オゾンのお話

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更新日:
 2008年6月28日



 オゾンは酸素の同素体で、O3という化学式です。酸素はO2で、これにもう一つ酸素がくっついたものです。オゾンは、酸素よりもはるかに酸化力が強く(フッ素の次に強い)、殺菌、漂白、脱臭、防腐などの作用があります。しかも、これらの反応後は、普通の酸素に戻るだけです。
 空気中の酸素が、波長240nm以下の紫外線に当たると、これを吸収してオゾンが発生します。この反応は、およそ地表から35kmの上空で行われていて、これをオゾン層と呼んでいます。このオゾン層は、生物に有害な230nm〜290nmの紫外線を吸収してくれます。そのおかげで、皮膚ガンや白内障を防ぐことができます。
 オゾンはとても有用で、殺菌効果が強いため、現在は殺菌剤や浄水場などで使用されています。通常は、浄水場では塩素を使っているのですが、塩素は毒ガスに使われていたほど、人体には有毒です。浄水する際、水中の様々な有機物と反応して40種類以上の有機反応生成物を作り出します。この中には総トリハロメタンと呼ばれる発ガン性物質が多く含まれています。これに対し、オゾンで浄水すると、たった4種類の物質しか生成しません。
 塩素は6番目に強い酸化力であるのに対して、オゾンは2番目に強い物質です。塩素の殺菌力を1としてオゾンの殺菌力を評価すると、次のようになります。
 例えば、ウィルスに対しては5〜200、腸内細菌にたいしてオゾンは20〜2000、細菌芽胞に対して50〜5000、アメーバシストに対して10〜100という圧倒的な殺菌力を持っています。
 また、農薬は数千種類ありますが、塩素では分解困難なものでも、オゾンでは容易に分解されます。脱臭も、塩素のカルキ臭さとは対称に、オゾンの脱臭は瞬時で無臭にしてくれ、しかも残ったオゾンは酸素に分解して空気中に逃げていきます。
 オゾンは空から地球上生物を守り、人間生活をよりよくしてくれる非常に有効な物質です。現在フロンガスによる、このオゾン層の破壊が非常に問題視されています。


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