A型肝炎のお話

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更新日:
 2008年6月28日





◎A型肝炎:Hepatitis A
 発展途上地域で感染する急性肝炎の原因として最も重要なもので、感染リスクは年間数%と推定される。肝炎症状を呈する場合、4類感染症に該当する。

・一般的予防法
 ウィルスを経口摂取することで感染する。飲食、特に水や魚介類に対する注意が重要である。

・早期診断・早期治療
 特別な治療法はないが、自然に治癒する。安静、禁酒、食餌療法など(ウィルスに対する特別な治療法はない)。

・症状
 急性肝炎。1ヶ月前後の潜伏期を経た後、感冒様症状と黄疸が出現する。肝機能が正常化するまでに約2ヶ月を要する。劇症化することはまれ。慢性化することは無い。

・予防接種
 不活化ワクチンによる予防が有効である。発展途上国に長期滞在する場合、ワクチン接種が望まれる。

・A型肝炎ウィルス:HA virus
 エンテロウィルスの1種で、しばしば水系汚染が問題となる。
 小さなウィルスで、ろ過処理による除去効率が悪い。
 少数のウィルスを接種することで感染が成立する。
 ウィルスは感染者の糞便中に排出されるが、患者を隔離することは無意味と思われる。
 潜伏期〜感染早期に大量のウィルスが排出される。発病後ウィルス排出は減少する。
 不顕性感染(肝炎症状を示すことなく、ウィルスを排出する)も多い。

・流行状況
 海外で感染する急性肝炎の原因として最も重要なものである。熱帯〜亜熱帯では普通にみられる。温帯地方では秋〜冬に発生件数が増えるが、熱帯地方では年間を通じて発生する。農村部、都市の人口過密地帯、軍キャンプ、衛生環境の悪い施設などは特に高リスク。


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