ロゼッタ、ロゼッテ
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更新日:
 2019年3月31日



◎ロゼッタ(Rosetta)、ロゼッテ(Rosette)
 「ロゼッタ(Rosetta)」はイタリアのローマが発祥の地とされるパンです。「ローマのパンといえばロゼッタ」と言われるくらい、街のどこのパン屋に行っても、当たり前のように売っていたそうです。ただし、ロゼッタが流行したのは1970年代だそうです。ミラノにも同じような形の「ミケッタ(Michetta)」というパンがあり、それがローマでは「ロゼッタ」と言う名前で広がったようです。1980年代にはローマのパン職人の間で、ロゼッタを焼くコンクールが開かれるほど人気があったそうですが、現在では、それほどの人気ではないようです。
 ロゼッタ人気が下火になったのは、2000年代初め頃だそうです。「材料は簡単なのに、作業は複雑で、焼くのに長い時間がかかるため、割に合わなくなったのだそうです。そのため、パン職人はだんだん手間のかかるロゼッタを作らなくなっていったそうです。
 実際、ロゼッタ作りは非常に手間がかかるようです。小麦粉と水、酵母を混ぜた生地をこねます。生地は何層にも重ね合わせ、丸くまとめてから1時間半寝かせます。それを小さく切り分け、さらに30〜40分寝かせて、ようやく生地が完成だそうです。この生地を円盤状に伸ばして六角形に切り分けます。その六角形の生地に亀の甲のような型をスタンプします。現在では切り分ける装置、型を推す手動の装置があるそうですが、それでも手間がかかります。この生地を焼く前に30分、寝かせ、その後、270度のオーブンに入れて10分ほど焼くと、バラのような形にふくらみます。ただし、ロゼッタの焼け具合を確認するために不用意にオーブンの戸を開けると、一気にしぼんでしまい、失敗作になってしまうそうです。また、完成しても、パンを取り出す前に、オーブンのスリットを開けて蒸気を逃がさないといけないなど、色々な手間があるのだそうです。
 ここまでやっても、焼き上がりの形が良くないロゼッタは店頭には並べられないのだそうです。型がしっかり押されていないと、きれいにふくらまないのだそうです。単価が安い割には、とんでもない労力と手間がかかる上、1回に焼ける量も限られているので「割に合わない」というのが実情だそうです。
 ロゼッタはローマで最も人気のあった安いパンの代表だったようですが、質の悪い生地で作られるようになり、売れ行きが落ちていったそうです。1990年代に入って客の購買力が上がり、もっと高級なパンが求められるようになったことも、ロゼッタ人気が陰っていった原因の1つでもあったようです。
 ちなみに「ロゼッタ」は単数形、複数形が「ロゼッテ(rosette)」です。「ロゼッタ」とはイタリア語で「小さな薔薇」を意味するそうです。このパンは、専用の押し型を使って作られるのですが、パッと見た感じは亀の甲羅のような形でこぶし大の大きさです。真ん中に丸い突起があり、甲羅のような模様がバラの花びらのように見えます。この薔薇のような見た目から「ロゼッタ(Rosetta)」という名前になったと言われています。
 味はさっぱりしていて中は空洞、皮がパリッと香ばしいのが特徴です。ロゼッタは横に切り込みを入れて、空洞の部分にチーズや生ハム(プロシュット)、モルタデッラ(mortadella、イタリアのソーセージ)などをはさみ、パニーノ(Panino)にするのが一般的だそうです。あるいは料理に添えて、料理と一緒に食べるのだそうです。オリーブオイルに浸して食べると小麦の味をしっかりと味わうことができるそうです。





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