秋刀魚
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更新日:
 2014年1月17日






◎さんま、秋刀魚:Pacific saury
 ダツ目サンマ科の海水魚です。分類上はダツ、サヨリ、トビウオなどの仲間です。体は側扁して細長く、下アゴが上アゴよりわずかに長いです。
 体が細長いことから「狭真魚(さまな)」と呼ばれていたのが語源とされ、古くは「三馬(さうま、さむま)」と言われていたようです。漢字の「秋刀魚」は、体が刀状で秋の代表的な魚であることからの当て字です。
 サンマは地方によって呼び名が異なり、新潟ではバンジョウ、和歌山ではサイラ、三重ではガド、長崎ではセイラ、サザなどと呼ばれています。
 日本で一般的に食べられるようになったのは江戸時代後期からだそうです。江戸時代には「さんまが出るとあんまがひっこむ」と言われたほど、栄養価の高い食材として親しまれていたようです。これは、脂が乗ったタンパク質が豊富なサンマを食べることによって、体のだるさが解消され、食欲が増し、あんまの世話にならずにすむという意味です。
 サンマは、日本近海からアメリカ西海岸までの太平洋全域に広く分布しており、数百万匹〜数億匹という大きな群れをつくって暖流域から寒流域を反時計回りに回遊しています。寒帯性の魚なので、12〜18℃の温度帯を好むとされ、推進20mよりも浅い表層に生息し、主に動物プランクトンを食べて暮らしています。
 産卵は、夏を除いて、ほぼ1年中行われていますが、特に冬がさかんです。メスは体調20cmを超えるころから産卵を始め、1回につき1〜2万粒を海面に漂う流れ藻などに産み付けます。
 寿命は1〜2年と言われ、大きいものは体長40cm前後にまで成長します。店先に並んでいる体長30cm以上のサンマは、生後1年を経過しているものです。
 夏頃はオホーツク海方面で過ごし、秋になると産卵のために本州の太平洋沿岸を南下して、黒潮水域に向かいます。その途中、青森、房総沖など、日本近海の各沿岸で漁獲され、市場に出回るようになります。秋のサンマは産卵をひかえているため、脂の乗りがよくなります。したがって旬は秋です。
 冬には熊野灘を通過して四国、九州沖にまで到達し、黒潮に乗って、再び本州の東の沖合を含む北太平洋全域に運ばれていきます。
 背中が厚く、青黒い光沢があり、黒目の周りが澄んでいて、腹がかたい(背も腹もブヨブヨしていないで、ハリ(弾力)がある)ものが新鮮なもの、口先が黄色いものの方が脂が乗っていると言われています。脂の量は季節によって大きく変動し、最も脂が乗っている時期になると、脂質が20%以上に達し、そうでない時期は数%ほどしかありません。




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