LPGのお話

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更新日:
 2009年11月1日







◎LPG
 LPGとは、Liquefied Petroleum Gas、つまり液化石油ガスの略称です。一般に、プロパン(C3H8)とブタン(C4H10)を主成分とする炭素と水素の化合物です。家庭の暖房、厨房用には、プロパン分が多い「プロパンガス」、工業用にはブタン分が多い「ブタンガス」が使用されています。このため、一般にはプロパンガスと呼ばれているようです。
 LPGは常温常圧下では気体ですが、常温下で2〜7気圧程度の圧力を加えたり、冷却することによって液化させることができます。液体になる温度は、常圧下においてプロパンは−42℃、ブタンは−0.5℃です。
 一方、メタン(CH4)を主成分とする天然ガスを液化したものはLNG(Liquefied Natural Gas)といいますが、天然ガスは−162℃に冷却しないと液化しません。
 LPGは、液体にすると気体の時の体積の約250分の1に縮小させることができます。逆に、気化すると体積は250倍になります。LPGは、小さい容器で大きなエネルギー源を運べるという特徴があるため、液体の状態で家庭、商店、LPG車、工場等に運び、使用する時に気体にします。
 カセットボンベ、ライター、スプレーなども、持ち運びに便利なLPGの特性が活かされ、利用されています。
 現在国内で利用されているLPGは、約4分の3は海外から輸入され、残り4分の1が国内で生産されています。輸入LPGは、サウジアラビアをはじめとした中東地域などで、天然ガスや原油の中にあるコンデンセートガスを分離、抽出して製造されています。一方、国産のLPGは、国内で原油を精製する過程等で生成されたものを分離、抽出して製造されています。

 LPGの主な特徴は、下記です。

1. LPGは無色、無臭のガス
 LPGは無色、無臭のガスです。一般に販売されているガスには、ガス漏れが検知できるように着臭されています。

2. LPGは空気より重い
 LPGは空気の約1.5倍の重さがあります。LPガスが漏れた場合は、下に溜まります。

3. LPGは液化しやすく、気化しやすい
 LPGは、通常は気体ですが、冷却したり、圧力をかけると簡単に液化し、体積は1/250になります。

4. LPGはハイカロリー
 LPガスは都市ガスに比べ、高い熱量をもっています。天然ガスを原料とした一般的な都市ガス13Aは11,000kcal/Nm3の熱量ですが、プロパンを原料とするLPガスは1m3あたり約23,000kcal(プロパン:約24,000kcal/Nm3、ブタン:約32,000kcal/Nm3)の熱量をもっています。このため、都市ガスの中には、熱量を上げるためLPガスを添加するケースもあります。

5. LPGは毒性も腐食性もない
 LPGには人体に有害な一酸化炭素(CO)は含まれていません。LPG自身に毒性はありませんが、大量に吸い込むと酸欠で、意識を失ったり、窒息することがあります。



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