キュービクルのお話
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更新日:
 2012年10月7日






◎キュービクル(Cubicles)(2012年10月7日)
 キュービクルとは、「キュービクル式受変電設備」の略称で、電気事業者から高圧で受電する設備です。ロッカーのような外観をした金属製の箱の中に変圧器、コンデンサ、その他の保安装置などの機器を収めた受電設備です。海外ではCubicles(Electric Switchboard Equipment)という名称で呼ばれ、立方体の小部屋という意味があります。
 一般的に建築物に供給される電気は、ほとんどが電力会社から供給されています。電力会社が保有している発電設備や変電設備は都心部から離れた場所にあることが多く、電気を使用する都心部まで数十km〜数百kmの距離があります。このような長距離を送電するためには、送電時の損失を小さくすることが重要です。
 発電所で発生させた電気は送電線で送られますが、送り出した電気エネルギーの全てが各家庭まで届くわけではありません。送電線の抵抗などのために、電気の一部は熱となって途中で、空中へ逃げてしまいます。これを「送電損失」あるいは「送電ロス」と言います。送電線に電気抵抗の少ないアルミ線を導入したり、コンピュータによる最短距離での送電方式を取り入れたりして送電のロスを減らしていますが、最も基本的な方法は、送電電圧を高くすることです。電圧を高くすると電流が小さくでき、送電時に発生する線路での電力損失を小さくすることができます。
 しかし、数万ボルト〜数十万ボルトの電圧では、需要家で使用することが出来ません。そのため、高圧受変電設備であるキュービクルによって、電力会社から6.6kVや3.3kVで受電した電気を100Vや200Vに変成しています。
 この受変電設備は区分開閉器、断路器、遮断器、変圧器、保護継電器、制御装置、計測機器、低圧配電設備から構成されており、電力会社から供給される電気を、安全かつ確実に電気器具に配電するように計画する必要があります。一般家庭でも、電力会社と50kW以上の契約をする場合は、高圧での供給を求められるため、家庭に受変電設備としてキュービクルを設置することがあります。
 電力会社から供給される電源は、50kW以下の容量であれば、100Vや200Vなど低圧による供給が可能です。例えば、50kW程度の電力であれば、流れる電流は150A程度のため、ケーブルサイズもCVTケーブルであれば60sq〜100sq程度で供給することが可能です。しかし、これを超える電力の要望があった場合、ケーブルサイズが大きくなりすぎてしまい、電力会社にとって、経済性も施工性も悪くなります。このため一定量以上の電力を必要とする需要家では、高圧のまま需要家に電源を引き込み、需要家側にキュービクルなどの受変電設備を設置して低圧に変換することで、引込ケーブルのサイズを小さくしています。
 屋外で使用するキュービクルは、潮風を受ける、風雪を受けるなど、それぞれの設置環境に合わせた耐久性をもった設備を使用しなければいけません。屋外使用では防雨、防湿対応が必要ですし、潮風を受ける場所では耐塩害仕様とする必要があります。風雪を受ける場所では結露防止、断熱、ヒーター内蔵などが考えられます。

キュービクルの特徴
 ・機器類を極力簡素化して外箱に収めているため、所要床面積が少なくて済みます。
 ・専用の部屋が不要で、地下室、屋上、構内の一部などに簡単に設置できます。
 ・接地された金属製の外箱の中に機器一式が収納されているため、危険が少なくなります。
 ・内部機器の簡素化によって、保守点検が容易になります。




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