日本国内の電気の周波数
  メニュー 

TOPページ 

リンク 

海外情報 

用語辞典 

メモ 

 


更新日:
 2014年12月17日






◎日本国内の電気の周波数
 日本では家庭用の電気には、交流電流が供給されています。交流(こうりゅう:alternating current, AC)とは、時間とともに周期的に電気の流れる向きが変化する電流(交流電流)のことです。また、電気の流れる方向が1秒間に変化する回数を周波数(Hz:ヘルツ)といいます。この周波数を「電源周波数」と呼びます。
 日本国内では、静岡県の富士川と新潟県の糸魚川あたりを境にして、東側地域は50ヘルツ、西側地域は60ヘルツの電気が供給されています。このように1つの国の中で電源周波数が異なる国は、非常に少ないので変わった国と言えるかもしれません。
 日本国内に電気が普及したのは明治時代です。1883年(明治16年)に設立された東京電燈株式会社が1886年(明治19年)7月5日に企業活動を開始し、1887年(明治20年)11月に東京の日本橋茅場町から電気の送電を開始しました。これが日本で最初の電気の供給だったそうです。この年の末には、火力発電所を東京の5箇所に設置する工事を始め、直流送電を開始しました。
 しかし、電力需要が高まると直流送電では長距離になるとコストが高くなり、非効率となるため、交流送電に転換する必要が出てきました。そこで、1893年(明治26年)に200kWの国産大出力交流発電機を備えた浅草火力発電所の建設を開始し、3年後の1896年(明治29年)に完成しました。この時、東京電燈はドイツのAEG製交流発電機を導入しましたが、これは50Hzの交流電流を供給するものでした。
 一方、1888年(明治21年)2月5日に設立された大阪電燈株式会社は、翌1889年(明治22年)5月20日に事業を開始しました。1897年(明治30年)には大阪電燈の幸町発電所から商業電気の供給を開始しましたが、この時、採用されていたのがアメリカ、ゼネラル・エレクトリック(GE)社製の60Hzの発電機だったそうです。
 この東京電燈と大阪電燈が、それぞれ別々に発電機を購入し、電気の供給を始めたことから、日本国内の電源周波数が2つになった原因と言われているようですが、当時としては、仕方がなかったことのようです。東京電燈と大阪電燈が大企業として発展していったため、名前が残ってしまい、悪者のように言われてしまいますが、明治時代は、各地で電気事業が発足し、いろいろな会社が、それぞれ発電機を購入し、事業を行っていたようです。当時は狭い地域での営業であり、お互いにつながれていなかったため、各地域でいろいろな周波数の電気が使われていたようです。
 当時は16+2/3Hz、25Hz、40Hz、50Hz、60Hz、66Hz、125Hz、133Hz、133+1/3Hzなど、多くの種類があったようです。当時の電気使用のメインは電灯用だったため、ちらつきの少ない高い周波数が好まれたようです。しかし電灯が普及し、送電距離が長距離化すると、電圧降下の少ない、低い周波数に移行していったようです。そして産業が発展し、工作機械などが使われ出すと、モーターの回転数が周波数の影響を受けることから周波数の統一が求められ、世界各国ごとに50Hzか60Hzのいずれかに集約されていったようです。
 日本国内でも電力網が発達していく過程で、周波数を統一しようという動きがありました。大正時代初頭から第2次世界大戦直後までに4回の周波数統一の動きがありましたが、いずれも莫大なコストと時間がかかり、かつ、設備の改造期間の供給力不足を招くことから、実現することができませんでした。
 現在、50Hzと60Hzの境界線は新潟県の糸魚川市から静岡県の富士川までを南北で結んだ線で、その西側が60Hz、東側が50Hzとなっています。この中で、いくつかの県では50Hz地域と60Hz地域が混在しています。



  60Hz地域 50Hz地域
新潟県 佐渡市 左記以外
  妙高市(一部)  
  糸魚川市(一部)  
群馬県 甘楽群・吾妻群 左記以外
長野県 右記以外         松本市奈川地区
安曇地区(一部)
大町市(一部)
飯山市(一部)
小諸市(一部)
安曇野市穂高町(一部)
下水内郡栄村(一部)
下高井郡野沢温泉村(一部 )
北安曇郡小谷村(一部)?
静岡県 富士川以西 富士川以東
埼玉県 なし 全域
山梨県 なし 全域

 また、航空機では今でも400Hzが使われています。これは、周波数を高くすると、搭載する発電機や電気回路の変圧器やコンデンサを軽量化出来るからです。航空機では、使用する他の高周波機器への干渉を考慮した最も高い周波数が使われているそうです。

 電気製品の中には、電源周波数が変わると使用上、問題になる機器があります。最近の電気製品、特に家庭用電気製品(家電)は、この点を考慮されているため、ほとんどのものが電源周波数を気にすることなく使用することが出来ます。念のため、取扱説明書や表示で確認した方が良いでしょう。

そのまま使えるもの 電気こたつ、電気ポット、電気毛布、電気コンロ、電気ストーブ、トースター、アイロン、電気温水器、テレビ、ラジオ、パソコン
そのまま使えるが能力が変わるもの 扇風機、ヘアドライヤー、換気扇、掃除機、温風暖房機、ジューサー・ミキサー
そのままでは使えないもの(部品交換などが必要です) 洗濯機、タイマー、電気時計、電子レンジ、衣類乾燥機、蛍光灯(インバータータイプは使えます。)、ステレオ、テープレコーダー

 工業用電機製品の場合には必ず周波数の確認が必要です。装置の定格周波数と異なる電源周波数を使用すると、期待する性能が出なかったり、場合によっては発熱を起こすこともあります。
 周波数が異なると正常に動作しない場合があるものは主に、モーター類(回転数が周波数に依存するため)とトランス類(設計より多くの電流が流れると発熱するおそれがある)などです。日本国内に限らず、海外旅行の際にも気を付けましょう。




inserted by FC2 system