単位ではないもののお話

  メニュー

 TOPページ 

 日本情報 

 海外事情 

 辞典 

 医学の話 

 科学の話 

 食品の話 

 知識の宝箱 

 メモ帳 

  



更新日:
 2012年11月9日






◎単位ではないものの話

◎ppm、ppb
 一般のニュースでも、大気汚染や水質汚濁などのニュースで「ppm(ぴーぴーえむ)」とか、「ppb(ぴーぴーびー」という言葉を聞くことがあると思います。これは「濃度を表す指標」の1つですが、「SI単位」ではありません。すなわち、濃度を表す単位ではありません。
 「ppm」とは、「parts per million」の頭文字で、日本語なら「百万分の1」という意味になります。正確には、「比率」を表していますので、一般的に使用されている百分率(%:パーセント)と同じで、百万分率と言うことになります。
 同様に「ppb」とは、「parts per billion」の頭文字で、日本語なら「十億分の1」という意味になり、十億分率ということになります。
 何故、これらの単位ではないものが、単位のように使われているかと言えば、やはり便利だからということになるのでしょう。
 例えば、大気汚染の場合を考えます。1m3 の大気中に1cm3 のガス状大気汚染物質(NOxやSOxなど)が含まれているとします。この場合、汚染物質の濃度は、1cm3 /1m3 =1cm3 / (100cm)3 =1cm3 / 1,000,000cm3 =1 / 1,000,000で百万分の1(単位なし)ということになります。しかし、濃度の単位がなくなって数字だけになってしまうと言いづらいので、この濃度(割合)を「ppm」と呼ぶようになったのでしょう。これが用いられたというのは、きっと、これくらいの濃度範囲が多かったのではないでしょうか。
 ちなみに1m3は100万mlですので、ppmという単位は、「1m3中に何mlあるか」、ということを簡単に理解できる単位(指標)になります。1m3中に1mlあれば、1ppm、簡単ですね。
 最近では、濃度も減ってきたのでしょうが、基準値も下がってきたようです。このため0.003ppmとか0.005ppmという表示も増えてきたようです。しかし、これだけ0を付けるのは面倒くさいので、百万の上の10億を持ち出して、0.003ppm=3ppbということで、ppbという言い方を使いだしたのではないでしょうか。
 水質汚濁物質の場合も同様に1m3 の水中に1cm3 =1mlの液状水質汚濁物質が含まれている時、この割合は、同様に1ppmと表せます。しかし、水質汚濁物質は液状とは限りませんので、何mlと表現するよりも、何gと表現することの方が多いかもしれません。
 1gの水質汚濁物質が1m3 の水中に含まれている場合は、1g/ m3です。しかし、同じ汚染物質の議論をする時に、一方はppmという指標を使って、もう一方はg/ m3という濃度では、比較しにくいです。このため、本来は温度によって比重が変わりますが、簡易的に水の比重=1と考えると1 m3=1ton=1,000kgとなりますので、1 g/ m3=1g/1,000kg=1g/1,000,000gとなり、すなわち1ppmとなります。
 すなわちppmという指標は、1m3中に何mlあるか、あるいは1ton中に何gあるか、ということが簡単に分かる指標だということです。
 水質汚濁物質の場合、1g/Lという量は多すぎて、汚濁のレベルを超えています。通常、mg/Lという単位が利用されています。1mg/L=1mg/1,000cm3です。ここで先ほどと同様に1c m3=1gとすれば(比重=1)、1mg/1,000cm3=0.001g/1,000g=1g/1,000,000gと同じです。すなわち1ppmです。簡易的な考え方ですが、1mg/L=1ppmということで認識すれば良いということになります。



inserted by FC2 system