ガーネットのお話
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2008年5月10日




◎ガーネット(Garnet)
 1月の誕生石にされています。和名は柘榴石(ざくろいし)と呼ばれ、種子を意味するラテン語が語源と言われています。
 一般にガーネットというと、赤葡萄酒の様な色を思い浮かべるかもしれません。しかし、ガーネットというのは、石のグループを表すもので、固有の石の名称ではないのです。等軸晶系という結晶構造で、化学組成のある部分が同じ多くの宝石をまとめて、ガーネット族と称しているのです。
 オパールの特徴として、石を手に持って回転させると、虹の七色が次々に浮び出ますが、この現象をプレー・オブ・カラー(遊色効果)と呼びます。この現象は、他の宝石にはみられないオパール独特のものです。
 オパールの産地としては、オーストラリアとメキシコが有名です。オーストラリアでは、ニューサウスウェールズ州、サウスオーストラリア州、クィーンスランド州で産出されます。今世紀に発見されたライトニングリッジは、ニューサウスウェールズ州の北部で産出されます。この鉱区からのオパールは鉄分が多く、暗色気味であり、ブラックオパールはここの特産です。
 メキシコでは、ハリスコ州マグダレーナ地区に著名な鉱山が多く、質のよいオパールが産出されています。ケレタロが、古くからの鉱山として有名でしたが、ここから産出される石は乾燥状態が不十分で、すぐ割れるなどの欠点があったため、廃坑状態となっているようです。
 オパールの色は、レッドの他にオレンジ、グリーン、イエロー、ブラウン、ブラックなどがあり、現在、鉱物学的には14種類の鉱物に分けられています。アルマンダイン(アルマンダイト、アルマンディン:Almandine)、パイロープ(Pyrope)、ロードライト(Rhodorite)、ツァボライト(グリーン・グロッシュラー・ガーネット:Tsavorite)、スペサルタイト(スペッサルト、スペサルティン:Spessartine)、デマントイドなどが有名です。

・アルマンダイン(アルマンダイト、アルマンディン:Almandine)
 和名は、鉄ばんざくろ石です。赤葡萄酒色をしています。化学式はFe3Al2(SiO4)3です。硬度は7〜7.5、比重は3.70〜4.26です。インドのラジャスタン州、スリランカ、アフガニスタン、ブラジル、マダガスカル、タンザニア、アメリカ、カナダなどで産出します。
 一般的に、ガーネットといえばアルマンディンを指すことが多いくらい、多くの市場で出回っています。価格は、それほど高いものではありません。

・パイロープ(Pyrope)
 和名は、苦ばんざくろ石です。血赤色をしています。化学式はMg3Al2(SiO4)3です。硬度は7〜7.5、比重は3.47〜4.04です。南アフリカ、アメリカ、オーストラリア、タンザニア、スイス、ブラジルなどで産出します。

・ロードライト(Rhodorite)
 和名は、薔薇石です。紫みの赤色をしています。アルマンディンとパイロープの中間の成分で構成されているため、中間の化学組成と比重を示します。硬度は7〜7.5です。タンザニア、インド、スリランカ、マダガスカル、ジンバブエなどで産出します。
 ギリシャ語の薔薇を意味する「ロード(Rhodo)」と、石を意味する「ライト(Lite)」をつなげて「ロードライト」となったそうです。
 ロードライトは、アルマンディンとパイロープの中間の成分で構成され、色は「紫みの赤」を示します。この石は、1882年にアメリカ・ノースカロライナ州で発見され、1902年には掘り尽くされました。しかし、その後、1964年にタンザニアのケニア国境のウンバ・バリィで発見され、現在に至っています。
 アルマンディンやパイロープとも違う美しい紫みの赤を持つロードライトは、透明度が高く、明度の高いものが産出されます。しかしながら、あくまでもパイロープやアルマンディンの親戚であることには変わりないので、価値はそれほど高くはありません。

・ツァボライト(グリーン・グロッシュラー・ガーネット:Tsavorite)
 和名は、灰ばんざくろ石です。緑色をしています。化学式はCa3Al2(SiO4)3です。硬度は7〜7.5、比重は3.36〜3.68です。主産地はケニアです。
 ケニアのツァボ国立公園で産出されたことにちなんで、当時のティファニー社長プラット氏により、ツァボライトと命名されました。
 ツァボライトは、ケニアとタンザニアで産出するバナジウムの混入によって、エメラルドに匹敵する美しい緑色を示します。産出量の少ないツァボライトは、1968年、アフリカ・ケニアのキリマンジャロ山の東方にある世界最大級の自然公園であるツァボ国立公園で発見されました。

・スペサルタイト(スペッサルト、スペサルティン:Spessartine)
 和名は、満ばんざくろ石です。オレンジ色をしています。化学式はMn3Al2(SiO4)3です。硬度は7〜7.5、比重は3.78〜4.28です。スリランカ、ビルマ、ブラジル、アメリカ、マダガスカル、スウェーデンなどで産出されます。
 ドイツのフランクフルトからウルツブルクに向かう途中にあるバイエルン州のSpessartで算出されたため、この地名にちなんで命名されました。

・デマントイド
 和名は、灰鉄ばんざくろ石です。薄黄緑色をしています。化学式はCa3Fe2(SiO4)3です。硬度は6.5〜7.5、比重は3.63〜4.08です。ロシア、ザイール、ケニアなどで産出されます。「ダイヤモンドのような光沢(ファイアー)」を持つことから、1878年に「デマントイド」と命名されました。
 クロム分を含んだ黄緑系のデマントイドは、ロシアのウラル山脈で発見されました。ダイヤモンドの虹の輝き(ファイアー)は「光の分散」によって生み出されていますが、ダイヤモンドよりもデマントイドは光の分散度が高く、希少性もあることから、ガーネットの中で最も高く評価されています。



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