水引のお話
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更新日:
 2009年1月30日


◎水引(1995年12月1日)
 水引とは、こよりに米糊を引いて、干し固めたものを3本、または5本並べて固めたものです。一般的に、贈り物の飾り紐として利用されています。
 水引の語源は、和紙を縒ってコヨリ状にし、縒が元の紙に戻らないように水糊を引いて乾かし、固めたことからとする説と、紙縒りを着色水に浸して、引きながら染めたことからとする説があるそうです。
 「水引」とは平安時代以降の呼称で、それ以前は「くれない」と呼んでいたようです。その一方、麻紐から紙縒りに変わったのは室町時代以降であるようです。このことから、紙縒りに糊水を引いたことから「水引」になったとする説は、時代が合わないようです。すなわち、「水引」の語源は、着色水にひたして引きながら染めたことに由来し、染めたものは紙縒りではなく、麻紐であると考えられます。
 水引の起源は、小野妹子が隋から帰った際、同行した答礼使が持参した貢ぎ物に結ばれていた紅白の麻紐だそうです。そこから、宮廷への献上品には紅白の麻紐で結ぶ習慣が生まれたのだそうです。
 室町時代後期になると、麻紐の代わりに紙縒に糊水を引いて乾かして固め、紅白あるいは金銀に染め分けた紙糸が使用されるようになったようです。
 現在は、祝儀袋や結納品の飾りで、鶴や亀やなどの立体的な水引細工が用いられることがあります。これは、加賀金沢の津田左右吉(現、津田水引折型の創始者)が、それまで平面的であった水引を初めて立体的な水引細工や折型に仕上げ、加賀水引(水引人形)として全国に広まったものです。
 白一色から目上の人へは左右を紅白に、位の高い人には金銀に使い分けして用いられるようになり、後に慶事と弔事の行事別に使用する水引の色や本数が、使い分けされるようになりました。
 水引には陰と陽があり、向かって左側を陽と言い、白や銀などの淡い色を用い、右側を陰と言って赤、黒、黄や金などの濃い色を用いるのが正しい結び方です。金と赤の場合は、向かって左が金、右側が赤になるように結びます。

・結び切り
 「繰返さない」「一度で終わる」という意味で用いる。
 ・快気祝い:蝶結びにすると、何度も病気になることを意味するので注意が必要。
 ・結婚祝い:蝶結びにすると、離婚し再婚する事を意味するので、注意が必要。繰り返しを意味する蝶結びを避ける。また、鶴などの細工を施した「飾り結び」も用いる。
 ・香典:葬儀の時のものなので、繰り返さないように。
 ・病気見舞い:病気は一度で二度と病気にかからない事を意味する。快気祝いも同じ意味。

・あわじ結び
 「鮑結び」とも呼ばれる結び方。明治以降に考案された結び方。水引の色を使い分ける事で、慶弔ともに用いる。
 「結び切り」から派生した結び方で、「結び切り」同様の意味で用いられる。
 また、両端を持って引っ張るとさらに強く結ばれることから、「末永くつき合う」という意味で、慶事、仏事(布施)にも用いられる。

・蝶結び
 蝶結びは、何度でも解き結びなおす事ができるので、「何度あっても良い」という意味で用いる。
 ・出産祝い:子宝に恵まれ、何度も子を産めることを願う
 ・入学祝い:上級の学校に入学出来る事を願う。小学校の入学祝いなら、次は中学校の入学祝いが来るようにということ。
 ・お歳暮:来年の暮れにも贈れることを願う
 ・賞品:何度も賞を獲れることを願う
 ・心付け、チップ

・色の使い分け
 赤白:祝い事全般に用いられる。
 金銀:祝い事、特に結婚祝いに用いられる。
 黒白:香典やお供えなど、主に仏事に用いられる。
 黄白:香典やお供えなど。主に関西・北陸地方の法要で用いられる。
 双銀(銀のみ)::総銀とも。香典など。主に仏事で用いられる。
 双白:香典など。主に神事で用いられる。

・水引の本数
 奇数で用いるのが「しきたり」とされ、5本、7本、10本などの結びがあります。7本は5本結びをより丁寧にしたものです。10本は偶数ですが、5本をひとまとめにしたものを基本の1本とすることから偶数とせず2本巻きにしていることから豪華さを表わし、数の10から充分に満ちたると言う意味合いがあります。また、3本にしたものもありますが、5本を簡素化したものです。9本は奇数ですが、「苦」に通じることから忌み嫌って用いません。




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