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更新日:
2008年6月28日
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・木炭の歴史
人類最古の木炭(燃料用に作られたもの)は、日本で発見されたものだそうです。昭和33年ごろ、愛媛県喜多郡で古代の洞窟が発見され、その中から動物の化石、人類の歯、骨器や石器に混じってたくさんの木炭が発見されたそうです。
それまでは、少なくとも1万4千〜1万5千年前から人類が火を使用してきたと推測されていたのですが、この洞窟が30数万年前のものと分かって、それまでの説を大幅に覆すことになったそうです。30数万年前というと原人の時代です。そのような時代に、すでに日本にも人類文化の起源があったんだそうです。
昔から木炭は、燃料としてだけではなく、建物の床下に置いて湿度調整材として利用されたり、井戸水のろ過材としても利用されてきました。木炭は、その細孔構造(小さい穴がいっぱいある)によって高い吸着性を備えています(その細孔に水や臭いの分子を吸着します)。
奈良時代から平安時代の古いお寺や神社の床下には、大量の木炭が埋められています。戦国時代の茶室にも、敷地には多くの木炭が敷き詰められています。このように敷地に木炭を敷くことで、その湿度調整や空気清浄、防虫効果を利用していたのです。
・炭焼き
日本の炭焼き技術は、もともと中国から伝来したものです。昔の中国の住宅は、粘土やレンガといった土を素材としたもので、厳しい寒さを絶つために窓が小さく、暖房や炊事に使われる燃料は煙がでないことが条件でした。このため中国では、古くから火持ちが良く、有害な一酸化炭素も出にくい硬い炭(白炭)が必要でした。そこで、炭焼き窯でじっくり焼いて硬い炭(白炭)を作る技術が発達していったのです。
この技術を日本に伝えたのが、空海(弘法大師)だそうです。空海は31才で遣唐使と共に唐に渡り、様々な技術を日本に持ち帰りました。空海が住んだ場所には、いずれも古い炭焼き窯の伝統が残っているのだそうです。
・木炭の効果
木炭は燃料としての用途以外に、脱臭、ろ過、湿度調整、防腐、ミネラル分供給、遠赤外線による温熱作用など、さまざまな効果があります。
木炭は多孔体です。多孔体であるということは湿気(水分)や臭いなどを吸収する力が大きいということです。また、木炭は透水性にも優れ、露点(飽和)に達しないので、効果は半永久的です。
また、建材から放出されるアルデヒドなどの化学物質を吸着するため、シックハウス症候群の対策にもなります。
木炭の温度は、夏は気温より4度ほど低くなるため涼しく、冬には気温より7度ほど高くなります。このため、冷暖房費の節約になります。
・木炭の種類
木炭には色々な種類がありますが、 大きく分けると、白炭と黒炭に分けられます。白炭の方が高温(1000度以上)で焼かれているため、硬度が高くなります。黒炭の中でも高温(600〜800度)で焼かれたものは、比較的、硬くなります。
高温で焼いた木炭は不純物が少なくなり、原木の約1/3の大きさになります。その内部には無数の細孔が出来て、さらに縦横にパイプが貫通している。そのため通気性、通水性が良くなります。
・内部の表面積(数字は平方メートル)
白炭(ウバメガシ) :124
ナラ白炭 :214
黒炭(ナラ) :343
竹炭 :314
スギ :388
スギはウバメガシ(備長炭)の2倍の表面積があり、活性炭に近い。
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