お茶の効果

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更新日:
 2010年1月24日



◎緑茶で生活習慣病の予防?実証実験に茶所・掛川の市民協力(2009年1月17日、読売新聞)
 静岡県掛川市が17日、特産の緑茶に糖尿病などの生活習慣病を予防する効果があるか調べる実証試験を始めた。
 掛川産緑茶の粉末を12週間にわたって市民に摂取してもらい、予防効果の確認を目指す。行政が主体となる茶の疫学研究は全国的にも珍しいという。
 実証試験を実施するのは、市幹部や研究者などでつくる市緑茶活用予防医学研究協議会(会長・戸塚進也市長)。市立総合病院内にある緑茶医療研究センターのセンター長を務める鮫島庸一副院長が、研究代表者として試験を指揮する。
 同センターは2005年10月に設立され、掛川特産の緑茶を健康づくりに活用する研究に取り組んでいる。これまで、緑茶がC型慢性肝炎に有効という研究結果を発表している。
 今回の試験では、市民から募った被験者60人を2グループに分け、一方には緑茶粉末を1日約6グラム、カプセルに入れて飲んでもらう。もう一方には、偽物の粉末を入れたカプセルを飲んでもらう。
 これを12週間続け、開始日と6週間後、試験終了日(12週間後)の3回、血液検査などを行って、肝臓や腎臓の機能、糖代謝など38項目をチェックする。
 被験者にはどちらのグループに属しているか知らせず、分析担当者にも検体がどちらのグループのものか分からないようにして、試験の信頼性を高める。
 被験者が試験中、毎日カプセルを飲み、いつも飲んでいるお茶やコーヒーなどを絶たつことも重要で、市保健予防課の職員が被験者に電話をかけて確認することにしている。
 市は被験者を市広報で募集し、書類審査で100人が選ばれた。うち50人の健康状態を調べる予備検査が17日、市徳育保健センターで行われた。残る50人の予備検査の結果を合わせ被験者を60人に絞り込む。
 予防効果が表れやすいように、糖尿病やメタボリックシンドロームの人、その予備軍を選ぶという。
 鮫島副院長は「掛川市の平均寿命は男女とも全国平均より長く、老人医療費が低くおさえられているのは、お茶が寄与していると考えられる。今回の試験でデータが得られれば、医療費の削減につながり、日本の医療を変えることになる」と話している。

◎茶どころほど低い、住民のがん死亡率(1996年7月9日、朝日新聞)
 お茶をたくさん飲む人は、がんになりにくいという緑茶の効果が、最近の研究で明らかになってきた。
 茶の生産地である静岡県は、がんによる死亡率が全国平均より低い。小国伊太郎・静岡県立大短大部教授(食品科学)は、これに着目、県内の市町村ごとに、茶の生産量と、がんの死亡率を調べたところ、生産量が多い地域ほど死亡率が低い傾向があった。
 中でも茶どころとして知られる大井川流域の中川根町は、胃がんでの死亡率が、男性で全国平均の5分の1、女性でも3分の1以下だった。
 緑茶を飲む習慣でも、同町周辺の住民は、「食事以外の時もたびたびお茶を飲む」割合が七、八割にのぼり、他の地域に比べ、よくお茶を飲んでいることが分かった。お茶をいれる時は、葉を頻繁に取り換え、少し濃いめにする人が多かった。
 がん予防に効果があると見られるのは、緑茶の渋味の成分であるカテキン。動物実験でも、カテキンを与えると、がんの増殖が抑えられた。
 なぜ有効なのかは、よく分かっていないが、発がんにかかわる活性酸素と呼ばれる物質を取り除くためではないかとも見られている。
 胃がんの引き金になるとされる細菌ヘリコバクター・ピロリに対しても抗菌作用がある。浜松医療センター消化器科の山田正美医長によると、試験管内の実験では、カテキンで菌の増殖が抑えられた。
 さらに、ピロリ菌に感染した34人が、カテキンのカプセルを1か月服用した結果、6人は菌の反応が見られなくなり、残りの人の半数でも菌の活動が弱くなる傾向があった。
 それでは、緑茶はどのくらい飲めばいいのだろうか。茶どころの住民は、1日10〜15杯も飲むといい、10杯以上飲む人にがんが少ない、との研究もある。
 しかし、だれもが、それほど多くは飲めない。小国教授は「すし店で使うような大きめの湯のみで、1日3、4杯飲んでみては」と勧める。
 おいしい飲み方は、きゅうすに1人あたり大さじ1杯弱の葉を入れ、70〜80度の湯を注いで1分間から1分半くらい待つ。水道水は2分間ほど沸騰させ、塩素を除いておくとさらに良い。
 ただ、緑茶に含まれるカフェインで、頭痛がしたり、気分が悪くなったりする人もいる。40〜50度のぬるめの湯で2、3分間いれると、うま味成分のテアニンが多く出て、カフェインの働きが抑えられるうえ、味わいも深まる。
 出がらしではカテキンの含有量が少なく、葉はそのつど換えた方が良い。市販の缶入り緑茶飲料は、家庭でいれる濃いめのお茶に比べ、カテキン濃度は半分程度という。
 緑茶には、このほかに虫歯を予防する効果があり、子供の時から食後に飲む習慣をつけると良いと言われる。
 

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