洗剤のお話

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更新日:
 2008年6月28日








 洗剤は、@界面活性剤、Aビルダー、B添加物、で構成されています。

@界面活性剤:汚れを落とす主成分です。
 陰イオン系界面活性剤と非イオン系界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテルなど)があります。

Aビルダー:界面活性剤の働きを助ける成分です。
 以下のものがあります。
・ゼオライトなど(硬水軟化作用)
・炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウムなど(アルカリ緩衝作用)
・再汚染防止剤(カルボキシルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウムなど)(再汚染防止作用)

B添加物:洗剤としての働きを助ける成分です。
 以下のものがあります。
・酵素(プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ)(汚れの分解、細分化)
・酵素(セルラーゼ)(綿単繊維内部の汚れの除去)
・漂白剤(着色汚れの漂白)
・蛍光剤(白度の維持)

 洗剤には、洗浄力を高めるために適当な補助剤が添加されており、これらは「ビルダー(builder)」と呼ばれています。従来、ビルダーとしてリン酸塩が使用されてきましたが、湖沼の富栄養化の原因として問題になり、現在では無リン系洗剤に転換されています。合成洗剤に配合されているビルダーは、重量比で洗剤よりも多量に含まれています。よく利用されているものを以下にまとめます。

(1)硫酸ナトリウム
 中性塩で繊維を傷めず、洗浄力を増加させます。増量剤兼、粒子の固結も防止します。通常は、約50%含まれています。

(2)ゼオライト
 カルシウムやマグネシウムなどの多い硬水中の金属イオンをナトリウムイオンと交換・固定させるために加えられています。約30〜35%含まれています。

(3)ケイ酸ナトリウム
 洗剤の洗浄効果は、ふつうpHの高いほど大きくなる傾向があるので、ケイ酸ナトリウム(水ガラス)が添加されています。これは、金属部の腐食を防いだり、コロイド状ケイ酸による汚れの吸着作用を利用しての再汚染の防止にも役立っています。

(4)炭酸ナトリウム
 pHの調整用ですが、単独でも油性の汚れの洗浄効果があります。

(5)カルボキシメチルセルロース
 汚れを分散させる力が強いので(乳化作用)、繊維から離れた汚れが再び繊維に付着する(再吸着)のを防ぎ、汚れの微粒子を安定化させる働き(再汚染防止作用)があります。

(6)蛍光漂白剤
 繊維はもともと淡い黄色を示し、洗濯によってこの色は濃くなります。このため青から紫色の蛍光を発する色素を添加して、純白に見えるようにしています。普通、0.1〜0.3%程度、添加されています。このためブラックライトを当てると青白く光るシャツができてしまいます。

参考文献
1) 前野昌弘:“微粒子の科学”、日刊工業新聞社(1992)
 

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