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 2013年3月7日








◎独首相、ギリシャ首相に財政緊縮策の実行求める(2012年8月24日、読売新聞)
 ドイツのメルケル首相とギリシャのサマラス首相の会談が24日、ベルリンで行われ、債務危機に陥るギリシャの救済策を話し合った。
 メルケル首相は会談後の共同記者会見で、「ギリシャがユーロ圏にとどまることを望む」と改めて強調した上で、「約束は実行されねばならない」と述べ、サマラス首相に財政緊縮策を確実に進めるよう求めたことを明らかにした。
 サマラス首相は、「ギリシャには(経済)成長が不可欠で、そのために時間も必要だ。新たな援助を要求しているのではなく、(成長のために)一息つくことが必要だ」と述べ、緊縮策の実施期限延長を求めたことを示唆した。
 ただ、両首相とも、「(ギリシャの財政状況を調べる欧州委員会などの)調査団の結論を待ちたい」とも述べ、今後の対応に含みを残した。

◎ギリシャ失業率さらに悪化、若年層は51.5%、4月(2012年7月13日、朝日新聞)
 ギリシャ統計局が12日に発表した4月の失業率(季節調整値)は22.5%で、3月の22.0%より悪化した。昨年4月は16.2%で、経済の落ち込みは明らかだ。15歳から24歳の若年層は、51.5%が失業しているという。

◎年金生活者また自殺「孫たちにはギリシャで生まれてほしくない」(2012年6月2日、産経新聞)
 深刻な財政危機にあるギリシャで先月30日、経済的に困窮した年金生活者の男性(61)が「孫たちにはギリシャで生まれてほしくない」との遺書を書いて、公園で首つり自殺をしているのが見つかった。ギリシャでは5人に1人が失業状態で、将来を悲観した自殺がこのところ急増している。
 現地からの報道によると、男性は2人の子供を持つ電気工。遺書は同29日付で「酒や麻薬に手を出したことはなく、毎日一生懸命働いてきた。唯一犯した罪は、40歳のときに仕事を独立して借金漬けになったことだ」などと書かれていた。
 世界でも自殺率が低いとされてきた同国だが、4月にアテネの広場で77歳の年金生活者の男性が拳銃自殺するなど増加が目立っている。

◎ギリシャ移民排斥デモ、警官隊と衝突、極右政党で過激化(2012年5月23日、朝日新聞)
 ギリシャ西部パトラで22日、不法移民反対のデモが極右政党によって過激化し、警官隊と衝突した。
 AP通信などによると、現地では19日、住民の男性(30)が刺殺される事件が起きた。容疑者として逮捕されたのは、アフガニスタン出身の不法移民の少年(17)だった。このため数百人の地元住民が、不法移民が身を寄せている工場跡近くでデモをしていた。これに加わった極右政党「黄金の夜明け」の支持者が工場を襲おうとして警官隊と衝突。投石を受けた警官隊は催涙ガスで対応し、数人の身柄を拘束したという。

◎報道陣、座り込みで抗議、起立要求のギリシャ極右党首に(2012年5月14日、朝日新聞)
 ギリシャ国会に初めて議席を得た極右政党「黄金の夜明け」のミカロリアコス党首が13日、再選挙回避を模索するパプリアス大統領と会談した。地元メディアによると、党首が入場する際、複数の記者が床に座り込み、同党への抗議の姿勢を示した。
 黄金の夜明けは、総選挙の勝利会見の際、報道陣に党首への敬意を表して起立するよう求め、反論した記者に退場を促すなど摩擦を起こしていた。
 大統領との会談は約15分で終了。会談後、党首は報道陣に対し、大統領に国境警備や不法移民の問題について提議した、と述べた。また「ギリシャは豊かな国なのに、高利貸の犠牲になっている。欧州連合と国際通貨基金はこの国から出ていけ」などと自説を展開したという。

◎1時間3千円で警官派遣、財政難のギリシャ警察(2012年4月10日、読売新聞)
 財政難に苦しむギリシャ警察は、企業など民間の警備業務に警官やパトカーを有料で派遣することを決めた。
 同国メディアが伝えた。
 1時間当たりの派遣料は、警官が30ユーロ(約3200円)、パトカー40ユーロ(約4300円)、警備艇200ユーロ(約2万1000円)、ヘリコプターは1500ユーロ(約16万円)。本来の警察業務に支障がない場合のみ行い、収入は装備品の購入などに充てるという。
 想定する警備対象は、個人警護や貴重品、美術品、危険物輸送など。同国では財政危機で貧困層が増えて治安悪化が目立ち、民間警備ビジネスも盛んだ。警察も需要に便乗した形だが、警察が派遣業に力を入れ過ぎると、治安悪化に拍車をかける恐れもある。

◎ギリシャでジャガイモ産直運動、暴利業者に反発(2012年3月16日、読売新聞)
 財政危機で国民の生活難が続くギリシャで、主要食品のジャガイモの値下げ運動が拡大している。
 農民たちが強力な卸売業者を排除して産地直送販売を行い、消費者価格を下げようと立ち上がったものだ。
 「卸売業者は農民に『イモを勝手に売るなら二度と買い取らないぞ』と言って脅しをかけ、産直をさせないようにして値下げを防いできたんだ……」。値下げ運動に加わる元農民の男性(56)が訴えた。
 ギリシャでは、ジャガイモの卸売りは大手5業者による寡占状態が続いてきたとされる。農民らは、業者が中東や北アフリカ産のイモを国産と偽って格安で売る一方、本物の国産品は安く買ってきたと糾弾する。
 国産のイモは、出荷価格は1キロ約10セント(約11円)強に抑えられているのに店頭価格は約80セント。差額のほとんどは卸売業者のもうけになっているというのだ。
 だが、今年2月、緊縮財政の下であえぐ市民をみかねた識者らの呼びかけに応じて、一部農家が直接販売を始めた。農民らはインターネットなどで注文を集めては販売会を開き、売値は1キロ25〜32セント。消費者にとっては値段が従来の約3分の1に下がる一方、運動に参加した農家も収入はかえって増えたと喜んでいる。

◎ギリシャ:黒覆面団が放火、緊縮策に10万人デモ (2012年2月13日、毎日新聞)
 ギリシャ国会による緊縮策可決に先立ち、アテネ中心街で12日、若者を中心とする黒覆面団が警察と衝突し、映画館や銀行、商店など少なくとも10軒に放火した。放火は、警察官による少年銃撃死をきっかけに起きた08年12月の暴動以来の規模。
 アテネからの報道によると、デモ参加者は10万人に達したという。国会議事堂前の広場では火炎瓶や催涙弾が飛び交い、衝突で警察官50人を含む少なくとも105人がけがをした。
 パパデモス首相は12日、国会で「民主主義国家に暴力、破壊行動の居場所はない」と国民に平静を呼びかけた。また、「緊縮策が通らなければ国は大破局となり、ユーロ圏を出なければならない」と国会議員に対して緊縮策への支持を訴えた。
 地元紙の世論調査などによると、国民の7割が緊縮策に反対しながらも、7割が「第2次支援は必要」と答えている。国民は緊縮策に盛り込まれた最低賃金の引き下げや雇用契約の一部自由化に不満を抱いている。
 国会議事堂前では12日、ナチス占領時代のレジスタンスの英雄、マオリズ・グレゾスさん(89)が「彼ら(EUや国際機関)は我々の反乱理由が分かっていない。思想はないが、とにかく反乱したのだ」と演説し、暴動を支持した。
 アテネで放火されたのは1870年開業のアティコン映画館、ドイツのゲシュタポが拷問室に使った地下のアスティ劇場など。

◎ギリシャが緊縮策可決、抗議デモ6万人、放火も(2012年2月13日、読売新聞)
 ギリシャ議会(定数300)は13日未明(日本時間同日朝)、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)から総額1300億ユーロ(約13兆円)の第2次支援を受ける前提条件となる財政緊縮策と構造改革の関連法案を採決し、賛成199、反対74で可決した。
 同国の「突然の債務不履行(デフォルト)」回避に不可欠な支援の受け入れに向け、大きなハードルを越えた。
 だが、最低賃金の22%削減などが盛り込まれた緊縮策に抗議し、アテネでは採決前の12日夕、6万人以上が国会議事堂前などで抗議デモを行った。デモには過激派も加わり、警官隊に火炎瓶などを投げつけ、市中心部の映画館や銀行、商店など40棟に放火した。警官隊が催涙弾などで応じ、衝突は数時間続いて150人以上が負傷した。多くの商店が略奪の被害にもあった。
 過激派は首都以外でも、北部テッサロニキ、南部クレタ島など各地で警官隊と衝突した。

◎ギリシャ国会、緊縮策承認、市民と警官衝突、70人負傷(2012年2月13日、朝日新聞)
 ギリシャ国会(定数300)は13日未明、EU(欧州連合)などから約1300億ユーロ(約13兆3千億円)の追加支援を受けるための緊縮策を賛成199票の賛成多数で承認した。国会前では、緊縮策に反対する市民が集まり、警官隊と衝突。AP通信によると、市民70人以上が負傷、約40人が拘束された。
 ロイター通信などによると、今回の緊縮策にはEUから求められた3億2500万ユーロ(約332億円)分の歳出削減や、今年中の公的部門の人員1万5千人削減、最低賃金や年金額の引き下げが含まれている。採決では、連立与党から43人が造反した。
 ギリシャは3月20日、国債145億ユーロ(約1兆5千億円)の返済期限を迎えるが、EUなどの追加支援がなければ支払えない。ユーロ圏各国は、追加支援するかどうかの判断を今月15日まで先送りしており、国会承認を一つの条件としていた。

◎ギリシャ:2012年中に公務員1万5000人削減(2012年2月7日、毎日新聞)
 ギリシャからの報道によると、同国政府は6日、ギリシャを金融支援する欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)などの要求を受け入れて、2012年中に公務員1万5000人を削減すると発表した。
 今回の公務員削減は、EUとIMFによる総額約1300億ユーロ(約13兆円)に上る第2次支援の実施条件の一つ。EUなどは民間企業の最低賃金引き下げや、政府の歳出削減による新たな緊縮策なども要求しており、ギリシャの連立与党内の意見調整が続いている。
 ギリシャ政府によると、12年中の公務員削減は主に採算の取れない公社の解体や、その人員削減により実施される見通し。

◎懲役504年の会計士トップ、ギリシャ脱税番付(2012年1月25日、読売新聞)
 ギリシャ政府は、財政危機を招いた原因となった脱税の横行に歯止めをかけようと、15万ユーロ(約1500万円)を超す脱税が判明し、支払いのメドも立たない4152人全員の実名と脱税額の一覧を公表した。
 22日に公表され、同国メディアなどが23日に伝えた。バスケットボールの元スター選手や元閣僚の夫などが含まれる。
 脱税の最高額は、顧客の脱税のために領収書を偽造して懲役計504年の実刑判決を言い渡された会計士の約9億5200万ユーロ(約950億円)。全員の脱税総額は約149億ユーロ(約1兆4900億円)に上るが、脱税者の多くが投獄されたり、破産するなどしており、大半は徴収できそうにない。

◎ギリシャ:土地取引疑惑での聖職者逮捕 社会に動揺広げる(2011年12月31日、毎日新聞)
 08年9月に発覚したギリシャ政府と正教会幹部による数億ユーロ(約数百億円)規模の土地取引疑惑で、ギリシャ正教バトペディ修道院のエフレム修道院長(55)が公金横領などの疑いで逮捕されたことが社会に動揺を広げている。ギリシャではこれまで、聖職者は「不可侵」と考えられてきたためだ。
 ギリシャ控訴審が12月28日、修道院長を逮捕した。司法当局によると、修道院長は08年、中道右派「新民主主義党」政権(当時)幹部と、修道院の安価な土地を高価な国有地と交換する裏取引を謀った疑いがあるという。
 バトペディ修道院は、キリスト教東方正教の聖地で世界遺産のギリシャ北部アトス山に集まる修道院の一つ。

◎ギリシャで24時間ゼネスト、横断幕掲げデモ(2011年12月2日、読売新聞)
 ギリシャの首都アテネで1日、財政緊縮策に反対する24時間ゼネストが行われ、労組関係者らが「貧困と緊縮策に反対」などの横断幕を掲げ、デモ行進した。
 ゼネスト実施は、11月11日のパパデモス政権発足後初めてで、鉄道などの交通機関や、裁判所、学校なども休業した。

◎ギリシャのユーロ加入「誤りだった」、仏大統領(2011年10月29日、読売新聞)
 欧州の財政・金融危機の発端となったギリシャについて、サルコジ仏大統領は27日、地元テレビのインタビューで、ユーロ圏加入を認めたのは「誤りだった」と述べた。
 大統領は、ギリシャは2001年のユーロ圏入りに際し、「間違った(経済統計の)数字を使った。本当は(参加の)準備ができていなかった」と指摘。「決定時、メルケル独首相と私は共に職務についていなかった」と弁明した。
 その上で、26日にユーロ圏首脳が債務削減などのギリシャ救済策を決めたことについて、「ほかに道がなかった」と語り、仏国民に理解を求めた。

◎経済危機ギリシャに見切り? 海外移住説明会に1万人超(2011年10月17日、朝日新聞)
 欧州の債務(借金)危機の震源ギリシャから、海外へと移住する動きが広がっている。地元メディアなどによると、豪州大使館の説明会には、約800人の想定に対して1万5千人が参加を申し込んだ。移住希望者の拡大に、詐欺も増えているという。
 豪州やカナダにはギリシャ系の人たちのコミュニティーがあり、英国や米国と並ぶ人気の移住先だ。豪州大使館は「技能を持つ人なら、どこの人でも受け入れる」との意向。10月に入ってアテネで開いた説明会には医師や技術者、研究者らが集まった。
 北部テッサロニキから来た医師のルコビティスさん(30)は「半世紀前には肉体労働者が海を渡ったけれど、いまは『頭脳』が国を離れる」と地元メディアに話した。「よりよい教育と給与が得られる所で子どもを育てたい。ギリシャには失望した」という。

◎ギリシャでゼネスト、国会前には2万人、緊縮策に抗議(2011年10月6日、朝日新聞)
 欧州の政府債務(借金)問題の発端、ギリシャで5日午前、政府の緊縮策に抗議する労働組合がゼネストに入った。地元警察によると、アテネ中心部の国会前広場には約2万人が集まった。一部の若者らが投石などを繰り返したため、警察は催涙ガスなどを使って強制的に排除した。
 公立病院の医師や公立学校の教師が職場を離れたほか、空港の管制官らが24時間ストを打ち、国際便を含む空の足が止まった。
 ギリシャは2011年、財政赤字が国内総生産(GDP)比で8.5%にのぼる見通し。借金を約束通りに返せなくなるデフォルトを避けるため、支援の融資を受ける欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)から行財政改革の進み具合を点検されている。

◎ギリシャ:公務員3万人を年内に解雇、閣議決定(2011年10月3日、毎日新聞)
 ギリシャ政府は2日、正規雇用の公務員約76万人のうち3万人を今年末までに解雇する法案を閣議決定した。欧州連合(EU)、欧州中央銀行(ECB)、国際通貨基金(IMF)のギリシャ支援調査団が29日からアテネ入りしており、決定は調査団の訪問に後押しされた形だ。
 解雇は定年の近い人員が対象という。ギリシャでは90年代以降、政治家が支援者に公務員ポストを与え続け、一時雇用も含めると公務員が全労働者の2割を占める。03年のECB調査によると、主要23カ国の中でギリシャ公務員の労働生産性は最低だった。
 IMFは昨年来、ギリシャの公務員人件費の多さを問題視し、公務員数の削減を求めてきたが、組合の抵抗などからギリシャ政府は拒否してきた。

◎不況や増税で生活苦、ギリシャで自殺倍増(2011年9月22日、読売新聞)
 財政危機に陥ったギリシャで、不況や増税による生活苦などから自殺者が急増、10万人あたりの自殺者数が年間6人に達し、危機が始まる2年前と比べて倍になった。
 同国政府の調査などをもとに、20日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)が伝えた。
 10万人あたりの自殺者数が年10人を超す米国よりは低いものの、ギリシャはこれまで、自殺率が少ない国として知られていた。今年1〜5月の自殺者数は昨年同期比で約4割も増えているという。
 同国で自殺阻止に取り組む慈善団体にかかる電話相談件数は、従来1日あたり最大10件だったが、最近は100件に上る日もある。仕事を失い、生活に行き詰まった35〜60歳の男性の相談が目立つという。不況に加え、財政赤字削減のための増税や公務員数削減などが進められ、失業率は16%を超えている。

◎ギリシャ、新たな赤字削減策、失業率16%、国民は反発(2011年9月22日、朝日新聞)
 ギリシャ政府は21日、新たな財政赤字削減策を発表した。AP通信などによると、レイオフ対象の国家公務員を2万人から3万人に増やし、月額1200ユーロ(約13万円)以上の年金は受給額を2割減らす。また所得税非課税の限度額を年8千ユーロから年5千ユーロに引き下げる、などの内容だ。
 ギリシャ政府は80億ユーロ(約8400億円)の追加融資に向けて、来週はじめから欧州委員会、国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)の代表と協議を再開する。
 だが緊縮財政によってギリシャの景気は冷え込み、失業率は16%に達している。新たな緊縮策への国民の反感は強く、この日もアテネ中心部のシンタグマ広場では市民の抗議が続いた。
 大手労組が10月5日と19日にゼネストを呼びかけているほか、公共交通機関の労働者が今月22日に、空港管制官が25日に、それぞれ終日のストを計画している。

◎ギリシャ財政支援に暗雲、首相の大連立策が不調(2011年6月16日、読売新聞)
 財政危機に直面するギリシャで、2015年までに約280億ユーロ(約3兆2500億円)の赤字削減を目指す緊縮政策を巡って政局が混迷。
 パパンドレウ首相は15日、自らの辞任と引き換えに最大野党に大連立を持ちかけたが不調に終わった。緊縮策は欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)による支援の前提となるもので、議会通過に失敗すれば欧州の新たな金融危機に発展する可能性もある。
 与党・全ギリシャ社会主義運動を率いるパパンドレウ首相は15日、中道右派の最大野党との連立交渉に失敗した後テレビ演説し、16日に内閣を改造して近く議会で信任投票を行うと表明したが、緊縮策の実現につながるかは不透明だ。

◎ギリシャ、内閣改造へ、大連立失敗で財政危機再燃の恐れ(2011年6月16日、朝日新聞)
 財政危機に陥っているギリシャのパパンドレウ首相は15日夜、アテネでテレビ演説し、追加の財政緊縮法案を成立させるため模索した野党との「大連立構想」が、不調に終わったと表明した。緊縮策の実施は欧州連合(EU)が支援の前提としており、政局の混乱でギリシャ発の危機が再燃するおそれがある。
 政府筋によると、首相は自らの辞任を申し出たうえで、野党からの首相選出を前提とした大連立構想を提案。だが野党側は、EUによる支援の枠組みを最初から交渉し直すことを条件としたため、話し合いは決裂した。
 首相は演説で「引き続き(財政緊縮の)路線を続ける」と強調したうえで、内閣改造を打ち出し、国会で新内閣の信任投票を実施すると述べた。首相が率いる与党は国会(定数300)で過半数の155議席を確保しているが、緊縮法案に公然と反対している閣僚もいる。内閣改造には、党内の反対派を排除したうえで求心力を高め、今月末の国会審議を乗り切るねらいがある。

◎死者に年金支給、ギリシャでも、4500人も(2011年6月8日、読売新聞)
 財政危機のギリシャで、死亡した公務員約4500人に年金支給が続けられ、その額が年間1600万ユーロ(約19億円)を上回ることが、政府の調査で判明した。
 さらに100歳以上で年金を受給している人が約9000人おり、政府は生存確認に乗り出した。ロイター通信が6日、ギリシャ紙タネアの報道として伝えた。
 日本では昨年、住民登録上は「100歳以上」の高齢者が所在不明であることが各地で発覚し、亡くなった高齢者の年金を遺族が不正受給していたケースが相次いで明らかになった。政府の年金管理が甘いといわれるギリシャでも、死亡届を出さず年金を受け取り続ける不正が横行している可能性がある。

◎ギリシャ:トラック運転手が議会包囲、既得権益奪われ(2010年9月22日、毎日新聞)
 既得権者が政府の許認可を独占してきた業界を開放しようとするギリシャ政府に抗議し、約2500人のトラック運転手が21日、首都アテネの議会を包囲し、警官隊と衝突した。けが人、逮捕者はなかった。破綻(はたん)寸前だったギリシャ政府は今年6月、欧州諸国と国際通貨基金(IMF)から3年間で約1100億ユーロ規模の支援を取りつけ、その条件の一つが国内業界の大幅な自由化だった。議会は関連法案を22日にも可決する見込みだが、各種業界の反発は続きそうだ。
 AP通信などによると、陸運業界のデモはすでに9日間続き、トラックがアテネ市内や周辺の幹線道路を封鎖してきた。
 業界団体や労組が強いギリシャでは、既得権者を守るため政府が許認可を新たに発行しない慣例が続いてきた。中でも約3万3000人のトラック運転手が所属する陸運業界は最も閉鎖的で、約40年間、新規参入が許されず、業者間で既得権益の譲渡などが行われてきた。
 他にも電気工事、弁護士、建築など約70の業種でこうした特権が守られ、競争力の低下や談合を招いてきた。政府は「特権業界」を内外に開き、経済の活性化を目指している。アテネのシンクタンクIOBEによると、約70の業界を開放すれば、5年後には国内総生産(GDP)を10%分上げる効果があるという。
 一方、ギリシャの公務員労組ADEDYは21日、給与と年金削減に対抗し、10月7日に24時間ストを行うと発表した。
 ギリシャ経済は急回復はしていないが、財政赤字の削減や短期国債の売却などでは上々の結果を出しており、これまでのところ、海外からの融資条件を順調にクリアしている。

◎ギリシャで西ナイル熱流行、蚊で感染、注意呼びかけ(2010年8月31日、朝日新聞)
 重症になると重い頭痛、意識障害を起こす西ナイル熱が今夏、ギリシャで流行し、死者も相次いでいる。蚊で広がるため、国立感染症研究所(東京)は同国への旅行者に蚊に刺されないよう注意を呼びかけている。米国でも今年に入り、140人以上が発症、3人が死亡しており、厚生労働省は日本への上陸を警戒し、飛行機内で蚊を採取して検査するなど監視を続けている。
 同研究所によると、同熱の原因となるウエストナイルウイルスは鳥の体内で増殖。その血を吸った蚊に刺されると、人やウマ、イヌなどが感染する。人の場合、大半は無症状だが、50代以降は重症化する割合が高いという。
 ギリシャでは8月6日に、同国北部の中央マケドニア地方で2人の死亡が報告され、同30日までに発症が134例、死亡が9例出ているという。昨年まで発生は報告されていなかった。
 日本国内での感染例はないが、2005年に、米国から帰国した男性が発症した。
 同研究所の関谷紀貴医師は「秋でも蚊は活動するので、旅行する人は長袖の服や虫よけなどで、蚊に刺されないようにして欲しい」と呼びかけている。(小坪遊)

◎ギリシャ抗議デモ激化、背景に緊縮策・嫌米感情(2010年5月7日、読売新聞)
 財政危機のギリシャで5日、政府による赤字削減策への抗議デモが暴徒化、3人が死亡したことで、国内での政治的、社会的緊張は一気に高まった。
 国会では6日夜(日本時間7日未明)、赤字削減のための法案採決が始まったが、官民労組は再び大規模抗議集会を予定しており、混乱の再現も懸念される。
 ギリシャでは経済危機が表面化した昨年以来、赤字削減策に抗議するデモが頻発していたが、5日は過去最大規模となった。首都アテネ中心部のオモニア広場から憲法広場へ通じる大通りは約12万人(主催者側発表)の群衆が埋め尽くし、口々に「泥棒!」の叫び声をあげて政府をののしっては国会議事堂に向かった。
 警察の発表によると、死亡した3人はアテネ中心部の銀行の行員で、30歳代の男性1人と女性2人。女性の1人は妊娠中だった。デモ隊の男が銀行に火炎瓶とガソリン缶を投げ込み、逃げ遅れて窒息死した。
 暴徒化するデモには、黒いずきんをかぶった「覆面隊」と呼ばれる過激派が加わっている。留年を繰り返す学生らが徒党を組んでは乱暴を働いているものだが、思想的背景はないとされる。銀行放火も覆面隊の犯行との見方が強く、パパンドレウ首相は、「3人は殺されたのだ」と述べ、抗議行動とはまったく相いれないものだと非難した。
 デモ隊が糾弾する赤字削減策は、ユーロ圏と国際通貨基金(IMF)による協調融資の条件とされたもの。ギリシャ政府は、今後3年で最大1100億ユーロ(約13兆円)の融資を受けるため、3年で300億ユーロ(約3.6兆円)の財政赤字を減らすと表明した。このため、〈1〉公務員給与の減額、〈2〉付加価値税(日本の消費税に相当)の税率を2%引き上げ23%とする、〈3〉年金支給額の減額―などの方針が打ち出され、国民の「痛み」は避けられない。
 元々、ギリシャの給与水準は、他の欧州連合(EU)諸国の「6割程度」(地元記者)とされる。国民の間では、「ただでさえ安い給与が下がり、物価は上がる。どうやって生活すればいいのだ」(国家公務員)との不満が渦巻いている。
 伝統的な「嫌米」傾向も絡み、IMFを「米国資本主義の傀儡」と見る向きも多い。自らの懐が痛むことへの不満に加え、「外国から無理強いされる」との挫折感も反政府感情をあおり、デモ激化の背景となっている。
 だが、ギリシャ政府が国民の抵抗に屈する形で支援の条件である緊縮政策を実施できなくなれば、ユーロ圏でやはり財政が悪化するポルトガルやスペインなど他の国々に危機が波及する危険性は、一気に高まる。

◎デモ火炎瓶で銀行炎上、3人死亡、ギリシャ(2010年5月6日、読売新聞)
 財政危機に陥ったギリシャで5日、政府の財政赤字削減策に反対する官民労組員ら推定約12万人が過去最大規模のゼネストを行った。
 首都アテネでは、暴徒化したデモ参加者が市中心部の銀行支店に火炎瓶を投げ込み、建物が炎上、行員3人が死亡した。同国では最近、政府の赤字削減策に反対する暴動が続発していたが、死者が出たのは初めて。
 アテネではさらに、赤字削減案を審議中の国会に向かったデモ隊が、警官隊と衝突。国際空港を含む交通機関や公共機関のほか、アクロポリスなどの観光地も閉鎖され、首都機能はマヒした。北部テッサロニキでも商店などが破壊された。AP通信によると、一連の暴動で41人が負傷し、14人が逮捕された。
 放火による死者が出たことについて、パパンドレウ首相は「殺人行為」と非難。これに対し、銀行労組は「政府側に重大な責任がある」と述べ、6日に抗議デモを行う方針を示した。
 政府は、ユーロ圏と国際通貨基金(IMF)から3年間で総額1100億ユーロ(約13.6兆円)の協調融資を受けるのと引き換えに、公務員給与の凍結や増税などの赤字削減策を実施する方針で、6日中の議会可決を目指している。

◎ギリシャへ3年間で14兆円融資、EUとIMF決定(2010年5月3日、朝日新聞)
 欧州連合(EU)のユーロ圏16カ国は2日夕、緊急の財務相会合を開き、財政危機に陥ったギリシャに対し、国際通貨基金(IMF)と協調し、3年間で総額約1100億ユーロ(約14兆円)の融資を行うことを決めた。これに先立って、ギリシャ政府はEU、IMFが求めていた財政再建策を閣議決定。今後3年間で支出を約300億ユーロ(約3兆7千億円)削減するとした。
 1999年の単一通貨ユーロ発足後、ユーロ導入国への融資の発動は初めて。昨年10月に危機が表面化して以降、ユーロの財政規律を保つため各国はギリシャに自助努力を促し、直接支援には慎重だったが、ギリシャ危機がユーロ圏、さらに世界に拡大するとの懸念から追い込まれた。
 3月のユーロ圏首脳会議で、各国は欧州中央銀行(ECB)への出資割合に準拠した額を直接融資し、ユーロ圏総額とIMFの拠出割合を2対1とすることに合意している。最大拠出国のドイツなど議会の手続きが必要な国もあるが、当面の融資は大量のギリシャ国債の償還期日の19日までに実施される見通し。
 財務相会合でEUの欧州委員会はギリシャの再建策を評価、各財務相に協調融資の発動を求めた。ギリシャは今後、EUとIMFの管理下で財政立て直しを図る。
 パパンドレウ首相は2日午前、テレビ中継された緊急閣議の冒頭で、EU、IMFとの協議で合意に至ったと明らかにし、「国家の惨事を避けるために、すべてのギリシャ国民が犠牲を払わなければならない」と国民に理解を求めた。ギリシャの財政再建策は融資の前提となっていた。
 閣議で決まったのは、全労働人口の25%を占める100万人の公務員の3年間の昇給や新規採用の凍結、賞与廃止など。年金受給額も約30%削減する。3月末に19%から21%になったばかりの付加価値税もさらに23%に引き上げる。
 ユーロ圏各国は当初、今月10日にユーロ圏の首脳会議を開いて融資を決める予定だったが、米格付け会社がギリシャ国債を「投資不適格」に格下げしたのをきっかけに世界同時株安となるなど市場が動揺したため、対応を急いだ。

◎財政危機ギリシャで、市民と警官隊が衝突(2010年4月30日、読売新聞)
 財政危機に陥ったギリシャの首都アテネで29日、増税や公務員給与削減を柱とする政府の財政再建策に反対する市民約500人が抗議集会を開き、財務省前で警官隊と衝突した。
 警官隊は催涙ガスを発射し、騒乱を鎮圧した。
 ユーロ圏と国際通貨基金(IMF)に緊急支援を要請したギリシャは歳出削減が急務となっているが、5月5日にもゼネストが予定されている。

◎ギリシャへの金融支援準備、ユーロ圏財務相が合意(2010年3月17日、朝日新聞)
 ユーロ圏16カ国の財務相が15日(日本時間16日)、財政危機に陥ったギリシャへの金融支援策を準備することで合意した。ユーロ圏財務相会合議長のユンケル・ルクセンブルク首相は記者会見で「ユーロ加盟国は必要があれば協調して行動する。技術的な検討をしている」と語った。各国協調による融資や債務保証などが選択肢になっているとみられる。
 ギリシャは3月初めに、公務員の賞与30%削減などの財政再建策を発表し、市場の一定の評価は得た。ただ、4〜5月に控える国債の大量償還を確実にするための支援の必要性が指摘されている。
 財務相会合が15日まとめた声明では支援について「目的は安い金利で貸すことではなく、ユーロ圏全体の安定を守ることだ」として、支援はあくまで緊急的な措置であることを強調した。3月25、26日の欧州連合(EU)の首脳会議でも重要議題になるとみられる。加盟国への金融支援が実施されれば、ユーロ発足後初の救済措置となる。
 欧州メディアはこれまで、各国の協調融資や保証などの枠組みで、200億〜250億ユーロ(2兆5千億〜3兆1千億円)の支援が検討されているなどと報じている。

◎“ユーロ圏のいかさま師”?ギリシャ ナチスの損害賠償要求(2010年2月27日、スポーツニッポン)
 財政危機に陥ったギリシャのパンガロス副首相が27日までに、第2次大戦中のナチス・ドイツによる損害の賠償をドイツに求めると発言し、「賠償問題は決着済み」とするドイツの反発を呼んでいる。
 ドイツは欧州連合(EU)最大の経済大国だが、ギリシャ危機については同国の放漫財政が原因だとの批判が一部で根強い。副首相の発言はこうしたドイツの姿勢への反発が込められているとみられる。
 パパンドレウ・ギリシャ首相はドイツとの関係悪化がEUの支援策に悪影響を及ぼすことを懸念、3月5日にメルケル・ドイツ首相とベルリンで会談し関係修復を図る。
 ギリシャは大戦中、ナチスとイタリアなどに占領されたが、副首相は英BBCに対し、占領中に中央銀行から大量の金がナチスに持ち去られたと主張し、ドイツに賠償を要求。一方、ドイツ外務省報道官は賠償金は1960年に支払い済みとして、これを拒否した。
 ドイツ誌フォークスが「ユーロ圏のいかさま師」との見出しで、ギリシャを象徴するミロのビーナス像が中指を立てる挑発的姿勢を取る姿を表紙に掲載するなど、ドイツではギリシャが納税者の税金を奪おうとしているとの論調も出ている。

◎ギリシャでゼネスト、全土に混乱、250万人参加(2010年2月24日、読売新聞)
 ギリシャで24日、政府の財政再建計画に反対する労働組合が、24時間の大規模ストライキ(ゼネスト)を実施した。
 政府が先月発表した再建計画は、公務員の社会保障費にメスを入れると同時に歳入増のため増税を盛り込んだ内容。この撤回を求めるスト参加者は主催者推計で250万人以上で、国内交通網がマヒするなど混乱は全土に広がった。
 ゼネストには、官公庁職員の「公務員連合」と、民間労組を束ねる「労働総同盟」が参加。首都アテネでは国会議事堂前などでデモが行われ、一部の参加者が警官隊に投石するなど暴徒化した。警察側は催涙ガスで対抗、少なくとも2人を逮捕した。衝突は北部テッサロニキでも起きた、と伝えられる。
 アテネでデモに参加した大手通信会社勤務のディミトリオス・チョカスさん(43)は「政府が我々の暮らしの実情を理解するまでストを続ける」と息巻いた。
 アテネ国際空港は終日、全面閉鎖となった。管制官らがストに参加し、国際線を含む全便が発着できなくなったためだ。国内交通網や銀行、テレビ局も業務を停止している。
 ギリシャでは昨年12月、前政権による財政赤字の過少計上が表面化し、単一通貨ユーロ圏最悪の実態が明らかになった。財政赤字の背景には、基幹産業の海運、観光の不振のほか、手厚い社会保障や脱税の横行といった事情がある。
 ギリシャの問題は、ユーロ急落を招き、信用不安がほかのユーロ圏諸国に飛び火するほどの事態を招いている。政府が先月、財政再建計画を発表したのも、欧州連合(EU)からの厳しい要請を反映させたものだが、計画を実施する立場の財務省職員までストに参加する始末で、財政再建の前途は険しい。

◎ギリシャ50万人スト、交通ストップ、財政再建策に反発(2010年2月10日、朝日新聞)
 財政危機に陥っているギリシャで10日、同国最大の公務員労組「ギリシャ公務員連合」(組合員数約75万人)が公務員や社会保障費の削減といった政府の財政再建策に反発し、一斉ストライキを行った。昨年10月のパパンドレウ政権発足後、初のゼネストとなる。
 ストには組合員ら約50万人が参加。全空港が閉鎖され、国際線・国内線とも全便が欠航となったほか、鉄道やバスなどの公共交通機関も全面ストップ。官公庁や学校、病院も休止となり、公共機関の機能が完全にマヒした。首都アテネでは、国会議事堂前などに数万人が集結し、政府の緊縮策に抗議する集会やデモを行った。参加者のフランゴスさん(25)は「いつも労働者にしわ寄せがくる。我々にはストライキで抵抗するしか方法がない」と話した。
 同国では政権交代後、前政権が巨額の財政赤字を隠していたことが発覚し、財政危機が表面化。2009年の財政赤字は国内総生産(GDP)比12.7%と、ユーロ圏で最悪の水準に陥っている。
 政府は年金受給年齢の引き上げや公務員給与凍結、社会保障費削減などを柱とする財政再建策をまとめ、EUの承認を得ている。
 ただ24日には同国最大の民間企業労組「ギリシャ労働総同盟」(同200万人)もゼネストを計画していることから、ギリシャの自力再建は暗礁に乗り上げる可能性も出てきた。
 ドイツ、フランスはギリシャへの緊急支援をめぐって検討を始めており、10日にはフランスのサルコジ大統領とギリシャのパパンドレウ首相が会談する。

◎ギリシャの財政悪化、「欧州で対応」、G7会議(2010年2月7日、日本経済新聞)
 6日閉幕した7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議では、金融市場で懸念が高まっているギリシャの財政悪化問題に焦点が当たった。欧州が域内で対応することを確約し、国際通貨基金(IMF)の力を借りない方針を示した。ただ欧州の他国に波及する恐れが出ているうえ、欧州勢から明確な処方せんは示されなかった。金融規制改革については方向性を確認することにとどまった。
 議長国のフレアティ財務相は会議後の記者会見で「G7が対処するのではなく、EUが行う」との認識を示した。ガイトナー長官は会議後に、欧州勢がギリシャの財政悪化問題を対応することを確認したことも明らかにした。
 アイスランドの金融危機や、1990年代後半のアジア危機ではIMFが再建に向けて主導的な役割を担ったが、欧州勢がギリシャ問題はEU内の問題として引き取った格好だ。

◎ギリシャ:財政危機で信用不安拡大、首相、打ち消しに懸命(2010年1月14日、毎日新聞)
 財政危機に陥っているギリシャのパパンドレウ首相は13日会見し、「欧州共通通貨ユーロからの離脱や、国際通貨基金(IMF)の支援を求める考えはない」と述べた。歳出削減や増税などの歳入増により財政赤字の削減を達成し、自力で再建する考えを示した。だが、同日の欧州市場ではギリシャ国債が売られ、欧州市場の指標であるドイツ国債(10年物)との利回りの差は今年最大の2.56%に拡大するなど、信用不安が高まっている。
 ギリシャは、09年の財政赤字が欧州連合(EU)の財政基準(3%)の4倍以上の国内総生産(GDP)比12.7%に達した。これを受け、主要格付け会社は12月、ギリシャの格付けを相次いで引き下げた。さらに、EUの執行機関である欧州委員会が、ギリシャ政府の財政赤字の報告に疑問を投げかけ、財政赤字が拡大するとの思惑が高まった。
 さらに、米格付け会社のムーディーズが13日、抜本的な財政改革を実施しなければ「ギリシャとポルトガルは緩慢な死に向かう」と指摘したことで、市場の混乱が拡大。ギリシャ国債が売りこまれたほか、債務不履行に伴う損失から投資家を守るための保険契約の一種であるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)も急拡大し、5年物が3.28%と史上最悪を更新した。
 パパンドレウ政権は、当初は13年までに財政赤字を3%に削減する案を示していたが、今年に入り、1年前倒しして12年までに3%とする再建策を作成中。EU、欧州中央銀行(ECB)、IMFなどの調査団を受け入れ、協議を進めている。

◎ギリシャ:ヒオス島ルポ、押し寄せる不法移民(2009年12月31日、毎日新聞)
 アフリカ、アジアから不法移民が押し寄せる欧州の玄関口の管理官たちは意外にさばさばしている。来る者は拒まず。まあ仕方ないという雰囲気だ。トルコを目の前にしたギリシャ東部のヒオス島で移民問題を考えた。【ヒオス島で藤原章生】

・アフリカ、アジアからトルコ経由 収容所に悲壮感なし
・「まずアテネに落ち着き、いずれ別の国に」
 「(移民の理由が)明らかなウソでも、それを裏付けられないからね」。管理官たちは欧州連合(EU)の基本条約「リスボン条約」で国境管理を強めたい欧州委員会についても「北の連中が勝手なことを」という反応だ。
 ヒオス島の中心街の7キロ北にある難民収容所。エーゲ海を見下ろす絶壁にプレハブ住宅が3段に分かれて建ち、最上段にアフガニスタン人とトルコのクルド人、2段目にパレスチナ人など中東系、最下段にアフリカ系と出身地で住み分けている。女性の住宅も一つあり、乳児を抱えたアフリカ女性が10人ほど。総勢約100人だ。
 「そうですね。毎日食べられるし、古着や靴ももらえるし、まあ満足してます」。40年配のアフリカ男性は白いシャツに黒いジャンパーを羽織り、グレーのズボン姿で日なたぼっこをしていた。
 彼らは身分証も持たず7キロ先の対岸、トルコ領から長さ6メートル幅3メートルの小舟に20人も乗り込み、闇夜の海をギリシャ領に渡ってくる。トルコ人の密航請負人に2000ユーロ(約26万円)を渡すそうだ。
 海上や沿岸でギリシャの港湾警察に拘束されるのは織り込み済みだ。アフリカ男性に出身地を聞くと「あ、ソマリアです」と答える。だが、どう見ても西アフリカの顔だ。周りには10人ほどのアフリカ人が集まり、がけの上、上段の宿舎の脇では30人ほどのアフガン人がギャラリーのようにこちらを見ている。
 ギリシャ警察の決まりで、写真撮影は禁じられ、政治的な質問もしてはいけないことになっている。食事の話になり「アフリカの食べ物が恋しい?」と聞くと、「そりゃ、そうですよ」と男性は答えた。「エグシスープとか、うまいからね」と西アフリカの名物料理の名を私が言うと、男性をはじめ男たちから爆笑が起きた。
 「我々には見分けがつかないよ」と収容所の警官(32)は言うが、アフリカ人も東のソマリアと西では全く違う顔をしている。男性は英語のアクセントからナイジェリア人かガーナ人のようだ。
 「ここに来るアフリカ人はみな『ソマリア人』と語り、似たような生い立ちを話す。混乱が続くソマリア出身と言えば、政治難民になれるからだ。大半はウソだと思うが、身元を証明できるものが何もないので確認しようがない。淡々と供述調書を作り、顔写真を撮り、医療診断をして、出ていってもらう。それがここの仕事だ」
 収容所の職員、スピロス・ピクニスさん(40)は少し投げやりな調子で話し、こう言った。「ギリシャは国の借金がひどく破産寸前だ。失業率は公表10%だが、実際はもっと高い。そんな所に移民がどんどんやってくる。ここで無料で食べて泊まり、ただで医者にかかる。他に行ってくれたらと思う」
 南からの移民の玄関口にはイタリアがあるが、ベルルスコーニ政権が今年、難民を上陸させず、国籍も調べずにリビアに強制送還する策を始めた。石油利権で経済協力を強めるイタリアとリビアの2国間協定の産物だ。スペインも北アフリカ諸国との協定で強制送還や取り締まりを強める。欧州対外国境管理協力機関(FRONTEX)によると、今年前半、イタリア、スペインへの流入は前年同期比で7割も減り、かつて満員状態だったイタリア南部の収容所はガラガラだ。
 一方、ギリシャは同じ間に約5割増え、トルコからこのヒオス島や北のレスボス島へ渡り拘束された人が今年前半だけで1万4000人に上った。過去の紛争から外交上微妙な関係にあるギリシャとトルコが移民問題を突き詰めて話し合っていないのが一因だ。
 管理官の暗い表情と対照的に難民の顔は明るい。難民にはアテネに友人や家族がいる人も多い。何のツテもなく一文なしでも、開拓者的な志を持った移民の1世だ。彼らには、欧州に来て身を立てる未来が待っている。
 ここで審査が終われば、数日内にアテネまでの船の片道切符をもらい、乗船と同時に解放される。30日以内にギリシャ領を出るよう記された紙一枚の身分証が与えられるが、国に帰る人はまずいない。そのままアテネに残り、闇労働につく人が大半だ。そこで稼ぎ、いずれはドイツ、イタリアなど、より豊かな欧州に向かう。
 「まずはアテネに落ち着き、いずれは別の国に移りたいね」。先ほどの男性は口も緩み冗舌になってきた。かなりの情報を得た上で、難民になる決意をしたことがわかる。最終目的地を問うと「そうだね、やっぱりロンドンかねえ」と言う。
 収容所を訪ねる前に会ったヒオスのリッツァ・リコウ市長顧問(55)は「あの人たちは貧しいかわいそうな人々」という口ぶりだった。だが、収容所に悲壮感はない。たまたまアフリカやアジアの貧しい国、紛争国に生まれた。同じ仕事で10倍の金がもらえるなら、欧州に来たいと思うのは自然だ。まして、奴隷貿易や資源奪取で自国から富を奪ってきた旧宗主国、英国で下働きをして何が悪い。男性が言う「ロンドン」にはそんな意味もあるのかと聞いてみると、「いや、まあ、それよりも、まずはアテネに落ち着くことで頭がいっぱいだよ」と笑った。
 12月1日発効のリスボン条約でEUによる不法移民の取り締まりが強まるという。だが市長顧問は「私たちは何も聞かされていない。南の国々と接していない北の国が机上で考えているだけ。どう止めたってどんどん来るんだから。法律ばかり作って、現場を知らないのよ」。
 メキシコ出身のアルフォンソ・キュアロン氏(48)が監督した06年の英米映画「トゥモロー・ワールド」は、テロが渦巻く2027年のロンドンが舞台だ。ゴミや落書きで汚れたロンドンの街には、迷路のように入り組んだ柵が市民と不法難民を隔て、すさみきっている。映像がリアルに思えるのは、貧しい南から北への人々の流入がほんの開拓期に過ぎないからだ。
 欧州の原住者には、脅威を抱く人がまだ多い。特にイスラム系住民への不安が際立っており、スイスでは先月の国民投票で、イスラム教寺院の塔、ミナレットの建設禁止に多数が賛成した。だが、逆の現象も起きている。
 過去10年で移民・難民が10倍に増え、人口の1割近くを占めるようになったイタリアの世論調査では、ベルルスコーニ政権の激しい外国人排斥キャンペーンにもかかわらず、移民を脅威と感じる人が減っている。民間の調査機関「デモス&ピー」の2600人を対象にした世論調査によると、移民を脅威と受け止める人は99年10月に46%だったが09年11月には37%に落ちている。また時代にかかわらず、半数近くが移民の経済貢献を評価している。
 ヒオス島にたどりついた難民には、時々「ここはイタリアですか」と聞く人がいるという。密航請負人に「イタリアに運んでやる」とだまされたらしい。
 シチリアの作家、レオナルド・シャーシャ(1921〜89年)に「アメリカへ」という短編小説がある。シチリアを船でたち「アメリカだ」とだまされシチリアの別の街で降ろされる移民の悲喜劇だ。その時代、1870年から1914年に運よく米大陸にたどり着いたイタリア移民は1600万人に上る。移民だましが今もあるように、新天地を目指す移民の動機、熱は100年前も今も大きくは変わらない。

◎ギリシャ山火事で非常事態(2009年8月23日、産経新聞)
 ギリシャの首都アテネの北東約40キロで21日夜から22日朝にかけ、大規模な山火事が発生。火は強風にあおられ広がり住宅地にも及んだため、同国政府は22日、非常事態を宣言した。火の手は陸上競技マラソンの発祥地マラトン村にも迫った。ドイツDPA通信などが伝えた。
 既に十数件の民家に延焼。政府は住民に避難を呼び掛けているが、住民数百人が消防隊とともに残り、バケツなどを使って消火を続けている。近郊の軍基地は万一に備え、ミサイルや弾薬などを別の場所に移送した。
 ギリシャでは21日、アテネ近郊のほか全土で約100件の山火事が報告されている。原因として、猛暑と少雨、強風に加え、放火の可能性が指摘されている。

◎続くギリシャ暴動、鎮圧へロンドン警視庁が応援(2009年3月22日、朝日新聞)
 ギリシャで若者らによる暴動が収束する気配を見せない。背景にあるのが、高失業率や低賃金。カラマンリス政権は経済立て直しに着手したが、不満の解消に至らず、事態沈静化のため、英国のロンドン警視庁への協力要請に踏み切った。
 暴動の発端は、首都アテネで昨年12月に起きた警察官の少年射殺事件。これをきっかけに新聞社や警察本部などが襲われ、テレビ局のスタジオも一時占拠された。大学生や高校生らのほか、資本主義に反対するアナーキスト(無政府主義者)と呼ばれる若者が加わり、破壊活動がエスカレート。米シティバンクの支店で爆弾テロが発生したほか、商店や銀行などへの襲撃、略奪が連日起きている。
 火の粉は地方にも飛び、2月には南部クレタ島の農民ら約1千人が、農業補助金増額を求めてアテネ近郊のピレウス港でトラクターに乗ってデモ行進し警官隊と衝突。北部でも約2週間にわたってトラクターで幹線道路を封鎖して、隣国ブルガリアとの物流がまひした。また今月13日には、アテネの繁華街で覆面をした若者約150人が商店や銀行、駐車中の車を破壊し、多額の被害が出た。
 カラマンリス首相は先週、対テロ部隊へのアドバイスなどをロンドン警視庁に要請。16日夜、テロ対策を専門とする警視庁捜査員らがアテネ入り。警視庁トップで、対テロ専門家でもあるブレア警視総監も近く現地入りし、陣頭指揮を執るという。警視庁はテロ対策立案のほか、部隊の訓練や再編などで協力するという。ギリシャは02年の左翼テロ集団摘発の際にも警視庁の協力を得た経緯がある。
 ギリシャのテロや暴動は、25歳以下で21%という極めて高い若年層の失業率が背景にある。04年に発足した中道右派のカラマンリス政権は国営企業の民営化などを進めて企業活動を活発化させたが、その一方で貧富の差が広がった。今年1月には16閣僚のうち9人を入れ替える大幅な内閣改造を行ったが、世界的な金融危機の影響を受けて経済は低迷が続いている。
 政府はかつての軍事政権が左翼活動を弾圧した歴史への反省から、これまで警察当局に対し強制的に暴動を鎮圧しないよう指示してきた。しかし政府がある程度強制力を伴った手段で鎮圧に乗り出す方針に転換したとみられるため、国民の強い反発を招くのは必至で、抜本的な解決にはならないとの批判も上がる。

◎アクロポリス前を占拠、給与未払いで臨時職員ら、ギリシャ(2009年3月6日、産経新聞)
 ギリシャからの報道によると、首都アテネの古代遺跡、アクロポリス(世界遺産)で働く臨時職員らが5日、未払い給与支払いなどを求めて遺跡入り口を占拠し、遺跡への観光客の入場が終日できなくなった。臨時職員らは週末にかけても占拠を続ける予定だ。
 臨時職員は先週も3日間にわたり、遺跡入場を妨害した。未払い給与の即時支払いのほか、正規職員としての採用を求めている。政府は妨害行為を続ければ、強制的に排除すると警告している。
 AP通信によると、臨時職員は「アクロポリスは(要求を政府に認めさせるための)唯一の武器」と強調した。
 アクロポリスは紀元前5世紀ごろ、ポリス(都市国家)防衛や宗教行事のため建てられた古代遺跡で、内部には古代ギリシャの象徴となっているパルテノン神殿などがある。

◎ギリシャ:アテネの若者らの抗議行動、収束の気配なく(2008年12月22日、毎日新聞)
 アテネの若者らによる反政府抗議行動は、発端となった少年射殺事件から2週間を迎えた20日になっても、収束する気配が見えない。
 AP通信によると、20日夕には約150人の若者らが市中心部にあるクリスマスツリーの周りに集まり、枝にごみ箱をつるすなどした。一部の若者がツリーに火をつけようとしたため、警察官が排除。これによる混乱で少なくとも3人のカメラマンが負傷した。
 同市内のアテネ大工芸学部では学生らが石や火炎瓶を投げて抗議。ギリシャ北部テッサロニキでも若者らが映画館を占拠したり、市長にケーキやあめを投げつける騒ぎも起きた。

◎「テレビ見ず街頭へ」ギリシャTV局に若者乱入、放送(2008年12月17日、朝日新聞)
 警官の発砲で15歳の少年が死亡した事件を機に学生らの暴動が全国に広がったギリシャで16日、放送中の国営テレビ局のスタジオに10人ほどの若者が乱入、カメラの前で抗議デモへの参加を呼びかける横断幕を掲げる様子が放送された。
 AP通信などによると、若者らはカラマンリス首相の議会演説を伝えていた昼のニュース番組を中断させ、カメラに向かって「テレビを見るのをやめ、街頭へ出よう」などと書かれた横断幕を広げた。番組は間もなくコマーシャルに切り替えられた。
 ニュース番組の放送再開後、国営テレビ会長が番組に登場し、「一線を越えた行動だ」と批判した。若者らは見学を装ってスタジオに入ったという。
 学生らは16日もアテネの警察署を襲って車両に火をつけ、北部テッサロニキでも裁判所近くで約400人が警官隊と衝突した。

◎ギリシャ、止まらぬ暴動、「若者の不満」波及恐れる欧州(2008年12月13日、朝日新聞)
 警官の発砲で少年が死亡した事件を機に広がったギリシャの暴動が止まらない。アテネでは12日も学生らが火炎瓶や石を投げ、銀行などを襲った。警官隊は催涙弾で対抗し中心部は紛争地のような様相。いつまでもおさまらないのは、就職難や低賃金に苦しむ若者の怒りが爆発したためだ。若者の苦境は欧州共通の現象で、他国も事態を注視している。
 暴動は12日で7日目に入った。昼過ぎ、アテネ大学から始まった学生たちのデモ行進が議会前へ。広場に集まる人数が増えると覆面した若者が警官隊へ投石し始め、その人数があっという間に増えた。
 集団の反対側では窓ガラスが割れる音。後方で、通りに面した銀行店舗の破壊が始まったのだ。中の行員たちは半ばあきらめ顔だ。やがて、怒号と学生らが投げる火炎弾の爆発音の中、警官隊が催涙弾を撃ち込み始めた。
 「破壊活動には反対」というアテネ大生エリエ・パンタゾプルさん(20)も「事件だけに抗議しているのではない。貧困や不正に対処しない政府に憤っている」と話す。
 連日の暴動で、一帯の商店はほとんどの店がガラスを割られるなどの被害を受けた。ある旅行業者は別の場所に臨時店舗を開くことに。「過激派が表のドアを壊し始めたので警察に電話をしたら、『彼らを刺激できない』と言われた」とマネジャーのデミトラ・アナスタシアドウさん(37)は言う。
 全国商業連盟によると発生から4日間の商店被害はアテネだけで565軒で被害金額は2億ユーロ(約240億円)。
 近くの学生街が暴動の「出撃拠点」だ。ギリシャでは67〜74年の軍事政権下の抵抗運動以来の伝統で、大学では今も無政府主義者グループが一定の影響力を保ち、今回の騒乱でも騒ぎをあおっている。一方で警察の大学への立ち入りが法律で禁じられるなど学生運動に寛容な面がある。
 暴動が全国10都市以上に広がり、これだけの被害が出ても、警官隊は力ずくの鎮圧には乗り出していない。商店主らは警察の無策に怒りながらも、「学生らの怒りは分かる」と話す人が意外に多い。
 中道右派のカラマンリス首相は04年のアテネ五輪前の総選挙で全ギリシャ社会主義運動(PASOK)を破り、政権についた。当時の経済上昇ムードに乗り、財政赤字削減、民営化推進では欧州連合(EU)内で評価を得た。一方、規制緩和で労働者への保護制度が減らされ、貧富の格差は拡大した。
 国全体の失業率は7〜8%だが、25歳以下では21%。特に高学歴の若者が行き場を失っている。隣国イタリアでは、非正規雇用の広がりで月収千ユーロ(約12万円)以下で暮らす高学歴の若者が「千ユーロ世代」と呼ばれて社会問題化しているが、ギリシャではさらに収入が少ない「600ユーロ世代の若者」が話題だ。
 スペイン28%、フランス20%など同年代の失業率の高さは欧州に共通する。AFP通信によると、サルコジ仏大統領は与党議員との会合で「ギリシャで起きていることに注意すべきだ」と語ったという。

◎ギリシャの暴動6日目、学生、警察署を襲撃(2008年12月11日、朝日新聞)
 アテネからの報道によると、警官による少年射殺事件に端を発したギリシャの暴動は11日、6日目に入った。AFP通信などによると、アテネの農業大学周辺で同日早朝、大学を占拠している学生たちが石や火炎瓶を投げて警官隊と衝突。また学生が市内5カ所以上の警察署を襲撃し、少なくとも1人がけがをした。
 アテネ西郊にある同国最大の刑務所前では、座り込みの抗議行動をしていた数百人が警察と衝突。市内の一部地域では、商店や街頭施設への破壊行為が発生している。
 アテネと第2の都市テッサロニキでは、合わせて100校以上の学校と15の大学が若者グループに占拠されている。学生たちは12日に大規模デモを呼びかけており、予断を許さない状況になっている。

◎暴動続くギリシャ、野党、政府に退陣要求(2008年12月9日、朝日新聞)
 少年が警察官に射殺された事件を機に若者の暴動が広がったギリシャで、最大野党のパパンドレウ全ギリシャ社会主義運動(PASOK)党首は9日、党の会合で演説し、「今政府ができることは辞任し、国民に信を問うことだけだ」と述べ、事態収拾のためカラマンリス首相の中道右派政権の退陣と総選挙実施を求めた。
 アテネでは同日も議会前で数百人のデモ隊が警官隊に石やビンを投げ、激しい衝突が起きた。午後には死亡した少年の葬儀が行われ、数千人が参列。近くの通りで数十人の集団が投石、ゴミ箱に火をつけるなどしたため警官隊が催涙弾で対抗した。

◎ギリシャ暴動、全土に拡大、50人以上拘束(2008年12月9日、朝日新聞)
 少年が警察官に射殺された事件をきっかけに起きたアテネの暴動は8日、ギリシャ全土に広がった。第2の都市、北部のテッサロニキでデモ隊が警官隊と衝突、地中海クレタ島のハニアや西部コルフ島、北部カバラなどでも学生が警察署に投石するなどして激しい衝突が起きた。
 射殺事件が起きた6日夜以来暴動が続くアテネでは8日夕、中心部のシンタグマ広場周辺で左翼学生グループが警官隊と激突。学生らは市内各所で警官隊に火炎瓶を投げつけ、外務省や国営オリンピック航空本社など官庁、企業事務所、商店が燃えた。あちこちで駐車中の車やゴミ箱から火が上がり、商店の多くはシャッターを下ろしている。
 警察当局によると、100人を超える市民、警官が負傷し、50人以上が拘束された。
 アテネの暴動は6日夜、パトカーに乗っていた警官2人が少年の集団に発砲、1人が死亡した直後に始まった。警察当局は少年らが集団でパトカーを襲撃したとするが、詳しい状況は不明だ。2人の警官は殺人とその共犯の疑いで逮捕されたが、若者らの暴動は収まる気配はない。暴動は学生らに影響力を持つ無政府主義者グループがあおっているとされる。
 カラマンリス首相は8日、テレビ演説して「危険で受け入れられない出来事だ。政府は社会を守る」と述べ、市民に冷静になるよう訴えた。
 同首相率いる新民主主義党の中道右派政権は国営航空の民営化、年金改革など経済改革を進めるが、労働組合などの反発が強く、しばしば大規模なストライキに悩まされてきた。低収入に苦しむ若者らには不満が蓄積している。

◎暴徒と警官隊が衝突、少年射殺事件が引き金、ギリシャ(2008年12月7日、CNN)
 ギリシャ国内2カ所でで6日夜、16歳少年が警官に射殺された事件を契機に大勢の若者が暴徒化し、警官隊と衝突した。
 複数の目撃者によると、午後9時頃アテネの旧市街で若者のグループがパトロール中の警察車両に投石し、警官が3発発砲したところ、銃弾が少年の胸部に命中。警察によると、車両に乗っていた警官2人は車外に出て30人前後の若者グループに応戦したという。テレビ報道によると、少年は搬送先の病院で死亡が確認された。
 事件を受けて何百人もの若者が暴徒化し、他の警察車両に石や火炎びんを投げつけた。警官隊は暴徒らに催涙ガスを発射する一方、現場一帯の飲食店から人を避難させ、道路を封鎖した。数時間後、暴徒らは少なくとも3つの集団に分かれ、衝突は一時中断。しかし7日午前零時過ぎに騒乱が再び始まり、アテネ市内中心部に拡大した。
 北部テッサロニキでも若者の集団が警官隊と警察を襲撃し、道路を封鎖した。少なくとも1人が逮捕されたが、死傷者の報告はない。インターネットのウェブサイトには、アテネとテッサロニキ、クレタ島イラクリオでの抗議活動参加を呼びかけるメッセージが投稿されていた。
 アテネの警官2人は地域担当の警察署長とともに停職処分となった。パブロプロス内相は遺憾の意を表明するとともに、警官側の勤務態度に問題があった場合は見せしめとして処罰する方針を明らかにした。

◎ギリシャ総選挙:与党勝利、経済・社会改革継続を支持(2007年9月17日、毎日新聞)
 ギリシャ総選挙(1院制、300議席)の投開票が16日行われ、カラマンリス首相率いる中道右派与党・新民主主義党(ND)が、中道左派の最大野党・全ギリシャ社会主義運動(PASOK)を破って勝利し、政権維持を決めた。NDが唱える経済・社会改革の継続を国民が支持した。
 内務省発表(開票率99%)によると、NDの得票率は約42%(前回04年は45%)で、前回より減ったものの、PASOKの約38%(同40%)を上回った。第1党が有利な比例代表制方式のため、NDは辛うじて過半数の152議席を獲得し、PASOKは102議席にとどまる見通し。
 カラマンリス首相は17日未明、「改革を続けていくよう命じられたと受け止めている。安定した責任のある政府にするよう応えたい」と勝利宣言し、年金制度改革や若年層の雇用創出など2期目への抱負を語った。
 NDは前回04年3月の総選挙でPASOKから10年半ぶりに政権を奪回。財政赤字を削減し、失業率を下げるとともに、国営企業の民営化といった改革を進めてきた。こうした改革に対するPASOKの反発を受け、前倒しで総選挙に臨んで有権者の支持を得た。
 選挙前の先月下旬に南部を中心に、死者66人という大規模な山林火災が発生し、対応の遅れを野党に批判された。だが首相は被災者に速やかな補償を実施し、打撃的な支持者離れを食い止めることができた。

・首相続投を決めたコスタス・カラマンリス氏(51)
 山林火災の余波で苦戦が予想された総選挙に辛勝し続投を決めた。大勢の報道陣を前に「より効果的な改革を進め、過ちを避けていきたい」と神妙に語った。
 04年3月の総選挙勝利で、47歳にしてギリシャ初の第二次大戦後生まれ、史上最年少の首相となった。国営企業の民営化、教育制度改革、司法当局者の汚職追及に取り組み、硬直した経済、社会の変革に取り組んだ。
 首相と大統領を歴任した大物政治家、故コンスタンティノス・カラマンリス氏のおい。アテネ大と米タフツ大で法律を学び、89年総選挙で初当選。97年に新民主主義党(ND)党首に選ばれ、叔父の「遺産」を引き継いだ。
 ライバルである全ギリシャ社会主義運動(PASOK)党首のパパンドレウ元外相には首相を務めた祖父と父がいる。血統が良い党首同士として、今回の総選挙は2度目の対決だったが、個人的な人気も元外相を上回り、再び勝利を収めた。
 厳格な性格と評され、しばしば「過ちは許されない」と口にする。その一方、家族思いで知られ、勝利直後は妻ナターシャさんと肩を組んで支持者に手を大きく振った。英、独、仏語を話し、男女の双子がいる。

◎猛暑のギリシャで山火事170か所、観光客ら18人死亡(2007年8月25日、読売新聞)
 猛暑が続く欧州各国で山火事が猛威を振るい、ギリシャでは23、24の両日、国内約170か所で山火事が発生した。
 観光地の多い南部ペロポネソス半島では、観光客など少なくとも、計18人が死亡した。依然として数百人が逃げ遅れており、犠牲者はさらに増えそうだ。
 AP通信によると、同半島の西部ザチャロでは、消防士3人を含む計11人が車に乗ったまま、火炎に行く手を阻まれ、焼け死んだ。半島南部の観光地マニのホテル近くでは、フランス人観光客ら5人が焼死した。
 一連の山火事は、セ氏40度に達する気温と乾燥、強風が原因とみられる。
 イタリアでも各地に山火事が広がっており、24日、南部ポテンツァで、消火にあたった男性(83)が焼け死んだ。過去1か月間で犠牲者は9人に上った。
 ボスニア、ポルトガルでも山火事の被害が相次いでいる。

◎ギリシャで麻薬の密輸犯逮捕(2004年8月25日、朝日新聞)
 五輪が開かれているギリシャの首都アテネから南西に約300キロ離れたカラマテ港で23日、麻薬約700キロが押収され、ギリシャ人4人とアルバニア人、イタリア人各1人が逮捕された。地元警察によると、容疑者たちは五輪のため首都に警官が集中し、地方は警備が手薄だと思っていたらしい。
 警察によると、入港したばかりの船や近くの建物、車からコカインが見つかった。車には手投げ弾や銃もあった。ギリシャは欧州に密輸される麻薬の中継地点で、船はカリブ海の島から大西洋経由で地中海に入った。
 五輪警備のためギリシャ当局は7万人の警官を首都に集めたが、テロ警戒もあり周辺国との情報交換を密にしている。地元警察は「我々は(五輪中も)24時間目を光らせている」と胸を張った。

◎オリンピア遺跡から石を持ち帰ろうとした日本人逮捕(2004年6月12日、朝日新聞)
 古代オリンピックが開かれたギリシャのペロポネソス半島西部のオリンピア遺跡で5月下旬、日本からツアーで訪れた50歳代の日本人男性が遺跡内の石を持ち帰ろうとして、窃盗の疑いで逮捕されていたことがわかった。
 同遺跡の警備担当責任者によると、この男性は5月22日、遺跡を見学中に路上にあった直径30〜40センチ、重さ約7キロの石を拾い、バッグに入れて持ち帰ろうとしたところを監視員に見つかり、警察に引き渡された。男性は「おみやげで持ち帰ろうと思っていた。反省している」と話したという。
 男性はオリンピア近くのピルゴスの裁判所で3万ユーロ(約400万円)の保証金を払い、翌日に保釈された。すでに日本に帰国している。
 アテネの日本大使館は「ギリシャで日本人が遺跡の石を持ち帰ろうとして逮捕されたケースは初めてだろう。8月にはアテネ五輪があり、日本からも大勢の観光客が来ると予想される。小さな石でもギリシャの財産なので、軽い気持ちで持ち帰ったりしないよう旅行業界を通じて注意喚起を促したい」と話している。

◎遺跡:石柱のかけらを持ち帰ろうとした邦人逮捕、ギリシャ(2004年6月12日、毎日新聞)
 古代五輪発祥の地、ギリシャ・ペロポネソス半島のオリンピア遺跡で5月、日本人男性が石柱のかけらを持ち帰ろうとして逮捕されていたことが12日、分かった。
 在ギリシャ日本大使館によると、5月22日、化石に関心のあった50歳代の日本人男性が、貝殻のついた石柱の一部(重さ7〜8キロ)をかばんに詰めて持ち帰ろうとしたが、警備員に見つかり、警察に逮捕された。裁判を受けて3万ユーロ(約400万円)で保釈され、残りのツアーの日程をこなして帰国した。
 8月のアテネ五輪に向けて日本人観光客が増えるため、同大使館は、ツアー参加者らに配布する安全の手引で、行動を慎むよう注意喚起する方針。

◎ギリシャ中部で爆弾事件(2004年5月31日、産経新聞)
 ギリシャ治安当局は30日、同国中部ラリサで29日夜、弁護士事務所などが入った建物4階で爆弾が爆発、通り掛かった女性が飛散したガラスの破片で軽傷を負った。犯行声明は出ていない。
 ラリサはアテネ五輪の会場とはなっておらず、ブルガラキス公安相は「単なる国内事件で、五輪とは関係ない」とコメントした。

◎ギリシャ新首相、五輪準備問題でIOC会長と協議へ(2004年3月9日、日本経済新聞)
 ギリシャの政権交代に伴う担当閣僚らの交代で、8月開催のアテネ五輪の準備が遅れるのではないかとの見方が広がっている。ロゲ国際オリンピック委員会(IOC)会長はアテネ入りし、首相となるカラマンリス新民主主義党党首と13日にも協議する見通しだ。
 アテネ北部のマルーシ地区では、五輪の競技施設の建設が続く。しかし開会式を行うメーンスタジアムは売り物の特殊ガラス製つり上げ天井がついておらず、周辺には資材が泥まみれで散乱している。マラソンのコースにな道路の拡張工事も滞っている。
 新民主主義党は前政権の計画を継承する方針だが、準備を指揮する文化相や公安相が交代し、指揮系統が乱れる可能性もある。野に下る「全ギリシャ社会主義運動」に近い労組がストを起こす可能性も指摘されている。

◎ギリシャで政権交代、保守11年ぶり勝利、五輪準備課題(2004年3月8日、朝日新聞)
 ギリシャで7日に行われた総選挙(一院制、300議席)で、保守の野党・新民主主義党(ND)が勝利し、11年ぶりに政権に返り咲くことが決まった。コンスタンティノス・カラマンリス党首(47)が同国初の戦後生まれの首相となる。
 選挙管理委員会によると8日午前、開票率99%の段階でNDが45.4%、3期連続して政権の座にあった全ギリシャ社会主義運動(PASOK)が40.6%の得票。第1党に有利な制度のため、NDが過半数の165議席を占める。PASOKは117議席となる。
 PASOKのパパンドレウ党首は7日夜、敗北を認め、「民意を率直に受けとめ、将来に備える」と述べた。一方、カラマンリス氏は「全国民が団結して明日の繁栄を築こう」と呼びかけた。
 NDの勝因は、PASOK関係者の汚職が次々表面化するなど、長期政権の行き詰まりが明らかとなり、国民が変化を求めたことだ。10%近い失業率や物価の高騰など、日常生活への不満も蓄積していた。PASOKは、欧州統一通貨・ユーロへの加入などを実績として訴えたが、及ばなかった。
 新政権がまず直面する課題は、8月に迫ったアテネ五輪の開催準備だ。パパンドレウ氏は「敗北会見」で「引き続き支援する」と約束。カラマンリス氏も「最高で、最も安全な五輪となるよう、すべての国民が結束して最善を尽くそう」と挙国一致の必要性を強調した。
 しかし、五輪準備は、主会場となる五輪スタジアム建築や、海沿いに点在する競技会場と都心を結ぶ路面電車の建設などが大幅に遅れており、政権交代による作業の停滞や、PASOK系労組によるストなどの混乱が生じれば、一部で時間切れとなる恐れもある。

◎ギリシャ、11年ぶりの政権交代へ、野党の中道右派が圧勝(2004年3月8日、日本経済新聞)
 ギリシャ国会(1院制、300議席)の総選挙は7日、投開票が行われ、最大野党の中道右派、新民主主義党(ND)が1993年以来政権を維持してきた全ギリシャ社会主義運動(PASOK)に圧勝、政権交代することになった。
 アテネ五輪の開幕が5カ月後に迫り、競技施設の建設遅れが指摘される中、閣僚の入れ替えなどで五輪準備がさらに遅れる可能性も出てきた。
 8日午前2時(日本時間同9時)現在の内務省集計(開票率70%)によると、NDが得票率46%でPASOKに6ポイントの差をつけている。議席は得票率で比例配分され、NDは前回2000年選挙の125議席から170議席前後に躍進、PASOKは約120議席となる見通し。
 カラマンリスND党首(47)は7日深夜の記者会見で「新ギリシャの1ページを開こう。団結して五輪開催を成功させよう」と勝利宣言した。同氏が新首相に就任、閣僚名簿は9日に発表される予定。
 五輪準備を担当する文化相、テロ対策など治安の責任者である公安相の交代など大幅な人事刷新が行われるとみられる。
 カラマンリス氏は「ギリシャは変わる」をスローガンに、長期政権下での政治腐敗やインフレ、高失業率に対する与党批判票を取り込んだ。新政権はトルコの欧州連合(EU)加盟やキプロス統合など前政権の融和外交を踏襲、経済再建に全力を挙げることになる。
 PASOKは祖父と父が首相を経験したパパンドレウ党首(前外相)を首相候補に擁立、支持離れを食い止めようしたがかなわなかった。

 


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