マグロの話
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更新日:
 2018年9月8日


◎鮪(2018年9月8日)
 マグロ(鮪)は、サバ科マグロ属(学名:Thunnus)に分類される硬骨魚類の総称です。暖海性で外洋性、回遊性の大型肉食魚で、日本を始めとする世界各地で重要な食用魚として漁獲されています。
 「マグロ」の語源は、目が大きく黒い魚であること(目黒)から転じて「まぐろ」になったという説があるそうです。他にも保存する事が困難とされたため、常温に出しておくとすぐに黒くなってしまう為、まっくろ→まくろ→まぐろ、となったとするという説もあるようです。
 現在、日本の市場に出回る主なマグロは高級品のクロマグロ2種、ミナミマグロ、メバチマグロ、キハダマグロ、ビンナガマグロ、コシナガマグロの7種類です。
 クロマグロにはクロマグロとタイセイヨウクロマグロの2種類があり、いずれも「本まぐろ」と呼ばれます。マグロの最大種で、体長4メートル、体重600kgになり、時速80~90キロの高速で長距離を回遊しています。若齢魚は「めじ」や「よこわ」と呼ばれ、主に刺し身で食べます。
 人との関わりは古く、紀元前7千年には地中海で、日本では縄文時代から利用していたとされています。現在、外国の漁獲の多くは日本向けに輸出されています。1970年以降は乱獲が指摘され、漁獲制限や人工種苗の開発が試されています。日本での旬は、脂肪をため込む冬です。腹身のトロは最高級のすしだねとなります。
 ミナミマグロは南半球の中緯度を回遊するため、脂がのる「旬」は日本では春から夏です。インドマグロとも呼ばれ、成魚の体長はおよそ2メートル、体重150 kgと、クロマグロに次ぐ大きさです。1980年代には缶詰にも用いられていましたが、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種とされるなど乱獲が指摘されています。日本を含む主要な漁獲国は「みなみまぐろ保存委員会」を作って漁獲量を制限しており、資源は回復しつつあり、現在は世界で獲れるほぼ全てが日本で刺し身や寿司になっています。強い旨味と酸味がある高級魚で、今では「脂のある部分」と同義の「大トロ」という言葉も、本来はこのミナミマグロとクロマグロにのみ使われていました。
 メバチマグロは熱帯、温帯域に広く分布しています。体の割に頭部と目玉が大きく、ずんぐりとした体形で重さ200kgになる大物もいるが、体長1メートル、重さ100kg程度のものが多い。世界の漁獲量はマグロ類の中でキハダに次いで多く、刺し身用として出回るマグロの中では一番多い。まき網でとる小型のものは缶詰などになります。近年では人工の集魚装置(FAD)が普及して、大型巻き網漁船によって子供のメバチが大量に漁獲され、資源の減少が心配されています。生は高級で特に秋にとれ始める三陸ものは高値がつきます。赤身が多く、中トロもとれます。身は鮮やかな赤で酸味が穏やかで脂の甘みや旨味も強い。
 キハダマグロは成長とともに第2背ビレと尻ビレが伸び、鮮やかな黄色になります。胸ビレも長く、大きなものは全長2メートル、体重200kgほどになります。世界中の温帯から熱帯に広く分布しています。全世界の漁獲量の9割がまき網によるもので、主に缶詰の原料になります。はえ縄で漁獲されるものも、1970年代半ばまでは加工品の原料でしたが、急速冷凍設備の普及で刺し身や寿司だねに用いられるようになりました。淡い紅色をした肉はマグロ類の中でも脂肪が少ない。特に名古屋から西の地域で好まれ、赤身は春から夏がさっぱりとして美味とされています。
 ビンナガマグロは体長1メートル前後の小型のマグロです。胸ビレが非常に長いのが特徴で、これをもみあげに見立ててついた名が「鬢長(びんちょう)」です。「トンボ」と呼ぶ地域もある。世界中の熱帯、温帯域に広く生息しています。淡いピンク色の身は、シーチキンやホワイトミートの名称でカツオやキハダより高級な缶詰の材料となっています。火を通しても柔らかいので、から揚げ、ムニエルなどにして食べられています。日本では回転寿司が急増した1970年代から、全国的に寿司だねとして使われるようになっています。脂ののった腹身の部分は「ビントロ」と呼ばれ、甘みが強く酸味はほとんどありません。
 コシナガマグロは他のマグロと比べて体が細く、特に尾部が長いことから、この名がつけられました。日本からオーストラリアまでの西太平洋やインド洋に分布しています。マグロの中で最も小さく、漁獲されるのは50cmほどのものです。腹部には白い斑点があるのが特徴です。日本では主な漁業対象ではないため流通量が少ないですが、カツオのとれない九州北部や山陰では秋の風物詩的な存在となっています。ほとんどが赤身で、さっぱりした味わいで、刺し身や焼き物で食べられます。オーストラリアではステーキやフライ、インドネシアではカレーの具やソテーに利用されています。




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