メニュー
TOPページ
日本情報
海外事情
辞典
医学の話
科学の話
食品の話
知識の宝箱
メモ帳
本
更新日:
2009年8月23日
|
◎SI単位系
世界の貿易や科学技術の統一した発展のために国際的に単位を統一しようという機運が高まり、1875年、フランスでメートル条約が締結されました。この条約に基づく最高決定機関が「国際度量衡総会」です。そして1960年の第11回国際度量衡総会で、各国が世界共通の計量単位の系列を持つことが決議されました。ここで採択された世界共通の単位系が、原則「一量一単位」であるSI単位系です。SI単位の“SI”とは、フランス語の“Le Systeme International d'Unites(国際単位系)”の略称です。
日本は1885年にメートル条約に加盟していますが、従来の日本独自の尺貫法による計量単位も使用されていました。そこで、1972年に日本工業標準調査会でJISへのSI単位系導入方針を決議し、さらに1985年には日本工業標準調査会非鉄金属部会で1991年1月1日より非鉄JISのSI単位移行を確認するなど、メートル条約加盟後100年を機に、商取引の場では、ほぼSI単位に移行していました。
さらにこれを徹底するため、1993年には新計量法が制定され、SI単位系を正式に採用するとともに、非SI単位は2~6年の猶予期間の後、証明行為や商取引の場での使用ができなくなりました。もちろん、公的な資料とは関係ない普段の生活の中で使うことは問題ありません。
SI単位系は、次元的に独立であるとみなされる7つの量、長さ、質量、時間、電流、熱力学温度、物質量および、光度について明確に定義された単位、メートル(m)、キログラム(kg)、秒(s)、アンペア(A)、ケルビン(K)、モル(mol)、カンデラ(cd)を基礎として構築されています。これらの単位を基本単位(base units)と言います。
これらの基本単位以外の単位は、複数の基本単位の結合によって定義され、これを組立単位(deriverd units)と言います。例えば、周波数は「時間のマイナス1乗」で表され、基本単位では「s-1」となります。しかし、これででは不便なので、「Hz」という単位を組立単位として認め、使いやすくしています。
◎基本単位
・時間:秒:s
定義:1秒は、セシウム 133 の原子の基底状態の二つの超微細構造準位の間の遷移に対応する放射の周期の9,192,631,770 倍の継続時間。
定義の補則:この定義は、温度0 Kのもとで静止した状態にあるセシウム原子を基準とする。
・長さ:メートル:m
定義:1mは、1秒の299,792,458分の1の時間に光が真空中を伝わる行程の長さ。
・質量:キログラム:kg
定義:キログラムは質量の単位であって、単位の大きさは国際キログラム原器の質量に等しい。
定義の補則:
1. 「重量」という用語は「力」と同じ性質の量を示す。ある物体の重量は、その物体の質量と重力加速度の積であること。特に、ある物体の標準重量は、その物体の質量と標準重量加速度の積である。
2. 標準重力加速度の値に対して国際度量衡供給業務で採用された数値は、既にいくつかの国の法制によって承認されている数値、980.665 cm/s2である。
・電流:アンペア:A
定義:アンペアは、真空中に1mの間隔で平行に配置された無限に小さい円形断面積を有する無限に長い二本の直線状導体のそれぞれを流れ、これらの導体の長さ1mにつき2×10-7 ニュートンの力を及ぼし合う一定の電流。
定義の補足:この定義は、結果として真空の透磁率を正確に4π×10-7 H・m-1に固定すること。
・温度:ケルビン:K
定義:ケルビンは、水の三重点の熱力学温度の 1/273.16 。
・物質量:モル:mol
定義:
1. 1モルは、0.012 キログラムの炭素 12 の中に存在する原子の数に等しい数の要素粒子を含む系の物質量であり、単位の記号はmol である。
2. モルを用いるとき、要素粒子が指定されなければならないが、それは原子、分子、イオン、電子、その他の粒子又はこの種の粒子の特定の集合体であってよい。
定義の補則:この定義の中で、炭素 12 の原子は結合しておらず、静止しており、基底状態にあるものを基準とする。
・光度:カンデラ:cd
定義:カンデラは、周波数540×1012 ヘルツの単色放射を放出し、所定の方向におけるその放射強度が1/683ワット毎ステラジアンである光源の、その 方向における光度。
|