原発の燃料のお話

  メニュー 

 TOPページ 

 日本情報 

 海外事情 

 辞典 

 医学の話 

 科学の話 

 食品の話 

 知識の宝箱 

 メモ帳 

  



更新日:
 1999年12月27日



◎原発の燃料(1999年12月26日、朝日新聞)
 原発の燃料は、核燃料物質を焼き固めてセラミックにしてある。それをペレットと呼んでいる。このペレット1個は、石油換算で焼く300kg分のエネルギーに相当する。またペレットの大きさは、関西電力の高浜原発の場合、直径8.2mm、高さ11.5mmほどの円筒形で、重さは約6グラム。ウラン燃料は二酸化ウランの粉末を約1700℃で焼き固める。MOX燃料は、二酸化ウランと二酸化プルトニウムの粉末を混ぜて焼き固めている。
 発電に使う際は、ペレット300個ほどをジルコニウム合金製の特殊な金属管(被覆管)に詰めて燃料棒を作り、この燃料棒を数十本〜数百本、一つの燃料集合体に束ねている。原発には、その燃料集合体がたくさん入れられている。高浜原発の場合、ペレットの数は1基あたり1000万個を超えている。
 核燃料は、ペレット、金属、溶液の三種類に分けられるが、ペレットは高温でも溶けない、化学的な性質が安定している、熱を取り出すための冷却水に触れても腐食しにくい、などの利点を持っているため、広く利用されている。ペレットの大きさを小さくしているのは、表面積を大きくし、熱効率を上げる目的がある。
 運転中はペレットが高温になり、体積が膨張する。通常、ペレットと被覆管の内側には隙間があり、膨張しても接触しないように設計されている。このためペレットの直径が設計よりも太いと、運転時に被覆管とペレットが接触し、被覆管に亀裂が生じ、放射性物質が漏れる危険性がある。逆に直径が小さすぎると、ペレットが被覆管の中でがたつき、破損の原因にもなる。
 高浜原発用のMOX燃料は、直径が8.179〜8.204mmの間におさまらなければならない。つまり誤差の許容範囲は25μmしかない。



inserted by FC2 system