PID制御のお話
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更新日:
 2009年2月4日






◎PID制御
 PID制御は、フィードバック制御の一種であり、比例制御(Proportional Control)、積分制御(Integral Control)、微分制御(Derivative Control)を組み合わせて設定値に収束させる制御のことです。すなわち、入力値の制御を、出力値と目標値との偏差、その積分、および微分の3つの要素によって行う方法です。
 基本的なフィードバック制御として、比例制御(P制御)があります。これは、入力値を出力値と目標値の偏差の一次関数として制御するものです。すなわち、偏差(設定値と現在値の差)に比例させて操作量を変える制御方法です。したがって偏差が大きいほど操作量が大きく、設定値に近づく速度が速くなります。また、設定値に近づくと操作量が小さくなり、設定値に近づく速度が小さくなります。ところが、操作量が小さくなりすぎると、制御される側が反応せず、偏差が残ったままになる場合があります(定常偏差)。
 この欠点を補うのが積分制御(I制御)です。積分制御は、偏差を足していき、その値に比例して操作量を変えるため、定常偏差を解消することができます。
 設定値に到達させるだけであれば、これらを組み合わせたPI制御(比例制御と積分制御)で可能です。しかし、積分制御は偏差を足していくため時間がかかります。このためPI制御では、現在値が設定値からずれた場合、ある程度時間が経たないとシステムが反応しません。
 この欠点を補うために微分制御(D制御)があります。微分制御は偏差の変化率、つまり偏差が変化する速度を捉え、これに比例した操作量を出すため、応答速度が早くなります。これらの3つの制御を組み合わせたものがPID制御です。





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