バナナのお話

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更新日:
 2008年6月28日


 エデンの園で蛇がイブを誘惑したとき、バナナの陰に隠れていたという伝説があり、そこからバナナの学名が「楽園の果実」(Musa Paradisiaca)とか、「知恵の果実」(Musa Sapientum)と名付けられたといいます。
 「バナナ」の方は、コンゴ(アフリカ)の呼び名です。この名前が定着する前は、ヨーロッパでは「楽園のリンゴ」とか「アダムのイチジク」等と呼ばれていました。
 バナナの学名、Musaの方は、サンスクリット語起源のアラビア語といわれており、古代ローマ帝国初代皇帝オクタビウス・アウグストスの御殿医アントニウム・ムサにちなんだそうです。

 バナナは、高さ1.5〜10メートルにもなる「巨大な草」で、ショウガ目バショウ科バショウ属の多年草です。樹木のように見えますが、茎に見える部分は仮茎(偽茎)といい葉柄が巻き重なったもの(葉鞘:ようしょう)で木質化はしません。
 世界中で栽培されているバナナは、300種類以上といわれています。そのほとんどは、生食用バナナ(Table Banana)です。その他に、焼いたりして食べる料理用バナナ(Plantain)もあり、特に、東南アジアの国々で栽培され、食べられています。
 日本にも奄美大島で採れる島バナナがあります。収穫量が少ないので、島以外に出回ることは少ないようです。
 日本には、フィリピン(73.9%)、エクアドル(20.1%)、台湾(4.5%)、中国(0.9%)などから、年間86万トン(60億本)輸入されています。日本人1人当たり、年間約6.8kg、約50本に相当します。輸入果物の半数以上を占めています。
 バナナは青いうちに収穫され、日本に輸入されます。黄色く熟すまで収穫しないでおくと、甘みや香りが失われ、果肉が軟らかくなりすぎてしまうからです。現地の人も青いうちに穫り入れ、日陰に置き、自然に熟すのを待つそうです。
 日本では、植物防疫法によって、熟したバナナの輸入が禁止されています。熟したバナナには生産国に生息している害虫(アブラムシ、アザミウマ、カイガラムシ、コナジラミ)が寄生しているおそれがあるためです。
 バナナの成熟ホルモンはエチレンガスです。輸入されたバナナは室(むろ)に入れ エチレンガスを吹き込み、温度調節をしながら六日間程置いて、黄色く熟させます。
 家庭でも、他の果物とは一緒にしない方がいいです。バナナが出すエチレンガスが、他の果物も熟成させてしまうためです。(リンゴもそうです。)
 保存は、常温で風通しが良いところに、伏せるような形に置くと長持ちします。1本ずつ切り離すのも良い方法です。最近は、バナナハンガーと言う、吊り下げて保存する道具も売られています。色の黒ずみを防ぎ、長持ちするという優れものです。

 バナナは種が無くて食べやすいですね。でも、じつは痕跡はあるんです。バナナを輪切りにすると、中心部に小さな黒い点々がありますね、これがバナナの種のなごりです。
 原産地のマレーシアあたりに残る野生種のバナナには、アズキ粒ほどの大きさの種がぎっしり詰まっています。現在のような種なしバナナができたのは紀元前5千年前から1万年前も昔のことだそうです。
 では、何故バナナの種はなくなったのでしょう?種なしバナナは遺伝子の突然変異により偶然生まれたのです。それが、食べるのに都合がよかったので、人間が栽培をし始めたのです。増やす方法は、バナナの根の脇から、筍のように出てくる新芽を利用して増やします。

 昨年、バナナに免疫力を高める成分を豊富に含み、ガンを予防すると言う報道がされました。熟して黒い斑点(シュガースポット)が出た方が効果が大きいんだそうです。免疫力が8倍アップし、抗がん効果はインターフェロンに匹敵するそうです。

 バナナの中の糖質は、ブドウ糖、果糖、ショ糖、デンプンなど多様なため、体内に吸収される速度がそれぞれ異なり、エネルギーが長時間持続するそうです。ビタミンも豊富で、ビタミンC(1本でリンゴ1.5個分)や、ビタミンB1やB2、ナイアシンなどのビタミンB群が豊富です。また、カリウム、マグネシウム、食物繊維も多く含みます。カロリーは、1本あたり87kcalで、ご飯茶碗半分以下です。





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