パパラチアのお話
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2008年5月10日





◎パパラチア(Padparadscha)
 9月の誕生石にされています。和名は紅玉です。結晶系は六方晶系で、化学式はAl2O3、硬度は9です。比重は4.0で、屈折率は1.762〜1.770で、複屈折率は0.008です。
 パパラチアは、ルビーやブルー・サファイアと同じコランダムという種類の鉱物の一種です。オレンジ色からピンク色の中間帯(オーロラ・レッド)にあって、微妙な色の範囲にあるもののみを、特別にパパラチアと呼んでいます。ピンクが強すぎても、オレンジが強すぎてもパパラチアとは呼ばれません。パパラチアとは、シンハリ語で「蓮の花」の意味です。
 「King of Sapphire(サファイアの王)」と呼ばれるパパラチアは、唯一の原産地スリランカで、「インド洋の朝焼け」と称され、産出量が極めて少ないために幻の宝石となっています。
 近年、マダガスカルの宝石ラッシュがあり、最高級品質級のマダガスカル産パパラチアが大量に出回りました。2001年末、多量に出回ったマダガスカル産パパラチアに対して、在る疑問が持ち出されました。それは、本当に「天然のパパラチア」なのかという問題です。しばらくは、日本の全国宝石学協会も通常通りの鑑別を行っていました。しかし、アメリカのGIA(米国宝石学会)が、「これらのパパラチアは全て、表面拡散という新しい処理が行われている」と発表して、大混乱になりました。
 表面拡散というのは、宝石を特殊な処理で表面だけを変色させる処理です。これは、主に、マダガスカルに宝石産出ラッシュで出向いていたタイ人がしていた処理のようで、これによってマダガスカルのコランダム(ルビー、サファイア、パパラチア)の信用は、世界的に失墜しました。しかしながら、現在では、表面拡散かどうかの鑑別が可能となり、心配はありません。マダガスカル産のコランダムの出足は鈍っているようです。

スリランカ
 もともとは、スリランカでしかこの微妙な色合いはなかったので、産地の比較のしようが無かったというのが現状です。しかし、一概にパパラチアといってもピンク味の濃いもの、オレンジ色の濃いもの、薄いものなど色々あります。その中でも、オレンジともピンクともいえない比較的濃く、輝きと耐久性を下げるインクルージョン(内包物)の少ないものが最高級品とされています。

マダガスカル
 表面拡散処理が横行していたため、本当にマダガスカルでパパラチアがとれるかどうかは微妙です。



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