ビリヤニ、ビリヤーニー

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更新日:
 2008年1月24日



◎ビリヤニ、ビリヤーニー、Biryani、biriani、beriani(2015年11月15日)
 ビリヤニ、ビリヤーニー(Biryani,birianiもしくはberiani)とは、スパイスと米(通常、バスマティ米)、肉、魚、卵や野菜などで作る米料理の一種です。名前の由来は、ペルシア語で「炒めた」や「焼いた」を意味する「beryā(n)」とされています。
 ビリヤニはもともと、ムガル帝国時代に発達した宮廷料理です。イラン(ペルシア)に起源を持ち、南アジア地域にはイスラームの浸透と共に伝えられたとされています。現在、一般的に知られているビリヤニは、ムガル帝国期のインド、パキスタンで発展を遂げた料理です。地域によって幾つかの変種があり、南アジアだけでなく東南アジアやアラビア、欧米の南アジア人社会でも一般的に作られ、食べられています。
 正式なビリヤニは、複雑な手順に沿って作られる手の込んだ料理で、インドでは結婚式や誕生日などのおめでたい日に振る舞われるハレの料理だそうです。ビリヤニは地域によって特色がありますが、インド中西部のハイデラバード、北東部のラクナウが有名です。
 ビリヤニの定義は難しいようですが、①香り米「バスマティライス」を使用する、②茹でた米を湯切りしてパラパラの食感にする(フライパンで炒めたりしない)、③マサラと米を重ねて層を作ってから蒸す、④隠し味に香り高いハーブを使用する、などが特徴として挙げられます。
 ビリヤニに使用するバスマティライスは細長く、とてもデリケートな米であるため、形を壊さないように調理する必要があります。2時間ほど水に浸けたバスマティライスを沸騰したお湯でローリエと一緒にパスタのように茹でます。茹でた後は、湯切りをして水気を飛ばします。水気を飛ばすことで米がベチャベチャにならず、ビリヤニ特有のパラパラとした食感になります。
 マサラとは、チキンや野菜などの具材とスパイスを混ぜ合わせたもので、日本でいうカレーの1種のようなものです。鍋の中にマサラと米を交互に入れ、重ねていき、何層にも重ねた後、ピッタリと蓋をして蒸し上げます。これはインドで「ダム」と呼ばれる伝統的な蒸し料理のスタイルで、これによって、柔らかでふっくらとした仕上がりになります。混ぜ合わさず、交互に重ねることで細長い米を壊さずに色鮮やかな美しい仕上がりになるそうです。
 香りの高いフレッシュミントやサフランのほか、花から抽出された「ケオラ・ウォーター」と呼ばれるエッセンス水を蒸す直前にかけることで、エキゾチックな香りを演出してくれます。
 ビリヤニがインドに伝播したルートは、いくつかあったと考えられていますが、最も重要なルートは中東地域に起源を持つムガル帝国のインドへの東進とされています。その後、東南アジア地域にはインドから、もしくはイランから直接伝わったと考えられています。
 この様なビリヤニの起源と伝播については、2つの証拠が挙げられています。1つ目は、その名前で、インドを中心に用いられている「ビリヤニ(Biryani)」という名称は、ペルシア語でこの料理を指す「beriani」が転訛したものとされています。なお、イランでは「dam pokht」や「dam-pokhtak」という名前も「beriani」と同じ料理を示す名称として使用されているようですが、これは東南アジアで使用されている「danpauk」の名前の由来とされています。
 2つめの証拠としては、「ダム」と呼ばれるビリヤニの調理法です。ダム調理は、ムガル帝国期にアワディ(ラクナウ)で宮廷文化の成熟とともに完成された調理法であり、その起源は中東にあります。このことは、ビリヤニが中東から伝えられたことを示していると考えられています。





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