食品用語辞典

  メニュー

TOPページ 

リンク 

海外情報 

色々な話 

科学の話 

医学の話 

食品の話 

用語辞典 

メモ 

 


更新日:
 2008年6月28日







◎アンチョビー(anchovy)(1996年7月9日)
 アンチョビーとは、ニシン目カタクチイワシ科の小魚の総称です。地中海や、ヨーロッパ近海で獲れます。アンチョビーは肥料や飼料としても使用され、粉状に加工したものは魚粉やフィッシュミールと呼ばれています。煮干しや魚醤も、生のアンチョビーを使って作られることがあります。
 このアンチョビーを塩漬けにして熟成させ、発酵させ、オリーブオイルに漬けたものもアンチョビーと言います。こちらのアンチョビーは、塩辛くて濃厚な味で、三枚におろしたフィレ状や渦巻き状のものはオードブルやサラダ、ピザなどに使われます。また刻んで調味料として使ったりします。チューブ入りのペースト状で使いやすい製品もあります。

◎おから(1996年7月9日)
 豆腐を作る時の豆乳のしぼりかす。「おから」は「絞りかす」の意味で、「茶殻」の「がら」などと同じ語源の「から」に丁寧語の「御」をつけたもので、女房言葉のひとつです。
 豆腐を作った後の残渣物だが、栄養的には優れている。一般分析値を見れば、乾物中1kgあたりの粗蛋白質は約26%、粗脂肪は約13%、可溶無窒素物が約33%、粗繊維が約15%と、非常に栄養価が高い。通常は水分を約75%~80%含む状態で流通している。ただし、消化はよくない。

◎オリーブ(olive)(1996年7月9日)
 モクセイ科の常緑小高木。1000種近く品種がある。地中海地方の原産で、暖地に生育。初夏に白い花が咲き、緑色の果実をつける。実は熟すと黒くなる。果実は楕円形の核果で、青いうちに採取し、塩漬けにして食用とする。熟した果実からはオリーブ油を採る。枝は、ヨーロッパでは平和と充実の象徴。
 スペイン、イタリア、ギリシャがオリーブオイルの三大生産国。オリーブオイルには、人間の体に必要とされるオレイン酸を大量に含む。果実をしぼったまま精製しない「バージン・オイル」には、産地や品種、栽培方法によって独特の色や香りがある。
 日本でも明治に各地で栽培が試みられたが、現在は香川県の小豆島や岡山県などにわずかに残る。

◎オレガノ(Oregano)(1996年7月9日)
 シソ科のハーブ。スパイシーな苦味と樟脳に似た香りが特徴。特にトマトとの相性が良い。イタリア料理には欠かせない。冷凍ピザや缶詰のミートソースを使うとき、少し加えると、味が引き立つ。臭み消しに利用される。

◎懐石料理(1996年7月9日)
 「懐石」という言葉は、禅僧が懐に温石(おんじゃく)を入れ、空腹と寒さを紛らわせたという故事に由来しています。
 茶の魅力を充分に堪能できるよう、茶を喫する前に空腹を癒すために適度の料理を食する、これが懐石料理の起源とされています。つまり、一時しのぎ、茶の前に出す軽い食事というわけです。
 一般的には、一汁三菜のコース。最初に少量のご飯と汁、向こう付けが出た後、料理が運ばれる。折敷(おしき)という脚のない膳の上に料理が出る。正式には、箸袋や箸置きを用いない。
 現代風の、お酒を飲みながら、和食を食べるのは本来の意味の「懐石料理」ではありませんので、現代風の懐石料理ということになります。そこで、本来のお茶を楽しむ前の簡単な料理は「茶懐石」として区別することが多いようです。

◎会席料理(1996年7月9日)
 本膳料理を簡略化したもの。①先付け(お通し)、②前菜、③汁(吸い物)、④向付け(刺身)、⑤煮物、⑥焼き物、⑦揚げ物、⑧中吸い(吸い物)、⑨酢の物、⑩ご飯・香の物、⑪止め椀(味噌汁)、⑫水菓子、⑬抹茶・菓子、から構成されます。

◎ガスパッチョ(gazpacho)(1996年7月9日)
 スペインのアンダルシア地方特有のスープ。水、ワインビネガー、オリーブ油、タバスコスープを合わせて、細かく刻んだトマト、キュウリ、玉ねぎなどを入れた、香りの良い、冷たいスープ。
 「ガスパチョ」という名詞がスペインで使われるようになったのは17世紀で、語源はラテン語の「カスパ(caspa:かけら、断片)」とも、ヘブライ語の「ガザズ(gazaz:ばらばらにちぎる)」とも言われている。
 初期のガスパチョはパン、ニンニク、塩、オリーブオイル、酢、水だけから作られていたが、19世紀頃にはトマト、キュウリ、ピーマンなどが入るようになった。トマトを主成分とした「赤い」ガスパチョが最も有名であるが、トマトが入らない「白い」ガスパチョもある。
 ポルトガルのガスパチョはスペインのものよりもパンの割合が多い。ポルトガル語では、「gaspacho」となる。

◎カツ
 英語の「cutlet(カツレツ)」が略されたことば。

◎カナッペ(canape)(1996年7月9日)
 一口大に切った食パン、薄く切ったフランスパン、揚げたり、焼いた小型のパイやクラッカーなどの上に、チーズや野菜などをのせた料理。軽食のひとつ。コース料理の前菜として食前酒と一緒にサービスされたり、酒の肴として供されることが多い。
 語源は、フランス語で「背もたれのある長いす、ソファー」の意味。フランスでは、豪華な宴会の食卓につく前に、別室に置かれている長椅子に腰を下ろし片手にグラスを持って、会話しながら食べる習慣があったことから、カナッペと呼ばれるようになった。
 カナッペの土台となるパンは、一口で食べられる大きさに切り、オーブンで軽く焼くか、油で揚げてバターを上に塗ったものが使われる。
 上にのせる材料は、あまり水分が多いものでなければ何でもかまわないが、代表的なものとして、フォアグラ、ローストビーフ、蒸し鶏、ハム、パテなどの肉類、キャビア、茹でたエビ、スモークサーモン、オイルサーディン、イクラなどの魚介類、カマンベールチーズ、ブルーチーズなどの乳製品、トマトやキュウリのような野菜類、鶏やウズラの茹で卵などがある。

◎辛子(2000年3月10日)
 粉辛子を水で溶いた後、容器ごとテーブルに伏せておくと辛さが増すといいますが、何故でしょうか。ヱスビー食品の説明は、以下の通りです。
 和辛子やわさびの辛み成分はアリルイソチオシアネートという揮発性の物質です。溶いてからこれが十分生成されるには、約5分かかります。放っておくとどんどん空気中に揮発します。容器を伏せるのは、揮発を防ぐためです。
 この辛み成分は、辛子などに元から含まれる酵素の働きで生成されるのですが、この酵素は約40度で最も活性化します。ですから、辛みをより引き出すには、水よりも、ぬるめのお湯で溶いた方がいいようです。
 溶いたものが、たくさん余った時は少量の油やはちみつ、水あめなどを加え、密封容器で冷蔵保存すると長持ちします。

◎ガランティーヌ(galantine)(1996年7月9日)
 フランス語。西洋料理の一つ。皮付きのニワトリ、カモなどを開いて骨や臓物を抜き、その中に様々な詰め物をして円筒型に包み、蒸し焼きにするか、またはブイヨンで煮た後、冷やした肉料理。輪切りにして食べるが、切り口がモザイク状で美しい。

◎ガルニチュール(garnitures)(1996年7月9日)
 フランス語。料理の付け合わせ野菜のこと。

◎カレー(Curry)(1996年7月9日)
 カレーは、複数の香辛料を使って、野菜や肉などの様々な食材を味付けした料理のことで、辛くて複雑な味わいを持った料理です。もともとはインドや、その周辺国で作られていた料理がベースだが、現在では、国際的に人気のある料理の1つとなっている。
 カレーの起源は、タミール語のソースを意味する単語である「カリ(kari)」だと言われている。これがポルトガル人に伝わったとき、その種の料理を代表する名前であるかのように伝わり、「カリル(karil, caril)」になったとする説が多い。
 カリール(carriel)という単語は、オランダのヤン・ホイフェン・ヴァン・リンスホーテン(Jan Huygen van Linschoten:1563~1611)が1595年に執筆した「東方案内記」という書物に登場するのが最初だそうです。
 世界中に「カレー」が広がったのは、18世紀の英国に植民地であるインドの「カレー」料理が紹介されたことが要因のようです。インドでは、各家庭でスパイスを調合し、料理を作りますが、イギリス人には多種多様な香辛料を使いこなすことは難しいため、C&B社があらかじめ調合したスパイスミックスを「カレー粉」として商品化し、「C&Bカレーパウダー」という名称で売り出した。
 これによってカレーが英国の家庭料理として普及し、1810年にはオックスフォード英語辞典に「カレーパウダー」という単語が登場したそうです。
 日本には、明治時代にイギリス経由で伝わり、現在までに独自の進化をとげている。

◎きぢ醤油(1997年2月20日)
 広島県呉市のきぢ醤油合資会社による醤油。原材料は小麦、大豆、米、食塩。500mlで900円程度。合成保存料、人工甘味料、着色料を含まない。

◎キビャック(kiviak, giviak)(1996年7月9日)
 カナディアン・イヌイット(エスキモー)の保存食。海燕の一種であるアパリアスを、あざらしの皮と厚い皮下脂肪で包んで海岸に穴を掘って置いておく。一年ほど経つと半ば腐り、食べ頃になる。乳酸菌、酪酸菌、酵母などによる発酵を受け、日本のくさやの匂いをさらにきつくしたような強烈な特異臭を発する。ドロドロに溶けた状態のアパリアスは、そのまま食べたり、カリブーやアザラシの肉の味付けとして、肉に少量つけて食べる。

◎キャビア(caviar(e))(2000年10月9日)
 オードブルなどで出されるキャビアは、チョウザメの卵を塩漬けにした半貯蔵食品。チョウザメは淡水魚で、姿は鮫に似ているが、サメ科の魚ではない。チョウザメの仲間は世界で25種ほど確認されているが、キャビアがとれるのは、その内、ベルーガ、オセトラ、セブルーガの3種だけ。
 主産地はカスピ海で、漁獲期は春秋の年2回。その頃は、体重のほぼ15%が卵で埋まる。卵の色は、大粒で光沢のある灰色か黒褐色を帯びたベルーガが最高品とされる。日本人が好むオセトラは中粒で明るい茶色か暗い茶色、もしくは、やや緑色や黄金色のもの。セブルーガは小粒で黒灰色や黒色に近い。ただし色そのものは品質と無関係で、産卵期に近いほど薄灰色で、遠いほど黒色。
 缶詰、瓶詰の製品はキャップの色で区別されており、青がベルーガ、黄がオセトラ、赤がセブルーガ。ちなみに日本はアメリカに次いで2位の輸入量を誇っている。

◎キール(kheer)(1996年7月9日)
 インドの乳がゆ。若牛の乳を搾り、煮詰めたものと、米で作ったお粥。味は甘い。その昔、お釈迦様が断食の苦行をされている時、スジャータという娘が、お釈迦様にこのキールを捧げ、お釈迦様は悟りを開かれたと言う話がある。インドでは、ちょっとしたお祝いの時など、食事を振舞う時などのデザートのような感じで出される。

◎魚醤(ぎょしょう)(1996年7月9日)
 魚に塩を加え、発酵させて作る調味料。魚のタンパク質が分解されてできるアミノ酸などによる旨味と酷が特徴。タイの「ナムプラー」、ベトナムの「ニョクマム」やフィリピンの「パティ」など、東南アジアでは調味料の中心になっている。
 日本では、江戸時代から戦後まもなくまで、かなりの量が作られていたが、大豆を原料とした醤油が主力となってからは、秋田の「しょっつる(塩魚汁)」、能登の「いしる(魚汁)」、瀬戸内海(香川県など)の「いかなごしょうゆ(玉筋魚醤油)」などの限られたものが残っているだけになっている。

◎くず粉(1996年7月9日)
 葛の根をたたきつぶして臼でひき、布袋に入れて水にもみだして沈殿させた後、漂白、乾燥させたもの。デンプンを83%含む。奈良県吉野産の吉野葛は有名。

◎グラタン(guratin)(1996年7月9日)
 調理した材料を耐熱性の浅い皿に入れ、粉チーズ、パン粉などを振り掛け、天火で蒸し焼きにした料理。

◎クロワッサン(croissant)(1999年12月28日)
 クロワッサンとはフランス語で「三日月」を意味し、三日月の形をしたパンです。クロワッサンはサクサクした食感が特徴のパンですが、それは生地にバターを挟みこみ、何度も折りたたむことで生み出されます。
 クロワッサンの発祥については、1683年にオーストリアのウィーンでポーランド軍がトルコ軍の包囲を打ち破った時、あるいは1686年にブタペストをトルコ軍から奪還した時に、トルコ国旗の三日月になぞらえたパンを焼いて食べたこと、という逸話が有名ですが、これは嘘のようです。実際には、それ以前から月形のパンは存在しており、現在のクロワッサンとは似つかぬものだったようです。
 現在のクロワッサンのレシピが登場したのは20世紀初頭のフランスです。フランスでは、菱形と三日月形の2種類のクロワッサンが存在し、バター使用のものは菱形、マーガリン使用のものは三日月形と分けられて、販売されています。

◎コキール(coquille)(1996年7月9日)
 貝殻の意。調理した材料を帆立貝の貝殻又は、耐熱性の浅い皿につめて、天火で蒸し焼きにした料理。コキーユともいう。

◎五香粉(U Shan Fan)(1996年7月9日)
 中国版のカレー粉。一般に丁子、肉桂、八角、山椒、陳皮の5つの香辛料を合わせたミックス・スパイス。

◎胡椒(1996年1月19日)
 胡椒科の多年生作物。胡椒の木はインド南部マラバル沿岸が原産地。常緑のつる性植物。普通は雌雄同株。背丈は大きいもので10mに達する。直径5mmほどの赤い実が50~60個程度、ブドウの房のようになる。乾くと黒くなる。熱帯の植物のため、1年に何度も収穫することができる。人間が最も古くから知っているスパイスと言われ、紀元前4世紀のギリシアの書物「植物誌」に既に登場している。
 実が緑色の内に収穫し、皮ごと乾燥させたものが黒コショウ。赤く熟した実を収穫し、皮を剥いて乾燥させたものが白コショウ。

・コショウ、ペッパー、唐辛子(pepper)(1996年7月9日)
 黒、白、緑、赤の4種類がある。
 黒:香りが強く、肉料理に向いている。
 白:上品な香りと味で、魚料理に向いている。
 緑、赤:色と香りを楽しむために使う。

・黒コショウ、白コショウ(ペッパー)
 黒コショウの方が辛味、香味が強く、肉料理に適している(辛味付け)。白コショウはマイルドで上品な香り。魚料理に適する。

・レッドペッパー(唐辛子)
 辛味が最も強いスパイス。南米産のナス科の植物でコロンブスの新大陸発見によって世界中に広まった。産地によって種類と辛さが異なる。激辛はカイエンペッパー(Cayenne Pepper)とチリペッパー。朝鮮の糸唐辛子は辛くなく、料理の香り付けに用いられる。カレーなどの辛味に使われる。(辛味付け)

◎コンソメ(consommé)(1996年7月9日)
 フランス語。肉を良く煮だしたスープ。転じて、澄んだスープ。もともと、フランス語の「コンソメ」とは、「完成された」という意味。
 コンソメの材料には、牛スネ肉や鶏の手羽先などのゼラチン質の多く含まれている部分を使う。コンソメのすっきりとした深い味わいは、このゼラチン質による。このゼラチン質は、冷えると固まってゼリー状になる性質を持っているので、コンソメスープを冷やすだけでコンソメのジュレになる。

◎ザウエルクラウト(Sauerkraut)(1996年7月9日)
 ドイツ語で「酸っぱいキャベツ」の意味。イギリス名では「サワークラウト」。西欧風のキャベツの漬物。細く切ったキャベツを塩漬けにしたもの。キャベツの細切りを2〜3日陰干しした後、塩と混合しながら発酵タンクに漬け込む。これに重石をして一ヶ月間ほど発酵させると、このあいだに乳酸菌が発酵を起こして、酸味の強い漬け物ができる。

◎鮭とば(さけとば)
 秋鮭を半身におろして皮付きのまま縦に細く切り、海水で洗って潮風に当てて干したもの。「とば」は漢字で「冬葉」と書き、冬の北海道・東北地方の風物詩となっている。
 大変に硬く、歯の弱い人・差し歯の人は気を付けなければならない。最近では薄くスライスした柔らかい鮭とばも存在する。細かく切ってそのまま食べたり、炙って食べたりする。

◎サラダ(salad)(2000年4月13日、朝日新聞)
 サラダの語源はラテン語のsal(塩)。生野菜に塩をかけて食べていたのが原型と考えられている。
 古代ローマでもサラダ用にレタスを栽培していたが、当時、野菜はむしろ薬として用いられていたらしい。当時は肉食が中心であり、栄養バランスを整える薬としての役割だったと考えられている。生野菜を食事として摂取するようになるのは、中世以降。
 日本では、魏志倭人伝に卑弥呼が生野菜を食べているという記述があり、古くから食べられてと考えられている。もっとも、現在のサラダという言葉から思い浮かべるような、西洋野菜を盛りつけた食事スタイルは、つい最近のこと。西洋野菜は、そのほとんどが幕末に渡来したのです。
 西洋風サラダの普及には、連合国軍総司令部(GHQ)も一役かっている。「清浄野菜」をデビューさせているのだ。「清浄野菜」とは化学肥料だけで育てた野菜のこと。現在、化学肥料だけで育った野菜を「清浄」と感じるかどうかは微妙なところで、時代を感じさせる。

◎サラダ煎餅(1996年7月9日)
 サラダせんべいという商品があるが、サラダの味はしない。実は、サラダオイルを使って煎餅を焼いているからサラダ煎餅と名付けられたもの。サラダオイルを使って煎餅を焼くと、油の風味が出て美味しくなり、さっぱりとした感じやソフト感がでる。昭和30年代後半あたりから作られたようだが、最初に作ったメーカーは不明。

◎シャーベット(sherbet)(1996年7月9日)
 果物の汁に甘味を加えて、凍らせた氷がし。

◎ジャム(jam)(1996年7月9日)
 英語。果実を煮つぶし、または裏ごしにかけ、砂糖を加えて弱火で煮詰めた食品。苺、桑、桃、杏、林檎、梨、無花果などを用いる。

◎シャンピニョン(champignon)(1996年7月9日)
 フランス語。マッシュルームのこと。

◎醤油(1997年2月22日)
 醤油の起源は古く、中国や東南アジアで作られたといわれているが定説はない。しかし、その原型である「比之保(ひしお)」は約2000年前の弥生時代~大和時代にかけて日本に伝来したといわれている。欽明天皇の時代(552年)に仏教が伝来し、肉食を忌む風潮が生まれ、菜食に絶好の味付けとして醤油が発展し、平安時代には広く一般にまで普及した。当時、穀物を原料としたものは穀比之保(こくびしお)、肉を原料としたものは「肉比之保(ししびしお)」、魚を使ったものを「魚比之保(うおびしお)」と区別していたが、中でも魚比之保が最も普及していた。

◎食酢(vinegar)
 酢は、塩に次ぐ古い調味料で紀元前5000年のバビロニアの古文書にも見られるそうです。 お酒をそのまま置いておくと酢になりますが、美味しい酢にするには、温度などの条件を管理しなければなりません。したがって、もともとは自然に生まれたかもしれませんが、人類は、酢を上手に作るために工夫をしてきたのだと考えらえます。
 日本には400年頃、中国から「いずみ(大阪)」地方に伝えられたと言われています。古名は苦酒(からざけ)と言ったそうです。
 現在、日本で「食酢」として定義されているのは、酢酸が主成分の酢で、梅酢やレモンの絞り汁などは入りません。食酢はアルコールを酢酸発酵させて作った醸造酢と、酢酸の原液を薄めて調味料を加えた合成酢に分けられます。現在では、風味の劣る合成酢はほとんど作られておらず、流通している酢の99%が醸造酢です。
 食酢のことを英語で「ビネガー(Vinegar)」と言いますが、これはフランス語の「ビネグル(Vinaigre)」が語源になっているそうです。フランス語で「バン(Vin)」は「ワイン(Wine)」を、「ネグル(naigre)」は「サワー(Sour)」で「酸っぱい」という意味です。つまり「ビネグル」とは、「酸っぱいワイン」という意味です。
 ドイツ語では「エスイヒ(Essig)」、イタリア語では「アセト(Aceto)」、ロシア語では「ウークスス(Uksus)」と言います。
 食酢は、原材料によって、様々な種類があります。

・穀物酢
 最もポピュラーな食酢。小麦、酒粕、米、コーンなどを原料とする。さっぱりしたさわやかな風味。何にでも合う。

・米酢
 日本で一番歴史の古い食酢。コクのある食酢で、和風料理、寿司に向く。

・麦芽酢
 大麦の麦芽中に含まれる糖化酵素を利用して大麦、ライ麦、小麦などの穀物を原料に作る。ドイツではよく使われる。

・りんご酢
 リンゴ果汁を原料にする。マヨネーズ、ドレッシングに使われることが多い。

・ブドウ酢
 フランスでよく利用される食酢で、肉料理の調味料や各種ソースの風味付け、ドレッシングなどに利用される。

・レモン酢
 レモン果汁を原料に醸造した酢。

・寿し酢
 すしの合わせ酢用に調味してある味付け酢。

◎白子(1996年7月9日)
 雄の魚の生殖線である精嚢(せいのう)のこと。

◎寿司
 (1)酢で味付けをした飯に刺身や卵焼き・海苔などをあしらった食べ物。握り鮨、巻き鮨、押し鮨、散らし鮨など。
 (2)古くは、魚介類に塩を加えて漬け込み自然発酵させた食品。のちには発酵を早めるため、飯とともに漬けるようになった。なれずし。
 すしの語源は、「すっぱい」を意味する形容詞「酸し(すし)」の終止形で、古くは、魚介類を塩に漬け込み自然発酵させた食品を言い、その発祥は東南アジアの山間部といわれる。
 「酢飯(すめし)」の「め」が抜け落ちて「すし」になったとする説もあるが、飯と一緒に食べる「生成(なまなれ)」や、押し鮨の一種である「飯鮨(いいずし)」は、上記の食品が変化し生まれたもので、時代的にもかなり後になるため、明らかな間違いである。
 すしの漢字には「鮓」「鮨」「寿司(寿し)」があり、「鮓」は塩や糟などに漬けた魚や、発酵させた飯に魚を漬け込んだ保存食を意味したことから、すしの漢字として最も適切な字である。
 「鮨」の字は、中国で「魚の塩辛」を意味する文字であったが、「鮓」の持つ意味と混同され用いられるようになったもので、「鮓」と同じく古くから用いられている。
 現代で多く使われる「寿司」は、江戸末期に作られた当て字で、「寿を司る(つかさどる)」という縁起担ぎの意味のほか、賀寿の祝いの言葉を意味する「寿詞(じゅし・よごと)」に由来するとの見方もある。

◎ソース(sauce)(1996年7月9日)
 ソースとは、一言で述べることができないほど幅が広く、深く、料理と同じくらいに変化に富んでいる。強いてソースを定義づけるとすれば、「料理の液体部分のみ」を差すと言える。(現代食品産業事典、日本食料新聞社(1987))

◎そばめし(1999年12月9日)
 焼き飯に細かく切った焼きそばが混じっているといえばわかりやすい。焼きそばを焼きながら刻んでいき、そこにご飯を混ぜ、ソースで炒める。焼きそば定食を食べるとき、ご飯と焼きそばを別々に食べるのはめんどうだ、という客のリクエストに答えてできたのがはじまりだとか。
 発祥は神戸市長田区のお好み焼き屋。昭和30年代のはじめ頃からあるらしいが、ひろがったのはここ10年あまりのこと。冷凍食品にもなったし、ファミリーレストランのメニューになったりもしている。

◎ソルベ(sorbet)(1996年7月9日)
 フランス語。シャーベットに同じ。

◎醍醐(1996年7月9日)
 乳を精製して得られる、最も美味なる食品。奈良時代には、貴族などに食されていた。牛乳を煮詰めて一晩寝かせ、さらにこれを煮詰める。さらに一晩寝かせて完成する。

◎タコス(tacos)(1996年7月9日)
 トウモロコシ粉の薄焼きに、炒めた挽肉とレタス、チーズなどを挟んだ料理。メキシコの代表的な料理。焼いた皮をタコシェル、トマトと唐辛子を使った辛いソースをタコソースと言う。

◎タバスコ(Tabasco)(1996年7月9日)
 スペイン語。発酵した塩漬け唐辛子に西洋酢を加えて作った赤くて、辛くて、酸っぱいソース。商標名。

◎タピオカ(tapioca)(1996年7月9日)
 英語。キャッサバ(cassava)という芋の澱粉で作った丸い粒で、マニオカ澱粉、ユカ澱粉、キャッサバ澱粉あるいはタピオカ、マニオカと呼ばれる。キャッサバはトウダイグサ科の熱帯低木。原産は中南米。熱帯地方では最も重要な主食の一つ。

◎タルタルステーキ(tartar steak)(2000年2月9日)
 生の牛ひき肉に、オリーブ油と調味料を練り合わせて丸め、卵黄を乗せた料理。ドイツで良く食べられる。タルタルとは、かつてヨーロッパを席巻し、隷属状態においたタタールのことである。

◎タルタルソース(tartar sauce)(1996年7月9日)
 マヨネーズにマスタードと刻みパセリ、ピクルス、さらし玉ねぎなどを入れ、アンチョビーソースを加えたもの。

◎チェロウケバブ(1996年7月9日)
 イラン料理。白いご飯の上に、炭焼きにした串刺しのマトンや挽肉を乗せ、薬味をきかせた料理。イラン料理のなかでも、もっともポピュラー。

◎チーズ(cheese)(1997年6月1日)
 乳を酵素や乳酸菌で凝固させた食品で、世界には数千種類ある。古代ギリシャには現在と同じ製法のチーズがあったとされ、ローマ時代にヨーロッパ各地に広まった。
 明治時代に北海道で試験製造したが、普及したのは戦後。発酵させて固めたナチュラルチーズが一般的だが、日本では加熱して作るプロセスチーズが先に普及した。
 タンパク質、カルシウム、ビタミンAなどを多量に含む。

◎チンピ、陳皮(1996年7月9日)
 みかんの皮を乾かした物。薬用、薬味料とする。香辛料としては、柚子皮も使用する。

◎ティラミス(tiramisu)(1996年7月9日)
 イタリア語。イタリア・ベネト地方の素朴な郷土料理。マスカルポーネというイタリア特産のチーズのムースと、リキュールをしみ込ませたスポンジを交互にかさね、表面にココアパウダーをかけたケーキ。

◎豆腐(1996年7月9日)
 ①大豆を洗って、1晩水につける。
 ②摩砕機にかけて、どろどろになるまで大豆をつぶす。
  できたものを「呉(ご)」という。
 ③呉を沸騰水に入れて加熱する。
 ④熱いうちに布でこして豆乳をとる。こした残りがおから。
 ⑤豆乳に硫酸カルシウム(澄まし粉)、またはグルコノデルタラクトンを加えて静置し、タンパク質を凝固させる。
 ⑥上澄み液を捨て、固まったのもをくみ取り、周囲に穴のあいた長方形の箱に流し入れる。
 ⑦ふたと重石をして、しばらく置く。
 ⑧水に箱ごとつけ、豆腐を取り出す。

◎ババロア(bavarois)(1996年7月9日)
 フランス語。牛乳、卵黄、砂糖、ゼラチン、香料を混ぜ合わせ、型に流し込んで冷やし固めた菓子。

◎パフェ(parfait)(1996年7月9日)
 フランスの菓子。フランス語ではParfait(パルフェ)。パルフェは、もともとはモカの香りをつけたアイスクリームを指していた。現在ではアイスクリームに生クリーム、シャーベットなどを重ね、シロップ、果実、木の実を添えた菓子。

◎バーベキュー(Barbecue)(2002年3月3日)
 そもそもバーベキューはネイティブアメリカンの言葉。野外で肉などを調理すると言う意味のスペイン語の「バルバコア(Barbacoa)」がスペイン人によって広まり、世界的な言葉になったと言う。

◎ハム(ham)(2000年7月9日)
 日本でハムが本格的に作られるようになったのは明治以降のことで、1872年、長崎で作られたのが最初とされる。もっとも一般に日本のハム作りの元祖といえば鎌倉ハム。神奈川県でイギリス人カーティスが始めたものを斉藤満平が受け継ぎ、製造をはじめたもの。
 現在の日本のハムはドイツタイプのものが主流だ。第一次世界大戦中、中国の青島にあったドイツの軍事拠点を日本が攻略したのち、日本に強制連行されてきたドイツ人捕虜たちが広めたという。ローマイヤやケテル、ボルシュケたち。
 このとき日本に残留した人たちによって広められたドイツの味は他にもある。フロインドリーブが伝えたドイツパン、ユーハイムが伝えたバウムクーヘン。
 これから夏に向けて、生ビールがおいしい季節。ジョッキ一杯のビールとともに楽しむソーセージがあるのも、元捕虜たちのおかげだ。彼らが伝えた味に、今度はぼくたちがとりこになっている。なんだか奇妙なめぐりあわせではある。

◎ハムとソーセージ(1999年12月28日)
 豚肉を塩漬けして、薫製、湯煮などして加工したものをハムと言い、そのうち加工していないものを生ハムと言う。ボンレスハムはもも肉、ロースハムは背中の肉、ショルダーハムは言葉そのまま肩肉から作る。
 ソーセージは、肉を袋状に包み込んでいるのが特徴。製造方法はハムと同じなのだが、豚肉のほかに牛肉、羊肉、レバー、血液も原料としている点がハムと異なっている。
 ちなみにソーセージは太さによって種類が分かれ、20mm未満がウインナー、20mm以上36mm未満がフランクフルト、ボロニアは36mm以上と決まっている。これはソーセージ?それともウインナー?なんて、悩んだことはあるのではないだろうか。それが、実は同じ物だったとは...。

◎パン(1996年7月9日)
 日本語の「パン」という言葉は、ポルトガル語の「パン(pão)」に由来する。パンを大別すると、発酵したドウ(dough:穀物の粉に水を加えてこねあげたもの)を焼いたものと、無発酵のまま焼きあげたものの二種類に分けられる。
 発酵パンの発生は、小麦の食べ方の歴史を段階的にたどるとよく分かる。約1万年前に、まず小麦が栽培され、それを粉にして食べていた(粉食期)。次に、これに水を加えて粥状にして食べるようになった(粥食期)。さらにその粥状のものが、熱い灰や焼石にこぼれて焼け焦げたものが美味で、食後感の良いものであることが分かり、平焼きにして食べ始めた(平焼きパン期)。そのうちに平焼きパンの粥を放置しておいたものに酵母が侵入し、発酵を起こした。これを焼いて食べたところ、それまでにない風味を持ち、その上消化がさらに良いパンができた(発酵焼きパン期)。これが、今日のパンの発生過程であろう。メソポタミアにおいて、今から6000年前に平焼きパンがあったと言われ、古代エジプトではそのメソポタミアの影響を受け、中王国時代(前22~前18世紀)には発酵パンが作られていた。
 中国の麦作地帯には、発酵蒸しパン「饅頭(まんとう)」と、無発酵・発酵の両方が混在する「餅(ぴん)」がある。インドやパキスタンの麦作地帯(パンジャーブ地方)には無発酵の焼きパン「チャパーティ」や、発酵させた「ナーン」がある。このナーンは発酵した薄パンで、一晩寝かせたドウの薄板を高熱のカマドの内側壁に貼って焼く。これに調理した野菜や羊肉などを包み、二つ折りや四つ折りにして食べる。ドウを発酵させ、焼いて食べるという点でヨーロッパのパンに似ている。中東ではナーンをさらに薄くして鉄板で焼いた「タンナワー」、カマドの底で焼いた「バラディー」があり、エチオピアには発酵パンの一種「インジェラ」がある。

◎ピクルス(pickles)(1996年7月9日)
 未熟の小さなキュウリ、青トマト、小粒のタマネギなどの野菜類を塩漬けし、これを乳酸発酵して作る。

◎ビスケット(biscuit)(2000年3月10日、日本経済新聞)
 ビスケットの語源は「2度焼く」という意味のラテン語、ビスクトゥム・パネム。フランス語のビスキュイやポルトガル語のビスコウトなども同意で、名前のとおり、パンをもう一度焼いて作ったのがビスケットの始まりだったらしい。
 パンそのものははるか1万年以上前から知られている。古代バビロニア時代、長旅に出るときに日持ちをよくするためパンをいったん乾かしてから焼いたといい、そもそもは保存食だったわけだ。
 携帯にもいいことから大航海時代にも活躍。マゼランは世界周航を目指しての旅立ちにあたって、乗組員全員が2年間食べられるだけのビスケットを準備したという。コロンブスも例外ではない。
 日本には鉄砲などと同じく、ポルトガル人によって紹介された。ちなみに、クッキーはビスケットを米国で呼ぶときの言葉だけれど、日本ではどちらの言葉も親しまれている。もともとの伝来に加え、米国からの影響も強かったことを示しているのかもしれない。

◎ブイヤベース(bouillabaisse)(1996年7月9日)
 フランス語。数種の魚介類にサフランを加えた鍋料理風のスープ。古くから南フランス、プロバンス地方の郷土料理として有名。
 魚は、厳密にはカサゴ、カナガシラ、アナゴの三種の魚が必要とされる。日本ではヒラメ、カレイ、タイ、アンコウなどの白身の魚やムール貝、カニ、伊勢エビなどが入れられることが多い。
 まずオリーブ油でタマネギ、ニンニクなどを炒め、塩、コショウ、タイム、月桂樹、セージ、ウイキョウ、パセリ、トマトなどの香辛料や野菜でスープを作る。白ワインなどを加え、魚類を並べる。煮立って(ブイーユ)から、煮崩れしないよう弱火にする(アペイス)のがコツ。サフランは小さく刻み、コップに入れた後、熱湯を少々振りかけて、色と香りが出てからスープに入れる。
 ブイヤベースにはパンが付き、スープに浸して食べる。

◎ブイヨン(bouillon)(1996年7月9日)
 フランス語。鳥、獣、魚の肉や骨の煮出し汁。主にスープの素汁や細菌培養基として用いる。

◎フォアグラ(foie gras)(2000年10月9日)
 フランス語。「フォア」は「肝臓」、「グラ」は「肥えた」という意味。つまり、フォアグラは、ガチョウの肥大した肝臓のことで、南フランスのトゥールーズ産が良品とされている。
 フォアグラ用に飼育する方法は「ガヴァージュ」と呼ばれる次の方法である。卵からふ化して3ヶ月くらいは普通の飼育法だが、それ以降1羽ずつケージに入れられ、強制的に餌を与える。細いチューブを胃袋まで通し、1日3回、トウモロコシを無理矢理詰め込み、食べさせる。これは、人手で行っている。こうして飼育したガチョウの肝臓は異常に肥大する。ガチョウの体重が12~15kgになる頃には、肝臓だけで500~600gと、正常な肝臓の10倍にもなる。
 フォアグラは、その約6割が脂肪。とろけるような舌触りと、凝縮されたまろやかな深い味わいが特徴。

◎フォンデュ(fondue)(1996年7月9日)
 スイスの鍋料理。白ワインにチーズを溶かし、串に刺した角切りのパンをつけて食べるチーズフォンデュと、フォークに刺した角切りの牛肉を鍋に入った油で揚げて食べるオイルフォンデュがある。

◎フリッター(fritter)(1996年7月9日)
 小麦粉、卵黄を牛乳で溶き、泡立てた卵白を加えて作った衣に、野菜や魚をつけて、油で揚げた料理。

◎もんじゃ焼き(1999年7月9日)
 「文字焼き」がなまって「もんじゃ焼き」になったという説が有力。寺子屋のあった時代に、鉄板の上で先生が文字を書きながら子供たちに教えたといわれている。

◎湯葉(1996年7月9日)
 豆乳を静かに煮ながら表面にできた膜を取り出して乾燥したもの。

◎ヨーグルト(yoghurt)(1997年2月9日)
 濃縮した牛乳などに乳酸菌を加え、乳酸発酵させた糊状または液状の乳製品。厚生省令では「発酵乳」と分類されています。

 



inserted by FC2 system