ワラストナイトのお話

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更新日:
 2008年6月28日





 ウォラストナイト(和名:珪灰石、英名:Wollastonite)は、化学式CaSiO3で示される珪酸塩鉱物です。天然鉱物として産出されるウォラストナイトは、石灰石と花崗岩の接触部で変成作用を受けて発達した鉱物で、色はガラス光沢のある白色、帯灰色、帯褐色を呈し、結晶形態は針状、塊状をなしています。主成分は、SiO2とCaOで、これらをほぼ等量含有し、微量成分としてAl2O3、Fe2O3等を含有しています。
 またウォラストナイトには、天然に産出される低温型(β型)と合成の高温型(α型)があります。

・ウォラストナイトの一般的物性

 
真比重 2.80〜2.95
融点(℃) 約1500
硬度(モース) 4.5〜5.0
結晶系 三斜晶系
溶解性 0.0095(g/100ml)
pH(10%スラリー) 9.5〜10.5
屈折率 1.63
アスペクト比 3〜20

・ウォラストナイトの産地
 国内では、石灰岩地帯の一部に少量産出されていますが、世界的には中国、アメリカ合衆国、メキシコ、インド、フィンランドなどで産出されています。

・ウォラストナイトの安全性
 ウォラストナイトは、官報公示整理番号:対象外(天然物)であり、CAS No.13983-17-0です。また、国際癌研究機関(IARC)は、ウォラストナイトを“Group3”に分類しており、慢性毒性に関する研究結果から、ウォラストナイトは腫瘍を誘発しなかったと報告されています。同様な繊維質鉱物にアスベスト(Group1)がありますが、下記表より、アスベストに比べウォラストナイトは安全性が高いことがわかります。

※ 国際癌研究機関(IARC) 発癌性Group分類

 
分類 内容 代表物質
Group1 発癌性有り アスベスト
Group2A 発癌蓋然性有り ディーゼルエンジン排気ガス
Group2B 発癌可能性有り ロックウール、スラグウール
Group3 発癌物質として分類できない ウォラストナイト、タルク
Group4 発癌性無し  


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