HIVのお話

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更新日:
 2009年1月2日





◎エイズ(1996年12月19日)
 エイズの原因となるウイルスは、HIV(Human Immunodeficiency Virus:ヒト免疫不全ウイルス)と呼ばれています。HIVはヒトに感染すると、主としてヒトの免疫機能(外部からの病原体の感染を防ぐ体の働き)を担っているリンパ球の中に入り込み、これを破壊します。このため、病原体に対する体の抵抗力が低下し、健康なときには排除されていたウイルス、細菌、カビなどが体の中で増殖し、害を及ぼすのがエイズ(Acquired Immuno Deficiency Syndrome:後天性免疫不全症候群)です。

◎エイズワクチン(1995年8月13日、朝日新聞)
 エイズウイルス(HIV)の遺伝子の一部を、結核予防用ワクチンのBCGに組み込んだエイズワクチンを国立予防衛生研究所と味の素が作り、HIVの感染予防に有効なことをサルの実験で確認した。エイズ治療薬にもつながると期待されており、臨床試験の前段階の安全性試験に入る予定。
 BCGは、ほとんど無毒化した牛型結核菌で、免疫を高める働きがあり、これまでの実績から安全性が確かめられている。HIVの外皮タンパク質の内、免疫反応のカギになる部分をつくる遺伝子をBCGのタンパク質の遺伝子に組み込んだ。
 一方、HIVはサルには感染しないため、サルの免疫不全ウイルス(SIV)の外皮タンパク質をHIVのものに換えた。1994年8月、ワクチンを2匹のカニクイザルに接種。今年5月、この2匹とワクチンを接種していない2匹にウイルスを注射した。ワクチンを打ったサルの内1匹は10週間経ってもリンパ節ははれず、ウイルスも見つからなかった。もう1匹は4週間頃からウイルスがわずかながら見つかるようになったが、リンパ節ははれなかった。ワクチンを打たなかった2匹は2週間ほどでリンパ節がはれ、血液中からウイルスも検出した。

◎牛乳のタンパクがHIV感染を防ぐ(1996年1月31日、朝日新聞)
 牛乳に含まれる特殊なタンパクにエイズウィルス(HIV)の感染を防ぐ効・があると、アメリカニューヨーク血液センターのロバート・ニューラス博士らが医学誌「ネイチャー・メディシン」2月号に発表した。研究はまだ試験管の段階だが、抗エイズ薬などと組み合わせて、コンドームに代わる異性間感染の防止薬を開発する手がかりになると話している。
 博士らは、HIVが人のリンパ細胞に感染する時に、CD4と呼ばれるタンパクと結合することに着目。感染を防ぐため、HIVとCD4の結合を邪魔する物質を探していた。
 牛乳からチーズを作る際に残る「乳しょう」と呼ばれる液体中のタンパクB69がCD4と結合しやすいことを突き止めた。試験管内でリンパ細胞にB69を加え、何も加えないリンパ細胞と比べたら、50〜90%の割合で感染を防ぐことが分かったという。



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