歯磨き粉の成分のお話

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更新日:
 2008年6月28日


◎歯磨き粉の成分
 歯磨き粉は粉末成分、保湿剤、界面活性剤、結合剤、甘味剤、その他の成分からできています。粉末成分は歯の表面の汚れや歯垢をを取り除く働きをする成分で、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムなどです。これらは歯の表面のエナメル質を痛めない程度の硬さを持っています。
 保湿剤は、歯磨きをしているときに粉末成分が飛び散らないように、また歯磨きチューブの中で固まりができないように加えられている成分であり、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビットなどです。
 界面活性剤は泡立ちを良くし、口の中全体に広がった泡とともにまんべんなく汚れを落とす働きをする成分で、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルサイコシンナトリウムなどです。
 結合剤は、配合されている各成分がチューブの中や、歯を磨いているときに分離することなく、バランスよく混ざるような働きをする成分で、CMC(カルボキシルメチルセルロースナトリウム)、海草粘液質、コロイド性ケイ酸アルミニウムなどです。

・過酸化水素
 この物質は、実際に歯を白くすることが実証されている数少ない成分の一つです。本質的には、ブリーチングに使用されます。日本では店頭販売されていない為、歯科医が処方してくれるブリーチングキットの中に入っています。

・重炭酸ナトリウム
 歯についたコーヒーや食物のシミ、汚れを取り除くのに役立つと言われています。重炭酸ナトリウムは摩擦性があり、歯を研磨してプラークを取り除きます。そして歯を清潔で滑らかな感覚にします。
 歯磨き粉に入っている研磨性のある他の成分としては、二リン酸カルシウム、陶土、ベントナイト、シリカ、炭酸カルシウムなどが挙げられます。
 
・知覚過敏に効用のある成分
 塩化ストロンチウムと硝石の二つが、知覚過敏用の歯磨き粉に使用されています。知覚過敏とは、熱い食べ物や、冷たい食べ物に過敏な歯の不快感のことで、これらの成分は、この不快感を減少させる効果が認められています。これらの成分は、痛みの伝達をブロックするのです。しかし、急激に効果を表す成分ではなく、4〜6週間かけて過敏度を減少させる成分です。

・トリクロサン
 トリクロサンは抗菌剤です。以前から、抗菌石鹸、ローション、スポンジ、まな板などの抗菌成分として使用されてきました。歯磨き粉においても、プラークの原因となるバクテリアの成長を抑える働きによって、成人の歯肉炎に効果があることが医学的に実証されていました。
 Colgate-Palmolive社によって製造、販売されているColgate Totalだけが、殺菌性を持つトリクロサンを配合した唯一の歯磨き粉です。

・ピロリン酸ナトリウム
 この成分は、歯垢のコントロール用歯磨き粉の中に入っており、たいへん効果があります。この成分を用い、きちんと歯磨きしていれば、歯垢(プラーク)の形成は妨げられます。しかし、プラークが一度硬化して歯石に変わってしまうと、自分で取り除くことはできなくなります。これは、歯科医院でのスケーリング(歯石除去)という方法でしか取り除くことができないのです。
 
・プロピレングリコール
 この成分は、歯磨き粉のしっとり感を保ち、固まるのを防ぎ、また分離して成分が液化するのを防ぐ成分として広く使われている湿潤剤です。その他の湿潤剤としては、ソルビトール、グリセロールなどがあります。

・ナトリウムサッカリン
 この成分は、最も安価な甘味剤です。そのため、非常に多くの歯磨き粉で使用されています。ナトリウムサッカリンは、テーブルシュガーの約600倍の甘味があります。そのため、少量で歯磨き粉を甘くすることができます。これ以外に甘味剤としては、アスパルテームなどが使用されています。



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