石油精製工場などで燃えている火
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更新日:
 2013年11月27日


◎石油精製プラントなどで、煙突から火が出ているのは何?

 これはフレアスタック(Flare Stack)と呼ばれる「安全装置」のひとつで、プラントで発生しているガスを燃やして、安全な状態で大気に放出する設備です。原油採掘施設、ガス処理施設、製油所などで発生する余剰ガスを無害化するために焼却している炎を見ることができます。
 石油を精製する製油所などの生産、処理プラントでは、原油を熱分解してガソリンや軽油を作っていますが、この時、メタンなどの炭化水素ガスが発生します。これらの余剰ガスを、そのまま大気中に放出すると、臭いが強く、環境汚染となります。また硫化水素のような有毒ガスを含むこともあり、そのまま放出するおとは危険です。そこで生産、処理施設から十分安全な距離に設置したフレアスタックに導いて、煙突の先で燃やすことによって、ある程度、無害化させているのがフレアスタックです。
 余剰ガスを燃焼させるのではなく、ガスを回収してリユースする方が良いとも考えられますが、それを実現させるには高度な技術と莫大なコストが必要となります。また、発生するガスを溜めておくことは漏えいの危険性や、引火による爆発の危険性もあり、現実的ではありません。
 そこで高い塔の先で燃やすことで工場内での引火、爆発の危険を減らし、かつ処理コストを低減させるためにフレアスタックが採用されています。
 フレアスタックには黒煙防止のために頂部にスチーム(蒸気)を吹き込んで可燃性ガスと空気を適当に混合させるなどの工夫がされています。黒煙は不完全燃焼の状態であり、カーボンが「燃え残っている」ことを示しています。この状態は、大気汚染を発生させることになりますので、空気と混合させて完全燃焼させ、二酸化炭素と水(水蒸気)のみが排出されるように運転されています。
 余剰ガスの発生量にかかわらず常時燃焼を続けるように設計されており、ガス供給が一時的に止まった場合でもパイロットが着火しており、燃焼が中断しないようになっています。
 また、燃焼の炎が装置や施設内に逆流しないように、「フレーム・アレスター(flame arrester:逆火防止装置)」という安全装置が付いています。



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