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更新日:
2020年5月3日
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◎麺を茹でるのに、たっぷりのお湯が必要な理由(2019年12月1日)
蕎麦、うどんなどを茹でる時、「たっぷりのお湯」を使って茹でる方が良いという話を聞いたことがあるでしょうか。何故、たっぷりのお湯で茹でる必要があるのでしょうか。
その理由は、主に下記の3点ではないでしょうか。
@麺を鍋に入れた時に沸騰状態を維持できるようにする。
A麺同士がくっつかないようにする。
B麺の表面についている打ち粉の影響を減らす。
下記に、それぞれについて説明します。
@麺を鍋に入れた時に沸騰状態を維持できるようにする。
1人前の量の麺を茹でるのにも3Lくらいの大きな鍋に8分目くらいの水を入れて沸騰させます。麺を茹でる時は、沸騰状態を維持することが重要なのです。
麺の量に対して、お湯の量が少ないと、沸騰したお湯に常温の麺を入れた時、お湯の温度が一気に下がってしまいます。これでは、麺をぬるま湯から茹でることになり、麺の美味しい状態を維持できなくなってしまいます。このため規定の時間だけ茹でた場合には、少し茹で加減が足りなくなりますし、その分、長く茹でると麺が柔らかくなりすぎ、美味しさを損なったり、旨味がお湯の中に逃げてしまうことにもなります。
お湯の温度が下がりにくいようにするためには、大量のお湯が必要です。差し水なんてものは、必要ありません。
A麺同士がくっつかないようにする。
鍋が小さいと、麺同士がくっついたり、ぶつかってこすれてしまいます。このような状態が続くと、麺の表面にダメージを与え、本来持っている麺の美味しさを損なってしまいます。
大量の御湯があれば、そのなかを麺が、ぐるぐると泳ぎ回り、互いにこすれることは少なくなり、麺を痛めることなる美味しく仕上げることができます。
鍋の中心をガスコンロからずらすことで鍋の中のお湯に対流を起こし、麺を動かすという技もあるようです。
B麺の表面についている粉の影響を減らす。
麺によっては表面に打ち粉がされています。これは、保存する時に麺同士がくっつくことを防ぐためですが、食べる時には不要なものです。
打ち粉はでんぷん質のものがほとんどだと思いますが、少量のお湯で麺を茹でた時には、この打ち粉もお湯に溶け、お湯の粘度を上げたり、麺の表面にくっついたりします。お湯の粘度が上がれば麺同士がからみつきやすくなりますし、打ち粉成分の入ったお湯が麺にからみつくことになります。これでは美味しい麺に仕上げることができなくなります。したがって、たっぷりのお湯で茹でることが必要なのです。
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