発表した。06年から持ち越した150億台湾ドルを含んでおり、実質的には前年比で約3割の減額となる。
 同日発表した06年10~12月期の純利益は16億5900万台湾ドルと前年同期比で85.5%減少するなど、パネル価格下落で収益が悪化していることに対応。台湾勢では世界四位の奇美電子も3割以上減らす。

◎韓国の08年ロケット打ち上げ、日本は経路把握できず(2007年2月8日、読売新聞)
 韓国が朝鮮半島南端に建設中の発射場で2008年に予定しているロケット打ち上げについて、日韓政府の非公式協議が遅れ、ロケットの飛行経路や安全対策などの情報が開示されていないことが明らかになった。
 飛行経路が不明なため、発射場近くで操業する日本の漁業者に対する水産庁の説明も行えない状況だ。政府は遅くとも夏前には次の協議を開くよう、韓国側に働きかける。
 韓国は、長崎県・対馬の西約150キロ・メートル、同県の五島列島・福江島の北西約200キロ・メートルにある外羅老島に、大規模な発射場を建設中。100キロ・グラム級の超小型科学衛星を高度300~1500キロ・メートルの低軌道に打ち上げるロケット「KSLV1」を、来年から運用する予定だ。
 政府は昨年6月、韓国の外交通商部などと第1回の非公式協議を実施した。国際法上、安全確保は打ち上げ国の責任だが、日本側は、国内での打ち上げについては、ロケットが切り離す部品の落下時間帯や区域、失敗時の対応などについて国が審査、承認する仕組みを説明。韓国にも、安全基準を同様に明確化するよう求めた。しかし、今年初めに予定されていた第2回協議は、まだ開かれていない。ロケット開発の遅れが一因とみられ、打ち上げの詳細については不明なままだ。
 ロケットは通常、東または南向きに打ち上げられるが、宇宙航空研究開発機構は、「南向きの場合は南西諸島の上空百数十キロを通過する。東向きなら、九州から大阪にかけての上空を、より低い高度で飛行することになり、危険は高まる」と指摘している。

◎韓国与党のウリ党、23人集団離党で第1党から転落(2007年2月6日、朝日新聞)
 韓国の与党・開かれたウリ党のキム・ハンギル前党院内代表ら国会議員23人は6日午前、ソウルの国会内で記者会見し、「国民統合新党をつくる」として、離党を宣言した。韓国国会(定数299)で、ウリ党の勢力は110人になり、最大野党ハンナラ党の127人を下回って院内第2党に転落した。
 今年に入ってウリ党からの離党者は計29人。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の求心力低下は避けられない情勢だ。一連の動きは、年末の大統領選でハンナラ党所属候補者の優勢が伝えられるなか、支持率低迷にあえぐ盧政権と距離を置いて与党系議員で新党を結成し、局面打開を図ろうとするものだ。金大中政権で文化観光相も務めたキム氏は「すでに離党した議員と今週末に会合を持つ」と語った。残留したウリ党議員の一部も14日の党大会を経て別の新党を旗揚げする見通しで、ウリ党は分裂、事実上解党する。
 与党系議員には、次期政権で与党の地位を確保したいうえ、08年4月の総選挙で再選に有利な政党に属したい思惑もある。このため、与党系議員の再結集がどこまで進むかは未知数だ。

◎現代自の鄭夢九会長に懲役3年・ソウル中央地裁(2007年2月5日、日本経済新聞)
 【ソウル=鈴木壮太郎】韓国のソウル中央地裁は5日、900億ウォン台の会社の資金を横領し、系列会社に2100億ウォン台の損失を与えた容疑で起訴された現代自動車グループ会長の鄭夢九(チョン・モング)被告に、懲役3年(求刑は6年)の実刑判決を言い渡した。聯合ニュースが同日伝えた。鄭被告は控訴する方針だ。
 同地裁は判決理由で「被告人は現代自グループ会長の地位を利用し、短期間で大規模の不正資金を造成し、恣意(しい)的に使った行為は企業経営の健全性と自律性を損なう行為」としている。ただ、韓国経済に与える影響などを考慮し、6月に下した保釈決定は取り消さず、身柄は拘束しなかった。

◎韓国政府、兵役期間6カ月短縮へ、就労人口不足に備え(2007年2月5日、朝日新聞)
 韓国の韓明淑(ハン・ミョンスク)首相は5日、韓国軍の兵役期間を2014年までに段階的に6カ月短縮すると発表した。将来の就労人口不足に備えた対策というが、不安視する声も国内にはある。野党ハンナラ党は同日、年末の大統領選に触れて「入隊前の若者の父母票を意識した発想だ」と批判した。
 徴兵制を採る韓国の兵役期間は、陸軍24カ月、海軍26カ月、空軍27カ月。韓国軍の規模は06年12月現在で67万4000人だが、最新武器の導入や組織の効率化を通じて20年までに50万人規模にする「国防計画2020」を実施中だ。韓首相は「兵力需要が減り、11年以降は多くの余剰人員が出る」と説明した。
 兵役短縮の背景として韓首相は「10年ごろから人的資源が不足する。就業年齢を2年早め、退職年齢を5年延長する必要がある」と説明した。韓国政府によれば、現在の就業年齢は主要国に比べ2年遅い25歳で、兵役負担が一つの原因だという。
 一方、在韓米軍は04年時点で3万7500人の兵力を08年末までに2万5000人に削減するため、「北朝鮮に対する抑止力に影響が出る」(韓国軍関係者)という声もある。韓首相は「戦力空白が生まれるとか、大統領選向けだとかいう主張があるが、全く根拠のない話だ」と反論した。

◎韓国大統領の演説に不快感、北を代弁、豪首相ら退席(2007年2月1日、産経新聞)
 1月15日にフィリピン・セブで開かれた東アジア首脳会議で、韓国の盧武鉉大統領の演説中、ハワード豪首相ら参加した16カ国首脳のうち5、6人が演説内容に不快感を示して席を立っていたことが31日、分かった。
 関係筋によると、盧大統領は、核実験やミサイル開発などで国連制裁を受けている北朝鮮の立場を「代弁しているとしか思えない」(関係筋)演説を始めた、という。
 演説は約20分間におよび、北朝鮮による拉致事件について、安倍晋三首相が主張した議長声明への明記に強硬に反対する内容が中心だった。演説の途中、ハワード首相らは、安倍首相を横目で見ながらトイレに行く形で席を立ち、盧大統領の発言に露骨に不快感を示した、という。
 盧大統領は前日の14日に開かれた公式夕食会を欠席している。この理由について、韓国の朝鮮日報は1月16日付で、インターネットメディアを引用する形で「拉致問題をめぐり、安倍首相との激烈な神経戦で心身共に疲れたため」と報じた。
 実際、夕食会前の日中韓首脳会談で、安倍首相が拉致問題解決の重要性を力説し、報道発表文への明記に反対していた盧大統領に強く反論。中国の温家宝首相が中に入る形で報道発表文では「人道的な問題」となった。
 首脳会議でも盧大統領は議長声明への拉致明記に反対したが、温首相が日本に同調し、今度は拉致が明記された。関係筋は「盧大統領は拉致問題を重視する国際社会の空気が読めなかったのではないか」としている。

◎支持率低迷の韓国・盧大統領、「大演説」に抗議相次ぐ(2007年1月24日、朝日新聞)
 「今日の演説で支持率はさらに下落」「時間も守れない大統領に、どんな約束ができるのか」。韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が23日夜、テレビ地上波全3局を通じて新年の特別演説を行った。1時間に及ぶ大演説で、人気番組の放送時間が深夜にずれ込んだため、視聴者からの抗議が番組に相次いだ。
 視聴者が楽しみにしていたのは、高句麗建国の過程を描いたMBCテレビの大河ドラマ「チュモン」。毎週月火の午後10時に放送され、50%の視聴率を誇る。大統領演説のため、23日は10時50分に始まる予定だった。
 ところが、演説の原稿は4万字を超す膨大なもの。時間が足りなくなり、大統領は「10時間くれれば」と嘆息しながら、外交や安全保障問題を読み飛ばした。それでも、「チュモン」の放映が始まったのは11時10分過ぎだった。

◎韓国で強毒性の鳥インフルエンザ、鶏157羽死ぬ(2007年1月20日、朝日新聞)
 韓国中部の忠清南道は20日、同道天安市にある養鶏場で飼育している鶏3万羽のうち157羽が、強毒性の鳥インフルエンザ(H5N1型)にかかり死んだと発表した。同道は、半径500メートル以内の鶏27万3000羽などの家禽(かきん)類を処分する対策をとるとした。
 韓国での鳥インフルエンザの発生は、昨年11月以降で5件目。昨年12月には、今回の養鶏場から8キロほど離れた同道牙山市のアヒル飼育場でも発生した。

◎韓国の親北朝鮮団体幹部、スパイ罪で起訴(2007年1月9日、読売新聞)
 ソウル中央地検は9日、韓国の民間活動団体(NGO)の活動状況や2002年の大統領選の動向などを北朝鮮工作員に報告していたとして、親北朝鮮団体「祖国統一汎(はん)民族連合」幹部、カン・スンチョン容疑者(77)を国家保安法違反(スパイ行為)の罪で起訴した。
 同地検によると、カン容疑者は01年11月~06年7月の間、北朝鮮工作員から電子メールで指示を受け、米軍撤退を求める反米デモを指揮したほか、韓国の国防予算や在韓米軍に関する情報を収集し報告していた。
 カン容疑者に工作を指示していたのは、日本やカナダなどに住む北朝鮮工作員だったという。同地検は「北朝鮮は最近、海外で合法的に活動できる団体を作り、大衆運動に力を入れている」と警戒を強めている。

◎韓国人の“進出”(2007年1月8日、産経新聞)
 シンガポールの不動産市場が活況を呈している。事務所だけでなく高級マンションの売れ行きも好調だ。地元紙に興味深い記事が載っていた。1990年代、当地で不動産投資をする外国人のうち、隣国のインドネシアやマレーシア人以外で多かったのは、香港と中東出身者だったという。
 でも、その潮流が変わり、今ではインド人がトップらしい。香港人は投資先を上海など中国本土に移し、代わりに経済成長著しいインドのマネーが流入しているというわけだ。確かにビジネス街でエレベーターに乗ると、インド系ビジネスマンばかりで、「一体ここはどこの国だ?」と戸惑うことがしばしばある。
 そして、インド人の他に不動産投資が急増している外国人が韓国人なのだという。サムスンなど韓国企業の進出は目覚ましいものがある。子供に英語や中国語教育を受けさせるため、当地を選ぶ韓国人一家も少なくない。でもマンションを購入するとなると、ある程度の資金と覚悟が必要だろう。日本人の場合、なかなかそうはいかない。
 だが、韓国人は海外移住にそれほど抵抗感のない民族だ。韓国は今、政治が不安定で経済の先行きは不透明さを増している。北朝鮮の核問題もある。シンガポールに限らず、東南アジアに住居を構える韓国人が増えているとも聞く。マネーを持つ韓国人の“脱出”が始まっているのかもしれない。(藤本欣也)

◎韓国:経済成長見通し4.5%、円・ウォン直接取引も検討(2007年1月4日、毎日売新聞)
 韓国政府は4日、今年の経済成長率の見通しを4.5%とする「経済展望」を発表した。昨年の実質成長率は年初見通しの5.0%程度を達成したとみられているが、昨年後半から成長が鈍化したことを考慮した。
 対円でのウォン高が止まらないため、現在ドルを通じて行われている円・ウォン取引を直接取引に切り替えることも検討するとしている。
 政府は、今年の輸出の伸び率は、昨年の14.6%から鈍化し、10.0%程度と予測。消費者物価上昇率は昨年(2.2%)より高く、2.7%に達するとみている。(ソウル共同)

◎06年は166億ドルの黒字、韓国の貿易収支(2007年1月3日、産経新聞)
 聯合ニュースによると、韓国の産業資源省が1日発表した2006年の貿易収支(速報値)は、輸出が前年比14・6%増の約3259億ドル、輸入が同18・4%増の約3093億ドルで約166億ドルの黒字となった。
 原油輸入額が、価格の高騰で前年の426億1000万ドルから559億6000万ドルに急増したことなどから、黒字は前年の約235億ドルより縮小した。
 輸出は米国、欧州、日本など先進国地域が前年比7・4%増。中南米が同34・6%増、インドが同21・6%増と高い伸びを示した。




  


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