マグニチュードのお話
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更新日:
 2009年1月30日






◎マグニチュード(magnitude)(1995年10月27日)
 震度7を記録した阪神大震災(1995年1月17日)は、気象庁の発表ではマグニチュード(M)7.2でした。阪神間及び淡路島の一部において震度7が観測されました。
 震度は、ある地点で体感する揺れの大きさを表すため、場所によって異なる値になりますが、マグニチュードは地下で起きた地震の規模を表す指標です。このため「地震の大きさ(強さ)」を表すために使用されています。
 マグニチュードは、1935年に、アメリカの地震学者チャールズ・リヒター(Charles Francis Richter)によって初めて定義されました。マグニチュードはエネルギーの対数をとったもので、マグニチュードが1増えると、地震のエネルギーは約32倍になります。2増えれば、エネルギーは32倍の32倍ですから1000倍になります。
 日本で発表されるマグニチュードは「気象庁マグニチュード(Mjma)」と言われ、約40年前から日本だけで使われています。一方、世界共通で速報されているのはアメリカ合衆国地質調査所が考案した「表面波マグニチュード(Ms)」です。これだと阪神大震災はMs6.8となります。
 地震計には、周期の長い地震波を測るものと、短周期の波を正確に測るものとがあります。2つのマグニチュードは、それぞれの地震計の特徴に合わせて考案されました。
 震源の浅い地震は、地球の表面を伝わる周期20秒ほどのゆっくりした揺れが大きくなります。この地震波を正確に測る地震計の記録を使い、計算するのが表面波マグニチュードです。一方、気象庁は周期5秒程度の小刻みな揺れを正確にとらえる地震計を使って、独自に補正した値を気象庁マグニチュードとして発表しています。
 短周期地震計は長周期地震計に比べ、小型で保守がしやすい利点がある(気象庁)そうです。気象庁は独自方式にこだわる理由を、「変えると過去のデータが使えなくなり、津波予測などにも影響が出る」と説明しています。横浜市立大学の菊地正幸教授によると、「気象庁式は地上での建物などの被害をよく表し、長周期の地震波を使う表面波マグニチュードは、津波の規模をよく表す」という特徴があるそうです。
 さらに、ほとんどの地震の原因が、地下の断層のずれであると分かってから、断層運動の規模を表す物理量として新たなマグニチュードが考案されました。カリフォルニア工科大学の金森博雄教授が1977年に提唱した「モーメントマグニチュード(Mw)」です。これは、各地で観測された地震波から断層の面積とずれた量を計算して算出します。阪神大震災のMwは6.9となります。これは研究者の間で広く使われているマグニチュードですが、世界各地の地震波を使って解析するのに時間がかかり、津波予報などの速報には向いていません。それぞれのマグニチュードには、長所、短所があるため、同じ「マグニチュード」と言っても、統一された指標にはならないようです。

 マグニチュードと一般的に呼ばれる地震の規模とは、次のような関係になっています。

マグニチュード
 8〜 :巨大地震
 7〜 :大地震
 5〜7 :中地震
 3〜5 :小地震
 1〜3 :微小地震
 〜1 :極微小地震




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