ステビアのお話

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更新日:
 2008年6月28日








◎ステビアとは
 ステビアは、南米のパラグアイ原産のキク科の多年性植物で、南アメリカ大陸中心に約150種が確認されています。茎の高さは1.5mほどになり、長さ4〜8cm、幅1.6cmのヘラ型様の葉が対生し、小さく白い花が群がって咲きます。葉の部分には、ステビオサイドという甘味料が含まれています。これは、砂糖の約300倍の甘さがありながら、カロリーは約90分の1で、砂糖にかわる天然のダイエット甘味料として非常に有名です。
 パラグアイでは古くから、テレレあるいはマテと呼ばれるお茶に加える天然甘味料として使われてきました。アルゼンチン大学のクルーガー教授は、ステビアには緩和剤、皮膚軟化剤としての効果や絞り汁には、百日咳などの咳を軽くする沈咳効果があると発表しています。
 つい最近まで、ステビアは天然甘味料としてのみ注目されてきましたが、抗酸化作用、殺菌作用、ヒスタミン解毒作用、ステロイドホルモン剤の副作用軽減作用、抗HIV活性など、非常に優れた効果を持つことが次々と発見されており、甘味料とは異なる全く新しい可能性を秘めていることが分かってきました。
 16世紀にスペインの入植者達が、南米の原住民達が古代よりハーブティーの甘味料として使用している植物があるとの知らせをスペイン本国へ送ったのが、西欧とステビアの初めての出会いとなりました。
 19世紀に入った頃から、ヨーロッパでのステビアに対する関心は高まりを見せ、調査団がブラジルへ送られました。そして、一枚の葉が、ひょうたん一本分の渋味をもつマテ茶を甘くするステビアに関し、聞き取り調査が開始されました。ステビアの葉に含まれているグリコシドの中でも最も量が多いのが、ステビオシドで6〜18%の含有があります。
 ステビオシドは0.4%濃度のスクロースの約300倍、4%濃度のスクロースの約150倍、10%濃度のスクロースの約100倍の甘みがあると考えられています。
 自然甘味料として非常に高い関心が持たれていたことから、ステビアは毒物学的な研究も含めて、様々な研究の対象となってきました。
 ネズミ、ウサギ、モルモット、鶏を使った動物実験の結果、ステビオシドは構造的に変化することなく排出されることが判り、急性毒性の研究においては毒性が無いことが実証されています。また、生殖能力への影響や、突然変異誘発性、遺伝的毒性も無いことも確認されています。
 ステビアが食品添加物として認可されている日本とブラジルでは、ステビアエッセンスは、安全なノンカロリー天然甘味料として、20年以上に渡って、広く利用されています。
 現在、日本がステビアの葉とエッセンスの世界最大の消費国です。コカコーラなど、多国籍企業も日本やブラジルなど、ステビアが食品添加物として認可されている国においては、ニュートラスウィートやサッカリンの代替甘味料として、ステビアエッセンスを利用しています。



◎ステビアの作用

1. 強力な抗酸化作用と発ガン抑制作用
 活性酸素は、成人病や慢性疾患の原因の90%を占めることが分かっています。活性酸素は、体内で脂肪酸と結びつくと有害な過酸化脂質を形成します。この過酸化脂質が細胞の遺伝子を傷つけ、ガンや動脈硬化、内障や老化などを誘発します。ステビアには植物レベルで緑茶の約7倍の抗酸化作用があり、ステビア濃縮エキスは非常にその作用が強いことが明らかになっています。さらにステビアについては、発ガン抑制効果があることが、最近の研究で明らかにされています。

2. O-157などの殺菌効果
 ステビアには、病原性大腸菌O-157や腸炎ビブリオ菌、サルモネラ菌などを殺菌する強い作用があることが判明しています。

3. エイズウイルスを制御
 ステビア濃縮液には、エイズウイルスを抑える抗HIV作用があることが明らかになってきています。

4. ステロイドホルモン剤の副作用の軽減(アレルギー・アトピー性皮膚炎の治療薬)
 動物実験により、ステビアがステロイドホルモン剤の副作用を軽減することが判明しています。

5. 土中のニコチン、塩素などを分解
 土中のニコチン、塩素などを分解する働きが確認されており、果実の甘味や、ビタミン、ミネラルを増やすことが確認されています。

6.ステビアの血圧降下、血糖値低下作用
 血糖値の低下、血圧降下作用、利尿作用、強壮効果があると考えられています。糖尿病や高血圧の治療や強心薬としてステビアが利用されています。1978年に行われたネズミを使った実験では、血圧値を正常化したり、心拍を整えたりと言った強心作用や、その他、心肺機能強化の効能について報告されています。

7. ダイオキシンに対する分解作用
 ステビアから抽出されたステビア濃縮液を、焼却材中から抽出したダイオキシンに混合攪拌して、ダイオキシンに対する分解作用を測定した結果、ダイオキシンの中で一番毒性の強いものを、68.8%以上分解することが確認されています。



◎ステビア農法
 ステビア農法と呼ばれる日本独特の技法があります。ステビア農法誕生のきっかけは、20年前の鹿児島のみかん畑にありました。ステビアを栽培していた農家が、甘味料として使うステビアの葉を刈り取った茎を堆肥としてミカン畑に蒔いたところ、その木になったミカンだけ味が変わっていることを発見しました。その不思議なパワーが一体何なのか、8年にわたって研究した結果、ついにステビア農法が完成しました。それは、ステビア濃縮液を使って作物を育てるというもので、濃縮液を水で薄めて畑に蒔くと、作物はステビア成分をたっぷりと吸い込み、甘味の増した果物や野菜になるというものです。

(1)抜群の甘味
 その最大の効果は何といっても甘味にある。梨の場合、糖度を測定してみると「普通の梨」が12.9%なのに対して、「ステビア梨」は14.5%の数値を示しました。数値からもステビア農法によってできた梨の方が甘いことが分かります。

(2)鮮度保持(切った梨の場合、色が変わりにくい)
 普通の梨を切って放置しておいた場合、空気中の酸素と、梨に含まれるポリフェノールという成分が反応して酸化します。しかし、ステビア農法による梨は、ステビア成分がポリフェノールの酸化を防ぐため、変色しにくい。

(3)免疫力が増加し、農薬が少なくて済む
 ステビアを与えると、土中の微生物が増加します。これによって植物の免疫力があがり、農薬が少なくて済みます。

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