軽金属のお話

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更新日:
 2008年6月28日



軽金属(light metals)
 銅・鉛・亜鉛などの非鉄重金属に対して、アルミニウム・マグネシウムなど軽い金属を軽金属と呼んでいる。代表的な軽金属であるアルミニウムは比重2.70、マグネシウムはさらに軽くて1.74である。
 アルミニウムは軽い上に加工しやすく、表面酸化させると耐蝕性もあり、電気・熱の良導体でもあるので用途はきわめて広範である。アルミニウムは押出し加工により複雑な断面をもつ長い材料を一度につくることができるし、陽極酸化によって表面に薄い酸化膜をつけたアルマイトは耐蝕性がよいのでサッシや日用品に多く使われる。電線の場合は銅よりも電導性・強度とも劣るが、軽いことを利用して断面積を大きくし、中心に鋼線を入れた構造の電力ケーブルなどが使われる。その他軽さを利用した用途には航空機・車両などがあるが、この場合は、強度の点から銅・マグネシウムとの合金であるジュラルミンがおもに使われる。
 さらに、アルミニウム−亜鉛−クロム−マンガン合金の超々ジュラルミンを使って骨組を軽くできた零戦が、第二次世界大戦初期その性能を誇ったことはよく知られており、現代の花形新幹線車輌の車体もアルミニウム合金製である。軽くするためだけなら泡を入れた発泡アルミニウム材や蜂の巣状に加工したアルミニウム材などがあり、これらは軽々と水に浮く軽さと強さをもっている。
 アルミニウムは、非常に安定な酸化物であるアルミナから溶融塩電解法でつくられるので、還元に大きなエネルギーを必要とし、1tつくるのに2万キロワットアワー近い電力を消費する。このため、俗に電力の塊といわれる。
 マグネシウムは、海水から採取したマグネシアクリンカー、あるいはドロマイト鉱からフェロシリコンで真空還元する方法で製錬される。アルミニウムより軽く、強度も大きいので、将来の交通機関材料として有望視されている。
 ナトリウム・カリウム・カルシウムなどのアルカリ、またはアルカリ土類金属は反応性が大きいため、金属としてよりは、むしろ化合物として使われることが多い。ただし、77%カリウムのナトリウム=カリウム共晶合金(ナック、NAK)は、融点がセ氏−12.5度と極端に低く、原子炉の冷却液として用いられている。


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