ポルケッタ
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更新日:
 2019年3月31日



◎ポルケッタ(Porchetta)
 「ポルケッタ(Porchetta)」はイタリア語で「豚の丸焼き」という意味だそうです。その名の通り、豚をローストした料理(いわゆる「ロースト・ポーク」)です。イタリア全土で有名な料理ですが、特に中央イタリアのラツィオ州(Lazio)ローマ県(Province of Rome)アリッチャ(Ariccia)や、ウンブリア州(Umbria)、ヴェネツィア(Venezia)の名物理として有名です。今から2000年以上前の古代ローマの頃から食べられていたようで、皇帝ネロのお気に入りの食事だったとされているそうです。
 ラツィオ州、ウンブリア州、サルデーニャ州などでは厚めに輪切りにして食べたり、パニーニにするなどして食べられていますが、それ以外の地域ではお祝いの料理として食べられているようです。最近では総菜屋さんでも販売され、気軽に食べられるようになっているようです。
 アリッチャではイタリアの中で唯一、ポルケッタに「Porchetta di Ariccia IGP(ポルケッタ・ディ・アリッチャ アイ・ジー・ピー(イタリア語では「イ・ジ・ピ」))という認定制度を設けています。IGP(Indicazione Geografica Protetta、保護地理表示)とは、定められた地域原産品を定められた製法・地域で生産、または加工、または調整されたものです。イタリアの法律で、厳しく細かい規定とともに定められています。
 Porchetta di Ariccia IGPでは、使われるのはメスの豚のみと規定されています。これは、メスの方が脂肪が少ないため、肉と脂肪のバランスが良く旨みがあり、ポルケッタ作りに適しているからだそうです。内臓を取り除き、血抜きをしてきれいに掃除された豚を縦に開いた状態で塩を振って揉み込み、黒胡椒、ローズマリー、ニンニクをまんべんなくかけます。これも味付けは、この4種類のみと規定されています。味付けが終わった豚の口からお尻まで串刺しにするように金属製のポールに縛り付け、「豚が立っている時のそのままの姿」にして、4時間ほどかけてじっくりと窯で焼きます。焼いている間と、その後の冷ましつつ休ませている間に余分な脂が全て落ち、元の体重の半分にまで重さが減ります。豚の丸焼きと聞くと脂が重くてずっしり胃に残りそうなイメージですが、この工程を経ているためか意外とパクパク食べられ、胃がもたれません。また、じっくり焼いたおかげで皮もパリパリで、ほどよい塩気と香草の香りがついた肉とのバランスが絶妙な料理に仕上がっています。
 地方によって使われる香草や、呼び名(サルデーニャ州では「porceddu(ポルチェッドゥ)」など)が変わります。また、豚丸ごと1頭でなく、豚バラ肉を丸めて調理したチャーシューのようなものなど、大きさにも色々、あります。
 ポルケッタは20世紀初頭のイタリアからの移民、特にアブルッツォ州(Abruzzo)の移民によってアメリカ合衆国に持ち込まれました。アメリカでは「イタリアン・プルドポーク(Italian pulled pork)」、「ローストポーク(roast pork)」、または「イタリアン・ローストポーク(Italian roast pork)」と呼ばれることもあります。またサンドイッチにして食べられることも多いようです。







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