シジミ、蜆、しじみ
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更新日:
 2020年4月25日







◎シジミ(2020年4月25日)
 シジミ(蜆)は、二枚貝綱異歯亜綱シジミ科(Cyrenidae)に分類される二枚貝の総称です。淡水域や汽水域に生息する小型の二枚貝です。琵琶湖のようなきれいな淡水湖や河口の浅瀬にいる小さな貝です。
 シジミという読み方の語源には諸説あるそうです。1つには、貝殻の表面にある多数の「シワ」に起因するという説があります。シワをよく見ると「縮んでいる」ように見えます。この「チヂム」が訛って「シジム」になり「シジミ」になったという説です。
 また、「蜆」が「虫」偏であるのは不思議です。「虫」を辞書で調べると「小さな生き物」の意味があります。また「見」には、「現れる」の意味があります。つまり、浅瀬に姿を現した小さな貝が「蜆」と呼ばれたのではないでしょうか。
 日本の本土に生息する在来種は、汽水性のヤマトシジミと淡水性のマシジミ、セタシジミの計3種が生息しています。マシジミは湖や川に、ヤマトシジミは河口に、セタシジミは琵琶湖水系に分布しており、いずれも食用となります。貝殻は丸みを帯びた三角形で、表面に輪状の成長脈を持っており、殻表は多くは黒褐色です。大きさは何れも2~3cm程度です。
 全国のしじみ漁獲量は、島根県が長年1位を守り続けてきましたが、近年は宍道湖のしじみの資源減少の影響で青森県に抜かれています。島根県の漁獲量は、全国のしじみ漁獲量の3割以上を占めているそうです。宍戸湖は島根県東北部の松江市、出雲市に跨る湖で、周囲約47km、面積約79平方km、平均水深4.5mの汽水湖で全国で7番目に大きな汽水湖です。汽水湖とは淡水(真水)と海水が混じり合った湖で、宍道湖は斐伊川から流れる淡水と日本海より境水道、中海を経て流れ込む海水が混じっています。淡水と海水が混じる事で塩分濃度は0.3~1.0%程度となり、海水の3.3%と比べて10分の1から3分の1程度になります。この宍道湖で獲れたヤマトシジミは、粒が大きく身が柔らかいのが特徴です。
 市場に出回るシジミのうち、最も一般的なものは塩分濃度が1.5%以下(海水は約3.5%)の水域で採れるヤマトシジミです。有名な産地は青森県の十三湖と小川原湖、宮城県の北上川、茨城県の涸沼川や利根川、島根県の宍道湖などで、宍道湖のものは種苗として全国に供給もされています。
 食味ではセタシジミがもっとも美味とされ、次いで汽水産のヤマトシジミ、マシジミが美味しいとされているそうです。
 1980年代以降は中華人民共和国、大韓民国、ロシアなどからタイワンシジミ類(Corbicula fluminea)が輸入され、日本国内産よりも比較的廉価に販売されていまする。また、これらは外見だけでは日本国内産との識別が難しく、種の特定も困難なため、産地偽装なども多いそうです。
 宍道湖周辺では、冬は味噌汁仕立てで、夏はすまし汁風にして食べられていたそうです。出雲地方では、「シジミは水からヒトクラ、アカガエ(赤貝)はオモせ」という言葉が伝えられているそうです。「ヒトクラ」とは「一瞬煮立たせること」、「オモせ」とは「から蒸し」のことで、「シジミは煮すぎるな」という教えだそうです。




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