シュリンク包装のお話
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更新日:
 2011年1月28日






◎シュリンク包装(schrinked-wrapped package)
 シュリンク包装とは、プラスチックフィルムの熱による収縮性を利用した包装方法のことです。シュリンク包装は、日常、目にするような製品でも使用されています。
 例えば、お菓子のラムネ。プラスチック製の容器の上部はプラスチックフィルムで覆われていますが、これはシュリンク包装です。このような小さなものから、業務用のパレットに乗せた貨物全体を収縮包装するような大型のものまであります。
 輸出する貨物に包装をする場合は、パレット上に載せられた貨物(集合貨物)をまとめて、プラスチックフィルムでシュリンク包装するため、「パレットシュリンク包装」と呼ばれています。また、パレットに載せないでシュリンクする大型の包装も、まとめて「パレットシュリンク」と呼ばれています。
 シュリンク包装をしない場合は、パレット上に載せられた貨物を固定するために、ラップでグルグルと周りを巻いて貨物がずれないように固定したり、バンドを掛けたりしています。しかし、1つ1つの貨物の大きさが小さいほど(個数が多いほど)、ラップ掛けやバンド掛けは困難になります。このような貨物をまとめて包装できるパレットシュリンクは、非常に便利な包装方法です。
 パレットシュリンク包装のメリットとデメリットは下記の通りです。

1. メリット
a)自動化、省力化
 集合貨物は、まとめて包装するのが困難で、自動包装が難しいです。しかし、シュリンク包装ならば自動化が可能となります。現在では、全自動無人運転が行われている例もあります。また、被包装物が小ロットの場合でも、ハンドガンによるシュリンク包装によって省力化できます。

b)防水性、防塵性
 パレットと貨物が一体となってフィルムで覆われるので、水濡れ防止機能が付与されます。被包装物によっては、短期間の野積みも可能です。
 また、電気製品など、消費者に直接届けられる商品では、段ボール箱の外装の汚れが問題になりますが、シュリンク包装された商品の場合は、覆いのフィルムを剥がすことで汚れのない段ボール箱を取り出すことができ、防塵効果が期待できます。

c)透明包装効果と盗難予防効果
 シュリンクフィルムは無色透明なため、貨物に記載された表示ラベルを直接、見て確認することができます。このため、包装後に余計な手間をかけずに在庫管理や倉庫内の製品の識別が可能です。
 また、フィルムで密閉されているため、盗難予防効果もあります。包装された内部の製品を抜き取る場合にはフィルムが破損するため、保証包装の機能を備えています。

d)固定効果
 不定形の貨物の固定方法として大変、優れています。貨物同士をまとめることができるため、輸送時の荷崩れの心配が少ないです。また、フィルムの収縮率が大きいため、変形品でも商品の形状に合わせたタイトな包装ができます。また、シュリンクフィルムは強度があり、伸びも大きいため、突き刺しによる破れにも強いです。

e)経済効果
 包装費のコストダウンが期待できます。被包装物が複雑な形で、包装に手間がかかっている場合には、特に有効だと思われます。

2. デメリット
a)シュリンクするための熱エネルギーが必要となる。
b)内容物が熱せられて困る商品には採用できない。
c)加熱炉を用いる場合には、パレットロードの大きさに制限がある。
d)一般的に、加熱炉は設備が大型であり、広い設置面積を必要とする。


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